JP2002004086A - 電析装置及び電析方法 - Google Patents

電析装置及び電析方法

Info

Publication number
JP2002004086A
JP2002004086A JP2000185597A JP2000185597A JP2002004086A JP 2002004086 A JP2002004086 A JP 2002004086A JP 2000185597 A JP2000185597 A JP 2000185597A JP 2000185597 A JP2000185597 A JP 2000185597A JP 2002004086 A JP2002004086 A JP 2002004086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeposition
tank
bath
back electrode
pure water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000185597A
Other languages
English (en)
Inventor
Jo Toyama
上 遠山
Yuichi Sonoda
雄一 園田
Yusuke Miyamoto
祐介 宮本
Kozo Arao
浩三 荒尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000185597A priority Critical patent/JP2002004086A/ja
Publication of JP2002004086A publication Critical patent/JP2002004086A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面電極と導電性基板との間の短絡による通
電不良を検知して、通電不良を防止することができ、ま
た裏面電極に付着する酸化物の膜剥がれによる打痕発生
を早期に発見して、打痕発生を防止することができる電
析装置及び電析方法を提供する。 【解決手段】 導電性基板100上に酸化物を電析する
電析装置において、電析浴111中に少なくとも1つ以
上の対向電極109と、導電性基板100を挟んで対向
電極109と反対側に少なくとも1つ以上の裏面電極1
10とが設けられ、裏面電極110の表面に付着する酸
化物の量を検知する手段および/または観察するための
手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電析(電解めっ
き、電解析出)にて酸化物、とりわけ酸化亜鉛を長尺基
板上に堆積する電析装置及び電析方法の改良に関し、詳
しくは生産性に優れ、かつ安定した酸化物の電析を可能
ならしめる電析装置及び電析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空プロセスに代わり、水溶液の電気化
学反応を利用して酸化物を堆積する方法が、例えば特開
平10−195693号公報の「酸化亜鉛薄膜の製造方
法、それを用いた半導体素子基板及び光起電力素子」に
開示されている。ここには長尺基板上に電析する方法も
開示されている。
【0003】長尺基板はロール基板、ウェブ、フープ
材、コイル、テープ、リール材などさまざまな呼称を持
つが、本発明では長尺基板と呼び、極めて細長い長方形
をした薄板で、長手方向に巻き上げてロールの形に保持
できるものを指す。長尺基板は、連続的に成膜を行える
ため、稼働率やランニングコストを安くできるなど、工
業的には極めて有利なものである。
【0004】本発明者等は、実際にこの概念に基づき、
ステンレス鋼(SUS)を始めとするコイル状に巻かれ
た長尺基板上に酸化亜鉛を形成することを試みた。
【0005】実際に製作した長尺基板の電析装置を図2
に示す。更に、その分割拡大図を図3から図8に示す。
図2及び図3〜図8では、各部の名称及び番号は同一で
ある。
【0006】図2に示す装置は大きく分けて、コイル状
に巻かれた長尺基板を送り出す巻出装置2012、電析
膜を堆積または処理せしめる電析槽2066、電析槽に
加熱された電析浴を循環供給する循環槽2120、電析
槽の電析浴を排するに際し一旦浴を貯める排液槽217
2、電析槽内の電析浴内の粉を取り除き浴を清浄化する
フィルター循環系(電析槽フィルター循環フィルター2
161に繋がる配管系)、電析槽に浴攪拌用の圧搾空気
を送る配管系(圧搾空気導入口2182から始まる配管
系)、電析膜を堆積された長尺基板を純水のシャワーで
洗浄する純水シャワー槽2360、第一の純水リンス洗
浄を行う第一温水槽2361、第二の純水リンス洗浄を
行う第二温水槽2362、これら温水槽に必要な純水の
温水を供給するための純水加熱槽2339、洗浄された
長尺基板を乾燥させる乾燥部2363、膜堆積の完了し
た長尺基板を再びコイル状に巻き上げる巻取装置229
6、電析浴や純水の加熱段階あるいは乾燥段階で発生す
る水蒸気の排気系(電析水洗系排気ダクト2020また
は乾燥系排気ダクト2370で構成される排気系)とか
らなっている。
【0007】図3に示すように、長尺基板2006は図
中左から右へ、巻出装置2012、電析槽2066、純
水シャワー槽2360、第一温水槽2361、第二温水
槽2362、乾燥部2363、巻取装置2296の順に
流れていき、所定の電析膜が堆積される。
【0008】巻出装置2012は、巻出装置長尺基板ボ
ビン2001に巻かれたコイル状の長尺基板2006が
セットされ、巻出装置繰出し調整ローラー2003、巻
出装置方向転換ローラー2004、巻出装置排出ローラ
ー2005を順に経て長尺基板2006を送出してい
く。コイル状の長尺基板には、殊に下引き層が予め堆積
されている場合には、基板あるいは層保護のために、イ
ンターリーフ(合紙)が巻き込まれた形で供給されてく
る。このため、インターリーフが巻き込まれている場合
には、長尺基板の繰出しと共に巻出装置インターリーフ
巻取りボビン2002にインターリーフ2007を巻き
取る。長尺基板2006の搬送方向は矢印2010で示
され、巻出装置長尺基板ボビン2001の回転方向は矢
印2009で示され、巻出装置インターリーフ巻取りボ
ビン2002の巻取り方向は矢印2008で示される。
図中、巻出装置長尺基板ボビン2001から排出される
長尺基板と、巻出装置インターリーフ巻取りボビン20
02に巻き上げられるインターリーフは、それぞれ搬送
開始時の位置と搬送終了時の位置で干渉が起きていない
ことを示している。巻出装置全体は、防塵のため、ヘパ
フィルターとダウンフローを用いた巻出し装置クリーン
ブース2011で覆われた構造となっている。
【0009】電析槽2066は、図4に示すように、電
析浴に対して腐食せず電析浴を保温できる電析浴保持槽
2065中に、温度制御された電析浴が電析浴浴面20
25となるように保持されている。この浴面の位置は、
電析浴保持槽2065内に設けられた仕切板によるオー
バーフローで実現されている。不図示の仕切板は電析浴
を電析浴保持槽2065全体で奥側に向かって落とすよ
うに設置されており、樋構造にて電析槽オーバーフロー
戻り口2024に集められた溢れた電析浴は、電析槽オ
ーバーフロー戻り路2117を経て循環槽2120へ至
り、ここで加熱されて、再び電析槽上流循環噴流管20
63と電析槽下流循環噴流管2064とから電析浴保持
槽2065に還流され、オーバーフローを促すに足るだ
けの電析浴の流入を形成する。
【0010】長尺基板2006は、電析槽入口折返しロ
ーラー2013、電析槽進入ローラー2014、電析槽
退出ローラー2015を経て、電析槽2066内を通過
する。電析槽進入ローラー2014と電析槽退出ローラ
ー2015との間では、少なくも成膜面である長尺基板
の下側面(本明細書でしばしば「表面(おもてめん)」
と呼ぶ)は、電析浴の中にあって、28個のアノード2
026〜2053と対向している。実際の電析は、長尺
基板に負、アノードに正の電位を与えて、電析浴中で両
者の間に、電気化学反応を伴う電析電流を流すことによ
って行う。
【0011】電析槽2066におけるアノードは、4個
ずつが7つのアノード載置台2054〜2060に載置
されている。アノード載置台は絶縁板を介してそれぞれ
のアノードを置く構造となっており、独立の電源から独
自の電位を印加されるようになっている。また、アノー
ド載置台2054〜2060は電析浴中で長尺基板とア
ノード2026〜2053との間隔を保持する機能も担
っている。このため通常、アノード載置台2054〜2
060は、予め決められた間隔を保持するべく、高さ調
整が出来るように設計製作されている。
【0012】電析槽退出ローラー2015の直前に設け
られた電析槽裏面電極2061は、浴中で長尺基板の成
膜面と反対側の面(本明細書でしばしば「裏面(うらめ
ん)」と呼ぶ)に堆積された膜を電気化学的に除去する
ためのもので、長尺基板に対して電析槽裏面電極206
1を負側の電位とすることで、これを実現する。電析槽
裏面電極2061が実際に効力を持つことは、電界の回
り込みによって長尺基板の成膜面と反対側の裏面に電気
化学的に付着する、長尺基板の成膜面に形成されるのと
同じ材質の膜が、目視下でみるみる除去されていくこと
で確認される。
【0013】電析槽退出ローラー2015を通過し電析
浴から出た長尺基板には、電析槽出口シャワー2297
から電析浴をかけられて、成膜面が乾燥してムラを生じ
るのを防止している。また電析槽2116と純水シャワ
ー槽2360との渡り部分に設けられた純水シャワー槽
折返し進入ローラーカバー2318も、電析浴から発生
する蒸気を閉じ込め、長尺基板の成膜面が乾燥するのを
防止している。更に、純水シャワー槽入口表面純水シャ
ワー2299や純水シャワー槽入口裏面純水シャワー2
300も、電析浴を洗浄して落とすだけでなく、同様の
働きを機能する。
【0014】循環槽2120は、電析槽2066中の電
析浴の加熱保温ならびに噴流循環を担うものである。前
述のごとく、電析槽2066でオーバーフローした電析
浴は、電析槽オーバーフロー戻り口2024に集めら
れ、電析槽オーバーフロー戻り路2117を通り、電析
槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ2118を経て、
