JP2002211206A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤ及びその製造方法Info
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- Tyre Moulding (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 タイヤユニフォミティを向上する。
【解決手段】 一対のビードコア5、5間をトロイド状
に跨るカーカス6を具えた空気入りタイヤ1である。前
記カーカス6は、カーカスコードを並列したカーカスプ
ライ6Aからなる。該カーカスプライ6Aは、前記一対
のビードコア5、5間を跨る本体部6aと前記ビードコ
ア5の回りで折り返された折返し部6bとを連続するカ
ーカスコードによって形成したコード連続部A1と、前
記本体部6aと折返し部6bとを、ビードコア5の近傍
で非連続とする非連続のカーカスコードによって形成さ
れたコード非連続部A2とを具える。
に跨るカーカス6を具えた空気入りタイヤ1である。前
記カーカス6は、カーカスコードを並列したカーカスプ
ライ6Aからなる。該カーカスプライ6Aは、前記一対
のビードコア5、5間を跨る本体部6aと前記ビードコ
ア5の回りで折り返された折返し部6bとを連続するカ
ーカスコードによって形成したコード連続部A1と、前
記本体部6aと折返し部6bとを、ビードコア5の近傍
で非連続とする非連続のカーカスコードによって形成さ
れたコード非連続部A2とを具える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユニフォミティを
向上しうる空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
向上しうる空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの骨格をなすカーカスプ
ライの材料としては、一般に、図8に示すように、カー
カスコードaと、このカーカスコードaに比較的粗い間
隔で交絡される細い横糸bとで織られた簾織物cの内外
を、トッピングゴムgにより被覆したゴム付きファブリ
ックfが使用されている。
ライの材料としては、一般に、図8に示すように、カー
カスコードaと、このカーカスコードaに比較的粗い間
隔で交絡される細い横糸bとで織られた簾織物cの内外
を、トッピングゴムgにより被覆したゴム付きファブリ
ックfが使用されている。
【0003】このゴム付きファブリックfは、前記カー
カスコードaの長手方向に対して角度α(ラジアルタイ
ヤではこのαは略75〜90度)でかつ所望のカーカス
プライ巾wに相当する長さで順次シート片f1に裁断さ
れる。そして、各シート片f1の非裁断側の端縁fe、
fe間を順次継ぎ合わせることによって、カーカスコー
ドaをタイヤ赤道Cに対して前記角度αで傾けて配列さ
せた長尺のカーカスプライdが製造される。またこのカ
ーカスプライdは、タイヤ成形装置に投入され、例えば
図9に示すように成形ドラムi上で周方向に巻回された
後、ビードコアk、k間において膨張されトロイド状に
シェーピングされながら生タイヤが形成される。
カスコードaの長手方向に対して角度α(ラジアルタイ
ヤではこのαは略75〜90度)でかつ所望のカーカス
プライ巾wに相当する長さで順次シート片f1に裁断さ
れる。そして、各シート片f1の非裁断側の端縁fe、
fe間を順次継ぎ合わせることによって、カーカスコー
ドaをタイヤ赤道Cに対して前記角度αで傾けて配列さ
せた長尺のカーカスプライdが製造される。またこのカ
ーカスプライdは、タイヤ成形装置に投入され、例えば
図9に示すように成形ドラムi上で周方向に巻回された
後、ビードコアk、k間において膨張されトロイド状に
シェーピングされながら生タイヤが形成される。
【0004】しかしながら、前記カーカスプライdをシ
ェーピングする際や、生タイヤを加硫成形する際などで
は、前記シート片f1の継ぎ合わせ部j近傍において、
隣り合うカーカスコードa、aの間隔が大きく広くいわ
ゆる目開きを発生しやすい傾向がある。
ェーピングする際や、生タイヤを加硫成形する際などで
は、前記シート片f1の継ぎ合わせ部j近傍において、
隣り合うカーカスコードa、aの間隔が大きく広くいわ
ゆる目開きを発生しやすい傾向がある。
【0005】従来、このような目開きを防止するため、
図8に示した簾織物cにおいて、その側縁領域Yeのカ
ーカスコードのコード密度を、中央領域Ycのそれに比
べて大(単位巾当たりのコード打ち込み本数を例えば1
0〜15%程度大)とすることが行われている。なお、
このコード密度の増加は、前記簾織物cにトッピングゴ
ムをゴム付けするトッピング工程、或いはそれに先立ち
