JP2002212365A - 樹脂組成物および成形体、医療用具 - Google Patents

樹脂組成物および成形体、医療用具

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JP2002212365A
JP2002212365A JP33399098A JP33399098A JP2002212365A JP 2002212365 A JP2002212365 A JP 2002212365A JP 33399098 A JP33399098 A JP 33399098A JP 33399098 A JP33399098 A JP 33399098A JP 2002212365 A JP2002212365 A JP 2002212365A
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aromatic vinyl
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random copolymer
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Yukiko Nishitoba
由貴子 西鳥羽
Takeshi Oda
威 尾田
Toru Arai
亨 荒井
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、可撓性、透明性、耐放射線性にに優
れ、なおかつ生体適合性を有する樹脂組成物、および成
形体、医療用具・容器を提供する。 【解決手段】 芳香族ビニル化合物含量がモル分率で1
〜99.9%未満の芳香族ビニル化合物−α−オレフィ
ンランダム共重合体を5重量%以上含む樹脂組成物10
0重量部、可塑剤0〜300重量部を含む樹脂組成物お
よび、それから成形されて得られる医療用具および容
器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ビニル化合物
−α−オレフィンランダム共重合体を含む樹脂組成物
(A)と必要に応じて可塑剤を含む樹脂組成物(B)お
よび、これから成形される成形体および医療用具、容器
に関する。更に詳しくは、本発明は、柔軟性、可撓性、
透明性、耐放射線性および防曇性に優れ、なおかつ生体
適合性を有し、特に医療用途に好適に用いられる樹脂組
成物並びに該組成物から成形される成形体または医療用
具、容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に点滴注射に用いられるチューブ、
カテーテル、血液回路等や、輸液及び透析等のバッグ、
コンテナ等の医療用具、医療容器は、柔軟性、可撓性、
透明性、耐放射線性及び防曇性に優れていることが要求
される。また、特にチューブにおいては適度の伸び弾性
および粘着性を有し、いわゆるコシがあることが求めら
れる。従来、これらの性質を兼ね備えた素材である軟質
のポリ塩化ビニルを用いて製造されることが多い。ま
た、近年では医療用具のディスポーザブル化が進められ
てきており、使用後に焼却処理されることが多くなって
きているが、軟質のポリ塩化ビニルを使用した医療用具
は焼却等における環境への負荷が問題視されている。
【0003】このため、最近では医療用具の素材として
軟質のポリ塩化ビニルを他の材料へ置換することが検討
されており、それらの樹脂として直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、軟質ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富んだ材料
が検討されている。容器に関してはこれらの樹脂を押出
延伸成形したシートまたはフィルムを2枚併せて熱溶着
シールする、あるいはインフレーション成形した筒状シ
ートなどを所定の大きさに裁断し、その周縁端部を熱溶
着シールすることにより形成される。また最近はブロー
成形による樹脂容器も提供されている。更に、これらの
樹脂成形体を多層ラミネート物で作製することにより、
容器内充填物の安定性を更に図ったものも提案されてい
る。
【0004】塩素を含まないフィルム、チューブとして
線状低密度エチレン−α−オレフィン系共重合体からな
るものが知られているが、伸び弾性、防曇性および防曇
性持続性が必ずしも充分ではなく、さらに改良が求めら
れている。
【0005】柔軟性に優れ、医療用に適した成形体を与
える樹脂組成物として、特開平4−159344号公報
には、オレフィン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物およびスチレン−イソプレンブ
ロック共重合体の水素添加物からなる樹脂組成物が提案
されており、この樹脂組成物は柔軟性に優れた成形体を
与え、しかも成形体を焼却しても有毒ガスの発生を伴わ
ないという特徴を有している。
【0006】しかしながら、かかる樹脂組成物から得ら
れる成形体は、医療用具において要求されるもう一つの
性質、すなわち透明性において十分満足できるものでは
なく、この点において改良の余地が認められる。
【0007】また、カルーテルの中でも、血管内でバル
ーンを拡張したのち、収縮して数日留置するバルーンカ
テーテルにおいては、表面に弛みが残ると血流のよどみ
により血栓を生じやすいという問題点がある。また、消
化管カテーテルでは消化管のぜん動運動で繰り返し引っ
張られる。従って、以上の場合には歪みの回復性に優れ
ることが要求される。従来のカテーテルで用いられてい
る熱可塑性ポリウレタンは力学的特性に優れているが、
歪みの回復性が劣るという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は芳香族ビニル
化合物−α−オレフィンランダム共重合体および必要に
応じて可塑剤を含み、適度の伸び弾性及び粘着性を有
し、医療用具、容器として要求される柔軟性、可撓性、
透明性、耐放射線性、防曇性及び生体適合性に優れたバ
ランスの取れた性能を有し、しかも焼却した際に有毒ガ
スを発生することが無い樹脂組成物および、それから成
形される成形体および医療用具、容器を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ビニル
化合物含量がモル分率で1〜99.9%未満の芳香族ビ
ニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体を5%重
量以上、好ましくは80重量%以上含む樹脂組成物
(A)100重量部、可塑剤0〜300重量部を含む樹
脂組成物(B)、およびそれから成形され、柔軟性、可
撓性、透明性、耐放射線性、防曇性および生体適合性を
有する成形体および医療用具、容器である。また本発明
は、2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットからなるヘ
ッド−テイル連鎖構造を有する芳香族ビニル化合物−α
−オレフィンランダム共重合体を含む上記の樹脂組成物
(B)、成形体、および医療用具、容器である。
【0010】本発明に用いられる芳香族ビニル化合物−
α−オレフィンランダム共重合体は、基本的には、芳香
族ビニル化合物単量体およびα−オレフィン単量体から
なるランダム共重合体であれば、そのポリマー連鎖のシ
ークエンス、立体規則性、重合触媒種等に関し特に制限
は無い。例えば、メタロセン触媒のうち、いわゆる幾何
拘束型触媒(CGCT触媒)により得られる芳香族ビニ
ル化合物のヘッド−テイル連鎖を有しない疑似ランダム
共重合体、および芳香族ビニル化合物のヘッド−テイル
連鎖を有するが立体規則性の低いランダム共重合体等の
芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体
を含む。本発明に用いられる芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体は、上記の様に特に制限は
ないが、一定の特性を有する好ましい共重合体を使用す
ることにより、より優れた特性を得ることが可能とな
る。以下に好ましい共重合体につき、スチレン−エチレ
ンランダム共重合体を例に取り詳細に説明する。その構
造は、核磁気共鳴法(NMR法)によって決定される。
【0011】本発明に用いられる共重合体は、TMSを
基準とした13C−NMRにおいて以下の位置に主なピー
クを示す。主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来する
ピークを24〜25ppm付近、27ppm付近、30
ppm付近、34〜37ppm付近、40〜41ppm
付近及び42〜46ppm付近に、また、フェニル基の
うちポリマー主鎖に結合していない5個の炭素に由来す
るピークを126ppm付近及び128ppm付近に、
フェニル基のうちポリマー主鎖に結合している1個の炭
素に由来するピークを146ppm付近に示す。本発明
に用いられるスチレン−エチレンランダム共重合体は、
スチレン含量がモル分率で1〜99.9%未満、好まし
くは5〜99.9%未満さらに好ましくは10〜99.
9%未満であるスチレン−エチレンランダム共重合体で
あって、その構造中に含まれる下記の一般式(1)で示
されるスチレンとエチレンの交互構造のフェニル基の立
体規則性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.7
5より大きく、かつ下記の式(i)で与えられる交互構
造指数λが70より小さく1より大きい、好ましくは7
0より小さく5より大きいスチレン−エチレンランダム
共重合体である。 λ=A3/A2×100 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記
の一般式(1’)で示されるスチレン−エチレン交互構
造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和で
ある。また、A2はTMSを基準とした13C−NMRに
より0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及
び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和であ
る。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し
単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し
単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0016】本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体に於いて、スチレンとエチレンの交互共
重合構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティク
構造とは、アイソタクティクダイアッド分率m(または
メソダイアッド分率ともいう)が0.75より大きい、
好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.95以
上を示す構造をいう。スチレンとエチレンの交互共重合
構造のアイソタクティクダイアッド分率mは、25pp
m付近に現れるメチレン炭素ピークのr構造に由来する
ピーク面積Arと、m構造に由来するピークの面積Am
から、下記の式(ii)によって求めることができる。 m=Am/(Ar+Am) 式(ii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。
【0017】また、重1,1,2,2−テトラクロロエ
タンを溶媒とし、重1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンの3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基準と
した場合、r構造に由来するピークは、25.3〜2
5.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.
1〜25.2ppm付近に現れる。なお、m構造はメソ
ダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表
す。
【0018】本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体に於いては、スチレンとエチレンの交互
共重合構造にr構造に帰属されるピークは実質的に観測
されない。
【0019】さらに、本発明に用いられるスチレン−エ
チレンランダム共重合体は、スチレンユニットの連鎖構
造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクであ
る。スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の立体規
則性がアイソタクティクとは、アイソタクティクダイア
ッド分率ms(またはメソダイアッド分率ともいう)が
0.5より大きい、好ましくは0.7以上、さらに好ま
しくは0.8以上を示す構造をいう。スチレンユニット
の連鎖構造の立体規則性は13C−NMRによって観測さ
れる43〜44ppm付近のメチレン炭素のピーク位
置、及び1H−NMRによって観測される主鎖プロトン
のピーク位置で決定される。
【0020】米国特許5502133号公報によれば、
アイソタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素
は42.9〜43.3ppmに現れるが、シンジオタク
ティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素は44.0
〜44.7ppm付近に現れる。シンジオタクティクポ
リスチレンのシャープなメチレン炭素及びアタクティク
ポリスチレンの43〜45ppmのブロードなピークの
出現位置は、本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体のほかの炭素の比較的強度が低いピーク
位置と近接あるいは重なっている。しかし、本発明にお
いて42.9〜43.4ppmにメチレン炭素ピークが
強く観測されるのに比較して、44.0〜44.7pp
m付近には明瞭なピークは認められない。
【0021】さらに、米国特許5502133号公報に
よれば1H−NMRにおいて主鎖メチレン、メチンプロ
トンに帰属されるピークはアイソタクティクポリスチレ
ンの場合、1.5〜1.6ppm、2.2〜2.3pp
mに、シンジオタクティクポリスチレンの場合、1.3
〜1.4ppm、1.8〜1.9ppmに観測される。
本発明に用いられる共重合体においては、ピークが1.
