JP2002214829A - 磁性トナー、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

磁性トナー、画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002214829A JP2001347397A JP2001347397A JP2002214829A JP 2002214829 A JP2002214829 A JP 2002214829A JP 2001347397 A JP2001347397 A JP 2001347397A JP 2001347397 A JP2001347397 A JP 2001347397A JP 2002214829 A JP2002214829 A JP 2002214829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電生成物を生ずることなく、廃トナー量を
大幅に減らすことが可能であり、低コストで小型化に有
利な現像兼クリーニング画像形成を可能とし、かつ長期
にわたる繰り返し使用においても帯電不良を生じない良
好な画像が得られる現像兼クリーニングにも適用できる
磁性トナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 a−Si系感光体を、該感光体と当接部
を形成して接触する帯電部材に電圧を印加することによ
り絶対値で250乃至600Vに帯電させ、静電潜像を
形成し、トナー担持体上に担持させた磁性トナーを前記
静電潜像に転移させて静電潜像を可視化し、トナー像を
転写材に静電転写させることにより画像を形成するにあ
たり、少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄とを含有し、平
均円形度が0.950から0.995であり、鉄及び鉄
化合物の遊離率が0.05%から3.00%であり、表面
に無機微粉末及び導電性微粉体を有する磁性トナーを用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法のごとき記録方法に用いるための磁性トナー、及
び該磁性トナーを用いた画像形成方法および画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性を有するトナー及び画像形成
方法に関しては多くの提案がなされている。
【0003】米国特許第3,909,258号明細書に
は電気的に導電性を有する磁性トナーを用いて現像する
方法が提案されている。これは内部に磁性を有する円筒
状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持し、こ
れを静電像に接触せしめ現像するものである。この際、
現像部において、記録体表面とスリーブ表面の間にトナ
ー粒子により導電路が形成され、この導電路を経てスリ
ーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電像の画像部と
の間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着して
現像される。この導電性磁性トナーを用いる現像方法は
従来の二成分現像方法にまつわる問題点を回避した優れ
た方法であるが、反面トナーが導電性であるため、現像
した画像を、記録体から普通紙等の最終的な支持部材へ
静電的に転写することが困難であるという問題を有して
いる。
【0004】静電的に転写することが可能な高抵抗の磁
性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の誘電分
極を利用した現像方法がある。しかし、かかる方法は本
質的に現像速度がおそく、また現像画像の濃度が十分に
得られていない。
【0005】高抵抗の絶縁性の磁性トナーを用いるその
他の現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒
子と現像スリーブとの摩擦により磁性ナー粒子を摩擦帯
電し、これを静電像保持部材に接触して現像する方法が
知られている。しかしこの方法は、磁性トナー粒子と摩
擦部材との接触回数が少なく、また、用いられる磁性ト
ナーは磁性トナー粒子表面に磁性体が多く露出している
ため、摩擦帯電が不十分となりやすく帯電不良になりや
すかった。
【0006】さらに、特開昭55−18656号公報に
おいて、ジャンピング現像方法が提案されている。これ
は現像スリーブ上に磁性トナーを薄く塗布し、これを摩
擦帯電し、次いでこれを静電像に極めて近接して静電荷
像を現像するものである。この方法は、磁性トナーを現
像スリーブ上に薄く塗布することにより現像スリーブと
トナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能に
している点で優れた方法である。
【0007】しかしながら、絶縁性磁性トナー粒子中に
は微粉体状の磁性体が相当量混合分散されており、該磁
性体の一部が磁性トナー粒子の表面に露出しているた
め、磁性トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響しやす
い。
【0008】従来の磁性体を含有する磁性トナー粒子を
用いた場合に、磁性トナー粒子の表面に磁性体が露出し
ていることが影響を与えると考えられる。磁性トナー粒
子の表面に、磁性トナー粒子を構成する樹脂に比して相
対的に抵抗の低い磁性体微粒子が露出することにより、
磁性トナー粒子の帯電性能の低下、磁性トナー粒子の流
動性の低下、長期間の使用においては、磁性トナー粒子
同士または規制部材との摺擦による磁性体の剥離に伴う
画像濃度の低下や、スリーブゴーストと呼ばれる濃淡の
ムラ、が発生しやすい。
【0009】懸濁重合法によるトナー(以後「重合トナ
ー」と略す)は、トナー粒子の微粒子化が容易に可能で
あり、更には、得られるトナーの形状が球状であること
から流動性に優れ、高画質化に有利となる。
【0010】しかしながら、この重合トナー粒子中に磁
性体を含有することにより、その流動性及び帯電特性は
低下する。これは、磁性粒子は一般的に親水性であるた
めにトナー表面に存在しやすいためであり、この問題を
解決するためには磁性体の有する表面特性の改質が重要
となる。
【0011】重合トナー粒子中の磁性体の分散性、内包
性向上のため、磁性体の表面改質に関しては数多くの提
案がなされている。例えば、特開昭59−200254
号公報、特開昭59−200256号公報、特開昭59
−200257号公報、特開昭59−224102号公
報等に磁性体の各種シランカップリング剤処理技術が提
案されており、特開昭63−250660号公報、特開
平10−239897号公報では、ケイ素元素含有磁性
粒子をシランカップリング剤で処理する技術が開示され
ている。
【0012】しかしながら、これらの処理によりトナー
粒子中の分散性はある程度向上するものの、磁性体表面
の疎水化を均一に行うことが困難であるという問題があ
り、したがって磁性体同士の合一や疎水化されていない
磁性体粒子の発生を避けることができず、トナー粒子中
の分散性をさらに改良する必要がある。
【0013】また、これらの処理により磁性トナー粒子
表面からの磁性酸化鉄粒子の露出はある程度抑制される
ものの、磁性酸化鉄粒子表面の疎水化を均一に行うこと
が困難であるという問題があり、したがって、磁性酸化
鉄粒子同士の合一や疎水化されていない磁性酸化鉄粒子
の発生を避けることができず、磁性酸化鉄粒子の露出を
抑制するには不十分である。
【0014】また、疎水化磁性酸化鉄を用いる例として
特公昭60−3181号公報にアルキルトリアルコキシ
シランで処理した磁性酸化鉄を含有するトナーが提案さ
れている。この磁性酸化鉄の添加により、確かにトナー
の電子写真諸特性は向上しているものの、磁性酸化鉄の
表面活性は元来小さく、処理の段階で合一粒子が生じた
り、疎水化が不均一であったりで、必ずしも満足のいく
ものではなく、本発明の画像形成方法に適用するにはさ
らなる改良が必要である。さらに、処理剤を多量に使用
したり、高粘性の処理剤を使用した場合、疎水化度は確
かに上がるものの、粒子同士の合一が生じて分散性は逆
に悪化してしまう。このような磁性体を用いて製造され
たトナーは、摩擦帯電性が不均一であり、それに起因し
てカブリや転写性が良くないものとなる。
【0015】このように、従来の表面処理磁性体を用い
た重合磁性トナーでは、疎水性と分散性の両立は必ずし
も達成されておらず、このような重合磁性トナーを本発
明のような接触帯電工程を含む画像形成方法に適用して
も、高精細な画像を安定して得ることは難しい。
【0016】特開平5−66608号公報、特開平4−
9860号公報で疎水化処理を施した無機微粉末若しく
は疎水化処理した後さらにシリコーンオイル等で処理し
た無機微粉末を添加、または特開昭61−249059
号公報、特開平4−264453号公報、特開平5−3
46682号公報で疎水化処理無機微粉末とシリコーン
オイル処理無機微粉末を併用添加する方法が知られてい
る。
【0017】また、外部添加剤として導電性微粒子を添
加する方法が提案されている。例えば、導電性微粒子と
してのカーボンブラックは、トナーに導電性を付与する
ため、またはトナーの過剰な帯電を抑制しトリボ分布を
均一化させるための目的で、トナー表面に付着または固
着するための外部添加剤として用いることが知られてい
る。また、特開昭57−151952号公報、特開昭5
9−168458号公報、特開昭60−69660号公
報では、高抵抗磁性トナーにそれぞれ酸化スズ、酸化亜
鉛、酸化チタンの導電性微粒子を外部添加することが開
示されている。また、特開昭56−142540号公報
では、高抵抗磁性トナーに酸化鉄、鉄粉、フェライトの
如き導電性磁性粒子を添加し、導電性磁性粒子に磁性ト
ナーへの電荷誘導を促進させることで現像性と転写性を
両立するトナーが提案されている。更に、特開昭61−
275864号公報、特開昭62−258472号公
報、特開昭61−141452号公報、特開平02−1
20865号公報では、トナーにグラファイト、マグネ
タイト、ポリピロール導電性粒子、ポリアニリン導電性
粒子を添加することが開示されているほか、多種多様な
導電性微粒子をトナーに添加することが知られている。
【0018】近年、潜像担持体等の被帯電体の帯電装置
として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利
点があることから接触帯電装置が多く提案され、また実
用化されている。
【0019】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁
気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯
電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に
所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性
・電位に帯電させるものである。
【0020】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入
帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが
支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0021】(1)放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。放電帯電機
構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有
するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印
加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生
量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原
理的に避けられないため、オゾンの如き活性イオンによ
る弊害は避けられない。
【0022】(2)直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、また
は注入帯電、または電荷注入帯電とも称される。より詳
しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触し
て、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いな
いで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よ
って、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加
電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電
することができる。この帯電系はイオンの発生を伴わな
いため放電生成物による弊害は生じない。しかし、直接
注入帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体への接触
性が帯電性に大きく効いてくる。そこでより高い頻度で
被帯電体に接触する構成をとるため、接触帯電部材はよ
り密な接触点を持つことが必要となる。
【0023】接触帯電装置は、接触帯電部材として導電
ローラー(帯電ローラー)を用いたローラー帯電方式が
帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられてい
る。従来のローラー帯電における帯電機構は前記(1)
の放電帯電機構が支配的である。帯電ローラーは、導電
または中抵抗のゴム材または発泡体を用いて作成され
る。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもあ
る。
【0024】帯電ローラーは被帯電体との一定の接触状
態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵
抗が大きく、多くの場合、被帯電体に従動または若干の
速度差をもって駆動される。従って、直接注入帯電しよ
うとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やロ
ーラー形状による接触ムラや被帯電体の付着物による帯
電ムラが生じる場合がある。
【0025】図1は電子写真法における接触帯電の帯電
効率例を表したグラフである。横軸に接触帯電部材に印
加したバイアス、縦軸にはその時得られた被帯電体(以
下、感光体と記す)帯電電位を表すものである。ローラ
ー帯電の場合の帯電特性はAで表される。即ち凡そ−5
00Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って、
−500Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を
印加するか、または、−500V直流の帯電電圧に加え
て、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電
圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電
位に収束させる方法が一般的である。
【0026】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
OPC感光体に対して帯電ローラーを加圧当接させた場
合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表
面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き
1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を
帯電開始電圧Vthと定義する。
【0027】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラーにはVd+Vth
という必要とされる以上のDC電圧が必要となる。この
ようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電
を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0028】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感
光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動
するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しか
った。
【0029】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピ
ーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部
材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これは、
ACによる電位のならし効果を目的としたものであり、
被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに
収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0030】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0031】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界によ
る接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0032】また、ファーブラシ帯電は、接触帯電部材
として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラ
シ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体
としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加
して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものであ
る。このファーブラシ帯電もその帯電機構は前記(1)
の放電帯電機構が支配的である。
【0033】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2 程度のも
のが比較的容易に得られるが、直接注入帯電により十分
均一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、
直接注入帯電により十分均一な帯電を行うには感光体に
対し機械構成としては困難なほどに速度差を持たせる必
要がある。
【0034】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図1のBに示される特性をとる。従って、フ
ァーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプの
どちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し、放電現象
を用いて帯電を行っている。
【0035】これらに対し、磁気ブラシ帯電は、接触帯
電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁
気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部
材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被
帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアス
を印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるも
のである。この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構は
前記(2)の直接注入帯電機構が支配的である。
【0036】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一に直接注入帯電を可能にす
る。図1の帯電特性グラフのCにあるように、印加バイ
アスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能になる。
【0037】しかしながら、機器構成が複雑であるこ
と、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落
して感光体に付着する場合がある等の弊害もある。
【0038】ここで、これらの接触帯電方法を現像兼ク
リーニング方法、クリーナーレス画像形成方法に適用し
た場合を説明する。
【0039】現像兼クリーニング方法、クリーナーレス
画像形成方法では、クリーニング部材を有さないために
感光体上に残余する転写残トナーが、そのまま接触帯電
部材と接触し、付着または混入する。また、放電帯電機
構が支配的である帯電方法の場合には、放電エネルギー
によるトナー劣化に起因する帯電部材への付着性の悪化
も生ずる。一般的に用いられている絶縁性トナーが接触
帯電部材に付着または混入すると、帯電性の低下が起こ
る。
【0040】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、付着または混
入した転写残トナーが接触帯電部材表面と被帯電体との
接触確率を低下させることにより被帯電体の帯電性が低
下する。
【0041】この被帯電体の一様帯電性の低下は、画像
露光後の静電潜像のコントラスト及び均一性の低下とな
り、画像濃度を低下させるまたはカブリを増大させる。
また、現像兼クリーニング方法、クリーナーレス画像形
成方法では、感光体上の転写残トナーの帯電極性及び帯
電量を制御し、現像工程で安定して転写残トナーを回収
し、回収トナーが現像特性を悪化させないようにするこ
とが重要であり、転写残トナーの帯電極性及び帯電量の
制御を帯電部材によって行う。
【0042】これについて具体的に一般的なレーザープ
リンターを例として説明する。マイナス極性電圧を印加
する帯電部材、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯
電性のトナーを用いる反転現像の場合、その転写工程に
おいて、プラス極性の転写部材によって可視化された像
を記録媒体に転写することになるが、記録媒体の種類
(厚み、抵抗値、誘電率等の違い)と画像面積等の関係
により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイ
ナスまで変動する。
【0043】しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電す
る際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共
に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス
極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極
性を揃えることが出来る。これゆえ、現像方法として反
転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部電位
部にはマイナスに帯電された、転写残余のトナーが残
り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現像
電界の関係上トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電
位をもつ感光体上に転写残トナーは残留することなく回
収される。帯電部材によって感光体の帯電と同時に転写
残余のトナーの帯電極性を制御することにより、現像兼
クリーニング、クリーナーレス画像形成方法が成立す
る。
【0044】しかしながら、転写残トナーが接触帯電部
材のトナー帯電極性の制御能力以上に、接触帯電部材に
付着または混入すると、一様に転写残トナーの帯電極性
を揃えることができず、現像部材によってトナーを回収
することが困難となる。また、トナー担持体に摺擦等の
機械的力によって回収されたとしても、転写残トナーの
帯電が均一に揃えられていないと、トナー担持体上のト
ナーの帯電性に悪影響を及ぼし、現像特性を低下させ
る。
【0045】現像兼クリーニング、クリーナーレス画像
形成方法に於いては、転写残トナーの帯電部材通過時の
帯電制御特性及び帯電部材への付着・混入特性が、耐久
特性、画像品質特性に密接につながっている。
【0046】帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行う
ために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末を
塗布する構成も特公平7−99442号公報に開示され
ている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラー)
が被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)で
あり、スコロトロンの如きコロナ帯電器と比べるとオゾ
ン生成物の発生は少なくなっているものの、帯電原理は
前述のローラー帯電の場合と同様に依然として放電帯電
機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性を
得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加
するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多く
なってしまう。よって、長期に装置を使用した場合に
は、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやす
い。更に、クリーナーレスの画像形成装置に適用した場
合には、転写残トナーの混入のため塗布した粉末が均一
に帯電部材に付着していることが困難となり、均一帯電
を行う効果が薄れてしまう。
【0047】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれな
かったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付
着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、ト
ナー中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい
平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示され
ている。しかし、ここで用いられた接触帯電または近接
帯電は放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構で
はなく、放電帯電による前述の問題がある。
【0048】更に、クリーナーレスの画像形成装置へ適
用した場合には、クリーニング機構を有する場合と比較
して多量の導電性微粉体及び転写残トナーが帯電工程を
通過することによる帯電性への影響、これら多量の導電
性微粉体及び転写残トナーの現像工程における回収性、
回収された導電性微粉体及び転写残トナーによるトナー
の現像特性への影響に関して何ら考慮されていない。更
に、接触帯電に直接注入帯電機構を適用した場合には、
導電性微粉体が接触帯電部材に必要量供給されず、転写
残トナーの影響による帯電不良を生じてしまう。
【0049】また、近接帯電では、多量の導電性微粉体
及び転写残トナーにより感光体を均一帯電することが困
難であり、転写残トナーのパターンを均す効果が得られ
ないため転写残トナーのパターン画像露光を遮光するた
めのパターンゴーストを生ずる。更に、画像形成中の電
源の瞬断または紙詰まり時にはトナーによる機内汚染が
著しくなる。
【0050】また、現像兼クリーニング画像形成方法に
於いて、転写残トナーの帯電部材通過時の帯電制御特性
を向上させることで現像兼クリーニング性能を向上させ
るものとして、特開平11−15206号公報では、特
定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化合物を含有
するトナー粒子と無機微粉末とを有するトナーを用いた
画像形成方法が提案されている。更に、現像兼クリーニ
ング画像形成方法に於いて、トナーの形状係数を規定し
た転写効率に優れたトナーにより、転写残トナー量を減
少させることで現像兼クリーニング性能を向上させるこ
とも提案されている。しかしながら、ここで用いられた
接触帯電も放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機
構ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、
これらの提案は、接触帯電部材の転写残トナーによる帯
電性低下を抑制する効果はあっても、帯電性を積極的に
高める効果は期待できない。
【0051】更には、市販の電子写真プリンターの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
ー部材を用い、現像での転写残トナー回収性を補助また
は制御する現像兼クリーニング画像形成装置もある。こ
のような画像形成装置は、良好な現像兼クリーニング性
を示し、廃トナー量を大幅に減らすことができるが、コ
ストが高くなり、小型化の点でも現像兼クリーニングの
利点を損ねている。
【0052】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子及びトナー粒径の1/2以
下の粒径を有する導電性を有する導電性微粉体を含むト
ナーを、直接注入帯電機構を用いた現像兼クリーニング
画像形成方法に適用した画像形成装置が開示されてい
る。この提案によると、放電生成物を生ずることなく、
廃トナー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小
型化に有利な現像兼クリーニング画像形成装置が得ら
れ、帯電不良、画像露光の遮光または拡散を生じない良
好な画像が得られる。
【0053】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性粒子を含むトナーを、直接注入帯電機構を用い
た現像兼クリーニング画像形成方法に適用し導電性粒子
に転写促進効果を持たせた画像形成装置が開示されてい
る。
【0054】更に、特開平10−307455号公報で
は導電性微粉体の粒径を構成画素1画素の大きさ以下と
すること、及びより良好な帯電均一性を得るために導電
性微粉体の粒径を10nm〜50μmとすることが記載
されている。
【0055】特開平10−307457号公報では人の
視覚特性を考慮して帯電不良部の画像への影響を視覚的
に認識されにくい状態とするために導電性粒子を約5μ
m以下、好ましくは20nm〜5μmとすることが記載
されている。
【0056】更に、特開平10−307458号公報に
よれば、導電性微粉体の粒径をトナー粒径以下とするこ
とで、現像時にトナーの現像を阻害する、または現像バ
イアスが導電性微粉体を介してリークすることを防止し
画像の欠陥をなくすことができること、及び導電性微粉
体の粒径を0.1μmより大きく設定することにより、
像担持体に導電性微粉体が埋め込まれ露光光を遮光する
弊害も解決し優れた画像記録を実現する直接注入帯電機
構を用いた現像兼クリーニング画像形成方法が記載され
ている。
【0057】特開平10−307456号公報によれ
ば、トナーに導電性微粉体を外部添加し、少なくとも可
撓性の接触帯電部材と像担持体との当接部に前記トナー
中に含有の導電性微粉体が、現像工程で像担持体に付着
し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介在
していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じない
良好な画像が得られる現像兼クリーニング画像形成装置
が開示されている。
【0058】しかしながら、これらの提案も長期にわた
る繰り返し使用における安定した性能、解像性を高める
ためにより粒径の小さな磁性トナー粒子を用いる場合の
性能に更なる改良の余地があった。
【0059】さらに前述の被帯電体となる、光導電物質
で電子写真用感光体として用いられることが公知のもの
としては、OPC(有機系感光体)、アモルファスシリ
コン(以後a−Siと呼ぶ。)がある。
【0060】OPC感光体は、耐摩耗性、耐久性に決定
的な欠点を有しているため、それへの対策が急務とされ
ている。上述のように、現在、実用化され、画像形成装
置に適用されている感光体は、感度、耐久性、画質、無
公害性について満足されるものはなく、それぞれの感光
体の持つ欠点を、トナーまたはプロセス的に補うことに
より、画像形成装置として製品化され市場化されてい
る。
【0061】a−Siは可視領域全域にわたって高い感
光度をもつため、半導体レーザーやカラー用にも対応で
きる。また表面硬度が高く、長寿命が期待でき、ビッカ
ース硬度で1500〜2000Kgf/mm2を有し、
50〜100万枚以上の耐刷性能を持っている。耐熱性
に対しても、画像形成装置の実用レベルの範囲において
十分使用できるものである。
【0062】また、一般的にa−Si感光体の表面暗電
位は、膜厚に対応するといわれている。現在、実用化さ
れている感光体の表面暗電位は、CdS系感光体では最
低でも500V、Se系感光体、OPC系感光体では、
600〜800Vが必要である。この電位をa−Siで
達成するためには膜厚を厚くする必要がある。
【0063】このような問題に対し、a−Si感光体の
量産性とコストの面、性能面の両面を満足しうるものと
して、薄膜化が提案されている。けれども、この方法に
おいては、低電位で現像できるトナーを選択しなければ
ならない。a−Si膜の薄膜化は、コスト及び生産能
力、感光特性を満足しうるものの、その一方で、表面電
位がOPCに比べて低下してしまう。
【0064】従って、a−Si感光体を実用的に使用し
うるためには、高い現像能力を有したトナーを用いなけ
ればならない。また、高画質や高耐久性などの目的に応
じて、薄膜a−Si感光体においては特に、表面性をコ
ントロールする必要も出てくるのも事実である。
【0065】a−Si感光体の例としては、a−Siに
代表される珪素原子を主成分として含む非単結晶質堆積
膜として、例えば水素及び/又はハロゲン(例えばフッ
素、塩素)を含む(例えば水素またはダングリングボン
ドを補償する)a−Siのアモルファス堆積膜が高性
能、高耐久、無公害な感光体として提案され、その幾つ
かは実用化されている。特開昭54−86341号公
報、USP4,265,991号には、光導電層を主と
してa−Siで形成した電子写真感光体の技術が開示さ
れている。また特開昭60−12554号公報には珪素
原子を含有する非晶質シリコンからなる光導電層の表面
に炭素及びハロゲン原子を含む表面層が開示されてお
り、更に特開平2−111962号公報には、a−S
i:H又は、a−C:H感光層上に表面保護潤滑層を設
けた感光体が開示されているが、何れも撥水性や耐摩耗
性を向上させる技術であり、電子写真プロセスと感光体
の表面層との関係に関する記載はない。
【0066】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環境
に左右されにくく、安定、且つ均一な帯電性能を有し、
アモルファスシリコン感光体との組み合わせにおいて、
カブリがなく、長時間の使用においても画像濃度が高
く、転写性も良好であり、画像再現性に優れた磁性トナ
ーを提供することにある。
【0067】本発明の目的は、前述のような問題点を解
決して、良好な現像兼クリーニング画像形成を可能とす
る画像形成方法を提供することにある。
【0068】また、本発明の目的は、放電生成物を生ず
ることなく、廃トナー量を大幅に減らすことが可能な、
低コストで小型化に有利な現像兼クリーニング画像形成
を可能とし、かつ長期にわたる繰り返し使用において
も、帯電不良を生じない良好な画像が得られる現像兼ク
リーニング画像形成方法及び装置を提供することにあ
る。
【0069】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、以下の磁性トナーにより前述の課題を解決
することができることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0070】すなわち、本発明は、導電性支持体と、シ
リコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導
電層とを有する像担持体を、該像担持体と当接部を形成
して接触する帯電部材に電圧を印加することにより絶対
値で250乃至600Vに帯電させる帯電工程と、帯電
した像担持体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工
程と、トナー担持体上に担持させた磁性トナーを静電潜
像に転移させて静電潜像を現像して磁性トナー像を形成
する現像工程と、像担持体上に形成された磁性トナー像
を中間体を介して、又は、介さずに転写材に静電転写さ
せる転写工程とを少なくとも含み、像担持体上に繰り返
して作像が行われる画像形成方法に用いられる磁性トナ
ーであって、少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄とを含有
する磁性トナー粒子と、磁性トナー粒子表面に存在する
無機微粉末及び導電性微粉体とを少なくとも有し、重量
平均粒径が3〜10μmであり、平均円形度が0.95
0から0.995であり、鉄及び鉄化合物の遊離率が
0.05%から3.00%であることを特徴とする磁性ト
ナーに関する。
【0071】さらに、本発明は、像担持体を帯電部材に
より帯電させる帯電工程と、帯電した像担持体に静電潜
像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に
担持させた磁性トナーを静電潜像に転移させて静電潜像
を現像して磁性トナー像を形成する現像工程と、像担持
体上に形成された磁性トナー像を転写材に中間転写体を
介して、又は、介さずに静電転写させる転写工程とを少
なくとも含み、像担持体上に繰り返して作像が行われる
画像形成方法において、帯電工程は、像担持体と当接部
を形成して接触する帯電部材に電圧を印加して絶対値で
250乃至600Vに像担持体を帯電させる工程であ
り、像担持体は、導電性支持体と、シリコン原子を母体
とする非単結晶材料で構成された光導電層とを有し、磁
性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄とを含有
する磁性トナー粒子と、磁性トナー粒子表面に存在する
無機微粉末及び導電性微粉体を少なくとも有し、重量平
均粒径が3〜10μmであり、平均円形度が0.950
から0.995であり、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.
