JP3450695B2 - 電析槽、電析装置及び電析方法 - Google Patents
電析槽、電析装置及び電析方法Info
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- JP3450695B2 JP3450695B2 JP03444498A JP3444498A JP3450695B2 JP 3450695 B2 JP3450695 B2 JP 3450695B2 JP 03444498 A JP03444498 A JP 03444498A JP 3444498 A JP3444498 A JP 3444498A JP 3450695 B2 JP3450695 B2 JP 3450695B2
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Description
の長尺基板上に電析法(電解めっき法及び電解析出法)
により酸化物膜を作成する電析槽および電析装置、並び
にこれらを用いた電析方法に係り、特に導電性の高い電
析浴を用いて長尺基板上に均一に酸化亜鉛膜を作成する
電析槽および電析装置、並びにこれらを用いた電析方法
に関する。
真空プロセスに代わり、水溶液の電気化学的反応を利用
して基板上に酸化物を作成する技術が注目されている。
例えば、特開平09−092861号公報には「酸化亜
鉛薄膜の製造方法、それを用いた半導体素子基板及び光
起電力素子」に係る発明が提案されており、電析法によ
り長尺基板上に酸化亜鉛等の酸化物を作成する方法が開
示されている。
酸化物を作成する装置の一例を示す概略図であり、電析
法により酸化亜鉛膜を作成するだけの機能に単純化した
ものである。
れたステンレス帯板等の長尺基板であり、フープ材、ロ
ール基板またはウェブなどと呼ばれている。長尺基板2
001は、ボビンにコイル状に巻かれた円筒体状の基板
として、本装置へと搬送されてくる。
を基板繰り出しローラー2002に配置し、その表面保
護のために巻き入れられた合紙を合紙巻き上げローラー
2003により巻き出しつつ、繰り出された基板を基板
巻き上げローラー2062へと搬送し、巻き取ってい
る。
において、まず張力検出ローラー2005、給電ローラ
ー2006を経て電析槽2009内に入る。電析槽20
09の内部では、基板2001が支持ローラー201
3,2014により位置出しされ、電析法により酸化物
膜が作成される。
01は、水洗槽2030内に導入されて水洗される。水
洗槽2030の内部での位置出しは、支持ローラー20
31,2066によって行われる。水洗槽2030を通
過した基板2001は、温風乾燥炉2051内に導入さ
れて乾燥される。
1は、支持ローラー2057を経て、蛇行修正ローラー
2059により横ずれが補正され、成膜表面を保護すべ
く、合紙繰り出しローラー2060から繰り出された新
しい合紙を巻き込んで、基板巻き上げローラー2062
に巻き上げられ、必要に応じて次工程へと搬送される。
1の動的な巻き張力を検知して、基板繰り出しローラー
2002の軸にリンクされた不図示のパウダークラッチ
等のブレーキ手段にフィードバックをかけ、張力を一定
に保持するものである。これにより、基板2001の搬
送経路が支持ローラー間で所定の値になるように設計さ
れている。
れない構成となっているため、張力が弱いと、支持ロー
ラーから基板2001が外れたり、電析槽2009や水
洗槽2030の出入口で基板2001が垂れ下がって成
膜面を擦って傷付くなどの、不具合が発生する。
傷を受けたり、汚れたりしないなどの利点があり、とり
わけ太陽電池の反射膜などのように、ミクロンサイズの
凹凸を薄膜上に形成しなければならない用途には好まし
い。
ド側の電位を印加するためのもので、なるべく電析浴に
近いところに設置され、電源2008の負極側に接続さ
れている。
すると共に、基板2001の経路を定め、それに対して
アノード2017を設置して、このアノード2017に
給電バー2015を介して電源2008から正極の電位
を印加する。これにより、電析浴中で基板2001を
負、アノード2017を正とする電気化学的な電解析出
プロセスが進行する。
水蒸気の発生がかなり多くなるので、蒸気排出ダクト2
010、2011、2012から水蒸気を逃がしてや
る。
攪拌エアー導入管2019からエアーを導入して、電祈
槽2009内のエアー吹き出し管2018からエアーを
バブリングする。
は、電析循環槽2025を設け、この中にヒーター20
24を設置して浴を加温し、かかる浴液を浴循環ポンプ
2023から電析浴液供給管2020を介して電析槽に
供給する。電析槽2009から溢れた浴液や、一部積極
的に帰還させる浴液は、不図示の帰還路を経て、電析循
環槽2025に戻して再び加温する。
2021とバルブ2022とで、電析循環槽2025か
ら電析槽2009への浴供給量を制御することができ
る。すなわち、供給量を増やす場合は、バルブ2021
をより開放とし、バルブ2022をより閉成とするので
あり、また供給量を減らす場合は逆の操作を行う。電析
浴2016の保持水位は、この供給量と不図示の帰還量
を調整しておこなう。
27とフィルターとがらなるフィルター循環系が備えら
れており、電析循環槽2025中の粒子を除去できる構
成となっている。電析循環槽2025と電析槽2009
との間での浴液の供給・帰還が充分に多い場合には、こ
のように電析循環槽2025にのみフィルターを設置し
た形で、充分な粒子除去効果を得ることができる。
排出ダクト2026が設置されており、水蒸気が排出さ
れる構造となっている。持に、電析循環槽2025には
ヒーター2024が設置されていて加温源となっている
ため、水蒸気の発生が著しく、発生した水蒸気が不用意
に放出されたり結露したりするのが好ましくない場合
は、極めて効果的である。
一気に既設の廃液系に流して処理装置を傷めることを防
ぐために設置されたもので、一旦電析槽2009の電析
浴2016を保持するとともに、電析槽2009を空に
