JP2004212205A - 角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システム - Google Patents
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Abstract
【課題】角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムにおいて、コンパクトな構成により被検物の傾き角度を多重に検出できるようにし、それにより、装置の信頼性や、傾き角度の検出精度および検出範囲などの諸性能を向上させる。
【解決手段】被検物に検出用反射面5cを設け、レーザ光源1から、集光レンズ3で集光されたレーザ光2を照射し、反射光の位置検出をして角度検出を行う。その反射光をビームスプリッタ4に入射させ、光路分離面4bで、光路を分離して、それぞれ4分割受光器10A、10Bの受光面上に光束のスポットが形成されるようにする。そして、検出用反射面5cから、それぞれの受光面までの光路長を変えて、角度の検出感度などを変更できるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】被検物に検出用反射面5cを設け、レーザ光源1から、集光レンズ3で集光されたレーザ光2を照射し、反射光の位置検出をして角度検出を行う。その反射光をビームスプリッタ4に入射させ、光路分離面4bで、光路を分離して、それぞれ4分割受光器10A、10Bの受光面上に光束のスポットが形成されるようにする。そして、検出用反射面5cから、それぞれの受光面までの光路長を変えて、角度の検出感度などを変更できるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、角度検出装置として、被検物の一部に設けられた検出用反射面に所定位置から光を照射し、その反射光の位置を検知することにより、被検物の所定位置からの角度を検出する装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ディスク(円盤状情報記録媒体)とそれに情報を書き込むための光ヘッドとの間の傾きおよびディスク保護層の厚みの検出を目的として、受光面が4分割された検出手段を備える光学装置が記載されている。この4分割された検出手段は、光素子からディスクに光を放射し、その反射光を受光するためのもので、それぞれの受光面の受光量に応じた電気信号を出力し、その相対比から、受光面の分割中心に対する反射光の中心位置を検出するものである。そして、ディスクのラジアル方向の位置ずれ量からディスクの傾きを検出し、ディスクのタンゼンシャル方向の位置ずれ量からディスク保護層の厚みを検出している。
【0003】
また、特許文献2には、ガルバノミラーの裏面に角度検出光を入射させ、その反射光を入射角度に応じて反射率が変化する分離面を有する光束分離手段によって2光束に分離し、それぞれの光束の光量をそれぞれ光検出器で独立に検出し、その出力の差により、ガルバノミラーの偏向角を検出する偏向角検出装置が記載されている。そして、分離面に対する入射角が小さくなるにしたがって増加する検出出力Aと、同じく入射角が小さくなるにしたがって減少する検出出力Bとを用いて、その差(A−B)を算出することにより、検出感度を向上させる技術が記載されている。
【0004】
また、このような角度検出装置を搭載して光偏向素子の偏向角制御に用いたシステムとして、例えば光通信に用いられる光信号スイッチシステムや、レーザを用いた情報記録再生システムが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−227552号公報(第2−3頁、図1−2)
【特許文献2】
特開平11−144274号公報(第3−4頁、図6、9)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の角度検出装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、4分割された受光面の出力の相対比を用いるので、受光スポットの中心位置の検出感度と、検出範囲とはスポット径の大きさで制約され、互いにトレードオフの関係にある。したがって、ディスク傾き角度の検出精度を向上させつつ検出範囲を広げるには、ディスクと光学装置との距離を大きくとり、傾き角度の変化量に対する反射光の受光位置の変化量を変える必要があった。すなわち、検出精度を向上しようとすれば、より大きな配置スペースが必要となるという問題があった。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、傾き角度の検出感度を向上できるものの、入射角と反射率との関係が直線関係となっていないので、傾き角度制御が難しいという問題があった。また、反射膜特性が検出精度に直接に影響するため、反射膜を高精度に製作しなければ検出精度が劣ったものになるという問題があった。さらに、本技術では2次元の傾き角度を測定することが困難であるという問題があった。
【0008】
上記のような従来の角度検出装置を偏向角制御手段として用いる光信号スイッチシステムや情報記録再生システムは、高度の信頼性が求められるため、角度検出装置が故障した場合に備えてバックアップ用の角度検出装置を設ける場合がある。また、これらでは高精度かつ広範囲での偏向角制御が求められるため、制御動作を粗調整、微調整の2段階で行う場合がある。
このような場合、上記のような従来の角度検出装置では、2台を並列設置するしかないので、2倍の配置スペースが必要となるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、被検物の傾き角度を多重に検出することができ、そのような多重化により、例えば、装置の信頼性や、傾き角度の検出精度および検出範囲などの諸性能を向上することができる角度検出装置を提供することを目的とする。
また、システムの信頼性や、例えばスイッチング特性やトラッキング特性などの諸性能を向上することができる光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、被検物の傾き角度を検出する角度検出装置であって、前記被検物に備えられた検出用反射面に向けて光を放射する光源と、前記検出用反射面において反射された反射光の光路を分離する光路分離素子と、該光路分離素子により分離された光束のそれぞれを受光して、前記検出用反射面の傾き角度をそれぞれ独立に検出する複数の光検出器とを備える。
この発明によれば、検出用反射面において反射された反射光を光路分離素子により光路分離して、それぞれを複数の光検出器で独立して検出するので、被検物の傾き角度を複数の光検出器で同時かつ多重に検出することができ、しかも光源から光路分離素子までの光路を共通とすることにより、装置をコンパクト化することができる。
なお、本明細書における被検物の傾き角度は、適宜に設定した基準面から測った傾き角度であり、例えば水平面や鉛直面などの特定の基準面に限るものではない。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の角度検出装置において、前記被検物の傾き角度の変化量に対する前記複数の光検出器の受光面上における各光束の移動量が、それぞれ互いに異なる構成とする。
この発明によれば、被検物の傾き角度の変化量に対する各光検出器の受光面上での光束の移動量が異なるので、受光面の大きさの異なる光検出器であっても受光面を有効に利用できる。また、光検出器が光束の位置検出を行うことにより角度検出を行うものである場合、各光検出器の位置検出感度が同じであっても、角度検出感度を変えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の角度検出装置において、前記検出用反射面から前記複数の光検出器の受光面までのそれぞれの光路長が互いに異なる構成とする。
この発明によれば、検出用反射面から各光検出器の受光面までの光路長が互いに異なるので、被検物の傾き角度変化量に対応する各受光面上での光束の移動量が互いに異なるものとなる。その結果、受光面の大きさの異なる光検出器であっても受光面を有効に利用できる。また、光検出器が光束の位置検出により角度検出を行う場合、各光検出器の位置検出感度が同じであっても、角度検出感度を変えることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器が、角度検出においてそれぞれ異なる感度特性を有する。
この発明によれば、各光検出器の角度検出の感度特性が異なるため、用途に応じて異なる検出出力を多重に得ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、前記光路分離素子が、光を反射光および透過光の光路に分離する光路分離面を備えるビームスプリッタである。
この発明によれば、略円形の光束2つに分離できるので検出位置から角度を演算するときの校正が2つの検出器とも容易になる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の角度検出装置において、前記光路分離面と前記光検出器との間に、パワーを有する光学面を配置した構成とする。
この発明によれば、パワーを有する光学面が光路分離面と光検出器との間に配置されているので、この光学面により、受光面上で光束のスポット径の大きさや、受光面上の光束の移動量を変えることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の角度検出装置において、前記光学面が前記光路分離素子に一体に設けられた構成とする。
この発明によれば、部品点数が削減され、コンパクトな構成とすることができる。
【0017】
請求項8に記載の発明では、前記光学面が前記複数の光検出器へのそれぞれの光路中に設けられるとともに、互いに異なるパワーを有する。
この発明によれば、互いに異なるパワーを有する光学面を光路分離面と各光検出器との間に配置することにより、受光面上で光束のスポット径の大きさや、受光面上の光束の移動量がそれぞれ異なるようにすることができる。
【0018】
請求項9に記載の発明では、請求項6〜8のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光学面が正のパワーを有する。
この発明によれば、光学面が正のパワーを有するので、光束を集光してスポット径を変えたり、光路長を短くすることができる。その結果、光検出器の角度検出感度を変えることができる。
【0019】
請求項10に記載の発明では、請求項6〜9のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光学面の一つが正のパワーを有する反射面である。
この発明によれば、光路分離素子により光路が分離された光束を正のパワーを有する反射面で反射することにより、集光しつつ光路を折りたたむことができるので、コンパクトな構成とすることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の角度検出装置において、前記光路分離面が、偏光成分によって光を透過または反射させる偏光分離面からなり、該偏光分離面と前記正のパワーを有する反射面との間に1/4波長板を配置した構成とする。
この発明によれば、検出用反射面で反射された反射光が偏光分離面により偏光成分により分離され、その分離された光束が1/4波長板を透過し、正のパワーを有する反射面で反射され、さらに1/4波長板に再入射することで、偏光分離面を透過または反射した光束の偏光成分を、偏光分離面でそれぞれ反射または透過する偏光成分に変換することができる。その結果、1/4波長板に再入射して透過した光束を偏光分離面に再入射させて、反射または透過させることにより、光路をコンパクトに折りたたみながら、光量損失がきわめて少ない構成とすることができる。
【0021】
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が平板プレートである。
この発明によれば、光路分離素子を軽量で簡素なものとすることができる。
【0022】
請求項13に記載の発明では、請求項1〜11のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が偏光ビームスプリッタである。
この発明によれば、光路分離素子の配置が容易となり、硝材部の長さで光路長を増やすことができるとともに、偏光成分に応じ光束を分離できる。
【0023】
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が、nd>1.7(ndは屈折率)なる硝材で形成された構成とする。
この発明によれば、nd>1.7の高屈折率の硝材を用いることにより、ビームスプリッタの入射面における屈折角が大きくなるため、角度検出範囲を広くすることができる。
【0024】
請求項15に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器の少なくとも一つが、4分割の受光面を備える4分割受光器である。
この発明によれば、4分割受光器を用いることにより2次元の位置検出を行うことができるから、2次元の傾き角度を検出することができる。
【0025】
請求項16に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器の少なくとも一つが、2次元の位置検出受光器であることを特徴とする。
この発明によれば、2次元の位置検出受光器を用いることにより2次元の位置検出を行うことができるから、2次元の傾き角度を検出することができる。その際、受光面上の光束スポット位置は、受光面上であれば、4分割受光器のような中央分割線を跨がなければならないという制約はないから、受光面上を効率的に利用することができ、検出範囲を広くすることができる。
【0026】
請求項17に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器が、4分割の受光面を備える4分割受光器および2次元の位置検出受光器を含む。
この発明によれば、4分割受光器と2次元の位置検出受光器を併用することができるから、例えば、2次元の位置検出受光器では粗調整用の角度検出を行い、4分割受光器では微調整用の角度検出を行うというように、それぞれの検出性能の特徴に応じた多重の角度検出を行うことができる。
【0027】
請求項18に記載の発明では、複数の光伝送路の間で、該光伝送路の一つから伝送される光信号の光路を他の光伝送路に切り換える光信号スイッチシステムであって、該光信号の光路を切り換える光偏向素子と、該光偏向素子の偏向角を検出するために、該光偏向素子に一体に設けられた検出用反射面と、前記光偏向素子を被検物として前記偏向角を検出する請求項1〜18のいずれかに記載の角度検出装置と、該角度検出装置により検出された偏向角を用いて前記光偏向素子の偏向角を制御する偏向角制御手段とを備える。
この発明によれば、光偏向素子を被検物としてその偏向角を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置を備えるので、その角度検出装置が有する作用効果を備える光信号スイッチシステムとすることができる。少なくとも、いずれの角度検出装置もコンパクト化することができるから、光信号スイッチシステムもコンパクト化することができる。また、いずれの角度検出装置も独立に角度検出可能な複数の光検出器を備えるから、それらの一つをバックアップ用に用いて角度検出を多重化して信頼性を向上させたり、角度検出精度を変えて角度検出したりすることができる。
【0028】
請求項19に記載の発明では、光を照射することにより情報信号の記録または再生あるいはその両方が可能な記録面を備える記録媒体に、前記情報信号を記録または再生あるいはその両方を行う情報記録再生システムであって、光束を照射する光源と、前記光束を前記記録媒体の記録面に結像する光学系と、該光学系内に配置され、前記光束を前記記録面に平行な面内で偏向し、偏向角に連動して傾き角度が変わる検出用反射面を有する光偏向素子と、該光偏向素子を被検物として前記傾き角度を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置とを備えた構成とする。