05%から3.00%であることを特徴とする画像形成
方法に関する。
【0072】本発明では、前記当接部に粒子が介在する
ことが、帯電均一性を向上させ、かつ長期にわたって安
定した帯電均一性を実現する上で好ましい。
【0073】また、本発明では、前記像担持体が、絶対
値で250乃至550Vに、好ましくは250乃至50
0Vに帯電されることが、画像不良の発生を防止する上
で好ましい。
【0074】また、本発明では、前記磁性トナーの磁場
79.6kA/mにおける磁化の強さが10〜50Am
2/kgであることが、トナー飛散等を防止し、かつ高
画質の画像を形成する上で好ましい。
【0075】また、本発明では、前記磁性トナーの鉄及
び鉄化合物の遊離率が0.05%から2.00%、より
好ましくは0.05%から1.50%、さらに好ましく
は0.05%から0.80%であることが、良好な帯電
特性による画像形成を行う上で好ましい。
【0076】また、本発明では、前記磁性トナーの平均
円形度が好ましくは0.970から0.995であるこ
とが、磁性トナーの良好な転写性を実現する上で好まし
い。
【0077】また、本発明では、前記磁性トナーのモー
ド円形度が0.99以上であることが、磁性トナーの良
好な帯電特性や転写性等を実現する上で好ましい。
【0078】また、本発明では、前記磁性酸化鉄が、水
系媒体中でカップリング剤を加水分解することにより表
面処理されたものであることが、磁性トナーの上記平均
円形度を実現し、かつ磁性トナーの帯電特性をより向上
させる上で好ましい。
【0079】また、本発明では、前記磁性トナーは、一
次平均粒径が4〜80nmの無機微粉末を有すること
が、磁性トナーの流動性を向上させるなどの観点から好
ましく、一次平均粒径が4〜80nmのシリカ、酸化チ
タン、アルミナから選ばれる少なくとも一種の無機微粉
末またはその複酸化物を有することがより好ましい。
【0080】また、本発明では、前記磁性トナーは、疎
水化処理されている無機微粉末を有することが、環境等
の条件による帯電特性の変動等を抑制する上で好まし
く、無機微粉末は少なくともシリコーンオイルで、さら
には少なくともシラン化合物及びシリコーンオイルで処
理されていることがより好ましい。
【0081】また、本発明では、前記磁性トナーは、抵
抗値が109Ω・cm以下であり、トナーの体積平均粒
径よりも小さい非磁性導電性微粉体を、磁性トナー全体
に対し0.2〜10質量%有することが、長期にわたる
安定した像担持体の帯電を実現する上で好ましい。
【0082】また、本発明では、前記非磁性導電性微粉
体の抵抗値が106Ω・cm以下であることが、磁性ト
ナーの帯電と帯電手段による像担持体の帯電とを良好な
範囲で行う上で好ましい。
【0083】また、本発明では、前記磁性トナーが有す
る導電性微粉体は、少なくとも表面が金属酸化物であ
り、該金属酸化物の主金属に対し0.1〜5原子%の異
原子を含有する金属酸化物であるか、または酸素欠損型
の金属酸化物であることが、トナー等の帯電特性を調整
する上で好ましい。
【0084】また、本発明では、前記磁性トナーは、ト
ナー全体に対し0.1〜20質量%のワックスを含有す
ることが、トナーの耐オフセット性を向上させる上で好
ましい。
【0085】また、本発明では、前記ワックスの示差熱
分析による融点の吸熱ピークが40〜110℃、より好
ましくは45〜90℃であることが、耐高温オフセット
性と耐低温オフセット性との両方を実現する上で好まし
い。
【0086】また、本発明では、前記像担持体を直接加
温する手段を設けないことが、画像形成に要する消費電
力の省力化を実現する上で好ましい。また、トナー融着
を抑制する観点からも好ましい。
【0087】また、本発明では、前記像担持体が、導電
性支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で
構成された光導電層と、この光導電層とは組成の異なる
非単結晶材料で構成された最表面層とを有し、該最表面
層が非単結晶水素化炭素膜よりなることが、像担持体の
長寿命化の観点から好ましい。
【0088】また、本発明では、前記現像工程がトナー
像を転写材上に転写した後に像担持体に残留したトナー
を回収するクリーニング工程を兼ねていることが、エコ
ロジー及び装置の小型化等の観点から好ましい。
【0089】また、本発明では、前記帯電工程におい
て、介在する粒子が導電性微粉体であることが、高画質
画像を安定して形成する上で好ましく、帯電部材と像担
持体との当接部に103個/mm2以上の導電性微粉体が
介在した状態で像担持体を帯電する工程であることがよ
り好ましい。
【0090】また、本発明では、前記帯電工程は、当接
部を形成する前記帯電部材の表面の移動速度と前記像担
持体の表面の移動速度が、相対的速度差を有しつつ像担
持体を帯電する工程であることが、像担持体の均一帯電
を実現する上で好ましく、帯電部材と像担持体が互いに
逆方向に移動しつつ像担持体を帯電する工程であること
がより好ましい。
【0091】また、本発明では、前記帯電工程は、アス
カーC硬度が50度以下のローラー部材に電圧を印加す
ることにより像担持体を帯電する工程であることが、像
担持体と帯電部材との接触性を向上させ、より均一に像
担持体を帯電させる上で好ましい。
【0092】また、本発明では、前記帯電工程は、体積
固有抵抗値が103Ω・cm〜108Ω・cmのローラー
部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電する工
程であることが好ましい。
【0093】また、本発明では、前記帯電工程は、ロー
ラー部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電す
る工程であり、該ローラー部材は少なくとも表面に球形
換算での平均セル径が5〜300μmである窪みを有し
ており、該窪みを空隙部としたローラー部材表面の空隙
率が15〜90%であることが好ましい。
【0094】また、本発明では、前記帯電工程は、導電
性を有するブラシ部材に電圧を印加することにより像担
持体を帯電する工程であっても良い。
【0095】また、本発明では、前記帯電工程は、帯電
部材に直流電圧、または直流印加における放電開始電圧
をVthとしたときに2×Vth未満のピーク間電圧を有す
る交流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することに
より像担持体を帯電する工程であることが、オゾンの発
生を伴わない像担持体の帯電を実現する上で好ましく、
帯電部材に直流電圧、または直流印加における放電開始
電圧(Vth)未満のピーク間電圧を有する交流電圧を直
流電圧に重畳した電圧を印加することにより、実質的に
放電現象を伴うことなく像担持体を帯電する工程である
ことが、さらに省力化を実現する上で好ましい。
【0096】また、本発明では、前記帯電工程は、介在
する粒子が磁性粒子であること、すなわち磁性粒子を磁
気拘束し形成される磁気ブラシを該像担持体の表面に当
接させ、該磁気ブラシに電圧を印加することにより該像
担持体の表面を帯電させる磁気ブラシ帯電器により帯電
する工程であることが、像担持体を均一に帯電し、かつ
像担持体の帯電部材との摺擦による削れをより防止する
上で好ましい。
【0097】また、本発明では、前記磁性粒子の体積平
均径は、10〜50μmであることが好ましく、前記磁
性粒子の体積抵抗値は、1×104〜1×109Ωcmで
あることが好ましい。
【0098】また、本発明では、前記静電潜像形成工程
は、像露光により像担持体の帯電面に静電潜像として画
像情報を書き込むことが好ましい。
【0099】また、本発明では、前記現像工程は、トナ
ー担持体上に5〜50g/m2のトナー層を形成し、ト
ナー層からトナーを像担持体上に転移させ静電潜像を現
像する工程であることが好ましく、前記現像工程におい
て、該トナー担持体と対向して微小間隔をもって配設さ
れる強磁性金属ブレードによりトナー担持体上のトナー
量を規制することが、トナーの劣化を抑制しつつ上記層
厚を規制する上で好ましい。
【0100】また、本発明では、前記現像工程は、像担
持体とトナー担持体を対向させる間隙が100〜100
0μmであることが好ましく、前記現像工程は、像担持
体とトナー担持体との間隙よりも層厚が小さなトナー層
をトナー担持体上に形成し、該トナー層からトナーを像
担持体上に転移させ静電潜像を現像する工程であること
が、像担持体の削れやトナーの劣化のより少ない画像形
成を実現する上で好ましい。
【0101】また、本発明では、前記現像工程は、トナ
ーを担持するトナー担持体と像担持体の間に少なくとも
交番電界を現像バイアスとして印加して像担持体の静電
潜像を現像する工程であり、該交番電界はピークツーピ
ークの電界強度で3×106〜1×107V/m、周波数
100〜5000Hzであることが好ましい。
【0102】また、本発明では、前記転写工程は、転写
部材が転写時に転写材を介して像担持体に当接して、像
担持体上のトナー像を転写材に転写する接触転写工程で
あることが好ましい。
【0103】
【発明の実施の形態】本発明では、像担持体の帯電性を
均一にし長期に亘り安定化させる上で、磁性トナーにお
ける鉄および鉄化合物の遊離率、像担持体の材質と帯電
電位との関係が重要である。以下、その理由について述
べる。
【0104】本発明で使用される磁性トナー中で遊離し
ている鉄および鉄化合物は、磁性酸化鉄粒子に由来する
ものであり、磁性トナー粒子に外添されている導電性微
粉体と共に像担持体の帯電性を均一化および安定化する
上で重要な働きをしている。
【0105】遊離している磁性酸化鉄粒子は、低抵抗
性、弱帯電性を示し、かつ硬度が高いために、接触する
部材を削る性質を有する。
【0106】一方、像担持体において、光導電層がシリ
コン原子を母体とする非単結晶物質で形成されているた
めに表面自由エネルギーが高く、特に無機粒子又は無機
微粒子との相互作用が強い傾向にある。像担持体表面に
付着した磁性酸化鉄粒子は、帯電工程における注入帯電
性を補助し、さらに、帯電部材と像担持体の接触面にお
いて像担持体を研磨し、像担持体表面をリフレッシュし
て、帯電均一性を長期に亘って維持することが可能にな
る。
【0107】像担持体の帯電電位が250V乃至600
Vであり、磁性酸化鉄粒子の遊離率が0.05〜3.0
0%の範囲であると、シリコン原子を母体とする非単結
晶物質で形成されている光導電層の表面に磁性酸化鉄粒
子及び導電性微粉体が適度に磁性トナーから供給され、
また、光導電層の表面から磁性酸化鉄粒子及び導電性微
粉体が除去されるので、光導電層の表面にある磁性酸化
鉄粒子及び導電性微粉体の存在量が安定し、帯電工程に
おける注入帯電がより安定化し、像担持体の表面の削れ
ムラが抑制されて帯電性の不均一化が防止される。
【0108】本発明に使用する磁性トナーについて説明
する。本発明において、トナーは少なくとも結着樹脂と
磁性酸化鉄とを含有し、平均円形度が0.950〜0.
995の範囲にあり、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.0
5〜3.00%の範囲にあり、且つ磁性トナー粒子表面
に無機微粉末および導電性微粉体を有することが重要で
ある。
【0109】平均円形度が0.950以上となると、ト
ナー表面の凹凸がある程度緩和された形状となり、本発
明の磁性トナーの構成成分である無機微粉末および導電
性微粉体の付着状態が均一になり電子写真プロセスに適
用する上で必要な流動性が得られる。0.950未満で
あると所望の流動性が得られない場合があるため、好ま
しくない。
【0110】本発明の画像形成方法において現像工程が
像担持体上の残留トナーを回収する工程を兼ねている場
合には、導電性微粉体が顕画粒子とは別に挙動し帯電工
程へ供給されて像担持体を帯電させる作用をする。この
ときにトナーの平均円形度が0.950未満であると効
率良く導電性微粉体を帯電工程へ供給できなくなる傾向
があるため、あまり好ましくない。
【0111】トナーの平均円形度が高くなると本発明の
画像形成方法への適性がより良化する傾向があり、トナ
ーの平均円形度は0.970以上がさらに好ましい。
【0112】平均円形度が0.970以上のトナー(ト
ナー粒子群で構成される粉体)から構成されるトナーは
転写性に非常に優れている。これは磁性トナー粒子と感
光体との接触面積が小さく、鏡像力やファンデルワール
ス力に起因する磁性トナー粒子の感光体への付着力が低
下するためと考えられる。従って、このような磁性トナ
ーを用いれば転写率が高く、転写残トナーが非常に低減
するため、帯電部材と感光体との圧接部における磁性ト
ナーが非常に少なく、トナー融着が防止され、画像欠陥
が著しく抑制されるものと考えられる。
【0113】さらに、平均円形度が0.970以上の磁
性トナー粒子は表面のエッジ部がほとんど無いため、帯
電部材と感光体との圧接部において摩擦が低減され、感
光体表面の削れが抑制されることも挙げられる。これら
の効果は、転写中抜けの発生しやすい接触転写工程を含
む画像形成方法においては、より顕著となって現れる。
平均円形度が高い場合でも主として存在する粒子の円形
度が低いと効果が不十分な場合もあるため、特に、後に
説明するモード円形度が0.99以上であると、円形度
が0.990以上の粒子が主として存在することから、
上記の効果が顕著に表れるので好ましい。
【0114】また、本発明のトナーとして好ましい0.
970以上の平均円形度、0.99以上のモード円形度
を有することによって、トナー担持体上でのトナーの穂
立ちが細かく密になることによって、帯電が均一化され
さらにカブリが大幅に減少する。
【0115】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亞医用電子製フロー式粒子像分析装置
「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以
上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形
度(Ci)を下式(1)によりそれぞれ求め、さらに下
式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和
を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(Ca)と定
義する。
【0116】
【数1】
【数2】
【0117】モード円形度は、円形度を0.40から
1.00までを0.01毎に61分割し、測定した粒子
の円形度をそれぞれの円形度に応じて各分割範囲に割り
振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となるピー
クの円形度である。
【0118】本発明で用いている測定装置である「FP
IA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円
形度及びモード円形度の算出に当たって、粒子を得られ
た円形度によって、円形度0.40〜1.00を61分
割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平
均円形度及びモード円形度の算出を行う算出法を用いて
いる。しかしながら、この算出法で算出される平均円形
度及びモード円形度の各値と、上述した各粒子の円形度
を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び
モード円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的
には無視出来る程度のものであり、本発明においては、
算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの
取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用
いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算
出法を用いても良い。
【0119】具体的な測定方法としては、界面活性剤を
約0.1mg溶解している水10mlに磁性トナー約5
mgを分散させて分散液を調整し、超音波(20KH
z、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5
000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行
い、3μm以上の円相当径を有する粒子群の平均円形度
及びモード円形度を求める。
【0120】本発明における平均円形度とは、磁性トナ
ーの凹凸の度合いを表す指標であり、磁性トナーが完全
な球形の場合1.000を示し、磁性トナーの表面形状
が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0121】本測定において3μm以上の円相当径の粒
子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μm未満
の円相当径の粒子群には磁性トナー粒子とは独立して存
在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その影
響により磁性トナー粒子群についての円形度が正確に見
積もれないからである。
【0122】また、磁性トナーの円形度分布において、
モード円形度が0.99以上であると、磁性トナー粒子
の多くが真球に近い形状を有することを意味しており、
上記作用がより一層顕著になり、転写効率は非常に高い
ものとなる。
【0123】従ってこのような磁性トナーを用いれば転
写効率が高く、転写残トナーが非常に低減する為、帯電
部材と感光体との圧接部における磁性トナーが非常に少
なくなり、安定した帯電が行われると共にトナー融着が
防止され、画像欠陥が著しく抑制されるものと考えられ
る。
【0124】これらの効果は、転写中抜けの発生しやす
い接触転写工程を含む画像形成方法においては、より顕
著となって現れる。
【0125】さらに、従来では困難であった小粒径を呈
する磁性トナーの転写性が大幅に改善されると共に低電
位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特にデジタ
ル方式の微小スポット潜像を現像する場合に有効であ
る。本発明の画像形成方法に必須のアモルファスシリコ
ン感光体とのマッチングは極めて良好となる。
【0126】平均円形度が0.950未満の場合、転写
性が低下するばかりか、現像性が低下する場合がある。
また、平均円形度が0.995を超えるとトナー表面の
劣化が著しいものとなり耐久性等に問題を生じる様にな
る。
【0127】次に、鉄及び鉄化合物の遊離率について説
明する。遊離率とは、磁性トナー粒子から遊離した鉄又
は鉄化合物(例えば磁性酸化鉄粒子)の個数の割合であ
る。遊離率は走査型電子顕微鏡等での観察、測定も可能
であるが、プラズマを利用した粒子の発光スペクトルか
ら測定することができる。この測定法において、遊離率
とは、結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、鉄
原子の発光の同時性から次式により求めたものと定義さ
れる。
【数3】
【0128】ここで、炭素原子の発光から2.6mse
c以内に発光した鉄原子の発光を同時発光とし、それ以
降の鉄原子の発光は鉄原子のみの発光とする。磁性トナ
ー粒子には磁性酸化鉄微粒子が多く含まれる為、炭素原
子と鉄原子が同時発光するという事は、トナー中に磁性
酸化鉄粒子が分散している事を意味し、鉄原子のみの発
光は、磁性酸化鉄粒子が磁性トナーから遊離している事
を意味する。
【0129】プラズマを利用する測定法によれば、トナ
ー等の微粒子を一個ずつプラズマへ導入することによ
り、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子
数、粒子の粒径を知る事が出来る。このような測定に
は、例えばパーティクルアナライザー(PT1000:
横河電機(株)製)を測定装置として用いることができ
る。パーティクルアナライザーはJapan Hard
copy97論文集の65−68ページに記載の原理で
測定を行う。
【0130】具体的な測定方法としては、0.1%酸素
含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%の環境
にて測定を行い、トナーサンプルは同環境下にて1晩放
置し、調湿したものを測定に用いる。チャンネル1で炭
素原子(測定波長247.860nm、Kファクターは
推奨値を使用)、チャンネル2で鉄原子(測定波長23
9.56nm、Kファクターは3.3764を使用)を
測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光数が1,00
0から1,400個となるようにサンプリングを行い、
炭素原子の発光数が総数で10,000以上となるまで
スキャンを繰り返し、発光数を積算する。この時、炭素
元素の発光個数を縦軸に、元素の三乗根電圧を横軸にと
った分布において、該分布が極大を一つ有し、更に、谷
が存在しない分布となるようにサンプリングし、測定を
行う。そして、このデータを元に、全元素のノイズカッ
トレベルを1.50Vとし、上記計算式を用い、鉄及び
鉄化合物の遊離率を算出する。
【0131】アゾ系の鉄化合物の如き鉄原子を含有する
有機化合物がトナー中に含まれている場合があるが、こ
ういった化合物は鉄原子と同時に有機化合物中の炭素も
同時に発光するため、遊離の鉄原子としてはカウントさ
れない。
【0132】本発明者らが検討を行ったところ、鉄及び
鉄化合物の遊離率と磁性酸化鉄粒子のトナー表面への露
出量には深い関連があり、遊離の磁性酸化鉄粒子量が
3.00%以下であれば、磁性酸化鉄粒子のトナー粒子
表面への露出が抑制されるとともに、高い帯電量を有し
得る。これは磁性酸化鉄粒子の粒度分布、磁性酸化鉄粒
子の表面処理の均一性に依存するものである。一例とし
て、磁性酸化鉄粒子の表面処理が不均一である場合、表
面処理が充分に施されていない、親水性の高い磁性酸化
鉄粒子はトナー粒子表層に存在し、表面に存在している
磁性酸化鉄粒子の一部または全てが遊離してしまう。
【0133】この為、鉄及び鉄化合物の遊離率が低い程
磁性トナーの帯電量は高い傾向を示す一方、遊離率が
3.00%より大きいと、チャージのリーク点が多くな
りすぎてしまい、磁性トナーの帯電量が不十分となりや
すい。この傾向は高温高湿下で特に顕著なものとなる。
また、帯電量の低い磁性トナーはカブリの増加を招くと
共に、転写効率が低く、帯電不良を引き起こしやすく好
ましくない。さらに、平均円形度が高く、鉄及び鉄化合
物の遊離率が低い磁性トナーであると、均一な高い帯電
量を有することが出来るとともに、トナーの形状も相乗
効果として働き、転写効率は非常に高いものとなる。
【0134】一方、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05
%より少ないと、実質的に磁性酸化鉄粒子は磁性トナー
粒子から遊離していないことを意味する。このように鉄
及び鉄化合物の遊離率が低い磁性トナーは高い帯電量を
有するものの、多数枚画出し、特に低温低湿下における
多数枚の画像出力時に、磁性トナーのチャージアップに
起因する画像濃度の低下、及び、画像のがさつきが生じ
てしまうことがある。
【0135】これは、次の様な理由であると考えてい
る。一般的に、トナー担持体上の磁性トナーは感光体上
へ全て現像されることは無く、現像直後においてもトナ
ー担持体上には磁性トナーは存在する。特に磁性トナー
を用いたジャンピング現像においてはその傾向が強い。
さらに円形度の高い磁性トナーは、現像部(現像領域)
において、均一な細い穂を形成しており、穂の先端部に
存在する磁性トナーから現像されてしまい、トナー担持
体付近の磁性トナーはなかなか現像されないものと考え
られる。
【0136】そのため、トナー担持体付近の磁性トナー
は繰り返し帯電部材による摩擦帯電を受け、チャージア
ップしてしまい、さらに現像されにくくなる。また、こ
の様な状態では、磁性トナーの帯電均一性は損なわれ、
画像のがさつきを生じてしまう。
【0137】ここで、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.0
5%以上の磁性トナーを用いた場合、遊離の磁性酸化鉄
粒子または磁性トナー粒子表面に存在している磁性酸化
鉄粒子により磁性トナーのチャージアップが抑制される
と共に、磁性トナーの帯電量の均一性が促され、がさつ
きは抑制される。
【0138】このため、円形度が高く、帯電量の高い磁
性トナーであっても、チャージのリークサイトである磁
性酸化鉄粒子が存在すれば、長期使用でのチャージアッ
プを抑制できるので、遊離の磁性酸化鉄粒子は0.05
%以上であることが重要である。
【0139】これらの理由により、高い帯電量を安定し
て得る為には、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05%か
ら3.00%であることが必要であり、さらに0.05
%から2.00%であることが好ましく、0.05%か
ら1.50%であることがより好ましく、0.05%か
ら0.80%であることがより一層好ましい。
【0140】本発明の磁性トナー粒子は重合法によって
得られる磁性トナー粒子であるのが好ましい。磁性トナ
ー粒子は、粉砕法によって製造することも可能である
が、粉砕法で得られる磁性トナー粒子は一般に不定形の
ものであり、本発明において磁性トナーの必須要件であ
る平均円形度が0.950以上、さらに好ましい0.9
70以上(好ましくはモード円形度が0.99以上)と
いう物性を得るためには機械的、熱的の如き処理を行う
ことが必要となる。
【0141】本発明においては、磁性トナー粒子を懸濁
重合法により製造することが好ましい。磁性トナー粒子
の重合法としては、直接重合法、懸濁重合法、乳化重合
法、乳化会合重合法、シード重合法が挙げられる。これ
らの中では、粒径と粒子形状のバランスのとりやすさと
いう点で、特に懸濁重合法により製造することが好まし
い。
【0142】懸濁重合法においては重合性単量体および
磁性粒子(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電
制御剤、その他の添加剤)を均一に分散せしめて単量体
組成物とした後、この単量体組成物を、分散安定剤を含
有する水系媒体(例えば水相)中に適当な撹拌器を用い
て分散し、分散した状態で重合反応を行わせ、所望の粒
径を有する磁性トナー粒子を得るものである。
【0143】この懸濁重合法で得られる磁性トナー粒子
(以後「重合磁性トナー粒子」ともいう)は、個々の磁
性トナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、平均円
形度が0.970以上という本発明において好適な物性
要件を満たす磁性トナーが得られやすく、さらにこうい
った磁性トナーは帯電量の分布も比較的均一となるため
高い転写性を有している。
【0144】しかしながら、重合磁性トナー粒子中に通
常の磁性体を含有させても、磁性トナー粒子表面からの
磁性酸化鉄粒子の露出を抑えることは難しい。さらには
磁性トナー粒子の流動性及び帯電特性が低下するだけで
なく、重合磁性トナー粒子の製造時に磁性酸化鉄粒子と
水との相互作用が強いことにより、所望の平均円形度の
磁性トナーが得られ難い。これは、(1)磁性酸化鉄粒
子は一般的に親水性であるために磁性トナー粒子表面に
存在しやすいこと、(2)水系媒体中で撹拌時に磁性酸
化鉄粒子が乱雑に動き、それに単量体組成物の粒子表面
が引きずられ、形状が歪んで円形になりにくいという原
因が考えられる。こういった問題を解決するためには磁
性体酸化鉄粒子の有する表面特性の改質が重要である。
【0145】本発明の画像形成方法において、磁性トナ
ーに使用される磁性酸化鉄においては、その粒子表面を
疎水化する際、水系媒体中で、磁性酸化鉄粒子を一次粒
径となるよう分散しつつカップリング剤を加水分解しな
がら表面処理する方法を用いることが好ましい。この疎
水化処理方法は気相中で処理するより、磁性酸化鉄粒子
同士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性酸
化鉄粒子間の帯電反発作用が働き、磁性酸化鉄粒子はほ
ぼ一次粒子の状態で表面処理される。
【0146】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら磁性酸化鉄粒子表面を処理する方法は、クロロシ
ラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカッ
プリング剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気
相中では磁性酸化鉄粒子同士が合一しやすくて、良好な
処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用でき
るようになり、疎水化の効果は非常に大きい。
【0147】磁性酸化鉄粒子の表面処理において使用で
きるカップリング剤としては、例えば、シランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。より好ま
しく用いられるのはシランカップリング剤であり、下記
の一般式(I)
【化1】Rm−Si−Yn (I) [式中、Rはアルコオキシ基を示し、mは1〜3の整数
を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、
及びメタクリル基から選択される炭化水素基を示し、n
は1〜3の整数を示す。]で示されるものである。
【0148】このようなシランカップリング剤として
は、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒ
ドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、
n−オクタデシルトリメトキシシランを挙げることがで
きる。
【0149】特に、下記の一般式(II)で示されるア
ルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用して
水系媒体中で磁性粒子を疎水化処理するのが良い。
【化2】 Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 (II) [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す]で示されるアルキルトリアルコキシシランカッ
プリング剤を使用して水系媒体中で磁性酸化鉄粒子を疎
水化処理するのが良い。
【0150】上記式(II)におけるpが2より小さい
と、疎水化処理は容易となるが、疎水性が低下し、磁性
トナー粒子からの磁性酸化鉄粒子の露出を抑制するのが
難しくなる。またpが20より大きいと、疎水性は十分
になるが、磁性酸化鉄粒子同士の合一が多くなりやす
く、磁性酸化鉄粒子を十分に均一に分散させた磁性トナ
ー粒子を生成することが困難になり、得られた磁性トナ
ー粒子を使用する磁性トナーはカブリが発生しやすくや
転写性が低下する傾向となる。また、qが3より大きい
とシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化が低
下する。
【0151】特に、式中のpが2〜20の整数(より好
ましくは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の整数
(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルト
リアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良
い。その処理量は磁性酸化鉄粒子100質量部に対し
て、0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質
量部とするのが良い。
【0152】ここで、水系媒体とは、水を主要成分とし
ている媒体である。具体的には、水系媒体として水その
もの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH
調製剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが
上げられる。界面活性剤としては、ポリビニルアルコー
ルの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。界面活性
剤は、水に対して0.1〜5wt%添加するのが良い。
pH調製剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノールが挙げられ、水
に対して0〜500wt%添加するのが好ましい。
【0153】撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機
(具体的には、アトライター、TKホモミキサーの如き
高剪断力混合装置)で、磁性酸化鉄粒子が水系媒体中
で、一次粒子になるように充分におこなうのが良い。
【0154】こうして得られる磁性酸化鉄は粒子の凝集
が見られず、個々の粒子表面が均一に疎水化処理されて
いるため、重合磁性トナー用の材料として用いた場合、
磁性トナー粒子を生成するための単量体組成物中への分
散性が非常に良好である。しかも磁性トナー粒子表面か
らの露出が無く、ほぼ球形に近い重合磁性トナー粒子が
得られる。従って、こういった磁性酸化鉄粒子を用いる
ことにより、平均円形度が0.970以上、さらにはモ
ード円形度が0.99以上、遊離率が1.50%以下と
いう磁性トナーを得ることが可能となる。この磁性トナ
ーを本発明の画像形成方法で用いると、感光体の削れや
トナー融着がより一層抑制され、低湿環境下においても
高画質の安定化が達成できるのである。
【0155】また、本発明に使用する磁性トナーは表面
に遊離の磁性酸化鉄が少ないか存在しないため、高く均
一な摩擦帯電量を有するが、導電性微粉体を磁性トナー
粒子表面に有することにより、低温低湿化における多数
枚画出しにおいても良好な画像を得ることが可能であ
る。
【0156】本発明で使用する磁性トナーは、磁性トナ
ー全体に対し0.1〜20質量%のワックスを含有する
ことも好ましい。後述するように、各種のワックスが例
示できる。
【0157】画像形成プロセスにおいて転写材上に転写
された磁性トナー像はその後、熱・圧力等のエネルギー
により転写材上に定着され、半永久的定着画像が得られ
る。この際、熱ロール式定着の如き加熱加圧定着方式が
一般に良く用いられる。
【0158】前述のように、重量平均粒径が10μm以
下の磁性トナー粒子を用いれば非常に高精細な画像を得
ることができるが、粒径の細かい磁性トナー粒子は紙の
如き転写材を使用した場合に紙の繊維の隙間に入り込
み、熱定着用ローラーからの磁性トナーの熱の受け取り
が不十分となり、低温オフセットが発生しやすい。しか
しながら、本発明に係わる磁性トナーにおいて、離型剤
として適正量のワックスを含有させることにより、高解
像性と耐オフセット性を両立させつつ感光体の削れを防
止することが可能となる。
【0159】本発明に係わるトナーに使用可能な離型剤
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びそ
の誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィ
ンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャン
デリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体が挙
げられる。これらの誘導体には、酸化物や、ビニル系モ
ノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パル
ミチン酸化合物の如き脂肪酸、その酸アミドワックス、
そのエステルワックス、そのケトン化合物;硬化ヒマシ
油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックスが
挙げられる。
【0160】これらのワックス成分の中では、示差走差
熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に
40〜110℃の領域に最大吸熱ピークを有するものが
好ましく、45〜90℃の領域に有するものがより好ま
しい。上記温度領域に最大吸熱ピークを有することによ
り、低温定着に大きく貢献しつつ、離型性をも効果的に
発現する。該最大吸熱ピークが40℃未満であるとワッ
クス成分の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オ
フセット性が低下する。一方、該最大吸熱ピークが11
0℃を越えると定着温度が高くなり低温オフセットが発
生しやすくなり好ましくない。さらに、水系媒体中で造
粒/重合を行い重合方法により直接磁性トナー粒子を得
る場合、該最大吸熱ピーク温度が高いと主に造粒中にワ
ックス成分が析出するという問題を生じ好ましくない。
【0161】ワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定
は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測
定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い
る。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を
用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用い
る。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対
照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測
定を行う。
【0162】本発明の画像形成方法に係わる磁性トナー
において、これらのワックス成分の含有量としては、磁
性トナー全体に対して0.1〜20質量%の範囲が好ま
しい。含有量が0.1質量%未満では低温オフセット抑
制効果が低下し、20質量%を超えてしまうと長期間の
保存性が低下すると共に、他のトナー材料の分散性が低
下し、磁性トナーの流動性の低下や画像特性の低下につ
ながる。
【0163】本発明の画像形成方法に使用する磁性トナ
ーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合
しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用で
き、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安
定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、直接
重合法を用いて磁性トナー粒子を製造する場合には、重
合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的に
ない荷電制御剤が特に好ましい。
【0164】具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御
剤としては、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアル
キルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳
香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料またはアゾ顔料
の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基
を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合
物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。
【0165】ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム
塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合
物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾ
ール化合物が挙げられる。
【0166】荷電制御剤を磁性トナーに含有させる方法
としては、磁性トナー粒子内部に添加する方法と外添す
る方法がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、
結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めた
磁性トナー粒子の製造方法によって決定されるもので、
一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹
脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ま
しくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
【0167】本発明の磁性トナーをネガ帯電性磁性トナ
ーとする際には、アゾ染料もしくはアゾ顔料の金属塩ま
たはそれらの金属錯体が好ましく用いられる。しかしな
がら、本発明の画像形成方法に使用する磁性トナーは、
必ずしも荷電制御剤の添加は必須ではなく、磁性トナー
の層厚規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に
利用することで磁性トナー中に必ずしも荷電制御剤を含
む必要はない。
【0168】次に、磁性トナー粒子に含まれる磁性酸化
鉄粒子および結着樹脂について説明する。磁性トナー粒
子は、磁性体として少なくとも、マグネタイト粒子、マ
グヘマイト粒子、フェライト粒子の如き磁性酸化鉄粒子
を含有する。
【0169】これら磁性酸化粒子は、窒素吸着法による
BET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、特に3
〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7のものが好ま
しい。
【0170】本発明で使用される磁性トナーに用いられ
る磁性酸化鉄粒子は、結着樹脂100質量部に対して、
10質量部乃至200質量部を用いることが好ましい。
さらに好ましくは20〜180質量部を用いることが良
い。10質量部未満では磁性トナーの着色力が乏しく、
カブリを抑制しにくい。一方、200質量部を越える
と、トナー担持体への磁力による保持力が強まり現像性
が低下してしまうことや、個々の磁性トナー粒子への磁
性酸化鉄粒子の均一な分散が難しくなるだけでなく、定
着性が低下してしまうことがある。
【0171】本発明の画像形成方法に使用される磁性ト
ナーに用いられる磁性酸化鉄粒子は、例えばマグネタイ
トの場合、下記方法で製造することができる。
【0172】まず、第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して
当量または当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリ
を加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製し
た水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8〜1
0)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以
上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、
磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
【0173】次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加
えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一
鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持し
ながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をすす
め種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反
応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調製し、磁性酸化鉄粒子が一次粒子
になるよう十分に攪拌し、カップリング剤を添加して十
分に混合攪拌し、攪拌後に濾過し、乾燥し、軽く解砕す
ることで疎水性処理磁性酸化鉄粒子が得られる。
【0174】また、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得
られた磁性酸化鉄粒子を、乾燥せずに別の水系媒体中に
再分散させた後、再分散液のpHを調製し、十分攪拌し
ながらシランカップリング剤を添加し、カップリング処
理を行っても良い。酸化反応終了後に乾燥工程を経ずに
表面処理を行うことが好ましい。
【0175】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄が利用可能で
ある。水溶液法による磁性酸化鉄粒子の製造方法は一般
に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解
度から鉄濃度0.5〜2mol/lが用いられる。硫酸
鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向
を有する。又、反応に際しては、空気量が多い程、そし
て反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0176】このようにして製造された疎水性磁性酸化
鉄粒子を材料とした磁性トナーを使用することにより、
感光体の削れ及びトナー融着が発生せず、高画質及び高
安定性が可能となる。
【0177】また、磁性酸化鉄粒子の形状としては、八
面体、六面体、球状、針状、鱗片状があるが、八面体、
六面体、球状の如き異方性の少ないものが画像濃度を高
める上で好ましい。こういった磁性酸化鉄粒子の形状は
SEMなどによって確認することができる。
【0178】磁性酸化鉄粒子の粒径としては、磁性酸化
鉄粒子の磁気特性も考慮すると、体積平均粒径が0.1
〜0.3μmであり、かつ0.03〜0.1μmの粒子
の個数%が40%以下であることが好ましい。さらに、
0.3μm以上の粒子が10個数%以下であるとより好
ましい。
【0179】平均粒径が0.1μm未満の磁性酸化鉄粒
子を用いた磁性トナーから画像を得ると、画像の色味が
赤味にシフトし、画像の黒色度が不足したり、ハーフト
ーン画像ではより赤味が強く感じられる傾向が強くな
る。また、このようなトナーをカラー画像に用いた場合
には、色再現性が得られにくくなったり、色空間の形状
がいびつになる傾向があるため好ましくない。さらに、
磁性酸化鉄粒子の表面積が増大するために分散性が低下
し、製造時に要するエネルギーが増大し、効率的ではな
い。また、磁性酸化鉄粒子の添加量に比べ画像の濃度が
不足することもあり好ましいものではない。
【0180】一方、磁性酸化鉄粒子の平均粒径が0.3
μmを越えると、一粒子あたりの質量が大きくなるた
め、製造時に重合性単量体との比重差の影響で磁性トナ
ー粒子表面に露出する確率が高まったり、製造装置が摩
耗しやすくなったり、水系媒体流での単量体組成物の粒
子の安定性が低下する傾向が高まるため、あまり好まし
くない。
【0181】また、磁性トナー粒子中において該磁性酸
化鉄粒子の0.1μm以下の粒子の個数%が40%を越
えると、磁性酸化鉄粒子の表面積が増大して分散性が低
下し、磁性トナー粒子中にて凝集塊を生じやすくなり磁
性トナーの帯電性を損なったり、着色力が低下したりす
る可能性が高まるために40%以下が好ましい。さら
に、30%以下となると、その傾向はより小さくなるた
め、より好ましい。
【0182】0.03μm未満の磁性酸化鉄は、粒子径
が小さいことに起因して磁性トナー粒子製造時に受ける
応力が小さいため、磁性トナー粒子の表面へ出る確率が
低くなる。さらに、仮に磁性トナー粒子表面に露出して
もリークサイトとして作用することはほとんど無く実質
上問題とならない。そのため、本発明では、0.03〜
0.1μmの粒子に注目し、その個数%を定義するもの
である。磁性酸化鉄粒子中の0.3μm以上の粒子が1
0個数%を超えると、着色力が低下し、画像濃度が低下
する傾向にあるので好ましくない。より好ましくは5個
数%以下とするのが良い。
【0183】本発明においては、前述の粒度分布の条件
を満たすよう、磁性酸化鉄粒子の製造条件を設定した
り、予め粉砕及び分級の如き粒度分布の調整を行ったも
のを使用することが好ましい。分級方法としては、例え
ば、遠心分離やシックナーといった沈降分離を利用した
ものや例えばサイクロンを利用した湿式分級装置の如き
手段が好適である。
【0184】磁性酸化鉄粒子の体積平均粒径及び粒度分
布の決定は、以下の測定方法によって行う。粒子を十分
に分散させた状態で、透過型電子顕微鏡(TEM)にお
いて3万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性
酸化鉄粒子のそれぞれ投影面積を測定し、測定された各
磁性酸化鉄粒子の投影面積に等しい円の相当径を各磁性
酸化鉄粒子径として求めた。さらに、その結果を基に、
体積平均粒径の算出ならびに0.03〜0.1μmの粒
子と、0.3μm以上の粒子の個数%を計算した。
【0185】磁性トナー粒子中の磁性酸化鉄粒子の体積
平均粒径及び粒度分布を決定する場合には、以下の測定
方法によって行う。エポキシ樹脂中へ観察すべき磁性ト
ナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中
で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームによ
り薄片上のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TE
M)において1万倍乃至4万倍の拡大倍率の写真で視野
中の100個の磁性酸化鉄粒子のそれぞれ投影面積を測
定し、測定された各磁性酸化鉄粒子の投影面積に等しい
円の相当径(D)を各磁性酸化鉄粒子径として求めた。
さらに、その結果を基に、下記式に示す体積平均粒径D
vを求め、また0.03〜0.1μmの粒子と、0.3
μm以上の粒子の個数%を計算した。
【0186】
【数4】
【0187】これらの磁性酸化鉄粒子の磁気特性として
は、磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜20
0Am2/Kg、残留磁化が1〜100Am2/Kg、抗
磁力が1〜30kA/mであるものが用いられる。
【0188】また、本発明の磁性トナーは、磁場79.
6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強
さが10〜50Am2/kg(emu/g)である磁性
トナーであることが特に好ましい。
【0189】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は、磁性酸化鉄粒子の磁
気特性を表す量としては、磁気飽和における磁化の強さ
(飽和磁化)が用いられるが、本発明においては画像形
成装置内で実際に磁性トナーに作用する磁場における磁
性トナーの磁化の強さが重要であるためである。画像形
成装置に磁性トナーが適用される場合、磁性トナーに作
用する磁場は、画像装置外への磁場の漏洩を大きくしな
いためまたは磁場発生源のコストを低く抑えるために、
市販されている多くの画像形成装置において数十から百
数十kA/mであり、画像形成装置内で実際に磁性トナ
ーに作用する磁場の代表的な値として磁場79.6kA
/m(1000エルステッド)を選択し、磁場79.6
kA/mにおける磁化の強さを規定した。
【0190】現像装置内に磁気力発生手段を設けること
で、磁性トナーでは磁性トナーの漏れを防止でき、磁性
トナーの搬送性または撹拌性を高められるばかりでな
く、トナー担持体上に磁力が作用するように磁気力発生
手段を設けることで、現像兼回収システムにおいては転
写残トナーの回収性がさらに向上し、又磁性トナーが穂
立ちを形成するために磁性トナーの飛散を防止すること
が容易となる。
【0191】しかし、磁性トナーの磁場79.6kA/
mにおける磁化の強さが10Am2/kg未満である
と、上記の効果が得られず、トナー担持体上に磁力を作
用させると磁性トナーの穂立ちが不安定となり、磁性ト
ナーへの帯電付与が均一に行えないことによるカブリ、
画像濃度ムラ、転写残トナーの回収不良等の画像不良を
生じやすくなる。また、磁気力による磁性トナーのトナ
ー担持体への搬送も不十分になりやすい。トナーの磁場
79.6kA/mにおける磁化の強さが50Am 2/k
gよりも大きいと、トナーに磁力を作用させると磁気凝
集によりトナーの流動性が著しく低下し、転写性が低下
することで転写残トナーが増加する。さらに磁化の強さ
を大きくするために磁性酸化鉄量を増量すると定着性が
低下する。
【0192】本発明において磁性トナーの磁化の強さ
は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA
/mで測定した。また、磁性酸化鉄粒子の磁気特性は、
25℃の室温にて外部磁場769kA/mで測定した。
【0193】さらにまた、磁性酸化鉄粒子以外に他の着
色剤を併用しても良い。併用しうる着色材料としては、
磁性または非磁性無機化合物、公知の染料および顔料が
挙げられる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケル
の如き強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガ
ン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素を加えた合
金、ヘマタイトの如き粒子、チタンブラック、ニグロシ
ン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニンが挙
げられる。これらもまた、磁性酸化鉄粒子と同様に表面
を処理して用いても良い。
【0194】次に本発明の磁性トナー粒子を製造する重
合方法の一つである懸濁重合法を説明する。
【0195】磁性トナー粒子の結着樹脂を生成する重合
性単量体としては以下のものが挙げられる。重合性単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステ
ル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如き単量体が挙げられる。
【0196】これらの単量体は単独、または混合して使
用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチ
レン誘導体を単独で、またはほかの単量体と混合して使
用する事が磁性トナーの現像特性及び耐久性の点から好
ましい。
【0197】重合磁性トナーの製造においては、単量体
組成物に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、単量
体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合
を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如
き親水性官能基を有する単量体ユニットをトナー粒子中
に導入したい時には、これらとスチレンまたはエチレン
の如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共
重合体、またはグラフト共重合体にして使用することが
できる。またはポリエステル、ポリアミドの如き重縮合
体;ポリエーテル、ポリイミンの如き重付加重合体の形
で使用が可能となる。
【0198】こうした極性官能基を含む高分子重合体を
トナー粒子中に共存させると、前述のワックス成分を相
分離させ、より内包化が強力となり、耐オフセット性、
耐ブロッキング性、低温定着性の良好な磁性トナーを得
ることができる。
【0199】このような極性官能基を含む高分子重合体
を使用する場合、その重量平均分子量は5,000以上
が好ましく用いられる。分子量が5,000未満(特に
4,000以下)では、重合体が磁性トナー粒子表面付
近に集中し易い事から、現像性及び耐ブロッキング性が
低下する。
【0200】また、材料の分散性や定着性、または画像
特性の改良を目的として上記以外の樹脂を単量体組成物
中に添加しても良い。用いられる樹脂としては、ポリス
チレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置
換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエ
チル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレ
ン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエ
ーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重
合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル
酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノー
ル樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石
油樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独または混合
して使用できる。
【0201】これら樹脂の添加量としては、単量体10
0質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未
満では添加効果が小さく、一方20質量部以上添加する
と重合磁性トナーの種々の物性設計が難しくなる。
【0202】さらに、単量体を重合して得られる磁性ト
ナー粒子の分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量
体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフ
セット性の高い磁性トナー粒子を得ることが出来る。
【0203】重合磁性トナー粒子の製造において使用さ
れる重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5〜
30時間であるものを、重合性単量体に対し0.5〜2
0質量部の添加量で重合反応を行うと、分子量1万〜1
0万の間に極大を有する重合体を得ることができ、磁性
トナーに好ましい強度と適当な溶融特性を与えることが
出来る。
【0204】重合開始剤例としては、2,2'−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シ
クロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾ
ビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジ
アゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチル
エチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエートの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0205】重合磁性トナー粒子を製造する際は、架橋
剤を添加しても良く、好ましい添加量としては、0.0
01〜15質量%である。ここで架橋剤としては、主と
して2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用
いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エ
ステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニ
ルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合
物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられ
る。これらは、単独もしくは混合物として用いられる。
【0206】重合トナーの製造方法では、重合性単量体
中に磁性酸化鉄、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、架橋剤
(場合によって着色剤)の如き磁性トナー粒子として必
要な成分及びその他の添加剤(例えば重合反応で生成す
る重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高
分子重合体、分散剤)を適宜加えて、ホモジナイザー、
ボールミル、コロイドミル、デゾルバー、超音波分散機
の如き分散機に依って均一に溶解または分散せしめた単
量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁
する。
【0207】この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機
のような高速分散機を使用して一気に所望の磁性トナー
粒子のサイズとするほうが、得られる磁性トナー粒子の
粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期として
は、重合性単量体中に他の添加剤を添加すると同時に加
えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても
良い。又、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単
量体または溶媒に溶解した重合開始剤を加えても良い。
【0208】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、単量体
組成物の粒子状態が維持され且つ該粒子の浮遊・沈降が
防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0209】重合磁性トナーを製造する場合には、分散
安定剤として公知の界面活性剤や有機・無機分散剤が使
用でき、中でも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、
その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温
度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナ
ーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。
【0210】こうした無機分散剤の例としては、燐酸カ
ルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸
亜鉛の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリ
カ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物が挙げら
れる。
【0211】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用し
ても良く、平均粒径が5μm以下のトナー粒子を製造す
る際は、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用
しても良い。
【0212】前記界面活性剤としては、ドデシルベンゼ
ン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペン
タデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オ
レイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。
【0213】無機分散剤を用いる場合には、そのまま使
用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体
中にて該無機分散剤粒子を生成させることが出来る。例
えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリ
ウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不
溶性の燐酸カルシウムを生成させることが出来、より均
一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の
塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩
が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制され
て、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し難くなるの
で、より好都合である。
【0214】重合反応終期に残存重合性単量体を除去す
る時には障害となることから、水系媒体を交換するか、
イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、
重合終了後酸またはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取
り除くことが出来る。
【0215】前記重合工程においては、重合温度は40
℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を
行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられる
べきワックスが、相分離により析出して内包化がより完
全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重
合反応終期ならば、反応温度を90〜150℃にまで上
げても良い。
【0216】重合磁性トナー粒子は重合終了後、公知の
方法によって濾過、洗浄、乾燥を行う。得られた磁性ト
ナー粒子に無機微粉末及び導電性微粉体を外添して表面
に付着させることで、磁性トナーを得ることができる。
また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカット
することも、本発明の好ましい形態の一つである。
【0217】次に、磁性トナー粒子の製造法の一つとし
ての粉砕法について以下説明する。
【0218】磁性トナー粒子を粉砕法により製造する場
合は、公知の方法が用いられる。例えば、結着樹脂、磁
性酸化鉄粒子、離型剤、荷電制御剤、場合によって着色
剤の如きトナーとして必要な成分及びその他の添加剤を
ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合器により十
分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダ
ーの如き熱混練機を用いて熔融混練して樹脂類をお互い
に相熔せしめた中に磁性酸化鉄粒子などの他のトナー材
料を分散又は溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級、必
要に応じて表面処理を行って磁性トナー粒子を得、無機
微粉末及び導電性微粉体を添加混合することによって本
発明に使用する磁性トナーを得ることが出来る。分級及
び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程にお
いては生産効率上、多分割分級機を用いることが好まし
い。
【0219】粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式の如
き公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができ
る。特定の円形度を有する磁性トナーを得るためには、
さらに熱をかけて粉砕したり、または補助的に機械的衝
撃を加えたりする処理をすることが好ましい。また、微
粉砕(必要に応じて分級)された磁性トナー粒子を熱水
中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法を用
いても良い。
【0220】機械的衝撃力を加える手段としては、例え
ば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社
製のターボミルの如き機械衝撃式粉砕機を用いる方法、
また、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステ
ムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステ
ムの如き装置のように、高速回転する羽根により磁性ト
ナー粒子をケーシングの内側に遠心力により押しつけ、
圧縮力や摩擦力により磁性トナー粒子に機械的衝撃力を
加える方法が挙げられる。
【0221】機械的衝撃法を用いる場合においては、処
理温度を磁性トナー粒子のガラス転移点Tg付近の温度
(Tg±10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、
生産性の観点から好ましい。さらに好ましくは、磁性ト
ナー粒子のガラス転移点Tg±5℃の範囲の温度で行う
ことが、転写効率を向上させるのに特に有効である。
【0222】磁性トナー粒子を粉砕法により製造する場
合の結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトル
エンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレ
ン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共
重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸
エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン
−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラ
ール、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性
ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または
脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、が挙げられ
る。これらの結着樹脂は、単独または混合して使用でき
る。特に、スチレン系共重合体及びポリエステル樹脂が
現像特性、定着性の点で好ましい。
【0223】結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、
50〜70℃であることが好ましく、50℃よりも低い
とトナーの保存性が低下し易く、70℃よりも高いと定
着性が低下する。
【0224】次に、本発明に使用する磁性トナーに含ま
れる無機微粉末および導電性微粉体を説明する。
【0225】本発明に使用する磁性トナーは以下に説明
する無機微粉末を含有する。本発明において、磁性トナ
ーは、流動性向上剤として平均1次粒子径4〜80nm
の無機微粉末が添加されるのが好ましい。無機微粉末
は、磁性トナーの流動性改良及び磁性トナー粒子の帯電
均一化のために添加されるが、無機微粉末を疎水化処理
して磁性トナーの帯電量を調整し、環境安定性を向上さ
せることが好ましい。
【0226】無機微粉末の平均1次粒子径が80nmよ
りも大きい場合、または80nm以下の無機微粉末が添
加されていない場合には、転写残トナーが帯電部材へ付
着した際に帯電部材に固着し易くなり、安定して良好な
帯電特性を得にくい。また、良好な磁性トナーの流動性
が得られず、磁性トナー粒子への帯電付与が不均一にな
り易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー飛散を
生じるおそれがある。
【0227】無機微粉末の平均一次粒径が4nmよりも
小さい場合には、無機微粉末の凝集性が強まり、解砕処
理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広
い凝集体として挙動し易く、凝集体の現像、像担持体ま
たは現像担持体を傷つけやすく、画像欠陥を生じ易くな
る。磁性トナーの帯電分布をより均一とするためには無
機微粉末の平均一次粒径は6〜35nmであることが更
に好ましい。
【0228】本発明において、無機微粉末の平均1次粒
子径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した
磁性トナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させ
たXMAの如き元素分析手段によって無機微粉末の含有
する元素でマッピングされた磁性トナーの写真を対照し
つつ、磁性トナー粒子表面に付着または遊離して存在し
ている無機微粉末の1次粒子を100個以上測定し、個
数平均径を求めることが出来る。
【0229】本発明で用いられる無機微粉末としては、
シリカ微粉末、アルミナ微粉末、チタニア微粉末などが
使用できる。
【0230】例えば、シリカ微粉体としてはケイ素ハロ
ゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法
又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガ
ラスから製造される湿式シリカの両者が使用可能である
が、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が
少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾
式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、
製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタ
ンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合
物と共に用いることによって得られた、シリカと他の金
属酸化物との複酸化物を使用しても良い。
【0231】平均一次粒径が4〜80nmの無機微粉末
の添加量は、磁性トナー粒子に対して0.1〜3.0質
量%であることが好ましく、添加量が0.1質量%未満
ではその効果が十分ではなく、3.0質量%以上では定
着性が低下する。
【0232】無機微粉末は、疎水化処理された物である
ことが高温高湿環境下での特性から好ましい。磁性トナ
ーに添加された無機微粉末が吸湿すると、磁性トナー粒
子の帯電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり易くな
る。
【0233】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カッブリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化
合物のような処理剤を単独でまたは併用して処理しても
良い。
【0234】その中でも、シリコーンオイルにより処理
したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉末をシ
ラン化合物で疎水化処理すると同時または処理した後
に、シリコーンオイルにより処理したものが、高湿環境
下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を
防止する上でよい。
【0235】無機微粉末の処理条件としては、例えば第
一段反応としてシリル化反応を行いシラノール基を化学
結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーン
オイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができ
る。
【0236】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。10mm2/s未満では、無機微粉末に安定性が
無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾
向がある。200,000mm2/sを超える場合は、
均一な処理が困難になる傾向がある。
【0237】シリコーンオイルとしては、ジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−
メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニル
シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に
好ましい。
【0238】シリコーンオイルの処理の方法としては、
シラン化合物で処理された無機微粉末とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合
してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを噴霧す
る方法を用いてもよい。
【0239】または適当な溶剤にシリコーンオイルを溶
解または分散せしめた後、シリカ微粉末を加え混合し溶
剤を除去する方法でもよい。無機微粉末の凝集体の生成
が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好まし
い。
【0240】シリコーンオイルの処理量は無機微粉末1
00質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20
質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良
好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリが発生するこ
とがある。
【0241】本発明で用いられる平均一次粒径が4〜8
0nmの無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着に
より比表面積が20〜250m2/g範囲内のものが好
ましく、40〜200m2/gのものが更に好ましい。
【0242】比表面積はBET法に従って、比表面積測
定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い
て試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用い
て比表面積を算出する。
【0243】また、本発明で使用する磁性トナーは以下
に説明する導電性微粉体を含有する。導電性微粉体の磁
性トナー全体に対する含有量は、0.2〜10質量%で
あることが好ましい。磁性トナー粒子は表面に磁性酸化
鉄粒子が実質上露出していない為、帯電量が高く、導電
性微粉体の磁性トナー全体に対する含有量が0.2質量
%よりも少ないと、現像性が低下する傾向にある。
【0244】また、現像兼クリーニングを用いた画像形
成方法に適用する際には、帯電用接触帯電部材への絶縁
性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち
勝って像担持体の帯電を良好に行わせるのに十分な量の
導電性微粉体を、帯電部材と像担持体との当接部または
その近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電性
が低下し帯電不良を生じる傾向にある。
【0245】また、含有量が10質量%よりも多い場合
では、現像兼クリーニングによって回収される導電性微
粉体が多くなりすぎることによる現像部での磁性トナー
の帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛
散を生じやすい。導電性微粉体の磁性トナー全体に対す
る含有量は、0.5〜5質量%であることが更に好まし
い。
【0246】また、導電性微粉体の抵抗値は、109Ω
・cm以下であることが好ましい。導電性微粉体の抵抗
値が109Ω・cmよりも大きいと、上記と同様に現像
性が低下する傾向にある。また、現像兼クリーニングを
用いた画像形成方法に適用する際には、導電性微粉体を
帯電部材と像担持体との当接部またはその近傍の帯電領
域に介在させ、接触帯電部材の導電性微粉体を介しての
像担持体への緻密な接触性を維持させても、良好な帯電
性を得るための帯電促進効果が得られないことがある。
【0247】導電性微粉体の帯電促進効果を十分に引き
出し、良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微
粉体の抵抗値が、接触帯電部材の表面部または像担持体
との接触部の抵抗よりも小さいことが好ましい。更に、
導電性微粉体の抵抗値が、106Ω・cm以下であるこ
とが、より好ましく良い。
【0248】また、本発明に使用される磁性トナーに含
まれる導電性微粉体は、磁性トナー粒子の体積平均粒径
よりも小さい平均粒径のものを用いることが好ましく、
体積平均粒子径(Dv)は0.3μm以上のものを用い
ることがより好ましく良い。
【0249】導電性微粉体の平均粒子径が小さいと、現
像性の低下を防ぐために導電性微粉体のトナー全体に対
する含有量を小さく設定しなければならない。導電性微
粉体の平均粒子径が0.3μm未満では、導電性微粉体
の有効量を確保できず、帯電工程において、接触帯電部
材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電
阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行わせるのに
十分な量の導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接
部またはその近傍の帯電領域に介在させることができ
ず、帯電不良を生じ易くなる。この観点から、導電性微
粉体の平均粒子径は好ましくは0.8μm以上、更に好
ましくは1.1μm以上が良い。
【0250】また、導電性微粉体の体積平均粒子径が磁
性トナー粒子の平均粒径よりも大きいと、トナーと混合
した際トナー粒子から遊離しやすく、現像工程において
現像容器から像担持体への供給量が不足し、十分な帯電
性が得られにくい。また、帯電部材から脱落した導電性
微粉体は静電潜像を書き込む露光光を遮光または拡散
し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させる傾向に
ある。
【0251】更に、導電性微粉体の平均粒子径が大きい
と、単位重量当たりの粒子数が減少するため、帯電部材
からの導電性微粉体の脱落による減少、劣化を考慮して
導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部またはそ
の近傍の帯電領域に逐次に導電性微粉体が供給し続け介
在させるために、また、接触帯電部材が導電性微粉体を
介して像担持体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性
を安定して得るためには、導電性微粉体の磁性トナー全
体に対する含有量を大きくしなければならない。しか
し、導電性微粉体の含有量を大きくしすぎると、特に高
湿環境下での磁性トナー全体としての帯電能、現像性を
低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生じやすい。こ
のような観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好まし
くは5μm以下が良い。
【0252】また、導電性微粉体は、透明、白色または
淡色の導電性微粉体であることが、転写材上に転写され
る導電性微粉体がカブリとして目立たないため好ましく
良い。潜像形成工程における露光光の妨げとならない意
味でも導電性微粉体は、透明、白色または淡色の導電性
微粉体であることがよく、より好ましくは、導電性微粉
体の露光光に対する透過率が30%以上であることが良
い。
【0253】本発明においては、粒子の光透過性につい
ては以下の手順で測定した。片面に接着層を有する透明
のフィルムの導電性微粉体を一層分固定した状態で透過
率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィル
ム背面に透過した光を集光し光量を測定した。フィルム
のみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として
粒子の透過率を算出した。実際にはX−Rite社製3
10T透過型濃度計を用いて測定した。
【0254】本発明に使用される導電性微粉体として
は、カーボンブラック、グラファイトの如き炭素微粉
末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルの如き金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングス
テンの如き金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウ
ム、チタン酸カリの如き金属化合物、またはこれらの複
合酸化物が使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化
すず、酸化チタンの如き非磁性無機酸化物を少なくとも
表面に有する微粒子が特に好ましい。
【0255】また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御す
る目的で、該導電性無機酸化物の主金属元素と異なるア
ンチモン、アルミニウムの如き異原子を0.1〜5質量
%含有した金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒
子も使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表面処
理された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープされた
酸化第二スズ微粒子、または酸化第二スズ微粒子であ
る。
【0256】ここで、「酸化物の主金属元素」とは、酸
化物が例えば、酸化チタン、酸化すずの場合、それぞ
れ、チタン、すずのように酸素と結合している主な金属
元素を意味する。
【0257】また、該無機酸化物を酸素欠損型としたも
のも好ましく用いられる。
【0258】市販の酸化スズ・アンチモン処理された導
電性酸化チタン微粒子としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ETー300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)が挙げられる。
