JP2002214602A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
均等な反射性能を達成した半透過型もしくは反射型の高
性能な液晶表示装置を提供する。 【解決手段】半透過型の液晶表示装置16においては、
ガラス基板2上に密着層17と半透過膜18を被覆して
いる。半透過膜18上にカラーフィルタ19とオーバー
コート層20と透明電極21と配向膜22とを形成し、
ガラス基板5上に透明電極23と配向膜24とを形成
し、双方を液晶10を介してシール部材11により貼り
合わせる。
Description
過型の液晶表示装置に関するものである。
の携帯情報端末やノートパソコンの他に、大型かつ高精
細のモニターにまで使用されている。さらにバックライ
トを使用しない反射型液晶表示装置の技術も開発されて
おり、薄型、軽量および低消費電力化に優れている。
方散乱板(フィルム)を配設し、その背後に光反射層を
形成した構成があるが、バックライトを用いないこと
で、周囲の光を有効に利用している。
し、バックライトを設け、反射モードや透過モードに使
い分ける半透過型の透過型液晶表示装置も開発されてい
る。
を図45に示す。液晶表示装置1において、ガラス基板
2の上に金属からなる光反射膜3を被覆し、この光反射
膜3上にカラーフィルター4を形成し、このカラーフィ
ルター4の上にオーバーコート層6を被覆し、さらにI
TOなどからなる透明電極7を帯状に複数配列し、さら
に配向膜8を被覆する。
る透明電極9を帯状に複数配列し、さらに配向膜8を被
覆する。そして、双方の基板を液晶10を介して対向配
設し、液晶10はシール部材11により囲まれた領域内
に充填され、ガラス基板5の外面に前方散乱フィルム1
2、第1位相差フィルム13と第2位相差フィルム14
と偏光板15とを順次形成する。
により被覆したものであって、その光反射率を高めるよ
うにしているが、一方、この液晶表示装置1が半透過型
である場合には、光反射膜3に代えて、半透過膜を用い
ている。
率を下げるために、Al膜よりも銀あるいは銀合金から
なる膜が用いることが提案されている。
光領域における短波長域において反射率が低く、これに
より、反射光が黄色に着色するという課題があった。
合金の膜の上に可視光領域の反射率をほぼ一定にするた
めに短波長域の反射率を増大させるような層を形成する
技術が提案されている(特開平11-2707号参照)。
折率が比較的小さい第1の透過性膜であるSiO2膜と、
第1の透光性膜の上に、第1の透光性膜より屈折率が比較
的大きい第2の透光性膜であるSiN膜を積層した反射
型液晶表示装置が提案されている。
案の液晶表示装置によれば、とくに基板上に銀あるいは
銀合金の膜を被覆し、さらに銀あるいは銀合金の層上に
SiO2膜とSiN膜との積層を設けたことで、密着性
に劣り、剥がれるという課題があった。
銀あるいは銀合金の層上に2層を積層したことで、構造
が複雑化し、製造コストが上がっていた。
透過膜として用いた場合には、反射型として使用するた
めに完全反射膜として利用する場合に比べて、反射光の
短波長の反射率がさらに低下するという課題もある。
たものであり、その目的はガラス基板と、その上の被覆
層との密着性を高めた高品質かつ高信頼性の液晶表示装
置を提供することにある。
合金からなる層を形成することで、短波長側の反射率を
上げ、これによって可視光領域にてほぼ均等な反射性能
を達成するとともに、さらに簡単な構造でもって製造コ
ストを下げた低コストかつ高性能な液晶表示装置を提供
することにある。
くは銀合金からなる層を薄膜化しても、その反射性能を
高めた反射型または半透過型の液晶表示装置を提供する
ことにある。
は、基板の一方主面上に光反射膜を被覆し、この光反射
膜上に透明電極と配向層とを順次積層してなる一方の部
材と、透明基板上に透明電極と配向層とを順次積層して
なる他方の部材との間にネマチック型液晶を介在させて
マトリックス状に画素を配列せしめ、さらに他方の部材
に前方散乱性部材を配した装置構成であって、前記基板
と光反射膜との間に、この基板の屈折率に比べて大きな
屈折率を有する中間層を介在し、かつ光反射膜を銀もし
くは銀合金にて成すことで、半透過型または反射型に構
成せしめたことを特徴とする。
の一方主面上に光反射膜を被覆し、この光反射膜上にカ
ラーフィルタと透明電極と配向層とを順次積層してなる
一方の部材と、透明基板上に透明電極と配向層とを順次
積層してなる他方の部材との間にネマチック型液晶を介
在させてマトリックス状に画素を配列せしめ、さらに他
方の部材に前方散乱性部材を配した装置構成であって、
前記光反射膜とカラーフィルタとの間に、カラーフィル
タの屈折率に比べて大きな屈折率を有する中間層を介在
し、かつ光反射膜を銀もしくは銀合金にて成すことで、
半透過型または反射型に構成せしめたことを特徴とす
る。
の一方主面上に光反射膜を被覆し、この光反射膜上にオ
ーバーコートと透明電極と配向層とを順次積層してなる
一方の部材と、透明基板上に透明電極と配向層とを順次
積層してなる他方の部材との間にネマチック型液晶を介
在させてマトリックス状に画素を配列せしめ、さらに他
方の部材に前方散乱性部材を配した装置構成であって、
前記光反射膜とオーバーコートとの間に、オーバーコー
トの屈折率に比べて大きな屈折率を有する中間層を介在
し、かつ光反射膜を銀もしくは銀合金にて成すことで、
半透過型または反射型に構成せしめたことを特徴とす
る。
る。 (例1)図1は請求項1に係る液晶表示装置の断面図で
ある。
表示装置16においては、2はコモン側のガラス基板
(0.7mm厚)である。5はセグメント側のガラス基
板(0.7mm厚)であって、前記一方の部材について
は、ガラス基板2の一方主面上に図2に示すように前記
中間層である密着層17と前記光反射膜である銀もしく
は銀合金からなる半透過膜18を被覆している。
g)単体もしくは銀合金のいずれでもよいが、Ag金属
