JP2002219602A - 端面加工機 - Google Patents

端面加工機

Info

Publication number
JP2002219602A
JP2002219602A JP2001375436A JP2001375436A JP2002219602A JP 2002219602 A JP2002219602 A JP 2002219602A JP 2001375436 A JP2001375436 A JP 2001375436A JP 2001375436 A JP2001375436 A JP 2001375436A JP 2002219602 A JP2002219602 A JP 2002219602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
main shaft
pair
axial direction
positioning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001375436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3415833B2 (ja
Inventor
Hirotada Imahari
弘忠 今治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAIHO KK
TAIHOO KK
Original Assignee
TAIHO KK
TAIHOO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAIHO KK, TAIHOO KK filed Critical TAIHO KK
Priority to JP2001375436A priority Critical patent/JP3415833B2/ja
Publication of JP2002219602A publication Critical patent/JP2002219602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3415833B2 publication Critical patent/JP3415833B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Turning (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】中空な被加工材の軸方向両端の加工作業の工数
を少なくすることができ、加工精度を向上することがで
きる端面加工機を提供する。 【解決手段】中空な空洞を有する被加工材Wの端面を、
その中空な空洞の中心軸周りに回転させながら加工する
ための加工機であって、主軸12が、その軸方向に沿っ
て進退可能に設けられており、主軸12が、その中心軸
が被加工材Wの中空な空洞の中心軸と一致するように、
被加工材Wの中空な空洞に挿入されており、切削手段4
0が、所定の間隔をあけた状態で、主軸12の軸方向に
沿って並んで配設された一対の切削部材43 ,43を備
えており、被加工材Wの中空な空洞の軸方向における一
端面を、位置決め手段30に押し当てて位置決めし、主
軸12を前進させた後、切削手段40を被加工材Wに接
近させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、端面加工機に関す
る。内部に中空な空洞を有する被加工材において、その
軸方向の端面を加工する場合には、旋盤や研削盤等、主
軸に被加工材を取り付けて加工する加工機が使用され
る。この場合、被加工材を、その中空な空洞の軸が加工
機の主軸の中心軸と一致するように主軸に取り付けて、
主軸を回転させてバイト等の切削工具を被加工材の軸方
向の端面に接触させる。すると、その軸方向の端面を、
その軸に対して垂直に加工することができる。本発明
は、かかる中空な空洞を有する被加工物の軸方向端面を
加工することができる端面加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の端面加工機100 によって円
筒状の被加工材Wの端面を加工する作業の説明図であ
る。同図に示すように、従来の端面加工機100 は、主軸
103 の先端に、被加工材Wを取り付けるための加工材把
持部106 が設けられている。この加工材把持部106 の先
端側の面106aは、主軸103 の中心軸と垂直に形成されて
おり、被加工材Wを位置決めする位置決め面となってい
る。このため、被加工材Wの軸方向両端面を、いずれも
その軸方向と垂直な面に加工する場合、まず被加工材W
を、その軸方向の一端面Wbが加工材把持部106 の面10
6aに面接触するように取り付ける。そして、主軸103 を
回転させながら、切削工具Cを被加工材Wの他端面Wa
に接触させれば、切削工具Cによって被加工材Wの他端
面Waを、主軸103 の中心軸と垂直に加工することがで
きる。そして、被加工材Wの他端面Waの加工が終了す
ると、被加工材Wを加工材把持部106から外し、被加工
材Wの加工された他端面Waが加工材把持部106 の面10
6aに面接触するように、再び加工材把持部106 に取り付
ければ、被加工材Wの一端面Wbを、その他端面Waと
平行な面に加工することができる。したがって、被加工
材Wの軸方向両端面を、いずれもその軸方向と垂直な面
に加工することができる。
【0003】しかるに、従来の端面加工機100 では、被
加工材Wの他端面Waを加工した後、一端面Wbを加工
する場合、一度被加工材Wを加工材把持部106 から外し
て向きを変え、その後再び取り付けるという作業が必要
であり、被加工材Wの軸方向両端面を加工する工数が多
くなり、加工時間がかかるという問題がある。
【0004】そこで、上記の問題を解決する技術とし
て、特開平9−174301号(従来例1)に記載され
た技術がある。図8は、従来例1の端面加工機150 の概
略説明図であって、(A)は位置決め作業の説明図であ
り、(B)は加工作業の説明図である。図8に示すよう
に、従来例1の端面加工機150 は、一対の刃物台151 ,
152 を有しており、両者とも被加工物の軸方向端面を切
削するための切削工具Cが取り付けられている。この一
対の刃物台151 ,152 の間には、主軸153 の先端に設け
られた加工材把持部156が設けられている。そして、前
記刃物台151 には、切削工具Cに加えて、位置決め部16
2 が設けられている。この位置決め部162 は、加工材把
持部156 側には切り欠きが形成された略U字状の部材で
あって、主軸153 の先端側の面162aが位置決め面となっ
ている。しかもこの位置決め部162 は、加工材把持部15
