JP2002206340A - 耐震欠損構築物の構築方法 - Google Patents

耐震欠損構築物の構築方法

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JP2002206340A
JP2002206340A JP2001400060A JP2001400060A JP2002206340A JP 2002206340 A JP2002206340 A JP 2002206340A JP 2001400060 A JP2001400060 A JP 2001400060A JP 2001400060 A JP2001400060 A JP 2001400060A JP 2002206340 A JP2002206340 A JP 2002206340A
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Kazuo Tamayori
寄 和 雄 玉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐震欠損構築物において、施工が容易である
と共に、欠損材を所望の通り位置決め固定した状態で構
築物中に埋設できる構築用方法を提供する。 【解決手段】 コンクリートを打設する構築用空間を形
成するに際し、先に設置した第1の枠板22に、基板と
発泡合成樹脂板とからなる欠損材11の一端を第1の係
止具14を介して着脱自在に固着することにより該欠損
材11を第1の枠板22に対して片持ち状に支持させ、
次いで、第2の仮止具を前記欠損材11の他端に着脱自
在に取り付ける工程、その後第二の枠板を設置するに際
し、この第二の枠板に前記第二の仮止め具を取り付け
て、前記欠損材を両持ち状に支持させる工程と、を構成
したことを特徴とする耐震欠損構造物の構築方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐震欠損構築物の構築
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地震の発生時、ビル等の建築物を
含む構築物は、前後・左右・上下の力を受け、構築構造
部分を破壊されてしまうことが知られている。そこで、
近年、耐震欠損構築工法が提案されている。この工法
は、柱や壁等の構築物をコンクリートにより構築する
際、該構築物の横断方向にスリット材と称される欠損材
を埋入せしめるものであり、構築物の剪断破壊の防止を
目的としている。
【0003】即ち、欠損材を埋入した構築物は、地震に
よる外力を受けたとき、欠損材を介して構築物が分割さ
れているので、該構築物に生じる剪断応力を欠損材によ
り吸収緩和し、構築物の剪断破壊を防止する。ところ
で、従来における耐震欠損構築物の構築工法を図7に基
づいて説明すると、図7(A)に示すように、先ず、内
外一対の仮枠を構成する第一の枠板1a及び第二の枠板
1bには、それぞれ、予め第一の目地棒2aと第二の目
地棒2bが釘3等により固着される(目地棒固着工
程)。次いで、両目地棒2a、2bが対向するようにし
て一対の枠板1a、1bを対面状に枠組することにより
構築用空間4を形成する(枠組工程)。その後、枠組の
上方から、前記構築用空間4の横断方向に欠損材5を装
入する(欠損材装入工程)。前記目地棒2a、2bの対
向面には溝6a、6bが形成され、一方、欠損材5の両
端には凸部7a、7bが設けられており、凸部7a、7
bを目地棒2a、2bの溝6a、6bに嵌め入れながら
欠損材5を押し込むことにより欠損材装入工程が実施さ
れる。然る後、図7(B)に示すように、構築用空間4
にコンクリートを打設し、欠損材5を埋入した構築物8
を構築する(コンクリート打設工程)。尚、構築後は、
一対の枠板1a、1bを構築物8から分離し、枠板1
a、1bと共に目地棒2a、2bを構築物8から引抜
き、作業が完了する(仮枠除去工程)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来工法で
は、枠組工程を完了した後に欠損材装入工程を実施する
ため、欠損材5を装入する作業が極めて困難である。特
に、構築用空間4には多数の鉄筋が立設されており、極
めて狭小な作業空間しか与えられていないから、欠損材
5を上方から治具等で押し込まなければならず、熟練を
要する。そして、万一、装入した欠損材5の凸部7a、
7bが目地棒2a、2bの溝6a、6bに正しく嵌入さ
