JP5738600B2 - 緩衝層蒸着のための加熱 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条ならびに適用外国法および国内法に基づき、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2008年3月5日に出願された米国仮特許出願第61/068,451号の優先権を主張する。
光起電力の分野は、一般的に、太陽光を直接DC電力に変換する多層材料に関する。この変換の基本的な機構は、アインシュタインが独創的な1905年の科学論文において初めて正しく説明した、光起電力(光電気)効果であり、アインシュタインはこれによりノーベル物理学賞を受賞した。米国では、光起電力(PV)デバイスは、太陽電池セルとして広く知られている。太陽電池セルは、典型的には、p型半導体とn型半導体の協同するサンドイッチとして構成され、n型半導体材料(サンドイッチの一方の側)は、過剰な電子を呈示し、p型半導体材料(サンドイッチの他方の側)は、過剰な正孔を呈示し、それぞれの正孔は電子の不足を表す。これら2つの材料の間のpn接合の近くで、n型層からの価電子は、p型層内の隣接する正孔に移動して、太陽電池セル内に小さな電気的不均衡を引き起こす。この結果、接合に近接して電界が生じる。
入射光子がセル内の電子を励起して伝導帯に入れると、励起された電子は半導体の原子から非束縛状態となり、自由電子/正孔対を形成する。上述のように、pn接合は、接合に近接して電界を発生させるので、このようにして接合の近くに形成された電子/正孔対は、分離して、接合から離れてゆく傾向を有し、電子は接合のn型の側に向かって移動し、正孔は接合のp型の側に向かって移動する。これにより、セル内に全体的電荷不均衡が生じ、そのため、セルの2つの側の間に外部導電経路が形成された場合、電子は外部経路にそってn型の側からp型の側に移動し、電流を生じる。実際、電子は、表面の一部を覆う伝導性グリッドによってn型の表面に、または表面近くから捕集されうるが、それでも、入射光子によるセル内への十分なアクセスは確保されうる。
このような光起電力構造は、適切に配置された電気的接点が含まれ、セル(または一連のセル)が閉電気回路内に組み込まれた場合、実用的なPVデバイスを形成する。スタンドアロンデバイスとして、単一の従来型の太陽電池セルは、大半の用途に十分な電力を供給できない。そこで、太陽電池セルは、一方のセルの前を他方のセルの後ろに接続することによってPVモジュール、つまり「ストリング」の形に一般的に構成され、したがって個別のセルが電気的直列状態となり電圧が足し合わされる。使い物になる電圧を得るためには、典型的には、かなりの数のセルを直列に接続する。そこで、その結果得られるDC電流をインバータに通して、従来の配電網によって供給されるAC電流の周波数と一致するように選択された適切な周波数のAC電流に変換することができる。米国では、この周波数は60ヘルツ(Hz)であり、他のほとんどの国々は、50Hzまたは60HzのいずれかのAC電力を供給している。
商業用途向けに開発された特定の種類の太陽電池セルの1つに、「薄膜」PVセルがある。結晶シリコンPVセルなどの他の種類のPVセルと比べて、薄膜PVセルは、実用的なセルを形成するのに、必要とする光吸収材料が少なくてすみ、したがって加工コストを低減することができる。薄膜系PVセルでは、保護コーティング、装飾コーティング、および機能性コーティングの薄膜業界で広く使用されているすでに開発されている蒸着技術を使用することにより、コスト改善も望める。低コストの商用薄膜製品のよくある例として、ポリマー系食品パッケージングに施される透水性コーティング、建築用ガラスに施される装飾コーティング、住宅および商業用ガラスに施される低放射率温度制御コーティング、および眼鏡に施されるひっかき傷および反射を防止するコーティングが挙げられる。これらの他の分野において開発されている技術を採用もしくは修正することで、PVセル薄膜蒸着技術の開発コストの低減が可能になった。
さらに、薄膜セル、特に二セレン化銅インジウム、二硫化銅インジウム、二セレン化銅インジウムアルミニウム、または二セレン化銅インジウムガリウムの太陽光吸収体層を使用する薄膜セルは、20%に近い効率を呈示し、最も効率のよい結晶性セルの効率に匹敵するか、もしくは超えるほどである。特に、二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)は、安定しており、毒性が低く、真に薄い膜をなし、実用的なPVセルにおいて必要な厚さが2ミクロン未満である。そのため、現在まで、CIGSは、高性能低コストの薄膜PV製品となる最も高い可能性、ひいては大規模発電市場に進出する最も高い可能性を示しているように見える。
薄膜PV材料は、硬質ガラス基板、またはフレキシブル基板のいずれかに蒸着することができる。ガラス基板は、比較的安価であり、一般的に、熱膨張率がCIGSまたは他の吸収体層と比較的よくマッチし、真空蒸着システムでの使用に対応できる。しかし、このような硬質基板には、加工機器および資材保管のためのかなりの床面積が必要であること、頑丈な専用取り扱い機器が欠かせないこと、基板が破砕する可能性が高いこと、その重量のせいで輸送費が高くつくこと、ガラスの取り扱いに細心を要すること、設置が難しいことなどのさまざまな欠点がある。その結果、ガラス基板の使用は、光起電力などの多層機能性薄膜材料の大量高収量の商用製造には最適とは言えない。
対照的に、薄いフレキシブル基板のロールツーロール加工では、コンパクトで安価な真空システムを使用することができ、また他の薄膜業界向けにすでに開発されている専用でない機器を利用できる。薄いフレキシブル基板材料をベースとするPVセルは、急速な加熱と冷却に対する、また大きな温度勾配に対する耐性が比較的高く(結果として、加工中の破砕または故障の可能性が低い)、必要な輸送費が比較的安く、硬質基板をベースとするセルに比べて取り付けやすさが増している。
