JP2002208324A - 微細パターンを有するネサ膜の製造方法 - Google Patents

微細パターンを有するネサ膜の製造方法

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JP2002208324A JP2001000506A JP2001000506A JP2002208324A JP 2002208324 A JP2002208324 A JP 2002208324A JP 2001000506 A JP2001000506 A JP 2001000506A JP 2001000506 A JP2001000506 A JP 2001000506A JP 2002208324 A JP2002208324 A JP 2002208324A
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Gohe Yoshida
五兵衛 吉田
Naoki Taniguchi
直木 谷口
Chiaki Yamamoto
千秋 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリカコートをもたないガラス基板上に微細な
パターンを有し、表面抵抗の小さいネサ膜を密着性よ
く、しかも低廉簡便に成膜する方法を提供する。 【解決手段】シリカコートをもたないガラス基板上にフ
ォトレジストを塗布し、パターンマスクを介して露光さ
せた後、現像して、所要のパターンを有するフォトレジ
スト膜を形成する第1工程、上記パターンを有するフォ
トレジスト膜を形成したガラス基板の全面に常圧化学蒸
着法にてネサ膜を成膜する第2工程、次いで、上記ガラ
ス基板上のフォトレジスト膜をその上のネサ膜と共に除
去する微細パターンを有するネサ膜の製造方法におい
て、第2工程において、三塩化アンチモン又はトリフル
オロ酢酸をドーピング剤として添加したブチルトリクロ
ロスズ又は四塩化スズの水溶液からなる原料水溶液を一
定の少量ずつ、加熱ポットに導き、加熱して、瞬時に気
化させ、得られた混合ガスを不活性ガス担体と共に運
び、スリットノズルから吹き出させて、加熱した上記ガ
ラス基板上に常圧化学蒸着させて、ネサ膜を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊細なパターンを
有するネサ膜をシリカコートのないガラス基板上に密着
性よく成膜する方法に関し、詳しくは、液晶、PDP
(プラズマ・ディスプレイ・パネル)等の平坦なパネル
・ディスプレイに広く用いられている微細なパターンを
有するネサ膜をフォトレジストを用いる所謂リフトオフ
法によって、シリカコートをもたないガラス基板上に低
温で容易に、しかも密着性よく成膜する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドーピング剤を含有させた酸化スズから
なる透明導電性酸化スズ膜は、従来より、ネサ膜と呼ば
れており、本発明においても、このように、ドーピング
剤を含有させた酸化スズからなる透明導電性膜をネサ膜
という。
【0003】従来、パターンを有するネサ膜、即ち、パ
ターン付きネサ膜を製造する方法としては、例えば、特
開昭56−94542号公報、特開昭63−65090
号公報、特開昭63−171886号公報等に記載され
ているように、ガラス基板上にスプレー法等によって全
面にネサ膜を成膜した後、このネサ膜上に金属マスク
か、又はフォトレジストによるマスクを形成した後、不
必要な部分のネサ膜をエッチングによって除去して、所
要のパターンを形成するエッチング法が知られている。
また、別の方法として、スクリーン印刷を用いて、ガラ
ス基板をペ−ストでマスキングした後、その上にネサ膜
を成膜し、その後、上記ペーストを洗浄除去して、所要
のパターンを有するネサ膜を成膜する所謂リフトオフ法
も知られている。
【0004】しかしながら、上記エッチング法によれ
ば、約30μm幅の精度まで加工できるものの、エッチ
ングには発生期の水素が必要なことから、濃度の高い塩
酸等の鉱酸を必要とし、取り扱い上の困難さが問題であ
った。一方、上記リフトオフ法によれば、スクリーン印
刷に用いるスクリーンの網目の細かさやペーストの粘度
等から、パターンの線幅や線間の細かさにおいて、80
μm程度が精度の限界とされてきた。
【0005】そこで、本発明者らは、特開平8−592
57号公報に記載されているように、既に、ガラス基板
上にフォトレジストを塗布し、パターンマスクを介して