循環槽加熱貯槽2121へと至る。
【0015】循環槽加熱貯槽2121内には、8本の第
一循環槽ヒーター2122〜2129が設けられてお
り、室温の電析浴を初期加熱する際や、循環によって浴
温の低下する電析浴を再加熱して、所定の温度に電析浴
を保持する際に機能させられる。
【0016】循環槽加熱貯槽2121には2つの循環系
が接続されている。すなわち、循環槽電析浴上流循環元
バルブ2130、循環槽電析浴上流循環ポンプ213
2、循環槽電析浴上流循環バルブ2135、循環槽電析
浴上流循環フレキシブルパイプ2136、循環槽電析浴
上流循環フランジ絶縁配管2137を経て、電析槽上流
循環噴流管2063から電析浴保持槽2065に戻る電
析槽上流循環還流系と、循環槽電析浴下流循環元バルブ
2139、循環槽電析浴下流循環ポンプ2142、循環
槽電析浴下流循環バルブ2145、循環槽電析浴下流循
環フレキシブルパイプ2148、循環槽電析浴下流循環
フランジ絶縁配管2149を経て、電析槽下流循環噴流
管2064から電析浴保持槽2065に戻る電析槽下流
循環還流系とである。電析槽上流循環噴流管2063と
電析槽下流循環噴流管2064とから電析槽2066に
戻る電析浴は、電析浴保持槽2065内での電析浴の交
換を効果ならしめるよう、電析浴保持槽2065下部に
設けられた電析槽上流循環噴流管2063と電析槽下流
循環噴流管2064から、それぞれの噴流管に穿かれた
オリフィスを経て噴流として還流される。それぞれの循
環還流系での還流量は主に、循環槽電析浴上流循環バル
ブ2135または循環槽電析浴下流循環バルブ2145
の開閉度によって制御され、更に細かい調節は、循環槽
電析浴上流循環ポンプ2132または循環槽電析浴下流
循環ポンプ2142の出口と入口を短絡して接続したバ
イパス系に設けられた循環槽電析浴上流循環ポンプバイ
パスバルブ2133または循環槽電析浴下流循環ポンプ
バイパスバルブ2141によって制御される。バイパス
系は、還流量を少なくした場合や、浴温が極めて沸点に
近い時、ポンプ内でのキャビテーションを防止する役目
も果たしている。浴液が沸騰気化して液体を送り込めな
くなるキャビテーションは、ポンプの寿命を著しく短く
してしまう。
【0017】電析槽上流循環噴流管2063と電析槽下
流循環噴流管2064とにオリフィスを穿って噴流を形
成する場合、還流量は殆ど電析槽上流循環噴流管206
3と電析槽下流循環噴流管2064へ戻す浴液の圧力に
よって定まる。これを知るために循環槽電析浴上流循環
圧力ゲージ2134と循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ
2143が設けられていて、還流量のバランスはこれら
の圧力ゲージにて知ることが出来る。オリフィスから吹
き出す還流浴液量は正確にはベルヌーイの定理に従う
が、噴流管に穿ったオリフィスが数ミリ以下の径の時に
は、電析槽上流循環噴流管2063ないし電析槽下流循
環噴流管2064全体にわたって噴流量を実質的に一定
とすることができる。更に還流量が充分に大きい場合に
は、浴の交換が極めてスムーズに行われるので、電析槽
2066がかなり長くとも、浴の濃度の均一化や温度の
均一化が効果的に図れる。電析槽オーバーフロー戻り路
2117がこの充分な還流量を流しうる太さを持つべき
であることは当然である。
【0018】それぞれの循環還流系に設けられた循環槽
電析浴上流循環フレキシブルパイプ2136と循環槽電
析浴下流循環フレキシブルパイプ2148は、配管系の
歪みを吸収するものであり、特に歪みに対して機械的強
度が不足しがちなフランジ絶縁配管などを用いる場合に
は有効である。それぞれの循環還流系に設けられた循環
槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管2137と循環槽電
析浴下流循環フランジ絶縁配管2149は、電析槽オー
バーフロー戻り路2117途中に設けられた電析槽オー
バーフロー戻り路絶縁フランジ2118と共に循環槽2
120と電析槽2066とを電気的に浮かせるものであ
る。これは、不要な電流経路の形成を絶つことが、迷走
電流を防止して電析電流を電気化学的な成膜反応に殆ど
用いることにつながる。
【0019】一方の循環還流系には、直接循環槽加熱貯
槽2121へと戻る循環槽電析浴バイパス循環フレキシ
ブルパイプ2146及び循環槽電析浴バイパス循環バル
ブ2147からなるバイパス還流系が設けられており、
これは、電析槽に浴液を還流すること無く浴の循環を行
わしめたい場合、例えば室温から所定温度への昇温時な
どに用いるものである。また、循環槽からの一方の循環
還流系には、電析槽退出ローラー2015を通過し電析
浴から出た長尺基板に電析浴をかける電析槽出口シャワ
ー2067へと至る送液系が設けられており、電析槽出
口シャワーバルブ2150を介して電析槽出口シャワー
2067へとつながつている。電析槽出口シャワー20
67からの電析液噴霧量は、電析槽出口シャワーバルブ
2150の開閉度を調節することによって調整される。
【0020】循環槽加熱貯槽2121は、実際には蓋が
設けられており、蒸気となって水が失われいくのを防止
する構造となっている。浴温が高い場合には、蓋の温度
も高くなるので、断熱材を貼るなどの考慮は作業の安全
面から必要である。
【0021】電析槽電析浴の粉末除去のために、フィル
ター循環系が設けられている。電析槽に対するフィルタ
ー循環系は、電析槽フィルター循環戻りフレキシブルパ
イプ2151、電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁
配管2152、電析槽フィルター循環元バルブ215
4、電析槽フィルター循環サクションフィルター215
6、電析槽フィルター循環ポンプ2157、電析槽フィ
ルター循環ポンプバイパスバルブ2158、電析槽フィ
ルター循環圧力スイッチ2159、電析槽フィルター循
環圧力ゲージ2160、電析槽フィルター循環フィルタ
ー2161、電析槽フィルター循環フレキシブルパイプ
2164、電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管21
65、電析槽フィルター循環バルブ2166、電析槽フ
ィルター循環系電析浴上流戻りバルブ2167、電析槽
フィルター循環系電析浴中流戻りバルブ2168、電析
槽フィルター循環系電析浴下流戻りバルブ2169から
なっている。この経路を電析浴は電析槽フィルター循環
方向2155、同2162、同2163の方向に流れて
いく。除去されるべき粉末は、機外から飛び込むことも
有るし、また電析反応に応じて、電極表面や浴中で形成
されることもある。除去されるべき粉末の最小の大きさ
は、電析槽フィルター循環フィルター2161のフィル
ターサイズで定まる。
【0022】電析槽フィルター循環戻りフレキシブルパ
イプ2151ならびに電析槽フィルター循環フレキシブ
ルパイプ2164は、配管の歪みを吸収して、配管接続
部からの液漏れを最小化すると共に、機械強度に劣る絶
縁配管を保護し、ポンプを始めとする循環系の構成部品
の配置自由度を上げるためのものである。電析槽フィル
ター循環戻りフランジ絶縁配管2152ならびに電析槽
フィルター循環フランジ絶縁配管2165は、大地アー
スからフロートとした電析浴保持槽2065が大地アー
スに落ちることを防止するため、電気的に浮かせること
を目的としたものである。電析槽フィルター循環サクシ
ョンフィルター2156はいわば「茶漉し」のような金
網であり、大きなごみを取り除き、後に続く第一電析槽
フィルター循環ポンプ2157や電析槽フィルター循環
フィルター2161を保護するためのものである。電析
槽フィルター循環フィルター2161はこの循環系の主
役であり、電析浴中に混入あるいは発生した粉体を除去
するためのものである。本循環系の電析浴の循環流量
は、主に電析槽フィルター循環バルブ2166で、また
従として電析槽フィルター循環ポンプ2157に並列に
設けられた電析槽フィルター循環ポンプバイパスバルブ
2158で微調整をおこなう。これらのバルブ調整によ
る循環流量を把握するために、電析槽フィルター循環圧
力ゲージ2160が設けられている。電析槽フィルター
循環ポンプバイパスバルブ2158は流量の微調整の
他、フィルター循環流量全体を絞った時に、キャビテー
ションが発生して電析槽フィルター循環ポンプ2157
が破損するのを防止している。
【0023】電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁配
管2152を経て電析槽排水バルブ2153から排液槽
2172に電析浴が移送できる(図5参照)。この移送
は、電析浴交換や装置のメンテナンスや更には緊急時に
行われるものである。移送される排液としての電析浴は
重力落下にて排液槽排液貯槽2144に落とされる。メ
ンテナンスや緊急時の目的には、排液槽排液貯槽214
4が、電析槽2066および循環槽2120の浴容量の
合計を貯めるだけの容量をもつことが好ましい。排液槽
排液貯槽2144には排液槽排液貯槽上蓋2277が設
置されており、電析浴の重力落下移送を効果的ならしめ
るために、排液槽空気抜き2171及び排液槽空気抜き
バルブ2170が設けられている。一旦、排液槽排液貯
槽2144に落とされた電析浴は、温度が下がった後、
排液槽排水バルブ2173より建物側の廃水処理に、あ
るいは排液槽排液回収バルブ2174、排液回収元バル
ブ2175、排液回収サクションフィルター2176と
排液回収ポンプ2177を経て不図示のドラム缶に回収
され然るべき処分がとりおこなわれる。回収や処理に先
立って排液槽排液貯槽2144内で、水による希釈や薬
液による処理など行うことも可能である。
【0024】電析浴を攪拌し電析成膜を均一化ならしめ
るために、電析浴保持槽2065底部に設置された電析
槽攪拌空気導入管2062に穿った複数のオリフィスか
ら空気バブルを噴出させるようになっている。空気は、
工場に供給される圧搾空気を圧搾空気導入口2182か
ら取り込み、電析浴攪拌用圧搾空気圧力スイッチ218
3を経て、電析槽圧搾空気導入方向2184に示される
方向で、順に電析槽圧搾空気元バルブ2185、電析槽
圧搾空気流量計2186、電析槽圧搾空気レギュレータ
