JP2002203492A - 陰極線管用電子銃及び陰極線管 - Google Patents

陰極線管用電子銃及び陰極線管

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JP2002203492A
JP2002203492A JP2000398518A JP2000398518A JP2002203492A JP 2002203492 A JP2002203492 A JP 2002203492A JP 2000398518 A JP2000398518 A JP 2000398518A JP 2000398518 A JP2000398518 A JP 2000398518A JP 2002203492 A JP2002203492 A JP 2002203492A
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ray tube
hollow
electrode
cathode
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JP2000398518A
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Tomohisa Asano
智久 浅野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計の自由度が大きく、容易に設計を行うこ
とができる中空状の電子ビームを放出する構成の陰極線
管用電子銃及びこれを備えて蛍光面(スクリーン)上で
良好なスポットが得られる陰極線管を提供する。 【解決手段】 中空状の電子ビーム13を放出させ、メ
インレンズMLより前段にこの中空状の電子ビーム13
を偏向させる偏向手段20(21,22)が設けられ、
偏向手段20において中空状の電子ビーム13の軸部C
と周辺部との間に電界を発生させる陰極線管用電子銃及
びこの電子銃を備えた陰極線管を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空状の電子ビー
ムを放出する陰極線管用電子銃及びこの電子銃を備えた
陰極線管に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、中空状の範囲から電子放出するカ
ソードを用いた電子銃が提案されている(例えば特開昭
62−172636号参照)。この構成の電子銃では、
カソードの電子放出領域を中空状に規制することによ
り、放出される電子ビームの形状を中空状とするもので
ある。即ち電子ビームの中心軸付近は電子が通過しない
領域として、中心軸から離れた周辺部を電子を通過させ
る領域とするものである。
【0003】このように電子ビームを中空状とすること
により、通常の中実状の電子ビームと比較して、電子ビ
ームの中心軸からの距離の分布が大幅に狭くなるため、
電子銃の電極のレンズから受ける球面収差の影響を小さ
くすることができ、これにより蛍光面におけるスポット
をシャープにすることができる利点を有する。
【0004】そして、この中空状の電子ビームを放出さ
せる電子銃において、中空状の電子ビームをその中心軸
から遠ざける方向に偏向するようにした構成も提案され
ている。
【0005】中心軸から遠ざける方向に偏向することに
より、まず第1に電子銃に印加される電圧によって形成
される加速電界の作用によりカソード側に向かう正電荷
の粒子からカソードの電子放出領域を保護する(いわゆ
る正イオントラップを行う)ことができる利点がある。
【0006】また、第2に、中空状の電子ビームが全体
として形成する仮想物点の位置と、部分的に見たときの
電子ビームが形成する仮想物点の位置を近づけることが
できる利点がある。
【0007】そして、このように中心軸から遠ざかる方
向に偏向された中空状の電子ビームは、電子銃のメイン
レンズにて集束作用を受けて、例えば陰極線管の蛍光面
(スクリーン)上でフォーカスするように、メインレン
ズへ入射する前に軌道が調整される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