露光させた後、現像して、所要のパターンを有するフォ
トレジスト膜を形成する第1工程、上記パターンを有す
るフォトレジスト膜を形成したガラス基板の全面に常圧
化学蒸着法にてネサ膜を成膜する第2工程、次いで、ガ
ラス基板上のフォトレジスト膜をその上のネサ膜と共に
除去する微細パターンを有するネサ膜の製造方法におい
て、第2工程において、三塩化アンチモン又はトリフル
オロ酢酸をドーピング剤として添加したジメチルジクロ
ロスズ又はモノメチルトリクロロスズの水溶液からなる
原料溶液を瞬時に気化させ、得られた混合ガスを空気担
体と共にスリットノズルから吹き出させて、加熱したガ
ラス基板に常圧化学蒸着させるというリフトオフ法によ
って、高精度、具体的には、30μm以下の線間と線幅
を有する微細なネサ膜を成膜する方法を提案している。
【0006】上述した方法によれば、ガラス基板上に高
精度にて微細なネサ膜を形成することができるが、しか
し、所要のパターンを有するフォトレジスト膜を形成し
たガラス基板の全面に常圧化学蒸着法にてネサ膜を成膜
する第2工程において、ガラス基板を500℃前後の高
温に加熱することが必要であるので、そのためのエネル
ギー費用が嵩むと共に、効率の点で尚、十分とはいえな
い問題がある。更に、上述したように、第2工程におい
て、ガラス基板を高温に加熱する必要があり、その際
に、ガラス基板からアルカリが溶出すれば、その理由は
明らかではないが、レジスト膜が燃焼することがあるの
で、正確なパターンを有するネサ膜を得ることができな
い問題があった。かくして、従来、上述した方法におい
ても、ガラス基板としては、シリカコートしたガラス基
板を用いることが必要とされて、その結果、得られるネ
サ膜は高価なものとならざるを得なかった。
【0007】そこで、本発明者らは、特開平11−26
3638公報に記載されているように、スズ化合物とし
て、ブチルトリクロロスズを用いることによって、比較
的低温にてガラス基板上にネサ膜を成膜する方法を提案
したが、しかし、依然として、ガラスからのアルカリの
溶出を防ぐために、ガラス基板としては、シリカコート
したものを用いる必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ネサ膜の製
造における上述したような問題を解決するためになされ
たものであって、エッチング法とリフトオフ法の双方の
長所を利用して、フォトレジストを用いるリフトオフ法
によって、ガラス基板上にネサ膜を成膜する方法におい
て、上記第2工程において、スズ化合物とドーパントと
を含む蒸気を不活性ガス担体を用いて常圧化学蒸着装置
に導くと共に、ガラス基板の加熱温度を一層低い温度と
することによって、シリカコートをもたないガラス基板
を用いて、その上に30μm以下の線間と線幅を有する
繊細なパターンを有するネサ膜を基板への密着性よく成
膜することができることを見出して、本発明に至ったも
のである。
【0009】即ち、本発明は、シリカコートをもたない
ガラス基板上に精度と密着性にすぐれる微細なネサ膜を
効率よく、しかも低廉簡便に成膜することができる方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるパターン付
きネサ膜の製造方法は、ガラス基板上にフォトレジスト
を塗布し、パターンマスクを介して露光させた後、現像
して、所要のパターンを有するフォトレジスト膜を形成
する第1工程、上記パターンを有するフォトレジスト膜
を形成したガラス基板の全面に常圧化学蒸着法にてネサ
膜を成膜する第2工程、次いで、上記ガラス基板上のフ
ォトレジスト膜をその上のネサ膜と共に除去する微細パ
ターンを有するネサ膜の製造方法において、第2工程に
おいて、三塩化アンチモン又はトリフルオロ酢酸をドー
ピング剤として添加したブチルトリクロロスズ又は四塩
化スズの水溶液からなる原料水溶液を一定の少量ずつ、
加熱ポットに導き、加熱して、瞬時に気化させ、得られ
た混合ガスを不活性ガス担体と共に運び、スリットノズ
ルから吹き出させて、加熱した上記ガラス基板上に常圧
化学蒸着させて、ネサ膜を成膜することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法を工程順に詳
細に説明する。
【0012】先ず、本発明の方法によれば、第1工程と
して、シリカコートを施していないガラス基板上にフォ
トレジストを塗布し、パターンマスクを介して、適宜の
電磁波手段、例えば、紫外線や電子線、X線等にて露光
させた後、現像して、所要のパターンを備えたフォトレ
ジスト膜を形成する。フォトレジストを厚さ2μm以