ゴムとの接着力を高める目的で行う接着剤塗布処理(所
謂ディップ処理)工程において、前記側縁領域Yeで生
じがちなカーカスコードaの部分的な目開きを防止する
上でも効果的となる。
図8に示した簾織物cにおいて、その側縁領域Yeのカ
ーカスコードのコード密度を、中央領域Ycのそれに比
べて大(単位巾当たりのコード打ち込み本数を例えば1
0〜15%程度大)とすることが行われている。なお、
このコード密度の増加は、前記簾織物cにトッピングゴ
ムをゴム付けするトッピング工程、或いはそれに先立ち
ゴムとの接着力を高める目的で行う接着剤塗布処理(所
謂ディップ処理)工程において、前記側縁領域Yeで生
じがちなカーカスコードaの部分的な目開きを防止する
上でも効果的となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな簾織物cを用いてタイヤを形成した場合には、図1
0に示すように、カーカスコードaのコード密度が大と
なる高密度領域A1(側縁領域Yeに相当)と、コード
密度が小となる低密度領域A2(中央領域Ycに相当)
とが周方向に交互に現れる。その結果、カーカスkの周
方向剛性が不均一化し、ユニフォミティーを損ねるなど
振動特性を低下させるいう問題を招いていた。特にカー
カスプライの前記高密度領域A1は、バネ弾性が高く、
内圧を充填しても低密度領域A2に比して膨張変化が少
なくなるため、タイヤが凹むこととなり、ラジアルフォ
ースバリエーション等が生じる原因にもなる。
うな簾織物cを用いてタイヤを形成した場合には、図1
0に示すように、カーカスコードaのコード密度が大と
なる高密度領域A1(側縁領域Yeに相当)と、コード
密度が小となる低密度領域A2(中央領域Ycに相当)
とが周方向に交互に現れる。その結果、カーカスkの周
方向剛性が不均一化し、ユニフォミティーを損ねるなど
振動特性を低下させるいう問題を招いていた。特にカー
カスプライの前記高密度領域A1は、バネ弾性が高く、
内圧を充填しても低密度領域A2に比して膨張変化が少
なくなるため、タイヤが凹むこととなり、ラジアルフォ
ースバリエーション等が生じる原因にもなる。
【0007】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
なされたもので、カーカスプライを、一対のビードコア
間を跨る本体部とビードコアの回りで折り返された折返
し部とを連続する連続のカーカスコードと、前記本体部
と前記折返し部とを、前記ビードコアの内周面又はその
近傍で非連続とする非連続のカーカスコードによって形
成することを基本として、例えばコード密度が不均一な
場合にも、カーカスのバネ弾性を周方向に均一化でき、
カーカスコードの目開き防止効果を維持しながら、ユニ
フォミティーを改善しうる空気入りタイヤ及びその製造
方法を提供することを目的としている。
なされたもので、カーカスプライを、一対のビードコア
間を跨る本体部とビードコアの回りで折り返された折返
し部とを連続する連続のカーカスコードと、前記本体部
と前記折返し部とを、前記ビードコアの内周面又はその
近傍で非連続とする非連続のカーカスコードによって形
成することを基本として、例えばコード密度が不均一な
場合にも、カーカスのバネ弾性を周方向に均一化でき、
カーカスコードの目開き防止効果を維持しながら、ユニ
フォミティーを改善しうる空気入りタイヤ及びその製造
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、一対のビードコア間をトロイド状に跨るカ
ーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記カーカス
は、カーカスコードを並列したカーカスプライからな
り、かつ該カーカスプライは、前記一対のビードコア間
を跨る本体部と前記ビードコアの回りで折り返された折
返し部とを連続する連続のカーカスコードと、前記本体
部と前記折返し部とを、前記ビードコアの内周面又はそ
の近傍で非連続とする非連続のカーカスコードとを具え
ることを特徴としている。
載の発明は、一対のビードコア間をトロイド状に跨るカ
ーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記カーカス
は、カーカスコードを並列したカーカスプライからな
り、かつ該カーカスプライは、前記一対のビードコア間
を跨る本体部と前記ビードコアの回りで折り返された折
返し部とを連続する連続のカーカスコードと、前記本体
部と前記折返し部とを、前記ビードコアの内周面又はそ
の近傍で非連続とする非連続のカーカスコードとを具え
ることを特徴としている。
【0009】また請求項2記載の発明は、前記カーカス
プライは、前記カーカスコードのコード密度が大の高密