5〜1.6ppm及び2.2ppmに観測され、この1
H−NMR解析の結果は、本発明の共重合体中のスチレ
ン連鎖はアイソタクティクの立体規則性であることを示
す。
【0022】スチレンユニットの連鎖構造のアイソタク
ティクダイアッド分率msは、13C−NMR測定による
スチレン連鎖構造のメチレン炭素または1H−NMR測
定による主鎖メチレン、メチンプロトンの各ピークから
以下の式で導かれる。各ピークのシンジオタクティクダ
イアッド構造(r構造)に由来するピーク面積Ar'と
アイソタクティクダイアッド構造(m構造)に由来する
ピークの面積Am'から、下記の式(iii)によって
求めることができる。 ms=Am'/(Ar'+Am') 式(iii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。
【0023】本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体とは、スチレンのヘッド−テイルで結合
した連鎖構造、エチレンユニットの結合した連鎖構造及
びスチレンユニットとエチレンユニットが結合した構造
を含む共重合体である。本共重合体は、スチレンの含量
によって、あるいは重合温度等の重合条件によってこれ
らの構造の含まれる割合は変化する。これらの構造の含
まれる割合、構造の分布は特定の統計的計算による構造
分布に束縛されない。スチレン含量が少なくなれば、ス
チレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の
含まれる割合は減少する(例えばスチレン含量が約20
モル%以下の共重合体の場合、スチレンユニットのヘッ
ド−テイルで結合した連鎖構造は通常の13C−NMR測
定ではその構造に由来するピークを直接観測することは
困難である)。しかし、本発明の遷移金属化合物を用い
て、または本発明の製造方法により、スチレン単独の重
合により高い活性で立体規則性を有するホモポリマーが
製造できること、すなわち、本質的にスチレンユニット
のヘッド−テイルで結合した連鎖構造を形成することが
可能であること、及び共重合体においては、少なくとも
13C−NMR法によって20〜99モル%のスチレン含
量に対応してスチレンユニットのヘッド−テイルで結合
した連鎖構造の割合が連続的に変化することから、20
モル%以下であっても量は少ないもののスチレンユニッ
トのヘッド−テイルで結合した連鎖構造が共重合体中に
存在しうることは明白である。13Cでエンリッチしたス
チレンモノマーを用いて共重合させたポリマーを、13
−NMRで分析する等の手段により、スチレン含量20
モル%以下の共重合体中のスチレンユニットのヘッド−
テイルで結合した連鎖構造を観測することは可能であ
る。エチレンユニットの連鎖構造についてもまったく同
様である。
【0024】本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体に含まれるスチレンユニットのヘッド−
テイルで結合した連鎖構造は、以下の構造で示すことが
できる2個または3個以上の連鎖構造である。特にスチ
レンユニットのヘッド−テイルで結合した3個以上の連
鎖構造が存在する場合には、その透明性が向上する効果
が見られる。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】ここで、nは3以上の任意の整数。Ph
は、フェニル基を表す。他方、従来公知のいわゆる擬似
ランダム共重合体では、スチレン含量が最大の50モル
%付近においても、スチレンのヘッド−テイルの連鎖構
造を見出すことはできない。さらに、擬似ランダム共重
合体を製造する触媒を用いてスチレンの単独重合を試み
ても重合体は得られない。重合条件等により極少量のア
タクティク芳香族ビニル化合物ホモポリマーが得られる
場合があるが、これは共存するメチルアルモキサンまた
はその中に混入するアルキルアルミニウムによるカチオ
ン重合、またはラジカル重合によって形成されたものと
解するべきである。
【0028】従来の立体規則性のない擬似ランダム共重
合体のスチレンの異種結合に由来する構造のメチレン炭
素のピークは、34.0〜34.5ppm及び34.5
〜35.2ppmの2つの領域にあることが知られてい
る(例えば、PolymerPreprints,Ja
pan,42,2292(1993))。本発明に用い
られるスチレン−エチレンランダム共重合体は、スチレ
ンに由来する異種結合構造のメチレン炭素に帰属される
ピークが34.5〜35.2ppmの領域に観測される
が、34.0〜34.5ppmにはほとんど認められな
い。これは、本発明の共重合体の特徴の一つを示し、ス
チレンに由来する下記の式のような異種結合構造におい
てもフェニル基の高い立体規則性が保持されていること
を示す。
【0029】
【化8】
【0030】本発明に用いられるスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体の重量平均分子量は、スチレン含量1モ
ル%以上20モル%未満では6万以上、好ましくは8万
以上であり、20モル%以上99.9モル%以下では3
万以上、好ましくは4万以上である。重量平均分子量の
上限値は、特に制限はないが、好ましくは300万以
下、更に好ましくは100万以下である。分子量が30
0万を超えると溶融粘度が上昇し、射出成形、押出成形
等の一般的な成形方法による成形が困難になる。ここで
の重量平均分子量(Mw)はGPCで標準ポリスチレン
を用いて求めたポリスチレン換算分子量をいう。分子量
分布(Mw/Mn)は6以下、好ましくは4以下、特に
好ましくは3以下である。本発明の共重合体は、ポリエ
チレン樹脂等に比べて分子量分布が小さく、樹脂の均質
性が高いため、結果として樹脂の透明性も良好となる。
なお、Mnは数平均分子量を表し、同様にGPC法によ
り測定することができる。本発明に用いられるスチレン
−エチレンランダム共重合体は、実用的な高い分子量を
有する。さらに、本発明のスチレン−エチレンランダム
共重合体は、高い立体規則性を有するスチレンとエチレ
ンの交互構造と、同時に種々の長さのエチレン連鎖、ス
チレンの異種結合、スチレンの連鎖等の多様な構造を併
せて有するという特徴を持つ。また、本発明のスチレン
−エチレンランダム共重合体は、共重合体中のスチレン
の含量によって交互構造の割合を、上記の式で得られる
λ値で1より大きく70未満の範囲で種々変更可能であ
る。この立体規則的な交互構造は結晶可能な構造である
ので、本発明の共重合体は、スチレンの含量により、あ
るいは適当な方法で結晶化度を制御することにより、結
晶性、非結晶性、部分的に結晶構造を有するポリマーと
いう多様な特性を与えることが可能である。λ値が70
未満であることは、結晶性ポリマーでありながら、有意
の靭性、透明性を与えるために、また、部分的に結晶性
のポリマーとなるために、あるいは、非結晶性のポリマ
ーとなるために重要である。
【0031】以上、本発明の芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体の代表例として、スチレン
−エチレンランダム共重合体について説明した。しか
し、上記の説明は、本発明の芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体全般に適応できる。本発明
でより好ましく用いられる芳香族ビニル化合物−α−オ
レフィンランダム共重合体は、2個以上の芳香族ビニル
化合物のヘッド−テイル連鎖構造を有し、この様な連鎖
構造を持たない擬似ランダム共重合体に比較して、初期
弾性率、破断強度の値が高い。また、芳香族ビニル化合
物とα−オレフィンの高い交互立体規則性を有し、立体
規則性の低い共重合体に比較して、初期弾性率、破断強
度、伸び、耐薬品性に優れる。
【0032】本発明の2個以上の芳香族ビニル化合物の
ヘッド−テイル連鎖構造を有する共重合体は、立体規則
性を有せずまた芳香族ビニル化合物連鎖も有しない疑似
ランダムの芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダ
ム共重合体に比べて、それぞれの芳香族ビニル化合物の
領域、種々の結晶化度において、初期引張弾性率、堅
さ、破断強度、耐薬品性等の性能について優れている
が、立体規則性を有することでさらに、それらの性能が
向上し、新規結晶性樹脂、熱可塑性エラストマー、透明
軟質樹脂として特徴ある物性を示す。さらに、芳香族ビ
ニル化合物含量を変更することで、ガラス転移点を広い
範囲で変更することが可能である。本発明の共重合体の
うち特に、芳香族ビニル化合物含量が50モル%より高
い、主に芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造と芳香
族ビニル化合物ユニットとα−オレフィンユニットの交
互構造から構成される共重合体は、透明性が高く、ガラ
ス転移温度が高く、α−オレフィンの連鎖が少ないか、
非常に少ないので、初期引張弾性率が高く、良好なプラ
スチックとしての物性を示す。また、交互構造及び少量
のα−オレフィン連鎖が連鎖構造中に比較的均一に存在
しているため、耐衝撃性に優れ、優れた靭性を示す。芳
香族ビニル化合物−α−オレフィン交互構造が多い芳香
族ビニル化合物含量領域では交互構造の立体規則性を有
すると結晶性を有することができ、部分的に結晶構造を
有する共重合体であるため、ガラス転移温度付近及びそ
れ以上の温度で熱可塑性エラストマーとしての物性を示
すことが出来る。さらに、芳香族ビニル化合物連鎖構造
は、アイソタクティクの立体規則性を有するため結晶可
能であり、一般的な結晶化処置により結晶化可能であ
る。
【0033】本発明の2個以上の芳香族ビニル化合物の
ヘッド−テイル連鎖構造を有する共重合体は、およそ1
0モル%以上の芳香族ビニル化合物含量域において、立
体規則性を有することで芳香族ビニル化合物連鎖も有し
ない芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重
合体に比べて、高い融点(DSCによる)を有すること
ができる。
【0034】また、本発明の芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体を含む樹脂組成物(B)に
おいて、30℃以上のガラス転移点温度(Tg)を有す
る熱可塑性樹脂を含むことによって、組成物としてのT
gを広い範囲で設定することが可能となり、貯蔵弾性
率、損失正接(tanδ)等の粘弾性の温度依存性を制
御可能とする。さらに、本発明の芳香族ビニル化合物−
α−オレフィンランダム共重合体において、具体的には
スチレン含量を変更することで、ガラス転移点を−50
℃から90℃までの広い範囲で変更することが可能であ
る。特にスチレン含量が50%以上ではTgは30℃近
くとなる。従って、本発明の芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体単独で、またはこれにTg
が高い石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体を混
合することによっても、Tgを常温近くまで高めること
ができるため、特定の粘弾性特性を達成することが容易
になる。特に経皮的に体内に挿入されるカテーテルにお
いては、Tgが30〜35℃のものでは、体温により体
内で柔軟になるので、人体の組織を損傷することが少な
くなるというメリットがあるが、特にこの範囲に限定さ
れるものではない。
【0035】ここで、30℃以上のガラス転移点温度
(Tg)を有する熱可塑性樹脂としては、シクロペンタ
ジエンまたはその2量体からの石油樹脂やC9成分から
の芳香族石油樹脂があり、テルペン樹脂としてはβ−ピ
ネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂
が、またロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロ
ジンなどのロジン樹脂、グリセリンやペンタエルスリト
ールで変性したエステル化ロジン樹脂などが例示でき
る。これらは分子量により種々のTgを有するものがあ
るが、Tgが30〜100℃、好ましくは70〜90℃
のものがよい。Tgが30℃未満のものでは、混合する
芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体
によっては、Tgを高めるために多量に混合する必要が
出てくることによって、表面へのブリートを招きやす
く、また機械的強度に問題が生じる。
【0036】本発明に用いられる共重合体は、以下の遷
移金属化合物を用いて、または以下の製造方法によって
得られる芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム
共重合体を包含するが、特に本発明の遷移金属化合物ま
たは製造方法には限定されない。本発明に用いられる芳
香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体は
下記の一般式(2)で示される遷移金属化合物と助触媒
から構成される触媒を用い、芳香族ビニル化合物とα−
オレフィンから製造される。
【0037】
【化9】
【0038】式中、A、Bは非置換もしくは置換シクロ
ペンタフェナンスリル基(下記の化10、化11)、非
置換もしくは置換ベンゾインデニル基(化12〜1
4)、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基(化
15)、非置換もしくは置換インデニル基(化16)、
または非置換もしくは置換フルオレニル基(化17)か
ら選ばれる基であり、少なくともA、Bのうちの一方
は、非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル
基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、または非
置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である。
好ましくは、少なくともA、Bのうちの一方は非置換も
しくは置換シクロペンタフェナンスリル基または非置換
もしくは置換ベンゾインデニル基から選ばれる基であ
る。
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】(上記の化10〜17において、R1〜R
8基はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキル
アリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3基ま