【0259】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)や
SN−100P(石原産業株式会社)が、また市販の酸
化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式会
社)が挙げられる。特に好ましいのは、現像性の観点か
らアルミニウムを含有する金属酸化物及び/または酸素
欠損型の金属酸化物である。
【0260】本発明における導電性微粉体の体積平均粒
径(Dv)及び粒度分布の測定には、コールター社製、
LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキ
ッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの
測定範囲で測定した。測定法としては、純水10mlに
微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉体の試料
10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザ
ー)にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回
数1回で測定した。
【0261】本発明において、導電性微粉体の粒度及び
粒度分布の調整方法としては、導電性微粉体の一次粒子
が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるよ
うに製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒
子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒
子を粉砕する方法または分級による方法が可能であり、
更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面の一
部もしくは全部に導電性粒子を付着または固定化する方
法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が分散
された形態を有する導電性微粉体を用いる方法も可能で
あり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉体の粒度
及び粒度分布を調整することも可能である。
【0262】導電性微粉体の粒子が凝集体として構成さ
れている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径と
して定義される。導電性微粉体は、一次粒子の状態で存
在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在する
ことも問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体
として帯電部材と像担持体との当接部またはその近傍の
帯電領域に介在し、帯電補助または促進の機能が実現で
きればその形態は問わない。
【0263】本発明において、導電性微粉体の抵抗値の
測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。底面積
2.26cm2の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入
れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの
電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を
算出した。
【0264】また、潤滑性向上の目的で、さらに一次粒
径30nmを超える(好ましくは比表面積が50m2
g未満)、より好ましくは一次粒径50nm以上(好ま
しくは比表面積が30m2/g未満)の無機又は有機の
球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態
の一つである。例えば球状シリカ粒子、球状ポリメチル
シルセスキオキサン粒子、球状樹脂粒子が好ましく用い
られる。
【0265】本発明に用いられる磁性トナーには、実質
的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤を添加し
ても良い。例えばテフロン(登録商標)粉末、ステアリ
ン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉
末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロ
ンチウム粉末の如き研磨剤;酸化チタン粉末、酸化アル
ミニウム粉末の如き流動性付与剤;ケーキング防止剤;
逆極性の有機微粒子、及び無機微粉末を現像性向上剤と
して少量用いる事もできる。これらの添加剤も表面を疎
水化処理して用いることも可能である。
【0266】前記の外添剤の粒径は、前述の無機微粉末
と同様に走査型電子顕微鏡の観察によって決定される。
【0267】次に本発明の画像形成方法および画像形成
装置について説明する。本発明の画像形成方法は、像担
持体を帯電する帯電工程と、像担持体の帯電面に静電潜
像として画像情報を書き込む静潜像形成工程と、その静
電潜像をトナー担持体上に担持させたトナーによりトナ
ー像として可視化する現像工程と、そのトナー像を転写
材に転写する転写工程を有し、像担持体上に繰り返して
作像が行われる画像形成方法において、現像工程は、上
記の磁性トナーによって、像担持体の静電潜像を現像す
る工程であり、帯電工程は、像担持体と当接部を形成し
て接触する帯電部材に電圧を印加することにより絶対値
で250乃至600Vに像担持体を帯電する工程であ
り、像担持体は導電性支持体と、シリコン原子を母体と
する非単結晶材料で構成された光導電層を有する画像形
成方法に関する。
【0268】更に、本発明は、現像工程がトナー像を転
写材上に転写した後に像担持体に残留した磁性トナーを
回収するクリーニング工程を兼ねていることを特徴とす
る前記の画像形成方法および前記工程を実現する手段を
有する装置に関する。
【0269】まず、本発明の磁性トナーは現像兼クリー
ニング画像形成方法(またはクリーナレス画像形成方
法)に、特に好ましく適用されるため、現像兼クリーニ
ング画像形成方法について以下説明する。
【0270】本発明における現像兼クリーニング画像形
成方法は、詳しくは、像担持体を帯電する帯電工程と、
像担持体の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込む
潜像形成工程と、その静電潜像をトナー担持体上に担持
させたトナーによりトナー画像として可視化する現像工
程と、そのトナー画像を転写材に転写する転写工程を有
し、前記現像工程がトナー画像を転写材に転写した後に
像担持体上に残留したトナーを回収するクリーニング工
程を兼ねており、像担持体上に繰り返して作像が行われ
る、現像兼クリーニング画像形成方法(またはクリーナ
ーレス画像形成方法)と呼ばれる画像形成方法におい
て、現像工程は、上記トナーによって像担持体の静電潜
像を現像する工程であり、帯電工程は、像担持体と当接
部を形成して接触する帯電部材に電圧を印加することに
より像担持体を帯電する工程であり、かつ、少なくとも
帯電部材と像担持体との当接部及び/又はその近傍に、
前記トナー中に含有の導電性微粉体が現像工程で像担持
体に付着し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ば
れて介在している画像形成方法である。
【0271】現像兼クリーニング画像形成方法におい
て、磁性トナー粒子に導電性微粉体を外部添加した場合
の画像形成プロセス中での磁性トナー粒子及び導電性微
粉体の挙動を説明する。
【0272】トナーに含有させた導電性微粉体は、現像
工程における像担持体側の静電潜像の現像時に磁性トナ
ー粒子とともに適当量が像担持体側に移行する。
【0273】像担持体上のトナー画像は転写工程におい
て転写材側に転移する。像担持体上の導電性微粉体も一
部は転写材側に付着するが残りは像担持体上に付着保持
されて残留する。磁性トナーと逆極性の転写バイアスを
印加して転写を行う場合には、磁性トナーは転写材側に
引かれて積極的に転移するが、像担持体上の導電性微粉
体は導電性であることで転写材側には積極的には転移せ
ず、一部は転写材側に付着するものの残りは像担持体上
に付着保持されて残留する。
【0274】クリーナーを用いない画像形成方法では、
転写後の像担持体面に残存の転写残トナーおよび上記の
残存導電性微粉体は、像担持体と接触帯電部材の当接部
である帯電部に像担持体面の移動でそのまま持ち運ばれ
て接触帯電部材に付着・混入する。従って、像担持体と
接触帯電部材との当接部に導電性微粉体が介在した状態
で像担持体の接触帯電が行われる。
【0275】この導電性微粉体の存在により、接触帯電
部材への転写残トナーの付着・混入による汚染にもかか
わらず、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と接
触抵抗を維持できるため、該接触帯電部材による像担持
体の帯電を良好に行わせることができる。
【0276】また、接触帯電部材に付着・混入した転写
残トナーは、帯電部材から像担持体へ印加される帯電バ
イアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えら
れて接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出され、
像担持体面の移動とともに現像部に至り、現像工程にお
いて現像兼クリーニング(回収)される。
【0277】更に、画像形成が繰り返されることで、ト
ナーに含有させてある導電性微粉体が、現像部で像担持
体面に移行し該像担持面の移動により転写部を経て帯電
部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給さ
れ続けるため、帯電部において導電性微粉体が脱落で減
少したり、劣化しても、帯電性の低下が生じることが防
止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0278】像担持体と接触帯電部材との当接部に積極
的に導電性微粉体を存在させ、接触帯電部材への絶縁性
の転写残トナーの付着・混入による帯電阻害に打ち勝っ
て像担持体の帯電を良好に行わせるために必要量の導電
性微粉体を磁性トナーに含有させた場合、トナー補給直
前における現像器内で磁性トナーの量が少なくなる状態
では画像濃度低下、または、カブリの増大により、良好
な画像品位が保持できないことがある。
【0279】従来のクリーニング機構を有する画像形成
装置においても、磁性トナーに導電性微粉体を含有させ
た場合、現像工程において選択的に導電性微粉体が消費
されること、または逆に選択的に導電性微粉体が残って
しまうことによる磁性トナー中での導電性微粉体の偏析
により、現像器内の磁性トナーの量が少なくなるまで使
用された際には、画像濃度低下、またはカブリの増大を
生ずることがある。このため、磁性トナー粒子に導電性
微粉体を固着させて、導電性微粉体の選択的な消費また
は偏析を低減し、画像濃度低下、カブリの増大等による
画像性の低下を防止することが知られている。
【0280】しかし、導電性微粉体を含有させたトナー
を、現像兼クリーニング画像形成方法に適用した場合に
は、導電性微粉体の偏析がより大きな影響を画像特性に
与えてしまう。前述のように、磁性トナーに含有させた
導電性微粉体は、現像工程において磁性トナー粒子とと
もに適当量が像担持体側に移行した後、転写工程におい
て像担持体上の導電性微粉体も一部は転写材側に付着す
るが残りは像担持体上に付着保持されて残留する。転写
バイアスを印加することで転写を行う場合には、磁性ト
ナー粒子は転写材側に引かれて積極的に転移するが、像
担持体上の導電性微粉体は導電性であることで転写材側
には積極的には転移せず、一部は転写材側に付着するも
のの残りは像担持体上に付着保持されて残留する。
【0281】クリーニング機構を有しない画像形成方法
では、クリーナーを用いないため転写後の像担持体面に
残存の転写残トナーおよび上記の残存導電性微粉体は、
接触帯電部材に付着・混入する。このとき、接触帯電部
材に付着・混入する導電性微粉体の転写残トナーに対す
る量の比率は、導電性微粉体と磁性トナー粒子の転写性
の差から、元の磁性トナー中での導電性微粉体の量比率
よりも明らかに多くなる。この状態で接触帯電部材に付
着・混入した導電性微粉体は、転写残トナーと共に接触
帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出されて像担持体
面の移動とともに現像部に至り、現像工程において現像
兼クリーニング(回収)される。すなわち、現像兼クリ
ーニングによって、導電性微粉体の比率が多い磁性トナ
ーが回収されることにより、導電性微粉体の偏析が大幅
に加速され、著しい画像濃度低下による画像性の低下を
招いてしまう。
【0282】これに対して、従来のクリーニング機構を
有する画像形成装置における場合と同様に、磁性トナー
粒子に導電性微粉体を固着させて導電性微粉体の偏析を
低減しようとすると、転写工程においても導電性微粉体
が磁性トナー粒子とともに挙動するため、磁性トナー粒
子とともに転写材側に転移してしまい、接触帯電部材に
付着・混入して帯電部において導電性微粉体が介在する
ことができず、また介在したとしても転写残トナー量に
対して導電性微粉体の介在量が不十分となり、転写残ト
ナーによる帯電性阻害に打ち勝って帯電性を維持するこ
とができず、更に、接触帯電部材の像担持体への緻密な
接触性と接触抵抗を維持できず、接触帯電部材による像
担持体の帯電性が低下し、カブリ及び画像汚れを生じて
しまう。接触帯電部材を用いた現像兼クリーニング画像
形成方法に導電性微粉体を含有させた磁性トナーを適用
するには、上述のような困難があった。
【0283】これに対し、本発明者らは、磁性トナーの
平均円形度を0.950〜0.995にするとともに、
磁性トナーの重量平均粒径を3μm〜10μmとするこ
とで、オゾンの発生を低減できる接触帯電部材を用い、
廃トナーを生じないクリーナーレス画像形成方法におい
ても良好な帯電性を維持しつつ、導電性微粉体の偏析を
大幅に緩和し、画像濃度低下等の画像性の低下を実用上
問題無いレベルまで改良できることを解明した。
【0284】磁性トナーの重量平均粒径が3μm未満の
場合、磁性トナーとしての流動性が低下し、磁性トナー
粒子と導電性微粉体がともに挙動する傾向が強まり、転
写工程において導電性微粉体はより転写され易くなり、
接触帯電部材に付着・混入して帯電部において介在する
導電性微粉体が減少する。このため相対的に転写残トナ
ーによる帯電性阻害が大きくなり、これに打ち勝って帯
電性を維持することができず、カブリ及び画像汚れが生
じやすくなる。
【0285】また、磁性トナーの重量平均粒径が10μ
mを超える場合は、磁性トナー粒子の帯電量が導電性微
粉体の含有量の増大によって大幅に低下し易くなり、帯
電部において介在する導電性微粉体量を接触帯電部材の
像担持体への緻密な接触性と接触抵抗を維持できる程度
にまで磁性トナー中での導電性微粉体の含有量を設定す
ると、磁性トナー粒子の帯電量が低下することにより磁
性トナー全体の現像性が低下し、現像兼クリーニングに
よって導電性微粉体の比率が多い磁性トナーが回収され
ることによる現像部での導電性微粉体の僅かな偏析によ
っても画像濃度低下等による画像性の低下を招きやす
い。より安定した帯電性と現像性を維持するためには、
磁性トナーの重量平均粒径が4.0μm〜8.0μmで
あることが好ましい。
【0286】本発明において、更に高画質化のため、よ
り微小な潜像ドットを忠実に現像するためにも、磁性ト
ナーの重量平均粒径が3μm乃至10μmが重要であ
り、更には4μm以上8μm未満であることが好まし
い。
【0287】重量平均粒径が3μm未満の磁性トナーに
おいては、転写効率の低下から感光体上の転写残トナー
が多くなり、トナー融着や接触帯電工程においては感光
体の削れの抑制が難しくなる。さらに、磁性トナー全体
の表面積が増えることに加え、粉体としての流動性及び
攪拌性が低下し、個々の磁性トナー粒子を均一に帯電さ
せることが困難となることからカブリが発生しやすく、
転写性が低下傾向となり、削れや融着以外にも画像の不
均一ムラの原因となりやすい。
【0288】磁性トナーの重量平均粒径が10μmを越
える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じやす
く、高解像度が得られにくい。さらに装置が高解像度に
なっていくと8μm以上の磁性トナーは1ドットの再現
が低下する傾向にある。
【0289】磁性トナーの平均粒径及び粒度分布はコー
ルターカウンターTA−II型またはコールターマルチサ
イザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であ
る。本発明においてはコールターマルチサイザー(コー
ルター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するイ
ンターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナ
ルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級
塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整す
る。たとえば、上記電解液としてはISOTONR−II
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。
【0290】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記
コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして1
00μmアパーチャーを用いて、2μm以上の磁性トナ
ー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを
算出した。
【0291】それから、本発明に関わる所の体積分布か
ら求めた体積基準の重量平均粒径(D4)及び体積平均
粒径(Dv)、個数分布から求めた個数平均粒径(D
1)を求める。
【0292】磁性トナー粒子の抵抗値は、1010Ω・c
m以上であることが好ましく、10 12Ω・cm以上であ
ることがより好ましい。磁性トナー粒子が実質的に絶縁
性を示さなければ、現像性と転写性を両立することが困
難である。また、磁性トナー粒子への現像電界による電
荷の注入を生じ易く、磁性トナーの帯電を乱しカブリが
生じやすい。
【0293】次に、本発明の画像形成方法を添付図面を
参照しながら以下に説明する。図2及び図3は、本発明
の画像形成方法を実施するために用いることができる具
体的な装置の一例を示す。図2はクリーナーを有する場
合、図3はクリーナーレスの場合である。ここでは、図
2について説明する。
【0294】図2において、1は感光ドラムで、その周
囲に一次帯電ローラー306、現像器307、転写帯電
ローラー302、クリーナー312、搬送ローラー30
8a、308b等が設けられている。そして感光体1は
一次帯電ローラー306によって帯電される。そして、
レーザー発生装置(不図示)によりレーザー光Lを感光
体1に照射する事によって露光される。感光体1上の静
電潜像は現像器307によって乾式の一成分磁性トナー
で現像され、転写材を介して感光体に当接された転写ロ
ーラー302により転写材上へ転写される。トナー画像
をのせた転写材は搬送ガイド311を経て定着器313
へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に
残された磁性トナーはクリーニング手段312によりク
リーニングされる。なお、クリーニング手段312は、
上記のように、現像工程がトナー像を転写材上に転写し
た後に像担持体に残留したトナーを回収するクリーニン
グ工程を兼ねている場合には、必要ではない。図3参
照。
【0295】図4は現像器の概略図を示す。
【0296】現像器307は図4に示すように感光体1
に近接してアルミニウム、ステンレスの如き非磁性金属
で作られた円筒状のトナー担持体12(以下現像スリー
ブと称す)が配設され、感光体19と現像スリーブ12
との間隙は図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材
等により約200μmに維持されている。現像スリーブ
内には固定磁石ローラー14が現像スリーブ12と同心
的に固定、配設されている。現像スリーブ12は回転可
能である。
【0297】固定磁石ローラー14には図示の如く複数
の磁極が具備されており、S1は現像、N1はトナーコ
ート量規制、S2はトナーの取り込み/搬送、N2はト
ナーの吹き出し防止に影響している。現像スリーブ12
に付着して搬送される磁性トナー量を規制する部材とし
て、磁性ブレード11aが配設され磁性ブレード11a
の現像スリーブ12との間隙により現像領域に搬送され
るトナー量が制御される。現像領域では、感光体19と
現像スリーブ12との間に直流及び交流の現像バイアス
が印加され、現像スリーブの磁性上トナーは静電潜像に
応じて感光体19上に飛翔し磁性トナー像を形成する。
【0298】次に、本発明の画像形成方法における帯電
工程について以下説明する。本発明における帯電工程で
は、像担持体と当接部を形成して接触する帯電部材に電
圧を印加することにより像担持体を帯電する。
【0299】本発明の画像形成方法では、帯電部材と像
担持体との間に当接部が設けられ、この当接部に粒子が
介在することが好ましく、さらにこの粒子が前述した導
電性微粉体であることがより好ましい。したがって帯電
部材は、弾性を有することが好ましく、帯電部材に電圧
を印加することにより像担持体を帯電するために導電性
であることが好ましい。このため、帯電部材は弾性導電
ローラー、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ部を有
し該磁気ブラシ部を被帯電体に接触させた磁気ブラシ接
触帯電部材または導電性繊維から構成されるブラシであ
ることが好ましい。
【0300】像担持体上の転写残トナーを一時的に回収
するとともに導電性微粉体を担持し直接注入帯電を優位
に実行する上でも、接触帯電部材として可撓性部材であ
る弾性導電性ローラー、または、回動可能な帯電ブラシ
ロールを用いることが好ましい。
【0301】接触帯電部材が可撓性を有していると、接
触帯電部材と像担持体の当接部において導電性微粉体が
像担持体に接触する機会を増加させ、高い接触性を得る
ことができ、直接注入帯電性を向上させることができる
からである。接触帯電部材が導電性微粉体を介して密に
像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持体の当接部
に存在する導電性微粉体が像担持体表面を隙間なく摺擦
することで、接触帯電部材による像担持体の帯電は導電
性微粉体の存在により放電現象を用いない安定かつ安全
な直接注入帯電が支配的となり、従来のローラー帯電で
は得られなかった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材
に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に与えるこ
とができる。
【0302】更に、当接部を形成する帯電部材の表面の
移動速度と、像担持体の表面の移動速度に相対的速度差
を設けることは、接触帯電部材と像担持体の当接部にお
いて導電性微粉体が像担持体に接触する機会を格段に増
加させ、より高い接触性を得ることができるので、直接
注入帯電性を向上させる点で好ましい。
【0303】接触帯電部材と像担持体との当接部に導電
性微粉体を介在させることにより、導電性微粉体の潤滑
効果(摩擦低減効果)により接触帯電部材と像担持体と
の間に大幅なトルクの増大や、接触帯電部材及び像担持
体表面の顕著な削れを伴うことなく速度差を設けること
が可能となる。
【0304】速度差を設けるための構成としては、接触
帯電部材を回転駆動して像担持体と該接触帯電部材に速
度差を設けることが挙げられる。
【0305】帯電部に持ち運ばれる像担持体上の転写残
トナーを接触帯電部材に一時的に回収し均すために、接
触帯電部材と像担持体は互いに逆方向に移動させること
が好ましい。例えば、接触帯電部材を回転駆動し、さら
に、その回転方向は像担持体表面の移動方向とは逆方向
に回転するように構成することが好ましい。逆方向回転
で像担持体上の転写残トナーを一旦引き離し帯電を行う
ことにより優位に直接注入帯電を行うことが可能だから
である。
【0306】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて速度差をもたせることも可能である
が、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材
の周速の比に依存するため、逆方向と同じ相対速度比を
得るには順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比
べて大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方
が回転数の点で有利である。
【0307】相対速度差を示す指標としては、次式で表
される相対移動速度比がある。
【数5】相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)/V
p|×100 (式中、Vcは帯電部材表面の移動速度、Vpは像担持
体表面の移動速度であり、Vcは、当接部において帯電
部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき、V
pと同符号の値とする。) 相対移動速度比は、通常には10〜500%である。
【0308】また、帯電手段としては、帯電ローラー、
帯電ブレード、導電性ブラシの如き帯電部材を用いる手
段がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不要にな
ったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0309】接触帯電手段に用いられる帯電ローラー及
び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好まし
く、その表面に離型性被膜を設けてもよい。離型性被膜
としては、ナイロン系樹脂、PVdF(ポリフッ化ビニ
リデン)、PVdC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素ア
クリル樹脂が適用可能である。
【0310】弾性導電性ローラーの硬度は、硬度が低す
ぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が低
下し、更に、帯電部材と像担持体との当接部に導電性微
粉体を介在させることで弾性導電性ローラー表層を削り
または傷つけ、安定した帯電性が得られにくい。また、
硬度が高すぎると被帯電体との間に帯電当接部を確保で
きないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が
低下するので、アスカーC硬度で50度以下が好まし
く、25度〜50度がより好ましい。
【0311】弾性導電性ローラーは弾性を持たせて被帯
電体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯
電体を充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能
することが重要である。一方では被帯電体にピンホール
の如き欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止す
る必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用い
た場合、十分な帯電性と耐リークを得るには、帯電部材
の体積固有抵抗値が103〜108Ω・cmの抵抗値であ
ることが良く、より好ましくは104〜107Ω・cmの
抵抗値であることが良い。
【0312】ローラーの抵抗値は、ローラーの芯金に総
圧1kgの加重がかかるよう直径30mmの円筒状アル
ミドラムにローラーを圧着した状態で、芯金とアルミド
ラムとの間に100Vを印加し、計測した抵抗値、計測
時のニップ幅および弾性体の厚みから計算する。
【0313】例えば、弾性導電性ローラーは芯金上に可
撓性部材としてのゴムまたは発泡体の中抵抗層を形成す
ることにより作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウレ
タン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化
剤、発泡剤により処方され、芯金の上にローラー状に形
成する。その後必要に応じて切削、表面を研磨して形状
を整え弾性導電性ローラーを作成することができる。該
ローラー表面は導電性微粉体を介在させるために微少な
セルまたは凹凸を有していることが好ましい。
【0314】また、ローラー部材は少なくとも表面に球
形換算での平均セル径が5〜300μmである窪みを有
しており、該窪みを空隙部としたローラー部材表面の空
隙率は15〜90%であることが好ましい。
【0315】平均セル径が上記範囲よりも小さすぎる
と、導電性微粉体を用いる場合に帯電均一性が低下する
可能性が高まる傾向にある。また、平均セル径が上記範
囲よりも大きすぎるとローラー部材の耐久性が損なわれ
る可能性が高まる傾向にある。本発明において、平均セ
ル径とは、ローラーの窪み部を球形換算した径をいい、
走査型電子顕微鏡を用いて測定することができる。その
場合、画像解析装置を用いることも可能である。
【0316】前記空隙率が上記範囲よりも小さすぎる
と、導電性微粉体を用いる場合には、担持される導電性
微粉体量が不足し、帯電性に悪影響を及ぼす可能性が高
くなる傾向にある。また、空隙率が上記範囲よりも大き
すぎるとローラー部材の耐久性が損なわれる可能性が高
まる傾向にある。
【0317】導電性弾性ローラーの材質としては、弾性
発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、
エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPD
M)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム(N
BR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴムに抵抗調整
のためにカーボンブラックや金属酸化物の導電性物質を
分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげ
られる。また、導電性物質を分散せずに、または導電性
物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整を
することも可能である。
【0318】導電性弾性ローラーは像担持体としての被
帯電体に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて
配設し、導電性弾性ローラーと像担持体の当接部である
帯電当接部を形成させる。この帯電当接部幅は特に制限
されるものではないが、導電性弾性ローラーと像担持体
の安定して密な密着性を得るため1mm以上、より好ま
しくは2mm以上が良い。
【0319】また、接触帯電部材としての帯電ブラシ
は、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵
抗調整されたものが用いられる。繊維としては、一般に
知られている繊維が使用可能である。例えばナイロン、
アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル
が挙げられる。
【0320】導電材としては、一般に知られている導電
材が使用可能である。例えば、ニッケル、鉄、アルミニ
ウム、金、銀の如き導電性金属または酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタンの如き導電
性金属の酸化物、カーボンブラックの如き導電粉が挙げ
られる。これら導電材は必要に応じ疎水化、抵抗調整の
目的で表面処理が施されていてもよい。使用に際して
は、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用い
る。
【0321】接触帯電部材として帯電ブラシを用いる場
合には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロ
ール状帯電ブラシとしては、導電性繊維をパイル地にし
たテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロ
ールブラシとすることができる。導電性繊維は、繊維の
太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μm程
度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度
は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル
当たり1.5×107〜4.5×108本)のものが好ま
しく用いられる。
【0322】帯電ブラシは、極力ブラシ密度の高い物を
使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の
微細な繊維から作ることも好ましく良い。例えば、30
0デニール/50フィラメントのように300デニール
の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛する
ことも可能である。しかしながら、本発明においては、
直接注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主に
は帯電部材と像担持体との帯電当接部及びその近傍の導
電性微粉体の介在密度に依存しているため、帯電部材の
選択の範囲は広められている。
【0323】帯電ブラシの抵抗値は、弾性導電性ローラ
ーの場合と同様に十分な帯電性と耐リークを得るには、
体積固有抵抗値が103〜108Ω・cmの抵抗値である
ことが良く、より好ましくは104〜107Ω・cmの抵
抗値であることが良い。
【0324】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10;東レ(株)製のS
A−7;日本蚕毛(株)製のサンダーロン;カネボウ製
のベルトロン;クラレ(株)製のクラカーボ;レーヨン
にカーボンを分散したもの;三菱レーヨン(株)製のロ
ーバルが挙げられる。環境安定性の点でREC−B、R
EC−C、REC−M1、REC−M10が特に好まし
く良い。
【0325】次に、像担持体と接触帯電部材との当接部
における導電性微粉体の介在量について以下説明する。
【0326】像担持体と接触帯電部材との当接部におけ
る導電性微粉体の介在量は、少なすぎると、該粒子によ
る潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電部材
との摩擦が大きくて接触帯電部材を像担持体に速度差を
持って回転駆動させることが困難である。導電性微粉体
が少なすぎると駆動トルクが過大となるし、無理に回転
させると接触帯電部材や像担持体の表面が削れてしま
う。更に導電性微粉体による接触機会増加の効果が得ら
れないこともあり十分な帯電性能が得られない。一方、
介在量が多過ぎると、導電性微粉体の接触帯電部材から
の脱落が著しく増加し作像上に悪影響が出る。
【0327】上記のような観点から、導電性微粉体の介
在量は、103個/mm2以上が好ましく、103個/m
2〜5×105個/mm2がより好ましく、104個/m
2〜105個/mm2がより一層好ましい。103個/m
2より低いと十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が
得られず帯電性能の低下が生じる傾向にある。104
/mm2より低いと転写残トナーが多い場合に帯電性能
の低下が生じる場合がある。
【0328】導電性微粉体の塗布密度範囲は、導電性微
粉体をどれぐらいの密度で像担持体上に塗布することで
均一帯電性の効果が得られるかでも決定される。帯電時
は少なくともこの記録解像度よりは均一な接触帯電が必
要である。しかしながら人間の目の視覚特性に関して、
空間周波数が10cycles/mm以上では、画像上
の識別諧調数が限りなく1に近づいていき、濃度ムラを
識別できなくなる。この特性を積極的に利用すると、像
担持体上に導電性微粉体を付着させた場合、少なくとも
像担持体上で10cycles/mm以上の密度で導電
性微粉体を存在させ、直接注入帯電を行えば良いことに
なる。
【0329】たとえ導電性微粉体の存在しないところに
ミクロな帯電不良が発生したとしても、その帯電不良に
よって発生する画像上の濃度ムラは、人間の視覚特性を
越えた空間周波数領域に発生するため、画像上では問題
は無いことになる。
【0330】導電性微粉体の塗布密度が変化したとき
に、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が認知されるか
どうかについては、導電性微粉体をわずかにでも塗布さ
れれば(例えば10個/mm2)、帯電ムラ発生の抑制
に効果が認められるが、画像上の濃度ムラが人間にとっ
て許容可能かどうかと言う点においてはまだ不十分であ
る。
【0331】ところがその塗布量を102個/mm2以上
にすると、画像の客観評価において急激に好ましい結果
が得られるようになる。更に、塗布量を103個/mm2
以上増加させていくことにより、帯電不良に起因する画
像上の問題点は、客観評価においてほぼ皆無となる。直
接注入帯電方式による帯電では、放電帯電方式とは根本
的に異なり、帯電部材が感光体に確実に接触する事で帯
電が行われている訳であるが、たとえ導電性微粉体を像
担持体上に過剰に塗布したとしても、接触できない部分
は必ず存在する。ところが本発明の人間の視覚特性を積
極的に利用した設定に基づき導電性微粉体の塗布を行う
ことで、実用上この問題点を解決する。
【0332】しかしながら、直接注入帯電方式を現像兼
クリーニング画像形成における潜像担持体の一様帯電と
して適用する場合には、転写残トナーの帯電部材への付
着または混入による帯電特性の低下が生ずる。転写残ト
ナーの帯電部材への付着及び混入を抑制し、または転写
残トナーの帯電部材への付着または混入による帯電特性
への悪影響に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行うに
は、像担持体と接触帯電部材との当接部における導電性
微粉体の介在量が104個/mm2以上であることが好ま
しく良い。
【0333】また、導電性微粉体の塗布量の上限値は、
導電性微粉体が像担持体上に一層均一に塗布されるまで
であり、それ以上塗布されても効果が向上するわけでは
なく逆に、露光光源を遮ったり、散乱させたりという弊
害が生じる場合がある。
【0334】塗布密度上限値は導電性微粉体の粒径によ
っても変わってくるために、一概にはいえないが、導電
性微粉体が像担持体上に一層均一に塗布される量が上限
といえる。
【0335】導電性微粉体の量は、5×105個/mm2
を超えると、導電性微粉体の像担持体への脱落が増加
し、粒子自体の光透過性を問わず、像担持体への露光量
不足が生じやすく好ましくない。5×105個/mm2
下では脱落する粒子量も低く抑えられ露光の阻害を改善
できる。導電性微粉体の介在量を、104〜5×105
/mm2として画像形成を行い、像担持体上に脱落した
粒子の存在量を測定したところ、102〜105個/mm
2であり、作像上の弊害はなかった。したがって、導電
性微粉体の好ましい介在量の範囲は、104〜5×105
個/mm2である。
【0336】次に、帯電当接部での導電性微粉体の介在
量及び潜像形成工程での像担持体上の導電性微粉体の存
在量の測定方法について述べる。導電性微粉体の介在量
は接触帯電部材と像担持体の接触面部を直接測ることが
好ましいが、当接部を形成する接触帯電部材の表面と像
担持体の表面には速度差を設けている場合、接触帯電部
材に接触する前に像担持体上に存在した粒子の多くは逆
方向に移動しながら接触する帯電部材に剥ぎ取られるこ
とから、本発明では接触面部に到達する直前の接触帯電
部材表面の粒子量をもって介在量とした。
【0337】具体的には、帯電バイアスを印加しない状
態で像担持体及び弾性導電性ローラーの回転を停止し、
像担持体及び弾性導電性ローラーの表面をビデオマイク
ロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及び
デジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−310
0)で撮影した。
【0338】弾性導電性ローラーについては、弾性導電
性ローラーを像担持体に当接するのと同じ条件でスライ
ドガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマ
イクロスコープにて接触面を1000倍の対物レンズで
10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から個々
の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化処
理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフト
を用いて計測した。また、像担持体上の存在量について
も像担持体上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影
し同様の処理を行い計測した。
【0339】本発明の画像形成方法における帯電工程
は、像担持体(被帯電体)に、ローラー型(帯電ローラ
ー)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型の如
き導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接
触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加
して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯
電装置を用いる。接触帯電部材に対する印加帯電バイア
スは直流電圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能で
あるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳しても
よい。
【0340】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0341】本発明においては帯電部材が感光体に当接
されていることが好ましく、オゾンが発生しないことで
環境保全上好ましい形態となっている。
【0342】また、帯電工程では、帯電部材に直流電圧
を印加することにより像担持体を帯電するか、または、
直流印加における放電開始電圧をVth(V)としたとき
に帯電部材に2×Vth未満のピーク間電圧を有する交流
電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することにより像
担持体を帯電することが好ましい。
