JP2000144488A - 電析装置 - Google Patents

電析装置

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JP2000144488A
JP2000144488A JP10320151A JP32015198A JP2000144488A JP 2000144488 A JP2000144488 A JP 2000144488A JP 10320151 A JP10320151 A JP 10320151A JP 32015198 A JP32015198 A JP 32015198A JP 2000144488 A JP2000144488 A JP 2000144488A
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tank
circulation
bath
valve
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JP10320151A
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Kozo Arao
浩三 荒尾
Jo Toyama
上 遠山
Yuichi Sonoda
雄一 園田
Yusuke Miyamoto
祐介 宮本
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺基板上に、太陽電池の透明導電層として
有効で、十分な膜厚を有する酸化亜鉛を堆積せしめるこ
とが可能であるとともに、複数の電析条件による膜を積
層した透明導電層を堆積せしめることが可能な電析装置
を提供する。 【解決手段】 基板上に酸化亜鉛膜を堆積するための電
析装置において、酸化亜鉛を電気化学的に堆積せしめる
電析浴を保持する電析槽2066,2166と、該電析
槽2066,2166に対してそれぞれの電析浴を所定
温度に加熱して送る循環槽2120,2222と、前記
電析槽2066,2166と前記循環槽2120,22
22とで保持する全電析浴を一度に溜めることのできる
独立した排液槽2172,2274との組み合わせを複
数有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化亜鉛層、特に
太陽電池下引き層に適用する光閉込め効果を有する凹凸
を備えた酸化亜鉛膜を、電析法で形成するための電析装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、機能膜の堆積には、抵抗加熱
蒸着法、CVD法、スパッタ法、スプレー熱分解法、電
析法等のいくつかの方法があった。
【0003】このうち、水溶液に溶け込んだ材料を電気
化学的に基板に堆積する電析法(Electropla
ting…「めっき」と同義。「湿式プロセス」に含ま
れる)は、装置コストが安価となって償却費を低減する
ことができ、材料費が安価となり、さらにはスループッ
トの向上が期待されるので、膜のコストを大幅に低減で
きる可能性がある。
【0004】このような従来の電析法では、全体として
1槽の電析槽を備えた電析装置が使用されており、この
電析槽により酸化亜鉛層が形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が検討を行ったところ、上述した従来の電析法に用
いられている電析装置のように、電析槽を1槽だけとし
たのでは、所望の膜を形成することができないことが判
明した。
【0006】図1に、このような電析法で形成される酸
化亜鉛層を有する太陽電池を示す。
【0007】この太陽電池は、図1に示すように、導電
性の基板1001上に、電析法による酸化亜鉛層よりな
る透明導電層1002、半導体層1003、透明電極層
1004を設けたものである。この太陽電池は、半導体
層1003が太陽光を受けて光起電力を発生するもの
で、透明導電層1002が光を閉じ込めて、太陽光を有
効に利用することができるようになっている。また、太
陽電池の出力は、上部の透明電極層1004と基板10
01との間に得られる。
【0008】なお、基板1001は、SUSの上にAl
やAgなどの反射性の良い金属と、別方式で形成された
薄い酸化亜鉛膜を有するものを用いることもできる。
【0009】ところで、太陽電池の透明導電層1002
は、凹凸が適度に形成されているのはもちろんである
が、ある程度の膜厚を必要とする。本発明者等の実験で
は、膜厚が数千Åから数μmであることが好ましく、特
に厚い膜厚の方が太陽電池の性能を向上させることがで
きた。ところが、数μmの膜厚の酸化亜鉛を成膜するた
めには、100Å/sという速い堆積速度であっても、
10分近い時間を要する。したがって、透明導電層10
02を成膜させる長尺基板の搬送速度が数m/minの
場合には、数十mの長さの電析経路が必要となる。
【0010】また、長尺基板に対して電析を行う場合に
は、その電析途中において、基板成膜面に当たるローラ
ーなどの部材を最小限とすることが好ましい。この場
合、電析経路を数十m確保するためには、長尺基板の搬
送経路を水平とすることが好ましく、結果として数十m
の長さの電析槽が必要となる。このような数十mの長さ
の電析槽を1槽で形成した場合には、昇温時に、長尺基
板を支持するローラーの軸が変位し搬送不良となった
り、昇降温サイクルによる膨張収縮が繰り返されて、各
所に緩みやガタが発生するので好ましくない。本発明者
等の検討では、長尺基板の水平搬送経路をもつ槽の長さ
として好ましいのは、最長でも5m程度であった。
【0011】本発明は、上述した事情に鑑み提案された
もので、長尺基板上に、太陽電池の透明導電層として有
効で、十分な膜厚を有する酸化亜鉛を堆積せしめること
が可能な電析装置を提供するを目的とする。さらに、本
発明は、太陽電池の透明導電層として有効で、複数の電
析条件による膜を積層した酸化亜鉛層を堆積せしめるこ
とが可能な電析装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る電析装置は、基板上に酸化亜鉛膜
を堆積するための電析装置において、酸化亜鉛を電気化
学的に堆積せしめる電析浴を保持する電析槽と、該電析
槽に対してそれぞれの電析浴を所定温度に加熱して送る
循環槽と、前記電析槽と前記循環槽とで保持する全電析
浴を一度に溜めることのできる独立した排液槽との組み
合わせを、複数有することを特徴とするものである。
【0013】また、電析浴の組成と加熱温度が、複数の
電析槽と循環槽と排液槽の組で等しくなるように構成し
てもよい。
【0014】また、電析浴の組成または加熱温度が、複
数の電析槽と循環槽と排液槽の組で異なるように構成し
てもよい。
【0015】また、電析浴の濃度が、複数の電析槽と循
環槽と排液槽の組で異なるように構成してもよい。
【0016】さらに、複数の電析槽と循環槽と排液槽の
組に、それぞれ攪拌空気を導入するための攪拌空気導入
手段を設け、該攪拌空気導入手段による空気攪拌の量
が、複数の電析槽と循環槽と排液槽の組で異なるように
構成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】[電析装置の主要構造]以下、本
発明に係る電析装置の実施形態を説明する。
【0018】まず、本発明に係る電析装置の主要な構造
について説明する。
【0019】本発明に係る電析装置は、主な装置とし
て、酸化亜鉛を電気化学的に堆積せしめる電析浴を保持
する電析槽と、電析槽に対してそれぞれの電析浴(電解
質溶液)を所定温度に加熱して送る循環槽と、電析槽と
循環槽とで保持する全電析浴を一度に溜めることのでき
る独立した排液槽電析槽とを二組備えている。
【0020】本発明に係る電析装置で用いられる電析槽
は、耐食性のステンレスまたは耐熱塩化ビニールあるい
はFRPなどで構成され、保温性をよくするために断熱
材を挟んだ二重構造とすることもある。電析槽は、その
内部にアノードと長尺基板との電析のために両電極を有
するため、これら両電極からの電流迷走を防ぐよう、槽
壁などの金属部が露出しない構成とするのがよく、金属
槽を用いる場合には、内部に絶縁体の内張りを設け、さ
らに、電析槽自体をフロート電位とすることが好まし
い。
【0021】また、複数の電析槽について異なる濃度の
電析浴とすることも可能である。
【0022】本発明に係る電析装置で用いられる循環槽
は、耐食性で耐熱性に優れたステンレスで構成され、ヒ
ーターが内蔵されて電析浴を加熱する。加熱の効率をよ
くするために、電析槽と同じく二重構造とすることもで
きる。また、加熱の効率をよくするために、循環槽を循
環していく電析浴が、ヒーターの周りを流れていく流れ
を形成するとよい。このためには、通常、循環槽の上部
から電析浴をもどし、下部から加熱済みの電析浴を電析
槽に送っていく構造とするのがよい。また、電析浴を電
析槽に送る経路を複数設けることにより、さらに加熱の
効率をよくすることができる。
【0023】本発明に係る電析装置で用いられる排液槽
は、少なくとも電析槽の電析浴をすべて保持できる内容
量とし、電析槽と循環槽とを合わせた電析浴の容量を保
持できるように構成されていることが、一層好ましい。
排液槽は、必ずしも耐熱性である必要はないが、緊急時
に全ての電析浴を保持する目的のためには、電析槽のよ
うに耐熱性の材料で形成することが好ましい。
【0024】本発明に係る電析装置で用いられる空気攪
拌手段は、電析浴が、電析槽内で長尺基板表面を浴交換
できるだけの電析浴の移動をもたらすもので、さらに長
尺基板を使用する場合、長尺基板面で空気溜りを形成し
ないように構成されているものとする。具体的な空気攪
拌手段としては、例えば、管に穿ったオリフィスから長
尺基板成膜面に浮力でバブルが当たるように形成するこ
とができる。この攪拌は、電析浴が常に新鮮なものとし
て長尺基板面に触れるようにするために、特に堆積速度
が大きい場合に重要となる。
【0025】なお、本発明に係る電析装置を用いて形成
する酸化亜鉛膜を含んだ太陽電池は、図1に示すものと
同様の構造を有している。
【0026】[電析装置の具体的構成]以下、図面に基
づいて、長尺基板に対して酸化亜鉛層を形成する場合に
使用する電析装置の具体的構成を詳しく説明する。
【0027】図2は、長尺基板に酸化亜鉛層を形成する
場合に使用する電析装置の具体的構成を示す構成図であ
る。また、図3〜9は、図2に示す電析装置を構成する
各装置の拡大図であり、図3は、巻出装置の拡大図、図
4は、第一電析槽及び第一循環槽の拡大図、図5は、第
二電析槽及び第二循環槽の拡大図、図6は、第一排液槽
及び第二排液槽の拡大図、図7は、純水シャワー槽、第
一温水槽、第二温水槽、乾燥部、巻取装置の拡大図、図
8は、純水加熱槽の拡大図、図9は、排気ダクト付近の
拡大図をそれぞれ示す。
【0028】図2に示すように、本発明の一実施形態に
係る電析装置は、大きく分けて、コイル状に巻かれた長
尺基板2006を送り出すための巻出装置2012、第
一の電析膜を堆積または処理せしめる第一電析槽206
6、第二の電析膜を堆積または処理せしめる第二電析槽
2116、第一電析槽2066に加熱された電析浴を循
環供給するための第一循環槽2120、第二電析槽21
16に加熱された電析浴を循環供給するための第二循環
槽2222、第一電析槽2066の電析浴を排するに際
し一旦浴を貯めるための第一排液槽2172、第二電析
槽2116の電析浴を排するに際し一旦浴を貯めるため
の第二排液槽2274、第一電析槽2066内の電析浴
内の粉を取り除き電析浴を清浄化するためのフィルター
循環系(第一電析槽フィルター循環フィルター2161
に繋がる配管系(図4に詳しく示す))、第二電析槽2
116内の電析浴内の粉を取り除き電析浴を清浄化する
ためのフィルター循環系(第二電析槽フィルター循環フ
ィルター2263を用いる配管系(図5に詳しく示
す))、第一電析槽2066と第二電析槽2116にそ
れぞれ浴攪拌用の圧搾空気を送る配管系(圧搾空気導入
口2182から始まる配管系(図4,5,6に詳しく示
す))、電析膜を堆積された長尺基板2006を純水の
シャワーで洗浄するための純水シャワー槽2360、第
一の純水リンス洗浄を行うための第一温水槽2361、
第二の純水リンス洗浄を行うための第二温水槽236
2、これら温水槽2361,2362に必要な純水の温
水を供給するための純水加熱槽2339、洗浄された長
尺基板2006を乾燥させるための乾燥部2363、膜
堆積の完了した長尺基板2006を再びコイル状に巻き
上げるための巻取装置2296、電析浴や純水の加熱段
階あるいは乾燥段階で発生する水蒸気の排気系(電析水
洗系排気ダクト2020または乾燥系排気ダクト237
0で構成される排気系(図4,5,7に詳しく示す))
とからなっている。
【0029】なお、長尺基板2006は、図2中左から
右へ向かって、巻出装置2012、第一電析槽206
6、第二電析槽2116、純水シャワー槽2360、第
一温水槽2361、第二温水槽2362、乾燥部236
3、巻取装置2296の順に流れてゆき、所定の電析膜
が堆積される。
【0030】[巻出装置]図3に示すように、巻出装置
2012には、巻出装置長尺基板ボビン2001に巻か
れたコイル状の長尺基板2006がセットされており、
巻出装置繰出し調整ローラー2003、巻出装置方向転
換ローラー2004、巻出装置排出ローラー2005を
順に経て長尺基板2006を送出してゆく。
【0031】コイル状の長尺基板2006には、殊に下
引き層が予め堆積されている場合に、基板あるいは層保
