JP2002206194A - 酸化亜鉛膜の作製方法、その作製装置、光起電力素子の作製方法及びその作製装置 - Google Patents

酸化亜鉛膜の作製方法、その作製装置、光起電力素子の作製方法及びその作製装置

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JP2002206194A
JP2002206194A JP2000363283A JP2000363283A JP2002206194A JP 2002206194 A JP2002206194 A JP 2002206194A JP 2000363283 A JP2000363283 A JP 2000363283A JP 2000363283 A JP2000363283 A JP 2000363283A JP 2002206194 A JP2002206194 A JP 2002206194A
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tank
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zinc oxide
long substrate
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Yuichi Sonoda
雄一 園田
Jo Toyama
上 遠山
Yusuke Miyamoto
祐介 宮本
Kozo Arao
浩三 荒尾
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴中のダストや電極からの膜はがれに起因す
る粒子が基板の搬送工程で基板に打痕等の不具合が生じ
てしまうのを防ぎ良質な電析膜を形成する方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 電析浴中で基板を搬送する工程と、該基
板上に膜を作製する工程とを有する電析方法において、
前記基板上から粒子を排除する工程を有することを特徴
とし、また、電析浴を保持するための電析槽と、基板を
保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を有する電
析装置において、前記基板上から粒子を排除する機構を
有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化亜鉛膜の作製方
法、酸化亜鉛膜の作製装置及びそれを用いた光起電力素
子の作製方法及び作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水素化非晶質シリコン、水素
化非晶質シリコンゲルマニウム、水素化非晶質シリコン
カーバイド、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンなど
からなる光起電力素子は、長波長における収集効率を改
善するために、裏面に反射層が設けられている。かかる
反射層は半導体材料のバンド端に近くその吸収の小さく
なる波長、即ち800nmから1200nmで有効な反
射特性を示すのが望ましい。この条件を十分に満たすの
は、金・銀・銅・アルミといった金属からなる金属層で
ある。また、光閉じ込め層として所定の波長範囲で光学
的に透明な凸凹層を設けることも行なわれている。この
透明な凸凹層は一般的には前記金属層と半導体活性層の
間に設けられ、反射光を有効に利用して短絡電流密度J
scを改善する。さらに、シャントパスによる特性低下
を防止するため、この金属層と半導体層の間に導電性を
示す透光性の材料による層、即ち透明導電性層を設ける
ことが行われている。この透明導電層と前記透明な凸凹
層は同一の層とすることができる。一般的にはこれらの
層は、真空蒸着やスパッタといった方法にて堆積され、
短絡電流密度Jscにして1mA/cm2以上の改善を
示している。
【0003】その例として、「29p−MF−22ステ
ンレス基板上のa−SiGe太陽電池における光閉じ込
め効果」(1990年秋季)第51回応用物理学会学術
講演会講演予稿集p747、”P−IA−15a−Si
C/a−Si/a−SiGeMulti−Bandga
p Stacked Solar Cells Wit
h Bandgap Pfofiling” Sann
omiya eta1.,Technical Dig
est of the International
PVSEC−5,Kyoto,Japan,p381.
1990、などでは、銀原子から構成される反射層につ
いて反射率とテクスチャー構造について検討されてい
る。これらの例においては、反射層を基板温度を変え
た、銀の2層堆積とすることで有効な凸凹を形成し、こ
れによって酸化亜鉛層とのコンビネーションにて、光閉
じ込め効果による短絡電流の増大を達成したとしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの光閉じ込め層
として用いられる透明層は、抵抗加熱や電子ビームによ
る真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法CVD法などによって堆積されているが、ターゲッ
ト材料などの作成工賃が高いことや、真空装置の償却費
の大きいことや、材料の利用効率が高くないことは、こ
れらの技術を用いる光起電力素子のコストを極めて高い
ものとして、太陽電池を産業的に応用しようとする上で
大きなバリアとなっている。
【0005】これらの問題を解決する水溶液からの電解
析出による酸化亜鉛作製技術として、特開平10−17
8193号公報には光起電力素子(太陽電池)の反射層
として適用される、スパッタによる金属層と透明導電層
との組み合わせが説明されている。また、酸化亜鉛作製
技術の改善技術として本発明者等による特開平11−2
86799号公報にはさらに裏面膜付着防止電極を設け
ることで、裏回りの少ない、または無い電解析出による
酸化亜鉛作製技術が説明されている。
【0006】これらの方法によれば高価な真空装置、高
価なターゲットが不要であるため、酸化亜鉛の製造コス
トを飛躍的に削減することができる。また大面積基板上
にも堆積することができるため、太陽電池のような大面
積光起電力素子には有望である。しかし、これらの電気
化学的に析出する方法は、以下の改善すべき点を有して
いる。
【0007】1)裏面膜付着防止電極により、裏面に堆
積される不必要な電析膜(酸化亜鉛膜)は除去される
が、その際、除去された酸化亜鉛膜が裏面膜付着防止電
極に堆積していく。長時間使用を続けると、裏面膜付着
防止電極から堆積した膜が膜応力等により剥れ、基板上
に膜片が落下する。裏面膜付着防止電極に堆積する酸化
亜鉛膜の性質は、固くてもろい。そのため、ローラーと
基板に挟まれて膜片が潰された時、粉々になり砂状にな
る。この砂状になった酸化亜鉛は、搬送ローラー表面に
付着して延々と打痕を発生させる原因となる。
【0008】2)上記の膜片または吸着物がそのままロ
ーラーを通過してしまうと、潰された膜片が原因となっ
て、延々と打痕が発生するだけではなく、ローラー表面
にへこみ、傷等を発生させる原因になり、ローラーの寿
命を短くしてしまいその結果、装置に多大なダメージを
与えてしまう。
【0009】3)アノードから発生する白い粉状の酸化
亜鉛粉等のダストも浴中に浮遊している。これらのダス
トは、装置に付いている濾過フィルターで取り除くよう
にしているが、濾過フィルターで除去される前に基板に
吸着し、そのまま搬送ローラーを通過すると打痕が発生
してしまう。
【0010】4)打痕が発生すると太陽電池基板として
の外観不良だけでなく、電解析出により堆積された酸化
亜鉛薄膜に亀裂、膜剥れを発生させる。この酸化亜鉛薄
膜を光起電力素子の一部として用いた場合には、これら
の亀裂、膜剥れが光起電力素子のシャントパスを誘発す
る原因となると考えられる。
【0011】そこで本発明は、かかる事情に鑑みてなさ
れたものであって、電解析出方法による酸化亜鉛膜の量
産化技術を確立するものであり、ロール・ツー・ロール
方式等の基板の搬送を伴う電解析出方法において、前述
のような打痕の発生を防ぎ、膜に亀裂、膜剥れのない高
品質かつ低コストな酸化亜鉛膜を長時間にわたり安定的
に作製すると共に、これらの酸化亜鉛膜を光起電力素子
に組み入れることにより、太陽光発電の本格的な普及に
寄与することを目的とする。
【0012】また、本発明は酸化亜鉛膜の作製に限ら
ず、浴中のダストや電極からの膜剥がれに起因する粒子
が基板の搬送工程で基板に打痕等の不具合が生じてしま
うのを防ぎ良質な電析膜を形成する方法及び装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の好適な
態様は、電析浴中に長尺基板と対向電極と裏面膜付着防
止電極を設け、電位の関係が、対向電極>長尺基板>裏
面膜付着防止電極となるように通電して前記長尺基板を
搬送しながら該長尺基板上に酸化亜鉛膜を作製する方法
において、該長尺基板上から粒子を排除する工程を有す
ることを特徴とする酸化亜鉛膜の作製方法、及びかかる
酸化亜鉛膜の作製方法で酸化亜鉛膜を作製する工程と、
該酸化亜鉛膜上に半導体層を形成する工程とを少なくと
も有する光起電力素子の作製方法を提供する。
【0014】また、本発明の好適な態様は、電析浴を保
持するための電析槽と、長尺基板を保持しながら搬送す
る機構と、対向電極と、裏面膜付着防止電極と、電位の
関係が、対向電極>長尺基板>裏面膜付着防止電極とな
るように通電するための電源及び配線と、を有する酸化
亜鉛膜の作製装置において、前記長尺基板上から粒子を
排除する機構を有することを特徴とする酸化亜鉛膜の作
製装置、及びかかる酸化亜鉛膜の作製装置と、プラズマ
CVD法によって半導体層を形成する半導体層の形成装
置と、を少なくとも有する光起電力素子の作製装置を提
供する。
【0015】さらに、本発明の好適な態様は、電析浴中
で長尺基板を搬送しながら該長尺基板上に酸化亜鉛膜を
作製する方法において、該長尺基板上から粒子を排除す
る工程を有することを特徴とする酸化亜鉛膜の作製方法
を提供する。
【0016】また、本発明の好適な態様は、電析浴中で
基板を搬送する工程と、該基板上に酸化亜鉛膜を作製す
る工程とを有する酸化亜鉛膜の作製方法において、前記
基板上から粒子を排除する工程を有することを特徴とす
る酸化亜鉛膜の作製方法を提供する。
【0017】また、本発明の好適な態様は、電析浴を保
持するための電析槽と、長尺基板を保持しながら搬送す
る機構と、対向電極と、を有する酸化亜鉛膜の作製装置
において、前記長尺基板上から粒子を排除する機構を有
することを特徴とする酸化亜鉛膜の作製装置を提供す
る。
【0018】また、本発明の好適な態様は、電析浴を保
持するための電析槽と、基板を保持しながら搬送する機
構と、対向電極と、を有する酸化亜鉛膜の作製装置にお
いて、前記基板上から粒子を排除する機構を有すること
を特徴とする酸化亜鉛膜の作製装置を提供する。
【0019】加えて、本発明は、酸化亜鉛膜の作製方
法、作製装置に限らず、他の膜を作製する電析方法及び
電析装置、具体的には、「電析浴中に長尺基板と対向電
極と裏面膜付着防止電極を設け、電位の関係が、対向電
極>長尺基板>裏面膜付着防止電極となるように通電し
て前記長尺基板を搬送しながら該長尺基板上に膜を作製
する電析方法において、該長尺基板上から粒子を排除す
る工程を有することを特徴とする電析方法。」、「電析
浴中で長尺基板を搬送しながら該長尺基板上に膜を作製
する電析方法において、該長尺基板上から粒子を排除す
る工程を有することを特徴とする電析方法。」、「電析
浴中で基板を搬送する工程と、該基板上に膜を作製する
工程とを有する電析方法において、前記基板上から粒子
を排除する工程を有することを特徴とする電析方
法。」、「電析浴を保持するための電析槽と、長尺基板
を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、裏面膜付
着防止電極と、電位の関係が、対向電極>長尺基板>裏
面膜付着防止電極となるように通電するための電源及び
配線と、を有する電析装置において、前記長尺基板上か
ら粒子を排除する機構を有することを特徴とする電析装
置。」、「電析浴を保持するための電析槽と、長尺基板
を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を有する
電析装置において、前記長尺基板上から粒子を排除する
機構を有することを特徴とする電析装置。」、「電析浴
を保持するための電析槽と、基板を保持しながら搬送す
る機構と、対向電極と、を有する電析装置において、前
記基板上から粒子を排除する機構を有することを特徴と
する電析装置。」、を提供する。
【0020】本発明の方法のさらに好ましい態様として
は、前記粒子の排除を絶縁材料からなる部材によって行
うことを特徴とする態様、前記粒子の排除を、前記基板
の搬送方向と直角でない方向に長手方向が向くように配
置した部材を前記基板に当接することによって、前記粒
子を基板の搬送方向とは異なる向きに移動させることに
よって行うことを特徴とする態様、前記粒子が前記裏面
膜付着防止電極から剥離したものであることを特徴とす
る態様、前記粒子が浴中に浮遊しているダストであるこ
とを特徴とする態様、前記粒子の排除を、前記電析浴の
対流によって行うことを特徴とする態様、前記対流の向
きが前記基板の搬送の向きとは異なる向きに前記電析浴
を対流させ、前記粒子を基板の搬送の向きとは異なる向
きに移動させることを特徴とする態様、前記粒子の排除
を、前記基板に液体又は気体を吹き付けることによって
行うことを特徴とする態様、前記液体又は気体を吹き付
ける向きを前記基板の搬送の向きとは異なる向きとする
ことによって、前記粒子を前記基板の搬送の向きとは異
なる向きに移動させることを特徴とする態様、前記粒子
の排除を、基板が裏面膜付着防止電極と対向する領域を
通過した後、該基板が該基板を搬送する機構と接触する
前に行うことを特徴とする態様、前記基板を搬送する機
構がローラーであることを特徴とする態様、が挙げられ
る。
【0021】また、本発明の装置のさらに好ましい態様
としては、前記粒子を排除する機構が、絶縁性の部材か
らなることを特徴とする態様、前記粒子を排除する機構
が、前記基板の搬送方向と直角でない方向に長手方向が
向くように配置され前記基板に当接する部材からなるこ
とを特徴とする態様、前記粒子を排除する機構が、前記
電析浴を対流させる機構からなることを特徴とする態
様、前記電析浴を対流させる機構が、前記基板の搬送の
向きとは異なる向きに電析浴を対流させることを特徴と
する態様、前記粒子を排除する機構が、前記基板に液体
又は気体を吹き付ける機構からなることを特徴とする態
様、前記液体又は気体を吹き付ける向きが前記基板の搬
送の向きとは異なることを特徴とする態様、前記基板が
裏面膜付着防止電極と対向する領域と、該基板が該領域
を通過した後に最初に接触する基板の搬送機構との間に
前記粒子を排除する機構を有することを特徴とする態
様、前記基板の搬送機構がローラーであることを特徴と
する態様、が挙げられる。
【0022】本発明の好適な態様は、量産性に優れた、
太陽電池特性向上に有効な、光閉じ込め効果の高く、信
頼性の高い酸化亜鉛膜を形成し、光収集電流を増大せし
めるとともに信頼性の向上に寄与するものである。しか
も、その達成を工業的に安く安定して行うというもので
ある。そのために裏面膜付着防止電極を設け、裏面への
膜付着を防止しながら酸化亜鉛膜を形成できる方法にお
いて、落下粒子排除機構を設けることで、長尺基板上の
落下物をローラー通過前に排除でき打痕発生を減少で
き、信頼性の高い酸化亜鉛膜を作製しようというのが基
本的な概念である。
【0023】
【発明の実施形態】本発明を用いて作製された光起電力
素子の一例の断面模式図を図1に示す。図中101は支
持体、102は金属層、103は電解析出により形成し
た酸化亜鉛膜層、104は半導体層、105は透明導電
性層、106は集電電極である。支持体101と金属層
102が本発明でいう光反射性金属基板でありSUS
(ステンレス)等の上にアルミニウムや銀などの反射性
の良い金属と、別方式で形成された薄い酸化亜鉛膜を有
するものを用いることもできる。なお、支持体として透
明基板を用い、支持体側から光が入射する構成の場合、
支持体を除いて各層が逆の順番で形成される。
【0024】次に本発明のその他の構成要素に付いて説
明する。
【0025】[電解析出による酸化亜鉛層の形成方法]
酸化亜鉛膜の形成方法は、例えば図10で示す装置にて
層を形成することができる。図中301は耐腐食容器で
ある。電解析出水溶液302として硝酸イオンと亜鉛イ
オンとを含む水溶液を好適に用いることができる。その
際、硝酸イオン濃度は好ましくは、0.004mol/
l〜6.0mol/l、より好ましくは0.01mol
/l〜1.5mol/l、さらに好ましくは0.1mo
l/l〜1.4mol/lであり、亜鉛イオン濃度は好
ましくは、0.002mol/l〜3.0mol/l、
より好ましくは0.01mol/l〜2.0mol/
l、さらに好ましくは0.05mol/l〜1.0mo
l/lである。異常性成長防止のためにサッカロースま
たはデキストリンを水溶液中に含ませることも好まし
い。その場合、サッカロースの濃度は、好ましくは50
0g/l〜1g/l、さらに好ましくは100g/l〜
3g/l、デキストリンの濃度は、好ましくは10g/
l〜0.01g/l、さらに好ましくは1g/l〜0.
