JP2002214546A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

Info

Publication number
JP2002214546A
JP2002214546A JP2001142370A JP2001142370A JP2002214546A JP 2002214546 A JP2002214546 A JP 2002214546A JP 2001142370 A JP2001142370 A JP 2001142370A JP 2001142370 A JP2001142370 A JP 2001142370A JP 2002214546 A JP2002214546 A JP 2002214546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
input
output
switch
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001142370A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2001142370A priority Critical patent/JP2002214546A/ja
Priority to US09/987,387 priority patent/US6657771B2/en
Priority to US09/987,719 priority patent/US6879745B2/en
Publication of JP2002214546A publication Critical patent/JP2002214546A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/35Optical coupling means having switching means
    • G02B6/351Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/32Optical coupling means having lens focusing means positioned between opposed fibre ends
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/35Optical coupling means having switching means
    • G02B6/351Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements
    • G02B6/3512Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements the optical element being reflective, e.g. mirror
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/35Optical coupling means having switching means
    • G02B6/351Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements
    • G02B6/3524Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements the optical element being refractive
    • G02B6/3526Optical coupling means having switching means involving stationary waveguides with moving interposed optical elements the optical element being refractive the optical element being a lens
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/35Optical coupling means having switching means
    • G02B6/354Switching arrangements, i.e. number of input/output ports and interconnection types
    • G02B6/35543D constellations, i.e. with switching elements and switched beams located in a volume
    • G02B6/3556NxM switch, i.e. regular arrays of switches elements of matrix type constellation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間を伝搬する光ビームの偏向角度の設定
を、良好な精度で行う。 【解決手段】 光スイッチ26は、複数個の光入力ポー
ト10を有する入力側スイッチ要素12と、複数個の光
出力ポート14を有する出力側スイッチ要素16とを備
える。入力側スイッチ要素は、光入力ポートの各々に、
2個の光偏向素子18aおよび18bからなる入力側光
偏向素子群20を備える。これら光偏向素子は、光入力
ポートに入射される光信号の入射方向に沿って配置され
る。出力側スイッチ要素は、光出力ポートの各々に、2
個の光偏向素子22aおよび22bからなる出力側光偏
向素子群24を備える。これら光偏向素子は、光出力ポ
ートから出射される光信号の出射方向に沿って配置され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数個の入力ポ
ートのうちのいずれかに入力された光信号を、複数個の
出力ポートのうちのいずれかに出力させる光スイッチに
関する。
【0002】
【従来の技術】文献1「Proceedins of 3rd Internatio
nal Conference on Micro Opt Electro Mechanical Sys
tems(MOEMS 99),Paper 26,29th/8/'99」、文献2「米国
特許第5923480号,13th/7/1999」、文献3「特開
2000−10029」および文献4「Optical Fiber
Communication (OFC) 2000 論文集 講演PD20,2
000年3月」に、従来の光スイッチが開示されてい
る。
【0003】ここでは、従来の光スイッチの一例とし
て、文献3特開2000−10029号公報に記載され
ているものを、図44に示す。
【0004】図44(A)は、この従来の光スイッチ4
400の構成の説明図である。この光スイッチ4400
は、幾つかの光偏向素子4402(4402a、440
2b)とミラー4404とを具える。
【0005】ミラー4404は光スイッチ4400内の
所定位置に固定されている。また、光偏向素子4402
は、このミラー4404と空間を隔てて向き合う基板4
406上に、整列されて、配置されている。
【0006】上述の光偏向素子4402(4402a、
4402b)のそれぞれに対して、光入出力ポートが設
けられる。これらの光入出力ポートには、光ファイバ4
408(4408a、4408b)の端部が挿入され、
さらにこの端部は光偏向素子4402内に挿入され、そ
の内部に固定されている。
【0007】次に、上記の構成の光スイッチ4400に
おける動作を説明する。この光スイッチ4400におい
ては、それぞれの光入出力ポートで、光の入力と出力が
同時に行われている。
【0008】光ファイバ4408bの端部より出射した
光は、光偏向素子4402bに入力され、ここで偏向さ
れる。その後、光偏向素子4402bより出射された光
は、ミラー4404にて反射され、再び光偏向素子44
02aに入射する。この光偏向素子4402aにて、光
ファイバ4408a内に導かれ、光入出力ポートより出
力される。
【0009】次に、光偏向素子4402の構成を図44
(B)に示す。この光偏向素子4402中には、光入出
力ポートより挿入された光ファイバ4408と、コリメ
ートレンズ4410、固定ミラー4412、可動ミラー
4414が設置されている。
【0010】光入出力ポートより入力された光は、光偏
向素子4402内の光ファイバ4408の端部より出射
される。この光は、コリメートレンズ4410によって
集光され、固定ミラー4412に反射されて可動ミラー
4414方向に偏向される。そして、この可動ミラー4
414において、任意の偏向角で反射される。
【0011】この可動ミラー4414は光の入射方向
に、垂直な回転軸を有しており、2軸に可動する。可動
ミラー4414の回転の調整は、任意の手段を用いて行
われている。
【0012】よって、この可動ミラー4414において
は、任意の偏向角でミラー4404(図44(A))に
向けて光を反射することができる。そして、光はミラー
4404を経て、所定の光偏向素子4402aの方向
へ、出射される。
【0013】一方、再び光偏向素子4402aに入射し
た光は、図44(B)に示した矢印の方向とは逆方向に
進み、可動ミラー4414によって偏向される。その
後、光は固定ミラー4412によって反射されて、コリ
メートレンズ4410にて集光され、光ファイバ440
8a内に入力され、入出力ポートより出力される。この
場合、可動ミラー4414では、光ファイバ4408a
へ光を入射させるために、偏向角の調整が行われる。
【0014】以上のように、この種の光スイッチは、一
段の光偏向素子群で構成され、これらは、それぞれ可動
ミラー若しくは可動レンズが用いられる。そして、可動
ミラー(あるいは可動レンズ)を用いて空間を伝搬する
光ビームの方向を制御することで、所定の出力ポートへ
光信号を導く。この光スイッチによれば、3次元空間配
線を用いているため、ポート数の拡大が容易である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような光スイッチでは、一つの偏向素子で、空間を伝搬
する光ビームの偏向角度の設定を、かなり高い精度で行
う必要がある。また、以下に説明するように、その精度
の実現は非常に困難である。
【0016】通常の光通信システムで用いられる光ファ
イバの直径は8ミクロン程度である。光ファイバに対し
て、1ミクロン程度の位置ずれ精度で光を入力しなけれ
ば、ロスが1dB以上生じて、実用上問題となる。出力
ポートの間隔は実装上数百ミクロン以上必要とされるの
で、2チャンネルの装置であっても、偏向角には0.1
%程度の精度が必要である。さらにこれが、数十チャネ
ル以上の装置となると10-4台の精度が要求される。
【0017】また、可動ミラーを用いた100チャネル
の装置では、偏向角に1%程度の精度が必要とされる。
さらにこれが、千チャネル以上の装置となると0.3%
の精度が要求される。
【0018】従来、この問題を解決する方法として、光
ビームに位置検出用の信号をのせて偏向角を検出し、検
出された角度を偏向角コントロール系にフィードバック
する方法が知られている。しかし、この方法には、電気
的処理速度の関係で高速なスイッチングが行えないとい
う欠点がある。偏向用ミラーに角度検出機構を組み込
み、フィードバックにより制御する方法も知られている
が、高い精度が得られないという欠点がある。
【0019】この発明の目的は、以上のような従来技術
の問題点に着目して、光スイッチに設けられた各光偏向
素子が必要とする精度を緩和することにある。
【0020】また、この発明の他の目的は、チャネル数
の増大をはかり、光スイッチング速度を高速で行うこと
にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の光スイ
ッチによれば、複数個の光入力ポートを有する入力側ス
イッチ要素と、複数個の光出力ポートを有する出力側ス
イッチ要素とを備える。この光スイッチは、光入力ポー
トのいずれかに入力された光信号を、光出力ポートのい
ずれかから出力させるものである。
【0022】上述の入力側スイッチ要素は、光入力ポー
トの各々に、光信号の入射方向に沿って配置された複数
個の光偏向素子からなる入力側光偏向素子群を備える。
また、上述の出力側スイッチ要素は、光出力ポートの各
々に、光信号の出射方向に沿って配置された複数個の光
偏向素子からなる出力側光偏向素子群を備える。
【0023】この第1の光スイッチの構成によれば、光
ファイバより出力した光信号が、入射光として各光偏向
素子に入射され、複数個の光偏向素子によって偏向さ
れ、所望の光出力ポートへ向けて出射される。このた
め、入力側光偏向素子群に含まれる各光偏向素子に、偏
向角度の精度は振り分けられる。したがって、各光偏向
素子の必要精度が緩和される。
【0024】また、この発明の第2の光スイッチによれ
ば、複数個の光入力ポートと複数個の光出力ポートとを
有しており、光入力ポートのいずれかに入力された光信
号を、光出力ポートのいずれかから出力させる光スイッ
チにおいて、光入力ポートの各々に入力側光偏向素子を
備え、光出力ポートの各々に出力側光偏向素子を備え、
光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、光出力
ポートに接続された出力側光ファイバとを備えていて、
光入力ポートおよび光出力ポートに、それぞれ入力側光
ファイバおよび出力側光ファイバの光入出力角を拡大す
るための光学系を備える。
【0025】この第2の光スイッチの構成によれば、回
折角度を大きくとることにより、必要な光束幅を確保し
つつ、レンズとレンズ焦点面との距離を縮めることが可
能である。この結果、必要な精度を確保しつつもチャネ
ル数の増大が図れる。
【0026】また、この発明の第3の光スイッチによれ
ば、複数個の光入力ポートと複数個の光出力ポートとを
有しており、光入力ポートのいずれかに入力された光信
号を、光出力ポートのいずれかから出力させる光スイッ
チにおいて、光入力ポートの各々に入力側光偏向素子を
備え、光出力ポートの各々に出力側光偏向素子を備え、
光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、光出力
ポートに接続された出力側光ファイバとを備えていて、
光入力ポートおよび光出力ポートに、光のビーム径を拡
大するための光学系を備える。
【0027】この光学系は、幅広の導波部であるカプラ
と、このカプラの端面に平行な面内に配置された複数個
の小レンズから構成されるコリメータレンズを備えてい
る。
【0028】よって、この第3の光スイッチの構成によ
れば、このコリメータレンズにおいて、回折角を大きく
しなくても、同一の光束径、焦点距離で、必要な精度を
確保しつつもチャネル数の増大が図れる。
【0029】また、この発明の第4の光スイッチによれ
ば、複数個の光入力ポートと複数個の光出力ポートとを
有しており、光入力ポートのいずれかに入力された光信
号を、光出力ポートのいずれかから出力させる光スイッ
チにおいて、光入力ポートの各々に、光信号の入射方向
に垂直な回転軸を有する可動ミラーを入力側光偏向素子
として備え、光出力ポートの各々に、光信号の出射方向
に垂直な回転軸を有する可動ミラーを出力側光偏向素子
として備え、入力側光偏向素子および出力側光偏向素子
間に、入力側の可動ミラーで反射された光を出力側の可
動ミラーに集光するための光学素子が設けられている。
【0030】このとき、光入力ポートに備えられた光フ
ァイバおよび可動ミラー間には、光入力ポートごとにコ
リメータレンズが設けられている。同様に、光出力ポー
トに備えられた光ファイバおよび可動ミラー間には、光
出力ポートごとにコリメータレンズが設けられている。
【0031】この構成によれば、全ての光入力ポートに
備えられた光ファイバからの光は、これらコリメータレ
ンズによって可動ミラー上に集光することが可能とな
る。よって、可動ミラーの角度制御精度が緩和されるの
で、ミラー角の切り替えを高速で行うことが可能にな
る。
【0032】また、この発明の第5,第6の光スイッチ
は、複数個の光入力ポートを有する入力側スイッチ要素
と、複数個の光出力ポートを有する出力側スイッチ要素
を備え、これらの間に、光学素子が配設されている。こ
の光学素子は、光入力ポートからの各光信号が、入射光
として入射され、かつ、この入射光に対応する出射光
を、各光線束の中心光路が互いに平行となるように、出
射させる。そして、この出射光を再び各光信号として、
光出力ポートの各々に対応付けられて設けられた光ファ
イバへ出力する。
【0033】この構成の光スイッチにおいては、光学素
子として、一枚で構成される凸レンズ、ホログラムが用
いられる。
【0034】また、この光学素子を挟んで前後に対称的
に、出力側スイッチ要素と入力側スイッチ要素は配置さ
れる。
【0035】ところで、第5の光スイッチにおいて、複
数個の入力ポートの各々は、これら入力ポートに対応付
けられた入力側レンズ系を有し、複数個の出力ポートの
各々は、これら出力ポートに対応付けられた出力側レン
ズ系を有していて、入力側レンズ系から出力側スイッチ
要素へ光が出射する面、及び入力側スイッチ要素から出
力側レンズ系へ光が入射する面には、凹レンズが設置さ
れている。
【0036】よってこの第5の光スイッチにおいて、各
入力ポートから出射した光は、この凹レンズを通過し
て、発散する光に変換される。そして、出力ポートと入
力ポートの間に設置された光学素子によって、光線束の
中心光路は互いに平行に出力ポートに入射される。どの
出力ポートに入射するかは、この凹レンズからの出射角
による。しかし、この出射角は、凹レンズへの光束の入
射角に依存しない。
【0037】ここで、この第5の光スイッチにおいて、
光学素子として凹面鏡を用いたときは、入力側スイッチ
要素と出力側スイッチ要素を共用することができる。
【0038】ところで、第6の光スイッチにおいて、光
学素子として凸レンズを用いたとき、この凸レンズは、
第1凸レンズと、第1凸レンズを挟んで形成される第2
凸レンズとから形成される。第2凸レンズは一枚で構成
されるが、第1凸レンズは、複数個のレンズが一平面内
に配列された構造のコリメート用素子である。
【0039】そして、この第6の光スイッチにおいて
は、複数個の入力ポートの各々は、これら入力ポートに
対応付けられた入力側レンズ系を有し、複数個の出力ポ
ートの各々は、これら出力ポートに対応付けられた出力
側レンズ系を有していて、入力側レンズ系及び出力側レ
ンズ系は、固定レンズ(もしくは光信号の入射方向また
は出射方向に垂直な面内で移動可能な可動レンズ)と、
光信号の入射方向または出射方向に垂直な回転軸を有す
る可動ミラーとから構成されている。この可動ミラー
は、第1凸レンズに対して、ひとつ置きにではなく、連
続して基板上に配列される。
【0040】このとき、入力側レンズ系に設けられた可
動ミラーは、第2凸レンズの焦点位置に配置される。ま
た、入力側レンズ系に設けられた可動ミラーのすべての
光束が、出力側スイッチ要素に到達するように、光学素
子を対称軸として前後で対象の位置に、入力側スイッチ
要素と、出力側スイッチ要素は配置される。
【0041】このような構成の第6の光スイッチにおい
ては、入力側レンズ系に設けられた可動ミラーの位置と
第1凸レンズの相対位置によって、出力側レンズ系に設
けられた可動ミラーのどれに行くかは決まるため、第1
凸レンズのどれを選ぶかによって、どの出力ポートより
光信号が出力するか決定される。
【0042】つぎに、この発明の第7の光スイッチは、
マトリックス配列された複数の入力ポートを有する入力
側スイッチ要素と、マトリックス配列された複数の出力
ポートを有する出力側スイッチ要素とを備えている。そ
して、この入力ポートの各々は、これら入力ポートに対
応付けられた入力側レンズ系を有し、同様に出力ポート
の各々は、これら出力ポートに対応付けられた出力側レ
ンズ系を有している。入力ポート側より出力した光信号
は、出力ポート側に出力される。
【0043】さらに、この入力側及び出力側レンズ系の
うち、マトリックス配列の少なくとも周縁側の入力側及
び出力側レンズ系を、この周縁側の入力側レンズ系を通
る光信号を、マトリックス配列の中心側の出力側レンズ
系に導くことが出来るように動作する固定もしくは可動
レンズ系とする。
【0044】以上のような、第5〜7の光スイッチの構
成によれば、出力ポートへ光を出射させるとき、入力側
スイッチ要素のどの入力ポートにある光偏向素子におい
ても、とりうる偏向角の値の範囲は同じであるため、チ
ャネル数の増大をはかることができる。
【0045】また、第6、7の光スイッチは、入力側レ
ンズ系に設けられた可動ミラーの傾き角と出力ポートの
関係が一対一に対応できるため、駆動が簡単となる。
【0046】次に第8の光スイッチは、複数個の光入力
ポートを有する入力側スイッチ要素と、複数個の光出力
ポートを有する出力側スイッチ要素とを備え、光入力ポ
ートのいずれかに入力された光信号を、光出力ポートの
いずれかから出力させる。
【0047】この第8の光スイッチにおいて、入力側ス
イッチ要素は、第1及び第2光ユニットを備え、及び出
力側スイッチ要素は、第3及び第4光ユニットを備えて
いる。
【0048】ここで、第1光ユニットは、入力側導光路
と、入力側導光路からの光信号を集光する入射側レンズ
系との組合せを、光入力ポートの各々に対応付けて複数
対備え、第2光ユニットは、入射側レンズ系と対応付け
て設けられ、これら入射側レンズ系からの光信号を反射
させる複数の第1可動ミラーを備えている。入力側導光
路は入射側レンズ系の各々に、対応付けて設けられてい
る。
【0049】また、第3光ユニットは、第2光ユニット
の可動ミラーからの光信号を個別に反射させる複数の第
2可動ミラーを備え、第4光ユニットは、第2可動ミラ
ーからの光信号を集光する出射側レンズ系と、このレン
ズ系から光信号が入射する出力側導光路との組合せを、
光出力ポートの各々に対応付けて複数対備えている。
【0050】また、これら第1、第2、第3、第4光ユ
ニットは、共通の基板上に設けられている。
【0051】さらに、第1光ユニット内は、入力側導光
路が第1基板に固定されており、同様に入射側レンズ系
も第2基板に固定されており、第4光ユニット内は、出
射側レンズ系が第3基板に固定されており、同様にして
出力側導光路も第4基板に固定されている。
【0052】この第8の光スイッチは、好ましくは、第
1基板から第4基板に、熱膨張係数が小さいか、同一の
基板を用いる。
【0053】さらに、この第8の光スイッチは、第1基
板から第4基板、さらに共通基板の熱膨張係数が小さい
か、同一である場合があってもよい。
【0054】この第8の光スイッチにおいて、第1光ユ
ニットに設けられた入力側導光路から出射した光信号
は、入射側レンズ系の入射光となる。そして、ここで集
光され、第2光ユニットに設けられた第1可動ミラーに
て、第3光ユニットに設けられた所望の第2可動ミラー
