JP3848165B2 - 電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非単結晶シリコン系電子写真感光体と接触帯電手段と球形トナーを用い、転写から帯電までの間にクリーニング工程が無い特定のシステムを用いる電子写真方法及び装置に関し、詳しくは、特定のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素原子の総量に対するシリコン原子の比率)の表面層を付加した非単結晶シリコン感光体を用いた電子写真方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方法は、帯電−露光−現像−転写−転写残トナーのクリーニング−感光体残留電荷の除電−帯電といったサイクルを繰り返す事が一般的であった。この方式においては、転写後の感光体(像担持体)に残存する転写残トナーはクリーナー(クリーニング装置)によって感光体面から除去されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが望ましい。そこでクリーナーをなくし、転写後の感光体上の転写残トナーは現像装置によって「現像兼クリーニング」で感光体上から除去し現像装置に回収・再用する装置構成にしたトナーリサイクルプロセスの電子写真装置も出現している。特開平10−307455号公報には、こうした電子写真装置の開示がある。
【0003】
現像兼クリーニングとは、転写後に感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後に再利用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナーレスであることでスペース面での利点も大きく、電子写真装置を大幅に小型化できるようになる。
【0004】
以下に、図3を用いて簡単に現像兼クリーニング工程を利用したトナーリサイクルプロセスを説明する。
(1)感光体201は接触帯電部材202により、電圧を印加され均一に帯電される。この図の場合は負帯電とする。
(2)均一に負帯電された感光体201上に、画像情報に対応した反転現像方式の露光(例えばレーザー光)203が与えられ潜像を形成する。
(3)現像器204から電荷を付与された着色粉体であるトナー205が、潜像に応じた形で感光体201表面に供給され顕像を形成する。この場合、トナーとしては負帯電のものを用いる。
(4)転写ローラー206で電圧を印加、或いは静電吸着力を付与する部材によって、転写材207にトナー像が転写され、定着装置209で定着される。この際、一部のトナーは転写され残留し、且つ更にその一部はトナーと逆極性の電圧を印加された転写帯電部材によって本来の極性と逆極性に帯電されるものが生じる。これを反転トナー208と呼ぶ。この場合、転写帯電は正帯電となる。
(5)感光体表面に残留した転写残トナーは(1)の電圧を印加された接触帯電部材202と感光体201との摺擦により、上記反転トナーも含めて帯電極性と等しい極性に電荷を再付与され、感光体上に再度吐き出される。反転トナーを元の極性にそろえる事をトナー極性の正規化と呼ぶ。
(6)帯電極性と等しい電荷を再付与されたトナー205は、現像器の現像バイアスにより、現像時の余剰トナーと共に再度現像器204に回収される。
このような一連のサイクルにより、廃トナーを生じないシステムが可能となる。ここでの説明は、概要を述べたものであり、この記載に限定されるものではない。
【0005】
尚、特開平10−307455号公報に非単結晶シリコン感光体のトナーリサイクルプロセスの開示がある。特開2000−98846号公報には非単結晶シリコン感光体、特には非単結晶炭素からなる表面層を有する非単結晶シリコン感光体の接触帯電に関する開示がある。
【0006】
また、特許公報第2811312号等で、組成式Si1-xxのxの値が0.5<x<0.9の技術開示があり、特開平10−20663号公報等で、組成式Si1-xxのxの値が0.95≦x<1の技術開示がある。
【0007】
一方、特開平10−213946号公報には、感光体の飽和電位より低い電圧を帯電手段に印加して使用する事で、クリーナーレスでトナーの吐き出しを良くする技術の開示があり、特開平10−274884号公報には、トナーリサイクルプロセスにおいてトナーを正規化しておいた方が良い旨の技術開示があり、さらに特開平9−325578号公報には、帯電突入前に残トナートリボを帯電と逆極性に帯電する、本来の帯電以外の電荷付与手段に関する開示がある。
【0008】
非単結晶シリコン感光体は比類なき電位安定性を持ち、特に高速複写機、高速プリンター領域で用いられている。特に導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層に炭素原子を母体とする非単結晶材料で構成された表面層を積層した感光体は、非単結晶炭素膜の特徴である潤滑性、高硬度、耐酸化性から融着防止、長寿命、環境安定性といった優れた性能を有している。
【0009】
小型機、普及機の領域においてもその優れた電位安定性を望む声は大きかったが、本体が棄却されるまでのプリント枚数は多くて百万枚ほどであり、非単結晶シリコン感光体の数百万枚といった耐久寿命とのミスマッチでなかなか広く普及していない。
【0010】
また、前述クリーナーレスシステムにおいては、非単結晶シリコン感光体の中には、トナーや帯電部材との帯電系列、等のミスマッチから、(5)の工程において反転トナーをカブリ取りバイアスによっても回収しにくい極性分布、具体的には帯電極性と逆の方向の平均極性に変換してしまう現象があり、非単結晶シリコン感光体のメリットを十分に付加したクリーナーレスシステムを達成し得ない課題があった。
【0011】
特に、炭素原子を母体とする非単結晶材料で構成された表面層では、樹脂など有機物からなる表面層に比べ、反転トナーが正規化されにくい傾向にあり、これによって画像カブリ、現像剤劣化による濃度薄などの画像トラブルを生じる事があった。
【0012】
特に重要なのは、トナーと感光体の帯電極性が同じ事、すなわち画像部を露光し、電位減衰させた部分を現像するIAE(Image Area Exposure、「イメージ露光」の意)方式による画像形成方式であることである。帯電器内に混入したトナーは、上記のごとく帯電される事によって、帯電部材と反発して感光体上に吐き出され、その状態がトナーとして正規の状態であるから、現像バイアスによって回収される、というプロセスが成立する。逆に非画像部を露光し、電位減衰させた部分以外を現像するBAE(「バックスキャン露光」の意)方式であると、トナーと感光体の帯電極性が異なる為、帯電工程で充分に帯電されないで吐き出されなかったり、充分帯電して吐き出されたとしても現像工程で回収されない、という不具合が生じることがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の技術課題の解決を目指したものであり、非単結晶シリコン感光体を用いた場合においても、広く小型機、普及機にも普及可能とならしめる、リサイクル効果をもつクリーナーレストナーリサイクルプロセスを良好に機能させる電子写真方法及び電子写真装置を提供する事を目的とする。
【0014】
すなわち、電子写真装置の生涯寿命に渡って排出される廃棄物が大幅に削減され、さまざまな環境においても画像流れや画像ムラが発生せず、きわめて鮮明な画像が長期間安定して得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、帯電部材の寿命が長く、最小のメンテナンスコストで長期間、安定して高品質な画像が得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、a−Si感光体が均一に帯電され、ムラがなく、均一で高コントラストで解像度が高く、かぶりの少ない鮮明な画像が得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明者らは(5)の反転トナーを正規化する工程について鋭意研究を行ったところ、炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を含有する非単結晶材料で特定のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)を有する表面層を付加した非単結晶シリコン感光体を用いる事でこの工程がきわめて円滑且つ安定的に行われる事を見出した。
【0018】
具体的には、該像担持体は、導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層及び炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を含有する非単結晶材料で構成された表面層を積層してなり、該表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)が0.2原子%以上20原子%以下であり、該トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体とを含有するトナー粒子と無機微粉体とを有し、平均円形度が0.950以上である磁性トナーであって、該磁性トナーの79.6kA/m(1000エルステッド)下における飽和磁化が10Am2/kg(emu/g)以上50Am2/kg以下であり、該帯電手段は、粒径が0.1μm〜10μmである導電性粒子を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備え、該帯電粒子を担持する帯電粒子担持体により構成され、該帯電粒子は該像担持体に接触し、該像担持体表面を負極性に帯電し、露光により電位を減衰させるIAE方式で静電潜像を形成し、電位が減衰した部分をトナーにより現像し、転写から帯電までの間にクリーニング工程が無い事を特徴とする電子写真方法及び装置で極めて良好なトナーリサイクルプロセスが達成された。
【0019】
本発明者らは、上記像担持体(以下、「a−Si感光体」ともいう)用いた電子写真装置において、高画質化を追求すると共に、電子写真装置の生涯寿命の間に排出される廃棄物を大幅に削減する検討を鋭意行ってきた。その結果、転写残トナーを再利用するためにクリーニング工程を取り除き、現像工程で転写残トナーを回収することが、転写残トナーの排出を抑えることが可能となり廃棄物の削減に大変有効であるとの結論に至った。
【0020】
しかしながら、帯電工程でコロナ帯電器を用いた場合は、転写残トナーを現像工程で回収するために、転写残トナーが帯電器を通過する際に、a−Si感光体上の転写残トナーの影響によりコロナ放電むらが誘発して帯電むらが発生したり、最悪の場合は異常放電が発生してa−Si感光体を破損する場合があることがわかった。
【0021】
そこでa−Si感光体をコロナ帯電器によって帯電した場合に問題となりやすい画像流れや帯電ムラをなくすために注目されている接触帯電方式の帯電器を使用して検討したところ、異常放電の発生は防止できるようになったものの、転写残トナーが帯電器を通過する際に、転写残トナーが接触帯電器を汚染することにより帯電部材の性能が劣化し、帯電部材の寿命が短くなったり、帯電能力が低下して画像コントラストや均一性が悪化したり、更には接触帯電器に付着した転写残トナーが性能劣化して画像品質が低下、例えばカブリが増加する場合があった。
【0022】
そこで本発明者らは、異常放電を抑止できる接触帯電方式を用いて、a−Si感光体及びトナーの最適化を鋭意検討した結果、a−Si感光体の表面を構成する材料として、少なくとも水素を含有し、炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を含有する非単結晶材料であり、該表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)が0.2原子%以上20原子%以下であり、トナーとして、少なくとも結着樹脂を含有するトナー粒子と無機微粉体とを有し、平均円形度が0.950以上である球形トナーであるトナーを用いることが効果的であることを見いだした。転写残トナーによる接触帯電部材の汚染の状況について検討した結果、たとえ一旦帯電部材が転写残トナーに汚染されても、該帯電部材上の転写残トナーが速やかにa−Si感光体上に吐き出され、現像工程で回収されることにより、帯電部材の寿命や帯電能力の低下を防ぐことが可能である知見が得られた。そこで帯電部材からa−Si感光体へ転写残トナーが吐き出しやすい構成を検討した結果、前述した特定の表面層を有する像担持体と特定の球形トナーを用いることが有用であることが判明した。
【0023】
このメカニズムについては現在、詳細は不明であるが、a−Si感光体とトナーが特定の付着力を有することにより、帯電部材上に存在する転写残トナーが効率的にa−Si感光体へ吐き出されるものと推定され、その際に特定の表面層と球形トナーが効果的であることから、像担持体の表面層の表面自由エネルギーと球形トナーの形状に起因する付着力(主に分子間力と推定される)が大きく作用しているものと推定され、この付着力は表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)と球形トナーの平均円形度に大きく依存するものと考えられる。
【0024】
以上述べてきたように、本発明は接触帯電装置、特定の球形トナー、特定のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)の表面層を有するa−Si感光体という三者を組み合わせることによって、高画質、長寿命で廃棄物の排出量が少ない電子写真装置を可能としたものである。
【0025】
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明に用いられる像担持体は、導電性基体と、該導電性基体上に少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含みシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層と、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を含有する非単結晶材料で構成された表面層とを有しており、該表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)が0.2原子%以上20原子%以下であることを特徴とする。
【0026】