れないと、その後に打設されるコンクリートの圧力によ
り欠損材5が構築用空間4内で移動し、欠損材5を偏位
して埋入せしめた構築物8が構築されてしまい、所期の
耐震欠損構造を実現できないという問題がある。
【0005】そこで、本発明者は、前記工法を改良し、
構築用空間4を形成するに際し、先に第一の枠板1aを
設置し、該第一の枠板1aに固着された第一の目地棒2
aに対して溝6a及び凸部7aの嵌合を介して欠損材5
を片持ち状に支持せしめ、欠損材5の全長にわたる溝6
a及び凸部7aの嵌合を確認した後、次いで、第二の枠
板1bを設置し、該第二の枠板1bに固着された第二の
目地棒2bを欠損材5に対して溝6b及び凸部7bを介
して嵌合せしめれば、前記問題を解決できることを知得
した。即ち、この改良工法によれば、第一の枠板1aに
固着した第一の目地棒2aに対して欠損材5を取付ける
に際し、その作業を開放された作業空間で容易に行うこ
とができ、しかも、溝6aと凸部7aの嵌合を欠損材5
の全長にわたり目視しながら確実に行うことができると
いう利点がある。
【0006】本発明は、このような実状に鑑み、耐震欠
損構築物を容易に構築することができる耐震欠損構築物
の構築方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決した耐震欠損構築物の構築工法を提供するものであ
り、その手段として構成したところは、一対の枠板から
なるコンクリート打設用空間の横断方向に予め欠損材を
介在させてコンクリートを打設することにより、前記欠
損材を埋入した耐震欠損構築物を構築する方法におい
て、前記コンクリートを打設するための前記コンクリー
ト打設用空間を形成するに際し、第一の枠板を設置する
工程と、この第一の枠板に第一の仮止具を介して欠損材
の一端を着脱自在に取り付けて該欠損材を前記第一の枠
板に対して片持状に支持させる工程と、この片持ち状に
支持された欠損材の他端に、第二の仮止具を着脱自在に
取り付ける工程、その後第二の枠板を設置するに際し、
この第二の枠板に前記第二の仮止め具を取り付けて、前
記欠損材を両持ち状に支持させる工程と、を構成した点
にある。
【0008】ここで、前記欠損材の一端は、予め前記第
一の枠板に取り付けられた前記第一の仮止具に着脱自在
に取り付けられるとともに、前記欠損材の他端は、前記
第二の枠板に予め取り付けられた前記第二の仮止具に着
脱自在に取り付けられることが好ましい。さらに、前記
欠損材は、平板状の基板と、この平板状の基板の片側に
固着された発泡合成樹脂の弾性板と、から構成されるこ
とが好ましい。
【0009】また、前記欠損材は、平板状の基板と、こ
の平板状の基板の両側に固着された発泡合成樹脂の弾性
板と、から構成することもできる。さらに、前記欠損材
を構成する平板状の基板は、合成樹脂板であっても良
い。また、前記欠損材を構成する平板状の基板は、金属
板であっても良い。さらに、前記欠損材を構成する平板
状の基板は、紙であっても良い。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳述
する。 (第一実施例)図1ないし図3は、本発明の第一実施例
を示しており、図1及び図2は、耐震欠損構築物の構築
工法を示し、図3は、該構築方法に用いる構築用装置を
示している。
【0011】図3に示すように、欠損材11は、比較的
薄くて硬い基板12に重合固着されたスポンジ等の比較
的厚手の弾性板13から成り、基板12の両側縁を突出
せしめることにより欠損材11の両端に凸部から成る凹
凸嵌合部12a、12bを形成している。尚、基板12
は、塩化ビニール等の合成樹脂板により構成する他、金
属板や、その他の板材、例えば紙により形成することが
できる。また、図例の場合、欠損材11は、中央に配置
した基板12に対して一対の弾性板13a、13bをサ
ンドイッチ状に重合し一体的に接着したものを示してい
るが、このような形態に限定されるものではなく、弾性
板13を基板12の片面にのみ設けても良く、或いは、
その他、図示しない種々の構成を採用することが可能で
ある。
【0012】第一実施例において、第一の仮止具14と
第二の仮止具15は、同一構成であるため、同一構成部
分は同一符号で示し、以下に第一の仮止具14の構成だ
けを説明する。即ち、仮止具14は、一側を幅広部16
とし、他側を幅狭部17とすることにより、両側にテー
パ面18、18を形成した目地棒19と、前記幅広部1
6から延びる板状の仮止脚部20とを合成樹脂により一
