JP3445160B2 - 電析槽、および電析装置 - Google Patents

電析槽、および電析装置

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JP3445160B2
JP3445160B2 JP20701898A JP20701898A JP3445160B2 JP 3445160 B2 JP3445160 B2 JP 3445160B2 JP 20701898 A JP20701898 A JP 20701898A JP 20701898 A JP20701898 A JP 20701898A JP 3445160 B2 JP3445160 B2 JP 3445160B2
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anode
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浩三 荒尾
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス帯板等
の長尺基板上に電析法により酸化物膜を作成する電析
槽、および電析装置に係り、特に電析に必要な電位を安
定化して酸化物膜の一様性を改良した電析槽、および電
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光起電力素子の製造においても、
真空プロセスに代わり、水溶液の電気化学的反応を利用
して基板上に酸化物膜を作成する技術(以下、「電析
法」と称する。)が注目されている。
【0003】このような電析法を用いることにより、次
のような利点がある。
【0004】まず、スパッタリング装置などの真空装置
と異なり、膜作成が極めて簡便なことである。高価な真
空ポンプを必要とせず、プラズマを使用するための電源
や電極周りの設計に気をつかうこともない。
【0005】次に、殆どの場合、ランニングコストが低
いことである。これはスパッタリング装置では、ターゲ
ットの作製に人手と装置を要し、費用がかかる上に、タ
ーゲットの利用効率も2割程度以下だからである。した
がって、装置のスループットが上がったり、膜厚の大き
い場合には、ターゲット交換の作業がかなりのウエイト
を占めるようになるからである。
【0006】スパッタリング以外のCVD法や真空蒸着
法に対しても、装置やランニングコストの点で優位に立
つ。
【0007】また、膜が多くの場合、多結晶の微粒子で
あり、真空法で作るのと遜色ない導電特性・光学特性を
示し、ゾルゲル法や有機物を用いたコーティング法、さ
らにはスプレー・パイロリシス法などに比べて優位に立
つ。
【0008】さらに、酸化物を形成する場合でもこれら
のことが成り立つ上、廃液を簡単に処理することがで
き、環境に及ぼす影響も小さく、環境汚染を防止するた
めのコストも低い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電析法によ
って成膜を行うと、極めて安価に長尺基板上に酸化亜鉛
膜を作成することが可能となるものの、成膜面にモヤモ
ヤとしたムラが発生した。本発明者等の検討の結果、こ
れは、基板の抵抗を無視することができないため、アノ
ードの位置やアノード内の給電点からの遠近により、電
圧降下量が異なることによるものと判明した。
【0010】電析法を用いた静止基板での実験による
と、給電点に近いアノードでの成膜速度が大きく、また
遠いところでの成膜速度が小さかった。さらに、中間に
位置するアノードでは、場所内でのムラが甚だしく観測
された。このため、成膜速度の大きいところに電源の出
力電圧または出力電流を調整すると、給電点から遠いと
ころのアノードでほとんど堆積が見られず、逆に成膜速
度の小さいところに電源の出力電圧または出力電流を調
整すると、給電点に近いアノードでは異常成長だらけの
堆積となってしまっていた。これが長尺基板の搬送によ
り平均化されて、ムラとなって現れたものである。
【0011】ムラの出現理由から分かるように、これら
のムラは異常成長を含むため、太陽電池の反射層として
はシャントを増やし、好ましくない。
【0012】本発明は、複数の電源電位を制御して、そ
の電源からの電析電流を安定なものとすることにより、
長尺基板上にムラのない一様な酸化物膜を安定して作成
することができ、太陽電池の反射層などに好適な酸化物
膜を作成することができる電析槽、および電析装置を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電析槽は、電析浴中で基板とアノードとに
通電して長尺基板上に酸化物を作成する電析槽におい
て、搬送される長尺基板に対向するように、その搬送方
向に沿って複数のアノードを配置し、各アノードに各々
独立した電源から一定電位を印加するものである。
【0014】上記電析槽において、アノードと基板との
間の電位差φに対して、アノードと基板との間の電位の
最大値をV0、基板搬送方向の単位長さあたりの基板抵
抗をρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノードと基
板との間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基板搬
送方向の長さが、φr/V0ρを超えないことが好まし
い。
【0015】また、基板搬送方向の単位長さあたりの基
板抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノード
と基板との間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基
板搬送方向の長さが、0.8r/ρを超えないことが好
ましい。