護のために、インターリーフ(合紙)が巻き込まれた形
で供給されてくる。このため、巻出装置2012には、
巻出装置インターリーフ巻取りボビン2002が設けら
れている。したがって、長尺基板2006にインターリ
ーフが巻き込まれている場合には、長尺基板2006の
繰出しとともに巻出装置インターリーフ巻取りボビン2
002にインターリーフ2007を巻き取る。長尺基板
2006の搬送方向は矢印2010で示されており、巻
出装置長尺基板ボビン2001の回転方向は矢印200
9で示されており、巻出装置インターリーフ巻取りボビ
ン2002の巻取り方向は矢印2008で示されてい
る。
【0032】巻出装置長尺基板ボビン2001から排出
される長尺基板2006と、巻出装置インターリーフ巻
取りボビン2002に巻き上げられるインターリーフ
は、それぞれ搬送開始時の位置と搬送終了時の位置で干
渉が起きないようになっている。また、巻出装置201
2全体は、防塵のため、ヘパフィルターとダウンフロー
を用いた巻出し装置クリーンブース2011で覆われた
構造となっている。
【0033】[第一電析槽]図4に示すように、第一電
析槽2066は、電析浴に対して腐食せずに電析浴を保
温できる第一電析浴保持槽2065中に、温度制御され
た電析浴が第一電析浴浴面2025となるように保持さ
れている。
【0034】この第一電析浴浴面2025の位置は、第
一電析浴保持槽2065内に設けられた仕切板(図示せ
ず)によるオーバーフローで実現されている。仕切板
は、電析浴を第一電析浴保持槽2065全体で奥側に向
かって落とすように設置されており、樋構造により第一
電析槽オーバーフロー戻り口2024に集められて溢れ
た電析浴は、第一電析槽オーバーフロー戻り路2117
を経て第一循環槽2120へ至り、ここで加熱されて、
再び第一電析槽上流循環噴流管2063と第一電析槽下
流循環噴流管2064とから第一電析浴保持槽2065
に還流され、オーバーフローを促すに足るだけの電析浴
の流入を形成する。
【0035】長尺基板2006は、電析槽入口折返しロ
ーラー2013(図3に示す)、第一電析槽進入ローラ
ー2014、第一電析槽退出ローラー2015、電析槽
間折返しローラー2016を経て、第一電析槽2066
内を通過する。第一電析槽進入ローラー2014と第一
電析槽退出ローラー2015との間では、少なくも成膜
面である長尺基板2006の下側面(以下、「表面(お
もてめん)」と記す)は、電析浴の中にあって、28個
のアノード2026〜2053と対向している。実際の
電析は、長尺基板2006に負の電位を与えるととも
に、アノード2026〜2053に正の電位を与えて、
電析浴中で両者の間に、電気化学反応を伴う電析電流を
流すことによって行う。
【0036】第一電析槽2066におけるアノード20
26〜2053は、7つのアノード載置台2054〜2
060に、各4個ずつ載置されている。各アノード載置
台2054〜2060は、絶縁板を介してそれぞれのア
ノード2026〜2053を置く構造となっており、独
立の電源から独自の電位を印加されるようになってい
る。また、アノード載置台2054〜2060は、電析
浴中で長尺基板2006とアノード2026〜2053
との間隔を保持する機能も担っている。このため、アノ
ード載置台2054〜2060は、予め決められた間隔
を保持するべく、高さ調整ができるように設計製作され
ていることが好ましい。
【0037】第一電析槽退出ローラー2015の直前に
は、第一電析槽裏面電極2061が設けられている。こ
の第一電析槽裏面電極2061は、浴中で長尺基板20
06の成膜面と反対側の面(以下、「裏面(うらめ
ん)」と記す)に堆積された膜を電気化学的に除去する
ためのもので、長尺基板2006に対して第一電析槽裏
面電極2061を負側の電位とすることで、これを実現
する。第一電析槽裏面電極2061が実際に効力を持つ
ことは、電界の回り込みによって長尺基板2006の成
膜面と反対側の裏面に電気化学的に付着する膜であっ
て、長尺基板2006の成膜面に形成されるものと同じ
材質の膜が、目視下でみるみる除去されてゆくことで確
認される。
【0038】第一電析槽退出ローラー2015を通過し
電析浴から出た長尺基板2006には、第一電析槽出口
シャワー2067から電析浴がかけられて、成膜面が乾
燥してムラを生じるのを防止している。また第一電析槽
2066と第二電析槽2116との渡り部分に設けられ
た電析槽間カバー2019も、電析浴から発生する蒸気
を閉じ込め、長尺基板2006の成膜面が乾燥するのを
防止している。さらに、第二電析槽入口シャワー208
6も同様の働きをする。
【0039】[第一循環槽]図4に示すように、第一循
環槽2120は、第一電析槽2066中の電析浴の加熱
保温ならびに噴流循環を担うものである。上述したよう
に、第一電析槽2066でオーバーフローした電析浴
は、第一電析槽オーバーフロー戻り口2024に集めら
れ、第一電析槽オーバーフロー戻り路2117を通り、
第一電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ2118
を経て、第一循環槽加熱貯槽2121へ至る。第一循環
槽加熱貯槽2121内には、8本の第一循環槽ヒーター
2122〜2129が設けられており、室温の電析浴を
初期加熱する際や、循環によって浴温が低下する電析浴
を再加熱して、電析浴を所定の温度に保持する際に機能
する。
【0040】第一循環槽加熱貯槽2121には、2つの
循環系が接続されている。すなわち、第一循環槽電析浴
上流循環元バルブ2130、第一循環槽電析浴上流循環
ポンプ2132、第一循環槽電析浴上流循環バルブ21
35、第一循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2
136、第一循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2
137を経て、第一電析槽上流循環噴流管2063から
第一電析浴保持槽2065へ戻る第一電析槽上流循環還
流系と、第一循環槽電析浴下流循環元バルブ2139、
第一循環槽電析浴下流循環ポンプ2142、第一循環槽
電析浴下流循環バルブ2145、第一循環槽電析浴下流
循環フレキシブルパイプ2148、第一循環槽電析浴下
流循環フランジ絶縁配管2149を経て、第一電析槽下
流循環噴流管2064から第一電析浴保持槽2065へ
戻る第一電析槽下流循環還流系とである。
【0041】第一電析槽上流循環噴流管2063と第一
電析槽下流循環噴流管2064とから第一電析槽206
6に戻る電析浴は、第一電析浴保持槽2065内での電
析浴の交換を効果ならしめるように、第一電析浴保持槽
2065下部に設けられた第一電析槽上流循環噴流管2
063と第一電析槽下流循環噴流管2064から、それ
ぞれの噴流管に穿かれたオリフィスを経て噴流として還
流される。
【0042】それぞれの循環還流系での還流量は、主に
第一循環槽電析浴上流循環バルブ2135または第一循
環槽電析浴下流循環バルブ2145の開閉度によって制
御され、さらに細かい調節は、第一循環槽電析浴上流循
環ポンプ2132または第一循環槽電析浴下流循環ポン
プ2142の出口と入口を短絡して接続したバイパス系
に設けられた第一循環槽電析浴上流循環ポンプバイパス
バルブ2133または第一循環槽電析浴下流循環ポンプ
バイパスバルブ2141によって制御される。
【0043】バイパス系は、還流量を少なくした場合
や、浴温が極めて沸点に近い場合に、ポンプ内でのキャ
ビテーションを防止する役目も果たしている。すなわ
ち、浴液が沸騰気化して液体を送り込めなくなるキャビ
テーションは、ポンプの寿命を著しく短くしてしまうた
め、バイパス系によりこれを防止しているのである。
【0044】第一電析槽上流循環噴流管2063と第一
電析槽下流循環噴流管2064とにオリフィスを穿って
噴流を形成する場合、還流量は、第一電析槽上流循環噴
流管2063と第一電析槽下流循環噴流管2064へ戻
す浴液の圧力によってほぼ定まる。これを知るために、
第一循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ2134と第一循
環槽電析浴下流循環圧力ゲージ2143が設けられてお
り、還流量のバランスは、これらの圧力ゲージ213
4,2143により知ることができる。
【0045】オリフィスから吹き出す還流浴液量は、正
確にはベルヌーイの定理に従うが、噴流管2963,2
064に穿ったオリフィスが数ミリ以下の径の場合に
は、第一電析槽上流循環噴流管2063ないし第一電析
槽下流循環噴流管2064全体にわたって噴流量を実質
的に一定とすることができる。さらに、還流量が十分に
大きい場合には、電析浴の交換が極めてスムーズに行わ
れるので、第一電析槽2066がかなり長くとも、電析
浴の濃度の均一化や温度の均一化を効果的に図ることが
できる。なお、第一電析槽オーバーフロー戻り路211
7は、十分な還流量を流しうる太さを有している。
【0046】それぞれの循環還流系に設けられた第一循
環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2136と第一
循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイプ2148は、
配管系の歪みを吸収するものであり、特に歪みに対して
機械的強度が不足しがちなフランジ絶縁配管などを用い
る場合には有効である。
【0047】それぞれの循環還流系に設けられた第一循
環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2137と第一循
環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管2149は、第一
電析槽オーバーフロー戻り路2117の途中に設けられ
た第一電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ211
8とともに第一循環槽2120と第一電析槽2066と
を電気的に浮かせるものである。これは、不要な電流経
路の形成を絶つことにより、迷走電流を防止して電析電
流のほとんどを電気化学的な成膜反応にいることができ
る、という本発明者等の知見に基づくものである。
【0048】一方の循環還流系には、直接第一循環槽加
熱貯槽2121へ戻る第一循環槽電析浴バイパス循環フ
レキシブルパイプ2146及び第一循環槽電析浴バイパ
ス循環バルブ2147からなるバイパス還流系が設けら
れている。このバイパス環流系は、第一電析槽2066
に浴液を還流することなく電析浴の循環を行わしめたい
場合、例えば室温から所定温度への昇温時などに用いる
ものである。
【0049】また、第一循環槽2066からの一方の循
環還流系には、第一電析槽退出ローラー2015を通過
し電析浴から出た長尺基板2006に対して、電析浴を
かけるための第一電析槽出口シャワー2067へ至る送
液系が設けられている。この送液系は、第一電析槽出口
シャワーバルブ2150を介して第一電析槽出口シャワ
ー2067へ繋がっている。第一電析槽出口シャワー2
067からの電析液噴霧量は、第一電析槽出口シャワー
バルブ2150の開閉度を調節することによって調整さ
れる。
【0050】第一循環槽加熱貯槽2121には、蓋(図
示せず)が設けられており、蒸気となって水が失われゆ
くのを防止する構造となっている。浴温が高い場合に
は、蓋の温度も高くなるので、作業の安全面から、蓋の
表面に断熱材を貼るなどの考慮が必要である。
【0051】第一電析槽電析浴中の粉体を除去するため
に、フィルター循環系が設けられている。第一電析槽2
066に対するフィルター循環系は、第一電析槽フィル
ター循環戻りフレキシブルパイプ2151、第一電析槽
フィルター循環戻りフランジ絶縁配管2152、第一電
析槽フィルター循環元バルブ2154、第一電析槽フィ
ルター循環サクションフィルター2156、第一電析槽
フィルター循環ポンプ2157、第一電析槽フィルター
循環ポンプバイパスバルブ2158、第一電析槽フィル
ター循環圧力スイッチ2159、第一電析槽フィルター
循環圧力ゲージ2160、第一電析槽フィルター循環フ
ィルター2161、第一電析槽フィルター循環フレキシ
ブルパイプ2164、第一電析槽フィルター循環フラン
ジ絶縁配管2165、第一電析槽フィルター循環バルブ
2166、第一電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ2167、第一電析槽フィルター循環系電析浴中
流戻りバルブ2168、第一電析槽フィルター循環系電
析浴下流戻りバルブ2169、からなっている。
【0052】電析浴は、この経路を第一電析槽フィルタ
ー循環方向2155、同2162、同2163の方向に
流れてゆく。除去されるべき粉体は、機外から飛び込む
こともあるし、また電析反応に応じて、電極表面や浴中
で形成されることもある。除去されるべき粉体の最小の
大きさは、第一電析槽フィルター循環フィルター216
1のフィルターサイズで定まる。
【0053】第一電析槽フィルター循環戻りフレキシブ
ルパイプ2151ならびに第一電析槽フィルター循環フ
レキシブルパイプ2164は、配管の歪みを吸収して、
配管接続部からの液漏れを極小化するとともに、機械強
度に劣る絶縁配管を保護し、ポンプを始めとする循環系
の構成部品の配置自由度を上げるためのものである。
【0054】第一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2152ならびに第一電析槽フィルター循環フラ