体に成形し、前記幅狭部17に溝から成る凹凸嵌合部2
1を形成している。図例の場合、合成樹脂を押出成形す
ることにより目地棒19を中空に形成しているが、合成
樹脂以外の材質により成形しても良く、また、目地棒1
9を中実に形成しても良い。
【0013】そこで、前記第一、第二の仮止具14、1
5と、欠損材11から成る構築用装置を用いて耐震欠損
構築物の構築工法を実施するに際しては、図1(A)に
示すように、構築物を構築すべき所定位置に第一の枠板
22を短管等を用いて設置するに際し、第一の枠板22
を構成する複数の板材22a、22bの接合側縁間に、
第一の仮止具14の仮止脚部20を挟持せしめ固定す
る。例えば、隣接する板材22a、22bの縁部外面に
固着した添え木23a、23bの間に仮止脚部20を介
在せしめた後、一対の添え木23a、23bをクランプ
金具等により締着する。或いは、クランプ金具による締
着に先立ち、仮止脚部20を添え木23a、23bの一
方又は双方に釘等で固着しても良い。このようにして、
第一の仮止具14を第一の枠板22の全高にわたり或い
は所定高さにわたり取付固着する。尚、構築すべき構築
物を壁体とした場合、第一の枠板22は、通常、室外側
の仮枠を構成する。
【0014】次いで、図1(A)及び(B)に示すよう
に、前記第一の仮止具14に欠損材11を着脱自在に固
着し、欠損材11を第一の仮止具14を介して片持状に
支持せしめる。即ち、第一の仮止具14の目地棒19に
対して、欠損材11を凹凸嵌合部21、12aを介して
嵌着せしめる。従って、欠損材11は、広い作業空間の
下で凹凸嵌合部21、12aを目視しながら確実に嵌着
せしめられる。
【0015】その後、前記欠損材11の片持状とされた
自由端に第二の仮止具15を凹凸嵌合部12b、21を
介して着脱自在に嵌着すると共に、第二の枠板24を短
管等を用いて設置するに際し、図1(B)及び図2
(A)に示すように、第二の枠板24を構成する複数の
板材24a、24bの接合側縁間に、第二の仮止具15
の仮止脚部20を挟持せしめ固定する。この場合も、前
記と同様に、例えば、隣接する板材24a、24bの縁
部外面に固着した添え木25a、25bの間に仮止脚部
20を介在せしめた後、一対の添え木25a、25bを
クランプ金具等により締着する。或いは、クランプ金具
による締着に先立ち、仮止脚部20を添え木25a、2
5bの一方又は双方に釘等で固着しても良い。従って、
欠損材11と第二の仮止具15を確実に凹凸嵌合せしめ
た状態で、第二の枠板24を立ち上げつつ、該枠板24
と第二の仮止具15を確実に固着することができる。
尚、構築すべき構築物を壁体とした場合、第二の枠板2
4は、通常、室内側の仮枠を構成する。
【0016】上記において、一対の仮止具14、15と
欠損材11は、作業工程中に凹凸嵌合する構成を示した
が、第一の仮止具14と欠損材11は、例えば、凹凸嵌
合部21、12aに両面接着テープ等の感圧性接着剤等
を設けることにより、欠損材11を予め第一の仮止具1
4に着脱自在にプリアセンブリしておき、このようにプ
リアセンブリ状態にセットされた第一の仮止具14を第
一の枠板22に取付けるように構成しても良い。或い
は、欠損材11には、更に第二の仮止具15を同様にプ
リアセンブリ状態にセットしておいても良い。
【0017】ところで、図1(B)に示すように、上記
一対の枠板22、24により構築用空間26が形成さ
れ、欠損材11が構築用空間26を横断する方向に装入
されている。そこで、引続き構築用空間26にコンクリ
ートを打設する。欠損材11は両端を仮止具14、15
を介して枠板22、24に位置決め固定されているの
で、コンクリートの圧力により移動するようなことはな
く、図2(A)に示すように、所定位置に欠損材11を
埋入した構築物27が構築される。
【0018】以後は、従来と同様に、枠板22、24を
構築物27から分離し、枠板22、24と共に仮止具1
4、15を構築物27から引抜き、作業が完了する。
尚、図2(B)に示すように、構築された構築物27に
おいて、引抜かれた目地棒19に対応して形成された凹
陥部には、適宜コーキング剤28が充填される。 (第2実施例)図4は、本発明の第2実施例を示してい
る。この第2実施例において、第一の仮止具2aは、図
7に基づき説明した従来例における溝6a付の目地棒が
用いられ、第一の枠板22に釘3等で固着される。尚、
欠損材11及び第二の仮止具15は、前記第一実施例に