度領域と、前記カーカスコードのコード密度が高密度領
域よりも小の低密度領域とを具えるとともに、前記非連
続のカーカスコードを前記高密度領域に設けたことを特
徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
プライは、前記カーカスコードのコード密度が大の高密
度領域と、前記カーカスコードのコード密度が高密度領
域よりも小の低密度領域とを具えるとともに、前記非連
続のカーカスコードを前記高密度領域に設けたことを特
徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
【0010】また請求項3記載の発明は、カーカスコー
ドのコード密度が大の高密度領域と、カーカスコードの
コード密度を前記高密度領域よりも小とした低密度領域
とを含むカーカスプライを円筒状の成形ドラムに巻き付
けるとともに、このカーカスプライのタイヤ軸方向の両
端から一対のビードコアを装着し該ビードコアの内周面
に前記カーカスプライの外周面を密着させかつカーカス
プライをトロイド状に膨張させてタイヤ生カバーを成形
する工程を含む空気入りタイヤの製造方法であって、前
記ビードコアの内周面と密着する前記カーカスプライの
高密度領域に、該高密度領域の少なくとも1本のカーカ
スコードを切断する切り込みを形成する工程を含むこと
を特徴としている。
ドのコード密度が大の高密度領域と、カーカスコードの
コード密度を前記高密度領域よりも小とした低密度領域
とを含むカーカスプライを円筒状の成形ドラムに巻き付
けるとともに、このカーカスプライのタイヤ軸方向の両
端から一対のビードコアを装着し該ビードコアの内周面
に前記カーカスプライの外周面を密着させかつカーカス
プライをトロイド状に膨張させてタイヤ生カバーを成形
する工程を含む空気入りタイヤの製造方法であって、前
記ビードコアの内周面と密着する前記カーカスプライの
高密度領域に、該高密度領域の少なくとも1本のカーカ
スコードを切断する切り込みを形成する工程を含むこと
を特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図1は、空気入りタイヤ1が、乗用
車用のラジアルタイヤとして形成された場合のタイヤ軸
を含む子午線断面を例示している。空気入りタイヤ1
は、ビード部4に埋設された一対のビードコア5、5間
(図1では一方のみ表示している。)を跨るトロイド状
のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側
かつ前記トレッド部2の内方に配されたベルト層7とを
具えている。
に基づき説明する。図1は、空気入りタイヤ1が、乗用
車用のラジアルタイヤとして形成された場合のタイヤ軸
を含む子午線断面を例示している。空気入りタイヤ1
は、ビード部4に埋設された一対のビードコア5、5間
(図1では一方のみ表示している。)を跨るトロイド状
のカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側
かつ前記トレッド部2の内方に配されたベルト層7とを
具えている。
【0012】前記カーカス6は、同一のコード材料、コ
ード繊度からなるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対し
て75゜〜90゜の角度で配列した1枚以上、本例で
は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して実質的に9
0度で傾けて配列した1枚のカーカスプライ6Aから形
成されたものを例示している。カーカスコードとして
は、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリア
ミド等の有機繊維コードが好適に採用される。但し、タ
イヤのサイズやカテゴリー、或いは要求性等に応じてス
チールコードも採用しうる。
ード繊度からなるカーカスコードをタイヤ赤道Cに対し
て75゜〜90゜の角度で配列した1枚以上、本例で
は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して実質的に9
0度で傾けて配列した1枚のカーカスプライ6Aから形
成されたものを例示している。カーカスコードとして
は、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリア
ミド等の有機繊維コードが好適に採用される。但し、タ
イヤのサイズやカテゴリー、或いは要求性等に応じてス
チールコードも採用しうる。
【0013】また本例の空気入りタイヤ1のカーカスプ
ライ6Aには、図8に示したように、側縁領域Yeのコ
ード密度を中央領域Ycのコード密度よりも大としたゴ
