JP2002203581A - 高温型燃料電池のガスシール構造 - Google Patents

高温型燃料電池のガスシール構造

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JP2002203581A
JP2002203581A JP2000400494A JP2000400494A JP2002203581A JP 2002203581 A JP2002203581 A JP 2002203581A JP 2000400494 A JP2000400494 A JP 2000400494A JP 2000400494 A JP2000400494 A JP 2000400494A JP 2002203581 A JP2002203581 A JP 2002203581A
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久喜 太田
Shinichi Matsumoto
信一 松本
Takahiko Honma
隆彦 本間
Masatoshi Nagahama
昌俊 長濱
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動停止時の熱膨張・収縮や急速な起動や振
動に対して耐久性を有する、高温型燃料電池のガスシー
ル構造。 【解決手段】 シール部30と形状維持部31を有し、
シール部30と形状維持部31が、被シール部材積層体
の締結力で、被シール部材により圧縮されて被シール部
材間をガスシールする、高温型燃料電池10のガスシー
ル構造。被シール部材にはシール部30に対応する部分
に溝32が形成されている。形状維持部31が多隙間体
からなる。溝32には、燃料電池のシールされるべき部
分に近づくにつれて溝深さが深くなる傾斜がつけられて
いる。被シール部材の一方には突条33が形成されてお
り、被シール部材の他方には、突条33を隙間をもって
受け入れる凹条34が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温型燃料電池の
ガスシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】高温型燃料電池は、樹脂が使えない温度
以上の温度(たとえば、約300℃以上)で作動する燃
料電池で、たとえば固体酸化物型燃料電池(solid oxid
e fuelcells、SOFCと省略) や溶融炭酸塩型燃料電池な
どを含む。固体酸化物型燃料電池は、電解質に固体酸化
物を使う燃料電池である。固体酸化物型燃料電池の反応
は、水素、一酸化炭素等の燃料の酸素による酸化反応で
ある。固体酸化物型燃料電池の基本的な要素は、図1
4、図15に示すように、単セル11を構成する空気極
12、電解質13、燃料極14と、単セルを電気的に直
列接続し燃料と空気を分離するためのインタコネクタ1
5の4つである。空気極12は、気相の酸素が電子と反
応して酸素イオンになる場である。酸素が電極上に吸着
・解離し、電子と反応場(電極あるいは電極と電解質界
面)において結合し、酸素イオンO2-になる。 (空気極) O2 +4e- =2O2- 電解質13は、空気極から燃料極へ酸素イオンO2-を運
ぶ働きをする。空気極において生成する酸素イオンは電
解質に移動し、電解質の酸素空孔と位置を交換しながら
燃料極側に移動する。電解質の材料は酸素イオン導電性
酸化物であって、電子導電性はない。電解質は気相の水
素と酸素を物理的に隔離する。燃料極14は、水素が酸
素イオンと反応して水蒸気と電子を生成する反応場であ
る。水素は燃料極上に吸着・解離して水素原子になり、
さらに電解質の酸素イオンO2-と反応して水になる。 (燃料極) 2H2 +2O2-=2H2 O+4e- インタコネクタ15は、単セルを直列に接続し、燃料と
空気を物理的に隔離する機能を持つ。インタコネクタ1
5は高い電子導電性を有するが、イオン導電性を持たな
い。特開平5−234604には、低温(650〜85
0℃)で作動する固体電解質型燃料電池が開示されてい
る。固体電解質型燃料電池の特に平板型では、セルを積
層する際のセル間でのガスシールが必須である。従来
は、特開平11−67247、10−321244、7
−130383に代表されるように、セラミック粉体を
混入したガラスシール材、特開平7−14591、実開
平3−33959に代表されるセラミック粉体、特開平
11−111312に代表されるセラミックファイバが
ある。ガラスシール材は、高温において溶融しあるいは
軟化し密着することでガスを封止する。単体では、周囲
の部材との熱膨張差が大きく、セラミック粉体などと混
合して熱膨張係数を近づけて使用される。セラミック粉
体やセラミックファイバは、押圧力により密着してガス
を封止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車などの移動体の
電源として使用する場合、頻繁な起動停止、急速な起
動、また振動に対する耐久性が要求される。それは、発
電設備として使用する場合に比べ、格段に厳しい使用環
境である。そういった場合においてもSOFCが壊れな
いことはもちろん、水素などの燃料ガスが漏れないこと
が重要な課題である。従来のガスシールでは、自動車用
としては、満足できるものは得られていない。上記問題
が発生する理由はつぎのとおりである。ガラス材を含む
ガスシールでは、軟化状態でシールをとる場合は、高温
にならないと封止機能が得られず、停止(冷却)時に