この発明によれば、光偏向素子を被検物としてその偏向角を検出する請求項1〜18のいずれかに記載の角度検出装置を備えるので、その角度検出装置が有する作用効果を備える情報記録再生システムとすることができる。少なくとも、いずれの角度検出装置もコンパクト化することができるから、情報記録再生システムもコンパクト化することができる。また、いずれの角度検出装置も独立に角度検出可能な複数の光検出器を備えるから、それらの一つをバックアップ用に用いて角度検出を多重化して信頼性を向上させたり、角度検出精度を変えて角度検出したりすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材には、同一の符号を付している。そのため、別の実施の形態であっても、同一符号を付した部材の説明は省略する。
【0030】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60の概念図である。図2は、角度検出装置60に用いる測定光学系60aの概略構成を説明するための概略光路図である。
本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60は、測定光学系60aおよび信号処理部60bからなる。そして、測定光学系60aから放射されるレーザ光2を角度検出の対象物(被検物)に設けられた検出用反射面に照射し、その反射光を測定光学系60aで受光して、その受光信号を信号処理部60bで信号処理し、検出用反射面の傾き角度の大きさに応じた検出レベル信号203を出力する装置である。図1の例では、角度検出装置60の被検物は、回動ミラー5(光偏向素子)である。
【0031】
回動ミラー5は、例えば、ガルバノミラーなどからなり、板状の支持部材5bの表裏面に、表面反射平面ミラーが埋め込まれて一体化されている。支持部材5bの表面側には、光を偏向するための偏向ミラー面5aが、支持部材5bの裏面側には、角度検出を行うための検出用反射面5cがそれぞれ形成されている。そして、電磁コイルなどの周知のアクチュエータ5dによって、偏向ミラー面5aの偏向角が可変できるようになっている。
【0032】
偏向ミラー面5aと検出用反射面5cは、平行である必要はないが、偏向ミラー面5aの偏向角に対応して検出用反射面5cが傾斜するように接合されている。すなわち、検出用反射面5cの傾き角度を検出すれば、偏向ミラー面5aの偏向角に換算できるようになっている。
回動ミラー5の回動中心は、偏向ミラー面5a上にあっても、検出用反射面5c上にあっても、その中間でもよいが、以下では簡単のために、回動中心が検出用反射面5c上にあり、光軸が回動中心を通るものとして、つまりサグはないものとして説明する。
【0033】
角度検出装置60は、検出用反射面5cに対して測定光学系60aが対向する位置に設けられている。検出レベル信号203は、偏向ミラー面5aの偏向角を制御するための偏向角制御手段61に出力され、偏向角制御手段61からアクチュエータ5dに駆動信号202が出力される。なお、角度検出装置60および偏向角制御手段61を駆動するために不図示の電源から電源電圧200が供給されている。
【0034】
次に、本実施形態に係る角度検出装置60について詳細に説明する。
角度検出装置60の測定光学系60aは、図2に示したように、レーザ光源1(光源)、集光レンズ3、ビームスプリッタ4(光路分離素子)および4分割受光器10A、10B(光検出器)を備える。
以下、これらを略光路に沿う順序で説明する。なお、方向を記述する場合、必要に応じてXYZ座標系を用いる。XYZ座標系は、光路を記述するための直角座標系である。Z軸は光の進行方向を正とした光学系の光軸であり、軸上主光線の光路を示す。X軸は、紙面手前側を正方向とし、Z軸に直交する軸であり、Y軸はZ軸正方向から見たときにX軸を時計回りに90°回転した軸である。
図2の光路は、検出用反射面5cがX軸の正方向から見たときに反時計回りに角度Δθ回転したときのものである。
【0035】
レーザ光源1は、検出用反射面5cに所定強度のレーザ光2を放射するための光源であり、例えば、半導体レーザ素子などを採用することができる。レーザ光源1の波長は、検出用反射面5cの反射率特性や4分割受光器10の波長感度特性などに応じて適宜の波長を採用することができる。
集光レンズ3は、レーザ光2を集光して、4分割受光器10A、10Bの受光面上で所定の大きさのスポット径とするために、その光軸をレーザ光源1の光軸に一致させ、検出用反射面5cの手前側に配置された正のパワーを有するレンズである。
なお、レーザ光源1と集光レンズ3の間、または集光レンズ3の後側には、スポット径を整形するための適宜の絞りを設けておいてもよい。
【0036】
ビームスプリッタ4は、検出用反射面5cによって反射されたレーザ光2の一部を反射させ、残りを透過させて光路を分離するためのもので、三角プリズム4A、4Bを互いに一つのプリズム面で接合し、その接合部にハーフミラー面からなる光路分離面4bを備えた四角柱状部材である。
そして、プリズム4A側の角柱面である入射面4a、平面透過面4cが、それぞれ、検出用反射面5c、後述する4分割受光器10Aに向けられている。三角プリズム4Bの角柱面のうち入射面4aに対向する平面透過面4dは、後述する4分割受光器10Bに向けられている。
【0037】
ビームスプリッタ4の材質は、例えば、ショット社製BK7などの硝材を好適に用いることができる。しかし、例えば、オハラ社製S−TIHシリーズなどの屈折率ndがnd>1.7となるような高屈折率の硝材を採用すれば、光路長が長くなり、よりコンパクトな構成で、角度検出範囲を広くとることができるので、さらに好ましい。
【0038】
4分割受光器10A、10Bは、受光面上のスポット径の光量中心の位置検出を行うもので、それぞれの構成は同一である。図3は、4分割受光器10A(10B)を説明するための光軸方向視の模式図である。
4分割受光器10A(10B)は、受光面10a、10b、10c、10dが、同一平面上に十字状の境界を形成するように隣接された受光素子である。受光面10a、10b、10c、10dは、それぞれ独立に光量検出することができるフォトダイオード(以下、PDと略称する)からなり、それぞれの領域に照射されたレーザ光2の光量を検出し、検出信号を出力することが可能とされている。
【0039】
各受光面は、位置検出方向を図示のようにx、y方向としたとき、x方向に受光面10a、10bが隣接して配置され、かつ受光面10c、10dが隣接して配置されている。さらに、y方向には、受光面10a、10cが隣接して配置され、かつ受光面10b、10dが隣接して配置される構成とされている。そして、受光面10a、10b、10c、10dは、検出用反射面5cが中立位置にある時の光軸と略直交し、その光軸が十字状の境界の交差点を通るように配置されている。
このような4分割受光器10A、10Bの光軸方向の位置は、集光レンズ3の主平面からの光路長が、集光レンズ3の焦点距離よりも短くなる位置に配置されている。そして、それぞれ光路分離面4bからの光路長が、L1、L2(L1<L2)とされている。
【0040】
信号処理部60b(図1参照)は、レーザ光源1を駆動して発光させ、4分割受光器10A、10Bに電源を供給し、光量に応じて検出信号を取り出し、その検出信号に増幅、整形、演算処理などの適宜の信号処理を施して、検出レベル信号203を出力する電気回路が設けられている。
【0041】
次に角度検出装置60の作用について説明する。
レーザ光源1から所定光量を有する光束として発散して放射されたレーザ光2は、集光レンズ3により、集光作用を受けて収束光として進む。そして検出用反射面5cにより反射されて光路を変える。検出用反射面5cで反射されたレーザ光2は、入射面4aからビームスプリッタ4に入射し、三角プリズム4A内を通って、光路分離面4bに到達する。以下、検出用反射面5cから光路分離面4bまでの光路長を距離L0で表す。
【0042】
光路分離面4bでは、レーザ光2の一部が反射されて、分離面反射光2aとして三角プリズム4A内を進み、平面透過面4cからビームスプリッタ4の外部に放射される。そして、4分割受光器10Aの受光面上に到達する。このとき、分離面反射光2aは、集光レンズ3の主平面から受光面までの光路長に応じた所定のスポット径を有する光束となっている。
一方、光路分離面4bを透過する他の光束は、分離面透過光2bとして三角プリズム4B内を進み平面透過面4dからビームスプリッタ4の外部に放射される。そして、4分割受光器10Bの受光面上に到達する。このとき、分離面透過光2bは、集光レンズ3の主平面から受光面までの光路長に応じた所定のスポット径を有する光束となっている。
すなわち、4分割受光器10A、10Bの位置関係から、4分割受光器10Aの受光面上のスポット径は、4分割受光器10Bの受光面上のスポット径よりも大きくなっている。
【0043】
検出用反射面5cが中立位置にあるとき、分離面反射光2a、分離面透過光2bは、それぞれ光軸上を進み、4分割受光器10A、10Bの受光面上では、十字状の交差点の位置に中心を有するスポットを形成する。図3は、この様子を示す光軸方向視の模式図であり、符号11aはその場合の光束のスポットを示す。図2に示したように、検出用反射面5cが、角度Δθだけ正方向に回転して、傾き角度を変えると、分離面反射光2a、分離面透過光2bは、それぞれ光軸に対して、角度2Δθだけ傾斜した方向に進み、4分割受光器10A、10B上で光束のスポットの位置が変位するものである。
【0044】
次に、4分割PDの位置検出の原理を説明する。
センサ受光面10にスポットが照射されたときの受光面10a、10b、10c、10dの出力をそれぞれ、A、B、C、Dとする。このとき、x方向の位置に対応する出力は、(A+C―B−D)/(A+B+C+D)を、y方向の位置に対応する出力は、(A+B−C−D)/(A+B+C+D)を、それぞれ演算することにより得られる。これらの出力から得られる検出信号は、スポット形状が均一である限り良好な線形応答として得られる。もし良好な線形応答が得られない場合は、信号処理部60bの回路もしくは演算処理により、これら出力を、スポット形状や光量分布に応じて適宜校正することができる。
そして、信号処理部60bでは、測定光学系60aから送られる検出信号に対応した位置ずれ量と、検出用反射面5cから4分割受光器10A、10Bまでの所定の光路長とに基づいて、検出用反射面5cの傾き角度を算出する。この傾き角度は、位置ずれ量が2次元で測定されるので、検出用反射面5cの傾き角度もそれぞれ、X、Y軸回りの2次元の傾き角度として測定される。
【0045】
図4は、このような検出信号の一例を示すグラフである。横軸はX軸回りの回動ミラー5の偏向角(検出用反射面5cの傾き角度)を表し、単位は(°)である。縦軸は検出信号の電圧出力を表し、単位は(V)である。
応答曲線12、13は、それぞれ4分割受光器10A、10Bからの検出信号を示す。いずれも、原点を通る単調増加曲線であり、その大部分で略直線的な変化を示しているが、いずれも偏向角の絶対値の大きい部分では、傾きが徐々になまる非線形応答域12a、13aが形成されている。
検出信号の大きさは応答曲線12が応答曲線13より常に小さい。一方、偏向角の検出範囲は応答曲線12の方が応答曲線13よりも広い。これは、同じ偏向角であっても、検出用反射面5cから4分割受光器10Aの受光面までの光路長(L0+L1)が、検出用反射面5cから4分割受光器10Bの受光面まで光路長(L0+L2)よりも短いため、4分割受光器10Aの受光面上のスポット径の方が大きく、かつ受光面上での位置ずれ量が小さくなるためである。
【0046】
すなわち、4分割受光器10A、10Bは同一構成の光検出器であるにもかかわらず、4分割受光器10Aの出力は、角度検出感度は低く検出範囲は広いという特性を備え、逆に4分割受光器10Bの出力は、角度検出感度は高く検出範囲は狭いという特性を備えている。つまり、同一の被検物の角度変化を検出感度の異なる2つの光検出器で同時に二重に測定することができる。
したがって、例えば、前者を粗調整用の角度検出に用い、後者を微調整用の角度検出に用いるといった使い分けをすることができるという利点がある。
しかも、このように二重に角度検出できるにもかかわらず、レーザ光源1と途中の光路を共有して用いているので、コンパクトな装置とすることができるという利点がある。
【0047】
また、例えば、精密移動可能なマイクロステージやアクチュエータなどによって4分割受光器10Bを光軸に直交する方向に移動可能に保持する構成とすれば、4分割受光器10Aで検出した偏向角が、4分割受光器10Bの検出範囲外であった場合でも、光束のスポットの位置が検出範囲に入るように4分割受光器10Bを所定距離移動して、より精密な角度検出を行うことができる。
【0048】
上記の実施形態において、光路分離面4bで反射される光量と透過される光量は、受光面の出力比をとる4分割受光器を用いる場合は、任意の割合でよい。ただし、より角度検出精度を向上するためには、反射光と透過光の割合を、略1:1にして、4分割受光器10A、10BのS/N比を揃えることが好ましい。
【0049】
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。
第1〜3変形例は、上記の実施形態において、光路分離面4bと4分割受光器10A、10Bとの間に、パワーを有する光学面を配置して、4分割受光器10A、10Bの受光面上の光束のスポットの移動量とスポット径とをそれぞれ独立に変えられる構成としたものである。以下、上記と異なる点について、簡単に説明する。
【0050】
まず、第1変形例について説明する。
本実施形態の第1変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系70aを備える。
図5は、第1変形例の測定光学系70aを説明するための概略光路図である。本変形例は、測定光学系60aにおいて、集光レンズ3に代えて、レーザ光源1から放射されたレーザ光2を平行光束とするコリメートレンズ15を設け、ビームスプリッタ4と4分割受光器10Aとの間に正のパワーを有する集光レンズ16を配置し、ビームスプリッタ4と4分割受光器10Bとの間に正のパワーを有する集光レンズ17を配置したものである。そして、4分割受光器10Aの受光面は光路分離面4bから光路長L3の位置に、4分割受光器10Bの受光面は光路分離面4bから光路長L4の位置に、それぞれ配置される。
【0051】
集光レンズ16、17は、例えば、平凸レンズを採用することができる。そして、4分割受光器10A、10Bの受光面上の光束のスポットの移動量が、検出用反射面5cの傾き角度の、所定の角度変化に対してそれぞれ異なるように、焦点距離や配置位置が設定されている。
例えば、集光レンズ16の焦点距離を、検出用反射面5cから集光レンズ16の主平面までの光路長よりも長く設定し、また同じくその主平面から4分割受光器10Aの受光面までの光路長がその焦点距離よりも短くなるように設定する。そして、集光レンズ17の焦点距離を、検出用反射面5cから集光レンズ17の主平面までの光路長よりも短く設定し、また同じくその主平面から4分割受光器10Aの受光面までの光路長がその焦点距離よりも短くなるように設定する。このとき、スポット径は適宜の検出範囲をとれるような大きさとしておく。
【0052】
このような構成によれば、まず、レーザ光源1から放射されたレーザ光2は、コリメートレンズ15により平行光束とされる。そして、検出用反射面5cで反射されて、入射面4aからビームスプリッタ4に入射する。さらに、光路分離面4bで、一部が分離面反射光2aとして反射され、残りは分離面透過光2bとして透過する。
分離面反射光2aは、集光レンズ16を透過して集光され、4分割受光器10Aの受光面上に所定のスポット径で照射される。一方、分離面透過光2bは、集光レンズ17を透過して集光され、4分割受光器10Bの受光面上に所定のスポット径で照射される。
【0053】
それぞれの受光面上では、所定の傾き角度変化に対する光束のスポットの移動量が異なっているので、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。すなわち、図4のような検出信号特性を得ることができる。
【0054】
さらに、本変形例によれば、集光レンズ16、17のパワーをそれぞれ変えることにより、角度検出感度や、受光面の配置位置を自由に、しかも独立に変えることができるから、部品レイアウトの自由度が増すという利点がある。
【0055】
次に、第2変形例について説明する。
本実施形態の第2変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系71aを備える。
図6は、第2変形例の測定光学系71aを説明するための概略光路図である。
測定光学系71aは、上記に説明した測定光学系70aにおける4分割受光器10Bの光軸方向の位置をずらして、光路分離面4bから光路長L5の位置に配置したものである。光路長L5は、集光レンズ17の主平面から4分割受光器10Bの受光面までの光路長が集光レンズ17の焦点距離より長くなるようにしたものである。
【0056】