図1及び図2は本発明に用いられる像担持体の模式的な断面図の一例である。図1に示すa−Si感光体はアルミニウム等の導電性基体101と、導電性基体101の表面に順次積層された電荷注入阻止層(下部阻止層)102と光導電層103及び表面層105を有する。ここで、電荷注入阻止層102は導電性基体101から光導電層103への電荷の注入を阻止するものであり、必要に応じて設けられる。また、光導電層103は少なくともシリコン原子を含む非単結晶材料で構成され、光導電性を示すものである。更に光導電層103と表面層105の間に表面から光導電層103への電荷の注入を阻止する能力をもつ層として、かつまたは表面を保護する能力をもつ層としてバッファ層104を設けても良い。
【0027】
図2に示したように光導電層103は、少なくともシリコン原子と炭素原子を含む非単結晶材料で構成された電荷輸送層107と、少なくともシリコン原子を含む非単結晶材料で構成された電荷発生層106が順次積層された構成の機能分離型としても良い。
まず、母体となる非単結晶シリコン感光体部分の作製概要を述べる。
【0028】
(導電性基体)
導電性基体の基材としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性基体としては、例えば、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Feの如き金属、およびこれらの合金、例えばステンレスが挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミドの如き合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理したものも導電性基体として用いることができる。
【0029】
(光導電層)
光導電層は、例えばグロー放電法(例えば、低周波CVD法、高周波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、または直流放電CVD法)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法の如き数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される電子写真装置用像担持体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、所望の特性を有する電子写真装置用像担持体を製造するに当たっての条件の制御が比較的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯、μW帯またはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0030】
グロー放電法によって光導電層103を形成するには、基本的には周知のごとくシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガス、及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスの少なくともいずれかを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、導入した原料ガスを分解し、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の導電性基体101上にa−Si:H、Xからなる層を形成すればよい。
【0031】
また、シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させるためには、光導電層103中に水素原子及びハロゲン原子の少なくともいずれかが含有されることが必要であるが、水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和の量は、シリコン原子と水素原子及びハロゲン原子の和に対して10〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが、上記の目的(シリコン原子の未結合手の補償等)を達成する上で望ましい。
【0032】
本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7の如きハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si26の如き弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0033】
本発明においては、光導電層103には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層103中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、または層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0034】
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表13族に属する原子(以後「13族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表15族に属する原子(以後「第15族原子」と略記する)を用いることができる。
【0035】
第13族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)があり、特にB、Al、Gaが好適である。第15族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)があり、特にP、Asが好適である。
【0036】
光導電層103に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、帯電特性や電子写真装置等についての所期の性能等によって適切に決定することが望ましいが、好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0037】
伝導性を制御する原子、たとえば、第13族原子または第15族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第13族原子導入用の原料物質または第15族原子導入用の原料物質をガス状態で、光導電層103を形成するための他のガスとともに反応容器中に導入してやればよい。第13族原子導入用の原料物質または第15族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0038】
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2やHe等により希釈して使用してもよい。
【0039】
さらに本発明においては、光導電層103に炭素原子、酸素原子、及び窒素原子を単独でまたは複数種含有させることも有効である。炭素原子、酸素原子、及び窒素原子の含有量は、シリコン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して、好ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素原子、酸素原子、及び窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0040】
本発明において、光導電層103の層厚は、所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μm、最適には20〜40μmとされるのが望ましい。15μm未満であると帯電部材への通過電流量が増大し劣化が早まりやすい。60μmを超えるとa−Si感光体の異常成長部位が大きくなり、具体的には水平方向で50〜150μm、高さ方向で5〜20μmとなり表面を摺擦する帯電部材へのダメージが無視しえなくなる場合がある。
【0041】
なお、光導電層103の層厚は、原料ガスの導入量等の成膜条件によって調整することができるが、膜厚計(例えばHELMUTFISHERGMBH社製FisherScopemms)を用いることにより測定することができ、光導電層103の層厚を確認することができる。
【0042】
さらに、光導電層を堆積する際の導電性基体101の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜310℃とするのが望ましい。
【0043】
(表面層)
本発明に用いられる像担持体は、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を含有する非単結晶材料(「a−SiC:H(X)」とも示す)で構成された表面層を有する。この表面層に含まれるシリコン原子の含有量は、表面層中の炭素原子とシリコン原子の和に対するシリコン原子の比率Si/(Si+C)で0.2原子%以上20原子%以下であることを特徴とする。
【0044】
表面層中のシリコン原子の含有量が0.2原子%よりも少ないと、帯電手段から吐き出されたトナーの正規化が不十分になり、カブリを生じやすくなる。シリコン原子の含有量が20原子%超えると、帯電手段からのトナーの吐き出しが悪くなり、帯電特性が悪化して、カブリが発生したり、表面磨耗の増加等を生じやすくなる。
【0045】
a−SiC:H(X)及びa−C:H(X)(「水素及びハロゲンの少なくともいずれかを含み炭素原子を母体とする非単結晶材料」の意)は、高硬度で耐久性に優れている。ここで言うa−C:H(X)とは、黒鉛(グラファイト)とダイヤモンドとの中間的な性質を持つアモルファス状の炭素を主に表しているが、微結晶や多結晶を部分的に含んでいても良い。本発明に用いられるa−SiC:H(X)を含む表面層105は多少の不純物が含有されても、同様の効果を得ることができる。例えば、該表面層にN、O、P、B等の不純物が含有されたとしても、含有量が全元素に対して10原子%以下程度であれば本発明の効果は充分に得られる。
【0046】
本発明に用いられる表面層中には、好ましくは水素原子が含有される。水素原子を含有させることで効果的に膜中の構造欠陥が補償され、局在準位密度が低減するため、膜の透明性が改善され、表面層中では好ましくない不要の光吸収が抑えられることによって光感度が改善する。また、膜中の水素原子の存在が固体潤滑性に重要な役割を果たしているといわれている。
【0047】
本発明で用いられる表面層の膜中に含まれる水素原子の含有量は、H/(Si+C+H)で41原子%〜60原子%、更に好適には45原子%〜50原子%が適している。水素量が41原子%より少ない場合には光学的バンドギャップが狭くなり、感度の面で適さなくなる。また、60原子%を超える場合には硬度が低下し、削れが発生し易くなる。光学的バンドギャップは一般には1.2eV〜2.2eV程度の値であれば好適に用いることができ、感度の点からは1.6eV以上とすることが更に望ましい。
【0048】
この表面層は自由表面を有し、主に長期間の使用における摩耗や傷の防止といった効果と共に、帯電部材の長寿命化や帯電能力の安定化といった本発明の目的を達成するために設けられる。
【0049】
表面層の層厚は、反射分光式干渉計(大塚電子(株)製MCPD2000)により干渉度合いを測定し、この値と既知の屈折率から膜厚を算出する。後述する表面層の膜厚は成膜条件等によって調整することができる。膜厚は5〜2000nmが好ましく、より好ましくは10〜100nmである。5nmより薄くなると長期的な使用における効果を得るのが難しくなる。2000nmを超えると光感度の低下や残電等のデメリットを考慮する必要がでてくるので、2000nm以下であることが好ましい。
【0050】
また、基板温度は室温から400℃までに調整されるが、あまり基板温度が高過ぎるとバンドギャップが低下して透明度が低下するため低めの温度設定が好ましい。
【0051】
また表面層の屈折率は、1.6〜2.8程度であれば好適に用いられ、好ましくは1.6〜2.2、特には1.6〜2.0が好ましい。ここで、屈折率は、長波長光多重干渉により測定する。具体的にはガラス基板(Coaning社製7059)上に表面層を成膜したサンプルを可視分光器(日立社製330など)で、2500nm付近から短波長側に分光透過率を測定し(極値が4〜5個判る波長範囲)、得られた極値の波長・透過率を用いて屈折率を計算する。また、表面層105の比誘電率は、屈折率を二乗することにより求められる。
【0052】
さらに表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)は、ESCA(米国SSI社製「SSX−100」など)を用いて、シリコン原子と炭素の相対値を測定し、その比率を計算することによって得た。
【0053】
該表面層105は、例えばグロー放電法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法の如き周知の薄膜堆積法によって形成することができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製される電子写真装置用像担持体に所望される特性等の要因によって適宜選択されて採用されるが、像担持体の生産性から光導電層と同等の堆積法によることが好ましい。
【0054】
表面層の形成については、少なくとも炭化水素系のガスなどの原料ガスをプラズマで分解し、堆積成膜させて形成する公知の方法が用いられる。より具体的には、50〜450MHzの高周波(VHF帯)を用いたプラズマCVD法や、RF電力を用いるプラズマCVD法を好ましくは例示することができる。
【0055】
原料ガスを分解するための高周波電力については、出来るだけ高い方が炭化水素の分解が充分に進むため好ましく、具体的には原料ガスに対して、単位時間(min)、標準状態(normal)におけるガスの単位容積(ml)あたりの電気量(W)が5W・min/ml(normal)以上が好ましいが、あまり高くなると異常放電が発生してしまい、像担持体の特性を劣化させるので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必要がある。
【0056】
放電空間の圧力については通常のRF(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には13.3Pa〜1333Pa(0.1Torr〜10Torr)、VHF帯(代表的には50〜450MHz)を用いる場合には13.3mP 〜13.3Pa(0.1mTorr〜100mTorr)程度に保たれる。
【0057】
さらに本発明においては、表面層105には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層105中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良いし、または層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