たはPR2基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素
基を表す)であり、R1同士、R2同士、R3同士、R
4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8同士は互
いに同一でも異なっていても良い。)A、B共に非置換
もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換も
しくは置換ベンゾインデニル基または非置換もしくは置
換インデニル基である場合には両者は同一でも異なって
いてもよい。
【0048】非置換シクロペンタフェナンスリル基とし
ては、具体的には3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリ
ル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基
が挙げられる。非置換ベンゾインデニル基としては、
4,5−ベンゾ−1−インデニル基、(別名ベンゾ
(e)インデニル基)、5,6−ベンゾ−1−インデニ
ル基、6,7−ベンゾ−1−インデニル基が、置換ベン
ゾインデニル基としては、α−アセナフト−1−インデ
ニル基等が例示できる。
【0049】非置換シクロペンタジエニル基としてはシ
クロペンタジエニルが、置換シクロペンタジエニル基と
しては4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,
5−ジアリール−1−シクロペンタジエニル、5−アル
キル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4−
アルキル−5−アリール−1−シクロペンタジエニル、
4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、5−
トリアルキルシリル−4−アルキル−1−シクロペンタ
ジエニル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロペン
タジエニル等の基が挙げられる。
【0050】非置換インデニル基としては1−インデニ
ルが、置換インデニル基としては4−アルキル−1−イ
ンデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5−ジ
アルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−1−
インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニル、
4,5−ジアリ−ル−1−インデニル、5−アリ−ル−
1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1−イ
ンデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−イ
ンデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、4,
5,6−トリアリール−1−インデニル等の基が挙げら
れる。
【0051】非置換フルオレニル基としては9−フルオ
レニル基が、置換フルオレニル基としては7−メチル−
9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フルオレニル基等が
挙げられる。
【0052】上記の一般式(2)において、YはA、B
と結合を有し、他に水素もしくは炭素数1〜15の炭化
水素基を有するメチレン基、シリレン基またはエチレン
基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよ
い。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリ
デン基等の環状構造を有していてもよい。好ましくは、
Yは、A、Bと結合を有し、水素または炭素数1〜15
の炭化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化
水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基は互
いに異なっていても同一でもよい。特に好ましくは、Y
は、−CH2−、−CMe2−、−CEt2−、−CPh2
−、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン基等であ
る。ここで、Meはメチル基、Etはエチル基、Phは
フェニル基を表す。
【0053】Xは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15の
アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜
12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置
換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、または炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジア
ルキルアミド基である。ハロゲンとしては塩素、臭素等
が、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が、アリ
ール基としてはフェニル基等が、アルキルアリール基と
しては、ベンジル基が、シリル基としてはトリメチルシ
リル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキ
シ基、イソプロポキシ基等が、またジアルキルアミド基
としてはジメチルアミド基等が挙げられる。特にXがジ
メチルアミド基の場合には、WO95/32979記載
の製造方法を本発明の遷移金属化合物の製造に適用する
と、非常に簡単且つ安価に製造できる利点がある。すな
わち、配位子化合物とジルコニウムテトラキスジメチル
アミドとの室温以上の制御しやすい温度における一段階
の合成工程で製造可能である。厳密には、この工程で製
造される遷移金属化合物は、かなりの量のメソ体を不純
物として含むラセミ体であるが、触媒に対するメソ体の
混入は本発明においては殆ど影響を与えない。Xが塩素
の遷移金属錯体の場合は、さらに、ジメチルアミド体の
錯体とジメチルアミン塩酸塩との、低温でのコストの高
い反応工程を経なければならないのでより高価なものと
なる。さらに、Xがジメチルアミド基の場合、メチルア
ルモキサン等の助触媒と接触した後の活性種の形成速度
が、Xが塩素の場合より若干遅い。このことは、特にバ
ッチ液相重合においては、助触媒を予め重合液に溶解
し、所定の条件下で遷移金属化合物を重合液中に投入
し、重合を開始するという重合処方において、重合液中
で徐々に活性種を形成することで、触媒投入直後の急激
な重合熱の発生を押さえ、重合液の除熱を容易にすると
いう製造プロセス上の重要な利点を持つ。
【0054】Mは、第IV族金属であり、ジルコニウ
ム、ハフニウム、またはチタンである。特に好ましくジ
ルコニウムである。錯体は、ラセミ体、メソ体が存在す
る物については、ラセミ体が好適に用いられるが、ラセ
ミ体、メソ体の混合物またはメソ体を用いても良い。ま
た錯体は、擬ラセミ体、擬メソ体が存在する物について
は、擬ラセミ体が好適に用いられるが、擬ラセミ体、擬
メソ体の混合物または擬メソ体を用いても良い。
【0055】かかる遷移金属化合物の例としては下記の
化合物が挙げられる。例えば、ジメチルメチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチ
ルメチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ジn−プロピルメチレンビス(1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジi−プロピルメチレ
ンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、
シクロペンチリデンビス(1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、シクロヘキシリデンビス(1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン
ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジ
メチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド{別名ジメチルメチレン
ビス(ベンゾ〔e〕インデニル)ジルコニウムジクロラ
イド}、ジn−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジi−
プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、シクロヘキシリデンビ
ス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、シクロぺンチリデンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェ
ニルメチレンビス(4,5ベンゾ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(シクロペ
ンタジエニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−イン
デニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオレニ
ル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−
インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−ナフチ
ル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス
(5,6−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロライド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1−イ
ンデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ジメチルメチレンビス(6,7−ベンゾ−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン
(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス
(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロライド、ジメチルメチレンビス(α−アセナフト−1
−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメ
チレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)
ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−シ
クロペンタ〔c〕フェナンスリル)(1−インデニル)
ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレンビス(1
−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル)ジルコニウムジ
クロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ
〔l〕フェナンスリル)(1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベン
ゾ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミ
ド)等が挙げられる。
【0056】更に、ジメチルメチレンビス(3−シクロ
ペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムビスジメチ
ルアミド、ジn−プロピルメチレンビス(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライ
ド、ジi−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、シ
クロヘキシリデンビス(3−シクロペンタ[c]フェナ
ンスリル)ジルコニウムジクロライド、シクロぺンチリ
デンビス(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレンビス(3
−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジ
クロライド、ジメチルメチレン(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン
(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペン
タ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエ
ニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジル
コニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオ
レニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェ
ニル−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチ
レン(4−ナフチル−1−インデニル)(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライ
ド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ[c]フェナ
ンスリル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)(α−アセナフト−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレ
ンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジル
コニウムビスジメチルアミド、ジn−プロピルメチレン
ビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジi−プロピルメチレンビス(1
−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジ
クロライド、シクロヘキシリデンビス(1−シクロペン
タ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、
シクロぺンチリデンビス(1−シクロペンタ[l]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメ
チレンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)
ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(5,6
−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]
フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチル
メチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−シ
クロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロ
ライド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)
(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルメチレン(1−インデニル)
(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フルオレニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル
−1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン
(4−ナフチル−1−インデニル)(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロライド、ジ
メチルメチレン(1−シクロペンタ[l]フェナンスリ
ル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロライド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)(α−アセナフト−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン
(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)(3−シク
ロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロラ
イド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド{別名ジメチルメ
チレンビス(ベンゾ〔e〕インデニル)ジルコニウムジ
クロライド}、ジn−プロピルメチレンビス(4,5−
ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジi−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、シクロヘキシリ
デンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド、シクロぺンチリデンビス(4,5−
ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジフェニルメチレンビス(4,5ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(シ
クロペンタジエニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1
−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(1−フル
オレニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4−フェニル
−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(4
−ナフチル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチ
レンビス(5,6−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ
−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジ
クロライド、ジメチルメチレンビス(6,7−ベンゾ−
1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチル
メチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレ
ンビス(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルメチレンビス(α−アセナフ
ト−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメ
チルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)
ジルコニウムビス(ジメチルアミド)、ジメチルメチレ
ン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)等が挙げられ
る。以上、ジルコニウム錯体を例示したが、チタン、ハ
フニウム錯体も上記と同様の化合物が好適に用いられ
る。また、ラセミ体、メソ体の混合物を用いても良い。
好ましくはラセミ体または擬似ラセミ体を用いる。これ
らの場合、D体を用いても、L体を用いても良い。
【0057】本発明で用いる助触媒としては、従来遷移
金属化合物と組み合わせて用いられている助触媒を使用
することができるが、そのような助触媒として、アルミ
ノキサン(またはアルモキサンと記す)またはほう素化
合物が好適に用いられる。更に本発明は、その際用いら
れる助触媒として下記の一般式(3)、(4)で示され
るアルミノキサン(またはアルモキサンと記す)が好適
に用いられる。
【0058】
【化18】
【0059】式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数6〜10のアリール基、または水素、mは2〜10
0の整数である。それぞれのRは互いに同一でも異なっ
ていても良い。
【0060】
【化19】
【0061】式中、R'は炭素数1〜5のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜1
00の整数である。それぞれのR'は互いに同一でも異
なっていても良い。アルミノキサンとしては好ましく
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイ
ソブチルアルモキサンが用いられるが、特に好ましくは
メチルアルモキサンが用いられる。必要に応じ、これら
種類の異なるアルモキサンの混合物を用いてもよい。ま
た、これらアルモキサンとアルキルアルミニウム、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアル
キルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウムクロラ
イド等を併用してもよい。
【0062】アルキルアルミニウムの添加は、スチレン
中の重合禁止剤、スチレン、溶媒中の水分等の重合を阻
害する物質の除去、重合反応に対する無害化のために効
果的である。しかし、あらかじめスチレン、溶媒等を蒸
留し、あるいは乾燥不活性ガスでのバブリングやモレキ
ュラーシーブを通す等の公知の方法でこれらの量を重合
に影響のないレベルまで低減する、あるいは用いるアル
モキサンの使用量を若干増やす、または分添すれば特に
アルキルアルミニウムを重合時に添加することは、必ず
しも必要ではない。
【0063】本発明では、上記の遷移金属化合物と共に
助触媒としてほう素化合物を用いることができる。助触
媒として用いられるほう素化合物は、トリフェニルカル
ベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト{別名、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート}、リチウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ン、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ
プロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ
(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリル)
フェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテ
トラ(p−エチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチ
ル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)
ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス−3,5
−ジメチルフェニルボレート、トリエチルアンモニウム
テトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリ
ブチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェ
ニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス−
2,4−ジメチルフェニルボレート、アニリニウムテト
ラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N'−ジ
メチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N'
−ジメチルアニリニウムテトラキス(p−トリル)ボレ
ート、N,N'−ジメチルアニリニウムテトラキス(m
−トリル)ボレート、N,N'−ジメチルアニリニウム
テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、
N,N'−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−
ジメチルフェニル)ボレート、N,N'−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、N,N'−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、N,N'−2,4,5
−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、
N,N'−2,4,5−ペンタエチルアニリニウムテト
ラフェニルボレート、ジ−(イソプロピル)アンモニウ
ムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジ−シ
クロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレート、ト
リフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラフェ
ニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(p−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテ
トラキス(m−トリル)ボレート、トリフェニルカルベ
ニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレー
ト、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジ
メチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキスペ
ンタフルオロフェニルボレート、トロピリウムテトラキ
ス(p−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(m−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウム
テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート等で
ある。これらほう素化合物と上記有機アルミニウム化合
物を同時に用いても差し支えない。特にほう素化合物を
助触媒として用いる場合、重合系内に含まれる水等の重
合に悪影響を与える不純物の除去に、トリイソブチルア
ルミニウム等のアルキルアルミ化合物の添加は有効であ
る。
【0064】本発明の共重合体に用いられる芳香族ビニ
ル化合物としては、スチレンおよび各種の置換スチレ
ン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t
−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロ
ロスチレン、o−クロロスチレン、α−メチルスチレン
等が挙げられ、またジビニルベンゼン等の一分子中に複
数個のビニル基を有する化合物等も挙げられる。工業的
には好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン、特に好ましくはスチレンが用いられる。
【0065】また、本発明の共重合体に用いられるα−
オレフィンとしては、炭素数2〜20のα−オレフィ
ン、すなわちエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンや
ノルボルネン、ノルボルナジエン等の環状オレフィンが
適当である。またこれらのオレフィンを2種以上用いて
もよい。α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン
が好ましい。
【0066】本発明に用いられる共重合体を製造するに
あたっては、上記に例示したα−オレフィン、芳香族ビ