して作業の能率を図るためのものである。
1は、続いて水洗槽2030に入って水洗される。水洗
槽2009内では、基板2001は支持ローラー203
1と支持ローラー2066で位置決めされ、第一水洗槽
2032、第二水洗槽2033、第三水洗槽2034を
順に通過する。
と水循環ポンプ2044〜2046が配され、2つのバ
ルブ、すなわちバルブ2038とバルブ2041、若し
くはバルブ2039とバルブ2042、またはバルブ2
040とバルブ2043とで水洗槽2009への水供給
量が決まり、供給管2035、若しくは供給管203
6、または供給管2037を介して、水洗槽2032〜
2034内へ洗浄水が供給される。
槽2009での制御と同様である。また、電析槽200
9と同様に、オーバーフローを集めたり一部を積極的に
戻す不図示の帰還水を、それぞれの水洗循環槽2047
〜2049に戻すことも可能である。
ムでは、基板搬送方向の上流側の水洗槽から下流側の水
洗槽、すなわち第一水洗槽2032から第三水洗槽20
34へ向けて、洗浄水の純度が高くなっている。これ
は、基板2001が搬送されプロセスが終わりに近づく
に従って、基板2001の清浄度が上がっていくことを
意味している。
49に最初に補給し、次に第三水洗循環槽2049で溢
れた洗浄水を第二水洗循環槽2048に補給し、さらに
第二視線循環槽2048で溢れた洗浄水を第一水洗循環
槽2047に補給することにより、水の使用量を大幅に
節約して達成することができる。
030の一部に設けられたエアーナイフ2065により
水切りされ、続いて温風乾燥炉2051へ搬送される。
ここでは、水を充分に乾燥させるだけの温度の対流空気
で乾燥をおこなう。対流空気は、熱風発生炉2055で
発生した熱風を、フィルター2054を通してゴミを除
去し、温風吹き出し管2052から吹き出して供給す
る。
り回収して、外気導入管2056からの外気と混合して
熱風発生炉に送られる。
は、支持ローラー2066と支持ローラー2057とに
よって位置出しされる。
1の幅方向のずれを補正して基板巻き上げローラー20
62に巻き込むものであり、不図示のセンサーによって
ずれ量を検知し、蛇行修正ローラー2059を不図示の
アームを支点として回転することによって制御する。通
常、センサーの検知するずれ量も、蛇行修正ローラー2
059の作動量も極めて小さく、1mmを超えないよう
にしている。
表面膜保護のために、合紙繰り出しローラー2060か
ら新しい合紙を供給する。
は同時に働いて、基板2001を搬送張力の掛かったま
ま静止させるものである。これは、基板2001の交換
時や装置のメンテナンス時に、作業性を向上させる。
より、次のような利点がある。
と異なり、膜作成が極めて簡便なことである。高価な真
空ポンプを必要とせず、プラズマを使用するための電源
や電極周りの設計に気を遣うこともない。
低いことである。これはスパッタリング装置では、ター
ゲットの作製に人手と装置を要し、費用がかかる上に、
ターゲットの利用効率も2割程度以下だからである。し
たがって、装置のスループットが上がったり、膜厚の大
きい場合には、ターゲット交換の作業がかなりのウエイ
トを占めるようになるからである。
着法に対しても装置やランニング・コストの点で優位に
立つ。
あり、真空法で作成するのと遜色ない導電特性・光学特
性を示し、ゾルゲル法や有機物を用いたコーティング
法、さらにはスプレー・パイロリシス法などに比べて優
位に立つ。
のことが成り立つ上、廃液を簡単に処理することがで
き、環境に及ぼす影響も小さく、環境汚染を防止するた
めのコストも低い。
装置によって成膜を行ってみると、次のような不都合な
点が見出された。
1の下に配置したアノード2017が、その位置によっ
て大きく異なる成膜速度を呈し、成膜面にもやもやとし
たムラが発生し易かった。このもやもやとしたムラは、
例えば太陽電池を形成するために、CVD法によりアモ
ルファス・シリコンを主体とする半導体起電力層、さら
にITO等の透明導電膜層を形成しても消失せず、特性
の斑として残ってしまうという問題があった。
であり、また電流を大きくして成膜速度を高くしようと
すればするほど顕著であった。これでは、上述したラン
ニング・コストが低いという利点を充分に発揮できない
ことになる。
ムラの発生しない一様な酸化膜を均一に電析することが
でき、太陽電池の反射層などに好適な酸化物膜を作成す
ることができる電析槽、およびこれを備えた電析装置を
提供することを目的とする。
析槽は、電析浴中で長尺基板と電極とに通電して、基板
上に酸化物を成膜する電析槽において、外壁が金属材料
により形成され、その内面に誘電体材料で形成された内
張りが内装され、アノードから外壁の金属部分への浴の
電気抵抗が、アノードから基板への浴の電気抵抗より大
きくなるように、内張りの継ぎ目における隙間が設定さ
れているものである。
で基板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する
電析槽において、外壁が金属材料により形成され、その
内面に誘電体材料で形成された内張りが内装され、外壁
の金属部分と基板とが、等電位に設定されているもので
ある。この誘電体として、フッ素樹脂あるいは繊維強化
プラスチックを採用することが好ましい。
り、ロール間に長尺基板を掛け渡して搬送するロール・
ツー・ロール装置に備えられていることである。
板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する電析
槽において、金属材料で形成されている外槽と、誘電体
材料で形成され、その内部にアノード電極を収容する内
槽とを備えているものである。
されていることが好ましい。
液と外部の浴液とが入出させる開口が設けられているこ
とである。
ら金属製の外槽への浴の電気抵抗が、アノードから基板
への浴の電気抵抗より大きくなるように、開口の大きさ
が設定されていることである。