おいて説明したものと同様である。
【0019】そこで、図4(A)に示すように、第一の
枠板22を設置するに際し、該枠板22に固着した第一
の仮止具2aの溝6aに欠損材11の凹凸嵌合部12a
を着脱自在に嵌着せしめ、欠損材11を片持状に支持せ
しめる。引続き、欠損材11の片持状の自由端に第二の
仮止具15を着脱自在に嵌着せしめると共に、第二の枠
板24を立ち上げつつ、該第二の枠板24を構成する複
数の板材24a、24bの接合側縁間に、第二の仮止具
15の仮止脚部20を挟持せしめ固定する。この点は、
前記第一実施例と同様であるので詳細な説明は省略す
る。
【0020】尚、その後におけるコンクリート打設、枠
板22、24の分離除去等の一連の工程も前記第一実施
例と同様であるから説明は省略する。 (第3実施例)図5は、本発明の第3実施例を示してい
る。この第3実施例において、第一の仮止具14と第二
の仮止具15は、同一構成であり、上記第一実施例と類
似した態様であるが、目地棒19と仮止脚部20を着脱
自在に分割構成している。即ち、目地棒19は、一側を
幅広部16とし、他側を幅狭部17とすることにより、
両側にテーパ面18、18を形成し、前記幅広部16及
び幅狭部17にそれぞれ溝から成る凹凸嵌合部21a、
21bを形成し、これらの凹凸嵌合部21a、21bに
仮止脚部20を選択的に嵌着自在としている。尚、欠損
材11は、上記第一実施例と同様の構成であり、凹凸嵌
合部12a、12bを前記目地棒19の凹凸嵌合部21
a、21bに選択的に嵌着せしめられる。
【0021】この第3実施例は、仮止脚部20を目地棒
19の凹凸嵌合部21a又は21bに嵌着することによ
り仮止具が構成され、一対の仮止具を準備することによ
り、第一の仮止具14と第二の仮止具15が構成され
る。従って、仮止脚部20を目地棒19の幅広部16の
凹凸嵌合部21aに嵌着して使用すれば、上述した第一
実施例と全く同様に本発明の構築工法を実施することが
できる。
【0022】ところで、この第3実施例によれば、防水
処理が特に要求されない場合には、構築した構築物27
に目地棒19を残存せしめ、第一実施例のようなコーキ
ング材28を省略することが可能になる。即ち、図5
(B)に示すように、目地棒19の幅狭部17に形成し
た凹凸嵌合部21bに仮止脚部20を嵌着する一方、幅
広部16に形成した凹凸嵌合部21aに欠損材11を嵌
着せしめ、このように構成した仮止具14、15を使用
することにより構築物27を構築すれば、図5(C)に
示すように、目地棒19は幅広部16を介して構築物2
7に抜取り不能に埋設される。即ち、構築物27内にお
いてテーパ面18、18が抜取方向に対して楔状に係止
する。
【0023】(第4実施例)図6は、本発明の第4実施
例を示している。この第4実施例において、仮止具15
は、前記第3実施例と同様に、目地棒19と仮止脚部2
0を分離して構成し、目地棒19の両端にそれぞれ溝か
ら成る凹凸嵌合部21a、21bを形成し、これらの凹
凸嵌合部21a、21bに仮止脚部20を選択的に嵌着
自在としている。然しながら、目地棒19は両側面をテ
ーパのない平行面に形成し、全体を比較的薄く構成して
いる。
【0024】一方、欠損材11は、弾性板13a、13
bの端部に前記仮止具15を嵌入可能とする凹部29を
設け、該凹部29の底部に基板12の端縁を突出せしめ
ることにより凹凸嵌合部12aを形成している。図例の
場合、欠損材11は、一対の枠板22、24により形成
される構築用空間26の奥行を一部だけ横断する所謂断
面欠損材を構成し、前記凹部29及び凹凸嵌合部12a
を欠損材11の一端部にのみ設け、該凹部29に嵌入し
た目地棒19の一端に前記凹凸嵌合部12aを嵌着する
と共に、目地棒19の他端に仮止脚部20を嵌着する構
成とされている。
【0025】そこで、この第4実施例によれば、第一の
枠板22を設置した後、第二の枠板24を設置するに際
して、欠損材11に仮止具15をセットした状態で、該
仮止具15の仮止脚部20を第二の枠板24を構成する
板材24a、24bの接合側縁間に挟持せしめる。図6
(B)に示すように、構築用空間26において、欠損材
11は、第二の枠板24に対して片持状に支持され、第
一の枠板22には至らない。従って、構築物の奥行の全
体にわたらない断面欠損構造の構築物を構築するために
実施される。
【0026】尚、その後におけるコンクリート打設、枠
板22、24の分離除去等の一連の工程は、従来と同様
であるが、枠板24の分離除去に際して、仮止脚部20
