JP2002206759A - 床暖房用温水マット及びその敷設方法 - Google Patents

床暖房用温水マット及びその敷設方法

Info

Publication number
JP2002206759A
JP2002206759A JP2001004739A JP2001004739A JP2002206759A JP 2002206759 A JP2002206759 A JP 2002206759A JP 2001004739 A JP2001004739 A JP 2001004739A JP 2001004739 A JP2001004739 A JP 2001004739A JP 2002206759 A JP2002206759 A JP 2002206759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat
hot water
vacuum
floor
water pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001004739A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Ito
義彦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP2001004739A priority Critical patent/JP2002206759A/ja
Publication of JP2002206759A publication Critical patent/JP2002206759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床の厚さを大きく上げることなく熱効率を向
上させ、さらに、遮音効果を有する床暖房用温水マット
及びその敷設方法を提供する。 【解決手段】 床暖房用温水マット1は、温水パイプ1
7と、温水パイプ15を引き回す配管溝15の形成され
たマット本体3と、マット本体3の裏面に貼付された真
空マット5と、小根太7と、マット本体3及び小根太7
上に貼付された伝熱シー11トと、を具備する。熱伝導
率の低い真空マット5を使用することにより、床下側へ
伝わる熱量を減少させることができ、熱効率が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床暖房用の温水マ
ット、及び、温水マットを建物の床上又は床下に敷設す
る方法に関する。特には、暖房効率及び遮音性を向上さ
せた床暖房用温水マット及びその敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】床暖房用の温水マットは、合板やコンク
リートスラブ等の床構造体上に設置される床上設置タイ
プと、床下の根太間に設置される床下設置タイプがあ
る。
【0003】図8は、床上設置タイプの温水マットの設
置状態を示す断面図である。なお、この例は合板製の床
の場合を示す。この例の床暖房用装置81は、温水マッ
ト83、アルミシート85、仕上げ材87、断熱材89
から構成される。温水マット83は厚さが約12mm
で、マット本体91、木質合板製の小根太93、ダミー
合板95からなる。マット本体91は、発泡ポリスチレ
ン等のフォーム材からなり、上面に温水パイプ97が配
設されている。温水マット83は、小根太93の部分及
びダミー合板95の部分でビス等によって床99に固定
される。
【0004】温水マット83上には、厚さが50μm程
度のアルミシート85が接着剤等によって貼付されてい
る。このアルミシート85によって、温水パイプ97か
ら放出される熱をマット表面上に均等に伝える。アルミ
シート85上には、フローリング材やカーペット、クッ
ションフロア等の仕上げ材87が設置されている。仕上
げ材87は、温水マット83の小根太93と接着剤等に
より接着される。仕上げ材87がフローリング材の場合
は、フローリング材の実部87aにおいて小根太93に
くぎで固定される。仕上げ材87の寸法は、幅1200
mm程度、長さ1800mm程度、厚さ12mm程度で
ある。床99の下面の根太101間には、断熱材89が
敷設されている。
【0005】図9は、床上設置タイプ(直床式)の温水
マットの設置状態を示す断面図である。この例は、コン
クリートスラブ製の床の場合を示す。この例の床暖房装
置111は、温水マット113、アルミシート115、
仕上げ材117から構成される。温水マット113は厚
さが約12mmで、マット本体119、木質合板製の小
根太121からなる。マット本体119は、発泡ポリス
チレン等のフォーム材からなり、上層に温水パイプ12
3が配設されている。温水マット113は、小根太12
1の部分でビス127によって床125に固定される。
【0006】温水マット113上には、厚さが50μm