ム付きファブリックfを角度α(本例では90度)で裁
断して継ぎ合わせて形成したプライ材料を用いたものを
例示している。このようなカーカスプライ6Aの展開図
を図2に示す。前記カーカスプライ6Aは、前記継ぎ合
わせ部jのタイヤ周方向前後において、カーカスコード
6Cのコード密度が大(エンズが大)の高密度領域A1
と、カーカスコード6Cのコード密度が前記高密度領域
A1のコード密度よりも小(エンズが小)の低密度領域
A2とを周方向の交互に具えて形成されたものを例示し
ている。なお本例ではカーカスプライ6Aにおいて、高
密度領域A1のタイヤ周方向長さは約10〜200mm程
度であって、低密度領域A2のタイヤ周方向長さの約
0.07〜0.2倍に設定されている。
ライ6Aには、図8に示したように、側縁領域Yeのコ
ード密度を中央領域Ycのコード密度よりも大としたゴ
ム付きファブリックfを角度α(本例では90度)で裁
断して継ぎ合わせて形成したプライ材料を用いたものを
例示している。このようなカーカスプライ6Aの展開図
を図2に示す。前記カーカスプライ6Aは、前記継ぎ合
わせ部jのタイヤ周方向前後において、カーカスコード
6Cのコード密度が大(エンズが大)の高密度領域A1
と、カーカスコード6Cのコード密度が前記高密度領域
A1のコード密度よりも小(エンズが小)の低密度領域
A2とを周方向の交互に具えて形成されたものを例示し
ている。なお本例ではカーカスプライ6Aにおいて、高
密度領域A1のタイヤ周方向長さは約10〜200mm程
度であって、低密度領域A2のタイヤ周方向長さの約
0.07〜0.2倍に設定されている。
【0014】また前記コード密度とは、カーカスプライ
の単位巾当たりに打ち込まれているカーカスコード6C
の本数(いわゆる「エンズ」)である。好ましくは、高
密度領域A1のコード密度N1と、低密度領域A2のコ
ード密度N2との比(N1/N2)は、例えば1.05
〜1.20倍、より好ましくは1.05〜1.10とす
るのが望ましい。前記比(N1/N2)が1.05未満
であると、シェーピング時或いは加硫成形時などにおい
て発生する継ぎ合わせ部j近傍でのカーカスコード6C
の目開きが生じやすくなり、逆に1.20を超えると、
目開きは防止しうるがカーカスのバネ弾性がタイヤ周方
向で過度に不均一になりやすくなる。
の単位巾当たりに打ち込まれているカーカスコード6C
の本数(いわゆる「エンズ」)である。好ましくは、高
密度領域A1のコード密度N1と、低密度領域A2のコ
ード密度N2との比(N1/N2)は、例えば1.05
〜1.20倍、より好ましくは1.05〜1.10とす
るのが望ましい。前記比(N1/N2)が1.05未満
であると、シェーピング時或いは加硫成形時などにおい
て発生する継ぎ合わせ部j近傍でのカーカスコード6C
の目開きが生じやすくなり、逆に1.20を超えると、
目開きは防止しうるがカーカスのバネ弾性がタイヤ周方
向で過度に不均一になりやすくなる。
【0015】また前記カーカスプライ6Aは、前記一対
のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6a
と、その両側に前記ビードコア5の回りをタイヤ軸方向
内側から外側に向かって折り返された折返し部6bとを
有する。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビ
ードコア5からタイヤ半径方向外方に先細状にのびるビ
ードエーペックスゴム8が配される。
のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6a
と、その両側に前記ビードコア5の回りをタイヤ軸方向
内側から外側に向かって折り返された折返し部6bとを
有する。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビ
ードコア5からタイヤ半径方向外方に先細状にのびるビ
ードエーペックスゴム8が配される。
【0016】また前記ベルト層7は、高弾性コードから
なるベルトコードをタイヤ周方向に対して15゜〜40
゜の角度で傾斜配列した2枚以上、本例ではタイヤ半径
方向内、外で重なる2枚のベルトプライ7A、7Bから
形成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコー
ドがプライ間相互で交差するように向きを違えて配され
ている。ベルトコードとしては、スチールコード或い
は、スチールに近い強度を有する例えば芳香族ポリアミ
ド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の高弾性繊維コード
が好適に使用される。
なるベルトコードをタイヤ周方向に対して15゜〜40
゜の角度で傾斜配列した2枚以上、本例ではタイヤ半径