上、好ましくは、3μm以上に厚塗りすることが好まし
い。
【0013】本発明の方法によれば、このように、従来
のシリカコートを有するガラス基板に代えて、シリカコ
ートをもたないガラス基板を用いて、その上に微細パタ
ーンを有するネサ膜を成膜する。従って、ガラス基板自
体は、特に、限定されるものではなく、種々のものが用
いられる。例えば、本発明によれば、一般的なガラスで
あるソーダ石灰ガラス、高歪点ガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、低アルカリガラス、シリカガラス等が用いられる
が、なかでも、本発明の方法は、ソーダ石灰ガラス又は
高歪点ガラスに好ましく適用することができる。
【0014】このようなガラス基板に所要のパターンを
形成するために用いるフォトレジストには、一般に、ポ
ジ型とネガ型とがあるが、本発明によれば、いずれを用
いても、よい結果を得ることができる。しかし、本発明
においては、特に、o−キノンジアジド型と呼ばれてい
るフォトレジストを好適に用いることができる。このよ
うなアジド型を含むフォトレジストについては、例え
ば、永松元太郎及び乾英夫著「機能性高分子シリーズ感
光性高分子」(1977年11月1日株式会社講談社発
行)に詳細に記載されている。本発明においては、この
ようなアジド型フォトレジストとして、例えば、東京応
化工業(株)製のOFPR800や日本ゼオン株式会社
製のZPP1700等の市販品を好適に用いることがで
きる。
【0015】また、ガラス基板にフォトレジストを塗布
するための方法は、特に、限定されるものではなく、例
えば、スピンコート法、ロールコート法等、従来、知ら
れているいずれの方法によってもよい。これらのなかで
は、ロールコート法は、量産性にすぐれる点で有利であ
る。
【0016】次いで、第2工程においては、上述したよ
うにして、フォトレジストからなる所要のパターンをレ
ジスト膜として形成したガラス基板上に常圧化学蒸着
(Chemical Vapor Deposition、CVD)法にて全面に
ネサ膜を形成する。即ち、レジスト膜からなるパターン
を形成したガラス基板を常圧CVD炉に送入し、ここ
で、スズ化合物とドーピング剤とを含む原料水溶液を瞬
時に加熱して生成させたこれらスズ化合物とドーピング
剤との所定の割合の蒸気を不活性ガス担体と共にスリッ
トノズルを通して、上記パターンを形成したガラス基板
に吹き付ける。
【0017】より詳細には、本発明によれば、スズ化合
物とドーピング剤とをそれぞれ水溶液に調製し、予めこ
れらを混合して、上記スズ化合物とドーピング剤とを所
定の割合で含む原料水溶液とし、これを一定の少量ず
つ、常圧CVD装置に付設されている加温ポツトに導
き、200℃以上、好ましくは、250〜350℃の温
度に加熱して、瞬時に気化させ、これを不活性ガス担体
を用いて常圧CVD装置に導き、予め加熱したガラス基
板に吹き付け、基板上で熱分解させて、ドーパントを含
む透明導電性酸化スズ膜を成膜する。本発明において
は、CVD装置としては、好ましくは、常圧連続CVD
装置が用いられる。
【0018】このように、本発明の方法によれば、スズ
化合物とドーピング剤とを所定の割合で含む原料水溶液
とし、これを一定の少量ずつ、加温ポツトに導き、加熱
して、瞬時に気化させるので、スズ化合物とドーピング
剤との割合が一定である蒸気、従って、スズ原子に対す
るドーピング剤(特に、フッ素原子やアンチモン原子)
の割合が一定である蒸気を安定して得ることができ、か
くして、均一な組成を有する透明導電性酸化スズ膜を安
定して得ることができる。
【0019】更に、本発明の方法によれば、このように
して、スズ化合物とドーピング剤との所定の割合の蒸気
を生成させ、これを不活性ガス担体と共にスリットノズ
ルを通して、上記パターンを形成したガラス基板に吹き
付けるので、ガラス基板に常に安定して上記スズ化合物
とドーピング剤との所定の割合の蒸気を吹き付けること
ができ、かくして、基板への密着性にすぐれ、表面抵抗
が小さく、一定したネサ膜を安定して得ることができ
る。
【0020】これに対して、従来の方法によって、担体
ガスとして空気を用いるときは、上記スズ化合物がスリ
ットノズルからガラス基板に到達する間に一部、分解す
るので、抵抗が小さく、密着性のよいネサ膜をガラス基
板上に成膜することができない。また、担体ガスとして
空気を用いるときは、上記スリットノズルの開口部分に
スズ酸化物が生成し、堆積して、時間の経過につれて、