薄膜PVセルにおいて使用されうる特定の種類のn型半導体材料は、化学の分野においてカルコゲニドとして知られているものである。カルコゲニドは、少なくとも1つのカルコゲンイオンと金属などの少なくとも1つの陽性度の高い元素からなる化合物である。カルコゲニドの薄膜の形成は、従来技術において、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、McCandlessらの米国特許第6,537,845号において説明されている。しかし、所望の厚さおよび均一さを持つカルコゲニド膜を形成するステップは、技術的に難しい。例えば、カルコゲニド形成のいくつかの既存の方法では、静止した基板上に反応物質溶液を蒸着するステップを伴い、このタイプの方法は、効率および速度の面で制限がありうる。他の既存の方法では、反応物質を移動する基板上に蒸着するが、典型的には、基板を伝導加熱装置上に引きずるものとしてよい。このため、基板が等速運動しなくなり(例えば、加熱装置による摩擦のせいで)、基板が均一加熱しなくなり、および/または他の問題が生じる結果カルコゲニド緩衝層中に望ましくない不均一が生じる可能性がある。さらに、ウェブの各部分を伝導加熱装置上に押さえつけると(例えば、溶液を封じ込めておくためにウェブのエッジを持ち上げながら平坦な状態を保持するために)、ウェブ上に局部的な高温部が生じ、その結果、基板温度とカルコゲニド層厚さがさらに不均一になる可能性がある。
米国仮特許出願第61/068,451号 米国特許第6,537,845号
本教示では、溶液形態での金属およびカルコゲンの化学結合を通じて基板ウェブ上にカルコゲニドの薄膜緩衝層を形成するための改善された方法および装置を開示する。
1つまたは複数の加熱素子を使用して、ウェブおよび/または溶液を加熱し、温度を細かく制御することにより反応速度に対する制御を高めることができる。いくつかの実施形態では、加熱素子は、ウェブと加熱素子とを実質的に物理的に接触させることなくウェブを加熱することができる。カルコゲニド層の1つまたは複数の特性を測定することができ、それに応じてシステムの温度を調節することができる。
本開示の態様による、薄膜光起電力セルの上面図である。 基板ウェブ上に薄膜層を形成するための装置の略側面図である。 下に置かれている加熱装置およびローラーを含む基板ウェブの一部を示す底面図である。 フレキシブル基板上に薄膜カルコゲニド緩衝層を蒸着する方法を示す流れ図である。
I. はじめに
フレキシブルな薄膜PVセルの製造は、ロールツーロール法によって行うことができる。硬質基板と比較すると、薄いフレキシブル基板のロールツーロール加工では、コンパクトで安価な真空システムを使用することができ、また他の薄膜業界向けにすでに開発されている専用でないいくつかの機器を利用できる。フレキシブル基板材料は、本質的に、ガラスに比べて熱容量が低いため、温度を上げるのに必要なエネルギー量が少なくてすむ。これらは、急速な加熱および冷却に、また大きな温度勾配に対して比較的高い耐性も呈示し、その結果、加工中の破砕もしくは故障が発生する可能性は低い。それに加えて、活性のPV材料がフレキシブル基板材料上に蒸着された後、その結果得られる未積層のセルまたはセルのストリングを別の設備へと輸送し、そこで、積層および/または組み立てを行ってフレキシブルな、または硬質の太陽電池モジュールを形成することができる。この戦略的オプションは、輸送コストを低減するだけでなく(ガラスに対して軽量フレキシブルな基板)、世界中でPVモジュールの仕上げおよび販売を行うためにパートナービジネスを確立することができる。
薄膜PVセル内に蒸着された層の1つまたは複数は、典型的には、使用可能な光をセルの内部に侵入させることができ、場合によっては、セル内でn型半導体材料としても働きうる、「窓層」である。このような層は、PVセルの分野では、「緩衝層」と称されることもある。窓層および半導体の両方として使用される場合、緩衝層は、理想的には、所望の波長帯の光を実質的に透過するとともに、適切な電子性質も呈示すべきである。緩衝層は、硫化カドミウムの層の後に硫化カドミウム亜鉛の層が続くような、半導体としても働く複数の窓層からなるものとすることが可能である。所望の特性を持つ薄膜緩衝層は、亜鉛、カドミウム、鉛、水銀、または元素周期表の1b、2b、もしくは3a族から選択された任意の金属または金属の組み合わせなどの1つまたは複数の金属と、酸素、硫黄、セレン、もしくはテルルなどのカルコゲンとの間の化学反応を通じて形成されうる。その結果得られる化合物は、カルコゲニドと呼ばれることが多い。ソーラーデバイスに適した窓または緩衝層化合物としては、例えば、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム亜鉛、酸化亜鉛、および酸化カドミウム亜鉛が挙げられる。
歴史的に、1つまたは複数の薄膜緩衝層の形成は、水を入れた容器内の基板を熱して温度を高くし、金属塩に添加し、混合し、次いで、カルコゲン含有成分中に添加し、混合するステップを含む比較的不効率な循環プロセスによって進行することが多い。所定の温度で所定の時間が経過した後、反応が完了したら、基板を取り出し、使用済み溶液を廃水処理部に送り、反応物質含有溶液をウェブに施し、次の反応のために容器を洗浄する。それに加えて、反応物質含有溶液をウェブに施す既存の方法だと、典型的には、カルコゲニドがウェブの所望の(「前」または「上」)表面だけでなく、ウェブの他の(「後」または「底」)表面の少なくとも一部の上にも蒸着し、後面から材料を取り除くために少なくとも1回分の洗浄ステップが必要になる。これは、典型的には、所望の薄膜層が損傷しないように、また残留酸性の存在によって活発化する長期的腐食問題が生じないように、慎重に制御され、完全に除去されなければならない酸性溶液を使って行われる。ウェブの後面の犠牲コーティングまたは被覆も、カルコゲニド被覆から後側を保護するために潜在的に使用されうるが、このようなコーティングは、さらなる清掃作業を必要とし、その結果、コストが余分に発生しうる。
図1は、本開示の態様による、薄膜光起電力セル10の上面図である。セル10は、実質的に平面状であり、典型的には、図1に示されているような矩形であるが、矩形以外の形状は、特殊な形状の屋根もしくは他の表面など、特定の用途に適したものであってもよい。セルは、上面12、上面に対向する底面14を有し、寸法は長さL、幅W、および厚さを含む。長さおよび幅は、セルの使いやすい用途に合わせて、および/または加工中に便利なように選択することができ、典型的には、数センチメートル(cm)から数十cmまでの範囲内である。例えば、長さは、約100ミリメートル(mm)とし、幅は、約210mmとすることができるが、他の好適な寸法も選択できる。セルの幅にわたるエッジは、リーディングエッジ16およびトレーリングエッジ18としてそれぞれ特徴付けることができる。セル10の全厚さは、そのセルについて選択された特定の層に依存し、典型的には、セルの下位基板の厚さによって決まる。例えば、ステンレス製基板は、0.025mm(25ミクロン)のオーダーの厚さを有することができるが、セルの他の層はすべて、0.002mm(2ミクロン)以下のオーダーの複合した厚さを有することができる。