【0343】更に、帯電工程では、帯電部材に直流電圧
を印加することにより、実質的に放電現象を伴うことな
く像担持体を帯電するか、または、帯電部材に直流印加
における放電開始電圧をVth(V)としたときにVth未
満のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳し
た電圧を印加することにより、実質的に放電現象を伴う
ことなく像担持体を帯電することが好ましい。
【0344】本発明の一つの形態として帯電ローラーを
用いたときの好ましいプロセス条件としては、ローラー
の当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/c
m)で、直流電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した
ものが用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したもの
を用いる場合は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流
周波数=50〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5k
Vとする条件が好ましい。
【0345】次に、帯電部材が像担持体と形成する当接
部に磁性粒子が介在する帯電工程について説明する。本
発明の画像形成方法の帯電工程は、磁性粒子を磁気拘束
し形成される磁気ブラシを該像担持体の表面に当接させ
電圧を印加することにより該像担持体の表面を帯電させ
る磁気ブラシ帯電器による帯電方法を用いることが良
い。
【0346】具体的には、磁気ブラシ帯電器は、例えば
磁力発生部材としてのマグネットローラーとマグネット
ローラーの外周を覆って回転可能に設けられた非磁性の
導電性部材である電極スリーブ(アルミニウム製、ステ
ンレス製及び導電性樹脂製等)と、電極スリーブの表面
にマグネットロールの磁力により吸着されて保持される
磁性粒子の層(磁気ブラシ)を備える。磁気ブラシは像
担持体に接触するように設けられ、電極スリーブに電圧
を印加することにより磁気ブラシを介して像担持体表面
を帯電させる。
【0347】以下、磁気ブラシを構成する磁性粒子につ
いて説明する。磁気ブラシに用いられる磁性粒子は、フ
ェライト、マグネタイトの如き導電性金属の単一または
混晶の種々の材料が使用可能である。他に導電性及び磁
性を有する微粒子をバインダーポリマーと混練し、粒状
に成型することによって得られた導電性及び磁性を有す
る微粒子がバインダーポリマー中に分散された粒子や、
上記の導電性磁性粒子を更に樹脂でコートする構成もと
ることができる。これらの構成の中でもフェライト粒子
が好ましく用いられる。フェライトの組成としては、
銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、鉄、リチウム、ス
トロンチウム、バリウムの如き金属元素を含むものが好
適に使用される。
【0348】磁性粒子の飽和磁化は、15乃至70Am
2/kgであることが好ましい。飽和磁化が70Am2
/kgを超える場合には、磁気拘束力が大きくなり、磁
気ブラシの穂が硬くなり自由な動きが出来ず感光ドラム
との接触性が低下し帯電不良になったり、穂が硬いため
に感光ドラムを摩耗する傾向がある。飽和磁化が15A
2 /kg未満の場合には、磁気拘束力が小さくなり、
磁性粒子が感光ドラムに転移したまま磁気ブラシにもど
らなくなり粒子の減少による、帯電劣化や、現像、転
写、定着、工程に悪影響を与えてしまったりする。
【0349】本発明において飽和磁化の測定は、振動磁
力計VSM−3S−15(東英工業製)により、1Kエ
ルステッド下において行い、その磁化量を飽和磁化とし
た。
【0350】磁性粒子は、体積平均粒径(Dv)におい
て10〜50μmが好ましい。10μmより小さいと、
感光体への磁気ブラシの付着が生じやすく、また磁気ブ
ラシとした時の磁性粒子の搬送性に劣る傾向にある。5
0μmを越えると磁性粒子と感光体との接触点が減少し
注入帯電方法の帯電一様性が劣化する傾向にある。さら
に好ましくは、15〜30μmである。
【0351】このように平均粒径とするには製造時の条
件を変えることにより調整することも可能であるし、製
造後の粒度分布を分級などの工程により調整することも
可能である。
【0352】磁性粒子の製造等に用いられる分級方法や
装置は、特に限定されるものではないが、本発明におい
て要求される粒度を効率良く得るためには、傾斜型慣性
分級機であるエルボージェット、遠心分離機であるディ
スパージョンセパレータ(DS)やターボプレックス、
その他、篩い分けを用いることが好ましい。
【0353】本発明において磁性粒子の体積平均径及び
粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置HELO
S(日本電子製)に乾式分散ユニットRODOS(日本
電子製)を組み合わせて用い、レンズ焦点距離200m
m、分散圧300kPa、測定時間1〜2秒の測定条件
で粒径0.5μm〜350.0μmの範囲を31チャン
ネルに分割して測定し、体積分布の50%粒径(メジア
ン径)を体積平均径として求めると共に、体積基準の頻
度分布から各粒径範囲の粒子の体積%を求めた。
【0354】本発明において粒度分布の測定に用いるレ
ーザー回折式粒度分布測定装置HELOSは、フランホ
ーファ回折原理を用いて測定を行う装置である。この測
定原理を簡単に説明すれば、レーザー光源から測定粒子
にレーザービームを照射すると、回折像がレーザー光源
の反対側のレンズの焦点面にでき、その回折像を検出器
によって検出して演算処理することにより、測定粒子の
粒度分布を算出するものである。
【0355】本発明に用いられる磁性粒子は、体積抵抗
が、1×104乃至1×109Ωcmであることが好まし
い。1×104Ωcmより低いと、ピンホールリークを起
こす傾向にあり、1×109Ωcmを越えると、感光体の
帯電が不十分となりやすい。磁性粒子漏れという意味で
は、帯電用磁性粒子の抵抗値は、1×106Ωcm以上が
更に好ましく用いられる。
【0356】磁性粒子の体積抵抗の測定方法は、セルに
磁性粒子を充填し、該磁性粒子に接するよう電極を配
し、該電極間に電圧を印加し、その時ながれる電流を測
定することで得た。測定条件は、23℃、65%の環境
で充填磁性粒子と電極との接触面積2cm2、厚み1m
m、上部電極に10kg、印加電圧100Vである。更
に、本発明の好ましい抵抗分布は、比較的粒径の小さい
粒子と、比較的粒径の大きな粒子の抵抗差が小さいこと
である。
【0357】上記磁性粒子は、抵抗調整やトナーに対す
る摩擦帯電極性を制御する目的で表面層を有した形態が
好ましい。表面層の形態は、磁性粒子の表面を蒸着膜、
樹脂膜、導電性樹脂膜、導電剤を分散した樹脂膜、カッ
プリング剤でコートしたものである。
【0358】この表面層は必ずしも磁性粒子を完全に被
覆する必要は無く、本発明の効果が得られる範囲で該磁
性粒子が露出していても良い。つまり表面層が不連続に
形成されていても良い。
【0359】結着樹脂としては、スチレン、クロルスチ
レンの如きスチレン類;エチレンプロピレン、ブチレ
ン、イソブチレンの如きモノオレフィン;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルの如
きビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ドデシルの如きα-メチレン脂肪族モノカルボン
酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソ
プロペニルケトンの如きビニルケトンがモノマーとして
挙げられ、これらのモノマーの単独重合体または共重合
体が挙げられる。特に導電性微粒子の分散性やコート層
としての成膜性、生産性という点から、ポリスチレン、
スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンが挙げられる。更にポリカーボネー
ト、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン
樹脂、ポリアミドが好ましい。
【0360】ここで、フッ素樹脂としては、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチ
レン、ポリクロロトリフロオロエチレン、ポリジクロロ
ジフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リヘキサフルオロプロピレンと、他のモノマーが共重合
した溶媒可溶の共重合体が挙げられる。
【0361】結着樹脂に分散する導電剤としては、銅、
ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀の如き金属;酸化
鉄、フェライト、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモ
ン、酸化チタンの如き金属酸化物;カーボンブラックの
如き電子伝導性の導電粉が挙げられる。さらにイオン導
電剤として、過塩素酸リチウム、4級アンモニウム塩が
挙げられる。
【0362】カップリング剤としては、イソプロポキシ
トリイソステアロイルチタネート、ジヒドロキシビス
(ラクタト)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチル
アセナト)チタンの如きチタネート系カップリング剤;
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートの如
きアルミニウム系カップリング剤;ジメチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、n−オクタデシルジメチルメ
メトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−オクタデシ
ルトリメトキシシランの如きシラン系カップリング剤が
挙げられる。適宜アミノ基やフッ素の如き官能基を導入
してもよい。カップリング剤の場合、極薄い被膜(分子
レベルで)を磁性粒子表面に形成するので、磁性粒子の
抵抗値に与える影響が少なく、磁性粒子であるコアの抵
抗さえ調整すれば、被覆層への抵抗調整の処理は行わな
くても構わない。
【0363】本発明では、像担持体として導電性支持体
と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成され
た光導電層とを有する像担持体(すなわちa−Si感光
層を有する感光体。以下、「a−Si系感光体」ともい
う)を使用することを1つの特徴とする。
【0364】本発明におけるa−Si系感光体は、導電
性支持体と、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で
形成された光導電層を有する感光層とから構成される感
光体である。
【0365】該a−Si感光体の構成として感光層の下
部には、下部電荷注入防止層を設け、基板からの電荷の
進入を防ぐこともできる。また、必要に応じて感光層の
上部または下部に電荷注入阻止層(上部阻止層、下部阻
止層)、干渉現象防止のための干渉防止層(反射防止
層)、表面層を設けることができる。
【0366】本発明に用いるa−Si系感光体は、これ
らの各層を必要に応じてその特性を実用に適合させるた
め、水素原子、及びホウ素、アルミニウム、ガリウムの
如き周期律表第III族の原子;ゲルマニウム、スズの如
き周期律表第IV族の原子;窒素、リン、ヒ素の如き周期
律表第V族の原子;酸素、イオウ、セレンの如き周期律
表第VI族の原子;フッ素、塩素、臭素の如きハロゲン原
子を単独又は複合してa−Si形成時に導入して各層の
各特性をコントロールする。各層の特性をコントロール
することにより負静電荷像担持体としてのa−Si感光
体を構成することができる。例えば、感光層に水素化a
−Siを、下部電荷注入防止層にリンをドープした水素
化a−Siを、上部電荷注入防止層にホウ素をドープし
た水素化a−Siを設ければ、負電荷の静電荷像を保持
する像担持体とすることができる。
【0367】以下、本発明における像担持体の具体例に
ついて図5及び図6を用いて説明する。
【0368】図5及び図6は本発明に用いられる像担持
体の模式的な断面図の一例であり図5は光導電層が機能
分離されていない単一層からなる単層型像担持体であ
る。又図6は光導電層が電荷発生層と電荷輸送層とに分
離された機能分離型像担持体である。
【0369】図5に示すa−Si系感光体はアルミニウ
ムの如き導電性支持体201と、導電性支持体201の
表面に順次積層された電荷注入阻止層202と光導電層
203及び表面層204からなる。ここで、電荷注入阻
止層202は導電性支持体201から光導電層203へ
の電荷の注入を阻止するものであり、必要に応じて設け
られる。また、光導電層203は少なくともシリコン原
子を含む非晶質材料で構成され、光導電性を示すもので
ある。更に表面層204は、画像形成装置における顕像
を保持する能力をもつ層であり、必要に応じて設けられ
る。
【0370】以下では、電荷注入阻止層202、表面層
204の有無により効果が異なる場合を除いては、電荷
注入阻止層202、表面層204は有るものとして説明
する。図6に示すa−Si系感光体は、光導電層203
が少なくともシリコン原子と炭素原子を含む非晶質材料
で構成された電荷輸送層206と、少なくともシリコン
原子を含む非晶質材料で構成された電荷発生層205が
順次積層された構成の機能分離型とした像担持体であ
る。この像担持体に光照射すると主として電荷発生層2
05で生成されたキャリアーが電荷輸送層206を通過
して導電性支持体201に至る。
【0371】表面層204の成膜ガスとしては、C
4、C26、C38、C410の如きガス、及びガス化
し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ
る。又、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に応じて
2、He、Ar、Neの如きガスにより希釈して使用
してもよい。
【0372】支持体の基材としては、導電性でも電気絶
縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、C
r、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、
Pd、Feの如き金属、およびこれらの合金(例えばス
テンレス)が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリア
ミドの如き合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、
セラミックの如き電気絶縁性支持体の少なくとも感光層
を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いること
ができる。
【0373】また、導電性支持体201の形状は、平滑
表面または凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状で
あることができ、その厚さは、所望通りの像担持体を形
成し得るように適宜決定するが、導電性支持体201は
製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は
10μm以上である。
【0374】特にレーザー光の如き可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現れる、干渉
縞模様による画像不良をより効果的に解消するために、
光生成キャリアの減少が実質的にない範囲で導電性支持
体201の表面に凹凸を設けてもよい。導電性支持体2
01の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−1681
56号公報、同60−178457号公報、同60−2
25854号公報、同61−231561号公報に記載
された公知の方法により作製される。
【0375】また、レーザー光の如き可干渉光を用いた
場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消す
るさらに別の方法として、感光層内または該層の下側
に、光吸収層等の干渉防止層またはそれに準じた領域を
設けても良い。
【0376】さらに、導電性支持体の表面に微細なキズ
をつける事により像担持体表面の微細粗さを制御する事
もできる。キズの作製は研磨材を使用しても良いし、化
学反応によるエッチングやプラズマ中のいわゆるドライ
エッチング、スパッタリング法等を用いても良い。この
際に該キズの深さ、大きさは光生成キャリアの減少が実
質的にない範囲であれば良い。
【0377】本発明において、その目的を効果的に達成
するために導電性支持体201上、必要に応じて電荷注
入阻止層202上に形成され、感光層の一部を構成する
光導電層203は、真空堆積膜形成方法によって所望特
性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が
設定されて作製される。
【0378】具体的には、例えばグロー放電法(低周波
CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等
の交流放電CVD法、または直流放電CVD法等)、ス
パッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法に
よって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、
製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成
される画像形成装置用感光体に所望される特性等の要因
によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有
する画像形成装置用感光体を製造するに当たっての条件
の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、
特にRF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用い
た高周波グロー放電法が好適である。
【0379】グロー放電法によって光導電層203を形
成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(S
i)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子
(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハ
ロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、
内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入
して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじ
め所定の位置に設置されてある所定の導電性支持体20
1上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0380】また、シリコン原子の未結合手を補償し、
層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上
させるために、光導電層203中に水素原子または/及
びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、水素
原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハ
ロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子または/
及びハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、より
好ましくは15〜25原子%とされるのが好ましい。
【0381】そして、形成される光導電層203中に水
素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を
いっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成す
る膜特性を得るために、これらのガスに更にH2および
/またはHeまたは水素原子を含む珪素化合物のガスも
所望量混合して層形成することが必要である。また、各
ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合して
も差し支えないものである。
【0382】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、ハロゲンガス、
ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハ
ロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガ
ス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。ま
た、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素
とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含
む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることがで
きる。本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物
としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、Cl
F、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7の如き
ハロゲン間化合物を挙げることができる。
【0383】ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆる
ハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には、たとえばSiF4、Si26の如き弗化珪素が
好ましいものとして挙げることができる。
【0384】光導電層203中に含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば導
電性支持体201の温度、水素原子または/及びハロゲ
ン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容
器内へ導入する量、放電電力を制御すればよい。
【0385】本発明においては、光導電層203には必
要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好
ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層203中に
万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、ま
たは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分
があってもよい。
【0386】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野におけるいわゆる不純物を挙げることができ、p
型伝導特性を与える周期律表IIIb族に属する原子(以
後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性
を与える周期律表IIIb族に属する原子(以後「第IIIb
族原子」と略記する)を用いることができる。
【0387】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)があり、特にP、Asが好適で
ある。
【0388】光導電層203に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1
×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×
103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子
ppmとされるのが好ましい。
【0389】伝導性を制御する原子として、第IIIb族
原子または第Vb族原子を構造的に導入するには、層形
成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質または第V
b族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、
光導電層203を形成するための他のガスとともに導入
してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質また
は第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとして
は、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件
下で容易にガス化し得るものが採用されるのが好まし
い。
【0390】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B
26、B410、B59、B511、B610、B612
614の如き水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3
如きハロゲン化硼素が挙げられる。この他、AlC
3、GaCl3、Ga(CH33、InCl3、TlC
3が挙げられる。
【0391】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4の如き水素化燐;PH4I、PF3、PF5、PC
3、PCl5、PBr3、PBr5、PI3 の如きハロゲ
ン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、As
Cl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、Sb
5、SbCl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、B
iBr3が第Vb族原子導入用の出発物質の有効なもの
として挙げられる。また、これらの伝導性を制御する原
子導入用の原料物質を必要に応じてH2及び/又はHe
により希釈して使用してもよい。
【0392】さらに本発明においては、光導電層203
に炭素原子及び/または酸素原子及び/又は窒素原子を
含有させることも有効である。炭素原子、及び/又は酸
素原子、及び/又は窒素原子の含有量はシリコン原子、
炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して、好まし
くは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×10
-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が好まし
い。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原
子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良い
し、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均
一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0393】本発明において、光導電層203の層厚は
所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の
点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜
50μm、より好ましくは5〜45μm、最適には10
〜40μmとされるのが好ましい。
【0394】さらに、導電性支持体201の温度は、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは2
30〜330℃、最適には250〜310℃とするのが
好ましい。
【0395】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス圧の条件は通常は独立的に別々に決められるものでは
なく、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且
つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好まし
い。
【0396】本発明においては、上述のようにして導電
性支持体201上に形成された光導電層203の表面
に、更に非単結晶材料からなる表面層(最表面層)20
4を形成することが好ましい。この表面層204は自由
表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気
的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的
を達成するために設けられる。
【0397】表面層204は、非単結晶材料であればい
ずれの材質でも可能である。例えば、水素原子(H)及
び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子
を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:
H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハ
ロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するア
モルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表
記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子
(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファス
シリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、
水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有
し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一
つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC
ON:H,X」と表記する)の材料が好適に用いられ
る。
【0398】該表面層204は、例えばグロー放電法
(低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波C
VD法等の交流放電CVD法、または直流放電CVD法
等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、光CVD法、熱CVD法の如き薄膜堆積法に
よって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、
製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成
される画像形成装置用感光体に所望される特性の要因に
よって適宜選択されて採用されるが、感光体の生産性か
ら光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
【0399】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層204を形成するには、基本
的にはシリコン原子(Si)を供給し得る、Si供給用
の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の
原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原
料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX
供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に
所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電
を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電
層203を形成した導電性支持体201上にa−Si
C:H,Xからなる層を形成すればよい。
【0400】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%から90%の範囲が好ましい。特に表面層内の
水素含有量を30原子%以上70%以下に制御すること
で電気的特性面及び高速連続使用性において飛躍的な向
上を図り、表面層の高い硬度を確保できる。
【0401】表面層中の水素含有量は、H2ガスの流
量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等によって制御し
得る。また、表面層204中に含有される水素原子また
は/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば導電
性支持体201の温度、水素原子または/及びハロゲン
原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器
内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0402】炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子の原子は、表面層中に万遍なく均一に含有さ
れても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するよ
うな不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0403】さらに本発明においては、表面層204に
は必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させること
が好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層204中
に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、
または層厚方向には不均一な分布状態で含有している部
分があってもよい。
【0404】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、「第IIIb族原子」または「第Vb族原子」を用い
ることができる。また、これらの伝導性を制御する原子
導入用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、N
eのガスにより希釈して使用してもよい。
【0405】本発明における表面層204の層厚として
は、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとされるのが好ましいもの
である。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用
中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまう傾向に
あり、3μmを越えると残留電位の増加という電子写真
特性の低下がみられることがある。
【0406】本発明の目的を達成するのに好適な特性を
有する表面層204を形成するには、導電性支持体20
1の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適
宜設定する必要がある。
【0407】表面層を形成するための支持体温度、ガス
圧の条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する感光体を形成すべく相互的且つ
有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好ましい。
【0408】さらに本発明においては、光導電層と表面
層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表
面層より減らしたバッファ層(下部表面層)を設けるこ
とも帯電能等の特性を更に向上させるためには有効であ
る。
【0409】また表面層204と光導電層203との間
に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子
の含有量が光導電層203に向かって減少するように変
化する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電
層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の
影響をより少なくすることができる。
【0410】本発明では、表面層として非単結晶水素化
炭素膜として、炭素を主体とする非晶質炭素膜(以下
「a−C:H」と表記する)を使用することが、さらに
好ましい。
【0411】a−C:Hもまた、高硬度で耐久性に優れ
ている。また、低摩擦であり、撥水性にも優れ、環境対
策ヒーターを除去した状態においても高湿環境下での画
像のぼけを防止する効果がある。また、導電性微粉体や
その他の粒子の、機械的な摩擦による感光体への移動を
低減できる。
【0412】本発明においては、a−C:Hからなる表
面層は、膜中に含まれる水素量はH/(C+H)で41
%〜60%、好適には45%〜55%が適している。水
素量が40%以下だと像担持体としての感度が不足し画
像形成装置に適さない場合がある。また60%を越える
と膜の緻密化が損なわれ、機械的強度が損なわれる傾向
にある。
【0413】さらに本発明に用いられる像担持体の表面
層の膜厚としては表面層の磨耗量と画像形成装置の寿命
との関係から最適な膜厚が決定できるが、一般的には
0.01μm〜10μm、好適には0.1μm〜1μm
の範囲が好ましい。表面層の膜厚が0.01μm以下だ
と機械的強度が損なわれ、10μm以上になると残留電
位が高くなる場合がある。また、本発明において、表面
層の屈折率は1.8〜2.8程度であれば好適に用いら
れる。
【0414】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410のガス状態の、または
ガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙
げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、炭素供給効率の
良さ等の点でCH4、C26が好ましいものとして挙げ
られる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを必要に
応じてH2、He、Ar、Neのガスにより希釈して使
用してもよい。
【0415】また、基板(導電性支持体)温度は室温か
ら350℃までに調整されるが、あまり基板温度が高過
ぎるとバンドギャップが低下して透明度が低下するため
低めの温度設定が好ましい。高周波電力については、出
来るだけ高い方が炭化水素の分解が充分に進むため好ま
しく、具体的には炭化水素の原料ガスに対して5×10
-6J/(sec/m3)以上が好ましいが、あまり高く
なると異常放電が発生してしまい、像担持体の特性を劣
化させるので、異常放電が発生しない程度の電力に抑え
る必要がある。放電空間の圧力については通常のRF
(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には
1.33×10-2〜1.33kPa、VHF帯(代表的
には50〜450MHz)を用いる場合には1.33×
10-5〜1.33×10-3kPaに保たれる。
【0416】また、本発明に用いられるa−C:Hから
なる表面層には、必要に応じてハロゲン原子が含まれて
いても良い。その中でも、表面層として炭素を主体とし
て、内部且つ/又は最表面にフッ素との結合を有する非
晶質炭素膜(以下「a−C:H:F」と表記する)は、
フッ素の作用により、更に撥水性に優れ、低摩擦であ
り、環境対策ヒーターを除去した状態においても高湿環
境下での画像のぼけを防止する効果がある。
【0417】このような表面層の製造については、a−
C:H膜の製造方法に準ずるが、ハロゲン原子供給用ガ
スを使用する。前記ハロゲン原子供給用ガスとなり得る
物質としては、たとえばF2、BrF、ClF、Cl
3、BrF3、BrF5、IF3、IF7のハロゲン間化
合物を挙げることができる。さらにフッ素原子を導入す
る際には、CF4、CHF3、C26、ClF3、CHC
lF2、F2、C38、C410のフッ素含有ガスが好適
に用いられる。
【0418】また、光導電層と表面層の間に、像担持体
としての機能を向上させる目的で非晶質材料からなる層
を設けることも好適に用いられる。その一例としては、
非単結晶珪素、非単結晶炭化珪素、非単結晶水素化炭素
が挙げられる。
【0419】本発明に用いられる画像形成装置用感光体
においては、導電性支持体と光導電層との間に、支持体
側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止
層を設けるのがいっそう効果的である。電荷注入阻止層
は感光層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた
際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻
止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際には
そのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を
有している。そのような機能を付与するために、電荷注
入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比
較的多く含有させる。
【0420】該層に含有される伝導性を制御する原子
は、該層中に万偏なく均一に分布されても良いし、また
は層厚方向には万偏なく含有されてはいるが、不均一に
分布する状態で含有している部分があってもよい。分布
濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するよう
に含有させるのが好適である。いずれの場合にも支持体
の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏な
く含有されることが面内方向における特性の均一化をは
かる点からも必要である。
【0421】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、「第III族原子」または「第V
族原子」を用いることができる。
【0422】本発明において、電荷注入阻止層の層厚は
所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果の
点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.
