JP2001316431A - 医療用成形体 - Google Patents

医療用成形体

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JP2001316431A
JP2001316431A JP2000135020A JP2000135020A JP2001316431A JP 2001316431 A JP2001316431 A JP 2001316431A JP 2000135020 A JP2000135020 A JP 2000135020A JP 2000135020 A JP2000135020 A JP 2000135020A JP 2001316431 A JP2001316431 A JP 2001316431A
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cross
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Yukiko Nishitoba
由貴子 西鳥羽
Takeshi Oda
威 尾田
Toru Arai
亨 荒井
Yoshihiro Sai
善宏 斉
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】医療用途として要求される柔軟性、可撓性に加
え、耐放射線性、血液適合性に優れた医療用成形体を提
供すること。 【解決手段】オレフィン−スチレン−ジエン共重合体1
00重量部に対し、ビニル化合物5〜150重量部をク
ロス化重合したオレフィン−スチレン−ジエン共重合体
を10重量%以上含有してなる医療用成形体。クロス化
重合は、アニオン、ラジカルまたはカチオン重合開始剤
または配位重合触媒を用いて製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適度の伸び、弾
性、及び粘着性を有するビニル化合物クロス化オレフィ
ン−スチレン−ジエン共重合体を含有する、柔軟性、可
撓性、耐放射線性、防曇性および生体適合性に優れたバ
ランスの取れた性能を有し、しかも焼却時に塩素化合物
をガスとして発生することがない医療用成形体を提供す
る物である。
【0002】
【従来の技術】一般に点滴注射に用いられるチューブ、
カテーテル、血液回路等や、血液、輸液及び透析等のバ
ッグ類、容器等の医療用成形体は、柔軟性、可撓性に加
えて耐放射線性、生体適合性、とくに血液適合性に優れ
ることが要求される。更に操作に耐えうる強度も求めら
れる。特にチューブにおいては適度の伸び弾性及び粘着
性を有し、いわゆるコシがあることが求められる。従
来、これらの性質を兼ね備えた素材である軟質塩ビを用
いて製造されることが多い。また、近年では医療用成形
体のディスポーザブル化が進められてきており、バイオ
ハザード防止のために使用後に焼却処理されることが多
くなってきている。軟質塩ビを使用した医療用成形体は
焼却時に塩素化合物をガスとして発生するため環境への
負荷が考慮されてきており、軟質塩ビ製の医療用成形体
は代替が検討されている。
【0003】塩素を含まないフィルム、チューブとして
線状低密度エチレン−α−オレフィン系共重合体からな
る医療用成形体が知られているが、上記の条件を充分に
満たす医療用成形体はまだ出現していない。
【0004】柔軟性に優れ、医療用に適した成形体を与
える樹脂組成物として、特開平4−159344号公報
には、オレフィン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物及びスチレン−イソプレンブロ
ック共重合体の水素添加物からなる樹脂組成物が提案さ
れている。この樹脂組成物は柔軟性に優れた成形体を与
え、しかも成形体を焼却しても有毒ガスの発生を伴わな
いという特徴を有している。しかしながら、かかる樹脂
組成物を用いて得られる成形体は軟質塩ビに比べコスト
的に不利でありディスポーザブル化には向かない。
【0005】ほかに非軟質塩ビ樹脂、具体的にはスチレ
ン系エラストマー、ポリプロピレンなどから構成された
組成物とクエン酸エステルの組成物よりなる組成物が赤
血球の溶血を抑制する働きがある旨が、特表平3−20
2298号公報に開示されており、また、熱可塑性ポリ
エステル系組成物が特開平6−319785号公報に開
示されているが、医療用成形体とした場合いずれも軟質
塩ビにおける可塑剤の溶血抑制作用と比較すると充分で
はなく実用性が乏しい。
【0006】また、カテーテルの中でも、血管内でバル
ーンを拡張した後、収縮して数日留置するバルーンカテ
ーテルにおいては、表面に弛みが出ると血流のよどみに
より血栓を生じやすいという問題点がある。消化管カテ
ーテルでは消化管のぜん動運動で繰り返し引っ張られ
る。従って、かかる用途の場合には歪みの回復性に優れ
ることが要求される。熱可塑性ポリウレタンを用いた従
来のカテーテルでは力学的特性に優れているが、歪みの
回復性が劣るという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医療
用途として要求される柔軟性、可撓性に加えて、耐放射
線性、および血液適合性を含めて生体適合性に優れ、更
に実質的に塩素を含まない、焼却時に塩素化合物ガスを
発生することがない医療用成形体を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビニル化合物クロ
ス化オレフィン−スチレン−ジエン共重合体を含有する
医療用成形体が好適であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ビニル化合物クロス化オ
レフィン−スチレン−ジエン共重合体を10重量%以上
含有してなる医療用成形体、好ましくはビニル化合物ク
ロス化オレフィン−スチレン−ジエン共重合体を50重
量%以上含む樹脂成分を加工してなる医療用成形体であ
る。本発明は、柔軟性、可撓性、透明性、耐放射線性、
および生体適合性に優れた医療用成形体を与える。
【0010】次に本発明の医療用成形体に含有されるビ
ニル化合物クロス共重合化オレフィン−スチレン−ジエ
ン共重合体(クロス共重合体)について説明する。
【0011】ここでいうクロス共重合体とは、スチレン
含量が5モル%以上96モル%以下、ジエン含量が0.
0001モル%以上3モル%以下、残部がオレフィンで
あるオレフィン−スチレン−ジエン共重合体にビニル化
合物重合体をクロス共重合化(交差共重合化)した共重
合体(本明細書においては、クロス共重合化オレフィン
−スチレン−ジエン共重合体またはクロス共重合体と記
す)であって、クロス共重合化されたクロス鎖がシンジ
オタクティク芳香族ビニル化合物重合体(シンジオタク
ティクポリスチレン)以外であるクロス共重合体であ
る。クロス鎖がシンジオタクティクポリスチレンである
共重合体はEP0911346号公報に記載がある。
【0012】また、本発明の医療用成形体が含有してい
るクロス共重合体は、下記に示す製造方法、すなわち配
位重合工程とクロス化工程により得ることができる共重
合体である。さらに、本発明の医療用成形体が含有して
いるクロス共重合体は、好ましくは図1に示す構造から
構成される、または図1に示す構造を主に含むクロス共
重合体である。すなわち、図1に示す様に主鎖オレフィ
ン−スチレン−ジエン共重合体とビニル化合物重合体と
が主鎖一点または複数点で、クロス結合(交差結合)し
ている構造を主として有する共重合体である。このよう
なクロス結合構造は、スター構造と言い換えることが出
来る。また、米国化学会POLY分科会での分類ではS
egregated StarCopolymer(P
olymer Preprints,1998、3月)
と呼ばれている。以下、主鎖オレフィン−スチレン−ジ
エン共重合体にクロス結合しているビニル化合物重合体
をクロス鎖と記述する。これに対し、図2に示す様に当
業者に公知のグラフト共重合体は、主鎖の一点または複
数点から分岐したポリマー鎖を主に有する共重合体であ
る。
【0013】ポリマー主鎖と他のポリマー鎖がクロス結
合(交差結合)するような構造(スター構造ともいえ
る)は、組成物、相溶化剤として用いられた場合、一般
的にグラフト化構造に比べ、ポリマーミクロ構造界面の
優れた強度が得られ、高い力学的物性を与えると考えら
れる。さらに、本発明の医療用成形体が含有しているク
ロス共重合体は、200℃、荷重5kgで測定したMF
Rが0.2g/10分以上、好ましくは、1.0g/1
0分以上である加工性に優れたビニル化合物クロス化オ
レフィン−スチレン−ジエン共重合体である。
【0014】本発明の医療用成形体が含有しているクロ
ス共重合体は、好ましくはオレフィンがエチレンまたは
エチレンを含む2種以上のオレフィンであるビニル化合
物クロス化オレフィン−スチレン−ジエン共重合体であ
る。また、本発明の医療用成形体が含有しているクロス
共重合体は、さらに好ましくは芳香族ビニル化合物重合
体をクロス鎖として有するビニル化合物クロス化オレフ
ィン−スチレン−ジエン共重合体である。本発明の医療
用成形体が含有しているクロス共重合体は、スチレン含
量が5モル%以上96モル%以下、ジエン含量が0.0
001モル%以上3モル%以下、残部がオレフィンであ
るオレフィン−スチレン−ジエン共重合体を用いて得ら
れるクロス共重合体である。
【0015】以下に、本発明の医療用成形体が含有して
いるクロス共重合体について詳細に説明する。本発明の
明細書において、クロス共重合物とは、下記製造方法、
すなわち、配位重合工程とクロス化工程により直接得る
ことができる、クロス共重合体を含む組成物である。
【0016】本発明の医療用成形体が含有しているクロ
ス共重合体は、以下に示す製造方法によって得ることが
できるクロス共重合体である。すなわち、配位重合工程
として、配位重合触媒を用いてスチレンモノマー、オレ
フィンモノマーとジエンモノマーの共重合を行い、オレ
フィン−スチレン−ジエン共重合体を合成し、次にクロ
ス化工程として、この共重合体とビニル化合物の共存
下、アニオン、ラジカル、カチオン重合開始剤を用いて
ビニル化合物重合体をクロス共重合化したオレフィン−
スチレン−ジエンクロス共重合体を含むオレフィン−ス
チレン−ジエンクロス共重合物を得る、2段以上の重合
工程を用いる製造方法によって得られるクロス共重合体
である。
【0017】まず、オレフィン−スチレン−ジエン共重
合体を得るための配位重合工程について説明する。配位
重合工程では、スチレンモノマー、オレフィンモノマ
ー、及びジエンモノマーをシングルサイト配位重合触媒
の存在下で共重合することによりオレフィン−スチレン
−ジエン共重合体を得る。
【0018】配位重合工程に用いられるオレフィン類と
しては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、
すなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテンや環状オレフィ
ン、すなわちシクロペンテン、ノルボルネンが挙げられ
る。好ましくは、エチレンとプロピレン、1−ブテン、
1−ヘキセン、または1−オクテン等のα−オレフィン
との混合物、プロピレン等のα−オレフィン、エチレン
が用いられ、更に好ましくは、エチレン、エチレンとα
−オレフィンの混合物が用いられ、特に好ましくは、エ
チレンが用いられる。
【0019】配位重合工程に用いられるスチレンモノマ
ーは好ましくはスチレンモノマー単独であるが、他の芳
香族ビニル化合物例えばp−クロロスチレン、p−ター
シャリ−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
ナフタレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン、
ビニルアントラセン等との混合物として用いてもよい。
また、配位重合工程に用いられるジエン類としては、配
位重合可能なジエン類が用いられる。好ましくは1,4
−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、エチリデンノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、ノルボルナジエ
ン、4−ビニル−1シクロヘキセン、3−ビニル−1シ
クロヘキセン、2−ビニル−1シクロヘキセン、1−ビ
ニル−1シクロヘキセン、オルトジビニルベンゼン、パ
ラジビニルベンゼン、メタジビニルベンゼンまたはこれ
らの混合物が挙げられる。さらに、複数の二重結合(ビ
ニル基)が単数または複数の芳香族ビニル環構造を含む
炭素数6から30の炭化水素基を介して結合しているジ
エンを用いることができる。好ましくは、二重結合(ビ
ニル基)の1つが配位重合に用いられて重合した状態に
おいて残された二重結合がアニオン重合、ラジカル重合
またはカチオン重合可能であるジエン類であり、最も好
ましくはオルト、パラ、メタの各種ジビニルベンゼン及
びその混合物が好適に用いられる。
【0020】配位重合工程において用いるジエンの量
が、モル比で、用いるスチレンの量の1/30以下1/
50000以上、好ましくは1/400以下1/200
00以上、特に好ましくは1/1000以下1/100
00以上である。これ以上のジエン濃度で配位重合工程
を実施すると、重合中にポリマーの架橋構造が多く形成
されゲル化等が起きたり、クロス化工程を経て最終的に
得られるクロス共重合物の加工性や物性が悪化するため
好ましくない。また、これ以上のジエン濃度で配位重合
工程を実施すると、配位重合液中の残留ジエン濃度が高
くなってしまうため、この重合液をクロス化工程(アニ
オン重合等)にそのまま用いた場合、架橋構造が多く発
生し、得られるクロス共重合物は同様に加工性や物性が
悪化してしまう。また、配位重合工程において得られる
オレフィン−スチレン−ジエン共重合体はスチレン含量
が5モル%以上96モル%以下、ジエン含量が0.00
01モル%以上3モル%以下、残部がオレフィンであ
り、スチレン含量が5モル%以上50モル%以下、ジエ
ン含量が0.001モル%以上0.2モル%未満、残部
がオレフィンであることがより好ましい。共重合体中の
ジエン含量がより高くなるとクロス化工程を経て最終的
に得られるクロス共重合物の加工性が悪化するため好ま
しくない。低温特性に優れたクロス共重合物を得るため
には、さらに、スチレン含量が5モル%以上25モル%
以下、好ましくはスチレン含量が5モル%以上15モル
%以下でジエン含量が0.001モル%以上0.5モル
%以下、残部がオレフィンであるオレフィン−スチレン
−ジエン共重合体が用いられる。
【0021】配位重合工程に用いられるシングルサイト
配位重合触媒としては、可溶性遷移金属触媒と助触媒か
ら構成される重合触媒、すなわち可溶性Zieglar
−Natta触媒、メチルアルモキサンや硼素化合物等
で活性化された遷移金属化合物触媒(いわゆるメタロセ
ン触媒やハーフメタロセン触媒、CGCT触媒等)が挙
げられる。
【0022】具体的には以下の文献、特許に記載されて
いる重合触媒を用いることができる。たとえば、メタロ
セン触媒では、USP5324800、特公平7−37
488号公報、特開平6−49132号公報、Poly
mer Preprints,Japan,42,22
92(1993)、Macromol.Chem.,
Rapid Commun.,17,745(199
6)、特開平9−309925号公報、EP08724
92A2号公報、特開平6−184179号公報。ハー
フメタロセン触媒では、Makromol.Chem.