は硫黄や塩素と反応しやすく劣化しやすく、そのために
他の劣化防止用成分を含有させて安定化させるとよい。
微量に混合させるとよいが、多く混合させると反射率が
低下する傾向にあり、Pdを含有させた場合に、Agx
Pdyにて表記すると、x=95.0〜99.5、y=
0.5〜5.0に設定するとよい。
にも変えて、短波長での反射率を測定し評価したとこ
ろ、表1に示すような結果が得られた。また、各試料に
対し耐食性も評価している。
価区分を決め、◎印はPdを添加しないものと比べて
も、なんら低下していない場合であり、〇印は若干、反
射率が低下傾向にあるが、実用上支障がない場合であ
り、△印は反射率の低下が顕著になった場合であり、×
印はさらに反射率が低下したことで、実用上支障が生じ
た場合である。
分を決め、〇印は硫黄や塩素と反応せず、なんら劣化し
なかった場合であり、△印は長期間放置すると、若干、
反応の現象が現われた場合であり、×印はその現象が顕
著になった場合である。
(y値)はy=0.5〜5.0に設定するのが好適であ
ることがわかる。
も、AgxRuyにて表記して、x=95.0〜99.
5、y=0.5〜5.0に設定するとよいことを繰り返
しおこなった実験により確認した。
0、y=1.0に設定した銀合金を用いている。
材などからなる樹脂のカラーフィルタ19を形成してい
る。さらにアクリル系樹脂からなるオーバーコート層2
0と、多数平行に配列したITOからなる透明電極21
とを形成している。この透明電極21上に一定方向にラ
ビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜22を形成し
ている。
多数平行に配列したITOからなる透明電極23と、一
定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜2
4とを順次形成している。透明電極23と配向膜24と
の間にSiO2からなる絶縁層を介在させてもよい。
の部材をSTNなどの液晶10を介してシール部材11
により貼り合わせる。さらにガラス基板5の外側に前記
前方散乱性部材である前方散乱板(フィルム)12を配
設し、さらにポリカーボネイトなどからなる第1位相差
フィルム13と第2位相差フィルム14とヨウ素系の偏
光板15とを順次形成する。
等を含有させたものであり、たとえば大日本印刷(株)
製のIDS(Internal Diffusing Sheet)の光散乱膜があ
り、その他に、平板の表面に光散乱性の凹凸を設けても
よい。
おいて、反射モードとして使用する場合には、太陽光、
蛍光灯などの外部照明による入射光(図1に示す矢印)
はガラス基板5を通過し、液晶10、カラーフィルタ1
9などを通して半透過膜18に到達し、半透過膜18に
て光反射され、その反射光(図1に示す矢印)が出射さ
れる。
ラス基板2の背面にバックライトを配し、そのバックラ
イトの照射光はヨウ素系の偏光板(図示せず)、ポリカ
ーボネイドなどからなる位相差フィルム(図示せず)、
ガラス基板2を通過し、さらに半透過膜18を透過し、
カラーフィルタ19、液晶10などを通して、透過光と
して出射される。
層17と半透過膜18とを順次積層した構成において、
短波長側の反射率を上げるための密着層17の屈折率と
膜厚の関係を図3と図4により説明する。
射光との経路を示す断面図であり、図4はその位相
状態を示す。
もって入射させた場合、短波長域の反射率は低くなって
いる。そこで、反射光を可視光領域において均一にする
ために、中間層(密着層17)の屈折率nを銀または銀
合金(半透過膜18)に比べて大きくし、かつガラス基
板より大きくするとよい。
あり、中間層(密着層17)の材料を選択することで、
屈折率n(銀および銀合金)<屈折率n(中間層)に設定
し、これによって、銀および銀合金と中間層の界面での
反射光は、入射光に対して位相が反転する。
は、Al2O3,ZnS,Fe2O3,TiO2などの誘電体材
料にて形成する。
して位相がずれる要因として、中間層とガラス基板の界
面の屈折率差と、中間層を2回通過する光路差によるも
のがある。
いては、ガラス基板の屈折率nは1.53であり、さら
に本発明においては、中間層(密着層17)には、Al
2O3,ZnS,Fe2O3,TiO2などの誘電体材料にて構
成したことで、n(中間層)> n(ガラス基板)と規定さ
れ、中間層とガラス基板との界面において位相の反転は
生じない。
膜厚dを 2n・d=λ(2m−1)/2 (n:中間層の屈折率、m=1,2,3・・・) の関係式を満たすように設定することで、入射光に対
して位相が反転し、反射光は入射光に対し位相が反
転する。
を示す。入射光‘の位相に対し、反射光と反射光
は双方とも入射光に対して位相が反転しており、そ
のために反射光と反射光の位相はそろっている。そ
して、反射光は、反射光と反射光の合成波であるこ
とで、特定の波長λ付近において強めあうことができ
る。
ついて説明する。最初に、銀および銀合金の反射率の波
長分散において、短波長500nm程度の反射率を上げ
ることを基準にすることで、λ=500nmとした。
べく、中間層の屈折率を銀および銀合金の屈折率より大
きくし、さらにガラス基板の屈折率に比べても大きくし
て、そして、中間層の膜厚は、 d=500(2m−1)/4n (n:中間層の屈折率、m=1,2,3・・・) と設定する。
中間層の屈折率と膜厚の関係を示す。そして、図5に示
す各プロット(中間層の屈折率と膜厚)において、銀合
金AgxPdy(x=99.0、y=1.0)の反射率
と透過率の波長分散(400nm〜700nm)を求め
たところ、図6に示すような結果が得られた。同図は中
間層(膜厚:54nm)をZnS(屈折率:2.3)にて
構成した場合であり、反射率と透過率の波長分散につい
て示す。縦軸RTは反射率と透過率を示す。
的に評価するために、波長が400〜700nmの範囲
において、各波長における反射率の標準偏差を求めてい
る。標準偏差が小さいほど波長が400〜700nmの
