JP2007191654A - 樹脂組成物 - Google Patents

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亨 荒井
Akira Miyama
彰 見山
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勝 長谷川
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Abstract

【課題】エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の特長を生かし、耐寒性、耐熱性を改善したエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】エチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造部分のフェニル基にアイソタクティックの立体規則性を有し、かつ芳香族ビニル化合物含量25モル%以上60モル%以下であるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体100質量部に対して、含酸素または含窒素系可塑剤1質量部以上50質量部以下を含む樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体と可塑剤からなる樹脂組成物に関する。本発明の配合組成を示す「部」等の単位は、特に断らない限り質量基準で表示する。
エチレン−スチレン交互構造にアイソタクティックの立体規則性を有する共重合体(特許文献1)がある。それと可塑剤との樹脂組成物がある(特許文献2)。特許文献2は機械的特性、特に靭性に優れ、同時に良好な溶血抑制作用を有する血液バッグ用基材として好適に用いられる樹脂組成物を提供している。実施例で用いられている共重合体の組成は低スチレン含量である。

特開平09−309925号公報、特開平11−130808号公報 特開平10−087911号公報
本発明は耐寒性、耐熱性を改善した、エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、エチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造部分のフェニル基にアイソタクティックの立体規則性を有し、かつ芳香族ビニル化合物含量25モル%以上60モル%以下であるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体100質量部に対して、含酸素または含窒素系可塑剤1質量部以上50質量部以下を含む樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物は、エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の特長を生かし、耐寒性、耐熱性、耐油性を著しく改善させることが出来る。具体的には、エチレン−芳香族ビニル化合物の交互構造部分にアイソタクティックの立体規則性を有する、特定の組成のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体に特定の可塑剤を配合することで、従来の可塑剤添加の効果に加えて、通常の可塑化効果では予期しがたい結晶性促進、耐熱性向上、耐油性向上という優れた効果を得た。
<原料共重合体>
本明細書において、共重合体の芳香族ビニル化合物含量とは、共重合体に含まれる芳香族ビニル化合物モノマー由来のユニットの含量を示す。エチレン含量も同様である。
本発明に用いられるエチレンー芳香族ビニル化合物共重合体は、主にエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットから構成される共重合体である。本共重合体に用いられる芳香族ビニル化合物は、スチレンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン等が挙げられる。工業的には好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、特に好ましくはスチレンが用いられる。
本発明に用いられるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体は、一般式(1)で示される共重合体中に含まれるエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造が含まれる割合(交互構造指数λ)が一定の割合を満たし、かつエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造のフェニル基がアイソタクティックの立体規則性を有する共重合体である。
Figure 2007191654
具体的には、下記の式(i)で与えられる交互構造指数λが10以上90未満であることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体である。好ましくは交互構造指数λが20以上70未満であることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体である。
