JP2002220597A - ディーゼルエンジン油組成物 - Google Patents

ディーゼルエンジン油組成物

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JP2002220597A JP2001019967A JP2001019967A JP2002220597A JP 2002220597 A JP2002220597 A JP 2002220597A JP 2001019967 A JP2001019967 A JP 2001019967A JP 2001019967 A JP2001019967 A JP 2001019967A JP 2002220597 A JP2002220597 A JP 2002220597A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摩擦低減による燃費向上、すす混入下での高温
清浄性、摩耗防止性を発揮するディーゼルエンジン油組
成物。 【解決手段】100℃動粘度2〜8mm2/s、粘度指数120>の
鉱油基油にホウ酸Ca過塩基性CaサリシレートをCaで0.15
〜0.20質量%、1級・2級ジアルキルジチオリン酸亜鉛か
らなり1級に対する2級のP質量比1.0〜1.3の混合物をP
で0.10〜0.15質量%、数平均分子量900〜1100・1400〜1
600のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドからなり
数平均分子量1400〜1600に対する数平均分子量900〜110
0のN質量比2.0〜3.0のコハク酸イミド無灰分散剤をNで
0.08〜0.15質量%、Moジチオカーバメート摩擦調整剤を
Moで0.05〜0.10質量%、重量平均分子量250000〜350000
のポリメタクリレート粘度指数向上剤を組成物100℃動
粘度が9〜12mm2/sとなる量含むディーゼルエンジン油組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
油組成物に関し、詳しくは、省燃費性に優れると共に、
清浄性、摩耗防止性に優れるディーゼルエンジン油組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】石油危機を契機に実施され始めた自動車
の低燃費化は、資源保護及び環境保護の観点から今後も
依然、重要課題の一つである。自動車の燃費向上は車体
重量の軽量化、燃焼の改善及びエンジンの低摩擦化によ
り行われている。エンジンの低摩擦化は動弁系構造の改
良、ピストンリングの本数低減、摺動部材の表面粗さ低
減、及び低燃費エンジン油の使用等により行われてい
る。これらのなかで低燃費エンジン油の使用は費用/性
能比が優れていることから、市場においても一般的にな
ってきている。
【0003】エンジンを低摩擦化する低燃費エンジン油
には、通常、摩擦低減に有効な添加剤として摩擦調整剤
(FM)が添加されている。このような低燃費エンジン
油として、特開平8−302378号公報には、特定の
基油に、カルシウムサリシレート系清浄剤、ジアルキル
ジチオリン酸亜鉛、ポリブテニルコハク酸イミド系無灰
分散剤、フェノール系無灰酸化防止剤、モリブデンジチ
オカーバメート系摩擦調整剤及び粘度指数向上剤をそれ
ぞれ特定量含有してなるエンジン油組成物が開示されて
いる。
【0004】ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと
比較して熱効率が良く、省燃費性に優れるため、摩擦調
整剤を配合した省燃費ディーゼルエンジン油は、従来あ
まり必要とされていなかったが、近年における環境負荷
低減の機運の高まりから、ディーゼルエンジンに対して
も省燃費性の向上が求められており、ディーゼルエンジ
ン油についても、更なる低粘度化、摩擦調整剤の添加に
よる性能向上が必要となってきている。
【0005】通常、ディーゼルエンジン油にはすすが混
入した条件下等において酸中和性、清浄性を維持できる
よう、ガソリンエンジン油に比べて金属系清浄剤が多量
に含まれる。このようなガソリンエンジン油にモリブデ
ンジチオカーバメート系摩擦調整剤等の摩擦調整剤を添
加して摩擦を低減しようとする場合、金属系清浄剤によ
り摩擦調整剤の効果が低下する。加えて、ディーゼルエ
ンジン油には高荷重下で過酷な摺動条件にある動弁系の
摩耗を防ぐためにジアルキルジチオリン酸亜鉛が通常添
加されるが、これもまたモリブデンジチオカーバメート
系摩擦調整剤の効果に影響を及ぼすことが明らかとなっ
ている。従って、ディーゼルエンジン油においては、清
浄性を維持し、エンジン部品の摩耗を防ぎながら、且つ