ー2187、電析槽圧搾空気ミストセパレーター218
8、電析槽圧搾空気導入バルブ2189、電析槽圧搾空
気フレキシブルパイプ2190、電析槽圧搾空気絶縁配
管2191、そして電析槽圧搾空気上流側制御バルブ2
193または電析槽圧搾空気下流側制御バルブ2192
を通り電析槽攪拌空気導入管2062へと至る。
【0025】電析槽2066には、予備の液体または気
体が導入できるように、予備導入系が設置されている。
電析槽予備導入口2213からの液体または気体は、電
析槽予備導入バルブ2214を介して、電析槽予備導入
バルブ2215、電析槽予備導入絶縁配管2216を経
て電析槽へ導入される。予備導入系で最も可能性の高い
ものは、浴の能力を長時間一定に保つための保持剤や補
充薬であるが、場合によっては、浴に溶かす気体であっ
たり、また粉末を除去する酸であったりする。
【0026】洗浄は図6に示すように、純水シャワー槽
2360、第一温水槽2361、第二温水槽2362の
3段で行われる。第二温水槽2362に加温された純水
が供給され、その排液が第一温水槽2361で用いら
れ、更にその排液が純水シャワー槽2360で用いられ
る構成となっている。このことにより、長尺基板は電析
槽2066での電析を終了した後、次第に純度の高い水
で洗われていく。
【0027】第二温水槽2362は最も高純度の純水を
用いる。この純水は長尺基板が退出していく直前の第二
温水槽出口裏面純水シャワー2309、第二温水槽出口
表面純水シャワー2310へ供給される。
【0028】供給すべき純水は、図7に示すように、水
洗系純水口2337から水洗系純水供給元バルブ233
8を経て一旦純水加熱槽2339に貯められ、純水加熱
槽純水加熱ヒーター2340〜2343で所定の温度に
暖められ、純水加熱槽純水送出バルブ2344、純水加
熱槽純水送出ポンプ2346、純水加熱槽圧力スイッチ
2347、純水加熱槽カートリッジ式フィルター234
9、純水加熱槽流量計2350を通り、一方は第二温水
槽出口裏面シャワーバルブ2351から第二温水槽出口
裏面純水シャワー2309へ、他方は第二温水槽出口表
面シャワーバルブ2352から第二温水槽出口純水シャ
ワー2310へと至る。加温は洗浄効果を向上させるた
めである。シャワーヘ供給されて第二温水槽温水保持槽
2317へ溜まった純水は純水リンス浴を形成し、ここ
で長尺基板は静水での洗浄が行われる。純水の温度が下
がらないように、第二温水槽には第二温水槽温水保温ヒ
ーター2307が設けられている。
【0029】第一温水槽2361へは、第二温水槽温水
保持槽2317を溢れた純水が、第二温水槽2362か
ら温水槽間連結管2322を介して供給される。第二温
水槽2362同様、第一温水槽温水保温ヒーター230
4が設置されており純水の温度を保持するようになって
いる。更に第一温水槽2361には超音波源2306が
設置されており、積極的に長尺基板表面の汚れを第一温
水槽ローラー2282と第二温水槽折返し進入ローラー
2283の間で除去するようになっている。
【0030】第一温水槽温水保持槽2316からの純水
は、図7に示すように、純水シャワー槽純水シャワー供
給元バルブ2323に続いて、純水シャワー槽純水シャ
ワー供給ポンプ2325、純水シャワー槽純水シャワー
供給圧力スイッチ2326、純水シャワー槽純水シャワ
ー供給カートリッジ式フィルター2328、純水シャワ
ー槽純水シャワー供給流量計2329を経て、純水シャ
ワー表面純水シャワーバルブ2330から純水シャワー
槽入口表面純水シャワー2299へ、純水シャワー槽入
口裏面純水シャワーバルブ2331から純水シャワー槽
入口裏面純水シャワー2300へ、純水シャワー槽出口
裏面純水シャワーバルブ2332から純水シャワー槽出
口裏面純水シャワー2302へ、純水シャワー槽出口表
面純水シャワーバルブ2333から純水シャワー槽出口
表面純水シャワー2303へと送られ、純水シャワー槽
2360の入口と出口で、それぞれ長尺基板表面と長尺
基板裏面に洗浄用シャワー流がかけられる。
【0031】シャワーの済んだ水は純水シャワー槽受け
槽2315で受けられ、そのまま第一温水槽温水保持槽
2316と第二温水槽温水保持槽2317の一部と合流
して水洗系排水2336に捨てられる。通常は、洗浄済
みの水にはイオンその他が含まれるため、所定の処理を
必要とする。
【0032】洗浄のための純水シャワー槽2360、第
一温水槽2361、第二温水槽2362では、長尺基板
は純水シャワー槽折返し進入ローラー2279、純水シ
ャワー槽ローラー2280、第一温水槽折返し進入ロー
ラー2281、第一温水槽ローラー2281、第二温水
槽折返し進入ローラー2283、第二温水槽ローラー2
284、乾燥折返しローラー2285へと送られてい
く。純水シャワー槽折返し進入ローラー2279の直後
には純水シャワー槽裏面ブラシ2298が設けられてお
り、長尺基板裏面に付着する比較的大きな粉や付着力の
弱い生成物を取り除けるようになっている。
【0033】乾燥部2363に至った長尺基板2006
は、まず乾燥部入口で乾燥部入口裏面エアーナイフ23
11、乾燥部入口表面エアーナイフ2312による水切
りが行われる。エアーナイフヘの空気の導入は、図7に
示すように、乾燥系圧搾空気導入口2353、乾燥系圧
搾空気圧力スイッチ2354、乾燥系圧搾空気フィルタ
ーレギュレーター2355、乾燥系圧搾空気ミストセパ
レーター2356、乾燥系圧搾空気供給バルブ235
7、その後乾燥部入口裏面エアナイフバルブ2358ま
たは乾燥部入口表面エアナイフバルブ2359という経
路でなされる。乾燥部に供給される空気は特に水滴など
含むと不都合なので、乾燥系圧搾空気ミストセパレータ
ー2356の役割は重要である。
【0034】続いて乾燥折返しローラー2285から巻
取装置進入口ローラー2286に搬送される過程で、並
んだIRランプ2313の幅射熱による乾燥が行われ
る。IRランプ2313の幅射熱が充分であれば、電析
膜を成膜後長尺基板2006をCVD装置などの真空装
置に投入しても不都合は生じない。乾燥時は、水切りに
よる霧の発生と、IRランプ輻射による水蒸気の発生が
あって、排気ダクトに繋がる乾燥部排気口2314は不
可欠である。
【0035】乾燥系排気ダクト2370に集められた水
蒸気は、図8に示すように、乾燥系凝縮器2371でそ
のほとんどが水に戻り乾燥系凝縮器排水ドレイン237
3へと捨てられ、一部は乾燥系排気2374へと捨てら
れていく。水蒸気に有害気体を含む場合には、排気は所
定の処理を行うべきである。
【0036】巻取装置2296は、巻取装置進入ローラ
ー2286、巻取装置方向転換ローラー2287、巻取
り調整ローラー2288を順に経て長尺基板2006を
長尺基板巻上げボビン2289にコイル状に巻取ってい
く。堆積した層保護が必要な場合には、図6に示される
ように、インターリーフ繰出しボビン2290からイン
ターリーフを繰出し、長尺基板に巻き込まれていく。長
尺基板2006の搬送方向は矢印2292で示され、長
尺基板巻上げボビン2289の回転方向は矢印2293
で示され、インターリーフ繰出しボビン2290の巻取
り方向は矢印2294で示される。
【0037】図6中、長尺基板巻上げボビン2289へ
巻き上げられる長尺基板と、インターリーフ繰出しボビ
ン2290から繰り出されるインターリーフは、それぞ
れ搬送開始時の位置と搬送終了時の位置で干渉が起きて
いないことを示している。巻取装置全体は、防塵のた
め、ヘパフィルターとダウンフローを用いた巻取装置ク
リーンブース2295で覆われた構造となっている。
【0038】この巻取装置2296にあっては、巻取装
置方向転換ローラー2287が長尺基板の蛇行を修正す
る機能を付与されている。巻取装置方向転換ローラー2
287と巻取り調整ローラー2288との間に設置され
た蛇行検知器(不図示)からの信号に基づいて、油圧の
サーボで巻取装置方向転換ローラー2287を巻取装置
進入ローラー2286側にセットされた軸を中心として
振ってやることで、蛇行の修正が可能となる。巻取装置
方向転換ローラー2287の制御は、図6中、近似的に
手前側あるいは奥側へのローラーの移動であり、その移
動の向きは、蛇行検出器からの長尺基板蛇行検出方向と
逆である。サーボのゲインは、長尺基板の搬送速度によ
るが、一般に大きな物を必要としない。数百メートルの
長さの長尺基板を巻き上げても、その端面はサブミリの
精度で揃えられる。
【0039】電析浴や温水を室温より高い温度で使うと
必然的に水蒸気が発生する。特に80℃を越える温度を
用いると、水蒸気の発生はかなりのものとなる。槽の浴
面から発生する水蒸気は、槽の浴面上に溜まり、装置の
隙間から勢いよく吹き出したり、蓋の開閉時に大量の放
出を見たり、また装置の隙間から水滴となって流れ落ち
たり、装置の操作環境を悪化させる。このため、排気ダ
クト2020を介して強制的に吸引排気させるのが好ま
しい。電析槽2066の電析槽上流排気口2021、電
析槽中流排気口2022、電析槽下流排気口2023、
純水シャワー槽2360の純水シャワー槽排気口230
1、第一温水槽2361の第一温水槽排気口2305、
第二温水槽2308の第二温水槽排気口2308であ
る。
【0040】電析槽及び水洗槽系排気ダクトに集められ
た水蒸気は、図8に示すように、絶縁フランジ236
4,2365を通り、電析水洗系排気ダクト凝縮器23
66でそのほとんどが水に戻り電析水洗系排気ダクト凝
縮器排水ドレイン2368へと捨てられ、一部は電析水
洗系排気2369へと捨てられていく。水蒸気に有害気
体を含む場合には、排気は所定の処理を行うべきであ
る。
【0041】図2(図3乃至図8)に示される装置で
は、排気ダクトをステンレス鋼で構成したので、電析槽
2066の電析浴保持槽2065を大地アースからフロ
ート電位とするために、電析水洗系排気ダクト基幹絶縁
フランジ2365と電析水洗系排気ダクト水洗側絶縁フ
ランジ2364を設け、電気的に切り離した。
【0042】図2に示す装置を用いることにより、次の
ような利点がある。
【0043】まず、スパッタなどの真空装置と異なり、
膜堆積が極めて簡便なことである。高価な真空ポンプは
必要ないし、プラズマを使用するための電源や電極周り
の設計に気を遣うことが無い。
【0044】次に、殆どの場合、ランニングコストが安