このような構成によれば、分離面透過光2bは、集光レンズ17を透過して集光され、焦点位置で結像し、それからスポット径が増大した状態で4分割受光器10Bの受光面上に照射される。したがって、第1変形例と同様に、それぞれの受光面上で所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上でのスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
その際、4分割受光器10Bの受光面は、集光レンズ17の焦点距離よりも離された位置にあり、レンズの屈折作用を受けるので、第1変形例の場合よりも所定の傾き角度変化に対する受光面上の移動量が少なくなるから、同じスポット径であれば、角度検出範囲をより広くすることができる。
【0057】
次に、第3変形例について説明する。
本実施形態の第3変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系72aを備える。
図7は、第3変形例の測定光学系72aを説明するための概略光路図である。
本変形例は、測定光学系71aの集光レンズ16、17に代えて、それぞれ正のパワーを有する集光レンズ18、19を設けたものである。そして、集光レンズ18、19は、それぞれ平凸レンズからなり、それぞれの平面が、平面透過面4c、平面透過面4dに、例えば接着などにより固定されている。図7において、符号18a、19aはそれぞれ凸レンズ面(正のパワーを有する光学面)を示す。
【0058】
集光レンズ18の焦点距離は、集光レンズ19の焦点距離より長くして、受光面上でそれぞれ所定のスポット径となるように、それぞれの主平面から4分割受光器10A、10Bまでの光路長をそれぞれの焦点距離より短い距離とし、かつ、光路分離面4bからの光路長が距離L6、L7(L6>L7)とされている。
【0059】
このような構成によれば、分離面反射光2aは、集光レンズ18を透過して集光され、4分割受光器10Aの受光面上に照射される。一方、分離面透過光2bは、集光レンズ19を透過して集光され、4分割受光器10Bの受光面上に照射される。
そして、集光レンズ18、19の焦点距離や、受光面の配置位置を変えることにより、所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上での光束のスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
しかも、集光レンズ18、19が、ビームスプリッタ4に一体化されているので、コンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0060】
次に、第4変形例について説明する。
本実施形態の第4変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系73aを備える。
図8は、第4変形例の測定光学系73aを説明するための概略光路図である。
本変形例は、測定光学系72aにおいて、ビームスプリッタ4に代えて、偏光ビームスプリッタ40を設け、集光レンズ19に代えて、1/4波長板21と凹面反射素子20を設けたものである。
そして、4分割受光器10Bは、凹面反射素子20で反射されて分離面透過光2bが、後述する偏光分離面40bにより反射される光軸上に、4分割受光器10Aと対向するように配置されている。
【0061】
偏光ビームスプリッタ40は、ビームスプリッタ4の光路分離面4bに代えて、レーザ光2の偏光成分によって透過率を変えた偏光分離面40bを設けたものである。そして、第3変形例と同様に、平面透過面4cには集光レンズ18が接着されている。
偏光分離面40bは、偏光成分によってレーザ光2を分離できれば、どのようなものでもよいが、P偏光成分またはS偏光成分を100%透過させ、かつそれぞれS偏光成分またはP偏光成分を100%反射させるように構成することが好ましい。そのような反射特性は、適宜の多層薄膜コート処理を施すことにより得られる。以下では、P偏光成分を100%透過させ、S偏光成分を100%反射させるものとして説明する。
【0062】
平面透過面4dには、直線偏光と円偏光との間の変換を行う1/4波長板21を配設されている。
凹面反射素子20は、例えば、平凸レンズの凸面に反射膜コートを施して裏面反射素子を構成したものである。
そして、4分割受光器10Bは、偏光分離面40bから光路長L8の位置に配置されている。この位置は、凹面反射素子20からの反射光が偏光分離面40bで反射される光路において、凹面反射素子20の主平面からの光路長が凹面反射素子20の焦点距離より長くなる位置に配置されている。
【0063】
このような構成では、検出用反射面5cで反射されたレーザ光2は、偏光分離面40bでS偏光成分が100%反射されて、偏光分離面反射光2cとなり、平面透過面4c、集光レンズ18を通って、4分割受光器10Aにスポットを形成する。
一方、偏光分離面40bを透過するP偏光成分からなる偏光分離面透過光2dは、1/4波長板21を透過することにより、円偏光となり、凹面反射素子20内を進んで、凹面反射面20aで、集光作用を受けながら反射される。そして、1/4波長板21に再入射する。
そして、1/4波長板21を透過すると、円偏光は、S偏光成分に変換される。そのため、偏光分離面40bでは、100%反射され、平面透過面4eを経て、4分割受光器10Bにスポットを形成する。このとき、光路長の関係から、凹面反射素子20の焦点距離は、4分割受光器10Bの前側にあるので第2変形例と同様に角度検出範囲を広くすることができる。
【0064】
本変形例によれば、集光レンズ18、凹面反射素子20の焦点距離と、4分割受光器10A、10Bの配置位置を変えることにより、検出用反射面5cの所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上でのスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
しかも、集光レンズ18、20が、ビームスプリッタ4に一体化されているので、コンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0065】
さらに、凹面反射素子20と偏光ビームスプリッタ40により偏光分離面40b以降の光路を折りたたむことにより、コンパクトなスペースに収めることができるという利点がある。
また、偏光分離面40bが、P偏光成分を100%透過させ、S偏光成分を100%反射させるから、1/4波長板21を設けることにより、偏光分離面40bでの光量損失がなくなるので、コンパクトに折りたたんでも、光量損失がなく、S/N比の高い角度検出を行うことができるという利点がある。
【0066】
なお、上記の第3および第4変形例の説明では、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40に一体化された正のパワーを有する光学面として、平凸レンズを接着する構成として説明したが、これらの光学面は、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40に直接加工してもよい。そのように構成すれば、接着が不要となるから光量損失も少なくなり、接着の手間が省けるという利点がある。
また、これらの光学面は、正のパワーを有するならば、球面レンズとは限らず、フレネルレンズ面やホログラム素子面であってもよい。そのように構成すれば、レンズ厚を薄くすることができる。
【0067】
なお、上記の第1の実施形態の説明では、角度検出の検出感度を異なったものとするため、いずれも、検出用反射面5cから4分割受光器10A、10Bまでの光路長が異なる構成として説明した。しかし、例えば、角度検出装置の信頼性を向上するために、光検出器を二重に設けるといった用途などでは、それぞれの光路長を同じにして、4分割受光器10A、10Bには全く同一の光検出器を採用する構成としてもよい。
そのように構成すれば、検出用反射面5cで反射されたレーザ光2をまったく同じ条件で二重に位置検出することができるから、一方の光検出器が故障した場合、他方の光検出器をそのまま使用するだけでバックアップとなり、角度検出装置の信頼性を向上することができる。
その際、レーザ光源1と途中の光路を共有して用いているので、独立した2台の角度検出装置よりコンパクトに構成とすることができるという利点がある。
【0068】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子として、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40を用いる例で説明したが、光路分離素子として、例えば、入射光の略50%を反射し、略50%を透過させるようなコーティングが施されたハーフミラー面を光路分離面として備えた平板プレートを採用してもよい。
そのように構成すれば、ビームスプリッタなどに比べて、軽量で安価な光路分離素子とすることができる。
【0069】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光検出器として、4分割受光器10A、10Bを用いる例で説明したが、光束のスポットの中心位置を検出することができる光検出素子、センサなどであれば、これに限るものではない。
例えば、センサ受光面上にレーザ光束のスポットが照射されると、スポットの光強度中心の位置に対応した出力電圧を発生して、そのスポットの位置を検知する位置検出受光器(Position Sensitive Detector、一般にPSDと略称されている)を採用することができる。
図9は、2次元PSDによる光束のスポットの位置検出を説明するための光軸方向視の模式図である。符号8は、センサ受光面であり、符号9a、9b、9c、9dは、光束のスポットを表す。検出用反射面5cが2軸方向に傾斜することにより、スポットが移動すると、その光強度中心位置に対応した出力電圧を発生して、その位置が検出される。x、y方向の位置をそれぞれ検出することにより、検出用反射面5cの2軸回りの傾き角度(偏向角)の成分が検出される。
【0070】
このようなPSDによれば、光束のスポットが受光面上のどこに当たっても位置検出することができるから、4分割受光器とは異なり、スポット径を小さくしても受光面を有効に利用することができるという利点がある。
したがって、例えば、角度検出範囲を広くするためにPSDを用い、角度検出精度を高くするために4分割受光器を用いるというように、両者を組み合わせて用いてもよい。
また、PSD以外の例として、スポットの光強度分布をセンサ上の画素ごとに検出する2次元CCD(Charge−Coupled Device、電荷結合デバイス)を採用することができる。2次元CCDによれば、強度分布に偏りがあっても、適宜画素信号を画像処理することにより、正確な光強度中心を算出できるので、角度検出精度を向上することができるという利点がある。
【0071】
また、上記の第1の実施形態の説明では、2つの光受光器は同じ感度特性を有するとして説明したが、2つの光受光器の感度特性を変えてもよい。そうすれば、光束のスポット移動量などとの組合せによる相乗効果で、互いの角度検出感度の差を設けやすくなるという利点がある。
【0072】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子と光検出器との間にパワーを有する光学素子として、正のパワーを有する集光レンズなどを配置する例で説明したが、パワーを有する光学素子であれば、フレネルレンズやホログラム素子であってもよい。これらの光学素子によれば、素子厚が薄くできるのでよりコンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0073】
また、上記の第1の実施形態において、パワーを有する光学面、光学素子のパワーは、必要に応じて負のパワーを有するものであってもよい。
【0074】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光源としてレーザ光源1を採用した例で説明した。レーザ光源1は単色光で集光性に優れるので、位置検出精度を向上できるという利点があるが、光検出器で検出できる光源であれば、レーザ光源1に限られないことは言うまでもない。例えば、LED素子であってもよい。
【0075】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路を2つに分離して、角度検出を二重に行う例で説明したが、光路を2つ以上に分離し、それぞれに対応して光検出器を設け、2つ以上の多重に角度検出を行うようにしてもよい。
【0076】
また、上記の第1の実施形態に係る角度検出装置は、検出用反射面を設けることができれば、いかなる被検物であっても角度検出を行うことができるのであって、回動ミラーの偏向角検出などに用途が限定されるものではない。
【0077】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子は、光を反射光および透過光の光路にそれぞれ分離する光路分離面を備えるとして説明したが、例えば波長差や複屈折を利用して透過光の光路を分離するものであってもよい。
【0078】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムについて説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステム106の概略構成を説明するための概略説明図である。図11は、光信号スイッチシステム106に用いる角度制御の概略を説明するための制御ブロック図である。
【0079】
本システムは、情報信号に応じて、例えば強度・パルス幅・周波数などが変調されたレーザ光束103…(光信号)が内部に伝送されてくる光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねた入力側ケーブルユニット100と、光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねて、レーザ光束103…を内部に伝送させる出力側ケーブルユニット105と、それらのユニットの間に設けられたレーザ光束103…を選択的に偏向するための光スイッチングデバイス108、108からなる。
【0080】
入力側ケーブルユニット100は、例えば紡糸されたガラスファイバーをプラスチックで保護被覆した光ファイバーケーブルなどから構成される光伝送用ケーブルの端部に、内部を伝送されてきたレーザ光束103を外部に出射させる出射口101aを備えた入力側ケーブル101を複数本、束ねたものである。それぞれの出射口101aの光軸上にレーザ光束103を平行光束とするよう機能するコリメータユニット102が配置されている。入力側ケーブル101は、それぞれの出射口101a…が出射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔をあけて規則正しく配列されている。出射口101a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0081】
出力側ケーブルユニット105は、同様に前記光伝送用ケーブルの端部に、レーザ光束103を入射させる入射口109aを備えた出力側ケーブル109を複数本、束ねたものである。それぞれの入射口109aの光軸上に、レーザ光束103を結像するよう機能する結像ユニット107が配置されている。出力側ケーブル109は、それぞれの入射口109a…が入射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔があけて規則正しく配列されている。入射口109a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0082】
入力側ケーブルユニット100および出力側ケーブルユニット105の、レーザ光束103の出入射方向には、それぞれ光スイッチングデバイス108が配置されている。光スイッチングデバイス108は、1次元または2次元にそれぞれ独立に傾くことができる回動ミラー5(光偏向素子)…と、それらの中立位置からの傾き角度(偏向角)をそれぞれ検出する角度検出装置60…と、角度検出装置60からの出力により回動ミラー5…の偏向角を制御する偏向角制御手段61とからなる。
角度検出装置60は、本発明の第1の実施形態として説明したものである。
回動ミラー5…は、例えば、本発明の第1の実施形態で説明した図1の構成のものを採用することができる。
【0083】