ニル化合物、金属錯体である遷移金属化合物および助触
媒を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公知
の方法を用いることができる。重合方法としては溶媒を
用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ
置換トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の飽和脂
肪族または芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の
単独または混合溶媒を用いる方法がある。また、必要に
応じ、バッチ重合、連続重合、回分式重合、予備重合あ
るいは気相重合等の方法を用いることができる。
【0067】重合温度は、−78℃から200℃が適当
であり、好ましくは−50℃〜160℃である。−78
℃より低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を
超えると金属錯体の分解が起こるので適当ではない。さ
らに工業的に特に好ましくは、0℃〜160℃である。
助触媒として有機アルミニウム化合物を用いる場合に
は、錯体の金属に対し、アルミニウム原子/錯体金属原
子比で0.1〜100000、好ましくは10〜100
00の比で用いられる。0.1より小さいと有効に金属
錯体を活性化出来ず、100000を超えると経済的に
不利となる。
【0068】助触媒としてほう素化合物を用いる場合に
は、ほう素原子/錯体金属原子比で0.01〜100の
比で用いられるが、好ましくは0.1〜10、特に好ま
しくは1で用いられる。0.01より小さいと有効に金
属錯体を活性化出来ず、100を超えると経済的に不利
となる。金属錯体と助触媒は、重合槽外で混合、調製し
ても、重合時に槽内で混合してもよい。
【0069】上記に示すように、本発明による芳香族ビ
ニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体を重合す
るにあたって使用される触媒の量は、非常に微量である
ため、生成物中の触媒残留物が少なく、医学的に不純物
が少なく、安全性の高い樹脂組成物(B)、および成形
体、医療用具、容器を提供することができる。
【0070】本発明の樹脂組成物(A)には、柔軟性、
物性の温度依存性等を調整することを目的として可塑剤
を添加してもよい。可塑剤としては公知のものが用いら
れるが、フタル酸エステル化合物、ピロメリット酸エス
テル化合物、トリメリット酸エステル化合物、トリメシ
ン酸エステル化合物、安息香酸エステル化合物、アジピ
ン酸エステル、アゼライン酸エステル、セバシン酸エス
テル、リン酸エステル化合物、エポキシ化合物、ポリエ
ステル化合物、炭化水素オイルから選ばれた少なくとも
1種類を添加することが好ましい。配合量としては芳香
族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体から
なる組成物100重量部に対して0〜300重量部、好
ましくは0.5〜200重量部、更に好ましくは1〜2
00重量部、特に好ましくは5〜100重量部である。
【0071】滲出性、人体への影響などを総合的に考慮
すると、好ましい可塑剤の具体例としては、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル
酸ジ−n−ラウリル、フタル酸ウンデシル、ピロメリッ
ト酸テトラ−n−オクチル、ピロメリット酸トリ−n−
オクチル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリ
ット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメシン酸トリ
(2,2−ジメチルペンチル)エステル、トリメシン酸
トリ(2−エチルヘキシル)エステル、安息香酸ジエス
テル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸
ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ
−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸ト
リブチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、
エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸メチル、アジ
ピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステルなど
が挙げられる。
【0072】本発明に用いられる芳香族ビニル化合物−
α−オレフィンランダム共重合体は、必ずしもそれが芳
香族ビニル化合物とα−オレフィンのみからなる共重合
体である必要はなく、構造及び/または立体規則性が上
記の範囲にあれば、他の構造が含まれていても、他のモ
ノマーが共重合されていても差し支えない。共重合され
る他のモノマーとして、上記で選ばれた以外のプロピレ
ン等の炭素数3から20までのα−オレフィン、ブタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、
エチリデンノルボルネン、ビニルシクロヘキセン等のジ
エン化合物を例示することができる。また前記の芳香族
ビニル化合物が2種類以上共重合されていてもよい。ま
た重合条件等によっては、芳香族ビニル化合物が熱、ラ
ジカル、またはカチオン重合したアタクティクホモポリ
マーが少量含まれる場合があるが、その量は全体の10
重量%以下である。このようなホモポリマーは溶媒抽出
により除去できるが、物性上特に問題がなければこれを
含んだまま使用することもできる。さらに物性改善を目
的とし、他のポリマーとのブレンドも可能である。また
スチレン含量の異なる本発明の共重合体同士のブレンド
物も利用可能である。
【0073】また、本発明の芳香族ビニル化合物−α−
オレフィンランダム共重合体を含む樹脂組成物(B)に
対して配合可能な樹脂、エラストマー等に特に制限はな
いが、発明の趣旨を損なわない範囲であれば、スチレン
系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエ
チレンフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリ
フェニレンスルフィド(PPS)等の芳香族系樹脂、
6,6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド、メタクリ
ル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、
(EVA)等のポリマーや、エラストマー、ゴムを配合
することができる。スチレン系樹脂として具体的には、
ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン(ハイインパクト
ポリスチレン)、アクリロニトリル・スチレン共重合体
(AS樹脂)、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体
(MS樹脂)等のスチレン・メタクリル酸エステル共重
合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体(ABS樹脂)、ゴム強化MS樹脂、無水マレイン酸
・スチレン共重合体、無水マレイン酸・アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・α−メチル
スチレン共重合体、メタクリロニトリル・スチレン共重
合体、メタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体等をあげることができる。 オレフィン系樹脂として具体的には、ポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)等のホモポリマー、及び
ブテン、ヘキセン、オクテン等とのブロック、ランダム
共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、プロ
ピレン・ブテン−1共重合体、塩素化ポリオレフィン、
エチレン・メタクリル酸およびそのエステル共重合体、
エチレン・アクリル酸およびそのエステル共重合体、エ
チレン・プロピレン共重合体(EPR)等を挙げること
ができる。 メタクリル樹脂として具体的には、ポリメチルメタクリ
レート(PMMA)、メタクリル酸メチル・メタクリル
酸共重合体等を例示することができる。上記のうち、ス
チレン系樹脂、オレフィン系樹脂が好ましい。
【0074】本発明において配合可能なエラストマー、
ゴムには特に制限はないが、スチレン系、オレフィン系
熱可塑性エラストマー及びゴム、天然ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレン、EPR、
アクリルゴム、ネオプレンゴム、ポリエステル系エラス
トマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラス
トマー、ゴム等を挙げることができる。これらは単独ま
たは複数を組み合わせて使用可能である。
【0075】スチレン系エラストマー、ゴムの例として
は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI
S)、及びこれらの水素添加物、例えばスチレン−エチ
レンブチレンブロックポリマー(SEBS)、スチレン
−エチレンプロピレンブロックポリマー(SEPS)、
スチレン・ブタジエンラバー(SBR)、スチレン・ブ
タジエン・メチルメタクリレート共重合体(MBS)等
を例示することができる。 上記のうち、スチレン系、オレフィン系エラストマー、
ゴムが好ましい。
【0076】また、本発明の樹脂組成物(B)は、必要
に応じて、過酸化物等を用いた通常の架橋方法により架
橋して使用することも可能である。また、本発明の芳香
族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共重合体はグ
ラフト、水素添加、官能基の付与等の変性も可能であ
る。
【0077】本発明の芳香族ビニル化合物−α−オレフ
ィンランダム共重合体に対して、チューブ、カテーテ
ル、バッグ、コンテナ等の成形体の表面に空気中の水分
が凝集して成形体を曇らせるのを防止する目的で、必要
に応じて防曇剤を配合しても良い。成形体の表面を親水
性とし、凝集した水滴を広がらせる作用を有するもので
あれば、特に制限なく使用することが可能である。
【0078】一般に防曇剤として用いられているものを
そのまま使用することが可能で、例えば、ソルビタンモ
ノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノベヘネート、ソルビタンモノステアレート等のソルビ
タン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレート、グリセ
リンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;
ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンセスキラウレ
ート、ジグリセリンセスキオレート、テトラグリセリン
モノオレート、テトラグリセリンモノステアレート、ヘ
キサグリセリンジモノラウレート、ヘキサグリセリンモ
ノオレート、デカグリセリンモノオレート、デカグリセ
リンモノラウレート等のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキ
シアルキレンエーテル;ラウリルジエタノールアミン等
の脂肪酸アミン;オレインサンアミド等の脂肪酸アミド
等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。こ
れらの中では、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンエーテル、
脂肪酸アミンが好ましい。
【0079】これらの防曇剤は、1種類または2種類以
上を組み合わせても良い。防曇剤を2種類以上用いるこ
とにより、初期の防曇性と防曇持続性バランスに優れ、
防曇性が発現する温度領域が広くなるという効果が得ら
れる。
【0080】防曇剤の組み合わせとしては、例えば、脂
肪族アミンとグリセリン脂肪族エステルとの組み合わ
せ、脂肪族アミンとグリセリン脂肪酸エステルとポリグ
リセリン脂肪酸エステルの組み合わせが挙げられる。防
曇剤の配合量は、樹脂組成物(B)100重量部に対し
て、0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量
部、より好ましくは1〜5重量部である。
【0081】本発明の、芳香族ビニル化合物−α−オレ
フィンランダム共重合体からなる組成物に対して、必要
に応じて核剤を配合しても良い。核剤を配合することに
より、芳香族ビニル化合物−α−オレフィンランダム共
重合体の結晶粒子を微細化し、結晶化速度を速めること
により、透明性に優れた成形体の高速成形が可能とな
る。
【0082】配合する核剤としては公知のものが使用で
きる。例えば、ロジン系核剤、有機リン酸系核剤、ソル
ビトール系核剤、芳香族カルボン酸系核剤、高融点ポリ
マー系核剤、無機系核剤などが挙げられる。好ましくは
ロジン系核剤で、具体的にはガムロジン、トール油ロジ
ン、ウッドロジン等の天然ロジン;不均化ロジン、水素
化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸変性ロジン、等の各種変性ロジ
ン;上記天然ロジンの精製物、上記変性ロジンの精製物
などが挙げられる。配合量は樹脂組成物(B)100重
量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜
5重量部である。
【0083】本発明の樹脂組成物(B)は、その性能を
損なわない範囲内で酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、着色剤の各種添加剤を添加することができる。これ
らの添加剤の使用量は、通常樹脂100重量部に対して
0.01〜5重量部の範囲である。また本発明の樹脂組
成物(B)は、水添クマロン・インデン樹脂、水添ロジ
ン樹脂、水添テルペン樹脂、脂環族系水添石油樹脂など
の水添系樹脂やオレフィン及びジオレフィン重合体から
なる脂肪属系樹脂などの粘着付与樹脂も添加することが
できる。これらの粘着付与樹脂の使用量は、樹脂組成物
(B)100重量部に対して200重量部以下となる範