191,2387(1990)。CGCT触媒では、特
開平3−163088号公報、特開平7−53618号
公報、EP−A−416815。可溶性Zieglar
−Natta触媒では、特開平3−250007号公
報、Stud.Surf.Sci.Catal.,51
7(1990)。
【0023】共重合体中に均一にジエンが含まれる、均
一な組成を有するオレフィン−スチレン−ジエン共重合
体がクロス共重合体を得るためには好適に用いられる
が、このような均一な組成の共重合体を得るためには、
Zieglar−Natta触媒では困難であり、シン
グルサイト配位重合触媒が好ましく用いられる。シング
ルサイト配位重合触媒とは、可溶性遷移金属触媒と助触
媒から構成される重合触媒で、メチルアルモキサンや硼
素化合物等で活性化された遷移金属化合物触媒(いわゆ
るメタロセン触媒やハーフメタロセン触媒、CGCT触
媒等)から構成される重合触媒である。
【0024】配位重合工程において、最も好適に用いら
れる配位重合触媒は、前記化学式(化1)で表される遷
移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒である。
前記の化学式(化1)で表される遷移金属化合物と助触
媒から構成される重合触媒を用いた場合、ジエン類特に
ジビニルベンゼンを高い効率でポリマーに共重合させる
ことが可能であり、したがって、配位重合工程で用いる
ジエン類の使用量及び重合液に残留する未反応ジエン量
を非常に低減させることが可能である。配位重合工程で
用いるジエン量が多い、すなわち濃度が高いと、配位重
合中にジエンユニット構造を架橋点としてポリマーの架
橋が多く起こり、ゲル化や不溶化を起こしてしまい、ひ
いてはクロス共重合物の加工性を悪化させる。また、配
位重合工程で得られた重合液中に未重合のジエン類が多
く残っていると、引き続くアニオン重合等の際にクロス
鎖の架橋度が著しく高くなってしまい、得られたクロス
化共重合体が不溶化、ゲル化したり加工性を低下させて
しまう。
【0025】さらに、前記の化学式(化1)で表される
遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒を用い
た場合、工業化に適する著しく高い活性で均一な組成を
有するオレフィン−スチレン−ジエン共重合体を製造す
ることが可能である。また、特に5モル%以上20モル
%以下のスチレン含量の共重合体において高い透明性の
共重合体を与えることができる。さらに、スチレン含量
5モル%以上96モル%以下の組成において、力学的物
性に優れた、アイソタクティクの立体規則性とヘッド−
テイルのスチレン連鎖構造を有するオレフィン−スチレ
ン−ジエン共重合体を与えることができる。式中、A,
Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル
基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換も
しくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置
換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニ
ル基から選ばれる基である。YはA,Bと結合を有し、
他に水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を有する
メチレン基、シリレン基、またはエチレン基である。置
換基は互いに異なっていても同一でも良い。また、Yは
環状構造を有していても良い。Xは、水素、ハロゲン、
炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリー
ル基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1
〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜1
0のアルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル置換
基を有するジアルキルアミド基である。Mはジルコニウ
ム、ハフニウム、またはチタンである。
【0026】特に好ましくは、A、Bのうち、少なくと
も1つは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリ
ル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、または
非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である
前記の化学式(化1)の遷移金属化合物と助触媒から構
成される重合触媒である。非置換もしくは置換シクロペ
ンタフェナンスリル基は下記の化学式(化4)〜(化
5)、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基は下記の
化学式(化6)〜(化8)、非置換もしくは置換シクロ
ペンタジエニル基は下記の一般式(化9)、非置換もし
くは置換インデニル基は下記の一般式(化10)、また
は非置換もしくは置換フルオレニル基は下記の一般式
(化11)で表すことができる。なお、下記の化学式
(化4)〜(化11)においてR1〜R8はそれぞれ水
素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のア
リール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、ハロ
ゲン原子、OSiR3基、SiR3基またはPR2基
(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基を表す)で
ある。R1同士、R2同士は互いに同一でも異なってい
ても良く、また、隣接するR1、R2基は一体となって
5〜8員環の芳香環または脂肪環を形成しても良い。R
3同士、R4同士、R5同士は互いに同一でも異なって
いても良く、また、隣接するR3、R4、R5基は一体
となって5〜8員環の芳香環または脂肪環を形成しても
良い。(ただし、非置換シクロペンタフェナンスレン基
になる場合を除く。)R6同士、R7同士、R8同士は
互いに同一でも異なっていても良い。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】非置換シクロペンタフェナンスリル基とし
ては、具体的には3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリ
ル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基
が挙げられる。
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】 非置換ベンゾインデニル基として、4,5−ベンゾ−1
−インデニル、(別名ベンゾ(e)インデニル)、5,
6−ベンゾ−1−インデニル、6,7−ベンゾ−1−イ
ンデニルが、置換ベンゾインデニル基として、α−アセ
ナフト−1−インデニル基等が例示できる。
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】非置換インデニル基としては1−インデニ
ルが、置換インデニル基としては4−アルキル−1−イ
ンデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5−ジ
アルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−1−
インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニル、
4,5−ジアリール−1−インデニル、5−アリール−
1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1−イ
ンデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−イ
ンデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、4,
5,6−トリアリール−1−インデニル等が挙げられ
る。非置換シクロペンタジエニル基としてはシクロペン
タジエニルが、置換シクロペンタジエニル基としては4
−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,5−ジア
リール−1−シクロペンタジエニル、5−アルキル−4
−アリール−1−シクロペンタジエニル、4−アルキル
−5−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,5−
ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、5−トリアル
キルシリル−4−アルキル−1−シクロペンタジエニ
ル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロペンタジエ
ニル等が挙げられる。非置換フルオレニル基としては9
−フルオレニル基が、置換フルオレニル基としては7−
メチル−9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フルオレニ
ル基等が挙げられる。A、B共に非置換もしくは置換シ
クロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベン
ゾインデニル基、または非置換もしくは置換インデニル
基である場合には両者は同一でも異なっていてもよい。
配位重合工程で用いる触媒としては、A、Bのうち少な
くとも一方が非置換もしくは置換シクロペンタフェナン
スリル基または非置換もしくは置換ベンゾインデニル基
であることが特に好ましい。さらに、A、Bのうち少な
くとも一方が、または両方とも非置換もしくは置換ベン
ゾインデニル基であることが最も好ましい。
【0037】前記の化学式(化1)において、YはA、
Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数
1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、
燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基、シ
リレン基、エチレン基、ゲルミレン基、ほう素残基であ
る。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。ま
た、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリデン基
等の環状構造を有していてもよい。好ましくは、Yは、
A、Bと結合を有し、水素もしくは炭素数1〜15の炭
化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化水素
置換基としては、アルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基は互
いに異なっていても同一でもよい。特に好ましくは、Y
は、−CH2−、−CMe2−、−CEt2−、−CP
h2−、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン基等
である。ここで、Meはメチル基、Etはエチル基、P
hはフェニル基を表す。Xは、水素、ハロゲン、炭素数
1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、
炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の
炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、または炭素数1〜6のアルキル置換基を有
するジアルキルアミド基である。ハロゲンとしては塩
素、臭素等が、アルキル基としてはメチル基、エチル基
等が、アリール基としてはフェニル基等が、アルキルア
リール基としては、ベンジル基が、シリル基としてはト
リメチルシリル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が、またジアルキ
ルアミド基としてはジメチルアミド基等が挙げられる。
Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
特に好ましくジルコニウムである。
【0038】かかる遷移金属触媒成分の例としては、E
P−0872492A2公報、特開平11−13080
8号公報に具体的に例示した置換メチレン架橋構造を有
するの遷移金属化合物の他、下記の化合物が挙げられ
る。
【0039】例えば、ジメチルメチレンビス(3−シク
ロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フ
ェナンスリル)ジルコニウムビスジメチルアミド、ジn
−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プロピル
メチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、シクロぺンチリデンビス(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−1