いことである。これはスパッタでは、ターゲットの作製
に人手と装置を要し、安くない上に、ターゲットの利用
効率も2割程度以下だからである。したがって、装置の
スループットを上げなければならない場合や、成膜厚の
大きい場合には、ターゲット交換の作業がかなりのウエ
イトを占めるようになるからである。スパッタ以外の、
CVD法や真空蒸着法に対しても装置やランニングコス
トの点で優位に立つ。
【0045】また、膜が多くの場合、多結晶の微粒子で
あり、真空法で作るのと遜色ない導電特性・光学特性を
示し、ゾルゲル法や有機物を用いたコーティング法、さ
らにはスプレー・パイロリシス法などに比べて優位に立
つ。
【0046】更に、酸化物を形成する場合でもこれらの
ことが成り立つ上、廃液を簡単に処理することができ、
環境に及ぼす影響も小さく、環境汚染を防止するための
コストも高くない。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図2に示す
装置によって導電性基板上に酸化物の成膜を行うと、次
のような不都合な点が見出された。すなわち、この電析
装置により酸化物の成膜を長時間続けると、裏面電極に
付着する酸化物の量が増えていった。この時の増えかた
は、薄い膜が徐々に層状に増えていくのではなく、デン
ドライト成長と言われる柱状の成長が、特に電界が集中
する裏面電極の端のところで進んだものであった。この
柱状の成長は、やがて導電性基板(長尺基板)に接触す
るまでになった。この接触により、裏面電極と導電性基
板との間に短絡が起きて通電不良となり、導電性基板の
裏面に付着した不要な酸化物を除去することができなく
なった。
【0048】また、裏面電極に付着する酸化物の量が増
えてきた場合、電析浴の対流や付着した膜応力が原因で
酸化物が、氷柱が折れるように剥がれてしまい、それが
導電性基板の裏面上に落ちて搬送され、ローラーに巻き
込まれることにより、基板に打痕を付けたり、ローラー
を傷つけたりした。
【0049】本発明の目的は、上記課題に鑑み、裏面電
極と導電性基板との間の短絡による通電不良を検知し
て、通電不良を防止することができ、また裏面電極に付
着する酸化物の膜剥がれによる打痕発生を早期に発見し
て、打痕発生を防止することができる電析装置及び電析
方法を提供することにある。
【0050】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明の電析装置は、導電性基板上に酸化物を電析する
電析装置において、電析浴中に少なくとも1つ以上の対
向電極と、導電性基板を挟んで該対向電極と反対側に少
なくとも1つ以上の裏面電極とが設けられ、該裏面電極
の表面に付着する酸化物の量を検知する手段および/ま
たは観察するための手段を有するものである。
【0051】上記電析装置において、上記酸化物の量を
検知する手段が、少なくとも1つ以上の裏面電極と導電
性基板との間にそれぞれ独立に設けられた直流電源の短
絡を検知する手段であることが好ましい。
【0052】また、上記酸化物の量を検知する手段およ
び/または観察するための手段にて裏面電極の表面への
所定量の酸化物の付着を確認後、裏面電極と導電性基板
との間の通電を停止する手段を有することが好ましい。
【0053】さらに、上記裏面電極が使い捨て可能であ
ることが好ましい。
【0054】そして、上記導電性基板が長尺基板である
ことが好ましい。
【0055】加えて、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とが好ましい。
【0056】一方、本発明の電析方法は、導電性基板上
に酸化物を電析する電析方法において、電析浴中に少な
くとも1つ以上の対向電極と、導電性基板を挟んで該対
向電極と反対側に少なくとも1つ以上の裏面電極とを設
け、該裏面電極の表面に付着する酸化物の量を検知およ
び/または観察して裏面電極の表面への所定量の酸化物
の付着を確認後、裏面電極と導電性基板との間の通電を
停止するものである。
【0057】上記電析方法において、上記酸化物の量を
検知が、少なくとも1つ以上の裏面電極と導電性基板と
の間にそれぞれ独立に設けられた直流電源の短絡を検知
してなされることが好ましい。
【0058】また、上記裏面電極が使い捨て可能である
ことが好ましい。
【0059】さらに、上記導電性基板が長尺基板である
ことが好ましい。
【0060】そして、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール方式を採用することが好
ましい。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電析装置及び電
析方法の好適な実施の形態を説明するが、本発明は本実
施形態に限定されるものではない。
【0062】本実施形態の電析装置の主要な構成要素
は、基本的には図2及び図3乃至図8に示した電析装置
と同様の構成を有しているが、同装置における課題を解
決するために改良が加えられている。したがって、便宜
上、これらの図と同一の符号を付して説明する。
【0063】すなわち、本実施形態の電析装置は、長尺
基板2006上に均一な酸化物膜を連続的に作成する装
置であり、コイル状に巻かれた長尺基板2006を送り
出す巻出装置2012、電析膜を堆積または処理せしめ
る電析槽2066、電析槽に加熱された電析浴を循環供
給する循環槽2120、電析槽の電析浴を排するに際し
一旦浴を貯める排液槽2172、電析槽内の電析浴内の
粉を取り除き浴を清浄化するフィルター循環系(電析槽
フィルター循環フィルター2161に繋がる配管系)、
電析槽に浴攪拌用の圧搾空気を送る配管系(圧搾空気導
入口2182から始まる配管系)、電析膜を堆積された
長尺基板を純水のシャワーで洗浄する純水シャワー槽2
360、第一の純水リンス洗浄を行う第一温水槽236
1、第二の純水リンス洗浄を行う第二温水槽2362、
これら温水槽に必要な純水の温水を供給するための純水
加熱槽2339、洗浄された長尺基板を乾燥させる乾燥
部2363、膜堆積の完了した長尺基板を再びコイル状
に巻き上げる巻取装置2296、電析浴や純水の加熱段
階あるいは乾燥段階で発生する水蒸気の排気系(電析水
洗系排気ダクト2020または乾燥系排気ダクト237
0で構成される排気系)とからなっており、特に電析浴
中に少なくとも1つ以上の対向電極と、導電性基板(長
尺基板)を挟んで該対向電極と反対側に少なくとも1つ
以上の裏面電極とが設けられ、該裏面電極の表面に付着
する酸化物の量を検知する手段および/または観察する
ための手段を有するものである。
【0064】すなわち、本発明の電析装置は、ロール間
で長尺基板2006を掛け渡して搬送するロール・ツー
・ロール装置に備えられており、ロール間に掛け渡され
た長尺基板2006は図2において左から右へ、巻出装
置2012、電析槽2066、純水シャワー槽236
0、第一温水槽2361、第二温水槽2362、乾燥部
2363、巻取装置2296の順に流れていき、長尺基
板2006上に所定の酸化物が堆積される。
【0065】〔発明に至った実験結果〕本発明者らが、
電析槽2066内での通電のための給電手段として巻出
装置排出ローラー2005を、対向電極として電析槽ア
ノード2026〜2053を用い、長尺基板2006へ
の酸化物の電析を行った。裏面電極2061と長尺基板
2006との間には、長尺基板の裏面に回り込んで付着
する不要な酸化物が除去されるように通電を行った。
【0066】通電時間の経過とともに、裏面電極の端の
表面への柱状の酸化物の付着量が増加していくのが確認
できた。数時間が経過したところで、電析浴の対流か酸
化物の膜応力が原因と思われる裏面電極からの膜剥がれ
に気が付いた。剥がれた膜は、長尺基板上に落ち、多少
は電析浴中に溶解しているようであったが、ほとんどが
長尺基板の搬送とともに運ばれ、電析槽退出ローラー2
015と長尺基板との間に挟まれ、つぶれてしまい、長
尺基板に打痕がつくことがわかった。また、この時つぶ
れた酸化物の一部はローラー上に残り、再度長尺基板と
接触した時にも打痕の原因となっていた。
【0067】そこで、ローラー表面の掃除と裏面電極の
交換を行ったところ、安定して均一な酸化物を堆積する
ことができた。さらに、数時間の成膜を行ったところ、
前回とほぼ同じくらいの時間が経過したところで、再び
電析浴の対流か酸化物の膜応力が原因と思われる裏面電
極からの膜剥がれが発生した。
【0068】次に、長尺基板の裏面に回り込んで付着す
る不要な酸化物の除去の効果を高める一つの手段とし
て、裏面電極と長尺基板の距離を約半分として成膜を行
った。通電時間の経過とともに、裏面電極の端の表面へ
の柱状の酸化物の付着量が増加していくのが確認でき
た。数時間が経過したところで、通電に使用している直
流電源が短絡していることを示した。この状況では、長
尺基板の裏面に回り込んだ酸化物を除去することができ
なかったので、通電を停止し、成膜をやめ、電析浴の液
面が下がったところで裏面電極と長尺基板の隙間を覗い
てみると、裏面電極の表面に付着した柱状の酸化物が長
尺基板に接触していることが分かった。
【0069】裏面電極の交換により成膜を続けたとこ
ろ、安定して均一な酸化物を堆積することができた。さ
らに、数時間の成膜を行ったところ、前回とほぼ同じく
らいの時間が経過したところで、再び通電に使用してい
る直流電源が短絡していることを示した。この状況で
は、長尺基板の裏面に回り込んだ酸化物を除去すること
ができなかった。
【0070】次に、電析槽のほぼ中央付近に、裏面電極
2061と同じ裏面電極を追加設置し、成膜を行ったと
ころ、上記の実験のほぼ2倍の時間成膜をすることがで
きた。
【0071】以下に、本発明の電析装置における各構成
要素について詳細に説明する。
【0072】〔基板〕図2で示した装置で用いられる基
板材料は、膜成膜面に電気的な導通がとれ、電析浴に侵
されないものなら使用でき、ステンレス鋼(SUS)、
Al、Cu、Feなどの金属が用いられる。金属コーテ
ィングを施したPETフィルムなども利用可能である。
これらの中で、素子化プロセスを後工程で行うには、S
USが長尺基板としては優れている。
【0073】SUSは非磁性SUS、磁性SUSいずれ
も適用できる。前者の代表はSUS304であり、研磨
性に優れていて0.1s程度の鏡面とすることも可能で
