JP2010013575A - 耐摩耗性、耐熱性、シボ保持性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその表皮シート - Google Patents
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Abstract
【課題】
オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体とポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物、及び表皮シートの耐熱性、耐摩耗性、シボ保持性を大幅に改善する。
【解決手段】
特定のオレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体とポリフェニレンエーテルを、特定の割合で配合することで、耐摩耗性、耐熱性、シボ保持性に優れた熱可塑性樹脂組成物と表皮シートが得られる。オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体が、配位重合工程とアニオン重合工程からなる重合工程を経て得られるものであることを特徴とする。
【選択図】 なし
オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体とポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物、及び表皮シートの耐熱性、耐摩耗性、シボ保持性を大幅に改善する。
【解決手段】
特定のオレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体とポリフェニレンエーテルを、特定の割合で配合することで、耐摩耗性、耐熱性、シボ保持性に優れた熱可塑性樹脂組成物と表皮シートが得られる。オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体が、配位重合工程とアニオン重合工程からなる重合工程を経て得られるものであることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリフェニレンエーテルとオレフィンー芳香族ビニル化合物系クロス共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、及びそれを用いた表皮シートに関する。
従来、塩化ビニル樹脂(PVC)は、表皮シート、たとえば自動車内装材用表皮シートとして広く使用されてきた。しかしながら、塩化ビニル樹脂を使用した自動車内装材用表皮シートは、耐光性、耐フォギング性、軽量性に問題があった。そこで、これらの特性が良好なポリオレフィン系熱可塑性軟質表皮シートが、塩化ビニル樹脂表皮シートの代替品として有望視されてきた。
しかしながら、ポリオレフィン系熱可塑性軟質表皮シートは、塩化ビニル樹脂表皮シートに比べて、耐摩耗性、シボ残り性等の真空成形性が劣るという課題があった。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの耐摩耗性を改善出来る熱可塑性樹脂としてはスチレン−エチレン系共重合体があったが、(特許文献1)このポリマーを使用したシートのシボ保持性はPVCより劣り、耐摩耗性もPVCより若干低いという課題があった。
さらに、スチレン−エチレン系共重合体にポリフェニレンエーテルをブレンドする技術もあるが(特許文献2)、耐熱性は向上するものの、シボ保持性と耐摩耗性はPVCのレベルに達しない。
したがって、塩化ビニル樹脂表皮シートと同等ないしそれ以上に、耐熱性、耐摩耗性、シボ残り性等の真空成形性に優れた自動車内装材用熱可塑性軟質表皮シートの出現が望まれている。
特開2000−119456号公報
特開2000−198918号公報
本発明は、上記の従来技術に伴う問題点を解決しよとするものであって、耐熱性、耐摩耗性、シボ保持性に優れた熱可塑性軟質樹脂組成物及び該組成物からなる表皮シートを提供することを目的としている。
本発明者らは耐熱性、耐摩耗性、シボ保持性の優れた熱可塑性樹脂組成物を得るべく、鋭意研究を重ねた結果、オレフィンー芳香族ビニル系クロス共重合体とポリフェニレンエーテル(以下、PPEという)を配合することで十分な耐熱性、耐摩耗性を有し、シボ保持性の改良された熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いられるPPEは市販のものが使用できる。PPEは、第1銅塩と第三級アミンとからなる触媒系の存在下に、フェノールを酸素含有ガスで酸化させるような当業界で周知の技術により製造される。PPEとしては下記一般式[化1]で示される反復単位を有するホモPPE樹脂およびPPE共重合体が挙げられる。
式中、Q1、Q2、Q3およびQ4は独立して水素、炭化水素基、ハロゲン原子とフェノール核との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロ炭化水素基、ハイドロカルボノキシ基よりなる群から選択され、さらにQ2、Q3およびQ4はハロゲンとすることもできる。nはモノマー残基の合計数を示し少なくとも50以上の整数である。
式中、Q1、Q2、Q3およびQ4は独立して水素、炭化水素基、ハロゲン原子とフェノール核との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロ炭化水素基、ハイドロカルボノキシ基よりなる群から選択され、さらにQ2、Q3およびQ4はハロゲンとすることもできる。nはモノマー残基の合計数を示し少なくとも50以上の整数である。
本発明で用いるPPEとしてはポリ(2,6−ジメチル−1−4−フェニレン)エーテルが特に好適である。