は、熱収縮によって亀裂が発生して、頻繁な起動停止に
耐えることができない。また、650℃程度の低温作動
型固体電解質燃料電池では使用することができない。さ
らに、枠体の間に単セルの電解質を挟み込むタイプで
は、シール材であるガラスが割れるばかりでなく、電解
質も割れることがある。セラミック粉体を単にシール面
に挟んだ構成では、一時的に封止ができても、振動や起
動停止時の熱膨張・収縮によって、粉体成形体は崩れ、
ガス漏れを起こす。セラミックファイバは、そもそも充
填密度を上げることが困難で、十分なガスシールを得る
ことができないか、または封止するにはシール幅を大き
くしなければならない。そのため、装置の大型化を招
き、自動車用としては適さない。以上のように、自動車
用の電源として満足できるような高温型燃料電池、とく
に固体電解質型燃料電池の、ガスシール構造は得られて
いない。本発明の目的は、起動停止時の熱膨張・収縮や
急速な起動や振動に対して耐久性を有する、高温型燃料
電池のガスシール構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 燃料電池のシールされるべき部分に沿うように
配置され、融点および焼結温度が燃料電池の使用温度以
上である粉体からなるシール部と、前記シール部の両側
に配置され、セラミック繊維からなる形状体または金属
からなる弾性体からなり、シール部の飛散を抑えてシー
ル部の形状を維持し、融点が燃料電池の使用温度以上で
ある形状維持部と、を有し、前記シール部と前記形状維
持部は、被シール部材間で圧縮されてなる高温型燃料電
池のガスシール構造。 (2) 前記被シール部材には前記シール部に対応する
部分に溝が形成されており、前記シール部の一部が前記
溝内に位置している、(1)記載の高温型燃料電池のガ
スシール構造。 (3) 燃料電池のシールされるべき部分に沿うように
配置され、セラミック繊維からなる形状体または金属か
らなる弾性体からなる多隙間体からなり、融点が燃料電
池の使用温度以上である形状維持部と、燃料電池の使用
温度以上の融点を有し、前記形状維持部の多隙間に分散
された、シール部と、を有し、前記シール部と前記形状
維持部は、被シール部材間で圧縮されてなる高温型燃料
電池のガスシール構造。 (4) 前記被シール部材には、前記シール部に対応す
る部分に、または前記シール部に対応する部分と前記形
状維持部に対応する部分とに、溝が形成されており、前
記溝には、燃料電池のシールされるべき部分に近づくに
つれて溝深さが深くなる傾斜がつけられている、(1)
または(3)記載の高温型燃料電池のガスシール構造。 (5) シール部を挟んで対向する2つの被シール部材
の一方には、前記シール部に対応する部分に突条が形成
されており、前記2つの被シール部材の他方には、前記
突条を隙間をもって受け入れる凹条が形成されており、
前記シール部または前記シール部を多隙間に含む前記形
状維持部が、前記突条と前記凹条の間の隙間に位置され
て前記2つの被シール部材によって圧縮されている、
(1)または(3)記載の高温型燃料電池のガスシール
構造。 (6) 前記シール部および前記形状維持部が、電気絶
縁材から構成されている(1)または(2)または
(3)または(4)または(5)記載の高温型燃料電池
のガスシール構造。
【0005】上記(1)の高温型燃料電池のガスシール
構造では、シール部が形状維持部に沿っているので、粉
体からなるシール部が崩れようとしても、粉体は形状維
持部で堰き止められて形状を維持し、燃料ガス、酸化剤
ガスによって、粉体が飛散、消失することが防止され
る。また、ガス流路内および燃料電池外部に漏れること
も防止される。上記(2)の高温型燃料電池のガスシー
ル構造では、シール部の一部が被シール部材に形成され
た溝内に位置しているので、粉体が安定的に保持され、
熱サイクル、振動に対しより一層強くなる。また、溝に
粉体を入れるという簡単な作業でシール部を形成でき
る。上記(3)の高温型燃料電池のガスシール構造で
は、粉体が形状維持部の多隙間に入れられので、シール
と粉体の形状維持を共に達成できる。上記(4)の高温
型燃料電池のガスシール構造では、溝にシール部内径側
に向かって深くなる傾斜がつけられているので、被シー
ル部材に締結力がかかった時に、シール部にシール部を
内径側に寄せてより密度を高くする力がかかり、シール
部が崩れにくくなる。上記(5)の高温型燃料電池のガ
スシール構造では、突条と凹条の間の隙間が形成されて
いるので、隙間に位置するシール部またはシール部を多
隙間に含む形状維持部の粉体は飛散、消失しにくい。上
記(6)の高温型燃料電池のガスシール構造では、シー
ル部および形状維持部が、電気絶縁材から構成されてい
るので、被シール部材に電気絶縁性が必要なときに、
(例えば、枠体間で、インタコネクタ間の短絡を防止し
たいとき)特に有効がガスシール構造となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の高温型燃料電池
のガスシール構造を図1〜図13を参照して、説明す
る。なお、高温型燃料電池は、たとえば固体酸化物型燃
料電池(SOFC)を例にとってあるが、溶融炭酸塩型燃料
電池であってもよい。図中、図1〜図3は本発明のいず
れの実施例にも適用可能な高温型燃料電池の構造を示
し、図4は本発明の実施例1を示し、図5は本発明の実
施例2を示し、図6は本発明の実施例3を示し、図7は
本発明の実施例4を示し、図8は本発明の実施例5を示
し、図9は本発明の実施例6を示し、図10は本発明の