6 にその軸に対して垂直な方向から進退可能なように設
けられている。
【0005】このため、加工材把持部156 に被加工材W
を取り付けるときには、位置決め部162 を加工材把持部
156 に向かって前進させ、その切り欠き内に加工材把持
部156 を配置させる。そして、位置決め部162 の面162a
に被加工材Wの一端面Wbが面接触するように押し付け
れば、被加工材Wを位置決めして加工材把持部156 に取
り付けることができる。そして、被加工材Wの軸方向端
面を加工するときには、まず、位置決め部162を加工材
把持部156 から後退させる。ついで、刃物台151 の切削
工具Cの刃先を、被加工物Wの他端面Waの位置に配置
し、刃物台152 の切削工具Cの刃先を、被加工物Wの一
端面Wbの位置に配置する。そして、主軸153 を回転さ
せながら、一対の刃物台151 ,152 の切削工具Cを、い
ずれも被加工物Wに接触させれば、被加工物Wの軸方向
両端面を同時に加工することができるので、被加工材W
の軸方向両端面を加工する加工工数を少なくすることが
でき、加工時間を短くすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来例1の
端面加工機150 は、位置決め部162 がU字状であるか
ら、被加工材Wの一端面Wbの全周を位置決め面162aと
接触させることができない。したがって、被加工物Wが
位置決め面162aに対して傾いてしまう可能性があり、こ
の場合被加工物Wの軸方向両端面を、その中心軸に対し
て正確に垂直に加工できない可能性があるという問題が
ある。また、被加工材Wを交換するときに、主軸153 を
回転させたまま交換作業を行えば、主軸153 を停止させ
たり、停止後再度回転させたりする作業が不要となり、
被加工材Wの交換時間を短縮することができる。しか
し、従来例1の端面加工機150 では、位置決め部162 が
刃物台151 に取り付けられているので、主軸153を回転
させたまま被加工物Wを位置決め部162 の面162aに押し
付けると、両者の接触面間に大きな摩擦が発生する。す
ると両方とも摩耗してしまい正確に位置決めできない
し、最悪の場合両者が破損してしまう。したがって、従
来例1の端面加工機150 では、被加工材Wの交換時に
は、必ず主軸153 の回転を停止させてから被加工材Wを
位置決めし、その後再び主軸153 を回転させる必要があ
り、被加工材Wを加工している時間は短縮できても、全
体としての加工作業の時間はそれほど短縮できないとい
う問題がある。さらに、被加工材Wの軸方向の端面に沿
ってバリがあるような場合、そのバリができている部分
も位置決め部162 の面に押し付けて位置決めするので、
そのバリの分だけ加工精度が低下するし、バリによって
被加工物Wが位置決め面162aに対して傾いてしまい、被
加工物Wの中心軸に対して正確に垂直に加工できない可
能性があるという問題がある。
【0007】本発明はかかる事情に鑑み、中空な被加工
材の軸方向両端の加工作業の工数を少なくすることがで
き、加工精度を向上することができる端面加工機を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の端面加工機
は、中空な空洞を有する被加工材の端面を、その中空な
空洞の中心軸周りに回転させながら加工するための加工
機であって、該加工機が、前記被加工材が取り付けられ
る主軸と、該主軸をその中心軸回りに回転させる駆動手
段と、前記被加工材を位置決めする位置決め手段と、前
記被加工材に前記主軸の軸方向に対して垂直な方向から
接近離間する切削手段とからなり、前記主軸が、その軸
方向に沿って進退可能に設けられており、前記主軸が、
その中心軸が前記被加工材の中空な空洞の中心軸と一致
するように、前記被加工材の中空な空洞に挿入されてお
り、前記切削手段が、所定の間隔をあけた状態で、前記
主軸の軸方向に沿って並んで配設された一対の切削部材
を備えており、前記被加工材の中空な空洞の軸方向にお
ける一端面を、前記位置決め手段に押し当てて位置決め
し、前記主軸を前進させた後、前記切削手段を前記被加
工材に接近させることを特徴とする。請求項2の端面加
工機は、請求項1記載の発明において、前記加工機が、
前記主軸を回転自在に保持し、該主軸の軸方向に移動可
能に設けられた軸保持部と、該軸保持部を、前記主軸の
軸方向に移動させる主軸移動機構とを備えており、該主
軸移動機構が、前記主軸と平行に設けられたネジ軸と、
該ネジ軸に螺合し、前記軸保持部に取り付けられた移動
部材と、前記ネジ軸を回転させる数値制御モータとから
なることを特徴とする。請求項3の端面加工機は、請求
項1記載の発明において、前記位置決め手段が、前記主
軸を、その軸方向に沿って摺動自在に保持する軸受け部
と、前記主軸の軸方向に対して垂直な位置決め面を有す
る位置決め部とからなり、該位置決め部が、該主軸の中
心軸周りに回転可能に設けられたことを特徴とする。請
求項4の端面加工機は、請求項3記載の発明において、
前記位置決め部が、前記主軸の中心軸と同軸な円筒状に
形成されており、前記位置決め部の円筒状の内面と前記
主軸の外周面との間に空間が形成されていることを特徴
とする。請求項5の端面加工機は、請求項1記載の発明
において、前記切削手段が、前記一対の切削部材が取り
付けられた一対の刃物台と、該一対の刃物台を、前記被
加工材に、同時に接近離間させる刃物台進退機構と、前
記一対の刃物台を、互いに接近離間させる刃物台接近離
間機構とからなり、前記刃物台接近離間機構が、前記刃
物台進退機構が前記一対の刃物台を前記被加工材に接近
させるときには、前記一対の刃物台を接近させた状態で
保持し、前記刃物台進退機構が前記一対の刃物台を被加
工材から離間させるときは、前記一対の切削部材を離間
させた状態で保持することを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、位置決め手段に
よって被加工材を位置決めした状態で、被加工材を主軸
に取り付け、その後主軸を前進させれば、被加工材の一
端面を位置決め手段から離間させることができる。この
状態で、一対の切削手段を被加工材に接近させれば、一
対の切削部材のうち、一方の切削部材を被加工材の中空
な空洞の軸方向における一端面(以下、単に被加工材の
一端面という)と位置決め手段との間に入れることがで
きる。よって、一対の切削部材の間隔を、加工後におけ
る被加工材の中空な空洞の軸方向の長さ(以下、単に被
加工材の軸方向長さという)に合わせておけば、一対の
切削部材によって、被加工材の中空な空洞の軸方向にお
ける両端面(以下、単に被加工材の両端面という)を、
同時に加工することができる。よって、被加工材の両端
面を加工するときに、被加工材を付け替える必要がない
ので、加工工数を少なくすることができ、加工時間を短