ンジ絶縁配管2165は、大地アースからフロートとし
た第一電析浴保持槽2065が大地アースに落ちること
を防止するため、電気的に浮かせることを目的としたも
のである。
【0055】第一電析槽フィルター循環サクションフィ
ルター2156は、いわゆる「茶漉し」のような金網で
あり、大きなごみを取り除き、後に続く第一電析槽フィ
ルター循環ポンプ2157や第一電析槽フィルター循環
フィルター2161を保護するためのものである。
【0056】第一電析槽フィルター循環フィルター21
61は、この循環系の主役であり、電析浴中に混入ある
いは発生した粉体を除去するためのものである。
【0057】本循環系の電析浴の循環流量は、主に第一
電析槽フィルター循環バルブ2166により微調整され
るとともに、従として第一電析槽フィルター循環ポンプ
2157に並列に設けられた第一電析槽フィルター循環
ポンプバイパスバルブ2158により微調整される。こ
れらのバルブ調整による循環流量を把握するために、第
一電析槽フィルター循環圧力ゲージ2160が設けられ
ている。また、第一電析槽フィルター循環ポンプバイパ
スバルブ2158は、流量の微調整の他、フィルター循
環流量全体を絞った時に、キャビテーションが発生して
第一電析槽フィルター循環ポンプ2157が破損するこ
とを防止している。
【0058】[第一排液槽]図4,6に示すように、第
一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁配管2152
を経て、第一電析槽排水バルブ2153から第一排液槽
2172へ電析浴を移送することができる。この移送
は、電析浴交換、電析装置のメンテナンス、さらには緊
急時に行われるものである。移送される排液としての電
析浴は、重力落下にて第一排液槽排液貯槽2144へ落
とされる。メンテナンスや緊急時の目的のためには、第
一排液槽排液貯槽2144が、第一電析槽2066およ
び第一循環槽2120の浴容量の合計を貯めるだけの容
量をもつことが好ましい。第一排液槽排液貯槽2144
には、第一排液槽排液貯槽上蓋2277が設置されてい
るとともに、電析浴の重力落下移送を効果的ならしめる
ために、第一排液槽空気抜き2171及び第一排液槽空
気抜きバルブ2170が設けられている。
【0059】図6に示すように、一旦、第一排液槽排液
貯槽2144に落とされた電析浴は、温度が下がった
後、第一排液槽排水バルブ2173より建物側の廃水処
理施設に送られるか、あるいは第一排液槽排液回収バル
ブ2174、排液回収元バルブ2175、排液回収サク
ションフィルター2176と排液回収ポンプ2177を
経てドラム缶(図示せず))に回収され、然るべき処分
が行われる。回収や処分に先立って、第一排液槽排液貯
槽2144内で、水による希釈や薬液による処理などを
行ってもよい。
【0060】[攪拌空気導入手段]図4に示すように、
電析浴を攪拌し電析成膜を均一化ならしめるために、第
一電析浴保持槽2065底部に設置された第一電析槽攪
拌空気導入管2062に穿った複数のオリフィスから、
空気バブルを噴出させるようになっている。
【0061】空気バブルとなる空気は、工場に供給され
る圧搾空気を圧搾空気導入口2182(図6に示す)か
ら取り込み、電析浴攪拌用圧搾空気圧力スイッチ218
3を経て、第一電析槽圧搾空気導入方向2184に示さ
れる方向で、順に第一電析槽圧搾空気元バルブ218
5、第一電析槽圧搾空気流量計2186、第一電析槽圧
搾空気レギュレーター2187、第一電析槽圧搾空気ミ
ストセパレーター2188、第一電析槽圧搾空気導入バ
ルブ2189、第一電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ
2190、第一電析槽圧搾空気絶縁配管2191、そし
て第一電析槽圧搾空気上流側制御バルブ2193または
第一電析槽圧搾空気下流側制御バルブ2192を通り第
一電析槽攪拌空気導入管2062へ至る。
【0062】電析槽間折返しローラー2016を経て第
二電析槽2116に搬送された長尺基板2006は、第
二の電析膜を堆積または処理される。第二の電析膜は第
一の電析膜と同一のものであるが、第一の電析膜と第二
の電析膜とが一つの膜を形成することもあるし、また同
じ材質ながら別の特性を付与された二層の積層であるこ
ともあるし(例えば、酸化亜鉛で粒径の異なる層の積層
など)、同じ特性を持ちながら別の材質からなる二層の
積層であることもあるし(例えば、透明導電膜として酸
化インジウムと酸化亜鉛の積層など)、あるいは全く異
なる二層の積層であることもある。
【0063】さらに、第一電析槽2066で低酸化物を
堆積し、第二電析槽2116で酸化進行処理を行った
り、第一電析槽2066で低酸化物を堆積し、第二電析
槽2116で食刻処理を行ったり、といった組み合わせ
が可能となる。
【0064】したがって、電析浴あるいは処理浴、浴温
度、浴循環量、電流密度、攪拌量等の電析または処理条
件は、それぞれの目的に合わせて選択される。例えば、
電析または処理時間を第一電析槽2066と第二電析槽
2116とで変える必要がある場合には、長尺基板20
06の通過時間を第一電析槽2066と第二電析槽21
16とで変えればよい。そのためには、第一電析槽20
66と第二電析槽2116とで槽の長さを変えたり、ま
たは長尺基板2006の折り返しを行うことで調整す
る。
【0065】[第二電析槽]図5に示すように、第二電
析槽2116は、電析浴に対して腐食せずに電析浴を保
温できる第二電析浴保持槽2115中に、温度制御され
た電析浴が第二電析浴浴面2025となるように保持さ
れている。
【0066】この第二電析浴浴面2025の位置は、第
二電析浴保持槽2115内に設けられた仕切板(図示せ
ず)によるオーバーフローで実現されている。仕切板
は、電析浴を第二電析浴保持槽2115全体で奥側に向
かって落とすように設置されており、樋構造により第二
電析槽オーバーフロー戻り口2075に集められて溢れ
た電析浴は、第二電析槽オーバーフロー戻り路2219
を経て第二循環槽2222へ至り、ここで加熱されて、
再び第二電析槽上流循環噴流管2113と第二電析槽下
流循環噴流管2114とから第二電析浴保持槽2115
へ還流され、オーバーフローを促すに足るだけの電析浴
の流入を形成する。
【0067】長尺基板2006は、電析槽間折返しロー
ラー2016(図4に示す)、第二電析槽進入ローラー
2069、第二電析槽退出ローラー2070、純水シャ
ワー槽折返し進入ローラー2279を経て、第二電析槽
2116内を通過する。
【0068】第二電析槽進入ローラー2069と第二電
析槽退出ローラー2070との間で、長尺基板2006
の表面は、電析浴の中にあって、28個の第二電析槽ア
ノード2076〜2103と対向している。実際の電析
は、長尺基板2006に負の電位を与えるとともに、ア
ノードに正の電位を与えて、電析浴中で両者の間に、電
気化学反応を伴う電析電流を流すことによって行う。
【0069】第二電析槽2116におけるアノード20
76〜2103は、7つの第二電析槽アノード載置台2
104〜2110に、各4個ずつ載置されている。アノ
ード載置台2104〜2110は、絶縁板を介してそれ
ぞれのアノード2076〜2103を置く構造となって
おり、独立の電源から独自の電位を印加されるようにな
っている。また、アノード載置台2104〜2110
は、電析浴中で長尺基板2006とアノード2076〜
2103との間隔を保持する機能も担っている。このた
め、アノード載置台2104〜2110は、予め決めら
れた間隔を保持するべく、高さ調整ができるように設計
製作されていることが好ましい。
【0070】第二電析槽退出ローラー2070の直前に
設けられた第二電析槽裏面電極2111は、電析浴中で
長尺基板2006の裏面に堆積された膜を電気化学的に
除去するためのもので、長尺基板2006に対して第二
電析槽裏面電極2111を負側の電位とすることで、こ
れを実現する。第二電析槽裏面電極2111が実際に効
力を持つことは、電界の回り込みによって長尺基板20
06の成膜面と反対側の裏面に電気化学的に付着する膜
であって、長尺基板2006の成膜面に形成されるもの
と同じ材質の膜が、目視下でみるみる除去されてゆくこ
とで確認される。
【0071】第二電析槽退出ローラー2070を通過し
電析浴から出た長尺基板2006には、第二電析槽出口
シャワー2297から電析浴がかけられて、成膜面が乾
燥してムラを生じるのを防止している。また、第二電析
槽2116と純水シャワー槽2360との渡り部分に設
けられた純水シャワー槽折返し進入ローラーカバー23
18も、電析浴から発生する蒸気を閉じ込め、長尺基板
2006の成膜面が乾燥するのを防止している。さら
に、純水シャワー槽入口表面純水シャワー2299や純
水シャワー槽入口裏面純水シャワー2300(図7に示
す)も、電析浴を洗浄して落とすだけでなく、同様の働
きをする。
【0072】[第二循環槽]図5に示すように、第二循
環槽2222は、第二電析槽2116中の電析浴の加熱
保温ならびに噴流循環を担うものである。上述したよう
に、第二電析槽2116でオーバーフローした電析浴
は、第二電析槽オーバーフロー戻り口2075に集めら
れ、第二電析槽オーバーフロー戻り路2219を通り、
第二電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ2220
を経て、第二循環槽加熱貯槽2223へ至る。第二循環
槽加熱貯槽2223内には、8本の第二循環槽ヒーター
2224〜2231が設けられており、室温の電析浴を
初期加熱する際や、循環によって浴温が低下する電析浴
を再加熱して、電析浴を所定の温度に保持する際に機能
する。
【0073】第二循環槽加熱貯槽2223には、2つの
循環系が接続されている。すなわち、第二循環槽電析浴
上流循環元バルブ2232、第二循環槽電析浴上流循環
ポンプ2234、第二循環槽電析浴上流循環バルブ22
37、第二循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2
238、第二循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2
239を経て、第二電析槽上流循環噴流管2113から
第二電析浴保持槽2115に戻る第二電析槽上流循環還
流系と、第二循環槽電析浴下流循環元バルブ2242、
第二循環槽電析浴下流循環ポンプ2245、第二循環槽
電析浴下流循環バルブ2247、第二循環槽電析浴下流
循環フレキシブルパイプ2248、第二循環槽電析浴下
流循環フランジ絶縁配管2249を経て、第二電析槽下
流循環噴流管2114から第二電析浴保持槽2115に
戻る第二電析槽下流循環還流系とである。
【0074】第二電析槽上流循環噴流管2113と第二
電析槽下流循環噴流管2114とから第二電析槽211
6に戻る電析浴は、第二電析浴保持槽2115内での電
析浴の交換を効果ならしめるように、第二電析浴保持槽
2115下部に設けられた第二電析槽上流循環噴流管2
113と第二電析槽下流循環噴流管2114から、それ
ぞれの噴流管に穿かれたオリフィスを経て噴流として還
流される。
【0075】それぞれの循環還流系での還流量は、主に
第二循環槽電析浴上流循環バルブ2237または第二循
環槽電析浴下流循環バルブ2247の開閉度によって制
御され、さらに細かい調節は、第二循環槽電析浴上流循
環ポンプ2234または第二循環槽電析浴下流循環ポン
プ2245の出口と入口を短絡して接続したバイパス系
に設けられた第二循環槽電析浴上流循環ポンプバイパス
バルブ2235または第二循環槽電析浴下流循環ポンプ
バイパスバルブ2244によって制御される。
【0076】バイパス系は、還流量を少なくした場合
や、浴温が極めて沸点に近い時に、ポンプ内でのキャビ
テーションを防止する役目も果たしている。第一電析槽
2066の説明でも述べたが、浴液が沸騰気化して液体
を送り込めなくなるキャビテーションは、ポンプの寿命
を著しく短くしてしまうため、バイパス系によりこれを
防止しているのである。
【0077】第二電析槽上流循環噴流管2113と第二
電析槽下流循環噴流管2114とにオリフィスを穿って
噴流を形成する場合、還流量は第二電析槽上流循環噴流
管2113と第二電析槽下流循環噴流管2114へ戻す
浴液の圧力によってほぼ定まる。これを知るために、第
二循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ2236と第二循環
槽電析浴下流循環圧力ゲージ2246が設けられてお
り、還流量のバランスはこれらの圧力ゲージ2236,
2246により知ることができる。
【0078】オリフィスから吹き出す還流浴液量は、正
確にはベルヌーイの定理に従うが、噴流管2113,2
114に穿ったオリフィスが数ミリ以下の径の時には、
第二電析槽上流循環噴流管2113ないし第二電析槽下
流循環噴流管2114全体にわたって噴流量を実質的に
一定とすることができる。さらに、還流量が十分に大き
い場合には、電析浴の交換が極めてスムーズに行われる
ので、第二電析槽2116がかなり長くとも、電析浴の
濃度の均一化や温度の均一化を効果的に図ることができ
る。なお、第二電析槽オーバーフロー戻り路2219
は、十分な還流量を流しうる太さを有している。
【0079】それぞれの循環還流系に設けられた第二循
環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ2238と第二