が引抜かれる。この際、目地棒19は、欠損材11の凹
部29内に残存せしめても良く、或いは、凹部29から
抜出しても良い。ところで、この第4実施例における構
成は、僅かな変更を加えるだけで構築物の奥行の全体に
わたる全面欠損構造を実施できる。即ち、欠損材11を
構築用空間26の奥行の全体に至る幅寸法のものに形成
すると共に、該欠損材11の両端にそれぞれ前記と同様
の凹部29並びに凹凸嵌合部12a(及び12b)を形
成しておけば、一対の仮止具15(及び14)を用いる
ことにより、上述した第一実施例や第3実施例と全く同
様の構築工法を実施することができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、構築
用空間26を形成するに際し、先に設置した第一の枠板
22に欠損材11の一端を第一の仮止具14を介して着
脱自在に固着することにより該欠損材11を第一の枠板
22に対して片持状に支持せしめるので、第一の枠板2
2に対する欠損材11の位置決め固着作業を開放作業空
間の下で容易に行い得ると共に、その位置決め固着を目
視しながら確実に行うことが可能になる。
【0028】そして、第二の仮止具15を前記欠損材1
1の他端に着脱自在に固着すると共に、その後、第二の
枠板24を設置するに際し、第二の枠板24を構成する
複数の板材24a、24bの接合側縁間に第二の仮止具
15を挟持せしめるものであるから、欠損材11に対す
る第二の仮止具15の位置決め固着作業と、第二の仮止
具15と第二の枠板24の相互固着作業とを、作業者が
目視しながら容易に且つ確実に行うことが可能になる。
【0029】その結果、従来に比して作業性が格段に向
上するばかりか、欠損材11を両端において確実に位置
決め固着することができるので、従来のように打設した
コンクリートの圧力により欠損材が移動偏位して所期の
耐震欠損構造を実現できなくなるような致命的な誤作業
を防止できる点において極めて優れている。また、本発
明のように、第一の仮止具と第二の仮止具とを予め欠損
材の両端にプリアッセンブリしておいた場合も、作業者
が目視しながら容易に且つ確実に作業を行うことができ
る。
【0030】さらに、本発明によれば、簡単な構成の装
置により、前記工法を実施できるという効果がある。ま
た、第一の仮止具および第二の仮止具を枠板とともにコ
ンクリート表面から取り外せるように構成すれば、最小
限の欠損材のみをコンクリート中に埋設することができ
るので、その他の取付に使用された部分を繰り返し使用
することができる。
【0031】また、第一の仮止具または第二の仮止具の
いずれか一方を予め欠損材に組み付けておけば、現場で
の取付作業の工数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示しており、(A)は第
一の枠板を設置する際の作業を示す横断面図、(B)は
第一の枠板の設置を完了し欠損材を取付けた状態を示す
横断面図である。
【図2】本発明の第一実施例を示しており、(A)は第
一の枠板の設置を完了しコンクリートを打設した状態を
示す横断面図、(B)は構築された構築物の完成状態を
示す横断面図である。
【図3】本発明の第一実施例に使用する構築用装置の実
施例を分解して示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示しており、(A)は第
二の枠板を設置する際の作業を示す横断面図、(B)は
第一及び第二の枠板の設置を完了し欠損材を取付けた状
態を示す横断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示しており、(A)は第
3実施例に使用する仮止具の実施例を分解して示す断面
図、(B)は第一及び第二の枠板の設置を完了し欠損材
を取付けた状態を示す横断面図、(C)は構築された構
築物の完成状態を示す横断面図である。
【図6】本発明の第4実施例示しており、(A)は構築
用装置の実施例を示す分解断面図、(B)は該構築用装
置を用いた断面欠損工法を示す横断面図である。
【図7】従来例を示しており、(A)は枠板により形成
した構築用空間に欠損材を装入した状態を示す横断面
図、(B)は構築用空間にコンクリートを打設した状態
を示す横断面図である。
【符号の説明】