上記スズ化合物とドーピング剤との蒸気におけるこれら
の割合が変動するので、一定の抵抗を有するネサ膜を得
ることができない。
【0021】また、本発明によれば、常圧CVD装置に
おいて、ガラス基板の加熱温度は、400〜450℃、
好ましくは、410〜445℃、より好ましくは、42
0℃から445℃の範囲であり、最も好ましくは、43
0℃から440℃の範囲である。本発明によれば、この
ようにガラス基板の加熱温度が低い温度であるので、ガ
ラス基板からアルカリが溶出しても、理由は明らかでは
ないが、フォトレジストの燃焼を防いで、パターン化し
たフォトレジストを備えたガラス基板の全面に、常圧C
VD法によって、微細なネサ膜を形成することができ
る。従って、この後に、ガラス基板上のフォトレジスト
膜と共にその上のネサ膜をガラス基板から除去すれば、
従来の方法に優るとも、劣らない微細なパターン付きネ
サ膜を得ることができる。
【0022】本発明において、ネサ膜を成膜するための
原料水溶液は、スズ化合物とドーピング剤とを水に溶解
してなる水溶液であり、本発明によれば、上記スズ化合
物として、特に、ブチルトリクロロスズ又は四塩化スズ
が用いられる。ドーピング剤は、特に、限定されるもの
ではなく、例えば、三塩化アンチモン、フッ化水素、ブ
ロモトリフルオロメタン、トリフルオロ酢酸等が用いら
れるが、好ましくは、三塩化アンチモン又はトリフルオ
ロ酢酸が用いられる。
【0023】これらドーピング剤は、それぞれに応じ
て、スズ化合物に対して適宜の量で用いられるが、例え
ば、ドーピング剤として、三塩化アンチモンが用いられ
る場合、三塩化アンチモンは、スズ原子に対するアンチ
モン原子の割合が0.1〜10%、好ましくは、0.2〜5
%、特に好ましくは、0.5〜2%の範囲で用いられる。
また、トリフルオロ酢酸のようなフッ素化合物がドーピ
ング剤として用いられる場合、フッ素化合物は、スズ原
子に対するフッ素原子の割合が1〜50%、好ましく
は、2〜30%、特に好ましくは、5〜25%の範囲で
用いられる。また、原料水溶液は、スズ化合物として、
ブチルトリクロロスズ又は四塩化スズのいずれを用いる
場合も、その濃度は、通常、30〜70重量%の範囲で
ある。
【0024】次いで、第3工程として、上述したように
して、ネサ膜を成膜した後、ガラス基板上に前記パター
ンを形成しているフォトレジスト膜をその上のネサ膜と
共に除去する。
【0025】このようなネサ膜を成膜した後のフォトレ
ジスト膜を除去するには、常圧CVD後のガラスをアル
カリ水溶液、好ましくは、3〜5重量%の水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム等の水溶液に、必要に応じて、温
度30〜60℃程度に加温して、数分間浸漬すればよ
い。この方法によれば、特に、前記o−キノンジアジド
型のフォトレジスト膜を容易に剥離することができ、か
くして、微細なパターンを有するネサ膜を密着性よく高
精度にて成膜することができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、ポジ型o−キノンジアジド型フォト
レジストとしては、東京応化工業(株)製のOFPR8
00又は日本ゼオン株式会社製のZPP1700を用い
た。
【0027】実施例1 シリカコートを施していないソーダ石灰ガラス基板にロ
ールコート法にて市販のポジ型フォトレジストを塗布し
て、厚さ2〜3μm程度の均一なポジ型フォトレジスト
膜を形成した。このフォトレジスト膜を形成したガラス
基板にパターンマスクを通して紫外線を照射して、露光
させた後、アルカリ現像液で現像して、フォトレジスト
膜からなる所要のパターンを形成した。
【0028】常圧CVD装置の温度勾配としては、スズ
化合物が窒素ガス担体と共に蒸気として吹き出てくるス
リットノズルの下部において、前記ガラス基板が420
℃〜450℃の範囲の温度に加熱されるように調整し
た。
【0029】ブチルトリクロロスズ64重量部を水36
重量部に溶解させて水溶液とし、これにスズ原子に対す
るアンチモン原子の割合が1.2%となるように三塩化ア
ンチモンの塩酸水溶液を加えて、常圧CVDに用いる原
料水溶液を調製した。
【0030】予め約300℃に加熱した加熱ポットにこ
のようにして調製した原料水溶液を定量ポンプにて送り
込んで、瞬時に気化させ、これを窒素ガス担体を用いて
常圧CVD装置内のスリットノズルから吹き出させて、
ネサ膜の成膜に供した。
【0031】次いで、上述したようにして、ネサ膜を成
膜したガラス基板を温度50℃の5重量%の水酸ナトリ