光スイッチングデバイス108、108は、それらの回動ミラー5…がそれぞれ出射口101a…、入射口109a…に対応するように配置されるとともに、回動ミラー5…が中立位置の傾きとされた状態で、所定の出射口101aから出射されたレーザ光束103がそれぞれの回動ミラー5、5で反射されて所定の入射口109aに入射する位置関係に配置されている。
【0084】
回動ミラー5は、レーザ光束103…が入射する方向に偏向ミラー面5a…が配され、背面側の検出用反射面5c…には、偏向角を検出するための角度検出装置60…が対向するように設けられている。
【0085】
偏向角制御手段61は、偏向角を特定する偏向角制御信号201をデコードし、回動ミラー5の目標偏向角に対応した目標レベル信号204を発生させるデコード手段61aと、角度検出装置60からの検出レベル信号203と目標レベル信号204の偏差を受け取ってアクチュエータ5dの駆動信号202を発生させる制御部61bとからなる。
そして、回動ミラー5とその偏向角を特定する偏向角制御信号201と電源電圧200を外部から受け取り、アクチュエータ5dと角度検出装置60にそれぞれ電気的に接続され、アクチュエータ5dを駆動する駆動信号202を出力し、回動ミラー5の偏向角を検出する角度検出装置60から検出レベル信号203が入力されるように構成されている。
【0086】
次に光信号スイッチシステム106の動作について説明する。
まず、通常の伝送路の中継状態では、1つの入力側ケーブル101において内部を伝送されたレーザ光束103は、格子マトリクス状に規則正しく配列された出射口101a…の1つに到達して、そこから入力側ケーブル101の外部に放射される。そしてコリメータユニット102によりその放射光が集光され、ゴミなどによるけられが発生しないように適宜太さの平行ビームとされて光スイッチングデバイス108の方向に出射される。
【0087】
ここでコリメータユニット102のそれぞれの後段に設けられた、中立位置の回動ミラー5…は、それぞれ、特定のレーザ光束103を、もう一方の光スイッチングデバイス108の中立位置にある特定の回動ミラー5に向けて反射して、規則正しく配列された出力側ケーブルユニット105の特定の入射口109a…に対応する結像ユニット107…の1つに入射させている。そして入射した結像ユニット107を透過して、出力側ケーブルユニット105中の、所定の光ケーブル101の入射口109aに結像されて、その内部にレーザ光束103が入射され、伝送されていく。
【0088】
本実施形態による光信号スイッチシステム106では、回動ミラー5、5を中立位置から所定の偏向角だけ傾斜させ、レーザ光束103の到達位置を変更することにより行う。例えば、図10において、特定の入力側ケーブル101Aから出射されるレーザ光束103Aを通常の中継状態からスイッチングして出力側ケーブル109Bに切り換える場合、まず回動ミラー5Aの偏向角を変えてレーザ光束103Aを回動ミラー5Bに向けて偏向する。回動ミラー5Bは、通常の中継状態では別のレーザ光束103を中立位置で出力側ケーブル109Bに入射させるが、この場合レーザ光束103Aの入射角に対応して、レーザ光束103Aが出力側ケーブル109Bに入射するように回動ミラー5Bの偏向角が変更される。
【0089】
出射口101a…と入射口109a…はそれぞれ規則正しく配列されているので、それぞれの出射口101aと入射口109aを対応させる回動ミラー5、5の偏向角は、光スイッチングデバイス108、108の位置関係によってあらかじめ決まっている。そこで、特定の回動ミラー5、5を所定の偏向角に傾斜させることにより、光信号スイッチングを行うことができる。
【0090】
すなわち、スイッチングするレーザ光束103Aの入力側ケーブル101Aと出力側ケーブル109Bが特定される。そして、それぞれの情報が、偏向角制御信号201によって外部から、各光スイッチングデバイス108の偏向角制御手段61に入力され、デコード手段61aに入力される。
デコード手段61aにより回動ミラー5の目標偏向角に対応する目標レベル信号204が発生される。目標レベル信号204は、検出された偏向角による検出レベル信号203との偏差が取られて制御部61bに入力される。制御部61bでは、この偏差を、例えば増幅、微分、積分などして、回動ミラー5の偏向角を目標偏向角に近づけるように駆動信号202を調節してアクチュエータ5dへフィードバックして出力する。
【0091】
このように、角度検出装置60を検出手段としてフィードバック制御が行われるので、回動ミラー5の偏向角が目標偏向角に修正される。したがって、例えば外乱が生じて偏向角が目標偏向角からずれても、そのずれ量に応じてただちに目標偏向角に修正されるものである。すなわち、偏向角制御手段61と、角度検出装置60とを備えた光スイッチングデバイス108により、リアルタイムのフィードバック制御が実現されている。
【0092】
本実施形態の光信号スイッチシステム106では、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60を用いるので、多重に角度検出を行うことができるから、例えば、複数の角度検出の角度検出感度を同一にして、多重にバックアップされた角度検出を行うことができ、コンパクトでありながら、信頼性に優れた光信号スイッチシステムとすることができる。
また、複数の角度検出の角度検出感度を異なるようにして、一方を粗調整用、他方を微調整用として、偏向角制御を粗調整制御と微調整制御に分けて行うことができる。その結果、コンパクトな構成でありながら、角度検出範囲と角度検出精度をともに向上することができるという利点がある。
【0093】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システムについて説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システム110の概略構成を説明するための平面説明図である。
本システムは、情報信号を記録再生するための、例えば光ディスクや光磁気ディスクなどの記録ディスク112(記録媒体)と、情報信号に応じて例えば強度・パルス幅などが変調されたレーザ光束115(光束)を照射する半導体レーザ1(光源)と
、レーザ光束115を結像する結像レンズ116および結像レンズユニット114と、レーザ光束115を偏向し結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うためアクチュエータ(不図示)で偏向駆動される回動ミラー5と、角度検出装置60とからなる光学系と、それらの光学系を設置して記録ディスク112の記録面の平行方向と垂直方向に移動させることができるアーム113とを備える。
半導体レーザ1は、情報信号によって半導体レーザ1を変調するためのレーザ駆動手段1bに接続されている。
回動ミラー5は、図1に示した構成を採用することができる。角度検出装置60も本発明の第1の実施形態で説明したものである。
【0094】
符号111は筐体であって、その中に例えばDC制御モータなどで回転駆動される駆動軸112aに記録ディスク112が配置されている。記録ディスク112は駆動軸112a回りに回転可能に保持されている。
【0095】
記録ディスク112は、少なくともいずれかの表面に光信号の記録または再生の一方または両方が可能な記録面を備えている。フォーマットされた記録ディスク112は、記録面の周方向にトラック信号が形成され、情報信号の記録位置を径方向に論理的に分割している。
【0096】
アーム113は、記録面の上方に配置され、記録ディスク112に対して上下方向に弾性的に支持されている。アーム113は、回転軸113aによって、記録ディスク112の記録面に平行方向に回転可能に支持されており、電磁コイルなどからなる駆動コイル117によって回転軸113a回りに回転駆動可能とされている。
【0097】
結像レンズ116は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光束115を、例えば平行ビームなどに適宜整形するよう構成されている。結像レンズユニット114は、レーザ光束115を受けて記録面上に結像するとともに、記録面からの反射光を受光して、情報信号に対応する信号光と、フォーカス制御を行うためのフォーカス検出光と、トラッキング制御を行うためのトラッキング検出光をそれぞれの受光素子に受光させるように構成されている。
【0098】
結像レンズ116と結像レンズユニット114の間には、レーザ光束115の結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うための回動ミラー5が角度検出装置60とともに配置されている。
【0099】
次に、本システムの作用を、本発明に係るトラッキング制御を中心に説明する。
まずレーザ光束115を記録ディスク112の記録面に照射し、反射光を結像レンズユニット114で受光してトラッキング信号を拾い、トラックの位置、トラックからのずれ量などの情報を収集する。その情報に基づき、駆動コイル117によってアーム113の回動位置を粗動制御し、トラック間の移動や、トラックへの追従を行う。
【0100】
さらに、より厳密なトラッキングを行うため、回動ミラー5を傾斜させ、レーザ光束115を偏向させて、その結像レンズユニット114への入射位置ずらし、記録面上の径方向の結像位置を微動させる。その際、角度検出装置60により回動ミラー5の偏向角を検出してフィードバック制御する。フィードバック制御は、図11を用いて説明した本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチングシステムと同様の偏向角制御方法を採用することができる。
【0101】
このように、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60を用いて情報記録再生システムを構成することにより、角度検出装置60をコンパクトに構成することができるから、アーム113を小さく軽く構成することができる。したがって、その機械的な応答特性を高めることができるという利点がある。
また、多重に角度検出を行うことができるから、例えば、複数の角度検出の角度検出感度を同一にして、多重にバックアップされた角度検出を行うことができるから、コンパクトでありながら、信頼性に優れた情報記録再生システムとすることができる。
あるいは、複数の角度検出の角度検出感度を異なるようにして、一方を粗調整用、他方を微調整用として、偏向角制御を粗調整制御と微調整制御に分けて行うことができる。その結果、コンパクトな構成でありながら、角度検出範囲と角度検出精度をともに向上することができるという利点がある。
【0102】
[実施例]
次に、上記に説明した第1の実施形態に係る角度検出装置60の実施例として、第2変形例の数値実施例を、図5を参照して説明する。
図5は、下記に示す光学系の構成パラメータにおける光路を、検出用反射面5cをX軸回りにΔθ回転させた場合について示した光路図である。ここで、光源の波長は、785nmとした。座標系、符号などは上記に説明しているので説明は省略する。
図5に表記されたri、di、ni(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのri、di、niに対応する。レーザ発光点1aは物体面であり、4分割受光器10A、10Bの受光面は像面である。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
光路1は、分離面反射光2aの光路であり、光路2は、分離面透過光2bの光路である。
【0103】
【0104】
以上に示したように、本実施例では、光路2が空気間隔で約12mm、その光軸から直交する方向に折り曲げられた光路1の長さが空気間隔で5.2mmという非常に小さな光学系を構成することができた。
上記は、第1の実施形態の第2変形例に係る数値実施例であるが、他の実施形態であっても、同様にして、具体例を挙げることができる。
【0105】
なお、本発明の第2、第3の実施形態では、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置を、光信号スイッチシステムと情報記録再生システムとについて適用した場合の説明をしたが、本発明に係る角度検出装置は他の角度検出にも適用可能である。例えば、光無線通信やレーザーレーダなどにも有効である。
【0106】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の角度検出装置によれば、コンパクトな構成により被検物の傾き角度を多重に検出することができ、そのような多重化により、例えば、装置の信頼性や、傾き角度の検出精度および検出範囲などの諸性能を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明の光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムによれば、システムの信頼性や、例えばスイッチング特性やトラッキング特性などの諸性能を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置について説明するための概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置に用いる測定光学系の概略構成を説明するための概略光路図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に用いる4分割受光器を説明するための光軸方向視の模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に用いる4分割受光器の検出信号の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図9】2次元PSDによる光束のスポットの位置検出を説明するための光軸方向視の模式図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムの概略構成を説明するための概略説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムに用いられる角度制御の概略を説明するための制御ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システムの概略構成を説明するための平面説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源(光源)
2 レーザ光(光束)
3、16、17、18、19 集光レンズ
4 ビームスプリッタ(光路分離素子)
4b 光路分離面
5 回動ミラー(光偏光素子、被検物)
10A、10B 4分割受光器
10a、10b、10c、10d 受光面
15 コリメートレンズ
17a、18a、19a 凸レンズ面
20 凹面反射素子
20a 凹面反射面
21 1/4波長板
60 角度検出装置
60a、70a、71a、72a、73a 測定光学系
60b 信号処理部
61 偏向角制御手段
40 偏光ビームスプリッタ(光路分離素子)
40b 偏光分離面(光路分離面)
103、115 レーザ光束
106 光信号スイッチシステム
108 光スイッチングデバイス
110 情報記録再生システム
112 記録ディスク(記録媒体)
201 偏向角制御信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、角度検出装置、光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、角度検出装置として、被検物の一部に設けられた検出用反射面に所定位置から光を照射し、その反射光の位置を検知することにより、被検物の所定位置からの角度を検出する装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ディスク(円盤状情報記録媒体)とそれに情報を書き込むための光ヘッドとの間の傾きおよびディスク保護層の厚みの検出を目的として、受光面が4分割された検出手段を備える光学装置が記載されている。この4分割された検出手段は、光素子からディスクに光を放射し、その反射光を受光するためのもので、それぞれの受光面の受光量に応じた電気信号を出力し、その相対比から、受光面の分割中心に対する反射光の中心位置を検出するものである。そして、ディスクのラジアル方向の位置ずれ量からディスクの傾きを検出し、ディスクのタンゼンシャル方向の位置ずれ量からディスク保護層の厚みを検出している。
【0003】