3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが好ま
しい。
【0423】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持
体温度の好ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの層作成ファクターは通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面
層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層
作成ファクターの最適値を決めるのが好ましい。
【0424】また、本発明に用いられる画像形成装置用
感光体においては、導電性支持体201と光導電層20
3または電荷注入阻止層202との間の密着性の一層の
向上を図る目的で、例えば、Si34、SiO2、Si
O、またはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/ま
たはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及
び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される
密着層を設けても良い。更に、前述のごとく、支持体か
らの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸
収層を設けても良い。
【0425】本発明に用いられる像担持体は、帯電部材
によって帯電せしめられるが、像担持体上の電位は絶対
値で250乃至600Vに一次帯電されなければならな
い。像担持体上の電位が250V未満であると、画像部
の濃度とバックグラウンド部のカブリのバランスをとる
ことが極めて困難になる。一方、600Vを越えると像
担持体を所望の一次電位に帯電させるために必要な電流
量が多くなり、またそれに起因してリークの発生による
画像不良が極めて起こりやすくなる。また、同様な理由
により帯電した像担持体上の電位は250乃至550V
が好ましく、250乃至500Vがより好ましい。この
一次帯電電位の正負については、画像形成方法・装置そ
の他の現像・帯電・静電潜像形成・転写のプロセスに合
わせて適宜使い分ければ良い。
【0426】本発明では、得られる画像に影響を与えな
い限り、像担持体を直接加温する手段を設けない構成が
好ましい。その理由としては、加温手段により消費され
る電力が減少することが挙げられる。しかし、必要に応
じて加温手段を設けることは何ら差し支えない。
【0427】次に、本発明における潜像形成工程につい
て説明する。本発明の画像形成方法では、像露光により
像担持体の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込む
潜像形成工程を用いるのが好ましい。像担持体の帯電面
に静電潜像を形成する潜像形成手段は、像露光手段であ
ることが好ましい。
【0428】静電潜像形成のための画像露光手段として
は、デジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段
に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露
光やLEDの如き他の発光素子でも構わないし、蛍光燈
の如き発光素子と液晶シャッターの組み合わせによるも
のが挙げられる。
【0429】次に、現像工程について以下説明する。本
発明の画像形成方法の現像工程では、特定の磁性トナー
によって、像担持体の静電潜像を現像する。現像で使用
するトナー担持体について説明する。
【0430】本発明に使用されるトナー担持体は、アル
ミニウム、ステンレススチールの如き金属又は合金で形
成された導電性円筒(現像ローラー)が好ましく使用さ
れる。充分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物
で導電性円筒が形成されていても良く、導電性のゴムロ
ーラーを用いても良い。また、上記のような円筒状に限
られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても良い。
【0431】本発明においては、トナー担持体上に5〜
50g/m2の磁性トナー層を形成することが好まし
い。トナー担持体上の磁性トナー量が5g/m2よりも
小さいと、十分な画像濃度が得られにくく、磁性トナー
の帯電が過剰になることによる磁性トナー層のムラを生
じ易くなる。トナー担持体上の磁性トナー量が50g/
2よりも多くなると、トナー飛散を生じ易くなる。
【0432】また、本発明に使用されるトナー担持体の
表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜
3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.2
μm未満ではトナー担持体上の帯電量が高くなり、現像
性が不充分となる。Raが3.5μmを超えると、トナ
ー担持体上の磁性トナーコート層にむらが生じ、画像上
で濃度むらとなる。さらに好ましくは、0.5〜3.0
μmの範囲にあることが好ましい。
【0433】トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表
面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測
定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所
社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。
具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さ
aとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部
分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy
=f(x)で表したとき、次式によって求められる値を
ミクロメートル(μm)で表したものを言う。
【0434】さらに、本発明に係わる磁性トナーは高い
帯電能力を有するために、現像に際しては磁性トナーの
総帯電量をコントロールすることが好ましく、本発明に
係わるトナー担持体の表面は導電性微粒子及び/又は滑
剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好ましい。
【0435】トナー担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性微粒子は、120kg/cm2で加圧
した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが好ま
しい。導電性微粒子としては、カーボン微粒子、カーボ
ン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、または結晶
性グラファイトが好ましい。導電性微粒子は、粒径が
0.005〜10μmを有するものが好ましい。
【0436】樹脂材料は、スチレン系樹脂、ビニル系樹
脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、
フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可
塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン
樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂の如
き熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を使用することがで
きる。
【0437】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、またはポリエーテルスルホン、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミ
ド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ス
チレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好
ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0438】導電性微粒子は、樹脂成分10質量部当た
り、3〜20質量部使用するのが好ましい。カーボン微
粒子とグラファイト粒子を組み合わせて使用する場合
は、グラファイト10質量部当たり、カーボン微粒子1
〜50質量部を使用するのが好ましい。導電性微粉体が
分散されているスリーブの樹脂コート層の体積抵抗は1
-6〜106Ω・cmが好ましく、10-1〜106Ω・c
mが更に好ましい。
【0439】また本発明においては、トナー担持体と対
向して微小間隔をもって配設されている強磁性金属ブレ
ードによりトナー担持体上の磁性トナーを規制されるこ
とが磁性トナーの粉体特性や帯電特性を長期にわたり維
持し、かつ温湿度環境の影響を受けにくく、トナー飛散
の起こりにくい均一な帯電を得る観点から特に好まし
い。
【0440】また、本発明の画像形成方法においては、
現像工程でトナーを担持して現像部に搬送するトナー担
持体の移動速度を、像担持体の移動速度に対して速度差
をもたせることにより、トナー担持体側から像担持体側
へ磁性トナー粒子および導電性微粉体を十分に供給する
ことができるため、良好な画像を得ることができる。
【0441】磁性トナーを担持するトナー担持体表面
は、像担持体表面の移動方向と同方向に移動していても
よいし、逆方向に移動していてもよい。その移動方向が
同方向である場合像担持体の移動速度に対して、比で1
00%以上であることが好ましい。100%未満である
と、画像品質が悪くなることがある。
【0442】移動速度比が高まれば高まるほど、現像部
位に供給される磁性トナーの量は多く、潜像に対し磁性
トナーの脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とさ
れ必要な部分には付与されるという繰り返しにより、潜
像に忠実な画像が得られる。速度比は、以下の式により
求めた値である。
【数6】速度比(%)=(トナー担持体速度/像担持体
速度)×100
【0443】具体的には、トナー担持体表面の移動速度
が像担持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.0倍
の速度であることが好ましい。
【0444】本発明において、非接触型現像方法を適用
するために、トナー担持体の像担持体に対する離間距離
よりも現像領域に入る前のトナー担持体上の磁性トナー
層を薄く形成することが好ましい。現像工程は像担持体
に対して磁性トナー層を非接触として、像担持体の静電
潜像をトナー画像として可視化する非接触型現像方法を
適用することで、電気抵抗値が低い導電性微粉体を磁性
トナー中に添加しても、現像バイアスが像担持体へ注入
することによる現像かぶりが発生しない。そのため、良
好な画像を得ることができる。
【0445】また、本発明の画像形成方法においては、
カブリの無い高画質を得るためにトナー担持体上に、ト
ナー担持体−像担持体(例えば感光体)の最近接距離
(S−D間)よりも小さい層厚で、磁性トナーを塗布
し、交番電界を印加して現像を行う現像工程で現像され
る。トナー担持体上の磁性トナーを規制する層圧規制部
材によってトナー担持体上の磁性トナー層厚よりも感光
体とトナー担持体の最近接間隙が広くなるように設定し
て用いるが、トナー担持体上の磁性トナーを規制する層
厚規制部材がトナー担持体と対向して微小間隔をもって
配設されている強磁性金属ブレードによりトナー担持体
上のトナーを規制されることがトナーの粉体特性や帯電
特性を長期にわたり維持し、かつ温湿度環境の影響を受
けにくく、トナー飛散の起こりにくい均一な帯電を得る
観点から特に好ましい。
【0446】また、トナー担持体は像担持体に対して1
00〜1000μmの離間距離を有して対向して設置さ
れることが好ましく、120〜500μmの離間距離を
有して対向して設置されることが更に好ましい。トナー
担持体の像担持体に対する離間距離が100μmよりも
小さいと、離間距離の振れに対する磁性トナーの現像特
性の変化が大きくなるため、安定した画像性を満足する
画像形成装置を量産することが困難となる。トナー担持
体の像担持体に対する離間距離が1000μmよりも大
きいと、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し、
回収不良によるカブリを生じ易くなる。また、像担持体
上の潜像に対するトナーの追従性が低下するために、解
像性の低下、画像濃度の低下等の画質低下を招いてしま
う。
【0447】本発明において、トナー担持体に対して交
番電界を印加して現像を行う現像工程で現像されること
が好ましく、印加現像バイアスは直流電圧に交番電圧
(交流電圧)を重畳してもよい。
【0448】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0449】トナーを担持をするトナー担持体と像担持
体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度
が3×106〜1×107V/mであり、周波数100〜
5000Hzの交番電界を現像バイアスとして印加する
ことが好ましい。
【0450】トナー担持体と像担持体との間に印加され
る現像バイアスの電界強度が3×106V/mよりも小
さいと、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し、
回収不良によるカブリを生じ易くなる。また、現像力が
小さいために画像濃度の低い画像となり易い。一方、現
像バイアスの電界強度が1×107V/mよりも大きい
と現像力が大き過ぎることによる細線の潰れによる解像
性の低下、カブリの増大による画質低下を生じ易く、現
像バイアスの像担持体へのリークによる画像欠陥を生じ
易くなる。
【0451】また、トナー担持体と像担持体との間に印
加される現像バイアスのAC成分の周波数が100Hz
よりも小さいと、潜像に対する磁性トナーの脱着頻度が
少なくなり、現像装置への転写残トナーの回収性が低下
しやすく、画像品質も低下し易い。現像バイアスのAC
成分の周波数が5000Hzよりも大きいと、電界の変
化に追従できる磁性トナーが少なくなるために、転写残
トナーの回収性が低下し、現像性が低下し易くなる。
【0452】交番電界を現像バイアスとして印加する等
によって、トナー担持体と像担持体間に高電位差がある
場合でも、現像部による像担持体への電荷注入が生じな
いため、トナー担持体側の磁性トナー中に添加された導
電性微粉体が均等に像担持体側に移行されやすく、均一
に導電性微粉体を像担持体に塗布し、帯電部で均一な接
触を行い、良好な帯電性を得ることが出来る。
【0453】次に、本発明の画像形成方法に好ましく適
用される接触転写工程について具体的に説明する。本発
明において、像担持体からトナー画像の転写を受ける転
写材は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。転写
材を中間転写体とする場合、中間転写体から紙の如き転
写材に再度転写することでトナー画像が得られる。
【0454】接触転写工程とは、感光体と転写材を介し
て転写手段を当接しながら現像画像を転写材に静電転写
するものであるが、転写手段の当接圧力としては線圧
2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の
発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0455】接触転写工程における転写手段としては、
転写ローラーまたは転写ベルトの如き転写帯電用部材を
有する装置が使用される。図7に転写ローラーの構成の
一例を示す。転写ローラー34は少なくとも芯金34a
と導電性弾性層34bからなり、導電性弾性層はカーボ
ンの如き導電材を分散させたウレタンやEPDMの、体
積抵抗106〜1010Ωcmの弾性体で作られており、
転写バイアス電源35により転写バイアスが印加されて
いる。
【0456】次に、本発明の一態様である現像兼クリー
ニングプロセス(クリーナーレスシステム)の画像形成
方法を、以下具体的に説明する。図3は本発明に従うロ
ーラーによる注入帯電方式の画像形成装置の一例の概略
構成模型図である。
【0457】この画像形成装置は、転写式電子写真プロ
セスを利用した現像兼クリーニングプロセス(クリーナ
ーレスシステム)の画像形成装置である。クリーニング
ブレードのようにクリーニング部材を有するクリーニン
グユニットを除去した画像形成方法を有し、トナーとし
ては磁性一成分系トナーを使用し、トナー担持体上のト
ナー層と像担持体が非接触となるよう配置される非接触
現像の例を示す。
【0458】1は像担持体としての回転ドラム型a−S
i像担持体であり、矢印の時計方向に一定速度の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0459】306は接触帯電部材としての帯電ローラ
ーである。帯電ローラー306は像担持体1に対して弾
性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設してある。像
担持体1と帯電ローラー306は当接部が存在し、帯電
当接部である。帯電ローラー306は像担持体1との接
触面である帯電当接部において対向方向(感光体表面の
移動方向と逆方向)に回転駆動される。接触帯電部材と
しての帯電ローラー306の表面は像担持体1の表面に
対して速度差を持たせてある。帯電ローラー306の表
面には、塗布量が均一になるように前記導電性微粉体を
塗布している。
【0460】帯電ローラー306の芯金(不図示)には
帯電バイアス印加電源から直流電圧を帯電バイアスとし
て印加してある。ここで、像担持体1の表面は帯電ロー
ラー306に対する印加電圧とほぼ等しい電位に直接注
入帯電方式にて一様に帯電処理される。
【0461】Lはレーザー光である。このレーザー光に
より像担持体1の面に目的の画像情報に対応した静電潜
像が形成される。307は現像装置である。像担持体1
の表面の静電潜像はこの現像装置によりトナー画像とし
て現像される。
【0462】この現像装置307は、非接触型の反転現
像装置(図4)である。また、像担持体1との対向部で
ある現像部(現像領域部)にて像担持体1の回転方向と
順方向に一定速度の周速で回転させる。この現像スリー
ブ12に磁性ブレード11aでトナーが薄層にコートさ
れる。トナーは磁性ブレード11aで現像スリーブ12
に対する層厚が規制され、また電荷が付与される。現像
スリーブ12にコートされたトナーはスリーブ12の回
転により、像担持体1とスリーブ12の対向部である現
像部に搬送される。また、スリーブ12には現像バイア
ス印加電源より現像バイアス電圧が印加される。そし
て、現像スリーブ12と像担持体1の間で一成分ジャン
ピング現像を行わせる。
【0463】302は接触転写手段としての転写ローラ
ーであり、感光体1に一定の線圧で圧接させて転写当接
部を形成させてある。この転写当接部に搬送ローラー3
08a、308bから所定のタイミングで転写材として
の転写材Pが給紙され、かつ転写ローラー302に転写
バイアス印加電源から所定の転写バイアス電圧が印加さ
れることで、像担持体1側のトナー像が転写当接部に給
紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。そし
て、一定のローラー抵抗値のものを用いDC電圧を印加
して転写を行う。転写当接部に導入された転写材Pはこ
の転写当接部を挟持搬送されて、その表面側に像担持体
1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電
気力と押圧力にて転写されていく。
【0464】313は熱定着方式等の定着装置である。
転写当接部に給紙されて像担持体1側のトナー像の転写
を受けた転写材Pは感光体1の表面から分離されてこの
定着装置313に導入され、トナー像の定着を受けて画
像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出され
る。
【0465】この画像形成装置はクリーニングユニット
を除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後の像
担持体1の表面に残留の転写残トナーはクリーナーで除
去されることなく、像担持体1の回転にともない帯電部
を経由して現像部に至り、現像装置307において現像
兼クリーニング(回収)される。
【0466】次に、上記現像兼クリーニングプロセスに
おける導電性微粉体の挙動について以下説明する。
【0467】現像装置307のトナーTに混入させた導
電性微粉体は、現像装置307による像担持体1側の静
電潜像のトナー現像時にトナーとともに適当量が像担持
体1側に移行する。
【0468】像担持体1上のトナー画像は転写部におい
て転写バイアスの影響で転写材である転写材P側に引か
れて積極的に転移するが、像担持体1上の導電性微粉体
は導電性であることで転写材P側には積極的には転移せ
ず、像担持体1上に実質的に付着保持されて残留する。
【0469】本発明の一態様においては、画像形成装置
はクリーニング工程を有さないため、転写後の像担持体
1の表面に残存の転写残トナーおよび上記の残存導電性
微粉体は像担持体1と接触帯電部材である帯電ローラー
306の当接部である帯電部に像担持体1面の移動でそ
のまま持ち運ばれて、帯電ローラー306に付着または
混入する。したがって、像担持体1と帯電ローラー30
6との当接部にこの導電性微粉体が存在した状態で像担
持体1の直接注入帯電が行われる。
【0470】この導電性微粉体の存在により、帯電ロー
ラー306にトナーが付着・混入した場合でも、帯電ロ
ーラー306の像担持体1への緻密な接触性と接触抵抗
を維持できるため、該帯電ローラー306による像担持
体1の直接注入帯電を行わせることができる。
【0471】帯電ローラー306が導電性微粉体を介し
て密に像担持体1に接触して、帯電ローラー306と像
担持体1の相互接触面に存在する導電性微粉体が像担持
体1表面を隙間なく摺擦することで、帯電ローラー30
6による像担持体1の帯電は導電性微粉体の存在により
放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配
的となり、従来のローラー帯電等では得られなかった高
い帯電効率が得られ、帯電ローラー306に印加した電
圧とほぼ同等の電位を像担持体1に与えることができ
る。
【0472】帯電ローラー306に付着または混入した
転写残トナーは帯電ローラー306から徐々に像担持体
1上に吐き出されて像担持体1面の移動とともに現像部
に至り、現像手段において現像兼クリーニング(回収)
される。
【0473】現像兼クリーニングは、転写後に像担持体
1上に残留した磁性トナーを、引き続き感光体を帯電
し、露光して潜像を形成し、該潜像の現像時において、
現像装置のかぶり取りバイアス、〔現像装置に印加する
直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取
り電位差(Vback)〕によって回収するものであ
る。上記のプリンターのように反転現像の場合では、こ
の現像兼クリーニングは、現像バイアスによる感光体の
暗部電位から現像スリーブに磁性トナーを回収する電界
と、現像スリーブから感光体の明部電位へ磁性トナーを
付着させる電界の作用でなされる。
【0474】また、画像形成装置が稼働することで、現
像装置307の磁性トナーTに混入させてある導電性微
粉体が現像部で像担持体1面に移行し該像担持面の移動
により転写部を経て帯電部に持ち運ばれて帯電部に新し
い導電性微粉体が逐次に供給され続けるため、帯電部に
おいて導電性微粉体が脱落で減少したり、該粉体が劣化
しても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好な
帯電性が安定して維持される。
【0475】このように、接触帯電方式、転写方式、ト
ナーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触
帯電部材として簡易な帯電ローラー306を用いて、該
帯電ローラー306の転写残トナーによる汚染にかかわ
らず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に
渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与え
ることが出来、オゾン生成物による障害、帯電不良によ
る障害のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を
得ることができる。
【0476】また、前述のように導電性微粉体は帯電性
を損なわないために、電気抵抗値が1×109Ω・cm
以下である必要がある。そのため、現像部において磁性
トナーが直接像担持体1に接触する接触現像装置を用い
た場合には、磁性トナー中の導電性微粉体を通じて、現
像バイアスにより像担持体1に電荷注入され、画像かぶ
りが発生してしまう。
【0477】しかし、上記の例では現像装置は非接触型
現像装置であるので、現像バイアスが像担持体1に注入
されることがなく、良好な画像を得ることが出来る。ま
た、現像部aにおいて像担持体1への電荷注入が生じな
いため、ACのバイアスにより現像スリーブ12と像担
持体1(19)との間に高電位差を持たせることが可能
であり、導電性微粉体が均等に供給されやすく、均一に
導電性微粉体を像担持体1表面に塗布し、帯電部で均一
な接触を行い、良好な帯電性を得ることが出来、良好な
画像を得ることが可能となる。
【0478】帯電ローラー306と像担持体1との接触
面(当接部)に導電性微粉体を介在させることにより、
該導電性微粉体の潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電
ローラー306と像担持体1との間に容易に効果的に速
度差を設けることが可能となる。帯電ローラー306と
像担持体1との間に速度差を設けることにより、帯電ロ
ーラー306と像担持体1の相互接触面部において導電
性微粉体が像担持体1に接触する機会を格段に増加さ
せ、高い接触性を得ることができ、良好な直接注入帯電
を可能としている。
【0479】上記の例では、帯電ローラー306を回転
駆動し、その回転方向は像担持体1表面の移動方向とは
逆方向に回転するように構成することで、帯電部nに持
ち運ばれる像担持体1上の転写残トナーを帯電ローラー
306に一時的に回収し均す効果を得ている。即ち、逆
方向回転で感光体1上の転写残トナーを一旦引き離し帯
電を行うことにより優位に直接注入帯電を行うことが可
能である。
【0480】更に、この例では像担持体1と接触帯電部
材としての帯電ローラー306との帯電当接部における
適当な量の導電性微粉体の介在によって、該粒子による
潤滑効果により帯電ローラー306と像担持体1との摩
擦を低減し、帯電ローラー306を像担持体1に速度差
を持って回転駆動させることが容易である。つまり、駆
動トルクが低減し、帯電ローラー306や像担持体1の
表面の削れまたは傷を防止できる。更に該粒子による接
触機会増加により十分な帯電性能が得られる。また、導
電性微粉体の帯電ローラー306からの脱落よる作像上
に悪影響もない。
【0481】また、本発明の画像形成装置は、前述した
本発明の画像形成方法における各工程を実現する手段を
含む構成とされていれば良く、従来より知られている装
置等の手段を用いることができる。
【0482】本発明に係わる各種物性データの測定法を
以下に詳述する。 (1)定着画像のカブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMET
ER MODEL TC−6DSを使用して測定した。
フィルターとしてはグリーンフィルターを用い、下記式
より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。
【数7】
【0483】(2)像担持体の一次帯電電位 像担持体の一次帯電電位は、像担持体の帯電器により帯
電された部位が所定の周速度で所定の方向に回転し、現
像器のスリーブの最近接位置に到達したときに測定され
る表面電位を電位計から読み取った値の3点平均値であ
り、測定部位は像担持体の両端部からそれぞれ50mm
±10mm中央側の範囲(2点)と像担持体の中央部の
左右10mmの範囲(1点)として定義される。具体的
な電位測定装置としては、TRek社製の非接触電位計
344などが挙げられる。
【0484】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0485】<表面処理磁性体の製造例1>硫酸第一鉄
水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛
性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調
製した。
【0486】水溶液のpHを9前後に維持しながら空気
を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生
成させるスラリー液を調製した。
【0487】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8に維持して、空気を吹き込みながら酸化反
応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗
浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを
少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サ
ンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、
再分散液のpHを約6に調製し、十分攪拌しながらシラ
ンカップリング剤(n−C1021Si(OCH33)を
磁性酸化鉄100質量部に対し1.9質量部(磁性酸化
鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算
した)添加し、カップリング処理を行った。生成した疎
水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次い
で若干凝集している粒子を解砕処理して、表面処理磁性
体1を得た。
【0488】<表面処理磁性体の製造例2>表面処理磁
性体の製造例1に於いてシランカップリング剤を(n−
613Si(OCH33)とする以外は同様にして表
面処理磁性体2を得た。
【0489】<表面処理磁性体の製造例3>表面処理磁
性体の製造例1に於いてシランカップリング剤を(n−
1837Si(OCH33)とする以外は同様にして表
面処理磁性体3を得た。
【0490】<表面処理磁性体の製造例4>表面処理磁
性体の製造例1に於いてシランカップリング剤を(n−
49Si(OCH33)とし、カップリング剤量を
1.0質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体4
を得た。
【0491】<表面処理磁性体の製造例5>表面処理磁
性体の製造例1に於いてシランカップリング剤を(n−
49Si(OCH33)とし、カップリング剤量を
0.7質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体5
を得た。
【0492】<表面処理磁性体の製造例6>表面処理磁
性体の製造例1に於いてシランカップリング剤を(n−
49Si(OCH33)とし、カップリング剤量を
0.3質量部とする以外は同様にして表面処理磁性体6
を得た。上記表面処理磁性体の表面処理剤及びその添加
量を表1に示す。
【0493】
【表1】
【0494】<磁性体の製造例1>硫酸第一鉄水溶液中
に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ
溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0495】水溶液のpHを9前後に維持しながら、空
気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を
生成させるスラリー液を調製した。
【0496】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.