摩擦低減による燃費向上を達成することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状に鑑みなされたものであり、その目的は、摩擦低減に
よる燃費向上を達成しながら、すす混入下等においても
優れた高温清浄性、摩耗防止性を発揮しうるディーゼル
エンジン油組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の基油に、
ホウ酸カルシウム過塩基性カルシウムサリシレート系清
浄剤他、特定の添加剤を特定量配合することで、ディー
ゼルエンジンにおいて、常〜高温領域に渡り優れた省燃
費性を有し、併せて優れた清浄性能、摩耗防止性能を有
する省燃費ディーゼルエンジン油組成物を見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、100℃での
動粘度が2〜8mm2/sであり、粘度指数が120以
上の鉱油系基油に、組成物全量基準で、(A)ホウ酸カ
ルシウム過塩基性カルシウムサリシレートを、カルシウ
ム元素濃度換算で0.15〜0.20質量%、(B)第
1級ジアルキルジチオリン酸亜鉛と第2級ジアルキルジ
チオリン酸亜鉛とからなり、第1級ジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛に対する第2級ジアルキルジチオリン酸亜鉛の
リン元素濃度換算での質量比が1.0〜1.3であるジ
アルキルジチオリン酸亜鉛混合物を、リン元素濃度換算
で0.10〜0.15質量%、(C)数平均分子量90
0〜1100のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミド
と数平均分子量1400〜1600のポリブテニル基含
有ビスコハク酸イミドとからなり、数平均分子量140
0〜1600のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミド
に対する数平均分子量900〜1100のポリブテニル
基含有ビスコハク酸イミドの窒素元素濃度換算での質量
比が2.0〜3.0であるコハク酸イミド系無灰分散剤
を、窒素元素濃度換算で0.08〜0.15質量%、
(D)モリブデンジチオカーバメート系摩擦調整剤を、
モリブデン元素濃度換算で0.05〜0.10質量%、
及び、(E)重量平均分子量が250,000〜35
0,000であるポリメタクリレート系粘度指数向上剤
を、組成物の100℃における動粘度が9〜12mm2
/sとなる量、それぞれ含むことを特徴とするディーゼ
ルエンジン油組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のディーゼルエンジン油組
成物は、特定の性状を有する鉱油系基油を含む。
【0010】前記鉱油系基油の100℃での動粘度の下
限値は2mm2/s、好ましくは3mm2/sであり、一
方、100℃での動粘度の上限値は8mm2/s、好ま
しくは7mm2/sである。基油の100℃での動粘度
が2mm2/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が
不十分であるため潤滑性に劣り、また基油の蒸発損失が
大きくなる。一方、基油の100℃での動粘度が8mm
2/sを越える場合は、流体抵抗が大きくなるため潤滑
箇所での摩擦損失が大きくなる。
【0011】前記鉱油系基油の粘度指数は120以上で
ある。これにより常温での粘度特性に優れたエンジン油
組成物とすることができる。基油の粘度指数が120未
満である場合、常温での粘度特性を良くするためには、
より低粘度の基油を配合する必要があり、その結果、エ
ンジン油の蒸発損失量の増加やエンジン油の粘度上昇が
起こる。
【0012】前記鉱油系基油の全芳香族含有量は特に制
限はないが、その上限値は、15質量%、好ましくは1
0質量%、より好ましくは5質量%とすることができ
る。基油の全芳香族含有量が15質量%を越える場合
は、本発明の組成物に含まれる各添加剤との相乗効果が
得られず、摩擦低減効果の持続性に劣るため好ましくな
い。一方、前記鉱油系基油の全芳香族含有量の下限値に
は格別な限定はないが、全芳香族含有量が2質量%未満
の場合は、各種添加剤が基油に対し十分な溶解性を有さ
ない場合があるので、全芳香族含有量は2質量%以上で
あるのが特に好ましい。
【0013】なお、本発明でいう全芳香族含有量とは、
ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分
(aromatic fraction)含有量を意味
し、通常、この芳香族留分には、アルキルベンゼン、ア
ルキルナフタレン、アントラセン、フェナントレン、及
びこれらのアルキル化物、四環以上のベンゼン環が縮合
した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール
類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が
含まれる。
【0014】前記鉱油系基油としては、具体的には、原
油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶
剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化
精製、ワックス異性化等の処理を1つ以上行って精製し
たもの等が挙げられ、特に水素化分解処理や水素化精製
処理あるいはワックス異性化処理が施されたもの等の各
種の基油を用いることができる。前記特定の性状を有す
る鉱油系基油としては、これら各種の基油のうち、前記
特定の性状を有するものを選択して用いることもでき、
また、これら各種の基油を2種以上混合して前記特定の
性状としたものを用いることもできる。前記特定の性状
を有する鉱油系基油として2種以上の基油を混合したも
のを用いる場合、混合物を構成する基油のそれぞれが前
記特定の性状を有することは必要ではなく、鉱油系基油
の混合物が前記特定の性状を有していればよい。例え
ば、100℃での動粘度の上限値又は下限値が上記範囲
以外の基油、又は粘度指数が120未満の基油を含む2
種以上の基油を混合し、混合物の動粘度及び粘度指数を
前記特定の性状の範囲内とした混合物も、本発明の組成
物の成分の鉱油系基油として用いることができる。
【0015】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
ホウ酸カルシウム過塩基性カルシウムサリシレート(以
下、「(A)成分」という。)を含む。(A)成分は、
中性カルシウムサリシレートをホウ酸カルシウムによっ
て過塩基化することによって得ることができる。前記中
性カルシウムサリシレートとは、炭化水素基置換サリチ
ル酸を当量のカルシウム塩基(カルシウム水酸化物やカ
ルシウム酸化物)で中和する方法等により得ることがで
きる。(A)成分としては、具体的には例えば、下記一
般式(3)で表されるカルシウムサリシレートを過塩基
化したものが挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】式(3)中、Mはカルシウムを示し、R5
は直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などの
炭化水素基を示し、特にアルキル基が望ましい。アルキ
ル基の炭素数は12〜30、好ましくは14〜18であ
ることが望ましく、具体的にはドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、
イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル
基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル
基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、
トリアコンチル基などが挙げられ、これらは直鎖でも分
岐でもよい。なお、サリチル酸にアルキル基を導入する
際にα−オレフィンの混合物を原料とすることができる
が、この場合、カルシウムサリシレートとしては、異な
る構造のアルキル基を有するカルシウムサリシレートの
混合物が得られ、このような混合物は単離して又は混合
物のまま(A)成分の調製に用いることができる。
【0018】(A)成分であるホウ酸カルシウム過塩基
性カルシウムサリシレートの全塩基価は任意であり、特
に制限はないが、酸化安定性に優れる点から、その下限
値は、好ましくは60mgKOH/g、より好ましくは
150mgKOH/gであり、一方、その上限値は、好
ましくは400mgKOH/g、より好ましくは350
mgKOH/gである。なお、ここでいう全塩基価と
は、JIS K 2501−1992「石油製品及び潤
滑油−中和価試験方法」の「6.電位差滴定法」に準拠
して測定される、いわゆる過塩素酸法による全塩基価を
意味している。
【0019】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける(A)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準
で、カルシウム元素濃度換算で0.15質量%、好まし
くは0.16質量%であり、一方、(A)成分の含有量
の上限値は、組成物全量基準で、カルシウム元素濃度換
算で0.20質量%、好ましくは0.19質量%であ
る。(A)成分の含有量が0.15質量%未満の場合は
高温清浄性が悪化し、一方、(A)成分の含有量が0.