程度のアルミシート115が接着剤等によって貼付され
ている。このアルミシート115によって、温水パイプ
123から放出される熱をマット表面上に均等に伝え
る。アルミシート115上には、フローリング材やカー
ペット、クッションフロア等の仕上げ材117が設置さ
れている。仕上げ材117は、温水マット113の小根
太121と接着剤等により接着される。仕上げ材117
がフローリング材の場合は、フローリング材の実部11
7aにおいて小根太121にくぎで固定される。なお、
床125と温水マット113間に断熱材を敷設する場合
もある。この場合、断熱材は厚さが20mmのポリスチ
レンシート等が使用される。
【0007】このような床上設置タイプの温水パイプ9
7、123の端部は、竹の子状の真鍮製の継手に挿入さ
れている。隣り合う温水マット83、113の温水パイ
プ97、123、及び、温水供給配管と入側及び出側の
温水マット83、113の温水パイプ97、123は、
この真鍮製の継手により接続されている。
【0008】図10は、床下設置タイプの温水マットの
設置状態を示す図であり、図10(A)は斜め上から見
た斜視図、図10(B)は下から見た斜視図である。こ
のタイプは、在来工法や、2×4住宅の床軸組みの根太
間(例:約303mm)に設置できる寸法を有する。床
131は、一般に大引133と呼ばれるほぼ平行に配列
された木材に支えられている。大引133は所々で束1
35に支えられている。大引133の上には、大引13
3とほぼ直交する根太137が配列されている。根太1
37上には床131が張られている。
【0009】温水マット139は厚さが約12mmで、
マット本体と、マット本体上に貼付されらアルミシート
からなる。マット本体は、発泡ポリスチレン等のフォー
ム材からなり、上層に温水パイプが配設されている。温
水マット139は、上面が根太137の上面と同じ高さ
になるように、隣り合う根太137間に挿入され、大引
133と大引133間に仮置きされる。そして、マット
固定板(小根太)141を根太137と直交するように
温水マット139の裏面に押し当てて根太137に固定
し、温水マット139を固定する。
【0010】温水マット139の両側には、パイプの両
端に接続する継手部143(オス又はメス)が取り付け
られている。隣り合う温水マット141のパイプを接続
するには、継手部143を引き出してオスメス接続す
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】直床式(図9参照)の
場合、コンクリートスラブは熱容量が大きいため、温水
マットから放出される全体熱量の20%程度がスラブ側
に奪われるといわれている。このため、床表面の温度上
昇に時間がかかり、ランニングコストが高くなる。スラ
ブ側(床下側)に逃げる熱量を減少させるには、スラブ
上に断熱材を入れることが考えられる。しかし居住性を
考慮すると、床の高さを他の居室の床の高さと一致させ
る必要があり、有効厚さの断熱材を設置できない場合が
ある。特に集合住宅はコンクリートスラブ床がほとんど
であるが、このような住宅は床暖房に適さないことがあ
る。
【0012】また、一般的な床構造の課題として、下階
への騒音値を減少させることが必要である。重量衝撃音
(人がドンドン跳ねた場合等)を減少させるには、床を
重量化して振動を吸収する必要があり、軽量衝撃音(ス
プーンを落とした音等)を減少させるには、グラスウー
ルや発泡剤等の吸音材を設置する必要がある。しかし、
床の高さを高くすることは上述のように困難である。
【0013】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、床の厚さを大きく上げることなく熱効率
を向上させ、さらに、遮音効果を有する床暖房用温水マ
ット及びその敷設方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の第1の床暖房用温水マットは、 温水パイ
プと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマ
ット本体と、 該マット本体の裏面に貼付された真空マ
ットと、 前記マット本体及び真空マットに代えて温水
マットの一部に差し込まれた小根太と、 前記マット本
体及び小根太上に貼付された伝熱シートと、を具備する
ことを特徴とする。熱伝導率の低い真空マットを使用す
ることにより、床下側へ伝わる熱量を減少させることが
でき、熱効率が向上する。なお、床への設置には小根太
を利用してビス止め等を行える。
【0015】本発明においては、前記真空マットが、内
部が真空に引かれた柔軟な外皮パック材と、該パック材
内に収容された多孔性の内材と、からなることが好まし
い。このような真空マットは、構造的に振動を効率的に
吸収させることができ、遮音性が向上する。さらに、前
記真空マットの外側に硬質のフレーム材を接着すれば、