囲である。
【0084】気道、気管、消化管、尿道、血管、その他
の体腔あるいは組織中に挿入されるカテーテル等の医療
用具は、組織を損傷させず、また目的部位まで確実に挿
入することを可能とする円滑性が要求され、更に組織内
に留置している間に摩擦によって粘膜を損傷したり、炎
症を引き起こしたりすることを避けるために、表面に優
れた潤滑性が必要な場合には、基材表面全体に潤滑性樹
脂の被覆を形成しても良い。例えば、無水マレイン酸系
高分子等の水溶性高分子を共有結合させて、被覆を形成
させることができる。
【0085】本発明の樹脂組成物(B)、およびそれか
ら得られる成形体、医療用具、容器は、柔軟性に優れる
と共に透明性に優れる。中でも透明性は、厚さ1mmの
シートとしたとき、そのヘイズ(HAZE)値が20%
以下であり、非常に優れている。また、本発明の樹脂組
成物(B)、成形体、医療用具は、ガンマ線滅菌、エチ
レンオキサイドガス(EOG)等の滅菌法を適用するこ
ともできる。さらに本発明の樹脂組成物(B)、成形
体、医療用具は、生体適合性が良好である。特に血液適
合性に優れ、例えば、本発明の医療用具の1例であるカ
テーテルを静脈内に1週間留置した場合、血小板やフィ
ブリン等の血液成分の該カテーテルへの付着量は軟質塩
化ビニルやポリウレタンからなる従来のカテーテルと同
等以下にすることも可能である。また、特に血管内に挿
入される用途の場合には、表面に抗血栓性を付与しても
よい。抗血栓性を付与する方法としては、公知の方法を
用いることができ、例えば、カテーテル基材の反応性官
能基にヘパリンやウロキナーゼ等を共有結合、イオン結
合、吸着等によって固定化することができる。
【0086】本発明の樹脂組成物(B)を得るために原
料を混合する場合、その方法としては、特に制限はな
く、公知の手法を用いることができる。例えば、ヘンシ
ェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、
タンブラー等でドライブレンドを行うことも可能であ
り、1軸または2軸の押出機、バンバリーミキサー、プ
ラストミル、コニーダー、ロール等で溶融混合を行って
もよい。必要に応じて、窒素等の不活性ガス雰囲気下で
行うこともできる。得られる樹脂組成物(B)の形状に
特に制限はないが、ペレット状、シート状、ストランド
状、チップ状等を挙げることができる。また、溶融混練
後、直接成形品とすることもできる。溶液状態の重合体
に原材料を混合後、溶剤を除去する方法も使用可能であ
る。さらには、ドライブレンド法、多段重合法等の複数
の重合缶を用いる方法、特性の異なる複数種の触媒を併
用する方法、モノマー、分子量調整剤等を反応中に適宜
後添する方法等がある。
【0087】本発明の樹脂組成物(B)の成形方法に特
に制限は無いが、押出成形、射出成形、圧縮成型、ブロ
ー成形、回転成形、カレンダー成形、熱成形、キャスト
成形等公知の成形法により好適に得ることができる。こ
れらの複数の成形法を組み合わせて成形することも可能
である。
【0088】いずれの成形法においても、原理としては
材料を加熱し、溶融あるいは軟化状態にして、外力によ
って変形し、希望の形状に成形する方法であって、材料
の流動性、外力による変形過程の挙動が成形体の物性に
影響する。これら成形性を向上する上においても可塑剤
の添加が有効となる。
【0089】本発明の成形体および医療用具、容器は、
上記の特徴を生かして、例えば、体内留置型カテーテル
やバルーンカテーテル等のカテーテル、人工血管、血液
回路、シリンジ、人工透析器、血液成分分離器、人工
肺、創傷被覆材等の医療用具として、また、生理用品、
紙おむつ等の衛生材料;手術用衣、病院用ディスポーザ
ブルシーツ等の医療用品として使用される。これらの中
でも、優れた生体適合性を生かして、医療用チューブ、
カテーテル、人工血管、血液回路、シリンジ、血液透析
器、血液成分分離器、人工肺など、体液、中でも血液と
接触するようにして使用される医療用具として好適に使
用される。なお、これらの医療用具は、すべての部分が
本発明の樹脂組成物(B)から形成されている必要はな
く、少なくとも体液と接触する部分が本発明の樹脂組成
物(B)から形成されていればよい。例えば、上記のチ
ューブやカテーテルや血液バッグなどでは、体液と接触
する部分を本発明の樹脂組成物(B)で形成し、体液と
接触しない部分をポリウレタンなどの医療用に用いられ
る他の樹脂で形成しても良い。また、本発明の成形体は
上記の医療用途の他に包装用分野をはじめとして優れた
柔軟性及び透明性が要求される分野においても使用する
ことができる。
【0090】医療用具について、更に具体的に例示す
る。 A.血管造影用カテーテル、脳血管治療用カテーテル、
サーモダイリューションカテーテル、IVHカテーテ
ル、留置針等の血管内挿入または留置用カテーテル類、
あるいはこれらカテーテル用のダイレーター、スタイレ
ット、イントロデューサー、ガイドワイヤー。
【0091】B.各種バルーンまたはバルーンカテーテ
ル。
【0092】C.胃管カテーテル、栄養カテーテル、経
管栄養用チューブなどの経口または経鼻的に消化器官内
に挿入または留置されるカテーテル類。
【0093】D.酸素カテーテル、酸素カヌラ、気管内
チューブのチューブやカフ、気管切開チューブのチュー
ブやカフ、気管内吸引カテーテル等の経口または経鼻的
に挿入ないし、留置されるカテーテル類。
【0094】E.吸引カテーテル、廃液カテーテル、腹
腔カテーテル、直腸カテーテル、尿道カテーテル、トロ
カール管等の各種体腔または組織内に挿入または留置さ
れるカテーテル類。
【0095】F.各種体腔内に挿入される内視鏡用チュ
ーブ。
【0096】G.ステント類や、人工血管、人工気管、
人工気管支、人工肛門等。
【0097】H.人工肺、人工心臓、人工腎臓、リザー
バ、バブルトラップ、ドリップチャンバ等の各種医療器
具や、血液流路を形成する回路チューブ等の体外循環回
路を構成する部材。
【0098】I.輸液バッグ、注液バッグ、廃液バッグ
等のバッグ類またはこれらに接続されるチューブ、コネ
クタ等の部材。
【0099】J.体内留置時、摺動時に低摩擦抵抗(潤
滑性)を要求される検査器具、治療器具、抗血栓性を要
求される検査器具、治療器具。
【0100】K.各種送気チューブ、送液チューブ。
【0101】L.コンタクトレンズ。
【0102】
【実施例】以下、本発明を実施例にてさらに詳しく説明
するが、これらの実施例は本発明を限定するものではな
い。なお、以下の説明でIndは1−インデニル基を,
BIndは4,5−ベンゾ−1−インデニル基を、Cp
Phenは3−シクロペンタ〔c〕フェナンスレン基
を、Fluは9−フルオレニル基を、Meはメチル基
を、Etはエチル基を、tBuはターシャリー−ブチル
基を、Phはフェニル基を表す。成形体の機械的強度、
柔軟性、透明性はそれぞれ以下の方法により測定した。
【0103】各実験例、比較例で得られた共重合体の分
析は以下の手段によって実施し、13C−NMRスペクト
ルは、日本電子社製α−500またはJNMGX−27
0を使用し、重クロロホルム溶媒または重1,1,2,
2−テトラクロロエタン溶媒を用い、TMSを基準とし
て測定した。ここでいうTMSを基準とした測定は以下
のような測定である。先ずTMSを基準として重1,
1,2,2−テトラクロロエタンの3重線13C−NMR
ピークの中心ピークのシフト値を決めた。次いで共重合
体を重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解して
13C−NMRを測定し、各ピークシフト値を、重1,
1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中心ピークを
基準として算出した。重1,1,2,2−テトラクロロ
エタンの3重線中心ピークのシフト値は73.89pp
mであった。ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペ
クトル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカ
ップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、
繰り返し時間5秒を標準として行った。ちなみに、同一
条件で、但し繰り返し時間を1.5秒に変更して測定し
てみたが、共重合体のピーク面積定量値は、繰り返し時
間5秒の場合と測定誤差範囲内で一致した。共重合体中
のスチレン含量の決定は、1H−NMRで行い、機器は
日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−
250を用いた。重クロロホルム溶媒または、重1,
1,2,2−テトラクロロエタン溶媒を用いTMSを基
準として、フェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜
7.5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク
(0.8〜3ppm)の強度比較で行った。実施例中の
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子
量を求めた。室温でTHFに可溶な共重合体は、THF
を溶媒とし、東ソー社製HLC−8020を用い測定し
た。室温でTHFに不溶な共重合体は、1,2,4−ト
リクロロベンゼンを溶媒として、Waters社製15
0CV装置を用い、135℃で測定した。DSC測定
は、セイコー電子社製DSC200を用い、N2気流下
昇温速度10℃/minで行った。
【0104】実施例で得られた樹脂組成物の機械的強
度、柔軟性、透明性、及び生体適合性はそれぞれ以下の
方法により測定した。 <成形体の機械的強度>厚さ1mmのシートを作製し、
このシートからJIS−2号型テストピースを打ち抜
き、テンシロンRTM−1T型引張試験機を用い、引張
速度100mm/minにて破断強度(kg/cm2
を求め、機械的強度の指標とした。 <成形体の柔軟性>厚さ3mmのシートを作製し、JI
S−K−7215に従って、硬度の測定を行い、柔軟性
の指標とした。 <成形体の透明性>厚さ1mmのシートを作製し、JI
S−K−7361−1に規定された方法で、日本電色社
濁度計NDH−2000を用いHAZEメーターにより
HAZE値を測定し、透明性の指標とした。
【0105】<血液適合性>厚さ1mmのシートを作製
し、得られたシートを1cm×1cmの大きさに切断し
てテストピースを作製する。このテストピースを、採血
後のヒト血液にヘパリンナトリウム塩を5IU/mlの
濃度になるように添加して調製したヘパリン添加全血に
37℃で30分間浸漬した。テストピースをヘパリン添
加全血から取り出し、生理食塩水で洗浄した後、グルタ
ルアルデヒド及び酸化オスミウムを用いて表面を処理す
ることによって固定化し、得られた資料を電子顕微鏡を
用いて観察することにより、テストピースの表面に付着
した血小板数を求め、血液適合性の指標とする。試験片
の表面に付着した血小板が少ないほど、血液適合性は良
好である。
【0106】合成例 <遷移金属化合物の合成A>下式のrac−ジメチルメ
チレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、(別名、rac−イソプロピリデ
ンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロライド、rac{BInd−C(Me)2−B
Ind}ZrCl2)は以下の合成法で合成した。
【0107】
【化20】
【0108】4,5−ベンゾインデンはOrganom
etallics,13,964(1994)に従って
合成した。
【0109】A−1 1,1−イソプロピリデン−4,
5−ベンゾインデンの合成 1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデンの
合成は、Can.J.Chem.,62,1751(1
984)に記載されている6,6−ジフェニルフルベン
の合成を参考に行った。ただし、出発原料はベンゾフェ
ノンの代わりにアセトンを、シクロペンタジエンの代わ
りに4,5−ベンゾインデンを用いた。
【0110】A−2 イソプロピリデンビス4,5−ベ
ンゾ−1−インデンの合成 Ar雰囲気下、21mmolの4,5−ベンゾインデン
を70mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLi
を加え、3時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−
4,5−ベンゾインデン21mmolを溶解したTHF
を加え、室温で一晩攪拌した。水100ml、ジエチル
エーテル150mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和
食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧
下、留去した。得られた黄色固体をヘキサンで洗浄、乾
燥しイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデ
ンを3.6g(収率46%)得た。1H−NMRスペク
トル測定により、7.2〜8.0ppm(m、12
H)、6.65ppm(2H)、3.75ppm(4
H)、1.84ppm(6H)の位置にピークを有す
る。測定はTMSを基準とし、CDCl3を溶媒として
行なった。
【0111】A−3 rac−ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロライドの合成 Ar雰囲気下、7.6mmolのイソプロピリデンビス
4,5−ベンゾ−1−インデンと7.2mmolのジル
コニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(NM
24}をトルエン50mlとともに仕込み、130℃
で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩化
メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジメ
チルアミン塩酸塩14.4mmolをゆっくり加え室温
にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、得
られた固体をペンタン、続いて少量のTHFで洗浄し、
下記の式で表される黄燈色のrac−ジメチルメチレン
ビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロライドを0.84g(収率21%)得た。
【0112】
【化21】
【0113】1H−NMRスペクトル測定により、8.