20質量%を超える場合は、モリブデンジチオカーバメ
ート系摩擦調整剤による摩擦低減効果が十分発現しな
い。
【0020】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
第1級ジアルキルジチオリン酸亜鉛と第2級ジアルキル
ジチオリン酸亜鉛とからなるジアルキルジチオリン酸亜
鉛混合物(以下「(B)成分」という。)を含む。
【0021】前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛として
は、具体的には例えば下記一般式(1)で表わされるも
のを挙げることができる。
【0022】
【化2】
【0023】上記式(1)中、R1、R2、R3及びR
4は、それぞれ個別に、炭素数2〜18、好ましくは炭
素数4〜12の第1級アルキル又は炭素数3〜18、好
ましくは炭素数3〜10の第2級アルキル基を示す。
【0024】本明細書において、炭素数2〜18の第1
級アルキル基とは、以下の一般式(4)で表される基を
いう。 R6−CH2− (4)
【0025】上記式(4)中、R6は炭素数1〜17、
好ましくは炭素数3〜11の直鎖又は分岐アルキル基を
示す。R6としては、具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデ
シル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、
ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基等の
アルキル基(アルキル基は直鎖状でも分岐状でも良い)
が例示できる。
【0026】また、本明細書において、炭素数3〜18
の第2級アルキル基とは、以下の一般式(5)で表され
る基をいう。
【0027】
【化3】
【0028】上記(4)式中、R7及びR8は、それぞれ
個別に、炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜8であ
り、かつR7とR8の合計炭素数が2〜17、好ましくは
2〜9である直鎖又は分岐アルキル基を示す。R7及び
8としては、具体的には、それぞれ個別に、直鎖又は
分岐の、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデ
シル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシ
ル基等が例示できる。
【0029】前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の製造法
としては、任意の従来方法が採用可能であって、特に限
定されないが、具体的には例えば、前記R1、R2、R3
及びR4に対応する炭化水素基を持つアルコール又はフ
ェノールを五硫化二リンと反応させてジチオリン酸をつ
くり、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成する
ことができる。これにより、使用する原料アルコールに
対応したアルキル基を有するジチオリン酸亜鉛を得るこ
とができる。
【0030】前記ジアルキルジチオリン酸亜鉛として特
に好ましいものとしては、ジイソプロピルジチオリン酸
亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ブ
チルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ペンチルジチオリ
ン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−s
ec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、sec−ブチル−s
ec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリ
ン酸亜鉛、ジ−2エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ
−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチ
オリン酸亜鉛、ジイソトリデシルジチオリン酸亜鉛、及
びこれらの混合物等が挙げられる。
【0031】本発明のディーゼルエンジン油組成物に含
まれる(B)成分においては、第1級ジアルキルジチオ
リン酸亜鉛に対する第2級ジアルキルジチオリン酸亜鉛
のリン元素濃度換算での質量比は1.0〜1.3であ
る。該質量比が1.0未満である場合は、モリブデンジ
チオカーバメート系摩擦調整剤の摩擦低減効果が十分に
発揮されず、一方1.3を超える場合はすす混入下での
摩耗防止性能が低下する。
【0032】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける(B)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準
で、リン元素濃度換算で0.10質量%、好ましくは
0.11質量%であり、一方、(B)成分の含有量の上
限値は、組成物全量基準で、リン元素濃度換算で0.1
5質量%、好ましくは0.13質量%である。(B)成
分の含有量が0.10質量%未満の場合は摩耗防止性能
が低下し、一方、(B)成分の含有量が0.15質量%
を超える場合は排気ガスに悪影響を与える。
【0033】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
特定のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドからなる
コハク酸イミド系無灰分散剤(以下「(C)成分」とい
う。)を含む。
【0034】前記ポリブテニル基含有ビスコハク酸イミ
ドとしては、下記式(6)で表わされる化合物を挙げる
ことができる。
【0035】
【化4】
【0036】上記式(6)中、PIBは数平均分子量9
00〜1100あるいは数平均分子量1400〜160
0のポリブテニル基を示し、nは2〜5の数を示す。
【0037】前記式(6)で表わされる化合物の製法は
特に制限はないが、例えば数平均分子量900〜110
0あるいは数平均分子量1400〜1600のポリブテ