縮することができる。請求項2の発明によれば、数値制
御モータによって、ネジ軸を、その軸中心まわりに回転
させると、ネジ軸に沿って移動部材が移動するので、軸
保持部とともに主軸を、その軸方向に移動させることが
できる。しかも、数値制御モータによってネジ軸を回転
させているから、ネジ軸の回転量を簡単かつ正確に制御
できる。つまり主軸の移動量を簡単かつ正確に制御でき
るのである。したがって、一対の切削部材に対して、被
加工材を常に一定の位置に配置させることができるか
ら、被加工材の加工精度が向上し、被加工材ごとのばら
つきをなくすことができる。請求項3の発明によれば、
位置決め部が被加工材とともに主軸の軸周りに回転する
ことができるので、主軸を回転させたままで、被加工材
の一端面を位置決め部の位置決め面に押し当てて位置決
めし、その後被加工材を主軸に取り付けても、位置決め
部の位置決め面と被加工材の一端面との間に大きな摩擦
が発生することを押さえることができる。このため、主
軸を回転させたままで被加工材を交換しても、被加工材
や位置決め部が破損することを防ぐことができるので、
被加工材の交換時間を短縮することができる。請求項4
の発明によれば、位置決め部が円筒状に形成されている
から、被加工材の一端面の全周を、位置決め部の位置決
め面に押し当てて被加工材を位置決めすることができ
る。しかも、位置決め部の円筒状の内面と主軸の外周面
との間に空間があるから、被加工材の一端面にバリなど
がある部分があっても、その部分が位置決め部の円筒状
の内面と主軸の外周面との間の空間に位置するようにす
れば、バリが位置決め面に当たらないようにして被加工
材を位置決めすることができる。よって、位置決めした
ときに、被加工材が主軸の軸方向に対して傾くことを防
ぐことができるので、被加工材の両端面を、主軸の軸方
向に対して正確に垂直な面に加工することができる。請
求項5の発明によれば、刃物台接近離間機構によって一
対の刃物台を接近させたままで、刃物台進退機構によっ
て一対の刃物台を被加工材に接近させれば、一対の切削
部材によって被加工材の両端面を加工することができ
る。一方、被加工材の両端面の加工が終了してから、一
対の切削部材を被加工材から離間させるとき、つまり一
対の刃物台を被加工材から離間させるときには、一対の
刃物台を互いに離間させて、一対の切削部材の間隔を被
加工材の軸方向長さよりも広くすることができる。この
ため、一対の切削部材によって加工された被加工材の軸
方向両端面を傷つけることなく、一対の刃物台を被加工
材から離間させることができるので、加工不良品が発生
することを防ぐことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本実施形態の端面加工機1の
側面図である。図2は本実施形態の端面加工機1の切削
手段40の概略平面図である。図3は本実施形態の端面
加工機1の切削手段40の概略側面図である。図1〜図
3に示すように、本実施形態の端面加工機1は、中空な
空洞を有する被加工材Wにおいて、その中空な空洞の中
心軸方向の両端面(以下、単に被加工材Wの両端面とい
う)を、その中空な空洞の中心軸周りに回転させながら
加工するためのものであり、主軸12を有する本体10
と、主軸移動機構20と、位置決め手段30と、切削手
段40とから基本構成されたものである。
【0011】そして、この端面加工機1は、主軸移動機
構20によって本体10とともに主軸12をその軸方向
に移動させてから被加工材Wを加工するようにしたこ
と、切削手段40によって被加工材Wの両端面を同時に
加工するようにしたこと、および位置決め手段30によ
って主軸12を回転させたままで被加工材Wを位置決め
するようにしたことが特徴である。なお、本実施形態の
端面加工機1によって加工される被加工材Wは、例えば
ベアリングの内輪や外輪等であるが、円筒状の部材のよ
うに中空な空洞を有するものであれば、その中空な空洞
の軸方向における端面を加工することが可能である。
【0012】まず、本体10を説明する。図1におい
て、符号11は軸保持部を示している。この軸保持部1
1は、主軸12を水平かつ回転自在に支持するものであ
る。また、この軸保持部11は、図示しない機枠に主軸
12の軸方向に移動可能に取り付けられているが、その
理由は後述する。
【0013】また、軸保持部11には、駆動モータ13
が取り付けられている。この駆動モータ13は、その駆
動軸が前記主軸12と平行となるように配設されてい
る。この駆動モータ13の駆動軸には駆動プーリ14a が
取り付けられており、前記主軸12にも従動プーリ14b
が取り付けられている。そして、駆動プーリ14a と従動
プーリ14b の間にはベルト14c が巻き掛けられている。
このため、駆動モータ13を駆動させれば、駆動モータ
13の駆動軸の回転トルクが、駆動プーリ14a 、ベルト
14c 、従動プーリ14b の順で伝達されるので、主軸12
をその中心軸回りに回転させることができる。この駆動
モータ13、駆動プーリ14a 、従動プーリ14b およびベ
ルト14c が特許請求の範囲にいう駆動手段である。な
お、駆動手段は、上記の構成に限られず、主軸12をそ
の中心軸回りに回転させることができるものであれば、
特に限定はない。
【0014】図4は位置決め手段30の概略説明図であ
って、(A)は断面図であり、(B)は(A)の概略正
面図である。図1および図4に示すように、前記主軸1
2の前端部は、後述する位置決め手段30によって回転
自在かつその軸方向に移動可能に保持されている。この
主軸12には、その軸方向に沿って、主軸12の中心軸
と同軸な貫通孔12h が形成されている。この主軸12の
貫通孔12h の前端部(図1および図4では右端)には、
円錐状のテーパ部12b が形成されている。そして、この
主軸12の前端部には、その端面からその軸方向に沿っ
て複数の切り欠き12c が形成されている。つまり、この
主軸12の前端部には、いわゆるコレットが形成されて
いるのである。また、主軸12の貫通孔12h には、ドロ
ーバー17が挿入されている。このドローバー17は、
主軸12の貫通孔12h に、その軸方向に沿って摺動自在
に取り付けられている。このドローバー17の前端部に
は、円錐状嵌合部17a が形成されている。一方、ドロー
バー17の後端部は、主軸12の後端に取り付けられた
回転シリンダ16のロッドに取り付けられている(図1
参照)。
【0015】このため、回転シリンダ16によってドロ
ーバー17を図中左方に引っ張れば、ドローバー17の
円錐状嵌合部17a が主軸12のテーパ部12b に嵌合し、
主軸12の前端部を外方に押し広げることができる。よ
って、主軸12の前端部に被加工材Wの空洞を挿入した
状態でドローバー17を左方に引っ張れば、主軸12の
