JP2008149409A - 円筒研削盤のチャック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内径を加工基準として円筒状、特にドーナツ状のワークの外径、或いは端面を研削加工する際の真円度、円筒度を高めることができる円筒研削盤のチャック装置を提供する。
【解決手段】スピンドル軸の先端部に、当該スピンドル軸に対して芯出しされて一体に装着された基準軸Sと、前記基準軸Sの外周面に対して僅かに出入り可能なように周方向に沿ってほぼ等間隔をおいて当該基準軸の半径方向に挿入され、しかも流体圧により前記半径方向に出入り可能な突出用及び後退用の各受圧面27がそれぞれ形成された多数本のチャックピンPと、前記各チャックピンPの突出用及び後退用の各受圧面に流体圧を独立させて作用させるために、前記基準軸の内部に分離して形成された突出用及び後退用の第1及び第2の各油路R1 ,R2 を備えた構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、内径を加工基準として、円筒状、特に直径に対する長さの比の小さいドーナツ状(リング状)のワークの外径(外周面)や端面を研削加工する際に使用される円筒研削盤のチャック装置に関するものである。
円筒研削盤において、円筒状、特にドーナツ状のワークの内周面をチャック装置でチャッキングして、前記ワークの外径や端面を加工する場合には、ワークの内径(内周面)の真円度や円筒度の精度が外径の加工部に直接に影響を与えることを念頭において(考慮したうえで)、研削加工を行っているのが現状であって、チャック装置としては、以下に挙げるものが使用されていた。
図10に示されるチャック装置は、特許文献1に開示されているチャック装置とほぼ同一構成のコレットチャック方式と称されるものであって、ワークWの内径をチャックするために複数のコレット片に分割されたコレット51と、各コレット片を開くための案内となるテーパー状のボディ52と、各コレット片を引き込んで前記ボディ52の外周のテーパー面に沿って開かせるためのドローバー53とを備え、コレット51の外側にワークWをセット位置基準部材54の基準端面54aに当接するまで挿入した後に、前記ドローバー53を引き込むことにより各コレット片を開いて、ワークWの内径をチャッキングする構成である。
上記方式のチャック装置は、ワークの内周面のほぼ全面に複数のコレット片が密着した状態で大きなチャッキング力で開くために、ワークの内径の真円度や円筒度がそのまま外径に転写された状態で加工されることになる。換言すると、ワークは、内周面のほぼ全部位において「半径方向外側に向いた大きなチャッキング力」が作用した状態で加工され、加工後においてチャッキングを緩めると、前記「大きな力」が解除される。例えば、ワークの外径の真円度は高いが内径の真円度が低くて「楕円形」である場合には、複数のコレット片でワークの内径をチャッキングすると、ワークの外径の真円度は低下して内径の形状に近い「楕円形」に変形される。この状態でワークを加工すると、ワークの外径はチャッキング状態での真円度は高いが、各コレット片を閉じてチャッキングを緩めると、ワークの内周面に半径方向に作用していた大きなチャッキング力が解除されるため、ワークの外径形状は内径形状に倣うように復元変形してしまい真円度が低下されてしまう。
図13を用いて、上記したことを具体的に説明する。なお、図13における未加工のワークW、及び加工済のワークW0 の各形状は、理解を容易にするために真円度が低い形状を誇張して表示してある。未加工のワークWは、図13(イ)に示されるように、外径の真円度は高いが内径の真円度が低く、当該ワークWの内径をコレットチャック装置の各コレット片でチャッキングすると、未加工のワークWには、図13(ロ)に示されるように、ワークWの内径の凸部61が外径に転写されて、チャッキング時の未加工ワークWの外径に凸部62が発生する。なお、図13(イ),(ロ)において、未加工ワークWの内径を表示する実線に近い部分の二点鎖線は、拡開時における複数のコレット片の外径線を示し、図13(ロ)において、未加工ワークWの外径線の内側の二点鎖線は、加工取代線を示す。図13(ロ)のチャッキング状態で未加工ワークWの外径加工を行うと、図13(ハ)に示されるように、加工済のワークW0 の外径は高い真円度の円となる。加工後においてチャッキングを解除すると、図13(ニ)に示されるように、加工済のワークW0 は、内周面のほぼ全周に作用していた半径方向の大きな力が解除されるため、内径は原形状に近い形状に復元変形して凸部61’が発生するために、加工済ワークW0 の外径は、内径の復元形状に倣って変形する。この結果、加工済のワークW0 の外径には、未加工のワークWの内径の凸部61’に対応する凹部63が生じて、真円度が低下する。