ン又は塩素化ポリブテンを無水マレイン酸と100〜2
00℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸をポ
リアミンと反応させることにより得ることができる。ポ
リアミンとしては、具体的には、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン等が例示できる。また、
前記ポリブテンとしては、1−ブテン混合物又は高純度
イソブテンを塩化アルミニウム系あるいはフッ化ホウ素
系触媒で重合させたものを挙げることができる。
【0038】また、(C)成分に含まれるポリブテニル
基含有ビスコハク酸イミドとしては、前記式(6)で表
わされる化合物の他に、これを有機酸等により変性した
ものを用いることもできる。具体的には、例えば、前記
式(6)で表わされる化合物に炭素数1〜30のモノカ
ルボン酸(脂肪酸等)やシュウ酸、フタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカル
ボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミ
ノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわ
ゆる酸変性化合物を用いることができる。
【0039】本発明のディーゼルエンジン油組成物に含
まれる(C)成分においては、ポリブテニル基として数
平均分子量1400〜1600のものを有するポリブテ
ニル基含有ビスコハク酸イミドに対する、ポリブテニル
基として数平均分子量900〜1100のものを有する
ポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドの窒素元素濃度
換算での質量比が、2.0〜3.0である。即ち、
(C)成分においては、ポリブテニル基として数平均分
子量1400〜1600のものを有するポリブテニル基
含有ビスコハク酸イミドに含まれる窒素原子1質量部に
対して、ポリブテニル基として数平均分子量900〜1
100のものを有するポリブテニル基含有ビスコハク酸
イミドに含まれる窒素原子は2.0〜3.0質量部存在
する。該質量比が2.0未満の場合は粘度−温度特性の
悪化によりエンジン内摩擦損失が増加し、一方、3.0
を超える場合には、高温清浄性能が悪化する。
【0040】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける(C)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準
で、窒素元素濃度換算で0.08質量%、好ましくは
0.09質量%であり、一方、その上限値は、組成物全
量基準で窒素元素濃度換算で0.15質量%、好ましく
は0.14質量%である。(C)成分の含有量が0.0
8質量%未満である場合は、十分な清浄性能が得られ
ず、一方、(C)成分の含有量が0.15質量%を超え
る場合は、ゴムシール剤に悪影響を与える。
【0041】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
モリブデンジチオカーバメート系摩擦調整剤(以下
「(D)成分」という。)を含む。(D)成分として
は、潤滑油の摩擦調整剤として用いられる任意のモリブ
デンジチオカーバメートが使用可能であるが、特に、以
下の一般式(7)で表されるものが好ましい具体例とし
て挙げられる。
【0042】
【化5】
【0043】上記(7)式中、R9、R10、R11及びR
12は、それぞれ個別に、炭素数2〜18のアルキル基又
はアルキルアリール基等の炭化水素基を示し、Y1
2、Y 3及びY4は、それぞれ個別に、S(硫黄原子)
又はO(酸素原子)を示す。
【0044】ここでいうアルキル基には1級アルキル
基、2級アルキル基又は3級アルキル基が含まれ、これ
らは直鎖状でも分岐状でもよい。好ましいアルキル基と
しては、具体的には、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基等のアルキル基(これらアル
キル基は直鎖状でも分岐状でも良い)が例示できる。ま
た好ましいアルキルアリール基としては、具体的には、
ブチルフェニル基、ノニルフェニル基等のアルキルアリ
ール基(これらアルキル基は直鎖状でも分岐状でも良
い)が例示できる。
【0045】(D)成分の好ましい具体例としては、硫
化モリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化モリブ
デンジプロピルジチオカーバメート、硫化モリブデンジ
ブチルジチオカーバメート、硫化モリブデンジペンチル
ジチオカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルジチオ
カーバメート、硫化モリブデンジオクチルジチオカーバ
メート、硫化モリブデンジデシルジチオカーバメート、
硫化モリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化モ
リブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化モリブ
デンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメート、硫化モ
リブデンジ(ノニルフェニル)ジチオカーバメート、硫
化オキシモリブデンジエチルジチオカーバメート、硫化
オキシモリブデンジプロピルジチオカーバメート、硫化
オキシモリブデンジブチルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジペンチルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジヘキシルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジオクチルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジデシルジチオカーバメート、硫化オキ
シモリブデンジドデシルジチオカーバメート、硫化オキ
シモリブデンジトリデシルジチオカーバメート、硫化オ
キシモリブデンジ(ブチルフェニル)ジチオカーバメー