方向内、外で重なる2枚のベルトプライ7A、7Bから
形成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコー
ドがプライ間相互で交差するように向きを違えて配され
ている。ベルトコードとしては、スチールコード或い
は、スチールに近い強度を有する例えば芳香族ポリアミ
ド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の高弾性繊維コード
が好適に使用される。
【0017】また、本実施形態の前記カーカスプライ6
Aは、図4(A)に示すように、前記本体部6aと前記
折返し部6bとを連続する連続のカーカスコード9と、
図4(B)に示すように、前記本体部6aと前記折返し
部6bとを、前記ビードコア5の内周面5i又はその近
傍で非連続とする非連続のカーカスコード10とを具え
ている。一般的なラジアルタイヤのカーカスプライは、
前記連続のカーカスコード9だけで形成され、前記非連
続のカーカスコード10を具えてはいない。
Aは、図4(A)に示すように、前記本体部6aと前記
折返し部6bとを連続する連続のカーカスコード9と、
図4(B)に示すように、前記本体部6aと前記折返し
部6bとを、前記ビードコア5の内周面5i又はその近
傍で非連続とする非連続のカーカスコード10とを具え
ている。一般的なラジアルタイヤのカーカスプライは、
前記連続のカーカスコード9だけで形成され、前記非連
続のカーカスコード10を具えてはいない。
【0018】本実施形態では、非連続のカーカスコード
10を、カーカスプライ6Aのバネ剛性が高くなりやす
い部分、すなわちカーカスプライ6Aの前記高密度領域
A1に設けたものを例示している。前記非連続のカーカ
スコード10は、図4(B)の如く、ビードコア5の内
周面5i又はその近傍において本体部6aと折返し部6
bとを非連続としているため、コード連続部12に比し
て本体部6aの膨張変化に対抗する能力が低下しこの部
分のバネ弾性を低下させる。従って、カーカスプライ6
Aの前記高密度領域A1にこのような非連続のカーカス
コード10を設けることにより、高密度領域A1と低密
度領域A2とのバネ弾性を均一化することが可能とな
り、ひいてはカーカスプライ6Aのバネ弾性をタイヤ周
方向に均一化してユニフォミティを向上するのに役立
つ。
10を、カーカスプライ6Aのバネ剛性が高くなりやす
い部分、すなわちカーカスプライ6Aの前記高密度領域
A1に設けたものを例示している。前記非連続のカーカ
スコード10は、図4(B)の如く、ビードコア5の内
周面5i又はその近傍において本体部6aと折返し部6
bとを非連続としているため、コード連続部12に比し
て本体部6aの膨張変化に対抗する能力が低下しこの部
分のバネ弾性を低下させる。従って、カーカスプライ6
Aの前記高密度領域A1にこのような非連続のカーカス
コード10を設けることにより、高密度領域A1と低密
度領域A2とのバネ弾性を均一化することが可能とな
り、ひいてはカーカスプライ6Aのバネ弾性をタイヤ周
方向に均一化してユニフォミティを向上するのに役立
つ。
【0019】このような空気入りタイヤ1は、前記ビー
ドコア5の内周面5iと密着する前記カーカスプライ6
Aの高密度領域A1に、該高密度領域A1の少なくとも
1本のカーカスコード6Cを切断する切り込み15を形
成したカーカスプライ6Aを用いて通常のラジアルタイ
ヤのシングルステージないし2ステージ成形法により容
易に製造することができる。
ドコア5の内周面5iと密着する前記カーカスプライ6
Aの高密度領域A1に、該高密度領域A1の少なくとも
1本のカーカスコード6Cを切断する切り込み15を形
成したカーカスプライ6Aを用いて通常のラジアルタイ
ヤのシングルステージないし2ステージ成形法により容
易に製造することができる。
【0020】図2のZ部を拡大した図3に示す如く、前
記の切り込み15は、カーカスプライ6Aのビードコア
5の内周面5iと密着する部分Xでかつ前記高密度領域
A1に形成される。そして、図5に示すように、このよ
うな切り込み15を形成したカーカスプライ6Aを円筒
状の成形ドラムDにインナーライナ16を介して巻き付
ける。本例ではカーカスコードをドラムDの軸方向に沿
わせて配している。また図6のように、このカーカスプ
ライ6Aのタイヤ軸方向の両端から一対のビードコア
5、5を装着し成形ドラムDを拡径して該ビードコア5
の内周面5iに前記カーカスプライ6Aの外周面を密着
させる。このとき、前記切り込み15によって切断され
た非連続のカーカスコード10の本体部6a側の切断端
E1(図4(B)に示す)は、ビードコア5の内周面5
iと成形ドラムDのコア受け部Eとの間で挟まれる。し
かる後、図7に示す如く、カーカスプライ6Aをトロイ