その構造は、核磁気共鳴法(13C−NMR)によって決定される。共重合体中に含まれるエチレン−芳香族ビニル化合物の交互構造の割合を示す指数λを下記の式(i)で定義する。
λ=A3/A2×100 式(i)
ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下記の一般式(1’)で示されるエチレン−芳香族ビニル化合物交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和である。
Figure 2007191654
また、A2はTMSを基準とした13C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和である。
13C−NMR測定によるこれらピ−クの位置は、公知文献、例えば特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報に記載してある。
交互構造指数λが90以上では結晶化度が高くなり過ぎ、軟質性が失われたり、ポリマ−が脆くなってしまう場合がある。交互構造指数λが10未満では交互構造が含まれる割合が低すぎ、結晶化の効果が少ない。
さらに本発明に用いられるエチレンー芳香族ビニル化合物共重合体は、その構造中に含まれる一般式(1)で示されるエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティックの立体規則性を有するエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体である。本共重合体はエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造(以下交互構造と記述する場合がある)の立体規則性により結晶構造を有することが可能である。その立体規則性は、13C−NMRによって決定される。
アイソタクティックダイアッド分率m(またはメソダイアッド分率ともいう)は、13C−NMR測定で25ppm付近に現れるメチレン炭素ピークのラセミダイアッド構造(以後r構造と記す。)に由来するピーク面積Aとメソダイアッド構造(以後m構造と記す。)に由来するピークの面積Aから、下記の式(ii)によって求めることができる。
m=A/(A+A) 式(ii)
ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフトする場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。また、重テトラクロロエタンを溶媒とし、重テトラクロロエタンの3重線の中心ピーク(73.89ppm)を基準とした場合、r構造に由来するピークは、25.3〜25.4ppm付近に、m構造に由来するピークは25.1〜25.2ppm付近に現れる。
本共重合体において、エチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互共重合構造のフェニル基がアイソタクティックの立体規則性を有するとは、本交互構造のアイソタクティックダイアッド分率mが0.75より大きい、好ましくは0.85より大きい、さらに好ましくは0.95より大きいことを示す。アイソタクティックダイアッド分率mが0.75以下の場合、交互構造による結晶化が十分ではない場合がある。
上記交互構造のアイソタクティックダイアッド分率mと交互構造指数λを満たすことで本共重合体は交互構造に由来する結晶性を有し、結晶化度が高くなりすぎることがなく、適当な軟質性を保持しながら良好な力学物性、耐油性を示すことが可能となる。
さらに、本共重合体には2個以上のスチレンユニットからなるヘッド−テイルの結合構造からなるスチレン連鎖構造を含むことができる。本共重合体は、芳香族ビニル化合物含量は25モル%以上60モル%以下であり、ガラス転移温度以上で優れた軟質性塩ビに類似した感触、弾性、優れた耐油性を有する樹脂である。芳香族ビニル化合物含量は25モル%未満では、上記交互構造が含まれる割合が少なく、結晶化の効果が少ない。芳香族ビニル化合物含量は60モル%より高いと、共重合体自体が有するガラス転移温度が高く、可塑剤を添加しても十分なガラス転移温度低下が得られない。さらに好ましい芳香族ビニル化合物含量は30モル%以上55モル%以下である。
エチレンと芳香族ビニル化合物以外のモノマーが含まれていても良いがその割合は全体の20モル%未満好ましくは10モル%未満である。
エチレンと芳香族ビニル化合物以外のモノマーとしては、炭素数3〜20のαオレフィン(例えば、プロピレン、1−オクテン)、炭素数3〜40の環状オレフィン(例えば、ノルボルネンやジシクロペンタジエン)が挙げられる。
さらに炭素数4〜20のジエン(例えば、ブタジエン、ジシクロペンタジエン)、一分子中に複数個のビニル基を有する芳香族ビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン)等や各種αーωジエンが挙げられる。特にこれらジエンの含量は全体の0から1.0モル%、好ましくは0〜0.1モル%である。
以上のような最も好ましい共重合体の詳細および製造方法は、たとえばEP−0872492A2公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報に記載されている。