025g/lである。この様にすることで、光閉じ込め
効果に適したテクスチャー構造の酸化亜鉛−薄膜を効率
よく形成できる。
【0026】図10中、基体(前述した光反射性金属基
板)303と対向電極304は負荷抵抗306を経て電
源305に接続されている。ここでの電流は好ましくは
0.1mA/cm2〜100mA/cm2、より好ましく
は1mA/cm2〜30mA/cm2、さらに好ましくは
3mA/cm2〜15mA/cm2である(基体から対向
電極に向かって流れる電流を正とする。)。
【0027】図中314は裏面膜付着防止電極であり、
基体303と裏面膜付着防止電極314は負荷抵抗31
6を経て電源315に接続されており、基体303に対
して負の電流を通電する。ここでの電流は好ましくは−
0.01A/cm2〜−80mA/cm2、より好ましく
は−0.1A/cm2〜−15mA/cm2、さらに好ま
しくは−1A/cm2〜−10mA/cm2である(基体
から裏面膜付着防止電極に向かって流れる電流を正とす
る。)。電極314−基体303間距離は50cm以
下、好ましくは10cm以下とすることで、効率的に裏
面膜付着防止効果を可能とする。材質はSUS、Zn、
Ti、Pt等導電性材質が好ましい。
【0028】溶液温度は60℃以上とすることで、異常
成長の少ない均一な酸化亜鉛薄膜を効率よく形成でき
る。溶液全体を撹拌するために、溶液吸入口308、溶
液射出口307、溶液循環ポンプ311、吸入溶液パイ
プ309、射出溶液パイプ310からなる溶液循環系を
用いている。小規模な装置であれば磁気撹拌子を用いる
ことができる。
【0029】(実施装置の説明)本発明を適用可能な長
尺基板電析装置を図2に示す。更に、その分割拡大図を
図3〜図9に示す。図2及び図3〜図9では、各部の名
称・符号は同一である。本装置を用いた長尺基板上へ電
析膜を成膜あるいは堆積する手順を、それらの図と共に
説明する。
【0030】装置は大きく分けて、コイル状に巻かれた
長尺基板を送り出す巻出装置2012、第一の電析膜を
堆積または処理せしめる第一電析槽2066、第二の電
析膜を堆積または処理せしめる第二電析槽2116、第
一電析槽に加熱された電析浴を循環供給する第一循環槽
2120、第二電析槽に加熱された電析浴を循環供給す
る第二循環槽2222、第一電析槽2066の電析浴を
排するに際し一旦浴を貯める第一排液槽2172、第二
電析槽2116の電析浴を排するに際し一旦浴を貯める
第二排液槽2274、第一電析槽2066内の電析浴内
の粉を取り除き浴を清浄化するフィルター循環系(第一
電析槽フィルター循環フィルター2161(図4参照)
に繋がる配管系)、第二電析槽2116内の電析浴内の
粉を取り除き浴を清浄化するフィルター循環系(第二電
析槽フィルター循環フィルター2263(図5参照)に
繋がる配管系)、第一電析槽2066と第二電析槽21
16にそれぞれ浴撹拌用の圧搾空気を送る配管系(圧搾
空気導入口2182(図6参照)から始まる配管系)、
電析膜を堆積された長尺基板を純水のシャワーで洗浄す
る純水シャワー槽2360、第一の純水リンス洗浄を行
う第一温水槽(ここではリンス槽の純水を温水とするた
め温水と呼ぶ)2361、第二の純水リンス洗浄を行う
第二温水槽2362、これら温水槽に必要な純水の温水
を供給するための純水加熱槽2339、洗浄された長尺
基板を乾燥させる乾燥部2363、膜堆積の完了した長
尺基板を再びコイル状に巻き上げる巻取装置2296、
電析浴や純水の加熱段階あるいは乾燥段階で発生する水
蒸気の排気系(電析水洗系排気ダクト2020(図4及
び図5参照)または乾燥系排気ダクト2370(図7参
照)で構成される排気系)とからなっている。
【0031】長尺基板は図中左から右へ、巻出装置20
12、第一電析槽2066、第二電析槽2116、純水
シャワー槽2360、第一温水槽2361、第二温水槽
2362、乾燥部2363、巻取装置2296の順に搬
送されていき、所定の電析膜が堆積される。
【0032】巻出装置2012は、図3に示すように巻
出装置長尺基板ボビン2001に巻かれたコイル状の長
尺基板2006がセットされ、巻出装置繰出し調整ロー
ラー2003、巻出装置方向転換ローラー2004、巻
出装置排出ローラー2005、を順に経て長尺基板20
06を送出していく。コイル状の長尺基板には、殊に下
引き層が予め堆積されている場合には、基板あるいは層
保護のために、インターリーフ(合紙)が巻き込まれた
形で供給されてくる。このため、インターリーフが巻き
込まれている場合には、長尺基板の繰出しと共に巻出装
置インターリーフ巻取りボビン2002にインターリー
フ2007を巻き取る。
【0033】長尺基板2006の搬送方向は矢印201
0で示され、巻出装置長尺基板ボビン2001の回転方
向は矢印2009で示され、巻出装置インターリーフ巻
取りボビン2002の巻取り方向は矢印2008で示さ
れる。
【0034】図中、巻出装置長尺基板ボビン2001か
ら排出される長尺基板と、巻出装置インターリーフ巻取
ボビン2002に巻き上げられるインターリーフは、そ
れぞれ搬送開始時の位置と搬送終了時の位置で干渉が起
きていないことを示している。
【0035】巻出装置全体は、防塵のため、ヘパフィル
ターとダウンフローを用いた巻出し装置クリーンブース
2011で覆われた構造となっている。
【0036】第一電析槽2066は、図4に示すように
電析浴に対して腐食せず電析浴を保温できる第一電析浴
保持槽2065中に、温度制御された電析浴が第一電析
浴浴面2025となるように保持されている。この浴面
の位置は、第一電析浴保持槽2065内に設けられた仕
切板によるオーバーフローで実現されている。不図示の
仕切板は電析浴を第一電析浴保持槽2065全体で奥側
に向かって落とすように設置されており、樋構造にて第
一電析槽オーバーフロー戻り口2024に集められた溢
れた電析浴は、第一電析槽オーバーフロー戻り路211
7を経て第一循環槽2120へ至り、ここで加熱され
て、再び第一電析槽上流循環噴流管2063と第一電析
槽下流循環噴流管2064とから第一電析浴保持槽20
65に還流され、オーバーフローを促すに足るだけの電
析浴の流入を形成する。
【0037】長尺基板2006は、電析槽入口折返しロ
ーラー2013(図3参照)、第一電析槽進入ローラー
2014、第一電析槽退出ローラー2015、電析槽間
折返しローラー2016を経て、第一電析槽2066内
を通過する。第一電析槽進入ローラー2014と第一電
析槽退出ローラー2015との間では、少なくも成膜面
である長尺基板の下側面(本明細書でしばしば「表面
(おもてめん)」と呼ぶ)は、電析浴の中にあって、2
4個のアノード2026〜2049と対向している。実
際の電析は、長尺基板に負、アノードに正の電位を与え
て、電析浴中で両者の間に、電気化学反応を伴う電析電
流を流すことによって行う。
【0038】本装置において第一電析槽2066におけ
るアノード2026〜2049は、4個ずつが、6つの
アノード載置台2054〜2059に載置されている。
アノード載置台は絶縁板を介してそれぞれのアノードを
置く構造となっており、独立の電源から独自の電位を印
加されるようになっている。また、アノード載置台20
54〜2059は電析浴中で長尺基板とアノード202
6〜2049との間隔を保持する機能も担っている。こ
のため通常、アノード載置台2054〜2059は、予
め決められた間隔を保持するべく、高さ調整が出来るよ
うに設計製作されている。
【0039】最終アノード2049の直後に設けられた
第一電析槽裏面膜付着防止電極2061は浴中で長尺基
板の成膜面と反対側の面(本明細書でしばしば「裏面
(うらめん)」と呼ぶ)に堆積された膜を電気化学的に
除去するためのもので、長尺基板に対して第一電析槽裏
面膜付着防止電極2061を負側の電位とすることで、
これを実現する。第一電析槽裏面膜付着防止電極206
1が実際に効力を持つことは、電界の回り込みによって
長尺基板の成膜面と反対側の裏面に電気化学的に付着す
る、長尺基板の成膜面に形成されるのと同じ材質の膜
が、目視下でみるみる除去されていくことで確認され
る。
【0040】第一電析槽裏面膜付着防止電極2061の
直後に設けられた本発明による第一電析槽落下粒子排除
機構2060は、長尺基板2006上に落下した粒子が
第一電析槽退出ローラー2015を通過する前に排除
し、落下粒子が電析槽退出ローラー2015を通過する
ことにより発生する打痕を防止する事ができる。
【0041】第一電析槽退出ローラー2015を通過し
電析浴から出た長尺基板には、第一電析槽出口シャワー
2067から電析浴をかけられて、成膜面が乾燥してム
ラを生じるのを防止している。また第一電析槽2066
と第二電析槽2116との渡り部分に設けられた電析槽
間カバー2019も、電析浴から発生する蒸気を閉じ込
め、長尺基板の成膜面が乾燥するのを防止している。更
に、第二電析槽入口シャワー2068も同様に乾燥防止
の働きをする。
【0042】第一循環槽2120は、第一電析槽206
6中の電析浴の加熱保温ならびに噴流循環を担うもので
ある。前述のごとく、第一電析槽2066でオーバーフ
ローした電析浴は、第一電析槽オーバーフロー戻り口2
024に集められ、第一電析槽オーバーフロー戻り路2
117を通り、第一電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フ
ランジ2118を経て、第一循環槽加熱貯槽2121へ
と至る。第一循環槽加熱貯槽2121内には、8本の第
一循環槽ヒーター2122〜2129が設けられてお
り、室温の電析浴を初期加熱する際や、循環によって浴
温の低下する電析浴を再加熱して、所定の温度に電析浴
を保持する際に機能させられる。
【0043】第一循環槽加熱貯槽2121には2つの循
環系が接続されている。すなわち、第一循環槽電析浴上
流循環元バルブ2130、第一循環槽電析浴上流循環ポ
ンプ2132、第一循環槽電析浴上流循環バルブ213
5、第一循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ21
36、第一循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管21
37を経て、第一電析槽上流循環噴流管2063から第
一電析浴保持槽2065に戻る第一電析槽上流循環還流
系と、第一循環槽電析浴下流循環元バルブ2139、第
一循環槽電析浴下流循環ポンプ2142、第一循環槽電
析浴下流循環バルブ2145、第一循環槽電析浴下流循
環フレキシブルパイプ2148、第一循環槽電析浴下流
循環フランジ絶縁配管2149を経て、第一電析槽下流
循環噴流管2064から第一電析浴保持槽2065に戻
る第一電析槽下流循環還流系とである。
【0044】第一電析槽上流循環噴流管2063と第一
電析槽下流循環噴流管2064とから第一電析槽206
6に戻る電析浴は、第一電析浴保持槽2065内での電
析浴の交換を効果ならしめるよう、第一電析浴保持槽2
065下部に設けられた第一電析槽上流循環噴流管20
63と第一電析槽下流循環噴流管2064から、それぞ
れの噴流管に穿かれたオリフィスを経て噴流として還流
される。
【0045】それぞれの循環還流系での還流量は主に、
第一循環槽電析浴上流循環バルブ2135または第一循
環槽電析浴下流循環バルブ2145の開閉度によって制
御され、更に細かい調節は、第一循環槽電析浴上流循環
ポンプ2132または第一循環槽電析浴下流循環ポンプ
2142の出口と入口を短絡して接続したバイパス系に
設けられた第一循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ2133または第一循環槽電析浴下流循環ポンプバ
イパスハルブ2141によって制御される。バイパス系
は、還流量を少なくした場合や、浴温が極めて沸点に近
い時、ポンプ内でのキャビテーションを防止する役目も
果たしている。浴液が沸騰気化して液体を送り込めなく
なるキャビテーションは、ポンプの寿命を著しく短して
しまう。
【0046】第一電析槽上流循環噴流管2063と第一
電析槽下流循環噴流管2064とにオリフィスを穿って
噴流を形成する場合、還流量は殆ど第一電析槽上流循環
噴流管2063と第一電析槽下流循環噴流管2064へ
戻す溶液の圧力によって定まる。これを知るために第一
循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ2134と第一循環槽
電析浴下流循環圧力ゲージ2143が設けられていて、
還流量のバランスはこれらの圧力ゲージにて知ることが
出来る。オリフィスから吹き出す還流浴液量は正確には
ベルヌーイの定理に従うが、噴流管に穿ったオリフィス
が数ミリ以下の径の時には、第一電析槽上流循環噴流管
2063ないし第一電析槽下流循環噴流管2064全体
にわたって噴流量を実質的に一定とすることができる。
【0047】更に還流量が充分に大きい場合には、浴の
交換が極めてスムーズに行われるので、第一電析槽20
66がかなり長くとも、浴の濃度の均一化や温度の均一
化が効果的に図れる。第一電析槽オーバーフロー戻り路
2117がこの充分な還流量を流しうる太さを持つべき
であることは当然である。
【0048】それぞれの循環還流系に設けられた第一循
環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2136と第一
循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイプ2148は、
配管系の歪みを吸収するものであり、特に歪みに対して
機械的強度が不足しがちなフランジ絶縁配管などを用い
る場合には有効である。
【0049】それぞれの循環還流系に設けられた第一循
環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2137と第一循
環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管2149は、第一
電析槽オーバーフロー戻り路2117途中に設けられた
第一電析槽オーバーフロー戻り絶縁フランジ2118と
共に第一循環槽2120と第一電析槽2066とを電気
的に浮かせるものである。これは、不要な電流経路の形
成を絶つこと、即ち迷走電流を防止することが、電析電
流を利用した電気化学的な成膜反応を安定効果的に進め
ることにつながる、という本発明者の知見に基づくもの
である。
【0050】一方の循環還流系には、直接第一循環槽加
熱貯槽2121へと戻る第一循環槽電析浴バイパス循環
フレキシブルパイプ2146及び第一循環槽電析浴バイ
パス循環バルブ2147からなるバイパス還流系が設け
られており、これは、第一電析槽に浴液を還流すること
無く浴の循環を行わしめたい場合、例えば室温から所定
温度への昇温時などに、用いるものである。
【0051】また、第一循環槽2120からの一方の循
環還流系には、第一電析槽退出ローラー2015を通過
し電析浴から出た長尺基板に電析浴をかける第一電析槽
出口シャワー2067へと至る送液系が設けられてお
り、第一電析槽出口シャワーバルブ2150を介して第
一電析槽出口シャワー2067へとつながっている。第
一電析槽出口シャワー2067からの電析液噴霧量は、
第一電析槽出口シャワーバルブ2150の開閉度を調節
することによって調整される。
【0052】第一循環槽加熱貯槽2121は、実際には
蓋が設けられており、蒸気となって水が失われていくの
を防止する構造となっている。浴温が高い場合には、蓋
の温度も高くなるので、断熱材を貼るなどの考慮は作業
の安全面から必要である。
【0053】第一電析槽電析浴の粉末除去のために、フ
ィルター循環系が設けられている。第一電析槽に対する
フィルター循環系は、第一電析槽フィルター循環戻りフ
レキシブルパイプ2151、第一電析槽フィルター循環
戻りフランジ絶縁配管2152、第一電析槽フィルター
循環元バルブ2154、第一電析槽フィルター循環サク
ションフィルター2156、第一電析槽フィルター循環
ポンプ2157、第一電析槽フィルター循環ポンプバイ
パスバルブ2158、第一電析槽フィルター循環圧力ス
イッチ2159、第一電析槽フィルター循環圧力ゲージ
2160、第一電析槽フィルター循環フィルター216
1、第一電析槽フィルター循環フレキシブルパイプ21
64、第一電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管21
65、第一電析槽フィルター循環バルブ2166、第一
電析槽フィルター循環系電析浴上流戻りバルブ216
7、第一電析槽フィルター循環系電析浴中流戻りバルブ
2168、第一電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ2169、からなっている。この経路を電析浴は