上記不具合は、円筒状のワークの内径をチャッキングして、外径研削を行う場合に一般的に発生するが、直径に対する長さの比の小さいドーナツ状(リング状)のワークは耐変形剛性が小さいために、上記不具合は、ドーナツ状のワークにおいて著しい。更に、ドーナツ状であって、しかも薄肉のワークは、一層耐変形剛性が小さくなるために、上記不具合の発生が著しくなる。
上記不具合の防止対策として、各コレット片によるチャッキング力を小さくすると、外径の真円度の低下は多少緩和されるが、外径の真円度の低下をほぼ確実に防止することはできない。このため、本来要求されるワークの外径の加工精度を高めるために、その加工基準となる内径の真円度、円筒度を高めるべく、内径の研削(内研)に力を注いでいるのが現状であって、全体としての加工コストが高まる。
従来実施されている他のチャッキング方式としては、図11に示されるように、チャック装置の内部に油を封入した油封入体71が内装されて、当該油封入体71の外周面にマンドレル外皮72が配置され、外部のピストン73により前記油封入体71を大きな力で押圧して前記マンドレル外皮72を膨張させてワークWの内径をチャッキングする「油圧マンドレルチャック方式」と称されるものや、図12に示されるように、板バネ状のダイヤフラム81の先端部に複数の爪部82が形成されて、前記ダイヤフラム81のバネ圧によって複数の爪部82によりワークWの内径をチャッキングする「ダイヤフラムチャック方式」と称されるものがある。しかし、いずれの方式のチャック装置も、ワークWの内径のほぼ全周に大きな圧力が作用する構成であるために、上記した「コレットチャック方式」と同様の不具合を有している。
特開平8−19909号公報
本発明は、内径を加工基準として円筒状、特にドーナツ状のワークの外径、或いは端面を研削加工する際の真円度、円筒度を高め、更に複数のワークをまとめて加工できるようにして加工能率を高めることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、内径を加工基準として、円筒状のワークの外径や端面を研削加工する際に使用される円筒研削盤のチャック装置であって、スピンドル軸の先端部に、当該スピンドル軸に対して芯出しされて一体に装着された基準軸と、前記基準軸の外周面に対して僅かに出入り可能なように周方向に沿ってほぼ等間隔をおいて当該基準軸の半径方向に挿入され、しかも流体圧により前記半径方向に出入り可能な突出用及び後退用の各受圧面がそれぞれ形成された多数本のチャックピンと、前記各チャックピンの突出用及び後退用の各受圧面に流体圧を独立させて作用させるために、前記基準軸の内部に分離して形成された突出用及び後退用の各流体路とを備えていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、基準軸の外側にワークを挿入して、突出用流体路に供給された流体の圧力を各チャックピンの突出用受圧面に作用させて、各チャックピンを同一の突出力で基準軸外周面から突出させてワークの内周面をチャッキングすると共に、後退用流体路に供給された流体の圧力を各チャックピンの後退用受圧面に作用させて、各チャックピンを基準軸外周面から後退させると、基準軸からワークを取り外すことができる。
