JPH09186128A - 被処理体の処理装置及び処理方法 - Google Patents

被処理体の処理装置及び処理方法

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JPH09186128A
JPH09186128A JP35996A JP35996A JPH09186128A JP H09186128 A JPH09186128 A JP H09186128A JP 35996 A JP35996 A JP 35996A JP 35996 A JP35996 A JP 35996A JP H09186128 A JPH09186128 A JP H09186128A
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fluid
processed
processing
processing apparatus
cleaning
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JP35996A
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English (en)
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Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
Tsutomu Murakami
勉 村上
Akio Hasebe
明男 長谷部
Satoshi Niikura
諭 新倉
Yukie Ueno
雪絵 上野
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Canon Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、処理工程、処理液、及び処理装置
の数量などを増やすことなく、被処理体の両面に対し
て、良好なエッチング、洗浄、又は乾燥の処理ができ
る、被処理体の処理装置及び処理方法を提供する。 【解決手段】 本発明の被処理体の処理装置は、入口部
から出口部の方向へ通過する平面状の被処理体の表面に
流体を射出する機構αと、前記被処理体を搬送する機構
βと、前記流体の少なくとも一部を回収する機構γと、
前記回収した流体を循環する機構δを具備した被処理体
の処理装置において、前記機構αは、前記被処理体に対
して上下両方向から前記流体を射出する手段Aと、前記
処理装置内における気流の流れを前記被処理体の搬送方
向に対して逆方向とする手段Bとを有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理体の処理装
置及び処理方法に係る。より詳細には、処理工程、処理
液、及び処理装置の数量等を増やすことなく、被処理体
の両面に対して、良好なエッチング、洗浄、又は乾燥の
処理ができる被処理体の処理装置及び処理方法に関す
る。本発明に係る被処理体の処理装置及び処理方法は、
半導体素子からなる被処理体に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】光起電力素子等の半導体素子は一般に汚
染されることを嫌い、その製造工程においては汚染物の
一つである小さな塵やイオン成分等の付着を防ぐだけで
なく、必要に応じてこれらを極力除去する必要がある。
【0003】しかしながら、清浄な基板や処理面を得る
ためにむやみに大量の処理液や洗浄水を用いることは処
理液や洗浄水のコストの増大のみならず、回収、排水処
理施設の肥大や処理コストの増大を招き、ひいては製造
コストの増大につながる。
【0004】一方、少量の処理液や洗浄水で処理を行お
うとすれば、上記のような塵やイオン成分の除去が不十
分になり、本来起きなかったはずの欠陥を引き起こした
り、イオン成分が残留することによる長期信頼性の低下
を招く可能性が大きくなる。
【0005】更に、エッチング処理等酸やアルカリ等が
接触している時間を極力減らすことが望ましく、エッチ
ング処理、洗浄の工程は連続的に行われることが望まし
い。
【0006】従来は、上述した各要求を満たすために、
以下に例示する工夫を盛り込んだ洗浄装置が多用されて
いる。
【0007】図9は、複数の洗浄領域を設け、後段の洗
浄後の液を前段に用いる、いわゆるカスケードタイプの
洗浄層を有する洗浄装置である。
【0008】図9において、901,902,903は
それぞれ第1、第2、第3の洗浄液槽である。新規の洗
浄水は、供給管904を通って第3の洗浄液槽上のシャ
ワー905を介して、被処理体である被処理体907の
表面を洗浄した後、洗浄液槽903に溜る1次処理液9
08である。この間、搬送コンベア906上に載置され
た被処理体907は、紙面右向きに搬送される。つま
り、供給管904を通って供給される新規の洗浄水は仕
上げ洗浄に用いられる。第3の洗浄液槽903内に溜め
られた1次処理液908は、ポンプ909によって一端
が第3の洗浄液槽903に接続された配管911を介し
て前段の洗浄液層である第2の洗浄液槽902上に設置
されているシャワー910に給送される。これによっ
て、被処理体907は前述した処理の前に洗浄液によっ
て洗浄されることになる。
【0009】ここで、洗浄に使用され、汚れを含んだ洗
浄液は、2次処理液912として第2の洗浄液槽902
内に溜められる。
【0010】図9に示される洗浄装置においては、第2
の洗浄液槽902内の2次処理液912を配管913を
介してポンプ914によってシャワー915に供給さ
れ、2次処理液912によって被処理体907を洗浄す
る。洗浄後の3次処理液916は一旦、第1の洗浄液槽
901内に溜められて、排水処理される。
【0011】すなわち、被処理体側からみれば、汚濁程
度が高い洗浄水から序々に清浄な洗浄水による洗浄に移
行していくように構成されているため、比較的少量の洗
浄水で高い洗浄効果が得られる工夫がなされている。
【0012】しかしながら、上述した処理方法では被処
理体の表面(上面)側の洗浄については改善されるが、
裏面(下面)側の洗浄は不十分であり、裏面側を予めマ
スク等で被覆する等の前処理を設けるか、裏面側の後処
理が必要になるのみならず、洗浄水のコスト増大、装置
の規模増大につながる。また、粘度の高い付着物を除去
する場合、被処理体のエッジ部に付着物の一部が残留し
たり、裏面側に回り込んだりする問題があることが分か
った。
【0013】更に、酸等の腐食性の強い液体等を用いた
処理や、処理後、洗浄を行った場合、処理時に発生する