ト、硫化オキシモリブデンジ(ノニルフェニル)ジチオ
カーバメート等のモリブデンジチオカーバメート及びこ
れらの混合物が例示できる。これらのモリブデンジチオ
カーバメートに含まれるアルキル基は直鎖状でも分岐状
でも良い。
【0046】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける(D)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準
で、モリブデン元素濃度換算で0.05質量%、好まし
くは0.06質量%であり、一方、その上限値は、組成
物全量基準で、モリブデン元素濃度換算で0.10質量
%、好ましくは0.09質量%である。(D)成分の含
有量が組成物全量基準で0.05質量%未満である場合
は、十分な摩擦低減効果が得られず、一方、(D)成分
の含有量が組成物全量基準で0.10質量%を超える場
合は、エンジン油劣化時に油不溶性のスラッジが発生す
る。
【0047】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
特定のポリメタクリレート系粘度指数向上剤(以下
「(E)成分」という。)を含む。粘度指数向上剤とし
てポリメタクリレート系粘度指数向上剤を採用すること
により、オレフィンコポリマー系粘度指数向上剤等を採
用した場合と比べて、優れた粘度指数向上効果を得るこ
とができる。
【0048】(E)成分としては、潤滑油の粘度指数向
上剤として使用される任意の非分散型または分散型ポリ
メタクリレート化合物が使用可能である。前記非分散型
ポリメタクリレート系粘度指数向上剤としては下記一般
式(8)で表される化合物の重合体が挙げられる。
【0049】
【化6】
【0050】上記式(8)中、R13は水素原子又はメチ
ル基を示し、R14は炭素数1〜18のアルキル基を示
す。R14を示す炭素数1〜18のアルキル基としては、
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、デシル基、ウンデシル基、ド
デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシ
ル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基等(これらアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい)
等が例示できる。
【0051】また前記分散型ポリメタクリレート系粘度
指数向上剤としては、具体的には例えば、上記の一般式
(8)で表される化合物の中から選ばれる1種又は2種
以上のモノマーと、下記の一般式(9)又は(10)で
表される化合物の中から選ばれる1種又は2種以上の含
窒素モノマーを共重合して得られる共重合体等が好まし
いものとして挙げられる。
【0052】
【化7】
【0053】上記(9)式及び(10)式中、R15及び
17は、それぞれ個別に、水素原子又はメチル基を示
す。R16は炭素数2〜18のアルキレン基を示し、具体
的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペン
チレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン
基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシ
レン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデ
シレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オク
タデシレン基等のアルキレン基(これらアルキレン基は
直鎖状でも分岐状でも良い)が例示できる。eは0又は
1の整数を示し、Z 1及びZ2は、それぞれ個別に、窒素
原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残
基又は複素環残基をそれぞれ示す。このZ1及びZ2とし
ては、具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ
基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、
ベンゾイルアミノ基、モルホリノ基、ピロリル基、ピロ
リノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル
基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピ
ロリドノ基、イミダゾリノ基、ピラジノ基等が好ましい
ものとして例示できる。一般式(9)又は(10)で表
わされる含窒素モノマーとして好ましいものとしては、
具体的には、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジ
エチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、2−メチル−5−ビニルピリジン、モルホリノメ
チルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレー
ト、N−ビニルピロリドン及びこれらの混合物等が例示
できる。
【0054】また、分散型ポリメタクリレートの製造法
は任意であるが、通常、前記(8)式で表されるモノマ
ーと前記(9)式又は(10)式で表される含窒素モノ
マーとを80:20〜95:5程度のモル比で混合し、
ベンゾイルパーオキシドなどの重合開始剤の存在下でラ
ジカル溶液重合させることにより容易に共重合体を得る
ことができる。
【0055】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける(E)成分の重量平均分子量は、その下限値が25
0,000であり、より好ましくは260,000であ
る。一方、その上限値は350,000であり、より好
ましくは340,000である。(E)成分の重量平均
分子量が250,000未満であると常温領域でのエン
ジン摩擦損失が増加し、350,000を超えると高温
清浄性能が悪化する。本発明のディーゼルエンジン油組