このように、流体圧により多数本のチャックピンが、真円度、円筒度等で定められるワークの内周面形状に倣い、しかも各チャックピンがワークの内周面に同一力でもってポイント的に圧接してワークをチャックキングする構成であって、従来のチャック装置のように、ワークの内周面のほぼ全面にコレット片等が当接してチャッキングする構成ではないので、ワークのチャッキング時において内径形状が外径にそのまま転写される程度が著しく緩和されて(殆ど転写されなくなって)、外径形状は、そのまま本来の形状を維持し易くなる。この結果、研削加工後に各チャックピンを後退させてチャッキングを緩めても、ワークの内径形状がそのまま外径に転写されることがなくて、真円度、円筒度の高い高精度の加工が可能となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基準軸のチャックピンが挿入される部分は円筒部となっていて、当該円筒部の内側空間に、当該円筒部の内周面と所定の隙間を設けて円筒状をした第1流体路形成部材が配設され、前記チャックピンは、前記基準軸の円筒部に挿入されるピン本体部と、前記第1流体路形成部材の円筒部に挿入されるピストン部とで構成されて、基準軸の円筒部の内周面と第1流体路形成部材の円筒部の外周面とで形成される後退用流体路の流体圧によりチャックピン全体が後退するように、前記ピン本体部と前記ピストン部は、基準軸の半径方向に沿っては分離不能であるが、軸方向に沿っては分離可能に連結された構成であることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、チャックピンのピン本体部を基準軸の円筒部に挿入すると共に、チャックピンのピストン部を第1流体路形成部材の円筒部に挿入しておいて、前記基準軸の円筒部の内側空間に第1流体路形成部材を挿入する際に、ピン本体部とピストン部とを連結させることができる。よって、基準軸と第1流体路形成部材とチャックピンとの組み付けが容易となる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1流体路形成部材の円筒部の内部空間には、当該円筒部の内周面との間に突出用流体路が形成されるように円柱状の第2流体路形成部材が配設されて、前記チャックピンのピストン部の突出用受圧面には、前記第2流体路形成部材の外周面に軸方向に形成された回動防止溝に挿入される回動防止突起が形成されていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、第2流体路形成部材に対するチャックピンのピストン部の周方向の位置がずれないので、基準軸と第1流体路形成部材とチャックピンとの組み付けが一層容易となる。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記チャックピンは、基準軸の軸方向に沿って所定間隔をおいた異なる位置にそれぞれ周方向に沿って所定間隔をおいて挿入されて、隣接する各組のチャックピンは、周方向に沿ってずれた位置に配置されていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、基準軸の軸方向に沿って所定間隔をおいた異なる位置に周方向に沿って所定間隔をおいてチャックピンがそれぞれ挿入されていると共に、隣接する各組のチャックピンは、周方向に沿ってずれて配置されているため、ワークの内周面を多数のチャックピンにより多点でチャッキングする場合において、チャッキングバランスが良好となって、内径と外径との同心度が高まる等して、加工精度が高まると共に、ドーナツ状をした複数のワークを同時にセットして加工することが可能となって、加工能率も高まる。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記基準軸の外周面には、当該基準軸に挿入されたワークの軸方向に対する位置決めを行うためのリング状のセット位置基準部材が嵌合され、当該セット位置基準部材には、ワークの内周面取り面と嵌合可能な断面テーパー状の基準端面が形成されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、基準軸の外側にワークを挿入して、当該ワークの内周面取り面をセット位置基準部材に形成されたテーパー状の基準端面に当接させると、当該当接自体によって、基準軸、即ちスピンドル軸に対するワークの芯出しが行われて、多数本のチャックピンを備えた本発明に係るチャック装置による芯出しの精度が一層に高まる。
本発明は、流体圧により多数本のチャックピンが、真円度、円筒度等で定められるワークの内周面形状に倣い、しかも各チャックピンがワークの内周面に同一力でもってポイント的に圧接してワークをチャッキングする構成であって、従来のチャック装置のように、ワークの内周面のほぼ全面にコレット片等が当接してチャッキングする構成ではないので、ワークのチャッキング時において内径形状が外径に転写されなくなって、外径形状は、そのまま本来の形状を維持する。この結果、研削加工後に各チャックピンを後退させてチャッキングを緩めても、ワークの内径形状がそのまま外径に転写されることがなくて、真円度、円筒度の高い高精度の加工が可能となる。