ド状に膨張させ、適宜ゴム材などを貼り付けてタイヤ生
カバーを成形する。そして、この生カバーを加硫するこ
とにより、図1に示した空気入りタイヤ1を製造するこ
とができる。
記の切り込み15は、カーカスプライ6Aのビードコア
5の内周面5iと密着する部分Xでかつ前記高密度領域
A1に形成される。そして、図5に示すように、このよ
うな切り込み15を形成したカーカスプライ6Aを円筒
状の成形ドラムDにインナーライナ16を介して巻き付
ける。本例ではカーカスコードをドラムDの軸方向に沿
わせて配している。また図6のように、このカーカスプ
ライ6Aのタイヤ軸方向の両端から一対のビードコア
5、5を装着し成形ドラムDを拡径して該ビードコア5
の内周面5iに前記カーカスプライ6Aの外周面を密着
させる。このとき、前記切り込み15によって切断され
た非連続のカーカスコード10の本体部6a側の切断端
E1(図4(B)に示す)は、ビードコア5の内周面5
iと成形ドラムDのコア受け部Eとの間で挟まれる。し
かる後、図7に示す如く、カーカスプライ6Aをトロイ
ド状に膨張させ、適宜ゴム材などを貼り付けてタイヤ生
カバーを成形する。そして、この生カバーを加硫するこ
とにより、図1に示した空気入りタイヤ1を製造するこ
とができる。
【0021】なお前記カーカスプライ6Aの膨張変形
時、連続のカーカスコード9は引張力により伸張してカ
ーカスプライ6Aの膨張を促進する。他方、非連続のカ
ーカスコード10は、折返し部6bと非連続のため、引
張力によりその切断端E1(図4(B)に示す)がビー
ドコアの内周面5iから引き抜かれ、本例ではビードコ
ア5のタイヤ軸方向の内側面まで移動するものを例示し
ている。従って、このような非連続のカーカスコード1
0が形成する本体部6aは、カーカス6のバネ弾性に実
質的に関与しなくなる。これにより、コード非連続部1
3は、カーカスのバネ弾性を調節するのに役立つ。なお
前記切り込み15は、本例ではカーカスプライ6Aを成
形ドラムDに巻き付ける前に形成したものを例示する
が、巻き付け後に形成しても良い。
時、連続のカーカスコード9は引張力により伸張してカ
ーカスプライ6Aの膨張を促進する。他方、非連続のカ
ーカスコード10は、折返し部6bと非連続のため、引
張力によりその切断端E1(図4(B)に示す)がビー
ドコアの内周面5iから引き抜かれ、本例ではビードコ
ア5のタイヤ軸方向の内側面まで移動するものを例示し
ている。従って、このような非連続のカーカスコード1
0が形成する本体部6aは、カーカス6のバネ弾性に実
質的に関与しなくなる。これにより、コード非連続部1
3は、カーカスのバネ弾性を調節するのに役立つ。なお
前記切り込み15は、本例ではカーカスプライ6Aを成
形ドラムDに巻き付ける前に形成したものを例示する
が、巻き付け後に形成しても良い。
【0022】このように、切り込み15をビードコア5
の内周面5iと密着するカーカスコードの高密度領域A
1に設けているため、加硫中の内圧等によっても、非連
続のカーカスコードにおいて本体部側のカーカスコード
は、タイヤの内側に4〜6mm程度の移動量Kに抑えら
れ、耐久性能の低下が抑制される。また折返し部側のカ
ーカスコードは、図4(B)に示す如くビードコア5の
内側に止まり、大きな移動が抑制される。
の内周面5iと密着するカーカスコードの高密度領域A
1に設けているため、加硫中の内圧等によっても、非連
続のカーカスコードにおいて本体部側のカーカスコード
は、タイヤの内側に4〜6mm程度の移動量Kに抑えら
れ、耐久性能の低下が抑制される。また折返し部側のカ
ーカスコードは、図4(B)に示す如くビードコア5の
内側に止まり、大きな移動が抑制される。
【0023】また前記切り込み15により切断された非
連続のカーカスコード10の本数は、タイヤのバネ弾性
を最適化しうる範囲で適宜定めうる。例えば図3のよう
に、一つの高密度領域A1において、切り込み15によ
り切断されるカーカスコードは、例えば高密度領域A1
のコード密度N1(例えば、10本/5cm)と低密度領
域A2のコード密度N2(例えば、5本/5cm)との差
(N1−N2)(例えば5本/5cm、すなわち高密度領
域A1のタイヤ周方向の長さ5cm当たり5本のカーカス
コードを均等に切断)とすることが望ましい。これによ
り、カーカス6のバネ弾性に影響する連続のカーカスコ
ード9のコード密度が、前記高密度領域A1と低密度領
域A2とにおいて実質的に同一に設定しうる点で好まし
い。また、切り込み15は、(N1−N2)で得られた
切り込み本数と同一か、もしくは0.5×(N1−N
2)〜1.5(N1−N2)の範囲で定めても実質的に
同様の効果がある。
連続のカーカスコード10の本数は、タイヤのバネ弾性
を最適化しうる範囲で適宜定めうる。例えば図3のよう
に、一つの高密度領域A1において、切り込み15によ