範囲において反射率の波長分散が均一であることを示し
ている。同様にして、図5中のすべてのプロット(中間
層の屈折率と膜厚)において、反射率の波長分散から、
各波長における反射率の標準偏差を求めることによっ
て、中間層の屈折率を変えた場合の反射光の波長分散
(400〜700nm)の反射率標準偏差を求めたとこ
ろ、図7に示すような結果が得られた。中間層を設けな
い場合の通常のAgxPdy(x=99.0、y=1.
0)の反射光の波長分散の反射率標準偏差は8.7程度
であるので、中間層の屈折率を凹凸樹脂の屈折率1.5
3より大きくすることにより、反射光波長分散の反射率
標準偏差が小さくなり、中間層の屈折率2.9程度で最
小値をとることが分かる。
うに、光反射膜上に液晶層を想定して、n=1.5程度
の樹脂を塗布し、基板を貼り合わせることにより、簡易
的なパネルを構成し、そして、測定は入射光を垂直方向
から2°傾けた方向から入射し、反射光は垂直方向で行
う。以下、反射光は、同じ方法でもって測定する。
2O3,TiO2の誘電体材料にて構成した場合を、それぞ
れ述べる。
構成し、その中間層の膜厚を変えた場合の反射光波長分
散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求め
たところ、図8に示すような結果が得られた。
xPdy(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長
分散の反射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層
の屈折率が1.6(Al2O3)の場合には中間層の膜厚
が50〜130nm、好適には90nm程度にすること
で、従来の銀および銀合金の反射光波長分散(400n
m〜700nm)の反射率標準偏差より小さくすること
ができる。
成し、その中間層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図9に示すような結果が得られた。
y(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の
反射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層の屈折
率が2.3(ZnS)の場合には中間層の膜厚が30〜
90nmまたは140〜190nm、好適には60nm
程度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長
分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より
小さくすることができる。
構成し、その中間層の膜厚を変えた場合の反射率波長分
散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求め
たところ、図10に示すような結果が得られた。
y(x=99.0、y=1.0)の反射率の波長分散の
反射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層の屈折
率が2.5(TiO2)の場合には中間層の膜厚が30〜
90nmまたは140〜190nm、好適には60nm
程度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長
分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より
小さくすることができる。
5)にて構成し、その中間層の膜厚を変えた場合の反射
光波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏
差を求めたところ、図11に示すような結果が得られ
た。
y(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の
反射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層の屈折
率が2.75(Fe2O3)の場合には中間層の膜厚が2
2〜72nmもしくは115〜155nm、好適には4
0nm程度にすることで、従来の銀および銀合金の反射
光波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏
差より小さくすることができる。
=99.0、y=1.0)からなる半透過膜18(膜厚
33nm)を成膜しただけの従来例と、本発明のように
ガラス基板2とAgxPdy(x=99.0、y=1.
0)からなる半透過膜18(膜厚33nm)との間にTi
O2層を膜厚60nmで介在させるものを、双方とも反
射光と透過光の各波長分散を求めたところ、図12に示
すような結果(実施例1)が得られた。
44に示す通り、光反射膜上に、液晶層を想定して、n
=1.5程度の樹脂を塗布し、基板を貼り合わせること
により簡易的なパネルを構成し、反射率の測定について
は、入射光を垂直方向から2°傾けた方向から入射し、
その反射光を垂直方向でもって測り、透過率の測定につ
いては、図44に示す下側のガラス基板の下方より光を
入射し、樹脂層の透過光を測定することで求める。以
下、同じように反射率と透過率を測定する。
(凸状配列群)とAgxPdy(x=99.0、y=
1.0)からなる半透過膜18(膜厚33nm)との間
にTiO 2層を膜厚60nmで介在させることで、反射
光・透過光の波長分散が、双方とも均一になっているこ
とが分かる。
合の銀もしくは銀合金からなる半透過膜18の密着力を
測ったところ、表2に示すような結果が得られた。
〇印は密着性に優れている場合であり、×印は密着性に
劣る場合である。
ス基板上に直に銀および銀合金などの金属膜を成膜する
場合に比べて、ガラス基板と半透過膜18との間に、中
間層であるAl2O3(n=1.6)膜(厚み90nm)、I
TO(n=1.9)膜(厚み70nm)、SnO2(n=1.