【0016】さらに、各アノードの基板搬送方向の長さ
が、200cmを超えないことが好ましい。
【0017】そして、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とが好ましい。
【0018】一方、本発明の電析装置は、電析浴中で基
板とアノードとに通電して長尺基板上に酸化物を作成す
る電析槽と、電析槽を通過した基板を水洗する水洗手段
と、水洗手段を通過した基板を乾燥する乾燥手段とを備
えている電析装置において、搬送される長尺基板に対向
するように、その搬送方向に沿って複数のアノードを配
置し、各アノードに各々独立した電源から一定電位を印
加するものである。
【0019】上記電析装置において、アノードと基板と
の間の電位差φに対して、アノードと基板との間の電位
の最大値をV0、基板搬送方向の単位長さあたりの基板
抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノードと
基板との間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基板
搬送方向の長さが、φr/V0ρを超えないことが好ま
しい。
【0020】また、基板搬送方向の単位長さあたりの基
板抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノード
と基板との間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基
板搬送方向の長さが、0.8r/ρを超えないことが好
ましい。
【0021】さらに、各アノードの基板搬送方向の長さ
が、200cmを超えないことが好ましい。
【0022】そして、ロール間で長尺基板を掛け渡して
搬送するロール・ツー・ロール装置に備えられているこ
とが好ましい。
【0023】次に、本発明を想到するに至った経緯とと
もに、本発明の作用を説明する。本発明者等は、基板抵
抗による電位降下とその詳細を検討した。
【0024】図3は、アノード部分の機能を説明する概
略図である。図3において、長尺基板3001は基板搬
送方向3002へ向かって搬送され、アノード3003
が電析浴中に配置されている。アノード3003は、電
源3005に接続されている。また、電源3005から
の電流の戻りは、長尺基板3001から給電ローラー3
004を経て、電源のリターンヘと接続されている。
【0025】図4は、図3のアノード部分の電気的な等
価回路を示す概略図である。図4において、基板400
1は単位長さあたり一定の基板抵抗ρ〔Ω〕を有する。
電析浴は、図4中ハッチングを付して示したように、ア
ノード4003から基板4001への垂直の経路で、基
板の単位長さあたり一定の浴抵抗r〔Ω〕を有するもの
とする。
【0026】基板のアノード左端に対応する部分を0と
し、搬送方向にχをとる。位置χにおける電位をψ
(χ)、電流をi(χ)あるいは単にψ、iとおく。
【0027】アノードの電位をVとする。ケーブルやア
ノードの抵抗は、線径を太くしたり、アノード厚を大き
くすることで無視できる。
【0028】また、電源の出カインピーダンスも無視し
うる。給電ローラーの抵抗や基板の浴から出ている部分
の抵抗については、後の検討で明らかになるが、微分量
が効いているため、検討結果に後で付け加えればよい。
【0029】さて、このような道具だてに従い、情況を
定式化する。すなわち、図4の微少長さdχの部分で、
電流iの増加量はハッチングを付した部分で、アノード
から基板に垂直に流れてくる電流のみと考えてよいもの
として、di/dχ=(V−ψ)/rを得る。
【0030】また、基板を流れる電流とその部分の基板
の電位とはdi=dψ/ρとの関係がある。
【0031】この2つの式を合わせて、dψ/dχ=ρ
V/r−ρψ/rという微分方程式が成り立つ。これが
前述したローラー抵抗や基板端部分の抵抗は解析に直接
必要ないとした意味である。
【0032】ローラ抵抗や基板端部分の抵抗が無視し得
ない場合には、全電流とそれら抵抗値から電圧降下が評
価できるから、その分を式中のVから減じておくとよ
い。
【0033】この微分方程式は簡単に解けて、ψ(χ)
=(V0−V)e (−αχ)+Vとなる。ただし、V0
アノード左端対向部における基板の電位、α=ρ/rと
した。
【0034】今、基板の厚みは少なくとも0.01mm
以上はあること、基板が金属であれば比抵抗は10-4Ω
cmより高くないこと、浴の電導度は(本方式では高い
とはいえ)高々100mS/cmであることなど考慮す
ると、αの値は大きくとも、cmの次元で、0.001
程度であり、図2に示した装置では充分な近似で、ψ
(χ)=V0+α(V−V0)χとなることが分かる。す
なわち、長さL〔cm〕のアノードでは、その左端と右
端で、基板の抵抗による、(V−V0)αLの電位降下
が発生している。
【0035】以上の検討より、アノードと基板との間の
電位は、基板の抵抗と浴の抵抗の比α、アノードの長さ
L、アノードと基板との間の最大の電圧Vによって決ま
ってくることが理解できる。電源の種類、すなわち、電
流制御の電源か電圧制御の電源か、には依らないし、ま
たケーブルや給電部の抵抗も直接には影響しない(アノ
ードと基板との間の最大の電圧さえ把握すればよい)。
【0036】したがって、まず、アノードの長さを短く
すると、アノードに一定の電位を印加した場合(定電圧
源は勿論、定電流源を接続した場合も、アノード自身の
抵抗は極めて小さいから、アノードに定電圧をかけたこ
とになる)、アノード内の電位ムラを小さくできるか
ら、ムラに対して効果があることが定性的に帰結され
る。電位ムラを小さくして、成膜のスループットを上げ
るには、複数のアノードを配せねばならないことも理解
できよう。
