JP2002204919A - 吸脱着装置 - Google Patents

吸脱着装置

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JP2002204919A
JP2002204919A JP2001003239A JP2001003239A JP2002204919A JP 2002204919 A JP2002204919 A JP 2002204919A JP 2001003239 A JP2001003239 A JP 2001003239A JP 2001003239 A JP2001003239 A JP 2001003239A JP 2002204919 A JP2002204919 A JP 2002204919A
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sealing
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Teiichi Usami
禎一 宇佐見
Kenji Masuda
堅司 増田
Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気流によるシール構造を採用することで、回
転トルクを大幅に低減できるようにする。 【解決手段】 吸脱着装置において、吸着ロータ1に、
脱着部12を挟むように回転方向Rの前後に位置してシ
ール用気流A4,A5が通過する前後エアシール部13,
14を設定して、脱着部12を挟む前後エアシール部1
3,14を通過するシール用気流A4,A5(ガス成分を
含んでいない新鮮気流)により脱着部12から導出され
る出口気流A3の拡散を遮断するエアカーテンが生成さ
れるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気中の有害ガ
ス、水蒸気等のガス成分を吸脱着して除去する吸脱着装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生活環境の改善意識の高まりを受
けて、例えば各種工場、病院、美容院等の臭気ガスとか
有害ガスの高濃度環境においては勿論のこと、比較的低
濃度環境と思われる一般家庭においても、空気中に含ま
れている臭気ガスあるいは有害ガスを除去して住環境に
おける空気の清浄化を図ることが広く試みられている。
また同様の観点から、空気調和の一環として、除湿によ
り空気質を改善することも行われている。
【0003】このような空気中の臭気ガス、有害ガスあ
るいは水蒸気等のガス成分の除去に使用される装置の一
つとして、吸着剤の吸脱着作用を利用した加熱再生方式
の吸脱着装置がある。この吸脱着装置は、ゼオライト、
活性炭、シリカゲル等の吸着剤を備え、該吸着剤に空気
を通すことで臭気ガス,有害ガス等のガス成分とか水分
を該吸着剤に吸着させて除去し空気の清浄化あるいは改
質を行う一方、吸着量の増加に伴って吸着剤の吸着能力
が低下したときにはこれを加熱して吸着保持されている
ガス成分等を吸着剤から脱着させてその吸着能力の再生
を図ることで、長期に亙って空気の清浄化機能等を維持
するようにしたものである。
【0004】かかる加熱再生方式の吸脱着装置の具体的
構造としては、例えばハニカム構造をもつ円板体に吸着
剤を担持させてなる一つの吸着ロータを備え、この吸着
ロータ上に、その回転方向の後方側から前方側に向けて
「吸着部」と「脱着部」とを順次設定し、該吸着ロータ
を所定速度で回転させることで該吸着ロータの全域が順
次、上記「吸着部」および「脱着部」に対応するように
構成している。そして、上記「吸着部」に被処理気流
(即ち、処理対象である室内空気)を通して臭気ガス等
のガス成分を吸着剤に吸着させ且つ保持させることで除
去し被処理気流の清浄化を行う。一方、脱着用新鮮空気
(例えば、室内空気あるいは室外空気)をヒータで加熱
し熱風として「脱着部」に供給し、上記吸着ロータの
「脱着部」に対応する部分を加熱することで該部分に吸
着保持されているガス成分を吸着剤から脱着させて該吸
着剤の機能を再生し、次回の吸着作用に備えるものであ
る。
【0005】ところで、このような加熱再生方式の吸着
ロータを備えた吸脱着装置においては、脱着部において
吸着保持されているガス成分を吸着剤から脱着させるこ
ととなっているため、脱着部から導出される気流にはガ
ス成分を多量に含んでいる。従って、脱着部から導出さ
れる気流が吸着部側に漏れ出ると、ガス成分を多量に含
む気流が吸着部を流れる気流と混合してしまうという不
具合が生ずるおそれがある。
