JP2002202618A - レジスト剥離剤 - Google Patents

レジスト剥離剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、爆発の危険性の高いヒド
ロキシルアミンを含有せず、優れたレジスト剥離性、チ
タン酸化物剥離性を示すレジスト剥離剤を提供すること
にある。 【解決手段】第四級アンモニウム塩の過酸化水素化物か
らなるレジスト剥離剤を製造し、用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路、
プリント配線基板の製造工程におけるフォトレジスト層
及びチタン酸化物を剥離するための剥離剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は、基体上にフォトレジ
ストを塗布し、露光、現像の後、エッチングを行い、回
路を形成した後、フォトレジストを基体上から剥離する
か、回路形成の後、アッシングを行い、レジストを除去
した後、残ったレジスト残渣を剥離する方法で製造され
る。フォトレジストを基体上から剥離するため、あるい
はレジスト残渣を基体上から剥離するため、従来、様々
なレジスト剥離剤が提案されてきた。特開昭62−49
355号公報にはアルカノールアミン類を用いたレジス
ト剥離液組成物が開示されている。ところが、アルカノ
ールアミンを用いた剥離液組成物では、ドライエッチン
グ、アッシング、イオン注入などの処理をされ無機的性
質に変質したレジスト残渣の剥離には不十分となってい
る。また、最新のサブミクロン処理技術では、TiN,
TiSiなどを含む金属材料が使用されるが、これらの
金属材料を使用した場合、処理中にチタン酸化物などの
安定な副産物が生じる。チタン酸化物は従来使用されて
きたアルカノールアミンでは剥離することができなかっ
た。
【0003】そこで、最近になってより剥離性の優れた
レジスト用剥離液組成物としてヒドロキシルアミンを含
むものが提案された。例えば特開平4−289866号
公報には、ヒドロキシルアミンとアルカノールアミンを
含むレジスト用剥離液組成物が、特開平6−26611
9号公報にはヒドロキシルアミン、アルカノールアミ
ン、カテコールを含むレジスト用剥離液組成物が提案さ
れている。このヒドロキシルアミンを含むレジスト用剥
離組成物は、優れたチタン酸化物剥離性を示すものの、
不安定な化合物のため、分解、爆発などの危険性があ
る。
【0004】さらに、過酸化水素と酸を組み合わせたレ
ジスト剥離剤も提案されているが(特開昭64−157
40号公報)、塩基性で溶解するアルカリ現像型のフォ
トレジストの剥離には最適とは言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
提案されてきたレジスト剥離剤は、剥離性、特にチタン
酸化物の剥離性が不十分であったり、分解、爆発の危険
性がある。そのため、本発明の目的は、爆発の危険性の
高いヒドロキシルアミンを含有せず、優れたレジスト剥
離性、チタン酸化物剥離性を示すレジスト剥離剤を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レジスト
剥離剤について鋭意検討した結果、第四級アンモニウム
塩の過酸化水素化物からなるレジスト剥離剤がレジスト
剥離性及びチタン酸化物剥離性に優れたレジスト剥離剤
として用いることができることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は第四級アンモニウム塩
の過酸化水素化物からなることを特徴とするレジスト剥
離剤である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明のレジスト剥離剤の必須成分は、第
四級アンモニウム塩の過酸化水素化物である。第四級ア
ンモニウム塩の過酸化水素化物とは、第四級アンモニウ
ム塩に対し、過酸化水素が結晶水のように配位したもの
を言う。第四級アンモニウム塩の過酸化水素化物は安定
な化合物であり、結晶の形で、空気中、室温で単離する
ことも可能である。また、後述するアミン類等と混合し
ても反応せず安定であり、取扱が容易である。
【0010】本発明のレジスト剥離剤に使用できる第四
級アンモニウム塩は、過酸化水素と過酸化水素化物を形
成するものならいずれも使用することができるが、第四
級アンモニウムヒドロキシドが特に好ましい。ヒドロキ
シド以外の塩(例えば、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸
塩、フェノール塩などの弱酸の塩)も問題なく使用する
ことができるが、レジスト剥離性、チタン酸化物剥離性
にはヒドロキシドが最も優れている。第四級アンモニウ
ムヒドロキシドを例示すると、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキ
シド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、ド
デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジル
トリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアル
キルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒド
ロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)など
のトリアルキル−ヒドロキシルアルキルアンモニウムヒ
ドロキシドが挙げられる。
【0011】本発明における第四級アンモニウム塩の過
酸化水素化物の製造方法は、一般的な過酸化水素化物を
製造する方法を利用できるため、特に限定されないが、
あえて例示すると、第四級アンモニウム塩の水溶液に過
酸化水素水を当量以上添加した後、過剰の過酸化水素を
加熱して分解する方法、同様に第四級アンモニウム塩の
水溶液に過酸化水素水を当量以上添加した後、過剰の過
酸化水素水を酵素、金属塩などを加えて分解する方法、
第四級アンモニウム塩に当量以下の過酸化水素水を少し
ずつ加える方法など種々の方法がある。また、水以外の
溶媒を使用して製造しても一向に差し支えない。第四級