【0058】
前記の伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第13族に属する原子、またはn型伝導特性を与える周期律表第15族に属する原子を用いることができる。本発明において表面層中に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、所望にしたがって適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子ppm、より好適には50〜5×103原子ppm、最適には1×102〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0059】
また表面層105と光導電層103との間に、炭素原子の含有量が光導電層103に向かって減少するように変化する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができる。
【0060】
本発明の表面層中には必要に応じてハロゲン原子が含まれていても良い。ハロゲン原子供給用ガスとなり得る物質としては、たとえばF2、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7の如きハロゲン間化合物を挙げることができる。更にCF4、CHF3、C26、ClF3、CHClF2、F2、C38、C410の如きフッ素含有ガスが好適に用いられる。
【0061】
ハロゲン原子を表面層中に含有させる場合では、成膜時の高周波電力については、出来るだけ高い方が原料ガスの分解が充分に進むため好ましく、具体的には原料ガスに対して1ml/min(normal)当り5W以上が好ましいが、あまり高くなると異常放電が発生してしまい、電子写真感光体の特性を劣化させるので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必要がある。
【0062】
ハロゲン原子を表面層中に含有させる場合では、成膜時の放電空間の圧力については通常のRF(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には、一般に13.3Pa〜1333Pa、中でも特に133Pa以下の範囲で作製した場合に良好な膜が得られる。VHF帯(代表的には50〜450MHz)を用いる場合には、一般に13.3mPa〜13.3Pa程度に保たれるが、可能な限り低い圧力が望ましい。
【0063】
本発明において表面層中に含有されるハロゲン原子の含有量としては、所望に従って適宜決定されるが、好ましくは全原子に対して6〜50原子%、より好適には30〜50原子%とされるのが好ましい。
【0064】
(バッファ層)
本発明に用いられる像担持体は、前記表面層と前記光導電層の間にバッファ層104が設けられている形態であることも好ましい。
【0065】
バッファ層は、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み、シリコン原子を母体としたアモルファスシリコン(a−Si(H、X))をベースとし、更に炭素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる少なくとも一種以上の原子を更に含有する非単結晶材料から構成される。このような非単結晶材料として、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含むアモルファス炭化珪素、アモルファス窒化珪素、アモルファス酸化珪素が挙げられる。より好ましくはa−Siとa|C:Hの中間の組成であるアモルファス炭化珪素(a−Si:C(H、X))を主体とする非単結晶材料で形成されることが好ましい。
【0066】
この場合、光導電層103から表面層105に向かってバッファ層104の組成を連続的に変化させる事も可能であり、このようなバッファ層を設けることが干渉防止等に効果的である。また、このバッファ層104に13族元素、15族元素などのドーパントを含有させることにより伝導型を制御し、表面からの帯電キャリアの注入を阻止する上部阻止能を持たせることも可能である。
【0067】
本発明におけるバッファ層に用いられる原料ガスとしては、次のようなものが好適に挙げられる。
【0068】
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C26、C38、C410の如きガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられる。
【0069】
窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、CO、CO2、N2の如きガス状態の、またはガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。
【0070】
バッファ層は、例えばプラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法によって作製可能である。また、本発明におけるバッファ層を作製する際のプラズマCVD法に用いる放電周波数としては如何なる周波数も用いることが出来、工業的にはRF周波数帯と呼ばれる1MHz以上、50MHz未満の高周波でも、VHF帯と呼ばれる50MHz以上、450MHz以下の高周波でも好適に用いることが出来る。
【0071】
また、バッファ層を堆積する際の導電性基板温度は50〜450℃、より好ましくは、100〜300℃に調整されることが好ましい。
【0072】
(その他の層)
本発明における感光体は、上記表面層、バッファ層、光導電層の他に、下部阻止層が光導電層と導電性基体との間に設けられていても好ましい。
【0073】
下部阻止層102を設ける場合には、一般的にa−Si(H、X)をベースとし、13族元素、15族元素などのドーパントを含有させることにより伝導型を制御し、導電性基体からのキャリアの注入阻止能を持たせることが可能である。この場合、必要に応じて、炭素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる少なくとも一種以上の原子を含有させることで応力を調整し、感光層の密着性向上の機能を持たせることもできる。
【0074】
以下、図5の装置を用いた非単結晶シリコン感光体の作製手順の一例を述べる。
図5は、高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による像担持体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。
【0075】
この装置は大別すると、反応容器2110を有する堆積装置2100、原料ガス供給装置2200、反応容器2110内を減圧する為の排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置2100中の反応容器2110内にはアースに接続された導電性基体2112、導電性基体加熱用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置され、更に高周波マッチングボックス2115を介して高周波電源2120が接続されている。
【0076】
原料ガス供給装置2200は、SiH4、H2、CH4、NO、B26、CF4の如き原料ガスボンベ2221〜2226とバルブ2231〜2236、圧力調整器2261〜2266、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256及びマスフローコントローラー2211〜2216から構成され、各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ2260を介して反応容器2110内の原料ガス導入管2114に接続されている。導電性基体2112は導電性受け台の上に設置されることによってアースに接続される。
【0077】
以下、図5の装置を用いた、像担持体作製手順の一例について説明する。
反応容器2110内に導電性基体2112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器2110内を排気する。続いて導電性基体加熱用ヒーター2113により導電性基体2112の温度を20℃〜500℃の所望の温度に制御する。次いで、像担持体形成用の原料ガスを反応容器2110内に流入させる。原料ガスの導入は、ガスボンベのバルブ2231〜2236、反応容器のリークバルブ2117が閉じられている事を確認し、又、流入バルブ2241〜2246、流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が開かれている事を確認し、メインバルブ2118を開いて反応容器2110及びガス供給配管2116を排気する。
【0078】
その後、真空計2119の読みが0.67mPaになった時点で補助バルブ2260、流出バルブ2251〜2256を閉じる。その後原料ガスボンベ2221〜2226より各ガスをバルブ2231〜2236を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266により各ガス圧を2kg/cm2(0.2MPa)に調整する。次に流入バルブ2241〜2246を徐々に開けて各ガスをマスフローコントローラー2211〜2216内に導入する。
【0079】
以上の手順によって成膜準備を完了した後、導電性基体2112上に、まず光導電層の形成を行う。
【0080】
即ち、導電性基体2112が所望の温度になったところで、各流出バルブ2251〜2256のうちの必要なものと補助バルブ2260とを徐々に開き、各原料ガスボンベ2221〜2226から所望の原料ガスを原料ガス導入管2114を介して反応容器2110内に導入する。次に、各マスフローコントローラー2211〜2216によって、各原料ガスが所望の流量になる様に調整する。その際、反応容器2110内が133.3Pa以下の所望の圧力になる様に、真空計2119を見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。
【0081】
内圧が安定したところで、高周波電源2120を所望の電力に設定して、例えば周波数1MHz〜450MHz、例えば13.56MHzの高周波電力を高周波マッチングボックス2115を通じてカソード電極2111に供給し高周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器2110内に導入させた各原料ガスが分解され、導電性基体2112上にシリコン原子を主成分とする所望の非単結晶材料で構成される光導電層が堆積する。所望の層厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、各流出バルブ2251〜2256を閉じて反応容器2110への各原料ガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。光導電層の組成や層厚は公知のものを使用することができる。
【0082】
上記光導電層に表面層を形成する場合も、基本的には上記の操作を繰り返せばよい。
【0083】
図4は、VHF電源を用いたVHFプラズマCVD法による感光体の堆積装置の一例を模式的に示した図である。この装置は図5に示した堆積装置2100を図4の堆積装置3100に置き換えることで構成される。
【0084】
VHFプラズマCVD法によるこの装置での堆積膜の形成は、基本的にRFプラズマCVD法の場合と同様に行うことができる。但し、印加する高周波電力は50MHz〜450MHz、例えば周波数105MHzのVHF電源によりおこない、圧力は13.3mPa〜13.3Pa程度のRFプラズマCVD法よりも低めに保たれる。
【0085】
先ず反応容器3110内に導電性基体3112を設置する。そして不図示の排気装置(例えば拡散ポンプ)により反応容器3110内を排気管3121を介して排気する。続いて、基体加熱用ヒータ3113により導電性基体3112を加熱する。そして不図示のガス導入管よりガスを導入する。本装置においては導電性基体3112により取り囲まれた放電空間3130において、導入された原料ガスは、マッチングボックス3115を通じて放電空間3130にVHF電力を導入することにより生起されたグロー放電によって、励起されて解離し、導電性基体3112上に所定の堆積膜が形成される。この時、層形成の均一化を図るため導電性支持体を回転させる回転用モーター3120によって、所望の回転速度で回転させる。
【0086】
次に、本発明の電子写真方法、装置について概要を述べる。
本発明の電子写真方法は、前述したように特定のa−Si感光体を接触帯電により帯電し、イメージ露光(IAE)により静電潜像を形成し、後述する特定のトナーで静電潜像を現像することを特徴とする。本発明の電子写真方法は、このような工程を含むものであれば良く、定着、前露光等の他の工程を含むものであっても良い。
【0087】
また、本発明の電子写真装置は、上記の電子写真方法を実現することのできる装置であれば特に限定されず、本発明の電子写真装置を構成する各手段等については、従来より知られている技術を利用して作製することもでき、また実現すべき機能を有しているものであれば、従来より知られている種々の手段等を好適に用いることができる。
【0088】
図3は、本発明に従う電子写真装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態における電子写真装置は、回転する像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面にトナーを付着させることにより該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、未定着のトナー像を記録媒体に定着させる定着手段とを備えている。
【0089】
[像担持体]
図3において、201は、像担持体としての回転ドラム型の電子写真像担持体(単に「像担持体」ともいう)である。本実施形態の複写機は反転現像を用いており、像担持体201は例えば直径30mmの負極性像担持体であり、前述した表面層や光導電層等が形成されている。像担持体201は、矢印の方向に例えば200mm/secの表面速度をもって回転駆動される。
【0090】
[帯電]
202は、所定の押圧力をもって像担持体201に接触させて配設した可撓性の接触帯電部材としての帯電粒子担持体である導電性弾性ローラー(以下、「帯電ローラー」ともいう)である。この帯電ローラー202には予めその外周面に帯電粒子をコートして担持させてあり、像担持体201との帯電ニップ部には帯電粒子が存在している。