へ偏向される。この第2可動ミラーにてさらに偏向され
た光は、第4光ユニットに設けられたレンズ系を経て、
出力側導光路に入射される。
【0055】ここで温度変動により、共通基板が膨張し
たとする。このとき、第1光ユニット及び第4光ユニッ
トは、共通基板と同様に膨張する。
【0056】しかし、第1基板と第2基板、及び第3基
板と第4基板の熱膨張係数が同一であれば、第2光ユニ
ットに設けられた第1可動ミラーへの光の入射位置ずれ
は生じるが、入射角度は変動しない。この第1可動ミラ
ーの角度における温度変動は小さいので、光ビームの伝
搬角度も変化はない。
【0057】このとき第3光ユニットに設けられた第2
可動ミラーにおいても、光は入射位置が変動するだけで
あって、入射角度の変動は無い。また、第2可動ミラー
の温度による角度変化は小さいため、出射側レンズ系へ
の光の入射位置は変動するものの、入射角度の変動は無
い。
【0058】このように第8の光スイッチの構成におい
ては、温度変化があったとしても焦点位置ずれを最小と
し、光ファイバへの入力角度ずれのみを生じさせ、光出
力に対する影響がより少ない構造としたため、温度変化
による出力パワー変動を抑えることが可能となる。
【0059】つぎに、これら第1〜8の光スイッチを用
いた光スイッチ装置について、説明する。この発明の光
スイッチを用いた光スイッチ装置は、スイッチング用可
動部を有する光スイッチと、光スイッチからの出射光を
モニタするモニタ部と、モニタ部からのモニタ信号に応
答して、スイッチング用可動部を制御することにより、
光スイッチのスイッチングの制御状態を調整するための
動作制御部とを備える。
【0060】この光スイッチ装置は、第1の光スイッチ
と第2の光スイッチを有している。
【0061】スイッチング用可動部は、構成が全く同一
で、第1及び第2の光スイッチへ光信号を入力する第1
の光信号導入手段と第2の光信号導入手段を有し、モニ
タ部も、構成が全く同一の第1の光信号出力手段と第2
の光信号出力手段を有している。
【0062】第1及び第2の光信号導入手段は、監視用
信号出力源と、信号合成部とを有していて、監視用信号
出力源より出力された監視用信号と、入力された光信号
とを、信号合成部にてひとつの合成信号にした後、第1
及び第2の光スイッチへ入力させる。
【0063】また、第1、第2の光信号出力手段は、光
信号分配部とモニタとを有していて、光信号分配部は、
モニタ及び光スイッチ装置の外部に、光スイッチより出
力した光信号を分配して、出力する。
【0064】さらに、この光スイッチ装置によれば、第
1及び第2の光信号出力手段にフィルターを設け、光信
号分配部より出力された合成信号から光信号のみを取り
だし、光スイッチ装置の外部へ出力する。監視用信号出
力源の動作は、動作制御部にて制御される。
【0065】第2の光スイッチは予備用に使用されるほ
か、スイッチング用可動部からの光信号を、第1及び第
2の光信号出力手段へ、放送分配するときにも使用され
ることが好ましい。
【0066】よって、この光スイッチ装置の構成におい
て、光スイッチの状態監視が可能となり、しかも予備系
の配置と2方向への放送分配機能が、少ない部品数で実
現される。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。なお、図は、この発明を理
解できる程度に、形状、大きさおよび配置関係を概略的
に示すものに他ならない。よって、この発明は、図示例
に何ら限定されるものではない。さらに、説明に用いる
各図において、同様な構成成分については同一の符号を
付して示してあり、重複する説明は省略している。
【0068】またこの際、これら実施の形態における動
作を説明するために、光束の形状を必要に応じて図示す
る。また、この発明で扱われる光学系は、近軸光線とす
る。
【0069】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態の光スイッチの構成を示す斜視図である。この光
スイッチ26は、複数個の光入力ポート10を有する入
力側スイッチ要素12と、複数個の光出力ポート14を
有する出力側スイッチ要素16とを備える。図1に矢印
で光線の様子を示してある。この光スイッチによれば、
光入力ポート10のいずれかに入力された光信号が光出
力ポート14のいずれかから出力される。
【0070】上述の入力側スイッチ要素12は、光入力
ポート10の各々に、2個の光偏向素子18aおよび1
8bからなる入力側光偏向素子群20を備える。これら
光偏向素子18aおよび18bは、光入力ポート10に
入射される光信号の入射方向に沿って配置されている。
【0071】また、上述の出力側スイッチ要素16は、
光出力ポート14の各々に、2個の光偏向素子22aお
よび22bからなる出力側光偏向素子群24を備える。
これら光偏向素子22aおよび22bは、光出力ポート
14から出射される光信号の出射方向に沿って配置され
ている。
【0072】入力側スイッチ要素12と出力側スイッチ
要素14とは、構造的に同じものである。
【0073】この例では、入力側スイッチ要素12への
光入力手段として、光ファイバ28が用いられる。この
光ファイバ28の出力端面が、上述の光入力ポート10
に接続される。また、出力側スイッチ要素16からの光
出力手段として、光ファイバ30が用いられる。この光
ファイバ30の入力端面が、上述の光出力ポート14に
接続される。
【0074】このように、この実施の形態の光スイッチ
によれば、入力側光ファイバ群と出力側光ファイバ群と
の間に3次元光配線が構成される。そして、この3次元
光配線を実現するための上述した光偏向素子群は、2個
の光偏向素子からなる二段構成になっている。このよう
に、従来構成では光偏向素子群が一段構成であったのに
対して、この実施の形態の構成では二段構成になってい
る。
【0075】なお、この実施の形態では、入力側光偏向
素子群20を構成する一方の光偏向素子18aは基板3
2上に設置される。各ポートの光偏向素子18aが基板
32上に配置されて、第1偏向素子アレイ34が構成さ
れる。同様に、入力側光偏向素子群20を構成する他方
の光偏向素子18bも別の基板36上に設置される。各
ポートの光偏向素子18bが基板36上に配置されて、
第2偏向素子アレイ38が構成される。これら第1およ
び第2偏向素子アレイ34および38が、入力側スイッ
チ要素12を構成している。
【0076】また、出力側光偏向素子群24を構成する
一方の光偏向素子22aは基板40上に設置される。各
ポートの光偏向素子22aが基板40上に配置されて、
第3偏向素子アレイ42が構成される。同様に、出力側
光偏向素子群24を構成する他方の光偏向素子22bも
別の基板44上に設置される。各ポートの光偏向素子2
2bが基板44上に配置されて、第4偏向素子アレイ4
6が構成される。これら第3および第4偏向素子アレイ
42および46が、出力側スイッチ要素16を構成して
いる。
【0077】なお、各光偏向素子は分離して、単独に設
けられていても良く、あるいは複数の基板に分割して設
けられていても良い。
【0078】この実施の形態では、第1、第2、第3お
よび第4偏向素子アレイ34、38、42および46が
この順序で、各基板32、36、40および44が平行
となるように配列されている。
【0079】また、光ファイバ28および30は、それ
ぞれ不図示の保持部材例えば基板によって整列した状態
で保持される。このような基板には、精密な位置精度で
光ファイバを位置決めするためのガイドが、種々の好適
な方法によって形成されている。
【0080】この実施の形態では、上述の光偏向素子1
8a、18b、22aおよび22bとして可動レンズが
用いられている。この可動レンズは、光信号の入射方向
または出射方向に垂直な面内で移動可能なレンズであ
る。また、各光偏向素子群20および24を構成する2
枚の可動レンズは焦点距離が異なっている。
【0081】図2は、可動レンズの構成例を示す平面図
である。レンズ48は、微動台50上の4つのアクチュ
エータ52、54、56および58によって支持されて
いる。レンズ48は、アクチュエータ52および54を
駆動させることで、微動台50の面内の一方向、図2の
例では図中の上下方向に移動する。また、レンズ48
は、アクチュエータ56および58を駆動させることで
図2中の左右方向に移動する。微動台50の面には光透
過孔50aが開けられており、レンズ48はこの孔50
aに対して相対的に移動する。また、微動台50はスラ
イダ60によって支持されており、大きなぶれが生じな
いように図2中の左右方向に移動可能である。この構成
はあくまでも一例であって、他の種々の構成を適用する
ことができる。
【0082】図3は、図1に示した光スイッチの一部の
断面を示す図である。図3に示すように、光偏向素子1
8a、18b、22aおよび22bとして可動レンズが
用いられている。可動レンズ18aは、基板32上にア
クチュエータ62を介して保持されている。可動レンズ
18bは、基板36上にアクチュエータ64を介して保
持されている。可動レンズ22aは、基板40上にアク
チュエータ66を介して保持されている。可動レンズ2
2bは、基板44上にアクチュエータ68を介して保持
されている。各可動レンズは、各アクチュエータによ
り、各基板面に沿って移動可能である。
【0083】基板32、36、40および44それぞれ
には、光を通すための開口32a、36a、40aおよ
び44aが形成されている。基板36および40の側で
は光の偏向角が大きくなるため、基板36および40が
厚い場合には図示のように面取りをして、光束がかから
ないようにする必要がある。なお、基板32、36、4
0および44が、使用する光の波長に対して透明な材料
である場合には必ずしも上述した開口は必要ではない。
また、基板32と基板36とは、レンズ18aおよび1
8b間の間隔をとるために、スペーサを介して貼り付け
られる。同様に、基板40と基板44とは、レンズ22
aおよび22b間の間隔をとるために、スペーサを介し
て貼り付けられる。
【0084】図3に示すように、入力側光ファイバ28
からの出射光は、入力側スイッチ要素のレンズ対18a
および18bで平行光にされた後、出力側スイッチ要素
のレンズ対22aおよび22bによって出力側光ファイ
バ30に集光される。
【0085】また、図4に示すように構成しても良い。
図4は、入力側スイッチ要素の断面を示す図である。基
板70には、光ファイバ78からの出射光を通すための
開口70aが形成されている。この開口70aの位置に
光偏向素子群が設けられている。この例では、光偏向素
子群を構成する1対の光偏向素子が一枚の基板70に設
けられる。すなわち、1段目の光偏向素子である可動レ
ンズ72aは、アクチュエータ74を介して基板70に
保持される。さらに、2段目の光偏向素子である可動レ
ンズ72bは、アクチュエータ76を介してアクチュエ
ータ74に保持される。このようにアクチュエータを多
段構成にしてある。レンズ72aおよび72bは、それ
ぞれアクチュエータ74および76によって独立に駆動
される。レンズ72aおよび72bは、基板70面に沿
って移動することができる。
【0086】後述するように、例えばレンズ72aで偏
向角の粗調を行い、レンズ72bで偏向角の微調を行う
ときには、原理的には図4の構成の方が望ましい。しか
し、基板上にマイクロマシン作製技術でアクチュエータ
を構成するときには、多段のアクチュエータを構成する
ことは困難であるため、図3に示す構成の方が現状は作
りやすい。ただし、図4の構成であっても、例えばレン
ズ72aおよび72bをカメラなどで用いられる超音波
駆動モータ系とマイクロレンズとで構成するなどすれ
ば、実現可能である。
【0087】次に、この実施の形態の光スイッチの動作
原理につき、図5〜10を参照して説明する。
【0088】図5には、図1に示した光偏向素子18a
および18bにそれぞれ対応するレンズ80aおよび8
0bが示されている。レンズ80bの焦点距離をfbと
する。レンズ80bに入射する平行光は、レンズ80b
からfbの距離だけ離れた焦点82bの位置に集光す
る。レンズ80bにレンズ80aを組み合わせると焦点
の位置は移動する。移動後の焦点82cは、レンズ80
aおよび80bを組み合わせた複合レンズ系と等価な働
きをするレンズの中心84から、fcの距離だけ離れた
位置にある。図3に示したように、焦点82cに光源す
なわち光ファイバの端面を置いて使用される。図5中、
中心線86は、焦点82cおよび中心84を通る線であ
る。レンズ80aの焦点距離をfaとすると、次式
(1) 1/fc=1/fa+1/fb ・・・(1) の関係がある。
【0089】図6には、レンズ80aが示されている。
中心線86上に、上述した等価レンズの焦点82cが示
されている。上述したように、通常はこの焦点82cの
位置に光源が置かれる。次に、光源が焦点82cから中
心線86に対して垂直な方向に距離dだけ移動した場合
を考える。レンズ80aと等価レンズの中心84とが比
較的近い場合、光源の移動後の位置88とレンズ80a
との距離はfcにほぼ等しい。以下、この距離を記号〜
fcで表す。
【0090】光源が焦点82cの位置にあった場合には
中心線86に光束の中心がある。しかし、光源を位置8
8へずらすと、光束の中心はレンズ80aから焦点距離
faだけ離れた位置で中心線86と交わる線90の方向
へ屈折する。この場合、線90の延長上、レンズ80a
より〜fcだけ離れた位置92に仮想的な光源があるの
と等価な状態になる。さらに、レンズ80aによる光の
集光効果は、光源が焦点82cの位置にあるときと同等
である。つまり、位置92に光源があって、線90に垂
直にレンズ80aが置かれた状況と近似的に等しい。線
86および90が交わる角度、すなわち偏向角をθaと
する。このとき次式(2) θa=tan-1(d/fa) ・・・(2) の関係が成立する。
【0091】次に、レンズ80aおよび80bからなる
複合レンズ系の動作の説明に戻る。図7には、複合レン
ズ系が中心線86上から、中心線86に垂直な方向に距
離Dだけ移動した状態を示してある。また、図7には、
レンズ80aおよび80bの移動後のレンズ80a′お
よび80b′が示されている。また、図7には、複合レ
ンズ系の中心84の移動後の中心84′および中心線8
6の移動後の中心線86′も示されている。光源が焦点
82cの位置にあるとき、光は焦点82cと中心84′
とを結ぶ線94上を進む。中心線86と線94とのなす
角度、すなわち偏向角θDは次式(3) θD =tan-1(D/fc) ・・・(3) で表される。
【0092】次に、図8に示すように、レンズ80aの
みが移動する場合、すなわちレンズ80aがレンズ80
bに対して相対的に移動する場合を考える。レンズ80
aは、中心線86上から中心線86に垂直な方向に距離
dだけ移動する。図8には、レンズ80aの移動後のレ
ンズ80a″が示されている。このときは、図6に示し
た場合と同様となり、焦点82c(図6の位置88に相
当する。)に置かれた光源からの出射光は、線90の方
向へ屈折する。したがって、レンズ80bからは、線9
0に垂直なレンズを介して仮想位置92に光源があるよ
うに見える。仮想位置92の本来の光源の位置88から
のずれをdcとする。図6を参照して説明した結果を用
いると次式(4) dc=〜fc・tanθa=〜fc・d/fa ・・・(4) が得られる。
【0093】また、位置92に置かれた光源からの出射
光96は、レンズ80bによって線98の方向に屈折さ
れる。線86および98のなす角度、すなわち偏向角θ
は、傾いたレンズとレンズ80bとの2枚のレンズ系の
焦点距離を考慮して、次式(5) θ=tan-1(dc/fc)=tan-1[(d/fa)(〜fc/fc)] ・・・(5) で与えられる。
【0094】次に、別の考え方から上述の(5)式の結
果を導く。図9では、レンズ80aが無い(ただし、図
9中、レンズ80aがあった位置を記号80aで示
す。)。図9の構成は、図5に示したように仮想位置8
2bに光源があるような場合へと図8の構成を変形した
ものに相当する。図9中の線90は、レンズ80aが無
いときにあたかもこの方向に光源がずれているように光
が進むことを示している。レンズ80aが無いときの焦
点位置は、図5に示したようにレンズ80bからfbの
距離だけ離れた位置92′になる。仮想的な光源は位置
92′に置かれるとする。光源の位置92′は、中心線
86に対してdc′だけ離れている。距離dc′は次式
(6) dc′=dcfb/fc=(〜fc/fc)(fb/fa)d ・・・(6) で表される。
【0095】また、位置92′に置かれた光源からの出
射光96は、レンズ80bによって線98の方向に屈折
される。線86および98のなす角度、すなわち偏向角
θは次式(7)で与えられる。
【0096】 θ=tan-1(dc′/fb)=tan-1[(d/fa)(〜fc/fc)] ・・・(7) したがって、前述の(5)式の結果と同一の結果が得ら
れる。
【0097】以上説明したように、偏向角θD はレンズ
系80aおよび80bの移動距離Dと複合レンズ系の焦
点距離fcとの比D/fcにより決まる。また、(〜f
c/fc)が1に近いと仮定すれば、偏向角θはレンズ
80aのレンズ80bに対する相対位置dとレンズ80
aの焦点距離faとの比d/faにより決定される。移
動距離Dおよびdは、同等のアクチュエータを用いるの
で同等の大きさだとする。また、レンズ80bの集光力
を大きくして(すなわち焦点距離fbを小さくす
る。)、レンズ80aの集光力を小さくすれば(すなわ
ち焦点距離faを大きくする。)、fb/fa=r<<
1となる。また、このときθD /θはfa/fcにほぼ
等しい。fa/fc=(r+1)/rであるからfa/
fc>>1となる。したがって、θD /θ>>1となる
から、偏向角θD によって偏向角の粗調を行い、偏向角
θによって偏向角の微調を行うことができるようにな
る。位置精度をδとすると角度精度は、θD ではδ/f
c=θD δ/Dとなり、θではδ/fa=θδ/Dとな
るから、最大偏向角に対する割合として同一の値(δ/
D)となる。絶対値ではθD とθとの精度は1:rとな
る。
【0098】また、次のように考えることもできる。図
10は、レンズ80aおよび80bの複合レンズ系を1
枚のレンズ80cで置き換えた様子を示している。この
レンズ80cの焦点距離はfcである。このように置き
換えを行うと、図8および図9の状態はレンズ80cが
中心線86からdeの距離だけ移動した場合と等価にな
る。
【0099】図10に示すように、位置92に置かれた
光源からの出射光96は、レンズ80cによって線98
の方向に屈折される。線86および98のなす角度、す
なわち偏向角θは次式(8) θ=tan-1(de/fc) ・・・(8) で与えられる。
【0100】(4)および(5)式より、次式(9) de=(〜fc/fa)d=dc ・・・(9) の関係が成立する。
【0101】つまり、実際のレンズ80aの移動距離d
よりも〜fc/fa=rだけ小さくレンズ80cを移動
したことと等価になる。よって、偏向角の粗調は複合レ
ンズ系80aおよび80bを同時に動かすことで行え、
偏向角の微調はレンズ80aだけを動かすことで行える
ことが分かる。
【0102】以上説明したように、集光力の小さなレン
ズ80aと集光力の大きなレンズ80bとで光偏向素子
群を構成しているので、偏向角精度はそれぞれのレンズ
に振り分けられる。レンズ80aでは、数十チャネルで
あれば数%の精度でも良い。この場合、レンズ80bで
は、隣接チャネル間隔の数百ミクロン内で1ミクロンの
精度を出すために数分の一%の精度が要求される。この
ように、従来必要とされた10-4(すなわち10-4×1
00=10-2%)の精度が2つの素子に振り分けられ
る。例えばレンズ80aの精度を10-2(二百ミクロ
ン)程度とすると、レンズ80bでも10-2程度の精度
で良くなる。よって、簡便なレンズ位置の検出方法によ
っても全体として必要な精度が得られる。
【0103】以上の議論はレンズ系が3枚以上のレンズ
で構成される場合にも成立する。例えば、レンズ80a
および80bの複合レンズ系をレンズ80cで置き換
え、このレンズ80cに新たなレンズを加えた複合レン
ズ系を考えれば良い。このときは、偏向角の調整精度が
3枚のレンズに振り分けられる。ここでαをレンズの個
数とすると、レンズ80cと新たなレンズのそれぞれに
要求される位置精度が10-1/α(α=2)程度にまで
さらに緩和される。このように、3枚以上の可動レンズ
系を構成することで効果がさらに向上する。
【0104】なお、この実施の形態では、光偏向素子群
として入力側から順に集光力の小さなレンズ、および集
光力の大きなレンズを配置したが、これとは逆に入力側
から順に集光力の大きなレンズ、および集光力の小さな
レンズを配置しても良い。
【0105】[第2の実施の形態]図11は、第2の実
施の形態の光スイッチの構成を示す図である。この光ス
イッチ108は、複数個の光入力ポート10を有する入
力側スイッチ要素110と、複数個の光出力ポート14
を有する出力側スイッチ要素112とを備える。
【0106】上述の入力側スイッチ要素110は、光入
力ポート10の各々に、2個の光偏向素子18aおよび
100aからなる入力側光偏向素子群114を備える。
これら光偏向素子18aおよび100aは、光入力ポー
ト10に入射される光信号の入射方向に沿って配置され
ている。
【0107】また、上述の出力側スイッチ要素112
は、光出力ポート14の各々に、2個の光偏向素子10
0bおよび22bからなる出力側光偏向素子群116を
備える。これら光偏向素子100bおよび22bは、光
出力ポート14から出射される光信号の出射方向に沿っ
て配置されている。
【0108】入力側スイッチ要素110と出力側スイッ
チ要素112とは、構造的に同じものである。
【0109】この例では、入力側スイッチ要素110へ
の光入力手段として、光ファイバ28が用いられる。こ
の光ファイバ28の出力端面が、上述の光入力ポート1
0に接続される。また、出力側スイッチ要素112から
の光出力手段として、光ファイバ30が用いられる。こ
の光ファイバ30の入力端面が、上述の光出力ポート1
4に接続される。
【0110】図12は、第2の実施の形態の光スイッチ
の要部構成を示す断面図である。図12には、図11に
示した入力側スイッチ要素110に相当する部分が示さ
れている。出力側スイッチ要素112も図12に示す入
力側スイッチ要素110と同じ構成である。
【0111】この実施の形態では、入力側光偏向素子群
114を構成する一方の光偏向素子18aは基板32
(図11では図示を省略)上に設置される。同様に、入
力側光偏向素子群114を構成する他方の光偏向素子1
00aは別の基板104a上に設置される。
【0112】また、出力側光偏向素子群116を構成す
る一方の光偏向素子22bは不図示の基板上に設置され
る。同様に、出力側光偏向素子群116を構成する他方
の光偏向素子100bは別の基板104b上に設置され
る。
【0113】この実施の形態では、上述の光偏向素子1
8aおよび22bとして可動レンズが用いられている。
この可動レンズは、光信号の入射方向または出射方向に
