JP2002213532A - 制振ダンパー装置 - Google Patents
制振ダンパー装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 減衰性が大きい材料特性の粘弾性体を用いつ
つ、圧縮荷重やその他の変形力等が加わる条件下でも粘
弾性体のせん断厚みを確保して所定の減衰性能を最大限
に発揮させることができ、また、全体を軽量かつ安価に
構成できるようにする。 【解決手段】 相互に間隔を隔てて平行に配置された二
枚の外側鋼板プレート11と、その中間位置に平行に配
置される内側鋼板プレート2との対向面間に粘弾性体
3,3が層状に挟在されているとともに、各粘弾性体
3,3の複数箇所には、各粘弾性体3,3の層厚と等し
い径を有する複数個の硬球4,4が埋込み保持されてい
る。
つ、圧縮荷重やその他の変形力等が加わる条件下でも粘
弾性体のせん断厚みを確保して所定の減衰性能を最大限
に発揮させることができ、また、全体を軽量かつ安価に
構成できるようにする。 【解決手段】 相互に間隔を隔てて平行に配置された二
枚の外側鋼板プレート11と、その中間位置に平行に配
置される内側鋼板プレート2との対向面間に粘弾性体
3,3が層状に挟在されているとともに、各粘弾性体
3,3の複数箇所には、各粘弾性体3,3の層厚と等し
い径を有する複数個の硬球4,4が埋込み保持されてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制振ダンパー装置に
関し、詳しくは、ビルなど建造物に風圧や地震等のよう
な層間変位力が作用したとき、その振動エネルギーを吸
収させて建造物の揺れ動きや振動を減衰させるように、
既存あるいは新築の建造物における構造用骨組内にブレ
ースや方杖あるいは制振壁などとして組み込んで用いら
れる制振ダンパー装置に関するものである。
関し、詳しくは、ビルなど建造物に風圧や地震等のよう
な層間変位力が作用したとき、その振動エネルギーを吸
収させて建造物の揺れ動きや振動を減衰させるように、
既存あるいは新築の建造物における構造用骨組内にブレ
ースや方杖あるいは制振壁などとして組み込んで用いら
れる制振ダンパー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の一般的な制振ダンパー装置は、
例えば、図10及び図11に示すように、柱と梁とから
なる構造用骨組の対向部位の一方に接合可能で互いに間
隔を隔てて平行に配置された鋼板プレートなどの二枚の
外側剛性板材1,1と、構造用骨組の対向部位の他方に
接合可能で、二枚の外側剛性板材1,1間の中間位置に
それらと平行に配置された一枚の鋼板プレートなどの内
側剛性板材2との対向面間にそれぞれ粘弾性体等のエネ
ルギー吸収材3,3を層状に挟在させてなり、地震等に
よって構造用骨組に層間変位が生じたとき、内外両剛性
板材1,1、2が図10の矢印a,bの方向に相対変位
することにより、その変位(振幅)エネルギーを層状の
エネルギー吸収材3,3のせん断変形により吸収して、
建造物の揺れ動きや振動を減衰するように構成されてい
る。
例えば、図10及び図11に示すように、柱と梁とから
なる構造用骨組の対向部位の一方に接合可能で互いに間
隔を隔てて平行に配置された鋼板プレートなどの二枚の
外側剛性板材1,1と、構造用骨組の対向部位の他方に
接合可能で、二枚の外側剛性板材1,1間の中間位置に
それらと平行に配置された一枚の鋼板プレートなどの内
側剛性板材2との対向面間にそれぞれ粘弾性体等のエネ
ルギー吸収材3,3を層状に挟在させてなり、地震等に
よって構造用骨組に層間変位が生じたとき、内外両剛性
板材1,1、2が図10の矢印a,bの方向に相対変位
することにより、その変位(振幅)エネルギーを層状の
エネルギー吸収材3,3のせん断変形により吸収して、
建造物の揺れ動きや振動を減衰するように構成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エネルギー
吸収材3,3として多用される粘弾性体のせん断変形特
性を利用して減衰機能を発揮するこの種の制振ダンパー
装置においては、本来の制振性能を最大限に発揮させる
ために、現存する各種特性を持つ粘弾性体材料の中でも
最も減衰性の大きい材料特性の粘弾性体が選択使用され
る。しかし、粘弾性体3,3として減衰性の大きい材料
特性のものを使用する場合、減衰性が大きければ大きい
ほど応力緩和しやすくなり、ダンパー装置の無負荷時に
せん断変形方向とは異なる方向、つまりは、粘弾性体
3,3の層厚方向に長時間に亘って圧縮荷重が付加され
ると、粘弾性体3,3が応力緩和してせん断厚みを減少
したり、永久歪を生じたりする。また、大地震等の負荷
が加わった場合でも、内外両剛性板材1,1、2が平行
姿勢のままで相対変位しないで、図12あるいは図13
に示すように、相互に傾いた方向に相対変位して粘弾性
体3,3に所定のせん断方向の変形力が働かない場合、
粘弾性体3,3が本来有するエネルギー吸収性能を十分
に保持することができなくなり、制振ダンパー装置によ
る減衰性能を最大限に発揮させることができないという
問題があった。
吸収材3,3として多用される粘弾性体のせん断変形特
性を利用して減衰機能を発揮するこの種の制振ダンパー
装置においては、本来の制振性能を最大限に発揮させる
ために、現存する各種特性を持つ粘弾性体材料の中でも
最も減衰性の大きい材料特性の粘弾性体が選択使用され
る。しかし、粘弾性体3,3として減衰性の大きい材料
特性のものを使用する場合、減衰性が大きければ大きい
ほど応力緩和しやすくなり、ダンパー装置の無負荷時に
せん断変形方向とは異なる方向、つまりは、粘弾性体
3,3の層厚方向に長時間に亘って圧縮荷重が付加され
ると、粘弾性体3,3が応力緩和してせん断厚みを減少
したり、永久歪を生じたりする。また、大地震等の負荷