セル10は、フレキシブル基板からはじめ、次いで、異なる材料の複数の薄層を基板上に順次蒸着することによって形成される。この組み立ては、ロールツーロール法により実行することができ、基板は、繰り出しロールから巻き取りロールへと進行し、これらの2つのロールの間の一連の蒸着領域を通過する。次いで、PV材料を所望のサイズのセルに切り分けることができる。ロールツーロール法における基板材料は、一般的には薄くフレキシブルであり、比較的高温な環境にも耐えられる。好適な材料としては、とりわけ、例えば、ポリイミドなどの高温ポリマー、またはステンレス鋼もしくはチタンなどの薄い金属が挙げられる。順次的な層は、典型的には、スパッタリング、蒸発、真空蒸着、化学蒸着、および/または印刷などのさまざまなプロセスによって個別の加工チャンバー内の基板上に蒸着される。これらの層は、モリブデン(Mo)またはクロム/モリブデン(Cr/Mo)の裏面層、二セレン化銅インジウム、二硫化銅インジウム、二セレン化銅インジウムアルミニウム、または二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)などの材料の吸収体層、硫化カドミウム(CdS)の層などの1つまたは複数の緩衝層、およびPVセルの上部電極として働く透明導電酸化物(TCO)層が挙げられる。それに加えて、伝導性電流収集グリッドは、通常、銀(Ag)または他の何らかの導電性金属から主に作られ、典型的には、TCO層上に施される。
薄膜PVセルのそれぞれの層の正確な厚さは、材料の正確な選択およびそれぞれの層を形成するために選ばれた特定の用途のプロセスに依存するが、上述のそれぞれの層の用途の例示的な材料、厚さ、および方法は、以下のように、基板上にそれぞれの層を施す典型的な順序をとる。
Figure 0005738600
本開示の残り部分は、カルコゲニド緩衝層を形成するためのさまざまな方法および装置を重点的に取り上げる。
II. 加熱機構
この節では、基板材料のウェブを蒸着領域に通して移送し、蒸着領域を実質的に均一に加熱してウェブの所望の領域内にある薄膜緩衝および/または窓層の化学成分を含むさまざまな反応物質溶液の間の化学反応を促進するための方法および装置について説明する。
本開示のいくつかの態様によれば、化学蒸着プロセスを介して1つの緩衝層を下位PVセル層(典型的には、ベース基材層、裏面層、および吸収体層)に施すことができる。本明細書で使用されているような「基板」、「基板ウェブ」、および「ウェブ」という用語は、ベース基材(例えば、ステンレス鋼)層にそのようなすでに蒸着されている下位PVセル層を加えたものを指すものとしてよい。図2に示されているように、このプロセスは、蒸着領域34を通して薄膜基板材料のウェブ32を移送し、1つまたは複数の反応物質溶液36をこの蒸着領域内のウェブの上面上に分注するための装置30を伴う。好適なカルコゲニドを反応させ形成するために、反応物質溶液は、最低でも、少なくとも1つの金属および少なくとも1つのカルコゲンを含むべきである。
好適な金属含有溶液は、鉛、および/または銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムからなる群から選択された金属などの、元素の周期表に載っている任意の1b、2b、または3a族の金属を含むものとしてよい。緩衝層については、亜鉛、カドミウム、鉛、および水銀を含む、典型的な金属は、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、または他の好適なさまざまな物質などの塩として調製されることが多い。例えば、硫酸カドミウムは、適切な金属塩とすることができる。
好適なカルコゲン含有溶液は、酸素、硫黄、セレン、またはテルルなどのカルコゲンを含むことができ、典型的には、尿素(酸素含有試薬の一例)などの試薬化合物溶液またはチオ尿素(硫黄含有試薬の一例)として調製されうる。それに加えて、反応物質溶液は、典型的には、アンモニアまたは水酸化アンモニウムなどの錯体化剤、および脱イオン水(DI)を含む。金属、カルコゲン、錯体化剤、および水はそれぞれ、ウェブに別の溶液として施すことができるか、またはその他の方法で組み合わせることにより、ウェブ表面上にわずかの単一の溶液を施すようにすることができる。
図2に示されているシステムは、ウェブを直線的に、またウェブの長手方向寸法に対応する方向に移送するが、本開示では、薄膜緩衝層を蒸着する代替方法も企図する。これらの代替方法は、例えば、ドラム状構造の内側または外側に配設される凹型または凸型ウェブ上に溶液を施すステップ、およびウェブから「制御された排出」距離に保持される1つまたは複数の堰(容器、プレート、またはローラーなど)を使用して好適な反応期間の間カルコゲニド反応物質溶液をウェブにあてがって保持する水平のウェブ移送を含む。
装置30は、基板材料の連続的でフレキシブルなウェブを長手方向内の蒸着領域に通して搬送するために、一般的に40で示される、移送機構を備える。移送機構40は、上または下から支持しながらウェブを搬送することができる1つまたは複数の連続ベルト、またはウェブが載り、ウェブを搬送する一連のローラーなどのさまざまな形態をとりうる。図2は、複数の同期された移送ローラー42を備える移送機構を示している。ローラー42は、図2に示されているように、均等な間隔で並ぶか、または装置の他の所望の要素を受け入れるように不均等な間隔で並べることができる。ウェブが長さ方向にそって均一な速度で蒸着領域を通り確実に移送されるようにするために、好適な方法でローラー42を同期させるとよい。例えば、ローラーは、すべて、単一の回転シャフトによって駆動され、それぞれのローラーが共通シャフトに連結されるようにできる。ローラーは、標準的なギア/ネジ連結機構(図示せず)によって、または他の連結機構によって連結されうる。代替実施形態では、支持ローラーは、全く回転しなくてもよく、むしろ静止した正確に同じ高さにされた横材とすることができる。