【0006】そこで、従来の吸脱着装置においては、脱
着部と吸着部との間にシール材を介設することにより、
脱着部から導入される気流(ガス成分を多量に含んでい
る気流)の吸着部側への漏れを防止するようにしてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うに、脱着部と吸着部との間に機械的なシール材を介設
するシール構造を採用した場合、シール材の摩擦抵抗に
より吸着ロータに高負荷がかかるため、回転トルクが高
くなって、動力コスト(換言すれば、ランニングコス
ト)が高くなるという不具合があった。
【0008】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、気流によるシール構造を採用することで、回転ト
ルクを大幅に低減できるようにすることを目的としてな
されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、被処理気流A1
のガス成分の吸脱着を行う吸着剤を備え且つ所定速度で
回転駆動される吸着ロータ1の回転方向における所定領
域に吸着部11および脱着部12を設定した吸脱着装置
において、前記吸着ロータ1に、前記脱着部12を挟む
ように回転方向Rの前後に位置してシール用気流A4
5が通過する前後エアシール部13,14を設定して
いる。
【0010】上記のように構成したことにより、吸着ロ
ータ1を所定速度で回転させた状態で該吸着ロータ1の
吸着部11に対応する部位に被処理気流A1を貫流させ
ることで、該被処理気流A1に含まれている臭気ガス、
有害ガスあるいは水蒸気等のガス成分は該吸着ロータ1
の吸着剤に吸着捕集され、該被処理気流A1の清浄化あ
るいは改質が行われる。
【0011】かかる吸着ロータ1によるガス成分の吸着
作用はこれが上記吸着部11に対応している間中、即
ち、該吸着ロータ1の各部位がその回転に伴って上記吸
着部11の始端側から終端側まで移動する期間中継続的
に行われ、該各部位における吸着量が次第に増加し飽和
状態に近づくとともに、これに伴って該各部位の吸着能
力は次第に低下する。そして、このように飽和状態近く
までガス成分を吸着し、その吸着能力が低下した上記吸
着ロータ1の各部位は、該吸着ロータ1の回転に伴って
吸着部11から脱着部12側へ移行する。
【0012】この脱着部12においては、該脱着部12
に導入される脱着用気流A2(予めヒータ等により所定
温度に加熱されている気流)が該脱着部12に対応する
前記吸着ロータ1の部位を順次貫流することで、該部位
は該脱着用気流A2との熱交換により加熱され、ここに
吸着保持されていたガス成分が順次吸着剤から脱着さ
れ、これにより前記脱着部12に対応する前記吸着ロー
タ1の各部位においては順次その吸着能力が再生され
る。
【0013】上記のようにして、脱着部12に対応する
吸着ロータ1の部位が脱着再生されると、該脱着部12
からガス成分を多量に含む出口気流A3が導出される
が、脱着部12を挟む前後エアシール部13,14を通
過するシール用気流A4,A5(ガス成分を含んでいない
新鮮気流)により脱着部12から導出される出口気流A
3の拡散を遮断するエアカーテンが生成されることとな
り、脱着部12から導出される出口気流A3の周辺への
漏れが確実に防止されることとなる。従って、従来のよ
うな機械的なシール構造とは異なって、摩擦抵抗のない
エアシールによるシール構造となるため、吸着ロータ1
の回転トルクを大幅に低減できることとなり、動力コス
トも低減できる。
【0014】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の吸脱着装置において、前記後部エアシール部14
を通過したシール用気流A5を脱着用気流A2として前記
脱着部12に供給するように構成して、前記後部エアシ
ール部14を放熱部として作用させるように構成した場
合、脱着部12に導入される脱着用気流A2を後部エア
シール部14が保有する熱により予熱することができ、
脱着用気流A2を加熱するための加熱コストを低減でき
る。
【0015】請求項3の発明におけるように、請求項1
記載の吸脱着装置において、前記前後エアシール部1
3,14にシール用気流A4,A5として外気を流通させ
る一方、前記脱着部12から導出された出口気流A
3を、加熱手段4および触媒8を経て前記脱着部12に
還流させる閉回路Kを設けた場合、エアカーテンを新鮮
外気で形成できるとともに、脱着に要する気流量および
熱ロスを低減できることとなり、ランニングコストを下
げることができる。
【0016】請求項4の発明におけるように、請求項3