垂直な面内で移動可能なレンズである。また、この実施
の形態では、上述の光偏向素子100aおよび100b
として可動ミラーが用いられている。
【0114】このように、第2の実施の形態の光スイッ
チの、第1の実施の形態の光スイッチとの相違点は、一
方の可動レンズの代わりに可動ミラーを備えた点にあ
る。光は、可動レンズ18a、可動ミラー100a、可
動ミラー100b、可動レンズ22bの順に光スイッチ
内を通過する。
【0115】図12に示すように、可動ミラー100a
は、光ファイバ28からの光信号の入射方向に垂直な回
転軸(ヒンジ)102を有している。可動ミラー100
aは、基板104aにヒンジ102を介して固定されて
いる。基板104a上、可動ミラー100aと対向する
位置に、電極106aおよび106bが設けられてい
る。これらの電極106aおよび106bのいずれかを
荷電させると、その静電引力によって、荷電した電極の
側に可動ミラー100aが傾く。したがって、この可動
ミラー100aは、図1および図3に示した可動レンズ
18bと同等の働きをする。よって、この第2の実施の
形態の構成にあっても、偏向角の微調と粗調とが可能で
ある。偏向角精度はそれぞれの光偏向素子に振り分けら
れる。
【0116】なお、図11中の光偏向素子100aおよ
び100b間の位置にミラー118を置いて反射構成と
すれば、入力側スイッチ要素110のみで入力光の偏
向、および偏向後の光の出力が可能になるため、出力側
スイッチ要素112は省略できる。
【0117】[第3の実施の形態]次に、第3の実施の
形態では、光スイッチのチャネル数を増大するための構
成について説明する。まず、この構成を備えない光スイ
ッチの問題点を明らかにする。
【0118】図13に示すように、典型的な光スイッチ
は、光ファイバ28および30間に、コリメータレンズ
120および122からなるコリメータ系を有してい
る。可動レンズ型の光偏向素子を用いた装置では、コリ
メータレンズ120および122そのものが移動をし
て、光束の偏向を行う。可動ミラー型の光偏向素子を用
いた装置では、光路中に設けられた可動ミラーによって
光束の偏向を行う。ここで、コリメータレンズ120お
よび122間の距離をLとし、各レンズ120および1
22の焦点距離をfとする。また、コリメータレンズあ
るいは光束(ビーム)の最大径をΦとする。回折の影響
を考慮した解析より、 L<πΦ2 /λ ・・・(10) が必要となる。ここでλは光の波長である。光ファイバ
28の入出力角度あるいは回折角をθdとすると Φ=fθd ・・・(11) の関係がある。
【0119】次に、図14を参照して、光偏向素子が可
動ミラーである場合について精度計算を行う。図14
は、可動ミラー型光スイッチの要部構成を示す図であ
る。図14には、出力側スイッチ要素に相当する部分が
示されている。この図には、入力側光偏向素子(不図
示)で偏向された光束が、出力側の可動ミラー124で
偏向された後に、レンズ122で集光され、光ファイバ
30に入力される様子が示されている。図中の可動ミラ
ー124の状態のように正しいミラー角度の場合には、
光束126は正しい位置で光ファイバ30に入力され
る。ミラー124の角度が記号124′で示すように正
しい角度からずれると、光は記号126′で示す光束の
ように焦点位置がずれてしまい光ファイバ30に入らな
くなる。ミラー角度のずれによる光束の角度ずれをdθ
とする。焦点位置ずれをδΔSとおく。すると δΔS=fdθ ・・・(12) が成立する。この角度ずれdθは、出力側の可動ミラー
124の角度ずれのみでなく、入力側の光偏向素子を可
動ミラーとした場合にはその入力側可動ミラーの角度ず
れによっても生じる。
【0120】図1や図11を参照して説明したように、
入力ポートおよび出力ポート間には3次元光配線が形成
される。入力側および出力側光偏向素子は、それぞれポ
ートごとに配置される。Nチャネルの光スイッチの場
合、ポートの配列面に平行な面内において、縦および横
方向にそれぞれN1/2個の光偏向素子が並ぶ。各光偏向
素子はクロストーク確保の必要性から4Φ以上のピッチ
で並べる必要がある。したがって、ポートの配列面の一
辺の大きさは4ΦN1/2となる。したがって、必要とさ
れる最大傾斜ミラー角θm は θm=2ΦN1/2/L ・・・(13) となる。(10)および(13)式から、 Φ>2λN1/2/(πθm)・・・(14) を得る。
【0121】ミラー角度精度を%で表すためにε=δθ
/θmを定義する。すると、(11)、(12)、(1
4)式より、 N<{πθdδΔS/(2ελ)}2・・・(15) を得る。δΔSmを必要なロス以内に抑えるための焦点
位置ずれの最低値とすると、 N={πθdδΔSm/(2ελ)}2・・・(16) と表せる。(16)式の結果は、誤差精度εを良く(小
さく)する以外に、光ファイバの回折角θdを大きくす
ることによっても、チャネル数Nを増大できることを示
している。あるいは、δΔSmを大きくすることによっ
てもチャネル数Nを増大することができる。しかし、単
一モード光ファイバの場合には、δΔSmを大きくする
には光ファイバのモード径で大きくすることになり、そ
の場合θdは小さくなってしまうため効果が無い。
【0122】チャネル数Nの計算例を示す。δΔSmお
よびθdの値を典型的なシングルモード光ファイバの場
合の1μm、0.2radとする。誤差εを1%、波長
λを1.55μmとする。このときN=100となる。
【0123】次に、図15および図16を参照して、光
偏向素子が可動レンズである場合について同様の解析を
行う。図15および図16は、可動レンズ型光スイッチ
の要部構成を示す図である。
【0124】図15には、入力側スイッチ要素に相当す
る部分が示されている。この図には、入力側光ファイバ
28からの出射光が、入力側の可動レンズ128で偏向
される様子が示されている。図中、アクチュエータ13
0aおよび130bは、可動レンズ128を移動させる
ためのモータである。梁132aおよび132bは、ア
クチュエータで発生した力をレンズ128に伝えるもの
である。また、図中の記号aおよびbは、それぞれ可動
レンズ128および128′の中心を表す。
【0125】また、図16には、出力側スイッチ要素に
相当する部分が示されている。この図には、入力側可動
レンズ128で偏向された光が、出力側の可動レンズ1
38で集光され、光ファイバ30に入力される様子が示
されている。図中、アクチュエータ140aおよび14
0bは、可動レンズ138を移動させるためのモータで
ある。梁142aおよび142bは、アクチュエータで
発生した力をレンズ138に伝えるものである。図中に
は、移動後の可動レンズ138′が示されている。
【0126】光ファイバ28からの光束134は、可動
レンズ128でコリメートされる。可動レンズ128を
記号128′で示す位置に移動させることに対応して、
コリメート後の光束136は光束136′のように偏向
される(図15)。出力側ではこの逆過程が行われ、入
力側で偏向された光束はレンズ138(138′)を通
過後、光ファイバ30に入力される(図16)。
【0127】レンズ移動距離をΔSとすると、偏向角θ
は θ=ΔS/f・・・(17) で表される。移動距離ΔSの最大値に対して、レンズ1
28の直径ΦLは光束の径Φをカバーする必要があるの
で、下式(18) ΦL=γ(2ΔS+Φ) ・・・(18) が成立しなければならない。
【0128】ここでγはγ>1を満たす値のパラメータ
である。両方のアクチュエータの収納スペースを2αΔ
Sで表す。αはα>1を満たす値のパラメータである。
よって、光偏向素子のサイズはΦL+2αΔSとなる。
したがって、ポートの配列面の一辺の大きさは(ΦL
2αΔS)N1/2となる。したがって、必要とされる最
大偏向角θmは θm=(ΦL+2αΔS)N1/2/L ・・・(19) で与えられる。(10)、(11)、(18)、(19)式より、 θm=N1/2{γ(2ΔS+fθd )+2αΔS}/{π(fθd2/λ} ・・・(20) が得られる。
【0129】一方、最大移動距離をΔSMAXとすれば、
(17)式よりΔSMAX/f=θmである。よって、f
の値は次式(21)で与えられる。
【0130】 f=ΔSMAX1/2(2γ+2α)/{πθdΔSMAX/λ−γN1/2} ・・・ (21) (21)式と(10)式とよりLの値が求まる。出力側
で誤差を%で表し、δΔSm/ΔSMAX=εとすると L=(π/λ)(δΔSm/ε)N1/2(2γ+2α)/{πθd(δΔSm/ ε)/λ−γN1/2} ・・・(22) を得る。チャネル数Nが増加するとLは増加する傾向が
ある。やはり、可動ミラーの場合と同様にθdが大きい
ほどLが短くなり実現性が高まる。
【0131】計算例を示す。α=1、γ=1として、他
のパラメータを可動ミラーの場合と同一にすると、N=
529、L=28(cm)を得る。
【0132】以上説明したように、チャネル数Nを増大
するためにはLを長く取らなければならない。Lを長く
するにはビーム径Φを大きくする必要がある。しかし、
Φを大きくするに当たり、光ファイバの回折角θdが小
さいと焦点距離が長くなるため、角度誤差による焦点位
置ずれが大きくなる。
【0133】[第3の実施の形態]次に、以上の点を踏
まえて、第3の実施の形態の光スイッチにつき説明す
る。この実施の形態の光スイッチでは、チャネル数を増
大するために、光ファイバの回折角θdを拡大する光学
系が組み込まれている。
【0134】第3の実施の形態の光スイッチの基本的な
構成は、図13に示した装置と同様である。すなわち、
光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、光出力
ポートに接続された出力側光ファイバと、これら光ファ
イバ間に挿入されたコリメータ系とが備えられる。ま
た、入力側および出力側のそれぞれに可動レンズまたは
可動ミラーで構成された光偏向素子が備えられる。
【0135】図17は、第3の実施の形態の光スイッチ
の要部構成を示す図である。図17には、入力側のコリ
メータレンズ120と、入力側の光ファイバ144とが
示されている。図17には、光偏向素子の図示が省略さ
れているが、上述したようにコリメータレンズ120そ
のものを可動レンズとして用いることもある。また、光
ファイバ144の端面が光入力ポートとして用いられ
る。出力側の構成も図17の構成と同様である。
【0136】そして、この実施の形態の光スイッチで
は、光入力ポートおよび光出力ポートに、それぞれ入力
側光ファイバおよび出力側光ファイバの光入出力角を拡
大するための光学系が備えられる。図17には、入力側
の光ファイバ144の光入力ポートに備えられたこの光
学系146が示されている。
【0137】光学系146は、光ファイバ144の端部
に形成されている。この光ファイバ144の端部は、端
面144aに向かって広がるテーパ構造のコア148
と、コア148を被覆するクラッド150とで構成され
る。そして、端面(出射面)144aは凹面形状、この
例では円錐形状としてある。
【0138】上述した光ファイバ144の端部では、光
ファイバ内において導波光は平面波になっている。この
平面波を反射あるいは屈折現象を用いて所望の角で発散
していく光に変換する。出射面144aが円錐状反射面
であれば光は同心円状の光束として伝搬し、コリメータ
レンズ120通過後はいわゆるベッセルビーム的に伝搬
してゆく。出射面144aが円錐状の屈折面であっても
同様であるが、この面での全反射角度の制限から光ファ
イバ144における回折角θdは48°が限界である。
それでも通常の構成に比して4倍の改善がなされる。
【0139】出射面144aは、円錐面以外にも例えば
凹レンズ形状にしても良い。
【0140】コア148のテーパ構造は必ずしも必要で
はないが、このような構造は焦点位置のずれに対する許
容度を増大させる。他に例えばMMI(multi−m
ode interference)カプラ構造を採用
しても良い。
【0141】次に、この実施の形態の光スイッチの動作
につき説明する。例えば上述したコリメータレンズ12
0を可動レンズとした場合、出力側のどのコリメータレ
ンズへ光を送り込むかの情報に基づきレンズ120が駆
動される。その結果、チャネル間の切り替えが行われ
る。また、光が送り込まれた出力側のコリメータレンズ
(可動レンズ)の微小な角度調整によって、出力側光フ
ァイバに最大光量で光が入力されるようにする。必要な
切り替え角度は、出力側のレンズピッチ、レンズ数、入
出力光偏向素子間距離Lで決定される。この角度は、可
動ミラー型の場合にはθdに無関係に設定できる。一
方、可動レンズ型の場合にはfが短いほど偏向角が大き
くなり、Lが縮小する。
【0142】図17に示す構成では、回折角θdを大き
くとることにより、必要な光束幅を確保しつつレンズ1
20とレンズ焦点面との距離fを縮めることが可能とな
っている。これにより、角度変化dθに対する焦点位置
変化fdθが低減される。
【0143】以上説明した光スイッチによれば、回折角
度をn倍することで、同一の精度で実現可能なチャネル
数Nをn2倍にすることが可能である。すなわち、チャ
ネル数がNであれば従来に比べて必要な精度はn倍緩和
される。
【0144】なお、例えば出射面144aを上述の形状
とする代わりに凹レンズを用いることもできるが、その
場合は、レンズ前の角度変化が拡大されてしまう問題を
解決する必要がある。すなわち位置変化減少によるロス
減少と、入力角変化増大によるロス増大のトレードオフ
が問題となる。上述した形状の出射面144aを採用す
ればこの問題は無い。
【0145】図17に示した構成の他にも、例えば図1
8に示す光学系を用いることも回折角の拡大に有効であ
る。図18は、第3の実施の形態の光スイッチの変形例
の要部構成を示す図である。図18には、出力側のコリ
メータレンズ122と、出力側の光ファイバ154とが
示されている。光ファイバ154の端面が光出力ポート
として用いられる。入力側の構成も図18の構成と同様
である。
【0146】図18に示す光学系152は、出力側の光
ファイバ154の端部に形成された凸レンズ形状の光が
入射する面154aである。この系では先球部(光が入
射する面)154aを凸レンズとして用い、この凸レン
ズの焦点156をコリメータレンズ122との共焦点に
している。この凸レンズの焦点距離が充分に小さければ
回折角を大きくすることができる。その結果、コリメー
タレンズ122に入射する光は、その角度誤差が拡大さ
れた状態で光ファイバ154に入力されるようになる。
凸レンズとコリメータレンズ122との焦点比をrにす
ると倍率はr倍である。rは必要な光束(ビーム)径Φ
と光ファイバのモード径との比に一致する。光ファイバ
154への入力許容角度は0.5dBで1.5倍程度で
ある。光ファイバ154のコア148は、この許容角度
を保ったままrの比をあまり大きくしないようにするた
めに、テーパ構造にしてある。
【0147】[第4の実施の形態]第3の実施の形態で
は、回折角θdを増大するための光学系を示したが、そ
の代わりにビーム径Φを増大する光学系を用いても良
い。
【0148】第4の実施の形態の光スイッチの基本的な
構成は、図13に示した装置と同様である。すなわち、
光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、光出力
ポートに接続された出力側光ファイバと、これら光ファ
イバ間に挿入されたコリメータ系とが備えられる。ま
た、入力側および出力側のそれぞれに可動レンズまたは
可動ミラーで構成された光偏向素子が備えられる。
【0149】図19は、第4の実施の形態の光スイッチ
の要部構成を示す図である。図19には、出力側のコリ
メータレンズ158と、出力側の光ファイバ160とが
示されている。光ファイバ160の端面は上述した光出
力ポートとして用いられる。入力側の構成も図19の構
成と同様である。なお、図19では、光偏向素子の図示
が省略されている。また、図19では、光ファイバ16
0のクラッドの図示が省略されている。
【0150】さらに、この実施の形態の光スイッチで
は、光入力ポートおよび光出力ポートに、それぞれ光の
ビーム径を拡大するための光学系を備えている。図19
には、出力側の光ファイバ160の光出力ポートに備え
られたこの光学系162が示されている。
【0151】具体的に光学系162は、m2×1カプラ
164(mは整数)とコリメータレンズ158とで構成
される。m2×1カプラ164は、光ファイバ160の
端部に結合された幅広の導波部である。また、コリメー
タレンズ158は、カプラ164の端面に対向して設け
られ、このカプラ164の端面に平行な面内に配置され
た複数個の小レンズ158aで構成されている。
【0152】この構成によれば、小レンズ158aの各
々で分担して集光が行われ、集光された光の各々がカプ
ラ164で合流された後に光ファイバ160に入力され
る。よって、同一の光束径、焦点距離であっても必要な
回折角の大きさはm分の1(ΦL/Φ)とすることがで
きる。
【0153】なお、小レンズ158aが有限個の場合、
よく知られているように副光束の存在が問題となる。入
出力とも図19の構成とするときには目的としていない
入力光(副光束)を受けないように、入出力光偏向素子
間の距離、ピッチ(すなわち光偏向素子間の角度)を設
定する必要がある。
【0154】なお、この実施の形態では、小レンズ15
8aを光束発生、コリメート用素子として用いている
が、同様の機能を有する他の素子、例えば回折格子、球
面ミラーなどであっても良い。
【0155】以上説明した光スイッチによれば、回折角
度をn倍することで同一の精度で実現可能なチャネル数
Nをn2倍にすることが可能である。すなわち、チャネ
ル数がNであれば従来に比べて必要な精度はn倍緩和さ
れる。
【0156】[第5の実施の形態]図20は、第5の実
施の形態の光スイッチの構成を示す図である。この光ス
イッチは、複数個の光入力ポート10と、複数個の光出
力ポート14とを有している。また、光入力ポート10
の各々に、光信号の入射方向に垂直な回転軸を有する可
動ミラー166が入力側光偏向素子として備えられる。
また、光出力ポート14の各々に、光信号の出射方向に
垂直な回転軸を有する可動ミラー168が出力側光偏向
素子として備えられる。さらに、入力側および出力側光
偏向素子間に、入力側の可動ミラー166で反射された
光を出力側の可動ミラー168上に集光するための光学
素子170が設けられている。
【0157】また、この例では、光入力ポート10への
光入力手段として、光ファイバ28が用いられる。この
光ファイバ28の出力端面が、上述の光入力ポート10
に接続されている。また、光出力ポート14からの光出
力手段として、光ファイバ30が用いられる。この光フ
ァイバ30の入力端面が、上述の光出力ポート14に接
続されている。
【0158】また、この例では、光入力ポート10の数
に応じた個数の可動ミラー166が基板172上に設置
されている。同様に、光出力ポート14の数に応じた個
数の可動ミラー168が基板174上に設置されてい
る。これら可動ミラーの構成は、図11を参照して説明
した可動ミラーの構成と実質的に同じである。
【0159】また、この例では、光入力ポート10およ
び可動ミラー166間に、光入力ポート10ごとにコリ
メータレンズ176が設けられている。同様に、光出力
ポート14および可動ミラー168間に、光出力ポート
14ごとにコリメータレンズ178が設けられている。
これらコリメータレンズを可動レンズとしても良い。こ
の例では、これらコリメータレンズを、設計により任意
方向に集光可能な回折格子素子により構成している。
【0160】上述の光学素子170は、複数個のレンズ
が一平面内に配列された構造のコリメート用素子であ
る。可動ミラー166および168が光学素子170を
介して直線状の光路で結ばれているときには、上述した
可動ミラー166、168のピッチが、光学素子170
を構成するレンズのピッチの2倍になるように、これら
レンズは配列される。光学素子170を構成するレンズ
の直径は、コリメート長に応じたものが必要でありこれ
は(10)式で与えられる。
【0161】また図20において、各部を結ぶ点線及び
一点鎖線は、各部におけるこの光の経路を概略的に示し
たものである。
【0162】光学素子170を構成するリレーレンズが
一つ置きに、166、168の個々の可動ミラーと対向
するように、配置される。これにより、166と168
を結ぶすべての経路が光学素子170を通過する。
【0163】光学素子170を構成する各々のリレーレ
ンズの直径は、回折を抑えるためにある程度以上の大き
さが必要となる。この直径は、文献1に開示された技術
による光スイッチにおいて、コリメート系の最もビーム
径の大きい部分に、可動ミラーを設けた系でのミラー直
径と同一の値とする。具体的には、200〜300μm
程度である。
【0164】なお、図20において、レンズ176、1
78、170は、可動ミラー166、168と同様に、
基板上に形成することが可能である。そして、可動ミラ
ー166、168と光学素子170との間に凸レンズを
挿入すれば、光学素子170を構成するレンズのピッチ
を低減することができる。
【0165】光入力ポート10とコリメータレンズ17
6との距離、および光出力ポート14とコリメータレン
ズ178との距離は、後述するようにレンズ176と可
動ミラー166との距離、およびレンズ178と可動ミ
ラー168との距離よりも著しく近くすると可動ミラー
166、168の制御誤差が低減される。
【0166】この構成によれば、ファイバ28からの光
は、レンズ176によって集光され、ミラー166にむ
かって、偏向(固定角度)される。そして、入力側可動
ミラー166によって、光は所望の出力側可動ミラー1
68の方向に偏向される。途中、入力側可動ミラー16
6で反射された光は、光学素子170によって集光され
る。出力側可動ミラー168によって、光は所望のコリ
メータレンズ178の方向に偏向される。コリメータレ
ンズ178で集光された光は、レンズ178に対応する
光出力ポート14に接続された光ファイバ30に入力さ
れる。
【0167】このように、レンズ170より後側の出力
側は、ミラー168、レンズ178、ファイバ30によ
って、入力側光スイッチ要素の動作の順序とは逆の順序
で動作が行われる。このため、レンズ176、178
は、集光と偏向が可能なホログラムタイプであることが
望ましい。
【0168】このようにすれば、光ファイバ28、30
の入力または出力端の配置をレンズ176、178、1
70と平行にすることができるため、すべての光ファイ
バ28、30からの光をミラー166または、168上
でコリメート光の最小径とする(集光する)ことが可能
となる。
【0169】レンズ176もしくは178によって集光
され、偏向された光束の、可動ミラー166もしくは、
光ファイバ30上における中心位置は、偏向角がずれて
も集光位置の変動は殆ど無い。光ファイバへの入力角度
変動はあるが、これは集光の位置の変動よりも影響が小
さいためにロス変動は小さく抑えられる。
【0170】次に、図21および図22を参照して、誤
差の光線行列による解析を行う。図21(A)には、図