ある。後者の代表はフェライト系のSUS430であ
り、磁力を利用した搬送には有効に利用される。
【0074】基板表面は、平滑でも良いし、粗面でもよ
い。SUSの圧延プロセスにおいて圧延ローラーの種類
を変えたりすることにより表面性が変わる。BAと称す
るものは鏡面に近く、2Dにあっては凹凸が顕著であ
る。いずれの面においても、SEM(走査型電子顕微
鏡)下での観察では、ミクロン単位の抉れなどが目立つ
ことがある。太陽電池基板としては、大きなうねり状の
凹凸よりも、ミクロン単位の構造の方が太陽電池の特性
には良い方向にも悪い方向にも大きく反映する。
【0075】さらに、これら基板は別の導電性材料が成
膜されていてもよく、電析の目的に応じて選択される。
場合によっては、酸化亜鉛の極薄層を予め他の方法で形
成しておくことは、電析法での堆積速度を安定的に向上
させることができて好ましい。
【0076】〔槽・管・その他浴保持材の電気的構成〕
迷走電流を減らし、流れる電流は殆どすべて電析に寄与
する、基板とアノード間に流れる電流となるように、電
析槽、それに繋がる配管、更には浴保持槽内の部品など
は絶縁処理をすることが好ましい。基本的には、アノー
ドと基板とを直接に、あるいは浴を介して接する金属部
分を最小とすることである。
【0077】また迷走電流は、フロート電位になると少
なくなるため、電析槽や基板搬送ローラーは金属で出来
ている部分を大地アースから浮かした構造となってい
る。絶縁配管や、径の太いフランジ絶縁配管や、オーバ
ーフロー戻り系に製作した絶縁フランジや、排気ダクト
中に設けた絶縁フランジなどはすべてこの目的のための
ものである。
【0078】〔電析浴〕電析浴は、基本的にビーカーな
どの小さな実験装置で確認したものが使用できる。太陽
電池下引き層に適用する光閉込め効果を有する凹凸を有
する酸化亜鉛の堆積については、特開平10−1956
93号公報で開示した溶液を使用することができる。酸
化亜鉛を電析する場合には、硝酸亜鉛と添加剤の組み合
わせが良好に使用でき、添加剤が糖類であると膜の均質
性が向上する。殊にデキストリンはその効果が著しい。
【0079】電析浴が高温で、蒸気の発生が顕著な場合
は、図2に示したように、排気ダクトを設けて蒸気を吸
引するのが、装置の隙間から蒸気やその凝結した水滴が
出てくるのを防止することができるので、好ましい。ま
た、槽に不図示の蓋が設置されていると、蓋を開けた時
に水蒸気が吹き出してきて危険であるので、殊に排気ダ
クトを設けるのが良い。電析浴からの蒸気発生・排気吸
引によって液量が減る場合には、純水を定期的に補給す
るとよい。
【0080】〔電析条件〕電析を行うにあたっては、長
尺基板に負、アノードに正の電位を印加して、電気化学
反応を駆動する。長尺基板への給電は、長尺基板の裏面
に接触するローラーを用いることができる。膜厚の制御
を行うために、電流制御で電析を行うのが適当である。
電流は電流密度で規定するのが良く、0.3〜100m
A/cm2の範囲で設定する。
【0081】〔アノード〕アノードとしては、溶解性ア
ノードとして純度2Nないし4Nの亜鉛板が使用でき
る。表面が汚れている場合には、希硝酸で軽く洗ってや
ると良い。アノードヘの給電線は、SUSボルトで締め
付ける構成にするのが、確実な電気接触を長期間保証で
きて好ましい。非溶解性アノードとして、SUSやPt
を使うこともできる。
【0082】特に溶解性アノードを、アノードバッグに
包むことは、発生する酸化亜鉛粉が電析浴中に発塵して
いくことが防ぐことが出来て好ましい。アノードバッグ
の材質としては、浴中で侵されない木綿やアミド樹脂繊
維などが使用でき、適当なメッシュ状とするのがよい。
メッシュの目の大きさは、電析浴が確実に表面に触り、
かつ発塵する粉の最大の大きさを規定して定める。通
常、0.5mmから数mmの目の大きさを選択する。
【0083】〔電析電源〕各電源はフロート出力を持っ
ていることが好ましい。電圧制御として、所定の電位を
印加した場合に電流が吸い込み方向に流れる可能性があ
る時には、吸い込み型の電源とすべきである。各電源
は、単一の、あるいは取りまとめられた複数のアノード
に電位を印加し、電流を流す。電源同士の干渉を防ぐた
めに、アノード同士を結ぶ電流の経路は、出来るだけ出
現しないようにしておくのがよい。このために、テフロ
ン(登録商標)や塩ビなどの絶縁板を浴中に設置するこ
とは効果がある。
【0084】〔裏面電極〕裏面電極は、裏面電極に基板
に対して負の電位を印加することにより、導電性基板の
裏面に成膜される不必要な電析膜を除去する。このた
め、特に電析用の電源との干渉を防ぐよう、両者は互い
にフロート出力である必要がある。
【0085】裏面電極の数は、少なくとも一つ以上あれ
ばよい。少なくとも一つ以上の裏面電極のうちの一つ
は、長尺基板の裏面に不要な電析膜を残さないために、
電析槽の出口付近に設置する方がよい。
【0086】裏面電極と長尺基板の距離は、近くは裏面
電極が長尺基板に接触しなければ良く、遠くは裏面電極
が電析浴中にあれば良く、概ね3〜50mmで用いられ
ることが多い。
【0087】裏面電極の形状は、特に限定されるもので
はないが、長尺基板の裏面に不要な電析膜を残さないと
いう観点から、少なくとも回り込みの多い長尺基板の端
の部分には、長尺基板に平行に平面が形成されている形
状のものが好ましく用いられる。
【0088】裏面電極の材質は、水素過電圧の高いTi
やSUSなどが用いられる。
【0089】繰り返し使用するためには、ホーニング等
の物理的、機械的手段、エッチング等の化学的手段によ
って裏面電極に付着した電析膜を除去してもよい。
【0090】また、繰り返し使用せず、その都度薄い板
状の物を使い捨てにしてもよい。さらには、例えば、カ
メラのフィルムのように少しずつ裏面電極を巻き出して
使用し、巻き終えたら捨ててしまうような形態でもよ
い。
【0091】裏面電極の表面を荒らすことは、電析膜の
食いつきをよくするため、膜剥がれがおきにくくなり、
裏面電極の一回の寿命を延ばすのに効果のあることもあ
る。
【0092】〔裏面電極の寿命〕裏面電極に付着した電
析膜が長尺基板に接触して短絡した場合、または電析浴
の対流や膜の応力によって剥離して長尺基板上に落下し
はじめた場合、裏面電極への通電を即座に停止しなけれ
ばならない。
【0093】短絡、すなわちデンドライト成長した柱状
の酸化物が長尺基板に接触するのを検知する手段として
は、CCDカメラや肉眼による目視、電源電圧の測定、
電源以外の短絡検知専用の電源を用いた検出等が考えら
れるが、簡便さを考慮すると、電源電圧により短絡を検
知する手段が、多く用いられる。
【0094】裏面電極に付着した柱状の酸化物の長尺基
板上への落下を確認する手段としては、CCDカメラや
肉眼による目視による観察が最も有効である。そのため
に、ガラス等の透明な窓、扉等を設けて裏面電極付近を
観察するとよい。酸化物が落下し始めたのを知るには、
裏面電極よりも基板搬送下流側で基板裏面上に少し黄色
昧を帯びた白い粒状のものが見えたり、裏面電極表面で
膜応力によって弾ける瞬間に粉が電析浴中に飛散する様
子から知る事ができる。
【0095】上記のような短絡の検知、酸化物の落下が
確認された時には、直ちに成膜を中止して、裏面電極を
新しいものに変える必要がある。
【0096】裏面電極を複数個設置した場合には、それ
ぞれの裏面電極に検知手段および/または観察手段を設
け、独立に制御する必要がある。また、全てを同時に通
電する必要はなく、ある裏面電極の通電を停止したら、
別の裏面電極の通電を開始してもよい。もちろん、一つ
ずつである必要はなく、いくつかの裏面電極の組み合わ
せによって、停止および/または開始をしてもよい。こ
れらの条件の選択は、裏面電極と長尺基板との間の通電
電流密度や距離、通電を継続したい時間等に応じて適宜
決めるとよい。ただし、長尺基板の裏面に不要な電析膜
を残さないために、電析槽の出口付近に設置した裏面電
極が最も長時間持つように条件を選ばなければならな
い。
【0097】裏面電極が短絡により寿命を迎える場合、
酸化物の剥離により寿命を迎える場合、いずれもそれら
の寿命は、電析浴、裏面電極の形状と配置、電流密度を
一定にすれば、ほとんど同じ成膜時間となる。生産等で
条件が固まった後は、数回のランニングでこの成膜可能
時間を見積る事ができるため、この寿命が来る前に、あ
らかじめ、裏面電極の通電の停止、切り替えを行う事も
できる。ただし、この場合でも、なんらかの原因で設定
する停止、切り替え時間より早く裏面電極に寿命がくる
時に備えて、短絡の検知手段および/または酸化物の剥
離の観察手段を設けた方がよい。
【0098】
【実施例】以下、本発明に基づく実施例を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限られない。
【0099】〔実施例1〕図1は、実施例1の電析装置
の構成例を示す模式図である。図1において、100は
長尺基板、101は送り出しローラー、102は巻き取
りローラー、103は給電ローラー、104は電析槽、
105は水洗槽、106は水洗シャワー、107はエア
ーナイフ、108は乾燥炉、109は対向電極、110
は裏面電極、111は電析浴である。
【0100】送り出しローラー101にコイル状に巻か
れたSUS430の長尺基板100は、電析槽104、
水洗槽105、乾燥炉108の順に搬送され、巻き取り
ローラー102に巻き取られる。基板搬送速度は、12
0cm/分とした。
【0101】電析槽内の電析浴111は、電析槽内に設
けられた不図示の仕切り板によるオーバーフローと不図
示の循環系によって液面が一定の高さとなるように保持
されている。
【0102】電析浴111は、0.2M/lの硝酸亜鉛
であり、85℃に保持される。硝酸亜鉛は亜鉛のイオン
もしくは錯イオンを浴中に存在せしめて、また同時に硝
酸イオンを浴中に存在せしめ、これらの共同作用で、電
気化学的に長尺基板表面で酸化亜鉛を電析するためであ
る。電析浴111は酸化亜鉛膜の一様性を高めるために
更にデキストリンを0.2g/l含有するものとした。
電析浴111の電導度は65mS/cmであった。
【0103】電析浴111内には対向電極は109a、
109b、…、109s、109tの20個が、基板と
向かい合うように配されている。これらの対向電極は長