提案された構成では、後述するような問題があった。上
述のように、中心軸から遠ざかる方向に偏向された中空
状の電子ビームは、蛍光面上でフォーカスするように軌
道が調整されてメインレンズに入射する。この電子ビー
ムの軌道の調整には、例えば所定の電位が印加された電
極(以下軌道修正電極とする)を用いている。
【0009】軌道修正電極は、例えば電子ビームが通過
する開口が形成された2つの電極を対向させて、各電極
に異なる電位を供給して2つの電極間に電界(電子レン
ズ)を発生させることにより、電子ビームの軌道を変化
させるように構成される。
【0010】この軌道修正電極の構成の一例を図6に示
す。開口が形成された2つの電極51及び52を対向さ
せて、これら2つの電極51及び52に上述のように異
なる電位を供給して電子レンズを形成することにより、
中空状の電子ビーム53を内側に曲げるように軌道修正
している。
【0011】ここで、2つの電極51及び52の対向し
た開口によって形成された電子レンズの効果により、発
散角(中心軸からの電子ビーム53の拡がり角度)Θは
抑えられて、カソードK側の発散角ΘとメインレンズM
L側の発散角Θ´との関係がΘ>Θ´となっている。と
ころが、同時に中空状の電子ビーム53のなす角度即ち
電子ビーム53の最外周53Aと最内周53Bとのなす
角度θも抑えられることになる。即ちカソードK側の角
度θとメインレンズML側の角度θ´との関係がθ>θ
´となっている。メインレンズML側では角度θ´が小
さくなり、最外周53Aと最内周53Bが平行に近くな
っている。
【0012】そして、発散角Θを抑えるレンズ効果をよ
り高めようとすると、それに応じて電子ビーム53のな
す角度θに対するレンズ効果も大きくなり角度θがさら
に小さくなってしまう。
【0013】一方、電子銃の設計によっては、軌道修正
電極において発散角Θを大きくするように軌道を変化さ
せる場合もある。この場合には電子ビーム53のなす角
度θも大きくなる。
【0014】上述のように、軌道修正電極において発散
角Θを変化させるのに伴って、電子ビーム53のなす角
度θも変化する。この角度Θとθが同時に変化すること
により、条件出しが困難になってしまう。
【0015】このため、カソードK側の駆動電圧やメイ
ンレンズMLの電子レンズ効果等の条件を変えた場合の
中空状の電子ビーム53の軌道の変化を予測することが
困難になる。また、設計上の制約も大きくなり、中空状
の電子ビーム53が蛍光面上で集束されるようにして、
かつ仮想物点を所望の位置に設定することが困難にな
る。さらに、テストやシミュレーションが複雑化し、例
えば陰極線管の機種に対応した最適化設計が困難になる
と共に、開発や設計に要する時間が膨大になる問題があ
る。
【0016】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、設計の自由度が大きく、容易に設計を行うこと
ができる中空状の電子ビームを放出する構成の陰極線管
用電子銃及びこれを備えて蛍光面(スクリーン)上で良
好なスポットが得られる陰極線管を提供するものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管用電子
銃は、中空状の電子ビームを放出させる電子銃であっ
て、メインレンズより前段に中空状の電子ビームを偏向
させる偏向手段が設けられ、偏向手段において中空状の
電子ビームの軸部と周辺部との間に電界を発生させるも
のである。
【0018】本発明の陰極線管は、中空状の電子ビーム
を放出させ、メインレンズより前段に中空状の電子ビー
ムを偏向させる偏向手段が設けられ、偏向手段において
中空状の電子ビームの軸部と周辺部との間に電界を発生
させる電子銃を備えたものである。
【0019】上述の本発明の陰極線管用電子銃の構成に
よれば、メインレンズより前段に中空状の電子ビームを
偏向させる偏向手段が設けられたことにより、この偏向
手段においてメインレンズに入射する中空状の電子ビー
ムの軌道を最適化することが可能になる。また、この偏
向手段において、中空状の電子ビームの軸部と周辺部と
の間に電界を発生させることにより、電子ビームの軸部
側(内側)の軌道の変化と電子ビームの周辺部側(外