真空マットを保護し、真空マットの機能をより長持ちさ
せることができる。
【0016】本発明の第2の床暖房用温水マットは、
温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成
されたマット本体と、を具備する温水マットであって、
前記マット本体が、内部が真空に引かれた柔軟な外皮
パック材と、該パック材内に収容された多孔性の内材
と、からなる真空マットからなることを特徴とする。マ
ット本体を真空マットとすることにより、床下側へ伝わ
る熱量を減少させることができ、熱効率が上昇する。さ
らに、別途に真空マットを設ける場合に比べて、床暖房
用温水マットの厚さを薄くすることができる。
【0017】本発明の第3の床暖房用温水マットは、
温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成
されたマット本体と、 該マット本体の裏面に貼付され
た真空マットと、 前記マット本体上に貼付された伝熱
シートと、 前記真空マットの裏面に貼付された断熱層
と、を具備することを特徴とする。断熱層を設けること
により、床下側へ伝わる熱量をさらに減少させることが
できる。
【0018】本発明の他の床暖房用温水マットは、 温
水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成さ
れたマット本体と、 該マット本体の裏面に貼付された
真空マットと、 前記マット本体上に貼付された伝熱シ
ートと、を具備する床暖房用温水マットであって、 該
マットの表面又は裏面に、所定のピッチでスリットが形
成されていることを特徴とする。温水マットをスリット
に沿って折り畳んだり巻くことができ、コンパクト化で
き、持ち運び等に便利である。
【0019】本発明の床暖房用温水マット敷設方法は、
建物の床構造体上に、真空マットを貼付し、 該真空
マット上に、温水パイプが配設された温水マット本体を
設置し、 該温水マット本体上に、フローリング材等の
仕上げ材を設置することを特徴とする。本発明の他の床
暖房用温水マット敷設方法は、 建物の床下の根太間に
温水マットを敷設する方法であって、 該温水マット
が、 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝
の形成されたマット本体と、 該マット本体の裏面に貼
付された真空マットと、 前記マット本体上に貼付され
た伝熱シートと、からなり、該温水マットを床の下面に
当てて設置し、その後に前記真空マットの裏面に断熱層
を貼付することを特徴とする。床上設置タイプ、床下設
置タイプのいずれのタイプにおいても、熱効率及び遮音
性の向上した温水マットを敷設することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る床暖房用温水マ
ットの構造を示す断面図である。この例は床上設置タイ
プを示す。温水マット1は、マット本体3と、真空マッ
ト5と、小根太7とから構成される。この温水マット1
は既存の床9の上に敷設される。温水マット1上にはア
ルミシート11が貼られ、その上にフローリング等の仕
上げ材13が設置される。
【0021】マット本体3は、発泡ポリスチレンや発泡
ポリプロピレン等の断熱材で作製される。マット本体3
の上面には溝15が形成され、この溝15には温水パイ
プ17が配設されている。温水パイプ17には通常60
℃程度の温水が流される。一例で、マット本体3の厚さ
は12mmである。温水パイプ17は一例で、外径8m
m、内径5mmである。真空マット5は、内部が真空に
引かれた柔軟な材料で作製されたパック材と、同パック
材内に収容された多孔性の内材からなる(詳細後述)。
一例で、真空マット5の厚さは4mmである。小根太7
は合板製で、一例として厚さは12mmである。
【0022】真空マット5は、マット本体3の下面に接
着剤等で貼り付けられている。貼り付けられたマット本
体3と真空マット5は、小根太7と平面方向に並べられ
て接着剤等により接合されて、厚さが16mmの温水マ
ット1が形成される。このとき、小根太7は303mm
の間隔で配置される。なお、温水マット1の下側への熱
量の伝達をさらに減少させたい場合、真空マット5の下
面に断熱層を設けてもよい。この断熱層は、発泡性の樹
脂等で作製され、厚さは10〜20mm程度が好まし
い。
【0023】図2は、図1の温水マットに使用する真空
マットの構造を示す断面図である。真空マット5は、一
例として、松下冷機社製の真空断熱材等を使用できる。
この真空マット5は、パック材19と、同パック材19
内に収容された多孔性の内材21とから主に構成され
る。パック材19は袋状で、アルミ蒸着を施した樹脂製
フィルムから作製され、厚さが500〜600μmであ
る。内材21は、シリカ粉末や樹脂繊維体等の芯材で、