−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(シク
ロペンタジエニル)(3−シクロペンタ[c]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(1−フルオレニル)(3−シクロペンタ[c]フェナ
ンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(4−フェニル−1−インデニル)(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(4−ナフチル−1−インデニル)(3−
シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(3−シクロペンタ[c]フ
ェナンスリル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−シクロ
ペンタ[c]フェナンスリル)(α−アセナフト−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(1−シク
ロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムビスジメ
チルアミド、ジn−プロピルメチレンビス(1−シクロ
ペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジi−プロピルメチレンビス(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、シク
ロヘキシリデンビス(1−シクロペンタ[l]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデン
ビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(1−シク
ロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ
−1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペン
タ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルメチレン(シクロペンタジエニル)(1−シクロ
ペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(1−インデニル)(1−シクロ
ペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(1−シク
ロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−
1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンス
リル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1
−シクロペンタ[l]フェナンスリル)(4,5−ナフ
ト−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルメチレン(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)
(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ[l]フ
ェナンスリル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムビス
(ジメチルアミド)、ジメチルメチレン(1−インデニ
ル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ビス(ジメチルアミド)等が挙げられる。
【0040】以上、ジルコニウム錯体を例示したが、チ
タン、ハフニウム錯体も上記と同様の化合物が好適に用
いられる。また、ラセミ体、メソ体の混合物を用いても
良い。好ましくはラセミ体または擬似ラセミ体を用い
る。これらの場合、D体を用いても、L体を用いても良
い。
【0041】配位重合工程で用いる助触媒としては、従
来遷移金属触媒成分と組み合わせて用いられている助触
媒を使用することができるが、そのような助触媒とし
て、アルモキサンまたはほう素化合物が好適に用いられ
る。更に、その際用いられる助触媒が下記の(化1
2)、(化13)で示されるアルモキサンが好ましい。
【0042】
【化12】 式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、または水素、yは2〜100の整数であ
る。それぞれのRは互いに同一でも異なっていても良
い。
【0043】
【化13】 式中、R'は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜1
0のアリール基、または水素、zは2〜100の整数で
ある。それぞれのR'は互いに同一でも異なっていても
良い。アルモキサンとしては好ましくは、メチルアルモ
キサン、エチルアルモキサン、トリイソブチルアルモキ
サンが用いられるが、特に好ましくはメチルアルモキサ
ンが用いられる。必要に応じ、これら種類の異なるアル
モキサンの混合物を用いてもよい。また、これらアルモ
キサンとアルキルアルミニウム、例えば、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウムやハロゲンを含むアルキルアルミニウム、
例えばジエチルアルミニウムクロライド等を併用しても
よい。
【0044】アルキルアルミニウムの添加は、スチレン
中の重合禁止剤、スチレン、溶媒中の水分等の重合を阻
害する物質の除去、重合反応に対する無害化のために効
果的である。しかし、スチレン、溶媒等をあらかじめ蒸
留する、乾燥不活性ガスでバブリングする、またはモレ
キュラーシーブを通す等の公知の方法でこれらの量を重
合に影響のないレベルまで低減するか、あるいは用いる
アルモキサンの使用量を若干増やすか、または分添すれ
ば、アルキルアルミニウムを重合時に添加することは必
ずしも必要ではない。
【0045】配位重合工程では上記の遷移金属触媒成分
と共に助触媒として公知の硼素化合物、例えば、EP−
0872492A2公報に助触媒として具体的に例示さ
れているほう素化合物を用いることができる。これらの
ほう素化合物と上記の有機アルミニウム化合物を同時に
用いても差し支えない。特にほう素化合物を助触媒とし
て用いる場合、重合系内に含まれる水等の重合に悪影響
を与える不純物の除去に、トリイソブチルアルミニウム
等のアルキルアルミ化合物の添加は有効である。
【0046】配位重合工程でオレフィン−スチレン−ジ
エン共重合体を製造するにあたっては、上記に例示した
各モノマー、金属錯体である遷移金属触媒成分および助
触媒を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公
知の方法を用いることができる。
【0047】以上の配位重合工程での共重合の方法とし
ては溶媒を用いずに液状モノマー中で重合させる方法、
あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエン、塩化メチレ
ン、クロロホルム等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素
またはハロゲン化炭化水素の単独または混合溶媒を用い
る方法がある。好ましくは混合アルカン系溶媒やシクロ
ヘキサンやトルエン、エチルベンゼンを用いる。重合形
態は溶液重合、スラリ−重合いずれでもよい。また、必
要に応じ、バッチ重合、連続重合、予備重合、多段式重
合等の公知の方法を用いることが出来る。リニアやル−
プの単数、連結された複数のパイプ重合を用いることも
可能である。この場合、パイプ状の重合缶には、動的、
あるいは静的な混合機や除熱を兼ねた静的混合機等の公
知の各種混合機、除熱用の細管を備えた冷却器等の公知
の各種冷却器を有しても良い。また、バッチタイプの予
備重合缶を有していても良い。さらには気相重合等の方
法を用いることができる。
【0048】重合温度は、−78℃から200℃が適当
である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であ
り、200℃を超えると金属錯体の分解が起こるので適
当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜160
℃、特に好ましくは30℃〜160℃である。重合時の
圧力は、0.01〜10MPaが適当であり、好ましく
は0.1〜5MPa、特に工業的に特に好ましくは、
0.1〜3MPa気圧である。
【0049】助触媒として有機アルミニウム化合物を用
いる場合には、錯体の金属に対し、アルミニウム原子/
錯体金属原子のモル比で0.1〜100000、好まし
くは10〜10000の比で用いられる。0.1より小
さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、100000を
超えると経済的に不利となる。助触媒としてほう素化合
物を用いる場合には、ほう素原子/錯体金属原子のモル
比で0.01〜100の比で用いられるが、好ましくは
0.1〜10、特に好ましくは1で用いられる。0.0
1より小さいと有効に金属錯体を活性化出来ず、100
を超えると経済的に不利となる。
【0050】金属錯体と助触媒は、重合槽外で混合、調
製しても、重合時に槽内で混合してもよい。
【0051】オレフィン−スチレン−ジエン共重合体
は、上記配位重合工程において、上記配位重合触媒、好
ましくはシングルサイト配位重合触媒を用いてスチレ
ン、オレフィン、ジエンの各モノマーから合成される。
配位重合工程で得られるオレフィン−スチレン−ジエン
共重合体としては、好ましくはエチレン−スチレン−ジ
エン共重合体、またはエチレン−スチレン−α−オレフ
ィン−ジエン共重合体、またはエチレン−スチレン−環
状オレフィン−ジエン共重合体、特に好ましくはエチレ
ン−スチレン−ジエン共重合体が用いられる。また、配
位重合工程で得られるオレフィン−スチレン−ジエン共
重合体は、含まれるジエンモノマーユニットで架橋構造
を有していても良いが、ゲル分が全体の10重量%以
下、好ましくは0.1重量%以下である必要がある。
【0052】以下に本発明の医療用成形体が含有してい
るクロス共重合体の前駆体として代表的、好適なオレフ
ィン−スチレン−ジエン共重合体であるエチレン−スチ
レン−ジエン共重合体について説明する。
【0053】配位重合工程で得られるエチレン−スチレ
ン−ジエン共重合体は、TMSを基準とした13C−N
MR測定によって40〜45ppmに観察されるピーク
によって帰属されるヘッド−テイルのスチレンユニット
の連鎖構造を有することが好ましく、さらに、42.3
〜43.1ppm、43.7〜44.5ppm、40.
4〜41.0ppm、43.0〜43.6ppmに観察
されるピークによって帰属されるスチレンユニットの連
鎖構造を有することが好ましい。また、好適に用いられ
る共重合体は、スチレンの単独重合によって、アイソタ
クティクのポリスチレンを作ることのできるメタロセン
触媒を用いて得られるエチレン−スチレン−ジエン共重
合体であり、かつ、エチレンの単独重合によって、ポリ
エチレンを作ることのできるメタロセン触媒を用いて得
られるエチレン−スチレン−ジエン共重合体である。そ
のため、得られるエチレン−スチレン−ジエン共重合体
は、エチレン連鎖構造、ヘッド−テイルのスチレン連鎖
構造、エチレンユニットとスチレンユニットが結合した
構造を共にその主鎖中に有することができる。
【0054】他方、従来公知EP416815号公報の
いわゆる擬似ランダム共重合体では、スチレン含量が最
大の50モル%付近においても、スチレンのヘッド−テ
イルの連鎖構造を見出すことはできない。さらに、擬似
ランダム共重合体を製造する触媒を用いてスチレンの単
独重合を試みても重合体は得られない。重合条件等によ
り極少量のアタクティクスチレンホモポリマーが得られ
る場合があるが、これは共存するメチルアルモキサンま
たはその中に混入するアルキルアルミニウムによるカチ
オン重合、またはラジカル重合によって形成されたもの
と解するべきである。
【0055】配位重合工程で得られるエチレン−スチレ
ン−ジエン共重合体は、その構造中に含まれる前記の化
学式(化2)で示されるスチレンとエチレンの交互構造
のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイアッ
ド分率(またはメソダイアッド分率)Pmで0.5より
大きい、好ましくは0.75より大きい、特に好ましく
は0.95より大きい共重合体である。エチレンとスチ
レンの交互共重合構造のアイソタクティクダイアッド分
率Pmは、25ppm付近に現れるメチレン炭素ピーク
のr構造に由来するピーク面積Arと、m構造に由来す
るピークの面積Amから、下記の式(S1)によって求
めることができる。 Pm=Am/(Ar+Am) 式(S1) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。また、
重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタ
ンの3重線の中心ピークを73.89ppmとして基準
にした場合、r構造に由来するピークは、25.3〜2
5.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.
