JP2002212286A - イオン性基含有ポリマー及びそれを主成分とする膜 - Google Patents

イオン性基含有ポリマー及びそれを主成分とする膜

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JP2002212286A
JP2002212286A JP2001003906A JP2001003906A JP2002212286A JP 2002212286 A JP2002212286 A JP 2002212286A JP 2001003906 A JP2001003906 A JP 2001003906A JP 2001003906 A JP2001003906 A JP 2001003906A JP 2002212286 A JP2002212286 A JP 2002212286A
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ionic
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Kota Kitamura
幸太 北村
Hiroaki Taguchi
裕朗 田口
Yoshimitsu Sakaguchi
佳充 坂口
Junko Nakao
淳子 中尾
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた高分子電解質となりうるポリ
マーの提供。 【解決手段】 分子中に1.5meq/g以上のイオン
性基を含有し、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶
液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であ
り、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下で
あることを特徴とするポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子電解質膜と
して有用なイオン性基含有ポリマー及びそれを主成分と
する膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体電解質のかわりに高分子固体電解質
をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例とし
て、水電解槽や燃料電池を挙げることができる。これら
に用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロト
ン導電率と共に化学的、熱的、電気化学的及び力学的に
十分安定なものでなくてはならない。このため、長期に
わたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の
「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオ
ロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしなが
ら、100℃を越える条件で運転しようとすると、膜の
含水率が急激に落ちる他、膜の軟化も顕著となる。この
ため、将来が期待されるメタノールを燃料とする燃料電
池においては、膜内のメタノール透過による性能低下が
起こり、十分な性能を発揮することはできない。また、
現在主に検討されている水素を燃料として80℃付近で
運転する燃料電池においても、膜のコストが高すぎるこ
とが燃料電池技術の確立の障害として指摘されている。
【0003】このような欠点を克服するため、芳香族環
含有ポリマーにイオン性基を導入した高分子電解質膜が
種々検討されている。例えば、ポリアリールエーテルス
ルホンをスルホン化したもの(Journal of
Membrane Science, 83, 211
(1993))、ポリエーテルエーテルケトンをスルホ
ン化したもの(特開平6−93114号公報)、スルホ
ン化ポリスチレン等である。しかしながら、これらのポ
リマーを原料として芳香環上に導入されたスルホン酸基
は酸又は熱により脱スルホン酸反応が起こりやすく、燃
料電池用電解質膜として使用するには耐久性が十分であ
るとは言えない。
【0004】ポリアリールエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、スルホン化ポリスチレン等に比べ
てさらに耐熱性を有するポリマーとして、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズオキサ
ゾールなどのポリアゾール系ポリマーが挙げられる。
【0005】スルホン酸を含有したポリベンズイミダゾ
ールについては、J. Polym. Sci., P
olym. Chem., 15, 1309(197
7)における3,3’−ジアミノベンジジンと3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸又は4,6−ジカルボ
キシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸から合成するもの
が、米国特許第5312895号公報では1,2,4,
5−ベンゼンテトラミンと2,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸を主成分として合成するものが報告されて
いる。これらの報告では、電解質膜用途などスルホン酸
基が持つ電気化学的特性について顧みられることはなか
った。
【0006】一方、スルホン酸基含有のポリベンズオキ
サゾールやポリベンズチアゾールを中心にしたものにつ