循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイプ2248は、
配管系の歪みを吸収するものであり、特に歪みに対して
機械的強度が不足しがちなフランジ絶縁配管などを用い
る場合には有効である。
【0080】それぞれの循環還流系に設けられた第二循
環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2239と第二循
環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管2249は、第二
電析槽オーバーフロー戻り路2219の途中に設けられ
た第二電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ222
0とともに第二循環槽2222と第二電析槽2116と
を電気的に浮かせるものである。これは、不要な電流経
路の形成を絶つことにより、迷走電流を防止して電析電
流のほとんどを電気化学的な成膜反応に用いることがで
きる、という本発明者等の知見に基づくものである。
【0081】一方の循環還流系には、直接第二循環槽加
熱貯槽2223へ戻る第二循環槽電析浴バイパス循環フ
レキシブルパイプ2250及び第二循環槽電析浴バイパ
ス循環バルブ2251からなるバイパス還流系が設けら
れている。このバイパス環流系は、第二電析槽2116
に浴液を還流することなく電析浴の循環を行わしめたい
場合、例えば室温から所定温度への昇温時などに用いる
ものである。
【0082】また、第二循環槽2166からの両循環還
流系には、第二電析槽進入ローラー2069に至る直前
に長尺基板2006に電析浴をかけるための第二電析槽
入口シャワー2068へ至る送液系と、第二電析槽退出
ローラー2070を通過し電析浴から出た長尺基板20
06に電析浴をかけるための第二電析槽出口シャワー2
297へ至る2つの送液系が設けられている。前者の送
液系は、第二電析槽入口シャワーバルブ2241を介し
て第二電析槽入口シャワー2068へ繋がっており、後
者の送液系は、第二電析槽出口シャワーバルブ2252
を介して第二電析槽出口シャワー2297へ繋がってい
る。
【0083】第二電析槽入口シャワー2068からの電
析液噴霧量は、第二電析槽入口シャワーバルブ2241
の開閉度を調節することによって、また、第二電析槽出
口シャワー2297からの電析液噴霧量は、第二電析槽
出口シャワーバルブ2252の開閉度を調節することに
よって調整される。
【0084】第二循環槽加熱貯槽2223は、蓋(図示
せず)が設けられており、蒸気となって水が失われゆく
のを防止する構造となっている。浴温が高い場合には、
蓋の温度も高くなるので、作業の安全面から、蓋の表面
に断熱材を貼るなどの考慮が必要である。
【0085】第二電析槽電析浴中の粉体を除去するため
に、フィルター循環系が設けられている。第二電析槽2
116に対するフィルター循環系は、第二電析槽フィル
ター循環戻りフレキシブルパイプ2253、第二電析槽
フィルター循環戻りフランジ絶縁配管2254、第二電
析槽フィルター循環元バルブ2256、第二電析槽フィ
ルター循環サクションフィルター2258、第二電析槽
フィルター循環ポンプ2260、第二電析槽フィルター
循環ポンプバイパスバルブ2259、第二電析槽フィル
ター循環圧力スイッチ2261、第二電析槽フィルター
循環圧力ゲージ2262、第二電析槽フィルター循環フ
ィルター2263、第二電析槽フィルター循環フレキシ
ブルパイプ2266、第二電析槽フィルター循環フラン
ジ絶縁配管2267、第二電析槽フィルター循環バルブ
2268、第二電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ2269、第二電析槽フィルター循環系電析浴中
流戻りバルブ2270、第二電析槽フィルター循環系電
析浴下流戻りバルブ2271からなっている。
【0086】電析浴は、この経路を第二電析槽フィルタ
ー循環方向2257、同2264、同2265の方向に
流れてゆく。除去されるべき粉体は、機外から飛び込む
こともあるし、また電析反応に応じて、電極表面や浴中
で形成されることもある。除去されるべき粉体の最小の
大きさは、第二電析槽フィルター循環フィルター226
3のフィルターサイズで定まる。
【0087】第二電析槽フィルター循環戻りフレキシブ
ルパイプ2253ならびに第二電析槽フィルター循環フ
レキシブルパイプ2266は、配管の歪みを吸収して、
配管接続部からの液漏れを極小化するとともに、機械強
度に劣る絶縁配管を保護し、ポンプを始めとする循環系
の構成部品の配置自由度を上げるためのものである。
【0088】第二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶
縁配管2254ならびに第二電析槽フィルター循環フラ
ンジ絶縁配管2267は、大地アースからフロートとし
た第二電析浴保持槽2115が大地アースに落ちること
を防止するため、電気的に浮かせることを目的としたも
のである。
【0089】第二電析槽フィルター循環サクションフィ
ルター2258は、いわゆる「茶漉し」のような金網で
あり、大きなごみを取り除き、後に続く第二電析槽フィ
ルター循環ポンプ2260や第二電析槽フィルター循環
フィルター2263を保護するためのものである。
【0090】第二電析槽フィルター循環フィルター22
63は、この循環系の主役であり、電析浴中に混入ある
いは発生した粉体を除去するためのものである。
【0091】本循環系の電析浴の循環流量は、主に第二
電析槽フィルター循環バルブ2268により微調整され
るとともに、従として第二電析槽フィルター循環ポンプ
2260に並列に設けられた第二電析槽フィルター循環
ポンプバイパスバルブ2259により微調整される。こ
れらのバルブ調整による循環流量を把握するために、第
二電析槽フィルター循環圧力ゲージ2262が設けられ
ている。また、第二電析槽フィルター循環ポンプバイパ
スバルブ2259は、流量の微調整の他、フィルター循
環流量全体を絞った時に、キャビテーションが発生して
第二電析槽フィルター循環ポンプ2260が破損するの
を防止している。
【0092】[第二排液槽]図5,6に示すように、第
二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁配管2254
を経て、第二電析槽排水バルブ2255から第二排液槽
2274へ電析浴を移送することができる。この移送
は、電析浴交換、電析装置のメンテナンス、さらには緊
急時に行われるものである。移送される排液としての電
析浴は、重力落下により第二排液槽排液貯槽2273に
落とされる。メンテナンスや緊急時の目的のためには、
第二排液槽排液貯槽2273が、第二電析槽2116お
よび第二循環槽2222の浴容量の合計を貯めるだけの
容量をもつことが好ましい。第二排液槽排液貯槽227
3には、第二排液槽排液貯槽上蓋2278が設置されて
いるとともに、電析浴の重力落下移送を効果的ならしめ
るために、第二排液槽空気抜き2276及び第二排液槽
空気抜きバルブ2275が設けられている。
【0093】図6に示すように、一旦、第二排液槽排液
貯槽2273に落とされた電析浴は、温度が下がった
後、第二排液槽排水バルブ2180より建物側の廃水処
理施設に送られるか、あるいは第二排液槽排液回収バル
ブ2181、排液回収元バルブ2175、排液回収サク
ションフィルター2176と排液回収ポンプ2177を
経てドラム缶(図示せず))に回収され、然るべき処分
が行われる。回収や処分に先立って、第二排液槽排液貯
槽2273内で、水による希釈や薬液による処理などを
行ってもよい。
【0094】[攪拌空気導入手段]図5に示すように、
電析浴を攪拌し電析成膜を均一化ならしめるために、第
二電析浴保持槽2115底部に設置された第二電析槽攪
拌空気導入管2112に穿った複数のオリフィスから空
気バブルを噴出させるようになっている。
【0095】空気バブルとなる空気は、工場に供給され
る圧搾空気を圧搾空気導入口2182(図6に示す)か
ら取り込み、電析浴攪拌用圧搾空気圧力スイッチ218
3を経て、第二電析槽圧搾空気導入方向2194に示さ
れる方向で、順に第二電析槽圧搾空気元バルブ219
5、第二電析槽圧搾空気流量計2196、第二電析槽圧
搾空気レギュレーター2197、第二電析槽圧搾空気ミ
ストセパレーター2198、第二電析槽圧搾空気導入バ
ルブ2199、第二電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ
2220、第二電析槽圧搾空気絶縁配管2201、そし
て第二電析槽圧搾空気上流側制御バルブ2202または
第二電析槽圧搾空気下流側制御バルブ2272を通り第
二電析槽攪拌空気導入管2112へ至る。
【0096】[予備導入系]図4,5,6に示すよう
に、第一電析槽2066や第二電析槽2116には、予
備の液体または気体が導入できるように、予備導入系が
設置されている。電析槽予備導入口2213からの液体
または気体は、電析槽予備導入バルブ2214を介し
て、第一電析槽予備導入バルブ2215、第一電析槽予
備導入絶縁配管2216を経て第一電析槽2066へ送
られる。同様に、電析槽予備導入口2213からの液体
または気体は、電析槽予備導入バルブ2214を介し
て、第二電析槽予備導入バルブ2217、第二電析槽予
備導入絶縁配管2218を経て第二電析槽2116へ送
られる。
【0097】予備導入系で最も可能性の高いものは、電
析浴の能力を長時間一定に保つための保持剤や補充薬で
あるが、場合によっては、電析浴に溶かす気体であった
り、また粉体を除去する酸であったりする。
【0098】[洗浄]図7に示すように、洗浄は、純水
シャワー槽2360、第一温水槽2361、第二温水槽
2362の3段で行われる。この洗浄では、第二温水槽
2362に加温された純水が供給され、その排液が第一
温水槽2361で用いられ、さらにその排液が純水シャ
ワー槽2360で用いられる構成となっている。このこ
とにより、長尺基板2006は、電析槽での電析を終了
した後、次第に純度の高い水で洗われてゆく。
【0099】第二温水槽2362は、最も高純度の純水
を用いる。この純水は、長尺基板2006が退出してゆ
く直前の第二温水槽出口裏面純水シャワー2309、第
二温水槽出口表面純水シャワー2310へ供給される。
【0100】図8に示すように、供給すべき純水は、水
洗系純水口2337から水洗系純水供給元バルブ233
8を経て一旦純水加熱槽2339に貯められ、純水加熱
槽純水加熱ヒーター2340〜2343で所定の温度に
暖められ、純水加熱槽純水送出バルブ2344、純水加
熱槽純水送出ポンプ2346、純水加熱槽圧力スイッチ
2347、純水加熱槽カートリッジ式フィルター234
9、純水加熱槽流量計2350を通り、一方は第二温水
槽出口裏面シャワーバルブ2351から第二温水槽出口
裏面純水シャワー2309(図7に示す)へ至り、他方
は第二温水槽出口表面シャワーバルブ2352から第二
温水槽出口表面純水シャワー2310(図7に示す)へ
至る。なお、純水を加温するのは、洗浄効果を向上させ
るためである。
【0101】図7に示すように、シャワー2309,2
310ヘ供給されて第二温水槽温水保持槽2317へ溜
まった純水は、純水リンス浴を形成する。ここで、長尺
基板2006は静水での洗浄が行われる。また、純水の
温度が下がらないようにするため、第二温水槽2361
には、第二温水槽温水保温ヒーター2307が設けられ
ている。
【0102】第一温水槽2361へは、第二温水槽温水
保持槽2317から溢れた純水が、第二温水槽2362
に設けられた温水槽間連結管2232を介して、第一温
水槽温水保持槽2362へ供給される。第一温水槽温水
保持槽2362には、第二温水槽2317と同様に、第
一温水槽温水保温ヒーター2304が設置されており、
純水の温度を保持するようになっている。さらに、第一
温水槽2361には、超音波源2306が設置されてお
り、積極的に長尺基板2006表面の汚れを、第一温水
槽ローラー2282と第二温水槽折返し進入ローラー2
283の間で除去するようになっている。
【0103】図8に示すように、第一温水槽温水保持槽
2316からの純水は、純水シャワー槽純水シャワー供
給元バルブ2323に続いて、純水シャワー槽純水シャ
ワー供給ポンプ2325、純水シャワー槽純水シャワー
供給圧力スイッチ2326、純水シャワー槽純水シャワ
ー供給カートリッジ式フィルター2328、純水シャワ
ー槽純水シャワー供給流量計2329を経て、純水シャ
ワー槽入口表面純水シャワーバルブ2330から純水シ
ャワー槽入口表面純水シャワー2299(図7に示す)
へ送られるとともに、純水シャワー槽入口裏面純水シャ
ワーバルブ2331から純水シャワー槽入口裏面純水シ
ャワー2300(図7に示す)へ送られる。
【0104】また、この純水は、純水シャワー槽出口裏
面純水シャワーバルブ2332から純水シャワー槽出口
裏面純水シャワー2302(図7に示す)へ送られると
ともに、純水シャワー槽出口表面純水シャワーバルブ2
333から純水シャワー槽出口表面純水シャワー230
3(図7に示す)へ送られる。
【0105】そして、図7に示すように、純水シャワー
槽2360の入口と出口で、それぞれ長尺基板2006
の表面と裏面に洗浄用シャワー流がかけられる。
【0106】シャワー後の水は、純水シャワー槽受け槽
2315で受けられ、そのまま第一温水槽温水保持槽2
316と第二温水槽温水保持槽2317の一部と合流し
て水洗系排水2336に捨てられる。通常は、洗浄済み