実施例7を示し、図11は本発明の実施例8を示し、図
12は本発明の実施例9を示し、図13は本発明の実施
例10を示す。また、請求項1の発明は実施例1、2を
含み、請求項2の発明は実施例3、4を含み、請求項3
の発明は実施例5を含み、請求項5の発明は実施例6、
7、8を含み、請求項6の発明は実施例9、10を含
む。本発明の何れの実施例にも共通する部分には、本発
明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。まず、
本発明の何れの実施例にも共通する部分を、たとえば図
1〜図3を参照して、説明する。
【0007】===全実施例に共通な構成=== 本発明の高温型燃料電池10、たとえば固体酸化物型燃
料電池(SOFC)は、たとえば燃料電池自動車に搭載され
る。ただし、燃料電池自動車以外の移動体に用いられて
もよい。また、移動体だけでなく、据え置き型の燃料電
池にも適用できる。図1に示すように、高温型燃料電池
10は、発電部において、単セル11を構成する空気極
12、電解質13、燃料極14と、単セルを電気的に直
列接続し燃料と空気を分離するためのインタコネクタ1
5を有する。高温型燃料電池10は、セル11の空気極
12とインタコネクタ15との間に設けられた空気側集
電体16と、セル11の燃料極14とインタコネクタ1
5との間に設けられた燃料側集電体17と、を有する。
インタコネクタ15の空気側集電体16には空気流路1
8が形成され、インタコネクタ15の燃料側集電体17
には燃料流路19が形成されている。燃料側集電体1
7、セル11、空気側集電体16、インタコネクタ15
が順に積層された積層体が、複数段に積層され、その両
端にエンドプレート20が配置されて、締結手段21、
たとえば締結ボルトで積層方向に締結されて、スタック
が構成される。
【0008】発電部を囲む枠部において、セル11は外
縁を金属箔22で支持される。金属箔22の役割は、燃
料ガスと酸化剤ガスとを分離する役目と、セルと枠体と
の熱膨張率との差を吸収する役目を果たす。金属箔22
の一側には金属製の空気側固定枠23が、金属箔22の
他側には金属製の燃料側固定枠24が、それぞれ、設け
られている。枠体は金属製でもよく、セラミック製でも
よく、また、金属製枠体とセラミック製枠体とを交互に
配置してもよい。金属箔22、空気側固定枠23、燃料
側固定枠24、インタコネクタ15は、直接、またはシ
ール材25を介して積層された積層体が、複数段に積層
され、その両端にエンドプレート20が配置されて、締
結手段21、たとえば締結ボルトで積層方向に締結され
て、スタックが構成される。直接積層される場合は、積
層される2つの部材は、レーザ溶接またはろう付けなど
によって、気密に接合される。シール材25を介して積
層される場合は、積層される2つの部材は、被シール部
材を構成する。
【0009】図1では、金属箔22は、空気側固定枠2
3にレーザ溶接、ろう付けなどによって接合されてお
り、ガスシール用のシール材25を介して燃料側固定枠
24に押し付けられている。また、インタコネクタ15
は、燃料側固定枠24にレーザ溶接、ろう付けなどによ
って接合されており、シール材25を介して空気側固定
枠23に押し付けられている。シール材25の両側に位
置してシール材25を挟む部材は、そのシール材25に
よってシールされる被シール部材を構成する。枠部には
セル積層方向に延びる空気マニホルド26と燃料マニホ
ルド27が形成されている。また、空気側固定枠23に
は空気マニホルド26と発電部の空気流路18とを連通
する空気連通路28が形成されており、同様に燃料側固
定枠24には燃料マニホルド27と発電部の燃料流路1
9とを連通する燃料連通路29が形成されている。
【0010】シール材25は、 燃料電池のシールされるべき部分(発電部の空気お
よび燃料の一方のガス流路とそのガス流路に連通するガ
スマニホルド、発電部の空気および燃料の他方のガスマ
ニホルド)に沿うように配置され、セラミックまたは金
属からなる粉体(金属製の粉体とセラミックの粉体を混
ぜたものなどのように、異種の材料で作られた粉体どう
しを混ぜたものでもよい。融点および焼結温度が燃料電
池の使用温度以上であれば、ガラスの粉体を用いてもよ
い)からなり、燃料電池使用温度以上での耐熱性を有す
るシール部30と、 シール部30の内周側および外周側に配置され、セ
ラミック繊維からなる形状体または金属からなる弾性体
からなり、シール部30の飛散を抑えてシール部30の
形状を維持し、燃料電池使用温度以上での耐熱性を有す
る形状維持部31と、を有する。上記において、「沿う
ように」とは、シール部とシールされるべき部分が平行
に配置されていてもよいしあるいは平行に配置されてい
なくてもよく、シールされるべき部分がシールできるよ
うに配置されていればよいということである。また、シ
ール部はシールされるべき部分を囲んでいてもよい。シ
ール部30の材料には、その溶融温度および焼結温度が
共に燃料電池の使用温度域以上である材料が用いられ
る。また、形状維持部31の材料には、その溶融温度が
燃料電池の使用温度域以上である材料が用いられる。例
えば、600℃〜700℃が使用温度域である燃料電池
においては、シール部30の材料はその溶融温度および
焼結温度が共に700℃以上の材料であり、形状維持部
31の材料はその溶融温度が700℃以上の材料であ
る。シール部30の材料は溶融温度が燃料電池の使用温
度域以上とした理由は、前述したように使用温度域で溶
融するガラスを用いると、停止時、低温作動時における