が加わった場合でも、内外両剛性板材1,1、2が平行
姿勢のままで相対変位しないで、図12あるいは図13
に示すように、相互に傾いた方向に相対変位して粘弾性
体3,3に所定のせん断方向の変形力が働かない場合、
粘弾性体3,3が本来有するエネルギー吸収性能を十分
に保持することができなくなり、制振ダンパー装置によ
る減衰性能を最大限に発揮させることができないという
問題があった。
【0004】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、エネルギー吸収材として減衰性が大きい反
面、応力緩和しやすい材料特性を持つ粘弾性体を用いる
場合、圧縮荷重や所定のせん断方向とは異なる方向の変
形力等が加わる条件下でも粘弾性体のせん断厚みを確保
するとともに、永久歪の発生を防止して所定の減衰性能
を最大限に発揮させることができ、しかも、全体を軽量
かつ安価に構成することができる制振ダンパー装置を提
供することを目的としている。
たもので、エネルギー吸収材として減衰性が大きい反
面、応力緩和しやすい材料特性を持つ粘弾性体を用いる
場合、圧縮荷重や所定のせん断方向とは異なる方向の変
形力等が加わる条件下でも粘弾性体のせん断厚みを確保
するとともに、永久歪の発生を防止して所定の減衰性能
を最大限に発揮させることができ、しかも、全体を軽量
かつ安価に構成することができる制振ダンパー装置を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る制振ダンパー装置は、相互に
間隔を隔てて平行に配置された第1剛性板材と、第2剛
性板材と、これら第1及び第2剛性板材の対向面間に挟
在されたエネルギー吸収材とを備えてなる制振ダンパー
装置において、上記エネルギー吸収材の複数箇所には、
このエネルギー吸収材の層厚と等しい径を有する硬球が
埋込み保持されていることを特徴とするものである。
に、請求項1の発明に係る制振ダンパー装置は、相互に
間隔を隔てて平行に配置された第1剛性板材と、第2剛
性板材と、これら第1及び第2剛性板材の対向面間に挟
在されたエネルギー吸収材とを備えてなる制振ダンパー
装置において、上記エネルギー吸収材の複数箇所には、
このエネルギー吸収材の層厚と等しい径を有する硬球が
埋込み保持されていることを特徴とするものである。
【0006】また、請求項2の発明に係る制振ダンパー
装置は、相互に間隔を隔てて平行に配置された複数枚の
第1剛性板材と、これら複数枚の第1剛性板材のうち隣
接する第1剛性板材間の中間位置にそれら第1剛性板材
に対して平行に配置された少なくとも一枚の第2剛性板
材と、上記第1剛性板材と第2剛性板材とで形成される
偶数個の対向面間にそれぞれ層状に挟在されたエネルギ
ー吸収材とを備えてなる制振ダンパー装置において、上
記偶数個のエネルギー吸収材の複数箇所には、各エネル
ギー吸収材の層厚と等しい径を有する硬球がそれぞれ埋
込み保持されていることを特徴とするものである。
装置は、相互に間隔を隔てて平行に配置された複数枚の
第1剛性板材と、これら複数枚の第1剛性板材のうち隣
接する第1剛性板材間の中間位置にそれら第1剛性板材
に対して平行に配置された少なくとも一枚の第2剛性板
材と、上記第1剛性板材と第2剛性板材とで形成される
偶数個の対向面間にそれぞれ層状に挟在されたエネルギ
ー吸収材とを備えてなる制振ダンパー装置において、上
記偶数個のエネルギー吸収材の複数箇所には、各エネル
ギー吸収材の層厚と等しい径を有する硬球がそれぞれ埋
込み保持されていることを特徴とするものである。
【0007】上記構成の請求項1及び請求項2に係る発
明によれば、無負荷時に粘弾性体等のエネルギー吸収材
の層厚方向に圧縮荷重が付加される条件下で使用する場
合でも、その圧縮荷重を複数個の硬球で受止めてエネル
ギー吸収材が永久歪を発生したり、特に粘弾性体を用い
る場合、その粘弾性体が応力緩和してせん断厚みを減少
したりすることを防ぎ、エネルギー吸収材(粘弾性体)
のせん断厚みをそれの挟在層の全域に亘って一定に保持
することが可能である。また、地震等の負荷が加わった
場合にも、複数個の硬球の存在によって第1及び第1剛
性板材を平行姿勢のままで、かつ、点接触による小さい
摩擦抵抗を受けるだけでスムーズに相対変位させること
が可能である。これによって、エネルギー吸収材、特に
粘弾性体のせん断変形能力、つまりは、粘弾性体が本来
有するエネルギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使
用後においても所定の減衰性能を最大限に発揮させるこ
とが可能である。
明によれば、無負荷時に粘弾性体等のエネルギー吸収材
の層厚方向に圧縮荷重が付加される条件下で使用する場
合でも、その圧縮荷重を複数個の硬球で受止めてエネル
ギー吸収材が永久歪を発生したり、特に粘弾性体を用い
る場合、その粘弾性体が応力緩和してせん断厚みを減少
したりすることを防ぎ、エネルギー吸収材(粘弾性体)
のせん断厚みをそれの挟在層の全域に亘って一定に保持
することが可能である。また、地震等の負荷が加わった
場合にも、複数個の硬球の存在によって第1及び第1剛
性板材を平行姿勢のままで、かつ、点接触による小さい
摩擦抵抗を受けるだけでスムーズに相対変位させること
が可能である。これによって、エネルギー吸収材、特に
粘弾性体のせん断変形能力、つまりは、粘弾性体が本来
有するエネルギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使
用後においても所定の減衰性能を最大限に発揮させるこ
とが可能である。
【0008】加えて、複数個の硬球を粘弾性体等のエネ
ルギー吸収材の層内に埋込み保持させることで、硬球を
保持させるための特別な部材の使用が不要であるととも
に、これら硬球の存在によって各剛性板材の座屈強度の