不織布製の内袋23に入れられている。この内袋23に
封入された内材21がパック材19に入れられて、同パ
ック材19が真空に引かれ、袋閉じ部19aで封止され
る。真空マット5の真空度は1Torr程度である。こ
のように真空度を保つようにパック材19を封止するこ
とで、同パック材19内の空間が押しつぶされず、真空
マット5の形状が維持される。
【0024】次に、図1を参照して温水マットを合板製
の床上に敷設する方法を説明する。最初に、床9上に、
マット本体3、真空マット5、小根太7からなる温水マ
ット1を敷設する。そして、温水マット1の小根太7の
部分で、ビス25により床9に固定する。この温水マッ
ト1上に、アルミシート11を一面に接着剤等で貼付す
る。アルミシート11は一例で厚さが50μm程度であ
る。アルミシート11を貼付することにより、温水マッ
ト1から発せられる熱量を、表面上に均一に拡散させ
る。このアルミシート11上に、フローリング材等の仕
上げ材13を敷設する。フローリング材の場合、実部1
3aを温水マット1の小根太7に相当するように位置さ
せ、この部分でビス27等により温水マット1に固定す
る。
【0025】温水マットをコンクリートスラブ上に設置
する場合(直床式)は、コンクリートスラブ上に温水マ
ットを敷設し、コンクリートビス等によってコンクリー
トスラブに固定する。そして、温水マット上に一面にア
ルミシートを貼付する。このアルミシート上にフローリ
ング材を設置し、温水マットの小根太の部分にビス等に
より固定する。
【0026】図3は、温水マットの収納状態の例を示す
図である。この例の温水マットは、図1の温水マットと
同様の構造を有するが、温水マット1の表面又は裏面
に、所定の間隔で所定の深さのスリット29が形成され
ている。スリット29が形成される位置は、10〜20
cmピッチが好ましい。温水マット1をこのスリット2
9に沿って折り畳むことにより、図3のように巻くこと
ができ、コンパクト化される。
【0027】図4は、本発明の他の実施の形態に係る温
水マットの構造を示す図である。この例の温水マット1
も、マット本体3、真空マット5、小根太7から構成さ
れる。真空マット3は、図4(A)に示すような断面が
コの字のフレーム31や、図4(B)に示すような、中
空のフレーム33に収容されている。このフレーム3
1、33は、ポリエチレンやABSの樹脂等で作製さ
れ、同フレーム31、33内には真空マット5が接着剤
等によって貼り付けられている。
【0028】真空マット5にこのようなフレーム31、
33を設けることにより真空マット5が保護され、耐圧
縮荷重が向上し、温水マット1の強度が上がる。また、
図4(B)に示す中空フレーム33を設けた場合は、真
空マット5の真空度の維持能力の強化が期待できる。
【0029】図5は、本発明の他の実施の形態に係る温
水マットの構造を示す図である。この例の温水マット4
1は、真空マット43、小根太45から構成される。す
なわち、図1の温水マットのマット本体が真空マットで
作製されている。真空マット43の上面には溝47が形
成されており、この溝47に温水パイプ49が配設され
ている。通常温水パイプが配設されるマット本体を真空
マットとすることにより、温水パイプ49から発せられ
る熱量の下方への放散が防がれるため、熱効率が上昇す
る。さらに、別途に真空マットを設ける場合に比べて、
温水マットの厚さを薄くすることができる。
【0030】図6は、本発明の他の実施の形態に係る床
暖房用温水マットの構造を示す断面図であり、図6
(A)は温水マットを床下に設置した状態を示し、図6
(B)は温水マットのみの構造を示す。この例は床下設
置タイプを示す。この温水マット51は、マット本体5
3、真空マット55、断熱層57から構成される。温水
マット51は、床59の下側の隣り合う根太61間に設
置される。
【0031】マット本体53及び真空マット55は、図
1と同様のものが使用される。マット本体53には温水
パイプ63が配設されている。一例でマット本体53の
厚さは16mmである。なお、真空マット55はこの例
の場合、厚さが4mmである。断熱層57は、発泡性の
樹脂等で作製され、厚さは一例で24mmである。マッ
ト本体53、真空マット55、断熱層57は、マット本
体53が上側となるように順に重ねられて接着剤等で貼
り付けられて、厚さが40mmの温水マット51が形成
される。この温水マット51は、床下の根太61と根太
61の間に配置され、床59の下面に固定される。
【0032】次に、実験結果を元にして行ったシミュレ
ーションによる熱効率の計算結果を述べる。このシミュ
レーションは、直床式の床上設置タイプについて行っ
た。図7は、シミュレーションに用いた床構造を示す図
である。この床は、下側から床(スラブ)9、真空マッ
ト5(リファレンスとして断熱材5´)、温水パイプ1
7が配設されたマット本体3、フローリング材13の積