前端部の外周面を被加工材Wの空洞内面に押し付けて、
被加工材Wを主軸12に固定することができる。つま
り、主軸12の前端部とドローバー17の円錐状嵌合部
17a によってコレットチャックが形成されており、この
コレットチャックによって主軸12に被加工材Wを固定
することができるのである。
【0016】上記のごとき構成であるから、本体10に
よれば、主軸12の前端部に被加工材Wを取り付けた状
態で、前記駆動モータ13を駆動すれば、主軸12とと
もに被加工材Wを回転させることができる。しかも、上
記のごとき構成のコレットチャックによって主軸12に
被加工材Wを固定しているから、被加工材Wを、その空
洞の中心軸を主軸12の中心軸と一致させた状態で主軸
12に取り付けることができる。よって、被加工材W
を、その空洞の中心軸周りに回転させることができるの
である。
【0017】なお、主軸12に被加工材Wを固定する機
構は、上記の機構に限られず、主軸12の前端部に被加
工材Wの空洞を挿入し、両者の中心軸が一致した状態で
主軸12と被加工材Wを固定することができるものであ
れば、圧縮空気や油圧を動力源とするチャック機構であ
ってもよく、特に限定はない。
【0018】また、主軸12の前端部外周面において、
位置決め手段30によって保持された部分には、キー溝
12d が形成されているが、その理由は後述する。
【0019】つぎに、主軸移動機構20を説明する。図
1に示すように、前記軸保持部11には、主軸移動機構
20の移動部材23が取り付けられている。この移動部
材23には、その中心軸が前記主軸12の中心軸と平行
な雌ネジが形成されている。この移動部材23の雌ネジ
には、主軸12と平行に配設されたネジ軸22がボール
を介して螺合している。つまり、移動部材23とネジ軸
22がボールネジ機構を構成しているのである。また、
このネジ軸22は、機枠に固定された一対の軸受22a ,2
2aによって、その軸方向の両端部を回転自在かつその軸
方向に移動しないように支持されている。そして、ネジ
軸22の一端は、例えばサーボモータ等の数値制御モー
タ21の駆動軸に取り付けられている。
【0020】上記のごとき構成であるから、主軸移動機
構20によれば、数値制御モータ21を駆動させれば、
ネジ軸22が回転するので、移動部材23とともに本体
10をネジ軸22の軸方向、つまり主軸12の軸方向に
沿って移動させることができる。しかも、ネジ軸22の
回転量、つまり主軸12のその軸方向への移動量は、数
値制御モータ21に、所望の数値を入力するだけで簡単
かつ正確に制御できるのである。また、ネジ軸22と移
動部材23は、一般的なネジ機構であってもよいが、ボ
ールネジ機構を採用することによって、本体10の移動
量、つまり主軸12の移動量をさらに正確に制御するこ
とができる。
【0021】なお、主軸移動機構20は上記のごとき構
成に限られず、本体10を主軸12の軸方向に沿って移
動させることができるものであれば、特に限定はない。
【0022】つぎに、位置決め手段30を説明する。図
1および図4に示すように、前記本体10の前方(図1
では右側)には、位置決め手段30のベース31が設け
られている。このベース31には、前記本体10の主軸
12の中心軸と同軸な貫通孔31h が形成されており、こ
の貫通孔31hには、円筒状の軸受部32が、その中心軸
回りに回転自在かつその軸方向には移動しないように取
り付けられている。そして、この軸受部32は、その中
心軸が貫通孔31h の中心軸、つまり主軸12の中心軸と
一致するように配設されている。
【0023】また、図4に示すように、この軸受部32
の前端部(図4では右端)には、位置決め部33が形成
されている。この位置決め部33の前端面は、主軸12
の軸方向に対して正確に垂直になるように形成された位
置決め面33a となっている。さらに、この軸受部32の
内面には、その軸方向に沿ってキー溝32h が形成されて
いる。
【0024】この軸受部32には、主軸12がその軸方
向に摺動自在に挿入されている。この軸受部32のキー
溝32h と、前記主軸12のキー溝12d の間には、キー3
5が取り付けられている。このキー35は、ボルト等に
よって主軸12に固定されているので、軸受部32は、
主軸12に対する相対的な回転が固定されるのである。
【0025】このため、主軸12を回転させたままで、
被加工材Wを、その空洞の中心軸周りに回転可能に保持
し、その一端面を位置決め部33の位置決め面33a に押
し当てて位置決めすれば、被加工材Wを、位置決め部3
3とともに、その中心軸周りに回転させながら位置決め
することができる。また、位置決めされた被加工材Wを
前記コレットチャックによって主軸12に取り付ける
と、被加工材Wを主軸12に固定することができる。こ
のとき、軸受部32は主軸12と一体で回転しているた
め、被加工材Wも主軸12と同じ回転速度で回転するこ
とになる。このため、被加工材Wを主軸12に固定して
も、位置決め部33の位置決め面33a と被加工材Wの一
端面との間に、両者の回転速度に差に起因する摩擦が発
生することを防ぐことができる。
【0026】したがって、位置決め手段30によれば、
主軸12を回転させたままで被加工材Wを交換しても、
被加工材Wや位置決め部33が破損することを防ぐこと
ができるので、被加工材Wの交換時間を短縮することが
できる。
【0027】また、位置決め部33は円筒状に形成され
ているから、被加工材Wの一端面の全周を、位置決め部
33の位置決め面33a に押し当てて位置決めすることが
できる。しかも、位置決め部33は、その内径が主軸1
2の直径よりも大きくなっている。つまり、位置決め部
33の内面と主軸12の外周面との間には空間が形成さ
れている。このため、被加工材Wの一端面にバリなどが
ある部分があっても、その部分が位置決め部33の円筒
状の内面と主軸12の外周面との間に空間に位置するよ
うに位置決め部33を形成すれば、バリが位置決め面33
a に当たらないようにして被加工材Wを位置決めするこ
とができる。よって、被加工材Wを位置決めしたとき
に、位置決め部33の位置決め面33a にバリが当たっ
て、被加工材Wが主軸12の軸方向に対して傾くことを
防ぐことができるので、被加工材Wを、主軸12の軸方
向に対して正確に位置決めすることができる。
【0028】つぎに、切削手段40を説明する。図2お
よび図3に示すように、位置決め手段30の側方には、
切削手段40が設けられている。この切削手段40は、
刃物台進退機構50、刃物台接近離間機構45および間
隔調整機構60とから基本構成されている。
【0029】まず、刃物台進退機構50を説明する。図
2および図3において、符号51はベースを示してい
る。このベース51の上面には、前記本体10の主軸1
2の軸方向に対して直交するレール52が設けられてい