増大が図れ、各剛性板材を薄くしてダンパー装置全体の
製作コストの低減化及び軽量化を図ることが可能とな
る。
ルギー吸収材の層内に埋込み保持させることで、硬球を
保持させるための特別な部材の使用が不要であるととも
に、これら硬球の存在によって各剛性板材の座屈強度の
増大が図れ、各剛性板材を薄くしてダンパー装置全体の
製作コストの低減化及び軽量化を図ることが可能とな
る。
【0009】特に、上記構成の制振ダンパー装置におけ
る硬球を、請求項3に記載のように、第1剛性板材の所
定変位方向の両側辺近くの二箇所で、かつ、所定変位方
向に対し直交する方向の両端辺近くとその中間部との三
箇所の少なくとも合計六箇所において層状のエネルギー
吸収材に埋込み保持させる構成とすることによって、第
1及び第2剛性板材の所定の相対変位方向でのスペーサ
ー間隔(支点間距離=スパン)を短くして各剛性板材の
座屈強度を一層増大することが可能となり、これによっ
て、各剛性板材をより薄くしてダンパー装置全体の一層
軽量化及びコストダウン、あるいは、その耐久性の向上
を図ることができる。
る硬球を、請求項3に記載のように、第1剛性板材の所
定変位方向の両側辺近くの二箇所で、かつ、所定変位方
向に対し直交する方向の両端辺近くとその中間部との三
箇所の少なくとも合計六箇所において層状のエネルギー
吸収材に埋込み保持させる構成とすることによって、第
1及び第2剛性板材の所定の相対変位方向でのスペーサ
ー間隔(支点間距離=スパン)を短くして各剛性板材の
座屈強度を一層増大することが可能となり、これによっ
て、各剛性板材をより薄くしてダンパー装置全体の一層
軽量化及びコストダウン、あるいは、その耐久性の向上
を図ることができる。
【0010】また、上記請求項2の構成の制振ダンパー
装置において、請求項4に記載のように、上記複数枚の
第1剛性板材の隣接する板材同士をねじ部材を介して一
定間隔に固定保持する構成を採用することによって、ダ
ンパー装置の無負荷時や地震等による大負荷作用時に加
えられる外力によってエネルギー吸収材の挟在層の間隔
が広がることも防止し、エネルギー吸収材の層厚、形状
変化に伴う変形能力の低下を防いで所定の減衰性能を長
期間に亘り一層確実、適正に保持することができる。
装置において、請求項4に記載のように、上記複数枚の
第1剛性板材の隣接する板材同士をねじ部材を介して一
定間隔に固定保持する構成を採用することによって、ダ
ンパー装置の無負荷時や地震等による大負荷作用時に加
えられる外力によってエネルギー吸収材の挟在層の間隔
が広がることも防止し、エネルギー吸収材の層厚、形状
変化に伴う変形能力の低下を防いで所定の減衰性能を長
期間に亘り一層確実、適正に保持することができる。
【0011】さらに、上記の制振ダンパー装置を構成
(製作)するにあたって、請求項5に記載のように、硬
球を埋込み保持した層状のエネルギー吸収材を予め第2
剛性板材側に接着しており、この層状エネルギー吸収材
の外部から隣接する第1剛性板材を押圧し接着すること
で構成することにより、硬球を埋込み保持した層状のエ
ネルギー吸収材を第1剛性板材側に接着した上で、隣接
する第1剛性板材間に第2剛性板材を差し入れて構成す
る場合に比べて、ダンパー装置全体の組付けが容易とな
り、製作コストの一層の低減を図ることができる。
(製作)するにあたって、請求項5に記載のように、硬
球を埋込み保持した層状のエネルギー吸収材を予め第2
剛性板材側に接着しており、この層状エネルギー吸収材
の外部から隣接する第1剛性板材を押圧し接着すること
で構成することにより、硬球を埋込み保持した層状のエ
ネルギー吸収材を第1剛性板材側に接着した上で、隣接
する第1剛性板材間に第2剛性板材を差し入れて構成す
る場合に比べて、ダンパー装置全体の組付けが容易とな
り、製作コストの一層の低減を図ることができる。
【0012】なお、請求項1ないし5に記載の制振ダン
パー装置におけるエネルギー吸収材としては、粘弾性体
の他に、粘性流体や弾性体であってもよいが、微小変位
から大変位までの広い範囲に亘る変位を安定よく吸収す
る履歴特性を有し、かつ、形状保持による性能維持効果
の面で有効な粘弾性体を使用するのが最適である。
パー装置におけるエネルギー吸収材としては、粘弾性体
の他に、粘性流体や弾性体であってもよいが、微小変位
から大変位までの広い範囲に亘る変位を安定よく吸収す
る履歴特性を有し、かつ、形状保持による性能維持効果
の面で有効な粘弾性体を使用するのが最適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は請求項2の発明に係るブ
レースタイプの制振ダンパー装置の第1の実施形態を示
す側面図、図2はその正面図であり、このブレースタイ
プの制振ダンパー装置Aは、相互に間隔を隔てて互いに
平行に配置された二枚の外側鋼板プレート(第1剛性板
材の一例)1,1の長手方向の一端側に、図3に示すよ
うに、鉄骨柱11と鉄骨梁12とからなる構造用骨組1
3の四隅部に固着されたガセットプレート14…の一つ
にボルト接合可能な接合部(複数のボルト孔からなる)
1Aが形成されているとともに、これら二枚の外側鋼板
プレート1,1間の中間位置には一枚の内側鋼板プレー
ト(第2剛性板材の一例)2が外側鋼板プレート1,1
に対して平行に配置され、この内側鋼板プレート2の長
手方向の一端で上記外側鋼板プレート1,1の接合部1
Aの在る側とは反対側には、構造用骨組13におけるガ
セットプレート14…の他の一つにボルト接合可能な接
合部2A(複数のボルト孔からなる)が形成されてい
る。
にもとづいて説明する。図1は請求項2の発明に係るブ
レースタイプの制振ダンパー装置の第1の実施形態を示
す側面図、図2はその正面図であり、このブレースタイ
プの制振ダンパー装置Aは、相互に間隔を隔てて互いに
平行に配置された二枚の外側鋼板プレート(第1剛性板