層構造を有する。真空マット5(断熱材5´)の厚さは
20mm、温水パイプ17の厚さは1.5mmとする。
【0033】まず、温水マットのスラブ側(下方向)へ
の熱貫流率を求めた。熱貫流率は、高温部(この例では
温水パイプ中の温水)から低温部(この例ではスラブ)
に伝達される熱量の率を表す。したがって、熱貫流率が
大きいほどスラブ側へ伝達される熱量が大きいこととな
り、有効熱量が少なくなる。熱貫流率は、高温部から低
温部までに直列に介在する物質の各々の厚さ/熱伝導率
を加えたものの逆数で示される。この例の場合、直列に
介在する物質は温水パイプ17、真空マット5で、これ
らに地中抵抗を加えた。温水パイプ17の厚さは1.5
mm、熱伝導率は0.324Kcal/m・h・℃、真
空マット5の厚さは20mm、熱伝導率は0.007K
cal/m・h・℃、断熱材5´の厚さは20mm、熱
伝導率は0.035Kcal/m・h・℃とした。ま
た、地中抵抗は一般的な値として1/1.2とした。
【0034】真空マット5を使用した場合の熱貫流率K
1は以下の式で示される。 K1=1/(0.0015/0.324+0.02/0.007+1/1.2) =0.271Kcal/m2・h・℃ 断熱材5´を使用した場合の熱貫流率K2は以下の式で
示される。 K2=1/(0.0015/0.324+0.02/0.0035+1/1.2 ) =0.709Kcal/m2・h・℃ したがって、K2/K1=0.382となり、熱貫流率
は61.8%改善された。
【0035】次に、この熱貫流率を用いてランニングコ
ストを床下方向への熱損失量より求めた。10畳(1
6.56m2)の居室で、温水パイプ17に供給される
温水の温度を60℃、スラブ9の温度を15℃とした。
真空マット5を使用した場合の床下方向への熱損失量q
1は以下の式で示される。 q1=0.271×(60−15)×16.56=20
2.0Kcal 断熱材5´を使用した場合の床下方向への熱損失量q2
は以下の式で示される。 q2=0.709×(60−15)×16.56=52
8.3Kcal また、室内温度を18℃とした場合の床上方向への熱貫
流率を2.8Kcal/m2・h・℃とすると、床上方
向へ伝えられる熱量q3は以下の式で示される。 q3=2.8×(60−18)×16.56=194
7.5Kcal
【0036】ランニングコストを、発せられる熱量の、
真空マット5を用いた場合と断熱材5´を用いた場合の
比とし、以下の式で表す。 (1947.5+202.0)/(1947.5+52
8・3)=0.868 したがって、ランニングコストは13.2%改善され
た。
【0037】また、シミュレーションにより、遮音性能
を比較した結果、真空パネルを使用した温水マットが、
2dB(A)改善されると予測された。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は以下の改良点を有する。 床下方向への熱貫流率が改善され、熱効率を向上させ
ることができる。そのため、ランニングコストが改善さ
れ、省エネ化が図られる。 従来、断熱材として使用されている発泡性の樹脂は、
フロン141Bなどで樹脂を発泡させたものである。こ
のような樹脂は将来発泡体中のフロンが空気に置換され
て断熱性能が劣化する場合がある。しかし、真空パネル
を断熱層として使用することにより、断熱性能を持続さ
せることができる。また、真空パネルはフロンを使用し
ないため、環境安全性を有する。 真空パネルは衝撃吸収作用を有し、さらに音は真空層
を伝播しないため、遮音性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る床暖房用温水マット
の構造を示す断面図である。
【図2】図1の温水マットに使用する真空マットの構造
を示す断面図である。
【図3】温水マットの収納状態の例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る温水マットの構
造を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る温水マットの構
造を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る床暖房用温水マ
ットの構造を示す断面図であり、図6(A)は温水マッ
トを床下に設置した状態を示し、図6(B)は温水マッ
トのみの構造を示す。この例は床下設置タイプを示す。
【図7】シミュレーションに用いた床構造を示す図であ
る。
【図8】床上設置タイプの温水マットの設置状態を示す
断面図である。
【図9】床上設置タイプ(直床式)の温水マットの設置
状態を示す断面図である。
【図10】床下設置タイプの温水マットの設置状態を示
す図であり、図10(A)は斜め上から見た斜視図、図
10(B)は下から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 温水マット 3 マット本体 5 真空マット 7 小根太 9 床 11 アルミシー