いても、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオー
ルと3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸又は4,
6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸から
合成するものがJ. Polym. Sci., Po
lym. Chem., 34, 481(1996)
に、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジオールと
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸によるものが
特開平10−158213号公報に、2,5−ジアミノ
−1,4−ベンゼンジオールとテレフタル酸などからな
るものをスルホン化したものが特開平4−353533
号公報に、2,5−ジカルボキシスルホン酸と各種ジア
ミンジオールやジアミンジチオールからなるものが米国
特許第5492996号公報に見られる。しかしなが
ら、これらのいずれにおいてもスルホン酸基をプロトン
イオンを伝導させる官能基として着目しているものはな
い。例えば、米国特許5492996号公報において
は、ポリマーのアルコール溶解性を引き出すためにスル
ホン酸基をアルキルアンモニウム化処理することが特徴
となっているが、上述のメタノール燃料型燃料電池など
への応用でアルコール溶解性があることは致命的欠点で
あることからも明らかである。
【0007】また、スルホン酸基よりは耐熱性に優れる
と考えられるホスホン酸含有の芳香族ポリマーについ
て、高分子電解質の視点から着目したものはあまり見ら
れない。例えば、米国特許5498784号公報におい
て4,4’−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリ
フルオロメチル)エチリデン)ビス(2−アミノフェノ
ール)からなるポリベンズオキサゾールにおいて、ジカ
ルボン酸成分の5%〜50%を3,5−ジカルボキシフ
ェニルホスホン酸とするポリマーが報告されているが、
溶解性の良さと複合材料としての可能性に着目している
が、電池用途の高分子電解質としては考慮されることは
なかった。実際、このポリマーはアルコール溶解性が特
徴であり、メタノールを燃料とする燃料電池用の電解質
膜と使用することに適さないことは明白である。また、
特開平11−286545号公報では、3,5−ジカル
ボキシフェニルホスホン酸を始めとする含リンポリアミ
ド共重合体が報告されているが、これもその耐熱性に着
目した性質しか調べられていない。
【0008】ポリマーのイオン伝導性を高めるためにイ
オン性基の量を増やすと、ポリマーの水による膨潤や溶
解が起こりやすくなる。燃料電池や水電解では、高分子
電解膜は必然的に多量の水に曝されるため、膨潤や溶解
は致命的な欠点となる。ポリマーの耐水性は、疎水性の
ポリマーや溶解性の低いポリマーの使用によってある程
度改善できるものの、特殊な溶媒にしか溶解しなくなっ
たりするなど加工性に悪影響をきたす場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性に優れた高分子電解質となりうるポリマーを得ること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、一定量以上の
イオン性基を有しており、水に浸漬したときの重量減少
が一定レベル以下であるポリマーが優れていることを明
らかにし、耐久性に優れた高分子電解質を得るに至っ
た。
【0011】すなわち本発明は、(1)分子中に1.5
meq/g以上のイオン性基を含有し、0.05dl/
gのメタンスルホン酸溶液の25℃における対数粘度が
0.1dl/g以上であり、25℃の水に浸漬したとき
の重量減少が5%以下であることを特徴とするポリマ
ー、(2)イオン性基がスルホン酸基であることを特徴
とする(1)に記載のポリマー、(3)ポリマーがポリ
アゾールであることを特徴とする(1)または(2)に
記載のポリマー、(4)下記一般式(1)で表されるこ
とを特徴とする(3)に記載のポリマー、
【0012】
【化4】 [式(1)において、nは0.4以上1.0以下の数
を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1
及びA2は下記一般式(2)又は(3);
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】 で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表
す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。
式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいず
れかを表す。](5)請求項1〜4のいずれかに記載の
ポリマーを主成分とすることを特徴とする成形体、
(6)請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーを主成
分とすることを特徴とする膜、である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0016】イオン性基を含有するポリマーとは、アミ
ン、酸などイオンとして解離可能な基を含有するポリマ
ーを表す。イオン性基としては、アミノ基、四級アンモ
ニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸
基などを挙げることができ、カルボキシル基、スルホン
酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が好ましい。中