側)の軌道の変化との関係を調整することが可能にな
る。これにより、例えば電子ビームの最外周と最内周と
のなす角度の変化を小さくすることが可能になる。
【0020】上述の本発明の陰極線管の構成によれば、
上述の本発明の陰極線管用電子銃を備えたことにより、
メインレンズに入射する中空状の電子ビームの軌道を最
適化して陰極線管の蛍光面上においてフォーカスさせる
と共に、中空状の電子ビームの軸部側(内側)の軌道の
変化と電子ビームの周辺部側(外側)の軌道の変化との
関係を調整して、陰極線管の蛍光面(スクリーン)上に
おけるスポットの状態を調整することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、中空状の電子ビームを
放出させる電子銃であって、メインレンズより前段に中
空状の電子ビームを偏向させる偏向手段が設けられ、偏
向手段において中空状の電子ビームの軸部と周辺部との
間に電界を発生させる陰極線管用電子銃である。
【0022】また本発明は、上記陰極線管用電子銃にお
いて、偏向手段を、中空状の電子ビームを通過させる開
口と、開口に沿って管軸方向に延びる突起とが形成され
た電極を含む複数の電極により構成する。
【0023】本発明は、中空状の電子ビームを放出さ
せ、メインレンズより前段に中空状の電子ビームを偏向
させる偏向手段が設けられ、偏向手段において中空状の
電子ビームの軸部と周辺部との間に電界を発生させる電
子銃を備えた陰極線管である。
【0024】また本発明は、上記陰極線管において、偏
向手段を、中空状の電子ビームを通過させる開口と、開
口に沿って管軸方向に延びる突起とが形成された電極を
含む複数の電極により構成する。
【0025】まず、本発明が適用される中空状の電子ビ
ームを放出する陰極線管用電子銃を備えた陰極線管にお
ける電子ビームの軌道の概略図を図3に示す。この図3
は、1つの中空状の電子ビーム13について中心軸Cか
ら一方の側の部分の断面図を示している。
【0026】カソードKから偏向電極(例えば第1電極
G1)11の開口を経て放出された中空状の電子ビーム
13は、図示しない電極により中心軸Cから遠ざかる方
向に偏向される。これにより、所定の位置に仮想物点1
2を形成し、またカソードKの電子放出面に対する正電
荷を帯びたイオンによる衝撃を防ぐことができる。
【0027】その後、中空状の電子ビーム13は、図中
15で示す付近に設けられる軌道修正電極により、発散
角(中心軸Cと電子ビーム13の最外周13Aのなす角
度)Θが抑えられて内側に向けて軌道修正される。
【0028】そして、中空状の電子ビーム13は、軌道
修正された状態で電子銃のメインレンズMLに入射し、
メインレンズMLの電子レンズ効果により集束されて、
スクリーン(蛍光面)S上でかつ中心軸C上にフォーカ
スされる。メインレンズMLは、例えば中圧電極(3〜
10kV、好ましくは4〜7kV)と高圧電極(25〜
34kV程度)により構成される。
【0029】本発明においては、図3に15で示す付近
に設けられる軌道修正電極の構成に特徴を有するもので
ある。
【0030】尚、本発明においては、中空状の電子ビー
ム13が放出される構成であれば、カソードKやカソー
ドKに対向させる電極の構成は特に限定されない。カソ
ードKとして例えば半導体カソードを用いて、半導体カ
ソードの出射端面を絶縁層を形成して、絶縁層が形成さ
れていない部分からのみ電子ビームが放出されるように
規制することにより、中空状の電子ビーム13を形成し
てもよい。半導体カソード以外のカソードにおいて、同
様の規制により中空状の電子ビーム13を形成すること
も可能である。また、陰極線管に一般的に用いられてい
るように、カソードKの電子放出面に対向する電極の開
口(電子ビーム通過孔)によって、カソードKの電子放
出面から電子ビームが放出される領域を規制して、中空
状の電子ビーム13を形成してもよい。
【0031】そして、中空状の電子ビーム13の管軸方
向Zに垂直な面における断面形状は、同心円状の外周面
及び内周面から成るリング状、このリング状のうち一部
を用いた形状、或いはこれらの形状に類似した形状とす
ることができる。
【0032】続いて、本発明の一実施の形態として、カ