尺基板100との間で電位を掛けられ電気化学反応を進
行させられる。酸化亜鉛形成のためには、対向電極側の
電位を長尺基板側の電位よりも高く維持する。
【0104】それぞれの対向電極は不図示の20個の電
源(KENWOOD製:直流定電圧定電流電源PS6−
60)にそれぞれ対向電極が長尺基板に対して正の電位
となるように繋がれていて、独立の電流を流すことがで
きるようになっている。電流のリターンは、長尺基板に
接して従動する給電ローラー103から共用リターンと
して実現されている。電源は定電流源として制御し、基
板100に向かって流す電析電流密度は、対向電極それ
ぞれで、0.3mA/cm2から30mA/cm2の範囲
で設定できるようにした。長尺基板100の搬送を停止
して、静止成膜にて検討したところ、この範囲の電流密
度で1〜200Å/sの電流にほぼ比例した堆積速度が
得られ、本例では約11mA/cm2の電流密度を用い
た。静止で得られた堆積速度は約85Å/sであった。
それぞれの対向電極の大きさは140×380mmであ
り、厚みは20mmとした。対向電極には純度4Nの亜
鉛を用いた。対向電極と長尺基板との間の20個の電源
は、電流設定値6Aの定電流モードで使用した。
【0105】裏面電極110は、SUS304製で大き
さは250×380×1.0mmの平板を、長尺基板と
の距離が20mm程度で長尺基板と平行になるように配
した。不図示の電源(KENWOOD製:直流定電圧定
電流電源PS6−60…この電源の電圧の上限は、6
V)は、裏面電極側が長尺基板に対して負の電位になる
ように接続した。電流のリターンは、長尺基板に接して
従動する給電ローラー103から共用リターンとして実
現されている。電源は定電流源として制御し、基板10
0に向かって流す電流密度は、0.3mA/cm2から
75mA/cm2の範囲で設定できるようにした。本例
では、36mA/cm2とすることにより導電性基板の
裏面に成膜される不必要な電析膜を除去することがで
き、安定的に均一な電析膜を、しかも裏回りのほとんど
ない電析膜を得ることができた。この時の裏面電極の電
源電圧は、約2.6Vを示していた。
【0106】この状態で、裏面電極の電源電圧をモニタ
ーしながら成膜を続けたところ、3時間を経過したとこ
ろで、電圧が急にドロップし、短絡した。成膜を中止し
て、裏面電極と長尺基板の間を覗き込んだところ、裏面
電極から柱状に延びた電析膜が長尺基板に接触している
のを確認することができた。
【0107】裏面電極を取り外してホーニングを行い、
再び装着して同じ条件で成膜を開始したところ安定的に
均一な電析膜を、しかも裏回りのほとんどない電析膜を
得ることができた。
【0108】〔実施例2〕図2に示した長尺基板用の電
析装置にて成膜を行った。電析浴は実施例1と同じもの
を用いた。電析槽には、24個の対向電極を配置した。
対向電極の大きさは150×350mmであり、厚みは
20mm、24個の電源出力を4.0Aとした。対向電
極には純度4Nの亜鉛を用いた。電析槽2066内での
通電のための給電手段としては、巻取装置進入ローラー
2286を用いた。
【0109】裏面電極と長尺基板との距離を40mmと
し、電源出力を40Aとした。この時の電源電圧は、約
3.2Vを示していた。長尺基板の搬送速度は2500
mm/分とした。
【0110】この状態で、約4時間、安定的に均一な電
析膜を、しかも裏回りのほとんどない電析膜を得ること
ができた。ところが、4時間を過ぎたあたりから巻き取
りローラーに巻き取られる基板に打痕があることに気が
付いた。そこで、電析槽の上部に設けられた不図示の蓋
を開けて裏面電極の付近を観察したところ、裏面電極表
面から落下したと思われる電析膜が基板裏面上に見え
た。この電析膜が電析浴中の電析槽退出ローラー201
5との間に巻き込まれて打痕の原因になっていた。
【0111】装置を停止し、裏面電極を交換し、電析槽
退出ローラー表面を掃除した後、同じ条件で成膜を開始
したところ安定的に均一な電析膜を、しかも裏回りのほ
とんどない電析膜を得ることができた。
【0112】〔実施例3〕図9に示す長尺基板用の電析
装置にて成膜を行った。図9において、300は長尺基
板、301は送り出しローラー、302は巻き取りロー
ラー、303は給電ローラー、304は電析槽、305
は水洗槽、306は水洗シャワー、307はエアーナイ
フ、308は乾燥炉、309は対向電極、310は裏面
電極、311は電析浴、320は裏面電極である。
【0113】図9は、図1とほとんど同じ装置である
が、違う点は、対向電極309jと対向電極309kの
間のところに裏面電極320を新たに追加設置してある
点である。この裏面電極320は、裏面電極310と全
く同じものを用意した。それ以外は、すべて実施例1と
同じ装置構成とした。
【0114】対向電極と長尺基板との間の20個の電源
は、電流設定値6Aの定電流モードで使用した。裏面電
極310と長尺基板との間の電源は、電流設定値35A
の定電流モードで使用し、裏面電極320と長尺基板と
の間の電源も、定電流モードで使用した。ただし、この
時の裏面電極320と長尺基板との間の距離は20mm
とした。
【0115】この状態で、裏面電極の電源電圧をモニタ
ーしながら成膜を続けたところ、約6時間を経過したと
ころで、裏面電極320と長尺基板との間の電源電圧が
急にドロップし、短絡した。この電源を停止して成膜を
続けたが、約30分後に裏面電極310と長尺基板との
間の電源電圧も急にドロップしたため、成膜を中止し
て、それぞれの裏面電極と長尺基板の間を覗き込んだと
ころ、裏面電極から柱状に延びた電析膜が長尺基板に接
触しているのを確認することができた。
【0116】裏面電極を取り外してホーニングを行い、
再び装着して同じ条件で成膜を開始したところ、安定的
に均一な電析膜を、しかも裏回りのほとんどない電析膜
を得ることができた。
【0117】〔実施例4〕図10に示す長尺基板用の電
析装置にて成膜を行った。図10において、401は送
り出しローラー、402は巻き取りローラー、403は
給電ローラー、404は電析槽、405は水洗槽、40
6は水洗シャワー、407はエアーナイフ、408は乾
燥炉、409は対向電極、410は裏面電極、411は
電析浴、420は裏面電極、430は裏面電極である。
【0118】図10は、図1とほとんど同じ装置である
が、違う点は、対向電極409hの直上に裏面電極43
0を、対向電極409nと対向電極409oの間のとこ
ろに裏面電極420を新たに追加設置した点と、各裏面
電極と長尺基板との間の距離を20mmとした点であ
る。これらの裏面電極420、430は、裏面電極41
0と全く同じものを用意した。それ以外は、すべて実施
例1と同じ装置構成とした。
【0119】まずはじめに、裏面電極420と裏面電極
430を使わずに、裏面電極410のみを使って成膜を
行った。この時、対向電極と長尺基板との間の20個の
電源は、電流設定値4Aの定電流モードで使用した。裏
面電極410と長尺基板との間の電源は、電流設定値3
5Aの定電流モードで使用した。この状態で、裏面電極
の電源電圧をモニターしながら成膜を続けたところ、約
4時間を経過したところで、裏面電極410と長尺基板
との間の電源電圧が急にドロップし、短絡した。
【0120】次に、裏面電極410を取り外してホーニ
ングを行い、再び装着し、裏面電極410と長尺基板と
の間の電源は電流設定値15Aの定電流モードで、裏面
電極420と長尺基板との間の電源は電流設定値10A
の定電流モードで、裏面電極430と長尺基板との間の
電源は電流設定値15Aの定電流モードで使用した。成
膜を開始して約10時間後、裏面電極430と長尺基板
との間の電源電圧が急にドロップしため、この電源のみ
停止した。この状態では、裏面電極410を過ぎても基
板裏面にうっすらと電析膜が付着していたため、裏面電
極420と長尺基板との間の電源の電流設定値を徐々に
増やしていき20Aの所で、裏面電極410を基板が過
ぎても裏面の回り込みがなくなったことを確認できたの
で、引き続き20Aで通電を行った。その後、約2時間
を過ぎたところで、ほぼ同時に、裏面電極410と長尺
基板との間の電源電圧と、裏面電極420と長尺基板と
の間の電源電圧が急にドロップしため電源を停止した。
それぞれの裏面電極と長尺基板の間を覗き込んだとこ
ろ、裏面電極から柱状に延びた電析膜が長尺基板に接触
しているのを確認することができた。
【0121】裏面電極を取り外してホーニングを行い、
再び装着して同じ条件で成膜を開始したところ安定的に
均一な電析膜を、しかも裏回りのほとんどない電析膜を
得ることができた。
【0122】〔比較例1〕実施例4と全く同じように成
膜を開始した。
【0123】まず、裏面電極410と長尺基板との間の
電源は電流設定値15Aの定電流モードで、裏面電極4
20と長尺基板との間の電源は電流設定値10Aの定電
流モードで、裏面電極430と長尺基板との間の電源は
電流設定値15Aの定電流モードで使用した。成膜を開
始して約10時間後、裏面電極430と長尺基板との間
の電源電圧が急にドロップしため、この電源のみ停止し
た。この状態では、裏面電極410を過ぎても基板裏面
にうっすらと電析膜が付着していた。
【0124】次に、実施例4では裏面電極420と長尺
基板との間の電源の電流設定値を徐々に増やしていった
が、ここでは裏面電極410と長尺基板との間の電源の
電流設定値を徐々に増やしていったところ25Aで、裏
面電極410を基板が過ぎても裏面の回り込みがなくな
ったことを確認できたので、引き続き25Aで通電を行
った。すると、約1時間を過ぎたところで、裏面電極4
10と長尺基板との間の電源電圧が急にドロップしため
電源を停止した。裏面電極410と長尺基板の間を覗き
込んだところ、裏面電極から柱状に延びた電析膜が長尺
基板に接触しているのを確認することができた。
【0125】ここで、裏面電極420と長尺基板の間を
覗き込んだところ、まだ隙間があったので、もうしばら
く通電が可能であろうと思われたので、35Aにて通電
を行った。約1時間後に短絡が起きるまで通電は可能で
あったが、裏面電極420以降にある対向電極との通電
による基板裏面への回り込みのために電析槽を出て行く
時には、基板裏面に不要な電析膜が堆積していた。
【0126】このように、通電量と通電場所を上手に選
