JP4799474B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は反射型(反射モード)と透過型(透過モード)の双方の機能を有する晶表示装置に関し、とくにホワイトバランス調整をおこなう晶表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置は小型もしくは中型の携帯情報端末やノートパソコンの他に、大型かつ高精細のモニターにまで使用されている。とくに携帯情報端末などのように屋外・屋内両方にわたって使用される機器においては、外光が十分強い環境では表示装置の照明手段として積極的に外光を利用し、外光が弱い環境ではバックライトを使用するという半透過型の表示装置が主流として用いられている。
反射型液晶表示装置には、後方に配設した基板の内面に対し凹凸形状の光反射層を形成した散乱反射型があるが、バックライトを用いないことで、周囲の光を有効に利用している。
また、光反射層に代えて、半透過膜を形成し、バックライトを設け、反射モードや透過モードに使い分ける半透過型液晶表示装置も開発されている。
この半透過型液晶表示装置によれば、太陽光、蛍光灯などの外部照明によって反射型の装置として用いたり、あるいはバックライトを装着して透過型の装置として使用するが、双方の機能を併せ持たせるために、半透過膜を使用している(特許文献1参照)。また、アクティブマトリクス型半透過型液晶表示装置に同様な目的で半透過膜を使用することも提案されている(特許文献2参照)。
また、かかるハーフミラーの半透過膜を使用すると、反射率と透過率の双方の機能をともに向上させることが難しいという課題があり、この課題を解消するために、光透過用ホールを設けた反射膜を上記の半透過膜に代えて使用する半透過型液晶表示装置も提案されている(特許文献3参照)。
さらに、上記半透過液晶表示装置では、透過モードでは光はカラーフィルターを1回通過するのに対して、反射モードは光がカラーフィルターを2回通過することで、反射モードに比べて透過モードの色純度が低下していた。そのため、透過モードと反射モードで使用する領域を空間分割し、透過モードの領域のカラーフィルターを、反射モードの領域のカラーフィルターに比べて、膜厚を厚くすることによって、透過モードの色純度を向上させた半透過型液晶表示装置も提案されている(特許文献4と特許文献5参照)。
また、反射モードの領域のカラーフィルターにピンポールをあけることによって、反射モードの色純度を透過モードの色純度と同等にさせた半透過型液晶表示装置も提案されている。
特開平8−292413号公報 特開平7−318929号公報 特許第2878231号公報 特開2000−298271号公報 特開2001−166289号公報
しかしながら、上述したごとき半透過型液晶表示装置においては、透過モードにて光源としてLEDランプを使用し、他方、反射モードにおいては、室内で使用する際、光源として蛍光灯を、屋外で使用する際、光源として太陽光を利用することになり、このように透過モードと反射モードにおいて光源が異なっていた。
したがって、透過モードおよび反射モードとの双方に対し、色設計、ホワイトバランス設計をそれぞれ独立して行う必要がある。
また、カラーフィルターについては、R(赤)G(青)B(緑)により形成するが、特許文献4と特許文献5により提案された技術でもってしても、透過モードと反射モードのRGBからなるホワイトバランスを独立に設定することはできなかった。
したがって、本発明の目的は反射モードの色純度を透過モードの色純度とほぼ同等にさせた晶表示装置に対し、さらに透過モードと反射モードのRGBからなるホワイトバランスを独立に設定し得るようにした晶表示装置を提供することにある。
本発明に係る液晶表示装置は、第1基板と、該第1基板上に設けられ且つ光透過部を有する光反射膜と、少なくとも一部が前記光透過部に被着する透明樹脂層と、少なくとも一部が前記透明樹脂層上に設けられ且つ色の異なる複数の着色層と、隣り合う前記着色層間に位置するブラックマトリクスとを含んでなる一方部材と、前記第1基板に対向する第2基板を含んでなる他方部材と、前記一方部材と前記他方部材との間に介在する液晶層と、前記第1基板に対向して配置されたバックライトと、を備え、前記光反射膜の一部は、前記ブラックマトリクスと前記バックライトとの間に位置しており、前記透明樹脂層の前記光透過部に対する被着面積は、前記複数の着色層の各々に対応させて、該複数の着色層のうちの少なくとも一つの着色層で異なるように設定されている。