【0091】
帯電ローラー202は、本実施の形態においては、帯電ニップ部において像担持体201の回転方向と逆方向(カウンター)に100%の周速で回転駆動され、像担持体201の面に対して相対的な速度差を持って接触する。そしてこの帯電ローラー202に帯電バイアス電源から所定の帯電バイアスが印加される。これにより像担持体201の外周面が注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0092】
本実施形態では、像担持体201の現像部位電位が150V〜800V、好ましくは250V〜600V、より好ましくは300V〜450Vに一様に帯電処理されるように、帯電バイアス電源から帯電バイアスを帯電ローラー202に印加する。150V未満であるとトナーがトナー担持体からa−Si感光体へ現像させることが出来ず、それが蓄積して画像濃度薄などの弊害を引き起こすことがある。また800Vを超えると帯電部材への通過電流量が増加し帯電部材の劣化が早まる事、印加電圧が大きくなり部分的に微細放電が発生することがあるため好ましくない。
この帯電ローラー、帯電粒子M、注入帯電等については別項で詳述する。
【0093】
[露光]
203はレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含む潜像形成手段であるレーザービームスキャナ(露光装置)等から目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザー光であり、該潜像形成手段はレーザー光203を出力し、該レーザー光でもって上記像担持体201の一様帯電面を走査露光する露光である。この走査露光により像担持体201の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0094】
静電潜像形成手段に用いる光源は、上記レーザービームスキャナに限定されず、LEDアレイであっても良く、この場合は、目的の画像情報に対応する位置のLEDを点灯し、像担持体201の面に静電潜像を形成する。より詳しくは、像担持体の帯電面において、現像時にトナーが付着すべき画像部となる部分に光を照射し、像担持体の帯電面の所定の部分の電位を減衰させて静電潜像を形成(イメージ露光:IAE)する。
【0095】
[現像]
204は現像手段としての現像器である。像担持体201に形成された静電潜像は、現像器204によりトナー像として現像される。なお、ここではトナー205として負帯電トナーが用いられる。この現像手段は、現像兼クリーニングが可能な現像手段であれば特に限定されず、例えば、トナーを収容する現像容器と、この現像容器の開口部に設けられトナーを担持搬送する導電性の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定されて複数の磁界を形成する磁石等の磁界発生手段と、現像スリーブ上におけるトナーの層厚を規制するトナー規制部材(例えばスリーブに当接する弾性ブレードや、スリーブに対して離間して設けられ、先端に磁界を集中させることによりトナーの層厚を規制する金属製のブレード)とを有し、現像スリーブに所望の現像バイアスを印加できる公知の現像手段を用いることが出来る。
【0096】
[転写]
206は接触転写手段としての転写手段である中抵抗の転写ローラーであり、像担持体201に所定に圧接させて転写ニップ部を形成させてある。この転写ニップ部に不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体(記録媒体)としての転写材207が給紙され、かつ転写ローラー206に所定の転写バイアス電圧、ここでは正帯電、が印加されることで、像担持体201側のトナー像、ここでは負帯電トナー、が転写ニップ部に給紙された転写材207の面に、静電気力と押圧力にて順次に転写されていく。なお、本発明では上記の転写手段に特に限定されるものではなく、公知の転写手段を用いることが出来る。
【0097】
[定着]
209は熱定着方式等の定着装置である。像担持体201側のトナー像の転写を受けた転写材207は像担持体201の面から分離されてこの定着装置209に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。なお、本実施の形態では図に示されるように加熱加圧定着手段が例示されているが、本発明では上記の定着手段に限定されず、公知の種々の定着手段を好適に用いることが出来る。
【0098】
[帯電ローラー]
本実施形態における接触帯電部材としての帯電ローラー202は芯金上にゴムまたは発泡体の中抵抗層を形成することにより作製される。
【0099】
中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラー状に形成される。その後必要に応じて表面を研磨する。
【0100】
本実施形態の帯電ローラー202のローラー抵抗を測定したところ、該抵抗は100kΩ・cmであった。なお、ローラー抵抗は、帯電ローラー202の芯金に総圧1kgの加重がかかるよう直径30mmのアルミ基体に帯電ローラー202を圧着した状態で、芯金とアルミ基体との間に100Vを印加し計測した。
【0101】
ここで、接触帯電部材である帯電ローラー202は電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用像担持体を用いた場合、体積固有抵抗が1×103〜1×108Ω・cmであることが好ましく、十分な帯電性と耐リークを得るには104〜107Ω・cmの抵抗がより望ましい。帯電ローラーの抵抗が上記の範囲から外れると、前述した充電及び耐リークを達成できないことがある。
【0102】
帯電ローラー202の表面は帯電粒子を保持できるミクロな凹凸等に代表される多孔体表面を有するものが望ましい。
【0103】
帯電ローラー202の硬度は、アスカーC硬度で50度以下が好ましいが、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部を確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度がより好ましい範囲である。なお、帯電ローラー202の硬度は、高分子計器(株)製のAsker−Cマイクロゴム硬度計を用いて測定することができる。より詳しくは、本硬度計により、帯電ローラーの任意の五点におけるゴム硬度を測定し、その五点の平均値をもって帯電ローラーの硬度とする。
【0104】
帯電ローラー202の材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0105】
帯電ローラー202は被帯電体としての像担持体201に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、本実施形態では幅数mmの帯電ニップ部を形成させてある。
【0106】
[帯電粒子]
本発明に用いられる帯電粒子は、導電性微粉体を主成分とするものであり、導電性微粉体の平均粒子径は0.1〜10μmである。帯電粒子の平均粒子径が小さいと、現像性の低下を防ぐために帯電粒子のトナー全体に対する含有量を小さく設定しなければならない。帯電粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、帯電粒子の有効量を確保できず、帯電工程において、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の帯電粒子を帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電不良を生じ易くなる。この観点から、導電性微粉体の平均粒子径は好ましくは0.15μm以上、更に好ましくは0.2μm以上、5μm以下が良い。
【0107】
また、導電性微粉体の平均粒子径が10μmよりも大きいと、帯電部材から脱落した帯電粒子は静電潜像を書き込む露光光を遮光或いは拡散し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させることがある。更に、帯電粒子である導電性微粉体の平均粒子径が大きいと、単位重量当りの粒子数が減少するため、帯電部材からの帯電粒子の脱落等による減少、劣化を考慮して帯電粒子を帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に逐次に帯電粒子が供給し続け介在させるために、また、接触帯電部材が帯電粒子を介して像担持体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、帯電粒子のトナー全体に対する含有量を大きくしなければならない。しかし、帯電粒子の含有量を大きくしすぎると、特に高湿環境下で、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。
【0108】
本実施形態では、帯電粒子として、比抵抗が107Ω・cm、平均粒径1.5μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いる。
【0109】
本発明における帯電粒子の平均粒径及び粒度分布の測定には、ベックマンコールター社製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取付けて用い、0.04〜2000μmの測定範囲で測定した。測定法としては、純水10mlに微量の界面活性剤を添加し、これに導電性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散機(超音波ホモジナイザー )にて10分間分散した後、測定時間90秒、測定回数1回で測定した。
【0110】
本発明において、帯電粒子の粒度及び粒度分布の調整方法としては、帯電粒子の一次粒子が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるように製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子の大きな粒子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であり、更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面の一部もしくは全部に導電性粒子を付着或いは固定化する方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分が分散された形態を有する導電性微粒子を用いる方法等も可能であり、これらの方法を組み合わせて帯電粒子の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0111】
帯電粒子が凝集体として構成されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義される。帯電粒子は、一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することも問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体として帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現できればその形態は問わない。
【0112】
帯電粒子の抵抗は、109Ω・cm以下が好ましく良い。帯電粒子の抵抗が、109Ω・cmよりも大きいと帯電粒子を帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の帯電粒子を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させても、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が得られないことがある。帯電粒子の帯電促進効果を十分に引き出し、良好な帯電性を安定して得るためには、帯電粒子の抵抗が、接触帯電部材の表面部或いは像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好ましい。
【0113】
更に、帯電粒子の抵抗が、106Ω・cm以下であることが、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電をより良好に行なわせる上で好ましく良い。一方、抵抗値は低すぎてもよくなく、該帯電粒子が帯電し非画像部に現像され帯電を促進するために1×10-1Ω・cm以上であることが好ましい。本実施形態では1×107Ω・cmのものを用いる。
【0114】
抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加して抵抗値を計測し、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0115】
帯電粒子は、潜像露光時に妨げにならないよう、白色または透明に近いことが望ましい。また、非磁性であることが好ましい。さらに、帯電粒子が像担持体上から記録材Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記録では、透明、白色または淡色の帯電粒子であることがよく、より好ましくは、帯電粒子の露光光に対する透過率が30%以上であることが良い。
【0116】
なお本発明においては、粒子の光透過性については以下の手順で測定した。片面に接着層を有する透明のフィルムの導電性微粉体を一層分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直方向から照射しフィルム背面に透過した光を集光し光量を測定した。フィルムのみと粒子を付着したときの光量から正味の光量として粒子の透過率を算出した。実際にはX−Rite社製310T透過型濃度計を用いて測定した。
【0117】
帯電粒子の材料としては、本実施形態では酸化亜鉛を用いるが、これに限るものではない。例えばカーボンブラック、グラファイトの如き炭素微粉末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルの如き金属微粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングステンの如き金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタン酸カリの如き金属化合物、またはこれらの複合酸化物が必要に応じて粒度及び粒度分布を調整することで使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタンの金属酸化物微粒子が特に好ましい。