細かいミストが前記酸等の腐食性の強い液体と混じりな
がら拡散し、処理装置の外に放出してしまい、処理装置
本体の外部のみならず、周囲に配置された装置において
も錆等の腐食が生じるという問題があることが分かっ
た。
【0014】また、光起電力素子等の半導体素子の処理
を液体により行う場合、水分の残留も深刻な問題であ
る。液体処理後に無乾燥のままで放置しておくと、しみ
等の外観不良のみならず、電気的不良、更には剥離の発
生等の問題が生じ、特性や長期信頼性に影響することが
分かった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、処理工程、
処理液、及び処理装置の数量等を増やすことなく、被処
理体の両面に対して、良好なエッチング、洗浄、又は乾
燥の処理ができる、被処理体の処理装置及び処理方法を
提供することを第1の目的とする。
【0016】また、本発明は、被処理体上に付着してい
る物質の粘度に依存せず、被処理体のエッジ部への残留
および裏面側への回り込みによる残留の発生が低減でき
る、被処理体の処理装置及び処理方法を提供することを
第2の目的とする。
【0017】さらに、本発明は、光起電力素子である半
導体素子等、扱いの困難な被処理体に対しても良好な処
理が行え、初期特性や長期信頼性の優れた半導体素子が
得られる、被処理体の処理装置及び処理方法を提供する
ことを第3の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の被処理体の処理
装置は、入口部から出口部の方向へ通過する平面状の被
処理体の表面に流体を射出する機構αと、前記被処理体
を搬送する機構βと、前記流体の少なくとも一部を回収
する機構γと、前記回収した流体を循環する機構δを具
備した被処理体の処理装置において、前記機構αは、前
記被処理体に対して上下両方向から前記流体を射出する
手段Aと、前記処理装置内における気流の流れを前記被
処理体の搬送方向に対して逆方向とする手段Bとを有す
ることを特徴とする。
【0019】本発明の被処理体の処理方法は、搬送され
る被処理体に対して上下両方向から、少なくとも1種類
以上の流体を射出し、射出された前記流体の少なくとも
一部を回収し、回収された前記流体を循環し、気流の流
れが前記被処理体の搬送方向に対して逆方向であること
を特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の基板処理装置は、平面状
の被処理体を搬送しながら、流体を照射し、流体の射出
方向、射出角度、射出強度等の相互関係において、良好
な処理、洗浄の得られる装置構成を実験的に見いだし、
更に実験を進めて完成したものである。本発明の骨子
は、通過する平面状の被処理体に上下方向から流体を射
出し、装置内の気流の流れが被処理体の進行方向の逆方
向に存在する基板処理装置にある。
【0021】以下では、各請求項ごとに、その作用につ
いて説明する。
【0022】請求項1に係る発明では、通過する平面状
の被処理体の上下方向から流体を射出するために、流体
が液体の場合であっても気体の場合であっても、反対側
の面への回り込みがなく、裏面やエッジ部での滞留も少
なく処理が可能となった。また、搬送しながら処理を行
うため上下方向から射出される流体の処理効果は増大
し、効率良く処理可能となった。更に、装置内の気流の
流れが被処理体の進行方向の逆方向に存在するために、
射出した流体がミストとなって装置外部に拡散すること
がないため、装置本体及び周辺に配置された装置の腐食
を防ぐことが可能となった。
【0023】請求項2に係る発明では、上述した流体射
出機構のノズルまたは排出口の方向が被処理体の進行方
向と逆方向の傾きを持っているために、搬送方向とは逆
方向の流体により形成される壁が出来、射出した流体が
ミストとなって処理後、搬送方向への流体を持ち込み極
力減らすことが可能となった。また、搬送される被処理
体と流体の射出される方向が対峙した形となるため、流
体の被処理体への衝突力が高まるため効果的な処理が可
能となった。
【0024】請求項3に係る発明では、超音波装置によ
り発生した振動が流体を介して被処理体に伝わり、洗浄
等の処理において効果が増大する。
【0025】請求項4に係る発明では、上方側と下方側
の両方から射出した流体のバランスがとられ、しかも上
方側の押し付け力が強いため搬送速度を様々に変化させ
ても、被処理体の搬送方向に対する左右のずれがなく直
進搬送可能となった。
【0026】請求項5に係る発明では、上述した搬送機
構が上下方向から射出される流体を通過させる間隙を持
つため、裏面の処理も効率的に行え、処理後搬送方向に
流体を持ち込むこともなく、また、流体の一部の回収も
より効率的となった。
【0027】請求項6に係る発明では、上述した搬送機
構が回転する不連続体からなるために、搬送のために被
処理体に接触している部分が回転するために搬送部の一
部と被処理物と常に接触している部分がないめ、裏面に
処理液が滞留しづらくなった。
【0028】請求項7に係る発明では、上述した搬送機
構が被処理物の進行方向側が高く傾きを持つために、処
理後、搬送方向への流体の持ち込み量を少なく処理可能
となった。
【0029】請求項8に係る発明では、上述した流体を
回収する機構が複数のタンクを連結され、被処理体の搬
送方向と逆方向に流れを持つ滝状槽から成るために、濃
度や純度の異なる流体を連続的に照射することが可能と
なった。
【0030】請求項9に係る発明では、分割壁により搬
送方向への流体の持ち込み量をさらに少なくすることが
可能となり、濃度や純度の異なる流体を、更には種類の
異なる流体を連続的に照射することが可能となった。
【0031】請求項10に係る発明では、少なくとも一
つ以上設けた排出口周辺を強制的に負圧にすることで、
被処理体の搬送入口や出口を開口した状態でも、射出し
た流体がミストとなって拡散することを防止することが
可能となった。
【0032】請求項11に係る発明では、入口付近の飛
散が防止でき、密封状態が高まり、空間部の気流の流れ
が強めることが可能となった。
【0033】請求項12に係る発明では、通過する平面
状の被処理体の上下方向から流体を射出するために、流
体が液体の場合であっても気体の場合であっても、反対
側の面への回り込みがなく、裏面やエッジ部での滞留も
少なく処理が可能となった。また、搬送しながら処理を
行うため上下方向から射出される流体の処理効果は増大
し、効率良く処理可能となった。更に、装置内の気流の
流れが被処理体の進行方向の逆方向に存在するために、
射出した流体がミストとなって装置外部に拡散すること