本液晶表示装置において前記複数の着色層は、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層によって構成され、前記被着面積は、前記赤色着色層に対応する部位および前記緑色着色層に対応する部位に比べて、前記青色着色層に対応する部位の方が小さいのが好ましい。
本液晶表示装置において前記複数の着色層は、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層によって構成され、前記被着面積は、前記赤色着色層に対応する部位と前記緑色着色層に対応する部位とが等しいのが好ましい。
本液晶表示装置において前記透明樹脂層はアクリルからなるのが好ましい。
本発明の晶表示装置によれば、透明樹脂層に対し個々の着色層に対応して、この透明樹脂層の光透過部に対する被着面積を異ならしめたことで、次のような作用効果を得ることができる。
透過モードに必要とされる透過率・色再現性を基準にして、光反射性金属層の光透過部の面積とカラーフィルター(着色層)の各要素(色の濃さ・厚み)を設定した場合、従来の液晶パネルや液晶表示装置によれば、そのカラーフィルターでは反射モード用領域にも同じ色の濃さ・厚みの着色層が形成され、これによって、反射モードにおいて表示が暗くなっていた。
これに対し、本発明のように各着色層の反射モード用領域に対し、透明樹脂層の光透過部に対する被着面積を異ならしめたことで、その透過モード用領域のカラーフィルター(着色層)として用いる量を加減することができ、さらに透過モードにおける表示を反射モードに近づけることができる。逆に、反射モード用領域の着色層は、透過モード用領域の着色層に比べて、その厚みを薄く形成したのと同じ効果を得ることができ、反射モードにおける明るさの低下を減少させたり、その低下がないようにしたことに相当する。
そして、本発明によれば、上記のごとく光反射性金属層に対し画素ごとに光透過部を設けて、透過モードと反射モードの双方に適用するに当り、各着色層の透過モード用領域に対し、透明樹脂層の光透過部に対する被着面積を適当な条件が得られるように、この透明樹脂層を設け、これによって透過モードと反射モードのRGBからなるホワイトバランスを独立に設定し得るようになし、このようなホワイトバランス調整をおこなうことで高品質かつ高性能な晶表示装置が得られる。
本発明をSTN型単純マトリックス方式の液晶表示装置でもって図面により説明する。
図1は本発明の半透過型液晶表示装置Aの断面模式図であり、図2と図3は半透過型液晶表示装置Aに係る光反射膜と着色層との双方の関係を示す模式図であって、図2は要部断面図、図3は要部平面図である。
なお、本発明の特徴は、透明樹脂層に対し個々の着色層に対応して、該透明樹脂層の光反射膜に対する被着面積を異ならしめた点であるが、図1に示す半透過型液晶表示装置Aによれば、その構成が明示されていないが、詳細には図2と図3にて示す。
液晶表示装置Aの一方部材によれば、1はコモン側のガラス基板であり、このガラス基板1の上に、たとえばアルミニウム金属材などからなる光反射膜2を形成し、この光反射膜2上に、たとえば新日鉄化学製PHA094X、PHA103X等のアクリルからなる透明樹脂層Pを形成し、さらに透明樹脂層Pの上に着色層3を形成し、さらに着色層3を覆うようにアクリル系樹脂からなるオーバーコート層4を被覆する。そして、オーバーコート層4の上に多数平行にストライプ状配列したITOから成る透明電極5、および一定方向にラビングしたポリイミド樹脂から成る配向膜6を順次積層する。なお、透明電極5と配向膜6との間に樹脂やSiO等から成る絶縁膜を介在させてもよい。
かかる構成の光反射膜2は、まずガラス基板1の上にスパッタリングにより一様にアルミニウム金属膜を成膜し、次いでこのアルミニウム金属膜に対し、レジスト塗布、露光、現像、アルミニウム金属膜のエッチング、レジスト剥離という一連のフォトリソグラフィ工程によって、所要通りの形状になるように光透過部7をパターニングして取り除く。
本発明においては、光反射膜2に対し個々の着色層3に対応して、すなわち赤、緑、青という色の違いに応じて透明樹脂層Pの光透過部7に対する被着面積を異ならしめる。
このように光反射膜2に対し個々の着色層3に対応して、赤、緑、青という色に応じて光通過面積の光透過部7を設けるが、かように画素ごとに光透過部を設けることで、この光透過部にて透過モードとなし、光透過部以外の領域にて反射モードとなす。
なお、光反射膜2の材料としてAl材に代えて、AlNdなどのAl合金、Ag金属およびAg合金等の金属膜を使用してもよい。