1〜25.2ppm付近に現れる。なお、m構造はメソ
ダイアッド構造、r構造はラセミダイアッド構造を表
す。好適に用いられるクロス共重合体の前駆体であるの
エチレン−スチレン−ジエン共重合体に於いては、エチ
レンとスチレンの交互共重合構造にr構造に帰属される
ピークは実質的に観測されない。
【0056】配位重合工程で得られるエチレン−スチレ
ン−ジエン共重合体は、共重合体構造中に含まれる前記
の化学式(化2)で示されるスチレンとエチレンの交互
構造の割合を示す交互構造指数λ(下記の式(S2)で
表される)が70より小さく、0.01より大きい、好
ましくは30より小さく、0.1より大きい共重合体で
あることが好ましい。 λ=A3/A2×100 式(S2) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、前
記の化学式(化3)で示されるエチレン−スチレン交互
構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和
である。また、A2はTMSを基準とした13C−NM
Rにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレ
ン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和で
ある。
【0057】ジエン含量が3モル%以下、好ましくは1
モル%未満のエチレン−スチレン−ジエン共重合体にお
いて、ヘッド−テイルのスチレン連鎖を有すること、及
び/またはエチレン−スチレン交互構造にアイソタクテ
ィクの立体規則性を有すること及び/または交互構造指
数λ値が70より小さいことは、透明性の高い、破断強
度等の力学的強度が高いエラストマー共重合体であるた
めに有効であり、このような特徴を有する共重合体は好
適に用いることができる。特に、エチレン−スチレン交
互構造に高度のアイソタクティクの立体規則性を有しか
つ、交互構造指数λ値が70より小さい共重合体が好ま
しく、さらに、ヘッド−テイルのスチレン連鎖を有し、
かつエチレン−スチレン交互構造にアイソタクティクの
立体規則性を有し、かつ交互構造指数λ値が70より小
さい共重合体が特に好ましい。
【0058】すなわち、好ましいエチレン−スチレン−
ジエン共重合体は、高い立体規則性を有するエチレンと
スチレンの交互構造と、同時に種々の長さのエチレン連
鎖、スチレンの異種結合、種々の長さのスチレン連鎖等
の多様な構造を併せて有するという特徴を持つ。また、
エチレン−スチレン−ジエン共重合体は、用いる重合触
媒や重合条件、共重合体中のスチレンの含量によって交
互構造の割合を、上記の式で得られるλ値で0.01よ
り大きく70未満の範囲で種々変更可能である。交互指
数λ値が70より低いということは、結晶性ポリマーで
ありながら、有意の力学的強度、耐溶剤性、靭性、透明
性を与えるために、また、部分的に結晶性のポリマーと
なるために、あるいは、非結晶性のポリマーとなるため
に重要である。この立体規則的な交互構造は結晶可能な
構造であるので、スチレンの含量により、あるいは適当
な方法で結晶化度を制御することにより、非結晶性、部
分的に結晶構造を有するポリマーという多様な特性を与
えることが可能である。
【0059】好適に用いられる共重合体は、従来の立体
規則性を有せずまたヘッド−テイルのスチレン連鎖も有
しないエチレン−スチレン共重合体またはエチレン−ス
チレン−ジエン共重合体に比べて、それぞれのスチレン
含量の領域、種々の結晶化度において、初期引張弾性
率、堅さ、破断強度、耐溶剤性、透明性等の性能が向上
し、新規低結晶性樹脂、熱可塑性エラストマー、透明軟
質樹脂として特徴有る物性を示す。更に、ハロゲンを基
本的に含有しないエチレン−スチレン−ジエン共重合体
は、安全性が高いという基本的特徴を有する。
【0060】以上に記した、好適に用いられるオレフィ
ン−スチレン−ジエン共重合体、特にエチレン−スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体は、上記の化学式(化
1)で表される遷移金属化合物と助触媒から構成される
重合触媒により得ることができる。
【0061】以上、配位重合工程で得られるオレフィン
−スチレン−ジエン共重合体の代表的、好適な例として
のエチレン−スチレン−ジエン共重合体について説明し
たが、もちろんオレフィン−スチレン−ジエン共重合体
はこれには限定されない。
【0062】配位重合工程で得られるオレフィン−スチ
レン−ジエン共重合体の重量平均分子量は、1万以上、
好ましくは3万以上、特に好ましくは6万以上であり、
100万以下、好ましくは50万以下である。分子量分
布(Mw/Mn)は、6以下、好ましくは4以下、特に
好ましくは3以下である。ここでの重量平均分子量はG
PCで標準ポリスチレンを用いて求めたポリスチレン換
算分子量をいう。以下の説明でも同様である。配位重合
工程で得られるオレフィン−スチレン−ジエン共重合体
の重量平均分子量は、水素等の連鎖移動剤をもちいる公
知の方法、或いは重合温度を変えることにより上記の範
囲内で必要に応じて調節することが可能である。
【0063】以下に、本発明の医療用成形体が含有して
いるクロス共重合体の製造方法のクロス化工程について
示す。
【0064】クロス化工程としては、クロス化工程で重
合されるビニル化合物モノマー種により、アニオン重
合、ラジカル重合、またはカチオン重合が採用できる。
これらの各重合法において、クロス化工程で重合される
ビニル化合物モノマー種の転換率は、好ましくは20%
以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは70
%以上である。クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロ
ス化されなかったホモポリマーの分子量から推定できる
が、その長さは、重量平均分子量として、好ましくは5
00以上50万以下、特に好ましくは5000以上50
万以下、最も好ましくは1万以上30万以下である。ま
た、その分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは6以
下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは3以下であ
る。
【0065】クロス化工程は、上記の配位重合工程で得
られた重合液を用い、配位重合工程に引き続いて実施さ
れるのが好ましい。しかし、上記の配位重合工程で得ら
れた共重合体を重合液から回収し、新たな溶媒に溶解
し、クロス化工程で用いられるモノマーを加えて、アニ
オン、ラジカル、またはカチオン重合開始剤の存在下で
クロス化工程を実施しても良い。さらに、上記配位重合
工程で得られた共重合体を重合液から回収し、クロス化
工程で用いられるモノマー及び/または溶媒中で、懸濁
重合や乳化重合でクロス共重合化する事も可能である。
【0066】クロス化工程として、ラジカル重合が用い
られる場合には、公知のラジカル重合開始剤や重合方法
を用いることができる。具体的には、日本油脂株式会社
有機過酸化物カタログ第四版(1996年4月発行)
や、和光純薬社カタログ「Azo Polymeriz
aiton Initiators」(1987年発
行)に記載のラジカル重合開始剤が好適に用いられる。
また、開始剤を用いずに、熱重合でラジカル重合を行う
ことも出来る。
【0067】この場合、ラジカル重合可能なビニル化合
物モノマーであれば、いずれも使用することが可能であ
るが、好ましく用いられるビニル化合物モノマーは、ス
チレン、p−メチルスチレン、p−ターシャリ−ブチル
スチレン、p−クロロスチレン、α−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニ
ル化合物、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の
ジエン化合物、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘ
キサン、メチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル、
メチルメタクリレ−ト等のメタクリル酸エステル、アク
リロニトリル、無水マレイン酸等の極性モノマー類及び
これらの混合物である。好ましくは芳香族ビニル化合
物、または芳香族ビニル化合物とこれらラジカル重合可
能なモノマ−との混合物、最も好ましくは芳香族ビニル
化合物が用いられる。
【0068】重合方法としては好ましくは、スラリ−重
合、バルク重合、溶液重合、乳化重合等公知の重合方
法、重合条件を用いることができる。重合形態は、バッ
チ重合、プラグフロ−連続重合、ル−プ型反応器を用い
た連続重合、多段式連続重合、回分式重合、予備重合等
の任意の公知の方法を用いることができる。
【0069】重合温度は、0℃から300℃が適当であ
る。0℃より低い重合温度は重合速度が低く、工業的に
不利であり、300℃を超えると解重合等が起こり、ポ
リマ−の分子量が低下するので適当ではない。さらに工
業的に好ましくは、50℃〜300℃である。重合時の
圧力は、0.01〜10MPaが適当であり、好ましく
は0.01〜3MPa、特に工業的に特に好ましくは、
0.01〜1MPaである。
【0070】クロス化工程として好適なのは、アニオン
重合開始剤とアニオン重合可能なモノマーを用いたアニ
オン重合工程である。アニオン重合は、そのビニル化合
物モノマー種の転換率が著しく高いこと、低モノマー濃
度でも比較的高い分子量の重合体を得ることが可能なこ
と及び低モノマー濃度条件下であっても十分速い重合速
度が得られることから、非常に好ましい。さらに、アニ
オン重合は、ビニル化合物モノマー転換率が高いため、
アニオン重合可能なモノマーは消費されてしまい、重合
液中に実質的に残留させなくすることが可能であり、重
合液の後処理やポリマー回収行程を容易にする事ができ
るプロセス上のメリットがある。
【0071】アニオン重合工程(クロス化工程)におい
ては、アニオン重合可能なビニル化合物モノマーであれ
ば、いずれも使用することが可能である。アニオン重合
可能なビニル化合物モノマ−は、例えば「Anioni
c Polymerization」Marcel D
ekker、Inc.,1996,Henry L.H
sieh and Roderic P.Quirk著
に記載されている。特に、スチレン、p−メチルスチレ
ン、p−ターシャリ−ブチルスチレン、p−クロロスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニル
アントラセン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イ
ソプレン等のジエン化合物、メチルアクリレート等のア
クリル酸エステル、メチルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル等及びこれらの混合物が用いられる。好ま
しくは芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物と
これらアニオン重合可能なモノマ−との混合物、最も好
ましくは芳香族ビニル化合物が用いられる。
【0072】アニオン重合工程においては、特に配位重
合工程で重合液中に残留していたモノマー(例えばスチ
レン)に、新たに同種のビニル化合物モノマーを一括し
て、あるいは連続的またはステップワイズに分添しても
良い。特にステップワイズに分添する場合、クロス鎖を
有する構造の割合が著しく高くなり、これを含む組成物
の力学的性質をさらに向上させることが可能となる。
【0073】アニオン重合工程で重合されるモノマー
が、配位重合工程で用いられるモノマーと異なる場合、
例えばスチレンと異なるモノマーの場合、重合液から共
重合体を分離回収し、この重合体を溶媒に再溶解し、あ
らたにアニオン重合で重合されるモノマーを加えて重合
するのが好ましい。また、配位重合工程で得られた重合
液に新たなモノマーを一括、あるいはステップワイズに
加えてアニオン重合を行っても良い。この場合、クロス
鎖は、配位重合工程で残留していたモノマーと新たに加
えられたモノマーとのランダムまたはブロックまたはテ
ーパードブロック共重合構造を有する。
【0074】アニオン重合工程で重合されるクロス鎖及
びホモポリマー(クロス化されていないポリマー鎖の意
味)は、少量残存するジエンモノマーによりクロス構造
を有していても良い。好ましくはアニオン重合工程(ク
ロス化工程)は、上記の配位重合工程に引き続いて実施
される。この際、配位重合工程で得られた共重合体を、
クラムフォーミング法、スチームストリッピング法、脱
揮槽、脱揮押出し機等を用いた直接脱溶媒法等、任意の
ポリマー回収法を用いて、重合液から分離、精製してア
ニオン重合工程に用いても良い。しかし、配位重合後の
重合液から、残留オレフィンを放圧後、あるいは放圧せ
ずに、次のアニオン重合工程に用いるのが、経済的に好
ましい。重合体を配位重合液から分離せずに、重合体を
含んだ配位重合溶液をクロス化工程に用いることができ
ることが特徴の1つである。アニオン重合工程で重合さ
れるモノマーがスチレンの場合、必要に応じてスチレン
モノマーを追加してもよいが、配位重合工程で重合され
ずに残った残留モノマーをそのまま用いても良い。ま
た、必要に応じて上記のアニオン重合可能なビニル化合
物モノマーを添加しても良い。
【0075】溶媒はアニオン重合工程で、アニオン重合
の際に連鎖移動等の不都合を生じない混合アルカン系溶
媒やシクロヘキサンやベンゼン等の溶媒が特に好ましい
が、重合温度が150℃以下であれば、トルエン、エチ
ルベンゼン等の他の溶媒も用いることが可能である。重
合形態は、バッチ重合、連続重合、回分式重合、スラリ
ー重合、予備重合等の任意の公知の方法を用いることが
できる。重合温度は、−78℃から200℃が適当であ
る。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、
150℃を超えると連鎖移動等が起こるので適当ではな
い。さらに工業的に好ましくは、0℃〜200℃、特に
好ましくは30℃〜150℃である。重合時の圧力は、
0.01〜10MPaが適当であり、好ましくは0.0
1〜3MPa気圧、特に工業的に特に好ましくは、0.