また、特許文献2には、ガルバノミラーの裏面に角度検出光を入射させ、その反射光を入射角度に応じて反射率が変化する分離面を有する光束分離手段によって2光束に分離し、それぞれの光束の光量をそれぞれ光検出器で独立に検出し、その出力の差により、ガルバノミラーの偏向角を検出する偏向角検出装置が記載されている。そして、分離面に対する入射角が小さくなるにしたがって増加する検出出力Aと、同じく入射角が小さくなるにしたがって減少する検出出力Bとを用いて、その差(A−B)を算出することにより、検出感度を向上させる技術が記載されている。
【0004】
また、このような角度検出装置を搭載して光偏向素子の偏向角制御に用いたシステムとして、例えば光通信に用いられる光信号スイッチシステムや、レーザを用いた情報記録再生システムが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−227552号公報(第2−3頁、図1−2)
【特許文献2】
特開平11−144274号公報(第3−4頁、図6、9)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の角度検出装置には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、4分割された受光面の出力の相対比を用いるので、受光スポットの中心位置の検出感度と、検出範囲とはスポット径の大きさで制約され、互いにトレードオフの関係にある。したがって、ディスク傾き角度の検出精度を向上させつつ検出範囲を広げるには、ディスクと光学装置との距離を大きくとり、傾き角度の変化量に対する反射光の受光位置の変化量を変える必要があった。すなわち、検出精度を向上しようとすれば、より大きな配置スペースが必要となるという問題があった。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、傾き角度の検出感度を向上できるものの、入射角と反射率との関係が直線関係となっていないので、傾き角度制御が難しいという問題があった。また、反射膜特性が検出精度に直接に影響するため、反射膜を高精度に製作しなければ検出精度が劣ったものになるという問題があった。さらに、本技術では2次元の傾き角度を測定することが困難であるという問題があった。
【0008】
上記のような従来の角度検出装置を偏向角制御手段として用いる光信号スイッチシステムや情報記録再生システムは、高度の信頼性が求められるため、角度検出装置が故障した場合に備えてバックアップ用の角度検出装置を設ける場合がある。また、これらでは高精度かつ広範囲での偏向角制御が求められるため、制御動作を粗調整、微調整の2段階で行う場合がある。
このような場合、上記のような従来の角度検出装置では、2台を並列設置するしかないので、2倍の配置スペースが必要となるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、被検物の傾き角度を多重に検出することができ、そのような多重化により、例えば、装置の信頼性や、傾き角度の検出精度および検出範囲などの諸性能を向上することができる角度検出装置を提供することを目的とする。
また、システムの信頼性や、例えばスイッチング特性やトラッキング特性などの諸性能を向上することができる光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、被検物の傾き角度を検出する角度検出装置であって、前記被検物に備えられた検出用反射面に向けて光を放射する光源と、前記検出用反射面において反射された反射光の光路を分離する光路分離素子と、該光路分離素子により分離された光束のそれぞれを受光して、前記検出用反射面の傾き角度をそれぞれ独立に検出する複数の光検出器とを備える。
この発明によれば、検出用反射面において反射された反射光を光路分離素子により光路分離して、それぞれを複数の光検出器で独立して検出するので、被検物の傾き角度を複数の光検出器で同時かつ多重に検出することができ、しかも光源から光路分離素子までの光路を共通とすることにより、装置をコンパクト化することができる。
なお、本明細書における被検物の傾き角度は、適宜に設定した基準面から測った傾き角度であり、例えば水平面や鉛直面などの特定の基準面に限るものではない。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の角度検出装置において、前記被検物の傾き角度の変化量に対する前記複数の光検出器の受光面上における各光束の移動量が、それぞれ互いに異なる構成とする。
この発明によれば、被検物の傾き角度の変化量に対する各光検出器の受光面上での光束の移動量が異なるので、受光面の大きさの異なる光検出器であっても受光面を有効に利用できる。また、光検出器が光束の位置検出を行うことにより角度検出を行うものである場合、各光検出器の位置検出感度が同じであっても、角度検出感度を変えることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の角度検出装置において、前記検出用反射面から前記複数の光検出器の受光面までのそれぞれの光路長が互いに異なる構成とする。
この発明によれば、検出用反射面から各光検出器の受光面までの光路長が互いに異なるので、被検物の傾き角度変化量に対応する各受光面上での光束の移動量が互いに異なるものとなる。その結果、受光面の大きさの異なる光検出器であっても受光面を有効に利用できる。また、光検出器が光束の位置検出により角度検出を行う場合、各光検出器の位置検出感度が同じであっても、角度検出感度を変えることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器が、角度検出においてそれぞれ異なる感度特性を有する。
この発明によれば、各光検出器の角度検出の感度特性が異なるため、用途に応じて異なる検出出力を多重に得ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、前記光路分離素子が、光を反射光および透過光の光路に分離する光路分離面を備えるビームスプリッタである。
この発明によれば、略円形の光束2つに分離できるので検出位置から角度を演算するときの校正が2つの検出器とも容易になる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の角度検出装置において、前記光路分離面と前記光検出器との間に、パワーを有する光学面を配置した構成とする。
この発明によれば、パワーを有する光学面が光路分離面と光検出器との間に配置されているので、この光学面により、受光面上で光束のスポット径の大きさや、受光面上の光束の移動量を変えることができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の角度検出装置において、前記光学面が前記光路分離素子に一体に設けられた構成とする。
この発明によれば、部品点数が削減され、コンパクトな構成とすることができる。
【0017】
請求項8に記載の発明では、前記光学面が前記複数の光検出器へのそれぞれの光路中に設けられるとともに、互いに異なるパワーを有する。
この発明によれば、互いに異なるパワーを有する光学面を光路分離面と各光検出器との間に配置することにより、受光面上で光束のスポット径の大きさや、受光面上の光束の移動量がそれぞれ異なるようにすることができる。
【0018】
請求項9に記載の発明では、請求項6〜8のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光学面が正のパワーを有する。
この発明によれば、光学面が正のパワーを有するので、光束を集光してスポット径を変えたり、光路長を短くすることができる。その結果、光検出器の角度検出感度を変えることができる。
【0019】
請求項10に記載の発明では、請求項6〜9のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光学面の一つが正のパワーを有する反射面である。
この発明によれば、光路分離素子により光路が分離された光束を正のパワーを有する反射面で反射することにより、集光しつつ光路を折りたたむことができるので、コンパクトな構成とすることができる。
【0020】
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の角度検出装置において、前記光路分離面が、偏光成分によって光を透過または反射させる偏光分離面からなり、該偏光分離面と前記正のパワーを有する反射面との間に1/4波長板を配置した構成とする。
この発明によれば、検出用反射面で反射された反射光が偏光分離面により偏光成分により分離され、その分離された光束が1/4波長板を透過し、正のパワーを有する反射面で反射され、さらに1/4波長板に再入射することで、偏光分離面を透過または反射した光束の偏光成分を、偏光分離面でそれぞれ反射または透過する偏光成分に変換することができる。その結果、1/4波長板に再入射して透過した光束を偏光分離面に再入射させて、反射または透過させることにより、光路をコンパクトに折りたたみながら、光量損失がきわめて少ない構成とすることができる。
【0021】
請求項12に記載の発明では、請求項1〜11のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が平板プレートである。
この発明によれば、光路分離素子を軽量で簡素なものとすることができる。
【0022】
請求項13に記載の発明では、請求項1〜11のいずれかに記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が偏光ビームスプリッタである。
この発明によれば、光路分離素子の配置が容易となり、硝材部の長さで光路長を増やすことができるとともに、偏光成分に応じ光束を分離できる。
【0023】
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の角度検出装置において、前記光路分離素子が、nd>1.7(ndは屈折率)なる硝材で形成された構成とする。
この発明によれば、nd>1.7の高屈折率の硝材を用いることにより、ビームスプリッタの入射面における屈折角が大きくなるため、角度検出範囲を広くすることができる。
【0024】
請求項15に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器の少なくとも一つが、4分割の受光面を備える4分割受光器である。
この発明によれば、4分割受光器を用いることにより2次元の位置検出を行うことができるから、2次元の傾き角度を検出することができる。
【0025】
請求項16に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器の少なくとも一つが、2次元の位置検出受光器であることを特徴とする。
この発明によれば、2次元の位置検出受光器を用いることにより2次元の位置検出を行うことができるから、2次元の傾き角度を検出することができる。その際、受光面上の光束スポット位置は、受光面上であれば、4分割受光器のような中央分割線を跨がなければならないという制約はないから、受光面上を効率的に利用することができ、検出範囲を広くすることができる。
【0026】
請求項17に記載の発明では、請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置において、前記複数の光検出器が、4分割の受光面を備える4分割受光器および2次元の位置検出受光器を含む。
この発明によれば、4分割受光器と2次元の位置検出受光器を併用することができるから、例えば、2次元の位置検出受光器では粗調整用の角度検出を行い、4分割受光器では微調整用の角度検出を行うというように、それぞれの検出性能の特徴に応じた多重の角度検出を行うことができる。
【0027】
請求項18に記載の発明では、複数の光伝送路の間で、該光伝送路の一つから伝送される光信号の光路を他の光伝送路に切り換える光信号スイッチシステムであって、該光信号の光路を切り換える光偏向素子と、該光偏向素子の偏向角を検出するために、該光偏向素子に一体に設けられた検出用反射面と、前記光偏向素子を被検物として前記偏向角を検出する請求項1〜18のいずれかに記載の角度検出装置と、該角度検出装置により検出された偏向角を用いて前記光偏向素子の偏向角を制御する偏向角制御手段とを備える。
この発明によれば、光偏向素子を被検物としてその偏向角を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置を備えるので、その角度検出装置が有する作用効果を備える光信号スイッチシステムとすることができる。少なくとも、いずれの角度検出装置もコンパクト化することができるから、光信号スイッチシステムもコンパクト化することができる。また、いずれの角度検出装置も独立に角度検出可能な複数の光検出器を備えるから、それらの一つをバックアップ用に用いて角度検出を多重化して信頼性を向上させたり、角度検出精度を変えて角度検出したりすることができる。
【0028】
請求項19に記載の発明では、光を照射することにより情報信号の記録または再生あるいはその両方が可能な記録面を備える記録媒体に、前記情報信号を記録または再生あるいはその両方を行う情報記録再生システムであって、光束を照射する光源と、前記光束を前記記録媒体の記録面に結像する光学系と、該光学系内に配置され、前記光束を前記記録面に平行な面内で偏向し、偏向角に連動して傾き角度が変わる検出用反射面を有する光偏向素子と、該光偏向素子を被検物として前記傾き角度を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置とを備えた構成とする。
この発明によれば、光偏向素子を被検物としてその偏向角を検出する請求項1〜18のいずれかに記載の角度検出装置を備えるので、その角度検出装置が有する作用効果を備える情報記録再生システムとすることができる。少なくとも、いずれの角度検出装置もコンパクト化することができるから、情報記録再生システムもコンパクト化することができる。また、いずれの角度検出装置も独立に角度検出可能な複数の光検出器を備えるから、それらの一つをバックアップ用に用いて角度検出を多重化して信頼性を向上させたり、角度検出精度を変えて角度検出したりすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材には、同一の符号を付している。そのため、別の実施の形態であっても、同一符号を付した部材の説明は省略する。
【0030】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60の概念図である。図2は、角度検出装置60に用いる測定光学系60aの概略構成を説明するための概略光路図である。
本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60は、測定光学系60aおよび信号処理部60bからなる。そして、測定光学系60aから放射されるレーザ光2を角度検出の対象物(被検物)に設けられた検出用反射面に照射し、その反射光を測定光学系60aで受光して、その受光信号を信号処理部60bで信号処理し、検出用反射面の傾き角度の大きさに応じた検出レベル信号203を出力する装置である。図1の例では、角度検出装置60の被検物は、回動ミラー5(光偏向素子)である。
【0031】
回動ミラー5は、例えば、ガルバノミラーなどからなり、板状の支持部材5bの表裏面に、表面反射平面ミラーが埋め込まれて一体化されている。支持部材5bの表面側には、光を偏向するための偏向ミラー面5aが、支持部材5bの裏面側には、角度検出を行うための検出用反射面5cがそれぞれ形成されている。そして、電磁コイルなどの周知のアクチュエータ5dによって、偏向ミラー面5aの偏向角が可変できるようになっている。
【0032】
偏向ミラー面5aと検出用反射面5cは、平行である必要はないが、偏向ミラー面5aの偏向角に対応して検出用反射面5cが傾斜するように接合されている。すなわち、検出用反射面5cの傾き角度を検出すれば、偏向ミラー面5aの偏向角に換算できるようになっている。
回動ミラー5の回動中心は、偏向ミラー面5a上にあっても、検出用反射面5c上にあっても、その中間でもよいが、以下では簡単のために、回動中心が検出用反射面5c上にあり、光軸が回動中心を通るものとして、つまりサグはないものとして説明する。
【0033】
角度検出装置60は、検出用反射面5cに対して測定光学系60aが対向する位置に設けられている。検出レベル信号203は、偏向ミラー面5aの偏向角を制御するための偏向角制御手段61に出力され、偏向角制御手段61からアクチュエータ5dに駆動信号202が出力される。なお、角度検出装置60および偏向角制御手段61を駆動するために不図示の電源から電源電圧200が供給されている。
【0034】
次に、本実施形態に係る角度検出装置60について詳細に説明する。