材の一例)1,1の長手方向の一端側に、図3に示すよ
うに、鉄骨柱11と鉄骨梁12とからなる構造用骨組1
3の四隅部に固着されたガセットプレート14…の一つ
にボルト接合可能な接合部(複数のボルト孔からなる)
1Aが形成されているとともに、これら二枚の外側鋼板
プレート1,1間の中間位置には一枚の内側鋼板プレー
ト(第2剛性板材の一例)2が外側鋼板プレート1,1
に対して平行に配置され、この内側鋼板プレート2の長
手方向の一端で上記外側鋼板プレート1,1の接合部1
Aの在る側とは反対側には、構造用骨組13におけるガ
セットプレート14…の他の一つにボルト接合可能な接
合部2A(複数のボルト孔からなる)が形成されてい
る。
【0014】上記二枚の外側鋼板プレート1,1の各内
面と内側鋼板プレート2の両面との対向面間にはそれぞ
れエネルギー吸収材の一例となる粘弾性体3,3が層状
に挟在されており、これら二層の粘弾性体3,3と二枚
の外側鋼板プレート1,1と一枚の内側鋼板プレート2
とを厚み方向に積層してブレースタイプの制振ダンパー
装置Aが構成されている。
面と内側鋼板プレート2の両面との対向面間にはそれぞ
れエネルギー吸収材の一例となる粘弾性体3,3が層状
に挟在されており、これら二層の粘弾性体3,3と二枚
の外側鋼板プレート1,1と一枚の内側鋼板プレート2
とを厚み方向に積層してブレースタイプの制振ダンパー
装置Aが構成されている。
【0015】上記のような基本構成を有するブレースタ
イプの制振ダンパー装置Aにおいて、上記粘弾性体3,
3の複数箇所、詳しくは、内側鋼板プレート2の板幅方
向の両側辺近くの二箇所で、かつ、粘弾性体3,3の長
手方向の両端辺近くの二箇所の合計四箇所には、各粘弾
性体3,3の層厚t,tと等しい直径d,dを有する鋼
球等の硬球4,4が層内に埋込み保持されており、これ
ら硬球4,4の径方向で両頂部を外側鋼板プレート1,
1の各内面及び内側鋼板プレート2の両面に点接触させ
ることにより内外両鋼板プレート2、1,1の対向面間
隔、つまり、粘弾性体3,3のせん断厚みを一定に保持
するように構成している。
イプの制振ダンパー装置Aにおいて、上記粘弾性体3,
3の複数箇所、詳しくは、内側鋼板プレート2の板幅方
向の両側辺近くの二箇所で、かつ、粘弾性体3,3の長
手方向の両端辺近くの二箇所の合計四箇所には、各粘弾
性体3,3の層厚t,tと等しい直径d,dを有する鋼
球等の硬球4,4が層内に埋込み保持されており、これ
ら硬球4,4の径方向で両頂部を外側鋼板プレート1,
1の各内面及び内側鋼板プレート2の両面に点接触させ
ることにより内外両鋼板プレート2、1,1の対向面間
隔、つまり、粘弾性体3,3のせん断厚みを一定に保持
するように構成している。
【0016】上記のように構成された第1の実施形態に
よる制振ダンパー装置Aは、図3に示すように、長手方
向両端の接合部1A,2Aを構造用骨組13における対
角方向に位置するガセットプレート14,14にそれぞ
れボルト接合することで、構造用骨組13に対する耐震
補強用のブレースとして用いられる。そして、このよう
な使用態様において、風力や地震力等の負荷が構造用骨
組13の鉄骨柱11及び鉄骨梁12に作用して層間変位
が生じたとき、外側鋼板プレート1,1と内側鋼板プレ
ート2とが長手方向に相対変位しその変位エネルギーを
粘弾性体3,3が吸収して振動減衰力を発揮することに
なる。
よる制振ダンパー装置Aは、図3に示すように、長手方
向両端の接合部1A,2Aを構造用骨組13における対
角方向に位置するガセットプレート14,14にそれぞ
れボルト接合することで、構造用骨組13に対する耐震
補強用のブレースとして用いられる。そして、このよう
な使用態様において、風力や地震力等の負荷が構造用骨
組13の鉄骨柱11及び鉄骨梁12に作用して層間変位
が生じたとき、外側鋼板プレート1,1と内側鋼板プレ
ート2とが長手方向に相対変位しその変位エネルギーを
粘弾性体3,3が吸収して振動減衰力を発揮することに
なる。
【0017】ここで、上記のように、粘弾性体3,3の
層内に4個の硬球4,4を埋込み保持させて内外両鋼板
プレート2、1,1の対向面間隔、すなわち、粘弾性体
3,3の層厚t,tが一定に保持されていることによっ
て、制振ダンパー装置Aの無負荷時に粘弾性体3,3の
層厚方向に圧縮荷重が付加されたとしても、その荷重が
硬球4,4で受止められて粘弾性体3,3に永久歪が発
生したり、応力緩和に伴いせん断厚みが減少したりする
ことを防ぎ、粘弾性体3,3のせん断厚みをそれの挟在
層の全域に亘って一定に保持することが可能である。
層内に4個の硬球4,4を埋込み保持させて内外両鋼板
プレート2、1,1の対向面間隔、すなわち、粘弾性体
3,3の層厚t,tが一定に保持されていることによっ
て、制振ダンパー装置Aの無負荷時に粘弾性体3,3の
層厚方向に圧縮荷重が付加されたとしても、その荷重が
硬球4,4で受止められて粘弾性体3,3に永久歪が発
生したり、応力緩和に伴いせん断厚みが減少したりする
ことを防ぎ、粘弾性体3,3のせん断厚みをそれの挟在
層の全域に亘って一定に保持することが可能である。
【0018】また、地震等の負荷が加わった場合にも、
4個の硬球4,4の存在によって内外両鋼板プレート
2、1,1を平行姿勢に保ったままで、かつ、点接触に
よる小さい摩擦抵抗を受けるだけでスムーズに相対変位
させることが可能である。これによって、粘弾性体3,
3のせん断変形能力、つまりは、粘弾性体3,3が本来
有するエネルギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使
用後においても制振ダンパー装置Aによる所定の減衰性
能を最大限に発揮させることが可能である。さらに、硬
球4,4の存在によって各鋼板プレート2、1,1の座
屈強度の増大が図れるため、各鋼板プレート2、1,1