【0037】ただし、図2に示したようなバスバーを介
して等電位を印加する方式は、一枚の大きなアノードを
形成したのと等価であるから、好ましくなく、アノード
それぞれに必要な電位を印加するのがよい。
【0038】次に、複数のアノードを、無闇に増やすの
ではなく、最低限必要なものとするにはどうしたらよい
だろうか。これは、アノードの長さに基づくところのア
ノードと基板との間の電位が分かっているから、実験的
に必要とされる電位の許容幅を求めてやればよい。
【0039】0.2M/l、85℃の硝酸亜鉛溶液をも
ちいて電析をする場合、浴と基板との電気化学的電位が
1V前後から電流が急に流れ始める立ち上がりを示す。
【0040】図2の装置にて、等間隔に並べた4つのア
ノードに同じ電流を流し、ムラの発生しないアノード電
位を測定したところ、3Aのとき1.1V、1.34
V、1.46V、1.57V、9Aのとき2.4V、
2.76V、2.88V、3.74V、12Aのとき
2.76V、3.76V、3.9V、4.78Vであっ
た。これは給電抵抗などを含んだ値であるが、それを補
正して、電位が一つのアノードで1.3倍位内ならよい
ことが分かった。これによると、αL≦0.77であ
る。したがって、アノードの長さは、少なくとも0.8
χr/ρを超えてはいけない。
【0041】一例を検討時のパラメータで示すと、浴の
もつ長さ1cmあたりの抵抗は0.1Ωであり、厚さ
0.08mmのステンレス鋼製基板の長さ1cmあたり
の抵抗は0.0004Ωであり、αは4×10-3Ωであ
った。したがって、このときのアノードの長さは、高々
200cmであるべきである。
【0042】このアノードの長さは、当然のことなが
ら、基板の抵抗が大きくなれば、あるいは浴の抵抗が低
くなれば、小さくしなければならない。図2に示す装置
で、酸化亜鉛を電析してムラの無い膜を得るためには、
電析槽の長さが5mであるから、アノードは少なくとも
3つ必要であることが分かる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の電析装置の好適
な実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定
されるものではない。
【0044】図2は、電析法により酸化物膜を作成する
装置の一例を示す概略図であり、電析法により酸化亜鉛
膜を作成するだけの機能に単純化したものである。
【0045】図2において、2001はロール状に巻か
れたステンレス帯板等の長尺基板であり、ロール基板、
ウエブ、フープ材、コイル、テープ、リール材などと呼
ばれている。すなわち、長尺基板は、細長い長方形をし
た帯状の薄板であり、長手方向に巻き上げてロール形状
に保持できるものをいい、連続的に成膜を行い得るた
め、稼働率やランニングコストを低減することができる
など、工業的に極めて有利なものである。長尺基板20
01は、ボビンにコイル状に巻かれた円筒状の基板とし
て、本装置へと搬送されてくる。
【0046】本装置では、コイル状の長尺基板を基板繰
り出しローラー2002に配置し、その表面保護のため
に巻き入れられた合紙を合紙巻き上げローラー2003
で巻き出しつつ、繰り出された基板を基板巻き上げロー
ラー2062へと搬送し、巻き取っている。
【0047】すなわち、基板2001は、その搬送経路
において、張力検出ローラー2005、給電ローラー2
006を経て電析槽2009に入る。電析槽2009の
内部では、基板2001が支持ローラー2013,20
14により位置出しされ、電析法により酸化物膜が作成
される。
【0048】次に、電析槽2009を通過した基板20
01は、水洗槽2030内に導入されて水洗される。水
洗槽2030内での位置出しは、支持ローラー203
1,2036によって行われる。水洗槽2030を通過
した基板2001は、温風乾燥炉2051内に導入され
て乾燥される。
【0049】温風乾燥炉2051を通過した基板200
1は、支持ローラー2057を経て、蛇行修正ローラー
2059により横ずれが補正され、成膜表面を保護すべ
く、合紙繰り出しローラー2060から繰り出された新
しい合紙を巻き込んで、基板巻き上げローラー2062
に巻き上げられて、必要に応じて次工程へと搬送され
る。
【0050】張力検出ローラー2005は、基板200
1の動的な巻き張力を検知して、基板繰り出しローラー
2002の軸にリンクされた不図示のパウダークラッチ
等のブレーキ手段にフィードバックをかけ、張力を一定
に保持するものである。これにより、基板2001の搬
送経路が支持ローラー間で所定の値になるように設計さ
れている。
【0051】特に、成膜面にローラーが触れない構成と
なっているため、張力が弱いと、支持ローラーから基板
2001が外れたり、電析槽2009や水洗槽2030
の出入ロで基板2001が垂れ下がって成膜面を擦って
傷付くなどの、不具合が発生する。
【0052】成膜面が触れない装置構成は、成膜面が損
傷を受けたり、汚れたりしないなどの利点があり、とり
わけ太陽電池の反射膜などのように、ミクロンサイズの
凹凸を薄膜上に形成しなければならない用途には好まし
い。
【0053】給電ローラー2006は長尺基板にカソー
ド側の電位を印加するためのもので、なるべく電析浴に
近いところに設置され、電源2008の負極側に接続さ
れている。
【0054】電析槽2009は、電析浴2016を保持
すると共に、基板2001の経路を定め、それに対して
アノード2017を設置して、このアノード2017に
給電バー2015を介して電源2008から正極の電位
を印加する。これにより、電析浴中で基板を負、アノー
ド2017を正とする電気化学的な電解析出プロセスが
進行する。
【0055】電析浴2016が高温に保たれるときは、
水蒸気の発生がかなり多くなるので、蒸気排出ダクト2