01〜1MPaである。
【0076】アニオン重合工程には、公知のアニオン重
合開始剤を用いることができる。このようなアニオン重
合開始剤は、例えば「Anionic Polymer
ization」Marcel Dekker、In
c.,1996,Henry L.Hsieh and
Roderic P.Quirk著に記載されてい
る。好ましくは、アルキルリチウム化合物やビフェニ
ル、ナフタレン、ピレン等のリチウム塩あるいはナトリ
ウム塩、特に好ましくは、sec−ブチルリチウム、n
(ノルマル)−ブチルリチウムが用いられる。また、多
官能性開始剤、ジリチウム化合物、トリリチウム化合物
を用いても良い。さらに必要に応じて公知のアニオン重
合末端カップリング剤を用いてもよい。開始剤量は、配
位重合工程で、重合触媒の助触媒として、メチルアルモ
キサンを用いる場合には、その中に含まれる酸素原子の
当量以上の、特に好ましくは2当量以上の量を用いるの
が好ましい。配位重合工程で、重合触媒の助触媒とし
て、硼素化合物を用いた場合、その量はメチルアルモキ
サン中の酸素原子当量に比して、十分少ないため、開始
剤量を低減することが可能である。
【0077】アニオン重合工程では、開始剤量を適宜調
節することで、クロス鎖の長さ、クロス化されなかった
ホモポリマーの分子量を任意に変更することが可能であ
る。クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロス化されな
かったホモポリマーの分子量から推定できるが、その長
さは、重量平均分子量として、好ましくは500以上5
0万以下、特に好ましくは5000以上50万以下、最
も好ましくは1万以上30万以下である。また、その分
子量分布(Mw/Mn)は好ましくは6以下、特に好ま
しくは4以下、最も好ましくは3以下である。
【0078】オレフィン−スチレン−ジエン共重合体の
うち、クロス共重合化された共重合体の割合(クロス共
重合化率)は、もとのオレフィン−スチレン−ジエン共
重合体100重量部あたり5〜150重量部であり、好
ましくは10〜130重量部、特に好ましくは30〜1
00重量部である。
【0079】以下、本発明の医療用成形体が含有してい
るクロス共重合体の物性について記述する。
【0080】本発明の医療用成形体が含有しているクロ
ス共重合体は、それ自体、高い力学物性(破断強度、引
張り弾性率)、高温特性を有する。さらに、主鎖の成分
や組成、クロス化率、クロス密度、クロス鎖の成分や組
成、クロス鎖の分子量、クロス化されなかった重合体
(ホモポリマ−)の割合等を任意に変更でき、力学物
性、高温特性、硬度等を広い範囲で調製できる特徴があ
る。また、含まれるゲル分が非常に少ないため、良好な
加工性を有する。さらに、クロス鎖にシンジオタクティ
ク芳香族ビニル化合物重合体(シンジオタクティクポリ
スチレンなど)構造を含まないために、加工に高い温度
(約270℃以上)を必要としない利点がある。
【0081】クロス化工程において、一般的に重合条
件、モノマー仕込み組成によっては、生成するクロス鎖
と同種のポリマー(クロス化されなかったポリマー)が
生成し、得られる重合体は、配位重合で得られた共重合
体、クロス鎖を有するクロス共重合体および「クロス化
されなかったクロス鎖と同種のポリマー」の任意の組成
の組成物となる。本明細書ではこの組成物をクロス共重
合物と記述している。この場合、含まれる「クロス化さ
れなかったクロス鎖と同種のポリマー」の量は、全体の
90重量%以下、好ましくは50重量%以下、特に好ま
しくは30重量%以下である。重合条件の変更によりこ
の「クロス化されなかったクロス鎖と同種のポリマー」
量は変更できる。このような「クロス化されなかったク
ロス鎖と同種のポリマー」は、溶媒分別等で除去できる
が、分別せずにそのまま用いることができる。また、ク
ロス鎖を有しない「オレフィン−スチレン−ジエン共重
合体」の量は、全体の99重量%以下、好ましくは50
重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。こ
こで、「オレフィン−スチレン−ジエン共重合体」と
は、上記配位重合工程で得られるオレフィン−スチレン
−ジエン共重合体のことである。
【0082】さらに、ポリマー主鎖と他のポリマー鎖が
クロス化(交差結合)するような構造(スター構造とも
いえる)を有するクロス共重合体は、このような組成物
(クロス共重合物)として用いられた場合、一般的にグ
ラフト化された共重合体に比べ、優れたポリマーミクロ
構造界面の強度が得られ、高い力学的物性を与えると考
えられる。
【0083】スチレンモノマーと他のビニル化合物モノ
マーを用いてクロス共重合したオレフィン−スチレン−
ジエン系クロス共重合物においては、全体に対してのス
チレン含量(用いたオレフィン−スチレン−ジエン共重
合体中のスチレン量とクロス鎖のスチレン量、クロス化
されなかったポリマー中のスチレン量の合計)は、6モ
ル%以上98モル%以下、好ましくは8モル%以上80
モル%以下である。
【0084】例として、エチレン−スチレン−ジエン共
重合体にアニオン重合やラジカル重合でポリスチレンを
クロス共重合したエチレン−スチレン−ジエン系クロス
共重合物には、エチレン−スチレン−ジエン共重合体、
ポリスチレンクロス共重合化エチレン−スチレン−ジエ
ン共重合体、及びポリスチレンが含まれる。ポリスチレ
ンクロス共重合化エチレン−スチレン−ジエン共重合体
は、エチレン−スチレン−ジエン共重合体とポリスチレ
ンの相溶化剤として働くため、このクロス共重合物の相
溶性は良好で、高い力学的性質(初期弾性率、硬度、破
断強度、伸び)、耐熱性を有することができる。このク
ロス共重合物は、その組成によりエラストマーからプラ
スチックまでの幅広い性質を示す。さらに配位重合で得
られた共重合体、クロス共重合体及びポリスチレンの組
成の調製、クロス鎖に適当な屈折率を有する極性モノマ
-を共重合させることで、高い透明性を併せ持つことも
できる。
【0085】また、本発明の医療用成形体に含有されて
いるクロス共重合体は、必要に応じて、過酸化物、電子
線、放射線等を用いた通常の架橋方法により架橋して使
用することも可能である。
【0086】本発明は上述のクロス共重合体を含有して
なることを特徴とする医療用成形体である。
【0087】本発明の医療用成形体には、上記クロス共
重合体の他に本発明の目的を損なわない範囲内で必要に
応じて、他の熱可塑性樹脂、軟化剤、可塑剤、熱安定
剤、帯電防止剤、耐候剤、老化防止剤、充填剤、着色
剤、滑剤、防曇剤、発泡剤等の添加物を含んでも良い。
【0088】配合可能な熱可塑性樹脂に特に制限はない
が、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル
(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等の
芳香族系樹脂、6,6ナイロン、6ナイロン等のポリア
ミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、(EVA)等のポリマーや、エラストマ
ー、ゴムを配合することができる。
【0089】スチレン系樹脂として具体的には、ポリス
チレン、ゴム強化ポリスチレン(ハイインパクトポリス
チレン)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS
樹脂)、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体(MS
樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体(ABS樹脂)、ゴム強化MS樹脂、無水マレイン
酸・スチレン共重合体、無水マレイン酸・アクリロニト
リル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・α−メチ
ルスチレン共重合体、メタクリロニトリル・スチレン共
重合体、メタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチ
レン共重合体等をあげることができる。
【0090】オレフィン系樹脂として具体的にはポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のホモポリ
マー、およびブテン、ヘキセン、オクテン等とのブロッ
ク、ランダム共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテ
ン−1、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・
メタクリル酸およびそのエステル共重合体、エチレン・
アクリル酸およびそのエステル共重合体、エチレン・プ
ロピレン共重合体(EPR)等を挙げることができる。
【0091】メタクリル樹脂とてし、具体的にはポリメ
タクリレート(PMMA),メタクリル酸メチル・メタ
クリル酸共重合体を例示することができる。
【0092】上記のうち、とくにスチレン系樹脂、オレ
フィン系樹脂が好ましい。
【0093】本発明において配合可能なエラストマー、
ゴムには特に制限はないが、スチレン系、オレイフィン
系熱可塑性エラストマー、およびゴム、天然ゴム、イソ
プレンゴム、ポリイソブチレン、EPR,アクリルゴ
ム、ネオプレン(登録商標)ゴム、ポリエステル系エラ
ストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラ
ストマー、ゴム等を挙げることができる。これらは単独
または複数を組み合わせて使用可能である。スチレン系
エラストマー、ゴムの例としては、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン
ブロック共重合体(SIS)、及びこれらの水素添加
物、例えばスチレン−エチレンブチレンブロックポリマ
ー(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレンブロッ
クポリマー(SEPS)、スチレン−ブタジエンラバー
(SBR)、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレ
ート共重合体(MBS)等を例示することができる。上
記のうち、とくにスチレン系もしくはオレフィン系エラ
ストマー、ゴムが好ましい。
【0094】本発明の医療用成形体は、柔軟性、物性の
温度依存性等を調整することを目的として可塑剤を配合
してあってもよい。可塑剤としては公知のものが用いら
れ、例えばフタル酸エステル、ピロメリット酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、トリメシン酸エステル、
安息香酸エステル、アジピン酸エステル、アゼライン酸
エステル、セバシン酸エステル、りん酸エステル化合
物、エポキシ化合物、ポリエステル化合物、芳香族、脂
肪族等の炭化水素オイルから選ばれた少なくとも1種類
を添加することができる。好ましい可塑剤としては低分
子有機エステル系化合物、および炭化水素オイルが挙げ
られ、このうちとくに好ましくは次に挙げるフタル酸エ
ステル系可塑剤である。
【0095】滲出性、人体への影響などを総合的に考慮
して、好ましい可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸
ジ−n−ラウリル、フタル酸ウンデシル、ピロメリット
酸テトラ−n−オクチル、ピロメリット酸トリ−n−オ
クチル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリッ
ト酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメシン酸トリ
(2,2−ジメチルペンチル)エステル、トリメシン酸
トリ(2−エチルヘキシル)エステル、安息香酸ジエス
テル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸
ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ
−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキ
シル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸ト
リブチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、
エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸メチル、アジ
ピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステルなど
が挙げられる。
【0096】可塑剤の分子量について特に制限はないが
低分子有機エステル系化合物については好ましくは25
0〜800、より好ましくは300〜600程度ものが
適当である。分子量が低すぎると揮発性の問題があり、
分子量が高すぎると分子が組成物中を移動しにくいた
め、特に血液バッグ用途において、赤血球含有液中に浸
出しにくく、結果として赤血球の保護作用(溶血抑制作
用)が小さくなる恐れがある。
【0097】可塑剤の配合量は、ビニル化合物クロス共
重合化オレフィン−スチレン−ジエン共重合体を含む樹