記載の吸脱着装置において、前記前部エアシール部13
から導出されるシール用気流A4を、前記閉回路Kにお
ける前記脱着部12の出口側において出口気流A3と合
流させるように構成した場合、前部エアシール部13を
通過する過程においてガス成分を脱着するおそれのある
シール用気流A4がそのまま排気されないこととなり、
環境汚染等を抑制することができる。
【0017】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の吸脱着装置に
おいて、前記脱着部12に導入される脱着用気流A2
該脱着部12から導出され、加熱手段4により加熱昇温
され且つ触媒8を通過した出口気流A3とを熱交換させ
る熱回収用熱交換器7を付設した場合、脱着部12から
出て加熱手段4へ供給される出口気流A3(低温となっ
ている)と触媒8から出て脱着部12の入口側に供給さ
れる脱着用気流A2(高温となっている)とが熱回収用
熱交換器7において熱交換することで、脱着用気流A2
の保有している熱(通常、脱着に要する熱量より大きな
熱を保有している)の一部が加熱手段4へ供給される出
口気流A3に回収されることとなり、加熱手段4による
加熱コストを低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0019】第1の実施の形態 図1および図2には、本願発明の第1の実施の形態にか
かる吸脱着装置が示されている。
【0020】この吸脱着装置は、例えば臭気ガス、有害
ガスあるいは水蒸気等のガス成分の高濃度環境に設置さ
れて該ガス成分の吸着除去によって室内空気の清浄化あ
るいは改質を行うものであって、後述する吸着ロータ1
を備えて構成される。
【0021】前記吸着ロータ1は、所定径及び所定厚さ
を有する円板状形態をもつものであって、その中心部に
はベアリング付き回転軸10が設けられている。なお、
この吸着ロータ1は、例えば図1に示すように、ゼオラ
イト、活性炭、シリカゲル等の吸着剤を表面に担持させ
たハニカム構造体により構成されている。また、この吸
着剤は、その冷態時においては例えば室内空気等の被処
理気流A1中に含まれているガス成分を吸着し且つこれ
を保持するとともに、吸着作用の進行に伴って吸着量が
増加しこれが飽和状態に近づくに伴って次第にその吸着
能力が低下するものであるが、この場合には、該吸着剤
を加熱して活性化させることで該吸着剤に吸着保持され
ていたガス成分が順次脱着され、その吸着能力の再生を
図ることができるものとされている。なお、吸着ロータ
1としては、ゼオライト、活性炭、シリカゲル等の吸着
剤を表面に担持させたモノリス構造体を採用することも
できる。
【0022】このような吸着剤の吸着作用と脱着作用と
を旨く噛み合わせることで長期に亙って高水準の空気清
浄化機能あるいは空気改質機能を発揮させるようにした
ものがこの実施形態の吸脱着装置である。以下、上記吸
脱着ロータ1を備えて構成される吸脱着装置の具体的構
造について詳述する。
【0023】円板状形態をもつ前記吸着ロータ1は、図
1および図2に示すように、ダクト5で構成される被処
理気流通路51内に配置され、適宜の駆動手段(図示省
略)によって極低速で且つ連続的に一定方向(矢印R方
向)に回転駆動される。なお、前記被処理気流通路51
は、例えば、臭気ガス等のガス成分を含んだ室内空気を
被処理気流A1とし、これを前記吸着ロータ1側に導入
して該吸着ロータ1での吸着作用によってこれを清浄な
らしめた後、この清浄化された室内空気A1′を再び室
内へ吹き出させるものであって、その上流端及び下流端
は共に室内へ開口している。また、この被処理気流通路
51の上流側には、図2に示すように、上記被処理気流
1の送風用として吸着用ファンF1が配設されている。
【0024】本実施の形態にかかる吸脱着装置において
は、前記吸着ロータ1の回転に伴ってこれに吸着作用、
エアシール作用、脱着作用、エアシール作用を順次連続
的に行わせるべく、該吸着ロータ1の平面上には、吸着
部11、前部エアシール部13、脱着部12および後部
エアシール部14がそれぞれ設定されている。本実施の
形態においては、前記前部エアシール部13は、中心角
10°の扇形領域とされ、前記脱着部12は、中心角3
5°の扇形領域とされ、前記後部エアシール部14は、
中心角20°の扇形領域とされている。
【0025】即ち、本実施の形態においては、前記吸着
ロータ1の円板状の表面の全領域のうち、周方向の略5
/6の領域(回転方向Rにおいて領域線「Ld」から領
域線「La」までの領域)に吸着部11を設定するとと