以下、最良の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るチャック装置の正面断面図(図2のX−X線断面図)であり、図2は、同じく側面断面図(図1のY−Y線断面図)であり、図3(イ),(ロ)は、ワークWのチャッキング状態の部分拡大縦断面図、及び部分拡大横断面図であり、図4(イ),(ロ)は、ワークWのチャッキングを解除した状態の部分拡大縦断面図、及び部分拡大横断面図であり、図5は、チャックピンPの分解斜視図であり、図6は、基準軸Sの斜視図であり、図7及び図8は、それぞれ第1及び第2の各油路形成部材A1,A2 の斜視図である。図1及び図2において、円筒状のスピンドル軸1は、軸芯Cを水平にして主軸台(図示せず)に回転可能に支持されて駆動回転され、当該スピンドル軸1の先端面には、芯出し筒部2及び複数本のボルトB1 を介してフランジ盤3が一体に取付けられ、更に当該フランジ盤3の先端面には、芯出し軸部4及び複数本のボルトB2 を介して基準軸Sがフランジ部5の部分で一体に取付けられている。フランジ盤3の芯出し筒部2及び基準軸Sの芯出し軸部4によって、当該基準軸Sは、自身の軸芯がスピンドル軸1の軸芯Cと同一となるようにフランジ盤3を介してスピンドル軸1の先端部に一体に取付けられている。
基準軸Sは、図1、図2及び図6に示されるように、未加工のワークWをセット(装着)すると共に、当該ワークWの内周面を多数本のチャックピンPでチャッキングするための圧油の経路(油路)を形成するための部材であって、フランジ部5が形成されている部分を除いて先端面に開口した円筒状になっている。基準軸Sの円筒部は、ワークセット部6となっていて、当該ワークセット部6の外側には、セットするワークWの軸方向に沿った位置を定めるためのセット位置基準部材Dが嵌合されて、複数本のボルトB3 を介して基準軸Sのフランジ部5に一体に取付けられている。セット位置基準部材Dの先端面側には、ワークWの内径面取り面91と嵌合するテーパー状の基準端面10が形成されている。ワークWの内径面取り面91をセット位置基準部材Dの基準端面10に部分嵌合させてワークセット部6に挿入する(セットする)ことにより、スピンドル軸1の軸芯Cに対するワークWの芯出し精度を高めている。
図1、図3及び図6に示されるように、基準軸Sの円筒状をしたワークセット部6の内部空間7は、断面円形であって、奥側が段差状に形成されていて、第1油路形成部材A1 の円筒部8の先端の小径部8aが、ワークセット部6の内部空間7の最奥部の嵌合孔部7aにOリングG1 により油密を保持して嵌合されていると共に、前記円筒部8の基端の大径部8bが、ワークセット部6の内部空間7の内周面にOリングG2 により油密を保持して嵌合され、第1油路形成部材A1 のフランジ部9が、基準軸Sの前端面に複数本のボルトB3 を介して固定されている。基準軸Sのワークセット部6の内部空間7の内径は、第1油路形成部材A1 の円筒部8の中間径部8cの外径よりも小さく形成されて、前記内部空間7と前記中間径部8cとの間に、後述のチャックピンPを後退させるための圧油の経路である第2油路R2 を構成する環状路R2aが形成されている。また、第1油路形成部材A1 の先端面は、基準軸Sの内部空間7の底面には達しておらず、両面の間に、チャックピンPを前進(突出)させるための圧油の経路である第1油路R1 を構成する中空円板状の中間路R1bが形成されている。
図1、図3、図7及び図8に示されるように、第1油路形成部材A1 の円筒部8に形成された断面円形の内部空間11には、円柱状の第2油路形成部材A2 が同芯状に配設されて1本のボルトB4 によって前記第1油路形成部材A1 のフランジ部9にOリングG5 により油密を保持して固定され、第1油路形成部材A1 の内部空間11の内周面と第2油路形成部材A2 の外周面との間に、第1油路R1 を構成していて前記中間路R1bと連通する環状路R1aが形成されている。第2油路形成部材A2 の外周面には、周方向に沿って等間隔をおいてチャックピンPの回動を防止する複数本の回動防止溝12が軸方向に形成されている。