脂成分100重量部に対して0.1〜200重量部、好
ましくは0.5〜100重量部、更に好ましくは1〜5
0重量部である。なお、血液バッグには溶血抑制作用の
うえで可塑剤の添加が好ましい。
【0098】本発明の医療用成形体には、チューブ、カ
テーテル、バッグ、コンテナ等でその表面に空気中の水
分が凝集して医療用成形体を曇らせて内容物の確認を困
難にするのを防止する目的で、必要に応じて防曇剤を配
合することも良い。あるいは医療用成形体の表面に塗布
する方法も良い。防曇剤は一般に用いられているものを
そのまま使用することが可能で、例えば、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪酸アミド等が
挙げられる。これらの中では、とくにグリセリン脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
アルキレンエーテル、脂肪酸アミンが好ましい。
【0099】防曇剤の配合量は、クロス共重合体を含む
樹脂成分100重量部に対して、10重量部以下、好ま
しくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜5重量部
である。
【0100】本発明の医療用成形体には、所望により酸
化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤の各種添加
剤を添加することができる。これらの添加剤の使用量
は、クロス共重合体を含む樹脂成分100重量部に対し
て5重量部以下の範囲である。
【0101】配合方法としては医療用成形体の成形の前
に公知の方法で行うことができる。即ちクロス共重合物
およびクロス共重合体を含有する樹脂組成物、熱可塑性
樹脂、可塑剤、さらに必要に応じて他の添加物とを混合
して得る方法は特に制限はなく、公知の手法を用いるこ
とができる。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレ
ンダー、スーパーミキサー、タンブラー等でドライブレ
ンドを行うことも可能であり、1軸または2軸の押出
機、バンバリーミキサー、プラストミル、コニーダー、
ロール等で溶融混合を行ってもよい。必要に応じて、窒
素等の不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
【0102】医療用成形体は、その用途においてフィル
ム、シート、カテーテル、チューブ、容器等、様々な形
態で用いられる。それぞれの用途において、要求される
機械的強度が異なってくる。本発明の医療用成形体にお
いて、クロス共重合体中の芳香族ビニル化合物含量、及
び可塑剤の添加量を変えることにより、幅広い物性を有
する医療用成形品を提供することができる。例えば、栄
養カテーテルにおいては、体内への挿入のため低硬度
で、柔軟性があることが必要とされる。また、チューブ
が蠕動により繰り返し引張られるため、材料の永久伸び
が大きいと、表面に弛みが生じ血流のよどみが発生し、
血栓を生じやすくなる。従って、該共重合体は概ね破断
点伸びが200%以上、永久伸びが60%以下であるも
のが望ましく、例えば後述するが共重合体P−1〜P−
3を挙げることができる。内容物の確認が必要なものは
透明性が要求されるが、例えば参考実施例1〜3の該共
重合体が挙げられる。
【0103】従来、軟質塩ビ製の医療用成形体は、一般
にエチレンオキサイドガス(EOG)を用いて、滅菌が
行われているが、残留EOGによる患者への悪影響が懸
念されるため、残留EOGの影響を無くすことが好まし
く、他の滅菌方法に切換えることが考えられる。本発明
の医療用成形体では、ガンマ線滅菌法を適用することが
でき、残留物を残さないこの方法を適用できる点で好ま
しい。γ線滅菌法によれば、滅菌と同時に架橋反応も行
えて都合がよい。
【0104】さらに本発明の医療用成形体は、生体適合
性が良好である。特に血液適合性に優れる。特に血管内
に挿入される用途の場合には、本発明の医療用成形体で
はその接液表面に抗血栓性を付与することもできる。抗
血栓性を付与する方法としては、公知の方法を用いてる
ことができ、例えば、カテーテル基材の反応性官能基に
ヘパリンやウロキナーゼ等を共有結合、イオン結合、吸
着等によって固定化することができる。
【0105】本発明の医療用成形体を製造する方法はそ
の医療用成形体の形状に応じて適宜その方法を選ぶこと
ができる。例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブ
ロー成形、回転成形、カレンダー成形、熱成形、キャス
ト成形等公知の成形法が挙げられる。複数の成形法を組
み合わせることも可能である。多層シートの製造には、
ラミネート法も適用できる。また、シート間のブロッキ
ングを防止するために容器の内面や外面を粗面化、すな
わちエンボス加工したり、抗ブロッキング剤、スリップ
剤等を添加することもできる。いずれの成形方法におい
ても、原理としては材料を加熱し、溶融もしくは軟化状
態にして外力によって変形し、希望の形状にする方法で
あって、材料の流動性、外力による変形過程の挙動が成
形体の物性に影響する。
【0106】本発明の医療用成形体、例えば血液バッ
グ、輸液バッグ、透析バッグ等のバッグ用シート基材
は、クロス共重合体を含有する層を含む単層または積層
体とするが、これはシート基材が、クロス共重合体を含
有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含み、他
の樹脂成分からなる層を少なくとも1層有する積層体の
場合を意味する。積層体の場合は、バッグの力学的性
質、成形性、ヒートシール性、耐ブロッキング性、耐熱
性などを調節、改良する目的として他の樹脂成分からな
る層が用いられる。
【0107】積層体の層を形成する樹脂成分として他の
樹脂成分からなる層を形成する樹脂成分では、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリアミド、ポリエーテルアミド
(ポリエーテルとポリアミドのブロック共重合体)、ポ
リウレタン、熱可塑性ポリエステルなどが挙げられる。
【0108】つぎに本発明に関わる医療用成形体につい
て説明する。
【0109】気道、気管、消化管、尿道、血管、その他
の体腔あるいは組織中に挿入されるカテーテル等の医療
用成形体は、組織を損傷させず、また目的部位まで確実
に挿入することを可能とする円滑性が要求され、更に組
織内に留置している間に摩擦によって粘膜を損傷した
り、炎症を引き起こしたりすることを避けるために、表
面に優れた潤滑性が必要な場合には、基材表面全体に潤
滑性樹脂の被覆を形成しても良い。例えば、無水マレイ
ン酸系高分子等の水溶性高分子を共有結合させて、被覆
を形成させることができる。本発明の医療用成形体は、
上記の特徴を生かして、例えば、体内留置型カテーテル
やバルーンカテーテル等のカテーテル、人工血管、血液
回路、シリンジ、人工透析器、血液成分分離器、人工
肺、創傷被覆材等の医療用成形体として、また、生理用
品、紙おむつ等の衛生材料、手術用衣、病院用ディスポ
ーザブルシーツ等の医療用品として使用される。これら
の中でも、優れた生体適合性を生かして、医療用チュー
ブ、カテーテル、人工血管、血液回路、シリンジ、血液
透析器、血液成分分離器、人工肺など、体液、中でも血
液と接触するようにして使用される医療用成形体として
好適に使用される。なお、これらの医療用成形体は、す
べての部分が本発明の医療用成形品用樹脂組成物から形
成されている必要はない。例えば、上記のチューブやカ
テーテルや血液バッグなどでは、体液と接触する部分を
本発明の医療用成形品用樹脂組成物で形成し、体液と接
触しない部分をポリウレタンなどの医療用に用いられる
他の樹脂で形成しても良い。また、本発明の医療用成形
体は医療用容器もその一つに挙げられ、優れた柔軟性及
び透明性が要求される用途において好適に使用すること
ができる。
【0110】医療用成形体について、更に具体的に例示
すると以下の物が挙げられるが本発明はこれに限定され
る物ではない。 A.血管造影用カテーテル、脳血管治療用カテーテル、
サーモダイリューションカテーテル、IVHカテーテ
ル、留置針等の血管内挿入または留置用カテーテル類、
あるいはこれらカテーテル用のダイレーター、スタイレ
ット、イントロデューサー、ガイドワイヤー。 B.各種バルーンまたはバルーンカテーテル。 C.胃管カテーテル、栄養カテーテル、経管栄養用チュ
ーブなどの経口または経鼻的に消化器官内に挿入または
留置されるカテーテル類。 D.酸素カテーテル、酸素カヌラ、気管内チューブのチ
ューブやカフ、気管切開チューブのチューブやカフ、気
管内吸引カテーテル等の経口または経鼻的に挿入ない
し、留置されるカテーテル類。 E.吸引カテーテル、廃液カテーテル、腹腔カテーテ
ル、直腸カテーテル、尿道カテーテル、トロカール管等
の各種体腔または組織内に挿入または留置されるカテー
テル類。 F.各種体腔内に挿入される内視鏡用チューブ。
【0111】G.ステント類や、人工血管、人工気管、
人工気管支、人工肛門等。 H.人工肺、人工心臓、人工腎臓、リザーバ、バブルト
ラップ、ドリップチャンバ等の各種医療器具や、血液流
路を形成する回路チューブ等の体外循環回路を構成する
部材。 I.血液バッグ、輸液バッグ、注液バッグ、廃液バッグ
等のバッグ類またはこれらに接続されるチューブ、コネ
クタ等の部材。 J.体内留置時、摺動時に低摩擦抵抗(潤滑性)を要求
される検査器具、治療器具、抗血栓性を要求される検査
器具、治療器具。 K.各種送気チューブ、送液チューブ。 L.コンタクトレンズ。
【0112】
【実施例】以下、実施例により、本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0113】各実施例、比較例で得られた共重合体の分
析は以下の手段によって実施した。13C−NMR測定
は、装置は日本電子社製α−500を用い、溶媒は重
1,1,2,2−テトラクロロエタンを用い、TMSを
基準として測定した。ここでいうTMSを基準とした測
定は以下のような測定である。先ずTMSを基準として
重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線13C
−NMRピークの中心ピークのシフト値を決めた。次い
で共重合体を重1,1,2,2−テトラクロロエタンに
溶解して13C−NMRを測定し、各ピークシフト値
を、重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中
心ピークを基準として算出した。重1,1,2,2−テ
トラクロロエタンの3重線中心ピークのシフト値は7
3.89ppmであった。測定はこれらの溶媒に対し、
共重合体を3重量/体積%溶解して行った。ピーク面積
の定量を行う13C−NMRスペクトル測定は、NOE
を消去させたプロトンゲートデカップリング法により、
パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し時間5秒を標
準として行った。ちなみに、同一条件で、但し繰り返し
時間を1.5秒に変更して測定してみたが、共重合体の
ピーク面積定量値は、繰り返し時間5秒の場合と測定誤
差範囲内で一致した。共重合体中のスチレン含量の決定
は、1H−NMRで行い、装置は日本電子社製α−50
0を用い、溶媒は重1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンを用い、TMSを基準として、フェニル基プロトン由
来のピ−ク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来
のプロトンピーク(0.8〜3ppm)の強度比較で行
った。分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の分子量を
求めた。室温でTHFに可溶な共重合体は、THFを溶
媒とし、東ソー社製HLC−8020を用い測定した。
室温でTHFに不溶な共重合体は、o−ジクロロベンゼ
ン(ODCB)を溶媒とし、東ソー社製HT/HLC−
8020を用い145℃で測定した。DSCの測定は、
セイコー電子社製DSC200を用い、N2気流下昇温
速度10℃/minで行った。
【0114】実施例で得られた樹脂組成物の機械的強
度、柔軟性、透明性、及び生体適合性はそれぞれ以下の
方法により測定した。 <成形体の機械的強度>厚さ1mmのシートを作製し、
このシートからJIS−2号1/2型成形片を打ち抜
き、この成形片を用いて、JIS K−7113の引張
試験方法に準じて引張速度100mm/minにて引張
弾性率、破断伸び、降伏点強度、破断強度、100%モ
ジュラス、300%モジュラスを求め、機械的強度の指
標とした。 <永久伸び>上記によって1mm厚にプレスした試料を
2号型1/2ダンベルに打ち抜きマークした1cmの標
線間の100%(2cm)まで伸長し10分間伸長保持
したのち除力してさらに10分間放置後、標線間の長さ
を測定し残留永久ひずみの測定を行った。永久伸びは伸
びの元の長さに対する比(%)で表した。 <柔軟性>厚さ5mmの成形片を作製し、JIS K−
7215のデユロメーター硬さ試験法に準じてタイプ
D、Aのデユロメーター硬度を求めて、柔軟性の指標と
した。 <成形体の透明性>厚さ1mmのシートを作製し、JI