ローラー42のそれぞれ(またはいくつかだけ)が、所望の精度で同じ高さになるようにする垂直調節手段を備えることができる。あるいは、常に同じ高さに合わせたままにするのではなく、ローラー42のうちの1つまたは複数をわずかに異なる垂直位置に合わせて調節することができ、この場合、ローラーは、溶液蒸着領域の少なくとも一部の中で基板ウェブの縦断勾配を調節するように構成された勾配調節機構としてみなすことができる。このようにしてウェブの勾配を調節することで、ウェブの対応する部分を流れる溶液の流量を変えることができ、これは、カルコゲニドの形成速度、したがって装置によって形成されるカルコゲニド層の厚さに影響する。勾配調節機構は、蒸着領域のそれぞれの部分における所定の勾配をウェブに与えるようにプリセットすることができるか、または例えば、動作中に行われる厚さ測定に応じて、装置の動作中にカルコゲニド蒸着速度を調節するために使用されうる。
図2にされているように、ウェブの表面に到達する前に、別々に分注されうるか、または組み合わされて単一の溶液にされうる、金属含有溶液およびカルコゲン含有溶液を、1つまたは複数の溶液分注装置44によってウェブ上に施す(または分注する)ことができる。これらの分注装置は、例えば、1つまたは複数の関連する供給容器45または他の溶液供給源と流体的に連通するものとしてよい。図示されていない、追加溶液分注装置を、水酸化アンモニウムおよび/または脱イオン水などの追加溶液を分注するように構成することができるか、あるいは、水酸化アンモニウムおよび/または脱イオン水を、分注に先立って他の反応物質溶液の一方または両方と組み合わせることもできる。分注される溶液は、図2において参照番号36としてまとめて示されているが、これは、2つまたはそれ以上の別々に分注される溶液を表しうることは理解されるであろう。溶液分注装置は、関連する溶液を施すための所望の位置に対応する、ウェブの上の長手方向位置などの、好適な位置に配設することができる。分注装置は、ウェブの左右方向寸法にわたって、また所望の流量で、十分均一になるように溶液を施すことを可能にする好適な構造を持つものとすることができる。
場合によっては、蒸着領域内の好適な長手方向位置に、水酸化アンモニウム(NH4OH)などの錯体化剤を金属含有溶液およびカルコゲン含有溶液から別々に分注することもできる。あるいは、アンモニア(NH3)などの錯体化剤を気体としてウェブ上に分注することができる。アンモニアは、気体として分注する場合、液体反応物質を分注する際に使用されるような分注装置を通して分注することができるか、または基板ウェブの表面近くに配設されているガス拡散装置を通して分注することができる。気体錯体化剤は、このようにして、すでに分注されている反応物質溶液の上部に拡散するように分注し、所望の時刻に、ウェブ上の所望の位置でカルコゲニド形成反応を誘発することができる。
緩衝層の均一な形成を促進するために、金属含有溶液および/またはカルコゲン含有溶液をウェブ32の左右方向寸法D上に分配することができる。ウェブ上の溶液を何らかの種類の溶液散布器の下に通すなど、溶液を分配するさまざまな方法を使用することができる。1つの種類の好適な溶液散布器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料から製作され、実質的にウェブの左右方向寸法Dにわたって配設される、ポリマー薄膜のシート47である。図2に示されているように、ポリマー薄膜溶液散布器47は、基板ウェブの上位置からつり下げて、ウェブの表面の方に向かって垂らし、溶液またはウェブ上に配設される溶液の組み合わせを分配することができる。改善された分散および均一性のための他の方法は、湿潤剤を使用するものとしてよく、これを分注する溶液のうちの1つまたは複数に加えるか、または溶液の1つまたは複数を施す前にウェブに施すことができる。
金属含有溶液とカルコゲン含有溶液との間のカルコゲニド形成化学反応は、典型的には、好適な反応速度に対し最低温度を必要とするため、1つまたは複数の加熱装置を備えることで、基板ウェブおよび/または溶液に熱を加えるとよい。例えば、一般的に46で示されている加熱機構は、蒸着領域内でウェブを実質的に均一に加熱するように構成されうる。例えば、ウェブ加熱機構46は、ウェブの下に配設されている複数の個別加熱装置ブロック48を備えることができる。あるいは、ウェブ加熱機構をウェブの上に配設することができ、および/または蒸着領域(図示せず)の長さにそって延在する連続的加熱装置ブロックを備えることができる。個別加熱装置ブロックの場合、比較的多数を使用することで、以下でさらに詳しく説明されるように、蒸着領域にそって温度を比較的細かく制御することができる。例えば、最大15またはそれ以上の個数の個別加熱装置セクションまたはゾーンを使用することができる。
個別加熱装置ブロック48は、典型的には、熱伝導率が100ワット毎メートル毎ケルビン(W/m K)を超える材料などの比較的高い伝導率を有する材料から実質的に作成される。これにより、例えば、熱源に対する加熱装置ブロックの応答時間が短縮され、その結果、ウェブ温度を比較的迅速に制御することができるようになる。さらに、高伝導材料を使用すると、それぞれの加熱装置ブロックは、ブロックの熱源が熱をブロックに均一に分配しないとしても比較的均一な温度にすばやく到達することができる。好適な高伝導材料としては、特に、銀、銅、およびアルミニウムなどの金属、さまざまな金属合金、および比較的急速な温度応答を促進するのに十分に高い伝導率を有する非金属もしくは部分的に金属である材料が挙げられる。加熱装置ブロックに好適な材料の選択も、例えば、加熱装置ブロック材料と加熱機構と接触する可能性のある緩衝層反応物質との間の望ましくない反応を回避するために緩衝層の形成で利用される化学反応との親和性に依存することがある。