シール材であるガラスの割れが問題となる。さらに、シ
ール部30の材料の焼結温度を燃料電池の使用温度域以
上とした理由は以下の通りである。もし、シール部30
の材料の焼結温度が燃料電池の使用温度域以下であるな
ら、一度燃料電池を作動させると、シール部が焼結して
しまう。そうすると、振動等によってシール部が割れて
しまい、初期のシール特性が得られなくなってしまうか
らである。また、形状維持部材31の材料を、セラミッ
クの場合、好ましくはその焼結温度より高い温度の材料
とした理由は、以下の通りである。もし、形状維持部で
あるセラミックが焼結してしまうと、振動等によって形
状維持部が破損し、形状維持部の材料がガス流路に混入
するおそれがあり、また、粉体の形状維持という機能も
損なわれる可能性があるからである。また、シール部3
0、形状維持部31が粉体または繊維からなる場合、シ
ール部30においても、形状維持部31においても、粉
体、繊維に焼結が起こらなければ、粉体、繊維同士が滑
ることができ、より振動に対して、好適なシール構造と
なる。形状維持部31は、被シール材間に挟まれ、被シ
ール材間の間隔の変動に対して追従性を有する。形状維
持部は、粉体からなるシール部の形状を維持するととも
に、燃料電池の締結圧縮に対して締めしろの役目も果た
す。弾性体としては、例えば、空隙を有する金属製形状
体、または中空の金属製形状体などがあり、空隙を有す
る金属製形状体には、織布、不織布、網状のもの、メッ
シュ等があり、中空の金属製形状体には、Oリングなど
がある。もちろん、燃料電池の使用温度よりも融点の高
い金属で、締めしろの機能を果たす弾性率を有するもの
なら、空隙、中空がない金属でもよく、また金属でなく
ても、この条件を満たすものであればよい。また、セラ
ミック繊維からなる形状体、または空隙を有する金属製
形状体、または中空の金属製形状体らなる形状維持部を
組み合わせて用いることは適宜変更自由であり、また、
形状維持部材として、セラミック繊維と金属繊維から形
状維持部材を形成するなども適宜変更自由である。もち
ろん、セラミック繊維のみからなる形状体を用いてもよ
い。シール部30の材料および形状維持部31の材料
は、電気絶縁材からなる。そのため、別途、電気絶縁シ
ートを挟まなくてもよい。シール部30と形状維持部3
1は互いに別体であってもよいし、一体、たとえば形状
維持部31にシール部30の粉体が混じったものでもよ
い。シール部30と形状維持部31が別体である場合、
シール部30と形状維持部31が密接していることが望
ましい。それは、シール部30が崩れること自体が防止
されるからである。シール部30と形状維持部31は、
被シール部材(図示例では、金属箔22、空気側固定枠
23、燃料側固定枠24)積層体の締結力で、被シール
部材により圧縮されて被シール部材間をガスシールす
る。図示例では金属部材同士の間にシール材25を挟ん
でいるが、セル11などのセラミック部材同士の間、あ
るいは金属部材とセラミック部材の間にシール材25を
挟んでもよい。図3の(A)、(B)に示すように、空
気シール用シール材25と、燃料シール用シール材25
とは、90°ずれた角度で積層される。
【0011】つぎに、各部材は、たとえば、つぎの詳細
構造をとることができる。ただし、つぎの構造に限定さ
れるものではない。セル11は、厚さ0.5mmのYS
Z(Yttria Stabilized Zirconia)などの固体電解質板
に、燃料極としてNiとYSZのサーメット、空気極1
2として(La,Sr)MnO3 などのペロブスカイト
酸化物をそれぞれの面に形成して、構成されている。材
料はこれに限らない。また、電極基板に電解質を数μm
〜数十μmに薄膜化して形成したセル構成も用いられ
る。インタコネクタ15は、耐熱金属からなる金属箔で
あり、厚さは0.05〜0.5mmである。プレスなど
により、セル面方向のガス流路が形成されている。表面
処理等によって耐酸化性能を上げたものも使われる。空
気側集電体16は、NiやSUS、耐熱金属などからな
る金属フェルトなどが材料に用いられる。セル11とイ
ンタコネクタ15間の接触をよくする。燃料側集電体1
7は、NiやSUS、耐熱金属などからなる金属フェル
トなどが材料に用いられる。セル11とインタコネクタ
15間の接触をよくする。金属箔22は、燃料電池の使
用温度域において耐熱性があり、かつ表面に耐酸化処理
がなされているか、もしくは耐酸化材料でできている。
そして、厚さは0.05〜0.5mmである。セル11
を固定する部分は中抜きになっている。セル11を金属
箔22と固定しているのは、セル11と枠体23、24
との熱膨張差を金属箔22で吸収するためである。空気
側固定枠23は、全体の強度を担うとともに、ガスマニ
ホルド26、27、ガス連通路28、29を形成してい
る。燃料側固定枠24は、全体の強度を担うとともに、
ガスマニホルド26、27、ガス連通路28、29を形
成している。枠体23、24はインタコネクタ15と一
体化されていてもよい。枠体23、24がセラミックス
からできている場合は、シール部で電気的絶縁をとる必
要がないので、粉体は金属粉体でもよく、形状維持部は
金属製Oリング、金属製繊維、金属製メッシュなどの金
属製のものでもよい。また、枠体23、24が金属製で
ある場合には、移動体に搭載する燃料電池として好適で
ある。なぜなら、セラミックで枠体を作ると、セラミッ
クは脆いため、かなり厚く、重いものとなってしまうか
らである。また、移動体に使用すると、振動等による衝
撃によって、破損もし易い。しかし、金属で枠体を作っ