角度検出装置60の測定光学系60aは、図2に示したように、レーザ光源1(光源)、集光レンズ3、ビームスプリッタ4(光路分離素子)および4分割受光器10A、10B(光検出器)を備える。
以下、これらを略光路に沿う順序で説明する。なお、方向を記述する場合、必要に応じてXYZ座標系を用いる。XYZ座標系は、光路を記述するための直角座標系である。Z軸は光の進行方向を正とした光学系の光軸であり、軸上主光線の光路を示す。X軸は、紙面手前側を正方向とし、Z軸に直交する軸であり、Y軸はZ軸正方向から見たときにX軸を時計回りに90°回転した軸である。
図2の光路は、検出用反射面5cがX軸の正方向から見たときに反時計回りに角度Δθ回転したときのものである。
【0035】
レーザ光源1は、検出用反射面5cに所定強度のレーザ光2を放射するための光源であり、例えば、半導体レーザ素子などを採用することができる。レーザ光源1の波長は、検出用反射面5cの反射率特性や4分割受光器10の波長感度特性などに応じて適宜の波長を採用することができる。
集光レンズ3は、レーザ光2を集光して、4分割受光器10A、10Bの受光面上で所定の大きさのスポット径とするために、その光軸をレーザ光源1の光軸に一致させ、検出用反射面5cの手前側に配置された正のパワーを有するレンズである。
なお、レーザ光源1と集光レンズ3の間、または集光レンズ3の後側には、スポット径を整形するための適宜の絞りを設けておいてもよい。
【0036】
ビームスプリッタ4は、検出用反射面5cによって反射されたレーザ光2の一部を反射させ、残りを透過させて光路を分離するためのもので、三角プリズム4A、4Bを互いに一つのプリズム面で接合し、その接合部にハーフミラー面からなる光路分離面4bを備えた四角柱状部材である。
そして、プリズム4A側の角柱面である入射面4a、平面透過面4cが、それぞれ、検出用反射面5c、後述する4分割受光器10Aに向けられている。三角プリズム4Bの角柱面のうち入射面4aに対向する平面透過面4dは、後述する4分割受光器10Bに向けられている。
【0037】
ビームスプリッタ4の材質は、例えば、ショット社製BK7などの硝材を好適に用いることができる。しかし、例えば、オハラ社製S−TIHシリーズなどの屈折率ndがnd>1.7となるような高屈折率の硝材を採用すれば、光路長が長くなり、よりコンパクトな構成で、角度検出範囲を広くとることができるので、さらに好ましい。
【0038】
4分割受光器10A、10Bは、受光面上のスポット径の光量中心の位置検出を行うもので、それぞれの構成は同一である。図3は、4分割受光器10A(10B)を説明するための光軸方向視の模式図である。
4分割受光器10A(10B)は、受光面10a、10b、10c、10dが、同一平面上に十字状の境界を形成するように隣接された受光素子である。受光面10a、10b、10c、10dは、それぞれ独立に光量検出することができるフォトダイオード(以下、PDと略称する)からなり、それぞれの領域に照射されたレーザ光2の光量を検出し、検出信号を出力することが可能とされている。
【0039】
各受光面は、位置検出方向を図示のようにx、y方向としたとき、x方向に受光面10a、10bが隣接して配置され、かつ受光面10c、10dが隣接して配置されている。さらに、y方向には、受光面10a、10cが隣接して配置され、かつ受光面10b、10dが隣接して配置される構成とされている。そして、受光面10a、10b、10c、10dは、検出用反射面5cが中立位置にある時の光軸と略直交し、その光軸が十字状の境界の交差点を通るように配置されている。
このような4分割受光器10A、10Bの光軸方向の位置は、集光レンズ3の主平面からの光路長が、集光レンズ3の焦点距離よりも短くなる位置に配置されている。そして、それぞれ光路分離面4bからの光路長が、L1、L2(L1<L2)とされている。
【0040】
信号処理部60b(図1参照)は、レーザ光源1を駆動して発光させ、4分割受光器10A、10Bに電源を供給し、光量に応じて検出信号を取り出し、その検出信号に増幅、整形、演算処理などの適宜の信号処理を施して、検出レベル信号203を出力する電気回路が設けられている。
【0041】
次に角度検出装置60の作用について説明する。
レーザ光源1から所定光量を有する光束として発散して放射されたレーザ光2は、集光レンズ3により、集光作用を受けて収束光として進む。そして検出用反射面5cにより反射されて光路を変える。検出用反射面5cで反射されたレーザ光2は、入射面4aからビームスプリッタ4に入射し、三角プリズム4A内を通って、光路分離面4bに到達する。以下、検出用反射面5cから光路分離面4bまでの光路長を距離L0で表す。
【0042】
光路分離面4bでは、レーザ光2の一部が反射されて、分離面反射光2aとして三角プリズム4A内を進み、平面透過面4cからビームスプリッタ4の外部に放射される。そして、4分割受光器10Aの受光面上に到達する。このとき、分離面反射光2aは、集光レンズ3の主平面から受光面までの光路長に応じた所定のスポット径を有する光束となっている。
一方、光路分離面4bを透過する他の光束は、分離面透過光2bとして三角プリズム4B内を進み平面透過面4dからビームスプリッタ4の外部に放射される。そして、4分割受光器10Bの受光面上に到達する。このとき、分離面透過光2bは、集光レンズ3の主平面から受光面までの光路長に応じた所定のスポット径を有する光束となっている。
すなわち、4分割受光器10A、10Bの位置関係から、4分割受光器10Aの受光面上のスポット径は、4分割受光器10Bの受光面上のスポット径よりも大きくなっている。
【0043】
検出用反射面5cが中立位置にあるとき、分離面反射光2a、分離面透過光2bは、それぞれ光軸上を進み、4分割受光器10A、10Bの受光面上では、十字状の交差点の位置に中心を有するスポットを形成する。図3は、この様子を示す光軸方向視の模式図であり、符号11aはその場合の光束のスポットを示す。図2に示したように、検出用反射面5cが、角度Δθだけ正方向に回転して、傾き角度を変えると、分離面反射光2a、分離面透過光2bは、それぞれ光軸に対して、角度2Δθだけ傾斜した方向に進み、4分割受光器10A、10B上で光束のスポットの位置が変位するものである。
【0044】
次に、4分割PDの位置検出の原理を説明する。
センサ受光面10にスポットが照射されたときの受光面10a、10b、10c、10dの出力をそれぞれ、A、B、C、Dとする。このとき、x方向の位置に対応する出力は、(A+C―B−D)/(A+B+C+D)を、y方向の位置に対応する出力は、(A+B−C−D)/(A+B+C+D)を、それぞれ演算することにより得られる。これらの出力から得られる検出信号は、スポット形状が均一である限り良好な線形応答として得られる。もし良好な線形応答が得られない場合は、信号処理部60bの回路もしくは演算処理により、これら出力を、スポット形状や光量分布に応じて適宜校正することができる。
そして、信号処理部60bでは、測定光学系60aから送られる検出信号に対応した位置ずれ量と、検出用反射面5cから4分割受光器10A、10Bまでの所定の光路長とに基づいて、検出用反射面5cの傾き角度を算出する。この傾き角度は、位置ずれ量が2次元で測定されるので、検出用反射面5cの傾き角度もそれぞれ、X、Y軸回りの2次元の傾き角度として測定される。
【0045】
図4は、このような検出信号の一例を示すグラフである。横軸はX軸回りの回動ミラー5の偏向角(検出用反射面5cの傾き角度)を表し、単位は(°)である。縦軸は検出信号の電圧出力を表し、単位は(V)である。
応答曲線12、13は、それぞれ4分割受光器10A、10Bからの検出信号を示す。いずれも、原点を通る単調増加曲線であり、その大部分で略直線的な変化を示しているが、いずれも偏向角の絶対値の大きい部分では、傾きが徐々になまる非線形応答域12a、13aが形成されている。
検出信号の大きさは応答曲線12が応答曲線13より常に小さい。一方、偏向角の検出範囲は応答曲線12の方が応答曲線13よりも広い。これは、同じ偏向角であっても、検出用反射面5cから4分割受光器10Aの受光面までの光路長(L0+L1)が、検出用反射面5cから4分割受光器10Bの受光面まで光路長(L0+L2)よりも短いため、4分割受光器10Aの受光面上のスポット径の方が大きく、かつ受光面上での位置ずれ量が小さくなるためである。
【0046】
すなわち、4分割受光器10A、10Bは同一構成の光検出器であるにもかかわらず、4分割受光器10Aの出力は、角度検出感度は低く検出範囲は広いという特性を備え、逆に4分割受光器10Bの出力は、角度検出感度は高く検出範囲は狭いという特性を備えている。つまり、同一の被検物の角度変化を検出感度の異なる2つの光検出器で同時に二重に測定することができる。
したがって、例えば、前者を粗調整用の角度検出に用い、後者を微調整用の角度検出に用いるといった使い分けをすることができるという利点がある。
しかも、このように二重に角度検出できるにもかかわらず、レーザ光源1と途中の光路を共有して用いているので、コンパクトな装置とすることができるという利点がある。
【0047】
また、例えば、精密移動可能なマイクロステージやアクチュエータなどによって4分割受光器10Bを光軸に直交する方向に移動可能に保持する構成とすれば、4分割受光器10Aで検出した偏向角が、4分割受光器10Bの検出範囲外であった場合でも、光束のスポットの位置が検出範囲に入るように4分割受光器10Bを所定距離移動して、より精密な角度検出を行うことができる。
【0048】
上記の実施形態において、光路分離面4bで反射される光量と透過される光量は、受光面の出力比をとる4分割受光器を用いる場合は、任意の割合でよい。ただし、より角度検出精度を向上するためには、反射光と透過光の割合を、略1:1にして、4分割受光器10A、10BのS/N比を揃えることが好ましい。
【0049】
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。
第1〜3変形例は、上記の実施形態において、光路分離面4bと4分割受光器10A、10Bとの間に、パワーを有する光学面を配置して、4分割受光器10A、10Bの受光面上の光束のスポットの移動量とスポット径とをそれぞれ独立に変えられる構成としたものである。以下、上記と異なる点について、簡単に説明する。
【0050】
まず、第1変形例について説明する。
本実施形態の第1変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系70aを備える。
図5は、第1変形例の測定光学系70aを説明するための概略光路図である。本変形例は、測定光学系60aにおいて、集光レンズ3に代えて、レーザ光源1から放射されたレーザ光2を平行光束とするコリメートレンズ15を設け、ビームスプリッタ4と4分割受光器10Aとの間に正のパワーを有する集光レンズ16を配置し、ビームスプリッタ4と4分割受光器10Bとの間に正のパワーを有する集光レンズ17を配置したものである。そして、4分割受光器10Aの受光面は光路分離面4bから光路長L3の位置に、4分割受光器10Bの受光面は光路分離面4bから光路長L4の位置に、それぞれ配置される。
【0051】
集光レンズ16、17は、例えば、平凸レンズを採用することができる。そして、4分割受光器10A、10Bの受光面上の光束のスポットの移動量が、検出用反射面5cの傾き角度の、所定の角度変化に対してそれぞれ異なるように、焦点距離や配置位置が設定されている。
例えば、集光レンズ16の焦点距離を、検出用反射面5cから集光レンズ16の主平面までの光路長よりも長く設定し、また同じくその主平面から4分割受光器10Aの受光面までの光路長がその焦点距離よりも短くなるように設定する。そして、集光レンズ17の焦点距離を、検出用反射面5cから集光レンズ17の主平面までの光路長よりも短く設定し、また同じくその主平面から4分割受光器10Aの受光面までの光路長がその焦点距離よりも短くなるように設定する。このとき、スポット径は適宜の検出範囲をとれるような大きさとしておく。
【0052】
このような構成によれば、まず、レーザ光源1から放射されたレーザ光2は、コリメートレンズ15により平行光束とされる。そして、検出用反射面5cで反射されて、入射面4aからビームスプリッタ4に入射する。さらに、光路分離面4bで、一部が分離面反射光2aとして反射され、残りは分離面透過光2bとして透過する。
分離面反射光2aは、集光レンズ16を透過して集光され、4分割受光器10Aの受光面上に所定のスポット径で照射される。一方、分離面透過光2bは、集光レンズ17を透過して集光され、4分割受光器10Bの受光面上に所定のスポット径で照射される。
【0053】
それぞれの受光面上では、所定の傾き角度変化に対する光束のスポットの移動量が異なっているので、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。すなわち、図4のような検出信号特性を得ることができる。
【0054】
さらに、本変形例によれば、集光レンズ16、17のパワーをそれぞれ変えることにより、角度検出感度や、受光面の配置位置を自由に、しかも独立に変えることができるから、部品レイアウトの自由度が増すという利点がある。
【0055】
次に、第2変形例について説明する。
本実施形態の第2変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系71aを備える。
図6は、第2変形例の測定光学系71aを説明するための概略光路図である。
測定光学系71aは、上記に説明した測定光学系70aにおける4分割受光器10Bの光軸方向の位置をずらして、光路分離面4bから光路長L5の位置に配置したものである。光路長L5は、集光レンズ17の主平面から4分割受光器10Bの受光面までの光路長が集光レンズ17の焦点距離より長くなるようにしたものである。
【0056】
このような構成によれば、分離面透過光2bは、集光レンズ17を透過して集光され、焦点位置で結像し、それからスポット径が増大した状態で4分割受光器10Bの受光面上に照射される。したがって、第1変形例と同様に、それぞれの受光面上で所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上でのスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
その際、4分割受光器10Bの受光面は、集光レンズ17の焦点距離よりも離された位置にあり、レンズの屈折作用を受けるので、第1変形例の場合よりも所定の傾き角度変化に対する受光面上の移動量が少なくなるから、同じスポット径であれば、角度検出範囲をより広くすることができる。
【0057】
次に、第3変形例について説明する。
本実施形態の第3変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系72aを備える。
図7は、第3変形例の測定光学系72aを説明するための概略光路図である。
本変形例は、測定光学系71aの集光レンズ16、17に代えて、それぞれ正のパワーを有する集光レンズ18、19を設けたものである。そして、集光レンズ18、19は、それぞれ平凸レンズからなり、それぞれの平面が、平面透過面4c、平面透過面4dに、例えば接着などにより固定されている。図7において、符号18a、19aはそれぞれ凸レンズ面(正のパワーを有する光学面)を示す。
【0058】
集光レンズ18の焦点距離は、集光レンズ19の焦点距離より長くして、受光面上でそれぞれ所定のスポット径となるように、それぞれの主平面から4分割受光器10A、10Bまでの光路長をそれぞれの焦点距離より短い距離とし、かつ、光路分離面4bからの光路長が距離L6、L7(L6>L7)とされている。
【0059】
このような構成によれば、分離面反射光2aは、集光レンズ18を透過して集光され、4分割受光器10Aの受光面上に照射される。一方、分離面透過光2bは、集光レンズ19を透過して集光され、4分割受光器10Bの受光面上に照射される。
そして、集光レンズ18、19の焦点距離や、受光面の配置位置を変えることにより、所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上での光束のスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
しかも、集光レンズ18、19が、ビームスプリッタ4に一体化されているので、コンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0060】
次に、第4変形例について説明する。
本実施形態の第4変形例に係る角度検出装置60は、上記の測定光学系60aに代えて、測定光学系73aを備える。