本発明に用いられるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体は、一般的なグラフト化や変成、修飾された形でも用いることができる。本発明に用いられるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体は、WO01/19881公報、WO00/37517公報に記載されるクロス共重合体でも良い。
<触媒>
本発明に用いられるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法は特に限定されないが、一般的にはシングルサイト配位重合触媒により製造される。シングルサイト配位重合触媒としては、遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒、すなわち、メチルアルミノキサンや硼素化合物等で活性化された遷移金属化合物触媒が挙げられる。
本共重合体の製造において、最も好適に用いられるシングルサイト配位重合触媒は、下記一般式(2)で表される遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒である。
下記の一般式(2)で表される遷移金属化合物と助触媒から構成される重合触媒を用いた場合、工業化に適する著しく高い活性で均一な組成を有するエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体を製造することが可能である。また高い透明性の共重合体を与えることができる。さらに、力学的物性に優れた、アイソタクティックの立体規則性とヘッド−テイルのスチレン連鎖構造を有するエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体を与えることができる。
Figure 2007191654
式中、A、Bはそれぞれ独立に、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フルオレニル基から選ばれる基である。
YはA、Bと結合を有し、他に水素もしくは炭素数1〜20の炭化水素を含む基(この基は1〜5個の窒素、硼素、珪素、燐、セレン、酸素、フッ素、塩素または硫黄原子を含んでもよい)を置換基として有するメチレン基、シリレン基、エチレン基、ゲルミレン基、硼素残基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよい。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリデン基等の環状構造を有していてもよい。
Xは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または水素、または炭素数1〜22の炭化水素置換基を有するアミド基である。nは、0、1または2の整数である。
Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。
好ましくは、A、Bのうち、少なくとも1つは非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、または非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である。最も好ましくは、A、B共に非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、または非置換もしくは置換インデニル基から選ばれる基である。
一般式(2)で表される遷移金属化合物はラセミ体であることが好ましい。かかる遷移金属化合物の好適な例としては、EP−0872492A2公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報に具体的に例示した置換メチレン架橋構造を有する遷移金属化合物である。
本共重合体の製造方法で用いる助触媒としては、従来遷移金属化合物と組み合わせて用いられている公知の助触媒やアルキルアルミニウム化合物を使用することができるが、そのような助触媒として、メチルアルミノキサン(またはメチルアルモキサンまたはMAOと記す)または硼素化合物が好適に用いられる。用いられる助触媒やアルキルアルミニウム化合物の例としては、EP−0872492A2号公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報、WO00/20426号公報、EP0985689A2号公報、特開平6−184179号公報に記載されている助触媒やアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。
本発明に用いられるオレフィン−芳香族ビニル化合物を製造するにあたっては、上記に例示した各モノマー、触媒(遷移金属化合物および助触媒)を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公知の方法を用いることができる。重合条件、重合方法は任意の公知のものが採用できる。
<可塑剤>
本発明に用いられる含酸素または含窒素系可塑剤は、エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、エ−テル系可塑剤、またはアミド系可塑剤から選ばれる可塑剤である。