の浴液と外部の浴液とを交換させる浴交換移動手段が備
えられていることである。
導出する浴導出系と、内槽内へ外部の浴液を導入する浴
導入系と、導出系から導入系へ浴液を循環させるポンプ
とが備えられていることが好ましい。
基板へ至る浴の電気抵抗が、内槽内でアノードから基板
へ至る浴の電気抵抗よりも大きいことが好ましい。
繊維強化プラスチックを採用することが好ましい。
に設定されていることが好ましい。
り、より好ましくは、ロール間に長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とである。
板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する電析
槽と、電析槽を通過した基板を水洗する水洗手段と、水
洗手段を通過した基板を強制乾燥する乾燥手段とを備え
ている電析装置において、電析槽が誘電体材料により形
成されているものである。
強されていることが好ましい。
繊維強化プラスチックを採用することが好ましい。
り、より好ましくは、ロール間に長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とである。
基板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する電
析槽と、電析槽を通過した基板を水洗する水洗手段と、
水洗手段を通過した基板を強制乾燥する乾燥手段とを備
えている電析装置において、電析槽が金属材料により形
成され、その内面に誘電体材料で形成された内張りが内
装されているものである。
維強化プラスチックを採用することが好ましい。
浴の電気抵抗が、アノードから基板への浴の電気抵抗よ
り大きくなるように、内張りの継ぎ目における隙間が設
定されていることが好ましい。。
電位に設定されていることが好ましい。
り、より好ましくは、ロール間に長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とである。
基板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する電
析槽と、電析槽を通過した基板を水洗する水洗手段と、
水洗手段を通過した基板を強制乾燥する乾燥手段とを備
えている電析装置において、電析槽が金属材料で形成さ
れている外槽と、誘電体材料で形成され、その内部にア
ノード電極を収容する内槽とを備えているものである。
れていることが好ましい。
液とが入出させる開口が設けられていることが好まし
い。
槽への浴の電気抵抗が、アノードから基板への浴の電気
抵抗より大きくなるように、開口の大きさが設定されて
いることが好ましい。
液と外部の浴液とを交換させる浴交換移動手段が備えら
れていることである。
導出する浴導出系と、内槽内へ外部の浴液を導入する浴
導入系と、導出系から導入系へ浴液を循環させるポンプ
とが備えられていることが好ましい。
基板へ至る浴の電気抵抗が、内槽内でアノードから基板
へ至る浴の電気抵抗よりも大きいことが好ましい。
繊維強化プラスチックを採用することが好ましい。
に設定されていることが好ましい。
り、より好ましくは、ロール間に長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とである。さらに、本発明の電析方法は、電析浴中で基
板と電極とに通電して、基板上に酸化物を成膜する電析
方法において、上記いずれかに記載の電析槽または電析
装置を用いて基板上に酸化物を成膜するものである。
もに、本発明の構成および作用を更に説明する。すなわ
ち、本発明者等は、もやもやとしたムラについて、以下
のような実験により検討を行った。
レス鋼(SUS)によって形成されているが、これに替
える材質としてFRPを採用したところ、アノード20
17の位置による成膜速度の差異は殆ど発生せず、高い
成膜速度で一様な膜を作成できることが分かった。
内側に、10mm厚のテフロン板による内張りを配置し
た。板の継ぎ目には多少の隙間があり、この隙間には電
析浴2016の一部が滞留して、電析浴2016を介し
て基板2001とステンレス鋼製の電析槽2009とが
電気的に接続されたものとなっている。
くなく、この電気的な接続は数10Ω以上の大きな抵抗
を有している。なお、アノード2017と基板2001
との電気抵抗は、0.3Ωであった。
009を用いて電析を行ったところ、FRP製の電析槽
を用いた場合と同様に、アノード2017の位置による
成膜速度の差異は殆ど発生せず、高い成膜速度で一様な
膜を作成できることが分かった。ここで、ステンレス鋼
製の電析槽2009と基板2001とを断面積が22m
m2の銅線で接続して等電位にして電析したところ、成
膜の一様性はさらに改善された。
μmのETFEフィルムをステンレス鋼製の電析槽20
09の内側に内張りとして配置した。この場合も、電析
浴2016が一部漏れ出し、浴液の抵抗分を介してアノ
ード2017と電析槽2009とが電気的に接続されて
いた。ただし、この抵抗分は50Ωよりも大きかった。
一方、アノード2017と基板2001との電気抵抗
は、0.2Ωであった。
析槽2009を用いて電析を行ったところ、FRP製の
電析槽を用いた場合と同様に、アノード2017の位置
による成膜速度の差異は殆ど発生せず、高い成膜速度で
一様な膜を作成できることが分かった。
FA製の深皿バットを6つ配し、このバット中に3つず
つアノード2017を設置し、バットの開口部には基板
2001が被さるように配置した。このようにバットを
配した電析槽を用いて電析を行ったところ、静止成膜で
はアノードの形状が若干投影されたが、アノード201
7の位置による成膜速度の差異は殆ど発生せず、基板を
搬送した場合には高い成膜速度で一様な膜を作成できる
ことが分かった。
開口を8個ずつ開けて、バット内にバブリング・エアー
が導入されるようにし、浴液の攪拌がバット中でも行わ
れるようにした。このようにバットを配しバブリングを