でも、スルホン酸基及びホスホン酸基がさらに好まし
い。ポリマー中のイオン性基の量は、ポリマーを適当な
溶媒に溶解して中和滴定したり、ポリマーを酸もしくは
アルカリを含む溶液に浸漬して塩を形成させ、残存の酸
もしくは塩基を滴定することで求めることができる。高
分子電解質として優れた性質を示すためにはできるだけ
多量のイオン性基を含有していることが必要条件とな
る。本発明はそのようなポリマーとして、1.5meq
/g以上のイオン性基を有しているポリマーを対象とす
る。
【0017】本発明のイオン性基含有ポリマーは測定の
具体的方法は後に述べるが、25℃の水に浸漬したとき
の重量減少が5%以下であることを特徴としている。重
量減少が5%以上であると、ポリマーの溶解や膨潤によ
る膜の物性低下が大きくなり、目的の用途には適さなく
なる。重量減少を少なくする手段としては、ポリアゾー
ルなど剛直な骨格を有するポリマーを用いたり、炭化水
素基、芳香族基など疎水性基を導入することが挙げられ
る。また、低分子成分は水溶性が大きくなるため、予め
ポリマーを水中で再沈して低分子成分を除去しておくこ
とも挙げられる。
【0018】本発明のイオン性基含有ポリマーの基本構
造は特に限定されるものではなく、ビニル系ポリマー、
アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
ウレタン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレ
ン、ポリアゾール、シリコーンなど公知又は任意の構造
で、必須要件を満たすものを使用することができる。中
でも、耐熱性の面から、ポリアゾール系ポリマーが好ま
しい。ポリアゾールで構成されている発明のスルホン酸
基含有ポリオキサゾールは、構造により違いはあるもの
の、熱重量分析における熱減量温度はおおむね300℃
以上であるなど優れた耐熱性を示す。
【0019】本発明でいうイオン性基含有ポリアゾール
とは、イオン性基を含有する芳香族系のポリオキサゾー
ル類、ポリチアゾール類、ポリイミダゾール類及びそれ
らが混在する組成物や共重合体をさす。一般的には下記
一般式(4)のような繰り返し単位構造で示すことがで
きる。
【0020】
【化7】 [但し、一般式(4)において、Rはアゾール環を形成
できる4価の芳香族基を示し、XはO、S、又はNHを
表し、NHの場合はHがイオン性基を含む基で置換され
ていてもよい。R’は二価の芳香族基を示し、R’のす
べて又は一部にイオン性基を有している。R、R’はい
ずれも単環であっても、複数の芳香環の結合体、あるい
は縮合環であってもよく、イオン性基以外の安定な置換
基を有していてもよい。また、R、R’の芳香環中に
N,S,O等が存在するヘテロ環構造を有していてもか
まわない。]
【0021】また、一般式(5)のような繰り返し単位
構造で示される。また、一般式(4)と(5)の両方の
繰り返し単位を含んでいる構造であってもよい。
【0022】
【化8】 (ここでXはO、S、又はNHを表し、R”はアゾール
環を形成できる三価の芳香族基を示す。R”の一部もし
くは全部がイオン性基を有していてもよい。XがNHの
場合はHがイオン性基を含む基で置換されていてもよ
い。)中でも、スルホン酸基及びホスホン酸基がさらに
好ましい。
【0023】上記一般式(4)で示す本発明のスルホン
酸含有ポリアゾールを合成する経路は特には限定されな
いが、通常は式中Rで示すアゾール環を形成できる4価
の芳香族基単位を形成する芳香族ジアミンジオール、芳
香族ジアミンジチオール、芳香族テトラミン及びそれら
の誘導体から選ばれる化合物と、R’で示す二価基を形
成するジカルボン酸及びその誘導体から選ばれる化合物
の反応により合成することができる。その際、使用する
ジカルボン酸の中にイオン性基を含有するジカルボン酸
を使用することで、得られるポリアゾール中にイオン性
基を導入することができる。
【0024】また、予め重合しておいたイオン性基を含
有しないポリアゾールにスルホン酸基を導入してもよ
い。例えば、発煙硫酸、濃硫酸、無水硫酸及びその錯
体、プロパンサルトンなどのスルトン類、α−ブロモト
ルエンスルホン酸、クロロアルキルホスホン酸などを用
いることができる。例えば、高分子加工,49,146
(2000)に記載されているようなN,N’−ジメチ
ルアセトアミド中でポリベンズイミダゾールに1,3−
プロパンサルトンを開環付加させることによるアルキル
スルホン化や、特開平4−353553号公報に記載さ
れた、無水硫酸によるポリアゾールのスルホン化などを
挙げることができる。これらの化合物は、ポリアゾール
に直接反応させてもよいし、ポリアゾールを適当な溶媒
に溶解して反応させてもよい。
【0025】芳香族ジアミンジオール、芳香族ジアミン
ジチオール、芳香族テトラミンの具体例としては、2,
5−ジヒドロキシパラフェニレンジアミン、4,6−ジ
ヒドロキシメタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノ
−1,4−ベンゼンジチオール、4,6−ジアミノ−
1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジアミノ−3,
6−ジメチル−1,4−ベンゼンジチオール、1,2,
4,6−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジヒドロキ
シベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェ
ニルベンゼンジオール、3,3’−ジジメルカプトベン
ジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベ
ンゼンジチオール、3,3’−ジアミノベンジジン、ビ
ス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エー
テル、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェ
ニル)エーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジ
フェニルエーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−メ
ルカプトフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4
−メルカプトフェニルフェニル)スルフィド、3,
3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルフィド、
ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)メタン、
ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニルフェニル)
メタン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニル
メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェ
ニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフ
ェニルフェニル)スルホン、3,3’,4,4’−テト
ラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプト
フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−
ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニ
ルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベ
ンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキ
シ)ベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェ
ノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−メルカプト
フェノキシ)ベンゼン、ビス(3,4,−ジアミノフェ
ノキシ)ベンゼン、等が挙げられるがこれらに限定され
ることはない。また、これらの化合物を同時に複数使用
することもできる。
【0026】中でも、2,5−ジヒドロキシパラフェニ
レンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタフェニレンジ
アミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオー
ル、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジチオール、
2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゼ
ンジチオール、1,2,4,6−テトラアミノベンゼ
ン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジオール、3,
3’−ジジメルカプトベンジジン、3,3’−ジアミノ
−4,4’−ジフェニルベンゼンジチオール、3,3’
−ジアミノベンジジンが好ましく、2,5−ジヒドロキ
シパラフェニレンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタ
フェニレンジアミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベン
ゼンジチオール、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼン
ジチオール、2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−
1,4−ベンゼンジチオールがさらに好ましい。
【0027】これらの芳香族ジアミンジオール、芳香族
ジアミンジチオール、芳香族テトラミンは、必要に応じ
て塩酸、硫酸、リン酸などの酸との塩でもあってもよ
く、塩化すず(II)や亜リン酸化合物など公知の酸化防
止剤を含んでいてもよい。
【0028】イオン性基含有ジカルボン酸は、芳香族系
ジカルボン酸中に1個から4個のイオン性基を含有する
ものを選択することができる。スルホン酸基含有芳香族
ジカルボン酸としては、例えば、2,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸、4,6−ジカルボキシ−1,3−ジスルホン
酸、などのスルホン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘
導体を挙げることができる。またホスホン酸基含有芳香
族ジカルボン酸としては、2,5−ジカルボキシフェニ
ルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン
酸、2,5−ビスホスホノテレフタル酸、などのホスホ
ン酸含有ジカルボン酸及びこれらの誘導体を挙げること
ができる。これらのイオン性基含有ジカルボン酸基のイ
オン性基は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金
属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金