として薄肉プレートの使用が可能となり、ダンパー装置
A全体の軽量化及びコストダウンあるいは耐久性の向上
を図ることが可能である。
4個の硬球4,4の存在によって内外両鋼板プレート
2、1,1を平行姿勢に保ったままで、かつ、点接触に
よる小さい摩擦抵抗を受けるだけでスムーズに相対変位
させることが可能である。これによって、粘弾性体3,
3のせん断変形能力、つまりは、粘弾性体3,3が本来
有するエネルギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使
用後においても制振ダンパー装置Aによる所定の減衰性
能を最大限に発揮させることが可能である。さらに、硬
球4,4の存在によって各鋼板プレート2、1,1の座
屈強度の増大が図れるため、各鋼板プレート2、1,1
として薄肉プレートの使用が可能となり、ダンパー装置
A全体の軽量化及びコストダウンあるいは耐久性の向上
を図ることが可能である。
【0019】加えて、4個の硬球4,4を粘弾性体3,
3の層内に埋込み保持させることにより、それら硬球
4,4を保持させるための特別な部材の使用が不要であ
るとともに、これら硬球4,4の存在によって各鋼板プ
レート1,1、2の座屈強度の増大が図れて各鋼板プレ
ート1,1、2を薄くすることが可能であるため、ダン
パー装置A全体の製作コストの低減化及び軽量化を図る
ことが可能となる。
3の層内に埋込み保持させることにより、それら硬球
4,4を保持させるための特別な部材の使用が不要であ
るとともに、これら硬球4,4の存在によって各鋼板プ
レート1,1、2の座屈強度の増大が図れて各鋼板プレ
ート1,1、2を薄くすることが可能であるため、ダン
パー装置A全体の製作コストの低減化及び軽量化を図る
ことが可能となる。
【0020】なお、上記の制振ダンパー装置Aを構成
(製作)するにあたって、硬球4,4を埋込み保持した
層状の粘弾性体3,3を予め内側鋼板プレート2の両面
側に接着し、この層状粘弾性体3,3の外部から二枚の
外側鋼板プレート1,1を押圧して接着するといった組
付け工程で構成(製作)することにより、硬球4,4を
埋込み保持した層状の粘弾性体3,3を二枚の外側鋼板
プレート1,1の内面側に先に接着した上で、その間に
内側鋼板プレート1を差し入れて構成する場合に比べ
て、ダンパー装置A全体の組付けが容易となり、製作コ
ストの一層の低減を図ることができる。
(製作)するにあたって、硬球4,4を埋込み保持した
層状の粘弾性体3,3を予め内側鋼板プレート2の両面
側に接着し、この層状粘弾性体3,3の外部から二枚の
外側鋼板プレート1,1を押圧して接着するといった組
付け工程で構成(製作)することにより、硬球4,4を
埋込み保持した層状の粘弾性体3,3を二枚の外側鋼板
プレート1,1の内面側に先に接着した上で、その間に
内側鋼板プレート1を差し入れて構成する場合に比べ
て、ダンパー装置A全体の組付けが容易となり、製作コ
ストの一層の低減を図ることができる。
【0021】図4は請求項1の発明に係るブレースタイ
プの制振ダンパー装置Aの第2の実施形態を示す正面図
であり、この第2の実施形態による制振ダンパー装置A
は、鋼球等の硬球4,4を内側鋼板プレート2の板幅方
向の両側辺近くの二箇所で、かつ、粘弾性体3,3の長
手方向の両端辺近く及び長手方向中間部の三箇所の合計
六箇所において粘弾性体3,3の層内に埋込み保持させ
たものである。その他の構成は第1の実施形態の制振ダ
ンパー装置Aと同様な構成であるため、該当部分に同一
の符号を付して、それらの説明を省略する。
プの制振ダンパー装置Aの第2の実施形態を示す正面図
であり、この第2の実施形態による制振ダンパー装置A
は、鋼球等の硬球4,4を内側鋼板プレート2の板幅方
向の両側辺近くの二箇所で、かつ、粘弾性体3,3の長
手方向の両端辺近く及び長手方向中間部の三箇所の合計
六箇所において粘弾性体3,3の層内に埋込み保持させ
たものである。その他の構成は第1の実施形態の制振ダ
ンパー装置Aと同様な構成であるため、該当部分に同一
の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0022】上記第2の実施形態による制振ダンパー装
置Aにおいては、内外両鋼板プレート2、1,1の相対
変位方向での硬球間隔(支点間距離=スパン)を短くし
て各鋼板プレート2、1,1の座屈強度を一層増大する
ことが可能となり、これによって、各鋼板プト2、1,
1をより薄くしてダンパー装置A全体の一層軽量化及び
コストダウン、あるいは、その耐久性向上を図ることが
できる。
置Aにおいては、内外両鋼板プレート2、1,1の相対
変位方向での硬球間隔(支点間距離=スパン)を短くし
て各鋼板プレート2、1,1の座屈強度を一層増大する
ことが可能となり、これによって、各鋼板プト2、1,
1をより薄くしてダンパー装置A全体の一層軽量化及び
コストダウン、あるいは、その耐久性向上を図ることが
できる。
【0023】図5及び図6は請求項1の発明に係るブレ
ースタイプの制振ダンパー装置Aの第3の実施形態を示
す側面図及びその正面図であり、この第3の実施形態に
よる制振ダンパー装置Aは、上記した第2の実施形態の
制振ダンパー装置Aにおいて、二枚の外側鋼板プレート
1,1同士がねじ部材の一例となるボルト7,7及びナ
ット8,8を介して一定間隔に固定保持されるように構
成したものである。その他の構成は、第2の実施形態の
制振ダンパー装置Aと同様な構成であるため、該当部分
に同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
ースタイプの制振ダンパー装置Aの第3の実施形態を示
す側面図及びその正面図であり、この第3の実施形態に
よる制振ダンパー装置Aは、上記した第2の実施形態の
制振ダンパー装置Aにおいて、二枚の外側鋼板プレート