る。このレール52には、後述する刃物台接近離間機構
45の移動ベース46が、そのレール52に沿って移動
可能、つまり主軸12に対して接近離間可能に取り付け
られている。また、ベース51には、刃物台接近離間機
構45の移動ベース46を挟んで主軸12と反対側に油
圧シリンダ53が設けられている。この油圧シリンダ5
3は、その軸方向がレール52と平行に配設されてお
り、そのピストンロッドの先端が前記刃物台接近離間機
構45の移動ベース46に取り付けられている。
【0030】このため、油圧シリンダ53を伸縮させれ
ば、刃物台接近離間機構45の移動ベース46がレール
52に沿って移動するので、刃物台接近離間機構45の
移動ベース46を本体10の主軸12に向けて、主軸1
2の軸方向に対して垂直に接近離間させることができ
る。
【0031】つぎに、刃物台接近離間機構45を説明す
る。図5は(A)は切削手段40の要部拡大断面図であ
り、(B)は切削手段40の一対の刃物台41,41を
接近させた状態の説明図であり、(B)は切削手段40
の一対の刃物台41,41を離間させた状態の説明図で
ある。図2、図3および図5に示すように、前記移動ベ
ース46の上面には、摺動溝46h が形成されている。こ
の摺動溝46h は、その軸方向が主軸12の軸方向と平行
となるように形成されている。この摺動溝46h を挟んで
主軸12と反対側には、油圧シリンダ49が設けられて
いる。この油圧シリンダ49は、その軸方向が、主軸1
2の軸方向に対して垂直となるように配設されており、
そのシリンダボディが移動ベース46に固定されてい
る。この油圧シリンダ49の先端には、移動部材48が
取り付けられており、この移動部材48の下面には、一
対の掛合突起48a が設けられている(図5(A) )。この
一対の掛合突起48a 、48a は、摺動溝46h の軸方向と平
行、つまり主軸12の軸方向と平行な方向に沿って並ん
で配設されている。
【0032】また、一対の刃物台41、41の下面に
は、一対のレール47 ,47がそれぞれ取り付けられて
いる。この一対のレール47 ,47は、その軸方向が主
軸12の軸方向と平行となるように配設されており、前
記移動ベース46の摺動溝46hに、その軸方向に沿って
移動可能に取り付けられている。この一対の刃物台4
1、41は、油圧シリンダ49の軸方向を挟むように配
設されている。各刃物台41は、その上面に切削部材4
3を取り付けるための刃物固定部材42が設けられてい
る。この一対の刃物台41、41の上面には、それぞれ
案内溝41h が形成されている。この一対の案内溝41h 、
41h は、前記油圧シリンダ49の軸方向に対して線対称
となるように形成されており、その一端部(図2および
図5では左側)同士の間隔が、その他端部(図2および
図5では右側)の間隔よりも広くなるように形成されて
いる。この一対の案内溝41h 、41h には、前記移動部材
48の一対の掛合突起48a 、48a の下端が、案内溝41h
の軸方向に沿って摺動可能に取り付けられている。
【0033】このため、油圧シリンダ49によって移動
部材48を移動させると、一対の掛合突起48a 、48a
は、一対の刃物台41、41の案内溝41h に沿って移動
しようとする。しかし、一対の掛合突起48a 、48a は、
移動部材48に固定されているため、主軸12の軸方
向、つまり摺動溝46h に沿った方向には移動できない。
一方、一対の刃物台41、41も一対のレール47 ,4
7と摺動溝46h を介して移動ベース46に取り付けられ
ているため、主軸12の軸方向に対して垂直な方向、つ
まり移動部材48の移動方向には移動できない。よっ
て、油圧シリンダ49によって移動部材48を主軸12
の軸方向に対して垂直な方向に進退させた場合、一対の
刃物台41、41が、一対の案内溝41h 、41h の間隔が
一対の掛合突起48a 、48a の間隔と同じ長さになるよう
に、摺動溝46h の軸方向に沿って移動する。そして、一
対の案内溝41h 、41h は、その一端部同士の間隔がその
他端部同士の間隔よりも広くなるように形成されている
から、一対の掛合突起48a 、48a が一対の案内溝41h 、
41h の他端部に位置したときは一対の刃物台41、41
が離間し、逆に一対の掛合突起48a 、48a が一対の案内
溝41h 、41h の一端部に位置したときは一対の刃物台4
1、41が接近する。
【0034】したがって、刃物台接近離間機構45によ
れば、油圧シリンダ49によって移動部材48を主軸1
2の軸方向に対して垂直な方向に進退させれば、一対の
刃物台41、41を接近離間させることができるのであ
る。
【0035】なお、移動ベース46への一対の刃物台4
1、41の取り付け機構は、一対の刃物台41、41を
主軸12の軸方向に平行な方向にのみ移動させることが
できる機構であればよく、上記のごとき構成に限定され
ない。例えば、移動ベース46の上面に主軸12の軸方
向と平行にレールを設けて、一対の刃物台41、41
を、このレールに沿って移動可能としてもよい。さらに
なお、一対の刃物台41、41を接近離間させる機構は
上記のごとき構成に限定されず、一対の刃物台41、4
1を主軸12の軸方向と平行な方向にのみ移動させるこ
とができる機構であれば、特に限定はない。
【0036】つぎに、間隔調整機構60を説明する。図
2および図5に示すように、一対の刃物台41、41の
うち、一方の刃物台41(図2および図5では下方)の
上面には、主軸12の軸方向と平行な間隔調整機構60
の調整用レール61が設けられている。この調整用レー
ル61には、ボールを介して、前記刃物固定部材42
が、調整用レール61の軸方向に沿って移動可能に取り
付けられている。つまり、刃物固定部材42が、調整用
レール61にリニアガイド機構を介して、調整用レール
61の軸方向に沿って移動可能に取り付けられているの
である。この刃物固定部材42には、その上下を貫通す
る図示しない貫通孔が形成されている。この貫通孔は、
調整用レール61の軸方向に沿って長い長孔となってい
る。そして、この貫通孔には、固定ボルト63が貫挿さ
れており、この固定ボルト63の下端が刃物台41に設
けられた図示しないネジ孔と螺合している。そして、固
定ボルト63の上端には、この固定ボルト63を回転さ
せるためのレバー64が設けられている。また、この刃
物固定部材42の側方(図2(A)では下方)には、マ
イクロメータ65が設けられている。このマイクロメー
タ65は、その軸が調整用レール61の軸方向と平行に
設けられており、その先端が刃物固定部材42に固定さ
れている。
【0037】このため、レバー64によって固定ボルト
63をゆるめて、刃物台41に対する刃物固定部材42
の固定を開放すれば、刃物固定部材42を刃物台41に
対して移動可能、つまり調整用レール61に沿って移動