属、アンモニア、アミンなどと塩を形成していてもよ
い。これらのイオン性基含有ジカルボン酸は1種類だけ
でなく数種類を混合したり、イオン性基を含有しないジ
カルボン酸と共に共重合の形で導入することができる。
イオン性基を含有するジカルボン酸の純度は特に制限さ
れるものではないが、98%以上が好ましく、99%以
上がより好ましい。イオン性基を含有するジカルボン酸
を原料として重合されたポリアゾールは、イオン性基を
含有しないジカルボン酸を用いた場合に比べて、重合度
が低くなる傾向が見られるため、イオン性基を含有する
ジカルボン酸はできるだけ純度が高いものを用いること
が好ましい。
【0029】上記イオン性基含有ジカルボン酸と共に使
用できるジカルボン酸例としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、ターフェニルジカルボン酸、
2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン等ポリエステル原料として報告されている一
般的なジカルボン酸及びその誘導体を使用することがで
き、ここで例示したものに限定されるものではない。イ
オン性基を含有しないジカルボン酸の使用量は特に限定
されるものではないが、一般には全ジカルボン酸に対し
て0〜50モル%であることが好ましく、0〜75モル
%であることがさらに好ましい。
【0030】上記のイオン性基含有ジカルボン酸及びそ
れと共に使用するジカルボン酸の誘導体とは、酸クロラ
イド、酸無水物、金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、
エステル、アミドなどを挙げることができる。また、カ
ルボキシル基の代わりにシアノ基やトリハロメチル基な
ど同等の反応をすることができる基を有していてもよ
い。
【0031】上記一般式(5)で示されるポリアゾール
単位を導入する経路は特には限定されないが、通常は式
中Rで示すアゾール環を形成できる三価の芳香族基単位
を形成するオルト位にアミノ基を2個持つ芳香族カルボ
ン酸、オルト位の関係でアミノ基とヒドロキシル基を持
つ芳香族カルボン酸、オルト位の関係でアミノ基とメル
カプト基を持つ芳香族カルボン酸及びそれらの誘導体か
ら選ばれる化合物の重合により得ることができる。
【0032】本発明におけるより好ましいイオン性基含
有ポリマーは、一般式(1)で表すことができる。
【0033】
【化9】 [式(1)において、nは0.4以上1.0以下の数
を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1
及びA2は下記一般式(2)又は(3);
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】 で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表
す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。
式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいず
れかを表す。]
【0036】一般式(1)において、nは0.50以上
であることがより好ましく、nが0.75以上であるこ
とが優れたイオン伝導性を得るためにより好ましい。ま
たmは1又は2であることが好ましい。スルホン酸基の
一部は、一部がアルカリ金属などの塩であってもよい。
一般式(1)における二価の芳香族基B1の例として
は、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン
基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホン
基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2−ビス
(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン
基などを挙げることができるがこれらに限定されるもの
ではない。中でもp−フェニレン基が好ましい。またA
1及びA2は同一であることが好ましく、一般式(2)で
表される構造であることがさらに好ましい。一般式
(1)において2種類以上の繰り返し単位を有する場合
には、それぞれの繰り返し単位が、ランダム、交互、ブ
ロックのいずれの形式で結合していてもよい。イオン伝
導性など高分子電解質としての性能をより発揮するため
には、ランダムもしくは交互に結合していることが好ま
しい。
【0037】これらのイオン性基含有ポリマーを上記モ
ノマー類から合成する手法は、特には限定されないが、
J.F.Wolfe, Encyclopedia o
fPolymer Science and Engi
neering, 2ndEd., Vol.11,
P.601(1988)に記載されるようなポリリン酸
を溶媒とする脱水、環化重合により合成することができ
る。また、ポリリン酸のかわりにメタンスルホン酸/五
酸化リン混合溶媒系を用いた同様の機構による重合を適
用することもできる。他に、適当な有機溶媒中や混合モ
ノマー融体の反応でポリアミド構造などの前駆体ポリマ
ーとしておき、その後の適当な熱処理などによる環化反
応で目的のポリアゾール構造に変換する方法なども使用
することができる。
【0038】ポリマー中に2種類以上の繰り返し単位を
導入する目的で、複数のモノマーを用いる場合には、全
てのモノマーを一度に反応させてランダムもしくは交互
共重合体を得ることもできるし、一部のモノマーを先に
反応させて、その後残りのモノマーを反応させてブロッ
ク共重合体を得ることもできる。また、予め重合してお
いた組成の異なるポリマー同士を反応させてブロック共