本発明のオレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体(以下クロス共重合体と略す)の製造方法は、配位重合工程とアニオン重合工程からなる重合工程を含む製造方法であって、配位重合工程において、シングルサイト配位重合触媒を用いてオレフィンモノマー、芳香族ビニル化合物モノマーおよび芳香族ポリエンの共重合を行って、芳香族ビニル化合物ユニット含量10モル%以上40モル%以下、芳香族ポリエンユニット含量0.01モル%以上0.5モル%以下、残部がオレフィンユニット含量であるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体を合成し、次にアニオン重合工程において、このオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体とアニオン重合性ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合することを特徴とする。
本方法で得られるクロス共重合体には、主鎖であるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体にクロス鎖であるアニオン重合性モノマ−から構成されるポリマ−鎖が主鎖芳香族ポリエンユニットを介し結合している構造(クロス共重合構造、またはSegregated star copolymer構造)を含むと考えられる。
配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の組成が芳香族ビニル化合物ユニット含量10モル%以上40モル%以下、芳香族ポリエンユニット含量0.01モル%以上0.5モル%以下残部がオレフィンユニット含量であることにより、ポリフェニレンエーテルとブレンドした場合に優れたシボ保持性を有する熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。オレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の組成は、公知の一般的方法により上記範囲に制御することが達成できるが、最も簡単にはモノマ−仕込み組成比を変更することにより達成できる。
さらに、本製造方法の配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の質量割合が、アニオン重合工程を経て最終的に得られるクロス共重合体に対して60質量%以上80質量%以下であることを特徴とするクロス共重合体である。
さらに本製造方法の配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の芳香族ポリエンユニット含量は、0.01モル%以上0.5モル%以下である。0.01モル%未満ではクロス共重合体としての特性が充分ではなく、0.5モル%より高いと成形加工性が悪化してしまう。さらに芳香族ポリエンユニット含量が0.02モル%以上0.2モル%以下の範囲である場合、クロス共重合体の物性に主鎖であるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の機能性が十分に生かされ好ましい。芳香族ポリエンユニット含量が0.2モル%以上である場合、主鎖の芳香族ポリエンユニット間の平均鎖長が短くなり、主鎖であるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の機能性が十分に生かされない場合がある。
本製造方法の配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体中の芳香族ビニル量は、10モル%以上40モル%以下である。10モル%未満あるいは40モル%を超えると、PPEとブレンドした場合の硬度が高く、軟質性が失われ、シボ保持性が低下する場合がある。
本製造方法の配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の質量割合は、アニオン重合工程を経て最終的に得られるクロス共重合体に対して60質量%以上80質量%以下であることが好ましい。60質量%未満あるいは80質量%超ではPPEとブレンドした場合の摩耗性が低下してしまう場合がある。更にアニオン重合工程のない場合では、当該共重合体は100%であるが、その場合はPPEとブレンドした場合、耐熱性は向上するもののシボ保持性、耐摩耗性が低下するという課題がある。
以下に、本発明の製造方法について詳細に説明する。
<配位重合工程>
本製造方法の配位重合工程においては、シングルサイト配位重合触媒が用いられる。好ましくは、下記の一般式(1)または(2)で表される遷移金属化合物と助触媒から構成されるシングルサイト配位重合触媒を用いる。
式中、A、Bは同一でも異なっていてもよく、非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。
YはA、Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、硼素残基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yは環状構造を有していてもよい。
Xは、水素、水酸基、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、または炭素数1〜20の炭化水素置換基を有するアミド基である。2個のXは結合を有しても良い。
Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
好ましくは、A、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である。
好ましくは、YはA、Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基または硼素基である。
<配位重合工程>
本製造方法の配位重合工程においては、シングルサイト配位重合触媒が用いられる。好ましくは、下記の一般式(1)または(2)で表される遷移金属化合物と助触媒から構成されるシングルサイト配位重合触媒を用いる。
式中、A、Bは同一でも異なっていてもよく、非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。
YはA、Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、硼素残基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yは環状構造を有していてもよい。