可能とすることができる。この状態で、マイクロメータ
65の軸を出没させれば、その軸の移動量だけ刃物固定
部材42を調整用レール61に沿って移動させることが
できる。そして、レバー64によって固定ボルト63を
締めつければ、固定ボルト63によって刃物固定部材4
2を刃物台41に固定することができる
【0038】上記のごとき構成であるので、間隔調整機
構60によれば、マイクロメータ65の主軸を出没させ
れば、一対の刃物固定部材42、42間の間隔、つまり
一対の切削部材43、43間の間隔を調整することがで
きる。しかも、調整用レール61が、マイクロメータ6
5の軸は調整用レール61と平行に配設されているか
ら、主軸12の軸方向における一対の切削部材43、4
3同士の間隔を、ミクロンオーダの精度で、正確に調整
することができ、被加工材Wの加工精度を高くすること
ができる。そして、レバー64によって固定ボルト63
を締めつければ、固定ボルト63によって刃物固定部材
42を刃物台41に固定することができるので、被加工
材Wの切削中に切削部材43ががたついたりすることを
防ぐことができる。
【0039】つぎに、本実施形態の端面加工機1の作用
と効果を説明する。加工作業を始める前に、刃物台接近
離間機構45の油圧シリンダ49によって一対の刃物台
41、41を接近させた状態で、間隔調整機構60によ
って、一対の切削部材43、43の間隔が、被加工材W
の軸方向長さと一致するように調整する。そして調整が
終了すると、油圧シリンダ49によって一対の刃物台4
1、41を離間させる。
【0040】被加工材Wの加工作業を開始するときに
は、まず、駆動モータ13によって主軸12が回転させ
る。そして、図示しない被加工材自動供給装置によって
被加工材Wをその空洞の中心軸まわりに回転可能に支持
し、主軸12を回転させたままで、主軸12の前端部に
被加工材Wの空洞を挿入する。そして、被加工材自動供
給装置によって被加工材Wの一端面を位置決め部33の
位置決め面33a に押し当てると、被加工材Wは、その一
端面が主軸12の中心軸に対して正確に垂直に位置決め
される。このとき、被加工材Wは、被加工材自動供給装
置によってその空洞の中心軸周りに回転可能に支持され
ているから、位置決め部33とともに空洞の中心軸周り
に回転する。
【0041】被加工材Wが位置決めされると、ドローバ
ー17が引っ張られ、被加工材Wはコレットチャックに
よって主軸12に取り付けられる。このとき、被加工材
Wと位置決め部33は同じ速度で回転しており、そして
位置決め部33は主軸12と同じ回転速度で回転してい
るから、被加工材Wを主軸12に固定したときに、位置
決め部33の位置決め面33a と被加工材Wの一端面との
間に、両者の回転速度に差に起因する摩擦が発生するこ
とを防ぐことができる。
【0042】被加工材Wが主軸12に固定されると、主
軸移動機構20によって、被加工材Wの中心軸Cが切削
手段40の一対の切削部材43、43の中間に位置する
まで、本体10が前方(図1では右方)に移動される。
すると、被加工材Wの一端面が位置決め手段30の位置
決め部33の位置決め面33a から離れる(図2参照)。
【0043】ついで、本体10の移動が停止すると、刃
物台進退機構50の油圧シリンダ53が伸長され、同時
に刃物台接近離間機構45の油圧シリンダ49が伸長さ
れ、一対の切削部材43、43が互いに接近した状態で
被加工材Wに接近する。このとき、被加工材Wの一端面
は、位置決め部33の位置決め面33a から離れているの
で、一対の切削部材43、43のうち、一方の切削部材
43を被加工材Wの一端面と位置決め部33の位置決め
面33a との間に配置することができる。よって、被加工
材Wの他端面だけでなく、一端面にも切削部材43を接
触させることができるから、被加工材Wの両端面を同時
に加工することができる。
【0044】そして、被加工材Wの加工が終了すると、
刃物台進退機構50の油圧シリンダ53が収縮し、一対
の切削部材43、43が被加工材Wから離間される。同
時に油圧シリンダ49が収縮され、一対の切削部材4
3、43の間隔が被加工材Wの幅よりも広くなるから、
被加工材Wから離間するときに、一対の切削部材43、
43が加工が終了した面に接触することを防ぐことがで
きる。
【0045】そして、加工が終了すると、ドローバー1
7が押し出され、被加工材Wが主軸12から外され、図
示しない被加工材自動搬送装置によって次工程に搬送さ
れる。そして、主軸移動機構20によって本体10が後
退された後、被加工材自動供給装置によって新たな被加
工材Wが供給される。
【0046】上記作業を繰り返すことによって、端面加
工機1は、その主軸12の回転を停止させることなく、
連続して被加工材Wの中空な空洞の軸方向における両端
面を加工することができる。
【0047】よって、本実施形態の端面加工機1によれ
ば、位置決めされた被加工材Wが取り付けられた主軸1
2を前進させれば、被加工材Wの一端面を位置決め手段
30から離間させることができるので、一対の切削部材
43、43によって、被加工材Wの中空な空洞の軸方向
における両端面を、同時に加工することができる。よっ
て、被加工材Wの両端面を加工するときに、被加工材W
を付け替える必要がないので、加工工数を少なくするこ
とができ、加工時間を短縮することができる。
【0048】特に、図6に示すように、被加工材Wがベ
アリングの内輪や外輪の場合、その軌道中心Cに対する
軸方向両端面の平行度および軌道中心Cからの距離の精
度が求められるが、本実施形態の端面加工機1では、円
筒状に形成された位置決め部33の位置決め面33a に被
加工材Wのテーパ部TRを当てて位置決めすることによ
って、その精度を高く保つことができる。何故なら、こ
のテーパ部TRは、ベアリングの内輪および外輪の素材
を成形ロールとマンドレルとの間に挟んで成形するとき
に、軌道部CAと一体に形成された面であるから、軌道
中心Cに対する平行度および軌道中心Cからの距離が正
確に加工されているからである。
【0049】しかも、位置決め部33は円筒状に形成さ
れているから、ベアリングの内輪を加工する場合でも、
その成形ロールによって成形された面とマンドレルによ
って成形された面の間にできるバリBRを、位置決め部
33の円筒状の内面と主軸12の外周面との間に空間に
位置するように位置決め部33を形成しておけば、バリ
BRが位置決め面33a に当たらないようにして被加工材
Wを位置決めすることができる(図6(B))。よっ
て、位置決め部33の位置決め面33a にバリBRが当た
って、被加工材Wが主軸12の軸方向に対して傾くこと
を防ぐことができるし、また、位置決め部33の位置決
め面33a から軌道中心Cまでの距離を常に一定に保った
状態で被加工材Wを位置決めすることができるので、被