の水にはイオンその他が含まれているため、所定の処理
を必要とする。
【0107】洗浄のための純水シャワー槽2360、第
一温水槽2361、第二温水槽2362では、長尺基板
2006は、純水シャワー槽折返し進入ローラー227
9、純水シャワー槽ローラー2280、第一温水槽折返
し進入ローラー2281、第一温水槽ローラー228
2、第二温水槽折返し進入ローラー2283、第二温水
槽ローラー2284、乾燥折返しローラー2285へ送
られてゆく。また、純水シャワー槽折返し進入ローラー
2279の直後には、純水シャワー槽裏面ブラシ229
8が設けられており、長尺基板2006の裏面に付着す
る比較的大きな粉や付着力の弱い生成物を取り除けるよ
うになっている。
【0108】乾燥部2363に至った長尺基板2006
は、まず乾燥部入口で乾燥部入口裏面エアーナイフ23
11、乾燥部入口表面エアーナイフ2312による水切
りが行われる。エアーナイフヘの空気の導入は、図8に
示すように、乾燥系圧搾空気導入口2353、乾燥系圧
搾空気圧力スイッチ2354、乾燥系圧搾空気フィルタ
ーレギュレーター2355、乾燥系圧搾空気ミストセパ
レーター2356、乾燥系圧搾空気供給バルブ2357
を経て、乾燥部入口裏面エアーナイフバルブ2358ま
たは乾燥部入口表面エアーナイフバルブ2359という
経路でなされる。
【0109】乾燥部2363に供給される空気は、特に
水滴等を含むと不都合なので、乾燥系圧搾空気ミストセ
パレーター2356の役割は重要である。すなわち、乾
燥部2363に供給される空気は、乾燥系圧搾空気ミス
トセパレーター2356により水滴等が除去される。
【0110】図7に示すように、長尺基板2006は、
続いて乾燥折返しローラー2285から巻取装置進入ロ
ーラー2286に搬送される過程で、並列して設けたI
Rランプ2313の輻射熱によって乾燥が行われる。I
Rランプ2313の輻射熱が十分であれば、電析膜を成
膜後、長尺基板2006をCVD装置などの真空装置に
投入しても不都合は生じない。長尺基板2006の乾燥
時には、水切りによる霧の発生と、IRランプ輻射によ
る水蒸気の発生があるため、排気ダクトに繋がる乾燥部
排気口2314は不可欠である。
【0111】図9に示すように、乾燥系排気ダクト23
70に集められた水蒸気は、乾燥系凝縮器2371でそ
のほとんどが水に戻り、乾燥系凝縮器排水ドレイン23
73へ捨てられ、一部は乾燥系排気2374へ捨てられ
てゆく。なお、水蒸気に有害気体を含む場合には、排気
は所定の処理を行うべきである。
【0112】[巻取装置]図7に示すように、巻取装置
2296には、巻取装置進入ローラー2286、巻取装
置方向転換ローラー2287、巻取り調整ローラー22
88が設けられており、この順で長尺基板2006を長
尺基板巻上げボビン2289にコイル状に巻取ってゆ
く。また、巻取装置2296には、インターリーフ繰り
出しボビン2290が設けられており、堆積した層保護
が必要な場合には、インターリーフ繰出しボビン229
0からインターリーフを繰出し、長尺基板2006に巻
き込ませる。
【0113】長尺基板2006の搬送方向は、矢印22
92で示されており、長尺基板巻上げボビン2289の
回転方向は矢印2293で示されており、インターリー
フ繰出しボビン2290の巻取り方向は矢印2294で
示されている。図7中、長尺基板巻上げボビン2289
へ巻き上げられる長尺基板2006と、インターリーフ
繰出しボビン2290から繰り出されるインターリーフ
は、それぞれ搬送開始時の位置と搬送終了時の位置で干
渉が起きないようになっている。また、巻取装置229
6の全体は、防塵のために、ヘパフィルターとダウンフ
ローを用いた巻取装置クリーンブース2295で覆われ
た構造となっている。
【0114】巻取装置2296に設けた巻取装置方向転
換ローラー2287には、長尺基板2006の蛇行を修
正する機能が付与されている。すなわち、巻取装置方向
転換ローラー2287と巻取り調整ローラー2288と
の間に設置された蛇行検知器(図示せず)からの信号に
基づいて、油圧のサーボで巻取装置方向転換ローラー2
287を巻取装置進入ローラー2286側にセットされ
た軸を中心として振ってやることで、蛇行の修正が可能
となる。
【0115】巻取装置方向転換ローラー2287の制御
は、図7中、近似的に手前側あるいは奥側へのローラー
の移動であり、その移動の向きは、蛇行検出器からの長
尺基板蛇行検出方向と逆である。また、サーボのゲイン
は、長尺基板2006の搬送速度によるが、一般に大き
なものを必要としない。数百メートルの長さの長尺基板
2006を巻き上げても、その端面はサブミリの精度で
揃えられる。
【0116】[排気ダクト]電析浴や温水を室温より高
い温度で使うと、必然的に水蒸気が発生する。特に80
℃を越える温度の場合には、水蒸気の発生はかなりのも
のとなる。槽の浴面から発生する水蒸気は、槽の浴面上
に溜まり、電析装置の隙間から勢いよく吹き出したり、
蓋の開閉時に大量の放出を見たり、また電析装置の隙間
から水滴となって流れ落ちたりして、電析装置の操作環
境を悪化させる。このため、電析水洗系排気ダクト20
20を介して強制的に吸引排気させるのが好ましい。
【0117】図4に示すように、第一電析槽2066の
第一電析槽上流排気口2021、第一電析槽中流排気口
2022、第一電析槽下流排気口2023には、電析水
洗系排気ダクト2020が連通接続されている。
【0118】また、図5に示すように、第二電析槽21
16の第二電析槽上流排気口2071、第二電析槽中流
排気口2072、第二電析槽下流排気口2073には、
電析水洗系排気ダクト2020が連通接続されている。
【0119】さらに、図9に示すように、純水シャワー
槽2360の純水シャワー槽排気口2301、第一温水
槽2361の第一温水槽排気口2305、第二温水槽2
362の第二温水槽排気口2308には、電析水洗系排
気ダクト2020が連通接続されている。
【0120】図9に示すように、電析水洗系排気ダクト
2020に集められた水蒸気は、絶縁フランジ2365
を通り、電析水洗系排気ダクト凝縮器2366でそのほ
とんどが水に戻り、電析水洗系排気ダクト凝縮器排水ド
レイン2368へ捨てられ、一部は電析水洗系排気23
69へ捨てられてゆく。なお、水蒸気に有害気体を含む
場合には、排気は所定の処理を行うべきである。
【0121】また、本実施形態に係る電析装置では、排
気ダクト2020をステンレスで構成したので、第一電
析槽2066の第一電析浴保持槽2065及び第二電析
槽2116の第二電析浴保持槽2115を大地アースか
らフロート電位とするために、電析水洗系排気ダクト基
幹絶縁フランジ2365と電析水洗系排気ダクト水洗側
絶縁フランジ2364を設け、電気的に切り離した。
【0122】[基板]本実施形態に係る電析装置で用い
られる基板材料は、膜成膜面に電気的な導通がとれ、電
析浴に侵されないものならどのような材料であってもよ
く、例えばSUS、Al、Cu、Fe、などの金属が用
いられる。また、金属コーティングを施したPETフィ
ルムなども利用可能である。これらの中で、素子化プロ
セスを後工程で行うには、SUSが長尺基板2006と
して優れている。
【0123】SUSは、非磁性SUS、磁性SUSのい
ずれも適用することができる。代表的な非磁性SUSは
SUS304であり、研磨性に優れていて0.1s程度
の鏡面とすることも可能である。代表的な磁性SUSは
フェライト系のSUS430であり、磁力を利用した搬
送において有効に利用される。
【0124】基板表面は、平滑であってもよいし、粗面
でもあってもよい。SUSの表面性は、その圧延プロセ
スにおいて圧延ローラーの種類を変えたりすることによ
り変更することができる。例えば、BAと称するSUS
は鏡面に近く、2Dと称するSUSは凹凸が顕著であ
る。いずれの面においても、SEM(電子顕微鏡)下で
の観察では、ミクロン単位の快れなどが目立つことがあ
る。太陽電池基板としては、大きなうねり状の凹凸より
も、ミクロン単位の構造の方が、太陽電池の特性に対し
て良い方向にも悪い方向にも大きく反映する。
【0125】さらに、これら基板は別の導電性材料が成
膜されていてもよく、電析の目的に応じて選択される。
場合によっては、酸化亜鉛のごく薄層を予め他の方法で
形成しておくことが、電析法での堆積速度を安定的に向
上することができて好ましい。確かに、電析法はコスト
が安く済むのがメリットであるが、多少高価な方法を付
加的に採用しても、総合的にコストダウンが可能なら
ば、2方式の併用は有利である。
【0126】[インターリーフ]堆積された膜を保護す
るインターリーフとしては、ノーメックスを代表とする
不織布や、PETを代表とする樹脂フィルム等を利用す
ることができる。PETなどの樹脂フィルムは、さらに
柔らかいCuやAlの金属を薄くコートしたものを利用
することも可能である。もちろん、樹脂のフィルムは、
あまり高温だと溶けたり融着を起こしたりするので、予
め基板が十分な温度にまで冷えていることを確認する必
要がある。インターリーフは、結局のところ捨ててしま
うことになるので、低価格化技術の点から、高価な材料
はできるだけ避けることが好ましい。
【0127】[テンション]長尺基板2006を巻出装
置長尺基板ボビン2001と長尺基板巻上げボビン22
89との間に張る張力は、基板の幅lcmあたり0.0
5〜50kgとする。テンションが弱すぎると、基板が
不用意に垂れ下がったり、所定の搬送パスから外れた
り、ローラーからずれて端部を擦ったり、あるいは蛇行
修正の制御性を著しく悪化させる。反対に、テンション
が強すぎると、基板自体が伸びたり、あるいは搬送に片
寄りがある場合には、端部だけ伸びていわゆる「ワカ
メ」状になって、装置全体を歪ませることがある。
【0128】テンションは、長尺基板巻上げボビン22
89を巻き上げる力と、巻出装置長尺基板ボビン200
1の軸に取り付けられたクラッチ(パウダークラッチな
どが利用される)との滑りから、発生させることができ
る。この場合、テンションの大きさにかかわらず搬送経
路がほとんど変わらないとともに、中間のローラーをす
べて従動ローラーとすることができるので、ローラーを
始めとする搬送構成部品配置の設計自由度は極めて高く
なる。一方、非搬送時にはテンションが発生しないの
で、基板が静止時に垂れ下がるのを防止するために、別
のロック手段が必要となる。
【0129】テンションは、その軸を移動できるテンシ
ョンローラーの類を用いることでも発生させることがで
きる。この場合、テンションの制御やモニターは容易で
あるが、テンションローラーの位置が変化するため、そ
のストロークをとるための設計が必要であり、またロー
ラーの平行度がずれて蛇行が発生しやすい。
【0130】さらにまた、テンションは、中間のローラ
ーを、基板と摩擦が起こる方向に積極的に動かすことに
よっても発生させることができる。この方法では、搬送
経路は変わらず、また、静止中でもテンションが働くと
いう利点がある。一方、動摩擦と静止摩擦が大きく異な
るような材料では、設計は面倒である。
【0131】テンションは、当然のことながら、水平に
接触するローラーよりも、その周を大きく覆う形で搬送
されるローラーに対して、その効果をもたらす。その効
果を期待するものとしては、巻取りローラーはもちろ
ん、給電ローラーや蛇行修正ローラーが挙げられる。
【0132】[搬送速度]長尺基板2006の搬送速度
は、専ら、必要な電析膜の膜厚と、その成膜速度との兼
ね合いから決定される。実際には、第一電析槽2066
と第二電析槽2116に合計56個のアノードがあり、
それぞれの膜堆積速度の総和で、長尺基板2006の搬
送速度が決められる。
【0133】本実施形態に係る電析装置では、基板20
06の搬送速度を、0.5m/min〜5m/minの
範囲で設計した。また、実験において、最低の設計速度
であっても、最高の設計速度であっても、500m以上
の長尺基板2006に対して、85℃の昇温状態で良好
なる搬送のもと、酸化亜鉛の堆積が可能であることを実
証した。
【0134】[ローラー]本実施形態に係る電析装置に
用いられるローラーは、長尺基板2006の搬送の経路
を定めることの他に、長尺基板2006に必要な電位を
印加することと、不必要な電流迷走経路を形成しない等
の機能を満たすべきである。
【0135】搬送の経路を定めることは特に重要で、初
期に平行度がしっかりと出ていることはもちろん、電析
浴の温度が高温(例えば90℃)に上がって、大きな浴
槽が熱膨張を起こしても、位置の変位が最小に抑えられ
ているべきである。実際には、サブミリのガタは許容で
きるが、平行度に関しては100分台の精度が昇温時に
確保されていることが好ましい。平行度のずれ、ねじれ
は、特に電析槽内での長尺基板2006の片寄りを生じ
てしまい、この場合には、非常にしばしば端部擦れを起
こすとともに、いわゆる「ワカメ」が発生してしまう。
【0136】長尺基板2006のコシがある場合には、
平行ローラーを用いて、特に表面加工を考慮する必要は
ないが、Alホイルなどの様に軟らかな基板の場合に
は、ローラーをクラウンと呼ぶ太鼓型に膨らませたり、
水切り用の溝を設けることが好ましい。また、その場合
には、ローラーを従動にするだけのテンションがかから
ないこともあって、ローラーを同期駆動することが効果
的である。
【0137】ローラーを電気的に浮かせるために、ナイ
ロンやポリエチレンなどの樹脂によりローラーを形成す
ることもできるし、また、金属ローラーの軸を樹脂製と
することもできる。さらに、軸受けの設置部に樹脂の部