ト 13 仕上げ材 15 溝 17 温水パイプ 19 パック材 21 内材 23 内袋 25 ビス 27 実部 29 スリット 31 コの字フ
レーム 33 中空フレーム 41 温水マッ
ト 43 真空マット 45 小根太 47 溝 49 温水パイ
プ 51 温水マット 53 マット本
体 55 真空マット 57 断熱層 59 床 61 根太 63 温水パイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマット本体
    と、 該マット本体の裏面に貼付された真空マットと、 前記マット本体及び真空マットに代えて温水マットの一
    部に差し込まれた小根太と、 前記マット本体及び小根太上に貼付された伝熱シート
    と、を具備することを特徴とする床暖房用温水マット。
  2. 【請求項2】 前記真空マットが、内部が真空に引かれ
    た柔軟な外皮パック材と、該パック材内に収容された多
    孔性の内材と、からなることを特徴とする請求項1記載
    の床暖房用温水マット。
  3. 【請求項3】 前記真空マットの外側に硬質のフレーム
    材が接着されていることを特徴とする請求項1記載の床
    暖房用温水マット。
  4. 【請求項4】 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマット本体
    と、を具備する温水マットであって、 前記マット本体が、内部が真空に引かれた柔軟な外皮パ
    ック材と、該パック材内に収容された多孔性の内材と、
    からなる真空マットからなることを特徴とする床暖房用
    温水マット。
  5. 【請求項5】 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマット本体
    と、 該マット本体の裏面に貼付された真空マットと、 前記マット本体上に貼付された伝熱シートと、 前記真空マットの裏面に貼付された断熱層と、を具備す
    ることを特徴とする床暖房用温水マット。
  6. 【請求項6】 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマット本体
    と、 該マット本体の裏面に貼付された真空マットと、 前記マット本体上に貼付された伝熱シートと、を具備す
    る床暖房用温水マットであって、 該マットの表面又は裏面に、所定のピッチでスリットが
    形成されていることを特徴とする床暖房用温水マット。
  7. 【請求項7】 建物の床構造体上に真空マットを貼付
    し、 該真空マット上に、温水パイプが配設された温水マット
    本体を設置し、 該温水マット本体上に、フローリング材等の仕上げ材を
    設置することを特徴とする温水マットの敷設方法。
  8. 【請求項8】 建物の床下の根太間に温水マットを敷設
    する方法であって、 該温水マットが、 温水パイプと、 該温水パイプを引き回す配管溝の形成されたマット本体
    と、 該マット本体の裏面に貼付された真空マットと、 前記マット本体上に貼付された伝熱シートと、からな
    り、 該温水マットを床の下面に当てて設置し、その後に前記
    真空マットの裏面に断熱層を貼付することを特徴とする
    温水マットの敷設方法。
JP2001004739A 2001-01-12 2001-01-12 床暖房用温水マット及びその敷設方法 Pending JP2002206759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001004739A JP2002206759A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 床暖房用温水マット及びその敷設方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001004739A JP2002206759A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 床暖房用温水マット及びその敷設方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002206759A true JP2002206759A (ja) 2002-07-26

Family