9)膜(厚み70nm)、ZnS(n=2.3)膜(厚み60
nm)、TiO2(n=2.5)膜(厚み60nm)、Fe2O
3(n=2.75)膜(厚み40nm)を介在することによっ
て密着性が上がることが分かる。
16においては、ガラス基板上に上記構成のように密着
層17と半透過膜18(膜厚33nm)とを順次積層し
たことで、可視光領域の反射率をほぼ一定にすることが
でき、反射率の波長分散が均一になり、しかも、膜の密
着性が向上した。
の液晶表示装置を説明する。図13は液晶表示装置25
の概略断面図である。なお、図1に示す液晶表示装置1
6と同一部材には同一符号を付す。
基板2上に密着層17と半透過膜18(膜厚33nm)
とを順次積層したが、これに代えて、液晶表示装置25
においては、ガラス基板2上に銀および銀合金からなる
半透過膜18(膜厚33nm)と、カラーフィルタ19
の屈折率に比べて大きな屈折率を有する前記中間層であ
る上層26とを順次積層している。その他の構成は液晶
表示装置16と同じである。
(x=99.0、y=1.0)でもって成膜している。
上層26とを積層した構造を示す。
過膜18と上層26とカラーフィルタ19とを順次積層
した構成において、短波長側の反射率を上げるための上
層26の屈折率と膜厚の関係を図15と図16により説
明する。
反射光との経路を示す断面図であり、図16はその
位相状態を示す。
もって入射させた場合、短波長域の反射率は低くなって
いる。そこで、反射光を可視光領域において均一にする
ために、中間層(上層26)の屈折率nを銀および銀合
金(半透過膜18)に比べて大きくするとよい。
に銀および銀合金の半透過膜・カラーフィルターあるい
はオーバーコート樹脂の屈折率以上の上層を積層する構
造において、短波長側の反射率を上げるような、上層の
屈折率と膜厚の関係について図14と図15により説明
する。
率が低いが、反射光を可視光領域において均一にするた
めに、まず、上層の屈折率を銀および銀合金とカラーフ
ィルターあるいはオーバーコートなどの樹脂より大きく
する必要がある。
層) [n(樹脂) =1.53]であることから、樹脂と
上層の界面での反射光は、入射光に対して位相が反
転する。反射光については、入射光と位相がずれる
要因として、上層と銀あるいは銀合金の界面の屈折率差
によるものと、上層を2回通過する光路差によるものが
考えられるので、分けて説明する。
合金) =0.2]であることから、上層と銀合金との界面
において位相の反転は生じない。また、上層の膜厚dを 2n(中間層)d=λ(2m−1)/2 m=1,2,3・・・ の関係式を満たすように選ぶことにより、位相が反転す
る。つまり、この位相がずれる要因をまとめると、反射
光は、入射光に対して、位相が反転することがわか
る。図15に示したように、反射光・反射光は共
に、入射光に対して位相が反転しているため、結局、
反射光と反射光の位相はそろっていることが分か
る。反射光は、反射光と反射光の合成波であるの
で、特定の波長λ付近について強めあう。
層の屈折率と膜厚の最適化について説明する。
の波長分散において、短波長500nm程度の反射率を
上げたいので、λ=500nmとした。以上より、可視
光領域において均一にするために、上層の屈折率を銀お
よび銀合金とガラス基板より大きくして、上層の膜厚
は、 d=500(2m−1)/4 n(中間層) m=1,
2,3・・・ と決定すればよいことがわかる。図17に、λ=500
nm, m=1とした場合の、上層の屈折率と膜厚の関係
を示した。次に、図17中の全ての点(上層の屈折率と
膜厚)において、反射率の波長分散から、各波長におけ
る反射率の標準偏差を求めることによって、上層の屈折
率を変えた場合の反射光の波長分散(400nm〜70
0nm)の反射率標準偏差を図18に示すように求める
ことができる。上層を設けない場合の通常のAgxPd
y(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の
反射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率
をカラーフィルターあるいはオーバーコート樹脂の屈折
率1.53より大きくすることにより、反射光波長分散
の反射率標準偏差が小さくなり、中間層の屈折率2.3
程度で最小値をとることが分かる。
ZnS,Fe2O3,TiO2などの誘電体材料にて構成す
るとよい。
53であり、カラーフィルタの屈折率n<中間層の屈折
率nというように規定したことで、カラーフィルタと中
間層の界面での反射光は、入射光に対して位相が反
転する。
して位相がずれる要因として、上層26と半透過膜18
との界面の屈折率差と、上層26を2回通過する光路差
によるものがある。
差については、半透過膜18の屈折率nは0.2であ
り、さらに屈折率n(上層) >屈折率n(半透過膜)であ
ることで、上層26と半透過膜18との界面において位
相の反転は生じない。
(中間層)の膜厚dを 2n(中間層)d=λ(2m−1)/2 n:中間層の屈折率 m=1,2,3・・・ の関係式を満たすように設定することで、入射光に対
して位相が反転し、反射光は入射光に対し位相が反
転する。
相を示す。入射光‘の位相に対し、反射光と反射
光は双方とも入射光に対して位相が反転しており、
そのために、反射光と反射光の位相はそろってい
る。そして、反射光は、反射光と反射光の合成波で
あることで、特定の波長λ付近において強めあうことに
なる。
ついて説明する。最初に、銀または銀合金の反射率の波
長分散において、短波長500nm程度の反射率を上げ
ることを基準にすることで、λ=500nmとした。
めに、上層26(中間層)の屈折率を銀または銀合金の屈
折率より大きくし、さらにガラス基板の屈折率に比べて
も大きくして、上層の膜厚は、 d=500(2m−1)/4n n:中間層の屈折率 m=1,2,3・・・ と設定する。
の上層の屈折率と膜厚の関係を示す。同図に示すすべて
のプロット(上層の屈折率と膜厚)において、反射率の
波長分散から、各波長における反射率の標準偏差を求め
ることによって、上層の屈折率を変えた場合の反射光の
波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差
を求めたところ、図18に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率を
カラーフィルター樹脂の屈折率1.53より大きくする