また、図1、図3及び図6に示されるように、基準軸Sのワークセット部6には、軸方向に沿って所定間隔(L)をおいた位置に、周方向に沿って一定間隔をおいて多数個(実施例では5個ずつ)のピン挿通孔21が形成されている。軸方向に沿って異なる位置に形成された各ピン挿通孔21は、周方向に沿ってずれて配置されて、全体からみると、ワークWを安定してチャッキング可能にするために、全てのピン挿通孔21は周方向に沿って等間隔をおいて配置されている(図2参照)。また、基準軸Sに対して第1油路形成部材A1 を一体に組み付けた状態において、当該第1油路形成部材A1 の円筒部8における前記ピン挿通孔21に対応する部分には、ピストン挿通孔22がそれぞれ形成されている。
チャックピンPは、図3及び図5に示されるように、基準軸Sのワークセット部6の各ピン挿通孔21に挿通されるピン本体部P1 と、第1油路形成部材A1 の各ピストン挿通孔22に挿通されるピストン部P2 とから成る。ピン本体部P1 とピストン部P2 は、いずれも円柱状であるが、チャックピンPに後退用受圧面23を形成するために、ピストン部P2 はピン本体部P1 よりも大径となっていて、当該ピストン部P2 の上面には、ピン本体部P1 の基端部に形成されたあり24を嵌合されるためのあり溝25が形成され、前記あり24及びあり溝25によって、ピン本体部P1 とピストン部P2 とは、分離可能に連結されている。ピン本体部P1 のあり24とピストン部P2 のあり溝25との嵌合は、組付け、及び分解を容易にするために、軸方向に沿って所定の「遊び」を有している。このように、チャックピンPを分割構造にしたのは、チャック装置の組み付けを可能にするためであって、内径の小さなワークWを加工する場合には、これに対応して基準軸Sの外径は小さくなり、チャックピンPが一体構造であると、組み付けができない。また、ピストン部P2 の下面には、組付状態でチャックピンPが回動して組付け、及び分解が不能となるのを防止するために、第1油路形成部材A1 の回動防止溝12に嵌合される回動防止突起26が形成されている。また、ピストン部P2 の下面、及び回動防止突起26の下面は、いずれも第1油路R1 の圧油の圧力を受けてチャックピンPを前進させるための前進用受圧面27〔図3(イ)参照〕となっている。なお、図3において、G3 ,G4 は、それぞれチャックピンPのピン本体部P1 及びピストン部P2 の外周部に嵌め込まれたOリングを示し、Kは、ピン本体部P1 の先端部外周に嵌め込まれたシールパッキンを示す。
基準軸Sに対してチャックピンP、並びに第1及び第2の各油路形成部材A1 ,A2 を組み付けるには、第1油路形成部材A1 の内部空間11に第2油路形成部材A2 を挿入配置してボルトB4 により、当該第1油路形成部材A1 に固定した後に、チャックピンPのピストン部P2 の回動防止突起26が第2油路形成部材A2 の回動防止溝12に挿通されるようにして、第1油路形成部材A1 に形成された各ピストン挿通孔22にチャックピンPのピストン部P2 を挿入しておく。この際に、第1油路形成部材A1 の半径方向に対するピストン部P2 のあり溝25の位置を組付け可能な所定位置に定めておく。一方、基準軸Sの内部空間7の側から、当該基準軸Sの各ピン挿通孔21にチャックピンPのピン本体部P1 を挿通しておく。この際、基準軸Sのワークセット部6の半径方向に対するピン本体部P1 の組付け可能な位置を定めておく。
次に、基準軸Sの先端開口面から当該基準軸Sの内部空間7に第1油路形成部材A1 を挿入すると、その完全挿入の直前において、各ピン本体部P1 のあり24が各ピストン部P2 のあり溝25にそれぞれ嵌合され、複数本のボルトB3 により基準軸Sに対して第1油路形成部材A1 のフランジ部9を一体に固定する。なお、ピン本体部P1 のあり24とピストン部P2 のあり溝25とが嵌合を開始する直前に、第1油路形成部材A1 の先端の小径部8aは、基準軸Sの内部空間7の最奥部の嵌合孔に対して嵌合されているため、前記あり24とあり溝25とは、基準軸Sのワークセット部6に対するピン本体部P1 及び第1油路形成部材A1 の円筒部8に対するピストン部P2 の各半径方向に沿った位置が正しければ確実に嵌合される。