第一電析槽フィルター循環方向2155、同2162、
同2163の方向に流れていく。除去されるべき粉末
は、機外から飛び込むことも有るし、また電析反応に応
じて、電極表面や浴中で形成されることもある。除去さ
れるべき粉末の最小の大きさは、第一電析槽フィルター
循環フィルター2161のフィルターサイズで定まる。
【0054】第一電析槽フィルター循環戻りフレキシブ
ルパイプ2151ならびに第一電析槽フィルター循環フ
レキシブルパイプ2164は、配管の歪みを吸収して、
配管接続部からの液漏れを極小化すると共に、機械強度
に劣る絶縁配管を保護し、ポンプを始めとする循環系の
構成部品の配置自由度を上げるためのものである。
【0055】第一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2152ならびに第一電析槽フィルター循環フラ
ンジ絶縁配管2165は、大地アースからフロートとし
た第一電析浴保持槽2065が大地アースに落ちること
を防止するため、電気的に浮かせることを目的としたも
のである。
【0056】第一電析槽フィルター循環サクションフィ
ルター2156はいわば「茶漉し」のような金網であ
り、大きなごみを取り除き、後に続く第一電析槽フィル
ター循環ポンプ2157や第一電析槽フィルター循環フ
ィルター2161を保護するためのものである。
【0057】第一電析槽フィルター循環フィルター21
61はこの循環系の主役であり、電析浴中に混入あるい
は発生した粉体を除去するためのものである。
【0058】本循環系の電析浴の循環流量は、主に第一
電析槽フィルター循環バルブ2166で、また従として
第一電析槽フィルター循環ポンプ2157に並列に設け
られた第一電析槽フィルター循環ポンプバイパスバルブ
2158で微調整をおこなう。これらのハルブ調整によ
る循環流量を把握するために、第一電析槽フィルター循
環圧力ゲージ2160が設けられている。第一電析槽フ
ィルター循環ポンプバイパスバルブ2158は流量の微
調整の他、フィルター循環流量全体を絞った時に、キャ
ビテーションが発生して第一電析槽フィルター循環ポン
プ2157が破損するのを防止している。
【0059】第一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2152を経て第一電析槽排水バルブ2153か
ら第一排液槽2172(図6参照)に電析浴が移送でき
る。この移送は、電析浴交換や装置のメンテナンスや更
には緊急時に行われるものである。移送される排液とし
ての電析浴は重力落下にて第一排液槽排液貯槽2144
に落とされる。メンテナンスや緊急時の目的には、第一
排液槽排液貯槽2144が第一電析槽2066および第
一循環槽2120の浴容量の合計を貯めるだけの容量を
もつことが好ましい。
【0060】第一排液槽排液貯槽2144には第一排液
槽排液貯槽上蓋2277が設置されており、電析浴の重
力落下移送を効果的ならしめるために、第一排液槽空気
抜き2171及び第一排液槽空気抜きバルブ2170が
設けられている。
【0061】一旦、第一排液槽排液貯槽2144に落と
された電析浴は、温度が下がった後、第一排液槽排水バ
ルブ2173より建物側の廃水処理に、あるいは第一排
液槽排液回収バルブ2174、排液回収元バルブ217
5、排液回収サクションフィルター2176と排液回収
ポンプ2177を経て不図示のドラム缶に回収され然る
べき処分がとりおこなわれる。回収や処理に先立って第
一排液槽排液貯槽2144内で、水による希釈や薬液に
よる処理など行うことも可能である。
【0062】電析浴を撹拌し電析成膜を均一化ならしめ
るために、第一電析浴保持槽2065底部に設置された
第一電析槽撹拌空気導入管2062(図4参照)に穿っ
た複数のオリフィスから空気バブルを噴出させるように
なっている。空気は、工場に供給される圧搾空気を圧搾
空気導入口2182(図6参照)から取り込み、電析浴
撹拌用圧搾空気圧力スイッチ2183を経て、第一電析
槽圧搾空気導入方向2184に示される方向で、順に第
一電析槽圧搾空気元バルブ2185、第一電析槽圧搾空
気流量計2186、第一電析槽圧搾空気レギュレーター
2187、第一電析槽圧搾空気ミストセパレーター21
88、第一電析槽圧搾空気導入バルブ2189、第一電
析槽圧搾空気フレキシブルパイプ2190、第一電析槽
圧搾空気絶縁配管2191、そして第一電析槽圧搾空気
上流側制御バルブ2193または第一電析槽圧搾空気下
流側制御バルブ2192を通り第一電析槽撹拌空気導入
管2062へと至る。
【0063】電析槽間折返しローラー2016を経て第
二電析槽2116(図5参照)に搬送された長尺基板
は、第二の電析膜を堆積または処理される。本装置の使
い方によって、第二の電析膜は第一の電析膜と同一のも
ので、第一の電析膜と第二の電析膜とが一つの膜を形成
することもあるし、また同じ材質ながら別の特性を付与
された二層の積層であることもある(例えば、酸化亜鉛
で粒径の異なる層の積層など)し、同じ特性を持ちなが
ら別の材質からなる二層の積層であることもある(例え
ば、透明導電膜として酸化インジウムと酸化亜鉛の積層
など)し、あるいは全く異なる二層の積層であることも
あるし、更に、第一電析槽2066で低酸化物を堆積
し、第二電析槽2116で酸化進行処理を行ったり、第
一電析槽2066で低酸化物を堆積し、第二電析槽21
16で食刻処理を行ったり、といった組み合わせが可能
となる。従って、電析浴あるいは処理浴、浴温度、浴循
環量、電流密度、撹拌量、などの電析または処理条件
は、それぞれの目的に合わせて選択される。電析または
処理時間を第一電析槽2066と第二電析槽2116と
で変える必要がある場合には、長尺基板2006の通過
時間を第一電析槽2066と第二電析槽2116とで変
えればよく、そのためには、第一電析槽2066と第二
電析槽2116とで槽の長さを変えたり、または長尺基
板の折り返しを行うことで調整する。
【0064】第二電析槽2116は、図5に示すように
電析浴に対して腐食せず電析浴を保温できる第二電析浴
保持槽2115中に、温度制御された電析浴が第二電析
浴浴面2074となるように保持されている。この浴面
の位置は、第二電析浴保持槽2115内に設けられた仕
切板によるオーバーフローで実現されている。不図示の
仕切板は電析浴を第二電析浴保持槽2115全体で奥側
に向かって落とすように設置されており、樋構造にて第
二電析槽オーバーフロー戻り口2075に集められた溢
れた電析浴は、第二電析槽オーバーフロー戻り路221
9を経て第二循環槽2222へ至り、ここで加熱され
て、再び第二電析槽上流循環噴流管2113と第二電析
槽下流循環噴流管2114とから第二電析浴保持槽21
15に還流され、オーバーフローを促すに足るだけの電
析浴の流入を形成する。
【0065】長尺基板2006は、電析槽間折返しロー
ラー2016、第二電析槽進入ローラー2069、第二
電析槽退出ローラー2070、純水シャワー槽折返し進
入ローラー2279を経て、第二電析槽2116内を通
過する。第二電析槽進入ローラー2069と第二電析槽
退出ローラー2070との間で長尺基板の表面は、電析
浴の中にあって、24個の第二電析槽アノード2076
〜2099と対向している。実際の電析は、長尺基板に
負、アノードに正の電位を与えて、電析浴中で両者の間
に、電気化学反応を伴う電析電流を流すことによって行
う。
【0066】本装置において第二電析槽2116におけ
るアノード2076〜2099は、4個ずつが、6つの
アノード載置台2104〜2109に載置されている。
アノード載置台は絶縁板を介してそれぞれのアノードを
置く構造となっており、独立の電源から独自の電位を印
加されるようになっている。また、アノード載置台21
04〜2109は電析浴中で長尺基板とアノード207
6〜2099との間隔を保持する機能も担っている。こ
のため通常、アノード載置台2104〜2109は、予
め決められた間隔を保持するべく、高さ調整が出来るよ
うに設計製作されている。
【0067】第二電析槽最終アノード2099の直後に
設けられた第二電析槽裏面膜付着防止電極2111は浴
中で長尺基板の裏面に堆積された膜を電気化学的に除去
するためのもので、長尺基板に対して第二電析槽裏面膜
付着防止電極2111を負側の電位とすることで、これ
を実現する。第二電析槽裏面膜付着防止電極2111が
実際に効力を持つことは、電界の回り込みによって長尺
基板の成膜面と反対側の裏面に電気化学的に付着する、
長尺基板の成膜面に形成されるのと同じ材質の膜が、目
視下でみるみる除去されていくことで確認される。
【0068】第二電析槽裏面膜付着防止電極2111の
直後に設けられた本発明による第二電析槽落下粒子排除
機構2110は、長尺基板2006上に落下した粒子が
第二電析槽退出ローラー2070を通過する前に排除
し、落下粒子が第二電析槽退出ローラー2070を通過
ことにより発生する打痕を防止する事ができる。
【0069】第二電析槽退出ローラー2070を通過し
電析浴から出た長尺基板には、第二電析槽出口シャワー
2297から電析浴をかけられて、成膜面が乾燥してム
ラを生じるのを防止している。また第二電析槽2116
と純水シャワー槽2360との渡り部分に設けられた純
水シャワー槽折返し進入ローラーカバー2318も、電
析浴から発生する蒸気を閉じ込め、長尺基板の成膜面が
乾燥するのを防止している。更に、純水シャワー槽入口
表面純水シャワー2299や純水シャワー槽入口裏面純
水シャワー2300(図7参照)も、電析浴を洗浄して
落とすだけでなく、同様の働きを機能する。
【0070】第二循環槽2222は、第二電析槽211
6中の電析浴の加熱保温ならびに噴流循環を担うもので
ある。前述のごとく、第二電析槽2116でオーバーフ
ローした電析浴は、第二電析槽オーバーフロー戻り口2
075に集められ、第二電析槽オーバーフロー戻り路2
219を通り、第二電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フ
ランジ2220を経て、第二循環槽加熱貯槽2223へ
と至る。第二循環槽加熱貯槽2223内には、8本の第
二循環槽ヒーター2224〜2231が設けられてお
り、室温の電析浴を初期加熱する際や、循環によって浴
温の低下する電析浴を再加熱して、所定の温度に電析浴
を保持する際に機能させられる。
【0071】第二循環槽加熱貯槽2223には2つの循
環系が接続されている。すなわち、第二循環槽電析浴上
流循環元バルブ2232、第二循環槽電析浴上流循環ポ
ンプ2234、第二循環槽電析浴上流循環バルブ223
7、第二循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ22
38、第二循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管22
39を経て、第二電析槽上流循環噴流管2113から第
二電析浴保持槽2115に戻る第二電析槽上流循環還流
系と、第二循環槽電析浴下流循環元バルブ2242、第
二循環槽電析浴下流循環ポンプ2245、第二循環槽電
析浴下流循環バルブ2247、第二循環槽電析浴下流循
環フレキシブルパイプ2248、第二循環槽電析浴下流
循環フランジ絶縁配管2249を経て、第二電析槽下流
循環噴流管2114から第二電析浴保持槽2115に戻
る第二電析槽下流循環還流系とである。
【0072】第二電析槽上流循環噴流管2113と第二
電析槽下流循環噴流管2114とから第二電析槽211
6に戻る電析浴は、第二電析浴保持槽2115内での電
析浴の交換を効果ならしめるよう、第二電析浴保持槽2
115下部に設けられた第二電析槽上流循環噴流管21
13と第二電析槽下流循環噴流管2114から、それぞ
れの噴流管に穿かれたオリフィスを経て噴流として還流
される。
【0073】それぞれの循環還流系での還流量は主に、
第二循環槽電析浴上流循環バルブ2237または第二循
環槽電析浴下流循環バルブ2247の開閉度によって制
御され、更に細かい調節は、第二循環槽電析浴上流循環
ポンプ2234または第二循環槽電析浴下流循環ポンプ
2245の出口と入口を短絡して接続したバイパス系に
設けられた第二循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ2235または第二循環槽電析浴下流循環ポンプバ
イパスハルブ2244によって制御される。バイパス系
は、還流量を少なくした場合や、浴温が極めて沸点に近
い時、ポンプ内でのキャビテーションを防止する役目も
果たしている。第一電析槽の説明でも述べたが、浴液が
沸騰気化して液体を送り込めなくなるキャビテーション
は、ポンプの寿命を著しく短してしまう。
【0074】第二電析槽上流循環噴流管2113と第二
電析槽下流循環噴流管2114とにオリフィスを穿って
噴流を形成する場合、還流量は殆ど第二電析槽上流循環
噴流管2113と第二電析槽下流循環噴流管2114へ
戻す溶液の圧力によって定まる。これを知るために第二
循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ2236と第二循環槽
電析浴下流循環圧力ゲージ2246が設けられていて、
還流量のバランスはこれらの圧力ゲージにて知ることが
出来る。オリフィスから吹き出す還流浴液量は正確には
ベルヌーイの定理に従うが、噴流管に穿ったオリフィス
が数ミリ以下の径の時には、第二電析槽上流循環噴流管
2113ないし第二電析槽下流循環噴流管2114全体
にわたって噴流量を実質的に一定とすることができる。
【0075】更に還流量が充分に大きい場合には、浴の
交換が極めてスムーズに行われるので、第二電析槽21
16がかなり長くとも、浴の濃度の均一化や温度の均一
化が効果的に図れる。第二電析槽オーバーフロー戻り路
2219がこの充分な還流量を流しうる太さを持つべき
であることは当然である。
【0076】それぞれの循環還流系に設けられた第二循
環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2238と第二
循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイプ2248は、
配管系の歪みを吸収するものであり、特に歪みに対して
機械的強度が不足しがちなフランジ絶縁配管などを用い
る場合には有効である。
【0077】それぞれの循環還流系に設けられた第二循
環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2239と第二循
環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管2249は、第二
電析槽オーバーフロー戻り路2219途中に設けられた
第二電析槽オーバーフロー戻り絶縁フランジ2220と
共に第二循環槽2222と第二電析槽2116とを電気
的に浮かせるものである。これは、不要な電流経路の形
成を絶つこと、即ち迷走電流を防止することが、電析電
流を利用した電気化学的な成膜反応を安定効果的に進め
ることにつながる、という本発明者の知見に基づくもの
である。
【0078】一方の循環還流系には、直接第二循環槽加
熱貯槽2223へと戻る第二循環槽電析浴バイパス循環
フレキシブルパイプ2250及び第二循環槽電析浴バイ
パス循環バルブ2251からなるバイパス還流系が設け
られており、これは、第二電析槽に浴液を還流すること
無く浴の循環を行わしめたい場合、例えば室温から所定
温度への昇温時などに、用いるものである。
【0079】また、第二循環槽2222からの両循環還
流系には、第二電析槽進入ローラー2069に至る直前
に電析浴をかける第二電析槽入口シャワー2068へと
送るものと、第二電析槽退出ローラー2070を通過し
電析浴から出た長尺基板に電析浴をかける第二電析槽出
口シャワー2297へと送るものとの2つの送液系が設
けられており、前者は、第二電析槽入口シャワーバルブ
2241を介して第二電析槽入口シャワー2068へ
と、後者は第二電析槽出口シャワーバルブ2252を介
して第二電析槽出口シャワー2297へと、つながって
いる。第二電析槽入口シャワー2068からの電析液噴
霧量は、第二電析槽入ロシャワーバルブ2241の開閉
度を調節することによって、また、第二電析槽出口シャ
ワー2297からの電析液噴霧量は、第二電析槽出口シ
ャワーバルブ2252の開閉度を調節することによっ
て、調整される。
【0080】第二循環槽加熱貯槽2223は、実際には
蓋が設けられており、蒸気となって水が失われていくの
を防止する構造となっている。浴温が高い場合には、蓋
の温度も高くなるので、断熱材を貼るなどの考慮は作業
の安全面から必要である。
【0081】第二電析槽電析浴の粉末除去のために、フ
ィルター循環系が設けられている。第二電析槽に対する
フィルター循環系は、第二電析槽フィルター循環戻りフ