た場合、セラミックのように脆くないので、薄く、軽量
な燃料電池とすることができる。さらに、図1〜図3に
示した構成は、枠体と電解質の熱膨張による歪を吸収す
るため、電解質と金属箔を接合し、その金属箔を枠体と
シール材に挟んだ構成となっている。また、インタコネ
クタ15も枠体とシール材との間に挟まれている。よっ
て、インタコネクタ間には、枠体、インタコネクタ、シ
ール材が介在していることになる。そして、枠体を金属
にした場合では、金属、インタコネクタが共に金属であ
るため、インタコネクタ間の短絡を防ぐには、シール材
を電気絶縁性のものにすることが有効である。よって、
シール部にセラミックの粉体、形状維持部にセラミック
繊維からなる形状体(織布、不織布、フェルト状のも
の、石綿状のもの、等)を用いると有効である。また、
図1〜図3の構成に限られず、シール材を除いて、イン
タコネクタ間に挟まれる構成体が金属製のものだけから
なっている場合に、シール材を電気絶縁性のものにする
ことが有効である。シール部30は、セラミック(たと
えば、タルクなど)や金属の粉体(粒子集合体である場
合を含む)からなる。装着時はバインダなどにより形状
をなしていて運転中に熱でバインダが飛んでしまうもの
であるものを含む。粉体だけでシール部30を構成する
場合は、形状維持部と同様な形状を有するシート体を形
状維持部に重ね、その状態で粉体をシール部に振り掛
け、注ぎ込むようにしてシール部を形成する。シール部
30を粉体とバインダとを混ぜたもので形成する場合、
燃料電池を組立て、締結後、一度、高温(例えば、燃料
電池の使用温度)で処理して、バインダを飛ばした後、
所定締結圧で締め直すとよい。形状維持部31は、セラ
ミックや金属の繊維の、織布または不織布または集合体
または形状体(板状、シート状など、多孔質状であって
もよい)からなる。エンドプレート20は、セル積層体
の両端に設けられて、締結ボルト21などで全体を締結
する。エンドプレート20には、ガス(燃料、空気)の
供給、排出口が設けられる。エンドプレート20には、
燃料電池の+端子、−端子(図示せず)も配置される。
【0012】===全実施例に共通な構成の作用=== つぎに、上記全実施例に共通な構成の作用を説明する。
燃料電池の空気極12、燃料極14における、水生成を
伴う発電反応については、図14、図15を参照して説
明したものに準じる。上記の高温型燃料電池のガスシー
ル構造では、シール部30がセラミックまたは金属の粉
体からなり、前述した従来技術のように、溶融固化した
ものでないので、サーマルサイクルやサーマルショック
や振動がかかっても、亀裂して破損することはなく、熱
的、振動的にシールが耐久的に安定しており、信頼性が
高い。また、シール部30が形状維持部によって囲まれ
ているので、粉体からなるシール部30がバインダが飛
ぶなどしても、粉体は形状維持部で堰き止められて形状
を維持し、粉体が飛散、消失することはない。したがっ
て、シールは長期的に維持される。また、シール部が粉
体からなっていても、内周側、外周側を形状維持部31
によって囲まれているので、空気流路18、燃料流路1
9、空気マニホルド26、燃料マニホルド27に混入し
ていくこともない。また、形状維持部31がセラミック
や金属の繊維からなるので、スタック締結力の変動、温
度変動による締結荷重の変動、振動など、に微小な厚さ
変動に追従でき、破損せず、構造的に安定している。ま
た、形状維持部31がセラミックや金属の繊維からなる
ので、シール部30の粉体が繊維間の多隙間に侵入する
と目詰まりを起こし、よりシール性が増すので、粉体の
シールに適している。なお、本発明は、特開平8−27
9364のような円形タイプの燃料電池、特開平7−1
4591のような枠体間に電解質を挟むタイプの燃料電
池、特開平10−116624のような外部マニホルド
型の燃料電池(直線型のシール構造)等、いろいろな燃
料電池に、適用可能である。
【0013】===実施例1=== つぎに、本発明の高温型燃料電池のガスシール構造の各
実施例に特有な部分を説明する。本発明の実施例1で
は、図4に示すように、シール部30はセラミック粉体
からなり、形状維持部31は板状またはシート状または
箔状であり、たとえば、セラミック繊維からなるシート
状のものである。2枚の平板状(シール部対応部に溝が
無い)の被シール部材(空気側固定枠23とインタコネ
クタ15、または燃料側固定枠24と金属箔22)によ
って挟まれセル締結力がかけられて、シール部30と形
状維持部31は同厚となる。シール構造として、電気絶
縁性が必要ない場合は、粉体が金属製であってもよい
し、形状維持部も金属製であってもよい。本発明の実施
例1では、全実施例に共通の部分の作用で述べた作用と
同じ作用が得られる。
【0014】===実施例2=== 本発明の実施例2では、図5に示すように、シール部3
0はセラミック粉体または金属粉体からなり、形状維持
部31は金属製形状体、たとえば金属製Oリングからな
る。2枚の平板状(シール部対応部に溝が無い)の被シ
ール部材(空気側固定枠23とインタコネクタ15、ま
たは燃料側固定枠24と金属箔22)によって挟まれセ
ル締結力がかけられて、シール部30と形状維持部31
は同厚となる。本発明の実施例2では、全実施例に共通
の部分の作用で述べた作用と同じ作用が得られる。
【0015】===実施例3=== 本発明の実施例3では、図6に示すように、シール部3
0はセラミック粉体からなり、形状維持部31は板状ま
たはシート状または箔状である。シール部30を挟む2
枚の被シール部材(空気側固定枠23とインタコネクタ
15、または燃料側固定枠24と金属箔22)の内の一
方には溝32が形成されており、シール部30の厚さ方
向の一部分は溝32内に位置している。2枚の被シール
部材によって挟まれセル締結力がかけられた時、シール
部30の厚みは溝32の深さだけ形状維持部31の厚さ
より大となる。シール構造として、電気絶縁性が必要な
い場合は、粉体が金属製であってもよいし、形状維持部
も金属製であってもよい。本発明の実施例3では、全実
施例に共通の部分の作用で述べた作用と同じ作用がある
他、溝32があるため、シール部30の納まりがよい、
シール部30の位置が安定する、等の作用がある。
【0016】===実施例4=== 本発明の実施例4では、図7に示すように、シール部3
0はセラミック粉体からなり、形状維持部31は板状ま
たはシート状または箔状である。シール部30を挟む2
枚の被シール部材(空気側固定枠23とインタコネクタ
15、または燃料側固定枠24と金属箔22)のそれぞ
れにセル積層方向に位置を互いに対応させて溝32が形
成されており、シール部30の厚さ方向の一部分は溝3
2内に位置している。2枚の被シール部材によって挟ま
れセル締結力がかけられた時、シール部30の厚みは2
つの溝32の深さだけ形状維持部31の厚さより大とな
る。シール構造として、電気絶縁性が必要ない場合は、
粉体が金属製であってもよいし、形状維持部も金属製で
あってもよい。本発明の実施例4では、全実施例に共通
の部分の作用で述べた作用と同じ作用がある他、溝32
があるため、シール部30の納まりがよい、シール部3
0の位置が安定する、等の作用がある。
【0017】===実施例5=== 本発明の実施例5では、図8に示すように、シール部3
0はセラミック粉体からなり、形状維持部31は板状ま
たはシート状または箔状の、セラミック繊維からなる。
形状維持部31は多隙間を有し、シール部30の粉体は
形状維持部31の多隙間の中に入っており、これによっ
て、シール部30と形状維持部31は同一のスペースを
占めている。シール構造として、電気絶縁性が必要ない
場合は、粉体が金属製であってもよいし、形状維持部も
金属製であってもよい。本発明の実施例5では、全実施
例に共通の部分の作用で述べた作用と同じ作用が得られ
る。
【0018】===実施例6=== 本発明の実施例6では、図9に示すように、シール部3
0はセラミック粉体からなり、形状維持部31はセラミ
ックの板状またはシート状または箔状である。シール部
30を挟む2枚の被シール部材(空気側固定枠23とイ
ンタコネクタ15、または燃料側固定枠24と金属箔2
2)の内の一方には溝32が形成されており、シール部
30の厚さ方向の一部分は溝32内に位置している。溝
32の底面32aには、内側(セルの発電部側またはマ
ニホルド側)に向かって深くなる傾斜がつけられてい
る。2枚の被シール部材によって挟まれセル締結力がか
けられた時、シール部30には傾斜面32aによってシ
ール部30を内側(セルの発電部側)に寄せる方向の力
が働き、シール部30には周方向長さが短縮される方向
の力が働き、シール部30の粉体には密度を大にする側
の力が働き、シール部30の粉体がばらけにくくなる。
シール構造として、電気絶縁性が必要ない場合は、粉体
が金属製であってもよいし、形状維持部も金属製であっ
てもよい。本発明の実施例6では、全実施例に共通の部
分の作用で述べた作用と同じ作用がある他、溝32があ
るため、シール部30の納まりがよい、シール部30の
位置が安定する、また、傾斜面32aによってシール部
30の粉体がばらけにくい、シール部30には周方向長
さが短縮される方向の力が働き、シール部30の粉体間
の隙間が減少し、よりシール性が向上する、等の作用が
ある。
【0019】===実施例7=== 本発明の実施例7では、図10に示すように、シール部
30はセラミック粉体からなり、形状維持部31はセラ
ッミク繊維からなる板状またはシート状または箔状であ
る。シール部30を挟む2枚の被シール部材(空気側固
定枠23とインタコネクタ15、または燃料側固定枠2
4と金属箔22)のそれぞれに、溝32が形成されてお
り、シール部30の厚さ方向の一部分は溝32内に位置
している。各溝32の底面32aには、内側(セルの発
電部側)に向かって深くなる傾斜がつけられている。2
枚の被シール部材によって挟まれセル締結力がかけられ
た時、シール部30には傾斜面32aによってシール部
30を内側(セルの発電部側)に寄せる方向の力が働
き、シール部30には周方向長さが短縮される方向の力
が働き、シール部30の粉体には密度を大にする側の力
が働き、シール部30の粉体がばらけにくくなる。シー
ル構造として、電気絶縁性が必要ない場合は、粉体が金
属製であってもよいし、形状維持部も金属製であっても
よい。本発明の実施例7では、全実施例に共通の部分の
作用で述べた作用と同じ作用がある他、溝32があるた
め、シール部30の納まりがよい、シール部30の位置
が安定する、また、傾斜面32aによってシール部30
の粉体がばらけにくい、等の作用がある。
【0020】===実施例8=== 本発明の実施例8では、図11に示すように、シール部
30はセラミック粉体からなり、形状維持部31はセラ
ミック繊維などからなる。シール部30を挟む2枚の被
シール部材(空気側固定枠23とインタコネクタ15、
または燃料側固定枠24と金属箔22)の少なくとも一
方に、溝32が形成されており、シール部30の厚さ方
向の一部分は溝32内に位置している。各溝32の底面
32aには、内側(セルの発電部側)に向かって深くな
る傾斜がつけられている。同様に、形状維持部31を挟
む2枚の被シール部材(空気側固定枠23とインタコネ
クタ15、または燃料側固定枠24と金属箔22)の少
なくとも一方に、溝32が形成されており、形状維持部
31の厚さ方向の一部分は溝32内に位置している。各
溝32の底面32aには、内側(セルの発電部側)に向
かって深くなる傾斜がつけられている。このように傾斜
した溝を複数設けてもよい。2枚の被シール部材によっ
て挟まれセル締結力がかけられた時、シール部30およ
び形状維持部31には傾斜面32aによってシール部3
0および形状維持部31をそれぞれ内側(セルの発電部
側)に寄せる方向の力が働き、シール部30および形状
維持部31には周方向長さが短縮される方向の力が働
き、シール部30および形状維持部31には密度を大に
する側の力が働き、シール部30および形状維持部31
がばらけにくくなる。シール構造として、電気絶縁性が
必要ない場合は、粉体が金属製であってもよいし、形状
維持部も金属製であってもよい。本発明の実施例8で
は、全実施例に共通の部分の作用で述べた作用と同じ作
用がある他、溝32があるため、シール部30および形
状維持部31の納まりがよい、シール部30および形状
維持部31の位置が安定する、また、傾斜面32aによ
ってシール部30および形状維持部31がばらけにく
い、等の作用がある。
【0021】===実施例9=== 本発明の実施例9では、図12に示すように、シール部
30はセラミック金属の粉体からなり、形状維持部31
は金属の板状またはシート状または箔状である。シール
部30を挟む2枚の被シール部材(空気側固定枠23と
インタコネクタ15、または燃料側固定枠24と金属箔
22)の内一方に、シール部30に対応する部分に突条
33が形成されており、2枚の被シール部材の内他方に
は、突条33を隙間をもって受け入れる凹条34が形成
されている。シール部30またはシール部30を多隙間
に含む形状維持部31が、突条33と凹条34の間の隙
間に位置されて2つの被シール部材によって圧縮されて
いる。突条33と凹条34の断面形状は、任意であり、
図示例では矩形状であるが、三角形状、台形状、部分円
形状、部分楕円形状、などであってもよい。シール構造
として、電気絶縁性が必要ない場合は、粉体が金属製で
あってもよいし、形状維持部も金属製であってもよい。
突条33の熱膨張係数の方が凹条34の熱膨張係数より
大とされてもよい。その場合は、突条33と凹条34と
の隙間が温度上昇と共に(使用温度域において)小さく
なり、作動時のシール性がより向上される。また、実施
例9では凹条自体が形状維持部の役割を果たしているの
で、別途セラミックシート等の形状維持部を設けなくて
もよい。また、突条33を枠体と一体としたが、別体で
あってもよい。また、突条33と凹条34を角形とした
が、突条33の熱膨張による作用が凹条34に均一に働
くように、突条33、凹条34の断面を曲面としてもよ
い。また、突条33、凹条34は弾性部材であってもよ
い。また、突条33、凹条34を構成する材料の融点
は、燃料電池使用温度以上である。本発明の実施例9で
は、全実施例に共通の部分の作用で述べた作用と同じ作
用がある他、突条33と凹条34シール部30の保持性
がよい、シール部30の位置が安定する、等の作用があ
る。また、つぎの実施例10よりも、実施例9の方が、
粉体からなるシール部を形成しやすいこと、重力の影響
によって、凹条から粉体が漏れないこと、の点で優れて
いる。
【0022】===実施例10=== 本発明の実施例10は、図13に示すように、突条33
と凹条34の凹凸方向が実施例9の突条33と凹条34
と逆であることを除いて、本発明の実施例9と構成、作
用が同じである。
【0023】
【発明の効果】請求項1の高温型燃料電池のガスシール
構造によれば、シール部が形状維持部に沿っているの
で、粉体からなるシール部が崩れても、粉体は形状維持
部で堰き止められて形状を維持し、粉体が飛散、消失す
ることはない。したがって、シールが長期的に維持され
る。また、燃料電池は外側から締め付けられるが、粉体
からなるシール部の崩壊が防止されるので、燃料電池の
長期締め付け性が得られる。請求項2の高温型燃料電池
のガスシール構造によれば、シール部の一部が被シール
部材に形成された溝内に位置しているので、粉体が安定
的に保持され、熱サイクル、振動に対しより一層強くな
る。請求項3の高温型燃料電池のガスシール構造によれ
ば、粉体が形状維持部の多隙間に入れられので、シール
と粉体の形状維持を共に達成できる。請求項4の高温型
燃料電池のガスシール構造によれば、溝にシール部内径
側に向かって深くなる傾斜がつけられているので、被シ
ール部材に締結力がかかった時に、シール部にシール部
を内径側に寄せてより密度を高くする力がかかり、シー
ル部が崩れにくくなる。請求項5の高温型燃料電池のガ
スシール構造によれば、突条と凹条の間の隙間が形成さ
れているので、隙間に位置するシール部またはシール部
を多隙間に含む形状維持部の粉体は飛散、消滅しにく
い。請求項6の高温型燃料電池のガスシール構造によれ
ば、シール部および形状維持部が、電気絶縁材から構成
されているので、高温型燃料電池のガスシールとして使
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全実施例に適用可能な、高温型燃料電
池のガスシール構造を備えた燃料電池の全体分解斜視図
である。