ウム水溶液に5分間浸漬して、ガラス基板上のパターン
を形成しているフォトレジスト膜をその上のネサ膜と共
に除去して、ネサ膜のパターンを形成させた。
【0032】このようにして成膜したネサ膜について、
ガラス基板の加熱温度と得られたネサ膜の表面抵抗を表
1に示す。ここに、表面抵抗(表面抵抗率)とは、絶縁
物の表面の抵抗を相対する極の間の1m2 の抵抗に換算
した値であって(電気用語辞典編集委員会編「改訂電気
用語辞典」(昭和50年9月30日株式会社コロナ社発
行)、面状の抵抗体を正方形に切り出して対向する2辺
間の抵抗で表わされ、抵抗分布が一様ならば、正方形の
寸法に無関係である(日本学術振興会薄膜第131委員
会編「薄膜ハンドブック」1983年12月10日株式
会社オーム社発行)。
【0033】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、基板として、ソーダ石灰ガラス基板を用いながら、
数KΩ/□程度の小さい表面抵抗を有し、しかも、精度
約25μまでの微細な線間及び線幅を有するパターンを
密着性よく得ることができた。
【0034】実施例2 実施例1において、四塩化スズ60重量部を水40重量
部に溶解させて水溶液とし、これにスズ原子に対するア
ンチモン原子の割合が1.2原子%となるように三塩化ア
ンチモンの塩酸水溶液を加えて、常圧CVDに用いる原
料水溶液を調製し、これを用いた以外は、実施例1と同
様にして、ソーダ石灰ガラス基板上にネサ膜を成膜し
た。
【0035】このようにして成膜したネサ膜について、
ガラス基板の加熱温度と得られたネサ膜の表面抵抗を表
1に示す。表1から明らかなように、本発明によれば、
基板として、ソーダ石灰ガラス基板を用いながら、数K
Ω/□程度の小さい表面抵抗を有し、しかも、精度約2
5μまでの微細な線間及び線幅を有するパターンを密着
性よく得ることができた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
シリカコートをもたないガラス基板上に微細なパターン
を有し、表面抵抗の小さいネサ膜を密着性よく、しかも
効率よく、低廉簡便に成膜することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 千秋 岡山県久米郡久米南町神目中670−1 本 荘ソレックス株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA03 AA18 AA20 BA45 CA06 EA01 FA10 JA10 LA18 5G323 CA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカコートをもたないガラス基板上にフ
    ォトレジストを塗布し、パターンマスクを介して露光さ
    せた後、現像して、所要のパターンを有するフォトレジ
    スト膜を形成する第1工程、上記パターンを有するフォ
    トレジスト膜を形成したガラス基板の全面に常圧化学蒸
    着法にてネサ膜を成膜する第2工程、次いで、上記ガラ
    ス基板上のフォトレジスト膜をその上のネサ膜と共に除
    去する微細パターンを有するネサ膜の製造方法におい
    て、第2工程において、三塩化アンチモン又はトリフル
    オロ酢酸をドーピング剤として添加したブチルトリクロ
    ロスズ又は四塩化スズの水溶液からなる原料水溶液を一
    定の少量ずつ、加熱ポットに導き、加熱して、瞬時に気
    化させ、得られた混合ガスを不活性ガス担体と共に運
    び、スリットノズルから吹き出させて、加熱した上記ガ
    ラス基板上に常圧化学蒸着させて、ネサ膜を成膜するこ
    とを特徴とする微細パターンを有するネサ膜の製造方
    法。
  2. 【請求項2】不活性ガス担体が窒素ガスである請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】加熱したガラス基板の温度が400〜45
    0℃である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】ガラス基板がソーダ石灰ガラスからなるも
    のである請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】ガラス基板が高歪点ガラスからなるもので
    ある請求項1に記載の方法。
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