1,1同士がねじ部材の一例となるボルト7,7及びナ
ット8,8を介して一定間隔に固定保持されるように構
成したものである。その他の構成は、第2の実施形態の
制振ダンパー装置Aと同様な構成であるため、該当部分
に同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0024】上記第3の実施形態による制振ダンパー装
置Aにおいては、無負荷時や地震等による大負荷作用時
に加えられる外力によって粘弾性体3,3の層厚、即
ち、せん断厚みが減少することを防止できるだけでな
く、拡大することも防止して粘弾性体3,3の形状変化
に伴う変形能力の低下を防止し、ダンパー装置A全体と
しての減衰性能を長期間に亘り一層確実、適正に保持す
ることができる。
置Aにおいては、無負荷時や地震等による大負荷作用時
に加えられる外力によって粘弾性体3,3の層厚、即
ち、せん断厚みが減少することを防止できるだけでな
く、拡大することも防止して粘弾性体3,3の形状変化
に伴う変形能力の低下を防止し、ダンパー装置A全体と
しての減衰性能を長期間に亘り一層確実、適正に保持す
ることができる。
【0025】なお、ねじ部材としてはボルト7及びナッ
ト8を使用する以外に、全長または両端部に雄ねじ部を
加工した、いわゆる両切りねじとその両端部に螺合可能
なナットとを用いてもよく、また、ボルトと一方の外側
鋼板プレート1にタッピング加工した雌ねじとを用いて
もよい。さらに、これらねじ部材を介して二枚の外側鋼
板プレート1,1同士の間隔を一定に固定保持する構成
を、第1の実施形態の制振ダンパー装置に適用しても、
上記と同様に、粘弾性体3,3のせん断厚みの拡大も防
止して粘弾性体3,3の形状変化に伴う変形能力の低下
を防止し、ダンパー装置A全体としての減衰性能を長期
間に亘り一層確実、適正に保持することができる。
ト8を使用する以外に、全長または両端部に雄ねじ部を
加工した、いわゆる両切りねじとその両端部に螺合可能
なナットとを用いてもよく、また、ボルトと一方の外側
鋼板プレート1にタッピング加工した雌ねじとを用いて
もよい。さらに、これらねじ部材を介して二枚の外側鋼
板プレート1,1同士の間隔を一定に固定保持する構成
を、第1の実施形態の制振ダンパー装置に適用しても、
上記と同様に、粘弾性体3,3のせん断厚みの拡大も防
止して粘弾性体3,3の形状変化に伴う変形能力の低下
を防止し、ダンパー装置A全体としての減衰性能を長期
間に亘り一層確実、適正に保持することができる。
【0026】図7及び図8は請求項1の発明に係るブレ
ースタイプの制振ダンパー装置A´を示す側面図及びそ
の正面図であり、この第1の実施形態によるブレースタ
イプの制振ダンパー装置A´は、相互に間隔を隔てて平
行に配置された一枚づつの鋼板プレート1,2(第1剛
性板材及び第2剛性板材の一例)の対向面間に、エネル
ギー吸収材として単一の粘弾性体3を層状に挟在させて
いることを基本構成とし、その単一の粘弾性体3の合計
四箇所に、請求項1の発明に係る第1の実施形態と同様
に、硬球4を埋込み保持させたものである。
ースタイプの制振ダンパー装置A´を示す側面図及びそ
の正面図であり、この第1の実施形態によるブレースタ
イプの制振ダンパー装置A´は、相互に間隔を隔てて平
行に配置された一枚づつの鋼板プレート1,2(第1剛
性板材及び第2剛性板材の一例)の対向面間に、エネル
ギー吸収材として単一の粘弾性体3を層状に挟在させて
いることを基本構成とし、その単一の粘弾性体3の合計
四箇所に、請求項1の発明に係る第1の実施形態と同様
に、硬球4を埋込み保持させたものである。
【0027】図9は請求項1の発明に係る間柱タイプの
制振ダンパー装置A´を示す正面図であり、この間柱タ
イプの制振ダンパー装置A´は、相互に間隔を隔てて平
行に配置された一枚づつの鋼板プレート1,2がブレー
スタイプのものに比べて短尺かつ幅広い形状を有するも
のである点及び硬球4が各鋼板プレート1,2の狭幅方
向に二列で各列に3個以上等間隔に配置されて両鋼板プ
レート1,2の対向面間に合計6個以上の硬球4が介在
されている点で請求項1の発明に係るブレースタイプの
制振ダンパー装置A´と相違する。その他の構成は請求
項1の発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装置A
´と同様であるため、該当部分に同一の符号を付して、
それらの説明を省略する。
制振ダンパー装置A´を示す正面図であり、この間柱タ
イプの制振ダンパー装置A´は、相互に間隔を隔てて平
行に配置された一枚づつの鋼板プレート1,2がブレー
スタイプのものに比べて短尺かつ幅広い形状を有するも
のである点及び硬球4が各鋼板プレート1,2の狭幅方
向に二列で各列に3個以上等間隔に配置されて両鋼板プ
レート1,2の対向面間に合計6個以上の硬球4が介在
されている点で請求項1の発明に係るブレースタイプの
制振ダンパー装置A´と相違する。その他の構成は請求
項1の発明に係るブレースタイプの制振ダンパー装置A
´と同様であるため、該当部分に同一の符号を付して、
それらの説明を省略する。
【0028】これら請求項1の発明に係るブレースタイ
プの制振ダンパー装置A及び間柱タイプの制振ダンパー
装置A´は共に粘弾性体3が単層である点において、請
求項2の発明に係る各実施形態の制振ダンパー装置Aと
相違するが、複数個の硬球4の存在による粘弾性体3の
せん断厚みの一定保持効果及び鋼板プレート1,2の座
屈強度の増大効果は請求項2の発明に係る各実施形態の
制振ダンパー装置Aと全く同様である。
プの制振ダンパー装置A及び間柱タイプの制振ダンパー
装置A´は共に粘弾性体3が単層である点において、請
求項2の発明に係る各実施形態の制振ダンパー装置Aと
相違するが、複数個の硬球4の存在による粘弾性体3の