可能にした電析槽を用いて、基板2001を搬送させな
がら電析を行ったところ、高い成膜速度で一様性のさら
なる改善が確認された。
を1つ開けて、この孔にテフロン・チューブを通し、こ
れを循環ポンプの排出口に接続し、電析槽2009の下
部から同じくテフロン・チューブを引き、循環ポンプの
導入口に接続した。このように構成することで、400
ml/minの浴循環系を形成し、浴液を基板下で攪拌
しながら、基板2001を搬送させて電析を行ったとこ
ろ、バット内にバブリング・エアーを導入した場合と同
じく、高い成膜速度で一様性の改善が確認された。循環
系の有するアノード2017と基板2001との間の抵
抗は、1kΩを超えていた。
ものに替え、このバットの内側をテフロン板で内張りし
て基板2001を搬送させながら電析を行ったところ、
一様に成膜することができた。
な実施形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定さ
れるものではない。
は、基本的には図2に示した電析装置と同様の構成を有
しているが、同装置における課題を解決するために、種
々の改良が加えられている。したがって、便宜上、図2
と同一の符号を付して説明する。
基板2001上に均一な酸化物を連続的に成膜する装置
であり、電析浴2016中で長尺基板2001とアノー
ド2017とに通電して、基板2001上に酸化物を成
膜する電析槽2009と、電析槽2009を通過した基
板2001を水洗する水洗槽2030等の水洗手段と、
水洗手段2030を通過した基板2001を強制乾燥す
る温風乾燥炉2051等の乾燥手段とを備えており、特
に電析槽2009を改良し、あるいは電析槽2009を
外槽として内槽を新たに設けている。以下に、各構成要
素について詳細に説明する。
の材料は、膜作成面で電気的な導通がとれ、電析浴20
16によって侵食されないものであれば使用することが
でき、ステンレス鋼(SUS)、Al、Cu、Feなど
の金属、およびこれらの合金が用いられる。また、金属
コーティングを施したPETフィルムなども利用可能で
ある。
行うには、ステンレス鋼が比較的安価で耐食性に優れて
いる点で長尺基板として適している。
い。1μm以上の粗面の場合には、例え濡れ性の良い膜
が作成されても、電析槽2009と水洗槽2030との
間で乾燥ムラが発生しやすく、本発明が有効である。
材料が成膜されていてもよく、電折の目的に応じて選択
される。
比べて電気抵抗が大きいため、特に基板の厚みが約0.
1mm以下であると、後述の電析浴2016を介したア
ノード2017と基板2001との電気抵抗より大きく
なることが多い。
るアノード電位の制御が難しかったり、基板2001と
アノード2017との間に流れるべき電流が、他の部
材、例えば電析槽自体や配管から逃げてしまい、その制
御が難しがったりする。アノード電位の制御の難しさ
は、上述したようなムラという不具合として帰結するこ
とが多く、本発明はかかる場合に特に有効である。
電析浴2016は、酸化亜鉛成膜用の硝酸亜鉛(6水和
物として入手する)を主としたものが適用可能である。
膜の一様性を高めるために、スクロースやデキストリン
などの糖類を添加することもできる。
度は、1mS/cm以上のものが好ましく、とりわけ1
0mS/cm以上であると効果が顕著に現れる。これ
は、電析浴2016の電導度が大きくなると、アノード
2017から基板2001へ流れる電流経路以外に、ア
ノード2017から電析槽2009へ流れる電流経路
や、配管をはじめとする部材に電流経路が形成されるか
らである。
01へ流れる電流経路以外の電流が大きくなること自体
は単に電流を損失するだけであるが(といっても本来の
電流経路の数倍以上になることもあるから、決して好ま
しいとはいえないが)、殆どの実際の系においては、ア
ノード2017から基板2001へ流れる電流経路以外
の電流は流れ先の電位が安定しないことが多く、アノー
ド2017から基板2001へ流れる電流のふらつきは
大変に大きなものとなるからである。
01の電位と等電位とすることは、このふらつきによる
アノード2017から基板2001へ流れる電流、すな
わち酸化物を成膜する本来の電流を定常化できること
が、本発明者等の実験において確認されている。
おける一様な酸化物の成膜の本質は、アノード2017
から基板2001へ流れる電流経路以外の電流を定常化
させるか、あるいは減少させて、アノード2017から
基板2001へ流れる電流を安定化、もしくは効率化す
ることにある。
有効な光の波長程度の凹凸をもった酸化亜鉛を成膜する
には、硝酸亜鉛の濃度を0.1M/l以上とすることが
好ましい。c軸に配向した酸化亜鉛膜を得るには、基板
にもよるが、一般的には0.05M/l以下とすること
が好ましい。
ロースにあっては3g/l以上、デキストリンにあって
は、0.01g/l以上とすることが好ましい。これら
の場合、浴の温度は、60℃以上とするのが金属の析出
がないので好ましい。とりわけ、80℃以上であると、
膜の一様性が向上するので好ましい。したがって、これ
らの温度では、本発明の効果が一層顕著になる。
においては、ステンレス鋼(SUS)、Fe、Al、C
u、Cr、真ちゅうなどが耐熱性・加工性に優れている
ので利用することができ、耐食性を考慮するとステンレ
ス鋼が好ましい。ステンレス鋼は、フェライト系、マル
テンサイト系、オーステナイト系いずれも適用可能であ
る。
とし、槽壁間を断熱材で補完することができる。断熱材
としては、温度と簡便性を考慮して、空気、油脂、ガラ
スウール、ウレタン樹脂などが挙げられる。
電析槽2009に内に配する内槽として、誘電体を用い
るものである。誘電体により形成する電析槽または内槽
としては、後述の樹脂を成型したものや、繊維強化プラ
スチックにより形成されたものを挙げることができる。
析槽または内槽を形成する誘電体の材料としては、アル
ミナ、マグネシア、カルシア、窒化珪素、炭化珪素をは
じめとするセラミックス、鉛カリ、鉛カリソーダ、亜鉛