01ppm(m、2H)、7.75ppm(m、2
H)、7.69ppm(d、2H)、7.48〜7.5
8ppm(m、4H)、7.38ppm(d、2H)、
7.19ppm(d、2H)、6.26ppm(d、2
H)、2.42ppm(s、6H)の位置にピークを有
する。測定はTMSを基準とし、CDCl3を溶媒とし
て行なった。元素分析装置1108型(イタリア、ファ
イソンズ社製)を用いて元素分析を行い、C63.86
%、H3.98%の結果を得た。理論値はC65.39
%、H4.16%である。
【0114】<遷移金属化合物の合成B>rac−ジメ
チルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(1
−インデニル)ジルコニウムジクロライド、(別名、r
ac−イソプロピリデン(1−インデニル)(4,5−
ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、
rac{Ind−C(Me)2−BInd}ZrCl2
は以下の合成法で合成した。
【0115】
【化22】
【0116】B−1 イソプロピリデン(1−インデ
ン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)の合成 Ar雰囲気下、14mmolのインデンを50mlのT
HFに溶解し、0℃で、当量のBuLiを加え、10時
間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−4,5−ベン
ゾインデン13mmolを溶解したTHF10mlを加
え、室温で一晩攪拌した。水50ml、ジエチルエーテ
ル100mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和食塩水
で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下、留去
した。カラムでさらに精製し、イソプロピリデン(1−
インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)を2.5
g(収率59%)得た。
【0117】B−2 rac−ジメチルメチレン(1−
インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリドの合成 Ar雰囲気下、6.5mmolのイソプロピリデン(1
−インデン)(4,5−ベンゾ−1−インデン)と6.
5mmolのジルコニウムテトラキスジメチルアミド、
{Zr(NMe24}をトルエン40mlとともに仕込
み、130℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを
留去し、塩化メチレン100mlを加え、−78℃に冷
却した。ジメチルアミン塩酸塩13mmolをゆっくり
加え室温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留
去後、得られた固体をペンタン、続いて少量の塩化メチ
レンで洗浄し、燈色のrac−ジメチルメチレン(1−
インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリドを0.76g(収率24%)得た。
【0118】
【化23】
【0119】1H−NMRスペクトル測定により、7.
05〜8.04ppm(m、10H、但し、7.17p
pmのピークを除く)、7.17ppm(d、H)、
6.73ppm(d、H)、6.25ppm(d、
H)、6.18ppm(d、H)、2.41ppm
(m、3H)、2.37ppm(m、3H)の位置にピ
ークを有する。測定はTMSを基準とし、CDCl3
溶媒として行なった。
【0120】<遷移金属触媒成分の合成C>下式のra
c−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フ
ェナンスリル)ジルコニウムジクロライド(別名、ra
c{CpPhen−CMe2−CpPhen}ZrC
2)は以下のように合成した。なお、CpPhenは
3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)を表す。
【0121】
【化24】
【0122】1Hまたは3H−シクロペンタ[c]フェナ
ンスレンは、文献Organometallics,
,3413(1997)の方法に従い合成した。
【0123】C−1 イソプロピリデンビス(シクロペ
ンタ[c]フェナンスレン) Ar雰囲気下、32mmolの1Hまたは3H−シクロ
ペンタ[c]フェナンスレンを水酸化カリウム3.0gを
懸濁した40mlのジメトキシエタンに添加し、室温で
30分間攪拌後、アセトンを15mmol加え、60℃
で2時間攪拌した。10%リン酸水を加え中和した後に
塩化メチレンで抽出し、有機相を水洗、乾燥し、塩化メ
チレンを留去した。塩化メチレン−ジエチルエ−テル溶
液中からの再結晶化により、白色結晶イソプロピリデン
ビス(シクロペンタ[c]フェナンスレン)を1.5g得
た。1H−NMRスペクトル測定により、1.93pp
m(6H、s)、4.20ppm(4H、d)、6.8
9ppm(2H、t)、7.5〜7.9ppm(14
H、m)、8.91ppm(2H、d)の位置にピーク
を有する。測定は、TMSを基準としCDCl3を溶媒
として行なった。
【0124】C−2 rac−ジメチルメチレンビス
(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロライドの合成 Ar気流下、2.0mmolのイソプロピリデンビス
(シクロペンタ[c]フェナンスレン)と2.0mmol
のジルコニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(N
Me24}をトルエン20mlとともに仕込み、リフラ
ックス下7時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、
塩化メチレン50mlを加え、−50℃に冷却した。ジ
メチルアミン塩酸塩4.0mmolをゆっくり加え室温
にゆっくり昇温し、さらに2時間攪拌した。溶媒を留去
後、得られた固体をペンタン、続いて少量の塩化メチレ
ンで洗浄し、meso体及び配位子を除去し、rac−
ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナ
ンスリル)ジルコニウムジクロライドの黄燈色結晶を
0.36g得た。1H−NMRスペクトル測定により、
2.55ppm(6H、s)、6.49ppm(2H、
d)、7.55〜8.02ppm(16H、m)、8.
82ppm(2H、d)の位置にピークを有する。測定
は、TMSを基準としCDCl3を溶媒として行なっ
た。
【0125】<スチレン−エチレンランダム共重合体の
合成> <実験例1> 共重合体P−1の合成 容量150L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付きの
重合缶を用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン
80L、脱水したスチレン2Lを仕込み、内温40℃に
て加熱攪拌した。トリイソブチルアルミニウム84mm
ol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製MMAO
−3A)をAl基準で840mmol加えた。直ちにエ
チレンを導入し、圧力1MPaで安定した後に、重合缶
上に設置した触媒タンクから、前記合成例で得た触媒r
ac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド79μmolを溶
解したトルエン溶液約100mLを重合缶に加えた。直
ちに発熱が始まったため、ジャケットに冷却水を導入し
た。内温は最高71℃まで上昇。その後徐々に降下し、
最終的に70℃となった。エチレン圧は1MPaに維持
しながら3時間重合を実施した。激しく攪拌し、85℃
に加熱した分散剤を含む150Lの加熱水中に、重合液
を1時間かけてフィードした。その後、97℃で1時間
攪拌した後に、クラムを含む熱水を冷水中にフィードし
て、クラムを回収した。得られたクラムを50℃で送風
乾燥した。重合の結果を表2に示した。乾燥されたクラ
ムは、ホットカットペレタイザー付きタンデム押出機
(ビュッス社コニーダーPLK−46)にてペレット形
状とした。運転は下記条件でおこなった。 第1押出機:シリンダー温度80℃、スクリュー回転数
120rpm。 第2押出機:シリンダー温度120℃、ダイス135
℃、スクリュー回転数22rpm。
【0126】<実験例2〜4> 共重合体P−2〜P−4の合成 表1に示す条件で、実験例1と同様に重合、後処理を行
った。表2に各実験例、比較実験例で得られた共重合体
1H−NMR測定から求めたスチレン含量、GPC測
定から得られた分子量、分子量分布、13C−NMR測定
から求めたスチレンーエチレン交互構造のタクティシテ
ィ、λ値、θ値、DSC測定で得られた融点を示す。
【0127】<実験例5> 共重合体P−5の合成 容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオー
トクレーブを用いて重合を行った。脱水したトルエン2
400ml、脱水したスチレン2400mlを仕込み、
内温50℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリン
グして系内をパージし、トリイソブチルアルミニウム
(TIBA)8.4mmol、メチルアルモキサン(東
ソーアクゾ社製、PMAO)をAl基準で8.4mmo
l加えた。ただちにエチレンを導入し、圧力10Kg/
cm2 Gで安定した後に、オートクレーブ上に設置した
触媒タンクから、触媒rac{CpPhen−C(M
e)2−CpPhen}ZrCl2を8.4μmol、ト
リイソブチルアルミニウム8.4mmolを溶かしたト
ルエン溶液約50mlをオートクレーブに加えた。内温
を50℃、エチレン圧を10Kg/cm2G(1.1M
Pa)に維持しながら1時間重合を実施した。重合中
は、反応液温及びエチレンの消費速度を流量積算計によ
りモニターして、重合反応が実質的に終了するまで重合
を実施した。重合終了後、得られた重合液を激しく攪拌
した過剰のメタノール中に少量ずつ投入し生成したポリ
マーを析出させた。減圧下、60℃で重量変化が認めら
れなくなるまで乾燥したところ、スチレン含量17.4
モル%の共重合体409gを得た。結果を表2に示し
た。
【0128】<実験例6> 共重合体CP−1の合成 用いる錯体をCGCT(拘束幾何構造)型Ti錯体(第
3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シ
クロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(Me
4Cp−SiMe2−NtBuTiCl2:CGCT型触
媒)を用い、表1に示す条件下、重合を実施した。
【0129】<実施例1〜6>実験例1〜6で得られた
樹脂組成物を210℃で厚さ1〜3mmの厚さにプレス
成形して、機械的強度、柔軟性、透明性および永久伸び
を評価した。その結果を表3に示す。
【0130】<実施例7〜8>実験例2で得られた共重
合体樹脂組成物P−2及びP−4と、それぞれ可塑剤と
してフタル酸ジ−n−デシル(DnDP)を、二軸溶融
混練押出機を用いて、重量比80:20の割合で160
〜170#Cの温度範囲で混練して押出されたストランド
を水冷、カッティングし、乾燥してペレット状重合体組
成物を得た。得られた樹脂組成物を上記と同様に評価し
た。その結果は表3に示す。
【0131】<比較例1>厚さ1mmの軟質塩化ビニル
シートを1cm×1cmの大きさに切断して作製したテ
ストピースを使用し、上記の方法により血液適合性を評
価した。
【0132】実施例1〜8の樹脂組成物についても上記
の方法により血液適合性を評価した。実施例1〜8のい
ずれの樹脂組成物からのシートにおいても、軟質塩化ビ
ニル(比較例1)と同程度以下の血小板が観察された。
【0133】<実施例9〜16、比較例2>実施例1〜
8で得られた共重合体樹脂組成物および軟質塩化ビニル
をチューブ状に押出成形することにより、長さ30c
m、外径2.6mm、内径1.6mmのカテーテルを作
製した(それぞれ実施例9〜16および比較例2とし
た)。得られたカテーテルをそれぞれウサギ頚静脈中に
挿入して7日間留置した。なお、この際、カテーテルの
内部には生理食塩水を満たし、静脈より体外に出ている
方の端部は封印した。カテーテルをウサギ頚静脈から取
り出し、生理食塩水で洗浄した後、グルタルアルデヒド
および酸化オスミウムで表面を処理することによって固
定化し、肉眼及び電子顕微鏡でカテーテルの外表面を観
察した。カテーテルの外表面に対して、実施例9〜16
いずれの樹脂組成物からのチューブにおいても、軟質塩
化ビニル(比較例3)と同程度以下のフィブリン及び血
小板が観察された。
【0134】<実施例17及び18>実験例2及び4で
得られた共重合体樹脂組成物を押出成形、ヒートシール
することによって、15cm×10cm、厚さ0.5m
mのバッグを作製した。得られたバッグの中に血小板の
濃度が5IU/mlの濃度になるように調整した血小板
濃厚液を入れ、25℃で72時間振盪した。血小板濃厚
液をバッグから取り出し、その血小板凝集能を測定した