【0118】
また、導電性金属酸化物の抵抗値を制御する等の目的で、アンチモン、アルミニウムの如き元素をドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒子も使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンでドープされた酸化第二スズ微粒子、または酸化第二スズ微粒子である。その他、酸化チタンやアルミナなど他の金属酸化物の導電性無機粒子や有機物との混合物、または、これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が使用可能である。二つ以上混合して使用しても良い。市販の酸化スズ・アンチモン処理された導電性酸化チタン微粒子としては、例えばEC−300(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、HI−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテリアル株式会社)などが挙げられる。市販のアンチモンドープの導電性酸化スズとしては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)やSN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式会社)などが挙げられる。
【0119】
また、帯電粒子には、上記のような導電性微粉体の他に、帯電粒子の導電性、光透過性、色調、比重、流動性等の諸物性を調整するために、他の微粉体を添加しても良い。この微粉体は帯電粒子の所望の物性を調整するものであれば良く、導電性のないものも使用することができる。
【0120】
帯電粒子を前記当接部に介在させる方法については特に限定されないが、帯電ローラー表面に帯電粒子を供給する帯電粒子補給手段を帯電手段に備える方法や、トナーに帯電粒子を外添させて間接的に介在させる方法等が挙げられる。
【0121】
[注入帯電]
像担持体201と接触帯電部材である帯電ローラー202との帯電ニップ部Aに帯電粒子を介在させることで、該粒子の滑剤効果により、摩擦抵抗が大きくてそのままでは像担持体201に対して速度差を持たせて接触させることが困難であった帯電ローラーであっても、それを像担持体201面に対して無理なく容易に効果的に速度差を持たせて接触させた状態にすることが可能となると共に、該帯電ローラー202が該帯電粒子を介して像担持体201面に密に接触してより高い頻度で像担持体201面に接触する構成となる。
【0122】
帯電ローラー202と像担持体201との間に十分な速度差を設けることにより、帯電ローラー202と像担持体201の帯電ニップ部において帯電粒子が像担持体201に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、帯電ローラー202と像担持体201の帯電ニップ部Aに存在する帯電粒子が像担持体201表面を隙間なく摺擦することで像担持体201に電荷を直接注入できるようになり、帯電ローラー202による像担持体201の接触帯電は帯電粒子の介在により注入帯電機構が支配的となる。
【0123】
速度差を設ける構成としては、帯電ローラー202を回転駆動または固定して像担持体201と速度差を設けることになる。好ましくは、帯電ローラー202を回転駆動し、さらに、その回転方向は像担持体201表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することが望ましい。
【0124】
[トナー]
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含み、平均円形度が0.950以上である磁性トナーであって、該磁性トナーの79.6kA/m(1000エルステッド)下における飽和磁化が10Am2/kg(emu/g)以上50Am2/kg以下であることを特徴とする。本発明に用いられるトナーは、上記の物性を有するものであれば特に限定されず、製造方法や構成材料等については従来より知られている種々の技術を利用することができる。
【0125】
本発明に用いられるトナーは、粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形のものであり、本発明に用いられるトナーの必須要件である平均円形度が0.950以上という物性という好ましい物性を得るためには機械的・熱的または何らかの特殊な処理を行うことが必要となる。そこで、本発明においては、トナー粒子を懸濁重合法により製造(以下、重合法で製造されたトナーを「重合トナー」ともいう)することが好ましい。但し、下記に述べる重合トナー以外の粉砕トナーでも、球形度が条件に入っていれば同様の効果が得られる。
【0126】
重合トナーは、形状がほぼ均一な球状であり、粒径のばらつきも少ないことから流動性に優れ、また、粒子表面への着色剤の露出等が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するために高画質化に有利となる。また、ワックスを内包化することができ、良好な定着性、耐オフセット性が得られる。このため、高画質機において徐々に採用が広がりつつある。
【0127】
本発明の電子写真方法に関わる重合トナーの製造方法では、一般に重合性単量体中に磁性体、離型剤、荷電制御剤、その他必要に応じて着色剤、架橋剤、可塑剤の如きその他の添加剤及び、例えば重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体、分散剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解または分散せしめ、得られた単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径を整える上で好ましい。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。又、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体または溶媒に溶解した重合開始剤を加える事も出来る。これらの原料は、通常トナーの製造で用いられるものが使用できる。
【0128】
重合トナーの製造条件としては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤やワックスの類が、相分離により析出して内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜150℃にまで上げることは可能である。
【0129】
さらにまた、本発明に用いられるトナーは、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いトナーを製造する方法、乳化重合で得られたポリマー粒子等を会合凝集させる方法でも製造が可能である。
【0130】
重合トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉体を混合し表面に付着させることで、トナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、本発明の望ましい形態の一つである。
【0131】
この懸濁重合法で得られるトナーは、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、平均円形度が0.950以上という本発明に必須な物性要件を満たすトナーが得られやすく、さらにこういったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している。
【0132】
本発明に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子と、無機微粉体とを有する。上記結着樹脂としては、従来より知られている種々の結着樹脂を用いることができる。このような結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂を例示することができる。これらは一種または二種以上で用いることができる。
【0133】
前記懸濁重合法において好適に用いられる重合性単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類、その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドを例示することができ、これらの一種または二種以上を用いることができる。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を少なくとも含むように上記単量体を使用することが、得られる磁性トナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0134】
また、前記重合性単量体を重合させるにあたり用いることができる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの如き過酸化物系重合開始剤を例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0135】
また、前記重合性単量体を重合させるにあたり用いることができる架橋剤としては、例えば、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物で従来より知られている種々の架橋剤を使用することができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有する化合物を例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0136】
また、前記懸濁重合法で好適に用いられる分散安定剤としては、公知の界面活性剤、有機・無機分散剤を用いることができる。中でも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。
【0137】
界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等を例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0138】
有機分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプンを例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0139】
無機分散剤としては、例えば、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ如きの無機酸化物を例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0140】
また、本発明に用いられるトナーには、離型性や可塑性を調整するワックス類を用いることができる。このようなワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、またはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスを例示することができ、これらを一種または二種以上を用いることができる。
【0141】
また、本発明に用いられるトナーには、トナーの帯電性を制御する荷電制御剤を用いることができる。このような荷電制御剤としては、例えば、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料またはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸またはカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンをネガ系荷電制御剤として例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。また、ポジ系荷電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物を例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0142】
また、本発明に用いられるトナーには、必要に応じて着色剤を用いることができる。このような着色剤としては、例えば、磁性または非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料、より具体的には、例えば、コバルト、ニッケルの如き強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトの如き粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニンを例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。なお、着色剤は、後述する磁性体や無機微粉体と同様に疎水化処理したものを用いても良い。
【0143】
本発明に用いられるトナーに含まれる磁性体には、公知の磁性体を用いることができる。このような磁性体としては、例えば、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものを例示することができ、これらを一種または二種以上を用いることができる。磁性体には、さらにリン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素等の他の元素を含んでも良い。なお、トナーの飽和磁化は、用いられる磁性体の種類や磁性体の配合量等によって調整することができる。
【0144】
上記磁性体は、表面が疎水化処理されていることが好ましく、公知の処理剤を用い公知の方法によって疎水化処理を行うことができる。このような疎水化処理に用いられる処理剤としては、水系媒体中で加水分解しながら磁性体の表面に結合するシランカップリング剤やチタンカップリング剤の如きカップリング剤、特にシランカップリング剤が好ましく、このようなシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシランを例示することができ、これらを一種または二種以上を用いることができる。
【0145】