レキシブルパイプ2253、第二電析槽フィルター循環
戻りフランジ絶縁配管2254、第二電析槽フィルター
循環元バルブ2256、第二電析槽フィルター循環サク
ションフィルター2258、第二電析槽フィルター循環
ポンプ2260、第二電析槽フィルター循環ポンプバイ
パスバルブ2259、第二電析槽フィルター循環圧力ス
イッチ2261、第二電析槽フィルター循環圧力ゲージ
2262、第二電析槽フィルター循環フィルター226
3、第二電析槽フィルター循環フレキシブルパイプ22
66、第二電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管22
67、第二電析槽フィルター循環バルブ2268、第二
電析槽フィルター循環系電析浴上流戻りバルブ226
9、第二電析槽フィルター循環系電析浴中流戻りバルブ
2270、第二電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ2271、からなっている。この経路を電析浴は
第二電析槽フィルター循環方向2257、同2264、
同2265の方向に流れていく。除去されるべき粉末
は、機外から飛び込むことも有るし、また電析反応に応
じて、電極表面や浴中で形成されることもある。除去さ
れるべき粉末の最小の大きさは、第二電析槽フィルター
循環フィルター2263のフィルターサイズで定まる。
【0082】第二電析槽フィルター循環戻りフレキシブ
ルパイプ2253ならびに第二電析槽フィルター循環フ
レキシブルパイプ2266は、配管の歪みを吸収して、
配管接続部からの液漏れを極小化すると共に、機械強度
に劣る絶縁配管を保護し、ポンプを始めとする循環系の
構成部品の配置自由度を上げるためのものである。
【0083】第二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2254ならびに第二電析槽フィルター循環フラ
ンジ絶縁配管2267は、大地アースからフロートとし
た第二電析浴保持槽2115が大地アースに落ちること
を防止するため、電気的に浮かせることを目的としたも
のである。
【0084】第二電析槽フィルター循環サクションフィ
ルター2258はいわば「茶漉し」のような金網であ
り、大きなごみを取り除き、後に続く第二電析槽フィル
ター循環ポンプ2260や第二電析槽フィルター循環フ
ィルター2263を保護するためのものである。
【0085】第二電析槽フィルター循環フィルター22
63はこの循環系の主役であり、電析浴中に混入あるい
は発生した粉体を除去するためのものである。
【0086】本循環系の電析浴の循環流量は、主に第二
電析槽フィルター循環バルブ2268で、また従として
第二電析槽フィルター循環ポンプ2260に並列に設け
られた第二電析槽フィルター循環ポンプバイパスバルブ
2259で微調整をおこなう。これらのハルブ調整によ
る循環流量を把握するために、第二電析槽フィルター循
環圧力ゲージ2262が設けられている。第二電析槽フ
ィルター循環ポンプバイパスバルブ2259は流量の微
調整の他、フィルター循環流量全体を絞った時に、キャ
ビテーションが発生して第二電析槽フィルター循環ポン
プ2260が破損するのを防止している。
【0087】第二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2254を経て第二電析槽排水バルブ2255か
ら第二排液槽2274(図6参照)に電析浴が移送でき
る。この移送は、電析浴交換や装置のメンテナンスや更
には緊急時に行われるものである。移送される排液とし
ての電析浴は重力落下にて第二排液槽排液貯槽2273
に落とされる。メンテナンスや緊急時の目的には、第二
排液槽排液貯槽2273が第二電析槽2116および第
二循環槽2222の浴容量の合計を貯めるだけの容量を
もつことが好ましい。
【0088】第二排液槽排液貯槽2273には第二排液
槽排液貯槽上蓋2278が設置されており、電析浴の重
力落下移送を効果的ならしめるために、第二排液槽空気
抜き2276及び第二排液槽空気抜きバルブ2275が
設けられている。
【0089】一旦、第二排液槽排液貯槽2273に落と
された電析浴は、温度が下がった後、第二排液槽排水バ
ルブ2180より建物側の廃水処理に、あるいは第二排
液槽排液回収バルブ2181、排液回収元バルブ217
5、排液回収サクションフィルター2176と排液回収
ポンプ2177を経て不図示のドラム缶に回収され然る
べき処分がとりおこなわれる。回収や処理に先立って第
二排液槽排液貯槽2273内で、水による希釈や薬液に
よる処理など行うことも可能である。
【0090】電析浴を撹拌し電析成膜を均一化ならしめ
るために、第二電析浴保持槽2115底部に設置された
第二電析槽撹拌空気導入管2112(図5参照)に穿っ
た複数のオリフィスから空気バブルを噴出させるように
なっている。空気は、工場に供給される圧搾空気を圧搾
空気導入口2182(図6参照)から取り込み、電析浴
撹拌用圧搾空気圧力スイッチ2183を経て、第二電析
槽圧搾空気導入方向2194に示される方向で、順に第
二電析槽圧搾空気元バルブ2195、第二電析槽圧搾空
気流量計2196、第二電析槽圧搾空気レギュレーター
2197、第二電析槽圧搾空気ミストセパレーター21
98、第二電析槽圧搾空気導入バルブ2199、第二電
析槽圧搾空気フレキシブルパイプ2220、第二電析槽
圧搾空気絶縁配管2201、そして第二電析槽圧搾空気
上流側制御バルブ2202または第二電析槽圧搾空気下
流側制御バルブ2272を通り第二電析槽撹拌空気導入
管2112へと至る。
【0091】第一電析槽2066や第二電析槽2116
には、予備の液体または気体が導入できるように、図6
に示すように予備導入系が設置されている。電析槽予備
導入口2213からの液体または気体は、電析槽予備導
入バルブ2214を介して、第一電析槽予備導入バルブ
2215、第一電析槽予備導入絶縁配管2216を経て
第一電析槽2066へ、また、第二電析槽予備導入バル
ブ2217、第二電析槽予備導入絶縁配管2218を経
て第二電析槽2116へ導入される。予備導入系で最も
可能性の高いものは、浴の能力を長時間一定に保つため
の保持剤や補充薬であるが、場合によっては、浴に溶か
す気体であったり、また粉末を除去する酸であったりす
る。
【0092】リンス工程は、図7に示される純水シャワ
ー槽2360、第一温水槽2361、第二温水槽236
2の3段で行われる。第二温水槽2362に加温された
純水が供給され、その排液が第一温水槽2361で用い
られ、更にその排液が純水シャワー槽2360で用いら
れる構成となっている。このことにより、長尺基板は電
析槽での電析を終了した後、次第に純度の高い水で洗わ
れていく。
【0093】この純水は長尺基板が退出していく直前の
第二温水槽出口裏面純水シャワー2309、第二温水槽
出口表面純水シャワー2310へ供給される。供給すべ
き純水は、図8に示すように、水洗系純水口2337か
ら水洗系純水供給元バルブ2338を経て一旦純水加熱
槽2339に貯められ、純水加熱槽純水加熱ヒーター2
340〜2343で所定の温度に暖められ、純水加熱槽
純水送出バルブ2344、純水加熱槽純水送出ポンプ2
346、純水加熱槽圧力スイッチ2347、純水加熱槽
カートリッジ式フィルター2349、純水加熱槽流量計
2350を通り、一方は第二温水槽出口裏面シャワーバ
ルブ2351から第二温水槽出口裏面純水シャワー23
09(図7)へ、他方は第二温水槽出口表面シャワーバ
ルブ2352から第二温水槽出口表面純水シャワー23
10(図7)へと至る。加温は洗浄効果を向上させるた
めである。
【0094】シャワーへ供給されて第二温水槽温水保持
槽2317へ溜まった純水は純水リンス浴を形成し、こ
こで長尺基板は静水での洗浄が行われる。純水の温度が
下がらないように、第二温水槽2362には第二温水槽
温水保温ヒーター2307が設けられている。
【0095】第一温水槽2361へは、第二温水槽温水
保持槽2317を溢れた純水が、第二温水槽2362か
ら温水槽間連結管2232を介して供給される。第一温
水槽2361には第二温水槽2362同様、第一温水槽
温水保温ヒーター2304が設置されており純水の温度
を保持するようになっている。更に第一温水槽2361
には超音波源2306が設置されており、積極的に長尺
基板表面の汚れを第一温水槽ローラー2282と第二温
水槽折返し進入ローラー2283の間で除去するように
なっている。
【0096】第一温水槽温水保持槽2316からの純水
は、純水シャワー槽純水シャワー供給元バルブ2323
に続いて、図8に示すように純水シャワー槽純水シャワ
ー供給ポンプ2325、純水シャワー槽純水シャワー供
給圧力スイッチ2326、純水シャワー槽純水シャワー
供給カートリッジ式フィルター2328、純水シャワー
槽純水シャワー供給流量計2329を経て、純水シャワ
ー槽入口表面純水シャワーバルブ2330から純水シャ
ワー槽入口裏面純水シャワー2299(図7)へ、純水
シャワー槽入口裏面純水シャワーバルブ2331から純
水シャワー槽入口裏面純水シャワー2300(図7)
へ、純水シャワー槽出口裏面純水シャワーバルブ233
2から純水シャワー槽出口裏面純水シャワー2302
(図7)へ、純水シャワー槽出口表面純水シャワーバル
ブ2333から純水シャワー槽出口表面純水シャワー2
303(図7)へと送られ、純水シャワー槽2360の
入口と出口で、それぞれ長尺基板裏面と長尺基板表面に
洗浄用シャワー流がかけられる。
【0097】シャワーの済んだ水は純水シャワー槽受け
槽2315で受けられ、そのまま第一温水槽温水保持槽
2316と第二温水槽温水保持槽2317の一部と合流
して水洗系排水2336に捨てられる。通常は、洗浄済
みの水にはイオンその他が含まれるため、所定の処理を
必要とする。
【0098】洗浄のための純水シャワー槽2360、第
一温水槽2361、第二温水槽2362では、長尺基板
は純水シャワー槽折返し進入ローラー2279、純水シ
ャワー槽ローラー2280、第一温水槽折返し進入ロー
ラー2281、第一温水槽ローラー2282、第二温水
槽折返し進入ローラー2283、第二温水槽ローラー2
284、乾燥部折返しローラー2285へと送られてい
く。
【0099】純水シャワー槽折返し進入ローラー227
9の直後には純水シャワー槽裏面ブラシ2298が設け
られており、長尺基板裏面に付着する比較的大きな粉や
付着力の弱い生成物を取り除けるようになっている。
【0100】乾燥部2363に至った長尺基板2006
は、まず乾燥部入口で乾燥部入口裏面エアーナイフ23
11、乾燥部入口表面エアーナイフ2312による水切
りが行われる。エアーナイフヘの空気の導入は、図8に
示すように乾燥系圧搾空気導入口2353、乾燥系圧搾
空気圧力スイッチ2354、乾燥系圧搾空気フィルター
レギュレーター2355、乾燥系圧搾空気ミストセパレ
ーター2356、乾燥系圧搾空気供給バルブ2357、
その後乾燥部入口裏面エアナイフバルブ2358または
乾燥部入口表面エアナイフバルブ2359、という経路
でなされる。乾燥部2363に供給される空気は特に水
滴などを含むと不都合なので、乾燥系圧搾空気ミストセ
パレーター2356の役割は重要である。
【0101】続いて乾燥折返しローラー2285から巻
取装置進入ローラー2286に搬送される過程で、並ん
だIRランプ2313の輻射熱による乾燥が行われる。
IRランプ2313の輻射熱が充分であれば、電析膜を
成膜後長尺基板2006をCVD装置などの真空装置に
投入しても不都合は生じない。乾燥時は、水切による霧
の発生と、IRランプ輻射による水蒸気の発生があっ
て、排気ダクトに繋がる乾燥部排気口2314は不可欠
である。
【0102】乾燥系排気ダクト2370に集められた水
蒸気は、図9に示すように乾燥系凝縮器2371でその
ほとんどが水に戻り乾燥系凝縮器排水ドレイン2373
へと捨てられ、一部は乾燥系排気2374へと捨てられ
ていく。水蒸気に有害気体を含む場合には、排気は所定
の処理を行うべきである。
【0103】巻取装置2296(図7参照)は、巻取装
置進入ローラー2286、巻取装置方向転換ローラー2
287、巻取り調整ローラー2288、を順に経て長尺
基板2006を長尺基板巻上げボビン2289にコイル
状に巻取っていく。堆積した層保護が必要な場合には、
インターリーフ繰出しボビン2290からインターリー
フを繰出し、長尺基板に巻き込まれていく。長尺基板2
006の搬送方向は矢印2292で示され、長尺基板巻
上げボビン2289の回転方向は矢印2293で示さ
れ、インターリーフ繰出しボビン2290の巻取り方向
は矢印2294で示される。図7中、長尺基板巻上げボ
ビン2289へ巻き上げられる長尺基板と、インターリ
ーフ繰出しボビン2290から繰り出されるインターリ
ーフは、それぞれ搬送開始時の位置と搬送終了時の位置
で干渉が起きていないことを示している。巻取装置全体
は、防塵のため、ヘパフィルターとダウンフローを用い
た巻取装置クリーンブース2295で覆われた構造とな
っている。
【0104】本巻取装置にあっては、巻取装置方向転換
ローラー2287が長尺基板の蛇行を修正する機能を付
与されている。巻取装置方向転換ローラー2287と巻
取り調整ローラー2288との間に設置された蛇行検知
器からの信号に基づいて、油圧のサーボで巻取装置方向
転換ローラー2287を巻取装置進入ローラー2286
側にセットされた軸を中心として振ってやることで、蛇
行の修正が可能となる。巻取装置方向転換ローラー22
87の制御は、図7中、近似的に手前側あるいは奥側へ
のローラーの移動であり、その移動の向きは、蛇行検出
器からの長尺基板蛇行検出方向と逆である。サーボのゲ
インは、長尺基板の搬送速度によるが、一般に大きな物
を必要としない。数百メートルの長さの長尺基板を巻き
上げても、その端面はサブミリの精度で揃えられる。
【0105】電析浴や温水を室温より高い温度で使うと
必然的に水蒸気が発生する。特に80℃を越える温度を
用いると、水蒸気の発生はかなりのものとなる。槽の浴
面から発生する水蒸気は、槽の浴面上に溜まり、装置の
隙間から勢いよく吹き出したり、蓋の開閉時に大量の放
出を見たり、また装置の隙間から水滴となって流れ落ち
たり、装置の操作環境を悪化させる。このため、排気ダ
クトを介して強制的に吸引排気させるのが好ましい。
【0106】第一電析槽2066の第一電析槽上流排気
口2021、第一電析槽中流排気口2022、第一電析
槽下流排気口2023、また第二電析槽2116の第二
電析槽上流排気口2071、第二電析槽中流排気口20
72、第二電析槽下流排気口2073、純水シャワー槽
2360の純水シャワー槽排気口2301、第一温水槽
2361の第一温水槽排気口2305、第二温水槽23
62の第二温水槽排気口2308を介して排気ダクト2
020に集められた水蒸気は、図9に示すように絶縁フ
ランジを通り、電析水洗系排気ダクト凝縮器2366で
そのほとんどが水に戻り電析水洗系排気ダクト凝縮器排
水ドレイン2368へと捨てられ、一部は電析水洗系排
気2369へと捨てられていく。水蒸気に有害気体を含
む場合には、排気は所定の処理を行うべきである。
【0107】本装置では、排気ダクト2020をステン
レスで構成したので、第一電析槽2066の第一電析浴
保持槽2065及び第二電析槽2116の第二電析浴保
持槽2115を大地アースからフロート電位とするため
に、電析水洗系排気ダクト基幹絶縁フランジ2365と
電析水洗系排気ダクト水洗側絶縁フランジ2364を設
け、電気的に切り離した。
【0108】[裏面膜付着防止電極]裏面に成膜される
不必要な電析膜は、裏面膜付着防止電極で除去される。
裏面膜付着防止電極には基板に対して負の電位を印加す
る。このため、特に電析用の電源との干渉を防ぐよう、
両者は互いにフロート出力である必要がある。一つの電
析槽に設置した裏面電極あたり1A〜60Aの電流が用
いられる。裏面膜付着防止電極の材質は水素過電圧の高
いTiやSUSなどが使われる。基板の裏面より剥ぎ取
られて裏面膜付着防止電極部に溜まる酸化亜鉛など電析
物は、繰り返し利用のために装置外で機械的に剥ぎ取ら
れても良いし、また裏面膜付着防止電極を使い捨てとし
て電極ごと廃棄されても良い。
【0109】[落下粒子]特にロール・ツー・ロール形
式で、裏面膜付着防止電極を用いて長時間の連続成膜を
行なった場合、裏面膜付着防止電極に次第に堆積されて
いく膜の応力により膜剥れが発生し、剥がれた膜が粒子
となり長尺基板上に落下した後、ローラーまで搬送され
る。長尺基板上に落下した粒子を乗せたままローラーを
通過すると、打痕発生の原因となる。
【0110】[落下粒子排除機構]本発明による落下粒
子排除機構は、落下粒子をローラー通過前に排除する目
的で設置される。形状は板状(布等を巻く事も可能)、
ブラシ状、カーテン状等が良く、必要に応じて組み合わ
せたりする事もできる。材質はSUS、Ti等耐食性の