010,2011,2012から水蒸気を逃がしてや
る。
【0056】また、電析浴2016を攪拌するために、
攪拌エアー導入管2019からエアーを導入して、電析
槽2009内のエアー吹き出し管2018からエアーを
バブリングする。
【0057】電析槽2009に高温の浴液を補給するに
は、電析循環槽2025を設け、この中にヒーター20
24を設置して浴を加温し、かかる浴液を浴循環ポンプ
2023から電析浴液供給管2020を通して電析槽に
供給する。電析槽2009から溢れた浴液や、一部積極
的に帰還させる浴液は、不図示の帰還路を経て、電析循
環槽2025に戻して再び加温する。
【0058】ポンプの吐出量が一定の場合には、バルブ
2021とバルブ2022とで、電析循環槽2025か
ら電析槽2009への浴供給量を制御することができ
る。すなわち、供給量を増やす場合は、バルブ2021
をより開放とし、バルブ2022をより閉成とするので
あり、また供給量を減らす場合は逆の操作を行う。電析
浴2016の保持水位は、この供給量と不図示の帰還量
を調整しておこなう。
【0059】電析循環槽2025には、循環ポンプ20
27とフィルターとからなるフィルター循環系が備えら
れており、電析循環槽2025中の粒子を除去できる構
成となっている。電析循環槽2025と電析槽2009
と間での浴液の供給・帰還が充分に多い場合には、この
ように電析循環槽2025にのみフィルターを設置した
形で、充分な粒子除去効果を得ることができる。
【0060】本装置では、電析循環槽2025にも蒸気
排出ダクト2026が設置されており、水蒸気が排出さ
れる構造となっている。特に、電析循環槽2025には
ヒーター2024が設置されていて加温源となっている
ため、水蒸気の発生が著しく、発生した水蒸気が不用意
に放出されたり結露したりするのが好ましくない場合
は、極めて効果的である。
【0061】電祈予備槽2029は、加温された浴液を
一気に既設の廃液系に流して処理装置を傷めることを防
ぐために設置されたもので、一旦電析槽2009の電析
浴2016を保持すると共に、電析槽2009を空にし
て作業の能率を図るためのものである。
【0062】電析槽2009で電析を終えた基板200
1は、続いて水洗槽2030に入って水洗される。水洗
槽2009内では、基板2001は支持ローラー203
1と支持ローラー2066で位置決めされ、第一水洗槽
2032、第二水洗槽2033、第三水洗槽2034を
順に通過する。
【0063】それぞれに水洗循環槽2047〜2049
と水循環ポンプ2044〜2046が配され、2つのバ
ルブ、すなわちバルブ2038とバルブ2041、若し
くはバルブ2039とバルブ2042、またはバルブ2
040とバルブ2043とで水洗槽2009への水供給
量が決まり、供給管2035、若しくは供給管203
6、または供給管2037を介して、水洗槽2032〜
20344へ洗浄水が供給される。
【0064】2つのバルブによる供給量の制御法は、電
析槽2009での制御と同様である。また、電析槽20
09と同様に、オーバーフローを集めたり一部を積極的
に戻す不図示の帰還水を、それぞれの水洗循環槽204
7〜2049に戻すことも可能である。
【0065】通常、図2に示すような3段の水洗システ
ムでは、基板搬送方向の上流側の水洗槽から下側の水洗
槽、すなわち第一水洗槽2032から第三水洗槽203
4へ向けて、洗浄水の純度が高くなっている。これは、
基板2001が搬送されプロセスが終わりに近づくに従
って、基板2001の清浄度が上がっていくことを意味
している。
【0066】このことは、洗浄水を第三水洗循環槽20
49に最初に補給し、次に第三水洗循環槽2049で溢
れた洗浄水を第二水洗循環槽2048に補給し、さらに
第二水洗循環槽2048で溢れた洗浄水を第一水洗循環
槽2047に補給することにより、水の使用量を大幅に
節約して達成することができる。
【0067】水洗の終了した基板2001は、水洗槽2
030の一部に設けられたエアーナイフ2035により
水切りされ、続いて温風乾燥炉2051へ搬送される。
ここでは、水を充分に乾燥させるだけの温度の対流空気
で乾燥をおこなう。対流空気は、熱風発生炉2055で
発生した熱風を、フィルター2054を通してゴミを除
去し、温風吹き出し管2052から吹き出して供給す
る。
【0068】溢れる空気は、再度温風回収管2053よ
り回収して、外気導入管2056からの外気と混合して
熱風発生炉に送られる。
【0069】温風乾燥炉での基板2001の搬送経路
は、支持ローラー2066と支持ローラー2057とに
よって位置出しされる。
【0070】蛇行修正ローラー2059は、基板200
1の幅方向のずれを補正して基板巻き上げローラー20
62に巻き込むものであり、不図示のセンサーによって
ずれ量を検知し、蛇行修正ローラーを不図示のアームを
支点として回転することによって制御する。通常、セン
サーの検知するずれ量も、蛇行修正ローラー2059の
作動量も極めて小さく、1mmを超えないようにしてい
る。
【0071】基板2001を巻き上げるに際して、その
表面保護のために、合紙繰り出しローラー2060から
新しい合紙を供給する。
【0072】ストッパー2007とストッパー2058
は同時に働いて、基板2001を搬送張力の掛かったま
ま静止させるものである。これは、基板2001の交換
時や装置のメンテナンス時に、作業性を向上させる。
【0073】すなわち、本実施形態の電析装置は、長尺
基板2001上に均一な酸化物膜を連続的に作成する装
置であり、基板2001上に酸化物膜を作成する電析槽
2009と、電析槽2009を通過した基板2001を
水洗する水洗槽2030等の水洗手段と、水洗手段を通
過した基板2001を強制乾燥する温風乾燥炉2051