個別加熱装置ブロック48は、ウェブに近接する都合のよい位置に配設することができる。例えば、これらは、ウェブの下、および隣接するローラー対42の間に配設することができる。言い換えると、ローラー42および48の底面を示す、図3に示されているように、加熱装置ブロックおよび移送ローラーは、交互構成でウェブの下の長手方向に配設されうる。また図3に示されているように、加熱装置ブロック48は、実質的にウェブの左右方向寸法Dにわたって延在し、ウェブをその横方向幅にわたって実質的に均一に加熱することができる。それに加えて、いくつかの実施形態では、加熱装置ブロックをウェブに近接近するが、物理的に接触はしない位置に配設し、熱を実質的に非伝導的に、つまり、もっぱら輻射および/または対流を通じて、ウェブに供給することができる。例えば、それぞれの加熱装置ブロックは、ウェブと物理的に接触するのではなくて、その代わりに、ウェブの底面から約5ミリメートル以内のところに配設することができ、3もしくは4ミリメートル、またはそれより小さい分離距離も適している場合がある。それに加えて、ウェブから実質的に5ミリメートルを超える距離のところで動作する他の輻射加熱装置も適している場合があり、また加熱エアーナイフなどのさまざまな対流加熱装置を、さまざまなタイプの輻射加熱装置の代わりに、またはそれに加えて使用することができる。好適な輻射加熱装置は、ウェブの近くに配置されている中温域輻射加熱装置とウェブから比較的離れた距離のところに配置されている高温域輻射加熱装置(例えば、カルロッドまたはさまざまな形態のフィラメント加熱装置)の両方を含む。
加熱機構を-個別加熱装置ブロックの形態であろうと他の何らかの形態であろうと-ウェブの上にではなく下に配置すると、いろいろな面で都合がよい場合がある。例えば、底面からの加熱によって、またアンモニアおよび水などの、ウェブの上面上に分注されるさまざまな溶液成分の蒸発による気化冷却によっても、対流電流が発生しうる。ウェブの上に加熱素子がない場合、これらの対流は、ウェブの上面の近くから容易に形成することができ、このことにより、ウェブの表面上の温度均一性が改善され、カルコゲニド緩衝層のより均一な化学成長が促進されうる。それに加えて、加熱素子がウェブの下に配設され、反応物質溶液がウェブの上面に含まれる場合に、加熱素子それ自体の上の薄膜の望ましくない形成による潜在的な保守問題を回避することができる。加熱素子においてこのような望ましくない薄膜成長を回避するのは、加熱機構がウェブの上に部分的に、または全体的に配置され、したがって、ウェブそれ自体によって緩衝層の反応物質から隔てられなければ困難である場合がある。
加熱装置ブロック48のそれぞれは、個別に制御可能な温度を有し、これにより、PVウェブの蒸着領域のさまざまなゾーンの温度を独立して制御することができる。これは、例えば、ウェブの長さにそって緩衝層反応物質の反応速度を制御する際に有利な場合がある。より具体的には、複数の独立して制御可能な加熱ブロックによって温度を制御できる度合いが高ければ高いほど、ウェブ表面上に形成されるカルコゲニド緩衝層の厚さまたは均一さなどの、ウェブの測定された特性に応答して蒸着および反応領域内のウェブにそった所定の距離のところで平均のウェブ温度を調節できるようになる。このような特性は、直接的に、または間接的に、例えば、1つまたは複数の光源、カメラ、温度センサー、および/または干渉計などの要素を含む1つまたは複数の測定デバイス50を使用して測定することができる。所望のパラメータから厚さまたは均一さの偏差を測定した後、薄膜緩衝層の所望の特性が復元されるか、または望ましくは可能な程度に合わせて調節されるまで、ウェブのさまざまな領域内の温度を調節して、カルコゲニド生成反応速度を増減したり、または蒸着領域の特定の部分内の利用可能な反応物質を加減したりすることができる。加熱装置48は、独立して調節可能な全体的温度に加えて、加熱の均一性が改善されるようにエッジ-中央間温度プロフィールも調節可能であるものとしてよい。加熱装置48とは別に、または加熱装置48に加えて、さまざまなトリムヒーター(図示せず)を使用して、ヒートロスを補償し、これにより、温度均一性を最適化することができる。
上述の加熱機構を別にして、カルコゲニド緩衝層を形成するために分注される反応物質溶液も、例えば、図2に示されている溶液予熱器52によって、所望の温度に予熱することができ、この予熱器は、例えば、供給容器45の下、または他の何らかの形で供給容器45に近接して配設されうる。いくつかの実施形態では、この予熱ステップは、実際には、一次加熱機構であってもよく、ウェブを所望の反応温度にするのに使用することができる。これは、ウェブ上に分注される反応物質溶液の流体層の厚さおよび/または比熱が、下位ウェブの厚さおよび/または比熱より実質的に高く、その結果、ウェブの熱容量よりも反応物質溶液の熱容量の方が比例して大きくなることがあるため可能である。例えば、反応物質流体層の厚さは、約2〜4ミリメートルであるが、下位ウェブの厚さは、0.025ミリメートル(25ミクロン)程度でしかない場合がある。さらに、反応物質溶液の比熱は、4000J/Kg°Kのオーダー(水の比熱と同程度)であると予想されるが、下位ウェブの比熱は、わずか500J/Kg°Kのオーダー(ステンレス鋼の比熱と同程度)と予想される。これらの因子の一方または両方の結果として、施される反応物質溶液の温度は、概して、蒸着領域内の基板ウェブの温度を決定し、加熱機構46は、実際にカルコゲニド反応の熱を大幅に上げるのではなく、もっぱら所望の反応温度への微調整を維持し、および/または微調整を行うために使用することができる。
ウェブおよび反応物質溶液の変化する熱容量の帰結の具体例を以下に示す。反応物質溶液を、55〜75℃の温度など、ウェブの蒸着領域内の所望の反応温度よりわずかに高い所望の温度に予熱することができる。ウェブは、加熱機構46によって、および/または周囲動作環境によって加熱され、これにより、反応物質溶液が存在しない場合に、ウェブは、24〜45℃の温度などの、所望の反応温度より低い温度に達する。予熱された反応物質溶液は、この例では、ウェブに比べて著しく高い温度を有しているが、これをウェブに施すと、その結果、溶液温度がわずかに低下し、ウェブ温度が実質的に上昇し、平衡温度は所望の反応温度または所望の反応温度に近い温度となりうる。次いで、この所望の反応温度は、実質的に均一な熱を供給して蒸発、対流、および他のヒートロスのバランスをとる、加熱機構46によって、蒸着領域全体を通して所望の平均プロフィールに維持することができる。
追加反応物質溶液がさまざまな温度に予熱され、次いでウェブ上に分注される他の類似の例示的な加熱プロセスも可能である。それぞれのこのような代替実施形態では、予熱溶液と加熱機構46の組み合わせは、ウェブの蒸着領域内の所望の反応温度を結果としてもたらすように構成される。さらに、いくつかの実施形態では、溶液塗布は、施された反応物質溶液でウェブが加熱されることは別として、ウェブの加熱がほとんど、または全く必要ないように構成することができる。つまり、金属含有溶液および/またはカルコゲン含有溶液が、十分に高温である場合に、溶液の単なる組み合わせだけで、カルコゲニド反応を急速に開始することができる。ヒートロスが十分に制御されれば、反応は、溶液またはウェブの熱を加えることなく、または所望の反応温度を維持できるだけの追加加熱により、実質的に完了するまで継続させることができる。