ホウケイ酸、アルミノ珪酸、ホウケイ酸、バリウムホウ
ケイ酸、アルカリバリウムなどのガラス、AAS(アク
リロニトリル・アクリレート・スチレン)、ABS(ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ACS(ア
クロニトリル・塩化ポリエチレン・スチレン)、AES
(アクリロニトリル・エチレン・スチレン)、AS(ア
クリロニトリル・スチレン)などのスチレン系樹脂が適
用可能である。
イド)、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)、P
VC(ポリ塩化ビニル)、VP(プロピオン酸ビニ
ル)、PVB(ポリビニルブチラール)、PVF(ポリ
ビニルフォルマール)などのビニル系樹脂、PTFE
(ポリ四フッ化エチレン)、FEP(フッ化エチレン・
ポリプロピレン)、PFA(四フッ化エチレン・パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル)、ETFE(四フッ化
エチレン・エチレン)、CTFE(ポリクロロトリフル
オロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、
ECTFE(三フッ化塩化エチレン・エチレン)、PV
F(ポリフッ化ビニル)などのフッ素樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ナイロンを始めとするポリアミド樹脂、ポリ
アミドイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹
脂が適用可能である。
ン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HD
PE(高密度ポリエチレン)、UHMWPE(超高分子
量ポワエチレン)などのポリエチレン樹脂、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテ
レフタレート)、ポリカーボネイトなどのポリエステル
樹脂、ポリスチレン、ポリパラメチルスチレンなどのス
チロール樹脂、ポリプロピレンなどのプロピレン樹脂、
PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのアクリル
樹脂、BPA(ビスフェノールA)などのエポキシ樹
脂、DAP(ジアリルフタレート)などのアリル樹脂、
ベークライトなどのフェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、フルフリルアルコール・ポリマー、フルフリル
アルコール・フルフラール・コポリマー、フルフラール
・フェノール・コポリマー、フルフラール・ケトン・コ
ポワマーなどのフラン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂が
適用可能である。
合材料とすることもできる。樹脂の中で、特に電析浴の
使用温度が高く、耐食性を高めたいときにはフッ素樹脂
を使用することが好ましい。
状は、中空箱型や円筒の型を用いて上記のセラミック
ス、ガラス、および樹脂を成形加工したもの、板状のも
の、フィルム状のもの、発泡させたもの、繊維状にして
織ったものなどを適用することができ、それらを組み合
わせて成形することもできる。槽が自立できない場合に
は、金属や他の熱硬化性樹脂の骨組みと共に構成するこ
ともできる。
は、上記の〔電析槽〕や〔電析槽等に用いられる誘電
体〕の項目で記述したものを、同様に適用することがで
きる。ただし、内槽は外槽のように、電析浴全体の重量
を支える必要がないので、強度的に劣る材料であっても
適用可能であり、もっぱら誘電体としての特性や値段な
どに注目して選択することができる。一例として、厚さ
5mmのPFAの板とステンレス鋼製止め具を用いて箱
を作製することが考えられる。
ることと、電析浴全体の重量を支持いうることが要求さ
れるため、PFAだけで構成するのは十分でない。ステ
ンレス鋼などの金属箱などをサポートとして構成する必
要が有る。
にならないし、強度の制約は殆どない。ただし、内槽を
誘電体で構成して電流の逃げを防止するには、電析浴の
使用温度において絶縁性が保たれる必要が有り、PFA
はその条件に合致している。この場合、使用温度が70
℃位であるなら、PFAに替えてPVを用いることによ
り、製造コストを低下させることができる。
電析槽にもちいられる繊維強化プラスチック(FRP)
としては、強化繊維としてガラス繊維を用いたもの(G
RP)、炭素繊維を用いたもの(CRP)、ボロン繊維
を用いたもの(BRP)などが挙げられる。
テル樹脂を始め、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル
エステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹
脂が好適である。
プラスチックのみを用いる場合、強化繊維に金属コーテ
ィングなど行って導電率を上げることは好ましくない。
比抵抗は、100Ωcm以上の値を示すものが好まし
い。
と変形するおそれがあるので、金属アングル等の支持材
により補強しておくことが好ましい。
009内に内槽を配する場合、この内槽には浴交換手段
が備えられている。本発明に用いられる浴交換手段とし
ては、内槽の下部もしくは側壁に穿設した単一もしくは
複数の開口や、チューブまたはパイプとポンプとで構成
される浴液の一部循環系などが挙げられる。
製することができるという利点がある。開口は、浴液の
入れ替わりが自由で、かつ浴液による電気抵抗が大きい
ことが好ましい。これを達成するために、開口の口径を
大きくし、アノード2017から直線の電流経路が電析
槽2009に対して形成されないように覆いを設けた
り、迷路状に形成することができる。また開口には、積
極的に浴液の入れ替わりが促進されるような浴液用ファ