ラー陰極線管用電子銃の要部の概略構成図を図1及び図
2に示す。この図1及び図2は、図3において15で示
す付近に設けられる軌道修正電極20の構成を示すもの
である。図1Aは軌道修正電極20のカソードK側の電
極21の斜視図を示し、図1Bは軌道修正電極20のメ
インレンズML側の電極22の斜視図を示し、図2に軌
道修正電極20の断面図を示す。
【0033】軌道修正電極20のカソードK側の電極
(以下第1の軌道修正電極とする)21は、図1A及び
図2に示すように、カラー陰極線管の3色R,G,Bに
対応した3本の中空状電子ビームが通過するように、電
子ビーム通過孔(開口)23が3つインライン配列され
ている。電子ビーム通過孔23の中央部には、陰極線管
の管軸方向Zに延びる円筒状の突起24Aを有する部分
24が設けられており、この部分24は電極21の他部
と細いブリッジ部25により接続されている。軌道修正
電極20のメインレンズML側の電極(以下第2の軌道
修正電極とする)22は、図1B及び図2に示すよう
に、電子ビーム通過孔(開口)26が3つインライン配
列されている。電子ビーム通過孔26の中央部には、電
極板27が設けられており、この電極板27は第1の軌
道修正電極21と同様の細いブリッジ部(図示せず)に
より電極22に接続される。電子ビーム通過孔26の周
囲には、陰極線管の管軸方向Zに延びる円筒状の突起2
8が設けられている。
【0034】そして、第1の軌道修正電極21の突起2
4Aが延びている側の面21Aと、第2の軌道修正電極
22の突起28が延びている側の面22Aとを対向させ
て、かつ電気的な絶縁は保ちながら第2の軌道修正電極
22の円筒状の突起28の内側に第1の軌道修正電極2
1の円筒状の突起24Aを入り込ませてオーバーラップ
させるように配置することにより、軌道修正電極20が
構成されている。
【0035】第1の軌道修正電極21及び第2の軌道修
正電極22のそれぞれ管軸方向Zに延びる突起24A及
び28により、第1の軌道修正電極21と第2の軌道修
正電極22の間に管軸方向Zに垂直な方向の成分を有す
る電界が発生するようになる。即ちこの管軸方向Zに垂
直な方向の成分の電界により、中空状の電子ビーム13
の軸部と周辺部との間に電界を発生させることができ
る。
【0036】そして、例えば第1の軌道修正電極21に
印加する電位を、第2の軌道修正電極22に印加する電
位より高くすることにより、図2に示すように、中空状
の電子ビーム13は第1の軌道修正電極21の円筒状の
突起24Aに引きつけられる方向に偏向される。従っ
て、軌道修正電極20により発散角Θが小さく抑えられ
る。
【0037】また、特に中空状の電子ビーム13の最内
周13Bと最外周13Aは、突起24Aと28によって
形成される電界により一様な力を受ける。その結果、図
6に示したような最内周13Bと最外周13Aとのなす
角度θの減少はなく、中空状の電子ビーム13のなす角
度θをほとんど変化しないようにすることができる。
【0038】尚、第1の軌道修正電極21と第2の軌道
修正電極22に印加する電位の高低を逆の関係とした場
合には、発散角Θを大きくすることができると同時に、
中空状の電子ビーム13のなす角度θをほとんど変化し
ないようにすることが可能である。
【0039】また、図1に示した第1の軌道修正電極2
1と第2の軌道修正電極22の配置は、2つの電極2
1,22いずれかがカソードK側でもよく、図2とは逆
の配置も可能である。そして、それぞれの配置の場合に
おいて、中空状の電子ビーム13がメインレンズMLに
入射するときの状態が所望の状態となるように、2つの
電極21,22に対応した電位を印加すれば、所望の軌
道修正を行うことが可能である。
【0040】そして、軌道修正電極20における中空状
の電子ビーム13の軌道の調整の感度は、2つの電極2
1,22間の電位差や、電子ビーム通過孔23,26の
径の差、円筒状の突起24A,28の管軸方向Zの長さ
等により自由に設定することができる。
【0041】また、一般的に、陰極線管において、電子
ビームは水平方向及び垂直方向に偏向されながら、スク
リーンを走査していくことにより、スクリーン全域に画
像を表示する。このとき、スクリーンの中央部を走査す
る際のメインレンズの強度とスクリーンの周辺部を走査
する際のメインレンズの強度を変化させることが一般的
に行われている。この手法はダイナミックフォーカスと
呼ばれている。
【0042】そこで、本実施の形態のカラー陰極線管用
電子銃において、上述した軌道修正電極20の各電極2
1,22に印加する電位を、陰極線管の偏向周波数に同
期して変調する。これにより、軌道修正電極20におい
て生じる偏向電界を陰極線管の偏向周波数に同期して変
調させて中空状の電子ビーム13の発散角Θの調整を行
うことができ、メインレンズMLに入射するときの中空
状の電子ビーム13の発散角Θを、陰極線管のスクリー
ン(蛍光面)Sの画面全域に対して最適化することが可
能となる。従って、スクリーンSの画面全域において良
好なスポットを得ることが可能となる。
【0043】上述の本実施の形態によれば、軌道修正電
極20において、2つの電極21,22の円筒状の突起
24A,28の間に管軸方向Zに垂直な方向の成分を有
する電界を形成して、中空状の電子ビーム13の軸部と
周辺部との間に電界を発生させることができる。これに
より、軌道修正電極20(21,22)において、中空
状の電子ビーム13のなすθを変化させることなく電子
ビーム13を静電的に偏向して発散角Θを変化させるこ
とができ、電子ビーム13の軌道を任意に制御すること
が可能となる。
【0044】即ちスクリーンSにおけるスポットサイズ
と深く関係のある中空状の電子ビーム13の発散角Θを
調整する際に、中空状の電子ビーム13の最外周13A
と最内周13Bとのなす角度θにはほとんど影響を与え
ないで、中空状の電子ビーム13の発散角Θのみ調整す
ることができる。このように中空状の電子ビーム13の
なす角度θがほとんど変化しないようにすることができ
るため、発散角Θを変化させた場合の軌道の変化を容易
に予測することができる。また、この角度θの変化を気
にしないで自由に発散角Θを変化させることができ、発
散角Θを変更して仮想物点12の位置を自由に変更する
ことが可能になる。
【0045】従って、電子銃の設計が容易になり、設計
や開発に要する時間を低減することができると共に、電
子銃の設計の自由度が大きくなる。即ち例えば陰極線管
の機種に応じた設計が自由にかつ容易にできるようにな
る。
【0046】尚、図3においては、比較的カソードK近
傍の位置15に軌道修正電極を配置するようになってい
るが、軌道修正電極の配置はメインレンズMLより前段
であれば特に限定されない。
【0047】さらに、図4に第2の軌道修正電極22の
他の形状を示す。この場合は、図1Bの円筒状の突起2
8を形成する代わりに、円筒の一部をなす形状の左右2
つの突起29A及び29Bから成る突起部29を電子ビ
ーム通過孔26の周囲に形成した構成である。この形状
の第2の軌道修正電極22は、例えば中空状の電子ビー
ム13が、リング状ではなくリング状の一部が左右に形
成された構成である場合に好適なものである。
【0048】続いて、本発明の他の実施の形態として、
軌道修正電極の他の構成を図5に示す。図5Aは第1の
軌道修正電極21の斜視図を示し、図5Bは第2の軌道
修正電極22の斜視図を示し、図5Cは、軌道修正電極
20の断面図を示す。本実施の形態では、第1の軌道修
正電極21の構成は図1Aと同様であるが、第2の軌道
修正電極22の構成が図1Bとは異なっている。即ち第
2の軌道修正電極22は、図5B及び図5Cに示すよう
に、円形の電子ビーム通過孔30が3つ形成された構成
となっている。これにより、円形の電子ビーム通過孔3
0の内壁面を、先の実施の形態の円筒状の突起28と同
様に機能させることが可能になっている。
【0049】上述の本実施の形態によれば、第1の軌道
修正電極21の電子ビーム通過孔23の内側に形成され
た突起24Aと、第2の軌道修正電極22の電子ビーム
通過孔30の内壁面との間に、管軸方向Zに垂直な方向
の成分を有する電界が形成されるため、先の実施の形態
と同様に、中空状の電子ビーム13のなす角度θを変化
させないで発散角Θを変化させて軌道を調整することが
可能になる。
【0050】従って、先の実施の形態と同様に、電子銃
の設計が容易になると共に、所望の位置に仮想物点12
を設定することができ、設計の自由度も大きくなる。