ことで、反射光波長分散の反射率標準偏差が小さくな
り、上層の屈折率2.3程度で最小値をとることが分か
る。
e2O3,TiO2の誘電体材料にて構成した場合を、それ
ぞれ述べる。
成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図19に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
1.6(Al2O3)の場合には上層の膜厚が60〜13
5nm、好適には90nm程度にすることで、従来の銀
および銀合金の反射光波長分散(400nm〜700n
m)の反射率標準偏差より小さくすることができる。
成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図20に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.0(SnO2)の場合には上層の膜厚が42〜10
5nmまたは170〜200nm、好適には70nm程
度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長分
散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小
さくすることができる。
し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散(4
00nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めたとこ
ろ、図21に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.3(ZnS)の場合には上層の膜厚が35〜90n
mまたは150〜190nm、好適には60nm程度に
することで、従来の銀および銀合金の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小さ
くすることができる。
5)にて構成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光
波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差
を求めたところ、図22に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.75(Fe2O3)の場合には上層の膜厚が25〜7
5nmもしくは130〜152nm、好適には40nm
程度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長
分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より
小さくすることができる。
成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射率波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図23に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射率の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層の屈折率
が2.5(TiO2)の場合には上層の膜厚が35〜90
nmまたは150〜190nm、好適には60nm程度
にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小さ
くすることができる。
=99.0、y=1.0)からなる半透過膜18(膜厚
33nm)を成膜しただけの従来例と、本発明のように
ガラス基板2上にAgxPdy(x=99.0、y=
1.0)からなる半透過膜18(膜厚33nm)と、上
層であるTiO2層(膜厚60nm)とを積層したもの
を、双方とも反射光と透過光の各波長分散を求めたとこ
ろ、図24に示すような結果(実施例2)が得られた。
2上にAgxPdy(x=99.0、y=1.0)から
なる半透過膜18(膜厚33nm)と上層26とを積層
したことで、反射光・透過光の波長分散が均一になって
いることが分かる。
25においては、ガラス基板2上に上記構成のように半
透過膜18(膜厚33nm)と上層26とを順次積層し
たことで、可視光領域の反射率をほぼ一定にすることが
でき、反射率の波長分散が均一になった。また、例2に
おいて、半透過膜18の下側に前述したように密着層と
してTiO2(厚み10nm)を設けた場合には、半透
過膜18とガラス基板2との密着力も向上させることが
できた。
液晶表示装置である。
ガラス基板2上に半透過膜18と、カラーフィルタ19
の屈折率に比べて大きな屈折率を有する前記中間層であ
る上層26と、カラーフィルタ19とを順次積層した構
成であるが、これに代えて、ガラス基板2上に半透過膜
18を被覆し、その上に中間層とアクリル系の樹脂から
なるオーバーコートとを順次積層し、この中間層につい
ては、オーバーコートの屈折率に比べて大きな屈折率と
なしている。
をなくすために設けるのであるが、その屈折率を中間層
との間にて規定することで、(例2)の液晶表示装置2
5と同じ作用効果を奏する。また、オーバーコート上
に、カラーフィルターを形成した構成でも同じ作用効果
を奏する。
ては、カラーフィルタからなるカラー液晶表示装置であ
るが、オーバーコートを形成し、その上にカラーフィル
タを形成しないモノクロの液晶表示装置であっても同様
な作用効果がある。
図25〜図28により説明する。
略断面図である。なお、図1に示す液晶表示装置16と
同一部材には同一符号を付す。
ガラス基板2上に密着層17と半透過膜18(膜厚33
nm)とを順次積層したが、これに代えて、この液晶表
示装置27においては、ガラス基板2上に密着層17と
半透過膜18(膜厚33nm)と、カラーフィルタ19
の屈折率に比べて大きな屈折率を有する前記中間層であ
る上層26とを順次積層している。その他の構成は液晶
表示装置1と同じである。
透過膜18と上層26との積層構造を示す。
なる密着層17(膜厚60nm)、AgxPdy(x=
99.0、y=1.0)からなる半透過膜18(膜厚3
3nm)とTiO2からなる上層26(膜厚60nm)
とを積層した場合の液晶表示装置を作製した。これを実
施例3を称する。
る密着層17(膜厚60nm)と、AgxPdy(x=
99.0、y=1.0)からなる半透過膜18(膜厚3