ところどちらの樹脂組成物から製造したバッグ中に入れ
て振盪した場合も、コラーゲン添加時の血小板凝集能は
50%であり、血小板の凝集能が良好に保持されてい
た。このことから、実験例2及び4で得られた樹脂組成
物からるバッグは血液適合性が良好であることが分か
る。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
【発明の効果】本発明において、柔軟性、可撓性、透明
性に優れ、適度な弾力を有する樹脂組成物および、それ
を成形して得られる成形体および医療用具、容器が提供
される。本発明によって得られる樹脂組成物、成形体
は、優れた柔軟性、透明性、適度な弾力性を示すので極
めて有用であり、中でも医療分野において好適に使用さ
れる。また、本発明の成形体および医療用具、容器は生
体適合性、中でも血液適合性を示すので、体液と接触す
るようにして使用される医療用チューブ、医療用カテー
テル、輸液バッグ、人工血管、血液回路、シリンジ、血
液透析器、血液成分分離器、人工肺等の医療用具、容器
として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/01 C08K 5/01 4J002 5/10 5/10 4J028 5/1515 5/15 B 4J100 5/51 5/51 4J128 C08L 23/02 C08L 23/02 C09K 3/18 C09K 3/18 // B29C 45/00 B29C 45/00 47/00 47/00 49/00 49/00 51/00 51/00 B29K 25:00 B29K 25:00 Fターム(参考) 4C081 AB13 AB32 AC05 AC07 AC08 AC09 AC12 AC13 AC14 AC15 BA02 BB03 BB04 BB07 BC03 CA021 CA022 CA031 CA032 CA052 CA082 CA122 CA162 CA182 CA202 CA232 CA282 CB052 CC01 CC02 CC08 CE07 CE11 DA03 DC12 EA03 4F206 AA13E AH63 JA07 4F207 AA13E AH63 KA01 KA17 KW23 KW50 4F208 AA13E AH63 LA01 LB01 4H020 AA04 AA05 AA06 AB02 4J002 BB01X BB06X BB10W BC03X BC04W BG02X CF06X CF07X CG00X CH07X CL01X CL03X CN01X EH057 EH096 EH146 EN107 EP007 EW046 FD026 FD207 GB01 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC10A AC28A BA01B BB00B BB01B BC12B BC25B EA01 EB02 EB21 EC02 FA01 FA02 FA04 FA07 GA06 GA14 4J100 AA02P AA03P AA04P AA16P AA17P AA19P AB02P AB03P AB04P AB08P AB16P AR11P AR21P CA04 CA11 CA25 DA41 FA10 JA51 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC10 AC28 AD00 BA01B BB00B BB01B BC12B BC25B EA01 EB02 EB21 EC02 FA01 FA02 FA04 FA07 GA06 GA14

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル化合物含量がモル分率で1
    〜99.9%未満の芳香族ビニル化合物−α−オレフィ
    ンランダム共重合体を5重量%以上含む樹脂組成物
    (A)100重量部と可塑剤0〜300重量部を含む樹
    脂組成物(B)。
  2. 【請求項2】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が2個以上の芳香族ビニル化合物ユニッ
    トからなるヘッド−テイル連鎖構造を有することを特徴
    とする請求項1記載の樹脂組成物(B)。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体を80重量%以上含む樹脂組成物(A)
    を用いることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂
    組成物(B)。
  4. 【請求項4】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が芳香族ビニル化合物−エチレンランダ
    ム共重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か1項記載の樹脂組成物(B)。
  5. 【請求項5】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が、その構造中に含まれる下記の一般式
    (1)で示される芳香族ビニル化合物とエチレンの交互
    構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイ
    アッド分率mで0.75より大きい芳香族ビニル化合物
    −エチレンランダム共重合体であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物(B)。 【化1】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、Xは繰り返し
    単位数を示し2以上の整数を表わす。)
  6. 【請求項6】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が、下記の式(i)で与えられる交互構
    造指数λが70より小さく、1より大きい芳香族ビニル
    化合物−エチレンランダム共重合体であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物
    (B)。 λ=A3/A2×100 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記
    の一般式(1’)で示される芳香族ビニル化合物−エチ
    レン交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面
    積の総和である。またA2はTMSを基準とした13C−
    NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メ
    チレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総
    和である。 【化2】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、Xは繰り返し
    単位数を示し2以上の整数を表わす。)
  7. 【請求項7】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が、TMSを基準とした13C−NMR測
    定により芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造に由来
    する主鎖メチン及びメチレンのピークが40〜41pp
    m及び/または42〜44ppmに現れる芳香族ビニル
    化合物−エチレンランダム共重合体であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂組成物
    (B)。
  8. 【請求項8】 芳香族ビニル化合物−α−オレフィンラ
    ンダム共重合体が、下記の一般式(2)で表される重合
    用遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒により製
    造される共重合体であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項記載の樹脂組成物(B)。 【化3】 式中、A、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナ
    ンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、
    非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換も
    しくは置換インデニル基または非置換もしくは置換フル
    オレニル基から選ばれる基であり、少なくともA、Bの
    うちの一方は、置換もしくは置換シクロペンタフェナン
    スリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、ま
    たは非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基で
    ある。A、B共に非置換もしくは置換シクロペンタフェ
    ナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル
    基、または非置換もしくは置換インデニル基である場合
    は、両者の構造は同一でも異なっていてもよい。Yは
    A、Bと結合を有し、他に水素もしくは炭素数1〜15
    の炭化水素基を有するメチレン基、シリレン基またはエ
    チレン基である。置換基は互いに異なっていても同一で
    もよい。Xは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアル
    キル基、炭素数6〜10のアリル基、炭素数8〜12の
    アルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を
    有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、また
    は炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジアリルアミ
    ド基である。MはZr、HfまたはTiである。
  9. 【請求項9】 芳香族ビニル化合物−エチレンランダム
    共重合体の芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖構造の立
    体規則性がアイソタクティクであることを特徴とする請
    求項4〜8いずれか1項記載の樹脂組成物(B)。
  10. 【請求項10】 オレフィン系樹脂およびスチレン系樹
    脂から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂を含むことを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の樹脂組成
    物(B)。
  11. 【請求項11】 可塑剤がフタル酸エステル化合物、ピ
    ロメリット酸エステル化合物、トリメリット酸エステル
    化合物、トリメシン酸エステル化合物、安息香酸エステ
    ル化合物、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステ
    ル、セバシン酸エステル、リン酸エステル化合物、エポ
    キシ化合物、ポリエステル化合物、および炭化水素オイ
    ルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか1項記載の樹脂組成物
    (B)。
  12. 【請求項12】 ヘイズ(HAZE)値が20%以下の
    透明性を有することを特徴とする請求項1〜11のいず
    れか1項記載の樹脂組成物(B)。
  13. 【請求項13】 防曇性を付与したことを特徴とする請
    求項1〜12のいずれか1項記載の樹脂組成物(B)。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    樹脂組成物(B)を成形してなることを特徴とする成形
    体。
  15. 【請求項15】 押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロ
    ー成形、回転成形、カレンダー成形、熱成形およびキャ
    スト成形から選ばれた少なくとも1種の成形法で得られ
    ることを特徴とする請求項14記載の成形体。
  16. 【請求項16】 請求項14または15記載の成形体か
    らなることを特徴とする医療用具。
  17. 【請求項17】 請求項14または15記載の成形体か
    らなることを特徴とする医療用容器。
  18. 【請求項18】 チューブ、カテーテル、血液回路、輸
    液バッグまたは透析バッグである請求項16記載の医療
    用具。
  19. 【請求項19】 表面に抗血栓性を付与したチューブ、
    カテーテルまたは血液回路である請求項16記載の医療
    用具。
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