もに、この吸着部11を除く略1/6の領域には、該吸
着部11の回転方向前端から前方側に向けて前部エアシ
ール部13(領域線「La」から領域線「Lb」までの
領域)と脱着部12(領域線「Lb」から領域線「L
c」までの領域)と後部エアシール部14(領域線「L
c」から領域線「Ld」までの領域)とを順次設定し、
該後部エアシール部14の回転方向前端を前記吸着部1
1の回転方向後端に連続させることで、該吸着ロータ1
の回転に伴って該吸着ロータ1の全領域が吸着部11→
前部エアシール部13→脱着部12→後部エアシール部
14に順次対応するようにしている。
【0026】なお、前記吸着部11は、吸着ロータ1に
担持された吸着剤に該吸着部11を貫流する被処理気流
1中のガス成分を吸着させる部分であり、前記脱着部
12は、吸着ロータ1の吸着剤を後述する高温の脱着用
気流A2により活性化させて、吸着保持されているガス
成分を該吸着剤から脱離させる部分であり、前記前部お
よび後部エアシール部13,14は、当該部位を流通す
るシール用気流A4,A5によってエアカーテンを形成す
る部分である。なお、本実施の形態においては、前記後
部エアシール部14は、外気導入用ファンF2により吸
い込まれたシール用気流A5が貫流するものであり、該
シール用気流A5は、後部エアシール部14を貫流後に
脱着用気流A2として脱着部12に供給されることとな
っている。つまり、後部エアシール部14は、脱着部1
2通過後の吸着ロータ1が保有している残熱を回収して
吸着ロータ1を冷却する部分であり、放熱部としても作
用することとなっている。
【0027】一方、上記吸着ロータ1の両側面には、該
吸着ロータ1上に設定される前記前部エアシール部1
3、脱着部12および後部エアシール部14を前後して
位置させるために、第1のチャンバー2および第2のチ
ャンバー3が、それぞれ該吸着ロータ1の回転を許容し
得るように近接対向状態で固定配置されている。
【0028】前記第1のチャンバー2は、図1および図
2に示すように、前記吸着ロータ1の上流側に配置され
る略扇形の容積部材とされており、前記前部エアシール
部13に対応する第1室2aと前記脱着部12に対応す
る第2室2bと、前記後部エアシール部14に対応する
第3室2cとが吸着ロータ1の回転方向Rに順次並設さ
れている。そして、これら各室2a,2b,2cのう
ち、第1室2aと第2室2bとはその室奥側において連
通されているが、第2室2bと第3室2cとは、完全に
区画されている。そして、前記第2室2bおよび第3室
2cには導出口21および導入口22がそれぞれ設けら
れている。前記導入口22は、前記外気導入用ファンF
2に接続されている(図2参照)。
【0029】前記第2のチャンバー3は、図1および図
2に示すように、前記吸着ロータ1をその厚さ方向に挟
んで前記第1のチャンバー2と対向するように該吸着ロ
ータ1の下流側に配置される略扇形の容積部材とされて
おり、前記前部エアシール部13に対応する第1室3a
と前記脱着部12に対応する第2室3bと前記後部エア
シール部14に対応する第3室3cとが吸着ロータ1の
回転方向に順次並設されている。そして、これら各室3
a,3b,3cは、完全に区画されている。そして、前
記第1室3a、第2室3bおよび第3室3cには導入口
31,32および導出口33がそれぞれ設けられてい
る。
【0030】また、前記第1のチャンバー2における第
2室2bに形成された導出口21から導出された出口気
流A3(前部エアシール部13を貫流したシール用気流
4が合流されている)は、加熱手段として作用するヒ
ータ4、触媒8および熱回収用熱交換器7を経て排気さ
れることとなっているが、熱回収用熱交換器7において
は、後部エアシール部14を出て、第2のチャンバー3
における第2室3bを経て脱着部12に導入される脱着
用気流A2と熱交換して、該脱着用気流A2を所定温度に
加熱することとなっている。
【0031】このような構成をもつ前記第1のチャンバ
ー2と第2のチャンバー3とを前記吸着ロータ1の両側
面側にそれぞれ配置することで、前記後部エアシール部
14から導出されたシール用気流A5は、熱回収用熱交
換器7を通過する過程で所定温度に昇温されて脱着用気
流A2となって、第2のチャンバー3における導入口3
2から第2室3bに導入されが、その一部は、第2のチ
ャンバー3の導入口31および第1室3aを経て前部エ
アシール部13にシール用気流A4として供給される。
そして、それぞれが脱着部12および前部エアシール部
13を通過した後、第1のチャンバー2における第2室
2bにおいて合流される。かくして合流された出口気流