20に示した光スイッチのうちの可動ミラー166、光
学素子170および可動ミラー168の部分が示されて
いる。図21(B)および図22には、図20に示した
光スイッチのうちの可動ミラー168、コリメータレン
ズ178および光ファイバ30の部分が示されている。
【0171】光線行列による解析では、光線位置および
光線角度を成分とするベクトル(光線位置、光線角度)
が用いられる。また、ある光学系を通った光線がどう変
化するかを記述する2×2行列(M)が光線行列として
用いられる。行列(M)の、第1行第1列成分、第1行
第2列成分、第2行第1列成分および第2行第2列成分
をそれぞれm11、m12、m21、m22と表す。
【0172】図21(A)の場合、可動ミラー166と
光学素子(レンズ)170との間の光線行列は下式(2
3a)〜(23d)で表される。
【0173】 m11=1−L/(2f) ・・・(23a) m12=L−L2 /(4f) ・・・(23b) m21=−1/f ・・・(23c) m22=1−L/(2f) ・・・(23d) ここで、fはレンズ170の焦点距離である。また、ミ
ラー166とレンズ170との距離、およびレンズ17
0とミラー168との間の距離は共にL/2である。L
/2=2fの場合には、光線行列は下式(24a)〜
(24d)で表される。
【0174】m11=−1 ・・・(24a) m12=0 ・・・(24b) m21=−4/L ・・・(24c) m22=−1 ・・・(24d) よって、ミラー166の角度によってミラー168上で
の位置ずれが生じることが無くなる。ミラー166の角
度によって、ミラー168上での焦点位置ずれから生じ
る角度ずれを無くすこともできる。
【0175】光ファイバ30への光の入力角度をθe と
し、光ファイバ30の入力端面における光束の位置ずれ
をδとし、ミラー168の角度をθcntとすると θe =−4δ/L−θcnt ・・・(25) が成り立つ。
【0176】図21(B)の場合、ミラー168と光フ
ァイバ30との間の光線行列は下式(26a)〜(26
d)で表される。
【0177】 m11=1−d/f ・・・(26a) m12=d1+d−d1d/f ・・・(26b) m21=−1/f ・・・(26c) m22=1−d1/f ・・・(26d) ここで、d1はミラー168とレンズ178との間の距
離を表し、dはレンズ178と光ファイバ30の入力端
面との間の距離を表している。1/d+1/d 1=1/
fの場合、m12=0となり、ミラー168の角度によ
って光ファイバ30での焦点位置が変化することが無く
なる。このとき、光線行列は下式(27a)〜(27
d)で表される。
【0178】m11=−d/d1・・・(27a) m12=0・・・(27b) m21=−1/f・・・(27c) m22=−d1/d ・・・(27d) d/d1を小さくすることによって、図22に示したよ
うな光束の位置ずれδによる像の位置ずれχe =d/d
1δを小さくすることが可能である。また、光ファイバ
30に入力する光の入力角度θe は θe =−δ/f−θcnt1/d・・・(28) で表される。
【0179】角度θe もミラー168の角度θcntを調
整することによって実質的に0度にすることが可能であ
る。
【0180】一般的に光ファイバ30の入力許容角度は
1.5度程度あり、マイクロマシンミラーの可能偏向角
(6〜10度)に比べて大きい。そのため、焦点位置δ
の許容誤差(1μm)よりも条件がゆるいと考えられ
る。また、δに対してfとLが充分大きければθe は無
視できるほど小さくなる。
【0181】レンズ176、178を半固定の可動型と
することにより、組み立て時に光ファイバ28、30の
位置がずれていても、ミラー166、168での光束の
スポット位置を中心にもってくることが可能である。レ
ンズ176、178は位置合わせ終了後は動かさず、光
路の切り替えはミラー166、168により行う。ある
いはm12=d1+d−d1d/f=de を微小量とする
ことによって、ミラー166、168の粗い角度制御で
わずかな焦点位置変化を得ることが可能になる。よっ
て、組み立て精度の調整が可能となる。
【0182】以上説明したように、この実施の形態の光
スイッチによれば、光学素子170を構成するレンズの
いずれかを選択するようなミラー166、168の大き
な角度変化で光路切り替えがなされる。レンズ170に
当てられていさえすれば光束の厳密な位置は問題となら
ないため、ミラー166、168の角度制御精度が緩和
される。このため、ミラー切り替えを高速で行うことが
可能となる。
【0183】また、図23には、第5の実施の形態の光
スイッチの第1変形例が示されている。図20に示した
光スイッチでは、レンズ170のピッチがミラー16
6、168のピッチの2分の1であったが、図23には
これらのピッチが概略等しい例が示されている。そのた
めに、ミラー166、168に対応するミラー182、
184のピッチが図23の例では図20の例に比べて小
さくなっている。また、光学素子170の代わりに、ホ
ログラムのような偏向機能と集光機能とを合わせ持つ光
学素子(レンズ)180が用いられている。この例で
は、光学素子180を構成するレンズが、入力側光偏向
素子(可動ミラー182)および出力側光偏向素子(可
動ミラー184)間における光経路に対応して個別に設
けられる。
【0184】図23中の光路186に注目する。図20
ではこの光路に対応する光路を伝搬する光が、ミラー1
66で反射された後、最も左側のレンズ170に入って
いる。しかし、図23の光路188aのように、光路1
86を進む光がミラー182で反射された後に、ここで
は中央より一つ左のレンズ180に入るようにする。ま
た、光路186を進む光のうち、ミラー182で反射さ
れた後に最も左のレンズ180に入る光路188bを進
む光は、集光と偏向を受け、図20の場合と同じく最も
左のミラー184に入るようにする。ミラー182、1
84の動作で角度を図中の左右(188a側および18
8b側)に振れるようになるため、チャネル数が倍にな
る。また、ミラー182を搭載した基板172と、ミラ
ー184を搭載した基板174とを小型化できる。
【0185】また、図24には、第5の実施の形態の光
スイッチの第2変形例が示されている。図24に示した
光スイッチでは、表面に反射面を有した光学素子190
が図20の光学素子170の代わりに設けられる。その
結果、入出力ポートの共通化が図れる。したがって、出
力側の可動ミラー168、コリメータレンズ178、光
ファイバ30などは不要である。
【0186】次に、第6以降の実施の形態を説明する
が、これらの実施例の目的を説明するために、この発明
の第1〜第5の実施の形態における改良すべき点を述べ
る。そのため、上述した各実施の形態の構成において、
光偏向素子を基板上に配置した場合、基板の周縁側にあ
る素子に注目する。
【0187】例えば図1の光スイッチにおいて、入力側
光スイッチ要素12を構成する光偏向素子群20のうち
で、基板の上部の縁に近い位置にある光偏向素子18b
が、出力側基板のポート14を選択する場合を考える。
ここでは、新たに図1と同様の図26を参照して説明す
る。
【0188】このとき水平方向X以下の偏向角、すなわ
ち例えば図26中における水平方向(X方向)に対し、
下向き方向(Y方向)の光束の偏向角θxで光束を偏向
する必要があり、水平方向X以上、即ち例えば図26中
における、水平方向(X方向)に対し、上向き方向(Y
方向)の光束の偏向角θx’はムダになる。
【0189】一方、基板の中央付近にある偏向素子に注
目すると、このような偏向角θx、θx’、すなわち上
下方向Yの偏向は可能である。
【0190】出力側スイッチ要素16における、基板の
一番上に位置する光偏向素子群24から、基板の一番下
に位置する光偏向素子群24までの垂直方向(Y方向)
の長さをLSとし、光偏向素子18bから対向する基板
において同じ位置にある光偏向素子22aまでの水平方
向(X方向)の距離をLとする。
【0191】このとき、上述したような基板の周縁側に
ある光偏向素子においては、必要とする偏向角はLS
Lである。それに対し、基板の中央付近に位置する偏向
素子では、上下方向Yの偏向が可能であるため、必要と
する偏向角は、LS/(2L)となり基板の周縁側にあ
る偏向素子の半分でよい。
【0192】よって、上下方向Yでは、基板の中央付近
に位置する一つの素子で可能なチャネル数は、基板の周
縁側付近に位置する一つの素子と比べて、2倍のチャネ
ル数となる。
【0193】すなわち、基板の周縁側に位置する一つの
偏向素子において可能なチャネル数は、中央付近に位置
する一つの素子の4分の1である。
【0194】これは、第1〜第5の実施の形態に共通で
ある。すなわち、これらの光スイッチにおいて、光入力
側のスイッチ要素を構成する素子は、これに対向する光
出力側のスイッチ要素を構成する真向かいの素子から、
出力基板の反対側の周縁側にある素子までの角度とし
て、垂直を境にした半分の空間しか使用しない。そのた
め、素子の取り得る可能な偏向角の半分しか使用してい
ないという改良すべき点があった。第6以降の実施の形
態はこの点を鑑みて成されたものである。以下、この第
6の実施の形態より順に説明する。
【0195】[第6の実施の形態]図27に、第6の実
施の形態の構成例を示す。この光スイッチ2700は、
複数個の光入力ポート2702を有する入力側スイッチ
要素2704と、複数個の光出力ポート2706を有す
る出力側スイッチ要素2708とを備えている。この光
スイッチ2700において、光入力ポート2702のい
ずれかに入力された光信号は、光出力ポート2706の
いずれかから出力する。
【0196】また、この光スイッチ2700は、入力側
スイッチ要素2704と、出力側スイッチ要素2708
との間に配設されていて、入力ポート2702からの各
光信号が、入射光として入射され、かつ、入射光に対応
する出射光を、光線束の中心光路が互いに平行となるよ
うに、出射させる光学素子2710が設けられている。
【0197】この光学素子2710が透過型か反射型か
によって、入力ポート2702及び出力ポート2706
の位置は変化する。光学素子2710として、一枚で構
成される凸レンズ、或いはホログラムが用いられること
が好ましいが、ここでは、凸レンズを用いた例につき説
明する。
【0198】また、この光スイッチ2700において、
入力側スイッチ要素2704は、光学素子2710の焦
平面に配置されている。ここでは、焦平面とは光学素子
2710の焦点を通り、中心軸に直交している面であ
る。よってこの光学素子2710と入力側スイッチ要素
2704間の距離は、光学素子2710の焦点距離f27
となる。
【0199】一方、光学素子2710を挟んでその前後
の対称の位置に、出力側スイッチ要素2708と入力側
スイッチ要素2704とを配置すれば、すべての入力ポ
ート2702から出射した光を、出力側スイッチ要素2
708に集めることができる。よって、この光学素子2
710と出力側スイッチ要素2708間の距離は、光学
素子2710の焦点距離f27となる。
【0200】ここで、複数個の入力ポート2702の各
々は、これら入力ポートに対応付けられた入力側レンズ
系2712を有している。また、複数個の出力ポート2
706の各々は、これら出力ポートに対応付けられた出
力側レンズ系2714を有している。入力側レンズ系2
712から出力側スイッチ要素2708へ光が出射する
面z0、及び出力側スイッチ要素2708における入力
側レンズ系2712からの光が入射する面z1には、そ
れぞれ凹レンズ2716が設置されている。
【0201】図27に示した各部を繋ぐ直線は、各部に
おける光束の形状を概略的に表したものである。この光
束の形状を参考にしながら、各部の動作について説明す
る。
【0202】この光スイッチ2700において、入力側
スイッチ要素2704から出た光束(ビーム)は、凸レ
ンズ2710によって集光され、出力側スイッチ要素2
708に入射される。ここで、入力側レンズ系2712
から出射した光が光信号出射面z0上にある点から発散
するような光であると、凸レンズ2710の後で平行光
になってしまう。そこで、入力側レンズ系2712の光
が出射する面z0に、凹レンズ2716を設けてある。
【0203】更に、図27に示したように、この凹レン
ズ2716に入射する光が平行光であるとする。そし
て、この平行光は凹レンズ2716を通過後、発散さ
れ、凸レンズ2710に入射される。この凸レンズ27
10内では光は平行光となっている。
【0204】さらに、出力側レンズ系2714の光が入
射する面z1に、凹レンズ2716を設ければ、この凹
レンズ2716を通過した光の形状は、図27に示した
ように、光が出射する面z0に設けられた凹レンズへの
入射光と同一の平行光となっている。
【0205】つぎに、図29に、光学素子として凸レン
ズ2710のかわりに球面凹面鏡を用いた例を示す。こ
の場合には入力側スイッチ要素と出力側スイッチ要素は
共用する。よって、ここでは説明のため、これらを総称
して入出力側スイッチ要素2904とする。
【0206】これらスイッチ要素は、凹面鏡2910の
焦点面内の位置に設ける。焦点面とは凹面鏡2910の
焦点を通り、中心軸に直交している面である。
【0207】尚、光学素子2910から入出力側スイッ
チ要素2904内の偏向素子までの距離は、光学素子2
910の焦点距離f29となる。
【0208】ここで、図中直線で示した矢印は、入出力
側スイッチ要素2904から出射した光線束の形状、ま
た図中点線で示した矢印は、入出力側スイッチ要素29
04へ入射する光線束の中心光路を概略的に示してい
る。
【0209】この実施の形態において、入出力ポート2
902から出射した別々の出射角の光束は、凹面鏡29
10で反射されて、別々の入出力ポート2902に入射
される。この場合、凹面鏡2910で反射された各光線
束の中心光路は、互いに平行になっている。
【0210】ところで、図27及び図29に示したよう
な光スイッチにおいて、入力側スイッチ要素と出力側ス
イッチ要素は、互いに構成が同一のものを用いる。
【0211】ここで、入力側スイッチ要素2704の構
成を代表して、図28に示す。
【0212】このレンズ系は、固定レンズ2800と、
可動ミラー2802とから構成される。
【0213】尚、2800を可動レンズで構成する場合
があっても良い。この場合、可動レンズは、入力側スイ
ッチ要素2704においては、光ファイバに対する光信
号の入射方向に垂直な面内で、そして、出力側スイッチ
要素2708においては、出射方向に垂直な面内で移動
が可能のものである。すなわち、この構成例では、可動
レンズを用いたとき、この可動レンズは、基板2806
の基板面と平行となるように設けられていて、基板面と
平行な方向に移動可能としてある。
【0214】一方、可動ミラー2802は、入力側スイ
ッチ要素2704においては光信号の入射光線の中心光
路を、出力側スイッチ要素2708のいずれか一つの可
動ミラー2802に向けて、反射させるように回転制御
される。また、出力側スイッチ要素2708において
は、光信号の反射光線の中心光路を入力側スイッチ要素
2704のいずれか一つの可動ミラー2802に向けて
反射させるように、回転制御される構成となっている。
【0215】また、図27の光入力ポート2702への
光入力手段として、図28の光ファイバ2804が用い
られる。この光ファイバ2804の出力端面が、図27
において光入力ポート2702に接続されている。
【0216】図28(A)に、この実施の形態において
用いる入力側スイッチ要素2704の第1の形態270
4aを示す。
【0217】この入力側スイッチ要素2704aに設け
られたレンズ系は、固定レンズ2800と、基板280
6上に複数設けられた可動ミラー2802と、これら可
動ミラー2802の各々に対応付けて設けられた凹レン
ズ2716とで構成されている。この構成は、凹レンズ
2716を入力側レンズ系の光が出射する面z0に設け
たものに対応している。
【0218】ここで、可動ミラー2802は、基板28
06に図示のように集積化されている必要はなく、ひと
つひとつ個別に分離して設けられていてもよい。その場
合はそれぞれのレンズ系2712(図27参照)も一組
ずつ個別に設けられることとなる。
【0219】この図28(A)において、各構成要素間
をつなぐ直線は、各部における光の形状を概略的に示し
たものである。よって、この光の形状を参考にしなが
ら、これより各部の動作について説明する。
【0220】この入力側のレンズ系において、光ファイ
バ2804からの光は、固定レンズ2800によって集
光され、凹レンズ2716の可動ミラー2802側の焦
点に向かって偏向(固定角度)される。よって、固定レ
ンズ2800は集光と偏向が可能なホログラムタイプで
あることが望ましい。
【0221】凹レンズ2716を通過した光は平行光と
なる。この平行光は可動ミラー2802で反射され、所
望の偏向角を有した平行光になる。この平行光は、凹レ
ンズ2716によって発散する光となり、後段の光学素
子2710(図27参照)へ入射される。
【0222】つぎに、図28(B)に、この実施の形態
において用いる入力側スイッチ要素2704の第2の形
態2704bを示す。
【0223】この入力側スイッチ要素に設けられたレン
ズ系は、図28(A)に示したものと構成がほぼ同様で
ある。よって、構成及び図の各部についての重複する記
載は省略する。
【0224】このレンズ系では、凹レンズ2716のほ
かに固定レンズ2800と可動ミラー2802との間
に、1枚構成の第2の凹レンズ2808を設けてある。
このようにすると、第2の凹レンズ2808によって、
光ファイバ2804からの光束列の間隔を狭めることが
可能となるため、可動ミラー2802の配置を高密度化
して集積規模を挙げることが可能となる。
【0225】なお、第6の実施の形態において用いられ
るレンズ系は、図28(A)及び(B)に示す構成に限
定されない。これらレンズ系の光が入射する面z1、及
び光が出射する面z0に凹レンズを設ける構成であるな
らば、例えば先に説明した、図3における可動レンズを
用いた構成であってもよい。その場合、これらレンズ系
の光が入射する面及び光が出射する面に設けられる凹レ
ンズを二枚目の可動レンズとするのが好ましい。
【0226】次に、図30に光学素子としてホログラム
3010を用いた例を示す。この光スイッチ3000の
基本的な構成は、図27に示した構成と同様である。よ
って、図30中において、構成及び図の各部についての
重複する説明は省略する。
【0227】なお、光スイッチ3000において、各入
力側レンズ系3012、及び各出力側レンズ系3014
とも構成は同一である。よって、図30においては、入
力側レンズ系3012を代表して、符号を付して構成要
素を示した。
【0228】この光スイッチ3000において、入力側
および出力側におけるレンズ系3012、3014に設
けられた図示の各可動ミラー2802に対して、入出力
する光束の中心光路が、同一面(ここでは図示の紙面)
内にくる。よって、入力側および出力側におけるレンズ
系3012、3014に設けられた各可動ミラー280
2は、一板の基板に集積化できる。また、固定レンズ2
800と光学素子3010とに対して、入出力する光束
の中心光路が、同一平面内に並べられるため、固定レン
ズ2800と光学素子3010をホログラム3010で
一体に基板に作製することが可能となる。
【0229】つぎに、図31を参照してこれらのレンズ
系を基板の上に集積化する方法の例を示す。
【0230】図31(A)は、基板上に集積されたレン
ズ系の配置状態を説明するための図である。図31
(B)は、このレンズ系の構成要素の配置関係の説明図
であり、図31(A)は、図31(B)のA−A’線に
沿った断面を、矢印の方向より見た図に相当する。ま
た、この実施の形態においては、入力側及び出力側で同
じ構成のスイッチ要素を用いる。よって、ここでは入力
側スイッチ要素3100におけるレンズ系に注目して、
これについて説明する。
【0231】図31(A)において、凹レンズ2716
がホログラム3102a,3102bとともに集積され
ている基板を基板a3104とする。また、可動ミラー
2802が設けられている基板を基板b3106とす
る。そして、基板a3104、基板b3106の裏面側
から表面にまで設けられた光ファイバ2804より光信
号は入力する。
【0232】ここで、ホログラム3102a,3102
b,凹レンズ2716が設けられた基板a3104は、
基板b3106に対して、図31(B)のように配置さ
れる。すなわち、マトリックス状に配列された凹レンズ
2716に対して、ホログラム3102aは、一部分の
ホログラムは凹レンズと重なり、残りのホログラム31
02bは凹レンズの隙間を埋めるように、やはりマトリ
ックス状に配置される。
【0233】更に可動ミラー2802を設けた基板b3
106は、各可動ミラー2802が、基板a3104に
設けられたホログラム3102a、3102b及び凹レ
ンズ2716と向かい合うように、基板a3104に対
して設置される。この配置により、高密度で凹レンズ2
716を並べることができる。
【0234】ここで、図31(A)に示した各構成要素
間をつなぐ直線は、各部における光の形状を概略的に表
すものである。この光の形状を参考にして、各部の動作
について説明する。
【0235】光ファイバ2804を出た光信号は、入射
光としてホログラム3102bで反射されるとともに平
行光となり、可動ミラー2802に入射する。そして、
可動ミラー2802で反射された光は、基板a3104
に設置されているホログラム3102aと、凹レンズ2
716を通過する。このとき凹レンズ2716を通過し
た光は発散すると共に、ホログラム3102aによっ
て、基板a3104に対して垂直方向に出射されること
になる。
【0236】次に、図32を参照しながら、第6の実施
の形態について行列表現による解析を行う。
【0237】図32は、この実施の形態におけるレンズ
系と光学素子とを含む光学系における各部の動作を説明
するための図である。
【0238】図32(A)は、この実施の形態における
入力側スイッチ要素3204の、入力側レンズ系の光が
出射する面に設置された凹レンズ2716と、光学素子
3210について、これらにおける光線束の形状を各部
をつなぐ直線3202、3206、3208で概略的に
示したものである。
【0239】また、図32(B)は、入力側スイッチ要
素3204の入力側レンズ系に設けられた可動ミラー2
802と、その光が出射する面に設置された凹レンズ2
716、及び光学素子3210について、これらにおけ
る光線束の中心光路の形状を直線3214a、3214
b、3214c、矢印3216a、3216b、321
6c及び3218a、3218b、3218cで、概略
的に示したものである。
【0240】また、この第6の実施の形態において、入
力側及び出力側スイッチ要素の構成は同一である。
【0241】図32(A)において、レンズ系の光が出
射する面に置かれた凹レンズ2716への入射光320
2は、平行光である。そして、この平行光3202は凹
レンズ2716を通過後発散された光3206となり、