S K−7361−1に規定された方法で、日本電色社
濁度計NDH−2000を用いてHazeを求めた。
【0115】<MFR>JIS K−7210の熱可塑
性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定した。測定
条件は、測定温度200℃、試験荷重5kgfで行っ
た。
【0116】<ポリスチレンクロス共重合化スチレン−
エチレン−ジビニルベンゼン共重合体の合成> <参考例1> 1. 配位重合工程 容量150L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付の重
合缶を用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン6
6L、脱水したスチレン6L、ジビニルベンゼン15m
lを仕込み、内温50℃に加熱攪拌した。トリイソブチ
ルアルミニウム84mmol、メチルアルモキサン(東
ソーアクゾ社製、PMAO−s)をAl基準で84mm
ol加えた。ただちにエチレンを導入し、圧力1.0M
Paで安定した後に、重合缶上に設置した触媒タンクか
ら、触媒、racジメチルメチレンビス(4.5−ベン
ゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを84
μmol、トリイソブチルアルミニウム2mmolを溶
かしたトルエン溶液約100mlを重合缶に加えた。直
ちに発熱が開始したので、ジャケットに冷却水を導入し
た。内温は最高55℃まで上昇したが、以降50℃を維
持し、エチレン圧を1.0MPaに維持しながら55分
間重合を実施した。エチレンを放圧後、重合缶気相部を
窒素で数回パージした。 2.クロス化工程 重合缶内温を約60℃に達するまで加熱した。重合缶上
に設置したタンクからn−ブチルリチウムヘキサン溶液
を210mmol添加し、アニオン重合を開始して、6
0℃、30分間攪拌した。 3. ポリマー回収(クラムフォーミング法) 重合液を激しく攪拌した分散剤(プルロニック;商品
名)を含む150L、97℃の加熱水中に1時間かけて
投入した。その後97℃で1時間攪拌した後に、クラム
を含む熱水中に投入し、クラムを回収した。クラムを5
0℃で風乾し、その後60℃で真空脱揮することで数m
m程度の大きさのクラム形状が良好な共重合体(P−
1)6.0kgを得た。
【0117】<参考例2> 1.配位重合工程 シクロヘキサン69L、スチレン3L、ジビニルベンゼ
ン8mlに変更した以外は参考例1と同様に行った。重
合温度は、開始時50℃から重合終了時(開始後50分
後)には56℃に上昇した。 2.クロス化工程 エチレンをパージ後、重合缶にスチレン3Lを加えた以
外は参考例1と同様にアニオン重合を行った。 3. ポリマー回収(クラムフォーミング法) 参考例1と同様にポリマー回収工程を実施した。その結
果、共重合体(P−2)7.0kgを得た。
【0118】<参考例3> 1.配位重合工程 ジビニルベンゼン10mlに変更した以外は参考例1と
同様に重合を行った。重合温度は、開始時50℃から重
合終了時(開始後40分後)には72℃に上昇した。 2.クロス化工程 エチレンをパージ後、重合缶にスチレン3Lを加え、さ
らにブチルリチウム210mmolを加え、重合温度7
0℃で参考例1と同様にアニオン重合を行った。 3.ポリマー回収(クラムフォーミング法) 参考例1と同様にポリマー回収工程を実施した。その結
果、共重合体(P−3)9.0kgを得た。
【0119】<参考例4> 1.配位重合工程 シクロヘキサン69L、スチレン3L、ジビニルベンゼ
ン7.5mlに変更した以外は参考例1と同様に行っ
た。重合温度は、開始時50℃から重合終了時(開始後
90分後)には60℃に上昇した。 2.クロス化工程 エチレンをパージ後、重合缶にスチレン3Lを加え、さ
らにブチルリチウム190mmolを加え、反応温度7
0℃で、参考例1と同様にアニオン重合を行った。 3.ポリマー回収(クラムフォーミング法) 参考例1と同様にポリマー回収工程を実施した。その結
果、共重合体(P−4)5.0kgを得た。
【0120】表1に重合条件、表2に得られた共重合体
の分析結果を示した。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】本発明に好適に用いられるスチレンクロス
共重合化スチレン−エチレン−ジエン共重合体は、スチ
レンユニットとエチレンユニットから誘導される構造と
して具体的には代表的な以下の一般式で表される構造を
任意の割合で含むことができる共重合体である。以下の
構造以外に、少量のジエンユニットから誘導される構造
を有する。13C−NMRスペクトルのメチン、メチレ
ン炭素領域には、以下に帰属できるピークを示す。a〜
oは、下記の化学式(化14)〜(化22)の化学構造
式中に表示した炭素を示す記号である。重テトラクロロ
エタンの3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基
準として、以下に帰属されるピークを示す。
【0124】(1)スチレンとエチレンの交互構造
【0125】すなわち、下記の化学式(化14)で表記
できる、Ph基に接続したメチン炭素及びそれに挟まれ
た3個のメチレン炭素からなる構造を示す。化学式(化
14)以降の一般式においては簡略化のため、水素原子
は省略した。
【0126】
【化14】
【0127】(2)エチレンの連鎖構造
【0128】
【化15】
【0129】(3)エチレン連鎖とスチレン1ユニット
からなる構造
【0130】
【化16】
【0131】(4)スチレンユニットのインバージョン
(テイル−テイル構造)からなる構造
【0132】
【化17】
【0133】(5)エチレンユニット或いはエチレン連
鎖とスチレンユニット2個のヘッド−テイル連鎖からな
る構造、
【0134】
【化18】
【0135】またはスチレンユニットとスチレン−エチ
レン交互構造ユニットがランダム性に結合した構造。 スチレンユニット
【0136】
【化19】
【0137】交互構造ユニット
【0138】
【化20】
【0139】
【化21】
【0140】(6)3個以上のスチレンユニットのヘッ
ド−テイル連鎖からなる構造
【0141】
【化22】
【0142】 25.1〜25.2ppm (c) 36.4〜36.5ppm (b) 44.8〜45.4ppm (a) 29.4〜29.9ppm (g) 36.5〜36.8ppm (e) 27.2〜27.6ppm (f) 45.4〜46.1ppm (d,h) 34.5〜34.9ppm (i) 42.3〜43.6ppm (j) 43.7〜44.5ppm (k) 35.6〜36.1ppm (l) 24.0〜24.9ppm (m) 40.4〜41.0ppm (n) 43.0〜43.6ppm (o) 以上のピークは、測定条件や溶媒等の影響、隣接する構
造からの遠距離効果、スチレン含量により、若干のシフ
トやピークのミクロ構造、あるいはピークショルダーが
生じる場合がある。
【0143】これらのピークの帰属は、Macromo
lecules,13,849(1980)、Stu
d.Surf.Sci.Catal.,517,199
0、J.Appl.Polymer Sci.,53,
1453(1994)、J.Polymer Phy
s.Ed.,13,901(1975)、Macrom
olecules,10,773(1977)、欧州特
許416815号公報、特開平4−130114号公報
の各文献、13C−NMR Inadequate法、
DEPT法、及び13C−NMRデ−タベ−スSTN
(Specinfo)によるピークシフト予測で行っ
た。
【0144】<エチレン−スチレンランダム共重合樹脂
P−5〜7の製造>容量150L、攪拌機及び加熱冷却
用ジャケット付きの重合缶を用いて重合を行った。脱水
したシクロヘキサン溶媒と、脱水したスチレンを表3に
示す仕込量及び重合温度にて加熱攪拌した。トリイソブ
チルアルミニウムをヘキサン溶液として表3に示す量を
添加し、次いでメチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製
PMAO−sあるいはMMAO−3A)を表3に示す量
を添加した。直ちにエチレンを導入し、表3に示す圧力
に安定した後に、重合缶上に設置した触媒タンクから、
表3に示した量の触媒、rac−ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロライドをトリイソブチルアルミニウム2mmolを溶
解したトルエン溶液約100mLに溶解させ、その溶液
を重合缶に加えた。エチレン圧を表3に示す圧力に維持
しながら表3に示す重合時間攪拌を続けて重合を重量し
た。重合終了後、激しく攪拌しながら85℃に加熱した
分散剤アデカプルロニックP103(旭電化社製、商品
名)を含む150Lの温度85℃の加熱水中に1時間か
けて投入した。その後、97℃に昇温し1時間攪拌した
後に、クラムを含む熱水を冷水中に投入してクラムを回
収した。得られたクラムを50℃で送風乾燥し、その後
60℃で真空脱気することで数mm程度の大きさのクラ
ム形状の良好なポリマーを得た。表2に得られた共重合
体の分析結果を示した。
【0145】
【表3】
【0146】<実施例1〜4>参考例1〜4で得られた
樹脂組成物を210℃で厚さ1〜5mmの厚さにプレス
成形して、引張特性、柔軟性、加工性を評価し、その結
果を表4に示す。
【0147】<比較例1〜3>参考例5〜7で得られた
樹脂組成物を210℃で厚さ1〜3mmの厚さにプレス
成形して、引張特性、柔軟性、加工性を評価し、その結
果を表4に示す。
【0148】<比較例4、5>エチレン−オクテン共重
合体、EG8180(デュポンダウエラストマー社
製)、LLDPE(三井化学社製 ウルトゼックス15
20L)、を用いて実施例1〜4と同様にプレス成形
し、評価を行った。その結果を表4に示す。
【0149】実施例1〜4と比較例1〜3を比較すると
引張弾性率が高く、医療用のチューブにした場合、ポン
プ等で送液するときに良いなどの利点がある。また、実
施例1〜4と比較例4、5を比較すると100%モジュ
ラスと、300%モジュラスの差が実施例1〜4は大き
く腰が強い感覚をもたらすのに対し、比較例4、5は差
が小さく頼りの無い感触をもたらす。従来用いられてい
る塩ビには実施例で示したものの感触の方が近い。
【0150】
【表4】
【0151】<γ線滅菌試験> <実施例5〜7>参考例1〜3を用いてプレスして得ら
れた1mm厚のシートをポリエチレンの袋に入れ、段ボ
ール箱に入れた。段ボール箱ごと通常滅菌条件である2
5kGrayのγ線を照射した。照射後、機械的強度、
柔軟性、Mw、MFR、黄色度を測定した。結果を表5
に示す。
【0152】<比較例6〜8>参考例4およびエチレン
−オクテン共重合体、EG8180(デュポンダウエラ
ストマー社製)、LLDPE(三井化学社製 ウルトゼ
ックス1520L)をプレスして得られた1mm厚のシ
ートを実施例5〜7と同様にγ線を照射した。照射後、
機械的強度、硬度、Mw、MFR、黄色度を測定した。
結果を表5に示す。
【0153】実施例5〜7、比較例6〜8とも機械的強
度、柔軟性、などの物性が変化せず、γ線滅菌が可能で
ある。
【0154】
【表5】
【0155】<血液適合性試験> <実施例8、9、比較例9>参考例2及び4で得られた
共重合体樹脂組成物を押出成形、ヒートシールすること
によって、15cm×10cm、厚さ0.5mmのバッ
グを作製した。比較例として同様のバッグを軟質塩化ビ
ニルシートで作製した。そのバッグを用いて下記の方法
により血液適合性を評価した。それぞれのバッグの中に
血小板の濃度が5IU/mlの濃度になるように調整し
た血小板濃厚液を入れ、25℃で72時間振盪した。血
小板濃厚液をバッグから取り出し、その血小板凝集能を
コラーゲン添加時の血小板凝集能を評価した。結果を表
6に示す。実施例8,9および比較例9とも、コラーゲ
ン添加時の血小板凝集能は50%であり、血小板の凝集
能が良好に保持されていた。このことから、参考例2、
及び4で得られた樹脂組成物からなるバッグは血液適合
性が良好であり軟質塩ビよりなるバッグと比較しても遜
色はない。
【0156】
【表6】
【0157】<生体適合性試験> <実施例10〜13>参考例1〜4で得られたクロス化
共重合体と、対照例用に軟質塩化ビニルをチューブ状に
押出成形することにより、長さ30cm、外径2.6m
m、内径1.6mmのカテーテルを作製した。得られた
カテーテルをそれぞれウサギ頚静脈中に挿入して7日間
留置した。なお、この際、カテーテルの内部には生理食
塩水を満たし、静脈より体外に出ている方の端部は封印
した。カテーテルをウサギ頚静脈から取り出し、生理食
塩水で洗浄した後、グルタルアルデヒドおよび酸化オス
ミウムで表面を処理することによって固定化し、肉眼及
び電子顕微鏡でカテーテルの外表面のフィブリンおよび
血小板を観察した。評価は軟質塩ビを基準としそれ以下
の数が観察された場合○、同程度の数が観察された場合
△、それ以上の数が観察された場合×とした。結果を表
7に示す。カテーテルの外表面に対して、実施例10〜
13いずれの樹脂組成物からのチューブにおいても、対
照例の軟質塩化ビニルと同程度以下のフィブリン及び血
小板が観察された。
【0158】
【表7】
【0159】
【発明の効果】本発明のビニル化合物クロス化オレフィ
ン−スチレン−ジエン共重合体を含有することを特徴と