3は、導出口21から導出され、ヒータ4において加
熱昇温された後、触媒8において有害ガス成分が分解除
去され、熱回収用熱交換器7を経て排気されることとな
っている。
【0032】なお、前記吸着部11は、その全域が前記
被処理気流通路51に臨んでおり、該被処理気流通路5
1を流れる被処理気流A1の全量が吸着部11からこれ
に対応する吸着ロータ1の各部位を貫流することとなっ
ている。
【0033】続いて、本実施の形態にかかる吸脱着装置
の作用効果について説明する。
【0034】この吸脱着装置では、吸着ロータ1を極低
速で連続回転させながら、吸着用ファンF1を運転して
室内空気を被処理気流A1としてダクト5内の被処理気
流通路51に導入することで、この被処理気流通路51
に導入された被処理気流A1は、前記吸着ロータ1の吸
着部11に対応する部位をその厚さ方向に貫流して下流
側へ流れ、この貫流の間に、被処理気流A1に含まれて
いる有害ガスや水蒸気等のガス成分が前記吸着ロータ1
に担持された吸着剤によって吸着捕集され且つここに保
持される。従って、前記吸着ロータ1の吸着部11に対
応する部位を貫流した後の空気はガス成分が可及的に除
去された清浄な処理済空気となり、再度、室内へ還流さ
れる。これによって、室内空気の清浄化あるいは改質が
行われ、快適な居住空間が得られるものである。
【0035】ところで、前記吸着ロータ1は、その回転
に伴って順次前記吸着部11の一端側(上記領域線Ld
に対応する側)から他端側(上記領域線Laに対応する
側)に向けて移動する間に前記被処理気流A1に含まれ
ているガス成分を吸着し且つこれを保持することから、
次第にその吸着量が増加しこれが飽和状態に近づくに伴
って吸着能力が低下してくるが、この吸着能力の低下は
脱着部12での脱着作用によって回復される。
【0036】即ち、外気導入用ファンF2の駆動によっ
て導入口22から後部エアシール部14に送給されたシ
ール用気流A5は、該後部エアシール部14を貫流する
過程において後部エアシール部14が保有する残熱によ
り予熱され、大部分は、熱回収用熱交換器7において排
気との熱交換によって加熱昇温されて脱着用気流A2
され、その後第2のチャンバー3における導入口32お
よび第2室3bを経て脱着部12に供給されるが、一部
は、第2のチャンバー3における導入口31および第1
室3aを経て前部エアシール部13にシール用気流A4
として供給される。
【0037】前記脱着用空気A2は、吸着ロータ1の脱
着部12に対応する部位を貫流した後、第1のチャンバ
ー2の第2室2bにおいて前部エアシール部13を貫流
したシール用気流A4と合流して出口空気A3となり、第
1のチャンバー2の第2室2aの導出口21からヒータ
4、触媒8および熱回収用熱交換器7を経て排気され
る。
【0038】この場合、脱着部12に対応する吸着ロー
タ1の部位が脱着再生されると、該脱着部12からガス
成分を多量に含む出口気流A3が導出されるが、脱着部
12を挟む前後エアシール部13,14を通過するシー
ル用気流A4,A5(ガス成分を含んでいない新鮮気流)
により脱着部12から導出される出口気流A3の拡散を
遮断するエアカーテンが生成されることとなり、脱着部
12から導出される出口気流A3の周辺への漏れが確実
に防止されることとなる。従って、従来のような機械的
なシール構造とは異なって、摩擦抵抗のないエアシール
によるシール構造となるため、吸着ロータ1の回転トル
クを大幅に低減できることとなり、動力コスト(換言す
れば、ランニングコスト)も低減できる。
【0039】しかも、後部エアシール部14を通過した
シール用気流A5を脱着用気流A2として脱着部12に供
給するように構成して、前記後部エアシール部14を放
熱部として作用させるように構成しているので、脱着部
12に導入される脱着用気流A2を後部エアシール部1
4が保有する熱により予熱することができ、脱着用気流
2を加熱するための加熱コストを低減できる。
【0040】さらに、脱着部12に導入される脱着用気
流A2と該脱着部12から導出され、加熱手段4により
加熱昇温され且つ触媒8を通過した出口気流A3とを熱
交換させる熱回収用熱交換器7を付設しているので、脱
着部12から出て加熱手段4へ供給される出口気流A3
(低温となっている)と触媒8から出て脱着部12の入
口側に供給される脱着用気流A2(高温となっている)
とが熱回収用熱交換器7において熱交換することで、脱
着用気流A2の保有している熱(通常、脱着に要する熱
量より大きな熱を保有している)の一部が加熱手段4へ
供給される出口気流A3に回収されることとなり、加熱
手段4による加熱コストを低減できる。