光学素子3210に入射する。光学素子3210内部3
212の中央では平行光3208となっている。
【0242】図32(B)において、レンズ系に可動ミ
ラー2802を設けたとき、光線束の中心光路3214
a、3214b、3214cに対応するそれぞれの光の
うち、可動ミラー2802に対して所望の角度に偏向さ
れた光を得ることができる。
【0243】ここで、図32(A)において、f32を凹
レンズ2716とその虚焦点までの距離、f’32を光学
素子3210の焦点距離、図32(B)において、d32
を可動ミラーから凹レンズ2716までの距離、d’32
を凹レンズ2716から光学素子3210までの距離と
する。
【0244】図32(A)の動作に対応した光線行列を
求めると、その行列要素は、 m11=1+d’32/f32・・・(29a) m12=d32+d’32+d’3232/f32・・・(29b) m21=−1/(2f’32)+1/f32−d’32/(2f’3232)・・・( 29c) m22=−d32/(2f’32)+[1−d’32/2f’32](1+d32/f32 )・・・(29d) と表される。
【0245】凹レンズ2716への平行光(入射角=
0)3202が、光学素子3210の中点で平行光32
08となるためには、m21=0となる必要がある。
【0246】したがって、 −1/(2f’32)+1/f32−d’32/(2f’3232)=0・・・(30 ) 一方、図32(B)の動作に対応した光線行列を求める
と、 m11=1+d’3232/f32・・・(31a) m12=d32+d’32+d’3232/f32・・・(31b) m21=−1/f’32+1/f32−d’32/(f’3232)・・・(31c) m22=−d32/(f’32)+[1−d’32/f’32](1+d32/f32)・ ・・(31d) である。
【0247】ここで、図32(A)の凹レンズ2716
から平行光3202が出射するとき、凹レンズ2716
からそれぞれの偏向角で出射された全ての光線束320
6が、光学素子3210を通過後、平行光となるために
は、凹レンズ2716からの光の出射角が、平行光32
02の凹レンズ2716における入射角に無依存であれ
ば良い。
【0248】よって、(31d)式において、m22=
0より、 0=−d32/(f’32)+[1−d’32/f’32](1+d32/f32)・・・ (32) を得る。
【0249】(30)と(32)を同時に満たす条件
は、 f32/f’32=1+d32/f32・・・(33a) d’32=2f’32−f32・・・(33b) である。
【0250】設計可能な極限値は、d32=0と、d’32
=0である。このときそれぞれ、f 32=f’32、d’32
=f’32とf32=2f’32、d32=f32が成立してい
る。
【0251】入力側及び出力側レンズ系を含めた全体の
系を考えたとき、d’32=0の極限では光学素子321
0に対して凹レンズ2716が入出力側から合体し、し
かも、レンズ機能を互いにうち消し合う状態となってお
り、系に何もレンズが入っていない状態と等価となって
しまう。
【0252】また、図32(B)において、可動ミラー
2802による偏向角をθとすると、光学素子3210
の後での光束中心位置は、式(31a)〜(31d)よ
りm12θとなる。(33a)、(33b)式を用いて
d’32,f’32の式に整理すると、 m12θ=[2(f32−f’32)+d’32]θ=f32θ・・・(34) を得る。d32=0の極限では、光学素子3210の後で
の光束中心位置はm12θ=d’32θである。
【0253】次に図33を用いて、光学素子3310よ
り出力側において、凹レンズ2716が配置されている
光が入射する面z1での光束の様子を調べる。図33
も、基本的な図の各部の構成は、図32の構成と同様で
ある。この図33は、光学素子3310を挟んで形成さ
れる入力側スイッチ要素3324aと出力側スイッチ要
素3324bの、それぞれに設けられた凹レンズ271
6について、光学素子3310との関係を示したもので
ある。各部における光線束の中心光路を矢印3320
a、3320b、3320c及び3322a、3322
b、3322cで概略的に表わしてある。
【0254】この第6の実施の形態において、光学素子
3310と光が出射する面z0の距離と、光学素子33
10と光が入射する面z1の距離は等しく、この距離を
33とする。そして、入力側スイッチ要素の光が出射す
る面z0に設置された凹レンズ2716から、出力側ス
イッチ要素の光が入射する面z1への光線行列を求め
る。
【0255】さらに、図32を参照して求めた今までの
光学素子の焦点距離f’32,凹レンズの虚焦点までの距
離f32,凹レンズと光学素子間の距離d’32の結果を用
いて、 m11=1−d33/f’32=f32/f’32−1=d32/f32・・・(35a) m12=d33(2−d’32/f’32)=d’32(f32/f’32)・・・(35 b) m21=−1/f’32・・・(35c) m22=1−d33/f’32=f32/f’32−1・・・(35d) となる。
【0256】d32=0の条件(f32/f’32=0)では
m11=0となり、入力ポートの光が出射する面z0
設置された凹レンズ2716における偏向角のみで、出
力ポートの光が入射する面z1での光束の位置が決定す
る。
【0257】この出力ポートの光が入射する面z1での
光束の直径Rは、凹レンズ2716の前の平行光320
2の光束の直径をrとして R=m11r+m12r/f32・・・(36) である。式(36)を(33a)、(33b)式を用い
て計算すると、この直径Rは、rすなわち等倍の系にな
っている。
【0258】d32≠0では、入力ポートの光が出射する
面z0に設けられた凹レンズ2716での出力位置が、
可動ミラー2802の偏向角θで異なるため、出力ポー
トでの光が入射する面z1でそれに対応した位置に光束
が入射する。
【0259】図33に示すように、入力ポートにおいて
光が出射する面z0に設けられた2つの凹レンズ271
6に注目したとき、これら凹レンズ2716の中心間の
距離をX0とする。このとき、入力ポートから出射され
た光束が、出力ポートの光が入射する面z1上に到達す
る位置は、θ=0においてこれら凹レンズ2716の中
心間距離X0に対して、m11よりX032/f32であ
る。これが図32(B)における、入力ポートの光が出
射する面z0に設けられた凹レンズ2716における光
の出射位置d0θと一致する必要がある。
【0260】したがって、X0にある入力側レンズ系を
選択するには出力側でθ=X0/f32の角度設定をする
必要がある。
【0261】入力側凹レンズ2716を出た直後の光束
中心3320a、3320b、3320cはθ(1+d
32/f32)の角度を有している。
【0262】出力ポートにおける光が入射する面z1
の光束位置は Y1=m11(X0+d32θ)+m12θ(1+d32/f32) =X032/f32+θd32 2/f32+θd33(f32/f’32)(1+d32/ f32) =X032/f32+θf32・・・(37) である。最後の等式は(33a)、(33b)式を用い
ている。入出力を入れ替えて考えたとき、前の段落で求
めたθ=X0/f32との整合がとれている。
【0263】X0の最大値X0mに対する出力ポートにお
ける光が入射する面z1での光束位置X0m32/f32
対して凹レンズ2716の半径φ/2が大きい必要があ
る。d 32/f32は小さい方がよい。
【0264】この第6の実施の形態の光スイッチにおい
て、達成可能な回線数を見積もる。ここで、図1に示し
たこの発明の光スイッチの構成を振り返って、これを用
いながら説明を行う。
【0265】この第6の実施の形態は、図27に示した
ように入力側レンズ系の光が出射する面z0には凹レン
ズ2716が設けられている。
【0266】また、図1に示したような構成のこの発明
の光スイッチにおいては、基板32、36、42、46
上のサイズは、この凹レンズ2716の数を考慮すれば
よい。さらに、入力側スイッチ要素、出力側スイッチ要
素とも構成の同じものをもちいる。よって、一例とし
て、図1において例えば基板32に注目すると、この基
板のサイズはφN1/2である。
【0267】ここで、図32(A)、(B)より、凹レ
ンズ2716から出射した光の偏向角は、可動ミラー2
802後の偏向角の1+d32/f32倍となる。
【0268】したがって、d32≒0では偏向角は保存さ
れる。最大偏向角θmとして、最大スキャン幅は2d’
32θmとなる。したがって最大スキャン幅が図1の基板
32、36、42、46のサイズと一致するとして、 N=(2d’32θm/φ)2・・・(38) となる。
【0269】理想的な光学系では、出力側光スイッチ要
素に設けられた光ファイバでの角度ずれによる焦点ずれ
は、δS=fδθであるので、δθ/θm=εと誤差を
表示すれば、 N=[2d’32δS/(εfθ)]2・・・(39) となる。
【0270】d’32/(fθ)を充分大きくとることに
よりいくらでもチャネル数を増大することが可能であ
る。
【0271】例えば、δS=1μm、ε=0.01、f
=0.5mm、φ=80μ、d1=10cmとすると、
N=64万回線となる。θmが0.1radに限定され
ているときには、N=16万回線である。
【0272】[第7の実施の形態]図34に、第7の実
施の形態の構成を示す。この実施の形態における光スイ
ッチ3400の基本的な構成は、図27に示した第6の
実施の形態で説明した構成と同じである。よって、同様
の構成についての重複する説明は省略する。
【0273】この光スイッチ3400においては、光学
素子として、好ましくは凸レンズまたはホログラムを用
いるのが好ましい。ここでは、光学素子として凸レンズ
を用いた例を示す。
【0274】この実施の形態の光スイッチ3400にお
いて、光学素子としての凸レンズは、入力側スイッチ要
素3404及び出力側スイッチ要素3408間の光経路
に対応して個別に設けられた第1凸レンズ3410c
と、この第1凸レンズ3410cを挟む両側に設けられ
た2つの第2凸レンズ3410a及び3410bとの組
合せで構成してある。これら2つの第2凸レンズ341
0a及び3410bの形状及び物性は同一とする。
【0275】また、入力側レンズ系3402及び出力側
レンズ系3406は、固定レンズ3412及び3418
と、可動ミラー3414及び3416とから構成され
る。
【0276】尚、3412及び3418を可動レンズで
構成する場合があってもよい。この場合、この可動レン
ズは、入力側レンズ系3402においては、光ファイバ
に対する光信号の入射方向、そして、出力側レンズ系3
406においては、出射方向に垂直な面内で移動が可能
のものである。
【0277】一方、可動ミラー3414及び3416
は、入力側レンズ系3402においては光信号の入射光
線の中心光路、出力側レンズ系3406においては、光
信号の反射光線の中心光路を含む面に垂直な方向の回転
軸を有する構成となっている。
【0278】図35に、この光スイッチ3400におけ
る入力側スイッチ要素3404と、出力側スイッチ要素
3408間の光路の設定の仕方を示す。図20に示した
ような第5の実施の形態において説明した光学素子と可
動ミラーとの配置関係とは異なり、入力側可動ミラー3
414、及び出力側可動ミラー3416は第1凸レンズ
3410cに対して、ひとつおきにではなく、第1凸レ
ンズ3410cと同じピッチで基板上に配列されてい
る。第1凸レンズ3410cが順次に接触して連続配列
している場合には、これら両可動ミラー3414及び3
416もそれぞれ順次に接触して連続配列する。しか
し、第1凸レンズの枚数と両可動ミラーの枚数は一致し
ていなくてもよく、これら枚数は設計に応じた任意好適
な枚数とすればよい。
【0279】そして、第1凸レンズ3410cと第2凸
レンズ3410a及び3410bとの組合せレンズ(合
成レンズ)3410の焦点位置、すなわち焦平面に、入
力側可動ミラー3414をそれぞれ配置する。図35に
この組合せ凸レンズの焦点距離をf34で示してある。
【0280】図中、各部を結ぶ点線3500a〜350
0c及び点線3502a〜3502c、直線3504
a、3506aは、各部における光の形状を概略的に示
したものである。すると、この入力側可動ミラー341
4のうち、ひとつの可動ミラー3414aに注目する
と、この可動ミラー3414aから放射状に偏向された
光束3500a〜3500cは、第2凸レンズ3410
a、3410bの後ろにおいて、平行光束3502a〜
3502cに変換される。
【0281】この入力側可動ミラー3414aからのす
べての光束3500a〜3500cが、出力側可動ミラ
ー3416に到達するように配置を行う。すなわち、合
成レンズ3410の中心を通り、光軸に直交する軸(レ
ンズの径方向の軸)を対称軸として、合成レンズ341
0の前後で対象の位置の光軸に直交する面内に入力側及
び出力側可動ミラー3414、3416を配置する。
【0282】ここで、この合成レンズ3410中に、第
1凸レンズ3410cを設置しなかったとすると、図3
4に示す入力側レンズ系3402に設けられた可動ミラ
ー3414を、第2凸レンズだけの合成レンズの焦平面
すなわち焦点位置(あるいは光束の最小径位置)に配置
すると、1つの可動ミラー例えば3414bから出射し
た光束は、この第2凸レンズだけの合成レンズを通過し
た後で、単純に平行光になってしまう。
【0283】さらに、第5の実施の形態で述べたよう
な、入力側可動ミラー3414の角度による出力側可動
ミラー3416上での焦点位置ずれ、そしてそれによっ
て生じる角度誤差の低減を図るためには、入力側と同様
に出力側可動ミラー3416上で焦点を結ばせる必要が
ある。
【0284】そのため、光束の偏向方向を決めるための
第2凸レンズ3410a、3410bの他に、集光用の
第1凸レンズ3410cを設ける。第1凸レンズ341
0cは、第2凸レンズ3410a、3410bのような
一枚構造であると、その偏向機能を乱してしまう。この
結果、第1凸レンズ3410cは設定された光路に対し
て、一つずつ設けるレンズアレイ構造とする。
【0285】この合成レンズ3410を通過した光を、
出力側可動ミラー3416上で焦点を結ばせるために
は、第1凸レンズ3410cの焦点距離は、第2凸レン
ズ3410a、3410bと同一であればよい。第2凸
レンズ3410a、3410bと第1凸レンズ3410
cを組み合わせる(合成する)と、第2凸レンズ341
0a、3410bの焦点距離の二分の一の焦点距離とな
る。
【0286】そして、入力側可動ミラーのある一つのミ
ラー3414aと、それと対応付けられて基板3422
上の同じ位置に配置されている出力側可動ミラー341
6aの間の距離が、第1凸レンズ及び第2凸レンズの合
成焦点距離の二倍の値に等しくなるように、それぞれの
入力側及び出力側可動ミラー3414、3416を配置
する。
【0287】よって、以上のような構成の光スイッチに
おいて、入力側可動ミラー3414の、一つのミラー3
414bに注目したとき、光3504a、3506aで
示したように、この可動ミラー3414bから発散する
光3504aは、光3506bのように、出力側可動ミ
ラー3416a上に焦点を結ぶように、入力側及び出力
側可動ミラー3414、3416を配置することができ
る。
【0288】入力側可動ミラー3414では、光を所望
の第1凸レンズ3410cに向けて偏向する。光が出力
側可動ミラー3416のどの可動ミラーに到達するか
は、この入力側可動ミラー3414と、第1凸レンズ3
410cとの相対位置により、決定される。従って、ど
の位置の第1凸レンズ3410cを選ぶかによって、出
力ポートが選択される。
【0289】入力側可動ミラー3414に属する一つの
ミラーと、それと対応付けられて基板3422上に設け
られている出力側可動ミラーとの間の距離をLとする
と、この距離Lは、第1凸レンズ3410cの直径φ
と、L<πθ2/λの関係にある。
【0290】ここで、図34に示すような構成の第7の
実施の形態は、図20に示すような第5の実施の形態に
対して、第2の凸レンズ3410a、3410bを導入
する改良を行ったものである。よって、図20に示すよ
うな構成の第5の実施の形態の光スイッチとの比較を行
う。
【0291】いま、図34に示したような光スイッチ3
400において、入力側もしくは出力側可動ミラー34
14及び3416を一辺にN1/2だけ並べ、基板342
0もしくは3422に平面内でN個マトリックス配列し
たとする。
【0292】このとき第1凸レンズ3410cは、これ
ら可動ミラー3414もしくは3416に対応して、一
辺に(2N1/2−1)個だけ並べられる。この第1凸レ
ンズ3410cの間の配列ピッチをAφ(Aは定数)と
すると、基板3420及び3422の一辺を、s=Aφ
1/2とすることができる。
【0293】一方、図20で示すような構成の第5の実
施の形態の光スイッチにおいては、基板172及び17
4の一辺はs=Aφ(2N1/2−1)になっていた。
【0294】よって、図1もしくは図26に示したよう
な光スイッチの各部の配置にあてはめて考えると、第7
の実施の形態の光スイッチにおいては、基板サイズを面
積で4分の1とすることができる。
【0295】また、図20で説明したような第5の実施
の形態において、入力側可動ミラー166による最大偏
向角を片側θmとしたとき、同様に、図1もしくは図2
6に示したような光スイッチにおける各部の配置にあて
はめて考える。
【0296】このとき、マトリックス配列された入力ポ
ートにおいて、周縁側に配置されたポートに設けられた
入力側可動ミラー166の偏向角は、θm=2AφN1/2
/L必要としていた。
【0297】一方、同様の場合について考えると、この
第7の実施の形態では、図20に示したような光スイッ
チにおける入力側可動ミラー166の偏向角の2倍の偏
向角が使用できるために、θm=AφN1/2/Lとなる。
すなわち、第7の実施の形態では、第5の実施の形態と
比較して、θmは第5の実施の形態の半分でよい。
【0298】したがって、同一の最大偏向角θmに対し
て、回線数Nでは、4倍増加させることが可能となる。
最大偏向角とφ、Nの関連はN=[(πθmφ)/(λ
A)]2の関係にある。
【0299】これは、文献1に開示された技術と同様の
関係である。すなわち、第5の実施の形態において既に
述べたように、この文献1に開示されている光スイッチ
は、可動ミラーの直径の値を200〜300μmに設定
している。一方、図23に示したような第5の実施の形
態は、光学素子として設けたリレーレンズの直径の値を
これと同一の値としている。これは、第5の実施の形態
と類似の構成をもつ、図34に示したような第7の実施
の形態における第1凸レンズについても同様である。
【0300】以上のことから、この発明の第5、第7の
実施の形態の光スイッチについては、可動ミラー331
4もしくは3316の直径を文献1の値よりも小さくす
ることが可能である点が、文献1に開示された光スイッ
チの構成と異なっている。
【0301】[第8の実施の形態における従来例]次
に、この発明の第8の実施の形態における従来例を図2
5(A)に示す。この光スイッチ25010は、従来既
知のものであり、光学素子として固定反射鏡2502を
用いている。
【0302】これより、この光スイッチ25010につ
いて説明することにより、第8の実施の形態における更
なる課題を明らかにする。
【0303】この光スイッチ25010は、入力側スイ
ッチ要素と、出力側スイッチ要素を共用した構成となっ
ている。よって、ここでは説明のため、入力側スイッチ
要素と出力側スイッチ要素を総称して、入出力側スイッ
チ要素25000とする。また各部をつなぐ点線は、各
部における光線束の中心光路を概略的に示したものであ
る。
【0304】図25(A)において、入出力側スイッチ
要素25000は、光入出力ポート25040a〜25
040cの各々に対応する可動ミラー2506a〜25
06cを基板2508上に設けた構成の光学偏向素子2
510a〜2510cを備えている。また、コリメータ
レンズ(固定レンズ)25120a〜25120cは、
光偏向素子2510a〜2510cの各々に対応して、
光ファイバ2514a〜2514cと可動ミラー250
6a〜2506cとの間に設置される。すなわち、この
構成においては、前述の構成の光偏向素子2510a〜
2510cとコリメータレンズ(固定レンズ)2512
0a〜25120cとで構成されるレンズ系が、各入出
力ポート25040a〜25040cに形成されてい
る。
【0305】そして、これらのレンズ系の中間に、すな
わち入力側スイッチ要素と、出力側スイッチ要素との間
に、光学素子として一枚で構成される固定反射鏡250
2が設置されている。
【0306】なお、コリメータレンズ(固定レンズ)2
5120a〜25120cは、可動ミラー2506a〜
2506cと同様に基板2508上に形成することが可
能である。
【0307】ここで、この光スイッチ25010におけ
る動作について説明する。
【0308】ある入出力ポート25040a〜2504
0cにおいて、光ファイバ2514a〜2514cから
出射された光は、コリメータレンズ25120a〜25
120cにより所望の可動ミラー2506a〜2506
c上で偏向され集光される。ここで、図25(A)に示
すように、光ファイバ2514a〜2514cからの光
は、コリメータレンズ(固定レンズ)25120a〜2
5120cにより、可動ミラー2506a〜2506c
へ向かう平行光となる。
【0309】そして、可動ミラー2506a〜2506
cにて固定反射鏡2502に偏向された後、反射され
る。ここで、可動ミラー2506a〜2506cによる
入射角度の調整により、光は特定の光ファイバ2514
a〜2514cに入射されるように偏向される。すなわ
ち、可動ミラー2506a〜2506cを出た光は、固
定反射鏡2502により反射され、所望の入出力ポート
25040a〜25040cに対応した可動ミラー25
06a〜2506cへ向かう。その後、可動ミラー25
06a〜2506cで所望の光ファイバ2514a〜2
514c方向に光は偏向される。続いて可動ミラー25
06a〜2506cからの光は、コリメータレンズ(固
定レンズ)25120a〜25120cにより光ファイ
バ2514a〜2514cの端面に集光される。
【0310】複数の光ファイバ2514a〜2514c
の端面から出射された光は、コリメータレンズ(固定レ
ンズ)25120a〜25120cを通って、平行光と
され、可動ミラー2506a〜2506c上に向かう。
このとき各コリメータレンズ(固定レンズ)25120
a〜25120cを通過した光束の中心軸は、他の光束
の中心軸に対して、互いに平行となる。
【0311】基板2508の光学部品等の取り付面は平
坦面であり、この基板2508上に取り付けられた可動
ミラー2506a〜2506cのミラー面は、無制御状
態で基板2508の表面と平行で且つ互いに同一平面内
にある。この状態における可動ミラー2506a〜25
06cにより反射された各光線束の中心光路は、やはり
互いに平行である。
【0312】固定反射鏡2502が、平面鏡(ミラー)