せん断厚みの一定保持効果及び鋼板プレート1,2の座
屈強度の増大効果は請求項2の発明に係る各実施形態の
制振ダンパー装置Aと全く同様である。
【0029】なお、上記各実施形態では、ブレースタイ
プや間柱タイプの制振ダンパー装置に適用した場合の構
成について説明したが、これら以外に、方杖タイプや制
振壁タイプの制振ダンパー装置に適用しても同様な制振
性能を奏することが可能である。
プや間柱タイプの制振ダンパー装置に適用した場合の構
成について説明したが、これら以外に、方杖タイプや制
振壁タイプの制振ダンパー装置に適用しても同様な制振
性能を奏することが可能である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2に
係る発明によれば、無負荷時にエネルギー吸収材の厚み
方向に圧縮荷重が付加される条件下で使用する場合も、
その圧縮荷重を複数個の硬球で受止めてエネルギー吸収
材の永久歪の発生及びエネルギー吸収材として粘弾性体
を用いる場合、その粘弾性体の応力緩和による層厚の減
少を防ぎ、特に減衰性の大きい材料特性の粘弾性体を用
いる場合の粘弾性体のせん断厚みをそれの挟在層の全域
に亘って一定に保持することができるとともに、地震等
の負荷が加わった場合にも、硬球の存在によって第1及
び第2剛性板材を平行姿勢のままで、かつ、摩擦抵抗の
増大を招くことなくスムーズに相対変位させることがで
きる。したがって、粘弾性体のせん断変形能力、つまり
は、粘弾性体等のエネルギー吸収材が本来有するエネル
ギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使用後において
も所定の減衰性能を最大限に発揮させることができる。
係る発明によれば、無負荷時にエネルギー吸収材の厚み
方向に圧縮荷重が付加される条件下で使用する場合も、
その圧縮荷重を複数個の硬球で受止めてエネルギー吸収
材の永久歪の発生及びエネルギー吸収材として粘弾性体
を用いる場合、その粘弾性体の応力緩和による層厚の減
少を防ぎ、特に減衰性の大きい材料特性の粘弾性体を用
いる場合の粘弾性体のせん断厚みをそれの挟在層の全域
に亘って一定に保持することができるとともに、地震等
の負荷が加わった場合にも、硬球の存在によって第1及
び第2剛性板材を平行姿勢のままで、かつ、摩擦抵抗の
増大を招くことなくスムーズに相対変位させることがで
きる。したがって、粘弾性体のせん断変形能力、つまり
は、粘弾性体等のエネルギー吸収材が本来有するエネル
ギー吸収性能を安定よく確保し、長期間使用後において
も所定の減衰性能を最大限に発揮させることができる。
【0031】しかも、複数個の硬球をエネルギー吸収材
の層内に埋込み保持させることで、硬球を保持させるた
めの特別な部材の使用を不要にできるとともに、これら
硬球の存在によって各剛性板材の座屈強度の増大を図れ
て各剛性板材を薄くすることが可能であるため、ダンパ
ー装置全体の製作コストの低減化及び軽量化を図ること
ができるという効果を奏する。
の層内に埋込み保持させることで、硬球を保持させるた
めの特別な部材の使用を不要にできるとともに、これら
硬球の存在によって各剛性板材の座屈強度の増大を図れ
て各剛性板材を薄くすることが可能であるため、ダンパ
ー装置全体の製作コストの低減化及び軽量化を図ること
ができるという効果を奏する。
【0032】特に、請求項3に記載のような構成を採用
することによって、第1及び第2剛性板材の相対変位方
向でのスペーサー間隔(支点間距離=スパン)を短くし
て各剛性板材の座屈強度をより増大することが可能とな
り、これによって、各剛性板材を薄くしてダンパー装置
全体を一層軽量化及びコストダウン、あるいは、その耐
久性の向上を図ることができる。
することによって、第1及び第2剛性板材の相対変位方
向でのスペーサー間隔(支点間距離=スパン)を短くし
て各剛性板材の座屈強度をより増大することが可能とな
り、これによって、各剛性板材を薄くしてダンパー装置
全体を一層軽量化及びコストダウン、あるいは、その耐
久性の向上を図ることができる。
【0033】また、請求項4に記載のような構成を採用
することにより、ダンパー装置の無負荷時や実負荷動作
時に付加される外力によってエネルギー吸収材の挟在層
の間隔が広がることも防止し、エネルギー吸収材の形状
保持を一層確実にして所定の制振ダンパー性能を長期間
に亘り一層確実に維持することができる。
することにより、ダンパー装置の無負荷時や実負荷動作
時に付加される外力によってエネルギー吸収材の挟在層
の間隔が広がることも防止し、エネルギー吸収材の形状
保持を一層確実にして所定の制振ダンパー性能を長期間
に亘り一層確実に維持することができる。
【0034】さらに、請求項5に記載のような構成を採
用することによって、ダンパー装置全体の組付けを容易
にして、製作コストの一層の低減を図ることができる。
用することによって、ダンパー装置全体の組付けを容易
にして、製作コストの一層の低減を図ることができる。
【図1】請求項2の発明に係るブレースタイプの制振ダ
ンパー装置の第1の実施形態を示す側面である。
ンパー装置の第1の実施形態を示す側面である。
【図2】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の正面
図である。
図である。
【図3】同上制振ダンパー装置の使用状態を示す正面図
である。
である。
【図4】請求項2の発明に係るブレースタイプの制振ダ
ンパー装置の第2の実施形態を示す側面図である。
ンパー装置の第2の実施形態を示す側面図である。
【図5】請求項2の発明に係るブレースタイプの制振ダ
ンパー装置の第3の実施形態を示す側面図である。
ンパー装置の第3の実施形態を示す側面図である。
【図6】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の正面