Xは、水素、水酸基、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、または炭素数1〜20の炭化水素置換基を有するアミド基である。2個のXは結合を有しても良い。
Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
好ましくは、A、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である。
好ましくは、YはA、Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基または硼素基である。
さらに本遷移金属化合物はラセミ体であることが好ましい。かかる遷移金属化合物の好適な例としては、EP−0872492A2公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報に具体的に例示した置換メチレン架橋構造を有する遷移金属化合物や、WO01/068719号公報に具体的に例示した硼素架橋構造を有する遷移金属化合物である。
式中、Cpは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。Y’は、Cp、Zと結合を有し、他に水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、硼素残基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Y’は環状構造を有していてもよい。Zは窒素、酸素またはイオウを含み、窒素、酸素またはイオウでM’に配位する配位子でY’と結合を有し、他に水素、炭素数1〜15の置換基を有する基である。
M’はジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
X’は、水素、ハロゲン、炭素数1−15のアルキル基、炭素数6−10のアリール基、炭素数8−12のアルキルアリール基、炭素数1−4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1−10のアルコキシ基、または炭素数1−6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基である。
nは、1または2の整数である。
式中、Cpは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。Y’は、Cp、Zと結合を有し、他に水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基を有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、硼素残基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Y’は環状構造を有していてもよい。Zは窒素、酸素またはイオウを含み、窒素、酸素またはイオウでM’に配位する配位子でY’と結合を有し、他に水素、炭素数1〜15の置換基を有する基である。
M’はジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
X’は、水素、ハロゲン、炭素数1−15のアルキル基、炭素数6−10のアリール基、炭素数8−12のアルキルアリール基、炭素数1−4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1−10のアルコキシ基、または炭素数1−6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基である。
nは、1または2の整数である。
本製造方法の配位重合工程で用いる助触媒としては、従来遷移金属化合物と組み合わせて用いられている公知の助触媒を使用することができるが、そのような助触媒として、メチルアルミノキサン(またはメチルアルモキサンまたはMAOと記す)等のアルモキサンまたは硼素化合物が好適に用いられる。用いられる助触媒の例としては、EP−0872492A2号公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報、WO00/20426号公報、EP0985689A2号公報、特開平6−184179号公報に記載されている助触媒やアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。
アルモキサン等の助触媒は、遷移金属化合物の金属に対し、アルミニウム原子/遷移金属原子比で0.1〜100000、好ましくは10〜10000の比で用いられる。0.1より小さいと有効に遷移金属化合物を活性化出来ず、100000を超えると経済的に不利となる。
アルモキサン等の助触媒は、遷移金属化合物の金属に対し、アルミニウム原子/遷移金属原子比で0.1〜100000、好ましくは10〜10000の比で用いられる。0.1より小さいと有効に遷移金属化合物を活性化出来ず、100000を超えると経済的に不利となる。
助触媒として硼素化合物を用いる場合には、硼素原子/遷移金属原子比で0.01〜100の比で用いられるが、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは1で用いられる。0.01より小さいと有効に遷移金属化合物を活性化出来ず、100を超えると経済的に不利となる。遷移金属化合物と助触媒は、重合設備外で混合、調製しても、重合時に設備内で混合してもよい。
本発明に用いられるオレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、すなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサンや環状オレフィン、すなわちシクロペンテン、ノルボルネンが挙げられる。好ましくは、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンすなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテン等の混合物が用いられ、更に好ましくは、エチレンが用いられる。