すでに指摘されているように、反応物質溶液とのカルコゲニド反応の熱を実質的に供給するステップは、図2において溶液36として概略が示されている、金属含有溶液およびカルコゲン含有溶液の一方または両方が、例えば、図2に示されている予熱器52などの加熱装置によって予熱される場合に、実行されうる。いくつかの場合において、両方の溶液は、ウェブ温度を超える温度まで予熱することができ、ウェブに施した後のその温度を、1つまたは複数の赤外線センサーによって監視し、所望の初期反応温度であることを確実にすることができる。このような実施形態では、ウェブの温度は、それぞれの溶液を施す前と施した後の両方においてどれかの位置または全部の位置で監視することができる。溶液が別々に分注される場合、これにより、例えば、分注された第1の溶液が施された後に、分注された第2の溶液をウェブの温度より高い温度まで予熱することが可能である。「予熱」は、溶液がウェブ上に分注される前に生じる加熱を単に意味するだけであることは理解されるであろう。したがって、予熱は、溶液供給位置で行われる必要はないが、インラインで、場合によっては、溶液分注器または塗布器を使用しても行うことができる。ウェブ上に分注する位置に近いところで溶液を予熱することにより、溶液が貯蔵場所からウェブに向かって移動するときのヒートロスを減らすことができる。
測定デバイス50は、測定デバイスによって取り込まれる画像データから薄膜緩衝層の厚さを決定し、測定された厚さに基づいて加熱機構の少なくとも一部によって供給される熱を制御するように構成されたプロセッサ54と交信することができる。例えば、測定デバイス50が、カメラである場合、プロセッサ54は、ウェブ上に形成され、画像データとしてカメラによって取り込まれている薄膜カルコゲニド層の色、反射率、均一性、または他の好適な特性を分析することができる。カルコゲニド層の測定された特性に基づいて、プロセッサ54は加熱装置ブロック48のうちの1つまたは複数、および/または予熱器52に信号を送り、反応物質溶液に供給される、および/または蒸着領域内の基板ウェブの所望の部分に供給される熱の量を変えることができる。カルコゲニド反応速度は、温度に依存するので、このフィードバックを使用して、装置30の動作時にカルコゲニド層の特性を調節し、補正を加えることができる。
図4は、本教示の態様により、薄膜カルコゲニド緩衝層をフレキシブル基板ウェブ上に蒸着する、一般的に100で示される、方法を示す流れ図である。ステップ102で、金属含有溶液を、平均基板ウェブ温度より高い温度に予熱する。金属含有溶液は、例えば、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムからなる群から選択された金属を含むことができる。金属含有溶液は、55〜75℃の範囲内の温度などの、カルコゲニド形成に適した温度まで予熱してよい。金属含有溶液の蒸着の前の平均のウェブ温度は、室温または関連する装置の動作温度に類似した温度である、25〜45℃などの、実質的にこの温度より低い温度とすることができる。金属含有溶液をウェブ上に蒸着した後、基板に比べて溶液の熱容量がかなり大きいため、ウェブは施された溶液の温度に比較的速く近づく。
ステップ104で、薄膜基板材料のウェブを蒸着領域を通して長手方向に移送する。上述のように、基板材料は、薄いステンレス板などの基部基板を含むことができ、この上に、1つまたは複数の薄膜層がすでに蒸着されている。例えば、モリブデンなどの材料から作られる裏面層、およびCIGSなどの材料から作られるp型吸収体層は、すでにベース基板上に蒸着されている場合がある。基板ウェブは、カルコゲニド蒸着領域を通して移送される場合にこれらの、および/または他の事前蒸着された層を含んでいてもよいことは理解されるであろう。ウェブは、一般に、ロールツーロール法または他の類似のプロセスで移送され、この場合、長手方向が、繰り出しロールと巻き取りロールとの間の移動方向となる。
ウェブを移送するステップは、ウェブを図2に示されているローラー42などの複数の移送ローラー上に渡すステップを含んでいてもよいが、他の多くの移送機構も可能であり、本教示の範囲内にあることは理解されるであろう。移送ローラーを互いに同期させて、基板ウェブの等速運動を確実に行わせることができ、加熱装置ブロックを、これもまた図2に示されているように、ローラーの隣接する対の間に配設することができる。後述のように、加熱装置ブロックを使用して、加熱ステップ106の一部を実行することができる。
ステップ106で、基板ウェブを実質的に非伝導的に加熱し、平均のウェブ温度を維持する。本教示で使用されているような「非伝導的」という用語は、基板ウェブが、例えば、加熱装置の上へ、または下へ引きずられることによって加熱装置と直接物理的に接触する場合を単に除外することを意味する。したがって、非伝導的加熱は、対流と輻射の両方による加熱を含む。また、「平均のウェブ温度」という語句も、すでに説明されているように金属含有溶液などの1つまたは複数の反応物質溶液が接触するウェブの部分は反応物質溶液が接触していないウェブの部分とかなり異なる温度を有する場合があるため、均一なウェブ温度を意味するわけではないことも理解されるであろう。しかし、非伝導加熱は、反応物質溶液と接触していないウェブの領域内の第1の所望の温度、および/または溶液が分注されたウェブの領域内の1つまたは複数の他の所望の温度を維持するために使用されうる。非伝導加熱は、ウェブの下側表面に近接して配設されている1つまたは複数の加熱装置ブロックから放出される赤外線をウェブに照射することなどによって、ウェブと物理的に接触しないように配設されている加熱機構を使用することで行うことができる。