んでやらないと実施例4に比べて約1時間も裏面電極の
寿命を短くしてしまうことが分かった。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
裏面電極と導電性基板との間の短絡による通電不良を検
知して、通電不良を防止することができ、また裏面電極
に付着する酸化物の膜剥がれによる打痕発生を早期に発
見して、打痕発生を防止することができる電析装置及び
電析方法を提供することができる。
【0128】また、長尺基板へ酸化物を形成するに際
し、裏面への回り込みがほとんどなく、膜特性が優れた
均一な酸化物を安定的に形成することができ、また膜制
御性が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電析装置の構成を示す模式図であ
る。
【図2】実施例2の電析装置の全体構成を示す模式図で
ある。
【図3】実施例2の電析装置における巻出装置を示す概
略図である。
【図4】実施例2の電析装置における電析槽及び循環槽
を示す概略図である。
【図5】実施例2の電析装置における排液槽を示す概略
図である。
【図6】実施例2の電析装置における純水シャワー槽、
第一温水槽、第二温水槽、乾燥装置、及び巻取装置を示
す概略図である。
【図7】実施例2の電析装置における純水加熱槽等を示
す概略図である。
【図8】実施例2の電析装置における排水系等を示す概
略図である。
【図9】実施例3の電析装置の構成を示す模式図であ
る。
【図10】実施例4の電析装置の構成を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
100 長尺基板 101 送り出しローラー 102 巻き取りローラー 103 給電ローラー 104 電析槽 105 水洗槽 106 水洗シャワー 107 エアーナイフ 108 乾燥炉 109 対向電極 110 裏面電極 111 電析浴 300 長尺基板 301 送り出しローラー 302 巻き取りローラー 303 給電ローラー 304 電析槽 305 水洗槽 306 水洗シャワー 307 エアーナイフ 308 乾燥炉 309 対向電極 310 裏面電極 311 電析浴 320 裏面電極 400 長尺基板 401 送り出しローラー 402 巻き取りローラー 403 給電ローラー 404 電析槽 405 水洗槽 406 水洗シャワー 407 エアーナイフ 408 乾燥炉 409 対向電極 410 裏面電極 411 電析浴 420 裏面電極 430 裏面電極 2001 巻出装置長尺基板ボビン 2002 巻出装置インターリーフ巻取りボビン 2003 巻出装置繰出し調整ローラー 2004 巻出装置方向転換ローラー 2005 巻出装置排出ローラー 2006 長尺基板 2007 巻取りインターリーフ 2008 インターリーフ巻取り方向 2009 巻出装置長尺基板ボビン回転方向 2010 長尺基板巻出し方向 2011 巻出装置クリーンブース 2012 巻出装置 2013 電析槽入口折返しローラー 2014 電析槽進入ローラー 2015 電析槽退出ローラー 2017 電析槽入口折返しローラーカバー 2018 電析浴保持槽カバー 2020 電析水洗系排気ダクト 2021 電析槽上流排気口 2022 電析槽中流排気口 2023 電析槽下流排気口 2024 電析槽オーバーフロー戻り口 2025 電析浴浴面 2026〜2053 電析槽アノード 2054〜2060 電析槽アノード載置台 2061 電析槽裏面電極 2062 電析槽攪拌空気導入管 2063 電析槽上流循環噴流管 2064 電析槽下流循環噴流管 2065 電析浴保持槽 2066 電析槽 2067 電析槽出口シャワー 2117 電析槽オーバーフロー戻り路 2118 電析槽オーバーフロー戻り路絶縁フランジ 2119 電析槽オーバーフロー戻り方向 2120 循環槽 2121 循環槽加熱貯槽 2122〜2129 循環槽ヒーター 2130 循環槽電析浴上流循環元バルブ 2131 循環槽電析浴上流循環方向 2132 循環槽電析浴上流循環ポンプ 2133 循環槽電析浴上流循環ポンプバイパスバルブ 2134 循環槽電析浴上流循環圧力ゲージ 2135 循環槽電析浴上流循環バルブ 2136 循環槽電析浴上流循環フレキシブルパイプ 2137 循環槽電析浴上流循環フランジ絶縁配管 2139 循環槽電析浴下流循環元バルブ 2140 循環槽電析浴下流循環方向 2141 循環槽電析浴下流循環ポンプバイパスバルブ 2142 循環槽電析浴下流循環ポンプ 2143 循環槽電析浴下流循環圧力ゲージ 2144 排液槽排液貯槽 2145 循環槽電析浴下流循環バルブ 2146 循環槽電析浴バイパス循環フレキシブルパイ
プ 2147 循環槽電析浴バイパス循環バルブ 2148 循環槽電析浴下流循環フレキシブルパイプ 2149 循環槽電析浴下流循環フランジ絶縁配管 2150 循環槽出口シャワーバルブ 2151 電析槽フィルター循環戻りフレキシブルパイ
プ 2152 電析槽フィルター循環戻りフランジ絶縁配管 2153 電析槽排水バルブ 2154 電析槽フィルター循環元バルブ 2155 電析槽フィルター循環方向 2156 電析槽フィルター循環サクションフィルター 2157 電析槽フィルター循環ポンプ 2158 電析槽フィルター循環ポンプバイパスバルブ 2159 電析槽フィルター循環圧力スイッチ 2160 電析槽フィルター循環圧力ゲージ 2161 電析槽フィルター循環フィルター 2162 電析槽フィルター循環方向 2163 電析槽フィルター循環方向 2164 電析槽フィルター循環フレキシブルパイプ 2165 電析槽フィルター循環フランジ絶縁配管 2166 電析槽フィルター循環バルブ 2167 電析槽フィルター循環系電析浴上流戻りバル
ブ 2168 電析槽フィルター循環系電析浴中流戻りバル
ブ 2169 電析槽フィルター循環系電析浴下流戻りバル
ブ 2170 排液槽空気抜きバルブ 2171 排液槽空気抜き 2172 排液槽 2173 排液槽排水バルブ 2174 排液槽排液回収バルブ 2175 排液回収元バルブ 2176 排液回収サクションフィルター 2177 排液回収ポンプ 2178 排液回収口 2179 排液槽共通排水口 2182 圧搾空気導入口 2183 電析浴攪拌用圧搾空気圧力スイッチ 2184 電析槽圧搾空気導入方向 2185 電析槽庄搾空気元バルブ 2186 電析槽圧搾空気流量計 2187 電析槽圧搾空気レギュレーター 2188 電析槽圧搾空気ミストセパレーター 2189 電析槽圧搾空気導入バルブ 2190 電析槽圧搾空気フレキシブルパイプ 2191 電析槽圧搾空気絶縁配管 2192 電析槽攪拌空気下流側制御バルブ 2193 電析槽攪拌空気上流側制御バルブ 2203 電析槽系純水導入口 2204 電析槽系純水導入バルブ 2205 第一加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2206 第一加熱貯槽純水導入バルブ 2207 電析槽純水導入バルブ 2208 電析槽純水導入絶縁配管 2209 第二加熱貯槽純水導入フレキシブルパイプ 2210 第二加熱貯槽純水導入バルブ 2213 電析槽予備導入口 2214 電析槽予備導入バルブ 2215 電析槽予備導入バルブ 2216 電析槽予備導入絶縁配管 2217 第二電析槽予備導入バルブ 2275 第二排液槽空気抜きバルブ 2276 第二排液槽空気抜き 2277 第一排液槽排液貯槽上蓋 2279 純水シャワー槽折返し進入ローラー 2280 純水シャワー槽ローラー 2281 第一温水槽折返し進入ローラー 2282 第一温水槽ローラー 2283 第二温水槽折返し進入ローラー 2284 第二温水槽ローラー 2285 乾燥折返しローラー 2286 巻取装置進入ローラー 2287 巻取装置方向転換ローラー 2288 巻取り調整ローラー 2289 長尺基板巻上げボビン 2290 インターリーフ繰出しボビン 2292 長尺基板巻取り方向 2293 長尺基板巻取りボビン回転方向 2294 インターリーフ繰出しボビン回転方向 2295 巻取装置クリーンブース 2296 巻取装置 2298 純水シャワー槽裏面ブラシ 2299 純水シャワー槽入口表面純水シャワー 2300 純水シャワー槽入口裏面純水シャワー 2301 純水シャワー槽排気口 2302 純水シャワー槽出口裏面純水シャワー 2303 純水シャワー槽出口表面純水シャワー 2304 第一温水槽温水保温ヒーター 2305 第一温水槽排気口 2306 第一温水槽超音波源 2307 第二温水槽温水保温ヒーター 2308 第二温水槽排気口 2309 第二温水槽出口裏面純水シャワー 2310 第二温水槽出口表面純水シャワー 2311 乾燥部入口裏面エアーナイフ 2312 乾燥部入口表面エアーナイフ 2313 IRランプ 2314 乾燥部排気口 2315 純水シャワー槽受け槽 2316 第一温水槽温水保持槽 2317 第二温水槽温水保持槽 2318 純水シャワー槽折返し進入ローラーカバー 2319 第一温水槽折返し進入ローラーカバー 2320 第二温水槽折返し進入ローラーカバー 2321 乾燥部カバー 2322 温水槽間連結管 2323 純水シャワー槽純水シャワー供給元バルブ 2324 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプバイ
パスバルブ 2325 純水シャワー槽純水シャワー供給ポンプ 2326 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力スイッ
チ 2327 純水シャワー槽純水シャワー供給圧力ゲージ 2328 純水シャワー槽純水シャワー供給カートリッ