り切断されるカーカスコードは、例えば高密度領域A1
のコード密度N1(例えば、10本/5cm)と低密度領
域A2のコード密度N2(例えば、5本/5cm)との差
(N1−N2)(例えば5本/5cm、すなわち高密度領
域A1のタイヤ周方向の長さ5cm当たり5本のカーカス
コードを均等に切断)とすることが望ましい。これによ
り、カーカス6のバネ弾性に影響する連続のカーカスコ
ード9のコード密度が、前記高密度領域A1と低密度領
域A2とにおいて実質的に同一に設定しうる点で好まし
い。また、切り込み15は、(N1−N2)で得られた
切り込み本数と同一か、もしくは0.5×(N1−N
2)〜1.5(N1−N2)の範囲で定めても実質的に
同様の効果がある。
【0024】
【実施例】切り込みを設けたカーカスプライを用いて図
1に示す構造の空気入りタイヤ(サイズ:195/70
R14 91H)を試作した(実施例)。そして製造時
に生じるカーカスプライ成型時の目開きを調べるととも
に、製造されたタイヤについて、タイヤ回転軸に現れる
上下方向の荷重変動の力であるラジアルフォースバリエ
イション(RFV)を測定した。また比較のために、切
り込みを用いずに製造された同サイズのタイヤ(比較
例)についても併せて試作を行い性能を比較した。なお
カーカスプライの成型時の目開きについては、シェーピ
ング完了時に目視により確認した。またRFVについて
は従来例のRFVを100とする指数で示しており、数
値が小さい程良好である。テストの結果を表1に示す。
1に示す構造の空気入りタイヤ(サイズ:195/70
R14 91H)を試作した(実施例)。そして製造時
に生じるカーカスプライ成型時の目開きを調べるととも
に、製造されたタイヤについて、タイヤ回転軸に現れる
上下方向の荷重変動の力であるラジアルフォースバリエ
イション(RFV)を測定した。また比較のために、切
り込みを用いずに製造された同サイズのタイヤ(比較
例)についても併せて試作を行い性能を比較した。なお
カーカスプライの成型時の目開きについては、シェーピ
ング完了時に目視により確認した。またRFVについて
は従来例のRFVを100とする指数で示しており、数
値が小さい程良好である。テストの結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気入り
タイヤは、カーカスプライが、本体部と折返し部とで連
続する連続のカーカスコードと、非連続のカーカスコー
ドとを具えることにより、これらを適宜配することによ
り、カーカスのバネ弾性を調節でき、該バネ弾性をタイ
ヤ周方向に均一化してユニフォミティを向上するのに役
立つ。
タイヤは、カーカスプライが、本体部と折返し部とで連
続する連続のカーカスコードと、非連続のカーカスコー
ドとを具えることにより、これらを適宜配することによ
り、カーカスのバネ弾性を調節でき、該バネ弾性をタイ
ヤ周方向に均一化してユニフォミティを向上するのに役
立つ。
【0027】また請求項2記載の発明のように、カーカ
スプライが、カーカスコードのコード密度が大の高密度
領域と、前記カーカスコードのコード密度が高密度領域
よりも小の低密度領域とを具えるとともに、前記非連続
のカーカスコードを前記高密度領域に設けたときには、
より確実にカーカスのバネ弾性をタイヤ周方向に均一化
しうる。またカーカスコードの目開き防止効果をも維持
することが可能となる。
スプライが、カーカスコードのコード密度が大の高密度
領域と、前記カーカスコードのコード密度が高密度領域
よりも小の低密度領域とを具えるとともに、前記非連続
のカーカスコードを前記高密度領域に設けたときには、
より確実にカーカスのバネ弾性をタイヤ周方向に均一化
しうる。またカーカスコードの目開き防止効果をも維持
することが可能となる。
【0028】また請求項3記載の空気入りタイヤの製造
方法にあっては、ビードコアの内周面と密着するカーカ
スプライの高密度領域に所定の切り込みを設けたカーカ
スプライを用いて通常の成形を行うことにより、製造工
程を複雑化することなくユニフォミティに優れた空気入
りタイヤを容易に製造しうる。
方法にあっては、ビードコアの内周面と密着するカーカ
スプライの高密度領域に所定の切り込みを設けたカーカ
スプライを用いて通常の成形を行うことにより、製造工
程を複雑化することなくユニフォミティに優れた空気入
りタイヤを容易に製造しうる。
【図1】本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの断面
図である。
図である。
【図2】それに用いるカーカスプライの平面図である。
【図3】そのZ部拡大図である。
【図4】(A)は連続のカーカスコードを例示するビー
ド部の断面図、(B)は非連続のカーカスコードを例示
するビード部の断面図である。