図8は、第4変形例の測定光学系73aを説明するための概略光路図である。
本変形例は、測定光学系72aにおいて、ビームスプリッタ4に代えて、偏光ビームスプリッタ40を設け、集光レンズ19に代えて、1/4波長板21と凹面反射素子20を設けたものである。
そして、4分割受光器10Bは、凹面反射素子20で反射されて分離面透過光2bが、後述する偏光分離面40bにより反射される光軸上に、4分割受光器10Aと対向するように配置されている。
【0061】
偏光ビームスプリッタ40は、ビームスプリッタ4の光路分離面4bに代えて、レーザ光2の偏光成分によって透過率を変えた偏光分離面40bを設けたものである。そして、第3変形例と同様に、平面透過面4cには集光レンズ18が接着されている。
偏光分離面40bは、偏光成分によってレーザ光2を分離できれば、どのようなものでもよいが、P偏光成分またはS偏光成分を100%透過させ、かつそれぞれS偏光成分またはP偏光成分を100%反射させるように構成することが好ましい。そのような反射特性は、適宜の多層薄膜コート処理を施すことにより得られる。以下では、P偏光成分を100%透過させ、S偏光成分を100%反射させるものとして説明する。
【0062】
平面透過面4dには、直線偏光と円偏光との間の変換を行う1/4波長板21を配設されている。
凹面反射素子20は、例えば、平凸レンズの凸面に反射膜コートを施して裏面反射素子を構成したものである。
そして、4分割受光器10Bは、偏光分離面40bから光路長L8の位置に配置されている。この位置は、凹面反射素子20からの反射光が偏光分離面40bで反射される光路において、凹面反射素子20の主平面からの光路長が凹面反射素子20の焦点距離より長くなる位置に配置されている。
【0063】
このような構成では、検出用反射面5cで反射されたレーザ光2は、偏光分離面40bでS偏光成分が100%反射されて、偏光分離面反射光2cとなり、平面透過面4c、集光レンズ18を通って、4分割受光器10Aにスポットを形成する。
一方、偏光分離面40bを透過するP偏光成分からなる偏光分離面透過光2dは、1/4波長板21を透過することにより、円偏光となり、凹面反射素子20内を進んで、凹面反射面20aで、集光作用を受けながら反射される。そして、1/4波長板21に再入射する。
そして、1/4波長板21を透過すると、円偏光は、S偏光成分に変換される。そのため、偏光分離面40bでは、100%反射され、平面透過面4eを経て、4分割受光器10Bにスポットを形成する。このとき、光路長の関係から、凹面反射素子20の焦点距離は、4分割受光器10Bの前側にあるので第2変形例と同様に角度検出範囲を広くすることができる。
【0064】
本変形例によれば、集光レンズ18、凹面反射素子20の焦点距離と、4分割受光器10A、10Bの配置位置を変えることにより、検出用反射面5cの所定の傾き角度変化に対するそれぞれの受光面上でのスポットの移動量を変えることができるから、4分割受光器10A、10Bに同じものを用いても、傾き角度の角度検出感度を変えることができる。
しかも、集光レンズ18、20が、ビームスプリッタ4に一体化されているので、コンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0065】
さらに、凹面反射素子20と偏光ビームスプリッタ40により偏光分離面40b以降の光路を折りたたむことにより、コンパクトなスペースに収めることができるという利点がある。
また、偏光分離面40bが、P偏光成分を100%透過させ、S偏光成分を100%反射させるから、1/4波長板21を設けることにより、偏光分離面40bでの光量損失がなくなるので、コンパクトに折りたたんでも、光量損失がなく、S/N比の高い角度検出を行うことができるという利点がある。
【0066】
なお、上記の第3および第4変形例の説明では、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40に一体化された正のパワーを有する光学面として、平凸レンズを接着する構成として説明したが、これらの光学面は、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40に直接加工してもよい。そのように構成すれば、接着が不要となるから光量損失も少なくなり、接着の手間が省けるという利点がある。
また、これらの光学面は、正のパワーを有するならば、球面レンズとは限らず、フレネルレンズ面やホログラム素子面であってもよい。そのように構成すれば、レンズ厚を薄くすることができる。
【0067】
なお、上記の第1の実施形態の説明では、角度検出の検出感度を異なったものとするため、いずれも、検出用反射面5cから4分割受光器10A、10Bまでの光路長が異なる構成として説明した。しかし、例えば、角度検出装置の信頼性を向上するために、光検出器を二重に設けるといった用途などでは、それぞれの光路長を同じにして、4分割受光器10A、10Bには全く同一の光検出器を採用する構成としてもよい。
そのように構成すれば、検出用反射面5cで反射されたレーザ光2をまったく同じ条件で二重に位置検出することができるから、一方の光検出器が故障した場合、他方の光検出器をそのまま使用するだけでバックアップとなり、角度検出装置の信頼性を向上することができる。
その際、レーザ光源1と途中の光路を共有して用いているので、独立した2台の角度検出装置よりコンパクトに構成とすることができるという利点がある。
【0068】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子として、ビームスプリッタ4、偏光ビームスプリッタ40を用いる例で説明したが、光路分離素子として、例えば、入射光の略50%を反射し、略50%を透過させるようなコーティングが施されたハーフミラー面を光路分離面として備えた平板プレートを採用してもよい。
そのように構成すれば、ビームスプリッタなどに比べて、軽量で安価な光路分離素子とすることができる。
【0069】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光検出器として、4分割受光器10A、10Bを用いる例で説明したが、光束のスポットの中心位置を検出することができる光検出素子、センサなどであれば、これに限るものではない。
例えば、センサ受光面上にレーザ光束のスポットが照射されると、スポットの光強度中心の位置に対応した出力電圧を発生して、そのスポットの位置を検知する位置検出受光器(Position Sensitive Detector、一般にPSDと略称されている)を採用することができる。
図9は、2次元PSDによる光束のスポットの位置検出を説明するための光軸方向視の模式図である。符号8は、センサ受光面であり、符号9a、9b、9c、9dは、光束のスポットを表す。検出用反射面5cが2軸方向に傾斜することにより、スポットが移動すると、その光強度中心位置に対応した出力電圧を発生して、その位置が検出される。x、y方向の位置をそれぞれ検出することにより、検出用反射面5cの2軸回りの傾き角度(偏向角)の成分が検出される。
【0070】
このようなPSDによれば、光束のスポットが受光面上のどこに当たっても位置検出することができるから、4分割受光器とは異なり、スポット径を小さくしても受光面を有効に利用することができるという利点がある。
したがって、例えば、角度検出範囲を広くするためにPSDを用い、角度検出精度を高くするために4分割受光器を用いるというように、両者を組み合わせて用いてもよい。
また、PSD以外の例として、スポットの光強度分布をセンサ上の画素ごとに検出する2次元CCD(Charge−Coupled Device、電荷結合デバイス)を採用することができる。2次元CCDによれば、強度分布に偏りがあっても、適宜画素信号を画像処理することにより、正確な光強度中心を算出できるので、角度検出精度を向上することができるという利点がある。
【0071】
また、上記の第1の実施形態の説明では、2つの光受光器は同じ感度特性を有するとして説明したが、2つの光受光器の感度特性を変えてもよい。そうすれば、光束のスポット移動量などとの組合せによる相乗効果で、互いの角度検出感度の差を設けやすくなるという利点がある。
【0072】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子と光検出器との間にパワーを有する光学素子として、正のパワーを有する集光レンズなどを配置する例で説明したが、パワーを有する光学素子であれば、フレネルレンズやホログラム素子であってもよい。これらの光学素子によれば、素子厚が薄くできるのでよりコンパクトな光学系とすることができるという利点がある。
【0073】
また、上記の第1の実施形態において、パワーを有する光学面、光学素子のパワーは、必要に応じて負のパワーを有するものであってもよい。
【0074】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光源としてレーザ光源1を採用した例で説明した。レーザ光源1は単色光で集光性に優れるので、位置検出精度を向上できるという利点があるが、光検出器で検出できる光源であれば、レーザ光源1に限られないことは言うまでもない。例えば、LED素子であってもよい。
【0075】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路を2つに分離して、角度検出を二重に行う例で説明したが、光路を2つ以上に分離し、それぞれに対応して光検出器を設け、2つ以上の多重に角度検出を行うようにしてもよい。
【0076】
また、上記の第1の実施形態に係る角度検出装置は、検出用反射面を設けることができれば、いかなる被検物であっても角度検出を行うことができるのであって、回動ミラーの偏向角検出などに用途が限定されるものではない。
【0077】
また、上記の第1の実施形態の説明では、光路分離素子は、光を反射光および透過光の光路にそれぞれ分離する光路分離面を備えるとして説明したが、例えば波長差や複屈折を利用して透過光の光路を分離するものであってもよい。
【0078】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムについて説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステム106の概略構成を説明するための概略説明図である。図11は、光信号スイッチシステム106に用いる角度制御の概略を説明するための制御ブロック図である。
【0079】
本システムは、情報信号に応じて、例えば強度・パルス幅・周波数などが変調されたレーザ光束103…(光信号)が内部に伝送されてくる光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねた入力側ケーブルユニット100と、光ファイバーケーブルなどの光伝送用ケーブルを束ねて、レーザ光束103…を内部に伝送させる出力側ケーブルユニット105と、それらのユニットの間に設けられたレーザ光束103…を選択的に偏向するための光スイッチングデバイス108、108からなる。
【0080】
入力側ケーブルユニット100は、例えば紡糸されたガラスファイバーをプラスチックで保護被覆した光ファイバーケーブルなどから構成される光伝送用ケーブルの端部に、内部を伝送されてきたレーザ光束103を外部に出射させる出射口101aを備えた入力側ケーブル101を複数本、束ねたものである。それぞれの出射口101aの光軸上にレーザ光束103を平行光束とするよう機能するコリメータユニット102が配置されている。入力側ケーブル101は、それぞれの出射口101a…が出射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔をあけて規則正しく配列されている。出射口101a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0081】
出力側ケーブルユニット105は、同様に前記光伝送用ケーブルの端部に、レーザ光束103を入射させる入射口109aを備えた出力側ケーブル109を複数本、束ねたものである。それぞれの入射口109aの光軸上に、レーザ光束103を結像するよう機能する結像ユニット107が配置されている。出力側ケーブル109は、それぞれの入射口109a…が入射方向を揃えられ、それぞれ所定の間隔があけて規則正しく配列されている。入射口109a…は、その個数に応じて、例えば2×2、64×64などの格子マトリクス状に配列されている。
【0082】
入力側ケーブルユニット100および出力側ケーブルユニット105の、レーザ光束103の出入射方向には、それぞれ光スイッチングデバイス108が配置されている。光スイッチングデバイス108は、1次元または2次元にそれぞれ独立に傾くことができる回動ミラー5(光偏向素子)…と、それらの中立位置からの傾き角度(偏向角)をそれぞれ検出する角度検出装置60…と、角度検出装置60からの出力により回動ミラー5…の偏向角を制御する偏向角制御手段61とからなる。
角度検出装置60は、本発明の第1の実施形態として説明したものである。
回動ミラー5…は、例えば、本発明の第1の実施形態で説明した図1の構成のものを採用することができる。
【0083】
光スイッチングデバイス108、108は、それらの回動ミラー5…がそれぞれ出射口101a…、入射口109a…に対応するように配置されるとともに、回動ミラー5…が中立位置の傾きとされた状態で、所定の出射口101aから出射されたレーザ光束103がそれぞれの回動ミラー5、5で反射されて所定の入射口109aに入射する位置関係に配置されている。
【0084】
回動ミラー5は、レーザ光束103…が入射する方向に偏向ミラー面5a…が配され、背面側の検出用反射面5c…には、偏向角を検出するための角度検出装置60…が対向するように設けられている。
【0085】
偏向角制御手段61は、偏向角を特定する偏向角制御信号201をデコードし、回動ミラー5の目標偏向角に対応した目標レベル信号204を発生させるデコード手段61aと、角度検出装置60からの検出レベル信号203と目標レベル信号204の偏差を受け取ってアクチュエータ5dの駆動信号202を発生させる制御部61bとからなる。
そして、回動ミラー5とその偏向角を特定する偏向角制御信号201と電源電圧200を外部から受け取り、アクチュエータ5dと角度検出装置60にそれぞれ電気的に接続され、アクチュエータ5dを駆動する駆動信号202を出力し、回動ミラー5の偏向角を検出する角度検出装置60から検出レベル信号203が入力されるように構成されている。
【0086】
次に光信号スイッチシステム106の動作について説明する。
まず、通常の伝送路の中継状態では、1つの入力側ケーブル101において内部を伝送されたレーザ光束103は、格子マトリクス状に規則正しく配列された出射口101a…の1つに到達して、そこから入力側ケーブル101の外部に放射される。そしてコリメータユニット102によりその放射光が集光され、ゴミなどによるけられが発生しないように適宜太さの平行ビームとされて光スイッチングデバイス108の方向に出射される。
【0087】
ここでコリメータユニット102のそれぞれの後段に設けられた、中立位置の回動ミラー5…は、それぞれ、特定のレーザ光束103を、もう一方の光スイッチングデバイス108の中立位置にある特定の回動ミラー5に向けて反射して、規則正しく配列された出力側ケーブルユニット105の特定の入射口109a…に対応する結像ユニット107…の1つに入射させている。そして入射した結像ユニット107を透過して、出力側ケーブルユニット105中の、所定の光ケーブル101の入射口109aに結像されて、その内部にレーザ光束103が入射され、伝送されていく。
【0088】
本実施形態による光信号スイッチシステム106では、回動ミラー5、5を中立位置から所定の偏向角だけ傾斜させ、レーザ光束103の到達位置を変更することにより行う。例えば、図10において、特定の入力側ケーブル101Aから出射されるレーザ光束103Aを通常の中継状態からスイッチングして出力側ケーブル109Bに切り換える場合、まず回動ミラー5Aの偏向角を変えてレーザ光束103Aを回動ミラー5Bに向けて偏向する。回動ミラー5Bは、通常の中継状態では別のレーザ光束103を中立位置で出力側ケーブル109Bに入射させるが、この場合レーザ光束103Aの入射角に対応して、レーザ光束103Aが出力側ケーブル109Bに入射するように回動ミラー5Bの偏向角が変更される。
【0089】