等の乾燥手段とを備えており、特に長尺基板上に酸化物
を電析するのに用いる浴抵抗の低い電析装置において、
アノード間やアノード内における基板とアノード間の電
位を一定化し得るようにアノード部分の構成を改良した
ものである。以下に、各構成要素について詳細に説明す
る。
【0074】〔基板〕本発明で用いられる基板2001
の材料は、膜作成面で電気的な導通がとれ、電析浴20
16によって侵食されないものであれば使用することが
でき、ステンレス鋼(SUS)、Al、Cu、Fe、C
rなどの金属、およびこれらの合金が用いられる。ま
た、金属コーティングを施したPETフィルムなども利
用可能である。
【0075】これらの中で、後工程で素子化プロセスを
行うには、ステンレス鋼が比較的安価で防食性に優れて
いるので、長尺基板として優れている。
【0076】基板表面は、研磨を行った鏡面でもよい
し、BAなどの平滑面でもよいし、また2Dで代表され
る粗面でもよい。1μm以上の粗面の場合には、例え濡
れ性の良い膜が作成されても、電析槽2009と水洗槽
2030との間で乾燥ムラが発生しやすく、本発明が有
効である。
【0077】さらに基板2001には、別の導電性材料
が成膜されていてもよく、電析の目的に応じて選択され
る。
【0078】ステンレス鋼やCr製の長尺基板の場合に
は、他の金属に比べて比電気抵抗が大きいため、特に本
発明が有効である。
【0079】〔酸化物膜〕本発明により作成可能な酸化
物膜としては、c軸に配向した酸化亜鉛多結晶膜、c軸
の傾いた酸化亜鉛多結晶膜が挙げられる。その他の酸化
物膜としては、硝酸インジウムから析出される酸化イン
ジウムなどが挙げられる。
【0080】〔電析槽〕本発明に用いられる電析槽20
09としては、金属においては、ステンレス鋼(SU
S)、Fe、Al、Cu、Cr、真ちゅうなどが耐熱性
・加工性に優れているので利用することができ、耐食性
を考慮するとステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼
は、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト
系のいずれも適用可能である。
【0081】保温性が必要とされる場合には、二重構造
とし、槽壁間を断熱材で補完することができる。断熱材
としては、温度と簡便性を考慮して、空気、油脂、ガラ
スウール、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0082】〈電析浴〉電析槽2009内に収容される
電析浴2016は、良く知られた金属めっき用の浴の
他、酸化亜鉛成膜用の硝酸亜鉛を主としたものが適用可
能である。膜の一様性を高めるために、スクロースやデ
キストリンなどの糖類を添加することもできる。
【0083】特に、太陽電池の光閉じ込め反射層として
有効な光の波長程度の凹凸をもった酸化亜鉛を成膜する
には、硝酸亜鉛の濃度を0.1M/l以上とすることが
好ましい。c軸に配向した酸化亜鉛膜を得るには、基板
にもよるが、一般的には、0.05M/l以下とするこ
とが好ましい。
【0084】いずれの場合にも、添加する糖類は、スク
ロースにあっては3g/l以上、デキストリンにあって
は0.001g/l以上とすることが好ましい。これら
の場合、浴の温度は、60℃以上とするのが金属の析出
がなく好ましい。とりわけ、80℃以上であると、膜の
一様性が向上するので好ましい。したがって、この温度
では電導度が著しく上るため、本発明の効果がいっそう
顕著になる。
【0085】また、酸化インジウムを析出させる場合に
は、硝酸インジウムを0.0001M/l以上とし、糖
類を同じ程度で含有させることが好ましい。ただし、浴
温については、60℃より低い方が好ましい。
【0086】〈アノード〉本発明に用いられるアノード
とは、基板に対して正の電位をもち、電析電流を基板に
向かって流し得るものをいう。通常は、図2に示したよ
うに、基板に対向するように、近接して配置される。
【0087】アノードに印加する電力は、膜の堆積を制
御するために、電圧制御とするよりも電流制御とするこ
とが好ましい。
【0088】本発明におけるアノードの長尺基板の幅方
向の大きさ(以下、「アノードの幅」と称する。)は、
長尺基板の幅と等しいか、あるいはそれより大きく設定
される。このように設定することは、本発明者等の実験
によると極めて重要である。すなわち、アノードの幅が
長尺基板の幅より小さいと、酸化物膜の基板幅方向のム
ラが著しく発生するので、アノードの幅を長尺基板の幅
と等しいか、あるいはそれより大きく設定することが必
要とされるのである。
【0089】特に、本発明では、酸化物膜を作成させる
ため、単に金属イオンを電界によって運ぶだけでなく、
基板のごく近傍で酸化反応を進めなければならない。し
たがって、その酸化反応を保持するための電位(浴液と
基板との電位)を確保せねばならず、金属めっきとは異
なったアプローチが必要であると考えている。端的に
は、実験的に定めている。
【0090】アノードと基板との距離は、機械的な精度
が一番大きな因子となるが、1mm以上数10cm以下
に設定するのが好ましく、特に10mm〜50mm前後
の距離で配置するのが効果が最大化され、より好まし
い。また、同一の電位がかかっているアノードは、同じ
距離に配置すること、すなわち、基板になるべく平行に
配置することが好ましい。
【0091】アノードの形状は、板状、線状、棒状、そ
の他後述のようにメッシュ状あるいは格子状とすること
ができる。いずれも機械的な組み立て易さや、電位保持
の容易性から定められる。
【0092】アノードは、通常、懸垂線を描く搬送基板
に距離を合わせて配置されるため、複数配置されるが、
その電位や形状はアノード同士で同一である必要はな