高いものが好ましい。また長時間成膜の際はテフロン、
耐熱塩化ビニール、あるいはFRP等の絶縁材料が好ま
しい。
【0111】落下粒子排除機構の設置方法の例を図12
及び図13に示す。これらの図において、501、60
1は裏面膜付着防止電極、502、602は落下粒子排
除機構、503、603はローラー、504、604は
長尺基板である。図12、図13に示すように、板状の
落下粒子排除機構は、長尺基板の搬送方向に対して平行
または傾斜にすること配置することが出来る。また、落
下粒子排除機構の高さ方向の傾きは材質等に合わせて自
由に変化する事が出来る。
【0112】以下に図面を用いて本発明の長尺基板に付
着する落下物またはダストを排除する方法を有する酸化
亜鉛膜の形成方法および形成装置の別の例について説明
する。
【0113】図14は長尺基板上に酸化亜鉛膜を形成す
る装置の模式図であり、図15は図14中のA−A面に
おける断面模式図である。
【0114】まず電析槽701に所定の濃度の電析浴7
02を満たし、不図示の循環ポンプを用いて浴をよく循
環させ、不図示の貯液槽内にあるヒーターを用いて所定
の温度で一定に保温する。
【0115】この装置には、本発明による長尺基板に付
着する落下物またはダストを排除する方法のうち、浴の
対流を利用して基板に付着した落下物またはダストを排
除する方式を採用している。具体的には、電析浴702
を撹拌するための噴流管712bを電析槽701の槽壁
に裏面膜付着防止電極713と重ならないように設置し
て、長尺基板703の搬送方向に対して垂直に対流がで
きる様にする。
【0116】次に、基板送り出しローラー710、基板
巻き取りローラー711に長尺基板703を給電ローラ
ー704、搬送ローラーを経由して電析浴中に設置し、
基板成膜面に対向してアノード705〜709を設置
し、最終アノード709直後の基板裏面に対向して裏面
膜付着防止電極713を設置する。
【0117】長尺基板703、アノード705〜709
間に定電流モードで電圧を印加することにより透明な酸
化亜鉛薄膜が長尺基板成膜面に析出する。最終アノード
709直後に設けられた裏面膜付着防止電極713に
は、基板側を正極として、裏面膜付着防止電極が負極に
なるように電圧を印加する。これにより基板送り出しロ
ーラー710から送り出された長尺基板703上に順
次、透明な酸化亜鉛薄膜が形成され、次に裏面に付いた
不必要な膜は、裏面膜付着防止電極713によって剥ぎ
取られる。
【0118】長尺基板703は酸化亜鉛薄膜が形成され
た後、水洗槽714、水洗シャワー715を通過して基
板表面に残った浴を洗い流し、エアーナイフ716で水
気を切り、最後に加熱ランプ717を通して乾燥工程を
行った後、基板巻き取りローラー711によって巻き取
られる。
【0119】[基板]図14で示した装置で用いられる
基板材料は、膜成膜面に電気的な導通がとれ、電析浴に
侵されないものなら使用でき、SUS、Al、Cu、F
eなどの金属が用いられる。金属コーティングを施した
PETフィルムなども利用可能である。これらの中で、
素子化プロセスを後工程で行うには、SUSが長尺基板
としては優れている。
【0120】SUSは非磁性SUS、磁性SUSいずれ
も適用できる。前者の代表はSUS304であり研磨性
に優れていて鏡面とすることも可能である。後者の代表
はフェライト系のSUS430であり、磁力を利用した
搬送には有効に利用される。
【0121】基板表面は、平滑でも良いし、粗面でもよ
い。SUSの圧延プロセスにおいて圧延ローラーの種類
を変えたりすることにより表面性が変わる。BAと称す
るものは鏡面に近く、2Dにあっては凹凸が顕著であ
る。いずれの面においても、SEM(電子顕微鏡)下で
の観察では、ミクロン単位の抉れなどが目立つことがあ
る。太陽電池基板としては、大きなうねり状の凹凸より
も、ミクロン単位の構造の方が太陽電池の特性には、良
い方向にも悪い方向にも大きく反映する。
【0122】さらに、これら基板は別の導電性材料が成
膜されていてもよく、電析の目的に応じて選択される。
場合によっては、酸化亜鉛のごく薄層を予め他の方法で
形成しておくことは、電析法での堆積速度を安定的に向
上できて好ましい。確かに、電析法はコストが安く済む
のがメリットであるが、多少高価な方法を付加的に採用
しても、総合的にコストダウンが可能ならば、2方式の
併用は有利である。
【0123】[裏面膜付着防止電極]裏面に成膜される
不必要な電析膜は、裏面膜付着防止電極で除去される。
裏面膜付着防止電極には基板に対して負の電位を印加す
る。このため、特に電析用の電源との干渉を防ぐよう、
両者は互いにフロート出力である必要がある。一つの電
析槽に設置した裏面電極あたり50mA/cm2〜70
mA/cm2の電流が用いられる。裏面膜付着防止電極
の材質は、水素過電圧の高いTiやSUSなどが使われ
る。裏面膜付着防止電極と基板との間隔は狭すぎても広
すぎても効果を十分に発揮できず、好ましくは10mm
から40mm、さらに好ましくは15mmから20mm
の間隔で設置することが望ましい。基板の裏面より剥ぎ
取られて裏面膜付着防止電極部に溜まる酸化亜鉛は、繰
り返し利用のために装置外で機械的に剥ぎ取られても良
いし、また裏面膜付着防止電極を使い捨てとして電極ご
と廃棄しても良い。
【0124】[裏面膜付着防止電極に堆積する膜]本発
明で裏面膜付着防止電極に堆積される膜は、酸化亜鉛で
ある。この裏面膜付着防止電極に堆積される酸化亜鉛
は、固くてもろい性質を持っている。膜の堆積の仕方
は、最初、基板と対向している裏面膜付着防止電極面に
膜が堆積されていき、ある程度堆積してくると電界の高
い部分(例えば、電極断面部分、電極の角、電極をステ
ーに取付けているボルトの頭)から樹枝状に成長してい
く。この樹枝状に成長した酸化亜鉛が、浴の撹拌の影響
や、基板の振動の影響を受けて裏面膜付着防止電極から
落下してしまう。また、裏面膜付着防止電極に次第に堆
積されていく酸化亜鉛薄膜の膜厚が増大し、膜自身の応
力等により膜剥れが発生する。裏面膜付着防止電極と基
板との間隔が10mmから40mmと接近しているため
落下した樹枝状の酸化亜鉛の殆どは、基板に乗ったまま
ローラーまで運ばれていき、打痕の原因、およびローラ
ー表面へのへこみ、傷の原因となってしまう。
【0125】[ダスト]酸化亜鉛薄膜の長時間の連続成
膜を行なった場合、アノードに使用している亜鉛板から
酸化亜鉛粉が発生する。このアノードから発生した酸化
亜鉛粉等のダストが、浴中に浮遊し、基板に吸着した後
ローラーまで搬送される。長尺基板上に吸着したダスト
がそのままローラーを通過すると基板とローラーに挟ま
れ、打痕発生の原因となる。
【0126】[打痕]本発明で打痕と呼んでいるもの
は、裏面膜付着防止電極からの落下物や、浴中に浮遊し
ているダストが、基板に吸着した後ローラーと基板に挟
まれて出来る傷のことである。酸化亜鉛薄膜を成膜した
後に基板に打痕が発生してしまうと、太陽電池基板とし
ての外観不良だけではなく電析によって堆積された酸化
亜鉛薄膜に亀裂や膜剥れを発生させてしまい、膜の品質
を著しく下げてしまうことになる。打痕の大きさ、形状
は、付着した落下物もしくはダストの形に依存する。ま
た、基板に付着した落下物またはダストが、ローラー通
過時に、潰され落下物またはダストがローラーと基板の
間、またはローラー上に残った場合、延々と打痕が発生
してしまう。さらに基板に打痕を発生させる原因だけに
とどまらず、基板を支えているローラーに対してもロー
ラー表面にへこみ、傷等を発生させることになり、装置
に対して多大なダメージを負わせることにつながる。
【0127】[基板に付着する落下物または、ダストを
排除する手段]本発明による基板に付着する落下物また
はダストを排除する手段は、基板に付着する落下物また
はダストをローラー通過前に排除する目的で設置され
る。その構成は浴の対流を利用する方式、ローラー手前
にシャワーを設けシャワーの噴流を利用する方式等が採
用できる。
【0128】[浴の対流]本発明による基板に付着する
落下物またはダストを排除する手段の一例として浴の対
流がある。これは基板搬送方向に対して垂直に、かつ基
板成膜面又は基板裏面に沿って浴の流動ができる様に、
対流を起こし基板に付着する落下物またはダストを排除
する方式である。具体的な構成は、図15に示すように
電析槽の槽壁に噴流管712bを、対向する槽壁に反射
板801を設置し、裏面膜付着防止電極713と長尺基
板703との間に例えば、矢印に示すような対流を起こ
すようにする。槽壁に設置する反射板801の形状は、
平板状のものでも良いが、対流の起こしやすさ等を考慮
すると円弧状に曲がっている物の使用が好ましい。槽全
体に本発明で提案している様な対流を発生させると、裏
面膜付着防止電極713に堆積した膜の剥れが促進され
る事が予想されるので、打痕予防の観点からは好ましく
ない。浴の対流を起こす範囲は、裏面膜付着防止電極7
13から長尺基板703の搬送方向下流側に設置してい
るローラーの間の一部または全部で対流を起こすように
することが好ましい。
【0129】[シャワー]本発明による基板に付着する
落下物またはダストを排除する手段の一例としてシャワ
ーがある。このシャワーの設置場所は、基板が裏面膜付
着防止電極713を通過して最初に基板裏面および、成
膜面に触れるローラーの手前に設置するのが好ましい。
シャワーの材質は強度、加工のし易さ、耐薬品性を考慮
するとSUS等の使用が好ましい。またシャワーの構造
は、例えばSUS製の配管に穴を数箇所開けた簡単な構
造の物から、SUS製の配管にノズルを設けた物も採用
できる。配管に開ける穴の大きさ、設置する穴またはノ
ズルの間隔、基板に対する角度等は、効率よく落下物ま
たはダストを排除できるように適宜決められる。またシ
ャワーから噴出させる物は浴、純水等の液体だけではな
く、気体の利用も可能である。その場合の液体または気
体の流量も効率よく落下物およびダストを排除できるよ
うに適宜決められる。
【0130】上記のようなシャワーの諸条件を設定する
場合に注意することはシャワーが直接、裏面膜付着防止
電極および裏面膜付着防止電極に堆積した酸化亜鉛膜に
当たらないように設置しないと、シャワーの噴流の勢い
で裏面膜付着防止電極に堆積した膜の剥れを促進するこ
とになり、打痕予防の観点からは好ましくない。
【0131】シャワーの形状は図16(a)に示すよう
な横一列にノズルもしくは穴が数個並んでいる一字型の
もの、図16(b)に示すようなV字型にノズルもしく
は穴が並んでいる物、図16(c)に示すような円弧状
にノズルもしくは穴が並んでいる物等が挙げられる。
尚、図16(a)〜(c)において、901は長尺基
板、902は搬送ローラー、903は裏面膜付着防止電
極、904は一字型シャワー、905はV字型シャワ
ー、906は円弧型シャワーである。
【0132】なお、本発明は、長尺基板上に膜形成する
場合のみならず、基板を搬送手段に接して搬送する場合
一般にも適用可能である。
【0133】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0134】(実施例1)実験には図11に示すロール
・ツー・ロール実験装置を用いた。あらかじめ、ロール
状のSUS430BA(支持体101)にロール対応の
DCマグネトロンスパッタ装置により銀2000Å(金
属層102)堆積し、その上に同様のロール対応のDC
マグネトロンスパッタ装置により1000Åの酸化亜鉛
薄膜を堆積した支持体ロール403上に、酸化亜鉛層1
03を形成した。
【0135】支持体ロール403は搬送ローラー404
を経て、酸化亜鉛層形成槽406に搬送される。酸化亜
鉛形成浴405は、硝酸亜鉛0.1mol/l、サッカ
ロース20g/1を含んでなり、浴中を撹拌するために
液循環処理がなされている。液温は80℃の温度に保た
れており、pHは4.0〜6.0に保持される。対向電
極409は亜鉛が用いられ、さらに裏面膜付着防止電極
410が用いられる。そして本発明による落下粒子防止
機構415が用いられる。この落下粒子防止機構は厚さ
5mmのSUS304で作製されており、基板の搬送方
向と垂直に設置されている。
【0136】支持体ロール403をアースとした。対向
電極409を正側の電極として支持体ロール403との
間で5.0mA/cm2(0.5A/dm2)、更に裏面
膜付着防止電極410が、よりマイナス電位となるよ
う、支持体ロール403と裏面膜付着防止電極410と
の間で−0.8mA/cm2(0.08A/dm2)を通
電し、電解析出を行った。
【0137】それぞれのローラーを経て、巻取りローラ
ー402に巻き上げられる直前の基板に目視にて確認で
きる打痕の数を、480時間にわたり60分毎に1分間
測定した。この結果を表1に示す。
【0138】(実施例2)落下粒子排除機構415が絶
縁材料で作製されている以外は実施例1と同様に電解析
出を行なった。
【0139】それぞれのローラーを経て、巻取りローラ
ーに巻き上げられる直前の基板に目視にて確認できる打
痕の数を、480時間にわたり60分毎に1分間測定し
た。この結果を表1に示す。
【0140】(実施例3)落下粒子排除機構415が長
尺基板進行方向に対して傾斜を持つよう設置した以外は
実施例2と同様に電解析出を行なった。
【0141】それぞれのローラーを経て、巻取りローラ
ーに巻き上げられる直前の基板に目視にて確認できる打
痕の数を、480時間にわたり60分毎に1分間測定し
た。この結果を表1に示す。
【0142】(比較例1)落下粒子排除機構415を用
いない以外は実施例1と同様に電解析出を行った。
【0143】それぞれのローラーを経て、巻取りローラ
ーに巻き上げられる直前の基板に目視にて確認できる打
痕の数を、480時間にわたり60分毎に1分間測定し
た。この結果を表1に示す。
【0144】
【表1】
【0145】表1より以下の事が言える。 ・落下粒子排除機構を設けることで、打痕の発生を大幅
に減少できる。 ・落下粒子排除機構を絶縁材料とすることで、落下粒子
排除機構への電解析出による膜付着を防止でき、落下粒
子排除機構からの膜剥れによる打痕の発生を防止でき
る。 ・落下粒子排除機構を絶縁材料とし、かつ傾斜を持つよ
うに設置することで、排除した粒子を所定の場所に保持
でき、再浮遊を防止でき打痕を無くす事ができる。
【0146】(実施例4)実験には図2〜図9に示すロ
ール・ツー・ロール装置を用いた。あらかじめ、ロール
状のSUS430 2D(支持体101)にロール対応
のDCマグネトロンスパッタ装置によりアルミニウム2
000Å(金属層102)堆積し、その上に同様のロー
ル対応のDCマグネトロンスパッタ装置により2000
Åの酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺基板2006上に、酸
化亜鉛層103を形成した。
【0147】長尺基板2006は搬送ローラーを経て、
酸化亜鉛層形成槽に搬送される。第一電析槽2066、
第二電析槽2116は硝酸亜鉛0.2mol/l、デキ
ストリン1.0g/lを含んでなり、浴中を撹拌するた
めに液循環処理がなされている。液温は80℃の温度に
保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。
【0148】第一電析アノード2026〜2049、第
二電析アノード2076〜2099には亜鉛板(350
cm×150cm)が用いられており、ロール状の長尺
基板2006を負側の電極として、正側の電極2026
〜2049、2076〜2099と負側の電極2006
との間でそれぞれ10.0mA/cm2(1.0A/d
2)通電し、さらに裏面膜付着防止電極2061、2
111を負側の電極として、ロール状の長尺基板200
6を正側の電極として、正側の電極2006と負側の電
極2061、2111との間で50.0mA/cm
2(5.0A/dm2)通電した。ここで、長尺基板搬送
中の落下粒子排除機構2060、2110としてテフロ
ンで作製された高さ20mmのブレードが長尺基板進行
方向に対して傾斜を持つようにそれぞれ裏面膜付着防止
電極2061、2111の後ろに設置されている。
【0149】基板の搬送速度は1500mm/分で8時
間(720分)連続成膜を行なった。その結果、膜厚
2.0μmの酸化亜鉛薄膜が連続的に形成された。
【0150】電解析出による酸化亜鉛作成時の打痕発生
数は、1分間の目視観察において、開始から終了まで確
認されなかった。
【0151】このようにして支持体101上に金属層1
02と酸化亜鉛層103を形成した後、この酸化亜鉛層
103上にトリプル構造の半導体層104をロール対応
のCVD装置にて形成した。まずシランとフォスフィン
と水素の混合ガスを用い、支持体101上に形成した金
属層102と酸化亜鉛層103を340℃に加熱し、4
00WのRFパワーを投入してn型層を形成し、次にシ