重合体を得ることもできる。
【0039】原料のイオン性基含有ジカルボン酸のイオ
ン性基が塩を形成している場合、ポリマーのイオン性基
も塩を形成している場合がある。必要に応じて、塩を形
成しているイオン性基の一部又は全部を再沈や酸・塩基
処理によって遊離のイオン性基にすることもできる。ま
た、遊離のイオン性基の一部又は全部を動揺の処理で塩
にすることもできる。本発明のイオン性基含有ポリマー
は、スルホン酸基の一部がアルカリ金属などと塩を形成
していてもよい。
【0040】本発明のスルホン酸基含有ポリオキサゾー
ルは、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶液の25
℃における対数粘度が0.1dl/g以上であることが
好ましい。より好ましいのは、0.5〜50dl/gの
範囲である。0.1dl/gよりも小さいと、水への溶
解など成形体から脱落してしまう恐れがある。50dl
/gよりも大きいと、溶液の粘度が大きくなりすぎるな
ど、加工性に悪影響を及ぼす恐れがある。対数粘度の測
定は後で述べる方法で行なうことができる。
【0041】本発明のスルホン酸基含有ポリマーは、重
合溶液又は単離したポリマーから押し出し、紡糸、圧
延、キャストなど任意の方法で繊維やフィルムに成形し
たり、コーティング材料などに使用したりすることがで
きる。成形する際には、適当な溶媒に溶解した溶液から
成形することが好ましい。溶解する溶媒としては、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリ
ドン、ヘキサメチルホスホンアミドなど非プロトン極性
溶媒や、ポリリン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフ
ルオロ酢酸などの強酸を用いることができるがこれらに
限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲
で複数を混合して使用してもよい。また、溶解性を向上
させる手段として、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化
アルミニウムなどのルイス酸を有機溶媒に添加したもの
を溶媒としてもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜
30重量%の範囲であることが好ましい。低すぎると成
形性が悪化し、高すぎると加工性が悪化する。好ましく
は0.5〜5重量%である。
【0042】溶液から成形体を得る方法は公知の方法を
用いることができる。例えば加熱、減圧乾燥、ポリマー
を溶解する溶媒と混和できるポリマー非溶媒への浸漬な
どによって、溶媒を除去しイオン性基含有ポリマーの成
形体を得ることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、加
熱又は減圧乾燥で溶媒を留去させることが好ましい。溶
媒が強酸の場合には、水、メタノール、アセトンなどに
浸漬することが好ましい。この際、必要に応じて他のポ
リマーと複合された形で繊維やフィルムに成形すること
もできる。耐熱性や機械的特性に優れるポリベンズアゾ
ール系ポリマーと組み合わせると、良好な成形をするの
に都合がよい。
【0043】本発明のイオン性基含有ポリマーを主成分
とする膜を成形する好ましい方法は、溶液からのキャス
トである。キャストした溶液から前記のように溶媒を除
去してイオン性基含有ポリマーの膜を得ることができ
る。溶媒の除去は乾燥によることが膜の均一性からは好
ましい。また、ポリマーや溶媒の分解や変質をさけるた
め、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することが好ま
しい。キャストする基板には、ガラス板やテフロン(登
録商標)板などを用いることができる。溶液の粘度が高
い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストする
と溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができ
る。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されない
が、10〜1000μmであることが好ましい。薄すぎ
ると膜としての形態を保てなくなり、厚すぎると不均一
な膜ができやすくなる。より好ましくは100〜500
μmである。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の
方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、
ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガ
ラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にして溶
液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャスト
した溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一
な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最
初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることが
できる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶
液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくな
どしてポリマーの凝固速度を調整することができる。
【0044】本発明の膜は目的に応じて任意の膜厚にす
ることができるが、イオン伝導性の面からはできるだけ
薄いことが好ましい。具体的には200μm以下である
ことが好ましく、50μm以下であることがさらに好ま
しく、20μm以下であることが最も好ましい。
【0045】本発明のイオン性基含有ポリマーはイオン
伝導性に優れているため、フィルム、膜状にして燃料電
池などのイオン交換膜として使用するのに適している。
さらに、本発明のポリマーを主成分にすることにより、
本発明のイオン交換膜と電極との接合体を作製するとき
のバインダー樹脂として利用することもできる。
【0046】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されることはな
い。
【0047】各種測定は次のように行った。 ポリマー対数粘度:ポリマー濃度0.05g/dlのメ
タンスルホン酸溶液について、オストワルド粘度計を用
いて25℃で測定した。 水浸漬試験:ポリマー100mgを10mlのイオン交
換水に25℃で3日間浸漬し、1G2のガラスフィルタ
ーで残留物を濾過した。フィルターは80℃で一晩減圧
乾燥し、濾過前後の重量から、残留物の重量を求め、重
量減少率を求めた。 重量減少率[%]=残留物重量[mg] イオン性基の定量:ポリマー100mgを0.01Nの
NaOH水溶液50mlに浸漬し、25℃で一晩攪拌し
た。その後、0.05NのHCl水溶液で中和滴定し
た。中和滴定には、平沼産業株式会社製電位差滴定装置
COMTITE−980を用いた。イオン性基量は下記
式で求められる。 イオン性基含有量[meq/g]=(10−滴定量[m
l])/2 IR測定:分光器にBiorad社FTS−40、顕微
鏡にBiorad社UMA−300Aを用いた顕微透過
法により測定した。
【0048】(実施例1)200mlガラス製セパラブ
ルフラスコに、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸
塩(略号:DAR)8.813g(4.136×10-2
mol)、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸モ
ノナトリウム(略号:STA)11.093g(4.1
36×10-2mol)、ポリリン酸(五酸化リン含量8
4%)45.642g、五酸化リン13.903gを秤
量し、窒素気流下70℃で0.5時間、120℃で5時
間、135℃で19時間、165℃で18時間、190
℃で4時間の順に攪拌しながらオイルバス中で加熱する
と、黒緑色で不透明の曳糸性のあるドープが得られた。
ドープはイオン交換水中に投入し、pH試験紙中性にな
るまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で
終夜減圧乾燥した。ポリマーの対数粘度は、1.70d
l/gを示した。ポリマーのIRスペクトルを図1に示
す。ポリマーのイオン性基含有量は3.2meq/gだ
った。水による重量減少は3.1%だった。得られたポ
リマー0.150gを7.5mlのメタンスルホン酸に
室温で一晩攪拌して溶解した。溶液はガラス板上に約4
50μmの厚みに流延し10分間そのまま放置した後、
水中にガラス板を浸した。水を時々交換し、数日水浸漬
を続けたところ、単独で形態を保つことのできるフィル
ムが得られた。得られたフィルムは水中から取り出して
も形態を保っており、周りを固定して収縮を押さえなが
ら風乾し減圧乾燥機により80℃終夜乾燥した。乾燥し
たフィルムを95%RH、80℃の恒温恒湿器の中で1
日間放置したが、フィルムは形状を保持していた。
【0049】(実施例2)STA11.093gの代わ
りに、STA10.206g(3.805×10 -2mo
l)及びテレフタル酸(略号TPA)0.550g
(3.309×10-3mol)を用いた他は実施例1と
同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得
た。得られたポリマーの対数粘度は1.73dl/gだ
った。ポリマーのイオン性基含有量は3.0meq/g
だった。水による重量減少は1.8%だった。実施例1
と同様に作製したフィルムは、95%RH、80℃の恒
温恒湿器の中で1日間放置しても形状を保持していた。
【0050】(実施例3)STA11.093gの代わ
りに、STA9.984g(3.723×10-2mo
l)及びテレフタル酸(略号TPA)0.687g
(4.136×10-3mol)を用いた他は実施例1と
同様にして深緑色の不透明な曳糸性のあるドープを得
た。得られたポリマーの対数粘度は1.93dl/gだ
った。ポリマーのIRスペクトルを図2に示す。ポリマ
ーのイオン性基含有量は2.9meq/gだった。水に
よる重量減少は2.0%だった。実施例1と同様に作製
したフィルムは、95%RH、80℃の恒温恒湿器の中
で1日間放置しても形状を保持していた。
【0051】(実施例4)STA11.093gの代わ
りに、STA7.765g(2.895×10-2mo
l)、TPA2.062g(1.241×10-2mo
l)を用いた他は実施例1と同様にして金色の不透明な
曳糸性のあるドープを得た。得られたポリマーの対数粘
度は3.35dl/gだった。水による重量減少は1.
2%だった。ポリマーのイオン性基含有量は2.4me
q/gだった。実施例1と同様に作製したフィルムは、
95%RH、80℃の恒温恒湿器の中で1日間放置して
も形状を保持していた。
【0052】(実施例5)STA11.093gの代わ
りに、STA4.992g(1.861×10-2mo
l)、3.779g(2.275×10-2mol)を用
いた他は実施例1と同様にして金色の不透明な曳糸性の
あるドープを得た。得られたポリマーの対数粘度は5.