また、図1において、基準軸Sの先端面には、チャックピンPを前進させる第1油路R1 及びチャックピンPを後退させる第2油路R2 をそれぞれ構成する圧油管R1p, R2pが管用ねじ28を介してそれぞれ接続されている。圧油管R1pは、基準軸S内に半径方向及び軸方向に形成された各中間路R1c,R1dを介して前記環状路R1aに接続されていると共に、圧油管R2pは、基準軸S内に半径方向及び軸方向に形成された各中間路R2b,R2cを介して前記環状路R2aに接続されている。
次に、図9を参照して、基準軸Sのワークセット部6にワークWをセットする方法を説明する。図9(イ)に示されるように、各チャックピンPが後退端に位置している状態で、基準軸Sのワークセット部6にワークを挿入して、セット位置基準部材Dの基準端面10に当接させる。この状態で、圧油管R1pを通して第1油路R1 に圧油が供給されると、図3及び図9(ロ)に示されるように、チャックピンPを構成するピストン部P2 の底面の前進用受圧面27に圧油が作用して、各チャックピンPが圧油の圧力に対応した均一の力で前進して、ピン本体部P1 の前端のわん曲面がワークWの内径(内周面)に突き当って、ワークWは、内径に多数本のチャックピンPが多点で突き当たることによりチャッキングされる〔図9(ロ)参照〕。
このようにして、多数本のチャックピンPをワークWの内径に突き当ててチャッキングした場合には、ワークWの内径が多点的に半径方向外側に向けて大きな力を受けているのみであって、従来の各チャック装置のように、ワークWの内径のほぼ全面が半径方向外側に向けて大きな力を受けているのと異なる。即ち、本発明においては、多数本のチャックピンPは、ワークWの内径形状(真円度)に倣ってそれぞれ最大前進量が微妙に異なった状態で、ワークWをチャッキングしている。このため、ワークWの多点チャッキング時において、ワークWの内径形状が外径にそのまま転写される程度が著しく緩和されて、外径形状は、そのまま本来の形状を維持し易くなる。図9(ロ)は、この状態を模式的に表しており、内径の大きな凸部61にチャックピンPが突き当たった部分の外径のみにおいても内径形状に倣う。このため、内径の大きな凸部61にチャックピンPが突き当たっても、外径に転写されることがない。
上記の状態で外径研削を行って〔図9(ハ)〕、チャッキングを解除した場合にも、外径部に影響を及ぼすことがない〔図9(ニ)〕。従って、本発明のチャック装置を使用すれば、従来のチャック装置を使用して外径研削を行う場合に比較して、ワークWの外径の真円度が大幅に高まる。
そして、ワークWの外径研削を終了した後には、第1油路R1 に作用している圧油を遮断して第2油路R2 に圧油を供給すると、図4に示されるように、各チャックピンPの後退用受圧面に油圧が作用して、各チャックピンPは後退端まで後退して、その先端面が加工済のワークW0 の内径から離脱する。これにより、基準軸Sのワークセット部6からのワークWの取外しが可能となる。
また、上記実施例は、基準軸の軸方向に沿って異なる2つの位置にそれぞれ周方向に沿って多数のチャックピンを挿入して、リング状のワークを1個ずつ加工する例である。しかし、本発明においては、基準軸の軸方向に沿って異なる多数の位置にそれぞれ周方向に沿って多数のチャックピンを挿入しておくことにより、複数のワークを同時にセットして外径研削を行うことが可能となるので、リング状のワークの加工能率が高められる。また、本発明は、耐変形剛性の小さいリング状のワークを加工する場合に上記した多大な作用効果が奏されるが、直径に対する長さの比の大きい一般の円筒状のワークの外径研削を行う場合においても、程度の差はあっても、同様の作用効果が奏される。
また、チャックピンの前進・後退を行なわせるには、油圧のみならず空気圧でも可能である。油圧、空気圧等の流体圧は、圧力調整が極めて容易であるので、本発明においてはチャッキング力の調整が容易となる。
また、上記実施例では、基準軸Sの外径が小さい場合において、チャックピンPの組付けを容易にするため、或いは可能にするために、チャックピンPはピン本体部P1 とピストン部P2 とに分割された構造であるが、基準軸Sの外径が大きい場合には、一体構造のチャックピンを使用することも可能である。
