JP2002205343A - 管状体 - Google Patents
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Abstract
し、優れた性能を発揮する管状体を提供することを目的
とする。 【解決手段】 特定方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を
含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回してなる管状体
であって、前記強化繊維は、前記管状体の軸長方向に対
して傾いた状態で、かつ、前記強化繊維の長手方向が螺
旋状になるように位置することを特徴としている。
Description
は熱可塑性樹脂をマトリクスとし、強化繊維で強化した
材料を用いた管状体に関する。
スキーストック、自転車のフレーム、バトミントンやテ
ニスのラケット用の管状体には、高弾性・高強度等の特
性が要求されているので、熱硬化性樹脂または熱可塑性
樹脂をマトリクスとし、強化繊維で強化した材料、いわ
ゆる繊維強化プリプレグを巻回してなる管状体が使用さ
れている。
をマンドレルに所定回数巻回し、これに加熱処理を施
し、冷却し、マンドレルを除去することにより製造され
る。上記用途に使用する管状体は、その径に対して長さ
が充分に長いので、製造における加熱・冷却の温度差に
より熱応力が加わると、わずかな肉厚のバラツキや強化
繊維の含有密度のバラツキにより曲りが生じてしまう。
じると、強度等の特性に異方性ができるので好ましくな
い。したがって、管状体の製造後に曲りを矯正する必要
がある。このような曲り矯正工程は製造コストの上昇に
つながり好ましくない。
における曲りを矯正する方法として、特開昭54−91
571号公報や特開昭56−2123号公報に開示され
ている技術がある。これらの技術は、管状体の製造時に
矯正治具を用いて曲りを矯正するものであるが、製造工
程が複雑になり製造コストが上昇し、しかも曲りの矯正
効果も不充分である。
あり、製造時において生じる曲りを緩和し、優れた性能
を発揮する管状体を提供することを目的とする。
特定方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を含浸してなる繊
維強化プリプレグを巻回してなる管状体であって、前記
強化繊維は、前記管状体の軸長方向に対して傾いた状態
で、かつ、前記強化繊維の長手方向が螺旋状になるよう
に位置することを特徴とする管状体を提供する。
えた強化繊維に樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグ
を巻回してなる管状体であって、巻回された繊維強化プ
リプレグの最外層の端部に前記繊維強化プリプレグの肉
厚に起因する段差を埋める充填部が設けられており、少
なくとも最外層の繊維強化プリプレグの端部が前記管状
体の軸長方向に対して傾いて位置することを特徴とする
管状体を提供する。
含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回してなり、継合
部を有する管状体であって、前記継合部において、管状
体の作製時に発生する曲りが補正されることを特徴とす
る管状体を提供する。
て図面を参照して具体的に説明する。
維に樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回して
なる管状体の製造において発生する曲りについて鋭意検
討し、曲りを緩和する手段を研究して種々の手段を見出
した。その手段を以下に説明する。
である。図中1a,1bは管状体本体を示す。管状体本
体1a,1bは、繊維強化プリプレグにより構成され
る。繊維強化プリプレグは、特定方向に引き揃えた強化
繊維に樹脂を含浸してなるものであり、繊維強化プリプ
レグを構成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊
維、アルミナ繊維、アラミド繊維等を用いることがで
き、含浸させる樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。な
お、図1においては、弾性率が30トン以下であり、線
膨張係数が正の炭素繊維を用いた場合を示す。
れている。このとき、管状体本体の作製時に発生する曲
りの仮想中心点(図中の矢印方向に存在する仮想点)か
ら比較的遠い側1a上には、樹脂層2aが形成されてお
り、管状体本体の作製時に発生する曲りの仮想中心点か
ら比較的近い側1b上には、樹脂層2bが形成されてい
る。
おいては、軸長方向に対する縦弾性率と線膨張率の積が
大きい側は、管状体の製造時に高温から常温に降温する
と、収縮力が比較的大きく作用し、管状体が曲がる。本
発明においては、軸長方向に対する縦弾性率と線膨張率
の積が大きい側と反対側を、管状体本体の作製時に発生
する曲りの仮想中心点から比較的遠い側と規定してい
る。
する曲りの仮想中心点から比較的遠い側1aは、曲りの
仮想中心点から比較的近い側1bに比べて作用する収縮
力が小さいので、反った状態となる。通常、曲りの仮想
中心点から比較的遠い側1aは管状体本体の肉厚が薄
く、曲りの仮想中心点から比較的近い側1bは管状体本
体の肉厚が厚い。
ら比較的遠い側1a上に比較的厚い樹脂層2aを形成す
るか、管状体本体よりも大きい線膨張係数を有する材料
で構成された樹脂層2aを形成する。もちろん、曲りの
仮想中心点から比較的近い側1b上に比較的薄い樹脂層
2bを形成するか、管状体本体よりも小さい線膨張係数
を有する材料で構成された樹脂層2bを形成しても良
い。
厚さの差は、管状体の曲がりを補正することができるよ
うに設定する。したがって、管状体の曲がりを補正する
ことができれば特に制限されない。また、樹脂層を構成
する合成樹脂としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹
脂等の熱硬化性樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可
塑性樹脂、上述した繊維強化プリプレグ等を挙げること
ができる。また、管状体本体、すなわち繊維強化プリプ
レグよりも大きい線膨張係数を有する材料としては、エ
ポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂、軸長
方向に対して傾斜するように強化繊維を配置した前記熱
硬化性樹脂の弾性率が比較的低い材料等を挙げることが
できる。この場合、前記樹脂層にステンレス鋼、チタン
等の金属繊維(約10μm程度)を埋め込んで管状体本
体よりも線膨張係数を大きくしても良く、前記樹脂層に
内部残留応力(内部エネルギー)を与えて管状体本体よ
りも線膨張係数を大きくしても良い。また、管状体本体
よりも線膨張係数を小さくする場合には、樹脂層2bに
高弾性の炭素繊維(例えば弾性率が40トン以上)を主
に軸長方向に引き揃えて添加すること等が挙げられる。
きるだけ小さくするために、補助プリプレグ(先端部に
巻回するプリプレグ、剛性を調整するために巻回するプ
リプレグ、補強用に巻回するプリプレグ、合わせ部の肉
盛り用に巻回するプリプレグ)を配置して曲りの影響を
緩和しても良い。この場合、補助プリプレグの態様とし
ては、以下に示すものが挙げられる。
向を30°傾けて巻回する。
る。
以上(目に樹脂が詰まる程度)の炭素繊維織布を用い
る。
交差しているものを用いる。
を有するものを用いる。
体的には、巻回端部を突き合わせるか、巻回端部間にわ
ずかに間隙を有する整数回巻回とする。
うにする。具体的には、低い樹脂含有量のものを用いる
か、端部に先端に向って肉厚が薄くなるような形状とす
る。
からなるプリプレグをさらに巻回または同時巻回する。
部材を嵌着するか、先耳を用いずに補強リングを嵌着す
る。
等方性化やプリプレグの樹脂流動の防止に寄与し、
(7)はプリプレグの偏肉の防止に寄与し、(8)〜
(11)は合わせ部の肉盛りに寄与する。
方向が異なるように(管周方向と軸長方向)複数層重ね
合わせる。
レグに高弾性のものを用い、繊維方向が軸長方向である
プリプレグに低弾性のものを用いる。
体の曲りをより緩和することができる。
以下であり、線膨張係数が正の炭素繊維を用いた場合を
示しており、弾性率が40トン以上であり、線膨張係数
が負の炭素繊維を用いた場合には、曲りの凸側、すなわ
ち曲りの仮想中心点から比較的遠い側が図1の場合と反
対側になる。しかしながら、上記と同様にすることによ
り、管状体の曲りを緩和することができる。
わち曲りの仮想中心点から比較的近い側に薄い樹脂層を
形成するか、管状体本体よりも小さい線膨張係数を有す
る材料で構成された樹脂層を形成しているが、必ずしも
曲りの凹側には樹脂層を形成しなくても良い。
を示す説明図である。この管状体においては、管状体を
構成する繊維強化プリプレグの強化繊維の繊維方向5b
が竿管5の軸芯5aに対してわずかに傾斜している。軸
芯5aに対する繊維方向5bの角度は、曲りと剛性への
影響を考慮すると、5°を超えないことが望ましい。ま
た、繊維方向5bの角度は、竿管5の竿元側よりも竿先
側の方が相対的に大きいことが好ましい。このようにす
ることにより、竿先側に発生し易い曲りを効率良く防止
することができる。
手方向が螺旋状になるように位置する。この場合、竿管
5の竿先部から竿元部までで螺旋が少なくとも1回転で
あることが好ましい。螺旋数は、竿管5の長さにより異
なるが、剛性が低下しない程度においてできるだけ多い
方が好ましい。例えば、竿管5の竿先部から竿元部まで
で螺旋が2〜4回転である。
に対して傾いた状態で、かつ、強化繊維の長手方向が螺
旋状になるように位置する強化繊維を含む繊維強化プリ
プレグ層が存在すれば良く、その他に、繊維方向が管周
方向である繊維強化プリプレグ層等が巻回層中に存在し
ていても良い。
に加わる曲り応力が管周方向に分散し、大きく弓状に曲
がることを防止できる。また、わずかな曲りが軸長方向
に沿って螺旋状に生じても、全体としては性能に影響を
与えない。すなわち、管状体における性能の異方性が防
止される。
用する繊維強化プリプレグとしては、参考例において使
用するものと同じものを使用することができる。
を示す説明図である。また、図3は図2における巻回端
部を示す拡大断面図である。この管状体においては、巻
回された繊維強化プリプレグの最外層の端部に繊維強化
プリプレグの肉厚に起因する段差を埋める充填部(肉厚
調整部)4が設けられており、少なくとも最外層の繊維
強化プリプレグの巻回端部3が管状体の軸長方向に対し
て傾いて位置している。ここで、少なくとも最外層の繊
維強化プリプレグの巻回端部3を管状体の軸長方向に対
して傾いて位置させる場合、通常管状体を製造するよう
に繊維強化プリプレグを巻回し、最外層から1プライ
(巻き)もしくは複数プライを管状体の軸長方向に対し
て傾斜させて巻回する方法、1プライもしくは複数プラ
イ毎に管状体の軸長方向に対して対称に傾斜させて巻回
する方法等を挙げることができる。なお、少なくとも最
外層の繊維強化プリプレグの巻回端部3が管状体の軸長
方向に対して傾いて位置していれば、単一の繊維強化プ
リプレグで管状体を構成しても良い。
端部3に繊維強化プリプレグの肉厚に起因する段差を埋
める充填部(肉厚調整部)4が設けられている。この充
填部4は、繊維強化プリプレグの最外層の表面とその下
の層の表面との間を緩やかな傾斜面で繋ぐものであり、
肉厚差に起因する段差を吸収する役割を果たす。この充
填部4は、強化繊維の繊維方向が軸長方向と異なる方向
(図3においては、軸長方向に対して傾斜する方向)に
引き揃えた強化繊維に樹脂を含浸させてなる繊維強化プ
リプレグで構成することが好ましい。なお、強化繊維の
方向については、軸長方向に対して傾いていれば特に限
定されない。これにより、大きな荷重が加わっても段差
に集中する応力が分散され、この端部における剥離や割
れ等の発生を防止することができる。この場合、充填部
4における繊維強化プリプレグの樹脂溜りが起らないよ
うに、少なくとも最外層の繊維強化プリプレグの巻回端
部3を管状体の軸長方向に対して傾いて位置させる。こ
れにより、強化繊維の蛇行や移動等が防止され、強化繊
維のバラツキが少なくなる。
て複数プライで構成する場合、管状体に加わる曲り応力
に影響が大きい繊維強化プリプレグ(例えば、線膨張係
数が大きい繊維強化プリプレグ)を内層に巻回する。具
体的には、線膨張係数が大きいものを内層にし、線膨張
係数が小さいものを外層にする。あるいは、弾性率が高
いものを内層にし、弾性率が低いものを外層にする。あ
るいは、厚さが薄いものを内層にし、厚さが厚いものを
外層にする。あるいは、整数プライ(巻回数が整数)の
ものを内層とし、半端プライ(1巻きに満たない)のも
のを外層にする。これらの場合、管状体に加わる曲り応
力に影響が大きいもの(内層)の巻回の際の重ねしろ
は、できるだけ小さく、好ましくは無いことが良い。管
状体に加わる曲り応力に影響する他の要因としては、繊
維強化プリプレグを構成する樹脂や強化繊維、巻回方法
や巻回構成、補助耳の有無、管状体の径、テーパーの有
無、管状体の断面形状等が挙げられる。これらの要因を
考慮して、管状体に加わる曲り応力への影響が大きいも
のを内層に配置することが好ましい。
厚いものを外層にする場合、厚さが薄いものの重ねしろ
(管周方向)を大きくし、厚さが厚いものの重ねしろ
(軸長方向)を小さくすることが好ましい。また、半端
プライについては、管状体の曲りの仮想中心点から比較
的遠い側に配置して曲りを緩和することが好ましい。ま
た、上記具体的な巻回態様は適宜組み合わせても良い。
響が大きい繊維強化プリプレグを内層に巻回することに
より、内層による管状体の曲りの影響を外層で緩和する
ことができ、曲りが緩和された管状体を得ることができ
る。
よび充填部に使用する繊維強化プリプレグとしては、参
考例において使用するものと同じものを使用することが
できる。
有しており、継合部において、管状体の作製時に発生す
る曲りが補正されることを特徴としている。この曲り補
正の態様としては、例えば図5〜図8に示すものが挙げ
られる。
継ぎ合わせる他の竿管の継合い面7を竿管5の軸芯5a
に対してほぼ平行に加工する。この場合、他の竿管を継
合部6で継ぎ合わせることにより、継合部における曲り
分hが補正され、全体として軸芯がほぼ一致するので、
曲りが緩和された管状体となる。
他の竿管8と継ぎ合わせる際に、竿管5の先端部5cに
加工を施している。この加工としては、機械加工により
先端部5cの継合い面(内面および/または外面)への
加工や、先端部5cの曲りが修正されるような成形等が
挙げられる。このような加工により、竿管5の先端部5
cにおける軸芯を他の竿管8の軸芯に近付ける。この場
合、他の竿管8を竿管5と継ぎ合わせることにより、全
体として軸芯がほぼ一致するので、曲りが緩和された管
状体となる。なお、図6に示すように、竿管5の両端部
に他の竿管8を継ぎ合わせる場合には、少なくとも一方
の先端部5cに上記加工を施せば効果が得られる。
合部6における内面を竿管5の軸芯とほぼ平行になるよ
うに加工し、曲り補正部材9の一端を嵌合させている。
この曲り補正部材9は、竿管5に嵌合させた後に接着剤
等により固定する。また、曲り補正部材9の他端は、他
の竿管8に嵌合される。この場合、竿管5の外側の形状
は、軸芯に対して曲りを有するが、継合部6の内面は軸
芯とほぼ平行に加工されており、嵌合された曲り補正部
材9の軸芯が竿管5の軸芯とほぼ一致するので、全体と
して曲りが緩和された管状体となる。
ずに、曲り補正部材9を竿管5の軸芯方向に沿って継合
部6に嵌合させ、接着固定しても良い。また、継合部6
の外面を竿管5の軸芯とほぼ平行になるように加工し
て、竿管5の継合部6を覆うような管状の曲り補正部材
を接着固定して曲りを緩和しても良い。また、この継合
い方式は、振出し、並継ぎ、逆並継ぎ等の任意の継合い
方式に適用することができる。
中心点から比較的遠い側の竿管本体部10の肉厚と、曲
りの仮想中心点から比較的遠い側の継合部6の肉厚を変
えている。強化繊維が炭素繊維である繊維強化プリプレ
グを用いた管状体の竿管本体部10aにおいては、肉厚
が薄い部分が曲りの仮想中心点から比較的遠い側とな
る、すなわち曲りの凸側となる傾向がある。この場合に
は、曲りの仮想中心点から比較的遠い側の継合部6aの
肉厚を竿管本体部10aの肉厚よりも厚くする。逆に、
曲りの仮想中心点から比較的近い側の継合部6bの肉厚
を竿管本体部10bの肉厚よりも薄くする。このような
構成にすることにより、曲りが補正されて全体として曲
りが緩和された管状体となる。
化プリプレグを用いた管状体の竿管本体部においては、
肉厚が厚い部分が曲りの仮想中心点から比較的遠い側と
なる、すなわち曲りの凸側となる傾向がある。したがっ
て、上記の場合と逆に、曲りの仮想中心点から比較的遠
い側の継合部6aの肉厚を竿管本体部10aの肉厚より
も薄くする。また、肉厚の差は、曲りが補正できれば特
に制限されない。また、図8においても、弾性率が30
トン以下であり、線膨張係数が正の炭素繊維を用いた場
合を示しており、弾性率が40トン以上であり、線膨張
係数が負の炭素繊維を用いた場合には、曲りの凸側、す
なわち曲りの仮想中心点から比較的遠い側が図8の場合
と反対側になる。この場合においても、上記と同様の態
様により曲りを緩和することができる。
示す説明図である。図9に示す管状体は、一定の径変化
率のテーパーまたはテーパー変化点が存在しても少なく
とも3/1000以下の変化であるテーパーで竿管5を
作製し、その継合部6に別部材で曲り補正層11を形成
したものである。この曲り補正層11は、竿管5を作製
後に管状の曲り補正部材を嵌着することにより設けても
良く、竿管5を作製後に竿管5を構成する繊維強化プリ
プレグの成形温度と異なる温度、好ましくは前記繊維強
化プリプレグの成形温度よりも低い成形温度の材料で肉
盛りして設けても良い。このような構成においても、曲
りを緩和した管状体を得ることができる。
グで構成しても良い。また、竿管5を構成する場合、重
ねしろ以外の部分の肉厚は均一であることが好ましい。
ーパーを有するマンドレル12を用いて繊維強化プリプ
レグを巻回する場合には、テーパーの径変化率が異なる
領域の肉厚を厚くすることにより、テーパー変化による
影響を緩和する。すなわち、ストレートに近い小さい径
変化率のテーパー部12aと、比較的大きい径変化率の
テーパー部12bとを有するマンドレルを用いる場合に
は、テーパー変化点12cを含む領域の肉厚が厚くなる
ように、本体プリプレグ13aと竿先側プリプレグ13
bとの重ね合わせ部、並びに本体プリプレグ13aと竿
元側プリプレグ13cとの重ね合わせ部の長さをできる
だけ長くする。この場合、竿先側プリプレグ13bと竿
元側プリプレグ13cは、管周方向において肉厚がほぼ
同一となるように、略矩形のものを用いることが好まし
い。また、重ね合わせ部におけるプリプレグの端部は、
複数枚の半端プリプレグを用いて階段形状としたり、端
部の先端に向って肉厚が薄くなるような形状としたり、
上記充填部を用いたりして端部の段差を吸収することが
好ましい。
と大径竿管15との継合部16にテーパー変化点16a
を設けた場合においては、継合部16内にテーパー変化
点16aが存在するように、具体的には大径竿管15の
竿先側先端とテーパー変化点との距離dを10mm以上
に設定することが好ましい。これにより、テーパー変化
点の存在に起因する曲りを矯正することができる。
ら第3の発明並びに他の態様は、適宜組み合わせて実施
することが可能である。また、本発明において、繊維強
化プリプレグにおいて、強化繊維(炭素繊維)と樹脂と
の総重量に対する樹脂の割合は、できるだけ小さい、ほ
ぼ23重量%以下であることが好ましい。これにより、
できるだけ管状体の比強度および比弾性を向上させるこ
とができ、強化繊維の蛇行や移動を防止することがで
き、管状体の曲り量を低減することができる。
管状体として釣り竿を用いた場合について説明している
が、本発明はこれに限定されず、ゴルフクラブシャフ
ト、スキーストック、自転車のフレーム、バトミントン
やテニスのラケット等に適用することが可能である。
は、特定方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を含浸してな
る繊維強化プリプレグを巻回してなり、前記強化繊維
は、前記管状体の軸長方向に対して傾いた状態で、か
つ、前記強化繊維の長手方向が螺旋状になるように位置
するので、曲りの成分を管周方向に分散させて、軸芯か
らの変位を相対的に減少させて曲りを目立たなくさせる
ものである。
揃えた強化繊維に樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレ
グを巻回してなり、巻回された繊維強化プリプレグの最
外層の端部に前記繊維強化プリプレグの肉厚に起因する
段差を埋める充填部が設けられており、少なくとも最外
層の繊維強化プリプレグの端部が前記管状体の軸長方向
に対して傾いて位置するので、製造時に発生する曲りを
緩和すると共に、曲りの成分を管周方向に分散させて、
軸芯からの変位を相対的に減少させて曲りを目立たなく
させるものである。
を含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回してなり、継
合部を有する管状体であって、前記継合部において、管
状体の作製時に発生する曲りが補正されるので、継合部
で管状体を支持することにより、製造時に発生する曲り
による軸芯からの変位量を低減させて曲りを目立たなく
させ、曲りによる振れやブレ等の発生を防止するもので
ある。
図。
図。
す説明図。
示す説明図。
示す説明図。
示す説明図。
図。
体を説明するための分解図。
点を有する管状体を示す断面図。
回端部、4…充填部、5…竿管、5a…軸芯、5b…繊
維方向、5c…先端部、6,6a,6b,16…継合
部、7…継合面、8…他の竿管、9…曲り補正部材、1
0a,10b…竿管本体部、11…曲り補正層、12…
マンドレル、12a,12b…テーパー部、12c,1
6a…テーパー変化点、13a…本体プリプレグ、13
b…竿先側プリプレグ、13c…竿元側プリプレグ、1
4…小径竿管、15…大径竿管。
Claims (5)
- 【請求項1】 特定方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を
含浸してなる繊維強化プリプレグを巻回してなる管状体
であって、前記強化繊維は、前記管状体の軸長方向に対
して傾いた状態で、かつ、前記強化繊維の長手方向が螺
旋状になるように位置することを特徴とする管状体。 - 【請求項2】 前記強化繊維の繊維方向の前記管状体の
軸長方向に対する角度は、管状体の一方の端部側よりも
他方の端部側の方が相対的に大きいことを特徴とする請
求項1に記載の管状体。 - 【請求項3】 前記強化繊維の長手方向が、2〜4回転
の螺旋状になりように位置することを特徴とする請求項
1に記載の管状体。 - 【請求項4】 特定方向に引き揃えた強化繊維に樹脂を
含浸してなる繊維化プリプレグを巻回してなる管状体で
あって、巻回された繊維強化プリプレグの最外層の端部
に前記繊維強化プリプレグの肉厚に起因する段差を埋め
る充填部が設けられており、少なくとも最外層の繊維強
化プリプレグの端部が前記管状体の軸長方向に対して傾
いて位置することを特徴とする管状体。 - 【請求項5】 強化繊維に樹脂を含浸してなる繊維強化
プリプレグを巻回してなり、継合部を有する管状体であ
って、前記継合部において、管状体の作製時に発生する
曲りが補正されることを特徴とする管状体。
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