11 欠損材 12a 凹凸嵌合部 12b 凹凸嵌合部 14 第一の仮止具 15 第二の仮止具 19 目地棒 20 仮止脚部 21 凹凸嵌合部 21a 凹凸嵌合部 21b 凹凸嵌合部 22 第一の枠板 22a 板材 22b 板材 24 第二の枠板 24a 板材 24b 板材 26 構築用空間 27 構築物 29 凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月25日(2002.1.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決した耐震欠損構築物の構築工法を提供するものであ
り、その手段として構成したところは、一対の枠板から
なるコンクリート打設用空間の横断方向に予め欠損材を
介在させてコンクリートを打設することにより、前記欠
損材を埋入した耐震欠損構築物を構築する方法におい
て、前記コンクリートを打設するための前記コンクリー
ト打設用空間を形成するに際し、第一の枠板を設置する
工程と、この第一の枠板に第一の仮止具を介して欠損材
の一端を着脱自在に取り付けて該欠損材を前記第一の枠
板に対して片持状に支持させる工程と、この片持ち状に
支持された欠損材の他端に、第二の仮止具を介して第
の枠板を設置し、前記欠損材を両持ち状に支持させる工
程と、を構成した点にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】ここで、前記欠損材は、平板状の基板と、
この平板状の基板の片側に固着された発泡合成樹脂の弾
性板と、から構成されることが好ましい。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の枠板からなるコンクリート打設用
    空間の横断方向に予め欠損材を介在させてコンクリート
    を打設することにより、前記欠損材を埋入した耐震欠損
    構築物を構築する方法において、 前記コンクリートを打設するための前記コンクリート打
    設用空間を形成するに際し、第一の枠板を設置する工程
    と、 この第一の枠板に第一の仮止具を介して欠損材の一端を
    着脱自在に取り付けて該欠損材を前記第一の枠板に対し
    て片持状に支持させる工程と、 この片持ち状に支持された欠損材の他端に、第二の仮止
    具を着脱自在に取り付ける工程、その後第二の枠板を設
    置するに際し、この第二の枠板に前記第二の仮止め具を
    取り付けて、前記欠損材を両持ち状に支持させる工程
    と、を構成したことを特徴とする耐震欠損構造物の構築
    方法。
  2. 【請求項2】 前記欠損材の一端は、予め前記第一の枠
    板に取り付けられた前記第一の仮止具に着脱自在に取り
    付けられるとともに、前記欠損材の他端は、前記第二の
    枠板に予め取り付けられた前記第二の仮止具に着脱自在
    に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の耐
    震欠損構築物の構築方法。
  3. 【請求項3】 前記欠損材は、平板状の基板と、この平
    板状の基板の片側に固着された発泡合成樹脂の弾性板
    と、から構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の耐震欠損構築物の構築方法。
  4. 【請求項4】 前記欠損材は、平板状の基板と、この平
    板状の基板の両側に固着された発泡合成樹脂の弾性板
    と、から構成されることを特徴とする請求項1または2
    に記載の耐震欠損構築物の構築方法。
  5. 【請求項5】 前記欠損材を構成する平板状の基板は、
    合成樹脂板であることを特徴とする請求項3または4に
    記載の耐震欠損構築物の構築方法。
  6. 【請求項6】 前記欠損材を構成する平板状の基板は、
    金属板であることを特徴とする請求項3または4に記載
    の耐震欠損構築物の構築方法。
  7. 【請求項7】 前記欠損材を構成する平板状の基板は、
    紙であることを特徴とする請求項3または4に記載の耐
    震欠損構築物の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018071208A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 日本仮設株式会社 耐震用スリット材および耐震用スリット材の施工方法

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