材を挟み込んで絶縁をとることもできる。
【0138】基板に直接ブラシ等で給電を行ったり、あ
るいは浴を介して給電するのでなければ、給電ローラー
と呼ばれる電位を与えるローラーを、少なくとも一本設
けることが好ましい。電析部分に近いローラーを給電ロ
ーラーとすることができれば、電析電流に係る電気経路
の設計は最もすっきりとする。
【0139】電析浴と触って電析浴中の化学物質が反応
するため、給電ローラーをアノード近傍に置けない場合
には、ブラシ給電や浴給電など他方式の代替もしくは併
用を考慮すべきである。これは、長尺基板2006の抵
抗がメートルあたり0.01Ω程度あって、数十Aの電
析電流を用いる場合には、極めて大きな熱損失が発生す
るからである。
【0140】蛇行修正では、概念として、ローラーの平
行度を出すことにより、ほとんどずれない搬送系を確立
し、ほんの少しずれる分を巻上げ直前で修正することが
好ましい。この場合、修正量を検知し、フィードフォワ
ードまたはフィードバック系で修正量を蛇行修正ローラ
ーに返してやればよい。フィードフォワード系は、計算
は厄介であるが、秒あたり数mを越える高速のシステム
に向いている。一方、フィードバック系は、高速の搬送
には不向きであるが、構成を簡便なものとすることがで
きる。
【0141】いずれの場合にも、修正しようとする方向
に基板を動かす蛇行修正ローラーを持つことが好まし
い。本実施形態に係る電析装置では、巻取装置方向転換
ローラー2287が、蛇行修正ローラーを兼ねている。
修正しようとする方向に基板を動かすためには、長尺基
板2006との摩擦が大きい方が好ましい。一方、修正
移動を起こしたことによる長尺基板2006の歪みを吸
収するためには、長尺基板が蛇行修正ローラー上で滑る
ことが好ましい。実際に用いられる摩擦の大きさは、テ
ンションを含めて、実験的に決められる。場合によって
は、基板との間で摩擦を最適化する材質を選んだり、表
面を粗面加工すると効果がある。修正しようとする方向
に基板を動かすために、ローラー全体が平行移動するよ
うに構成されてもよいし、また、ある程度離れた軸を支
点に、首振り運動をするような形(タンジェント・ロー
ラーと呼ぶ)でもよい。平行移動ローラーは大きなずれ
に対して効果がある。一方、タンジェント・ローラー
は、装置構成が簡単になる。
【0142】[槽・管・その他浴保持材の電気的構成]
迷走電流を減らして、流れる電流をほとんどすべて電析
に寄与させ、基板とアノード間に流れる電流とするため
に、電析槽、それに繋がる配管、さらには浴保持槽内の
部品などは、絶縁処理をすることが好ましい。基本的に
は、アノードと基板とを直接に、あるいは浴を介して、
接する金属部分を最小とすることにより、流れる電流を
ほとんどすべて電析に寄与させることができる。
【0143】また、フロート電位とすることにより迷走
電流を少なくすることができるため、本実施形態に係る
電析装置では、電析槽や基板搬送ローラーを構成する金
属部分を大地アースから浮かした構造としている。絶縁
配管、径の太いフランジ絶縁配管、オーバーフロー戻り
系に製作した絶縁フランジ、排気ダクト中に設けた絶縁
フランジなどは、すべてこの目的のためのものである。
【0144】[絶縁フランジ]電気的に切り離しておき
たい配管部には、塩化ビニールや耐熱塩化ビニール等の
絶縁体で形成されたフランジ付き配管を用いることが好
ましい。本実施形態に係る電析装置の第一電析槽オーバ
ーフロー戻り路2117に設けられた第一電析槽オーバ
ーフロー戻り路絶縁フランジ2118、第二電析槽オー
バーフロー戻り路2219に設けられた第二電析槽オー
バーフロー戻り路絶縁フランジ2220、電析水洗系排
気ダクト2020に設けられた電析水洗系排気ダクト水
洗側絶縁フランジ2364および電析水洗系排気ダクト
基幹絶縁フランジ2365などは、四角の断面をもつ導
管に設けられており、導管端部に口金を製作し、それら
を絶縁性ゴムを挟んで絶縁ボルトで締め付けている。絶
縁性のゴムは、例えばバイトン(商品名)のように高温
下において使用することができるが、圧縮すると突然導
電性を示すものがあり、その選択には注意が必要であ
る。
【0145】[電析浴]電析浴は、基本的にビーカーな
どの小さな実験装置で確認したものを使用することがで
きる。太陽電池下引き層に適用する光閉込め効果を有
し、凹凸を有する酸化亜鉛の堆積については、例えば、
少なくとも硝酸イオンと、亜鉛イオンを含有してなる水
溶液が好ましく使用できる。硝酸イオン、亜鉛イオン濃
度は、好ましくは0.002mol/l〜3.0mol
/l、さらに好ましくは0.0mol/l〜1.5mo
l/l、最適には0.05mol/l〜0.7mol/
lである。また、異常性成長防止のために、サッカロー
スまたはデキストリンを含む電析浴を用いる場合には、
サッカロースの濃度は、好ましくは500g/l〜1g
/l、さらに好ましくは100g/l〜3g/lとし、
デキストリンの濃度は、好ましくは10g/l〜0.0
1g/l、さらに好ましくは1g/l〜0.025g/
lとすることにより、光閉じ込め効果に適したテクスチ
ャー構造の酸化亜鉛薄膜を効率よく形成することができ
る。
【0146】また、電析浴の温度を60℃以上とするこ
とにより、異常成長の少ない均一な酸化亜鉛薄膜を効率
よく形成することができる。
【0147】電析浴が高温で、蒸気の発生が顕著な場合
は、排気ダクトを設けて蒸気を吸引することが好まし
い。排気ダクトを設けることにより、電析装置の隙間か
ら蒸気やその凝結した水滴が出てくるのを防止すること
ができる。
【0148】また、槽に蓋が設置されている場合には、
蓋を開けた際に水蒸気が吹き出してきて危険である。し
たがって、この場合にも、排気ダクトを設けることが好
ましい。
【0149】電析浴からの蒸気発生・排気吸引によって
液量が減る場合には、純水を定期的に補給するとよい。
【0150】[槽・配管の断熱構造]昇温された浴や純
水を保持・給排水する槽・配管は、断熱構造とすること
が、省エネルギーならびに危険防止の意味から好まし
い。槽の断熱構造は、グラスウール等の断熱材を挟んだ
二重壁構造とする他、外側に断熱材を張ることでも実現
することができる。配管の断熱構造は、一般に、断熱材
でカバーすることで実現することができる。
【0151】[電析条件]電析を行うにあたっては、長
尺基板2006に負の電位を印加するとともに、アノー
ドに正の電位を印加して、電気化学反応を駆動する。膜
厚の制御を行うために、電流制御により電析を行うのが
適当である。電流は、電流密度で規定することが好まし
く、0.3〜100mA/cm2の範囲で設定する。
【0152】[アノード]アノードとしては、溶解性ア
ノードとして純度2Nないし4Nの亜鉛板を使用するこ
とができる。基板の表面が汚れている場合には、希硝酸
で軽く洗えばよい。アノードヘの給電線は、SUSボル
トで締め付ける構成にすることが、確実な電気接触を長
期間保証できて好ましい。非溶解性アノードとして、S
USやPtを使うこともできる。
【0153】特に、溶解性アノードを使用する場合に
は、発生する酸化亜鉛粉が電析浴中に発塵してゆくこと
を防止するために、溶解性アノードをアノードバッグで
包むことが好ましい。アノードバッグの材質としては、
浴中で侵されない木綿やアミド樹脂繊維などが使用で
き、適当なメッシュ状とすることが好ましい。メッシュ
の目の大きさは、電析浴が確実に表面に触り、かつ発塵
する粉の最大の大きさを規定して定める。例えば、一般
的なメッシュ目の大きさは、0.5mmから数mmを選
択する。
【0154】[電析電源]電析を行うための各電源は、
フロート出力を持っていることが好ましい。また、電圧
制御として、所定の電位を印加すると、電流が吸い込み
方向に流れる可能性がある場合には、吸い込み型の電源
とすべきである。
【0155】各電源は、単一の、あるいは取りまとめら
れた複数のアノードに電位を印加し、電流を流す。電源
同士の干渉を防ぐために、アノード同士を結ぶ電流の経
路は、できるだけ出現しないようにしておくことが好ま
しい。このために、テフロンや塩化ビニールなどの絶縁
板を浴中に設置することが効果的である。
【0156】[ポンプ]ポンプは、基本的に十分な流量
を稼げることが必要であるが、同時に、キャビテーショ
ンを防止することができる配置とすべきである。特に、
90℃を越える温度では、吸引しようとする負圧で一気
に水が蒸発してしまい、ポンプ内部の送液フィンを気体
が空回りするという、キャビテーション現象を起こしや
すい。一旦、キャビテーションが起きるとポンプが空転
し、しばしば焼き付きが生じたり、フィンが割れたりす
る等、ポンプの破損につながる。キャビテーションの発
生によるポンプの破損を防止するためには、ポンプをな
るべく低い位置に配置して浴液が押し込まれる構成、す
なわち負圧が発生しにくい構成とすることが好ましい。
【0157】[バルブ]バルブは、手動のものであって
もよく、自動のものであってもよい。また、誤動作を減
らすために、自動弁と手動弁を直列に配置してもよい。
【0158】本実施形態に係る電析装置のバルブのいく
つかは、所定の条件に基づいて調整され、流量を制御す
るものである。その代表が、第一循環槽電析浴上流循環
バルブ2135、第一循環槽電析浴下流循環バルブ21
45、第一電析槽フィルター循環系電析浴上流戻りバル
ブ2167、第一電析槽フィルター循環系電析浴中流戻
りバルブ2168、第一電析槽フィルター循環系電析浴
下流戻りバルブ2169、第一電析槽フィルター循環バ
ルブ2166、第一電析槽圧搾空気導入バルブ218
9、第一電析槽攪拌空気上流側制御バルブ2193、第
一電析槽攪拌空気下流側制御バルブ2192あるいは、
第二循環槽電析浴上流循環バルブ2237、第二循環槽
電析浴下流循環バルブ2247、第二電析槽フィルター
循環系電析浴上流戻りバルブ2269、第二電析槽フィ
ルター循環系電析浴中流戻りバルブ2270、第二電析
槽フィルター循環系電析浴下流戻りバルブ2271、第
二電析槽フィルター循環バルブ2268、第二電析槽圧
搾空気導入バルブ2199、第二電析槽攪拌空気上流側
制御バルブ2202、第二電析槽攪拌空気下流側制御バ
ルブ2272などである。また、シャワーやエアーナイ
フに至るバルブも、所定の条件に基づいて調整され、流
量を制御している。
【0159】[フィルター]浴液系に用いられるフィル
ターは、カートリッジ式フィルターで代表されるサブミ
クロンから10ミクロン程度の粒子を除去するためのフ
ィルターと、数ミリ以上の大きさのゴミを除去するため
の、基本的に金網からなるサクションフィルターの類に
大別される。
【0160】粒子除去フィルターは、内部で発生する粉
体を浴液系から積極的に除去するために必要とされる。
このフィルターサイズにより、最終的に巻き上がる長尺
基板2006上に成膜された膜に残るゴミのサイズが定
められる。したがって、必要なフィルターサイズは、膜
の必要な特性に基づいて決定される。
【0161】サクションフィルターは、ポンプやバルブ
の破損防止のために用いられる。
【0162】空気系に用いられるフィルターは、主に圧
搾空気に混じるオイルミストや水分を取り除くためのも
のである。
【0163】[配管]配管の太さは、当該配管における
必要な流量から定められるが、大きな流量が必要な部分
では、呼び径40A以上とすることが好ましい。本実施
形態に係る電析装置にあっては、図2において、太い管
として示した部分は呼び径40Aを用い、細い管として
示した部分は呼び径25Aを用いている。
【0164】管の材質は、ステンレスが極めて好条件で
使用されるが、電気的接続が好ましくない場合には、耐
熱塩化ビニールなどの管を一部だけ使用することも可能
である。また、継手による接続は、細い管や同一材料で
はインサートで十分であるが、塩化ビニールとステンレ
スの太い管の接続には、熱膨張収縮の繰り返しで液漏れ
が発生するのを防止するために、フランジ継手を使うこ
とが好ましい。
【0165】[循環量]浴液の循環量は、温度を均一化
し、使用されてゆく電析浴の濃度を均一化するために十
分な量を確保すべきである。例えば、数百リットルの電
析浴に対して、数十l/min以上あればよい。循環浴
液は、アノード面や基板面を動いて、常に新たな電析浴
を補給する流れを形成していることが好ましい。
【0166】[攪拌空気量]空気攪拌は、本実施形態に
係る電析装置においては、極めて有効な浴液の攪拌手段
である。例えば、数百リットルの電析浴に対して、数m
3/hr程度以上の流量であることが好ましい。空気攪
拌を行うには、空気を小さなバブルとして放出すること
が、攪拌効果を高める上で好ましい。このためには、例
えば、攪拌空気をオリフィスから電析浴に吹き出す構成
とすればよい。
【0167】また、基板下に空気溜りができてしまう
と、電析反応が進まないので、成膜が進まない。このた
め、吹き出された空気は、淀まずに浮き上がってゆくこ
と必要である。
【0168】[裏面電極]基板の裏面に成膜される不必
要な電析膜は、裏面電極で除去される。裏面電極には、
基板に対して負の電位を印加する。このため、特に電析
用の電源との干渉を防ぐために、両者は互いにフロート
出力である必要がある。一つの電析槽に設置した裏面電
極あたり、1A〜30Aの電流が用いられる。
【0169】裏面電極の材質は、水素過電圧の高いTi
やSUSなどが好ましい。基板の裏面より剥ぎ取られて
裏面電極部に溜まる酸化亜鉛などの電析物は、繰り返し
利用するために、装置外で機械的に剥ぎ取ってもよい
し、また裏面電極を使い捨てとして電極ごとに廃棄して
もよい。
【0170】
【実施例】上述した本実施形態に係る電析装置を用いた