であれば、反射された各光の光線束の中心光路も、他の
光線束の中心光路に対して互いに平行となる。可動ミラ
ー2506a〜2506cが、前述したように無制御状
態であるとき、固定反射鏡2502で反射された各々の
光は、固定反射鏡2502に入射されるまでと同じ光路
を辿って、再び光ファイバ2514a〜2514cに入
射される。
【0313】このとき、基板2508の周縁側にある光
偏向素子である可動ミラー2506aに対応する入出力
ポート25040aに注目する。可動ミラー2506a
が無制御状態にあるときは、可動ミラーからの反射光束
は固定反射鏡2502に垂直入射する。
【0314】一方、光ファイバ2514aから出射した
光を、可動ミラー2506aにおける入射角の調整によ
って、光ファイバ2514b、2514cに入射させる
場合を考える。このとき、可動ミラー2506aの入射
角を調整することにより固定反射鏡2502に向かって
偏向させた光線束の中心光路を、2514aの光ファイ
バから出射した光の戻り光の光線束の中心光路に対し
て、片側に、すなわち光ファイバ2514b、2514
c側に寄せる必要がある。
【0315】また、基板2508の中央側にある光入出
力ポート25040bについて同様に考える。この場合
も、可動ミラー2506bは無制御状態にあるとする。
【0316】このとき、光ファイバ2514bから出射
した光を、光ファイバ2514a、または2514c
に、可動ミラー2506bを調整することによって入射
させるためには、2514bの光ファイバから出射した
光線束の中心光路に対して、可動ミラー2506bにお
いて反射した光線束の中心光路を、いずれかの両側へ振
る必要がある。すなわち、この光スイッチ25010
は、同一の出力ポートに出力する際に、偏向素子が基板
のどの位置にあるかによって、偏向角が異なるため、駆
動が面倒であるという問題点を有している。
【0317】第8の実施の形態は、第6及び第7の実施
の形態と同様の目的を有しているが、更に、上述した従
来例の問題点を鑑み、光スイッチの駆動を容易とするこ
とを目的として成されたものである。
【0318】[第8の実施の形態]第8の実施の形態の
光スイッチは、マトリックス配列された複数の入力ポー
トを有する入力側スイッチ要素と、マトリックス配列さ
れた複数の出力ポートを有する出力側スイッチ要素とを
備えている。そして、さらに入力ポートの各々は、これ
ら入力ポートのそれぞれに対応付けられた入力側レンズ
系を有し、出力ポートの各々は、これら出力ポートのそ
れぞれに対応付けられた出力側レンズ系を有している。
この光スイッチは、入力ポート側から出力ポート側に光
信号を出力させる。
【0319】さらに、この第8の実施の形態には、入力
側スイッチ要素と出力側スイッチ要素との間に光学素子
が配設されている。ここでは、光学素子として固定反射
鏡を用いた構成例について説明する。
【0320】図25(B)にこの光スイッチ2501の
構成を示す。この光スイッチ2501は、第8の実施の
形態の従来例で説明した図25(A)に示した光スイッ
チ25010と構成はほぼ同一である。よって、ここで
は同一の構成についての重複する説明は省略する。
【0321】この図25(B)において、各部をつなぐ
点線は、図25(A)に示した従来の光スイッチ250
10について、各部における光線束の中心光路に対応す
る光路を概略的に示したものである。これと同様に、各
部をつなぐ直線は、第8の実施の形態におけるこの光ス
イッチの動作を示すための、光線束の中心光路を概略的
に示したものである。
【0322】尚、図25(B)には図示はしていない
が、この第8の実施の形態の光スイッチ2501におけ
る各入出力ポート及び入出力側スイッチ要素は、図25
(A)における各入出力ポート25040a〜2504
0c、及び入出力側スイッチ要素25000と同様の構
成を示すものである。
【0323】この光スイッチ2501は、固定レンズ2
512a〜2512cに固定角度の偏向作用を持たせて
いる。例えば、端側の固定レンズ2512aの中心に対
して、入出力ポートからの光軸延長線(光ファイバの中
心軸の延長線)がポートごとに異なる構成とする。すな
わち、入力光線束それぞれの中心軸が固定レンズの中心
からずれている構成とする。
【0324】ここで、図25(B)に示したように、こ
の固定レンズ2512aの中心と、光ファイバ2514
aからの光線束の中心光路との間の距離gに対して、固
定レンズ2512aの焦点距離をf25とすると、固定レ
ンズ2512aによって角度g/f25だけ光は偏向され
る。
【0325】そして、可動ミラー2506a〜2506
cは無制御状態であるとする。この光スイッチ2501
において可動ミラー2506a〜2506cは基板25
08にマトリックス状に配置されている。可動ミラー2
506a〜2506cが無制御状態のとき、可動ミラー
2506a〜2506cの反射面は、基板2508の平
坦な表面(可動ミラーの固着面)に対して平行になって
いる。
【0326】光ファイバ2514a〜2514cからの
光は、固定レンズ2512a〜2512cにて偏向さ
れ、無制御状態の可動ミラー2506a〜2506cで
反射され、固定反射鏡2502により反射され、再び可
動ミラー2506a〜2506cへ向かう。このとき、
固定反射鏡2502において反射され可動ミラー250
6a〜2506cへ向う光束が、基板2508のミラー
アレイの中心側に位置する可動ミラー2506bへ向か
うように、各固定レンズ2512a〜2512cにおけ
る偏向角を調整する。
【0327】一方、中央のポートに設けられた光ファイ
バ2514bより出射した光は、中央の固定レンズ25
12bの中心を通り、中央のミラー2506bへ向けて
いるとする。この場合には、固定レンズ2512bにお
いて光を偏向させる必要はなく、固定反射鏡2502か
らの反射光が中央のミラー2506bに戻る。
【0328】以上のような構成の光スイッチ2501に
おいて、可動ミラーを一辺にN1/2だけ並べ、基板25
08に平面内でN個マトリックス配列したとする。そし
て、図1もしくは図26に示したような光スイッチの配
置を参考にし、これにあてはめて考えると、中央からi
番目のレンズ2512に必要な偏向角度は、 (2i/N1/2)Ls/(2L)=iAφ/L・・・(40) である。ここでは、φは可動ミラー2506の直径、A
は定数である。
【0329】尚、この光スイッチ2501の構成は図2
5(B)に示したように、入力側スイッチ要素と出力側
スイッチ要素を共用した構成となっている。よって距離
Lは、入出力側スイッチ要素2500と、固定反射鏡2
502間の距離となる。
【0330】したがって、光束に対するレンズ位置のず
れ量はg=iAφf25/Lとなり、最大ずれ量は、N
1/2Aφf25/(2L)である。最大偏向角をθmとする
と、これはN1/2Aφ/(2L)と表されるので、最大
ずれ量は、g=f25θmである。
【0331】通常、光スイッチにおいて使用されている
レンズは、θm=6度程度、f25=1mmであるので、
g=100μmを得る。これは一般的に用いられている
値、φ=300μmより小さく現実的な値といえる。
【0332】このような構成の光スイッチ2501にお
いては、入出力ポートからの光は、すべて基板2508
上にマトリックス配列された可動ミラー2506a〜2
506cの、マトリックスの中心側の可動ミラー250
6bに向かっている。よって、マトリックス状に配列さ
れた複数の入出力ポートのうち、マトリックスの周縁側
のポートに対応した可動ミラー2506aもしくは25
06cへ偏向する場合には、無制御状態から左右に可動
ミラー2506aもしくは2506cの偏向角を振るこ
とで行うことができるようになる。
【0333】ここで図36(B)には、この第8の実施
の形態における別の実施例を、図36(A)には、第8
の実施の形態における改良を加える前の構成をもつ光ス
イッチを示している。
【0334】これら光スイッチの基本的な構成は図25
(B)に示したものと同様である。よって、同じ構成に
ついての重複する説明は省略する。
【0335】また、第8の実施の形態における改良を行
う前の光スイッチ3600aについて、図36(A)に
おいて示した各部をつなぐ点線は、その各部の動作を説
明するための、光線束の形状を概略的に示したものであ
る。
【0336】また、同様に、図36(B)に示した各部
をつなぐ直線3614a〜3614c及び3616a、
3616b、点線3618a、3618bは、第8の実
施の形態におけるこの光スイッチ3600bの各部の動
作を説明するための、光線束の中心光路を概略的に示し
たものである。
【0337】この光スイッチ3600a、3600bに
おいて、入力側レンズ系及び出力側レンズ系は、焦点距
離の異なる少なくとも2枚の可動レンズ3606a〜3
606c及び3608a〜3608cより構成される。
【0338】入力側可動レンズ3606a〜3606c
は、光信号の入力方向に垂直な面内で移動可能であり、
また出力側可動レンズ3608a〜3608cは、光信
号の出力方向に垂直な面内で移動可能である。
【0339】そして、この光スイッチ3600a、36
00bにおいて、入力側スイッチ要素3602と、出力
側スイッチ要素3604とを同じ構成とする。
【0340】ところで、図36(A)に示した光スイッ
チ3600aにおいて、無制御状態の可動レンズ360
6a及び3608bの中心軸は、それと対応して設けら
れている光ファイバの延長線上にあった。
【0341】ここで、図36(A)において、可動レン
ズ3606a及び3608cは、実線で示したものが無
制御状態の可動レンズであることを示す。また、可動レ
ンズ3606a及び3608cは、図1で示したような
この発明の光スイッチにおいて、基板上にマトリックス
状に設けられた入力ポートもしくは出力ポートのうち、
基板の周縁側に配置されたポート内に位置している。こ
れは、図36(B)においても同様である。
【0342】一方、図36(B)に示した光スイッチ3
600bにおいては、入力もしくは出力ポートの位置に
より、無制御状態での可動レンズ3606a及び360
8cの中心軸を光ファイバ3610a及び3612cの
延長線上からgだけずらして設置する、という改良を行
っている。
【0343】ずらす量は、図25(B)の光スイッチに
おいて既に説明したずれ量と同様である。これによっ
て、入力ポートに接続された入力側光ファイバ3610
aの端面から出た光の光束は、各可動レンズ3606a
〜3606c及び3608a〜3608cが無制御状態
である場合には、中央側の出力ポートに設置された光フ
ァイバ3612bへ向かっている。
【0344】一方、このような動作は、出力ポートに接
続された出力側光ファイバ3612cより出射し、この
光ファイバ3612cに対応して設けられた可動レンズ
3608cを通過した光束においても同様である。
【0345】いま、図36(B)において、マトリック
ス配列された入力ポートの周縁側のポートに設けられて
いる、可動レンズ3606aに注目すると、このレンズ
3606aは点線で示したレンズのように、図中矢印k
方向に、この場合には、図の上下方向にずらすことがで
きる。よって、この可動レンズ3606aの移動によ
り、光線束3618a、3618bの中心光路を、所望
の可動レンズ3608aまたは3608cへと向けるこ
とが可能となる。このように、入力側光ファイバ361
0aからの光を、可動レンズ3606aを無制御状態の
位置から、上下方向にずらすことによって、可動レンズ
3606aを通過した光を上下方向に振ることが可能と
なる。
【0346】つぎに図37は、この第8の実施の形態
の、別の構成例を示す図である。この光スイッチ370
0の基本的な構成は、第5の実施の形態において説明し
た構成とほぼ同様である。よって、同じ構成についての
重複する説明は省略する。
【0347】また、各部をつなぐ直線3710a〜37
10c、3718a〜3718c、3712b、また、
一点鎖線3724a、3724b、3712a、371
2cは、この光スイッチ3700の動作を説明するため
に、各部における光線束の中央光路を概略的に示したも
のである。
【0348】ここでは、入力及び出力ポート3702a
〜3702c及び3704a〜3704cを、それぞれ
のポート間を通常よりも離間配置させ、しかもポート毎
に、入力側及び出力側レンズ系における固定レンズ37
06a〜3706c及び3708a〜3708cで偏向
角が異なるように、配置してある。ここで、レンズ37
06a〜3706c及び3708a〜3708cは、そ
れぞれ可動レンズで構成される場合があってもよい。
【0349】このような構成において、光ファイバ37
02a〜3702cからそれぞれ出射し、入力側固定レ
ンズ3706a〜3706cをそれぞれ通過した光37
10a〜3710cを、可動ミラー3714a〜371
4cによって、光3718a〜3718cで示すように
偏向させる。この場合、この偏向光3718a〜371
8cを、基板3722の中央側に位置する可動ミラー3
716bに向かうように、それぞれの可動ミラー371
4a〜3714cを制御する。
【0350】また、各入力側レンズ系に設けられた可動
ミラー3714a〜3714cのうち、基板3720の
中心側に位置する可動ミラー3714bによって反射さ
れた光は、基板3722上に配置された可動ミラー37
16a〜3716cのうちのいずれかの可動ミラーに向
かう。そして、これらの可動ミラー3716a〜371
6cによって偏向制御され、光3712a〜3712c
で示すように、出力ポート3704a〜3704cのう
ちのいずれかのポートへ向かう。
【0351】これにより、この光スイッチ3700にお
いては、どの入力ポート3702a〜3702cにおい
ても、光を出射させるときとりうる偏向角の値の範囲が
同じとなる。
【0352】また、固定レンズ3706a〜3706
c、3708a〜3708cは、偏向作用を有したホロ
グラムで代替してもよい。
【0353】ここで、これら第8の実施の形態における
レンズ系の変形例を紹介する。この変形例の構成は、入
力側及び出力側レンズ系に一枚の凸レンズを導入したも
のである。
【0354】第8の実施の形態においては、入力側およ
び出力側スイッチ要素に設けられた固定レンズ(或いは
可動レンズ)の中心位置を、光束に対してずらすことで
固定偏向作用を実現していた。しかし、この変形例は、
凸レンズを用いることで、この作用を実現することがで
きる。
【0355】この凸レンズの設置の様子を、図38に示
す。この図において3804a〜3804cは各ポート
に設けられた光ファイバを示している。そして、これら
の各々のポートに可動レンズ3800a〜3800c
が、それぞれ対応づけて設置されている。尚、これらレ
ンズ3800a〜3800cには、固定レンズを用いる
場合があってもよい。
【0356】凸レンズ3802は、これらの可動レンズ
より出射した光束を通過させることができるように、可
動レンズ3800a〜3800cの後に設置されてい
る。
【0357】ここで、各部をつなぐ直線、及び点線は、
各部の動作を説明するために、光束の形状を概略的に示
したものである。光線束の中心光路3806は、凸レン
ズ3802の集光作用によってある中心へと向かう線群
となる。その角度は、凸レンズ3802の中心点Oを通
る一点鎖線を基準にした各光ファイバの位置をGとし
て、凸レンズ3802の焦点距離をF38とすれば、G/
38で表される。
【0358】具体的に、凸レンズ3802はつぎのよう
に設置される。例えば図37における入力側スイッチ要
素を参照すれば、この凸レンズ3802は、可動レンズ
3706a〜3706cと、可動ミラー3714a〜3
714cとの間に設けられる。この変形例の構成におい
て、可動ミラー3714a〜3714cは、凸レンズ3
802からの距離が、凸レンズ3802の焦点距離F38
と等しくなるように設置されている。
【0359】図38において、光ファイバ3804aか
ら出た光3808a、3808bは、可動レンズ380
0aと凸レンズ3802の両方によって、集光される。
ここで、可動レンズ3800a〜3800cはすべて物
性が等しいものを使用する。よって、これらの可動レン
ズ3800a〜3800cの焦点距離は同一である。こ
の焦点距離をf38とすると、可動レンズ3800a〜3
800cと凸レンズ3802との合成焦点距離は、f38
38/(f38+F38)である。
【0360】可動レンズ3800a〜3800cを通過
して、その後、さらに凸レンズ3802を通過した光束
が、平行光となるためには、可動レンズ3800a〜3
800cと凸レンズ3802の復合レンズ中心と光ファ
イバ3804a〜3804cの距離をこの合成焦点距離
と等しくする。F38>>f38であれば、合成焦点距離
は、ほぼf38に等しくなる。
【0361】[第9の実施の形態]この発明の第9の実
施の形態の構成を図39に示す。この光スイッチ390
0は、複数個の光入力ポートを有する入力側スイッチ要
素と、複数個の光出力ポートを有する出力側スイッチ要
素とを備え、光入力ポートのいずれかに入力された光信
号を、光出力ポートのいずれかから出力させる。
【0362】入力側スイッチ要素は、第1及び第2光ユ
ニット3902、3904を備え、出力側スイッチ要素
は、第3及び第4光ユニット3906、3908を備え
ている。
【0363】第1光ユニット3902は、入力側導光路
3918と、入力側導光路3918からの光信号を集光
する入射側レンズ系3920との組合せを、光入力ポー
トの各々に対応付けて複数対備えている。
【0364】また、第2光ユニット3904は、これら
レンズ系と対応付けて設けられている。そして、これら
レンズ系からの光信号を反射させる複数の第1可動ミラ
ー3922を備えている。
【0365】また、第3光ユニット3906は、第2光
ユニット3904の第1可動ミラー3922からの光信
号を個別に反射させる複数の第2可動ミラー3926を
備えている。
【0366】第4光ユニット3908は、第2可動ミラ
ー3926からの光信号を集光する出射側レンズ系39
28と、このレンズ系から光信号が入射する出力側導光
路3930との組合せを、光出力ポートの各々に対応付
けて複数対備えている。
【0367】これら、第1、第2、第3、第4光ユニッ
ト3902〜3908は、共通の基板3932上に設け
られているのが好ましい。
【0368】また、この実施の形態の光スイッチ390
0において、第1光ユニット3902内は、入力側導光
路3918が第1基板3910に固定されており、同様
に入射側レンズ系3920も第2基板3912に固定さ
れており、第4光ユニット3908内は、出射側レンズ
系3928が第3基板3914に固定されており、同様
にして出力側導光路3930も第4基板3916に固定
されている。
【0369】この光スイッチにおいて、第1基板から第
4基板3910〜3916は、熱膨張係数が小さいか、
同一の基板であることが好ましい。
【0370】また、他の好適な例として、第1基板から
第4基板3910〜3916は、共通基板3932より
熱膨張係数が小さいか、或いは同一である。
【0371】この第9の実施の形態における熱膨張係数
の具体的な値は、10-7以下のオーダーであることが望
ましい。
【0372】この光スイッチ3900における各部の動
作を説明する。ここで、この光スイッチ3900の動作
を説明するために、図39に各部をつなぐ直線及び矢印
3934〜3938として、光束の形状を概略的に示
す。また、図39に示すように、共通基板3932の横
方向をX1、長さ方向をY1とする。
【0373】この光スイッチ3900において、入力ポ
ートに設けられた入力側導光路3918である光ファイ
バの端面より、光信号が出力される。この光信号は、図
39中に示した矢印3934のように、第2基板391
2に設けられた可動レンズ3920へ光として入射し、
コリメートされ、基板3924aに設けられた第1可動
ミラー3922方向に向かう。
【0374】そして、この第1可動ミラー3922での
光の入射角及び反射角、すなわちミラー面の基板392
4aの表面に対する傾きを制御して、基板3924bに
設置された所望の第2可動ミラー3926に、矢印39
36で示したように、光ビームを向ける。
【0375】第2可動ミラー3926でも、これと同様
の動作が行われる。すなわち、この第2可動ミラー39
26での光の入射角及び反射角、すなわちミラー面の基
板3924bの表面に対する傾きを制御して、それと対
応した所望の出力ポートの方向に、矢印3938で示し
たように光ビームを向ける。
【0376】いま、温度変動により共通基板3932が
膨張したとし、その場合の動作につき、図40を参照し
て説明する。図40は、第9の実施の形態における光ス
イッチの動作例を示した図で、この光スイッチは図39
で説明した構成と同じであるので、同一の構成について
の重複する説明は省略する。
【0377】このとき、膨張した共通基板を図中点線枠
4032で示す。膨張する前の入力側スイッチ要素にお
ける各第1及び第2光ユニット3902、3904を基
準として、第3光ユニット及び、第4光ユニットはそれ
ぞれ4006、4008のように、その位置がずれる。
【0378】ここで、図39に示す構成において、第1
光ユニット3902、及び第3光ユニット3906は、
共通基板3932と同様に膨張する。しかし、第1基板
3910と第2基板3912の熱膨張係数が同一であ
り、及び第3基板3914と第4基板3916の熱膨張
係数が同一であれば、第2光ユニット3904に設けら
れた第1可動ミラー3922への光の入射位置ずれは生
じるが、入射角は変動しない。この第1可動ミラー39
22は、そのミラー面の基板3924aの表面に対する
傾き角度における温度変動は小さいので、光ビームの伝
搬角度にも変化はない。このとき第3光ユニット390
6に設けられた第2可動ミラー3926においても、光
は入射位置が変動するだけであって、入射角の変動は無
い。この第2可動ミラー3926は、そのミラー面の基
板3924bに対する傾き角度の温度による角度変化は
小さいため、第2可動ミラー3926への入射位置は変
動するものの、入射角度の変動は無い。
【0379】つぎに図41(A)を用いて、図39に示
したこの光スイッチ3900における、出射側レンズ系
として出力側スイッチ要素に設けられた可動レンズ39
28への入射位置の変動効果を示す。
【0380】図41(A)における実線4104、41
06、及び点線4108、4110は、光束の形状を概
略的に示したものである。
【0381】実線で示した平行光ビーム4106は、出
力側導光路3930として第4の基板3916に設けら
れた光ファイバの端面に、可動レンズ3928によっ
て、集光される。
【0382】ここで図40を用いて説明した共通基板3
932の熱膨張により、可動レンズ3928への光ビー
ム4106が、光ビーム4110のようにシフトして、
出力側導光路3930である光ファイバへ入射するとす
る。
【0383】可動レンズ3928の性質から、この状態
では点線で示した光ビーム4108のように、光ファイ
バ3930への光の入射角は、実線で示す光ビーム41
04の光の入射角度から変動を生じる。
【0384】一般に、シングルモード光ファイバで0.