2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリ
ー液をpH8に維持して、空気を吹き込みながら酸化反
応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗
浄、濾過して一旦取り出し、生成した酸化鉄粒子を常法
により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒
子を解砕処理して、磁性体1を得た。
【0497】<導電性微粉体1>体積平均粒径3.6μ
m、粒度分布における0.5μm以下が6.4体積%、
5μm以上が7個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗1400
Ω・cm、一次粒子径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一
次粒子を圧力により造粒して得られたもの、白色)を導
電性微粉体1とする。
【0498】この導電性微粉体1は、走査型電子顕微鏡
にて3000倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜
0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜5μmの凝集体と
から主に形成されていた。
【0499】実施例の画像形成装置で画像露光に用いら
れるレーザービームスキャナの露光光波長675nmに
あわせて、波長675nmの光源を用いて、この波長域
における透過率をX−Rite社製310T透過型濃度
計を用い測定したところ、この導電性微粉体1の透過率
はおよそ36%であった。
【0500】<導電性微粉体2>導電性微粉体1を風力
分級して得られた、体積平均粒径2.2μm、粒度分布
における0.5μm以下の割合が4.2体積%で、5μ
m以上の割合が1個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗値14
00Ω・cm、透過率36%)を導電性微粉体2とす
る。
【0501】この導電性微粉体2は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一
次粒子と1〜5μmの凝集体とが主成分であり、導電性
微粉体1と比較すると、一次粒子は減少していた。
【0502】<導電性微粉体3>導電性微粉体1を風力
分級して得られた、体積平均粒径1.3μm、粒度分布
における0.5μm以下の割合が30体積%で、5μm
以上の割合が0個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗値140
0Ω・cm、透過率36%)を導電性微粉体3とする。
【0503】この導電性微粉体3は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一
次粒子と1〜4μmの凝集体とが主成分であり、導電性
微粉体1と比較すると、一次粒子は増加していた。
【0504】<導電性微粉体4>体積平均粒径0.3μ
m、粒度分布における0.5μm以下の割合が81体積
%で、5μm以上の割合が0個数%の微粒子酸化亜鉛
(抵抗値100Ω・cm、純度99%以上、透過率36
%)を導電性微粉体4とする。
【0505】この導電性微粉体4は、走査型電子顕微鏡
にて観察したところ、凝集体の少ない0.1〜0.3μ
mの酸化亜鉛一次粒子からなっていた。
【0506】<導電性微粉体5>酸化スズ・アンチモン
で表面処理された体積平均粒径2.5μmのホウ酸アル
ミニウムを風力分級によって粗粒子を除いた後に、水系
に分散しての濾過を繰り返し行うことで微粒子を除き、
体積平均粒径3.1μm、粒度分布における0.5μm
以下が0.7体積%、5μm以上が1個数%の灰白色の
導電性粒子を得た(抵抗40Ω・cm)。これを導電性
微粉体5とする。
【0507】<磁性トナーの製造例1>イオン交換水7
09質量部に0.1M−Na3PO4水溶液451質量部
を投入し60℃に加温した後、塩化カルシウム添加後の
pHが6.0になるように塩酸を投入し、次に1.0M
−CaCl2水溶液67.7質量部を添加してリン酸カ
ルシウム塩を含む水系媒体を得た。
【0508】 ・スチレン 78質量部 ・n−ブチルアクリレート 22質量部 ・ビスフェノールAのP.O.及びE.O.付加物とフマル酸の縮合反応により 得られる不飽和ポリエステル樹脂 2質量部 ・ビスフェノールAのP.O.及びE.O.付加物と テレフタル酸の縮合反応 により得られる飽和ポリエステル樹脂 3質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1質量部 ・表面処理磁性体1 90質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。
【0509】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にエステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大
値72℃)4.5部を添加混合溶解し、これに重合開始
剤2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)[t1/2=140分、60℃条件下]5質量部を溶
解した。
【0510】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2 雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃
とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更
に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を
加えてリン酸カルシウム塩を溶解し、濾過、水洗、乾燥
して重量平均粒径7.1μmの黒色の磁性トナー粒子1
を得た。
【0511】この磁性トナー粒子100部と、ヘキサメ
チルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理
し、処理後のBET値が200m2/gの疎水性シリカ
微粉体0.9部と、表2に示す導電性微粉体とをヘンシ
ェルミキサーで混合して、磁性トナー1を調製した。磁
性トナー1の物性を表2に示す。
【0512】<磁性トナーの製造例2>表面処理磁性体
1に代えて表面処理磁性体2を用い、重合開始剤として
t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートを用い
ること以外は磁性トナー1の製造例と同様に磁性トナー
2を得た。磁性トナー2の物性を表2に示す。
【0513】<磁性トナーの製造例3>表面処理磁性体
1に代えて表面処理磁性体3を用い、pH調整をしない
こと以外は磁性トナー1の製造例と同様に磁性トナー3
を得た。このときの水系媒体のpHは、10.3であっ
た。磁性トナー3の物性を表2に示す。
【0514】<磁性トナーの製造例4>表面処理磁性体
1に代えて表面処理磁性体4を用いること以外は磁性ト
ナー1の製造例と同様に磁性トナー4を得た。磁性トナ
ー4の物性を表2に示す。
【0515】<磁性トナーの製造例5>表面処理磁性体
1に代えて表面処理磁性体5を用いること以外は磁性ト
ナー1の製造例と同様に磁性トナー5を得た。磁性トナ
ー5の物性を表2に示す。
【0516】<磁性トナーの製造例6>磁性トナーの製
造例1で得た黒色粒子1を100質量部と、ヘキサメチ
ルジシラザンで処理し、処理後のBET値が250m2
/gの疎水性シリカ微粉体0.8質量部と、表2に示す
導電性微粉体とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、磁性トナー6を調製した。磁性ト
ナー6の物性を表2に示す。
【0517】<磁性トナーの製造例7>負荷電性制御剤
(モノアゾ染料系のFe化合物)1質量部に代えてニグ
ロシン1.5質量部を用い、BET値が200m2/g
の疎水性シリカ微粉体0.9質量部に代えて、BET値
が200m2/gの正荷電性疎水性乾式シリカ微粉体
0.9質量部を用いること以外は磁性トナー1の製造例
と同様に磁性トナー7を得た。磁性トナー7の物性を表
2に示す。
【0518】<磁性トナーの製造例8>エステルワック
スの量を1.2質量部とする以外は磁性トナーの製造例
1と同様に磁性トナー8を得た。磁性トナー8の物性を
表2に示す。
【0519】<磁性トナーの製造例9>エステルワック
スの量を54質量部とする以外は磁性トナーの製造例1
と同様に磁性トナー9を得た。磁性トナー9の物性を表
2に示す。
【0520】<磁性トナーの製造例10>エステルワッ
クスに代えてポリエチレンワックス(DSCにおける吸
熱ピークの極大値100℃)とする以外は磁性トナーの
製造例1と同様に磁性トナー10を得た。磁性トナー1
0の物性を表2に示す。
【0521】<磁性トナーの製造例11>表面処理磁性
体1の量を40質量部とする以外は磁性トナーの製造例
1と同様に磁性トナー11を得た。磁性トナー11の物
性を表2に示す。
【0522】<磁性トナーの製造例12>表面処理磁性
体の量を150質量部とする以外は磁性トナーの製造例
1と同様に磁性トナー12を得た。磁性トナー12の物
性を表2に示す。
【0523】 <磁性トナーの製造例13> スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(重量比80/20) 100質量部 不飽和ポリエステル樹脂 2質量部 飽和ポリエステル樹脂 3質量部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1質量部 表面処理磁性体1 90質量部 磁性トナー1で用いたエステルワックス 4.5質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、105℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級し、その後衝撃式
表面処理装置(処理温度50℃、回転式処理ブレード周
速90m/sec.)を用いて重量平均粒径9.3μm
の磁性トナー粒子13を得た。この磁性トナー粒子13
の100質量部に対して磁性トナーの製造例1で使用し
た疎水性シリカ微粉体1.2質量部と、表2に示す導電
性微粉体とを加えた混合物をヘンシェルミキサーで混合
し磁性トナー13を得た。磁性トナー13の物性を表2
に示す。
【0524】<磁性トナーの製造例14>磁性トナーの
製造例13において、粗粉砕物をターボミル(ターボ工
業社製)で微粉砕する以外は同様の手法により、磁性ト
ナー粒子を得、その後衝撃式表面処理装置(処理温度5
0℃、回転式処理ブレード周速90m/sec.)を用
いて重量平均粒径8.6μmの球形化された磁性トナー
粒子14を得た。
【0525】次に、得られた球形化された磁性トナー粒
子14と、この磁性トナー粒子14に対して100質量
部に対して磁性トナーの製造例6で使用した疎水性コロ
イダルシリカ1.0質量部と、表2に示す導電性微粉体
とを加えた混合物をヘンシェルミキサーで混合し磁性ト
ナー14を調製した。磁性トナー14の物性を表2に示
す。
【0526】<磁性トナーの製造例15〜17>磁性ト
ナーの製造例1において、得られた磁性トナー粒子1
と、製造例1で使用した疎水性コロイダルシリカ0.9
質量部と、表2に示す導電性微粉体とを加えた混合物を
ヘンシェルミキサーで混合し磁性トナー15〜17を調
製した。磁性トナー15〜17の物性を表2及び表3に
示す。
【0527】得られた磁性トナーの磁場79.6kA/
mにおける磁化の強さは、磁性トナー11は17.3、
磁性トナー12は37.2であり、他の磁性トナーはい
ずれも26〜30Am2/kgであった。
【0528】<磁性トナーの比較製造例1>表面処理磁
性体1に代えて表面処理磁性体6を用いること以外は磁
性トナー1の製造例と同様に比較用磁性トナー1を得
た。比較用磁性トナー1の物性を表3に示す。
【0529】<磁性トナーの比較製造例2>表面処理磁
性体1に代えて磁性体1を用いること以外は磁性トナー
1の製造例と同様に比較用磁性トナー2を得た。比較用
磁性トナー2の物性を表3に示す。
【0530】<磁性トナーの比較製造例3>磁性トナー
の製造例1において、Na3PO4水溶液とCaCl2
溶液の投入量を増やし、重量平均粒径2.9μmの比較
用磁性トナー粒子3を得た。この比較用磁性トナー粒子
3の100質量部と、磁性トナーの製造例1で使用した
疎水性シリカ微粉体2.2質量部と、表3に示す導電性
微粉体とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、比較用磁性トナー3を調製した。
比較用磁性トナー3の物性を表3に示す。
【0531】<磁性トナーの比較製造例4>磁性トナー
の製造例1において、Na3PO4水溶液とCaCl2
溶液の投入量を減らし、重量平均粒径10.4μmの比
較用磁性トナー粒子4を得た。この比較用磁性トナー粒
子4の100質量部と、磁性トナーの製造例1で使用し
た疎水性シリカ微粉体0.6質量部と、表3に示す導電
性微粉体とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))で混合して、比較用磁性トナー4を調製した。
比較用磁性トナー4の物性を表3に示す。
【0532】 <磁性トナーの比較製造例5> スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(重量比80/20) 100質量部 不飽和ポリエステル樹脂 2質量部 飽和ポリエステル樹脂 3質量部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1質量部 表面処理磁性体1 90質量部 磁性トナー1で用いたエステルワックス 4.5質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、105℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径
8.7μmの比較用磁性トナー粒子5を得た。この比較
用磁性トナー粒子5と、この比較用磁性トナー粒子5の
100質量部に対して磁性トナーの製造例1で使用した
疎水性シリカ微粉体1.5質量部と、表3に示す導電性
微粉体とを加えた混合物をヘンシェルミキサーで混合し
比較用磁性トナー5を得た。比較用磁性トナー5の物性
を表3に示す。
【0533】
【表2】
【0534】
【表3】
【0535】<像担持体製造例1>プラズマCVD装置
を用いて下記の条件により肉厚3mm、外径30mm、
長さ357mmのアルミニウム製円筒状導電性基体上に
阻止層、光導電層を積層した後、下記の条件での表面層
を0.5μm堆積し光受容部材を製造した。これを像担
持体1とする。なお、以下の像担持体製造例において
「normal」とは、298K、105Paの条件で
あることを意味する。
【0536】 (光受容部材の製造条件) 電荷注入阻止層‥SiH4 300ml/min(normal) H2 500ml/min(normal) NO 8ml/min(normal) PH3 800ppm(対SiH4) パワー 400W(13.56MHz) 内圧 53.3Pa 基板温度 250℃ 膜厚 1μm 光導電層・・‥‥‥SiH4 500ml/min(normal) H2 500ml/min(normal) パワー 800W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 250℃ 膜厚 20μm バッファ層・・・・・・SiH4 50ml/min CH4 350ml/min パワー 200W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 250℃ 膜厚 0.2μm
【0537】(像担持体1の表面層の製造条件) SiH4 20ml/min(normal) CH4 500ml/min(normal) パワー 300W(13.56MHz) 内圧 40.0Pa 基板温度 250℃
【0538】<像担持体製造例2>プラズマCVD装置
を用いて下記の条件により肉厚3mmのアルミニウム製
円筒状導電性基体上に阻止層、光導電層を積層した後、
下記の条件での表面層を0.2μm堆積し光受容部材を
製造した。これを像担持体2とする。
【0539】 (光受容部材の製造条件) 電荷注入阻止層‥SiH4 100ml/min(normal) H2 500ml/min(normal) NO 5ml/min PH3 500ppm(対SiH4) パワー 100W(105MHz) 内圧 1.0Pa 基板温度 250℃ 膜厚 1μm 光導電層‥‥‥・・SiH4 500ml/min(normal) H2 500ml/min(normal) パワー 300W(105MHz) 内圧 1.0Pa 基板温度 250℃ 膜厚 15μm バッファ層‥‥‥SiH4 50ml/min(normal) CH4 500ml/min(normal) パワー 300W(105MHz) 内圧 1.0Pa 基板温度 250℃ 膜厚 0.2μm
【0540】(像担持体2の表面層の製造条件) CH4 500ml/min(normal) パワー 1000W(105MHz) 内圧 0.27Pa 基板温度 100℃
【0541】<像担持体製造例3>プラズマCVD装置
を用いて下記の条件により肉厚3mmのアルミニウム製
円筒状導電性基体上に阻止層、光導電層を積層した後、
下記の条件での表面層を0.5μm堆積し光受容部材を
製造した。これを像担持体3とする。
【0542】 (光受容部材の製造条件) 電荷注入阻止層‥SiH4 100ml/min(normal) H2 300ml/min(normal) NO 5ml/min(normal) B26 2000ppm(対SiH4) パワー 400W(13.56MHz) 内圧 53.3Pa 基板温度 290℃ 膜厚 2μm 光導電層・・‥‥‥SiH4 200ml/min(normal) H2 800ml/min(normal) B26 1ppm(対SiH4) パワー 800W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 290℃ 膜厚 27μm
【0543】 (像担持体3の表面層の製造条件) SiH4 10ml/min(normal) CH4 500ml/min(normal) パワー 300W(13.56MHz) 内圧 66.7Pa 基板温度 290℃
【0544】<比較用像担持体製造例1>感光体として
は直径30mmのAlシリンダーを基体とした。これ
に、図8に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積
層して、感光体を作製した。
【0545】(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタ
ンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚15μm。 (2)下引き層:変性ナイロン、及び共重合ナイロンを
主体とする。膜厚0.6μm。 (3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つアゾ顔料をブ
チラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6
μm。 (4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化
合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法によ
る分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主
体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2
μm)を総固形分に対して10質量%添加し、均一に分
散した。膜厚25μm。水に対する接触角は95度であ
った。 接触角は、純水を用い、協和界面科学(株)製の接触角
計CA−X型装置を用いて測定した。これを比較用像担
持体1とする。
【0546】<帯電部材の製造例1>直径9mm、長さ
346mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上にウレ
タン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化
剤、発泡剤を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ
ー状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面性を整
え、可撓性部材として直径16mm、長さ318mmの
帯電ローラーを作製した。
【0547】得られた帯電ローラーは、抵抗値が105
Ω・cmであり、硬度は、アスカーC硬度で30度であ
った。また、この帯電ローラー表面を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、平均セル径は約100μmで、空隙
率は65%であった。これを帯電部材1とする。
【0548】<帯電部材の製造例2>直径9mm、長さ
346mmのSUSローラーを芯金とし、芯金上に導電
性ナイロン繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金
にスパイラル状に巻き付けてロール状帯電ブラシを作製
した。このブラシはナイロン繊維にカーボンブラックを
分散させて抵抗調整されたものであり、繊維の太さが6
デニール(300デニール/50フィラメント)、ブラ
シの繊維の長さは3mm、ブラシ密度は1平方インチ当
たり10万本で植毛された物を用いた。得られた帯電ブ
ラシロールの抵抗値は1×107Ω・cmであった。こ
れを帯電部材2とする。
【0549】<帯電部材の製造例3>Fe2350モル
%、CuO25モル%、ZnO25モル%にリンを0.
05質量%添加し、分散剤および結着剤と水を加えボー
ルミルにて分散混合し、スプレードライヤーにより造粒
成形を行った。次いで、1150℃の条件下6時間の焼
成を行った。焼成物を解粉後、分級(ディスパージョン
セパレータ)を行い体積平均径35μmの球状のフェラ
イト粒子を得た。
【0550】上記磁性粒子100質量部に対してチタン
カップリング剤(イソプロポキシトリイソステアロイル
チタネート)0.10質量部をトルエン溶媒を用いて混
合させた後、湿式コートし、電気オーブンで170℃で
キュアした。本磁性粒子の体積抵抗値は3.5×107
Ωcmであった。
【0551】次いで、磁気ブラシ(帯電部材)として穂
立ちさせるための、外径16mmのアルミニウム製円筒
体と、これに内包される磁束密度0.1T(テスラ)の
マグネットロールから構成される電極スリーブを作製し
た。該導電スリーブと像担持体との間隙は約500μm
とし、前記磁性粒子を、電極スリーブ上のコート量とし
て170mg/cm2となるように該スリーブ上にコー
トした。これを帯電部材3とする。
【0552】<実施例1>画像形成装置として、GP4
05(図2:キヤノン製)を改造したものを用いた。
【0553】静電荷像担持体としては像担持体1を用い
た。この像担持体に、一次帯電部材として帯電部材1
を、像担持体1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧
設させて配設し、直流電圧を帯電バイアスとして芯金か
ら−440Vを印加し、像担持体との帯電当接部におい
て対向方向(像担持体の移動方向と逆方向)に100%
の周速で回転駆動して像担持体を一様に帯電させた。接
触帯電部材としての帯電ローラーの表面は、像担持体の
表面に対して相対移動速度比200%の相対速度差を有
していた。帯電ローラーの表面には、塗布量が1×10
4個/mm2で均一になるように導電性微粉体3を塗布
し、導電性微粉体の供給量が安定するように導電性微粉
体塗布機構314を設けた。一次帯電に次いで、675
nmの波長を有するレーザー光で画像部分を露光するこ
とにより静電潜像を形成した。この時、現像器のスリー
ブ位置(本体手前、中央部、本体奥の3点平均)の暗部
電位Vd=−400V、明部電位VL=−20Vとし
た。
【0554】像担持体(感光ドラム)と現像スリーブと
の間隙は200μmとし、トナー担持体としては、表面
をガラスビーズによりブラスト処理した直径20mmの
アルミニウム円筒上に、下記の構成の層厚約10μm塗
工して、JIS中心線平均粗さ(Ra)0.85μmと
なるように樹脂層を形成した現像スリーブを使用し、現
像磁極95mT(950ガウス)、トナー規制部材とし
てドラム側を削ったナイフエッジ型の強磁性ブレード
(鉄−ニッケル合金)をスリーブとの間隙を210μm
で配設させた。 フェノール樹脂 100部 グラファイト(粒径約7μm) 36部 カーボンブラック 4部
【0555】次いで、現像バイアスとして直流バイアス
成分Vdc=−270V、重畳する交流バイアス成分V
p−p=800V、f=1900Hzを用いた。現像ス
リーブの周速は感光体周速(210mm/sec)に対
して順方向に180%のスピード(378mm/se
c)とした。また、転写装置はコロナ転写装置に改造し
た。
【0556】さらに、クリーニング部材と帯電部材の間
に前露光装置(波長660nm)を配設した。定着方法
としてはGP405の熱ローラー定着装置をそのまま用
いた。
【0557】磁性トナー1を使用し、後述する常温常湿
環境下において磁性トナー1を逐次補給しながら画出し
試験を行った。転写材としては64g/m2の紙を使用
した。その結果、初期において高い転写性を示し、文字
やラインの転写中抜け及び定着オフセットによる裏汚れ
もなく、非画像部へのカブリもない良好な画像が得られ
た。
【0558】次に、印字面積比率約5%のTC−A1チ
ャート(キヤノン製テストチャート:FY9−9045
−000)を使用してA4横サイズの画像を連続モード
で2万枚複写して画像評価を行った。画像評価は以下の
ように行った。
【0559】(1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(64g/m2)の画像濃度によ
り評価した。尚、画像濃度については「マクベス反射濃
度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、0.0
0の白地部分と画像との相対濃度を測定した。 A:非常に良好 1.40以上 B:良好 1.35以上1.40未満 C:実用上問題なし 1.00以上1.35未満 D:やや難あり 1.00未満
【0560】(2)画像カブリ 「REFLECTMETER MODEL TC−6D
S」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画
像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブ
リ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィル
ターは、グリーンフィルターを用いた。 A:非常に良好 1.0%未満 B:良好 1.0%以上2.0%未満 C:実用上問題なし 2.0%以上3.0%未満 D:やや難あり 3.0%以上
【0561】(3)転写性(転写効率) 転写効率は、ベタ黒画像(原稿にキヤノン製テストチャ
ート:FY9−9073−000を使用)転写後の感光
体上の転写残トナーをマイラーテープによりテーピング
してはぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値を
C、転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテー
プを貼ったもののマクベス濃度をD、未使用の紙上に貼
ったマイラーテープのマクベス濃度をEとした時、近似
的に以下の式で計算した。
【数8】 転写効率(%)={(D−C)/(D−E)}×100 (評価ランク) A:97%以上(非常に良好) B:94%以上97%未満(良好) C:90%以上94%未満(普通) D:90%未満(悪い)
【0562】(4)がさつきがさつきの評価には、各環
境下で、サンプルとなる磁性トナーと像担持体を投入し
た画像形成装置を、各環境に72時間以上の適宜な時間
放置して、機内を該環境に安定させた。その後、2万枚
の複写を行い、その後装置の電源をOFFにして24時
間放置した。放置後に下記のチャートを使用して、画像
出しを連続100枚行い、その時の画像をもって判断し
た。
【0563】評価画像を複写原稿には、画像濃度0.3
と0.4のハーフトーンチャートの2種類(キヤノン製
テストチャート:FY9−9042−000及びFY9
−9098−000)を使用した。
【0564】がさつきについては、二種のチャートを複
写した画像において画像ムラを目視にて判定した。
【0565】判定基準は、下記の通りである A:ハーフトーンの濃度ムラが目視で判別不可能 B:ハーフトーンの濃度ムラが目視でほぼ判別不可能 C:ハーフトーンの濃度ムラが目視で判別可能 D:ハーフトーンの濃度ムラが目視で明確に判別可
【0566】各環境の温度および湿度条件は次のとおり
である。 30±2℃、80±10%RHの環境(以下、単に高温
高湿環境という) 25±2℃、50± 5%RHの環境(以下、単に常温
常湿環境という) 25±2℃、10± 5%RHの環境(以下、単に常温
低湿環境という) 15±2℃、10± 5%RHの環境(以下、単に低温
低湿環境という)
【0567】(5)平均トナー消費量 平均トナー消費量については、初期から2万枚までの画
出しに際して消費した磁性トナーの総量から1枚当たり
のトナーの消費量を算出した。
【0568】評価(1)〜(3)及び(5)は常温常湿
環境にて、評価(4)はすべての環境にて実施した。な
お、上記の各評価に際して、環境対策ヒーター(ドラム
ヒーター)等を排除した状態で行った。また、通紙耐久
は、印字面積比率約5%の原稿〔TC−A1(キヤノン
製テストチャート:FY9−9045−000)〕を使
用して行った。その際、適宜な枚数毎に上記の各テスト
チャートの画像を複写した。評価(1)〜(5)につい
て初期の画像と2万枚複写後の画像の評価結果を表4に
示す。
【0569】以下の実施例においては、現像剤に用いて
いる導電性微粉体と同じものを帯電部材に塗布・供給し
ている。 <実施例2>像担持体1を像担持体2に、磁性トナー1
を磁性トナー2に変える以外は、実施例1と同様に評価
した。評価結果を表4に示す。
【0570】<実施例3>転写装置をコロナ転写装置に
改造をしないで、磁性トナー1を磁性トナー3に変える
以外は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に
示す。
【0571】<実施例4〜6>磁性トナー1を、各実施
例において表4に示す磁性トナーに変える以外は、実施
例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0572】<実施例7>像担持体1を正帯電性像担持
体である像担持体3に、磁性トナー1を正帯電性磁性ト
ナーである磁性トナー7に変え、帯電バイアス、現像バ
イアスの直流成分、転写バイアスの極性を実施例1とは
逆極性となるよう印加する以外は、実施例1と同様に評
価した。評価結果を表4に示す。
【0573】<実施例8〜17>磁性トナー1を、各実
施例において表4に示す磁性トナーに変える以外は、実
施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0574】<実施例18>像担持体の暗部電位を−5
90Vに、明部電位を−140Vになるよう帯電させ、
現像バイアスの直流バイアス成分を−440Vとする以
外は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4を示
す。
【0575】<実施例19>像担持体の暗部電位を−5
40Vに、明部電位を−100Vになるよう帯電させ、
現像バイアスの直流バイアス成分を−400Vとする以
外は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示
す。
【0576】<実施例20>像担持体の暗部電位を−4
90Vに、明部電位を−80Vになるよう帯電させ、現
像バイアスの直流バイアス成分を−360Vとする以外
は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示
す。
【0577】<実施例21>像担持体の暗部電位を−3
10Vに、明部電位を−10Vになるよう帯電させ、現
像バイアスの直流バイアス成分を−200Vとする以外
は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示
す。
【0578】<実施例22>像担持体の暗部電位を−2
90Vに、明部電位を−5Vになるよう帯電させ、現像
バイアスの直流バイアス成分を−190Vとする以外
は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示
す。
【0579】<実施例23>画像形成装置の像担持体の
周速を263mm/sec、帯電ローラーの周速はその
ままで、現像スリーブの表面粗さRaを1.10μmと
し、周速を426mm/secとする以外は実施例1と
同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0580】<実施例24>帯電部材1に変えて帯電部
材2を配設し、像担持体の表面に対して当接部において
逆方向に相対移動速度比200%の相対速度差で駆動す
るよう改造し、芯金から−450Vの帯電バイアスを供
給して像担持体を帯電させる以外は、実施例1と同様に
評価した。評価結果を表4に示す。
【0581】<実施例25>帯電部材1に変えて、導電
性微粉体の塗布機構は使用せずに、帯電部材3を使用し
た。帯電部材3は、マグネットロールを固定、スリーブ
表面を感光体表面の周速に対して150%の速さで対向
箇所において逆方向に回転させ、スリーブ上に前述した
磁性粒子により磁気ブラシを形成させ、像担持体と該磁
気ブラシがそれぞれ回転しながら均一に接触するように
した。このとき、像担持体の表面に対して相対移動速度
比150%の相対速度差で駆動させ、スリーブから直流
バイアス成分−450V、重畳する交流バイアス成分
0.5kVp−pの帯電バイアスを供給して像担持体を
帯電させる以外は、実施例1と同様に評価した。評価結
果を表4に示す。
【0582】<比較例1>磁性トナー1に変えて比較用
磁性トナー1を用いる以外は実施例1と同様に評価し
た。評価結果を表5に示す。
【0583】<比較例2>磁性トナー1に変えて比較用
磁性トナー2を用いる以外は実施例1と同様に評価し
た。評価結果を表5に示す。
【0584】<比較例3>像担持体1を比較用像担持体
1に変え、像担持体上の電位を実施例1と同様にするた
めに回転方向は変えずに帯電ローラーの相対移動速度比
を150%にする以外は、実施例1と同様に評価した。
評価結果を表5に示す。
【0585】<比較例4>帯電部材として改造前のGP
405の帯電ローラを使用し、印加バイアスとしてAC
バイアス(Vpp800V、1900Hz)及びDCバ
イアス(−400V)を使用したところ、オゾンの発生
が実施例1よりも多く、帯電効率が実施例1よりも劣っ
ていた。
【0586】<比較例5>像担持体の暗部電位を−65
0Vに、明部電位を−150Vになるよう帯電させ、現
像バイアスの直流バイアス成分を−480Vとする以外
は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示
す。
【0587】<比較例6>像担持体の暗部電位を−24
0Vに、明部電位を0Vになるよう帯電させ、現像バイ
アスの直流バイアス成分を−170Vとする以外は、実
施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
【0588】<比較例7〜9>磁性トナー1のかわりに
比較用磁性トナー3〜5を使用する以外は、実施例1と
同様に評価した。評価結果を表5に示す。
【0589】
【表4】
【0590】
【表5】
【0591】比較例3は、複写試験をはじめて1500
0枚後に帯電ムラに起因する画像不良が発生したため評
価をするに至らなかった。比較例5は、複写試験をはじ
めて100枚後に像担持体のリークが発生し評価を中止
した。
【0592】また、実施例8および10を除いてはいず
れの磁性トナーにおいてもゴースト・複写画像の裏面汚
れもなく、像担持体、転写装置、定着装置の汚れもなく
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とのマッチ
ングに優れるものであった。実施例8および10におい
ては、定着装置の加圧ローラーにトナーが僅かに付着し
ていたが、いずれも画像の裏面汚れは認められなかっ
た。
【0593】さらに、上記の実施例の画像形成方法(装
置)においてオゾン臭は認められなかった。
【0594】<実施例26>実施例1の画像形成装置に
おけるクリーナー、および導電性微粉体の塗布機構をは
ずした画像形成装置(いわゆるクリーナーレス)によ
り、磁性トナー1を用いて実施例1と同様の評価を5万
枚まで実施した。評価を開始するにあたり、帯電ローラ
ーの表面に、塗布量がおよそ1×104個/mm2で均一
になるように前記導電性微粉体3を塗布した。また、そ
のときに像担持体と帯電方法のマッチングを評価するた
めに、初期と5万枚複写後の像担持体上の電位の絶対値
変化も評価した。
【0595】さらに、5万枚複写後、帯電ローラー上で
像担持体との当接部に対応する部分をテーピングし、観
察したところ、微量の転写残トナーが確認されるもの