3nm)と、TiO2からなる上層26(膜厚60n
m)とを積層した場合の液晶表示装置を作製した。これ
を実施例4を称する。
AgxPdy(x=99.0、y=1.0)からなる半
透過膜18(膜厚33nm)を形成した液晶表示装置も
作製した(従来例)。
について、反射光と透過光の各波長分散を求めたとこ
ろ、図27と図28に示すような結果が得られた。
実施例4において、反射光の短波長側にて反射率が向上
している。とくに実施例3においては、短波長側がいっ
そう高くなっていることで、反射型液晶表示の黄色着色
を打ち消す効果が顕著である。
透過膜18と上層26とを順次積層してなる半透過型の
液晶表示装置27については、膜の密着性を高めるとと
もに、可視光領域単波長側の反射率を高めることができ
た。
過型の液晶表示装置であるが、つぎの各例は反射型の液
晶表示装置でもって説明する。
示用の反射型の液晶表示装置28の概略断面図である。
なお、図1に示す半透過型の液晶表示装置1と同一個所
には同一符号を付す。
ように銀もしくは銀合金からなる光反射膜29と前記中
間層である上層30とを被覆している。本例でも銀もし
くは銀合金としてAgxPdy(x=99.0、y=
1.0)を用いている。
を形成している。さらにアクリル系樹脂からなるオーバ
ーコート層20と、多数平行に配列したITOからなる
透明電極21とを形成している。この透明電極21上に
一定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜
22を形成している。
たITOからなる透明電極23と、一定方向にラビング
したポリイミド樹脂からなる配向膜24とを順次形成し
ている。透明電極23と配向膜24との間にSiO2か
らなる絶縁層を介在させてもよい。
ガラス基板5をSTNなどの液晶10を介してシール部
材11により貼り合わせる。さらにガラス基板5の外側
に前記前方散乱性部材である前方散乱板(フィルム)1
2を配設し、さらにポリカーボネイトなどからなる第1
位相差フィルム13と第2位相差フィルム14とヨウ素
系の偏光板15とを順次形成する。
いて、太陽光、蛍光灯などの外部照明による入射光はガ
ラス基板5を通過し、液晶10、カラーフィルタ19な
どを通して光反射膜29に到達し、光反射膜29にて光
反射され、その反射光が出射される。
(例2)の半透過型の液晶表示装置25と対比しても、
液晶表示装置28の光反射膜29と液晶表示装置25の
半透過膜18との膜厚が違うだけであり、その他の構成
は同じでよく、これにより、液晶表示装置25と同じ作
用効果が得られる。
7はλ=500nmにおいて、m=1とした場合、上層の
屈折率と膜厚の関係を示すが、図16に示す各プロット
(上層の屈折率と膜厚)において、反射率の波長分散か
ら、各波長における反射率の標準偏差を求めることによ
って、上層の屈折率を変えた場合の反射光の波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図31に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率を
カラーフィルター樹脂の屈折率1.53より大きくする
ことで、反射光波長分散の反射率標準偏差が小さくな
り、上層の屈折率2.3程度で最小値をとることが分か
る。
6)にて構成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光
波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差
を求めたところ、図32に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)反射光の波長分散の反射
率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
1.6(Al2O3)の場合には中間層の膜厚が65〜1
30nm、好適には95nm程度にすることで、従来の
銀および銀合金の反射光波長分散(400nm〜700
nm)の反射率標準偏差より小さくすることができる。
成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図33に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.0(SnO2)の場合には上層の膜厚が45〜10
5nmまたは170〜200nm、好適には70nm程
度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長分
散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小
さくすることができる。
し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光波長分散(4
00nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めたとこ
ろ、図34に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.3(ZnS)の場合には上層の膜厚が35〜90n
mまたは150〜185nm、好適には60nm程度に
することで、従来の銀および銀合金の反射光波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小さ
くすることができる。
5)にて構成し、その上層の膜厚を変えた場合の反射光
波長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差
を求めたところ、図35に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射光の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、上層の屈折率が
2.75(Fe2O3)の場合には中間層の膜厚が25〜
75nmもしくは133〜145nm、好適には60n
m程度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波
長分散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差よ
り小さくすることができる。
成し、その中間層の膜厚を変えた場合の反射率波長分散