ランとゲルマンと水素の混合ガスを用い、基板温度を4
50℃としてマイクロ波パワーを投入してi層を形成
し、更に基板温度を250℃として、三フッ化ボロンと
シランと水素の混合ガスからp型層を形成し、ボトムp
in層とした。続いてi層におけるシランとゲルマンの
混合比を増やし、同様の手順にて、ミドルnip層を形
成し、更に同様の手順でi層をシランと水素から堆積し
てトップpin層を形成した。
【0152】この後、ロール対応スパッタ装置にてIT
Oを透明導電層105として堆積せしめた。しかる後、
銀ぺーストで集電電極層106を作成した(図1参
照)。
【0153】作製したサンプルの酸化亜鉛電解析出直後
と、終了直前部の素子をソーラーシュミレーター(AM
1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用い
て変換効率を測定した。さらに、この素子を加速試験と
してHH試験(温度85度湿度85%の環境下の環境試
験箱に1000時間投入)を行い、変換効率の劣化率を
測定した。以上の結果を表2に示す。
【0154】(比較例2)落下粒子排除機構を用いない
以外は実施例4と同様に形成し、素子とした。
【0155】電解析出による酸化亜鉛作成時の打痕発生
数は、1分間の目視観察において、開始直後は0個、2
時間後から次第に増えはじめ終了直後は113個であっ
た。
【0156】作製したサンプルの酸化亜鉛電解析出開始
直後と、終了直前部の素子をソーラーシュミレーター
(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)
を用いて変換効率を測定した。さらに、この素子を加速
試験としてHH試験(温度85度湿度85%の環境下の
環境試験箱に1000時間投入)を行い、変換効率の劣
化率を測定した。以上の結果を表2に示す。
【0157】
【表2】
【0158】表2より以下の事が言える。
【0159】酸化亜鉛作成時に、本発明の落下粒子排除
機構を設けて作製した基板を用いる事で、ロール・ツー
・ロール形式において長時間にわたり信頼性の高い優れ
た素子を作製できる。
【0160】(実施例5)実験には図14に示すロール
・ツー・ロール実験装置を用いた。あらかじめ、ロール
状のSUS430 2Dに金属層をロール対応のDCマ
グネトロンスパッタ装置により銀200nm(2000
Å)堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネト
ロンスパッタ装置により100nm(1000Å)の酸
化亜鉛薄膜を堆積した長尺基板103上に電析による酸
化亜鉛層を形成した。
【0161】長尺基板703は搬送ローラーを経て、電
析槽701に搬送される。電析浴702は、硝酸亜鉛
0.2mol/l、デキストリン0.1g/lを含んで
おり、浴中を撹拌するために噴流管712aにより液循
環処理がなされている。液温は80℃の温度に保たれて
おり、pHは4.0〜6.0に保持される。アノード7
05〜709は亜鉛が用いられる。
【0162】そして本実施例では基板に付着する落下物
またはダストを排除する手段として電析浴の対流を利用
する方式を用いた。この電析浴の対流を利用する方式の
構成は、浴を撹拌するための液循環処理の噴流管712
bを図15に示すように電析槽の槽壁に設置し、対向す
る槽壁に反射板801を設置し、裏面膜付着防止電極7
13と長尺基板703との間に矢印に示すような対流を
起こすように設置した。基板の搬送方向と垂直に対流が
起こせる様に構成されているため、基板上に落下した落
下物を効果的に排除できる様になっている。
【0163】本実施例ではアノード705〜709と長
尺基板703との間で5.0mA/cm2通電し電解析
出をおこなった。更に裏面膜付着防止電極713が、長
尺基板703に対してよりマイナス電位となるよう、長
尺基板と裏面膜付着防止電極との間で−60mA/cm
2通電し、長尺基板の裏面に付いた不要な膜を除去し
た。
【0164】それぞれのローラーを経て、巻取りローラ
ー711に巻き上げられる直前の基板に目視にて確認で
きる打痕の数を、480時間にわたり60分毎に1分間
測定した。この結果を表3に示す。
【0165】(比較例3)基板に付着する落下物または
ダストを排除する手段(噴流管712b)を用いないこ
と以外は実施例5と同様に電解析出を行った。
【0166】それぞれのローラーを経て、巻き上げられ
る直前の基板に目視にて確認できる打痕の数を、480
時間にわたり60分毎に1分間測定した。この結果を表
3に示す。
【0167】(実施例6)基板に付着する落下物または
ダストを排除する手段を、電析浴の対流ではなく図16
(b)に示すように長尺基板搬送方向に対向して浴をV
字型に吹き付けるシャワーの様に構成した以外は実施例
5と同様に電解析出を行なった。この場合のシャワーの
噴射角度は、長尺基板の搬送方向901に対して30度
の角度になるように設置した。またシャワーの穴の直径
は2mm、設置した穴の間隔は20mm、浴の流量は2
L/分の流量に設定した。
【0168】それぞれのローラーを経て、巻き上げられ
る直前の基板に目視にて確認できる打痕の数を、480
時間にわたり60分毎に1分間測定した。この結果を表
3に示す。
【0169】(実施例7)基板に付着する落下物または
ダストを排除する手段として成膜面に付着するダストも
排除できるように図16(a)に示すシャワーを追加設
置した以外は実施例6と同様に電解析出を行なった。
【0170】それぞれのローラーを経て、巻き上げられ
る直前の基板に目視にて確認できる打痕の数を、480
分にわたり60分毎に1分間測定した。この結果を表3
に示す。
【0171】
【表3】
【0172】表3より以下の事が言える。 基板に付着する落下物またはダストを排除する手段と
して電析浴の対流を利用する方式を採用することで、打
痕の発生を大幅に減少できる。 基板に付着する落下物またはダストを排除する手段
を、長尺基板搬送方向に対向してV字型に浴を吹き付け
るシャワーにすることで、より効果的に付着した落下物
またはダストを排除する事ができ、打痕の発生を防止で
きる。 基板に付着する落下物またはダストを排除するシャワ
ーを基板裏面側および基板成膜面側にも設けることで裏
面膜付着防止電極からの落下物だけではなく、成膜面に
吸着したダストも排除する事ができ、打痕の発生を防止
して高品質な酸化亜鉛薄膜を形成することができる。
【0173】(実施例8)実験には図17に示すロール
・ツー・ロール装置を用いた。あらかじめ、ロール状の
SUS430 2Dに金属層をロール対応のDCマグネ
トロンスパッタ装置によりアルミニウム200nm(2
000Å)堆積し、その上に同様のロール対応のDCマ
グネトロンスパッタ装置により200nm(2000
Å)の酸化亜鉛薄膜を堆積した長尺基板103上に電析
による酸化亜鉛層を形成した。
【0174】長尺基板703は搬送ローラーを経て、電
析槽701に搬送される。電析浴702は、硝酸亜鉛
0.2mol/l、デキストリン1.0g/lを含んで
なり、浴中を撹拌するために噴流管712により液循環
処理がなされている。液温は80℃の温度に保たれてお
り、pHは4.0〜6.0に保持される。アノード70
5〜709には亜鉛板(350mm×150mm)が用
いられており、ロール状の長尺基板703を負側の電極
として、正側の電極705〜709と負側の電極703
との間でそれぞれ10.0mA/cm2(1.0A/d
2)通電し、さらに裏面膜付着防止電極713を負側
の電極として、長尺基板703を正側の電極として、正
側の電極703と負側の電極713との間隔を20mm
にセットし、50.0mA/cm2(5.0A/dm2
通電した。
【0175】ここで、長尺基板搬送中の基板に付着する
落下物またはダストを排除する手段として、長尺基板搬
送方向に対向して図16(c)に示したような円弧状に
圧縮空気を吹き付けるシャワー906を、裏面膜付着防
止電極通過後に最初に裏面に触れるローラーの手前に長
尺基板の搬送方向903に対して20度の角度で噴射す
るように設置し、さらに裏面膜付着防止電極通過後に最
初に成膜面に触れるローラーの手前に図16(a)に示
したような一字型に浴を吹き付けるシャワー904を基
板に対して30度の角度に噴射するように設置した。こ
の場合の各シャワーに開けた穴の直径は1mm、穴の間
隔は15mmに設置し、圧縮空気、浴の流量はそれぞ
れ、200NL/分と3L/分の流量に設定した。
【0176】膜厚2.0μmの酸化亜鉛薄膜を連続的に
形成した。基板の搬送速度は1500mm/分で8時間
連続成膜を行なった。
【0177】その結果、酸化亜鉛作製時の打痕発生数
は、480分にわたって60分毎に行った1分間の目視
観察において、開始から終了まで確認されなかった。
【0178】(実施例9)実験には図17に示すロール
・ツー・ロール装置を用いた。あらかじめ、ロール状の
SUS430 2Dに金属層をロール対応のDCマグネ
トロンスパッタ装置により銀800nm(8000Å)
堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネトロン
スパッタ装置により200nm(2000Å)の酸化亜
鉛薄膜を堆積した長尺基板703上に電析による酸化亜
鉛層を形成した。
【0179】長尺基板703は搬送ローラーを経て、電
析槽701に搬送される。電析浴702は、硝酸亜鉛
0.2mol/l、デキストリン1.0g/lを含んで
なり、浴中を撹拌するために噴流管712により液循環
処理がなされている。液温は83℃の温度に保たれてお
り、pHは4.0〜6.0に保持される。アノード70
5〜709には亜鉛板(350mm×150mm)が用
いられており、ロール状の長尺基板703を負側の電極
として、正側の電極705〜709と負側の電極703
との間でそれぞれ10.0mA/cm2(1.0A/d
2)通電し、さらに裏面膜付着防止電極713を負側
の電極として、長尺基板703を正側の電極として、正
側の電極703と負側の電極713との間隔を20mm
にセットし、50.0mA/cm2(5.0A/dm2
通電した。
【0180】ここで、長尺基板搬送中の基板に付着する
落下物またはダストを排除する手段として、長尺基板搬
送方向に対向して図16(c)に示したような円弧状に
圧縮空気を吹き付けるシャワー906を、裏面膜付着防
止電極通過後に最初に裏面に触れるローラーの手前に長
尺基板703に対して45度の角度で噴射するように設
置し、さらに裏面膜付着防止電極通過後に最初に成膜面
に触れるローラーの手前に図16(a)に示したような
一字型に浴を吹き付けるシャワー904を基板に対して
30度の角度に噴射するように設置した。この場合の各
シャワーに開けた穴の直径は2mm、穴の間隔は20m
mに設置し、圧縮空気、浴の流量はそれぞれ、250N
L/分と3L/分の流量に設定した。
【0181】膜厚2.0μmの酸化亜鉛薄膜を連続的に
形成した。基板の搬送速度は1500mm/分で8時間
連続成膜を行なった。
【0182】その結果、酸化亜鉛作製時の打痕発生数
は、480分にわたって60分毎に行った1分間の目視
観察において、開始から終了まで確認されなかった。
【0183】作製したサンプルの成膜開始直後部から1
00m間隔で終了直前部までの8枚のサンプルを切り出
して、JIS塗料に規定の碁盤目テープ法を用いて、膜
の密着性、剥れを測定した。以上の評価結果を表4に示
す。
【0184】(比較例4)長尺基板搬送中の基板に付着
する落下物またはダストを排除するシャワーを用いない
以外は実施例9と同様に酸化亜鉛薄膜を形成した。
【0185】酸化亜鉛薄膜作製時の打痕発生数は、48
0分にわたって60分毎に行った1分間の目視観察にお
いて、開始直後は0個、2時間後から次第に増えはじめ
終了直前は110個であった。
【0186】作製したサンプルの成膜開始直後部から1
00m間隔で終了直前部までの8枚のサンプルを切り出
して、JIS塗料に規定の碁盤目テープ法を用いて、膜
の密着性、剥れを測定した。以上の評価結果を表4に示
す。
【0187】
【表4】
【0188】 (碁盤目テープ法の評価点数) 10点(満点) 剥れなし 8点 わずかな剥れあり、欠損部の面積は全体の5%以内 6点 剥れあり、欠損部の面積は全体の5〜15%
【0189】表4より以下の事が言える。
【0190】本発明による、基板に付着する落下物また
はダストを排除する手段を設けた電析装置は、成膜開始
部分から成膜終了部分まで打痕が無いため、膜中に亀裂
の無い密着力が大きい、高品質な酸化亜鉛薄膜を作製す
ることができる。
【0191】(実施例10)実験には図17に示すロー
ル・ツー・ロール装置を用いた。あらかじめ、ロール状
のSUS430 2Dに金属層をロール対応のDCマグ
ネトロンスパッタ装置により銀800nm(8000
Å)堆積し、その上に同様のロール対応のDCマグネト
ロンスパッタ装置により200nm(2000Å)の酸
化亜鉛薄膜を堆積した長尺基板703上に電析による酸
化亜鉛層を形成した。
【0192】長尺基板703は搬送ローラーを経て、電
析槽701に搬送される。電析浴702は、硝酸亜鉛
0.22mol/l、デキストリン1.0g/lを含ん
でなり、浴中を撹拌するために噴流管712により液循
環処理がなされている。液温は83℃の温度に保たれて
おり、pHは4.0〜6.0に保持される。アノード7
05〜709には亜鉛板(350mm×150mm)が
用いられており、ロール状の長尺基板703を負側の電
極として、正側の電極705〜709と負側の電極70
3との間でそれぞれ10.0mA/cm2(1.0A/
dm2)通電し、さらに裏面膜付着防止電極713を負
側の電極として、長尺基板703を正側の電極として、
正側の電極703と負側の電極713との間隔を20m
mにセットし、50.0mA/cm2(5.0A/d
2)通電した。
【0193】ここで、長尺基板搬送中の基板に付着する
落下物またはダストを排除する手段として、長尺基板搬
送方向に対向して図16(c)に示したような円弧状に
圧縮空気を吹き付けるシャワー906を、裏面膜付着防
止電極通過後に最初に裏面に触れるローラーの手前に長
尺基板703に対して40度の角度で噴射するように設
置し、さらに裏面膜付着防止電極通過後に最初に成膜面
に触れるローラーの手前に図16(a)に示したような
一字型に浴を吹き付けるシャワー904を基板に対して
25度の角度に噴射するように設置した。この場合の各
シャワーに開けた穴の直径は2.5mm、穴の間隔は1
5mmに設置し、圧縮空気、浴の流量はそれぞれ、30
0NL/分(NL/分とは一分間に気体標準状態で何リ
ットル流れるかの単位)と4L/分の流量に設定した。
【0194】膜厚2.0μmの酸化亜鉛薄膜を連続的に
形成した。基板の搬送速度は1500mm/分で8時間
連続成膜を行なった。
【0195】その結果、酸化亜鉛作製時の打痕発生数
は、480分にわたって60分毎に行った1分間の目視
観察において、開始から終了まで確認されなかった。
【0196】次に、以上のようにして作製した酸化亜鉛
薄膜を有する基板を用いて、図18に示すような概略断
面構造を有する光起電力素子を作製した。尚、図18に
おいて、101は支持体(SUS基板)、102は金属
層(銀800nm)、103aはスパッタによって作製
された酸化亜鉛層(200nm)、103は上述の電析
によって作製された酸化亜鉛層、104は半導体層、1
05は透明電極層、106は集電電極層である。
【0197】まず、トリプル構造の半導体層104をロ
ール対応のCVD装置にて形成した。具体的には、まず
SiH4とPH3と水素の混合ガスを用い、基板(支持体
101およびその上に形成した金属層102と酸化亜鉛
層103aと電析によって作製された酸化亜鉛層10
3)を340℃に加熱し、400WのRFを投入してn
型層を形成し、次にSiH4とGeH4と水素の混合ガス
を用い、基板温度を450℃としてマイクロ波を投入し
てi層を形成し、更に基板温度を250℃として、BF
3とSiH4と水素の混合ガスからp型層を形成し、ボト
ムnip層とした。続いてi層におけるSiH4とGe
4の混合比を変えて、同様の手順にて、ミドルnip
層を形成し、更に同様の手順でi層をSiH4と水素か
ら堆積してトップnip層を形成した。
【0198】この後、ロール対応スパッタ装置にてIT
Oを透明導電層105として堆積せしめ、さらに銀ペー
ストで集電電極106を作製した。
【0199】作製したサンプルの酸化亜鉛電解析出直後
と、終了直前部の素子をソーラーシュミレーター(AM
1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用い
て変換効率、生存率を測定した。さらに、この素子を加
速試験としてHH試験(温度85度湿度85%の環境下
の環境試験箱に1000時間投入)を行い、試験前後で