本発明に用いられる芳香族ビニル化合物は、スチレンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられる。工業的には好ましくはスチレン、p−メチルスチレン特に好ましくはスチレンが用いられる。
本発明に用いられる芳香族ポリエンは10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合(ビニル基)と単数または複数の芳香族基を有し配位重合可能な芳香族ポリエンであり、二重結合(ビニル基)の1つが配位重合に用いられて重合した状態において残された二重結合がアニオン重合可能な芳香族ポリエンである。好ましくは、パラジビニルベンゼンまたはメタジビニルベンゼンのいずれか1種または2種以上の混合物が好適に用いられる。
本発明の配位重合工程でオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体を製造するにあたっては、上記に例示した各モノマー、遷移金属化合物および助触媒を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公知の方法を用いることができる。
以上の共重合の方法としては溶媒を用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素またはその混合溶媒を用いる方法がある。好ましくは混合アルカン系溶媒やシクロヘキサンやトルエン、エチルベンゼンを用いる。重合形態は溶液重合、スラリ−重合いずれでもよい。また、必要に応じ、バッチ重合、連続重合、予備重合、多段式重合等の公知の方法を用いることが出来る。
単数や連結された複数のタンク式重合缶やリニアやル−プの単数、連結された複数のパイプ重合設備を用いることも可能である。パイプ状の重合缶には、動的、あるいは静的な混合機や除熱を兼ねた静的混合機等の公知の各種混合機、除熱用の細管を備えた冷却器等の公知の各種冷却器を有しても良い。また、バッチタイプの予備重合缶を有していても良い。さらには気相重合等の方法を用いることができる。
重合温度は、−78℃から200℃が適当である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を超えると遷移金属化合物の分解が起こるので適当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜160℃、特に好ましくは30℃〜160℃である。
重合時の圧力は、0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧である。
以上の共重合の方法としては溶媒を用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素またはその混合溶媒を用いる方法がある。好ましくは混合アルカン系溶媒やシクロヘキサンやトルエン、エチルベンゼンを用いる。重合形態は溶液重合、スラリ−重合いずれでもよい。また、必要に応じ、バッチ重合、連続重合、予備重合、多段式重合等の公知の方法を用いることが出来る。
単数や連結された複数のタンク式重合缶やリニアやル−プの単数、連結された複数のパイプ重合設備を用いることも可能である。パイプ状の重合缶には、動的、あるいは静的な混合機や除熱を兼ねた静的混合機等の公知の各種混合機、除熱用の細管を備えた冷却器等の公知の各種冷却器を有しても良い。また、バッチタイプの予備重合缶を有していても良い。さらには気相重合等の方法を用いることができる。
重合温度は、−78℃から200℃が適当である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を超えると遷移金属化合物の分解が起こるので適当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜160℃、特に好ましくは30℃〜160℃である。
重合時の圧力は、0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧である。
さらに用いられるシングルサイト配位重合触媒の遷移金属化合物が一般式(1)で示される構造を有し、かつA、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基であり、YはA、Bと結合を有し、他に置換基として水素もしくは炭素数1〜15の炭化水素基(1〜3個の窒素、酸素、硫黄、燐、珪素原子を含んでもよい)を有するメチレン基または硼素基であり、かつ本遷移金属化合物はラセミ体である場合、得られる本組成範囲のオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体は、オレフィン−芳香族ビニル化合物の交互構造、好ましくはエチレン−芳香族ビニル化合物交互構造にアイソタクティックの立体規則性を有し、そのため本発明のクロス共重合体は本交互構造に由来する微結晶性を有することが出来る。そのため、本オレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体は、立体規則性がない場合と比較し交互構造の微結晶性に基づく良好な力学物性や耐油性を与えることができ、この特徴は最終的に本発明のクロス共重合体にも受け継ぐことが出来る。
本発明の製造方法において、配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の質量割合はアニオン重合工程を経て最終的に得られるクロス共重合体質量に対して60質量%以上80質量%以下である条件を満たす。本条件を満たすことで、ポリフェニレンエーテルとブレンドした場合の耐摩耗性が優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の質量がクロス共重合体質量の60質量%未満あるいは80質量%を超えるである場合、ポリフェニレンエーテルとブレンドした場合の耐摩耗性が低下するという課題がある。
<アニオン重合工程>
本発明の製造方法のアニオン重合工程では、配位重合工程で得られたオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体とアニオン重合性ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合を行う。アニオン重合工程においては、アニオン重合性ビニル化合物モノマーであれば、いずれも使用することが可能である。