成物は、(E)成分を、組成物の100℃における動粘
度が9〜12mm2/sとなる量含有する。組成物の1
00℃における動粘度がこの粘度範囲に入る限りにおい
て、(E)成分の含有量は任意であるが、通常、その含
有量は組成物全量基準で1〜10質量%程度とすること
ができる。
【0056】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
前記特定の鉱油系基油に前記特定割合の特定の(A)成
分〜(E)成分のみを含有するものであってもディーゼ
ルエンジン油としての優れた性能を備えるものである
が、これらの各種性能をさらに高める目的で、前記鉱油
系基油及び(A)成分〜(E)成分以外の、公知の潤滑
油添加剤(以下、「他の添加剤」という。)を単独で、
又は数種類組み合わせた形で、さらに含むことができ
る。
【0057】他の添加剤としては、例えば、アルカリ土
類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート等の
(A)成分以外のアルカリ土類金属系清浄剤;有機リン
酸エステル、有機亜リン酸エステル、脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、脂肪族アルコール等の(B)成分以外の摩耗防
止剤;長鎖アルキルポリアミン、長鎖脂肪酸とポリアミ
ンのアミド等の(C)成分以外の無灰分散剤;モリブデ
ンジチオホスフェート、二硫化モリブデン、長鎖脂肪族
アミン、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪族
アルコール等の(D)成分以外の摩擦調整剤;4,4’
−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノ
ール)等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナ
フチルアミン等のアミン系酸化防止剤;石油スルホネー
ト、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレ
ンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価ア
ルコールエステル等の防錆剤;ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル
等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤
に代表される抗乳化剤;イミダゾリン、ピリミジン誘導
体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾ
ール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4
−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジ
アゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメー
ト、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、β−
(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等
の金属不活性化剤;シリコーン、フルオロシリコール、
フルオロアルキルエーテル等の消泡剤等が挙げられる。
【0058】本発明のディーゼルエンジン油組成物にお
ける前記他の添加剤の含有割合は任意であるが、組成物
全量基準で、消泡剤では0.0005〜1質量%、金属
不活性化剤では0.005〜1質量%、その他の種類の
添加剤ではそれぞれ0.1〜15質量%の範囲とするこ
とができる。
【0059】本発明のディーゼルエンジン油組成物は、
ディーゼルエンジン、特に陸用ディーゼルエンジンの潤
滑油として好ましく使用することができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例及び比較例によ
ってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例になんら限定されるものではない。
【0061】(実施例1、比較例1〜7)表1の実施例
1の欄に示す組成を有するディーゼルエンジン油組成物
を調製した。この組成物について、以下に示す性能評価
試験により評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0062】比較のため、表1の比較例1〜7の欄に示
す組成を有するディーゼルエンジン油組成物を調製し、
これらの組成物についても前記と同様の試験により評価
を行なった。その結果を表1に示す。
【0063】(イ)高温清浄性能評価試験 ホモジナイザーを用いて、カーボンブラック(三菱化学
製MA100)を試料油組成物に1質量%攪拌分散させ
たものについて、パネルコーキング試験(Federa
l Test Method 791B−3462に準
拠)を実施してすす混入下での高温清浄性能について評
価した。試験はパネル温度290℃、油温100℃、3
時間の条件にて実施し、アルミニウムパネルに付着した
堆積物質量(mg)を測定した。
【0064】(ロ)摩耗防止性能評価試験 ホモジナイザーを用いて、カーボンブラック(三菱化学
製MA100)を試料油組成物に1質量%攪拌分散させ
た試料油について、シェル四球摩耗試験(JPI−5S
−32−90に準拠)を実施してすす混入下での摩耗防
止性能について評価した。試験は回転数1,800rp
m、荷重30kgf、試験時間10分の条件にて実施
し、下部3個の試験球の平均摩耗痕径を測定した。
【0065】(ハ)摩擦特性評価試験 台上モータリングエンジン試験によりエンジン全体摩擦
トルクを測定することにより摩擦特性評価を実施した。
エンジンは直列4気筒、2.5dm3、DOHC型のも
のを用いた。摩擦トルクの測定は、潤滑油温、冷却水温
が50℃、回転数が2000rpmの低温条件と潤滑油
温、冷却水温が80℃、回転数が800rpmの高温条
件にて行った。なお、市販の10W30 CD級ディー
ゼルエンジン油の当該モータリング試験における摩擦ト
ルクは、50℃、2000rpmの条件では8.13k