図である。
図である。
【図7】請求項1の発明に係るブレースタイプの制振ダ
ンパー装置を示す側面図である。
ンパー装置を示す側面図である。
【図8】同上ブレースタイプの制振ダンパー装置の正面
図である。
図である。
【図9】請求項1の発明に係る間柱タイプの制振ダンパ
ー装置を示す正面図である。
ー装置を示す正面図である。
【図10】従来のブレースタイプの制振ダンパー装置を
示す側面図である。
示す側面図である。
【図11】従来のブレースタイプの制振ダンパー装置を
示す正面図である。
示す正面図である。
【図12】従来のブレースタイプの制振ダンパー装置の
一つの問題点を説明する側面図である。
一つの問題点を説明する側面図である。
【図13】従来のブレースタイプの制振ダンパー装置の
他の一つの問題点を説明する側面図である。
他の一つの問題点を説明する側面図である。
1 外側鋼板プレート(第1剛性板材の一例) 2 内側鋼板プレート(第2剛性板材の一例) 3 粘弾性体(エネルギー吸収材の一例) 4 硬球 7 ボルト(ねじ部材の一例) A 請求項2の発明に係る制振ダンパー装置 A´ 請求項1の発明に係る制振ダンパー装置
Claims (6)
- 【請求項1】 相互に間隔を隔てて平行に配置された第
1剛性板材と、第2剛性板材と、これら第1及び第2剛
性板材の対向面間に挟在されたエネルギー吸収材とを備
えてなる制振ダンパー装置において、 上記エネルギー吸収材の複数箇所には、このエネルギー
吸収材の層厚と等しい径を有する硬球が埋込み保持され
ていることを特徴とする制振ダンパー装置。 - 【請求項2】 相互に間隔を隔てて平行に配置された複
数枚の第1剛性板材と、これら複数枚の第1剛性板材の
うち隣接する第1剛性板材間の中間位置にそれら第1剛
性板材に対して平行に配置された少なくとも一枚の第2
剛性板材と、上記第1剛性板材と第2剛性板材とで形成
される偶数個の対向面間にそれぞれ層状に挟在されたエ
ネルギー吸収材とを備えてなる制振ダンパー装置におい
て、 上記偶数個のエネルギー吸収材の複数箇所には、各エネ
ルギー吸収材の層厚と等しい径を有する硬球がそれぞれ
埋込み保持されていることを特徴とする制振ダンパー装
置。 - 【請求項3】 上記硬球が、第1剛性板材の所定変位方
向の両側辺近くの二箇所で、かつ、所定変位方向に対し
直交する方向の両端辺近くとその中間部との三箇所の少
なくとも合計六箇所において層状のエネルギー吸収材に
埋込み保持されている請求項1または2に記載の制振ダ
ンパー装置。 - 【請求項4】 上記複数枚の第1剛性板材の隣接する板
材同士が、ねじ部材を介して一定間隔に固定保持されて
いる請求項2または3に記載の制振ダンパー装置。 - 【請求項5】 上記硬球を埋込み保持した層状のエネル
ギー吸収材を予め第2剛性板材側に接着しており、この
層状エネルギー吸収材の外部から隣接する第1剛性板材
を押圧し接着することで構成されている請求項2ないし
4のいずれかに記載の制振ダンパー装置。 - 【請求項6】 上記エネルギー吸収材は、粘弾性体、粘
性流体、弾性体の中から選択されたものである請求項1
ないし5のいずれかに記載の制振ダンパー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015871A JP2002213532A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 制振ダンパー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015871A JP2002213532A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 制振ダンパー装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002213532A true JP2002213532A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18882344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001015871A Withdrawn JP2002213532A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 制振ダンパー装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002213532A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009001807A1 (ja) * | 2007-06-25 | 2008-12-31 | Oiles Corporation | ダンパ装置 |
-
2001
- 2001-01-24 JP JP2001015871A patent/JP2002213532A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009001807A1 (ja) * | 2007-06-25 | 2008-12-31 | Oiles Corporation | ダンパ装置 |
JP5275230B2 (ja) * | 2007-06-25 | 2013-08-28 | オイレス工業株式会社 | ダンパ装置 |
TWI471490B (zh) * | 2007-06-25 | 2015-02-01 | Oiles Industry Co Ltd | 阻尼裝置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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