出射口101a…と入射口109a…はそれぞれ規則正しく配列されているので、それぞれの出射口101aと入射口109aを対応させる回動ミラー5、5の偏向角は、光スイッチングデバイス108、108の位置関係によってあらかじめ決まっている。そこで、特定の回動ミラー5、5を所定の偏向角に傾斜させることにより、光信号スイッチングを行うことができる。
【0090】
すなわち、スイッチングするレーザ光束103Aの入力側ケーブル101Aと出力側ケーブル109Bが特定される。そして、それぞれの情報が、偏向角制御信号201によって外部から、各光スイッチングデバイス108の偏向角制御手段61に入力され、デコード手段61aに入力される。
デコード手段61aにより回動ミラー5の目標偏向角に対応する目標レベル信号204が発生される。目標レベル信号204は、検出された偏向角による検出レベル信号203との偏差が取られて制御部61bに入力される。制御部61bでは、この偏差を、例えば増幅、微分、積分などして、回動ミラー5の偏向角を目標偏向角に近づけるように駆動信号202を調節してアクチュエータ5dへフィードバックして出力する。
【0091】
このように、角度検出装置60を検出手段としてフィードバック制御が行われるので、回動ミラー5の偏向角が目標偏向角に修正される。したがって、例えば外乱が生じて偏向角が目標偏向角からずれても、そのずれ量に応じてただちに目標偏向角に修正されるものである。すなわち、偏向角制御手段61と、角度検出装置60とを備えた光スイッチングデバイス108により、リアルタイムのフィードバック制御が実現されている。
【0092】
本実施形態の光信号スイッチシステム106では、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60を用いるので、多重に角度検出を行うことができるから、例えば、複数の角度検出の角度検出感度を同一にして、多重にバックアップされた角度検出を行うことができ、コンパクトでありながら、信頼性に優れた光信号スイッチシステムとすることができる。
また、複数の角度検出の角度検出感度を異なるようにして、一方を粗調整用、他方を微調整用として、偏向角制御を粗調整制御と微調整制御に分けて行うことができる。その結果、コンパクトな構成でありながら、角度検出範囲と角度検出精度をともに向上することができるという利点がある。
【0093】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システムについて説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システム110の概略構成を説明するための平面説明図である。
本システムは、情報信号を記録再生するための、例えば光ディスクや光磁気ディスクなどの記録ディスク112(記録媒体)と、情報信号に応じて例えば強度・パルス幅などが変調されたレーザ光束115(光束)を照射する半導体レーザ1(光源)と
、レーザ光束115を結像する結像レンズ116および結像レンズユニット114と、レーザ光束115を偏向し結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うためアクチュエータ(不図示)で偏向駆動される回動ミラー5と、角度検出装置60とからなる光学系と、それらの光学系を設置して記録ディスク112の記録面の平行方向と垂直方向に移動させることができるアーム113とを備える。
半導体レーザ1は、情報信号によって半導体レーザ1を変調するためのレーザ駆動手段1bに接続されている。
回動ミラー5は、図1に示した構成を採用することができる。角度検出装置60も本発明の第1の実施形態で説明したものである。
【0094】
符号111は筐体であって、その中に例えばDC制御モータなどで回転駆動される駆動軸112aに記録ディスク112が配置されている。記録ディスク112は駆動軸112a回りに回転可能に保持されている。
【0095】
記録ディスク112は、少なくともいずれかの表面に光信号の記録または再生の一方または両方が可能な記録面を備えている。フォーマットされた記録ディスク112は、記録面の周方向にトラック信号が形成され、情報信号の記録位置を径方向に論理的に分割している。
【0096】
アーム113は、記録面の上方に配置され、記録ディスク112に対して上下方向に弾性的に支持されている。アーム113は、回転軸113aによって、記録ディスク112の記録面に平行方向に回転可能に支持されており、電磁コイルなどからなる駆動コイル117によって回転軸113a回りに回転駆動可能とされている。
【0097】
結像レンズ116は、半導体レーザ1から出射されたレーザ光束115を、例えば平行ビームなどに適宜整形するよう構成されている。結像レンズユニット114は、レーザ光束115を受けて記録面上に結像するとともに、記録面からの反射光を受光して、情報信号に対応する信号光と、フォーカス制御を行うためのフォーカス検出光と、トラッキング制御を行うためのトラッキング検出光をそれぞれの受光素子に受光させるように構成されている。
【0098】
結像レンズ116と結像レンズユニット114の間には、レーザ光束115の結像レンズユニット114への入射位置を可変して微動トラッキング制御を行うための回動ミラー5が角度検出装置60とともに配置されている。
【0099】
次に、本システムの作用を、本発明に係るトラッキング制御を中心に説明する。
まずレーザ光束115を記録ディスク112の記録面に照射し、反射光を結像レンズユニット114で受光してトラッキング信号を拾い、トラックの位置、トラックからのずれ量などの情報を収集する。その情報に基づき、駆動コイル117によってアーム113の回動位置を粗動制御し、トラック間の移動や、トラックへの追従を行う。
【0100】
さらに、より厳密なトラッキングを行うため、回動ミラー5を傾斜させ、レーザ光束115を偏向させて、その結像レンズユニット114への入射位置ずらし、記録面上の径方向の結像位置を微動させる。その際、角度検出装置60により回動ミラー5の偏向角を検出してフィードバック制御する。フィードバック制御は、図11を用いて説明した本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチングシステムと同様の偏向角制御方法を採用することができる。
【0101】
このように、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置60を用いて情報記録再生システムを構成することにより、角度検出装置60をコンパクトに構成することができるから、アーム113を小さく軽く構成することができる。したがって、その機械的な応答特性を高めることができるという利点がある。
また、多重に角度検出を行うことができるから、例えば、複数の角度検出の角度検出感度を同一にして、多重にバックアップされた角度検出を行うことができるから、コンパクトでありながら、信頼性に優れた情報記録再生システムとすることができる。
あるいは、複数の角度検出の角度検出感度を異なるようにして、一方を粗調整用、他方を微調整用として、偏向角制御を粗調整制御と微調整制御に分けて行うことができる。その結果、コンパクトな構成でありながら、角度検出範囲と角度検出精度をともに向上することができるという利点がある。
【0102】
[実施例]
次に、上記に説明した第1の実施形態に係る角度検出装置60の実施例として、第2変形例の数値実施例を、図5を参照して説明する。
図5は、下記に示す光学系の構成パラメータにおける光路を、検出用反射面5cをX軸回りにΔθ回転させた場合について示した光路図である。ここで、光源の波長は、785nmとした。座標系、符号などは上記に説明しているので説明は省略する。
図5に表記されたri、di、ni(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのri、di、niに対応する。レーザ発光点1aは物体面であり、4分割受光器10A、10Bの受光面は像面である。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
光路1は、分離面反射光2aの光路であり、光路2は、分離面透過光2bの光路である。
【0103】
【0104】
以上に示したように、本実施例では、光路2が空気間隔で約12mm、その光軸から直交する方向に折り曲げられた光路1の長さが空気間隔で5.2mmという非常に小さな光学系を構成することができた。
上記は、第1の実施形態の第2変形例に係る数値実施例であるが、他の実施形態であっても、同様にして、具体例を挙げることができる。
【0105】
なお、本発明の第2、第3の実施形態では、本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置を、光信号スイッチシステムと情報記録再生システムとについて適用した場合の説明をしたが、本発明に係る角度検出装置は他の角度検出にも適用可能である。例えば、光無線通信やレーザーレーダなどにも有効である。
【0106】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の角度検出装置によれば、コンパクトな構成により被検物の傾き角度を多重に検出することができ、そのような多重化により、例えば、装置の信頼性や、傾き角度の検出精度および検出範囲などの諸性能を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明の光信号スイッチシステムおよび情報記録再生システムによれば、システムの信頼性や、例えばスイッチング特性やトラッキング特性などの諸性能を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置について説明するための概念図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る角度検出装置に用いる測定光学系の概略構成を説明するための概略光路図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に用いる4分割受光器を説明するための光軸方向視の模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に用いる4分割受光器の検出信号の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る角度検出装置の測定光学系を説明するための概略光路図である。
【図9】2次元PSDによる光束のスポットの位置検出を説明するための光軸方向視の模式図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムの概略構成を説明するための概略説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る光信号スイッチシステムに用いられる角度制御の概略を説明するための制御ブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る情報記録再生システムの概略構成を説明するための平面説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源(光源)
2 レーザ光(光束)
3、16、17、18、19 集光レンズ
4 ビームスプリッタ(光路分離素子)
4b 光路分離面
5 回動ミラー(光偏光素子、被検物)
10A、10B 4分割受光器
10a、10b、10c、10d 受光面
15 コリメートレンズ
17a、18a、19a 凸レンズ面
20 凹面反射素子
20a 凹面反射面
21 1/4波長板
60 角度検出装置
60a、70a、71a、72a、73a 測定光学系
60b 信号処理部
61 偏向角制御手段
40 偏光ビームスプリッタ(光路分離素子)
40b 偏光分離面(光路分離面)
103、115 レーザ光束
106 光信号スイッチシステム
108 光スイッチングデバイス
110 情報記録再生システム
112 記録ディスク(記録媒体)
201 偏向角制御信号
Claims (19)
- 被検物の傾き角度を検出する角度検出装置であって、
前記被検物に備えられた検出用反射面に向けて光を放射する光源と、
前記検出用反射面において反射された反射光の光路を分離する光路分離素子と、
該光路分離素子により分離された光束のそれぞれを受光して、前記検出用反射面の傾き角度をそれぞれ独立に検出する複数の光検出器とを備えることを特徴とする角度検出装置。 - 前記被検物の傾き角度の変化量に対する前記複数の光検出器の受光面上における各光束の移動量が、それぞれ互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の角度検出装置。
- 前記検出用反射面から前記複数の光検出器の受光面までのそれぞれの光路長が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の角度検出装置。
- 前記複数の光検出器が、角度検出においてそれぞれ異なる感度特性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記光路分離素子が、光を反射光および透過光の光路に分離する光路分離面を備えるビームスプリッタであることを特徴とする請求項1〜4に記載の角度検出装置。
- 前記光路分離面と前記光検出器との間に、パワーを有する光学面を配置したことを特徴とする請求項5に記載の角度検出装置。
- 前記光学面が前記光路分離素子に一体に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の角度検出装置。
- 前記光学面が前記複数の光検出器へのそれぞれの光路中に設けられるとともに、互いに異なるパワーを有することを特徴とする請求項6または7に記載の角度検出装置。
- 前記光学面が正のパワーを有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記光学面の一つが正のパワーを有する反射面であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記光路分離面が、偏光成分によって光を透過または反射させる偏光分離面からなり、該偏光分離面と前記正のパワーを有する反射面との間に1/4波長板を配置したことを特徴とする請求項10に記載の角度検出装置。
- 前記光路分離素子が平板プレートであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記光路分離素子が偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1〜11に記載の角度検出装置。
- 前記光路分離素子が、nd>1.7(ndは屈折率)なる硝材で形成されたことを特徴とする請求項13に記載の角度検出装置。
- 前記複数の光検出器の少なくとも一つが、4分割の受光面を備える4分割受光器であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記複数の光検出器の少なくとも一つが、2次元の位置検出受光器であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置。
- 前記複数の光検出器が、4分割の受光面を備える4分割受光器および2次元の位置検出受光器を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の角度検出装置。
- 複数の光伝送路の間で、該光伝送路の一つから伝送される光信号の光路を他の光伝送路に切り換える光信号スイッチシステムであって、
該光信号の光路を切り換える光偏向素子と、
該光偏向素子の偏向角を検出するために、該光偏向素子に一体に設けられた検出用反射面と、
前記光偏向素子を被検物として前記偏向角を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置と、
該角度検出装置により検出された偏向角を用いて前記光偏向素子の偏向角を制御する偏向角制御手段とを備えることを特徴とする光信号スイッチシステム。 - 光を照射することにより情報信号の記録または再生あるいはその両方が可能な記録面を備える記録媒体に、前記情報信号を記録または再生あるいはその両方を行う情報記録再生システムであって、
光束を照射する光源と、
前記光束を前記記録媒体の記録面に結像する光学系と、
該光学系内に配置され、前記光束を前記記録面に平行な面内で偏向し、偏向角に連動して傾き角度が変わる検出用反射面を有する光偏向素子と、
該光偏向素子を被検物として前記傾き角度を検出する請求項1〜17のいずれかに記載の角度検出装置とを備えたことを特徴とする情報記録再生システム。
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