着色層3であるカラーフィルターは顔料分散方式、すなわちあらかじめ顔料(赤、緑、青)により調合された感光性レジストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィにより形成してもよい。この顔料分散方式によれば、そのフォトリソグラフィにおいて同時に形成することができる。
なお、着色層3であるカラーフィルターを形成するに当り、上記のような顔料分散方式に代えて、染色法を用いてもよい。
また、光反射膜2と着色層3との双方の関係を示す図2と図3によれば、各着色層3をブラックマトリックス18によって囲んだ構成にしてもよい。
つぎに他方部材においては、9はセグメント側のガラス基板であり、このガラス基板9の上には多数平行に配列したITOからなるストライプ状透明電極群10を形成し、さらにストライプ状透明電極群10上に一定方向にラビングしたポリイミド樹脂からなる配向膜11を形成している。
ついで、これらガラス基板9とガラス基板1とを、たとえば200〜260°の角度でツイストされたカイラルネマチック液晶からなる液晶層12を介して、双方のストライプ状透明電極群5、10が交差(直交)するように、シール部材(図示せず)により貼り合わせる。また、図示していないが、両ガラス基板1、9間には液晶層12の厚みを一定にするためにスペーサを多数個配している。
さらにガラス基板9の外側にポリカーボネートからなる第1位相差板13、第2位相差板14、ヨウ素系の偏光板15とを順次積み重ね、ガラス基板1の外側にポリカーボネートからなる第3位相差板16、ヨウ素系の偏光板17とを順次積み重ねている。これらの配設にあたっては、アクリル系の材料からなる粘着材を塗布することで貼り付ける。
そして、ガラス基板1側の偏光板17に対し、たとえばLEDや冷陰極管などの光源部と導光板からなるバックライトユニットを密着させて配設する。
かくして本発明の半透過型液晶表示装置Aによれば、各着色層3の反射モード用領域に透明樹脂層Pに対し個々の着色層3に対応して、この透明樹脂層Pの光透過部7に対する被着面積を異ならしめたことで、透過モード用領域のカラーフィルター(着色層3)として用いる量を加減することができ、さらに透過モードにおける表示を反射モードに近づけることができる。逆に、反射モード用領域の着色層は、透過モード用領域の着色層に比べて、その厚みを薄く形成したのと同じ効果を得ることができ、反射モードにおける明るさを透過モードにおける明るさに近づけることができる。
併せて、本発明によれば、上記のごとく光反射膜2に対し個々の着色層3に対応して、赤、緑、青という色に応じて光通過面積の光透過部7を設け、さらに透明樹脂層Pの光透過部7に対する被着面積を異ならしめたことで、すなわち、このようにして各RGBに対し、それぞれ透過率と反射率とを違えて、透過モードと反射モードのRGBからなるホワイトバランスを独立に設定し得るように色設計をなし、かかる色設計とホワイトバランス調整をおこなうことで高品質かつ高性能な半透過型液晶表示装置Aが得られる。
つぎに実施例を述べる。
上述した本発明の半透過型液晶表示装置Aに対し、透過モード、反射モードそれぞれ独立して色設計、ホワイトバランスを設定すべく、各着色層3に対し、RGBごとに透過率と反射率を所要とおりに決定する。
すなわち、実施例においては、光反射膜2に対し個々の着色層3に対応して、すなわち赤(R)、緑(G)、青(B)という色の違いに応じて透明樹脂層Pの光透過部7に対する被着面積を異ならしめるが、表1に示すごとく、この被着面積の比率は、R(赤)の画素において光透過部7の全体に対して30%、G(緑)の画素では光透過部7の全体に対して30%、B(青)の画素では光透過部7の全体に対して0%を占めるような構造にする(同表中の「透明樹脂/透過部」は、この被着面積の比率として示す)。
Figure 0004799474
また、従来例(比較例)として、上記構成の半透過型液晶表示装置Aにおいて、その光透過部7に対し個々の着色層3に対応して、赤、緑、青という各色に対し同じ被着面積比率でもって透明樹脂層Pを形成し、その他の構成を半透過型液晶表示装置Aと同じにした半透過型液晶表示装置Bを作製した。
また、光反射膜2の光透過部7の光通過面積は、RGB各画素とも画素全体に対し30%を占めている。
さらにまた、本発明の半透過型液晶表示装置Aと比較例の半透過型液晶表示装置Bとの双方の光学特性における色度図を図4と図5に示す。
図4は双方の透過モードにおける色度図を示し、図5は双方の反射モードにおける色度図を示す。