がないため、装置本体及び周辺に配置された装置の腐食
を防ぐことが可能となった。
【0034】請求項13に係る発明では、上述した処理
方法を用いることにより、従来扱いが容易でなかった半
導体素子の処理、例えば洗浄等において、洗浄水のコス
トや装置規模、製造タクトが大幅に削減可能となった。
【0035】請求項14に係る発明では、上述した処理
方法を用いることにより、従来よりも洗浄や乾燥等の処
理が良好に行われ、光起電力素子表面の汚れ等の残留を
防ぎ、処理液や水分等の残留による剥れの防止が可能と
なった。更には、初期特性及び長期信頼性の良好な光起
電力素子の製造が可能となった。
【0036】以下では、本発明の実施態様例を図面を参
照して説明する。
【0037】(基板処理装置)図1は本発明に係る基板
処理装置の概略図である。基板処理装置100は平面状
の被処理体101に流体を射出して、エッチングや洗
浄、乾燥等の所望の機能を単独にまたは組み合わせて処
理することが出来る。ここで、流体は液体でも気体でも
よく、目的に応じて、エッチング液、コーティング塗
料、洗剤、剥離剤等の化学処理液、水、ガス、空気等を
適宜用いると良い。
【0038】図1において、102は基板処理装置本体
であり、形状は入口103と出口104を持った箱形の
ハウジング構造で、材質は用いる流体により所望のもの
を選び、腐食性の高い流体を用いる場合は塩化ビニル樹
脂、アクリル樹脂のように耐酸性で錆の発生等がなく、
軽量かつ、加工の容易な材質が好適に選ばれる。また、
有機物質等溶剤を含む場合にはステンレス等の金属等が
好適に選ばれる。
【0039】105は上方側流体射出部、106は下方
側流体射出部を示している。上方側射出部105、下方
側射出部106は被処理体101とほぼ垂直になるよう
に配置され、図2に示したような流体の射出の開口部や
ノズルを有する機構となっている。図2(A)は一対の
細長い管に多数の開口部を形成した構成、図2(B)は
一対の細長い管に多数のノズルを形成した構成、図2
(C)は全体が開口部となっている構成を示しており、
図2(A)の構成により流体は均等に射出され、図2
(B)の構成により射出圧を増加させることができ、図
2(C)の構成により流体を被処理体の各面全体に射出
することができる。もちろん、前記流体射機構の構成は
上記に示した構成に限定されるものではなく目的に応じ
て適宜変えることができる。
【0040】また、前記開口部やノズルの向きが被処理
体の搬送方向に対して逆方向に傾きを持つことが望まし
く、更に、その傾き角度が被処理体の搬送速度と射出す
る流体の射出圧や射出量の相互関係に合わせ、可変であ
ることがより望ましい。この際、傾き角度は被処理物に
垂直にした場合の、すなわち真下に向かって射出する状
態を基準にして、搬送方向と逆方向に向けて45度以内
の傾きの間で調節することによってより効果的な処理や
洗浄が行える。また、上記に記した角度を設けることに
より、被処理体の表面上に搬送方向とは逆向きの流体の
“流れ”を形成でき、更には射出口から被処理体に至る
までに流体の“壁”ができこの流れと壁の相互効果によ
り搬送方向への流体の“持ちだし”を極力減らすことが
できる。
【0041】前記上方側及び下方側の射出部から射出さ
れる流体の射出条件は、まず、被処理物の処理目的によ
り異なるが、例えば、洗浄を行う場合には被処理物の汚
れの度合いや、表面の付着物の粘度によって適宜変えれ
ば良い。射出圧に関しては0.5kg/cm2〜20k
g/cm2が好ましく、より望ましくは1kg/cm2
10kg/cm2が好適である。射出量に関しては1L
/分〜100L/分が好ましく、より望ましくは2L/
分〜50L/分が好適である。また、被処理体101は
図に示した様な枚葉状の平面体であっても、ロール状の
連続の平面体であっても良い。
【0042】ここで、搬送される被処理物への流体の射
出圧や射出量を調整に関して、被処理物が直進するため
には、上方側の射出圧p1、上方側の射出量v1、下方
側の射出量p2、下方側の射出量v2とした場合、それ
ぞれの積p1×v1>p2×v2となることが望まし
い。この条件により被処理体の上方側から固定されなが
ら搬送されるため、搬送方向に対し左右へのぶれが抑制
出来る。
【0043】なお、前記上方側及び下方側の射出部の
幅、すなわち、一対の細長い管に開口部やノズルを設け
た例では、この管の長さは被処理体の幅よりも長いこと
が好適であり、最長でハウジング構造の横幅と同じだけ
延びていればより好適である。これにより、流体が被処
理物の各面に全体にわたり、適切な状態で射出すること
ができる。
【0044】また、空気等の気体を図1(C)のような
方式で上方側と下方側で射出する場合、上下の射出方向
や強さの相互関係により、開口部から射出する気体の射
出音が振動を起こし、付近に存在する振動が固有振動数
に等しくなり、空きり音が発生してしまう。そこで、気
体を開口部から射出する際の周波数の調整によりこの空
きり音を低減または削減することができる。具体的な方
法としては上方側の射出の際の周波数を下方側の射出の
際の周波数よりも高くすることによりその効果が得られ
る。
【0045】さらに、被処理体に付着し、除去しずらい
汚れ等を除くためには、図3に示すように流体の射出部
に小型の超音波装置301を共設することにより、開口
部302から射出される流体303を介して超音波によ
る振動304が被処理体305に伝わり処理能力が改善
される。
【0046】107は搬送部を示しており、構成は幾つ
か考えられ、ベルトコンベア式でも、ローラ搬送式やそ
の他の方法でも良い。図4(A)は網目状のベルトコン
ベア式の構成、図4(B)は一対の軸にローラを均等配
置した構成であり、いずれの構成でもベルト部の網目の
間隙、ローラとローラの間隙が存在することにより上下
方向からの流体の射出が両面にわたり良好に行われる。
また、図4(C)に示すように、搬送面を被処理体の搬
送方向を高く傾きを持たすことにより、流体の搬送方向
側への持ち出しを更になくすことが可能になる。この傾
きは装置の全長や流体の種類等により傾斜を調節すれば
良いが、僅かな傾斜ならば被処理物を搬送するためのス
トッパやホルダがなくても、前記上方側と下方側の射出
圧と射出量とのバランスにより被処理体を搬送部に押し
当てた状態で搬送することができる。また、ローラ部の
被処理体との接触部をゴム性とする等の工夫があっても
良い。
【0047】108,109,110は回収槽を示して
おり、それぞれの間が垂直の壁で分割されても、複数の
タンクを結合しても良い。前記回収槽に重力により流れ
込み溜められた流体は、各槽から循環され再利用される