い。例えば、基板に近い側で凹凸は大きくないが成膜速
度の大きい膜とし、基板から遠い側(すなわち、太陽電
池活性層を電析膜の上に構成するときに、活性層に近い
側)で凹凸は大きく成膜速度の小さい膜とするような場
合に、プロセス前半のアノードはより近接させたり、よ
り電位を高く保持して電析電流を多くし、プロセス後半
のアノードはより離したり、より電位を低く保持して電
析電流を少なくするという具合である。その場合、前半
は板状のアノード、後半は棒状のアノードいう形状を選
択することもできる。
【0093】各アノードには、各々独立した電源が接続
され、一定電位が印加される。アノードと基板との間の
電位差φに対して、アノードと基板との間の電位の最大
値をV0、基板搬送方向の単位長さあたりの基板抵抗を
ρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノードと基板と
の間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基板搬送方
向の長さが、φr/V0ρを超えないことが好ましい。
【0094】また、基板搬送方向の単位長さあたりの基
板抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあたりのアノード
と基板との間の浴抵抗をrとするとき、各アノードの基
板搬送方向の長さが、0.8r/ρを超えないことがよ
り好ましく、具体的には200cmを超えないことが好
ましい。
【0095】〈ケーブル〉本発明に用いられるケーブル
は、通常の被覆線もしくは裸線を利用することができ
る。ただし、線抵抗を下げるために、14mm2以上の
断面積を有するものを用いるのが好ましい。14mm2
の断面積の線材は1〜2Ω/kmの抵抗値をもつため、
例えばこの線材を10m用いると、10mΩ〜20mΩ
のケーブル抵抗をもつことになる。これは、前掲の例で
示したケーブル抵抗値に比べ大きい。実際のものでは、
太い線径や短いケーブルを用いて、この値より小さくす
るのが好ましい。
【0096】〈スイッチ〉本発明に用いられるスイッチ
には、電流を充分に効果的に開閉するもので、機械接点
をもつものや、リレー接点のもの、更にソリッドステー
トリレー(SSR)の類が利用可能である。ただし、い
ずれも接点抵抗には気をつけるべきで、できる限り小さ
い値のものを用いるようにする。
【0097】〈給電部〉本発明に用いられる給電部は、
基板から電流を効率よく取得できるもので、ステンレス
鋼(SUS)、銅、炭素などで構成された、従動ローラ
ー、摺動ブラシなどを利用することができる。給電抵抗
を低くするために、ローラーヘの張力を増やしたり、電
解液を流したりしてもよい。
【0098】〈電源〉本発明に用いられる電源は、端子
間電圧が制御できるものであって、図4に示すような電
圧を印加しうるもので、かつ、そのための端子電流を実
現できる容量をもつものである。
【0099】また、図4からも分かるように、互いの出
力端子は接地から浮いており、1kΩ以上の高入力イン
ピーダンスをもつセンシング入力を受けて、電圧出力を
独立して制御できるものである。一般に入手できる直流
電圧源で、容量を満足するものが、使用可能である。市
販品では、例えば(株)ケンウッドのPSシリーズ、菊
水電子のPAKシリーズの電源が、これらの条件を満た
す。
【0100】〔水洗手段〕本発明に用いられる水洗手段
は、図2に示すような水洗槽2030に収容した水中に
基板2001を通過させる方式のほか、水洗用のシャワ
ーを用いることができる。後者の場合でも、一旦形成さ
れた乾燥ムラは、水洗のみで効果的に除去することは困
難である。
【0101】〔乾燥手段〕本発明に用いられる乾燥手段
では、充分に水溶性の溶質を除去した後に、図2に示し
たようなエアーナイフによる水切りが極めて効果的であ
り、後続の加熱乾燥は温風で十分である。後工程で真空
装置を用いる場合には、吸着水を除去するために、赤外
線ヒーターなども利用可能である。
【0102】〔搬送手段〕本発明に用いられる基板の搬
送手段では、基板の上下振動が発生して、段状のムラが
槽間で発生しないように、基板の幅1cmあたり0.5
kg以上の張力をかけるのが好ましい。
【0103】特に、オーバーフロー部分での上下動は、
オーバーフローや飛沫によるムラを発生させやすいた
め、支持ローラーを磁性ローラー(強磁性体基板の場
合)として搬送経路を確保するのが好ましい。
【0104】
【実施例】以下に、本発明に基づく実施例を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0105】〔実施例1〕実施例1は、図2に示す電析
装置に、アノード部分として図1に示すものを組み込ん
で、長尺基板の電析装置とした。図1において、100
1は長尺基板、1002は基板搬送方向、1003,1
004,1005はアノード、1006は給電ローラ
ー、1007,1008,1009は電源、1010は
戻りケーブルである。
【0106】本実施例における電析浴は、0.005M
/lの硝酸亜鉛と0.07g/lのデキストリンを含ん
だものを用いた。膜作成温度は85℃とし、導電度を測
定したところ1mSであった。
【0107】アノード1003,1004,1005の
サイズはいずれも、アノード長さ1500mm、アノー
ド幅350mmとした。これを長尺基板1001と1c
m離して対向せしめた。
【0108】長尺基板1001としては、幅350m
m、厚さ0.12mmのフェライト系ステンレス鋼(S
US430)を用い、この基板のもつ抵抗は、長さ1c
mあたり0.0002Ωであった。給電部の抵抗も、各
ケーブルのもつ抵抗も0.1mΩを越えることはなく、
本発明の目的では無視し得た。
【0109】電圧源による電圧は、電源1007で2.