の、ほぼ白色の酸化亜鉛粒子(導電性微粉体1)で覆わ
れており、介在量はおよそ2×105個/mm2であっ
た。帯電部材と像担持体との当接部に介在している転写
残トナーを走査型顕微鏡で観察したところ、表面を非常
に粒径の細かい導電性微粉体が固着しているように覆わ
れたような転写残トナーは観察されなかった。これらの
結果を表6に示す。
【0596】以下の実施例においては、現像剤に用いて
いる導電性微粉体と同じものを帯電部材に塗布・供給し
ている。<実施例27〜31>実施例26において、磁
性トナー1を各実施例において表6に示す磁性トナーに
変える以外は、実施例26と同様に評価した。評価結果
を表6に示す。
【0597】<実施例32>実施例7において、クリー
ナーおよび導電性微粉体塗布機構をはずした画像形成装
置を用いる以外は、実施例7と同様に評価した。評価結
果を表6に示す。
【0598】<実施例33〜42>実施例26におい
て、磁性トナー1を各実施例において表6に示す磁性ト
ナーに変える以外は、実施例26と同様に評価した。評
価結果を表6に示す。
【0599】<実施例43〜49>実施例26の画像形
成装置を用いて、設定を実施例18〜24の条件に変え
る以外は、実施例26と同様に評価した。評価結果を表
6に示す。
【0600】<比較例10〜14>実施例26におい
て、磁性トナー1を各比較例において表7に示す磁性ト
ナーに変える以外は、実施例26と同様に評価した。評
価結果を表7に示す。なお、比較例11においては、1
000枚複写後に帯電不良が発生し悪化したため評価す
ることが出来なかった。
【0601】
【表6】
【0602】
【表7】
【0603】
【発明の効果】以上のように本発明の磁性トナーは、高
濃度で転写性に優れ、像担持体上の電位が低い領域でも
忠実に高精細な画像を与え、スリーブ、像担持体等への
汚染も少ないものである。また、現像工程が像担持体に
残留したトナーを回収するクリーニング工程を兼ねてい
る画像形成方法、装置にも高度に適用される。
【0604】本発明によれば、無機微粉末と導電性微粉
体とを磁性トナー粒子の表面に有し、磁性体の遊離が少
なく、平均円形度が0.950以上、より好ましくは
0.970以上であり、所定の粒径を有する特殊な現像
剤をアモルファスシリコン系の像担持体と組み合わせて
用いることにより、高品位で解像性の高く、カブリや転
写性の優れる画像が得られる。
【0605】また、本発明の現像剤を用いて接触帯電方
法及び磁性一成分現像方法から成る画像形成方法、及び
接触帯電方式、当接転写方式、トナーリサイクルプロセ
スの画像形成装置において、接触帯電部材への転写残ト
ナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持
体の帯電を良好に行わせ、長期にわたる繰り返し使用に
おいても、良好な画像を安定して得ることができる。
【0606】また、接触帯電部材として簡易な部材を用
いて、接触帯電部材の転写残トナーによる汚染にかかわ
らず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に
わたり安定に維持させることができ、均一な帯電性を与
えることが出来、オゾン生成物による障害、帯電不良に
よる障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装
置を得ることができる。
【0607】更に、長期の繰り返し使用にわたり、導電
性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部に介在させる
ことによる像担持体上の傷を大幅に減少でき、画像上の
画像欠陥を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電方式の違いによる感光帯電電位の変化を示
すグラフである。
【図2】本発明の画像形成方法を実施するために用いる
ことができる具体的な装置の一例である。
【図3】本発明の画像形成方法を実施するために用いる
ことができる具体的な装置の他の一例である。
【図4】本発明の画像形成方法を実施するのに適した現
像装置の一例を示す概略的説明図である。
【図5】本発明に用いられる像担持体の一例を示す模式
的断面図である。
【図6】本発明に用いられる像担持体の他の一例を示す
模式的断面図である。
【図7】本発明に好適に用いられる接触転写部材の一例
を示す図である。
【図8】本発明との比較用としての感光体の構成の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1 潜像担持体(像担持体) T トナー(磁性トナー) 302 転写ローラー(転写手段) 306 一次帯電ローラー(帯電手段) 307 現像器(現像手段) 308a、308b 搬送ローラー 309a、309b 転写入り口ガイド 310 除電針 311 搬送ガイド 312 クリーナー 312a クリーニングブレード 312b スクリュー 313 定着器 313a 定着ローラー 313b 加圧ローラー 313c 定着ローラーの加熱部材 313d 定着ローラー表面温度検知素子 313e 定着ローラーバイアス印加電源 313f 定着分離爪 314 導電性微粉体塗布機構 L レーザー光 P 転写材 11a 磁性ブレード(層厚規制部材) 12 スリーブ(トナー担持体) 13 塗布磁性トナー 14 固定磁石ローラー 17 現像容器 19 感光ドラム(像担持体) 20 磁性トナー 21 交番電圧電源 201 導電性支持体 202 電荷注入阻止層 203 光導電層 204 表面層 205 電荷発生層 206 電荷輸送層 34a 芯金 34b 導電性弾性層 35 転写バイアス電源 100 感光ドラム(像担持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 374 G03G 9/08 375 375 15/02 101 15/02 101 102 102 15/06 101 15/06 101 15/08 501D 15/08 501 504A 504 506A 506 9/08 101 507 301 302 15/08 507L 507B (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 馬籠 道久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 鏑木 武志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA03 AA06 AA08 AA15 CA12 CA14 CA25 CA26 CB06 CB07 CB13 DA09 EA01 EA02 EA03 EA05 EA07 2H068 DA12 DA23 2H073 AA01 BA03 CA02 CA14 2H077 AD00 AD05 AD06 AD13 AD36 DB14 EA13 EA16 EA18 2H200 FA02 FA16 GA46 GA57 HA03 HA28 HB07 HB12 HB46 HB48 MB01 NA03 NA09 NA10

Claims (85)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体と、シリコン原子を母体と
    する非単結晶材料で構成された光導電層とを有する像担
    持体を、該像担持体と当接部を形成して接触する帯電部
    材に電圧を印加することにより絶対値で250乃至60
    0Vに帯電させる帯電工程と、 帯電した像担持体に、静電潜像を形成させる静電潜像形
    成工程と、 トナー担持体上に担持させた磁性トナーを前記静電潜像
    に転移させて静電潜像を現像して磁性トナー像を形成す
    る現像工程と、 像担持体上に形成された磁性トナー像を中間体を介し
    て、又は、介さずに転写材に静電転写させる転写工程と
    を少なくとも含み、前記像担持体上に繰り返して作像が
    行われる画像形成方法に用いられる磁性トナーであっ
    て、 少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄とを含有する磁性トナ
    ー粒子と、前記磁性トナー粒子表面に存在する無機微粉
    末及び導電性微粉体とを少なくとも有し、重量平均粒径
    が3〜10μmであり、平均円形度が0.950から
    0.995であり、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05
    %から3.00%であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 【請求項2】 前記当接部に導電性微粉体が介在するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 【請求項3】 前記像担持体が、絶対値で250乃至5
    50Vに帯電されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】 前記像担持体が、絶対値で250乃至5
    00Vに帯電されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の磁性トナー。
  5. 【請求項5】 前記磁性トナーの磁場79.6kA/m
    における磁化の強さが10〜50Am2/kgであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    磁性トナー。
  6. 【請求項6】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊離
    率が0.05%から2.00%であることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  7. 【請求項7】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊離
    率が0.05%から1.50%であることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  8. 【請求項8】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊離
    率が0.05%から0.80%であることを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  9. 【請求項9】 前記磁性トナーの平均円形度が0.97
    0から0.995であることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  10. 【請求項10】 前記磁性トナーのモード円形度が0.
    99以上であることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れか一項に記載の磁性トナー。
  11. 【請求項11】 前記磁性酸化鉄が、水系媒体中でカッ
    プリング剤を加水分解することにより表面処理されたも
    のであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
    一項に記載の磁性トナー。
  12. 【請求項12】 前記磁性トナーは、一次平均粒径が4
    〜80nmの無機微粉末を有することを特徴とする請求
    項1乃至11のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  13. 【請求項13】 前記磁性トナーは、一次平均粒径が4
    〜80nmのシリカ、酸化チタン、アルミナから選ばれ
    る少なくとも一種の無機微粉末またはその複酸化物を有
    することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項
    に記載の磁性トナー。
  14. 【請求項14】 前記磁性トナーは、疎水化処理されて
    いる無機微粉末を有することを特徴とする請求項1乃至
    13のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  15. 【請求項15】 前記無機微粉末は少なくともシリコー
    ンオイルで処理されていることを特徴とする請求項1乃
    至14のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  16. 【請求項16】 前記無機微粉末は少なくともシラン化
    合物及びシリコーンオイルで処理されていることを特徴
    とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の磁性ト
    ナー。
  17. 【請求項17】 前記磁性トナーは、抵抗値が109Ω
    ・cm以下であり、トナーの体積平均粒径よりも小さい
    非磁性導電性微粉体を、磁性トナー全体に対し0.2〜
    10質量%有することを特徴とする請求項1乃至16の
    いずれか一項に記載の磁性トナー。
  18. 【請求項18】 前記非磁性導電性微粉体の抵抗値が1
    6Ω・cm以下であることを特徴とする請求項17に
    記載の磁性トナー。
  19. 【請求項19】 前記磁性トナーが有する導電性微粉体
    は、少なくとも表面が金属酸化物であり、該金属酸化物
    の主金属に対し0.1〜5原子%の異原子を含有する金
    属酸化物であるか、または酸素欠損型の金属酸化物であ
    ることを特徴とする請求項17または18に記載の磁性
    トナー。
  20. 【請求項20】 前記磁性トナーは、トナー全体に対し
    0.1〜20質量%のワックスを含有することを特徴と
    する請求項1乃至19のいずれか一項に記載の磁性トナ
    ー。
  21. 【請求項21】 前記ワックスの示差熱分析による融点
    の吸熱ピークが40〜110℃であることを特徴とする
    請求項20に記載の磁性トナー。
  22. 【請求項22】 前記ワックスの示差熱分析による融点
    の吸熱ピークが45〜90℃であることを特徴とする請
    求項20または21に記載の磁性トナー。
  23. 【請求項23】 前記像担持体を直接加温する手段を設
    けないことを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一
    項に記載の磁性トナー。
  24. 【請求項24】 前記像担持体が、導電性支持体と、シ
    リコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導
    電層と、この光導電層とは組成の異なる非単結晶材料で
    構成された最表面層とを有することを特徴とする請求項
    1乃至23のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  25. 【請求項25】 前記像担持体の最表面層において、該
    最表面層が非単結晶水素化炭素膜よりなることを特徴と
    する請求項24に記載の磁性トナー。
  26. 【請求項26】 像担持体を帯電部材により帯電させる
    帯電工程と、 帯電した像担持体に静電潜像を形成させる静電潜像形成
    工程と、 トナー担持体上に担持させた磁性トナーを前記静電潜像
    に転移させて静電潜像を現像して磁性トナー像を形成す
    る現像工程と、 像担持体上に形成された磁性トナー像を転写材に中間転
    写体を介して、又は、介さずに静電転写させる転写工程
    とを少なくとも含み、像担持体上に繰り返して作像が行
    われる画像形成方法において、 前記帯電工程は、像担持体と当接部を形成して接触する
    帯電部材に電圧を印加して絶対値で250乃至600V
    に像担持体を帯電させる工程であり、 前記像担持体は、導電性支持体と、シリコン原子を母体
    とする非単結晶材料で構成された光導電層とを有し、 前記磁性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄と
    を含有する磁性トナー粒子と、前記磁性トナー粒子表面
    に存在する無機微粉末及び導電性微粉体を少なくとも有
    し、重量平均粒径が3〜10μmであり、平均円形度が
    0.950から0.995であり、鉄及び鉄化合物の遊
    離率が0.05%から3.00%であることを特徴とする
    画像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記現像工程におけるトナー担持体上
    のトナーが、請求項5〜22のいずれか一項に記載の磁
    性トナーであることを特徴とする請求項26に記載の画
    像形成方法。
  28. 【請求項28】 前記現像工程がトナー像を転写材上に
    転写した後に像担持体に残留したトナーを回収するクリ
    ーニング工程を兼ねていることを特徴とする請求項26
    または27に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 前記像担持体が、絶対値で250乃至
    550Vに一次帯電されることを特徴とする請求項26
    乃至28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 前記像担持体が、絶対値で250乃至
    500Vに一次帯電されることを特徴とする請求項26
    乃至29のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 前記像担持体を直接加温する手段を設
    けないことを特徴とする請求項26乃至30のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 前記像担持体が、導電性支持体と、シ
    リコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導
    電層と、この光導電層とは組成の異なる非単結晶材料で
    構成された最表面層とを有することを特徴とする請求項
    26乃至31のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 前記像担持体の最表面層において、該
    最表面層が非単結晶水素化炭素膜よりなることを特徴と
    する請求項32に記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 前記帯電工程において、前記当接部に
    粒子が介在することを特徴とする請求項26乃至33の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 前記帯電工程において、介在する粒子
    が導電性微粉体であることを特徴とする請求項34に記
    載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 前記帯電工程は、前記帯電部材と前記
    像担持体との当接部に103個/mm2以上の導電性微粉
    体が介在した状態で像担持体を帯電する工程であること
    を特徴とする請求項34または35に記載の画像形成方
    法。
  37. 【請求項37】 前記帯電工程は、当接部を形成する前
    記帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面の移
    動速度が、相対的速度差を有しつつ像担持体を帯電する
    工程であることを特徴とする請求項26乃至36のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 前記帯電工程は、前記帯電部材と前記
    像担持体が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電す
    る工程であること特徴とする請求項26乃至37のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 前記帯電工程は、アスカーC硬度が5
    0度以下のローラー部材に電圧を印加することにより像
    担持体を帯電する工程であることを特徴とする請求項2
    6乃至38のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 前記帯電工程は、体積固有抵抗値が1
    3Ω・cm〜108Ω・cmのローラー部材に電圧を印
    加することにより像担持体を帯電する工程であることを
    特徴とする請求項26乃至39のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  41. 【請求項41】 前記帯電工程は、ローラー部材に電圧
    を印加することにより像担持体を帯電する工程であり、
    該ローラー部材は少なくとも表面に球形換算での平均セ
    ル径が5〜300μmである窪みを有しており、該窪み
    を空隙部としたローラー部材表面の空隙率が15〜90
    %であることを特徴とする請求項26乃至40のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 前記帯電工程は、導電性を有するブラ
    シ部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電する
    工程であることを特徴とする請求項26乃至38のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  43. 【請求項43】 前記帯電工程は、帯電部材に直流電
    圧、または直流印加における放電開始電圧をVthとした
    ときに2×Vth未満のピーク間電圧を有する交流電圧を
    直流電圧に重畳した電圧を印加することにより像担持体
    を帯電する工程であることを特徴とする請求項26乃至
    42のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 前記帯電工程は、帯電部材に直流電
    圧、または直流印加における放電開始電圧(Vth)未満
    のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳した
    電圧を印加することにより、実質的に放電現象を伴うこ
    となく像担持体を帯電する工程であることを特徴とする
    請求項26乃至43のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  45. 【請求項45】 前記帯電工程は、介在する粒子が磁性
    粒子であることを特徴とする請求項26乃至34、37
    及び38のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 前記帯電工程は、磁性粒子を磁気拘束
    し形成される磁気ブラシを該像担持体の表面に当接さ
    せ、該磁気ブラシに電圧を印加することにより該像担持
    体の表面を帯電させる磁気ブラシ帯電器により帯電する
    工程であることを特徴とする請求項26乃至34、3
    7、38及び45のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  47. 【請求項47】 前記磁性粒子の体積平均径は、10〜
    50μmであることを特徴とする請求項45または46
    に記載の画像形成方法。
  48. 【請求項48】 前記磁性粒子の体積抵抗値は、1×1
    4〜1×109Ωcmであることを特徴とする請求項4
    5乃至47のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 前記静電潜像形成工程は、像露光によ
    り像担持体の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込
    むことを特徴とする請求項26乃至48のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  50. 【請求項50】 前記現像工程は、トナー担持体上に5
    〜50g/m2のトナー層を形成し、トナー層からトナ
    ーを像担持体上に転移させ静電潜像を現像する工程であ
    ることを特徴とする請求項26乃至49のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 前記現像工程において、該トナー担持
    体と対向して微小間隔をもって配設される強磁性金属ブ
    レードによりトナー担持体上のトナー量を規制すること
    を特徴とする請求項26乃至50のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  52. 【請求項52】 前記現像工程は、像担持体とトナー担
    持体を対向させる間隙が100〜1000μmであるこ
    とを特徴とする請求項26乃至51のいずれか一項に記
    載の画像形成方法。
  53. 【請求項53】 前記現像工程は、像担持体とトナー担
    持体との間隙よりも層厚が小さなトナー層をトナー担持
    体上に形成し、該トナー層からトナーを像担持体上に転
    移させ静電潜像を現像する工程であることを特徴とする
    請求項26乃至52のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  54. 【請求項54】 前記現像工程は、トナーを担持するト
    ナー担持体と像担持体の間に少なくとも交番電界を現像
    バイアスとして印加して像担持体の静電潜像を現像する
    工程であり、該交番電界はピークツーピークの電界強度
    で3×106〜1×107V/m、周波数100〜500
    0Hzであることを特徴とする請求項26乃至53のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  55. 【請求項55】 前記転写工程は、転写部材が転写時に
    転写材を介して像担持体に当接して、像担持体上のトナ
    ー像を転写材に転写する工程であることを特徴とする請
    求項26乃至54のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  56. 【請求項56】 像担持体と、像担持体を帯電部材によ
    り帯電させる帯電手段と、帯電した像担持体に静電潜像
    を形成させる静電潜像形成手段と、トナー担持体を有し
    このトナー担持体上に担持させた磁性トナーを前記静電
    潜像に転移させて静電潜像を現像して磁性トナー像を形
    成する現像手段と、像担持体上に形成された磁性トナー
    像を中間転写体を介して、又は、介さずに転写材に静電
    転写させる転写手段とを有し、像担持体上に繰り返して
    作像が行われる画像形成に用いる画像形成装置におい
    て、 前記帯電手段は、前記像担持体と当接部を形成して接触
    する帯電部材を有し、この帯電部材に電圧を印加して絶
    対値で250乃至600Vに像担持体を帯電させる手段
    であり、 前記像担持体は、導電性支持体と、シリコン原子を母体
    とする非単結晶材料で構成された光導電層とを有し、 前記磁性トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄と
    を含有する磁性トナー粒子と、前記磁性トナー粒子の表
    面に存在する無機微粉末及び導電性微粉体とを有し、重
    量平均粒径が3〜10μmであり、平均円形度が0.9
    50から0.995であり、鉄及び鉄化合物の遊離率が
    0.05%から3.00%であることを特徴とする画像形
    成装置。
  57. 【請求項57】 前記現像手段におけるトナー担持体上
    のトナーが、請求項5〜22のいずれか一項に記載の磁
    性トナーであることを特徴とする請求項56に記載の画
    像形成装置。
  58. 【請求項58】 前記現像手段が磁性トナー像を転写材
    上に転写した後に像担持体に残留した磁性トナーを回収
    するクリーニング手段を兼ねていることを特徴とする請
    求項56または57に記載の画像形成装置。
  59. 【請求項59】 前記像担持体が、絶対値で250乃至
    550Vに帯電されることを特徴とする請求項56乃至
    58のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  60. 【請求項60】 前記像担持体が、絶対値で250乃至
    500Vに帯電されることを特徴とする請求項56乃至
    59のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  61. 【請求項61】 前記像担持体を直接加温する手段を設
    けないことを特徴とする請求項56乃至60のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
  62. 【請求項62】 前記像担持体が、導電性支持体と、シ
    リコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導
    電層と、この光導電層とは組成の異なる非単結晶材料で
    構成された最表面層とを有することを特徴とする請求項
    56乃至61のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  63. 【請求項63】 前記像担持体の最表面層において、該
    最表面層が非単結晶水素化炭素膜よりなることを特徴と
    する請求項62に記載の画像形成装置。
  64. 【請求項64】 前記帯電手段において、当接部に粒子
    が介在することを特徴とする請求項56乃至63のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  65. 【請求項65】 前記帯電手段において、介在する粒子
    が導電性微粉体であることを特徴とする請求項64に記
    載の画像形成装置。
  66. 【請求項66】 前記帯電手段は、前記帯電部材と前記
    像担持体との当接部に103個/mm2以上の導電性微粉
    体が介在した状態で像担持体を帯電する手段であること
    を特徴とする請求項64または65に記載の画像形成装
    置。
  67. 【請求項67】 前記帯電手段は、当接部を形成する前
    記帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面の移
    動速度が、相対的速度差を有しつつ像担持体を帯電する
    手段であることを特徴とする請求項56乃至66のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  68. 【請求項68】 前記帯電手段は、前記帯電部材と前記
    像担持体が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電す
    る手段であること特徴とする請求項56乃至67のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  69. 【請求項69】 前記帯電手段は、アスカーC硬度が5
    0度以下のローラー部材に電圧を印加することにより像
    担持体を帯電する手段であることを特徴とする請求項5
    6乃至68のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  70. 【請求項70】 前記帯電手段は、体積固有抵抗値が1
    3Ω・cm〜108Ω・cmのローラー部材に電圧を印
    加することにより像担持体を帯電する手段であることを
    特徴とする請求項56乃至69のいずれか一項に記載の
    画像形成装置。
  71. 【請求項71】 前記帯電手段は、ローラー部材に電圧
    を印加することにより像担持体を帯電する手段であり、
    該ローラー部材は少なくとも表面に球形換算での平均セ
    ル径が5〜300μmである窪みを有しており、該窪み
    を空隙部としたローラー部材表面の空隙率が15〜90
    %であることを特徴とする請求項56乃至70のいずれ
    か一項に記載の画像形成装置。
  72. 【請求項72】 前記帯電手段は、導電性を有するブラ
    シ部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電する
    手段であることを特徴とする請求項56乃至68のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  73. 【請求項73】 前記帯電手段は、帯電部材に直流電
    圧、または直流印加における放電開始電圧をVthとした
    ときに2×Vth未満のピーク間電圧を有する交流電圧を
    直流電圧に重畳した電圧を印加することにより像担持体
    を帯電する手段であることを特徴とする請求項56乃至
    72のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  74. 【請求項74】 前記帯電手段は、帯電部材に直流電
    圧、または直流印加に0ける放電開始電圧(Vth)未満
    のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳した
    電圧を印加することにより、実質的に放電現象を伴うこ
    となく像担持体を帯電する手段であることを特徴とする
    請求項56乃至73のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  75. 【請求項75】 前記帯電手段は、介在する粒子が磁性
    粒子であることを特徴とする請求項56乃至64、6
    7、及び68のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  76. 【請求項76】 前記帯電手段は、磁性粒子を磁気拘束
    し形成される磁気ブラシを該像担持体の表面に当接さ
    せ、該磁気ブラシに電圧を印加することにより該像担持
    体の表面を帯電させる磁気ブラシ帯電器により帯電する
    手段であることを特徴とする請求項56乃至64、6
    7、68及び75のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  77. 【請求項77】 前記磁性粒子の体積平均径は、10〜
    50μmであることを特徴とする請求項75または76
    に記載の画像形成装置。
  78. 【請求項78】 前記磁性粒子の体積抵抗値は、1×1
    4〜1×109Ωcmであることを特徴とする請求項7
    5乃至77のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  79. 【請求項79】 前記静電潜像形成手段は、像露光によ
    り像担持体の帯電面に静電潜像として画像情報を書き込
    むことを特徴とする請求項56乃至78のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。
  80. 【請求項80】 前記現像手段は、トナー担持体上に5
    〜50g/m2のトナー層を形成し、トナー層からトナ
    ーを像担持体上に転移させ静電潜像を現像する手段であ
    ることを特徴とする請求項56乃至79のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。
  81. 【請求項81】 前記現像手段において、該トナー担持
    体と対向して微小間隔をもって配設される強磁性金属ブ
    レードによりトナー担持体上のトナー量を規制すること
    を特徴とする請求項56乃至80のいずれか一項に記載
    の画像形成装置。
  82. 【請求項82】 前記現像手段は、像担持体とトナー担
    持体を対向させる間隙が100〜1000μmであるこ
    とを特徴とする請求項56乃至81のいずれか一項に記
    載の画像形成装置。
  83. 【請求項83】 前記現像手段は、像担持体とトナー担
    持体との間隙よりも層厚が小さなトナー層をトナー担持
    体上に形成し、該トナー層からトナーを像担持体上に転
    移させ静電潜像を現像する手段であることを特徴とする
    請求項56乃至82のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  84. 【請求項84】 前記現像手段は、トナーを担持するト
    ナー担持体と像担持体の間に少なくとも交番電界を現像
    バイアスとして印加して像担持体の静電潜像を現像する
    手段であり、該交番電界はピークツーピークの電界強度
    で3×106〜1×107V/m、周波数100〜500
    0Hzであることを特徴とする請求項56乃至83のい
    ずれか一項に記載の画像形成装置。
  85. 【請求項85】 前記転写手段は、転写部材が転写時に
    転写材を介して像担持体に当接して、像担持体上のトナ
    ー像を転写材に転写する手段であることを特徴とする請
    求項56乃至84のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
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