【図2】図1の燃料電池(セル積層数は任意)の断面図
である。
【図3】(A)は空気側固定枠の正面図であり、(B)
は燃料側固定枠の正面図である。
【図4】本発明の実施例1の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図5】本発明の実施例2の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図6】本発明の実施例3の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図7】本発明の実施例4の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図8】本発明の実施例5の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図9】本発明の実施例6の高温型燃料電池のガスシー
ル構造の断面図である。
【図10】本発明の実施例7の高温型燃料電池のガスシ
ール構造の断面図である。
【図11】本発明の実施例8の高温型燃料電池のガスシ
ール構造の断面図である。
【図12】本発明の実施例9の高温型燃料電池のガスシ
ール構造の断面図である。
【図13】本発明の実施例10の高温型燃料電池のガス
シール構造の断面図である。
【図14】一般の高温型燃料電池、たとえば固体酸化物
型燃料電池の発電反応図である。
【図15】一般の高温型燃料電池、たとえば固体酸化物
型燃料電池の一部の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 高温型燃料電池 11 セル 12 空気極 13 電解質 14 燃料極 15 インタコネクタ 16 空気側集電体 17 燃料側集電体 18 空気流路 19 燃料流路 20 エンドプレート 21 締結手段(締結ボルト) 22 金属箔 23 空気側固定枠 24 燃料側固定枠 25 シール材 26 空気マニホルド 27 燃料マニホルド 28 空気連通路 29 燃料連通路 30 シール部 31 形状維持部 32 溝 32a 傾斜面 33 突条 34 凹条
フロントページの続き (72)発明者 本間 隆彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 長濱 昌俊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J040 AA01 AA02 AA11 AA15 AA18 BA03 EA16 EA17 EA22 EA42 FA01 FA13 HA11 HA15 5H026 AA05 AA06 BB02 CX02 CX08 EE02 EE12 EE18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池のシールされるべき部分に沿う
    ように配置され、融点および焼結温度が燃料電池の使用
    温度以上である粉体からなるシール部と、 前記シール部の両側に配置され、セラミック繊維からな
    る形状体または金属からなる弾性体からなり、シール部
    の飛散を抑えてシール部の形状を維持し、融点が燃料電
    池の使用温度以上である形状維持部と、を有し、前記シ
    ール部と前記形状維持部は、被シール部材間で圧縮され
    てなる高温型燃料電池のガスシール構造。
  2. 【請求項2】 前記被シール部材には前記シール部に対
    応する部分に溝が形成されており、前記シール部の一部
    が前記溝内に位置している、請求項1記載の高温型燃料
    電池のガスシール構造。
  3. 【請求項3】 燃料電池のシールされるべき部分に沿う
    ように配置され、セラミック繊維からなる形状体または
    金属からなる弾性体からなる多隙間体からなり、融点が
    燃料電池の使用温度以上である形状維持部と、 燃料電池の使用温度以上の融点を有し、前記形状維持部
    の多隙間に分散された、シール部と、を有し、前記シー
    ル部と前記形状維持部は、被シール部材間で圧縮されて
    なる高温型燃料電池のガスシール構造。
  4. 【請求項4】 前記被シール部材には、前記シール部に
    対応する部分に、または前記シール部に対応する部分と
    前記形状維持部に対応する部分とに、溝が形成されてお
    り、前記溝には、燃料電池のシールされるべき部分に近
    づくにつれて溝深さが深くなる傾斜がつけられている、
    請求項1または請求項3記載の高温型燃料電池のガスシ
    ール構造。
  5. 【請求項5】 シール部を挟んで対向する2つの被シー
    ル部材の一方には、前記シール部に対応する部分に突条
    が形成されており、前記2つの被シール部材の他方に
    は、前記突条を隙間をもって受け入れる凹条が形成され
    ており、前記シール部または前記シール部を多隙間に含
    む前記形状維持部が、前記突条と前記凹条の間の隙間に
    位置されて前記2つの被シール部材によって圧縮されて
    いる、請求項1または請求項3記載の高温型燃料電池の
    ガスシール構造。
  6. 【請求項6】 前記シール部および前記形状維持部が、
    電気絶縁材から構成されている請求項1または請求項2
    または請求項3または請求項4または請求項5記載の高
    温型燃料電池のガスシール構造。
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