ンを設けてもよい。
電流経路を電気的に狭くできるという点で単なる開口よ
りも優れている。さらに、浴液の入れ替わり程度を制御
しやすいという長所もある。
ド2017とそれに対応した数の内槽を配する場合に
も、例えば浴液の吸引パイプを一本とし、内槽への戻し
パイプを複数設けるというような自由度もある。
がる可能性があれば、循環系の途中に保温や加熱の手段
を備えることもできる。また、この循環系での浴液の濃
度やパーティクルを測定して、浴液の管理を行うことも
できる。
な水洗槽2030に収容した水中に基板2001を通過
させる方式のほか、水洗用のシャワーを用いることがで
きる。
の溶質を除去した後に、図2に示したようなエアーナイ
フによる水切りが極めて効果的であり、後続の加熱乾燥
は温風で十分である。後工程で真空装置を用いる場合に
は、吸着水を除去するために、赤外線ヒーターなども利
用可能である。
送手段では、基板の上下振動が発生して、段状のムラが
槽間で発生しないように、基板の幅1cmあたり0.5
kg以上の張力をかけるのが好ましい。
間に折り曲げローラーを用いた基板の斜め搬送も適用す
ることができる。
基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
実施例を示す概略図である。図1において、電析槽外槽
1000は、ステンレス鋼(SUS)により形成されて
おり、二重構造を呈しており、内部にグラスウールから
なる断熱材が内装され、断熱保温性が良好に形成されて
いる。
S430)によって形成され、この基板1002は電析
槽外槽1000の両側壁に形成されたスリットを通して
搬送される。
の側壁は二重壁となっていて、その中に収容された電析
浴1001のオーバーフロー1007および1008が
二重壁の間に流れ落ちるようになっている。流れ落ちた
浴液は、不図示の循環系に戻って、再び電析浴1001
として用いられる。循環量を考慮して、オーバーフロー
点から浴液面までの高さは35mmとした。
鉛であり、80℃に保持される。硝酸亜鉛は、亜鉛のイ
オンもしくは錯イオンを浴中に存在せしめるとともに、
硝酸イオンを浴中に存在せしめ、これらの相互作用で電
気化学的に基板表面に酸化亜鉛を成膜する。電析浴10
01は、酸化亜鉛膜の一様性を高めるために、デキスト
リンを0.7g/l含有させている。電析浴1001の
電導度は、65mS/cmであった。
3、アノードB1004、アノードC1005、および
アノードD1006が配されている。これらのアノード
には、長尺基板1002との間で電位がかけられ、電気
化学的反応が進行することになる。酸化亜鉛を成膜する
ためには、アノード側の電位を長尺基板側の電位よりも
高く維持する必要がある。
m×120mmのPFA製の内槽1011〜1014で
覆われている。これにより、電気力線がアノードからス
テンレス鋼製の電析槽外槽1000に直接走らない構造
になっている。
021〜1024に接続されており、独立した電流を流
すことができるようになっている。電流のリターンは、
長尺基板に接して従動する給電ローラー1010から共
用リターンとして実現されている。
02へ流す電析電流密度は各アノードにおいて0.2m
A/cm2から30mA/cm2の範囲で設定できるよう
になっている。
成膜にて検討したところ、この範囲の電流密度で1〜2
00Å/secの電流にほぼ比例した成膜速度が得ら
れ、本実施例では約10mA/cm2の電流密度を用い
た。静止成膜で得られた成膜速度は、80Å/secで
あった。
に対向する面で100×200mmであり、厚さは20
mmとした。また、各アノードには、純度4Nの亜鉛を
用いた。このとき、各電源の電流設定値は2Aであり、
電源電圧は1.5〜2.5Vを指示した。
源のリターン経路ともども共通接地1025とした。こ
のように構成したのは、長尺基板1002を支えるすべ
てのローラーを絶縁して装置を構成すると高価なものと
なるからである。絶縁は、大型となる電析槽外槽100
0にとっても、同様にコストの増大につながる。また、
絶縁した場合、水滴やその他の接触物による短絡にも備
えなければならない。
浴1001中に内槽1011〜1014を配置しないで
成膜を行った。その結果、200Å/secの成膜速度
を得るためには、350mA/cm2の電流密度が必要
であった。すなわち、電源から流さねばならない電流
は、40Aであり電源の容量限界に迫るものであった。
大小を極めて受けやすく、アノードと基板との間を10
mmに設定すると、膜に大幅な班模様が発生し、太陽電
池を形成したときに、特性に大きなばらつきが発現し
た。また、相対的な距離の違いを少なくするために、ア
ノードと基板との間を50mmと大きく設定すると膜の
成膜速度は一桁以上小さくなり、本装置の要求仕様をま
ったく満足しない値となった。
には、前述のように、電源から2Aの電流を供給すれば
よく、またアノードと基板との距離を10mmと25m
mとに変化させても殆ど影響なく、その結果、酸化亜鉛
膜は成膜領域で干渉環が一つに入るなど、一様であっ
た。
送速度350mm/secにて、基板上に厚さ1μmの
一様な酸化亜鉛膜を作成することができ、この膜には1
μm程度の凹凸が形成されていた。
3に示すような内槽を用いた。図3において、内槽30
11の底部には、複数の開口3038〜3041が開け
られている。この内槽3011の内部には、複数の開口
3035〜3037を有する中間制御板3042が配置
されており、その上には、複数の開口3031〜303
4を有する制御板3043が間隔をおいて配置されてい
る。中間制御板3042と制御板3043との間隔は、
上側の制御板3043上に配される不図示のアノードか
らのステンレス鋼など金属製の電析槽外槽1000への
電気抵抗が、内槽3011を設けない場合よりも小さく
なるように、小さく設定される。また、この間隔は、図
中矢印で示すような浴液の出入りが充分に起きる程度
に、大きく設定される。
