JP2002210843A - 空気入りタイヤの製造方法、及びそれによって製造された空気入りタイヤ。 - Google Patents
空気入りタイヤの製造方法、及びそれによって製造された空気入りタイヤ。Info
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Abstract
の配置の自由度を高め、導電プラグの使用を最小限にと
どめることが可能となる。見映えや接地性、さらには操
縦安定性などの走行性能への影響を低く抑えることがで
きる。 【解決手段】 絶縁性ゴム材からなる未加硫のキャップ
トレッドゴムに、導電性ゴムからなる半加硫又は既加硫
のピン状の導電プラグを下孔を形成することなくかつキ
ャップトレッドゴムの上下面にプラグ端面を臨ませて埋
め込む。
Description
ゴムにシリカ配合等の絶縁性ゴム材を用いた場合にも、
車両に発生する静電気を路面に効果的に放電しうる空気
入りタイヤの製造方法、及びそれによって製造された空
気入りタイヤに関する。
がり抵抗を減じた低燃費タイヤの開発が進められてお
り、そのために、トレッドゴムの充填剤としてカーボン
(カーボンブラック)からシリカへと置き換えることが
提案されている。しかしカーボンの配合量の減少は、タ
イヤの電気抵抗の増加を招き、静電気が車両に蓄積され
ることによりラジオノイズ等の電波障害を引き起こすな
ど、多くの電気的誤動作の発生原因となっている。
抗を改善するものとして、例えば特開2000−161
0号公報等には、図5に図示する如く、トレッドゴムA
を、カーボンを主に配合した導電性のベーストレッドゴ
ムaとシリカを主に配合した絶縁性のキャップトレッド
ゴムbとで構成するとともに、このベーストレッドゴム
aの一部を周方向にのびるリブ状に立上げトレッド表面
で露出させた導電端子部a1を形成するものが提案され
ている。
部a1とキャップトレッドゴムbとの間にある程度の偏
摩耗が発生するが、この偏摩耗が周方向に連続して生じ
るため、見映えや接地性への影響が大きいという問題が
ある。又タイヤでは種々のトレッドパターンが採用され
るが、前記導電端子部a1の位置を容易に変更できない
ため、場合によっては、この周方向にのびる導電端子部
a1が縦溝内に入ってしまい、路面との接触ができなく
なる恐れがある。なお路面との接触を確実化するため
に、導電端子部a1の形成本数を増やした場合には、前
記見映えや接地性の低下がより顕著となる。
ッドゴムに、半加硫又は既加硫のピン状の導電プラグを
下孔を形成することなく埋め込むことを基本として、導
電プラグの形成位置をトレッドパターン等に応じて自在
に設定でき、優れた生産効率を確保しながら、導電プラ
グの配置の自由度を高めうるとともに、導電プラグの使
用を最小限にとどめることが可能となり、見映えや接地
性への影響を低く抑えうる空気入りタイヤの製造方法、
及びそれによって製造された空気入りタイヤの提供を目
的としている。
に、本願請求項1は、空気入りタイヤの製造方法の発明
であって、絶縁性ゴム材からなる未加硫のキャップトレ
ッドゴムに、導電性ゴムからなる半加硫又は既加硫のピ
ン状の導電プラグを下孔を形成することなくかつキャッ
プトレッドゴムの上下面にプラグ端面を臨ませて埋め込
むことを特徴としている。
は、前記キャップトレッドゴムがタイヤ成形によりトレ
ッド陸部をなす位置に埋め込まれることを特徴としてい
る。
は、前記キャップトレッドゴムがタイヤ成形によりトレ
ッド面をなす側から、かつプラグ下端をベーストレッド
ゴム内に埋入させて数個〜数十個を埋め込ませたことを
特徴としている。
記請求項1〜3の何れかに記載の製造方法により製造さ
れたことを特徴としている。
ム」とは、体積固有電気抵抗値が1×108 Ωcm以上
のものを意味し、又「導電性ゴム」とは、体積固有電気
抵抗値が1×108 Ωcm未満のものを意味する。又体
積固有電気抵抗値は、15cm四方かつ厚さ2mmのゴ
ム試料を印加電圧500V、気温25℃、湿度50%の
条件でADVANTESTER8340Aの電気抵抗測
定器を用いて測定した値である。
図示例とともに説明する。図1は、本発明の製造方法を
用いて製造された空気入りタイヤの子午断面を示してい
る。
ッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビ
ードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカー
カス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に
配されるベルト構造体Bとを具える。
ヤ周方向に対して、例えば75〜90度の角度で配列し
た1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形
成される。該カーカスプライ6Aは、前記ビードコア
5、5間を跨ってのびる本体部6aの両側に、前記ビー
ドコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返さ
れる折返し部6bを一連に有し、この本体部6aと折返
し部6bとの間には、硬質のビードエーペックスゴム8
が配され、ビード部4を補強している。なおカーカスコ
ードとして、本例ではポリエステルコードが採用される
が、その他ナイロン、レーヨン、ビニロン、芳香族ポリ
アミドなどの各種の有機繊維コードや、スチールコード
などが採用できる。
くとも含み、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して
補強しかつトレッド剛性を高めている。このベルト層7
は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して15〜40度
の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプラ
イ7A、7Bからなり、各ベルトコードがプライ間で交
差するように傾斜の向きを違えて配置している。なおベ
ルトコードとして、スチールコード及びこれに匹敵する
芳香族ポリアミド等の高張力の有機繊維コードが好適に
使用される。又前記ベルト構造体Bとして、前記ベルト
層7の外側に、高速耐久性を高める目的で、例えばナイ
ロン製のバンドコードを螺旋巻きしたバンド層を設ける
こともできる。
には、従来的なタイヤと同様、少なくともコードを被覆
するトッピングゴムに、主補強剤としてカーボンブラッ
クを配合した導電性ゴムを用いることによって、導電性
が付与されている。
方向外側には、トレッドゴム10が配される。
す半径方向外側のキャップトレッドゴム11と、その内
側に配されるベーストレッドゴム12とを含み、本例で
は、その両端にサイドウォールゴムとの接着性を高める
断面三角形状のウイングゴム13を配した場合を例示し
ている。
レッド部2の全巾に亘って延在し、トレッド面にはタイ
ヤ周方向にのびる縦溝Gm及びこれに交わる方向にのび
る横溝Gyなどから構成されるトレッド溝Gを凹設して
いる。
以外の特性である、耐摩耗性、低転がり抵抗性、ウエッ
トグリップ性能等を重視して設定された体積固有電気抵
抗値が1×108 Ωcm以上の高性能ゴム材からなり、
ゴム基材中に、本例ではシリカを主補強剤として30〜
100phr、好ましくは40〜70phr配合する一
方、カーボンブラックの配合を15phr未満、好まし
くは10phr未満に抑えた絶縁性ゴムが採用される。
2は、電気抵抗を重視した導電性ゴムからなり、前記キ
ャップトレッドゴム11の性能を阻害しないように、例
えば1.0〜5.0mm程度の厚さを有する薄いシート
状に形成される。導電性ゴムは、本例では、ゴム基材中
にカーボンブラックを15phr以上含み、これによっ
て体積固有電気抵抗値が1×108 Ωcm未満の優れた
導電性を確保している。なお導電性のために、カーボン
ブラックを20phr以上、さらには30phr以上配
合することが好ましく、又他のゴム物性を得るために、
シリカを補助的に配合してもよい。
いるゴム基材としては、例えば、天然ゴム(NR)、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレインゴム(IR)等のジエン系ゴム
の一種若しくは複数種を組み合わせたものが使用でき、
又要求により、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤等の公知
の添加剤が添加される。
は、前記キャップトレッドゴム11に絶縁性ゴムを用い
たことによるタイヤの電気抵抗値の増加を抑え、路面へ
の放電を円滑に行うために、図2(A)、(B)に拡大
して示すように、トレッド部2に、導電性ゴムからなる
ピン状の導電プラグ15を、数個〜数十個埋設してい
る。
面SUが、トレッド面と面一状に露出し、かつプラグ下
端が、キャップトレッドゴム11を貫通してベーストレ
ッドゴム12と導通していることが必要であるが、その
断面形状や太さ等は特に規制されるものではなく、例え
ば円形状、楕円状、多角形状など種々な断面形状のもの
が採用できる。又導電プラグ15とベーストレッドゴム
12とは、導電性ゴムであるならば、ゴム組成を互いに
違えても良い。
の影響をできるだけ排除し、より少ない本数で路面との
接触を確実に行うために、トレッドパターンに合わせて
トレッド陸部2Lに主に埋設すること重要である。なお
「主に埋設する」とは、導電プラグ15の本数の80%
以上がトレッド陸部2L内に埋設することを意味する。
によって植設される。即ち、図3に示すように、未加硫
のキャップトレッドゴム11Aに、半加硫又は既加硫の
導電プラグ15Aを下孔を形成することなくかつキャッ
プトレッドゴム11Aの上下面にプラグ端面SU、SL
を臨ませて埋め込む。
1Aは、ゴム押出機を用い、本例では、未加硫のベース
トレッドゴム12A及びウイングゴム13Aと一体とな