以上のごとく、本発明に係る実施例については、従来例(比較例)に比べて、反射モードについては、本発明に係る実施例と、従来例(比較例)のR、G、BのホワイトバランスWの色度は同じであるが、透過モードについては(x、y)=(0.008、0.008)大きくなっている。そして、実施例によれば、従来例に比べて、ホワイトバランスが、透過モードは変わらずに、反射モードにて黄色い方向に移動していることが分かる。ここで、反射モードについてはホワイトバランスが変わらないが、RGBのCFのバランスを変えることにより調整が可能である。
参考までに、本実施例にて用いた光学特性の評価方法を説明する。
反射モードの場合には、液晶表示装置の表示面に対し、斜め上部15°から光(C光源)を入射させ、そして、液晶表示装置を駆動させた際(白表示、黒表示、赤表示、緑表示、青表示)の垂直方向の反射光の反射率、コントラスト、色域面積を測定することで評価結果を得た。
また、透過モードについては、バックライトを除く液晶パネルの裏面に対し、光(C光源)を入射させ、そして、液晶表示装置を駆動させた際(白表示、黒表示、赤表示、緑表示、青表示)の垂直方向の透過光の透過率、コントラスト、色域面積を測定することで評価結果を得た。
さらにまた、図6において色域面積の定義図を示す。色域面積は各RGB色度点を囲んだ面積とNTSCとの比を示す。この面積が大きいほど、色再現性が高くなり、色純度の高いパネル表示が得られる。
なお、本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。たとえば、上記半透過型液晶表示装置AはSTN型単純マトリックス方式であるが、この方式に代えてTFTやTFDを内設したアクティブ型の液晶表示装置でも同じ作用効果を奏する。
本発明の半透過型液晶表示装置の断面模式図である。 本発明の半透過型液晶表示装置に係る光反射膜と透明樹脂層との双方の関係を示す断面模式図である。 本発明の半透過型液晶表示装置に係る光反射膜と透明樹脂層との双方の関係を示す平面模式図である。 本発明の半透過型液晶表示装置と比較例の半透過型液晶表示装置との双方の透過モードにおける色度図である。 本発明の半透過型液晶表示装置と比較例の半透過型液晶表示装置との双方の反射モードにおける色度図である。 色域面積の定義図を示す図である。
符号の説明
1…コモン側のガラス基板
2…光反射膜
3…着色層
4…オーバーコート層
5、10…透明電極
6、11…配向膜
7…光透過部
8…切欠部
9…セグメント側のガラス基板
12…液晶層
13、14、16…位相差板
17…偏光板
18…ブラックマトリックス
P…透明樹脂層

Claims (4)

  1. 第1基板と、該第1基板上に設けられ且つ光透過部を有する光反射膜と、少なくとも一部が前記光透過部に被着する透明樹脂層と、少なくとも一部が前記透明樹脂層上に設けられ且つ色の異なる複数の着色層と、隣り合う前記着色層間に位置するブラックマトリクスとを含んでなる一方部材と、
    前記第1基板に対向する第2基板を含んでなる他方部材と、
    前記一方部材と前記他方部材との間に介在する液晶層と、
    前記第1基板に対向して配置されたバックライトと、を備え、
    前記光反射膜の一部は、前記ブラックマトリクスと前記バックライトとの間に位置しており、
    前記透明樹脂層の前記光透過部に対する被着面積は、前記複数の着色層の各々に対応させて、該複数の着色層のうちの少なくとも一つの着色層で異なるように設定されている、液晶表示装置
  2. 前記複数の着色層は、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層によって構成され、
    前記被着面積は、前記赤色着色層に対応する部位および前記緑色着色層に対応する部位に比べて、前記青色着色層に対応する部位の方が小さい、請求項1に記載の液晶表示装置
  3. 前記複数の着色層は、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層によって構成され、
    前記被着面積は、前記赤色着色層に対応する部位と前記緑色着色層に対応する部位とが等しい、請求項1または2に記載の液晶表示装置
  4. 前記透明樹脂層は、アクリルからなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶表示装置
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