5dB以下の光パワー変動には、入射角の変動は1.5
度まで許容される。
【0385】ビーム位置ずれ量は、使用条件から要求さ
れる100℃の温度変化範囲で、数十ミクロン程度であ
るので、可動レンズ3928の焦点距離が1〜2mmの
ものを用いれば、損失変動を許容範囲内で抑えることが
可能となる。この焦点距離は、通常良く使われるレンズ
焦点距離に相当する。
【0386】温度変化による入力角の変化を小さくする
ためには、焦点距離の長いレンズが望ましいが、可動ミ
ラーの角度誤差による焦点位置ずれを小さく抑えるに
は、焦点距離が短いレンズがよい。したがって、レンズ
の焦点距離の最適長がありうる。すべての構造物が同一
の膨張係数を有しているときには、温度変化による、入
射角変動は生じない。このときは焦点距離は短いほど良
い。
【0387】図41(B)を参照しながら、図39に示
したような構成の第9の実施の形態の光スイッチ390
0において、基板3924aに設けられた第1可動ミラ
ー3922と、基板3924bに設けられた第2可動ミ
ラー3926を含む部分に注目し、ここでの動作を説明
する。
【0388】ただし、図41(B)はより詳細にこの説
明を行うために、次のような構成とした。すなわち、図
39に示した光スイッチにおいて、第2光ユニット39
04に設置された基板4112上に第1可動ミラー41
16a〜4116dが設けられ、第3光ユニット390
6に設置された基板4114上に第2可動ミラー411
8a〜4118dが設けられている。そして、基板41
12の垂直方向に距離L41だけ離れた位置に、基板41
14は配置されている。
【0389】第2光ユニットにおける可動ミラー411
6a〜4116dのうちのひとつ、すなわち、ここでは
可動ミラー4116aに更に注目する。可動ミラー41
16aと4118dをつなぐ矢印4120は、可動ミラ
ー4116aに入射して反射した光線束の中心光路を示
すものであり、出力側可動ミラー4118dへ入射する
ようすを表している。
【0390】これより、図40において説明したような
共通基板3932の熱膨張に伴う光線束の中心光路41
20について、可動ミラー4118d上における位置ず
れを計算する。ここでは、この光線束4120の可動ミ
ラー4118dへの入射角θ 41を一定とし、またこれは
微少量であると仮定する。さらに、共通基板3932の
1方向の熱膨張率をα1、Y1方向の熱膨張率をα1’、
基板4112、4114の熱膨張率をβとする。
【0391】ここで、基板4114と基板4112にお
ける可動ミラー4116aの位置を考える。この位置
は、次のような2種類の相対位置の合計値として表され
る。
【0392】すなわち、基板4114上における可動ミ
ラー4118dの位置と、基板4112の基板4114
に対する相対位置を考える。
【0393】基板4114上における、可動ミラー41
16dの可動ミラー4118aに対する相対位置は、図
41(B)に示すように、基板4114上において可動
ミラー4118aと可動ミラー4118dとの距離Sと
することができる。
【0394】また、基板4112上における可動ミラー
4116aの基板4114に対する相対位置は、図41
(B)に示すように、基板4114上において可動ミラ
ー4116aと対称の位置に存在する可動ミラー411
8aと可動ミラー4116aとのX1方向の水平距離r
とすることができる。
【0395】よって、これらの数値を用いて、基板41
12と基板4114における可動ミラー4116aに対
する可動ミラー4118dの位置はr+Sとなる。そし
て、この値を利用すれば入射角θ=(r+S)/L41
表される。この結果、図40で説明したような熱膨張が
起こる前の状態では、光線束の中心光路4120の可動
ミラー4118dにおける入射位置はもともとθL41
なる。
【0396】さらに、ここで図39の光スイッチ390
0の内部、すなわち図41(B)において、熱膨張が生
じたとする。
【0397】この場合、図41(B)における光線束の
中心光路4120の可動ミラー4118d上への入射位
置は、θ41α1’Lとなる。すなわち、光線束の中心光
路4120の出力側可動ミラー4118d上における理
論的な入射位置は、α1’(r+S)である。
【0398】しかし、実際は、図39において共通基板
3932のX1方向、Y1方向、及び基板3924a(す
なわち図41(B)においては基板4112)と基板3
924b(すなわち図41(B)においては基板411
4)の熱膨張率はそれぞれ異なる値である。すなわち、
光線束の中心光路4120の可動ミラー4118d上に
おける入射位置は、α1r+βSになっている。
【0399】これらの差を求めると、{(α1−α1’)
r+(β−α1’)S}となる。これを相対的ビームシ
フトという。
【0400】ところで、図39に示したような構成の光
スイッチ3900において、r、そしてSの最大値はと
もに数cmの大きさに設定する。
【0401】そして、図39において基板3924a、
3924bをシリコン(Si)(β−1=3x10-6
℃)、共通基板3932を鉄(Fe)(α’−1=11
x10-6/℃)とすると、100度の温度変化で、相対
的ビームシフトを求めると、数10μm程度となる。
【0402】さらに共通基板3932を、ニッケル鋼
(64Fe36Ni)(α’−1=0.1x10-6
℃)あるいはカーボンのような熱膨張の小さいもの、す
なわち(α’−1)=10-7以下のものを用いると、相
対的ビームシフトの量を半分以下にすることができる。
【0403】[第10の実施の形態]次に、この発明の
光スイッチの動作を制御するための光スイッチ装置につ
いて、図43を用いて説明する。
【0404】この光スイッチ装置4300は、スイッチ
ング用可動部4302を有する光スイッチ4304と、
光スイッチ4304からの出射光をモニタするモニタ部
4306と、モニタ部4306からのモニタ信号に応答
して、スイッチング用可動部4302を制御することに
より、光スイッチ4304のスイッチングの制御状態を
調整するための動作制御部4308とを備えている。
【0405】この光スイッチ装置4300は、第1の光
スイッチ4310と第2の光スイッチ4312を有して
いる。スイッチング用可動部4302は、構成が全く同
一で、第1及び第2の光スイッチ4310、4312へ
光信号を入力するために、互いに同一構成の第1の光信
号導入手段4314と第2の光信号導入手段4316を
有し、モニタ部4306は、互いに同一構成の第1の光
信号出力手段4318と第2の光信号出力手段4320
を有している。
【0406】第1及び第2の光信号導入手段4314、
4316は、監視用信号出力源4322と、信号合成部
4324とを有している。そして、信号合成部4324
は、監視用信号出力源4322から出力された監視用信
号と、外部よりこの光スイッチ装置4300に入力され
た光信号とをひとつの合成信号にした後、第1及び第2
の光スイッチ4310、4312へ入力させる。ここで
は、信号合成部4324としては、入力側カプラを用い
ている。また、この入力側カプラには複数の入力側導光
路4330として複数の光ファイバが接続されている。
【0407】また、第1、第2の光信号出力手段431
8、4320は、光信号分配部4326とモニタ432
8とを有していて、光信号分配部4326は、モニタ4
328及び光スイッチ装置4300の外部に、光スイッ
チ4304より出力した光信号を分配して、出力する。
ここでは、光信号分配部4326として、出力側カプラ
を用いる。この出力側カプラには複数の出力側導光路4
332として光ファイバが接続されており、この光ファ
イバより光スイッチ装置4300の外へ光信号が出力さ
れる。
【0408】さらに、この光スイッチ装置4300によ
れば、第1、第2の光信号出力手段4318,4320
にフィルタを設け、光信号分配部4326より出力され
た合成信号から光信号のみを取りだし、光スイッチ装置
4300の外部へ出力する。監視用信号出力源4322
の動作は、動作制御部4308にて制御される。
【0409】第2の光スイッチ4312は予備用に使用
されるほか、スイッチング用可動部4302からの光信
号を、第1及び第2の光信号出力手段4318、432
0へ、放送分配するときにも使用されることが好まし
い。
【0410】次にこの光スイッチ装置4300の動作に
ついて説明する。
【0411】各入力側導光路4330より出力した光信
号は、監視用信号出力源4322から出力された監視用
信号と、入力側カプラ4324において合成され、合成
信号となる。監視用信号は、光スイッチ4304のポー
ト番号に対応するような目印となる信号とする。この監
視用信号の符号、周波数、波長を変化させることによ
り、ポート識別を行うことができる。
【0412】入力側カプラ4324から出力した合成信
号は、第1及び第2の光スイッチ4310、4312へ
分配され、入力される。そして、第1及び第2の光スイ
ッチ4310、4312において、回線交換が行われ
る。第1及び第2の光スイッチ4310、4312より
出力したそれぞれの合成信号は、出力側カプラ4326
において合流され、出力側導光路4332に導かれる。
【0413】ここで、出力側カプラ4326は、出力側
導光路4332と、モニタ4328へ合成信号を分配す
る。また、監視用信号が光スイッチ装置4300の外部
へ出力されないように、出力側カプラ4326と出力側
導光路4332の間にフィルタを設け、光信号のみを分
離する構成であることが望ましい。このとき、光信号と
監視用信号で異なる波長を用いると分離が容易である。
【0414】監視用信号は、モニタ4328へ送られ
る。モニタ4328は、監視用信号より必要な情報を抽
出する。
【0415】ここで、この光スイッチ装置4300にお
いて、入力側導光路4330を入力ポート、出力側導光
路4332を出力ポートと呼ぶことにする。
【0416】モニタ4328は、監視用信号中のポート
識別信号より、各光信号がどの入力ポート4330から
来たかをモニタする。このほか、光スイッチの制御状
態、例えば、光パワーのモニタによる光軸位置情報が監
視される。
【0417】監視用信号の情報は、動作制御部4308
に設けられた制御回路に送られる。そして、この動作制
御部4308によって、光スイッチ4304の状態は最
適な状態に保たれる。切換のときに正しいポートに接続
されたかを検出するのも、この動作制御部4308に設
けられた制御回路の役割となる。
【0418】なお以上の説明において、監視用信号出力
源4322を設置することによって、監視用信号を光信
号と合成する例を紹介した。しかし、この光スイッチ装
置4300においては、必ずしも監視用信号出力源43
22を設置する必要はない。このとき、第1及び第2の
光信号導入手段において、監視用信号は出力されず、第
1及び第2の光スイッチへは、光信号のみが入力され
る。そして、モニタ4328によって光信号のみのモニ
タが行われる。よって、この場合光信号出力手段431
8、4320には光信号を分離するためのフィルタを設
ける必要はない。
【0419】また、この光スイッチ装置4300におい
て用いられる第1及び第2の光スイッチ4310、43
12は、本発明の光スイッチの構成に限られない。よっ
て、図44に示した従来の光スイッチ4400のような
ものについてもこの光スイッチ装置を用いて、動作を制
御することは可能である。
【0420】図44に示した光スイッチ4400につい
て、図43の光スイッチ装置4300を用いて、この光
スイッチ4400の制御状態を検出するための方法につ
いて、図43及び図42を参照して、説明する。
【0421】図42は、図44に示した光スイッチ44
00において、入力側スイッチ要素4200に設けられ
た一つの偏向素子4402bに注目し、これと対応する
出力側スイッチ要素4202に設けられた光偏向素子4
402aとの動作について説明するための図である。よ
って、従来技術において説明した図44と同様の構成、
動作について重複する説明は省略する。
【0422】また、図42において、各部をつなぐ直線
は各部における光の形状を概略的に表している。また、
図中の可動ミラー4414a、4414bに記した矢印
は、これら可動ミラー4414a、4414bの動く方
向を表す。この可動ミラー4414a、4414bの駆
動は、例えば図12において説明したものと同様の方法
を用いて、駆動電圧を変化させることにより行われる。
【0423】先ず、切り替えが終了して、回線が保持さ
れている状態の説明を行う。
【0424】このとき図43の光スイッチ装置4300
に設けられているモニタ4328において、監視用信号
に含まれる識別信号によって、入力ポート番号の情報が
抽出される。
【0425】図42において、入力側スイッチ要素42
00に設けられている可動ミラー4414aの経時変
化、例えば駆動電圧の変化、温度変動などによって、ビ
ーム角度はずれてくることがある。このずれに起因し
て、出力ファイバ4408bでの焦点位置が変動し、信
号の光パワーが変動する。
【0426】この変動は、図43の光スイッチ装置43
00に設置されたモニタ4328によって、検出され
る。そして、モニタ4328より送られてきた情報をも
とに、動作制御部4308は、この変動を検知してビー
ム角度がずれたと判断する。
【0427】このとき、図42において、可動ミラー4
414a、4414bの角度を適切な角度とするための
情報を、再び図43の光スイッチ装置において、動作制
御部4308より光スイッチ4400へ、フィードバッ
クする必要がある。この際、動作制御部4308は、ど
のミラーをどの方向の角度に回転させるかを判断しなけ
ればならない。
【0428】そのため、動作制御部4308は、図42
における可動ミラー4414a、4414bをデータ信
号に影響を与えない範囲で、わずかに回転させるよう、
光スイッチ4400へ情報を送る。この結果、光スイッ
チ4400において、可動ミラー4414a、4414
bを動作させる駆動電圧がわずかに変化する。
【0429】これに伴う信号の光パワーの変動は、モニ
タ4328において検出される。この情報をもとに、動
作制御部4308は、パワーが増大する方向に調整を加
える情報を光スイッチ4400に送る。そして、可動ミ
ラー4414a、4414bを動作させる駆動電圧が制
御されることによって、光スイッチ4400は最適状態
に復帰する。
【0430】ここで図42における可動ミラー4414
a、4414bには、その駆動電圧を変化させることに
より、それぞれ常に周期の異なる微弱な回転ぶれを与え
ておけば、どの程度の電圧をどの方向にかければ、修正
が可能かをモニタすることができる。
【0431】また、これによって可動ミラーの剛性の変
化など、経時変化を検出することが可能である。可動ミ
ラー角度の0点移動は、保持している間の、可動ミラー
制御電圧の経時変化で検出することができる。これらの
ミラー制御に関する情報により、必要なときに可動ミラ
ーが動くかどうかの判断も可能となる。これらの制御は
すべて動作制御部4308によって行われる。
【0432】
【発明の効果】この発明の第1の光スイッチによれば、
光ビームの偏向を行うために複数個の光偏向素子を用い
ているので、偏向角度の精度が各光偏向素子に振り分け
られる。したがって、各光偏向素子の必要精度が緩和さ
れる。
【0433】また、この発明の第2、第3の光スイッチ
によれば、光入出力角すなわち光の入射角或いは出射角
を拡大するための光学系または光のビーム径を拡大する
ための光学系を備えることにより、必要な精度を確保し
つつもチャネル数の増大が図れる。
【0434】また、この発明のさらに第4の光スイッチ
によれば、入力側の可動ミラーで反射された光を出力側
の可動ミラーに集光するための光学素子を備えることに
より、可動ミラーの角度制御精度が緩和され、ミラー角
の切り替えを高速で行うことが可能になる。
【0435】またこの発明の第5〜7の光スイッチによ
れば、出力ポートへ光を出射させるとき、入力側光スイ
ッチ要素のどの入力ポートにある光偏向素子において
も、とりうる偏向角の値の範囲は同じであるため、チャ
ネル数の増大をはかることができる。
【0436】また、第6、7の光スイッチは、入力側集
光レンズ系に設けられた可動ミラーの傾き角と出力ポー
トの関係が一対一に対応できるため、駆動が簡単とな
る。
【0437】また、第8の光スイッチによれば、温度変
化があったとしても焦点位置ずれを最小とし、光ファイ
バへの入力角度ずれのみを生じさせ、光出力に対する影
響がより少ない構造としたため、温度変化による出力パ
ワー変動を抑えることが可能となる。
【0438】また、この発明の光スイッチについて、光
スイッチ装置を用いることにより、光スイッチの状態監
視が可能となり、しかも予備系の配置と2方向への放送
分配機能が、少ない部品数で実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光スイッチの構成を示す図
である。
【図2】可動レンズの構成例を示す図である。
【図3】光スイッチの一部の断面を示す図である。
【図4】入力側スイッチ要素の断面を示す図である。
【図5】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に供
する図である。
【図6】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に供
する図である。
【図7】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に供
する図である。
【図8】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に供
する図である。
【図9】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に供
する図である。
【図10】実施の形態の光スイッチの動作原理の説明に
供する図である。
【図11】第2の実施の形態の光スイッチの構成を示す
図である。
【図12】第2の実施の形態の光スイッチの要部構成を
示す図である。
【図13】典型的な光スイッチの要部構成を示す図であ
る。
【図14】可動ミラー型光スイッチの要部構成を示す図
である。
【図15】可動レンズ型光スイッチの要部構成を示す図
である。
【図16】可動レンズ型光スイッチの要部構成を示す図
である。
【図17】第3の実施の形態の光スイッチの要部構成を
示す図である。
【図18】第3の実施の形態の光スイッチの変形例の要
部構成を示す図である。
【図19】第4の実施の形態の光スイッチの要部構成を
示す図である。
【図20】第5の実施の形態の光スイッチの構成を示す
図である。
【図21】誤差の光線行列による解析の説明に供する図
である。
【図22】誤差の光線行列による解析の説明に供する図
である。
【図23】第5の実施の形態の光スイッチの第1変形例
を示す図である。
【図24】第5の実施の形態の光スイッチの第2変形例
を示す図である。
【図25】(A)は第8の実施の形態の光スイッチの従
来例として、光学素子に、固定反射鏡を用いた光スイッ
チの例を示す図である。(B)は第8の実施の形態の光
スイッチの例について、光学素子として固定反射鏡を用
いた例を示す図である。
【図26】第1〜第5の実施の形態の改良点を説明する
図である。
【図27】第6の実施の形態の光スイッチ(光学素子と
して凸レンズを用いた例)を示す図である。
【図28】(A)は入力側スイッチ要素の構成(第1の
形態)を示す図である。(B)は入力側スイッチ要素の
構成(第2の形態)を示す図である。
【図29】第6の実施の形態の光スイッチ(光学素子と
して凹面鏡を用いた例)を示す図である。
【図30】第6の実施の形態の光スイッチ(光学素子と
してホログラムを用いた例)を示す図である。
【図31】(A)は基板上に集積されたレンズ系の例を
示す断面図である。(B)は基板上に集積されたレンズ
系の例を示す平面図である。
【図32】(A)は第6の実施の形態において、凹レン
ズと光学素子間の光束の形状を示す図である。(B)は
第6の実施の形態において、可動ミラーから光学素子通
過後までの光束の形状を示す図である。
【図33】第6の実施の形態において、入力側スイッチ
要素と出力側スイッチ要素間の光束の形状を示す図であ
る。
【図34】第7の実施の形態の光スイッチの例を示す図
である。
【図35】第7の実施の形態における光学素子と可動ミ
ラーの配置の例を示す図である。
【図36】(A)は第8の実施の形態による改良を行う
前の光スイッチにおける動作を説明する図である。
(B)は光偏向素子として可動レンズを用いた構成の第
8の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図37】光学素子としてリレーレンズを用いた構成
の、第8の実施の形態の動作を説明する為の図である。
【図38】第8の実施の形態において、凸レンズを挿入
した場合のレンズ系の動作例を示す図である。
【図39】第9の実施の形態の光スイッチの構成例を示
す図である。
【図40】第9の実施の形態の光スイッチ動作を示す図
である。
【図41】(A)は第9の実施の形態の出力側スイッチ
要素の動作例を示す図である。(B)は第9の実施の形
態における第1可動ミラーと第2可動ミラーの動作例を
示す図である。
【図42】第10の実施の形態の動作例を示す図であ
る。
【図43】第10の実施の形態の構成例を示す図であ
る。
【図44】(A)は従来の光スイッチの構成例を示す図
である。(B)は従来の光スイッチに用いる光偏向素子
の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10:光入力ポート 12:入力側スイッチ要素 14:光出力ポート 16:出力側スイッチ要素 18a、18b、22a、22b:光偏向素子 20:入力側光偏向素子群 24:出力側光偏向素子群 26:光スイッチ 28、30:光ファイバ 32、36、40、44:基板 34:第1偏向素子アレイ 38:第2偏向素子アレイ 42:第3偏向素子アレイ 46:第4偏向素子アレイ

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の光入力ポートを有する入力側ス
    イッチ要素と、複数個の光出力ポートを有する出力側ス
    イッチ要素とを備え、前記光入力ポートのいずれかに入
    力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから出
    力させる光スイッチにおいて、 前記入力側スイッチ要素は、前記光入力ポートの各々
    に、光信号の入射方向に沿って配置された複数個の光偏
    向素子からなる入力側光偏向素子群を備え、 前記出力側スイッチ要素は、前記光出力ポートの各々
    に、光信号の出射方向に沿って配置された複数個の光偏
    向素子からなる出力側光偏向素子群を備えることを特徴
    とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光スイッチにおいて、 前記入力側および出力側光偏向素子群は、前記光信号の
    入射方向または出射方向に垂直な面内で移動可能な、焦
    点距離の異なる少なくとも2枚の可動レンズを前記光偏
    向素子として備えることを特徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光スイッチにおいて、 前記入力側および出力側光偏向素子群は、前記光信号の
    入射方向または出射方向に垂直な面内で移動可能な可動
    レンズと、前記光信号の入射方向または出射方向に垂直
    な回転軸を有する可動ミラーとを前記光偏向素子として
    備えることを特徴とする光スイッチ。
  4. 【請求項4】 複数個の光入力ポートと複数個の光出力
    ポートとを有しており、前記光入力ポートのいずれかに
    入力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから
    出力させる光スイッチにおいて、 前記光入力ポートの各々に入力側光偏向素子を備え、 前記光出力ポートの各々に出力側光偏向素子を備え、 前記光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、前
    記光出力ポートに接続された出力側光ファイバとを備え
    ていて、 前記光入力ポートおよび光出力ポートに、それぞれ前記
    入力側光ファイバおよび出力側光ファイバの光入出力角
    を拡大するための光学系を備えることを特徴とする光ス
    イッチ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光スイッチにおいて、 前記光学系を、前記入力側光ファイバおよび出力側光フ
    ァイバの各々の端面に形成された凹面形状の端面とする
    ことを特徴とする光スイッチ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光スイッチにおいて、 前記光学系を、前記入力側光ファイバおよび出力側光フ
    ァイバの各々の端面に形成された凸面形状の端面とする
    ことを特徴とする光スイッチ。
  7. 【請求項7】 複数個の光入力ポートと複数個の光出力
    ポートとを有しており、前記光入力ポートのいずれかに
    入力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから
    出力させる光スイッチにおいて、 前記光入力ポートの各々に入力側光偏向素子を備え、 前記光出力ポートの各々に出力側光偏向素子を備え、 前記光入力ポートに接続された入力側光ファイバと、前
    記光出力ポートに接続された出力側光ファイバとを備え
    ていて、 前記光入力ポートおよび光出力ポートに、光のビーム径
    を拡大するための光学系を備えることを特徴とする光ス
    イッチ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光スイッチにおいて、 前記光学系が、前記入力側光ファイバおよび出力側光フ
    ァイバの各々の端部に結合されたカプラと、該カプラの
    端面に対向して設けられ、該カプラの端面に平行な面内
    に配置された複数個のレンズとで構成されることを特徴
    とする光スイッチ。
  9. 【請求項9】 複数個の光入力ポートと複数個の光出力
    ポートとを有しており、前記光入力ポートのいずれかに
    入力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから
    出力させる光スイッチにおいて、 前記光入力ポートの各々に、光信号の入射方向に垂直な
    回転軸を有する可動ミラーを入力側光偏向素子として備
    え、 前記光出力ポートの各々に、光信号の出射方向に垂直な
    回転軸を有する可動ミラーを出力側光偏向素子として備
    え、 前記入力側光偏向素子および出力側光偏向素子間に、入
    力側の前記可動ミラーで反射された光を出力側の前記可
    動ミラーに集光するための光学素子が設けられることを
    特徴とする光スイッチ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光スイッチにおい
    て、 前記光学素子が、前記入力側光偏向素子および出力側光
    偏向素子間における光経路に対応して個別に設けられる
    ことを特徴とする光スイッチ。
  11. 【請求項11】 複数個の光入力ポートを有する入力側
    スイッチ要素と、複数個の光出力ポートを有する出力側
    スイッチ要素を備え、前記光入力ポートのいずれかに入
    力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから出
    力させる光スイッチにおいて、 前記入力側スイッチ要素と前記出力側スイッチ要素との
    間に配設されていて、前記入力ポートからの各光信号
    が、入射光として入射され、かつ、該入射光に対応する
    出射光を、各光線束の中心光路が互いに平行となるよう
    に、出射させる光学素子を備えることを特徴とする光ス
    イッチ。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光スイッチにおい
    て、前記光学素子として、凸レンズを用い、 前記入力側スイッチ要素は、前記凸レンズの焦平面に設
    置してあり、 前記光学素子を挟んでその前後に対称的に、前記出力側
    スイッチ要素と前記入力側スイッチ要素とを配置してあ
    ることを特徴とする光スイッチ。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の光スイッチにおい
    て、前記光学素子として、ホログラムを用い、 前記入力側スイッチ要素は、前記ホログラムの焦平面に
    設置してあり、 前記光学素子を挟んでその前後に対称的に、前記出力側
    スイッチ要素と前記入力側スイッチ要素とを配置してあ
    ることを特徴とする光スイッチ。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の光スイッチにおい
    て、前記光学素子として凹面鏡を用い、 前記入力側スイッチ要素は、前記凹面鏡の焦平面に設置
    するとともに、 前記出力側スイッチ要素を前記入力側スイッチ要素で共
    用させてあることを特徴とする光スイッチ。
  15. 【請求項15】 請求項12、13及び14のいずれか
    一項に記載の光スイッチにおいて、 前記複数個の入力ポートの各々は、該入力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた入力側レンズ系を有し、 前記複数個の出力ポートの各々は、該出力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた出力側レンズ系を有していて、 前記入力側レンズ系から前記出力側スイッチ要素へ光が
    出射する面、及び前記入力側スイッチ要素から前記出力
    側レンズ系へ光が入射する面には、凹レンズが設置され
    ていることを特徴とする光スイッチ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の光スイッチにおい