本発明に用いられるトナーには、トナーの流動性等を調整する目的で無機微粉体が含まれる。このような無機微粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニアを例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。より詳しくは、例えば、ケイ酸微粉体としてはケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体(複酸化物)を得ることも可能であり、前記無機微粉体はそれらも包含するものである。
【0146】
また、上記無機微粉体は、トナー全量に対して総量で0.1〜3.0質量%配合されることが好ましい。無機微粉体の配合量が0.1質量%よりも小さいと、無機微粉体の外添による効果(トナーの流動性や帯電性の向上等)が十分に発揮されないことがある。また、無機微粉体の配合量が3.0質量%よりも大きいと、定着性が悪くなることがある。
【0147】
また、上記無機微粉体は、一次粒径が4〜100nmであることが好ましい。無機微粉体の平均粒径が上記範囲よりも小さいと無機微粉体の凝集性が高まり、凝集体による像担持体等の損傷を引き起こし、画像欠陥を生じやすくなる。また、無機微粉体の平均粒径が上記範囲よりも大きいとトナーの流動性向上効果が十分に得られず、トナーの帯電不足に起因する画像欠陥を生じやすくなる。
【0148】
無機微粉体の平均粒径は、従来より知られている種々の測定方法によって測定することができる。より具体的には、本発明に用いられる無機微粉体の平均粒径は、走査型電子顕微鏡によりトナーを拡大撮影し、走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体に含まれる元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナー表面に付着または遊離して存在している無機微粉体の一次粒子を100個以上測定することにより測定することができる。
【0149】
また、上記無機微粉体は、比表面積(BET値)が20〜400m2/gであることが好ましい。BET値は、後述する疎水化処理によってそれほどに影響を受けないことから疎水化処理の前後いずれで測定しても良いが、疎水化処理後に測定することが、より実際的な無機微粉体の物性を把握する上で好ましい。無機微粉体のBET値は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用い、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
【0150】
また、上記無機微粉体は、表面が疎水化処理されていることが好ましい。無機微粉体の疎水化処理は、無機微粉体の種類等によって用いられる処理剤を適宜選択すると良く、このような疎水化処理に使用される処理剤としては、例えば、シランカップリング剤やチタンカップリング剤の如きカップリング剤やシリコーンオイルの如き公知の処理剤を例示することができる。また無機微粉体の疎水化処理は、磁性体の疎水化処理と同様またはそれに準じて行うことができる。
【0151】
また、上記無機微粉体は、シリコーンオイルで疎水化処理されていることがより好ましい。このような疎水化処理に使用されるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルを例示することができ、これらを一種または二種以上用いることができる。
【0152】
本発明に用いられるトナーは、平均円形度が0.950以上であり、好ましくは0.970以上である。トナーの平均円形度が0.950よりも大きくなると、トナーの形状がより球形に近くなり、トナー粒子と像担持体との接触面積が小さくなり、鏡像力やファンデルワールス力等に起因するトナー粒子の像担持体への付着力が低下し、転写性が向上する。さらに平均円形度が高い場合では、磁性トナーが現像部において均一で細い穂を形成し、潜像に対して忠実な現像を行うことが可能となり、画質の向上が期待できる。一方で平均円形度が0.950よりも小さくなると、上記の効果が得られないことがあるため好ましくない。
【0153】
本発明に用いられるトナーの平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を下式(1)によりそれぞれ求め、さらに下式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(C)と定義する。
【0154】
【外1】
式(1)
Figure 0003848165
【0155】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度の値との誤差は非常に少なく、実質的には無視出来る程度のものであり、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0156】
具体的な測定方法としては、界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mlに現像剤約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度を求める。
【0157】
本発明における平均円形度とは、現像剤の凹凸の度合いの指標であり、現像剤が完全な球形の場合1.000を示し、現像剤の表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0158】
なお、本測定において3μm以上の円相当径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積もれないからである。
【0159】
なお、本発明に用いられるトナーは、現像特性、転写性、帯電性等の観点から重量平均粒径が3〜10μmであることが好ましい。この範囲よりも小さすぎると転写効率が低下し帯電の均一性の維持が困難になる。また、重量平均粒径が上記範囲よりも大きすぎると現像性が低下し高画質の画像を形成できなくなる。
【0160】
本発明に用いられるトナーの重量平均粒径は、粉体の重量平均粒径を測定する種々の方法で測定することができるが、本発明ではコールターマルチサイザー(コールター社製)を好適に用いることができ、これに個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びPC9801パーソナルコンピュータ(NEC社製)を接続した測定装置を例示することができる。
【0161】
重量平均粒径の測定方法は、用いる測定装置等によって異なるが、上記測定装置では、電解水溶液(例えばコールターサイエンティフィックジャパン社製ISOTONR−II)に分散剤(例えばアルキルベンゼンスルホン酸等の界面活性剤)を必要に応じて加え、測定試料(トナー)を添加し、超音波分散器等により分散処理を行い、100μmアパーチャーを用い前記コールターマルチサイザーにより2μm以上のトナー粒子の体積及び個数を測定し、これらの測定結果からトナー粒子の体積分布及び個数分布を算出し、この体積分布から体積基準の重量平均粒径を求める方法を例示することができる。
【0162】
本発明に用いられる磁性トナーの79.6kA/m(1000エルステッド)下における飽和磁化は、10〜50Am2/kg(emu/g)である。
【0163】
しかし、トナーの磁場79.6kA/mにおける飽和磁化が10Am2/kg未満であると、トナー担持体上に磁力を作用させるとトナーの穂立ちが不安定となり、トナーへの帯電付与が均一に行えないことによるカブリ、画像濃度ムラ、転写残トナーの回収不良等の画像不良を生じる易くなる。磁性トナーの磁場79.6kA/mにおける飽和磁化が50Am2/kgよりも大きいと、トナーに磁力を作用させると磁気凝集によりトナーの流動性が著しく低下し、転写性が低下することで転写残トナーが増加し、及びトナー粒子と導電性微粉体がともに挙動する傾向が強まることで帯電粒子担持体に付着・混入して介在する導電性微粉体が減少するとともに、帯電粒子担持体と像担持体との当接部に介在する導電性微粉体量が転写残トナー量に対して相対的にも減少し、帯電性の低下に伴うカブリ及び画像汚れを生じ易くなる。
【0164】
本発明において磁性トナーの飽和磁化は、振動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定することができる。
【0165】
また、本発明に用いられる磁性トナーは、導電性微粉体を外添させることも好ましい。本発明において、導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく良い。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量が0.1質量%よりも少ないと、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を、帯電部材と像担持体とのニップ部或いはその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電性が低下し帯電不良を生じることがある。また、含有量が10質量%よりも多い場合では、現像兼クリーニングによって回収される導電性微粉体が多くなりすぎることによる現像部でのトナーの帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずることがある。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量は、0.2〜5質量%であることが更に好ましく良い。
【0166】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において測定された物性は、実施の形態に記載した方法と同様の方法によって測定した。また、本実施例で「部」とは質量部である。
【0167】
[実施例1]
まず、図5に記載のRFによるプラズマCVD装置を用いて下記に示した条件により直径30mm、肉厚2.5mmのアルミニウム製導電性基体としての鏡面加工を施したシリンダー上に、下部阻止層、光導電層及びバッファ層を積層した。さらにその上にSiを微量含有したa−C:Hからなる表面層を積層することで、表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)の異なる負帯電用a−Si感光体(A1)〜(A4)及び(A)〜(E)を作製した。なお、RFの周波数は13.56MHzを用いた。
【0168】
<感光体の製造条件>
Figure 0003848165
Figure 0003848165
次の手順で重合トナー(1)を作製した。
イオン交換水709gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7gを徐々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0169】
スチレン 80部
n−ブチルアクリレート 20部
不飽和ポリエステル樹脂 2部
飽和ポリエステル樹脂 3部
負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1部
表面処理疎水化磁性体 90部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃)6部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=140分、60℃条件下]5gを溶解した。
【0170】
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、80℃で更に2時間蒸留を行い、その後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてリン酸カルシウム塩を溶解し、濾過、水洗、乾燥して重量平均粒径6.5μmのトナー粒子を得た。
【0171】
このトナー粒子100部と、一次粒径8nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで表面を処理し処理後のBET値が250m2/gの疎水性シリカ微粉体1.2部及び帯電粒子2部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、重合トナー(1)を調製した。得られたトナーの平均円形度は0.983、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さは、28Am2/kgであった。
【0172】
本実施例における帯電粒子としては酸化亜鉛を用いた。ここで使用した酸化亜鉛からなる導電性微粉体は一次粒子径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により造粒して得られた粒子を風力分級して得られた、体積平均粒径1.5μm、粒度分布における0.5μm以下が35体積%、5μm以上が0個数%の微粒子(抵抗107Ω・cm、透過率35%)である。この酸化亜鉛微粉体は、走査型電子顕微鏡にて3000倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜4μmの凝集体からなっていた。
【0173】
以上の手順で作製した像担持体及び重合トナー(1)を用い、導電性微粉体を介して像担持体の帯電を行う弾性ローラー帯電器を用いた図3に示される構成の電子写真装置により評価を行った。結果を表1に示す。なお、この際のプロセススピードは400mm/s、感光体と弾性ローラーの相対速度は逆方向200%とした。
【0174】
(表面層のシリコン原子含有率の算出)
上記負帯電用a−Si感光体(A1)〜(A4)及び(A)〜(E)の表面層と同条件でシリコンウェハー上にサンプルを作製し、ESCAを用いて、シリコン原子と炭素原子の相対値を測定し、その比率を計算することによってシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)を得た。
【0175】
(帯電器の帯電能力)
A4紙を用いて10万枚通紙耐久を行った。この際、帯電器には一定電圧を印加し、1万枚毎での現像器位置での暗部電位を測定し、耐久による暗部電位の変化を評価した。更に、暗部電位画像がハーフトーン濃度で現像されるように現像バイアスを調整してベタハーフトーン画像を出力し、画像濃度の分布を目視で評価し、次の基準を設けて3段階に評価した。
A:測定誤差内で暗部電位の変化は認められず、ハーフトーン画像も均一。
B:耐久後半で暗部電位の低下が認められ、ハーフトーン画像で若干の濃度ムラが認められる。
C:耐久中に徐々に暗部電位が低下し、ハーフトーン画像で濃度ムラが認められる。
【0176】
(帯電器からの吐き出し効率)