これらの可塑剤は、本組成のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体との相溶性が良好でブリ−ドし難く、またガラス転移温度が低下する度合いで評価できる可塑化効果も大きく好適に用いることが出来る。一方、例えば芳香族、脂肪族、脂環系の鉱物油は、本組成のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体との相溶性が低いためブリ−ドし易く、またガラス転移温度が低下する度合いで評価できる可塑化効果も少ないため適当でない。
本発明に好適に用いることができるエステル系可塑剤の例としては、各種フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セバチン酸エステル、アゼレ−ト系エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、グルタミン酸エステル、コハク酸エステル、酢酸エステル等のモノ脂肪酸エステル、リン酸エステルやこれらのポリエステルである。
本発明に好適に用いることができるエポキシ系可塑剤の例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油が挙げられる。
本発明に好適に用いることができるエ−テル系可塑剤の例としては、ポリエチレングリコ−ルやポリプロピレングリコ−ルやこれらの共重合物、混合物が挙げられる。
本発明に好適に用いることができるアミド系可塑剤の例としては、各種スルホン酸アミドが挙げられる。これら可塑剤は単独で用いても、複数を用いても良い。
本発明に特に好ましく用いられるのは上記エステル系可塑剤である。これらの可塑剤は、本組成範囲のエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体との相溶性に優れ、可塑化効果に優れ(ガラス転移温度低下度が高い)、ブリ−ドが少ないという利点がある。加えて優れたエチレン−芳香族ビニル化合物交互構造の結晶化促進効果があり、高い融点を与え、好適である。さらに本発明に最も好ましく用いられるのは、アジピン酸エステル系またはアセチルクエン酸エステル系の可塑剤である。これらの可塑剤を用いた場合、その結晶化速度が著しく速く、溶融成形から短時間で結晶が成長し各種物性が安定するという利点がある。
可塑剤の配合量は、エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体100質量部に対して、可塑剤1以上〜50質量部以下である。1質量部未満では上記効果が不足し、50質量部より高いとブリ−ドや、過度の軟化、それによる過度のべたつきの発現等の原因となる場合がある。
<樹脂組成物の製造>
本発明の重合体組成物を製造する方法は特に限定されず、公知の適当なブレンド法を用いることができる。例えば、単軸、二軸のスクリュー押出機、バンバリー型ミキサー、プラストミル、コニーダー、加熱ロールなどで溶融混合を行うことができる。溶融混合を行う前に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、タンブラーなどで各原料を均一に混合しておくこともよい。溶融混合温度はとくに制限はないが、100〜300℃、好ましくは150〜250℃が一般的である。
本発明の各種組成物の成形法としては、真空成形、射出成形、ブロー成形、押出し成形、異型押し出し成形等公知の成形法を用いることができる。
<樹脂組成物の結晶性>
本発明の樹脂組成物は、好ましくはDSCにより少なくとも一つの結晶融点が80℃以上140℃以下の範囲に観測される。その結晶融解熱が1J/g以上50J/g以下である。結晶融解熱が1J/g未満では、交互構造の結晶化の効果が少なく、50J/gより大きいと、過度の結晶化により軟質性が失われる場合がある。好ましくは、その結晶融解熱が3J/g以上30J/g以下である。
<無機質充填材>
以下、本発明に用いることができる無機質充填材について示す。
無機質充填材を配合する理由は、本樹脂組成物に難燃性を付与するためにも用いられる。無機質充填材の体積平均粒子径は、例えば20μm以下、好ましくは10μm以下の範囲である。体積平均粒子径が、0.5μm未満であると作業性や手切れ性が悪くなることがある。一方で体積平均粒子径が、10μmを超えるとフィルムやテ−プ基材の引張強度、破断伸度の低下が生じるとともに柔軟性の低下やピンホールの発生を引き起こしてしまうことがある。体積平均粒子径は、レーザ回析法で測定した体積平均粒子径である。
無機質充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、トリフェニルホスフィート、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、酸化ジリコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化モリブデン、リン酸グアニジン、ハイドロタルサイト、スネークタイト、硼酸亜鉛、無水硼酸亜鉛、メタ硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、赤燐、タルク、アルミナ、シリカ、ベーマイト、ベントナイト、珪酸ソーダ、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムであり、これらから選ばれる1種又は2種以上の化合物が使用される。特に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるのが難燃性の付与効果に優れ、経済的に有利である。