るものとし、制御板同士の間隔は1mm〜50mmとさ
れる。本実施例では、10mmφの開口を一枚の制御板
あたり11個ずつ形成し、厚さ2mmのPFA製制御板
同士は2mmの間隔で配置した。
えて図2に示す長尺基板の電析装置に組み込み成膜を行
ったところ、電源からそれぞれ3Aの電流供給で80Å
/secの成膜速度が得られ、またアノードと基板との
距離を10mmと25mmとに変化させても、酸化亜鉛
膜は極めて一様であった。
送速度350mm/secにて、基板上に厚さ1μmの
極めて一様な酸化亜鉛膜を連続的に作成することがで
き、この膜には1μm程度の凹凸が形成されていた。子
細に観察すると、本実施例では、実施例1で見られるよ
うな泡の跡と思われる微少な斑点も存在せず、エアー攪
拌の空気が内槽3011内に導入されて浴液の攪拌が行
われ、一層優れた成膜の一様性を実現することができ
た。
4に示すような内槽を用いた。図4において、内槽40
11は、厚さ3mmのステンレス鋼(SUS304)
で、上部が開口された箱体状を呈しており、その内側に
はフッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデン板が内張りさ
れている。この内張り4045の継ぎ目は、0.2mm
以下として施工した。
043および開口4044が形成されており、浴液の出
入りが可能になっている。開口4043の外側には、浴
中のファン4046が備えられており、内槽4011の
外側の浴液を内槽4011内へ導入することができるよ
うに構成されている。
3からステンレス鋼製の電析槽外槽1000への抵抗
は、この内槽4011を配置しない場合と比較して、2
0倍であった。ファン4046による浴液の流量は、約
100ml/minとした。
2に示す長尺基板の電析装置に組み込み成膜を行ったと
ころ、電源から2.1Aの電流供給で80Å/secの
成膜速度が得られ、長尺基板2001の搬送速度350
mm/secにて、実施例2にと同様に、基板上に厚さ
1μmの極めて一様な酸化亜鉛膜を連続的に作成するこ
とができ、この膜には1μm程度の凹凸が形成されてい
た。
な浴交換手段が設けられているため、電析浴の温度ムラ
や濃度ムラを著しく減少することができ、かつ成膜界面
での新浴の補給や副生成物の除去を効果的に行うことが
できるため、成膜のミクロ的な一様性が格段に向上す
る。
槽を用いた。ガラス繊維と不飽和ポリエステルを用いた
SMC(シート・モールディング・コンパウンド)から
FRP製の電析槽を作製した。内槽はすべて取り外し
た。
の電析装置に組み込み成膜を行ったところ、電源から
2.3Aの電流供給で70Å/secの成膜速度が得ら
れ、長尺基板2001の搬送速度300mm/secに
て、実施例2と同様に、基板上に厚さ1μmの極めて一
様な酸化亜鉛膜を連続的に作成することができ、この膜
には1μm程度の凹凸が形成されていた。
構成を採用することができ、特に成膜速度が遅くて膜厚
が必要とされるときには電析槽の総長を長くしなければ
ならないので、数多くの内槽を設置する必要がなく、電
析装置全体のコストを低減することができる。さらに、
構造が簡単になる分だけメンテナンスや不測の事態への
対応も楽になるという、工業的メリットがある。
内張りを設けた。ETFEは、50μmの厚さのものを
使用した。エアー攪拌のための空気孔の形成など、極一
部ではETFEの覆いが不完全であったが、ETFE自
体の電気的な絶縁性は充分であり、アノードからステン
レス鋼製の電析槽へ至る電界は大部分において効果的に
遮断され、内槽を配置しない状態で、アノードに流れた
電流はその70%以上が基板側ヘと流れていることが確
認された。電流測定は、クランプ型の電流計を用いて、
給電部での帰路電流を計測することにより行った。
と同様に、内槽はすべて取り除いた。
析槽を用いて、図2に示す長尺基板の電析装置に組み込
み成膜を行ったところ、電源から3Aの電流供給で60
Å/secの成膜速度が得られ、長尺基板2001の搬
送速度200mm/secにて、実施例2と同様に、基
板上に厚さ2μmの極めて一様な酸化亜鉛膜を連続的に
作成することができ、この膜には1μm程度の凹凸が形
成されていた。
ンレス鋼を用いることができるため、機械的・化学的な
経年変化に対して極めて丈夫なものとなる。また、ET
FEは、手軽に使用することができる上、高温に強く、
耐薬品性にも優れているため、長期間安定した特性を期
待することができる。さらに、参考例と同様に、内槽を
設ける必要がないため、構造を簡単なものとすることが
でき、製作コストを低減するとともに、メンテナンスコ
ストを低減することができる。
基板上にムラの発生しない一様な酸化膜を均一に電析す
ることができ、太陽電池の反射層などに好適な酸化物膜
を作成することができる。特に、長尺基板に酸化亜鉛を
成膜するに際して、膜の一様性および膜特性を著しく向
上させる電析槽、およびこれを備える電析装置を安価に
提供することができ、さらにメンテナンスを容易に行う
ことができる。
る。
ある。
示す概略図である。
示す概略図である。
支持ローラー 2015 給電バー 2016 電析浴 2017 アノード 2018 エアー吹き出し管 2019 攪拌エアー導入管 2020 電析浴液供給管 2021、2022、2038〜2043 バルブ 2023 浴循環ポンプ 2024 ヒー夕ー 2025 電析循環槽 2026 蒸気排出ダクト 2027 循環ポンプ 2029 電折予備槽 2030 水洗槽 2032 第一水洗槽 2033 第二水洗槽 2034 第三水洗槽 2035〜2037 供給管 2044〜2046 水循環ポンプ 2047〜2049 水洗循環槽 2051 温風乾燥炉 2052 温風吹き出し管 2053 温風回収管 2054 フィルター 2055 熱風発生炉 2056 外気導入管 2059 蛇行修正ローラー 2060 合紙繰り出しローラー 2065 エアーナイフ 3011 内槽 3031〜3034、3035〜3037、3038〜