実験結果を、実施例1〜5に基づいて説明する。各実施
例では、長尺基板2006の幅および搬送速度、第一電
析槽2066と第二電析槽2116の長さ、第一電析槽
2066と第二電析槽2116で用いる電析浴の組成お
よび温度、アノード2026〜2053、2076〜2
103における電流密度、第一電析槽2066と第二電
析槽2116における空気攪拌量について、条件を変え
て実験を行った。
【0171】[実施例1]実施例1では、以下の条件に
基づいて実験を行った。
【0172】 長尺基板幅355mm、長尺基板搬送速度1m/s 第一電析槽の長さ5m、第二電析槽の長さ5m 第一電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第二電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第一電析槽の電析浴温度85℃ 第二電析槽の電析浴温度85℃ 全てのアノードにおける電流密度1mA/cm2 第一及び第二電析槽の空気攪拌量20m3/hr
【0173】この結果、太陽電池の透明導電層1002
として十分な特性の2μmの膜厚を有するとともに良好
な凹凸表面を有する酸化亜鉛の電析を、長尺基板200
6上に均一に成膜することができた。
【0174】[実施例2]実施例2では、以下の条件に
基づいて実験を行った。なお、この実施例2では、2段
成膜を行い、各電析槽中および各電析槽間における電流
が異なっている。
【0175】 長尺基板幅355mm、長尺基板搬送速度1m/s 第一電析槽の長さ5m、第二電析槽の長さ5m 第一電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第二電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第一電析槽の電析浴温度85℃ 第二電析槽の電析浴温度85℃ 第一電析槽中のアノードにおける電流密度10mA/c
2〜2mA/cm2(漸減) 第二電析槽中のアノードにおける電流密度2mA/cm
2〜0.5mA/cm2(漸減) 第一及び第二電析槽の空気攪拌量20m3/hr
【0176】この結果、太陽電池の透明導電層1002
として十分な特性の1.7μmの膜厚を有するとともに
良好な凹凸表面を有する酸化亜鉛の電析を、長尺基板2
006上に均一に成膜することができた。
【0177】[実施例3]実施例3では、以下の条件に
基づいて実験を行った。なお、この実施例3では、2段
成膜を行い、各電析槽における電析浴の濃度が異なって
いる。
【0178】 長尺基板幅355mm、長尺基板搬送速度2.5m/s 第一電析槽の長さ5m、第二電析槽の長さ5m 第一電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.001M/l、
デキストリン濃度0.1g/l 第二電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第一電析槽の電析浴温度85℃ 第二電析槽の電析浴温度85℃ 第一電析槽中のアノードにおける電流密度2mA/cm
2 第二電析槽中のアノードにおける電流密度2mA/cm
2 第一及び第二電析槽の空気攪拌量20m3/hr
【0179】この結果、太陽電池の透明導電層1002
として十分な特性の1.2μmの膜厚を有するとともに
良好な凹凸表面を有する酸化亜鉛の電析を、長尺基板2
006上に均一に成膜することができた。
【0180】[実施例4]実施例4では、以下の条件に
基づいて実験を行った。なお、この実施例4では、2段
成膜を行い、各電析槽における電析浴の温度が異なって
いる。
【0181】 長尺基板幅355mm、長尺基板搬送速度2m/s 第一電析槽の長さ5m、第二電析槽の長さ5m 第一電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第二電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第一電析槽の電析浴温度75℃ 第二電析槽の電析浴温度90℃ 第一電析槽中のアノードにおける電流密度5mA/cm
2 第二電析槽中のアノードにおける電流密度5mA/cm
2 第一及び第二電析槽の空気攪拌量20m3/hr
【0182】この結果、太陽電池の透明導電層1002
として十分な特性の1.5μmの膜厚を有するとともに
良好な凹凸表面を有する酸化亜鉛の電析を、長尺基板2
006上に均一に成膜することができた。
【0183】[実施例5]実施例5では、以下の条件に
基づいて実験を行った。なお、この実施例5では、2段
成膜を行い、各電析槽における空気攪拌量が異なってい
る。
【0184】 長尺基板幅355mm、長尺基板搬送速度2m/s 第一電析槽の長さ5m、第二電析槽の長さ5m 第一電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第二電析槽の電析浴の硝酸亜鉛濃度0.2M/l、デキ
ストリン濃度0.1g/l 第一電析槽の電析浴温度85℃ 第二電析槽の電析浴温度85℃ 第一電析槽中のアノードにおける電流密度15mA/c
2 第二電析槽中のアノードにおける電流密度5mA/cm
2 第一電析槽の空気攪拌量80m3/hr 第二電析槽の空気攪拌量20m3/hr
【0185】この結果、太陽電池の透明導電層1002
として十分な特性の2μmの膜厚を有するとともに良好
な凹凸表面を有する酸化亜鉛の電析を、長尺基板200
6上に均一に成膜することができた。
【0186】なお、上述した実施形態においては、長尺
基板2006を用いて説明したが、本発明に係る電析装
置は、長尺基板2006を用いたものに限定されず、例
えば枚葉式等の他の生産装置に応用することができ、こ
の場合にも同様の作用効果を奏することができる。
【0187】
【発明の効果】本発明に係る電析装置は、長尺基板上に
酸化亜鉛膜を堆積するもので、酸化亜鉛を電気化学的に
堆積せしめる電析浴を保持する電析槽、該電析槽に対し
てそれぞれの電析浴を所定温度に加熱して送る循環槽、
前記電析槽と前記循環槽とで保持する全電析浴を一度に
溜めることのできる独立した排液槽の組み合わせを複数
有している。
【0188】したがって、電析槽を分割することによ
り、一つの電析槽の長さを短くすることができるので
(例えば5m以下)、昇温時の槽やその構成体(フレー
ム、ステーなど)の熱膨張に伴うローラーの捻じれを最
小限に抑えて、基板の搬送不良を発生させることがな
い。また、一つの電析槽の長さを短くすることにより、
熱膨張収縮を伴う昇降温サイクルの繰り返しによる装置
の歪みやガタの発生を最小限に抑えることができるの
で、電析装置の寿命を延ばすことができる。
【0189】また、本発明に係る電析装置は、電析浴の
組成と加熱温度が、複数の電析槽と循環槽と排液槽の組
で等しくなっている。
【0190】したがって、一つの循環槽を用いる場合と
比較して、電析浴の昇温時間を最小とすることができ、
電析装置におけるスループットを高めることができる。
【0191】また、本発明に係る電析装置は、電析浴の
組成または加熱温度が、複数の電析槽と循環槽と排液槽
の組で異なっている。
【0192】したがって、異なるモルフォロジーをもつ
電析膜を、インラインで成膜することができる。
【0193】また、本発明に係る電析装置は、電析浴の
濃度が、複数の電析槽と循環槽と排液槽の組で異なって
いる。
【0194】したがって、異なる配向性を持つ酸化亜鉛
膜を、連続的にインラインで成膜することができる。
【0195】さらに、本発明に係る電析装置は、複数の
電析槽と循環槽と排液槽の組に、それぞれ攪拌空気を導
入するための攪拌空気導入手段を設け、該攪拌空気導入
手段による空気攪拌の量が、複数の電析槽と循環槽と排
液槽の組で異なっている。
【0196】したがって、電流が大きく成膜速度の高い
成膜部分をもつ電析槽では、電析浴の攪拌を確実に行う
ために、攪拌量を多くすることができる。一方、これ以
外の電析槽では、攪拌空気量を少なくすることができ
る。このため、圧搾空気の使用量を最小化することがで
きる。
【0197】上述した各効果に伴って、本発明に係る電
析装置によれば、長尺基板上に、太陽電池の透明導電層
として有効で、十分な膜厚を有する酸化亜鉛を堆積せし
めることができるとともに、複数の電析条件による膜を
積層した透明導電層を堆積せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電析装置を用いて形成する酸化亜鉛膜を含んだ
太陽電池の模式的断層図。
【図2】本発明に係る電析装置の一実施形態を示す構成
図。
【図3】図2に示す巻出装置の拡大図。
【図4】図2に示す第一電析槽及び第一循環槽の拡大
図。
【図5】図2に示す第二電析槽及び第二循環槽の拡大
図。
【図6】図2に示す第一排液槽及び第二排液槽の拡大
図。
【図7】図2に示す純水シャワー槽、第一温水槽、第二
温水槽、乾燥部、巻取装置の拡大図。
【図8】図2に示す純水加熱槽の拡大図。
【図9】図2に示す排気ダクト付近の拡大図。
【符号の説明】
1001 基板 1002 透明導電層 1003 半導体層 1004 透明電極 2001 巻出装置長尺基板ボビン 2002 巻出装置インターリーフ巻取りボビン 2003 巻出装置繰出し調整ローラー 2004 巻出装置方向転換ローラー 2005 巻出装置排出ローラー 2006 長尺基板 2007 巻取りインターリーフ 2008 インターリーフ巻取り方向 2009 巻出装置長尺基板ボビン回転方向 2010 長尺基板巻出し方向 2011 巻出装置クリーンブース 2012 巻出装置 2013 電析槽入口折返しローラー 2014 第一電析槽進入ローラー 2015 第一電析槽退出ローラー 2016 電析槽間折返しローラー 2017 電析槽入口折返しローラーカバー 2018 第一電析浴保持槽カバー 2019 電析槽間カバー 2020 電析水洗系排気ダクト 2021 第一電析槽上流排気口 2022 第一電析槽中流排気口 2023 第一電析槽下流排気口 2024 第一電析槽オーバーフロー戻り口 2025 第一電析浴浴面 2026〜2053 第一電析槽アノード 2054〜2060 第一電析槽アノード載置台 2061 第一電析槽裏面電極 2062 第一電析槽攪拌空気導入管 2063 第一電析槽上流循環噴流管 2064 第一電析槽下流循環噴流管 2065 第一電析浴保持槽 2066 第一電析槽 2067 第一電析槽出口シャワー 2068 第二電析槽入口シャワー 2069 第二電析槽進入ローラー 2070 第二電析槽退出ローラー 2071 第二電析槽上流排気口 2072 第二電析槽中流排気口 2073 第二電析槽下流排気口 2074 第二電析浴浴面 2075 第二電析槽オーバーフロー戻り口 2076〜2103 第二電析槽アノード 2104〜2110 第二電析槽アノード載置台 2111 第二電析槽裏面電極 2112 第二電析槽攪拌空気導入管 2113 第二電析槽上流還流噴流管 2114 第二電析槽下流還流噴流管 2115 第二電析浴保持槽 2116 第二電析槽 2117 第一電析槽オーバーフロー戻り路 2118 第一電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フラン
ジ 2119 第一電析槽オーバーフロー戻り方向 2120 第一循環槽 2121 第一循環槽加熱貯槽 2122〜2129 第一循環槽ヒーター 2130 第一循環槽電析浴上流循環元バルブ 2131 第一循環槽電析浴上流循環方向 2132 第一循環槽電析浴上流循環ポンプ 2133 第一循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2134 第一循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ 2135 第一循環槽電析浴上流循環バルブ 2136 第一循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイ
プ 2137 第一循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管 2138 第二電析浴保持槽カバー 2139 第一循環槽電析浴下流循環元バルブ 2140 第一循環槽電析浴下流循環方向 2141 第一循環槽電析浴下流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2142 第一循環槽電析浴下流循環ポンプ 2143 第一循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ 2144 第一排液槽排液貯槽 2145 第一循環槽電析浴下流循環バルブ 2146 第一循環槽電析浴バイパス循環フレキシブル
パイプ 2147 第一循環槽電析浴バイパス循環バルブ 2148 第一循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイ
プ 2149 第一循環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管 2150 第一循環槽出口シャワーバルブ 2151 第一電析槽フィルター循環戻りフレキシブル
パイプ 2152 第一電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁
配管 2153 第一電析槽排水バルブ 2154 第一電析槽フィルター循環元バルブ 2155 第一電析槽フィルター循環方向 2156 第一電析槽フィルター循環サクションフィル