構成が望ましい。すなわち、各槽108,109,11
0からポンプ111と配管112によって、上下両方向
側の射出部105,106にそれぞれ分割、または別個
に与えられる。この時、前記配管112の途中や前記射
出部105、106付近に圧力計や流量計113を配置
し、流体の射出条件を調節すればよい。
【0048】更に、前記回収槽の望ましい構成として
は、図5に示すように、回収槽108,109,110
が滝状槽になっていることである。被処理体の搬送方向
側の流体のレベルがより高く、すなわち、回収槽10
8,109,110の順で流体レベルが高くなってお
り、流体は108,109,110の順でオーバーフロ
ーして各槽間において被処理体の搬送方向の逆向きに滝
流が形成される。114はオーバーフローを順次形成す
るため、更には前記射出部に十分な流体を供給するため
の流体供給部である。
【0049】また、当然のことながら、種類の異なる流
体を一部用いる場合には、それぞれの混合を防止するた
めに、一部の回収槽を独立させてもよい。
【0050】さらに、目的や流体の種類に応じて前記流
体供給部は図中115のように直接に流体射出部に結合
してもよい。この際、前記圧力計や流量計も116のよ
うに、流体供給部の配管途中や流体射出付近に配置す
る。
【0051】117は被処理体が搬送され、流体が射出
されるスペースであり、上面板と側壁から形成されてお
り、入口103と出口105は以外は閉じた状態で形成
され、また、上方側の流体射出部105が付設されてい
る。この空間部117の上面または側面に目的に応じて
装置内がモニター可能な窓や前記流体射出部105,1
06の角度の調整やノズルの取り外し、更にはメンテナ
ンス可能にするために、蓋面を設けても良い。勿論、こ
れらの調節等は自動制御可能にしても構わない。
【0052】更に、図5に示すように、この空間部に被
処理体の搬送面と垂直になるように隔壁501を設ける
ことにより、流体の拡散や搬送方向への持ち込みを更に
防止することが可能となる。隔壁501は下面に位置す
る回収槽の壁面502と同位置に配置することにより、
各々槽の流体の混合が極力防止できる。
【0053】118は空間部117に設置された吸気口
であり、入口103の付近に配置することにより入口側
に飛散するミストを取り込むことができるだけではな
く、強制的に吸気するために吸気口付近が負圧となり出
口方向から吸気口に向かって気流を発生することができ
る。
【0054】図6は前記入口103及び出口104の好
ましい構造であり、それぞれの外側に向けて図中601
のL字状構造の覆いが設置されている。このL字状構造
の覆いにより、入口付近の飛散は完全に防止できるのみ
ならず、密封状態が高まり、空間部の気流の流れが強ま
る。
【0055】(光起電力素子)図7は、本発明に係る光
起電力素子の一例としてアモルファスシリコン太陽電池
を示した概略図である。図7(A)は基板と反対側から
光入射する非晶質シリコン系太陽電池の断面図の概略
図、図7(B)は図7(A)の太陽電池を光入射側から
見た図である。図7(C)は図7(A)の太陽電池に集
電電極を形成、図7(D)は図7(C)の太陽電池を光
入射側から見た図である。更に、図示しないが、透明性
絶縁基板上に堆積した非晶質シリコン系太陽電池、単結
晶系、薄膜多結晶系太陽電池においても本発明の思想を
用いた構成は適用可能であることは言うまでもない。
【0056】基板701は非晶質シリコンのような薄膜
の太陽電池の場合の半導体層を機械的に支持する部材で
あり、また場合によっては電極として用いられる。前記
基板は、半導体層を成膜するときの加熱温度に耐える耐
熱性が要求されるが、導電性のものでも、電気絶縁性の
ものでも良く、導電性の材料としては、具体的にはF
e,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,
Ti,Pt,Pb,Ti等の金属またはこれらの合金、
例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体やカ
ーボンシート、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられ、電気絶縁
性材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカ
ーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂
のフィルムまたはシート又はこれらとガラスファイバ
ー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維
等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等
の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,S
34,Al23,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ
法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行
ったもの、およびガラス、セラミックス等が挙げられ
る。
【0057】下部電極(裏面反射層)702は、半導体
層で発生した電力を取り出すための一方の電極であり、
半導体層に対してはオーミックコンタクトとなるような
仕事関数を持つことが要求される。材料としては、A
l,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,Mo,W,Fe,
V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅう,ニクロム,S
nO2,In23,ZnO,ITO等のいわゆる金属単
体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等が用い
られる。前記下部電極702の表面は平滑であることが
好ましいが、光の乱反射を起こさせる場合にはテクスチ
ャー化しても良もよく裏面反射層とも呼ばれる。また、
基板が導電性であるときは前記下部電極は特に設ける必
要はない。
【0058】下部電極の作製法はメッキ、蒸着、スパッ
タ等の方法を用いる。上部電極の作製方法としては、抵
抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング
法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜
選択される。
【0059】本発明に用いられる太陽電池の半導体層7
03としては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結
晶シリコン等が挙げられる。非晶質シリコン太陽電池に
おいてi層を構成する半導体材料としては、a−Si:
H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−SiGe:
H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,a−S
iC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:F等のい
わゆるIV族及びIV族合金系非晶質半導体が挙げられ
る。p層またはn層を構成する半導体材料としては、前
述したi層を構成する半導体材料に価電子制御剤をドー
ピングすることによって得られる。また原料としては、
p型半導体を得るための価電子制御剤としては周期律表
第IIIの元素を含む化合物が用いられる。第IIIの
元素としては、B,Al,Ga,Inが挙げられる。n
型半導体を得るための価電子制御剤としては周期律表第
Vの元素を含む化合物が用いられる。第V族の元素とし
ては、P,N,As,Sbが挙げられる。
【0060】非晶質シリコン半導体層の成膜法として
は、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD法、マイ
クロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LP
CVD法等の公知の方法を所望に応じて用いる。工業的
に採用されている方法としては、原料ガスをRFプラズ
マで分解し、基板上に堆積させるRFプラズマCVD法
が好ましく用いられる。さらに、RFプラズマCVDに
おいては、原料ガスの分解効率が約10%と低いこと
や、堆積速度が1Å/secから10Å/sec程度と
遅いことが問題であるが、この点を改良できる成膜法と
してマイクロ波プラズマCVD法が注目されている。以
上の成膜を行うための反応装置としては、バッチ式の装
置や連続成膜装置等の公知の装置が所望に応じて使用で
きる。本発明の太陽電池においては、分光感度や電圧の
向上を目的として半導体接合を2以上積層するいわゆる
タンデムセルやトリプルセルにも用いることが出来る。
【0061】上部電極(透明導電膜)704は、半導体
層で発生した起電力を取り出すための電極であり、前記
下部電極と対をなすものである。前記上部電極は非晶質
シリコンのようにシート抵抗が高い半導体の場合に必要
であり、結晶系の太陽電池ではシート抵抗が低いため特
に必要としない。また、上部電極は、光入射側に位置す
るため、透明であることが必要で、透明導電膜とも呼ば
れる。前記上部電極は、太陽や白色蛍光灯等からの光を
半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過率が8
5%以上であることが望ましく、さらに、電気的には光
で発生した電流を半導体層に対し横方向に流れるように
するためシート抵抗値は100Ω/□以下であることが
望ましい。このような特性を備えた材料としてSn
2,In2 3,ZnO,CdO,CdSnO4,ITO
(In23+SnO2)等の金属酸化物が挙げられる。
【0062】上記太陽電池の発電のアクティブエリアを
決定するために公知のエッチング技術、例えば化学エッ
チングや印刷エッチング、電気化学エッチング等所望の
方法で上記透明導電膜704をエッチング除去し、70
5のエッチングラインを形成する。
【0063】その後、集電電極707を金属や導電性ペ
ーストをスパッタ、蒸着、印刷等の方法により透明導電
膜上に形成する。
【0064】更に、図示しないが、端子の取り出し、配
線等を行い、公知の方法でエンカプシュレーションをす
る。
【0065】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されることはな
い。
【0066】(実施例1)本例では、図7に示したアモ
ルファスシリコン太陽電池を、図1に示した装置を用い
て化学エッチング後、洗浄及び乾燥を行った。
【0067】以下では、図7を用いて、本例で洗浄及び
乾燥を行う被処理体として用いたアモルファス太陽電池
基板の作製方法を説明する。
【0068】図7(A)の太陽電池基板700は、化学
エッチング後、エッチング液から取り出した状態を示す
平面図である。また、図7(B)は、図7(A)に示し
た太陽電池基板700の側面図である。
【0069】図7の太陽電池基板は、導電性材料である
SUS430板からなる基体701の表面に、順に裏面
反射層702、アモルファスシリコン層703及び透明
導電膜704を、スパッタ、蒸着又はCVD等の成膜方
法を用いて形成した構造体である。SUS430板70
1としては、厚み150μmのものを用いた。
【0070】裏面反射層702は、AlSiとZnOを
積層したものであり、その厚さは1.5μmとした。
【0071】アモルファスシリコン層703は、ボトム
層、ミドル層及びトップ層からなるトリプルセル構成で
あり、その厚みは1μmとした。また、上記のボトム
層、ミドル層及びトップ層は、各々n型半導体層、i型
半導体層及びp型半導体層を順次積層したnip接合か
らなる。
【0072】透明導電膜704は、ITOを75nmの
厚みで成膜した。
【0073】透明導電膜704を成膜後、30cm角に
基板を裁断し、アクティブエリアを得るために基板の端
部及び内部を29.5cm角のライン状の囲み705を
エッチング液に浸漬して形成した。エッチングにはマス
ク法または電解法を用いた。706はエッチング液を示
す。
【0074】以下では、エッチング液処理を終えた太陽
電池基板700を、図1に示した洗浄装置に投入して洗
浄する方法に関して説明する。
【0075】回収槽108,109,110は、各々搬
送方向側30cm長で滝状槽になる構造とし、純水を投
入した。すなわち、回収槽108にのみ供給部113を
連結し新規の純水を供給し、オーバーフローにより10
8,109,110の順で純水を供給した。回収槽10
8,109,110に回収された純水はポンプ111に
より、それぞれ配管112を通って、上方側射出部10
5、下方側射出部106に供給した。この時射出の開口
部はノズルを8ケ所ずつ配置し、それぞれ30度傾け
た。この時、純水の射出部は各槽に対応して3本ずつ、
つまり、上下9本ずつ等間隔に配置した。射出条件は、
射出量は上下ともに5L/分とし、射出圧を上方側2.
3kg/cm2、下方側は2.0kg/cm2とした。す
なわち、射出圧と射出量の積は上方側が6.5kgL/
cm分、下方側が6.0kgL/cm分とした。搬送部
107は幅40cmで図4(B)に示したようなステン
レス軸をフッ素コートし、5cm間隔で直径4cmのロ
ーラを配置し、軸ごと回転させて被処理体101を搬送
した。このとき搬送速度は2.0m/分とした。
【0076】また、出口部に近い位置にはエアー(空
気)の吹き出し部として図2(C)に示したような開口
部を持つ射出部105,106を配置し、乾燥工程とし
た。この時、エアーはポンプを回転させインバーターで
制御して送り出した。この時、インバータによるポンプ
の回転制御を上方側35Hz、下方側を25Hzとポン
プの回転数を上方側優位とした。このとき、射出条件は
上方側が射出圧5.0kg/cm2、射出量20L/
分、下方側が射出圧5.0kg/cm2、射出量15L
/分であった。この時、出口部の射出の傾きを10度と
し前記条件としたところ空切り音は発生しなかった。
【0077】また、装置の入口及び出口におけるミスト
の拡散はなかった。
【0078】この処理装置で上記太陽電池を100枚処
理した。なお、入口から投入後、出口でのずれは左右に
±2.0mmで良好な直進性を示し、被処理体の装置内
での停止等のトラブルは発生しなかった。
【0079】不図示の熱乾燥炉でポスト乾燥処理後の太
陽電池800を詳細に観察したが、剥れ等の問題は生じ
なかった。また、表面への微量のイオン成分の有無を確
認するために、処理後の太陽電池を10枚、不図示の超
音波洗浄起内で洗浄し、前後の電導度を調べたが全く変
化なかった。
【0080】上記洗浄方法で洗浄処理した後、不図示の
スクリーン印刷機、熱乾燥炉で過熱し、集電電極707
を形成した。更に、端子取り出し、エンカプシュレーシ
ョンを行い太陽電池モジュールを作製した。エンカプシ
ュレーションの方法は以下の通りである。
【0081】まず、太陽電池700の上下にクレーンガ
ラス及びEVAを積層し、次にその上下にフッ素樹脂フ
ィルムETFEを積層した後、真空ラミネーターに投入
して150℃で60分間保持しラミネーションを行っ
た。
【0082】以下では、得られた試料の初期特性評価に
関して述べる。
【0083】(a)試料の暗状態における電圧−電流特
性を測定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を調べ
た。その結果、シャント抵抗は200kΩcm2〜50
0kΩcm2であり良好な値を示した。
【0084】(b)AM1.5グローバルの太陽光スペ
クトルで100mW/cm2の光量の疑似太陽光(以下
シミュレーターと呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定
し、変換効率を求めた。その結果、変換効率は8.7%
±0.2%でありばらつきも少なく良好な値であった。
【0085】以下では、得られた試料に対して行った信
頼性試験に関して述べる。本発明の信頼性試験は、日本
工業規格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境
試験方式、及び耐久試験方法に定められた温湿度サイク
ル試験A−2に基づいて行った。具体的には、試料を温
湿度が制御できる恒温恒湿度に投入し、温度を−40℃
から+85℃(相対湿度85%)に変化させるサイクル
試験を20回繰り返した。その後、初期特性評価と同様
にシミュレータを用いて変換効率を調べた。その結果、
信頼性試験後の変換効率は、初期変換効率に対して平均
で2%の低下におさまっており、有意な劣化は生じてい
なかった。
【0086】したがって、上述した本例の結果から、本
発明に係る基板処理方法を洗浄工程やエアーブロー等の
乾燥工程に用いて製造した太陽電池は、良好な特性を有
し、かつ、信頼性も高いことが分かった。
【0087】(比較例1)本例では、図1の洗浄装置の
代わりに図9に示した従来の洗浄装置を用い、エッチン
グ液処理を終えた太陽電池基板700を洗浄した点が実
施例1と異なる。他の点は実施例1と同様とした。
【0088】洗浄時に各シャワーから射出される洗浄水
の設定条件は、射出圧2.5kg/cm2、射出量10
L/分、搬送速度2.0m/分とした。
【0089】洗浄後、ただちに不図示の熱乾燥炉に太陽
電池基板700を投入し乾燥した。実施例1と同様に太
陽電池700を詳細に観察したところ、微小な液体しみ
や端部が僅かに剥離していた。また、裏面にはエッチン
グ液の残留とみられるしみが見られた。
【0090】上記洗浄方法で洗浄処理した後、実施例1
と同様にして、電極形成、エンカプシュレーションを行
い太陽電池モジュールを作製した。
【0091】実施例1と同様にして初期特性評価を行っ
たところ、シャント抵抗は1kΩcm2〜100kΩc
2、変換効率は6.2%〜8.2%とばらつきが大き
くシャントしているものもあった。
【0092】さらに、実施例1と同様にして信頼性試験
を行い特性を測定したところ、平均で10%以上の低下
が生じており、試料を詳細に観察したところ、エッジ部
の剥離が発生、進行している模様であった。これは、裏
面に残留していたエッチング液が湿度環境下でイオン物
質となり、太陽電池モジュールの表面に影響を与えたこ
とが原因であった。
【0093】上述した実施例1と比較例1の結果から、
本発明の基板処理方法を用いて製造した太陽電池は、初
期の歩留まりが良好で、かつ優れた信頼性を有すること
が分かった。
【0094】(実施例2)本例では、図1の装置を用い
て、アモルファスシリコン上の付着物の除去、及び洗浄
を行った。ここで、付着物としてはエッチングペースト
を用いた。
【0095】本例では、実施例1と同じ太陽電池基板に
不図示のスクリーン印刷で塩化第2鉄を含むペーストを
印刷し、不図示の熱風乾燥炉で焼成し、ペーストを反応
させた。ペーストは、図8の802に示すとおり、突起
状の固体として太陽電池基板801の上に付着した。こ
の基板を図1の装置に投入した。
【0096】実施例と同様に、供給する流体としては純
水を用いた。しかし、装置構成及び設定条件は幾つか変
更した。まず、回収槽110はペーストの剥離槽とする
ため回収槽108,109とは分離し、108と109
のみ滝状槽とした。また、110では回収した液を循環
させず、排出させ、新規な液を直接射出部105,10