加工材Wの加工精度を、非常に正確かつ常に一定の精度
を保って加工することができる。
【0050】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、一対の切削部
材によって、被加工材の中空な空洞の軸方向における両
端面を、同時に加工することができるので、被加工材の
中空な空洞の軸方向における両端面を加工するときに、
被加工材を付け替える必要がないので、加工工数を少な
くすることができ、加工時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、一対の切削部材に対して、被
加工材を常に一定の位置に配置させることができるか
ら、被加工材の加工精度が向上し、被加工材ごとのばら
つきをなくすことができる。請求項3の発明によれば、
主軸を回転させたままで被加工材を交換しても、位置決
め部の位置決め面と被加工材の一端面との間に発生する
摩擦を押さえることができるので、被加工材の交換時間
を短縮することができ、しかも被加工材や位置決め部が
破損することを防ぐことができる。請求項4の発明によ
れば、位置決めしたときに、被加工材が主軸の軸方向に
対して傾くことを防ぐことができるので、被加工材の両
端面を、主軸の軸方向に対して正確に垂直な面に加工す
ることができる。請求項5の発明によれば、一対の切削
部材によって被加工材の両端面を加工することができ、
しかも、一対の刃物台を被加工材から離間させるとき
に、一対の切削部材によって加工された被加工材の軸方
向両端面を傷つけることを確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の端面加工機1の側面図である。
【図2】本実施形態の端面加工機1の切削手段40の概
略平面図である。
【図3】本実施形態の端面加工機1の切削手段40の概
略側面図である。
【図4】位置決め手段30の概略説明図であって、
(A)は断面図であり、(B)は(A)の概略正面図で
ある。
【図5】(A)は切削手段40の要部拡大断面図であ
り、(B)は切削手段40の一対の刃物台41,41を
接近させた状態の説明図であり、(B)は切削手段40
の一対の刃物台41,41を離間させた状態の説明図で
ある。
【図6】本実施形態の端面加工機1にベアリングの内輪
外輪を位置決めした状態の概略説明図であり、(A)は
外輪を位置決めした状態の概略説明図であり、(B)は
内輪を位置決めした状態の概略説明図である。
【図7】従来の端面加工機100 によって円筒状の被加工
材の端面を加工する作業の説明図である。
【図8】従来例1の端面加工機150 の概略説明図であっ
て、(A)は位置決め作業の説明図であり、(B)は加
工作業の説明図である。
【符号の説明】
1 端面加工機 11 軸保持部 12 主軸 20 主軸移動機構 22 ネジ軸 23 移動部材 30 位置決め手段 32 軸受け部 33 位置決め部 33a 位置決め面 40 切削手段 41 刃物台 43 切削部材 45 刃物台接近離間機構 50 刃物台進退機構 60 間隔調整機構 W 被加工材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空な空洞を有する被加工材の端面を、そ
    の中空な空洞の中心軸周りに回転させながら加工するた
    めの加工機であって、該加工機が、前記被加工材が取り
    付けられる主軸と、該主軸をその中心軸回りに回転させ
    る駆動手段と、前記被加工材を位置決めする位置決め手
    段と、前記被加工材に前記主軸の軸方向に対して垂直な
    方向から接近離間する切削手段とからなり、前記主軸
    が、その軸方向に沿って進退可能に設けられており、前
    記主軸が、その中心軸が前記被加工材の中空な空洞の中
    心軸と一致するように、前記被加工材の中空な空洞に挿
    入されており、前記切削手段が、所定の間隔をあけた状
    態で、前記主軸の軸方向に沿って並んで配設された一対
    の切削部材を備えており、前記被加工材の中空な空洞の
    軸方向における一端面を、前記位置決め手段に押し当て
    て位置決めし、前記主軸を前進させた後、前記切削手段
    を前記被加工材に接近させることを特徴とする端面加工
    機。
  2. 【請求項2】前記加工機が、前記主軸を回転自在に保持
    し、該主軸の軸方向に移動可能に設けられた軸保持部
    と、該軸保持部を、前記主軸の軸方向に移動させる主軸
    移動機構とを備えており、該主軸移動機構が、前記主軸
    と平行に設けられたネジ軸と、該ネジ軸に螺合し、前記
    軸保持部に取り付けられた移動部材と、前記ネジ軸を回
    転させる数値制御モータとからなることを特徴とする請
    求項1記載の端面加工機。
  3. 【請求項3】前記位置決め手段が、前記主軸を、その軸
    方向に沿って摺動自在に保持する軸受け部と、前記主軸
    の軸方向に対して垂直な位置決め面を有する位置決め部
    とからなり、該位置決め部が、該主軸の中心軸周りに回
    転可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載の端
    面加工機。
  4. 【請求項4】前記位置決め部が、前記主軸の中心軸と同
    軸な円筒状に形成されており、前記位置決め部の円筒状
    の内面と前記主軸の外周面との間に空間が形成されてい
    ることを特徴とする請求項3記載の端面加工機。
  5. 【請求項5】前記切削手段が、前記一対の切削部材が取
    り付けられた一対の刃物台と、該一対の刃物台を、前記
    被加工材に、同時に接近離間させる刃物台進退機構と、
    前記一対の刃物台を、互いに接近離間させる刃物台接近
    離間機構とからなり、前記刃物台接近離間機構が、前記
    刃物台進退機構が前記一対の刃物台を前記被加工材に接
    近させるときには、前記一対の刃物台を接近させた状態
    で保持し、前記刃物台進退機構が前記一対の刃物台を被
    加工材から離間させるときは、前記一対の切削部材を離
    間させた状態で保持することを特徴とする請求項1記載
    の端面加工機。
JP2001375436A 2001-12-10 2001-12-10 端面加工機 Expired - Fee Related JP3415833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001375436A JP3415833B2 (ja) 2001-12-10 2001-12-10 端面加工機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001375436A JP3415833B2 (ja) 2001-12-10 2001-12-10 端面加工機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002219602A true JP2002219602A (ja) 2002-08-06