    て、前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、そ
    れぞれ、 固定レンズもしくは前記光信号の入射方向または出射方
    向に垂直な面内で移動可能な可動レンズと、前記光信号
    の入射方向または出射方向に垂直な回転軸を有する可動
    ミラーとから構成されていることを特徴とする光スイッ
    チ。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の光スイッチにおい
    て、前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、そ
    れぞれ、前記固定レンズもしくは前記可動レンズと前記
    可動ミラーとの間に凹レンズを設置してあることを特徴
    とする光スイッチ。
  18. 【請求項18】 請求項12に記載の光スイッチにおい
    て、前記凸レンズは、前記入力側スイッチ要素および出
    力側スイッチ要素間における光経路に対応して個別に設
    けられる第1凸レンズと、 該第1凸レンズを挟んで形成される第2凸レンズとから
    成り、 前記複数個の入力ポートの各々は、該入力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた入力側レンズ系を有し、 前記複数個の出力ポートの各々は、該出力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた出力側レンズ系を有していて、 前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、それぞ
    れ、 固定レンズもしくは前記光信号の入射方向または出射方
    向に垂直な面内で移動可能な可動レンズと、前記光信号
    の入射方向または出射方向に垂直な回転軸を有する可動
    ミラーとから構成されていることを特徴とする光スイッ
    チ。
  19. 【請求項19】 請求項13に記載の光スイッチにおい
    て、 前記複数個の入力ポートの各々は、該入力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた入力側レンズ系を有し、 前記複数個の出力ポートの各々は、該出力ポートにそれ
    ぞれ対応付けられた出力側レンズ系を有していて、 前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、それぞ
    れ、 固定レンズもしくは前記光信号の入射方向または出射方
    向に垂直な面内で移動可能な可動レンズと、前記光信号
    の入射方向または出射方向に垂直な回転軸を有する可動
    ミラーとから構成されていることを特徴とする光スイッ
    チ。
  20. 【請求項20】 マトリックス配列された複数の入力ポ
    ートを有する入力側スイッチ要素と、 マトリックス配列された複数の出力ポートを有する出力
    側スイッチ要素とを備え、 前記入力ポートの各々は、該入力ポートにそれぞれ対応
    付けられた入力側レンズ系を有し、 前記出力ポートの各々は、該出力ポートにそれぞれ対応
    付けられた出力側レンズ系を有していて、 前記入力ポート側から前記出力ポート側に光信号を出力
    させる光スイッチにおいて、 前記入力側及び出力側レンズ系のうち、前記マトリック
    ス配列の少なくとも周縁側の入力側及び出力側レンズ系
    を、該周縁側の入力側レンズ系を通る光信号を前記マト
    リックス配列の中心側の出力側レンズ系に導くことが出
    来るように動作する固定もしくは可動レンズ系とするこ
    とを特徴とする光スイッチ。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の光スイッチにおい
    て、前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、そ
    れぞれ、前記光信号の入力方向または出力方向に垂直な
    面内で移動可能な、焦点距離の異なる少なくとも2枚の
    可動レンズより構成されることを特徴とする光スイッ
    チ。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の光スイッチにおい
    て、 前記入力側レンズ系及び前記出力側レンズ系は、それぞ
    れ、固定レンズもしくは前記光信号の入射方向または出
    射方向に垂直な面内で移動可能な可動レンズと、前記光
    信号の入射方向または出射方向に垂直な回転軸を有する
    可動ミラーとから構成されていて、 前記入力ポートからの各光信号が、入射光として入射さ
    れ、かつ、該入射光に対応する出射光を集光するための
    光学素子が、前記入力側スイッチ要素と前記出力側スイ
    ッチ要素との間に、配設されていることを特徴とする光
    スイッチ。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の光スイッチにおい
    て、前記光学素子は、前記入力側光偏向素子および出力
    側光偏向素子間における光経路に対応して個別に設けら
    れていることを特徴とする光スイッチ。
  24. 【請求項24】 請求項22に記載の光スイッチにおい
    て、前記光学素子として、平面鏡を用いるとともに、 前記入力側スイッチ要素を、前記出力側スイッチ要素で
    共用していることを特徴とする光スイッチ。
  25. 【請求項25】 複数個の光入力ポートを有する入力側
    スイッチ要素と、複数個の光出力ポートを有する出力側
    スイッチ要素とを備え、前記光入力ポートのいずれかに
    入力された光信号を、前記光出力ポートのいずれかから
    出力させる光スイッチにおいて、 前記入力側スイッチ要素は、第1及び第2光ユニットを
    備え、及び前記出力側スイッチ要素は、第3及び第4光
    ユニットを備えており、 前記第1光ユニットは、入力側導光路と、該入力側導光
    路からの光信号を集光する入射側レンズ系との組合せ
    を、前記光入力ポートの各々に対応付けて複数対備え、 前記第2光ユニットは、前記レンズ系と対応付けて設け
    られ、これらレンズ系からの光信号を反射させる複数の
    第1可動ミラーを備え、 前記第3光ユニットは、前記第2光ユニットの可動ミラ
    ーからの光信号を個別に反射させる複数の第2可動ミラ
    ーを備え、 前記第4光ユニットは、前記第2可動ミラーからの光信
    号を集光する出射側レンズ系と、該レンズ系から光信号
    が入射する出力側導光路との組合せを、前記光出力ポー
    トの各々に対応付けて複数対備えていることを特徴とす
    る光スイッチ。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の光スイッチにおい
    て、前記第1、第2、第3、第4光ユニットは、共通の
    基板上に設けられていることを特徴とする光スイッチ。
  27. 【請求項27】 請求項25または26に記載の光スイ
    ッチにおいて、前記第1光ユニット内では、前記入力側
    導光路が第1基板に固定されており、及び前記入射側レ
    ンズ系も第2基板に固定されており、前記第4光ユニッ
    ト内では、前記出射側レンズ系が第3基板に固定されて
    おり、及び前記出力側導光路も第4基板に固定されてい
    ることを特徴とする光スイッチ。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の光スイッチにおい
    て、前記第1基板から前記第4基板は、熱膨張係数が同
    一の基板であることを特徴とする光スイッチ。
  29. 【請求項29】 請求項26または27に記載の光スイ
    ッチにおいて、前記前記第1基板から前記第4基板、さ
    らに前記共通基板の熱膨張係数が同一であることを特徴
    とする光スイッチ。
  30. 【請求項30】 請求項27に記載の光スイッチにおい
    て、前記第1基板から前記第4基板は、小さい熱膨張係
    数を有する基板であることを特徴とする光スイッチ。
  31. 【請求項31】 請求項26または27に記載の光スイ
    ッチにおいて、前記前記第1基板から前記第4基板、さ
    らに前記共通基板が、小さい熱膨張係数であることを特
    徴とする光スイッチ。
  32. 【請求項32】 スイッチング用可動部を有する光スイ
    ッチと、該光スイッチからの出射光をモニターするモニ
    タ部と、該モニタ部からのモニタ信号に応答して、前記
    スイッチング用可動部を制御することにより、前記光ス
    イッチのスイッチングの制御状態を調整するための動作
    制御部とを備えることを特徴とする光スイッチ装置。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の光スイッチ装置に
    おいて、前記スイッチング用可動部は、前記光スイッチ
    へ光信号を入力する光信号導入手段を有し、前記モニタ
    部は、光信号分配部を備える光信号出力手段と、モニタ
    とを有していて、 前記光信号分配部は、前記モニタ及び当該光スイッチ装
    置の外部に、前記光スイッチから出力した前記光信号を
    分配して、出力することを特徴とする光スイッチ装置。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の光スイッチ装置に
    おいて、前記光信号導入手段は、監視用信号出力源と、
    信号合成部とを有していて、 前記信号合成部は、前記監視用信号出力源より出力され
    た監視用信号と入力された前記光信号とを、ひとつの合
    成信号にした後前記光スイッチへ入力させ、 前記光信号分配部は、前記光スイッチから出力された前
    記合成信号から前記光信号のみを取りだして、光スイッ
    チ装置の外部へ出力するためのフィルターを具えている
    ことを特徴とする光スイッチ装置。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の光スイッチ装置に
    おいて、前記監視用信号出力源の動作は、前記動作制御
    部によって制御されることを特徴とする光スイッチ装
    置。
  36. 【請求項36】 請求項32に記載の光スイッチ装置に
    おいて、 前記光スイッチは、第1の光スイッチと第2の光スイッ
    チを有していて、 前記スイッチング用可動部は、前記第1の光スイッチ及
    び前記第2の光スイッチへ光信号を入力するために、互
    いに同一構成の第1の光信号導入手段と第2の光信号導
    入手段を有し、 前記モニタ部は、互いに同一構成の第1の光信号出力手
    段と第2の光信号出力手段を有しており、 前記第1及び第2の光信号出力手段は、それぞれ、光信
    号分配部と、モニタとを有していて、 前記光信号分配部は、前記モニタ及び当該光スイッチ装
    置の外部に、前記光スイッチから出力した前記光信号を
    分配して、出力することを特徴とする光スイッチ装置。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の光スイッチ装置に
    おいて、前記第1及び第2の光信号導入手段は、それぞ
    れ、監視用信号出力源と信号合成部とを有していて、 前記信号合成部は、前記監視用信号出力源から出力され
    た監視用信号と当該光スイッチ装置へ入力された前記光
    信号とをひとつの合成信号にした後、前記第1及び第2
    の光スイッチへ入力させ、 前記第1及び第2の光信号出力手段は、前記光信号分配
    部から出力された前記合成信号から前記光信号のみを取
    りだして、光スイッチ装置の外部へ出力するためのフィ
    ルターを具えていることを特徴とする光スイッチ装置。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の光スイッチ装置に
    おいて、前記監視用信号出力源の動作は、前記動作制御
    部によって制御されることを特徴とする光スイッチ装
    置。
JP2001142370A 2000-11-15 2001-05-11 光スイッチ Withdrawn JP2002214546A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001142370A JP2002214546A (ja) 2000-11-15 2001-05-11 光スイッチ
US09/987,387 US6657771B2 (en) 2000-11-15 2001-11-14 Optical switch having optical deflector
US09/987,719 US6879745B2 (en) 2000-11-15 2001-11-15 Optical switch

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-348577 2000-11-15
JP2000348577 2000-11-15
JP2001142370A JP2002214546A (ja) 2000-11-15 2001-05-11 光スイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002214546A true JP2002214546A (ja) 2002-07-31

Family

ID=26604026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001142370A Withdrawn JP2002214546A (ja) 2000-11-15 2001-05-11 光スイッチ

Country Status (2)

Country Link
US (2) US6657771B2 (ja)
JP (1) JP2002214546A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004280117A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Lucent Technol Inc Mems制御器を備えた調節可能な複合マイクロレンズ装置
JP2006527860A (ja) * 2003-06-19 2006-12-07 ポラティス リミテッド 改良された光線操作用光学スイッチ
US7298972B2 (en) 2002-10-01 2007-11-20 Hitachi, Ltd. Optical switch and a control method thereof
US7313301B2 (en) 2004-11-01 2007-12-25 Fujitsu Limited Optical fiber device, optical monitor and optical switch
WO2008111444A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Ntt Electronics Corporation 波長選択スイッチ

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6618520B2 (en) * 1999-11-09 2003-09-09 Texas Instruments Incorporated Micromirror optical switch
JP2002214546A (ja) * 2000-11-15 2002-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd 光スイッチ
JP3722021B2 (ja) * 2001-07-18 2005-11-30 株式会社デンソー 光スイッチ
US7016098B2 (en) * 2001-08-31 2006-03-21 Lucent Technologies Inc. Optical device with configurable channel allocation
JP2003315705A (ja) * 2002-04-25 2003-11-06 Seiko Instruments Inc 光スイッチ
US7151868B1 (en) * 2002-10-15 2006-12-19 Finisar Corporation Optical switch having a reflective component
JP2004212205A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Olympus Corp 角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システム
JP4489678B2 (ja) * 2005-09-30 2010-06-23 富士通株式会社 波長選択光スイッチおよび分光機能を備えた光デバイス
JP4680862B2 (ja) * 2006-10-11 2011-05-11 日本電信電話株式会社 光スイッチ
JP4443553B2 (ja) * 2006-12-05 2010-03-31 富士通株式会社 レンズ調節方法、レンズ調節装置および光スイッチ
US8218918B2 (en) * 2007-03-26 2012-07-10 Trex Enterprises Corp Optical fiber switch with movable lens
US20100040325A1 (en) * 2007-03-26 2010-02-18 Trex Enterprises Corp. Low-cost multimode optical fiber switch
CN101059340B (zh) * 2007-05-18 2010-05-19 东南大学 基于立体视觉和激光的车辆轮距测量方法
US7664348B2 (en) * 2007-12-21 2010-02-16 Teledyne Scientific & Imaging, Llc Optical switch with reconfigurable broadcasting and combining capabilities
JP4989533B2 (ja) 2008-03-25 2012-08-01 株式会社エンプラス レンズアレイ装置の製造方法
US8358888B2 (en) * 2008-04-10 2013-01-22 Ofs Fitel, Llc Systems and techniques for generating Bessel beams
DE102008019600B4 (de) * 2008-04-18 2021-03-04 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Optische Vorrichtung in gestapelter Bauweise und Verfahren zur Herstellung derselben
JP5040842B2 (ja) * 2008-07-24 2012-10-03 富士通株式会社 波長選択スイッチ
US20100123209A1 (en) * 2008-11-19 2010-05-20 Jacques Duparre Apparatus and Method of Manufacture for Movable Lens on Transparent Substrate
JP5563372B2 (ja) * 2010-05-20 2014-07-30 第一実業ビスウィル株式会社 外観検査装置
US9097845B2 (en) * 2011-11-02 2015-08-04 Samsung Electronics Co., Ltd. Optoelectronic chips including coupler region and methods of manufacturing the same
US8995799B2 (en) * 2011-11-02 2015-03-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Optoelectronic chips including coupler region and methods of manufacturing the same
JP5692865B2 (ja) * 2012-04-11 2015-04-01 独立行政法人産業技術総合研究所 波長クロスコネクト装置
WO2013165390A1 (en) * 2012-05-01 2013-11-07 Hewlett-Packard Development Company Configurable clos network
CN103558667B (zh) * 2013-11-19 2016-04-13 武汉光迅科技股份有限公司 一种基于自由空间传输的多播交换光开关
JP5991697B2 (ja) * 2013-12-19 2016-09-14 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation 光接続装置、情報処理装置及びデータ伝送方法
US9304259B1 (en) * 2014-03-13 2016-04-05 Google Inc. MEMS mirror arrays having multiple mirror units
US9413448B2 (en) * 2014-08-08 2016-08-09 Nxgen Partners Ip, Llc Systems and methods for focusing beams with mode division multiplexing

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2747802B1 (fr) * 1996-04-18 1998-05-15 Commissariat Energie Atomique Microdispositif optomecanique, et application a un microdeflecteur optomecanique
CA2221200A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-14 Jds Fitel Inc. Reflective optical switch
WO1999066354A2 (en) * 1998-06-05 1999-12-23 Astarte Fiber Networks, Inc. Planar array optical switch and method
US6430332B1 (en) 1998-06-05 2002-08-06 Fiber, Llc Optical switching apparatus
US6253001B1 (en) * 2000-01-20 2001-06-26 Agilent Technologies, Inc. Optical switches using dual axis micromirrors
US6301402B1 (en) * 2000-03-02 2001-10-09 Lucent Technologies, Inc. Control arrangement for optical mechanical switches
JP2001258084A (ja) * 2000-03-13 2001-09-21 Nec Corp 光クロスコネクト装置
US6330102B1 (en) * 2000-03-24 2001-12-11 Onix Microsystems Apparatus and method for 2-dimensional steered-beam NxM optical switch using single-axis mirror arrays and relay optics
US6483961B1 (en) * 2000-06-02 2002-11-19 Calient Networks, Inc. Dual refraction index collimator for an optical switch
US6504967B1 (en) * 2000-06-02 2003-01-07 Calient Networks, Inc. Passive alignment method and apparatus for fabricating a MEMS device
JP2002214546A (ja) * 2000-11-15 2002-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd 光スイッチ
US6600849B2 (en) * 2000-11-20 2003-07-29 Jds Uniphase Inc. Control system for optical cross-connect switches
US6522802B2 (en) * 2000-12-11 2003-02-18 Agilent Technologies, Inc. Optical switch using support structures with both fixed mirrors and pivotable mirrors

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7298972B2 (en) 2002-10-01 2007-11-20 Hitachi, Ltd. Optical switch and a control method thereof
JP2004280117A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Lucent Technol Inc Mems制御器を備えた調節可能な複合マイクロレンズ装置
JP4607479B2 (ja) * 2003-03-18 2011-01-05 アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド Mems制御器を備えた調節可能な複合マイクロレンズ装置
JP2006527860A (ja) * 2003-06-19 2006-12-07 ポラティス リミテッド 改良された光線操作用光学スイッチ
US7313301B2 (en) 2004-11-01 2007-12-25 Fujitsu Limited Optical fiber device, optical monitor and optical switch
WO2008111444A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Ntt Electronics Corporation 波長選択スイッチ

Also Published As

Publication number Publication date
US6657771B2 (en) 2003-12-02
US20020093723A1 (en) 2002-07-18
US6879745B2 (en) 2005-04-12
US20020057862A1 (en) 2002-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002214546A (ja) 光スイッチ
US7440650B2 (en) Planar lightwave circuit based wavelength selective switch
US6603894B1 (en) MEMS mirror arrays and external lens system in an optical switch
US7164859B2 (en) Free-space dynamic wavelength routing systems with interleaved channels for enhanced performance
US7305188B2 (en) Wavelength demultiplexing unit
KR101858306B1 (ko) 광학 장치
US20020090169A1 (en) Optical switch
US7826697B2 (en) System and method for asymmetrical fiber spacing for wavelength selective switches
US6816640B2 (en) Optical add drop multiplexer
WO2001057568A1 (en) SINGLE CHANNEL M x N OPTICAL FIBER SWITCH
US7437032B2 (en) Optical switch and method of controlling optical switch
JP3942497B2 (ja) 光スイッチ
JP2012181498A (ja) 波長選択スイッチ
US20020061158A1 (en) Optical switch
JP5475560B2 (ja) 光スイッチ
JP2011064721A (ja) 光スイッチ
JP4472440B2 (ja) 光スイッチ
US6760508B2 (en) Fiber optic switch process and optical design
US9454002B2 (en) Wavelength selection switch
EP1205781B1 (en) Optical add drop multiplexer
JP2006162981A (ja) 光スイッチ装置および光学部材ユニット
US6915033B2 (en) Multi-channel optical switch and method for manufacturing the same
JP2013142875A (ja) 波長選択スイッチ
JP2012181497A (ja) 波長選択スイッチ
EP1887393A1 (en) Planar lightware circuit based wavelength selective switch

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805