ジ式フィルター 2329 純水シャワー槽純水シャワー供給流量計 2330 純水シャワー槽入口表面純水シャワーバルブ 2331 純水シャワー槽入口裏面純水シャワーバルブ 2332 純水シャワー槽出口裏面純水シャワーバルブ 2333 純水シャワー槽出口表面純水シャワーバルブ 2334 第一温水槽温水保持槽排水バルブ 2335 第二温水槽温水保持槽排水バルブ 2336 水洗系排水 2337 水洗系純水口 2338 水洗系純水供給元バルブ 2339 純水加熱槽 2340〜2343 純水加熱槽純水加熱ヒーター 2344 純水加熱槽純水送出バルブ 2345 純水加熱槽純水送出ポンプバイパスバルブ 2346 純水加熱槽純水送出ポンプ 2347 純水加熱槽圧力スイッチ 2348 純水加熱槽圧力ゲージ 2349 純水加熱槽カートリッジ式フィルター 2350 純水加熱槽流量計 2351 第二温水槽出口裏面シャワーバルブ 2352 第二温水槽出口表面シャワーバルブ 2353 乾燥系圧搾空気導入口 2354 乾燥系圧搾空気圧力スイッチ 2355 乾燥系圧搾空気フィルターレギュレーター 2356 乾燥系圧搾空気ミストセパレータ 2357 乾燥系圧搾空気供給バルブ 2358 乾燥部入口裏面エアナイフバルブ 2359 乾燥部入口表面エアナイフバルブ 2360 純水シャワー槽 2361 第一温水槽 2362 第二温水槽 2363 乾燥部 2364 電析水洗系排気ダクト水洗側絶縁フランジ 2365 電析水洗系排気ダクト基幹絶縁フランジ 2366 電析水洗系排気ダクト凝縮器 2367 電析水洗系排気ダクト熱交換グリッド 2368 電析水洗系排気ダクト凝縮器排水ドレイン 2369 電析水洗系排気 2370 乾燥系排気ダクト 2371 乾燥系凝縮器 2372 乾燥系熱交換グリッド 2373 乾燥系凝縮器排水ドレイン 2374 乾燥系排気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 荒尾 浩三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に酸化物を電析する電析装
    置において、 電析浴中に少なくとも1つ以上の対向電極と、導電性基
    板を挟んで該対向電極と反対側に少なくとも1つ以上の
    裏面電極とが設けられ、該裏面電極の表面に付着する酸
    化物の量を検知する手段および/または観察するための
    手段を有することを特徴とする電析装置。
  2. 【請求項2】 前記酸化物の量を検知する手段が、前記
    少なくとも1つ以上の裏面電極と前記導電性基板との間
    にそれぞれ独立に設けられた直流電源の短絡を検知する
    手段であることを特徴とする請求項1に記載の電析装
    置。
  3. 【請求項3】 前記酸化物の量を検知する手段および/
    または観察するための手段にて前記裏面電極の表面への
    所定量の酸化物の付着を確認後、前記裏面電極と前記導
    電性基板との間の通電を停止する手段を有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の電析装置。
  4. 【請求項4】 前記裏面電極が使い捨て可能であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電析装
    置。
  5. 【請求項5】 前記導電性基板が長尺基板であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電析装置。
  6. 【請求項6】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送す
    るロール・ツー・ロール装置に備えられていることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電析装置。
  7. 【請求項7】 導電性基板上に酸化物を電析する電析方
    法において、 電析浴中に少なくとも1つ以上の対向電極と、導電性基
    板を挟んで該対向電極と反対側に少なくとも1つ以上の
    裏面電極とを設け、該裏面電極の表面に付着する酸化物
    の量を検知および/または観察して裏面電極の表面への
    所定量の酸化物の付着を確認後、裏面電極と導電性基板
    との間の通電を停止することを特徴とする電析方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化物の量の検知が、前記少なくと
    も1つ以上の裏面電極と前記導電性基板との間にそれぞ
    れ独立に設けられた直流電源の短絡を検知してなされる
    ことを特徴とする請求項7に記載の電析方法。
  9. 【請求項9】 前記裏面電極が使い捨て可能であること
    を特徴とする請求項7または8に記載の電析方法。
  10. 【請求項10】 前記導電性基板が長尺基板であること
    を特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の電析方
    法。
  11. 【請求項11】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送
    するロール・ツー・ロール方式を採用することを特徴と
    する請求項7〜10のいずれかに記載の電析方法。
JP2000185597A 2000-06-21 2000-06-21 電析装置及び電析方法 Withdrawn JP2002004086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185597A JP2002004086A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電析装置及び電析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185597A JP2002004086A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電析装置及び電析方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002004086A true JP2002004086A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18685903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000185597A Withdrawn JP2002004086A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 電析装置及び電析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002004086A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011153351A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Nitto Denko Corp めっき装置およびめっき装置の配線検査方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011153351A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Nitto Denko Corp めっき装置およびめっき装置の配線検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000173969A (ja) リンス方法および光起電力素子
US6752915B2 (en) Web conveying apparatus, and apparatus and method for electrodeposition using web conveying apparatus
US6592739B1 (en) Process and apparatus for forming zinc oxide film, and process and apparatus for producing photovoltaic device
US20100200408A1 (en) Method and apparatus for the solution deposition of high quality oxide material
US6475367B1 (en) Electrodeposition method
WO2010093622A2 (en) Substrate for semiconductor device and method for its manufacture
US20100200060A1 (en) Solution based non-vacuum method and apparatus for preparing oxide materials
US6733650B2 (en) Apparatus and process for producing zinc oxide film
JP2002004086A (ja) 電析装置及び電析方法
US6632346B2 (en) Process for electrodepositing zinc oxide film
US6471848B1 (en) Electrodeposition method of forming an oxide film
JP3581585B2 (ja) 電析装置
JP2002220696A (ja) 電析方法
US20100200411A1 (en) Method and apparatus for the solution deposition of oxide
US20100200413A1 (en) Solution deposition method and apparatus with partiphobic substrate orientation
JP2001262399A (ja) 電析装置
JP3445203B2 (ja) 酸化亜鉛電析方法および装置
JP2000144488A (ja) 電析装置
JP3445161B2 (ja) 酸化亜鉛膜の電析方法、および電析装置
JP3420494B2 (ja) 電析装置
JP2002206194A (ja) 酸化亜鉛膜の作製方法、その作製装置、光起電力素子の作製方法及びその作製装置
JP3517588B2 (ja) 電析装置とその制御方法
JP3420495B2 (ja) 長尺基板の電析装置
JP3423607B2 (ja) 電析装置
JP3445160B2 (ja) 電析槽、および電析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904