例えば、上面への不完全な封じ込めがあるためウェブの横方向エッジ上を溶液が通り過ぎるときに、反応物質溶液が加熱装置ブロックに到達する場合に加熱装置ブロックの放射率に実質的変化が生じるのを回避するためさまざまな対策を講じることができる。このような対策の1つは、加熱装置ブロックに、ウェブの上面に蒸着されるカルコゲニド緩衝層の放射率に実質的に類似する放射率を有するコーティングを施すことである。この場合、カルコゲニドが加熱装置上に形成するとしても、加熱装置ブロックは、実質的に同じ率でウェブに向かってエネルギーを放射する。他の対策として、加熱装置ブロックに、カルコゲニドの蒸着を阻止するか、または反発するように構成されたコーティングを施す対策がある。コーティングは、反応し、カルコゲニドを形成する時間的余裕を与えられる前に加熱装置に到達する反応物質溶液を取り除く単なる疎水性コーティングであるか、またはコーティングは、カルコゲニド反応物質のうちの1つまたは複数と化学的に反応することによってカルコゲニドの形成を妨げるように特別に設計されたものであってもよい。コーティングは、カルコゲニドと弱くしか結合しないように構成することもでき、これにより、加熱装置をすばやく、簡単に洗浄し、ブロック上に形成する余分なカルコゲニドを取り除くことができる。第3の対策として、加熱装置に、所望の間隔で清掃または交換することができる、取り外し可能な蓋を付けてもよい。
方法100のステップ108で、金属含有溶液をウェブの上面に分注する。溶液は、すでに説明されている分注装置44に類似している分注装置によって分注されうるが、溶液を分注する好適な手段は、本教示の範囲内にあることは理解されるであろう。ステップ110で、カルコゲン含有溶液をウェブの上面に分注する。この溶液は、酸素、硫黄、セレン、およびテルルからなる群から選択されたカルコゲンを含み、またこれは、金属含有溶液中の金属と反応して、所望の光学的および/または電子性質を持つカルコゲニドを形成することが知られている。例示的な組み合わせの1つは、カドミウムが硫黄と結合して硫化カドミウムを形成するものであるが、他のカルコゲニドも、緩衝層および/またはn型半導体層として適している場合もある。金属含有溶液およびカルコゲン含有溶液は、2つまたはそれ以上の分注装置によって分注されうることは理解されるであろう。
方法100のステップ112で、薄膜カルコゲニド緩衝層の1つまたは複数の特性を測定する。測定される特性としては、例えば、薄膜の厚さ、長手方向および/または左右方向の寸法における薄膜の均一さ、薄膜の色、薄膜の形成速度(つまり、反応速度)、または薄膜の反射率が、とりわけ、挙げられる。これらの特性は、好適な測定デバイスで測定することができる。例えば、測定デバイスは、基板ウェブから画像データを取り込み、その画像を緩衝層の特性を手動で観察するオペレータに中継するためのカメラを備えることができる。あるいは、カメラもしくは他のセンサーが、データをプロセッサに中継し、プロセッサがデータを処理してカルコゲニド膜の所望の特性を決定することができる。
ステップ114で、ステップ112で測定された特性のうちの1つまたは複数に応じて平均基板ウェブ温度が調節される。例えば、カルコゲニド緩衝層の厚さが、ステップ112で測定され、緩衝層が薄すぎて望ましくないことが判明した場合、平均のウェブ温度を高くして、より速いカルコゲニド反応を促進することができ、また緩衝層が厚すぎて望ましくないことが判明した場合、平均のウェブ温度を下げて、より遅いカルコゲニド反応を促進することができる。場合によっては、ウェブを、それぞれが独立制御可能な温度を有する複数の熱源上に渡してもよく、個別の熱源の温度を独立調節して、基板に所望の温度プロフィールを付与することができる。
基板ウェブに対する温度調節は、反応温度と比較して一般的には極めて小さく、ささいな補正とみなせる。このような調節が行われるときでも、カルコゲニド反応に対する熱は、予熱された反応物質溶液によって実質的に供給されうる。いくつかの場合に、測定の結果、反応物質から供給される初期熱が不十分であるか、または高すぎると判定されることがあり、その場合、金属含有溶液および/またはカルコゲン含有溶液の温度を調節してから、溶液をウェブに分注することができ、これは平均のウェブ温度を調節するという効果も有する。温度調節がウェブに対し直接的に行われるか、またはウェブに溶液を分注する前に反応物質溶液のうちの1つまたは複数に対し行われるかに関係なく、温度調節は、オペレータが手動で行うことができるか、または測定デバイスからデータを受信して処理するためにプロセッサが使用される場合には、調節は、プロセスによって加熱装置のうちの1つまたは複数に送られるコマンドの形態で自動的に行うことができる。
図4に示されている方法100において、本教示にしたがってすべてのステップが必要であるというわけではないことは理解されるであろう。より具体的には、最小の方法は、基板を蒸着領域に通して移送するステップと、ウェブを実質的に非伝導的に加熱して平均のウェブ温度を維持するステップと、金属含有溶液およびカルコゲン含有溶液をウェブ上に分注してカルコゲニド緩衝層を形成するステップのみを伴う。残りのステップは、特定の実施形態において、さまざまな望ましい属性を有するカルコゲニド層を蒸着するために適用されうる。
上で述べた開示は、ほかに依存しない有用性を有する複数の異なる発明を包含することができる。これらの発明のそれぞれは、好ましい形態で開示されているが、本明細書で開示され、例示されているようなその特定の実施形態は、多くの変更形態が可能であるため、限定的に考えるべきではない。発明の主題は、本明細書で開示されているさまざまな要素、特徴、機能、および/または特性のすべての新規性のある、また非自明である、組み合わせおよび部分的な組み合わせを含む。以下の請求項では、新規性があり、非自明であるものとみなされるいくつかの組み合わせおよび部分的な組み合わせを指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組み合わせおよび部分的な組み合わせで具現化される発明は、本出願、または関連出願からの優先権を主張する出願において請求されうる。このような請求項も、異なる発明を対象としようと、同じ発明を対象としようと、また続くオリジナルの番号が振られた段落への範囲が広かろうと、狭かろうと、等しかろうと、異なろうと、本開示の発明の主題の範囲内に含まれるものとみなされる。
10 セル
12 上面
14 底面
16 リーディングエッジ
18 トレーリングエッジ
30 装置
32 ウェブ
34 蒸着領域
36 反応物質溶液
40 移送機構
42 移送ローラー
44 溶液分注装置
45 供給容器
46 ウェブ加熱機構
47 ポリマー薄膜のシート
47 ポリマー薄膜溶液散布器
48 個別加熱装置ブロック
50 測定デバイス
52 溶液予熱器
54 プロセッサ