(400nm〜700nm)の反射率標準偏差を求めた
ところ、図36に示すような結果が得られた。
(x=99.0、y=1.0)の反射率の波長分散の反
射率標準偏差は8.7程度であるので、中間層の屈折率
が2.5(TiO2)の場合には中間層の膜厚が40〜8
5nmまたは160〜180nm、好適には60nm程
度にすることで、従来の銀および銀合金の反射光波長分
散(400nm〜700nm)の反射率標準偏差より小
さくすることができる。
99.0、y=1.0)(膜厚150nm)を成膜した
だけの従来例と、本発明のようにガラス基板上にAgx
Pdy(x=99.0、y=1.0)からなる光反射膜
29(膜厚150nm)と、上層30であるTiO2層
(膜厚60nm)とを積層したものを、双方とも反射光
の各波長分散を求めたところ、図37に示すような結果
(実施例5)が得られた。
上にAgxPdy(x=99.0、y=1.0)からな
る光反射膜29(膜厚150nm)と上層30とを積層
したことで、反射光の波長分散が均一になっていること
が分かる。
ては、ガラス基板上に上記構成のように光反射膜29
(膜厚150nm)と上層30とを順次積層したこと
で、可視光領域の反射率をほぼ一定にすることができ、
反射率の波長分散が均一になり、優れた液晶表示装置2
8が得られた。
晶表示装置であり、(例5)の液晶表示装置28におい
ては、ガラス基板上に光反射膜29と、カラーフィルタ
19の屈折率に比べて大きな屈折率を有する上層30
と、カラーフィルタ19とを順次積層した構成である
が、これに代えて、ガラス基板上にAgxPdy(x=
99.0、y=1.0)(膜厚150nm)からなる光
反射膜29を被覆し、この光反射膜29の上にオーバー
コートの屈折率に比べて大きな屈折率を有する中間層
(上層30)と、さらにアクリル系の樹脂からなるオー
バーコートとを順次形成してもよく、このような構成で
あっても、(例5)の液晶表示装置28と同じ作用効果
を奏する。また、オーバーコート上にカラーフィルター
を形成した構成でも同じ作用効果を奏する。
ては、カラーフィルタからなるカラー液晶表示装置であ
るが、オーバーコートを形成し、そのカラーフィルタを
形成しないモノクロの液晶表示装置であっても同様な作
用効果がある。
晶表示装置であり、(例5)の液晶表示装置28におい
ては、ガラス基板上に光反射膜29と、カラーフィルタ
19の屈折率に比べて大きな屈折率を有する上層30と
を順次積層した構成であるが、これに代えて、ガラス基
板上に(例1)の半透過型液晶表示装置16にて形成し
た密着層17を被覆し、この密着層17の上にAgxP
dy(x=99.0、y=1.0)(膜厚150nm)
からなる光反射膜29を被覆し、その他は液晶表示装置
28と同じ構成にしてもよい。
おいては、ガラス基板上に上記構成のように密着層17
と光反射膜29とを順次積層したことで、膜の密着性が
向上する。
38〜図40により説明する。
ある。なお、図29に示す液晶表示装置28と同一部材
には同一符号を付す。
上に光反射膜29と上層30とを被覆したが、これに代
えて、この液晶表示装置31においては、図39に示す
ように、ガラス基板上に密着層33と光反射膜38と上
層39とを順次積層している。その他の構成は液晶表示
装置28と同じである。
に、AgxPdy(x=99.0、y=1.0)からな
る光反射膜29(膜厚150nm)とTiO2からなる
上層30(膜厚60nm)とを積層した場合の液晶表示
装置を作製した。これを実施例6を称する。
る密着層17(膜厚10nm)と、AgxPdy(x=
99.0、y=1.0)からなる光反射膜29(膜厚1
50nm)と、TiO2からなる上層30(膜厚60n
m)とを積層した場合の液晶表示装置を作製した。これ
を実施例7と称する。
る密着層17(膜厚10nm)と、AgxPdy(x=
99.0、y=1.0)からなる光反射膜29(膜厚1
50nm)と、TiO2からなる上層30(膜厚60n
m)とを積層した場合の液晶表示装置を作製した。これ
を実施例8と称する。
gxPdy(x=99.0、y=1.0)からなる光反
射膜29(膜厚150nm)を形成した液晶表示装置も
作製した(従来例)。
来例について、反射光の波長分散を求めたところ、図4
0に示すような結果が得られた。
実施例7と実施例8との間において、反射光の光学特性
に大差がなく、均一になっていることが分かる。
反射膜29と上層30とを順次積層してなる反射型の液
晶表示装置31については、密着層17を設けることで
膜の密着性を高め、上層30を設けることで、可視光領
域の反射率をほぼ一定にすることができ、反射率の波長
分散が均一になった。
液晶表示装置16においては、密着層17をTiO
2(膜厚60nm)にて形成し、半透過膜18をAgP
dCu合金にて、すなわちAg97.5Pd1.5Cu1.0の原
子組成比にて膜厚33nmでもって被覆した。その他の
構成は、同じである。
対し、さらにCuを添加することで短波長側の反射率を
向上させている。
過膜の光学特性を測定したところ、図41に示すような
結果が得られた。ガラス基板上に上記構成のように密着
層17と半透過膜18とを順次積層したことで、可視光
領域の反射率ならびに透過率の波長分散がほぼ均一にな
り、しかも、膜の密着性が向上した。
によれば、2成分系のAgxPdyの場合にはx=9
5.0〜99.5、y=0.5〜5.0に設定するとよ
いが、3成分系の(AgxPdy)1-zCuzの場合に
は、この2成分系のAgxPdyの組成範囲に対し、さ
らにCuを3成分系合金の全体において、Z=0.001〜
0.035にするとよく、これによって高い反射率が得
られやすいことがわかった。
の合金(x=99.0、y=1.0)でもって、Cu添
加量(z値)を幾とおりにも変えて半透過膜18(膜厚
33nm)を形成し、そして、短波長での反射率と、可
視光での反射率を測定したところ、表3に示すような結
果が得られた。
価区分を決め、〇印はCuを添加したことで、顕著に向
上した場合であり、△印は、その効果が得られないこと
を示す。
りの評価区分を決め、◎印はもっとも高い反射率が得ら
れた場合であり、〇印はほんのわずか反射率が低下傾向
が認められた場合であり、△印はさらに少し反射率の低
下が確認された場合であり、×印はもっとも反射率が低
下した場合である。ただし、いずれも実用上支障のない
特性である。
0.035にすると短波長および可視光での反射率に優
れていることがわかる。
別の原子を添加した合金でもって半透過膜を形成した