上記帯電器の帯電能力評価と同時に、べた黒後のべた白部分のカブリを1万枚毎に測定した。この際、ドラム上のトナーを粘着テープで剥離し濃度を測定し、帯電器突入前、帯電器通過後のテープ剥離濃度から、濃度差(帯電器前濃度−帯電器後濃度)の帯電器前濃度に対する比率を吐き出し効率とし、次の基準を設けて3段階に評価した。
A:吐き出し効率50%以上
B:吐き出し効率30%以上50%未満
C:吐き出し効率30%未満
(帯電器からの吐き出しトナーの帯電量)
ホソカワミクロン社製の帯電量(以下、トリボも併用)測定器「E−SPARTANALYZERMODELEST−II」を用いて帯電量分布を測定した。帯電量分布の指標として便宜的に平均帯電量を用い、次の基準を設けて3段階に評価した。尚、測定結果の例を図6に示す。実線がランクAの測定結果に相当し、破線がランクCの測定結果に相当する。
A:平均帯電量が充分ネガになっている。
B:平均帯電量が若干ネガになっている。
C:平均帯電量がほぼ0付近。
【0177】
(カブリ)
上記帯電器の帯電能力評価、吐き出し効率評価と同時に、1万枚毎にキヤノン製TESTSHEETNA−7(A)(部品番号:FY9−9060A−010)でサンプル画像を出し、白地部分の反射濃度を反射濃度計(マクベス社製RD914)で測定し、次の基準を設けて地かぶりのレベルを3段階に評価した。
A:測定誤差内で反射濃度の変化は認められず、地かぶりレベルは良好
B:耐久後半で反射濃度の増加が認められ、地かぶりが若干認められる
C:耐久中に徐々に反射濃度が増加し、地かぶりが認められる
(磨耗量)
上記耐久前後の表面層の膜厚を干渉式膜厚計で測定し、その磨耗量を測定した。そして、次の基準を設けて3段階に評価した。
A:測定誤差内で磨耗量は検出されず、非常に良好
B:磨耗しているが、軽微であり、良好
C:磨耗量が多い。
【0178】
[比較例1]
図5に記載のRFによるプラズマCVD装置を用いて直径30mm、肉厚2.5mmのアルミニウム製導電性基体としての鏡面加工を施したシリンダー上に実施例1に示す条件で下部阻止層、光導電層、バッファ層を積層した。さらにその上に下記の作製条件でSiを微量含有したa−C:Hからなる表面層を積層することで、表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)の異なる負帯電用a−Si感光体(F)〜(I)を作製した。なお、RFの周波数は13.56MHzを用いた。
【0179】
<感光体の製造条件>
Figure 0003848165
こうして得られた感光体(F)〜(I)と重合トナー(1)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0180】
【表1】
Figure 0003848165
【0181】
実施例1、比較例1の結果から、表面層のシリコン原子含有率が0.2原子%以上にすることで吐き出しトナーのトリボがネガ化する為、カブリが悪化しないことがわかった。また、20原子%以下にすることで高い吐き出し効率を維持できる為、トナー混入による帯電器の帯電能力が低下することはなくなり、同時に帯電器の寿命も確保することができることがわかった。さらにシリコン原子含有量の低い方が磨耗に関しては有利であることがわかった。総合評価は、各項目を総合的に判断し、非常に良好をA、良好をB、従来と同等以下をCとした。
【0182】
[実施例2]
実施例1と同様の手順でa−Si感光体(B)を作製した。
次に、重合トナー(1)と同様の手法により、平均円形度の異なる球形トナー(A)〜(E)を作製した。こうして得られたa−Si感光体(B)と球形トナー(A)〜(E)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0183】
[比較例2]
実施例1と同様の手順でa−Si感光体(B)を作製した。
次に、重合トナー(1)と同様の手法により、トナー(F)を作製した。
こうして得られたa−Si感光体(B)とトナー(F)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0184】
【表2】
Figure 0003848165
【0185】
実施例2、比較例2の結果から、重合トナーの球形度が0.950以上にすることで高い吐き出し効率を維持できる為、トナー混入による帯電器の帯電能力が低下することはなくなり、同時に帯電器の寿命も確保することができることがわかった。また、球形度の高い方が、吐き出しトナーのトリボがネガ化することに関しては有利であることがわかった。総合評価は、各項目を総合的に判断し、非常に良好をA、良好をB、従来と同等以下をCとした。
【0186】
[実施例3]
実施例1と同様の手順で、負帯電用a−Si感光体(C)を作製した。
次に、次の手順で粉砕トナーを作製した。
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比80/20) 100質量部
・不飽和ポリエステル樹脂 2質量部
・飽和ポリエステル樹脂 3質量部
・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 1質量部
・表面処理疎水化磁性体 90質量部
・エステルワックス(DSCにおける吸熱ピークの極大値72℃) 5質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕後、機械式球形化処理を行い、得られた処理物を風力分級して重量平均粒径8.9μmの黒色粒子を得た。この黒色粒子100部と、ヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が180m2/gの疎水性シリカ微粉体0.9部、及び酸化亜鉛微粉体2部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、平均円形度の異なる粉砕トナー(A)〜(B)を調製した。得られたトナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の強さは28Am2/kgであった。
【0187】
こうして得られたa−Si感光体(C)と粉砕トナー(A)〜(B)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
【0188】
[比較例3]
実施例1と同様の手順でa−Si感光体(C)を作製した。
次に、機械式球形化処理を行わない以外は実施例3と同様の手法により、平均円形度の異なる粉砕トナー(C)を作製した。
こうして得られたa−Si感光体(C)と粉砕トナー(C)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
【0189】
【表3】
Figure 0003848165
【0190】
実施例3、比較例3の結果から、粉砕トナーにおいても球形度が0.950以上にすることで高い吐き出し効率を維持できる為、トナー混入による帯電器の帯電能力が低下することはなくなり、同時に帯電器の寿命も確保することができることがわかった。また、球形度の高い方が、吐き出しトナーのトリボがネガ化に関しては有利であることがわかった。総合評価は、各項目を総合的に判断し、非常に良好をA、良好をB、従来と同等以下をCとした。
【0191】
[実施例4]
図4に示すVHFプラズマCVD法によるa−Si感光体の製造装置を用い、鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、下記に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、バッファ層、表面層を積層し、負帯電用a−Si感光体(J1)〜(J4)及び(J)〜(L)を得た。なお、VHF周波数は105MHzを用いた。
【0192】
<感光体の製造条件>
Figure 0003848165
Figure 0003848165
次の手順で重合トナー(2)を作製した。
まず、重合トナー(1)と同様の手法により重量平均粒径6.4μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部と、一次粒径8nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで表面を処理した後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が150m2/gの疎水性シリカ微粉体1.2部、及び酸化亜鉛からなる導電性微粉体2部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、重合トナー(2)を調製した。得られたトナーの平均円形度は0.983、磁場79.6kA/mにおける磁化の強さは、28Am2/kgであった。
【0193】
こうして得られた感光体(J1)〜(J4)及び(J)〜(L)と重合トナー(2)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0194】
[比較例4]
図4に示すVHFプラズマCVD装置を用いて直径30mm、肉厚2.5mmのアルミニウム製導電性基体としての鏡面加工を施したシリンダー上に実施例4に示す条件で下部阻止層、光導電層、バッファ層を積層した。さらにその上に下記の作製条件でSiを微量含有したa−C:Hからなる表面層を積層することで、表面層のシリコン原子含有率(シリコン原子と炭素の総量に対するシリコン原子の比率)の異なる負帯電用a−Si感光体(M)及び(N)を作製した。なお、VHF周波数は105MHzを用いた。
【0195】
<感光体の製造条件>
Figure 0003848165
こうして得られた感光体(M)及び(N)と重合トナー(2)について、実施例1と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0196】
【表4】
Figure 0003848165
【0197】
実施例4、比較例4の結果から、表面層のシリコン原子含有率が0.2原子%以上にすることで吐き出しトナーのトリボがネガ化する為、カブリが悪化しないことがわかった。また、20原子%以下にすることで高い吐き出し効率を維持できる為、トナー混入による帯電器の帯電能力が低下することはなくなり、同時に帯電器の寿命も確保することができることがわかった。さらにシリコン原子含有量の低い方が磨耗に関しては有利であることがわかった。総合評価は、各項目を総合的に判断し、非常に良好をA、良好をB、従来と同等以下をCとした。
【0198】
VHFにより作製したa−Si感光体を用いても、本発明は同様に効果が得られることが判明した。
また、トナーとして重合トナーを用いることで非常に良好な高画質画像が得られることが分かった。
【0199】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、a−Si感光体を像担持体とする電子写真方法及び装置において、導電性基体と、該導電性基体上に少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含みシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層と、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子を0.2原子%以上20原子%以下含有する非単結晶材料で構成された表面層とを有する像担持体を用い、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含み、平均円形度が0.950以上である磁性トナーであって、該磁性トナーの79.6kA/mにおける飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以下であるトナーを用い、粒径が0.1μm〜10μmである導電性微粉体を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備え、表面に該帯電粒子を担持し、該帯電粒子を介して該像担持体に接触する帯電粒子担持体とを用いて該像担持体表面を負極性に帯電させ、IAE方式で潜像を形成する電子写真方法及び装置により、転写から帯電までの間にクリーニング工程が無くても極めて良好なトナーリサイクルプロセスを達成する事が可能になった。
【0200】
これにより、電子写真装置の生涯寿命に渡って排出される廃棄物が大幅に削減され、さまざまな環境においても画像流れや画像ムラが発生せず、きわめて鮮明な画像が長期間安定して得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することができる。
【0201】
さらに、帯電部材の寿命が長く、最小のメンテナンスコストで長期間、安定して高品質な画像が得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することができる。
【0202】
また、a−Si感光体が均一に帯電され、ムラがなく、均一で高コントラストで解像度が高く、かぶりの少ない鮮明な画像が得られる電子写真装置及び電子写真方法を提供することができる。
【0203】
さらに本発明では、像担持体の光導電層と表面層の間に、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み、シリコンを主体とし、炭素、酸素、窒素から選ばれる少なくとも一つ以上の原子を更に含有する非単結晶材料から成るバッファ層を有すると、表面層と光導電層との密着性の向上や、界面での光の反射による干渉の影響の軽減等の観点からより一層効果的である。
【0204】
さらに本発明では、表面層が、50〜450MHzの高周波を用いたプラズマCVD法によって、少なくとも炭化水素系のガスを分解することによって堆積成膜により形成されると、より低圧な条件で表面層が形成され、表面保護や光透過等の表面層の特性の劣化を抑制する上でより一層効果的である。
【0205】
さらに本発明では、帯電粒子を担持している帯電粒子担持体の表面と像担持体の表面が相対的速度差を有して移動している状態で帯電粒子を介して像担持体に接触して像担持体を帯電させると、帯電粒子と像担持体の高い接触性が得られる観点においてより効果的であり、帯電粒子担持体の表面と像担持体表面が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電させると、より一層効果的である。
【0206】
さらに本発明では、帯電粒子担持体は多孔体表面を有する弾性体で形成されていると、帯電粒子担持体上に十分な帯電粒子を担持することが可能となり、帯電粒子と像担持体の接触性を高める上でより一層効果的である。
【0207】
さらに本発明では、帯電粒子担持体は、アスカーC硬度が50度以下、より好ましくは25度以上50度以下のローラー部材であると、帯電粒子担持体の形状安定性、及び帯電粒子担持体表面のミクロな凹凸に対する追従性が得られることから、像担持体との接触性を高める上でより一層効果的である。