ったトレッドゴム10Aとして押出し成形される。
から押出された軸状体を定寸切りし、これによって得た
ピン状の切断片を、加熱やEBR照射(電子線照射)等
による加硫又は半加硫によって硬質化して形成される。
なお加硫の度合いは、キャップトレッドゴム11Aへの
押し込みに際して、導電プラグ15Aが変形しない程度
に硬化していればよい。
ム上で環状に巻回されてトレッドリングを形成する工程
において、又はそれより前の工程において、好ましく
は、トレッドゴム10Aが充分に柔らかい押出し工程に
おいて、前記導電プラグを埋入する。
タイヤ成形によりトレッド面をなす側、即ち上側から、
導電プラグ15Aを押し込み、プラグ下端がベーストレ
ッドゴム12Aと接触、好ましくはベーストレッドゴム
12A内に入り込むまで埋入させる。そのために、導電
プラグ15Aの長さLは、キャップトレッドゴム11A
の厚さT1以上かつトレッドゴム10Aの厚さT0以下
に設定される。
形する際の金型面により付与されるため、そのトレッド
パターンによって予想されるトレッド陸部2Lをなす位
置に、導電プラグ15Aを埋め込む。
予想するためには、例えば、 タイヤ成形する際、トレッドリングにおけるトレッ
ドゴム10Aのジョイント位置と、金型に設ける例えば
ステンシル位置等との位相角を管理し、この位相角に基
づき、トレッドパターンにおける横溝Gyの形成位置を
トレッドゴム10Aの先端(又は後端)からの長手方向
の位置として予想する; 縦溝Gmの形成位置をトレッドゴム10Aの側縁
(又は中央)からの巾方向の位置として予想する;そし
て、これら横溝Gy、縦溝Gm以外の位置をトレッド陸
部2Lをなす位置として予想する。
ても、前記の如く、縦溝Gmの形成位置Pを予想し、
これを避けた位置をトレッド陸部2Lをなす位置とし見
なすこともできる。そして、例えば図4(A)、(B)
に例示するように、縦溝Gmの形成位置P以外の位置
に、導電プラグ15Aを巾方向(タイヤ軸方向)に並ぶ
横列Yとして、又は長手方向(タイヤ周方向)に並ぶ縦
列Xとして埋設しても良い。前記横列Y、縦列Xは、見
映えや走行性等への影響をできるだけ排除するために1
本とするのが好ましいが、要求に応じて2本以上、複数
本形成しても良い。
グ15Aをキャップトレッドゴム11に下孔を設けるこ
となく直接押し込むだけで、能率良く植設できるため、
タイヤの生産効率低下を抑えることができる。又導電プ
ラグ15Aとベーストレッドゴム12との通電も確実に
確保できる。
め込み位置を自在に設定できるため、タイヤの電気抵抗
を充分低く抑えながら導電プラグの使用を最小限にとど
めることが可能となる。従って、タイヤにおいて、導電
プラグ15がスポット状をなすことと相俟って、見映え
や接地性、さらには操縦安定性などの走行性能への影響
を低く抑えることができる。
ストレッドゴム12とを別々に押出し成形し、キャップ
トレッドゴム11に導電プラグ15Aを押し込み、この
導電プラグ15Aが貫通したのを確認した後、キャップ
トレッドゴム11の内面にベーストレッドゴム12を貼
着することもできる。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
導電プラグの形成位置をトレッドパターン等に応じて自
在に設定でき、優れた生産効率を確保しながら、導電プ
ラグの配置の自由度を高めうる。又これによって、導電
プラグの使用を最小限にとどめることが可能となり、見
映えや接地性、さらには操縦安定性などの走行性能への
影響を低く抑えることができる。
ともに示す断面図、及び平面図である。
ある。
例示する線図である。水の流れを説明するパターン図で
ある。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁性ゴム材からなる未加硫のキャップト
レッドゴムに、導電性ゴムからなる半加硫又は既加硫の
ピン状の導電プラグを下孔を形成することなくかつキャ
ップトレッドゴムの上下面にプラグ端面を臨ませて埋め
込むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項2】前記導電プラグは、前記キャップトレッド
ゴムがタイヤ成形によりトレッド陸部をなす位置に埋め
込まれることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
ヤの製造方法。 - 【請求項3】前記導電プラグは、前記キャップトレッド
ゴムがタイヤ成形によりトレッド面をなす側から、かつ
プラグ下端をベーストレッドゴム内に埋入させて数個〜
数十個を埋め込ませたことを特徴とする請求項1又は2
記載の空気入りタイヤの製造方法。 - 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載の製造方法に
より製造された空気入りタイヤ。
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