する医療用成形体は、実質的に塩素を含まず、優れた柔
軟性、透明性、適度な弾力性を示すと同時に耐放射線
性、生体適合性を有するので、とくに医療分野において
好適に使用される。また、本質的に塩素を含有しないの
で安全性が高く、廃棄物処理の際、焼却または埋め立て
処理を行っても環境に対する負荷が少ないという利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロス化共重合体に主に含まれる構造
を示す概念図。
【図2】従来のグラフト化共重合体の構造を示す概念
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61M 1/14 590 A61M 5/14 365 4J028 5/14 365 C08F 4/64 4J100 C08F 4/64 210/00 210/00 210/02 210/02 212/08 212/08 255/02 255/02 257/02 257/02 C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES (C08F 210/00 //(C08F 210/00 236:02) 236:02) (C08F 210/00 (C08F 210/00 212:36) 212:36) (C08F 210/02 (C08F 210/02 236:02) 236:02) (C08F 210/02 (C08F 210/02 212:36) 212:36) (C08F 212/08 (C08F 212/08 236:02) 236:02) (C08F 212/08 (C08F 212/08 212:36) 212:36) C08L 51:06 C08L 51:06 A61J 1/00 330Z (72)発明者 斉 善宏 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木 茂 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4C066 AA07 BB01 CC01 EE01 FF01 JJ10 4C077 AA05 BB01 DD21 EE01 KK03 KK30 PP08 PP09 PP18 PP19 4C081 AB23 AB32 AC07 AC08 AC10 AC12 AC14 AC15 BA01 BB03 BB04 BB07 CA011 CA021 CA031 CB011 CC01 DA03 EA03 4F071 AA14X AA15X AA22X AA39X AA77 AA80 AA88 AF14 AF15 AF26 AF52 AF53 AF56 AH05 AH19 BC04 BC05 4J026 AA11 AA12 AA13 AA14 AA16 AA17 AA18 AA21 AA72 AC22 AC36 BA01 BA04 BA05 BA06 BA08 BA27 BA31 BA35 BA44 BA46 BA47 BA49 BB01 BB02 DA02 DA05 DA08 DA10 DA17 DA19 DB02 DB05 DB09 DB15 DB17 DB18 DB19 DB22 DB32 DB33 EA08 FA06 GA08 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC20A AC28A BA00A BA01B BB00A BB00B BB01B BC12B BC15B BC16B BC25B BC26B EA01 EA02 EB02 EB03 EB04 EB05 EB09 EB10 EB16 EB17 EB18 EB21 EC04 ED06 ED08 ED09 EF01 EF02 FA01 FA02 FA07 FA08 GA05 GA14 GA26 4J100 AA02P AA03P AA04P AA16P AA17P AA19P AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB08Q AB16R AR04P AR11P AR21R AR22R AS11R AS15R AU21R CA05 CA25 DA41 FA10 JA51

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン含量が5モル%以上96モル%以
    下、ジエン含量が0.0001モル%以上3モル%以
    下、残部がオレフィンであるオレフィン−スチレン−ジ
    エン共重合体100重量部に対して、ビニル化合物5〜
    150重量部をクロス化重合してなるクロス共重合体で
    あって、クロス鎖がシンジオタクティックのポリスチレ
    ンを含まないクロス鎖であり、荷重5kg、200℃で
    測定したMFRが0.2g/10分以上であるクロス共
    重合体を10重量%以上含有してなることを特徴とする
    医療用成形体。
  2. 【請求項2】配位重合工程として、配位重合触媒を用い
    てスチレンモノマー、オレフィンモノマー及びジエンモ
    ノマーの共重合を行ってオレフィン−スチレン−ジエン
    共重合体を合成し、次にクロス化工程として、このオレ
    フィン−スチレン−ジエン共重合体とビニル化合物の共
    存下、アニオン、ラジカル、またはカチオン重合開始剤
    または配位重合触媒を用いて製造されたクロス共重合体
    であることを特徴とする請求項1記載の医療用成形体。
  3. 【請求項3】配位重合工程において用いる配位重合触媒
    が、可溶性遷移金属触媒と助触媒から構成される重合触
    媒により製造されるクロス共重合体であることを特徴と
    する請求項1〜2いずれか1項記載の医療用成形体。
  4. 【請求項4】配位重合工程において用いる配位重合触媒
    が、下記の化学式化1で表される可溶性遷移金属触媒と
    助触媒から構成される重合触媒により製造されるクロス
    共重合体をであることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か1項記載の医療用成形体。 【化1】 式中、A,Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナ
    ンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、
    非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換も
    しくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フ
    ルオレニル基から選ばれる基である。YはA,Bと結合
    を有し、他に水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基
    を有するメチレン基、シリレン基、またはエチレン基で
    ある。置換基は互いに異なっていても同一でも良い。ま
    た、Yは環状構造を有していても良い。Xは、水素、ハ
    ロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10
    のアリール基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、
    炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素
    数1〜10のアルコキシ基、または炭素数1〜6のアル
    キル置換基を有するジアルキルアミド基である。Mはジ
    ルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
  5. 【請求項5】オレフィンがエチレンまたはエチレンを含
    む2種以上のオレフィンであるオレフィン−スチレン−
    ジエン共重合体にビニル化合物をクロス化重合してなる
    クロス共重合体であることを特徴とする請求項1〜4い
    ずれか1項記載の医療用成形体。
  6. 【請求項6】ジエンがアニオン重合可能なジエンから選
    ばれる1種または2種以上のジエンであるオレフィン−
    スチレン−ジエン共重合体にビニル化合物をクロス化重
    合してなるクロス共重合体であることを特徴とする請求
    項1〜5いずれか1項記載の医療用成形体。
  7. 【請求項7】ジエンがジビニルベンゼンであるオレフィ
    ン−スチレン−ジエン共重合体にビニル化合物をクロス
    化重合してなるクロス共重合体であることを特徴とする
    請求項1〜5いずれか1項記載の医療用成形体。
  8. 【請求項8】配位重合工程においてオレフィン−スチレ
    ン−ジエン共重合体を製造する際、ジエン量をスチレン
    の量1/30以下(モル比)の量で製造されるオレフィ
    ン−スチレン−ジエン共重合体にビニル化合物をクロス
    化重合してなるクロス共重合体であることを特徴とする
    請求項1〜7いずれか1項記載の医療用成形体。
  9. 【請求項9】オレフィン−スチレン−ジエン共重合体に
    芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物と共重合
    可能なビニル化合物の混合物をクロス化重合してなるク
    ロス共重合体であることを特徴とする請求項1〜8いず
    れか1項記載の医療用成形体
  10. 【請求項10】テトラメチルシラン(TMS)を基準と
    した13C-NMR測定によって42.3〜43.1p
    pm、43.7〜44.5ppm、40.5〜41.0
    ppm、43.0〜43.6ppmに観察されるピーク
    によって帰属されるスチレンユニットの連鎖構造を有す
    るオレフィン−スチレン−ジエン共重合体にビニル化合
    物をクロス化重合してなるクロス共重合体であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の医療用成
    形体。
  11. 【請求項11】配位重合工程で得られるオレフィン−ス
    チレン−ジエン共重合体が、共重合体構造中に含まれる
    下記の化学式(化2)で示されるスチレンとエチレンの
    交互構造のフェニル基の立体規則性が下記の式(S1)
    で定義されるアイソタクティクダイアッド分率Pmで
    0.5より大きいエチレン−スチレン−ジエン共重合体
    であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項
    記載の医療用成形体。 【化2】 (式中、Phはフェニル基、xは繰り返し単位数を示し
    2以上の整数を表す。) Pm=Am/(Ar+Am) 式(S1) ここでAm,ArはそれぞれTMSを基準とした13C
    −nmrにより25ppm付近に現れるメチレン炭素の
    メソダイアッド構造(m構造)に由来するピーク面積、
    ラセミダイアッド構造(r構造)に由来するピーク面積
    をそれぞれ示す。
  12. 【請求項12】配位重合工程で得られるオレフィン−ス
    チレン−ジエン共重合体が共重合体構造中に含まれる上
    記の化学式(化2)で示されるスチレンとエチレンの交
    互構造の割合を示す下記の式(S2)で定義される交互
    構造指数λが70より小さく、0.01より大きいオレ
    フィン−スチレン−ジエン共重合体にビニルモノマーを
    クロス化重合してなるクロス共重合体であることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれか1項記載の医療用成形
    体。 λ=A3/A2×100 式(S2) ここでA3は、13C-NMR測定により得られる、下
    記の化学式(化3)で示される3種類のピークa,b、
    cの面積の総和である。また、A2はTMSを基準とし
    て13C-NMRによる0〜50ppmの範囲に観測さ
    れる主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピーク
    の面積の総和である。 【化3】 (式中、Phはフェニル基、xは繰り返し単位を示し2
    以上の整数を表す。)
  13. 【請求項13】クロス化工程で用いられる芳香族ビニル
    化合物が配位重合工程で未反応のモノマーであり、配位
    重合溶液から重合体を分離精製せずにクロス化工程を実
    施することによって製造されるクロス共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の医
    療用成形体。
  14. 【請求項14】成形体が血液バッグ、輸液バッグまたは
    透析バッグであることを特徴とする請求項1〜13いず
    れか1項記載の医療用成形体。
  15. 【請求項15】成形体がチューブ、カテーテル、血液回
    路であることを特徴とする請求項1〜13いずれか1項
    記載の医療用成形体。
  16. 【請求項16】接液表面に抗血栓性を付与したことを特
    徴とする請求項1〜15いずれか1項記載の医療用成
    体。
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