【0208】
さらに本発明では、帯電粒子担持体の体積固有抵抗が1×103Ω・cm以上1×108Ω・cm以下のローラー部材であると、像担持体に対する帯電特性及び耐リーク性が得られることから、像担持体に対する帯電特性を向上させる上でより一層効果的である。
【0209】
さらに本発明では、導電性微粉体の抵抗が1×109Ω・cm以下、より好ましくは1×10-1Ω・cm以上1×109Ω・cm以下であると、像担持体に対する帯電促進を向上させる上でより効果的である。
【0210】
さらに本発明では、導電性微粉体をトナーの表面に付着させる構成とすると、トナーの過剰な帯電を防止し、トナーの過剰帯電に伴う現像性の低下を防止する上でより一層効果的である。
【0211】
さらに本発明では、無機微粉体が疎水化処理されていると、環境変動に伴う無機微粉体の特性変化をより抑制することができ、トナーの帯電性、現像特性、転写性、及び形成される画像の画質などについて、環境変化に伴う特性の変動を防止する上でより効果的である。
【0212】
さらに本発明では、トナーの表面に付着している導電性微粉体が現像工程で像担持体に付着し、転写工程の後も該像担持体上に残留し運ばれて帯電粒子担持体に到達する構成とすると、現像手段が帯電粒子担持体への帯電粒子の供給手段を兼ねることが可能となり、装置の小型化やメンテナンス性の向上等の観点からより一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体の一例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体の他の一例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明に用いられる電子写真装置の一例を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体を形成するための堆積装置の一例を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の電子写真感光体を形成するための堆積装置の一例を示す模式的断面図である。
【図6】トナーの帯電量分布を測定した結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
101 導電性基体
102 下部阻止層(電荷注入阻止層)
103 光導電層
104 バッファ層
105 表面層
106 電荷発生層
107 電荷輸送層
201 電子写真像担持体(感光体)
202 接触帯電部材(帯電粒子担持体)
203 レーザー光
204 現像器(現像手段)
205 トナー
206 転写ローラー(転写手段)
207 転写材(記録媒体)
208 反転トナー
209 定着装置
2100、3100 堆積装置
2110、3110 反応容器
2111、3111 カソード電極
2112、3112 導電性基体
2113、3113 導電性基体加熱用ヒーター
2114 原料ガス導入管
2115、3115 高周波マッチングボックス
2116 ガス供給配管
2117 リークバルブ
2118 メインバルブ
2119 真空計
2120 高周波電源
2121 絶縁材料
2123 導電性受け台
2200 原料ガス供給装置
2211〜2216 マスフローコントローラー
2221〜2226 原料ガスボンベ
2231〜2236 バルブ
2241〜2246 流入バルブ
2251〜2256 流出バルブ
2260 補助バルブ
2261〜2266 圧力調整器
3120 回転モーター
3121 排気口
3130 放電空間

Claims (30)

  1. 回転する像担持体の表面を帯電させる帯電工程と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、該像担持体表面にトナーを付着させることにより該静電潜像をトナー像として現像する現像工程と、該トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを含む電子写真方法に於いて、
    前記像担持体は、導電性基体と、該導電性基体上に少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含みシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層と、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子をSi/(Si+C)で0.2原子%以上20原子%以下含有する非単結晶材料で構成された表面層とを有し、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含み、平均円形度が0.950以上である磁性トナーであって、該磁性トナーの79.6kA/mにおける飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以下であり、
    前記帯電工程は、粒径が0.1μm〜10μmである導電性微粉体を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備え、表面に該帯電粒子を担持し、該帯電粒子を介して該像担持体に接触する帯電粒子担持体とを用いて、該像担持体表面を負極性に帯電させ、
    前記潜像形成工程は、画像部を露光して電位を減衰させることにより静電潜像を形成する潜像形成工程であり、
    転写から帯電までの間にクリーニング工程が無い事を特徴とする電子写真方法。
  2. 前記像担持体の前記光導電層と前記表面層の間に、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み、シリコンを主体とし、炭素、酸素、窒素から選ばれる少なくとも一つ以上の原子を更に含有する非単結晶材料から成るバッファ層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。
  3. 前記表面層が、50〜450MHzの高周波を用いたプラズマCVD法によって、少なくとも炭化水素系のガスを分解することによって堆積成膜により形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真方法。
  4. 前記帯電工程は、前記帯電粒子を担持している前記帯電粒子担持体の表面と前記像担持体の表面が相対的速度差を有して移動している状態で帯電粒子を介して像担持体に接触して像担持体を帯電させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  5. 前記帯電工程は、前記帯電粒子担持体の表面と前記像担持体表面が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電させることを特徴とする請求項4に記載の電子写真方法。
  6. 前記帯電工程において、前記帯電粒子担持体は多孔体表面を有する弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  7. 前記帯電粒子担持体は、アスカーC硬度が50度以下のローラー部材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  8. 前記帯電粒子担持体は、アスカーC硬度が25度以上50度以下のローラー部材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  9. 前記帯電粒子担持体は、体積固有抵抗が1×103Ω・cm以上1×108Ω・cm以下のローラー部材であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  10. 前記導電性微粉体の抵抗が1×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  11. 前記導電性微粉体の抵抗が1×10-1Ω・cm以上1×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  12. 前記トナーは表面に導電性微粉体を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  13. 前記トナーは疎水化処理されている無機微粉体を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  14. 前記無機微粉体はシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電子写真方法。
  15. 前記導電性微粉体が、前記現像工程で前記像担持体に付着し、前記転写工程の後も該像担持体上に残留し運ばれて前記帯電粒子担持体に到達することを特徴とする請求項12に記載の電子写真方法。
  16. 回転する像担持体と、該像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、該像担持体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体表面にトナーを付着させることにより該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを備えた電子写真装置に於いて、
    前記像担持体は、導電性基体と、該導電性基体上に少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含みシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成された光導電層と、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み炭素原子を母体とし少なくともシリコン原子をSi/(Si+C)で0.2原子%以上20原子%以下含有する非単結晶材料で構成された表面層とを有し、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有するトナー粒子と無機微粉体とを含み、平均円形度が0.950以上である磁性トナーであって、該磁性トナーの79.6kA/mにおける飽和磁化が10Am2/kg以上50Am2/kg以下であり、
    前記帯電手段は、粒径が0.1μm〜10μmである導電性微粉体を主成分とする帯電粒子と、導電性と弾性を有した表面を備え、該帯電粒子を表面に担持し、該帯電粒子を介して該像担持体に接触する帯電粒子担持体とを有し、該像担持体表面を負極性に帯電し、
    前記潜像形成手段は、画像部を露光して電位を減衰させることにより静電潜像を形成する潜像形成手段であり、
    転写から帯電までの間にクリーニング手段が無い事を特徴とする電子写真装置。
  17. 前記像担持体の前記光導電層と前記表面層の間に、少なくとも水素及びハロゲンのいずれかを含み、シリコンを主体とし、炭素、酸素、窒素から選ばれる少なくとも一つ以上の原子を更に含有する非単結晶材料から成るバッファ層を有することを特徴とする請求項16に記載の電子写真装置。
  18. 前記表面層が、50〜450MHzの高周波を用いたプラズマCVD法によって、少なくとも炭化水素系のガスを分解することによって堆積成膜により形成されることを特徴とする請求項16または17に記載の電子写真装置。
  19. 前記帯電手段は、前記帯電粒子を担持している前記帯電粒子担持体の表面と前記像担持体の表面が、相対的速度差を有して移動している状態で帯電粒子を介して像担持体に接触して像担持体を帯電させることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  20. 前記帯電手段は、前記帯電粒子担持体の表面と前記像担持体の表面が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電させることを特徴とする請求項19に記載の電子写真装置。
  21. 前記帯電手段において、前記帯電粒子担持体は多孔体表面を有する弾性体で形成されていることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  22. 前記帯電粒子担持体は、アスカーC硬度が50度以下のローラー部材であることを特徴とする請求項16乃至21のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  23. 前記帯電粒子担持体は、アスカーC硬度が25度以上50度以下のローラー部材であることを特徴とする請求項16乃至21のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  24. 前記帯電粒子担持体は、体積固有抵抗1×103Ω・cm以上1×108Ω・cm以下のローラー部材であることを特徴とする請求項16乃至23のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  25. 前記導電性微粉体の抵抗が1×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項16乃至24のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  26. 前記導電性微粉体の抵抗が1×10-1Ω・cm以上1×109Ω・cm以下であることを特徴とする請求項16乃至24のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  27. 前記トナーは表面に導電性微粉体を有することを特徴とする請求項16乃至26のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  28. 前記トナーは疎水化処理されている無機微粉体を有することを特徴とする請求項16乃至27のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  29. 前記無機微粉体はシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項16乃至28のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  30. 前記導電性微粉体が、前記現像手段によって前記像担持体に付着し、前記トナー像転写後も該像担持体上に残留し運ばれて前記帯電粒子担持体に到達することを特徴とする請求項27に記載の電子写真装置。
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