JP3415833B2 JP3415833B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=19183815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001375436A Expired - Fee Related JP3415833B2 (ja) 2001-12-10 2001-12-10 端面加工機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3415833B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149409A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Kondo:Kk 円筒研削盤のチャック装置
CN100443224C (zh) * 2002-09-12 2008-12-17 大同玛希纳利股份有限公司 钢管端部的加工方法
JP2010054226A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Bridgestone Corp ゴム試験片への切込み形成装置
WO2016157500A1 (ja) * 2015-04-02 2016-10-06 新光機器株式会社 チップドレッサー装置
CN111687489A (zh) * 2020-05-26 2020-09-22 河钢乐亭钢铁有限公司 一种尼龙柱销连续加工机械
CN116000322A (zh) * 2023-03-24 2023-04-25 安德里茨(佛山)智能制造有限公司 辊子的车削方法、电子设备、车床和存储介质

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100443224C (zh) * 2002-09-12 2008-12-17 大同玛希纳利股份有限公司 钢管端部的加工方法
JP2008149409A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Kondo:Kk 円筒研削盤のチャック装置
JP2010054226A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Bridgestone Corp ゴム試験片への切込み形成装置
WO2016157500A1 (ja) * 2015-04-02 2016-10-06 新光機器株式会社 チップドレッサー装置
CN107405719A (zh) * 2015-04-02 2017-11-28 新光机器株式会社 电极头修磨装置
JPWO2016157500A1 (ja) * 2015-04-02 2018-01-25 新光機器株式会社 チップドレッサー装置
CN107405719B (zh) * 2015-04-02 2020-02-07 新光机器株式会社 电极头修磨装置
CN111687489A (zh) * 2020-05-26 2020-09-22 河钢乐亭钢铁有限公司 一种尼龙柱销连续加工机械
CN116000322A (zh) * 2023-03-24 2023-04-25 安德里茨(佛山)智能制造有限公司 辊子的车削方法、电子设备、车床和存储介质
CN116000322B (zh) * 2023-03-24 2023-05-23 安德里茨(佛山)智能制造有限公司 辊子的车削方法、电子设备、车床和存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP3415833B2 (ja) 2003-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6039634A (en) Hardened workpiece finishing process
US9162289B2 (en) Machine tool apparatus and method
US8464618B2 (en) Numerically controlled lathe with guide bush, and method of processing workpiece by using the numerically controlled lathe
JP6372383B2 (ja) 工作機械
RU2600685C1 (ru) Способ механической обработки асимметричной заготовки с одной установки, станок и устройство для закрепления заготовки
US7547169B1 (en) Drilling module with automatic tool changer
JP3415833B2 (ja) 端面加工機
JP4576069B2 (ja) 複数穴の加工方法
JP4280253B2 (ja) ワーク回転装置
JPH04115804A (ja) 旋盤
JP5080120B2 (ja) ポリゴン加工装置及びポリゴン加工方法
CN116213769A (zh) 一种微型轴承套圈加工车床
JP3621043B2 (ja) Nc旋盤による傾斜穴加工方法、傾斜穴加工用nc旋盤及びnc旋盤に使用される傾斜穴加工用チャック
CN107626995B (zh) 拉锁端部t型外螺纹或回转件的加工方法和数控旋风车床
JP5121361B2 (ja) 中空ワークの内面加工装置
KR101807811B1 (ko) 심압대를 개조한 선반 및 이를 이용한 파이프의 가공방법
JP5328011B2 (ja) 歯車材料支持装置、歯車加工装置、及び歯車製造方法
CN216502489U (zh) 一种气缸体粗镗主轴承半圆孔、粗扩凸轮轴孔专机
JPS594245B2 (ja) 管ストツクから環状の加工片を準備する方法とその方法を実施する機械
JPH08112703A (ja) 主軸台及び金属工作機械
JP2021137895A (ja) チャック装置、及び工作機械
JP2023086148A (ja) ワーク変形矯正装置及び工作機械
JPH10202401A (ja) 工作物の加工方法
JPH0550345A (ja) らせん状体加工装置
JP5220367B2 (ja) 精密ロール旋盤およびロール微細加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees