JP2002206043A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2002206043A
JP2002206043A JP2001338204A JP2001338204A JP2002206043A JP 2002206043 A JP2002206043 A JP 2002206043A JP 2001338204 A JP2001338204 A JP 2001338204A JP 2001338204 A JP2001338204 A JP 2001338204A JP 2002206043 A JP2002206043 A JP 2002206043A
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Norifumi Sumimoto
典史 住本
Masahiko Noro
雅彦 野呂
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Techno Polymer Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性や耐熱性などの実用的物性に優れ、か
つ金型汚染が改良された熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビ
ニル化合物、シアン化ビニル化合物、および必要に応じ
て他の共重合可能な単量体からなる単量体成分(b)を
グラフト重合して得られるグラフト共重合体組成物(A
1)からなるか、または該グラフト共重合体組成物(A
1)および単量体成分(b)の共重合体(A2)からな
る熱可塑性樹脂組成物であって、有機酸成分の含有量が
2重量%以下にあることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性および耐
熱性に優れ、特に成形時の金型成形面の汚染が少ないた
めに金型成形面の清掃の回数が少なく、その結果、より
長時間の連続成形が可能で、高い生産性を示す熱可塑性
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ABS系樹脂、特に乳化重合によ
り製造されたABS系樹脂は、射出成形性、機械的性質
などが優れていることから、電気・電子分野、OA機器
分野に幅広く使用されている。近年になって、ABS系
樹脂などの熱可塑性樹脂成形品の形状が複雑化し、これ
に伴い、射出成形用金型のキャビティーも複雑化してい
る。一方、熱可塑性樹脂の射出成形時に、金型内面、特
に複雑形状の個所に粘着性異物が付着堆積し金型汚染を
発生させる場合がある。この金型汚染が発生すると、成
形品表面が金型内面の形状を正確に転写しなくなるため
に、射出成形を中断して金型内面を清浄化することが必
要となる。これは生産性を低下させることとなる。特
に、電気・電子機器分野では樹脂成形品の形状が著しく
複雑化しており、金型汚染は少なければ少ない程良い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐衝
撃性や耐熱性などの実用的な物性に優れ、かつ射出成形
時の金型汚染が改良され、広範囲の用途に使用できる熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の熱可塑性樹脂組成物が提供され、本発明の上記目的
が達成される。即ち、本発明は、ゴム質重合体(a)の
存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、および必要に応じて他の共重合可能な単量体からな
る単量体成分(b)をグラフト重合して得られるグラフ
ト共重合体組成物(A1)からなるか、または該グラフ
ト共重合体組成物(A1)および単量体成分(b)の共
重合体(A2)からなる熱可塑性樹脂組成物であって、
有機酸成分の含有量が2重量%以下であることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
上記したように、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香
族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、および必要に
応じて他の共重合可能な単量体からなる単量体成分
(b)をグラフト重合して得られるグラフト共重合体組
成物(A1)からなるか、または該グラフト共重合体組
成物(A1)および単量体成分(b)の共重合体(A
2)とからなる。そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物
(以下、「本発明の組成物」ともいう)は、有機酸成分
の含有量が2重量%以下である。
【0006】上記ゴム質重合体(a)としては、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体、イソブチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体などの共役ジエン系(共)重合体、これら共役ジエン
系(共)重合体の水素添加物、エチレン−プロピレン−
(非共役ジエン)共重合体、エチレン−ブテン−1−
(非共役ジエン)共重合体、ポリウレタン系ゴム、アク
リル系ゴムおよびシリコーン系ゴムなどが挙げられる。
ゴム質重合体(a)は、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの中で、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
ランダム共重合体、エチレン−プロピレン−(非共役ジ
エン)共重合体、アクリル系ゴムおよびシリコーン系ゴ
ムが好ましい。これらのゴム質重合体は本発明の組成物
中に粒子状で存在するが、ラテックス状でゴム強化樹脂
の製造に供されることが該樹脂の物性を向上させるため
に好ましい。このラテックス状のゴム質重合体を製造す
るに際しては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキル
ベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの
脂肪族スルホン酸塩、ロジン酸塩などの高級脂肪族カル
ボン酸塩、リン酸系などのアニオン性界面活性剤、ポリ
エチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエ
ーテル型などのノニオン系界面活性剤が使用される。
【0007】本発明の組成物において、ゴム質重合体
(a)は粒子状で存在するが、その平均粒径は、好まし
くは150〜500nm、さらに好ましくは150〜4
50nm、特に好ましくは200〜400nmである。
平均粒径が小さすぎると、耐衝撃性に劣り、大きすぎる
と、成形加工性に劣る。上記平均粒径の調整は、ゴム質
重合体粒子の調製時に適宜の方法により行うことができ
る。また、異なる平均粒径のゴム質重合体粒子を2種以
上ブレンドする方法で平均粒径を調整してもよい。
【0008】ゴム質重合体(a)のゲル分率は、好まし
くは40〜98重量%、さらに好ましくは50〜95重
量%、特に好ましくは60〜90重量%である。ゲル分
率が少なすぎると、成形品表面の光沢に劣る。一方、ゲ
ル分率が多すぎると、耐衝撃性に劣る。なお、ゴム質重
合体(a)のゲル分率(トルエン不溶分)は、ゴム質重
合体1gをトルエン100ml中に加え、48時間室温
で放置したのち、100メッシュ金網でろ過し、分散し
たろ液からトルエンを除去、乾燥してトルエン可溶分
(g)を求め、次式により算出できる。 トルエン不溶分(%)=〔1(g)−トルエン可溶分
(g)〕×100
【0009】本発明の組成物中のゴム質重合体(a)の
含有量は、8〜20重量%、好ましくは8〜18重量
%、さらに好ましくは10〜15重量%である。本発明
の組成物中のゴム質重合体(a)の含有量が少な過ぎる
と、耐衝撃強度が低下し、一方、多すぎると、流動性、
剛性が低下し、燃焼性評価(難燃性)も低下する。
【0010】本発明の組成物の調製に用いられる単量体
成分(b)は、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニ
ル化合物を含む。上記芳香族ビニル化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエ
ン、メチル−α−メチルスチレンなどが挙げられ、特に
スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。単量体成分
(b)中に、α−メチルスチレンを10〜50重量%、
好ましくは20〜30重量%用いると、本発明の組成物
に耐熱性を付与することができる。
【0011】本発明の組成物中の芳香族ビニル化合物の
共重合量は、単量体成分(b)の全共重合量の40〜9
2重量%であることが好ましく、さらに好ましくは50
〜80重量%、特に好ましくは50〜75重量%であ
る。芳香族ビニル化合物の共重合量が少なすぎると、流
動性、熱安定性に劣り、一方、多すぎると、剛性、耐薬
品性が低下する。
【0012】本発明の組成物の調製に用いられるシアン
化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好まし
い。本発明の組成物中のシアン化ビニル化合物の共重合
量は、単量体成分(b)の全共重合量の5〜45重量%
であることが好ましく、さらに好ましくは5〜40重量
%、特に好ましくは10〜40重量%である。シアン化
ビニル化合物の共重合量が少なすぎると、剛性、耐薬品
性が低下し、一方、多すぎると、熱安定性、流動性が低
下する。
【0013】本発明の組成物の調製に用いられる単量体
成分(b)は、さらに必要に応じて芳香族ビニル化合物
およびシアン化ビニル化合物の少なくともいずれかと共
重合可能なその他の単量体成分を含むことができる。そ
の他の単量体成分としては、官能基含有単量体が好まし
く、例えば不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無
水物、不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、不飽和カル
ボン酸のアミド化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、
水酸基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物、
オキサゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。不
飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸な
どが挙げられる。不飽和ジカルボン酸の酸無水物として
は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸などが挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。不飽和
ジカルボン酸のイミド化合物としては、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミ
ド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられ、N−フェニ
ルマレイミドが好ましい。不飽和カルボン酸のアミド化
合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミドなど
が挙げられる。エポキシ基含有不飽和化合物としては、
グリシジル(メタ)アクリレート、、アリルグリシジル
エーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合物などが挙げ
られる。水酸基含有不飽和化合物としては、3−ヒドロ
キシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シ
ス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1
−プロペン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。アミノ基含
有不飽和化合物としては、アミノメチル(メタ)アクリ
レート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ
スチレンなどが挙げられる。オキサゾリン基含有不飽和
化合物としては、ビニルオキサゾリンなどが挙げられ
る。これらの官能基含有単量体を共重合することで、本
発明の組成物に他の樹脂を配合した場合に、本発明の組
成物と当該他の樹脂との相溶性を高めることができる。
【0014】共重合可能なその他の単量体成分は、単独
であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。上記共重合可能なその他の単量体成分の共重合量
は、単量体成分(b)の全共重合量の0〜40重量%で
あることが好ましく、さらに好ましくは0〜30重量%
である。
【0015】本発明の組成物を構成するグラフト共重合
体組成物(A1)のグラフト率は、20〜150%、好
ましくは30〜120%、特に好ましくは40〜120
%である。ここで、グラフト率(%)は、ゴム質重合体
(a)にグラフトした単量体成分の割合であり、次式に
より求められる値である。 グラフト率(%)=100×(T−S)/S 〔ここで、Tはゴム強化樹脂1gをアセトン20mlに
投入し、振とう機で、常温、2時間振とうし、遠心分離
機(回転数23,000rpm)で60分間遠心分離
し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分重量、
Sはゴム強化樹脂1g中のゴム質重合体の重量を表
す。〕 グラフト率が少なすぎると、本発明の組成物の耐衝撃強
度が劣り、一方、多すぎると、難燃性に劣る。
【0016】本発明の組成物のアセトン可溶分の極限粘
度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測定)は、
好ましくは0.2〜1.2dl/g、さらに好ましくは
0.2〜1dl/g、特に好ましくは0.3〜1dl/
gである。極限粘度〔η〕が上記範囲内であると、本発
明の組成物は耐衝撃性、耐熱性に優れる。
【0017】本発明の組成物を構成するグラフト共重合
体組成物(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、
芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を主成
分とする単量体成分を、好ましくは乳化重合法でラジカ
ルグラフト重合を行うことにより得ることができる。こ
の際、乳化重合には、重合開始剤、連鎖移動剤(分子量
調節剤)、乳化剤、水などが用いられる。なお、グラフ
ト共重合体組成物(A1)を製造する際、ゴム質重合体
(a)全量の存在下に、単量体成分(b)を一括添加し
て重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合して
もよい。また、これらを組み合わせた方法で重合しても
よい。さらに、ゴム質重合体(b)の全量または一部を
重合途中で添加して重合してもよい。
【0018】上記重合開始剤としては、クメンハイドロ
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなど
で代表される有機ハイドロパーオキサイド類と、含糖ピ
ロリン酸処方、スルホキシレート処方などで代表される
還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤、
あるいは過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシラウレイト、t−ブチルパーオキシモノカー
ボネートなどの過酸化物からなる重合開始剤が好ましく
挙げられる。重合開始剤は、重合系に一括または連続的
に添加することができる。重合開始剤の使用量は、単量
体成分(b)100重量部に対し、通常、0.1〜1.
5重量部、好ましくは0.2〜0.7重量部である。
【0019】連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメ
ルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テト
ラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、ターピノ
ーレン、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げられ
る。連鎖移動剤の使用量は、単量体成分(b)100重
量部に対して、通常、0.05〜2重量部用いられる。
【0020】乳化重合の場合に使用する乳化剤として
は、前記乳化剤と同様の高級アルコールの硫酸エステ
ル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアル
キルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムな
どの脂肪族スルホン酸塩、ロジン酸塩などの高級脂肪族
カルボン酸塩、リン酸系などのアニオン性界面活性剤、
ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキ
ルエーテル型などのノニオン系界面活性剤が挙げられ
る。このときの乳化剤の使用量は、通常、単量体成分
(b)100重量部に対して、通常、0.3〜5重量部
である。
【0021】このようにして調製されたグラフト共重合
体組成物(A1)は、幹ポリマーであるゴム質重合体
(a)に単量体成分(b)の共重合体が枝ポリマーとし
て結合しているグラフト共重合体と、ゴム質重合体
(a)に結合していない単量体成分(b)の共重合体と
の混合物である。グラフト共重合体組成物(A1)中に
グラフト共重合体が占める割合は、30〜95重量%が
好ましく、より好ましくは40〜90重量%である。グ
ラフト共重合体が占める割合が少なすぎると、本発明の
組成物の耐衝撃性が低下する。また、グラフト共重合体
が占める割合が95重量%を越えるグラフト共重合体組
成物(A1)は、製造が困難となる。なお、上記グラフ
ト共重合体組成物(A1)中にグラフト共重合体が占め
る割合は、ゴム質重合体(a)と単量体成分(b)との
量割合、重合開始剤の種類と使用量、連鎖移動剤の種類
と使用量、その他重合温度などの重合条件を選択するこ
とにより調整することができる。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記グラ
フト共重合体組成物(A1)であってもよく、グラフト
共重合体組成物(A1)に、単量体成分(b)の共重合
体(A2)を配合したものでもよい。ここで、共重合体
(A2)の単量体成分は、上記グラフト重合に使用され
る単量体成分と同一の組成であっても、異なっていても
よいが、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合
物を含む。また、上記共重合体(A2)は、数種の共重
合体を組み合わせたものであってもよい。好ましい共重
合体(A2)としては、スチレン−アクリロニトリル共
重合体(スチレン/アクリロニトリル=60〜80/4
0〜20:重量比)、スチレン−アクリロニトリル−メ
チルメタクリレート共重合体(スチレン/アクリロニト
リル/メチルメタクリレート=15〜25/5〜15/
60〜75:重量比)などが挙げられる。上記共重合体
(A2)は、例えば、懸濁重合、バルク重合などで重合
して得ることができる。上記共重合体(A2)の極限粘
度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測定)は、
好ましくは0.2〜1dl/g、さらに好ましくは0.
3〜1dl/g、特に好ましくは0.3〜0.8dl/
gである。極限粘度〔η〕が上記範囲内であると、耐衝
撃性、耐熱性などに優れた本発明の熱可塑性樹脂組成物
が得られる。
【0023】本発明の代表的な熱可塑性樹脂組成物とし
ては、下記のような組成が挙げられる。 ポリブタジエン−スチレン−アクリロニトリルグラフ
ト共重合体/スチレン−アクリロニトリル共重合体から
なる組成物(組成物中のスチレン/アクリロニトリル=
60〜80/40〜20:重量比、ゴム質重合体(a)
量=5〜25重量%) エチレン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体−
スチレン−アクリロニトリルグラフト共重合体/スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体からなる組成物(組成物
中のスチレン/アクリロニトリル=60〜80/40〜
20:重量比、ゴム質重合体(a)量=5〜25重量
%) アクリルゴム−スチレン−アクリロニトリルグラフト
共重合体/スチレン−アクリロニトリル共重合体からな
る組成物(組成物中のスチレン/アクリロニトリル=6
0〜80/40〜20:重量比、ゴム質重合体(a)量
=5〜25重量%)
【0024】本発明の組成物中の有機酸成分の含有量
は、2重量%以下、好ましくは1.7重量%以下、より
好ましくは1.5重量%以下、最も好ましくは1重量%
以下である。有機酸成分の含有量が多いと、本発明の目
的である金型成形面の汚染の改良効果は得られない。ま
た、組成物中の有機酸成分の含有量の下限量は、工業的
な生産性を考慮すると0.1重量%である。なお、本発
明における有機酸は、オレイン酸、ステアリン酸および
パルミチン酸を意味するものである。
【0025】上記有機酸は、例えば、グラフト共重合体
組成物(A1)の原料として使用されるゴム質重合体
(a)をラテックス状に保持するための乳化剤やグラフ
ト共重合体組成物(A1)の製造時に使用される乳化剤
などの乳化剤成分が、グラフト共重合体組成物(A1)
の製造時に使用される硫酸塩などの無機酸からなる凝固
剤により乳化剤成分から遊離して有機酸となり(A1)
成分中に存在するもの、乳化剤としての機能を喪失させ
る硫酸マグネシウムなどの凝固剤により乳化剤成分から
遊離や加水分解などにより有機酸となり、(A1)成分
中に存在するもの、そのほか、各種原料に主剤または不
純物として含有される有機酸またはその誘導体、安定剤
または滑剤として用いられる有機酸が挙げられる。上記
有機酸含有量を本発明の範囲内にする方法としては、乳
化重合法で得られた有機酸またはその誘導体を含有する
乳化剤が存在するグラフト共重合体組成物(A1)のラ
テックスからグラフト共重合体組成物(A1)の粉体を
回収する凝固工程で、例えば、塩化マグネシウム、硫酸
マグネシウム、塩化カルシウムなどの無機塩を用いる方
法、または有機酸含有量の高いグラフト共重合体組成物
(A1)の粉体をアルカリ洗浄する方法が挙げられる。
この場合、凝固工程の段階やアルカリ処理での、温度、
水量、処理時間、凝固剤量、凝固剤の混合物方法、攪拌
方法、アルカリ物質の濃度などの条件を適宜選択するこ
とで、有機酸含有量を上記範囲に低減することができ
る。
【0026】また、本発明の組成物は、オリゴマー成分
の含有量が2重量%以下であることが好ましく、より好
ましくは1.7重量%以下、さらに好ましくは1.2重
量%以下である。オリゴマー成分の含有量が上記範囲で
あると、さらに効率良く金型成形面の汚染が防止され
る。オリゴマー成分は、グラフト共重合体組成物(A
1)、共重合体(A2)を製造する際の重合中に生成す
る。このオリゴマー成分は、これらの重合に使用される
単量体のダイマーおよびトリマーである。オリゴマー成
分の含有量を上記範囲内にする方法としては、例えば重
合時の温度を下げる、重合時の単量体組成をアゼオトロ
ープ組成(例えばスチレン/アクリロニトリル=75/
25:重量比)に近づけるなどの方法が挙げられる。さ
らに、共重合体(A2)の重合の際、熱重合によるより
も触媒を用いた重合を行う方が、オリゴマー成分の生成
が少なく好ましい。これらの方法を適宜組み合わせるこ
とにより、重合時のオリゴマー成分の生成を抑制するこ
とができ、本発明の組成物中のオリゴマー成分の含有量
を上記範囲内にすることができる。
【0027】なお、有機酸成分およびオリゴマー成分の
含有量は、下記実施例に示された方法で測定することが
できる。
【0028】本発明の組成物中の水分の含有量は、好ま
しくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量
%以下、特に好ましくは0.2重量%以下である。水分
が上記範囲内であると、成形品の、耐熱変色性、シルバ
ーストリークが改良される。なお、上記水分の含有量
は、250℃条件におけるカールフィッシャー法で測定
された測定値である。
【0029】本発明の組成物には、難燃剤を配合するこ
とができる。難燃剤としては、トリメチルフォスフェー
ト、トリエチルフォスフェート、トリプロピルフォスフ
ェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォ
スフェート、縮合リン酸エステル、フォスファゼンなど
のリン系難燃剤が好ましい。リン系難燃剤のなかでも、
下記一般式(I)で表される縮合リン酸エステルおよび
/またはホスファゼン化合物が好ましい。
【0030】
【化1】
【0031】(上記一般式(I)中、R、R、R
およびRは、それぞれ独立して、フェニル基またはキ
シレニル基を表し、Xはレゾルシノールまたはビスフェ
ノールAの水酸基から水素原子を除いた2価の残基(以
下、各々「レゾルシノール残基」、「ビスフェノールA
残基」ともいう)を表し、nは0.5〜1.2であ
る。) ここで、上記一般式(I)で表される縮合リン酸エステ
ルは、1種類の化合物としてまたは2種類以上の異なる
縮合リン酸エステルの混合物として、いずれの形態でも
使用することができる。上記R〜R中のフェニル基
は、その芳香族環の水素原子がアルキル基などにより置
換されていてもよい。また、上記Xは、ジヒドロキシ化
合物であるレゾルシノールまたはビスフェノールAから
誘導される基である。上記縮合リン酸エステルが混合物
の場合は、nの値は、縮合リン酸エステルの混合物中の
平均値(平均重合度)を表し、平均重合度nは0.5〜
1.2、好ましくは0.7〜1.2、さらに好ましくは
0.9〜1.1である。平均重合度nが小さすぎる場合
には、耐熱性が低下し、成形品のシルバー不良など外観
不良を発生しやすい。一方、平均重合度nが大きすぎる
縮合リン酸エステルは、製造が困難であるため高価格で
あり経済的に利用し難い。
【0032】一方、ホスファゼン化合物としては、例え
ば、"Studies in Inorganic Chemistry 6 Phosphorus
(Third Edition)" (ELSEVIER)に記載のある、下記一般
式(II)で表される直鎖状ホスファゼンおよび下記一般
式(III)で表される環状ホスファゼンが挙げられる。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】(上記一般式(II)および(III)におい
て、nは0〜15、好ましくは1〜10の整数を表し、
複数個存在するRは、それぞれ独立に、アルキル基、ア
リル基、アルコキシ基、アリロキシ基、アミノ基および
ヒドロキシ基から選ばれる官能基を表す。上記アルコキ
シ基およびアリロキシ基の水素原子は、アルキル基、ア
リル基、アミノ基、ヒドロキシ基などで置換されていて
も良い。また、アミノ基の水素原子は、アルキル基、ア
リル基などで置換されていても良い。) 上記ホスファゼン化合物の具体例としては、例えばプロ
ポキシホスファゼン、フェノキシホスファゼン、メチル
フェノキシホスファゼン、アミノホスファゼン、フルオ
ロアルキルホスファゼンなどが挙げられる。特に、その
合成方法および入手容易性などからみて、フェノキシホ
スファゼンが好ましい。これらは、1種または2種以上
の混合物であっても良いし、環状と直鎖状の混合物であ
っても良い。また、本発明に用いられるホスファゼン化
合物は、同一分子内のRがすべて同種の基であっても良
いし、2種類以上の異なった基であっても良い。このよ
うな混合置換ホスファゼンの具体例としては、分子内の
一部をフェノキシ基で置換し、その後にプロポキシ基で
置換したホスファゼン、すなわち、フェノキシプロポキ
シホスファゼンなどが挙げられる。市販のホスファゼン
は一般にクロロホスファゼンをアルコールやフェノール
などで置換することにより合成される。
【0036】上記難燃剤は、1種単独であるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。また、上記縮合
リン酸エステルおよびホスファゼン化合物を包含する難
燃剤の配合量は、本発明の組成物100重量部に対し、
5〜20重量部、好ましくは5〜18重量部、さらに好
ましくは5〜15重量部である。配合量が少な過ぎる
と、難燃性が不充分であり、一方、多すぎると、耐熱性
が低下する。
【0037】さらに、本発明の組成物には、必要に応じ
て、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、タルク、
マイカ、カオリン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ミ
ルドファイバー、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウ
ムウィスカーなどの充填材を、1種単独でまたは2種以
上を組み合わせて用いることができる。これらの充填材
を配合することで、本発明の組成物に剛性を付与するこ
とができる。また、タルクなどを配合することで、本発
明の組成物に艶消し性を付与することができる。また、
本発明の組成物には、アンチモン化合物、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどの難燃助剤、シランカップリング
剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止剤、耐候(耐光)剤、
可塑剤、着色剤(顔料、染料など)、滑剤、帯電防止
剤、シリコーンオイルなどの添加物を、要求される性能
を損なわない範囲で配合することができる。
【0038】さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物に
は、要求される性能に応じて、他の(共)重合体(他の
樹脂)を配合することができる。ここで、他の(共)重
合体としては、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、液晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、スチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリア
ミドイミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂などが
挙げられる。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダ
ールーダーなどを用い、各成分を混練りすることにより
得られる。好ましい製造方法は、押出機、バンバリーミ
キサーを用いる方法である。また、各成分を混練りする
に際しては、各成分を一括して混練りしてもよく、数回
に分けて添加混練りしてもよい。混練りは、押出機で多
段添加式で混練りしてもよく、またバンバリーミキサ
ー、ニーダーなどで混練りし、その後、押出機でペレッ
ト化することもできる。
【0040】このようにして得られる本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、射出成形、シート押出、真空成形、異形
成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成
形、ブロー成形などによって、各種成形品に成形するこ
とができる。なお、上記射出成形において、ピンポイン
トゲートを好適に使用することができる。
【0041】上記成形法によって得られる各種成形品
は、耐衝撃性および耐熱性に優れており、OA・家電分
野、電気・電子・通信分野、コンピュータ分野、雑貨分
野、サニタリー分野、車両分野などで使用することがで
き、特にピンポイントゲートを使用して射出成形された
成形品は、電子部品内蔵の機器のハウジングに好適に使
用することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は、以下の実施例に何等制約される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定したものである。
【0043】(1)ゴム質重合体の平均粒径 ラテックス中の分散粒子の粒子径を光散乱法で測定し
た。測定機器は、大塚電子(株)製、レーザー粒径解析
システムLPA−3100であり、70回積算で、キュ
ムラント法を用いて、平均粒径を測定した。なお、熱可
塑性樹脂組成物中の分散ゴム質重合体粒子の平均粒径
は、ラテックス中のゴム質重合体粒子の平均粒径を示す
ことが確認された。
【0044】(2)有機酸含有量 熱可塑性樹脂組成物を溶媒(1,4−ジオキサン)に溶
解させた後、含有される有機酸をジアゾメタンでメチル
エステル化し、水素炎イオン化検出器を備えたガスクロ
マトグラフィーを用いて有機酸含有量(%)を測定し
た。 (3)オリゴマー成分含有量 熱可塑性樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させた
後、n−ペンタンでポリマー分を再沈し、その上澄み液
をガスクロマトグラフィーにて分析し、ダイマー、トリ
マーの合計から、オリゴマー成分含有量(%)を定量し
た。
【0045】(4)グラフト率 既に記載した方法による。 (5)熱可塑性樹脂組成物のアセトン可溶分の極限粘度
〔η〕 熱可塑性樹脂組成物1.0gにアセトン25mlを加え
て3時間振とうし、その後、回転数23,000rpm
で遠心分離し、可溶分と不溶分を分離した。可溶分中の
アセトンを蒸発させた後、メチルエチルケトンに溶解
し、濃度の異なるものを5点作った。ウベローデ型粘度
計を用い、30℃下各濃度の還元粘度を測定した結果か
ら、極限粘度〔η〕を求めた。単位はdl/gである。
【0046】(6)共重合体(A2)の極限粘度〔η〕 共重合体(A2)をメチルエチルケトンに溶解し、濃度
の異なるものを5点作った。ウベローデ粘度管を用い、
30℃で各濃度の還元粘度を測定した結果から、極限粘
度〔η〕を求めた。単位はdl/gである。 (7)流動性(メルトフローレート) JIS K7210に準じて測定した。測定温度は22
0℃、荷重は98N、メルトフローレートの単位はg/
10分である。 (8)耐衝撃性(アイゾット衝撃強度) (株)日本製鋼所製の射出成形機J100E−C5を用
い、JIS K7110の2号型試験片を成形し、アイ
ゾット衝撃強度を測定した。単位は、J/mである。
【0047】(9)熱変形温度(HDT) 幅6.4mm×長さ128mm×厚み12.8mmの試
験片を使用し、JISK7207に準拠して、曲げ応力
18.5kgf/cmで測定した。 (10)燃焼性評価(難燃性) UL94規格に定められた方法により、長さ5″×幅1
/2″×厚み1/12″の試験片について垂直燃焼試験
を行った。評価結果としては、「V−2」は垂直試験結
果でV−2合格を、「B」は燃焼(burning)で
V−2不適合を表す。 (11)落錘衝撃強度 (株)島津製作所製の高速衝撃試験機サーボパルサEH
F−2H−20Lを用い、50×80×2.4mm厚み
の試験片の破壊エネルギーを測定した。測定条件は、試
験片受け台径30φ、打撃棒先端12.7R、打撃速度
3.1m/sである。単位は、kgf・cmである。 (12)耐金型汚染評価 円板(半径5cm、厚み2mm)の金型を用い、500
ショット成形した後の、金型への粘稠付着物の有無を目
視にて判定した。判定結果を、下記の基準で示した。 ○:付着物なし ×:付着物あり
【0048】参考例1〔ゴム質重合体(a)〕 ゴム質重合体(a)として、平均粒径330nm、ゲル
分率85%ポリブタジエンラテックスを使用した。この
ポリブタジエンラテックスは、乳化剤としてロジン酸カ
リウム、オレイン酸カリウムおよびパルミチン酸カリウ
ムを用いて製造したものである。
【0049】参考例2〔グラフト共重合体組成物(A
1)成分の調製〕 表1に示す処方で、ゴム質重合体(a)、単量体成分と
してスチレンおよびアクリロニトリル、乳化剤としてロ
ジン酸カリウムを用いて、乳化重合を行い、グラフト共
重合体(A1−1〜5)のラテックスを得た。これらの
ラテックスからのグラフト共重合体組成物の回収は、A
1−1〜4のラテックスでは、凝固剤として硫酸マグネ
シウムを用いてグラフト共重合体を析出させ、遠心分離
機を用いて回収し、充分水洗と乾燥を行い、グラフト共
重合体組成物粉末(A1−1〜4)を得た。一方、A1
−5のラテックスは、凝固剤として硫酸を用い、その他
は上記と同様にして、グラフト共重合体組成物粉末(A
1−5)を得た。グラフト共重合体組成物粉末(A1−
1〜5)のグラフト率、有機酸含有量、オリゴマー成分
含有量を、表1に示す。
【0050】参考例3〔共重合体(A2)成分の調製〕 また、表1に示す処方で、スチレンおよびアクリロニト
リルを用いて、溶液重合で共重合体(A2−1〜2)を
得た。この際、重合触媒としてターシャリブチルパーオ
キサイドを用いて、重合温度110℃で重合を行った。
重合終了後、重合溶液は、ベント付き押出機を用いて、
溶媒の除去と共重合体のペレット化を行い、共重合体
(A2−1〜2)のペレットを得た。共重合体(A2−
1〜2)のペレットの極限粘度、有機酸含有量、オリゴ
マー成分含有量を、表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】参考例4(リン系難燃剤) 下記に示す縮合リン酸エステル(B−1〜4)およびホ
スファゼン化合物(B−5)を使用した。 (B−1):上記一般式(I)のR〜Rがフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが1.1の縮合リン
酸エステル。 (B−2):上記一般式(I)のR〜Rが2,6−
キシレニル基、Xがレゾルシノール残基、nが1.0の
縮合リン酸エステル。 (B−3):上記一般式(I)のR〜Rがフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが0.6の縮合リン
酸エステル。 (B−4):上記一般式(I)のR〜Rがフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが0.3の縮合リン
酸エステル。 (B−5):下記化学式(IV)で示されるフェノキシホ
スファゼン(ただし、n=1の化合物とn=2の化合物
の混合物)
【0053】
【化4】
【0054】実施例1〜9、比較例1〜2 上記各成分を、表2〜3に示す配合割合でヘンシェルミ
キサーにより3分間混合した後、ナカタニ機械(株)製
のNVC型50mmベント付き押出機でシリンダー設定
温度180〜220℃で溶融押出しし、ペレットを得
た。得られたペレットを充分に乾燥し、(株)日本製鋼
所製の射出成形機J100E−C5を用い、シリンダー
温度200℃、金型温度50℃で射出成形し、各種評価
用試験片を得た。この試験片を用い、上記評価法で評価
した。評価結果を表2〜3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】実施例1〜4より明らかなように、本発明
の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、いずれも耐衝撃強度、
耐熱性、難燃性、耐金型汚染性に優れている。また、実
施例5〜9より明らかなように、リン系難燃剤を添加す
ると難燃性にも優れる。比較例1および2は、有機酸含
有量が本発明の範囲を超えた例であり、金型汚染の改良
がなされていない。
【0058】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性や耐熱性などの実用的物性に優れ、かつ金型汚染が改
良されている。そして、その成形品は、OA・家電分
野、電気・電子・通信分野、コンピュータ分野、雑貨分
野、サニタリー分野、車両分野などで使用することがで
き、特にピンポイントゲートを使用して射出成形された
成形品は、電子部品内蔵の機器のハウジングに好適に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BC06X BC08X BC09X BN06W BN12W BN15W BN17W FD010 FD130 GB00 GC00 GN00 GQ00 4J100 GC01 GC07 GC17 JA28 JA43 JA57 JA60

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族
    ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、および必要に応
    じて他の共重合可能な単量体からなる単量体成分(b)
    をグラフト重合して得られるグラフト共重合体組成物
    (A1)からなるか、または該グラフト共重合体組成物
    (A1)および単量体成分(b)の共重合体(A2)か
    らなる熱可塑性樹脂組成物であって、 有機酸成分の含有量が2重量%以下であることを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US12006429B2 (en) 2018-09-21 2024-06-11 Lg Chem, Ltd. Thermoplastic resin composition

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