本発明の製造方法のアニオン重合工程では、配位重合工程で得られたオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体とアニオン重合性ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合を行う。アニオン重合工程においては、アニオン重合性ビニル化合物モノマーであれば、いずれも使用することが可能である。
特に、本発明においてはスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャリ−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物、メチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等及びこれらの混合物が用いられる。好ましくは芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物とこれらアニオン重合可能なモノマ−との混合物、最も好ましくは芳香族ビニル化合物が用いられる。
本発明のアニオン重合工程では上記アニオン重合性モノマ−以外に、配位重合工程で重合されずに重合液中に少量残存する芳香族ポリエンが重合されても良い。
本発明のアニオン重合工程では上記アニオン重合性モノマ−以外に、配位重合工程で重合されずに重合液中に少量残存する芳香族ポリエンが重合されても良い。
本発明のアニオン重合工程は、上記の配位重合工程の後に実施される。この際、配位重合工程で得られた共重合体を、クラムフォーミング法、スチームストリッピング法、脱揮槽、脱揮押出し機等を用いた直接脱溶媒法等、任意のポリマー回収法を用いて、重合液から分離、精製してアニオン重合工程に用いても良い。しかし、配位重合後の重合液から、残留オレフィンを放圧後、あるいは放圧せずに、次のアニオン重合工程に用いるのが、経済的に好ましい。重合体を重合液から分離せずに、重合体を含んだ重合溶液をクロス化工程に用いることができることが本発明の特徴の1つである。
溶媒はアニオン重合工程で、アニオン重合の際に連鎖移動等の不都合を生じない混合アルカン系溶媒やシクロヘキサンやベンゼン等の溶媒が特に好ましいが、重合温度が150℃以下であれば、トルエン、エチルベンゼン等の他の溶媒も用いることが可能である。
重合形態は、アニオン重合に用いられる任意の公知の方法を用いることができる。
重合温度は、−78℃から200℃が適当である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、150℃を超えると連鎖移動等が起こるので適当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜200℃、特に好ましくは30℃〜150℃である。
重合時の圧力は、0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧である。
重合形態は、アニオン重合に用いられる任意の公知の方法を用いることができる。
重合温度は、−78℃から200℃が適当である。−78℃より低い重合温度は工業的に不利であり、150℃を超えると連鎖移動等が起こるので適当ではない。さらに工業的に好ましくは、0℃〜200℃、特に好ましくは30℃〜150℃である。
重合時の圧力は、0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧である。
本発明のアニオン重合工程には、公知のアニオン重合開始剤を用いることができる。好ましくは、アルキルリチウム化合物やビフェニル、ナフタレン、ピレン等のリチウム塩あるいはナトリウム塩、特に好ましくは、sec−ブチルリチウム、n(ノルマル)−ブチルリチウムが用いられる。また、多官能性開始剤、ジリチウム化合物、トリリチウム化合物を用いても良い。さらに必要に応じて公知のアニオン重合末端カップリング剤を用いてもよい。
アニオン重合工程では、開始剤量を適宜調節することで、クロス鎖の長さ、クロス化されなかったホモポリマーの分子量を任意に変更することが可能である。
クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロス化されなかったホモポリマーの分子量から推定できるが、その長さは、重量平均分子量として、好ましくは5000以上20万以下である。また、その分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは3以下、特に好ましくは1.5以下である。
クロス鎖部分の長さ(分子量)は、クロス化されなかったホモポリマーの分子量から推定できるが、その長さは、重量平均分子量として、好ましくは5000以上20万以下である。また、その分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは3以下、特に好ましくは1.5以下である。
アニオン重合工程において用いられるアニオン重合性ビニル化合物モノマーは、芳香族ビニル化合物モノマ−であることが好ましい。ここで、配位重合工程に用いられる芳香族ビニル化合物モノマ−とアニオン重合工程において用いられる芳香族ビニル化合物モノマ−は同一であることが好ましい。最も好ましくは配位重合工程で用いられる芳香族ビニル化合物モノマ−がスチレンであり、かつアニオン重合工程において用いられるアニオン重合性ビニル化合物モノマーがスチレンであり、その一部または全部が配位重合工程における未反応スチレンである。
熱可塑性樹脂組成物中のポリフェニレンエーテルは、10〜30質量部、好ましくは15〜25質量部である。この配合量が10質量部より少ないと耐熱性が不十分である場合がある。一方、30質量部より多いと耐摩耗性の低下を招く場合がある。
熱可塑性樹脂組成物中のオレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体は、90〜70質量部、好ましくは85〜75質量部である。
この配合量が90質量部より多いと、耐熱性が不十分である場合がある。一方、70質量部より少ないと耐摩耗性の低下を招く場合がある。
この配合量が90質量部より多いと、耐熱性が不十分である場合がある。一方、70質量部より少ないと耐摩耗性の低下を招く場合がある。