無機質充填材の配合量は、本樹脂組成物100質量部に対し1〜200質量部、好ましくは5〜100質量部の範囲である。無機質充填材が1質量部未満では、難燃性が劣る場合がある。一方で、無機質充填材が200質量部を超えると、樹脂組成物の成形性及び強度等の機械的物性が劣る場合がある。
無機質充填材を非ハロゲン系難燃剤として配合した場合は、チャー(炭化層)の形成を図り、テ−プ基材の難燃性を向上させることもできる。
<フィルム、シ−ト、テ−プ基材>
本発明の樹脂組成物をフィルムとして用いる場合、その厚みに特に制限はないが、一般に3μm〜1mm、好ましくは10μm〜0.5mmである。
本発明の樹脂組成物からなるフィルム、シ−ト、テ−プ基材を製造するには、インフレーション成形、Tダイ成形、カレンダ−成形、ロ−ル成形などのフィルム成形法を採用することができる。本発明のフィルムは、物性の改善を目的として、他の適当なフィルム、例えば、アイソタクティックまたはシンジオタクティックのポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE、またはLLDPE)、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のフィルムと多層化することができる。さらに、本発明のフィルムは、組成を適宜選択することにより自己粘着性、接着性を有することができる。しかし、更に強い自己粘着性が要求される場合には、自己粘着性を有する他のフィルムとの多層フィルムにすることも出来る。
本発明のフィルムの具体的用途は、特に限定されないが、一般包装材料、容器として有用であり、包装用フィルム、バッグ、パウチ等に使用することができる。
本発明のフィルムは必要に応じて、コロナ、オゾン、プラズマ等の表面処理、防曇剤塗布、滑剤塗布、印刷等を実施することができる。本発明のフィルムは、必要に応じて1軸または2軸等の延伸配向を行った延伸フィルムとして作製することが出来る。本発明のフィルムは必要に応じて、熱、超音波、高周波等の手法による融着、溶剤等による接着等の手法によりフィルム同士、あるいは他の熱可塑性樹脂等の材料と接合することができる。
本発明のフィルムは、例えば100μm以上の厚みを有する場合、真空成形、圧縮成形、圧空成形等の熱成形等の手法により食品、電気製品等の包装用トレーを成形することができる。
本発明の樹脂組成物はハロゲンを基本的に含有しないため、環境適応性や安全性が高いという基本的特徴を有する。
本発明の樹脂組成物は、他のポリマーとの組成物として用いても良い。従来、エチレン−スチレン共重合体との組成物として公知のポリマーが本発明の樹脂組成物との組成物としても用いることができる。このようなポリマーとしては以下のようなものが挙げられる。以下のポリマーは、本発明の樹脂組成物100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは10〜80質量部の範囲で添加することができる。
「芳香族ビニル化合物系重合体」
芳香族ビニル化合物単独の重合体及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な1種類以上のモノマー成分を含む芳香族ビニル化合物含量が10質量%以上、好ましくは30質量%以上の共重合体。芳香族ビニル化合物系重合体に用いられる芳香族ビニル化合物モノマーとしては、スチレンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、またジビニルベンゼン等の一分子中に複数個のビニル基を有する化合物等も挙げられる。また、これら複数の芳香族ビニル化合物間の共重合体も用いられる。なお、芳香族ビニル化合物の相互の芳香族基間の立体規則性は、アタクティック、アイソタクティック、シンジオタクティックいずれでもよい。
芳香族ビニル化合物と共重合可能なモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、その他の共役ジエン類、アクリル酸、メタクリル酸及びアミド誘導体やエステル誘導体、アクリロニトリル、無水マレイン酸及びその誘導体が挙げられる。共重合形式はブロック共重合、テーパードブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合のいずれでもよい。さらに、上記のモノマーからなる重合体に、上記芳香族ビニル化合物をグラフト重合したもので芳香族ビニル化合物を10質量%以上、好ましくは30質量%以上含有するものでも差し支えない。