が、本例ではAg単体でもって半透過膜を形成した。
示装置16においては、密着層17をTiO2(膜厚6
0nm)にて形成し、半透過膜18を高純度のAg金属
(膜厚33nm)にて形成し、その他の構成は同じであ
る。
光学特性を測定したところ、図42に示すような結果が
得られた。ガラス基板上に上記構成のように密着層17
と半透過膜18とを順次積層したことで、可視光領域の
反射率ならびに透過率の波長分散がほぼ均一になり、し
かも、膜の密着性が向上した。
るものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更や改善などは何ら差し支えない。
TN型単純マトリックスタイプのカラーもしくはモノク
ロの液晶表示装置でもって説明しているが、その他にT
N型単純マトリックスタイプの液晶表示装置やTN型ア
クティブマトリックスタイプなどのツイストネマチック
型液晶表示装置であっても、さらに双安定型の液晶表示
装置でも同様な作用効果が得られる。
よれば、基板の一方主面上に光反射膜を被覆し、この光
反射膜上に透明電極と配向層とを順次積層してなる一方
の部材と、透明基板上に透明電極と配向層とを順次積層
してなる他方の部材との間にネマチック型液晶を介在さ
せてマトリックス状に画素を配列せしめてなる装置構成
であって、前記凸状配列群と光反射膜との間に、この基
板の屈折率に比べて大きな屈折率を有する中間層を介在
し、かつ光反射膜を銀もしくは銀合金にて成している。
設けた液晶表示装置においては、光反射膜とカラーフィ
ルタとの間に、カラーフィルタの屈折率に比べて大きな
屈折率を有する中間層を介在したり、あるいは光反射膜
とオーバーコートとの間に、オーバーコートの屈折率に
比べて大きな屈折率を有する中間層を介在している。
銀もしくは銀合金からなる層を形成したことで、短波長
側の反射率を上げ、これによって可視光領域にてほぼ均
等な反射性能を達成することができ、可視光領域の反射
率をほぼ一定にすることができ、その結果、反射率の波
長分散を均一化した半透過型もしくは反射型の高性能な
液晶表示装置が提供できた。
ともなく、簡単な構造でもって製造コストを下げた低コ
ストかつ高性能な液晶表示装置が提供できた。
層を介在したことで、膜の密着性が向上し、被覆層との
密着性を高めた高品質かつ高信頼性の液晶表示装置が提
供できた。
る。
の光路を示す説明図である。
の位相を示す説明図である。
る。
とRTとの関係を示す線図である。
示す線図である。
反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
射光の標準偏差との関係を示す線図である。
と反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
と反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
ある。
る。
である。
との光路を示す説明図である。
射光との位相を示す説明図である。
す線図である。
との関係を示す線図である。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
る膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
と反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
ある。
る。
である。
ある。
ある。
る。
である。
との関係を示す線図である。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
る膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図である。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
ける膜厚と反射光の標準偏差との関係を示す線図であ
る。
る。
である。
ある。
ある。
る。
示装置 2・・・ガラス基板 3、29・・・光反射膜 4、19・・・カラーフィルター 6、20・・・オーバーコート層 7、9、21、23・・・透明電極 8、22、24・・・配向膜 10・・・液晶 12・・・前方散乱フィルム 13、14・・・位相差フィルム 15・・・偏光板 17・・・密着層 18・・・半透過膜 26、30、39・・・上層
Claims (3)
- 【請求項1】基板の一方主面上に光反射膜を被覆し、こ
の光反射膜上に透明電極と配向層とを順次積層してなる
一方の部材と、透明基板上に透明電極と配向層とを順次
積層してなる他方の部材との間にネマチック型液晶を介
在させてマトリックス状に画素を配列せしめ、さらに他
方の部材に前方散乱性部材を配した液晶表示装置であっ
て、前記基板と光反射膜との間に、この基板の屈折率に
比べて大きな屈折率を有する中間層を介在し、かつ光反
射膜を銀もしくは銀合金にて成すことで、半透過型また
は反射型に構成せしめたことを特徴とする液晶表示装
置。 - 【請求項2】基板の一方主面上に光反射膜を被覆し、こ
の光反射膜上にカラーフィルタと透明電極と配向層とを
順次積層してなる一方の部材と、透明基板上に透明電極
と配向層とを順次積層してなる他方の部材との間にネマ
チック型液晶を介在させてマトリックス状に画素を配列
せしめ、さらに他方の部材に前方散乱性部材を配した液
晶表示装置であって、前記光反射膜とカラーフィルタと
の間に、カラーフィルタの屈折率に比べて大きな屈折率
を有する中間層を介在し、かつ光反射膜を銀もしくは銀
合金にて成すことで、半透過型または反射型に構成せし
めたことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項3】基板の一方主面上に光反射膜を被覆し、こ
の光反射膜上にオーバーコートと透明電極と配向層とを
順次積層してなる一方の部材と、透明基板上に透明電極
と配向層とを順次積層してなる他方の部材との間にネマ
チック型液晶を介在させてマトリックス状に画素を配列
せしめ、さらに他方の部材に前方散乱性部材を配した液
晶表示装置であって、前記光反射膜とオーバーコートと
の間に、オーバーコートの屈折率に比べて大きな屈折率
を有する中間層を介在し、かつ光反射膜を銀もしくは銀
合金にて成すことで、半透過型または反射型に構成せし
めたことを特徴とする液晶表示装置。
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