6に供給した。更に、回収槽110上の射出部の射出条
件は、射出量は上下とも5L/分であるが、射出圧を上
方側2.5kg/cm2、下方側2.2kg/cm2とし
た。また、角度を25度とし、搬送速度を1.5m/分
とした。ここで、それ以外の射出部の射出条件は実施例
1と同様にして行った。
【0097】上述した装置を用いて上記太陽電池基板を
100枚処理した。なお、入口から投入後、出口でのず
れは左右に±2.0mmであり、良好な直進性を示し
た。
【0098】乾燥後、太陽電池基板800を詳細に観察
したがペーストの残留や液しみ等は生じていなかった。
【0099】上記処理方法で剥離、洗浄処理した後、実
施例1と同様にして、電極形成、エンカプシュレーショ
ンを行い太陽電池モジュールを作製した。
【0100】実施例1と同様にして初期特性評価を行っ
たところ、シャント抵抗は200kΩcm2〜500k
Ωcm2であり、変換効率は8.7%±0.2%であり
ばらつきも少なく良好な値であった。
【0101】また、実施例1と同様にして信頼性試験を
行い特性を測定したところ、信頼性試験後の変換効率
は、初期変換効率に対して平均で2%の低下におさまっ
ており、有意な劣化は生じていなかった。
【0102】したがって、上述した本例の結果から、本
発明の基板処理方法を剥離工程や洗浄工程に用いて製造
した太陽電池は、良好な特性を有し、かつ信頼性も高い
ことが分かった。
【0103】(実施例3)本例では、流体射出部の角度
を0度、10度、30度、45度及び60度に変化さ
せ、エッチング液処理を終えた太陽電池基板700を洗
浄した点が実施例1と異なる。他の点は、実施例1と同
様である。
【0104】洗浄後、実施例1と同様に観察を行った。
また、入口及び出口におけるミストの拡散の有無を確認
した。その結果を表1に示す。
【0105】
【表1】 表1から、流体の射出角度を10度以上にすることによ
り、十分高い洗浄効果及びミストの防止効果が得られる
ことが分かった。
【0106】(実施例4)本例では、射出部のうち上方
側の射出圧を1.9kg/cm2,2.0kg/cm2
2.3kg/cm2,3.0kg/cm2に変化させ、エ
ッチング液処理を終えた太陽電池基板700を洗浄した
点が実施例1と異なる。射出部のうち下方側の射出圧
は、2.0kg/cm2に固定した。
【0107】他の点は、実施例1と同様である。
【0108】洗浄後、実施例1と同様に観察を行った。
また、入口及び出口におけるミストの拡散の有無を確認
した。その結果を表2に示す。
【0109】
【表2】 表2から、上方側の射出圧を下方側の射出圧より大とす
ることにより搬送時のずれが改善されることが分かっ
た。
【0110】(実施例5)本例では、射出部の射出圧
を、上方側1.2kg/cm2、下方側1.0kg/c
2と実施例1と比べてほぼ半分に設定し、ノズル部に
不図示の小型超音波装置を設置して、超音波を発振しな
がら洗浄を行った点が実施例1と異なる。
【0111】洗浄後、実施例1と同様に観察を行ったと
ころ、実施例1と同様に十分な洗浄効果が得られてい
た。
【0112】この結果から、超音波装置を共設して洗浄
することにより、純水の射出の効果に加えて超音波の効
果により洗浄効果がより良好になることが分かった。
【0113】(実施例6)本例では、網状のベルトコン
ベアを用いて搬送する際に、図4(C)に示したように
出口側を高くなるように10度傾けて、エッチング液処
理を終えた太陽電池基板700を洗浄した点が実施例1
と異なる。また、射出部の射出圧は、上方側1.8kg
/cm2、下方側1.5kg/cm2と実施例1と比べて
ほぼ半分に設定した。
【0114】洗浄後、実施例1と同様に観察を行ったと
ころ、実施例1と同様に十分な洗浄効果が得られてい
た。また、搬送時のずれも±3mmで良好であった。さ
らに、回収槽108の電導度を測定したところ、10μ
S/cmで純度が高いことが確認された。
【0115】この結果から、搬送部に傾斜を持たせるこ
とにより、洗浄液の搬送方向への持ちだしを更に低減で
き、洗浄効果がより良好になることが分かった。
【0116】(実施例7)本例では、図1の装置を用い
て太陽電池基板に用いるSUS430に付着する油分の
除去を行った。
【0117】ここで、SUS430はロールの連続体と
して供給した。回収槽110にはオーカイト、109に
は純水、108にはアルコールを循環させ、それぞれ分
離して供給、循環、射出、排出を行った。最後にエアー
ブローを図1の装置で全て行った。
【0118】これら一連の処理後、再びロール状に巻き
取った。このSUS430の表面の油分の除去状態を確
認するために、純水の接触角を10mごとに測定したと
ころ、平均で25度以下の値が得られた。
【0119】したがって、上述した本例の結果から、本
発明の基板処理方法を、連続体であるSUS430のロ
ールの洗浄処理に適応しても有効であることが分かっ
た。さらに、複数の流体で処理する場合も有効であるこ
とが分かった。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工程の増加、処理液や洗浄水の増加、及び装置規模の増
加等をせずに、被処理体の裏面側の処理や洗浄を良好に
行うことが可能な、被処理体の処理装置及び処理方法が
得られた。また、酸等の流体を用いる場合でも装置の腐
食の問題を回避できる。
【0121】また、本発明によれば、被処理体上に付着
している物質が例えば高い粘度のものであるか否かに係
わらず、エッジ部への残留や裏面側への回り込みによる
残留が生じず、良好な処理、洗浄が可能となる。
【0122】さらに、本発明は光起電力素子等の半導体
素子等の扱いの困難な被処理体に対しても処理が良好に
行え、初期特性や長期信頼性の良好な半導体素子が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体処理装置の一例を示した概略
図である。
【図2】本発明に係る流体射出部を示した模式図であ
る。
【図3】本発明に係る超音波装置を共設した流体処理装
置を示した概略図である。
【図4】本発明に係る搬送部を示した模式図である。
【図5】本発明に係る流体処理装置の空間部に隔壁を設
けた構成を示した模式図である。
【図6】本発明に係る入口及び出口にL字型の蓋を設け
た構成を示した模式図である。
【図7】本発明に係る太陽電池の構成を示した模式図で
ある。
【図8】本発明に係る太陽電池にエッチングペーストを