以上の芳香族ビニル化合物系重合体は、その実用樹脂としての性能を発現するために、ポリスチレン換算重量平均分子量として、3万以上、好ましくは5万以上が必要である。用いられる芳香族ビニル化合物系樹脂としては例えばアイソタクティックポリスチレン(i−PS)、シンジオタクティックポリスチレン(s−PS)、アタクティックポリスチレン(a−PS)、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のスチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ジエンブロック/テーパード共重合体(SBS、SISなど)、スチレン−ジエン共重合体(SBRなど)、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−イミド化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
「オレフィン系重合体」
例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソタクティックポリプロピレン(i−PP)、シンジオタクティックポリプロピレン(s−PP)、アタクティックポリプロピレン(a−PP)、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリノルボルネン等の環状オレフィン重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体等の環状オレフィン共重合体が挙げられる。必要に応じてブタジエンやα−ωジエン等のジエン類を共重合したオレフィン系樹脂でもよい。以上のオレフィン系重合体は、その実用樹脂としての性能を発現するために、ポリスチレン換算重量平均分子量として、1万以上、好ましくは3万以上が必要である。
「その他の樹脂、エラストマー、ゴム」
例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコールや、上記芳香族ビニル化合物系共重合体の水添物(例えばSEBS、SIPS、水添SBR等)、天然ゴム、シリコン樹脂、シリコンゴムが挙げられる。
以下、実施例により、本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実験例で得られた共重合体の分析は以下の手段によって実施した。
13C−NMRスペクトルは、日本電子社製α−500を使用し、重クロロホルム溶媒または重1,1,2,2−テトラクロロエタン溶媒を用い、TMSを基準として測定した。ここでいうTMSを基準とした測定は以下のような測定である。先ずTMSを基準として重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線13C−NMRピークの中心ピークのシフト値を決めた。次いで共重合体を重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解して13C−NMRを測定し、各ピークシフト値を、重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中心ピークを基準として算出した。重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線中心ピークのシフト値は73.89ppmであった。測定は、これら溶媒に対し、ポリマーを3質量/体積%溶解して行った。
ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペクトル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し時間5秒を標準として行った。
共重合体中のスチレン含量の決定は、H−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−250を用いた。重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、測定は、80〜100℃で行った。TMSを基準としてフェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク(0.8〜3ppm)の面積強度比較で行った。
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。THFを溶媒とし、東ソー社製HLC−8020を用い測定した。
DSC測定は、セイコー電子社製DSC200を用い、窒素気流下で行った。すなわち樹脂組成物10mgを用い、昇温速度10℃/分で−50℃から240℃までDSC測定を行い、融点、結晶融解熱及びガラス転移点を求めた。1回目の測定後液体窒素で急冷した後に行う2度目の測定は行わなかった。
(実験例)共重合体P−1の合成
特開平11−130808号公報に記載の製造方法と同様にしてエチレン−スチレン共重合体の合成を行った。