ド部の断面図、(B)は非連続のカーカスコードを例示
するビード部の断面図である。
【図5】空気入りタイヤの製造方法を説明する断面略図
である。
である。
【図6】空気入りタイヤの製造方法を説明する断面略図
である。
である。
【図7】空気入りタイヤの製造方法を説明する断面略図
である。
である。
【図8】ゴム付きファブリックからカーカスプライを製
造する工程を説明する平面図である。
造する工程を説明する平面図である。
【図9】カーカスプライの成型を略示する断面図であ
る。
る。
【図10】従来技術の問題点を説明するタイヤの部分斜
視図である。
視図である。
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A カーカスプライ 6a カーカスプライの本体部 6b カーカスプライの折返し部 7 ベルト層 9 連続のカーカスコード 10 非連続のカーカスコード 15 切り込み A1 高密度領域 A2 低密度領域
Claims (3)
- 【請求項1】一対のビードコア間をトロイド状に跨るカ
ーカスを具えた空気入りタイヤであって、 前記カーカスは、カーカスコードを並列したカーカスプ
ライからなり、 かつ該カーカスプライは、前記一対のビードコア間を跨
る本体部と前記ビードコアの回りで折り返された折返し
部とを連続する連続のカーカスコードと、 前記本体部と前記折返し部とを、前記ビードコアの内周
面又はその近傍で非連続とする非連続のカーカスコード
とを具えることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記カーカスプライは、前記カーカスコー
ドのコード密度が大の高密度領域と、前記カーカスコー
ドのコード密度が高密度領域よりも小の低密度領域とを
具えるとともに、前記非連続のカーカスコードを前記高
密度領域に設けたことを特徴とする請求項1記載の空気
入りタイヤ。 - 【請求項3】カーカスコードのコード密度が大の高密度
領域と、カーカスコードのコード密度を前記高密度領域
よりも小とした低密度領域とを含むカーカスプライを円
筒状の成形ドラムに巻き付けるとともに、このカーカス
プライのタイヤ軸方向の両端から一対のビードコアを装
着し該ビードコアの内周面に前記カーカスプライの外周
面を密着させかつカーカスプライをトロイド状に膨張さ
せてタイヤ生カバーを成形する工程を含む空気入りタイ
ヤの製造方法であって、 前記ビードコアの内周面と密着する前記カーカスプライ
の前記高密度領域に、該高密度領域の少なくとも1本の
カーカスコードを切断する切り込みを形成する工程を含
むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001010589A JP2002211206A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001010589A JP2002211206A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002211206A true JP2002211206A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18877873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001010589A Pending JP2002211206A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 空気入りタイヤ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002211206A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7426950B2 (en) | 2002-02-26 | 2008-09-23 | Fuji Seiko Co. Ltd. | Pneumatic tire and method of manufacturing the tire |
-
2001
- 2001-01-18 JP JP2001010589A patent/JP2002211206A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7426950B2 (en) | 2002-02-26 | 2008-09-23 | Fuji Seiko Co. Ltd. | Pneumatic tire and method of manufacturing the tire |
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