4V、電源1008で2.9V、電源1009で3.4
Vとした。これらの電圧を安定して印加するため、アノ
ード電位によるそれぞれの帰還系を形成し、電源のリモ
ートにフィードバックした。
【0110】基板搬送を500mm/minとして基板
を搬送させながら成膜を行ったところ、40Å/sec
の成膜速度にて1.2μmの酸化亜鉛が一様に作成し
た。
【0111】本実施例によれば、長尺基板上に酸化物を
電析するのに用いる浴抵抗の低い電析装置において、ア
ノード内におけるアノード電流の位置ムラを極小とする
ことができ、異常成長を減らし、成膜の一様性を向上さ
せることができるものである。
【0112】〔実施例2〕実施例2は、電析浴を0.2
M/lの硝酸亜鉛と0.07g/lのデキストリンとを
含んだものに変えたほかは、実施例1と同じ構成とし
た。
【0113】浴温は同じく85℃としたため、電導度が
70mS/cmと大きくなった。αは、5×10-3Ωで
あった。
【0114】基板搬送を500mm/minとして基板
を搬送させながら成膜を行ったところ、同じく40Å/
secの成膜速度にて1.2μmの酸化亜鉛が一様に作
成された。実施例1と異なり、堆積した膜は1μm以上
の粒径をもつ散乱面であった。
【0115】本実施例に示すように、本発明は浴の抵抗
が低い場合にも、効果がある。
【0116】〔実施例3〕実施例3は、長尺基板の厚さ
を0.3mmのものとし、アノードのサイズを500m
m×350mmのものに変え、これを等間隔に5組配置
して、電析浴は、0.2M/lの硝酸亜鉛と0.07g
/lのデキストリンとを含んだものを用いた。
【0117】成膜温度は85℃とし、導電度を測定した
ところ、実施例2と同じく70mS/cmであった。α
は、1.2×10-2Ωであった。
【0118】基板搬送を500mm/minとして基板
を搬送させながら成膜を行ったところ、同じく40Å/
secの成膜速度にて0.8μmの酸化亜鉛が一様に作
成された。実施例1と異なり、堆積した膜は1μm以上
の粒径をもつ散乱面であり、実施例2と同様に、膜にム
ラは観察されなかった。
【0119】本発明は、本実施例のように基板の抵抗が
高くても効果がある。
【0120】〔実施例4〕実施例4は、実施例3におけ
る電圧源を電流源とし、それぞれ12Aの設定とした。
また、リモート入力は外した。
【0121】基板搬送を2000mm/minとして基
板を搬送させながら成膜を行ったところ、90Å/se
cの成膜速度にて0.8μmの酸化亜鉛が一様に作成さ
れた。
【0122】堆積した膜は1μm以上の粒径をもつ散乱
面であり、実施例2と同様に、膜にムラは観察されなか
った。
【0123】本実施例では、定電流動作としたため、実
際のアノード基板間の電位を直接制御していないが、基
板に対してアノードの機械的な位置精度を10%以内と
したので、充分にムラを形成しない範囲での成膜が可能
であり、逆に電流を合わせるだけで、非常に簡単に各ア
ノードでの成膜速度を最適化することができる。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
長尺基板上に酸化物を電析するのに用いる浴抵抗の低い
電析槽、および当該電析槽を備えた電析装置装置におい
て、アノード間やアノード内における基板とアノード間
の電位を一定化することができ、膜の異常成長を極小化
することができると共にスループットを極大化すること
ができ、ムラのない一様な酸化膜を高速に得ることがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電析装置の一実施例を示す概略図であ
る。
【図2】本発明の適用可能な装置の一例を示す概略図で
ある。
【図3】アノード部分の機能を説明する概略図である。
【図4】図3のアノード部分の電気的な等価回路を示す
概略図である。
【符号の説明】
1001 長尺基板 1002 基板搬送方向 1003,1004,1005 アノード 1006 給電ローラー 1007,1008,1009 電源 1010 戻りケーブル 2001 長尺基板 2002 基板繰り出しローラー 2003 合紙巻き上げローラー 2005 張力検出ローラー 2006 給電ローラー 2007、2058 ストッパー 2008 電源 2009 電析槽 2062 基板巻き上げローラー 2010〜2012 蒸気排出ダクト 2013、2014、2031、2057、2066
支持ローラー 2015 給電バー 2016 電析浴 2017 アノード 2018 エアー吹き出し管 2019 攪拌エアー導入管 2020 電析浴液供給管 2021、2022、2038〜2043 バルブ 2023 浴循環ポンプ 2024 ヒー夕ー 2025 電析循環槽 2026 蒸気排出ダクト 2027 循環ポンプ 2029 電析予備槽 2030 水洗槽 2032 第一水洗槽 2033 第二水洗槽 2034 第三水洗槽 2035〜2037 供給管 2044〜2046 水循環ポンプ 2047〜2049 水洗循環槽 2051 温風乾燥炉 2052 温風吹き出し管 2053 温風回収管 2054 フィルター 2055 熱風発生炉 2056 外気導入管 2059 蛇行修正ローラー 2060 合紙繰り出しローラー 3001 長尺基板 3002 基板搬送方向 3003 アノード 3004 給電ローラー 3005 電源 4001 基板 4003 アノード 4005 電源