ID=18872886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001004739A Pending JP2002206759A (ja) 2001-01-12 2001-01-12 床暖房用温水マット及びその敷設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002206759A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118635A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱材、および断熱材を使用した床暖房システム
JP2008082419A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱パネル、および断熱パネルを配設した床暖房システムおよび冷蔵庫
JP2012246663A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Asahi Woodtec Corp リフォーム用の床材構造
CN104278817A (zh) * 2014-10-27 2015-01-14 浙江大友木业有限公司 具有保温效果的节能型地暖地板
CN111442344A (zh) * 2020-02-25 2020-07-24 发速金属制品(上海)有限公司 一种智能地暖的系统及其方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118635A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱材、および断熱材を使用した床暖房システム
JP4622450B2 (ja) * 2004-10-22 2011-02-02 パナソニック株式会社 断熱材、および断熱材を使用した床暖房システム
JP2008082419A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 断熱パネル、および断熱パネルを配設した床暖房システムおよび冷蔵庫
JP2012246663A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Asahi Woodtec Corp リフォーム用の床材構造
CN104278817A (zh) * 2014-10-27 2015-01-14 浙江大友木业有限公司 具有保温效果的节能型地暖地板
CN111442344A (zh) * 2020-02-25 2020-07-24 发速金属制品(上海)有限公司 一种智能地暖的系统及其方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9890530B2 (en) Performance enhancing underlayment, underlayment assembly, and method
US6415573B1 (en) Metal building insulation assembly
TWI328065B (en) Floor system
JP5296600B2 (ja) 間仕切壁構造
US20190249425A1 (en) Multifunctional ceiling structure
KR100763434B1 (ko) 층간 소음방지 바닥재
JP2002206759A (ja) 床暖房用温水マット及びその敷設方法
KR100645116B1 (ko) 제진 기능을 갖는 바닥 시스템
KR101305239B1 (ko) 복층건물의 층간소음방지 뜬바닥 구조체
KR20050017952A (ko) 아파트, 다층다가구 공동주택 또는 다층건물의 소음방지방법 및 그 장치
KR20160017335A (ko) 층간소음이 효과적으로 감소된 층간소음재가 설치된 콘크리트 구조체
KR20080007053A (ko) 층간 소음방지구조와 이를 이용한 층간소음방지공법
KR200364626Y1 (ko) 다층건축물의 층간차음판
KR200455544Y1 (ko) 공동주택용 층간차음재
KR20210080284A (ko) 층간 차음용 단독 패널 제조방법
JP2003278310A (ja) 成形紙管構造体とその製造方法
JP2991410B2 (ja) 断熱遮音床工法、および断熱遮音床構造
KR101433912B1 (ko) 층간차음기능을 구비한 난방패널
JP2005249302A (ja) 床暖房用マット
JPH11148656A (ja) 暖房可能な床の構造
KR20020087324A (ko) 방진(防振), 방음 및 단열기능을 겸비한 건축재 및 그가내장된 바닥구조재
KR20080065332A (ko) 시공 효율성이 높은 이중바닥구조
JPH0666015A (ja) 遮音床
JP2005249303A (ja) 床暖房設備
CN212336365U (zh) 一种防震隔音保温隔墙板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090707