容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン1200ml、脱水したスチレン4800mlを仕込み、内温60℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリングして系内をパージし、トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO)をAl基準で21mmol加えた。ただちにエチレンを導入しゲ−ジ圧力0.3MPaで安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、触媒rac{BInd−C(Me)−BInd}ZrCl (ラセミ−ジメチルメチレンビスベンゾインデニルジルコニウムジクロライド、特開平11−130808号公報記載)を21μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブに加えた。内温を60℃、エチレン圧をゲ−ジ圧で0.3MPaに維持しながら5時間重合を実施した。重合終了後、得られた重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール中に少量ずつ投入し生成したポリマーを析出させた。減圧下、60℃で10時間乾燥したところ、スチレン含量45.6モル%の共重合体P−1を620g得た。
GPC測定から得られた分子量は、Mw29.6万、分子量分布2.4、13C−NMR測定から求めたスチレン−エチレン交互構造のタクティシティm値は>0.95(0.95よりも大きい)、λ値は0.50であった。
60℃、10時間の乾燥により十分に結晶化した本ポリマ−はDSC測定により、99.6℃の融点、19.7J/gの結晶融解熱、ガラス転移温度21℃を与えた。
実施例1〜5、比較例1〜3の試験片の作製法、物性測定法および使用した可塑剤、安定剤ならびに比較例4〜7の市販樹脂を下記に示す。
<加熱プレス成形>
物性評価用の試料は加熱プレス法により厚さ1.0mmのシ−トを作成した。加熱成形条件は、温度180℃、時間2分間、圧力50kg/cmであり、成形後直ちに冷却プレスにより室温まで冷却された。
<引張試験>
JIS K−6251に準拠し、シートをJIS2号小型1/2ダンベル形状にカットし、島津製作所AGS−100D型引張試験機を用い、引張速度500mm/minにて測定した。
<硬度>
硬度はJIS K−7215プラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプAのデュロメーター硬度を求めた。
<耐熱性試験1>
JIS2号小型1/2ダンベルを所定のオ−ブン内に吊し、所定の温度で1時間加熱処理し、処理前とダンベル縦方向、幅方向で長さを測定し、以下の式により伸び/収縮変形率を求めた。本伸び/収縮変形率が縦、または幅方向すべてが5%以内に収まる最高温度を耐熱変形温度とした。
伸び変形率=100×(試験後の長さ−試験前の長さ)/試験前の長さ
収縮変形率=100×(試験前の長さ−試験後の長さ)/試験前の長さ
<耐熱性試験2>
沸騰したお湯中にJIS2号小型1/2ダンベルを投入し1時間加熱処理し、ダンベルの変形を調べた。変形なしを○、変形を×とした。
<耐油性試験1>
JISK7114に従い、耐油性試験を実施した。厚さ3mm円形試験片を23℃で試験油(エンジンオイル、オリ−ブオイルヘキサン)に浸漬し14日後の重量変化率を測定した。

重量変化率(%)=100×(浸漬試験後の重量−浸漬試験前の重量)/浸漬試験前の重量
<耐油性試験2>
JIS2号小型1/2ダンベルを同様に23℃で試験油(エンジンオイル、オリ−ブオイル)に浸漬し14日後取り出し、引張試験を行い、初期弾性率、破断強度を測定し、初期弾性率、破断強度の保持率を以下の式により求めた。
初期弾性率保持率(%)=100×浸漬試験後の弾性率/浸漬試験前の弾性率
破断強度保持率(%)=100×浸漬試験後の破断強度/浸漬試験前の破断強度
<ブリ−ド>
目視及び触感にてブリ−ドの有無を評価した。
○ ブリ−ド無し。
△ かすかにブリ−ドが認められる。
× ブリ−ドが認められる。
<可塑剤>
可塑剤としては以下の可塑剤を用いた。
エステル系可塑剤
TOTM−NB(トリメリット酸トリス2-エチルヘキシル)
DIDP(フタル酸ジイソデシル)
DINA(アジピン酸ジイソノニル)
D610A(アジピン酸ジn−アルキルC6〜C10)
ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)
以上ジェイ・プラス社製
オイル系可塑剤
NM280(ナフテン系プロセスオイル)
PW90(パラフィン系プロセスオイル)
以上出光興産製
<安定剤>
HP−10(リン系酸化防止剤) 旭電化社製
<市販樹脂>
EVA:エチレン酢酸ビニル共重合体
水添SBR:水添スチレンブタジエンゴム
TPO:ポリオレフィン系エラストマー
TPV:完全架橋型熱可塑性 エラストマー
実施例1〜5、比較例1〜3
ブラベンダ−プラスチコ−ダ−(ブラベンダ−社PL2000型)を使用し、P−1と各種添加剤(可塑剤、安定剤)を、200℃、60rpm、5分間、表1に示す配合で混練し、加熱プレス成形して試験片を作製した。
Figure 2007191654
比較例4〜7
市販のEVA(比較例4)、水添SBR(比較例5)、TPO(比較例6)、TPV(比較例7)について、硬度、引張試験、耐油性試験、耐熱性試験を実施した。
比較例4〜7の試験片はペレットを実施例と同様に加熱プレス成形し、同様に型に打ち抜いて得た。
試験片は、23℃の恒温室に保管され、硬度、DSC測定、引張試験は、成形から1日目、3日目、7日目について実施した。表2には7日目の硬度、DSC測定、引張試験結果を示す。また、実施例と比較例の樹脂組成物の各種物性測定結果を表2に示す。
Figure 2007191654