ター 2157 第一電析槽フィルター循環ポンプ 2158 第一電析槽フィルター循環ポンプバイパスバ
ルブ 2159 第一電析槽フィルター循環圧力スイッチ 2160 第一電析槽フィルター循環圧力ゲージ 2161 第一電析槽フィルター循環フィルター 2162 第一電析槽フィルター循環方向 2163 第一電析槽フィルター循環方向 2164 第一電析槽フィルター循環フレキシブルパイ
プ 2165 第一電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管 2166 第一電析槽フィルター循環バルブ 2167 第一電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ 2168 第一電析槽フィルター循環系電析浴中流戻り
バルブ 2169 第一電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ 2170 第一排液槽空気抜きバルブ 2171 第一排液槽空気抜き 2172 第一排液槽 2173 第一排液槽排水バルブ 2174 第一排液槽排液回収バルブ 2175 排液回収元バルブ 2176 排液回収サクションフィルター 2177 排液回収ポンプ 2178 排液回収口 2179 排液槽共通排水口 2180 第二排液槽排水バルブ 2181 第二排液槽排液回収バルブ 2182 圧搾空気導入口 2183 電析浴攪拌用圧搾空気圧力スイッチ 2184 第一電析槽圧搾空気導入方向 2185 第一電析槽圧搾空気元バルブ 2186 第一電析槽圧搾空気流量計 2187 第一電析槽圧搾空気レギュレーター 2188 第一電析槽圧搾空気ミストセパレーター 2189 第一電析槽圧搾空気導入バルブ 2190 第一電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ 2191 第一電析槽圧搾空気絶縁配管 2192 第一電析槽攪拌空気下流側制御バルブ 2193 第一電析槽攪拌空気上流側制御バルブ 2194 第二電析槽圧搾空気導入方向 2195 第二電析槽圧搾空気元バルブ 2196 第二電析槽圧搾空気流量計 2197 第二電析槽圧搾空気レギュレーター 2198 第二電析槽圧搾空気ミストセパレーター 2199 第二電析槽圧搾空気導入バルブ 2200 第二電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ 2201 第二電析槽圧搾空気絶縁配管 2202 第二電析槽攪拌空気上流側制御バルブ 2203 電析槽系純水導入口 2204 電析槽系純水導入バルブ 2205 第一加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2206 第一加熱貯槽純水導入バルブ 2207 第一電析槽純水導入バルブ 2208 第一電析槽純水導入絶縁配管 2209 第二加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2210 第二加熱貯槽純水導入バルブ 2211 第二電析槽純水導入バルブ 2212 第二電析槽純水導入絶縁配管 2213 電析槽予備導入口 2214 電析槽予備導入バルブ 2215 第一電析槽予備導入バルブ 2216 第一電析槽予備導入絶縁配管 2217 第二電析槽予備導入バルブ 2218 第二電析槽予備導入絶縁配管 2219 第二電析槽オーバーフロー戻り路 2220 第二電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フラン
ジ 2221 第二電析槽オーバーフロー戻り方向 2222 第二循環槽 2223 第二循環槽加熱貯槽 2224〜2231 第二循環槽ヒーター 2232 第二循環槽電析浴上流循環元バルブ 2233 第二循環槽電析浴上流循環方向 2234 第二循環槽電析浴上流循環ポンプ 2235 第二循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2236 第二循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ 2237 第二循環槽電析浴上流循環バルブ 2238 第二循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイ
プ 2239 第二循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管 2240 第二循環槽入口シャワーフレキシブルパイプ 2241 第二循環槽入口シャワーバルブ 2242 第二循環槽電析浴下流循環元バルブ 2243 第二循環槽電析浴下流循環方向 2244 第二循環槽電析浴下流循環ポンプバイパスバ
ルブ 2245 第二循環槽電析浴下流循環ポンプ 2246 第二循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ 2247 第二循環槽電析浴下流循環バルブ 2248 第二循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイ
プ 2249 第二循環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管 2250 第二循環槽電析浴バイパス循環フレキシブル
パイプ 2251 第二循環槽電析浴バイパス循環バルブ 2252 第二電析槽出口シャワーバルブ 2253 第二電析槽フィルター循環戻りフレキシブル
パイプ 2254 第二電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁
配管 2255 第二電析槽排水バルブ 2256 第二電析槽フィルター循環元バルブ 2257 第二電析槽フィルター循環方向 2258 第二電析槽フィルター循環サクションフィル
ター 2259 第二電析槽フィルター循環ポンプバイパスバ
ルブ 2260 第二電析槽フィルター循環ポンプ 2261 第二電析槽フィルター循環圧力スイッチ 2262 第二電析槽フィルター循環圧力ゲージ 2263 第二電析槽フィルター循環フィルター 2264 第二電析槽フィルター循環方向 2265 第二電析槽フィルター循環方向 2266 第二電析槽フィルター循環フレキシブルパイ
プ 2267 第二電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管 2268 第二電析槽フィルター循環バルブ 2269 第二電析槽フィルター循環系電析浴上流戻り
バルブ 2270 第二電析槽フィルター循環系電析浴中流戻り
バルブ 2271 第二電析槽フィルター循環系電析浴下流戻り
バルブ 2272 第二電析槽攪拌空気下流側制御バルブ 2273 第二排液槽排液貯槽 2274 第二排液槽 2275 第二排液槽空気抜きバルブ 2276 第二排液槽空気抜き 2277 第一排液槽排液貯槽上蓋 2278 第二排液槽排液貯槽上蓋 2279 純水シャワー槽折返し進入ローラー 2280 純水シャワー槽ローラー 2281 第一温水槽折返し進入ローラー 2282 第一温水槽ローラー 2283 第二温水槽折返し進入ローラー 2284 第二温水槽ローラー 2285 乾燥折返しローラー 2286 巻取装置進入ローラー 2287 巻取装置方向転換ローラー 2288 巻取り調整ローラー 2289 長尺基板巻上げボビン 2290 インターリーフ繰出しボビン 2292 長尺基板巻取り方向 2293 長尺基板巻取りボビン回転方向 2294 インターリーフ繰出しボビン回転方向 2295 巻取装置クリーンブース 2296 巻取装置 2297 第二電析槽出口シャワー 2298 純水シャワー槽裏面ブラシ 2299 純水シャワー槽入口表面純水シャワー 2300 純水シャワー槽入口裏面純水シャワー 2301 純水シャワー槽排気口 2302 純水シャワー槽出口裏面純水シャワー 2303 純水シャワー槽出口表面純水シャワー 2304 第一温水槽温水保温ヒーター 2305 第一温水槽排気口 2306 第一温水槽超音波源 2307 第二温水槽温水保温ヒーター 2308 第二温水槽排気口 2309 第二温水槽出口裏面純水シャワー 2310 第二温水槽出口表面純水シャワー 2311 乾燥部入口裏面エアーナイフ 2312 乾燥部入口表面エアーナイフ 2313 IRランプ 2314 乾燥部排気口 2315 純水シャワー槽受け槽 2316 第一温水槽温水保持槽 2317 第二温水槽温水保持槽 2318 純水シャワー槽折返し進入ローラーカバー 2319 第一温水槽折返し進入ローラーカバー 2320 第二温水槽折返し進入ローラーカバー 2321 乾燥部カバー 2322 温水槽間連結管 2323 純水シャワー槽純水シャワー供給元バルブ 2324 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプバイ
パスバルブ 2325 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプ 2326 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力スイッ
チ 2327 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力ゲージ 2328 純水シャワー槽純水シャワー供給カートリッ
ジ式フィルター 2329 純水シャワー槽純水シャワー供給流量計 2330 純水シャワー槽入口表面純水シャワーバルブ 2331 純水シャワー槽入口裏面純水シャワーバルブ 2332 純水シャワー槽出口裏面純水シャワーバルブ 2333 純水シャワー槽出口表面純水シャワーバルブ 2334 第一温水槽温水保持槽排水バルブ 2335 第二温水槽温水保持槽排水バルブ 2336 水洗系排水 2337 水洗系純水口 2338 水洗系純水供給元バルブ 2339 純水加熱槽 2340〜2343 純水加熱槽純水加熱ヒーター 2344 純水加熱槽純水送出バルブ 2345 純水加熱槽純水送出ポンプバイパスバルブ 2346 純水加熱槽純水送出ポンプ 2347 純水加熱槽圧力スイッチ 2348 純水加熱槽圧力ゲージ 2349 純水加熱槽カートリッジ式フィルター 2350 純水加熱槽流量計 2351 第二温水槽出口裏面シャワーバルブ 2352 第二温水槽出口表面シャワーバルブ 2353 乾燥系圧搾空気導入口 2354 乾燥系圧搾空気圧力スイッチ 2355 乾燥系圧搾空気フィルターレギュレーター 2356 乾燥系圧搾空気ミストセパレータ 2357 乾燥系圧搾空気供給バルブ 2358 乾燥部入口裏面エアーナイフバルブ 2359 乾燥部入口表面エアーナイフバルブ 2360 純水シャワー槽 2361 第一温水槽 2362 第二温水槽 2363 乾燥部 2364 電析水洗系排気ダクト水洗側絶縁フランジ 2365 電析水洗系排気ダクト基幹絶縁フランジ 2366 電析水洗系排気ダクト凝縮器 2367 電析水洗系排気ダクト熱交換グリッド 2368 電析水洗系排気ダクト凝縮器排水ドレイン 2369 電析水洗系排気 2370 乾燥系排気ダクト 2371 乾燥系凝縮器 2372 乾燥系熱交換グリッド 2373 乾燥系凝縮器排水ドレイン 2374 乾燥系排気
フロントページの続き (72)発明者 園田 雄一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮本 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA05 BA12 BA14 CB11 CB27 CB29 CB30 FA02 FA15 FA19 GA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に酸化亜鉛膜を堆積するための電
    析装置において、酸化亜鉛を電気化学的に堆積せしめる
    電析浴を保持する電析槽と、該電析槽に対してそれぞれ
    の電析浴を所定温度に加熱して送る循環槽と、前記電析
    槽と前記循環槽とで保持する全電析浴を一度に溜めるこ
    とのできる独立した排液槽との組み合わせを、複数有す
    ることを特徴とする電析装置。
  2. 【請求項2】 電析浴の組成と加熱温度が、複数の電析
    槽と循環槽と排液槽の組で等しいことを特徴とする請求
    項1記載の電析装置。
  3. 【請求項3】 電析浴の組成または加熱温度が、複数の
    電析槽と循環槽と排液槽の組で異なることを特徴とする
    請求項1記載の電析装置。
  4. 【請求項4】 電析浴の濃度が、複数の電析槽と循環槽
    と排液槽の組で異なることを特徴とする請求項1〜3記
    載の電析装置。
  5. 【請求項5】 複数の電析槽と循環槽と排液槽の組に、
    それぞれ攪拌空気を導入するための攪拌空気導入手段を
    設け、該攪拌空気導入手段による空気攪拌の量が、複数
    の電析槽と循環槽と排液槽の組で異なることを特徴とす
    る請求項1〜4記載の電析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013062394A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Honda Motor Co Ltd カルコパイライト型太陽電池の製造方法と、バッファ層成膜装置

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