配設した模式図である。
【図9】従来例に係る洗浄装置の一例を示した概略図で
ある。
【符号の説明】
100 流体処理装置、 101、304 被処理体、 103 入口、 104 出口、 105、404 上方側流体射出部、 106、405 下方側流体射出部、 107、406 搬送部、 108、109、110 回収槽、 111 ポンプ、 112 配管、 113、116 流量計、 114、115 供給管、 117 空間部、 118 隔壁、 201 射出管、 202、302 開口部、 301 超音波装置、 303 流体、 401 搬送ベルト、 402 搬送軸、 403 回転ローラ、 501 隔壁、 502 壁面、 601 L字型蓋、 701 基板、 702 下部電極(裏面反射層)、 703 半導体層、 704 上部電極(反射防止膜)、 705、803 エッチングライン、 706 処理液、 707 集電電極、 801 エッチングペースト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新倉 諭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 上野 雪絵 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口部から出口部の方向へ通過する平面
    状の被処理体の表面に流体を射出する機構αと、 前記被処理体を搬送する機構βと、 前記流体の少なくとも一部を回収する機構γと、 前記回収した流体を循環する機構δを具備した被処理体
    の処理装置において、 前記機構αは、前記被処理体に対して上下両方向から前
    記流体を射出する手段Aと、前記処理装置内における気
    流の流れを前記被処理体の搬送方向に対して逆方向とす
    る手段Bとを有することを特徴とする被処理体の処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記機構αは、前記被処理体の搬送方向
    に対して逆方向に傾きを持ったノズルまたは流出口によ
    り前記流体を射出することを特徴とする請求項1に記載
    の被処理体の処理装置。
  3. 【請求項3】 前記機構αは、少なくとも前記ノズルま
    たは前記流出口と、超音波発生装置とを有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の被処理体の処理装置。
  4. 【請求項4】 前記手段Aにおいて、上方側の流体の射
    出圧p1と射出量v1との積が、下方側の流体の射出圧
    p2と射出量v2の積よりも大きいことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載の被処理体の処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記機構βは、前記被処理体に対して上
    下方向から射出される流体を通過させることが可能な間
    隙を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    1項に記載の被処理体の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記機構βは、複数順次接続されて配置
    してあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1
    項に記載の被処理体の処理装置。
  7. 【請求項7】 前記機構βは、前記被処理体の進行方向
    側が高くなる傾きを有することを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の被処理体の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記機構γは、分割された複数の回収タ
    ンクからなり、各々の前記回収夕ンクは、前記被処理体
    の搬送方向に対して逆方向に流れを持つように接続配管
    されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    1項に記載の被処理体の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記被処理体からみて、前記機構γと反
    対側に位置する空間部が、前記被処理体の搬送面と垂直
    をなす隔壁により分割されていることを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれか1項に記載の被処理体の処理装
    置。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つ以上設けた排出口の周
    辺を、強制的に前記空間部の外に対して負圧にすること
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被
    処理体の処理装置。
  11. 【請求項11】 L字形の蓋が、前記被処理体と非接触
    の状態で、前記入口部及び前記出口部に配置してあるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載
    の被処理体の処理装置。
  12. 【請求項12】 搬送される被処理体に対して上下両方
    向から、少なくとも1種類以上の流体を射出し、射出さ
    れた前記流体の少なくとも一部を回収し、回収された前
    記流体を循環し、気流の流れが前記被処理体の搬送方向
    に対して逆方向であることを特徴とする被処理体の処理
    方法。
  13. 【請求項13】 前記被処理体が半導体素子であること
    を特徴とする請求項12に記載の被処理体の処理方法。
  14. 【請求項14】 前記半導体素子が光起電力素子である
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の被処理体
    の処理方法。
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Cited By (4)

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