本発明のクロス共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物には、塩ビや他の樹脂に用いられる公知の任意の可塑剤を配合することが出来る。好ましい可塑剤は、含酸素または含窒素系可塑剤であり、エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、エ−テル系可塑剤、アミド系可塑剤、パラフィン系オイルである。
これらの可塑剤は、本発明のクロス共重合体に用いられるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体との相溶性が比較的良好でブリ−ドし難く、またガラス転移温度が低下する度合いで評価できる可塑化効果も大きく好適である。また、これらの可塑剤を用いた場合、特異的な効果として本発明のクロス共重合体に用いられるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体、特にエチレン−芳香族ビニル化合物−ジビニルベンゼン共重合体中のエチレンと芳香族ビニル化合物ユニットのアイソタクティック交互構造の結晶化を促進して結晶化度を上げる効果があり、通常の可塑化効果に加え耐熱性や耐油性の向上効果をも示すことが出来る。
本発明に好適に用いることができるエステル系可塑剤としては、各種フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セバチン酸エステル、アゼレート系エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、グルタミン酸エステル、コハク酸エステル、酢酸エステル等のモノ脂肪酸エステル、リン酸エステルやこれらのポリエステルが挙げられる。
本発明に好適に用いることができるエポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油が挙げられる。
本発明に好適に用いることができるエ−テル系可塑剤としては、ポリエチレングリコ−ルやポリプロピレングリコ−ルやこれらの共重合物、混合物が挙げられる。
本発明に好適に用いることができるアミド系可塑剤としては、各種スルホン酸アミドが挙げられる。これら可塑剤は単独で用いても、複数を用いても良い。
本発明に好適に用いることができるアミド系可塑剤としては、各種スルホン酸アミドが挙げられる。これら可塑剤は単独で用いても、複数を用いても良い。
可塑剤の配合量は、本発明のクロス共重合体またはその樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは1以上〜30質量部以下である。1質量部未満では上記効果が不足し、30質量部より多いとブリ−ドや、過度の軟化、それによる過度のべたつきの発現等の原因となる場合がある。
混合方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、単軸、二軸のスクリュー押出機、バンバリー型ミキサー、プラストミル、コニーダー、加熱ロールなどで溶融混合を行うことができる。溶融混合を行う前に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、タンブラーなどで各原料を均一に混合しておくこともよい。溶融混合温度はとくに制限はないが、100〜300℃、好ましくは150〜250℃が一般的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は各種成形方法で成型できる。一般的な成形方法である射出成形、プレス成形、シート成形、異形押し出し成形、インフレーション成形、真空成形などが挙げられる。シボの転写についても射出成形、プレス成形、ロール転写、真空成形等の方法が挙げられる。表皮シートは、例えば、自動車内装部品(ドアトリム、イアンストルメントパネル、コンソールボックス、サンバイザー、グローブボックス)の表皮や家電機器(テレビ、ゲーム機、DVDレコーダー、パーソナルコンピューター、携帯電話)の表皮に使用できる。
以下、実施例により、本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実施例で得られたクロス共重合体及の分析は以下の手段によって実施した。
13C−NMRスペクトルは、日本電子社製α−500を使用し、重1,1,2,2−テトラクロロエタン溶媒を用い、TMSを基準として測定した。ここでいうTMSを基準とした測定は以下のような測定である。先ずTMSを基準として重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線13C−NMRピークの中心ピークのシフト値を決めた。次いで共重合体を重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解して13C−NMRを測定し、各ピークシフト値を、重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中心ピークを基準として算出した。重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中心ピークのシフト値は73.89ppmであった。測定は、これら溶媒に対し、ポリマーを3質量%溶解して行った。
ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペクトル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し時間5秒を標準として行った。
ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペクトル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し時間5秒を標準として行った。
クロス共重合体成分中のスチレン含量の決定は、1H−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−250を用いた。重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、測定は、80〜100℃で行った。TMSを基準としてフェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク(0.8〜3ppm)の面積強度比較で行った。