3041 開口 3042 中間制御板 3043 制御板 4003 アノード 4011 内槽 4043、4044 開口 4045 内張り 4046 ファン
Claims (8)
- 【請求項1】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽において、 外壁が金属材料により形成され、その内面に誘電体材料
で形成された内張りが内装され、アノードから外壁の金
属部分への浴の電気抵抗が、アノードから基板への浴の
電気抵抗より大きくなるように、内張りの継ぎ目におけ
る隙間が設定されていることを特徴とする電析槽。 - 【請求項2】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽において、 外壁が金属材料により形成され、その内面に誘電体材料
で形成された内張りが内装され、外壁の金属部分と基板
とが、等電位に設定されていることを特徴とする電析
槽。 - 【請求項3】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽において、 金属材料で形成されている外槽と、誘電体材料で形成さ
れ、その内部にアノード電極を収容する内槽とを備えて
いることを特徴とする電析槽。 - 【請求項4】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽と、電析槽を通過した基
板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した基板を強
制乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置において、 電析槽が誘電体材料により形成されていることを特徴と
する電析装置。 - 【請求項5】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽と、電析槽を通過した基
板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した基板を強
制乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置において、
電析槽が金属材料により形成され、その内面に誘電体材
料で形成された内張りが内装されていることを特徴とす
る電析装置。 - 【請求項6】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析槽と、電析槽を通過した基
板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した基板を強
制乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置において、
電析槽が金属材料で形成されている外槽と、誘電体材料
で形成され、その内部にアノード電極を収容する内槽と
を備えていることを特徴とする電析装置。 - 【請求項7】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析方法において、請求項1〜
3のいずれかに記載の電析槽を用いて基板上に酸化物を
成膜することを特徴とする電析方法。 - 【請求項8】 電析浴中で基板と電極とに通電して、基
板上に酸化物を成膜する電析方法において、請求項4〜
6のいずれかに記載の電析装置を用いて基板上に酸化物
を成膜することを特徴とする電析方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03444498A JP3450695B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 電析槽、電析装置及び電析方法 |
US09/251,300 US20020011419A1 (en) | 1998-02-17 | 1999-02-17 | Electrodeposition tank, electrodeposition apparatus, and electrodeposition method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03444498A JP3450695B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 電析槽、電析装置及び電析方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11229191A JPH11229191A (ja) | 1999-08-24 |
JP3450695B2 true JP3450695B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=12414424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03444498A Expired - Lifetime JP3450695B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 電析槽、電析装置及び電析方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101349354B1 (ko) * | 2012-03-07 | 2014-01-16 | 한국전기연구원 | 병렬 프로세스를 이용한 양극산화장치 |
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1998
- 1998-02-17 JP JP03444498A patent/JP3450695B2/ja not_active Expired - Lifetime
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