【0051】さらに、本実施の形態によれば、第2の軌
道修正電極22が電子ビーム通過孔30が3つ形成され
たのみの単純な構成となっているため、第2の軌道修正
電極22の製造工程が簡略化される。これにより、カラ
ー陰極線管用電子銃及びこれを備えたカラー陰極線管の
製造コストの低減や製造に要する時間の短縮を図ること
が可能になる。
【0052】上述の各実施の形態では、軌道修正電極2
0の構成のみ示しているが、偏向電極やメインレンズM
Lを構成する中圧電極及び高圧電極やその他の電極を必
要に応じて設けてカラー陰極線管用電子銃を構成する。
【0053】本発明は、上述の各実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその
他様々な構成が取り得る。
【0054】
【発明の効果】上述の本発明によれば、中空状の電子ビ
ームを放出する電子銃において、発散角の調整に対する
設計の自由度を大きくすることができる。また、中空状
の電子ビームのなす角度の変化を小さくして、電子ビー
ムの軌道を単純化することが可能になるため、軌道の変
化を容易に予測することができるようになる。従って、
電子銃の設計が容易になり、設計や開発に必要な時間を
低減することができる。
【0055】また、電子銃のメインレンズに入射すると
きの電子ビームの発散角を最適化させて、スクリーン上
において良好なスポットを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A、B 本発明の一実施の形態のカラー陰極線
管用電子銃の要部の概略構成図(軌道修正電極の斜視
図)である。
【図2】図1の軌道修正電極の断面図である。
【図3】本発明が適用される中空状の電子ビームを放出
する陰極線管用電子銃を備えた陰極線管における電子ビ
ームの軌道の概略図である。
【図4】図1Bの第2の軌道修正電極を変形した構成の
斜視図である。
【図5】本発明の他の実施の形態のカラー陰極線管用電
子銃の要部の概略構成図である。 A 第1の軌道修正電極の斜視図である。 B 第2の軌道修正電極の斜視図である。 C 軌道修正電極の断面図である。
【図6】従来の中空状電子ビームを放出する電子銃に用
いられていた軌道修正電極の断面図である。
【符号の説明】
11 偏向電極、12 仮想物点、13 中空状の電子
ビーム、20 軌道修正電極、21 第1の軌道修正電
極、22 第2の軌道修正電極、23,26,30 電
子ビーム通過孔、24A,28,29A,29B 突
起、25 ブリッジ部、29 突起部、K カソード、
ML メインレンズ、S 蛍光面(スクリーン)、Θ
中空状の電子ビームの発散角、θ 中空状の電子ビーム
のなす角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の電子ビームを放出させる電子銃
    であって、 メインレンズより前段に上記中空状の電子ビームを偏向
    させる偏向手段が設けられ、 上記偏向手段において、上記中空状の電子ビームの軸部
    と周辺部との間に電界を発生させることを特徴とする陰
    極線管用電子銃。
  2. 【請求項2】 上記偏向手段が、上記中空状の電子ビー
    ムを通過させる開口と、該開口に沿って上記管軸方向に
    延びる突起とが形成された電極を含む複数の電極により
    構成されたことを特徴とする請求項1に記載の陰極線管
    用電子銃。
  3. 【請求項3】 中空状の電子ビームを放出させる電子銃
    であって、 メインレンズより前段に上記中空状の電子ビームを偏向
    させる偏向手段が設けられ、 上記偏向手段において、上記中空状の電子ビームの軸部
    と周辺部との間に電界を発生させる電子銃を備えたこと
    を特徴とする陰極線管。
  4. 【請求項4】 上記偏向手段が、上記中空状の電子ビー
    ムを通過させる開口と、該開口に沿って上記管軸方向に
    延びる突起とが形成された電極を含む複数の電極により
    構成されたことを特徴とする請求項3に記載の陰極線
    管。
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