の変換効率を測定した。以上の結果を表5に示す。
【0200】(比較例5)長尺基板搬送中の基板に付着
する落下物またはダストを排除するシャワー906およ
びシャワー904を用いない以外は実施例10と同様に
酸化亜鉛薄膜を形成し、素子とした。
【0201】電解析出による酸化亜鉛作製時の打痕発生
数は、480分にわたって60分毎に行った1分間の目
視観察において、開始直後は0個、2時間後から次第に
増えはじめ終了直前は120個であった。
【0202】また、作製したサンプルの酸化亜鉛電解析
出直後と、終了直前部の素子をソーラーシュミレーター
(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)
を用いて変換効率、生存率を測定した。さらに、この素
子を加速試験としてHH試験(温度85度湿度85%の
環境下の環境試験箱に1000時間投入)を行い、試験
前後での変換効率を測定した。以上の結果を表5に示
す。
【0203】
【表5】
【0204】光電変換効率:実施例10の電解析出開始
直後(0m)の光電変換効率を1としたときの相対値 生存率 :50mm角の大きさの中に0.25cm
2のサブセルを25個作製したときの、良品サンプルの
比率。 変化率 :(HH試験後の光電変換効率/HH試験
開始前の光電変換効率)×100
【0205】表5より以下の事が言える。
【0206】初期の光電変換効率には特に差は無かった
が、酸化亜鉛薄膜作製時に本発明の基板に付着する落下
物またはダストを排除する手段を設けずに作製した比較
例5では、電解析出開始直後と終了直前のサンプルで生
存率、HH試験後の光電変換効率が低下した。これは、
基板に打痕がある為に酸化亜鉛薄膜中に亀裂が生じてい
た事が原因と考えられる。
【0207】本発明による酸化亜鉛薄膜作成時に基板に
付着する落下物またはダストを排除する手段を設けて作
製した、打痕の無い基板を用いた実施例10のサンプル
では、電解析出開始直後と終了直前のサンプルで生存
率、HH試験前後の光電変換効率に差が殆ど無く、ロー
ル・ツー・ロール形式において長時間にわたり信頼性の
高い優れた素子を作製できた。
【0208】
【発明の効果】本発明によれば、裏面膜付着防止電極等
から発生する膜片等の落下物およびダスト等の吸着物
が、長尺基板へ付着し、ローラーで押しつぶされて発生
する打痕が無く、且つ、膜への亀裂および、膜剥れの無
い、高品質な酸化亜鉛膜を連続的に長時間形成すること
ができる。また、落下物またはダストがローラーに巻き
込まれなくなることで、ローラー表面へのへこみ、傷を
防止して、装置に与えるダメージを大幅に低減できる。
さらに打痕発生部分が無くなることによって歩留が向上
し、コスト低減が図れる。
【0209】また、この酸化亜鉛形成技術を裏面反射層
を形成する技術として太陽電池作成プロセスに導入する
事により、太陽電池の短絡電流密度、変換効率の増加、
さらに生存率及び信頼性を向上させることができる。ま
たスパッタ法や蒸着法と比べて材料コスト、ランニング
コストが非常に低くできるため、太陽光発電の本格的な
普及に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を利用して作製される光起電力素子の一
例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の電析装置の一例を示す断面構成図であ
る。
【図3】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図4】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図5】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図6】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図7】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図8】図2で示した断面構成図の部分拡大図である。
【図9】図2で示した装置の排気ダクト系の一例を示す
断面模式図である。
【図10】本発明の電析装置の一例を示す模式的断面図
である。
【図11】本発明の電析装置の一例を示す模式的断面図
である。
【図12】本発明で用いる粒子を排除する機構の一例を
示す模式的な平面図及び断面図である。
【図13】本発明で用いる粒子を排除する機構の一例を
示す模式的な平面図及び断面図である。
【図14】本発明の電析装置の一例を示す模式的断面図
である。
【図15】本発明で用いる粒子を排除する機構の一例を
示す模式的断面図である。
【図16】本発明で用いる粒子を排除する機構の一例を
示す模式的平面図である。
【図17】本発明の電析装置の一例を示す模式的断面図
である。
【図18】本発明を利用して作製される光起電力素子の
一例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
101 支持体 102 金属層 103 酸化亜鉛層 104 半導体層 105 透明電極層 106 集電電極層 301 耐腐食容器 302 水溶液 303 導電性基体 304 対向電極 305、315 電源 306、316 負荷抵抗 307 射出口 308 吸入口 309 吸入溶液パイプ 310 射出溶液パイプ 311 溶液循環ポンプ 312 ヒータ 313 温度計 314 膜付着防止電極 401 送り出しローラー 402 巻き取りローラー 403 支持体ロール 404 搬送ローラー 405 酸化亜鉛形成浴 406 酸化亜鉛形成槽 407 水洗浴 408 水洗槽 409 対向電極 410 裏面膜付着防止電極 411、412 電源 413 水洗シャワー 414 乾燥炉 415 落下粒子排除機構 501、601 裏面膜付着防止電極 502、602 落下粒子排除機構 503、603 ローラー 504、604 長尺基板 701 電析槽 702 電析浴 703 長尺基板 704 給電ローラー 705、706、707、708、709 アノード 710 基板送り出しローラー 711 基板巻き取りローラー 712a 噴流管 712b 噴流管(基板に付着した落下物またはダスト
を排除する手段) 713 裏面膜付着防止電極 714 水洗槽 715 水洗シャワー 716 エアーナイフ 717 加熱ランプ 801 反射板 901 長尺基板 902 搬送ローラー 903 裏面膜付着防止電極 904 一字型シャワー 905 V字型シャワー 906 円弧型シャワー 2001 巻出装置長尺基板ボビン 2002 巻出装置インターリーフ巻取りボビン 2003 巻出装置繰出し調整ローラー 2004 巻出装置方向転換ローラー 2005 巻出装置排出ローラー 2006 長尺基板 2007 巻取りインターリーフ 2008 インターリーフ巻取り方向 2009 巻出装置長尺基板ボビン回転方向 2010 長尺基板巻出し方向 2011 巻出装置クリーンブース 2012 巻出装置 2013 電析槽入口折返しローラー 2014 第一電析槽進入ローラー 2015 第一電析槽退出ローラー 2016 電析槽間折返しローラー 2017 電析槽入口折返しローラーカバー 2018 第一電析浴保持槽カバー 2019 電析槽間カバー 2020 電析水洗系排気ダクト 2021 第一電析槽上流排気口 2022 第一電析槽中流排気口 2023 第一電析槽下流排気口 2024 第一電析槽オーバーフロー戻り口 2025 第一電析浴浴面 2026〜2049 第一電析槽アノード 2054〜2059 第一電析槽アノード載置台 2060 第一電析槽落下粒子排除機構 2061 第一電析槽裏面膜付着防止電極 2062 第一電析槽撹拌空気導入管 2063 第一電析槽上流循環噴流管 2064 第一電析槽下流循環噴流管 2065 第一電析浴保持槽 2066 第一電析槽 2067 第一電析槽出口シャワー 2068 第二電析槽入口シャワー 2069 第二電析槽進入ローラー 2070 第二電析槽退出ローラー 2071 第二電析槽上流排気口 2072 第二電析槽中流排気口 2073 第二電析槽下流排気口 2074 第二電析浴浴面 2075 第二電析槽オーバーフロー戻り口 2076〜2099 第二電析槽アノード 2104〜2109 第二電析槽アノード載置台 2110 第二電析槽落下粒子排除機構 2111 第二電析槽裏面膜付着防止電極 2112 第二電析槽撹拌空気導入管 2113 第二電析槽上流還流噴流管 2114 第二電析槽下流還流噴流管 2115 第二電析浴保持槽 2116 第二電析槽 2117 第一電析槽オーバーフロー戻り路 2118 第一電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フラン
ジ 2119 第一電析槽オーバーフロー戻り方向 2120 第一循環槽 2121 第一循環槽加熱貯槽 2122〜2129 第一循環槽ヒーター 2130 第一循環槽電析浴上流循環元バルブ 2131 第一循環槽電析浴上流循環方向 2132 第一循環槽電析浴上流循環ポンプ 2133 第一循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2134 第一循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ 2135 第一循環槽電析浴上流循環バルブ 2136 第一循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイ
プ 2137 第一循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管 2138 第二電析浴保持槽カバー 2139 第一循環槽電析浴下流循環元バルブ 2140 第一循環槽電析浴下流循環方向 2141 第一循環槽電析浴下流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2142 第一循環槽電析浴下流循環ポンプ 2143 第一循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ 2144 第一排液槽排液貯槽 2145 第一循環槽電析浴下流循環バルブ 2146 第一循環槽電析浴バイパス循環フレキシブル
パイプ 2147 第一循環槽電析浴バイパス循環バルブ 2148 第一循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイ
プ 2149 第一循環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管 2150 第一循環槽出ロシャワーバルブ 2151 第一電析槽フィルター循環戻りフレキシブル
パイプ 2152 第一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁
配管 2153 第一電析槽排水バルブ 2154 第一電析槽フィルター循環元バルブ 2155 第一電析槽フィルター循環方向 2156 第一電析槽フィルター循環サクションフィル
ター 2157 第一電析槽フィルター循環ポンプ 2158 第一電析槽フィルター循環ポンプバイパスバ
ルブ 2159 第一電析槽フィルター循環圧力スイッチ 2160 第一電析槽フィルター循環圧力ゲージ 2161 第一電析槽フィルター循環フィルター 2162 第一電析槽フィルター循環方向 2163 第一電析槽フィルター循環方向 2164 第一電析槽フィルター循環フレキシブルパイ
プ 2165 第一電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管 2166 第一電析槽フィルター循環バルブ 2167 第一電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ 2168 第一電析槽フィルター循環系電析浴中流戻り
バルブ 2169 第一電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ 2170 第一排液槽空気抜きバルブ 2171 第一排液槽空気抜き 2172 第一排液槽 2173 第一排液槽排水バルブ 2174 第一排液槽排液回収バルブ 2175 排液回収元バルブ 2176 排液回収サクションフィルター 2177 排液回収ポンプ 2178 排液回収口 2179 排液槽共通排水口 2180 第二排液槽排水バルブ 2181 第二排液槽排液回収バルブ 2182 圧搾空気導入口 2183 電析浴撹拌用圧搾空気圧力スイッチ 2184 第一電析槽圧搾空気導入方向 2185 第一電析槽圧搾空気元バルブ 2186 第一電析槽圧搾空気流量計 2187 第一電析槽圧搾空気レギュレーター 2188 第一電析槽圧搾空気ミストセパレーター 2189 第一電析槽圧搾空気導入バルブ 2190 第一電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ 2191 第一電析槽圧搾空気絶縁配管 2192 第一電析槽撹拌空気下流側制御バルブ 2193 第一電析槽撹拌空気上流側制御バルブ 2194 第二電析槽圧搾空気導入方向 2195 第二電析槽圧搾空気元バルブ 2196 第二電析槽圧搾空気流量計 2197 第二電析槽圧搾空気レギュレーター 2198 第二電析槽圧搾空気ミストセパレーター 2199 第二電析槽圧搾空気導入バルブ 2200 第二電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ 2201 第二電析槽圧搾空気絶縁配管 2202 第二電析槽撹拌空気上流側制御バルブ 2203 電析槽系純水導入口 2204 電析槽系純水導入バルブ 2205 第一加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2206 第一加熱貯槽純水導入バルブ 2207 第一電析槽純水導入バルブ 2208 第一電析槽純水導入絶縁配管 2209 第二加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2210 第二加熱貯槽純水導入バルブ 2211 第二電析槽純水導入バルブ 2212 第二電析槽純水導入絶縁配管 2213 電析槽予備導入口 2214 電析槽予備導入バルブ 2215 第一電析槽予備導入バルブ 2216 第一電析槽予備導入絶縁配管 2217 第二電析槽予備導入バルブ 2218 第二電析槽予備導入絶縁配管 2219 第二電析槽オーバーフロー戻り路 2220 第二電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フラン
ジ 2221 第二電析槽オーバーフロー戻り方向 2222 第二循環槽 2223 第二循環槽加熱貯槽 2224〜2231 第二循環槽ヒーター 2232 第二循環槽電析浴上流循環元バルブ 2233 第二循環槽電析浴上流循環方向 2234 第二循環槽電析浴上流循環ポンプ 2235 第二循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2236 第二循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ 2237 第二循環槽電析浴上流循環バルブ 2238 第二循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイ
プ 2239 第二循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管 2240 第二循環槽入ロシャワーフレキシブルパイプ 2241 第二循環槽入ロシャワーバルブ 2242 第二循環槽電析浴下流循環元バルブ 2243 第二循環槽電析浴下流循環方向 2244 第二循環槽電析浴下流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2245 第二循環槽電析浴下流循環ポンプ 2246 第二循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ 2247 第二循環槽電析浴下流循環バルブ 2248 第二循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイ
プ 2249 第二循環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管 2250 第二循環槽電析浴バイパス循環フレキシブル
パイプ 2251 第二循環槽電析浴バイパス循環バルブ 2252 第二電析槽出ロシャワーバルブ 2253 第二電析槽フィルター循環戻りフレキシブル
パイプ 2254 第二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁
配管 2255 第二電析槽排水バルブ 2256 第二電析槽フィルター循環元バルブ 2257 第二電析槽フィルター循環方向 2258 第二電析槽フィルター循環サクションフィル
ター 2259 第二電析槽フィルター循環ポンプバイパスバ
ルブ 2260 第二電析槽フィルター循環ポンプ 2261 第二電析槽フィルター循環圧力スイッチ 2262 第二電析槽フィルター循環圧力ゲージ 2263 第二電析槽フィルター循環フィルター 2264 第二電析槽フィルター循環方向 2265 第二電析槽フィルター循環方向 2266 第二電析槽フィルター循環フレキシブルパイ
プ 2267 第二電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管 2268 第二電析槽フィルター循環バルブ 2269 第二電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ 2270 第二電析槽フィルター循環系電析浴中流戻り
バルブ 2271 第二電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ 2272 第二電析槽撹拌空気下流側制御バルブ 2273 第二排液槽排液貯槽 2274 第二排液槽 2275 第二排液槽空気抜きバルブ 2276 第二排液槽空気抜き 2277 第一排液槽排液貯槽上蓋 2278 第二排液槽排液貯槽上蓋 2279 純水シャワー槽折返し進入ローラー 2280 純水シャワー槽ローラー 2281 第一温水槽折返し進入ローラー 2282 第一温水槽ローラー 2283 第二温水槽折返し進入ローラー 2284 第二温水槽ローラー 2285 乾燥折返しローラー 2286 巻取装置進入ローラー 2287 巻取装置方向転換ローラー 2288 巻取り調整ローラー 2289 長尺基板巻上げボビン 2290 インターリーフ繰出しボビン 2292 長尺基板巻取り方向 2293 長尺基板巻取りボビン回転方向 2294 インターリーフ繰出しボビン回転方向 2295 巻取装置クリーンブース 2296 巻取装置 2297 第二電析槽出口シャワー 2298 純水シャワー槽裏面ブラシ 2299 純水シャワー槽入口表面純水シャワー 2300 純水シャワー槽入口裏面純水シャワー 2301 純水シャワー槽排気口 2302 純水シャワー槽出口裏面純水シャワー 2303 純水シャワー槽出口表面純水シャワー 2304 第一温水槽温水保温ヒーター 2305 第一温水槽排気口 2306 第一温水槽超音波源 2307 第二温水槽温水保温ヒーター 2308 第二温水槽排気口 2309 第二温水槽出口裏面純水シャワー 2310 第二温水槽出口表面純水シャワー 2311 乾燥部入口裏面エアーナイフ 2312 乾燥部入口表面エアーナイフ 2313 IRランプ 2314 乾燥部排気口 2315 純水シャワー槽受け槽 2316 第一温水槽温水保持槽 2317 第二温水槽温水保持槽 2318 純水シャワー槽折返し進入ローラーカバー 2319 第一温水槽折返し進入ローラーカバー 2320 第二温水槽折返し進入ローラーカバー 2321 乾燥部カバー 2322 温水槽間連結管 2323 純水シャワー槽純水シャワー供給元バルブ 2324 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプバイ
パスバルブ 2325 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプ 2326 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力スイッ
チ 2327 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力ゲージ 2328 純水シャワー槽純水シャワー供給カートリッ
ジ式フィルター 2329 純水シャワー槽純水シャワー供給流量計 2330 純水シャワー槽入口表面純水シャワーバルブ 2331 純水シャワー槽入口裏面純水シャワーバルブ 2332 純水シャワー槽出口裏面純水シャワーバルブ 2333 純水シャワー槽出口表面純水シャワーバルブ 2334 第一温水槽温水保持槽排水バルブ 2335 第二温水槽温水保持槽排水バルブ 2336 水洗系排水 2337 水洗系純水口 2338 水洗系純水供給元バルブ 2339 純水加熱槽 2340〜2343 純水加熱槽純水加熱ヒーター 2344 純水加熱槽純水送出バルブ 2345 純水加熱槽純水送出ポンプバイパスバルブ 2346 純水加熱槽純水送出ポンプ 2347 純水加熱槽圧力スイッチ 2348 純水加熱槽圧力ゲージ 2349 純水加熱槽カートリッジ式フィルター 2350 純水加熱槽流量計 2351 第二温水槽出口裏面シャワーバルブ 2352 第二温水槽出口表面シャワーバルブ 2353 乾燥系圧搾空気導入口 2354 乾燥系圧搾空気圧力スイッチ 2355 乾燥系圧搾空気フィルターレギュレーター 2356 乾燥系圧搾空気ミストセパレータ 2357 乾燥系圧搾空気供給バルブ 2358 乾燥部入口裏面エアナイフバルブ 2359 乾燥部入口表面エアナイフバルブ 2360 純水シャワー槽 2361 第一温水槽 2362 第二温水槽 2363 乾燥部 2364 電析水洗系排気ダクト水洗側絶縁フランジ 2365 電析水洗系排気ダクト基幹絶縁フランジ 2366 電析水洗系排気ダクト凝縮器 2367 電析水洗系排気ダクト熱交換グリッド 2368 電析水洗系排気ダクト凝縮器排水ドレイン 2369 電析水洗系排気 2370 乾燥系排気ダクト 2371 乾燥系凝縮器 2372 乾燥系熱交換グリッド 2373 乾燥系凝縮器排水ドレイン 2374 乾燥系排気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 荒尾 浩三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 BA11 BA14 BA17 CB27 FA02 FA23 5G323 BA05 BB06

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電析浴中に長尺基板と対向電極と裏面膜
    付着防止電極を設け、電位の関係が、対向電極>長尺基
    板>裏面膜付着防止電極となるように通電して前記長尺
    基板を搬送しながら該長尺基板上に酸化亜鉛膜を作製す
    る方法において、該長尺基板上から粒子を排除する工程
    を有することを特徴とする酸化亜鉛膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記粒子の排除を絶縁材料からなる部材
    によって行うことを特徴とする請求項1に記載の酸化亜
    鉛膜の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子の排除を、前記長尺基板の搬送
    方向と直角でない方向に長手方向が向くように配置した
    部材を前記長尺基板に当接することによって、前記粒子
    を長尺基板の搬送方向とは異なる向きに移動させること
    によって行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    酸化亜鉛膜の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記粒子が前記裏面膜付着防止電極から
    剥離したものであることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の酸化亜鉛膜の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記粒子が浴中に浮遊しているダストで
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の酸化亜鉛膜の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記粒子の排除を、前記電析浴の対流に
    よって行うことを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛
    膜の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記対流の向きが前記長尺基板の搬送の
    向きとは異なる向きに前記電析浴を対流させ、前記粒子
    を長尺基板の搬送の向きとは異なる向きに移動させるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の酸化亜鉛膜の作製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記粒子の排除を、前記長尺基板に液体
    又は気体を吹き付けることによって行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の酸化亜鉛膜の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記液体又は気体を吹き付ける向きを前
    記長尺基板の搬送の向きとは異なる向きとすることによ
    って、前記粒子を前記長尺基板の搬送の向きとは異なる
    向きに移動させることを特徴とする請求項8に記載の酸
    化亜鉛膜の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記粒子の排除を、前記長尺基板が前
    記裏面膜付着防止電極と対向する領域を通過した後、該
    長尺基板が該長尺基板を搬送する機構と接触する前に行
    うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    酸化亜鉛膜の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記長尺基板を搬送する機構がローラ
    ーであることを特徴とする請求項10に記載の酸化亜鉛
    膜の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記長尺基板として、最表面にスパッ
    タリングで酸化亜鉛膜を形成した長尺基板を用いること
    を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の酸化
    亜鉛膜の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    酸化亜鉛膜の作製方法で酸化亜鉛膜を作製する工程と、
    該酸化亜鉛膜上に半導体層を形成する工程とを少なくと
    も有する光起電力素子の作製方法。
  14. 【請求項14】 電析浴を保持するための電析槽と、長
    尺基板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、裏
    面膜付着防止電極と、電位の関係が、対向電極>長尺基
    板>裏面膜付着防止電極となるように通電するための電
    源及び配線と、を有する酸化亜鉛膜の作製装置におい
    て、前記長尺基板上から粒子を排除する機構を有するこ
    とを特徴とする酸化亜鉛膜の作製装置。
  15. 【請求項15】 前記粒子を排除する機構が、絶縁性の
    部材からなることを特徴とする請求項14に記載の酸化
    亜鉛膜の作製装置。
  16. 【請求項16】 前記粒子を排除する機構が、前記長尺
    基板の搬送方向と直角でない方向に長手方向が向くよう
    に配置され前記長尺基板に当接する部材からなることを
    特徴とする請求項14又は15に記載の酸化亜鉛膜の作
    製装置。
  17. 【請求項17】 前記粒子を排除する機構が、前記電析
    浴を対流させる機構からなることを特徴とする請求項1
    4に記載の酸化亜鉛膜の作製装置。
  18. 【請求項18】 前記電析浴を対流させる機構が、前記
    長尺基板の搬送の向きとは異なる向きに電析浴を対流さ
    せることを特徴とする請求項17に記載の酸化亜鉛膜の
    作製装置。
  19. 【請求項19】 前記粒子を排除する機構が、前記長尺
    基板に液体又は気体を吹き付ける機構からなることを特
    徴とする請求項14に記載の酸化亜鉛膜の作製装置。
  20. 【請求項20】 前記液体又は気体を吹き付ける向きが
    前記長尺基板の搬送の向きとは異なることを特徴とする
    請求項19に記載の酸化亜鉛膜の作製装置。
  21. 【請求項21】 前記長尺基板が前記裏面膜付着防止電
    極と対向する領域と、該長尺基板が該領域を通過した後
    に最初に接触する基板の搬送機構との間に前記粒子を排
    除する機構を有することを特徴とする請求項14乃至2
    0のいずれかに記載の酸化亜鉛膜の作製装置。
  22. 【請求項22】 前記基板の搬送機構がローラーである
    ことを特徴とする請求項21に記載の酸化亜鉛膜の作製
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項14乃至22のいずれかに記載
    の酸化亜鉛膜の作製装置と、プラズマCVD法によって
    半導体層を形成する半導体層の形成装置と、を少なくと
    も有する光起電力素子の作製装置。
  24. 【請求項24】 電析浴中で長尺基板を搬送しながら該
    長尺基板上に酸化亜鉛膜を作製する方法において、該長
    尺基板上から粒子を排除する工程を有することを特徴と
    する酸化亜鉛膜の作製方法。
  25. 【請求項25】 電析浴中で基板を搬送する工程と、該
    基板上に酸化亜鉛膜を作製する工程とを有する酸化亜鉛
    膜の作製方法において、前記基板上から粒子を排除する
    工程を有することを特徴とする酸化亜鉛膜の作製方法。
  26. 【請求項26】 電析浴中に長尺基板と対向電極と裏面
    膜付着防止電極を設け、電位の関係が、対向電極>長尺
    基板>裏面膜付着防止電極となるように通電して前記長
    尺基板を搬送しながら該長尺基板上に膜を作製する電析
    方法において、該長尺基板上から粒子を排除する工程を
    有することを特徴とする電析方法。
  27. 【請求項27】 電析浴中で長尺基板を搬送しながら該
    長尺基板上に膜を作製する電析方法において、該長尺基
    板上から粒子を排除する工程を有することを特徴とする
    電析方法。
  28. 【請求項28】 電析浴中で基板を搬送する工程と、該
    基板上に膜を作製する工程とを有する電析方法におい
    て、前記基板上から粒子を排除する工程を有することを
    特徴とする電析方法。
  29. 【請求項29】 電析浴を保持するための電析槽と、長
    尺基板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を
    有する酸化亜鉛膜の作製装置において、前記長尺基板上
    から粒子を排除する機構を有することを特徴とする酸化
    亜鉛膜の作製装置。
  30. 【請求項30】 電析浴を保持するための電析槽と、基
    板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を有す
    る酸化亜鉛膜の作製装置において、前記基板上から粒子
    を排除する機構を有することを特徴とする酸化亜鉛膜の
    作製装置。
  31. 【請求項31】 電析浴を保持するための電析槽と、長
    尺基板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、裏
    面膜付着防止電極と、電位の関係が、対向電極>長尺基
    板>裏面膜付着防止電極となるように通電するための電
    源及び配線と、を有する電析装置において、前記長尺基
    板上から粒子を排除する機構を有することを特徴とする
    電析装置。
  32. 【請求項32】 電析浴を保持するための電析槽と、長
    尺基板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を
    有する電析装置において、前記長尺基板上から粒子を排
    除する機構を有することを特徴とする電析装置。
  33. 【請求項33】 電析浴を保持するための電析槽と、基
    板を保持しながら搬送する機構と、対向電極と、を有す
    る電析装置において、前記基板上から粒子を排除する機
    構を有することを特徴とする電析装置。
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