【0041】第2の実施の形態 図3および図4には、本願発明の第2の実施の形態にか
かる吸脱着装置が示されている。
【0042】この場合、シール用気流A4,A5および脱
着用気流A2の流れ方向が、第1の実施の形態における
と逆方向(即ち、非処理気流A1と逆方向)となってお
り、第1のチャンバー2と第2のチャンバー3とも吸着
ロータ1に対して第1の実施の形態とは反対位置に配設
されている。また、第1のチャンバー2における第1室
2a、第2室2bおよび第3室2cは完全に区画されて
おり、それぞれには、導入口23,24,22が形成さ
れている。一方、第2のチャンバー3における第1室3
aと第2室3bとは室奥で連通され、第2室3bと第3
室3cとは完全に区画されており、第2室3bおよび第
3室3cには導出口34,33が形成されている。そし
て、外気導入ファンF2によって供給された外気は、前
部エアシール部13および後部エアシール部14に供給
されるシール用気流A4,A5に分流され、後部エアシー
ル部14を貫流したシール用気流A5はそのまま排気さ
れるが、前部エアシール部13を貫流したシール用気流
4は脱着部12を貫流した気流と合流して出口気流A3
となって第2のチャンバー3の導出口34から導出され
ることとなっている。また、第2のチャンバー3の導出
口34から導出された出口気流A3は、熱回収用熱交換
器7、加熱手段として作用するヒータ4、触媒8および
熱回収用熱交換器7を経て前記脱着部12に脱着用気流
2として還流されることとなっており、これらによっ
て閉回路Kが構成されることとなっている。なお、閉回
路Kにシール用気流A4が合流されることにより、閉回
路K内の気流循環量が過剰になった分を、閉回路Kの途
中(例えば、熱回収用熱交換器7から脱着部12に至る
間)から漏らす構造(例えば、漏れ穴等を形成する構
造)が採用されている。符号F3は閉回路Kにおいて気
流を循環させる循環用ファンである。このようにする
と、シール用のエアカーテンを新鮮外気で形成できると
ともに、脱着に要する気流量および熱ロスを低減できる
こととなり、ランニングコストを下げることができる。
しかも、前部エアシール部13から導出されるシール用
気流A4を、閉回路Kにおける脱着部12の出口側にお
いて出口気流A3と合流させるように構成しているの
で、前部エアシール部13を通過する過程においてガス
成分を脱着するおそれのあるシール用気流A4がそのま
ま排気されないこととなり、環境汚染等を抑制すること
ができる。その他の構成および作用効果は、第1の実施
の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0043】第3の実施の形態 図5および図6には、本願発明の第3の実施の形態にか
かる吸脱着装置が示されている。
【0044】この場合、シール用気流A4,A5および脱
着用気流A2の流れ方向が、第1の実施の形態における
と逆方向(即ち、非処理気流A1と逆方向)となってお
り、第1のチャンバー2と第2のチャンバー3とも吸着
ロータ1に対して第1の実施の形態とは反対位置に配設
されている。また、第1のチャンバー2における第1室
2a、第2室2bおよび第3室2cは完全に区画されて
おり、それぞれには、導入口23,24,22が形成さ
れている。一方、第2のチャンバー3における第1室3
aと第2室3bとは室奥で連通され、第2室3bと第3
室3cとは完全に区画されており、第2室3bおよび第
3室3cには導出口34,33が形成されている。そし
て、前記シール用気流A4,A5は、被処理気流A1が吸
着ロータ1における吸着部11を貫流した後に分流され
た気流とされており、外気導入ファンF2は省略されて
いる。後部エアシール部14を貫流したシール用気流A
5はそのまま排気されるが、前部エアシール部13を貫
流したシール用気流A4は脱着部12を貫流した気流と
合流して出口気流A3となって第2のチャンバー3の導
出口34から導出されることとなっている。また、第2
のチャンバー3の導出口34から導出された出口気流A
3は、熱回収用熱交換器7、加熱手段として作用するヒ
ータ4、触媒8および熱回収用熱交換器7を経て前記脱
着部12に脱着用気流A2として還流されることとなっ
ており、これらによって閉回路Kが構成されることとな
っている。なお、閉回路Kにシール用気流A4が合流さ
れることにより、閉回路K内の気流循環量が過剰になっ
た分を、閉回路Kの途中(例えば、熱回収用熱交換器7
から脱着部12に至る間)から漏らす構造(例えば、漏
れ穴等を形成する構造)が採用されている。符号F3
閉回路Kにおいて気流を循環させる循環用ファン、F4