比較例1の引張試験測定結果のS−Sカ−ブから、可塑剤を含まないP−1は伸びを示すものの降伏点が存在する。比較例1の可塑剤を含まない樹脂組成物では、室温7日間では物性の変化は見られず、DSC測定でも、7日経過しても結晶融点は観測されなかった。すなわち、加熱プレス成形により溶融し、その後急冷されると非晶化し、可塑剤を含まない樹脂組成物では、室温での放置では結晶化が進行しないことが解った。この結果からP−1の結晶化速度の遅さが解る。また、ガラス転移温度は、21.7℃を示した。
実施例1〜5は可塑剤の添加により、比較例1と比較して硬度、弾性率が低下した。実施例1〜5はいずれも降伏点は見られず、エラストマ−としての物性を示した。図1には、引張試験結果例(比較例1と実施例1)を示す。
硬度、破断強度については、実施例3〜5の各樹脂組成物については成形後1日の段階でほぼ安定し、その後も変化は少なかった。図2、3にその経時変化を示す。
実施例1、実施例2については少なくとも3日目以降で物性は安定した。図4、5にその経時変化を示す。
DSC測定による融点については、実施例すべての樹脂組成物で、成形後1日で約90〜100℃の結晶融点が観測された。図6にその経時変化を示す。
ガラス転移温度は、−30℃から−10℃付近の値をとり、可塑剤の添加により比較例1の21.7℃と比較し、大きく低温側に移動している。ガラス転移温度には経時変化は見られなかった。
以上の結果から、P−1に対しこれらの可塑剤を配合することで、エラストマ−としての力学物性を示し、ガラス転移温度が低温側に移動し、結晶化速度が著しく速くなり、加熱プレス成形後短時間で結晶融点を示す効果が得られることが解った。
耐熱性試験1により、所定の温度での耐熱変形温度を測定した結果、比較例1以外で100℃以上の耐熱線形温度を示した。
耐熱性試験2により沸騰水中1時間処理後の変形を調べたところ、比較例1、比較例2、比較例3ではダンベルは大きく変形した。しかし、実施例1〜5の試験片には変形は見られなかった。
以上の結果から、エステル系可塑剤の添加で耐熱性が向上することが解った。なお、実施例1を除き、DSCによる融点ピ−クは、100℃より若干低いが、100℃以上の耐熱性を有する。これは、融点には分布があり、融点ピ−クが100℃よりも若干低くとも100℃以上の融点成分が存在しているためであると考えられる。
耐油性試験1、2の結果から、比較例4〜7の市販樹脂と比較し、比較例1に示すP−1自体が優れた耐油性を有することが解った。さらに、実施例1〜5の試験片はP−1単独よりも優れた耐油性を示すことが明らかである。すなわち、P−1に対し、エステル系の可塑剤を添加することでよりいっそう耐油性が高まることが解った。
引張試験結果例(実施例1と比較例1) 実施例3〜5のA硬度経時変化 実施例3〜5の破断強度経時変化 実施例1、2のA硬度経時変化 実施例1、2の破断強度経時変化 実施例1〜5の融点経時変化

Claims (8)

  1. 以下の条件を満たすエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体100質量部に対して、含酸素または含窒素系可塑剤1質量部以上50質量部以下を含む樹脂組成物。
    (A)一般式(1)で示される共重合体中に含まれるエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造のフェニル基が、アイソタクティックの立体規則性を有する。
    Figure 2007191654
    (B)エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体の交互構造が含まれる割合(交互構造指数λ)が10以上90未満である。
    (C)芳香族ビニル化合物含量25モル%以上60モル%以下である。
  2. エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体のエチレンユニットと芳香族ビニル化合物ユニットの交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティックダイアッド分率mで0.75より大きいことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. DSCにより少なくとも一つの結晶融点が80℃以上140℃以下の範囲に観測され、その結晶融解熱が1J/g以上50J/g以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 含酸素または含窒素系可塑剤がエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、エ−テル系可塑剤、およびアミド系可塑剤のいずれか一以上から選ばれる可塑剤であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1記載の樹脂組成物100質量部に、無機質充填材及び/または難燃剤1〜200質量部を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた成型物。
  8. フィルム、シ−ト、テ−プ基材、チューブまたはホースのいずれかである請求項7の成型物。
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