クロス共重合体成分の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。THFを溶媒とし、東ソー社製HLC−8020を用い測定した。
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量を求めた。高温GPC測定は、東ソー社製HLC−8121GPC/HTを用い、カラムはTSKgelGMHHR−H HT(東ソー社製)、オルトジクロロベンゼンを溶媒として送液流量1.0ml/min、145℃で測定した。また、常温での測定は、日立製作所社製L−5030 カラムはTSK−GEL MultiporeHXL-M(東ソ−社製)を2本直列し、テトラヒドロフランを溶媒として送液流量1.0ml/min、40℃で測定した。
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量と数平均分子量を求めた。高温GPC測定は、東ソー社製HLC−8121GPC/HTを用い、カラムはTSKgelGMHHR−H HT(東ソー社製)、オルトジクロロベンゼンを溶媒として送液流量1.0ml/min、145℃で測定した。また、常温での測定は、日立製作所社製L−5030 カラムはTSK−GEL MultiporeHXL-M(東ソ−社製)を2本直列し、テトラヒドロフランを溶媒として送液流量1.0ml/min、40℃で測定した。
DSC測定は、セイコー電子社製DSC200を用い、窒素気流下で行った。すなわち樹脂組成物10mgを用い、昇温速度10℃/分で−50℃から240℃までDSC測定を行い、融点、結晶融解熱及びガラス転移点を求めた。1回目の測定後液体窒素で急冷した後に行う2度目の測定は行わなかった。
なお、物性評価用の試料は加熱プレス法(温度200℃、時間3分間、圧力50kg/cm2)により成形した厚さ1.0mmのシ−トを用いた。
なお、物性評価用の試料は加熱プレス法(温度200℃、時間3分間、圧力50kg/cm2)により成形した厚さ1.0mmのシ−トを用いた。
<硬度>
硬度はJIS K−7215プラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプAのデュロメーター硬度を求めた。この硬度は瞬間値である。
硬度はJIS K−7215プラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプAのデュロメーター硬度を求めた。この硬度は瞬間値である。
<MFR>
MFRはJIS K−7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定した。測定温度 220℃、試験荷重10kgで行った。
MFRはJIS K−7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定した。測定温度 220℃、試験荷重10kgで行った。
<耐熱性>
シボ付きシート(250×250×0.4mm)をプレス成形で作成した。このシートをギヤオーブン内で100℃×3時間加熱処理し、処理前後の長辺の長さを測定し3段階評価を行った。
(3段階評価)
変形率が3%以内であれば A
変形率が3〜5%であれば B
変形率が5%超であれば C
変形率=100×(試験後の長さ−試験前の長さ)/試験前の長さ
シボ付きシート(250×250×0.4mm)をプレス成形で作成した。このシートをギヤオーブン内で100℃×3時間加熱処理し、処理前後の長辺の長さを測定し3段階評価を行った。
(3段階評価)
変形率が3%以内であれば A
変形率が3〜5%であれば B
変形率が5%超であれば C
変形率=100×(試験後の長さ−試験前の長さ)/試験前の長さ
<耐摩耗性>
上記のシボ付きシートを250×20×0.4mmの寸法にカットし、学振摩耗試験器(テスター産業製ラビングテスター)にて耐摩耗性を評価した。 摩擦速度は30回/分、試験荷重は500gとし、摩擦子には6号帆布を使用した。シボ付きシートが破れる回数により3段階評価を行った。
(3段階評価)
1万回以上 A
5000回〜1万回 B
5000回以内 C
上記のシボ付きシートを250×20×0.4mmの寸法にカットし、学振摩耗試験器(テスター産業製ラビングテスター)にて耐摩耗性を評価した。 摩擦速度は30回/分、試験荷重は500gとし、摩擦子には6号帆布を使用した。シボ付きシートが破れる回数により3段階評価を行った。
(3段階評価)
1万回以上 A
5000回〜1万回 B
5000回以内 C
<シボ保持性>
上記シボ付きシートをギアオーブン内で130℃で5分間放置し、シボの残り具合を3段階評価した。
(3段階評価)
シボが殆ど消えていない A
シボがやや消えている B
シボが殆ど消えている C
上記シボ付きシートをギアオーブン内で130℃で5分間放置し、シボの残り具合を3段階評価した。
(3段階評価)
シボが殆ど消えていない A
シボがやや消えている B
シボが殆ど消えている C
<触媒(遷移金属化合物)>
以下の実験例A〜Hでは触媒(遷移金属化合物)として、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用いた。
以下の実験例A〜Hでは触媒(遷移金属化合物)として、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを用いた。
(実験例A〜H)
<クロス共重合体A〜G>
再公表公報(国際公開番号 WO00/37517)に記載された製法に準拠して、クロス共重合体A〜Gを作製した。
分析結果を表1に示す。
<クロス共重合体A〜G>
再公表公報(国際公開番号 WO00/37517)に記載された製法に準拠して、クロス共重合体A〜Gを作製した。
分析結果を表1に示す。
(実験例H)
実施例Eにて配位重合のみ実施し、アニオン重合を行わないでサンプルを得た。この重合体をSE共重合体Hとした。 分析結果を表1に示す。
実施例Eにて配位重合のみ実施し、アニオン重合を行わないでサンプルを得た。この重合体をSE共重合体Hとした。 分析結果を表1に示す。