37dl/gだった。水による重量減少は0.5%だっ
た。ポリマーのイオン性基含有量は1.7meq/gだ
った。実施例1と同様に作製したフィルムは、95%R
H、80℃の恒温恒湿器の中で1日間放置しても形状を
保持していた。
【0053】(実施例6)TPA0.550gの代わり
に、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル0.8
55g(3.309×10-3mol)を用いた他は実施
例2と同様にして褐色の不透明な曳糸性のあるドープを
得た。得られたポリマーの対数粘度は1.88dl/g
だった。水による重量減少は1.5%だった。ポリマー
のイオン性基含有量は3.0meq/gだった。実施例
1と同様に作製したフィルムは、95%RH、80℃の
恒温恒湿器の中で1日間放置するとやや膨潤していたが
形状を保持していた。
【0054】(比較例1)2.8meq/gのスルホン
酸を有するポリエーテルスルホンについて水による重量
減少を評価したところ、ほぼ全量が溶解した。0.15
0gのスルホン化ポリエーテルスルホンを5mlのジメ
チルスルホキシドに室温で一晩攪拌して溶解した。溶液
はガラス板上に約450μmの厚みに流延し、40℃で
一晩、次いで80℃で2日間それぞれ減圧乾燥してフィ
ルムを作製した。フィルムを95%RH、80℃の恒温
恒湿器の中で1日間放置すると著しく膨潤し、フィルム
の形態をもはや留めていなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明のポリマーにより、耐久性に優れ
た高分子電解質となりうるポリマーを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DARとSTAから合成されたイオン性基含有
ポリマーのIRスペクトル。
【図2】DARとSTA/TPA(モル比90/10)
から合成されたイオン性基含有ポリマーのIRスペクト
ル。
【図3】DARとSTA/TPA(モル比33/67)
から合成されたイオン性基含有ポリマーのIRスペクト
ル。
フロントページの続き (72)発明者 中尾 淳子 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA60 AF05 AF05Y AF37 AH15 FA05 FB01 FB07 FC01 FD02 4J043 PA04 PA08 PC186 QB33 QB41 QB68 RA42 RA52 RA57 SA06 SA08 SA47 SA71 SA83 SB01 TA12 TA71 TA75 TB03 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA262 UB011 UB021 UB061 UB062 UB121 UB122 UB281 UB301 UB302 VA021 VA022 VA041 VA042 VA061 VA062 VA081 VA082 XA19 ZA22 ZA44 ZB11 ZB49 5H026 AA06 BB03 CX05 EE18 HH00 HH05 HH06 HH08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1.5meq/g以上のイオン
    性基を含有し、0.05dl/gのメタンスルホン酸溶
    液の25℃における対数粘度が0.1dl/g以上であ
    り、25℃の水に浸漬したときの重量減少が5%以下で
    あることを特徴とするポリマー。
  2. 【請求項2】 イオン性基がスルホン酸基であることを
    特徴とする請求項1に記載のポリマー。
  3. 【請求項3】 ポリマーがポリアゾールであることを特
    徴とする請求項1または2に記載のポリマー。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1)で表されることを特徴
    とする請求項3に記載のポリマー。 【化1】 [式(1)において、nは0.4以上1.0以下の数
    を、mは1〜4の整数を、B1は2価の芳香族基を、A1
    及びA2は下記一般式(2)又は(3); 【化2】 【化3】 で表される構造より選ばれる2価の基を、それぞれ表
    す。A1及びA2は同一であっても異なっていてもよい。
    式(2)及び(3)においてXは、S又はO原子のいず
    れかを表す。]
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリマ
    ーを主成分とすることを特徴とする成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4にいずれかに記載のポリマ
    ーを主成分とすることを特徴とする膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502265A (ja) * 2002-10-04 2006-01-19 ペミアス ゲーエムベーハー スルホン酸基含有ポリアゾールを含むプロトン伝導性高分子膜及び燃料電池におけるその使用。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006502265A (ja) * 2002-10-04 2006-01-19 ペミアス ゲーエムベーハー スルホン酸基含有ポリアゾールを含むプロトン伝導性高分子膜及び燃料電池におけるその使用。

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