Claims (18)

  1. フレキシブル基板上に薄膜カルコゲニド緩衝層を成膜する方法であって、
    成膜領域を通して薄膜基板材料のウェブを移送させるステップと、
    平均のウェブ温度を維持するために、少なくとも1つが前記カルコゲニド緩衝層の放射率に実質的に類似する放射率を有するコーティングを含む複数の加熱装置ブロックから放出される赤外線を前記ウェブに照射して、前記ウェブを実質的に非伝導的に加熱するステップと、
    銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムからなる群から選択された金属を含む第1の溶液を前記ウェブの上面上に分注するステップと、
    酸素、硫黄、セレン、およびテルルからなる群から選択されたカルコゲンを含む第2の溶液を前記ウェブの前記上面上に分注するステップと、
    前記金属と前記カルコゲンとの結合を通じて形成された薄膜の少なくとも1つの特性を測定するステップと、
    前記少なくとも1つの測定された特性に応じて前記平均のウェブ温度を調節するステップと、を含む方法。
  2. フレキシブル基板上に薄膜カルコゲニド緩衝層を成膜する方法であって、
    成膜領域を通して薄膜基板材料のウェブを移送させるステップと、
    平均のウェブ温度を維持するために、少なくとも1つが前記カルコゲニド緩衝層の放射率に実質的に類似する放射率を有するコーティングを含む複数の加熱装置ブロックから放出される赤外線を前記ウェブに照射して、前記ウェブを実質的に非伝導的に加熱するステップと、
    銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムからなる群から選択された金属を含む第1の溶液を前記ウェブの上面上に分注するステップと、
    酸素、硫黄、セレン、およびテルルからなる群から選択されたカルコゲンを含む第2の溶液を前記ウェブの前記上面上に分注するステップと、
    前記金属と前記カルコゲンの反応速度を測定するステップと、前記測定された反応速度に応じて前記平均のウェブ温度を調節するステップと、を含む方法。
  3. 前記第1の溶液を前記ウェブ上に分注する前に、前記平均のウェブ温度より高い温度まで前記第1の溶液を予熱するステップをさらに含む請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記加熱装置ブロックのうちの少なくとも1つは、カルコゲニドの成膜を抑止するように構成されたコーティングを含む請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記加熱装置ブロックのうちの少なくとも1つは、取り外し可能な蓋を備える請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記ウェブを移送させるステップは、複数の同期された移送ローラー上に前記ウェブを通すステップを含み、それぞれの加熱装置ブロックは、一対の移送ローラーの間に配設されている請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記ウェブを加熱するステップは、複数の熱源の上に前記ウェブを通すステップを含み、それぞれの熱源は独立制御可能な温度を有し、前記平均のウェブ温度を調節するステップは、前記熱源のうちの少なくとも1つの前記温度を調節するステップを含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの特性は、前記薄膜の厚さである請求項1に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの特性は、前記薄膜の均一さである請求項1に記載の方法。
  10. フレキシブル基板上に薄膜カルコゲニド緩衝層を成膜するための装置であって、
    成膜領域を通して長手方向に基板材料の連続的なフレキシブルのウェブを搬送するための移送機構と、
    前記成膜領域内で、(i)銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびタリウムからなる群から選択された金属を含む金属塩溶液、ならびに(ii)酸素、硫黄、セレン、およびテルルからなる群から選択されたカルコゲンを含むカルコゲン溶液を前記ウェブ上に分注するように構成された少なくとも1つの分注装置と、
    前記ウェブと物理的に接触しないように配設され、平均のウェブ温度を維持するために、少なくとも1つが前記カルコゲニド緩衝層の放射率に実質的に類似する放射率を有するコーティングを含み、赤外線を前記ウェブに照射して前記ウェブを加熱するように構成されている、加熱機構と、
    前記ウェブ上に形成された薄膜緩衝層の少なくとも1つの特性を測定するための測定デバイスと、を備えている装置。
  11. 前記少なくとも1つの分注装置は、前記成膜領域内で第1の長手方向位置に前記金属塩溶液を分注するように構成された第1の分注装置と、前記成膜領域内で第2の長手方向位置に前記カルコゲン溶液を分注するように構成された第2の分注装置と、を備えている請求項10に記載の装置。
  12. 前記加熱機構は、前記ウェブの下に配設されている複数の加熱装置ブロックを備えている請求項10に記載の装置。
  13. 前記移送機構は、複数の移送ローラーを備えており、前記加熱装置ブロックおよび移送ローラーは、交互構成で前記ウェブの下の長手方向に配設されている請求項12に記載の装置。
  14. 前記加熱装置ブロックのそれぞれは、独立制御可能な温度を有する請求項12に記載の装置。
  15. 前記加熱機構は、前記ウェブの上に配設されている複数の加熱装置ブロックを備えている請求項10に記載の装置。
  16. 前記加熱装置ブロックのそれぞれは、独立制御可能な温度を有する請求項15に記載の装置。
  17. 前記測定デバイスは、前記ウェブの表面から画像データを取り込むように構成されたカメラを備えている請求項10に記載の装置。
  18. 前記カメラによって取り込まれた前記画像データから前記薄膜緩衝層の厚さを決定し、前記測定された厚さに基づいて前記加熱機構の少なくとも一部によって供給される熱を制御するように構成されたプロセッサをさらに備えている請求項17に記載の装置。
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