は閉回路Kに外気を補給するための補給用ファンであ
る。このようにすると、シール用のエアカーテンを吸着
部11を貫流した後のきれいな気流で形成できるととも
に、脱着に要する気流量および熱ロスを低減できること
となり、ランニングコストを下げることができる。しか
も、前部エアシール部13から導出されるシール用気流
4を、閉回路Kにおける脱着部12の出口側において
出口気流A3と合流させるように構成しているので、前
部エアシール部13を通過する過程においてガス成分を
脱着するおそれのあるシール用気流A4がそのまま排気
されないこととなり、環境汚染等を抑制することができ
る。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態
におけると同様なので説明を省略する。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、被処理気流A
1中のガス成分の吸脱着を行う吸着剤を備え且つ所定速
度で回転駆動される吸着ロータ1の回転方向における所
定領域に吸着部11および脱着部12を設定した吸脱着
装置において、前記吸着ロータ1に、前記脱着部12を
挟むように回転方向Rの前後に位置してシール用気流A
4,A5が通過する前後エアシール部13,14を設定し
て、脱着部12を挟む前後エアシール部13,14を通
過するシール用気流A4,A5(ガス成分を含んでいない
新鮮気流)により脱着部12から導出される出口気流A
3の拡散を遮断するエアカーテンが生成されるようにし
たので、脱着部12から導出される出口気流A3の周辺
への漏れが確実に防止され、従来のような機械的なシー
ル構造とは異なって、摩擦抵抗のないエアシールによる
シール構造となるため、吸着ロータ1の回転トルクを大
幅に低減できることとなり、動力コスト(換言すれば、
ランニングコスト)も低減できるという効果がある。
【0046】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の吸脱着装置において、前記後部エアシール部14
を通過したシール用気流A5を脱着用気流A2として前記
脱着部12に供給するように構成して、前記後部エアシ
ール部14を放熱部として作用させるように構成した場
合、脱着部12に導入される脱着用気流A2を後部エア
シール部14が保有する熱により予熱することができ、
脱着用気流A2を加熱するための加熱コストを低減でき
る。
【0047】請求項3の発明におけるように、請求項1
記載の吸脱着装置において、前記前後エアシール部1
3,14にシール用気流A4,A5として外気を流通させ
る一方、前記脱着部12から導出された出口気流A
3を、加熱手段4および触媒8を経て前記脱着部12に
還流させる閉回路Kを設けた場合、エアカーテンを新鮮
外気で形成できるとともに、脱着に要する気流量および
熱ロスを低減できることとなり、ランニングコストを下
げることができる。
【0048】請求項4の発明におけるように、請求項3
記載の吸脱着装置において、前記前部エアシール部13
から導出されるシール用気流A4を、前記閉回路Kにお
ける前記脱着部12の出口側において出口気流A3と合
流させるように構成した場合、前部エアシール部13を
通過する過程においてガス成分を脱着するおそれのある
シール用気流A4がそのまま排気されないこととなり、
環境汚染等を抑制することができる。
【0049】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の吸脱着装置に
おいて、前記脱着部12に導入される脱着用気流A2
該脱着部12から導出され、加熱手段4により加熱昇温
され且つ触媒8を通過した出口気流A3とを熱交換させ
る熱回収用熱交換器7を付設した場合、脱着部12から
出て加熱手段4へ供給される出口気流A3(低温となっ
ている)と触媒8から出て脱着部12の入口側に供給さ
れる脱着用気流A2(高温となっている)とが熱回収用
熱交換器7において熱交換することで、脱着用気流A2
の保有している熱(通常、脱着に要する熱量より大きな
熱を保有している)の一部が加熱手段4へ供給される出
口気流A3に回収されることとなり、加熱手段4による
加熱コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる吸脱着装
置の要部構造を示す分解斜視図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる吸脱着装
置における吸着ロータ部分の展開図である。
【図3】本願発明の第2の実施の形態にかかる吸脱着装
置の要部構造を示す分解斜視図である。
【図4】本願発明の第2の実施の形態にかかる吸脱着装
置における吸着ロータ部分の展開図である。
【図5】本願発明の第3の実施の形態にかかる吸脱着装
置の要部構造を示す分解斜視図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる吸脱着装
置における吸着ロータ部分の展開図である。
【符号の説明】
1は吸着ロータ、4は加熱手段(ヒータ)、7は熱回収
用熱交換器、8は触媒、11は吸着部、12は脱着部、
13は前部エアシール部、14は後部エアシール部、A
1は被処理気流、A2は脱着用気流、A3は出口気流、
4,A5はシール用気流F1は吸着用ファン、F2は外気
導入用ファン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香川 謙吉 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4C080 AA05 AA07 BB02 CC01 KK08 MM04 MM05 MM06 QQ11 4D012 CA01 CA09 CA10 CC02 CD01 CE01 CF04 CG01 CH05 CJ02 CK03 CK08 CK10 4D048 AA21 AA22 CC21 CC27 CC40 CC52 CC54 CD01 DA01 DA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理気流(A1)中のガス成分の吸脱
    着を行う吸着剤を備え且つ所定速度で回転駆動される吸
    着ロータ(1)の回転方向における所定領域に吸着部
    (11)および脱着部(12)を設定した吸脱着装置で
    あって、前記吸着ロータ(1)には、前記脱着部(1
    2)を挟むように回転方向(R)の前後に位置してシー
    ル用気流(A4),(A5)がそれぞれ通過する前後エア
    シール部(13),(14)を設定したことを特徴とす
    る吸脱着装置。
  2. 【請求項2】 前記後部エアシール部(14)を通過し
    たシール用気流(A 5)を前記脱着部(12)に供給す
    るように構成して、前記後部エアシール部(14)を放
    熱部として作用させるように構成したことを特徴とする
    前記請求項1記載の吸脱着装置。
  3. 【請求項3】 前記前後エアシール部(13),(1
    4)にはシール用気流(A4),(A5)として外気を流
    通させる一方、前記脱着部(12)から導出された気流
    (A3)を、加熱手段(4)および触媒(8)を経て前
    記脱着部(12)に還流させる閉回路(K)を設けたこ
    とを特徴とする前記請求項1記載の吸脱着装置。
  4. 【請求項4】 前記前部エアシール部(13)から導出
    されるシール用気流(A4)を、前記閉回路(K)にお
    ける前記脱着部(12)の出口側において出口気流(A
    3)と合流させるように構成したことを特徴とする前記
    請求項3記載の吸脱着装置。
  5. 【請求項5】 前記脱着部(12)に導入される脱着用
    気流(A2)と該脱着部(12)から導出され、加熱手
    段(4)により加熱昇温され且つ触媒(8)を通過した
    出口気流(A3)とを熱交換させる熱回収用熱交換器
    (7)を付設したことを特徴とする前記請求項1、2、
    3および4のいずれか一項記載の吸脱着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016068053A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 高砂熱学工業株式会社 気体制御装置、及びロータを用いた気体制御装置のゾーン間リークの低減方法
CN105771639A (zh) * 2016-05-10 2016-07-20 西部技研环保节能设备(常熟)有限公司 使用触媒转轮的低浓度voc污染空气净化装置
KR20170030013A (ko) 2015-09-08 2017-03-16 가부시키가이샤 세이부 기켄 촉매 로터를 이용한 저농도 voc 오염 공기 정화 장치
WO2023190088A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 東洋紡エムシー株式会社 ガス処理装置及びガス処理方法

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