gf・m、80℃、800rpmの条件では6.12k
gf・mであった。
【0066】
【表1】 1)水素化分解鉱油;100℃動粘度4.0mm2/s、粘度指数123 2)ホウ酸カルシウムで過塩基化されたカルシウムサリシ
レート、全塩基価:190mgKOH/g、Ca含有量:6.5質量% 3)炭酸カルシウムで過塩基化されたカルシウムサリシレ
ート、全塩基価230mgKOH/g、Ca含有量:7.8質量% 4)ジ-2-エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛。リン含有量
7.4質量% 5)ジ-sec-ヘキシルジチオリン酸亜鉛。リン含有量7.2質
量% 6)数平均分子量1000のポリブテニル基を有する、ビスコ
ハク酸イミド。式(6)においてn=3であるもの。窒
素含有量2.0質量% 7)数平均分子量1500のポリブテニル基を有する、ビスコ
ハク酸イミド。式(6)においてn=3であるもの。窒
素含有量1.7質量% 8)モリブデンジチオカーバメート系摩擦調整剤。式
(7)においてアルキル基が炭素数8又は13であるも
の。Mo含有量4.5質量% 9)重量平均分子量300,000の、非分散型ポリメタクリレ
ート系粘度指数向上剤。 10)重量平均分子量150,000の、非分散型ポリメタクリレ
ート系粘度指数向上剤。 11)重量平均分子量500,000の、非分散型ポリメタクリレ
ート系粘度指数向上剤。
【0067】表1に示す結果から明らかな通り、本発明
に係る実施例1のエンジン油組成物は、低温、高温下に
おける摩擦トルクの改善効果が良好なほか、すす混入下
での高温清浄性能、摩耗防止性能に優れている。即ち、
ディーゼルエンジンにおいて優れた省燃費性能、高温清
浄性能、摩耗防止性能を示すものである。
【0068】これに対し、(A)成分の含有量が本発明
の組成物よりも多い場合(比較例1)及び(B)成分に
おける第1級アルキル基の組成比が本発明の組成物より
小さい場合(比較例3)には、高温下でのトルク改善効
果に劣り、(C)成分の代わりに数平均分子量1,00
0のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドのみを配合
した場合(比較例5)及び(E)成分の代わりに重量平
均分子量が150,000のポリメタクリレートを配合
した場合(比較例7)、低温下でのトルク改善効果に劣
る。
【0069】また、(A)成分の代わりに炭酸カルシウ
ム過塩基性カルシウムサリシレートを使用した場合(比
較例2)、(C)成分の代わりに数平均分子量1,50
0のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドのみを配合
した場合(比較例6)及び(E)成分の代わりに重量平
均分子量が500,000のポリメタクリレートを配合
した場合(比較例8)には、すす混入下での高温清浄性
能に劣り、(B)成分における第1級アルキル基の組成
比が本発明の組成物より大きい場合(比較例4)、すす
混入下での摩耗防止性能に劣る。
【0070】
【発明の効果】本発明のディーゼルエンジン油組成物
は、高温下及び低温下において共に省燃費性に優れ、か
つ、すす混入下等における高温清浄性、摩耗防止性に優
れたディーゼルエンジン油組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 145/14 C10M 145/14 149/02 149/02 149/10 149/10 159/22 159/22 // C10N 10:04 C10N 10:04 10:16 10:16 20:02 20:02 20:04 20:04 30:04 30:04 30:06 30:06 30:08 30:08 40:25 40:25 (72)発明者 上野 貴文 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 栗原 功 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社潤滑油部潤滑油研究所内 Fターム(参考) 4H104 BF03C BG10C BH07C CB08C CE01C CE05C DA02A DB06C EA02A EA02Z EA03C FA02 FA06 LA02 LA03 LA04 PA42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100℃での動粘度が2〜8mm2/s
    であり、粘度指数が120以上の鉱油系基油に、組成物
    全量基準で、(A)ホウ酸カルシウム過塩基性カルシウ
    ムサリシレートを、カルシウム元素濃度換算で0.15
    〜0.20質量%、(B)第1級ジアルキルジチオリン
    酸亜鉛と第2級ジアルキルジチオリン酸亜鉛とからな
    り、第1級ジアルキルジチオリン酸亜鉛に対する第2級
    ジアルキルジチオリン酸亜鉛のリン元素濃度換算での質
    量比が1.0〜1.3であるジアルキルジチオリン酸亜
    鉛混合物を、リン元素濃度換算で0.10〜0.15質
    量%、(C)数平均分子量900〜1100のポリブテ
    ニル基含有ビスコハク酸イミドと数平均分子量1400
    〜1600のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミドと
    からなり、数平均分子量1400〜1600のポリブテ
    ニル基含有ビスコハク酸イミドに対する数平均分子量9
    00〜1100のポリブテニル基含有ビスコハク酸イミ
    ドの窒素元素濃度換算での質量比が2.0〜3.0であ
    るコハク酸イミド系無灰分散剤を、窒素元素濃度換算で
    0.08〜0.15質量%、(D)モリブデンジチオカ
    ーバメート系摩擦調整剤を、モリブデン元素濃度換算で
    0.05〜0.10質量%、及び、(E)重量平均分子
    量が250,000〜350,000であるポリメタク
    リレート系粘度指数向上剤を、組成物の100℃におけ
    る動粘度が9〜12mm2/sとなる量、それぞれ含む
    ことを特徴とするディーゼルエンジン油組成物。
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