配位重合工程で得られたポリマ−の分析は、配位重合工程終了時にサンプリングした少量(数十ml)の重合液をメタノールに析出させてポリマ−を回収し、ポリマ−収量、組成、分子量等を求めた。配位重合工程で得られたポリマ−のジビニルベンゼン含有量は、ガスクロ分析により求めた重合液中の未反応ジビニルベンゼン量と、重合に用いたジビニルベンゼン量の差から求めた。
実施例1〜4及び比較例1〜8
市販のポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製 商品名「PX100LF」 、固有粘度0.46、)と実験例A〜Hのクロス共重合体及びSE共重合体H、酸化防止剤を表―4に示す重量比で混合し、30mmφ2軸押出機で230℃で溶融混練して組成物とした。また比較のため従来技術に係わる比較材として軟質塩化ビニル系樹脂(比較例8)を準備した。 実施例、比較例のペレットについて200℃でプレス成形を行い、各種試験片を作成した。
市販のポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製 商品名「PX100LF」 、固有粘度0.46、)と実験例A〜Hのクロス共重合体及びSE共重合体H、酸化防止剤を表―4に示す重量比で混合し、30mmφ2軸押出機で230℃で溶融混練して組成物とした。また比較のため従来技術に係わる比較材として軟質塩化ビニル系樹脂(比較例8)を準備した。 実施例、比較例のペレットについて200℃でプレス成形を行い、各種試験片を作成した。
表3において注1〜注2は以下の通り
注1:軟質塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニル(大洋塩ビ株式会社製商品名「TH−1300」、重合度=1300)100重量部に 可塑剤 DINP 50重量部、 炭酸カルシウム 80重量部を配合したもの。
注2:酸化防止材:チバガイギースペシャリティクミカル製、商品名「イルガノックス1010」
注1:軟質塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニル(大洋塩ビ株式会社製商品名「TH−1300」、重合度=1300)100重量部に 可塑剤 DINP 50重量部、 炭酸カルシウム 80重量部を配合したもの。
注2:酸化防止材:チバガイギースペシャリティクミカル製、商品名「イルガノックス1010」
実施例1〜4は、シート評価において耐熱性、耐摩耗性、シボ保持性が全てA評価であり、比較例8の軟質塩化ビニル系樹脂よりも優れている。比較例1は、ポリフェニレンエーテル樹脂量が10質量%未満であるので、耐熱性、シボ保持性が劣っている。比較例2は、ポリフェニレンエーテル樹脂量が30質量%超であるので耐熱性、シボ保持性は良好であるが、耐摩耗性が劣っている。比較例3、4は、クロス共重合体中の配位重合で出来る主鎖中のスチレン含有量が特許請求範囲の10〜40mol%から外れているため、シボ保持性が劣っている。比較例5、6は、クロス共重合体中の主鎖量が特許請求範囲の60〜80質量%を外れているため、耐摩耗性が劣っている。比較例7は、クロス鎖の無いSE共重合体であるため、耐摩耗性、シボ保持性が劣っている。
以上の実施例、比較例から本特許の請求範囲に限定した組成のクロス共重合体を用いた場合にのみ、表皮シートして有用な性能を発現することが分かる。
Claims (3)
- ポリフェニレンエーテル10〜30質量部とオレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体90〜70質量部を含有する熱可塑性樹脂組成物。
- オレフィン−芳香族ビニル化合物系クロス共重合体が、配位重合工程とアニオン重合工程からなる重合工程を経て得られるものであって、
(1)配位重合工程において、シングルサイト配位重合触媒を用いてオレフィンモノマー、芳香族ビニル化合物モノマーおよび芳香族ポリエンの共重合を行い、芳香族ビニル化合物ユニット含量10モル%以上40モル%以下、芳香族ポリエンユニット含量0.01モル%以上0.5モル%以下、残部がオレフィンユニットであるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体を合成し、
(2)アニオン重合工程において、このオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体とアニオン重合性ビニル化合物モノマーの共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合し、
配位重合工程で得られるオレフィン−芳香族ビニル化合物−芳香族ポリエン共重合体の割合が、アニオン重合工程を経て得られるクロス共重合体に対して60質量%以上80質量%以下であることを特徴とする特許請求1記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 請求項1又は請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物よりなる耐摩耗性、耐熱性、シボ保持性に優れた表皮シート
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008175646A JP2010013575A (ja) | 2008-07-04 | 2008-07-04 | 耐摩耗性、耐熱性、シボ保持性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその表皮シート |
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US20230023832A1 (en) * | 2019-12-03 | 2023-01-26 | Denka Company Limited | Copolymer and laminate containing same |
-
2008
- 2008-07-04 JP JP2008175646A patent/JP2010013575A/ja active Pending
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