本発明に係るチャック装置の正面断面図(図2のX−X線断面図)である。 同じく側面断面図(図1のY−Y線断面図)である。 (イ),(ロ)は、ワークWのチャッキング状態の部分拡大縦断面図、及び部分拡大横断面図である。 (イ),(ロ)は、ワークWのチャッキングを解除した状態の部分拡大縦断面図、及び部分拡大横断面図である。 チャックピンPの分解斜視図である。 基準軸Sの斜視図である。 第1油路形成部材A1 の斜視図である。 第2油路形成部材A2 の斜視図である。 本発明に係るチャック装置の作用説明図である。 コレットチャック方式の従来のチャック装置の断面図である。 油圧マンドレル方式の従来のチャック装置の断面図である。 ダイヤフラム方式の従来のチャック装置の断面図である。 従来のチャック装置の作用説明図である。
符号の説明
1 :第1油路形成部材
2 :第2油路形成部材
D:セット位置基準部材
P:チャックピン
1 :ピン本体部
2 :ピストン部
1 :第1油路(前進用流体路)
2 :第2油路(後退用流体路)
S:基準軸
W:(未加工)ワーク
0 :加工済ワーク
1:スピンドル軸
6:基準軸のワークセット部(円筒部)
7:基準軸の内部空間
10:基準端面
12:回動防止溝
23:後退用受圧面
26:回動防止突起
27:前進用受圧面

Claims (5)

  1. 内径を加工基準として、円筒状のワークの外径や端面を研削加工する際に使用される円筒研削盤のチャック装置であって、
    スピンドル軸の先端部に、当該スピンドル軸に対して芯出しされて一体に装着された基準軸と、
    前記基準軸の外周面に対して僅かに出入り可能なように周方向に沿ってほぼ等間隔をおいて当該基準軸の半径方向に挿入され、しかも流体圧により前記半径方向に出入り可能な突出用及び後退用の各受圧面がそれぞれ形成された多数本のチャックピンと、
    前記各チャックピンの突出用及び後退用の各受圧面に流体圧を独立させて作用させるために、前記基準軸の内部に分離して形成された突出用及び後退用の各流体路とを備え、
    前記基準軸の外側にワークを挿入して、突出用流体路に供給された流体の圧力を各チャックピンの突出用受圧面に作用させて、各チャックピンを同一の突出力で基準軸外周面から突出させてワークの内周面をチャッキングすると共に、後退用流体路に供給された流体の圧力を各チャックピンの後退用受圧面に作用させて、各チャックピンを基準軸外周面から後退させてワークを取外し可能にしたことを特徴とする円筒研削盤のチャック装置。
  2. 前記基準軸のチャックピンが挿入される部分は円筒部となっていて、当該円筒部の内側空間に、当該円筒部の内周面と所定の隙間を設けて円筒状をした第1流体路形成部材が配設され、
    前記チャックピンは、前記基準軸の円筒部に挿入されるピン本体部と、前記第1流体路形成部材の円筒部に挿入されるピストン部とで構成されて、基準軸の円筒部の内周面と第1流体路形成部材の円筒部の外周面とで形成される後退用流体路の流体圧によりチャックピン全体が後退するように、前記ピン本体部と前記ピストン部は、基準軸の半径方向に沿っては分離不能であるが、軸方向に沿っては分離可能に連結された構成であることを特徴とする請求項1に記載の円筒研削盤のチャック装置。
  3. 前記第1流体路形成部材の円筒部の内部空間には、当該円筒部の内周面との間に突出用流体路が形成されるように円柱状の第2流体路形成部材が配設されて、前記チャックピンのピストン部に形成された突出用受圧面には、前記第2流体路形成部材の外周面に軸方向に形成された回動防止溝に挿入される回動防止突起が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の円筒研削盤のチャック装置。
  4. 前記チャックピンは、基準軸の軸方向に沿って所定間隔をおいた異なる位置にそれぞれ周方向に沿って所定間隔をおいて挿入されて、隣接する各組のチャックピンは、周方向に沿ってずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の円筒研削盤のチャック装置。
  5. 前記基準軸の外周面には、当該基準軸に挿入されたワークの軸方向に対する位置決めを行うためのリング状のセット位置基準部材が嵌合され、当該セット位置基準部材には、ワークの内周面取り面と嵌合可能な断面テーパー状の基準端面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の円筒研削盤のチャック装置。
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