フロントページの続き (72)発明者 遠山 上 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−306693(JP,A) 特開 平10−140373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 21/00 C25D 9/08 H01L 31/052

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電析浴中で基板とアノードとに通電して
    長尺基板上に酸化物を作成する電析槽において、 搬送される長尺基板に対向するように、その搬送方向に
    沿って複数のアノードを配置し、各アノードに各々独立
    した電源を接続して一定電位を印加する電析槽であっ
    て、 アノードと基板との間の電位差φに対して、アノードと
    基板との間の電位の最大値をV 0 、基板搬送方向の単位
    長さあたりの基板抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあ
    たりのアノードと基板との間の浴抵抗をrとするとき、
    各アノードの基板搬送方向の長さが、φr/V 0 ρを超
    えない ことを特徴とする電析槽。
  2. 【請求項2】 電析浴中で基板とアノードとに通電して
    長尺基板上に酸化物を作成する電析槽において、 搬送される長尺基板に対向するように、その搬送方向に
    沿って複数のアノードを配置し、各アノードに各々独立
    した電源を接続して一定電位を印加する電析槽であっ
    て、 基板搬送方向の単位長さあたりの基板抵抗をρ、基板搬
    送方向の単位長さあたりのアノードと基板との間の浴抵
    抗をrとするとき、 各アノードの基板搬送方向の長さが、0.8r/ρを超
    えない ことを特徴とする電析槽。
  3. 【請求項3】 各アノードの基板搬送方向の長さが、2
    00cmを超えないことを特徴とする請求項2に記載の
    電折槽。
  4. 【請求項4】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送す
    るロール・ツー・ロール装置に備えられていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電析槽。
  5. 【請求項5】 電析浴中で基板とアノードとに通電して
    長尺基板上に酸化物を作成する電析槽と、電析槽を通過
    した基板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した基
    板を乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置におい
    て、 搬送される長尺基板に対向するように、その搬送方向に
    沿って複数のアノードを配置し、各アノードに各々独立
    した電源を接続して一定電位を印加する電析装置であっ
    て、 アノードと基板との間の電位差φに対して、アノードと
    基板との間の電位の最大値をV 0 、基板搬送方向の単位
    長さあたりの基板抵抗をρ、基板搬送方向の単位長さあ
    たりのアノードと基板との間の浴抵抗をrとするとき、 各アノードの基板搬送方向の長さが、φr/V 0 ρを超
    えない ことを特徴とする電析装置。
  6. 【請求項6】 電析浴中で基板とアノードとに通電して
    長尺基板上に酸化物を作成する電析槽と、電析槽を通過
    した基板を水洗する水洗手段と、水洗手段を通過した基
    板を乾燥する乾燥手段とを備えている電析装置におい
    て、 搬送される長尺基板に対向するように、その搬送方向に
    沿って複数のアノードを配置し、各アノードに各々独立
    した電源を接続して一定電位を印加する電析装置であっ
    て、 基板搬送方向の単位長さあたりの基板抵抗をρ、基板搬
    送方向の単位長さあたりのアノードと基板との間の浴抵
    抗をrとするとき、 各アノードの基板搬送方向の長さが、0.8r/ρを超
    えない ことを特徴とする電析装置。
  7. 【請求項7】 各アノードの基板搬送方向の長さが、2
    00cmを超えないことを特徴とする請求項6に記載の
    電折装置。
  8. 【請求項8】 ロール間で長尺基板を掛け渡して搬送す
    るロール・ツー・ロール装置に備えられていることを特
    徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電析装置。
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