アンモニウム塩の過酸化水素化物を形成する第四級アン
モニウム塩と過酸化水素の比は化合物によって異なるた
め、一概に示すことはできないが、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシドの場合は、モル比で1:1である。用いられる過
酸化水素水の濃度は、発熱、分解、取扱性等を考慮する
と好ましくは0.1%〜80%である。
【0012】本発明のレジスト剥離剤は、第四級アンモ
ニウム塩の過酸化水素化物以外にアミン類、水溶性有機
溶媒、及び水からなる群より選ばれる少なくとも一種を
添加することができる。
【0013】アミン類としては、レジスト剥離剤として
一般に使用されているアミン類を添加しても良い。具体
的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エ
タノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエ
チルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールア
ミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノ
ールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、
モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキ
シエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)
モルホリンなどのアルカノールアミン類、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジ
ン、トリエチレンジアミンなどのエチレンアミン類、
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、
N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、N−メチルピペラジン、N,N,N’−
トリメチルアミノエチルピペラジンなどのN−アルキル
エチレンアミン類、エチレンアミン以外のプロパンジア
ミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの
ジアミン類、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、
2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾー
ル、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール
類、モルホリン、シクロヘキシルアミン、2−エチル−
ヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリンなどのモノ
アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リブチルアミンなどのアルキルアミン類が挙げられる。
また、腐食、危険性を鑑みれば好ましいことではない
が、ヒドロキシルアミン類も添加することができる。こ
れらアミン類は単独で使用しても良いし、二種類以上を
混合して使用しても良い。
【0014】本発明のレジスト剥離剤には水溶性有機溶
媒も添加することができる。この水溶性有機溶媒もレジ
スト剥離剤として一般に使用しているものを使用するこ
とができる。水溶性有機溶媒を例示すると、ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、
ジエチルスルホンなどのスルホン類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ドなどのアミド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−
エチル−2−ピロリドン、N−プロピル−2−ピロリド
ン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンなどのラク
タム類、1,3−ジメジル−2−イミダゾリジノンなど
のイミダゾリジノン類、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチル
エーテルなどのグリコールエーテル類が挙げられる。こ
れら水溶性有機溶媒は単独で使用しても良いし、二種類
以上を混合して使用しても良い。
【0015】本発明のレジスト剥離剤には、一般に使用
されている防食剤も添加することができる。防食剤とし
ては、通常使用されるものであり特に限定するものでは
なく、例えば弗化物、有機カルボン酸、芳香族ヒドロキ
シド化合物、アゾールからなる群より選ばれる少なくと
も一種を添加することができる。
【0016】過酸化物、第四級アンモニウム塩、水、ア
ミン類、及び水溶性有機溶媒の比率は、それぞれ使用す
る化合物が異なると変化するため、限定することは困難
であるが、好ましくは、第四級アンモニウム塩の過酸化
物が1〜50重量%、水が1〜90重量%、アミン類が
1〜50重量%、水溶性有機溶媒が1〜50重量%であ
る。さらに好ましくは、第四級アンモニウム塩の過酸化
水素化物が5〜50重量%、水が1〜90重量%、アミ
ン類が1〜40重量%、水溶性有機溶媒が1〜50重量
%である。特に好ましくは、第四級アンモニウム塩の過
酸化水素化物が5〜40重量%、水が1〜90重量%、
アミン類が1〜30重量%、水溶性有機溶媒が1〜50
重量%である。この範囲をはずれても使用できないこと
はないが、レジストの剥離性、安定性が低下する。
【0017】本発明のレジスト剥離剤は、レジストを剥
離する際に各成分を添加して使用しても良いし、あらか
じめ各成分を混合しておいてから使用しても良い。
【0018】本発明のレジスト剥離剤は、ポジ型、ネガ
型を含めて、アルカリ水溶液で現像できるレジストに利
用できる。
【0019】本発明のレジスト剥離剤は、無機質基体上
に塗布されたフォトレジスト膜、または無機基体上に塗
布されたフォトレジスト膜をドライエッチング後に残存
するフォトレジスト層、あるいはドライエッチング後に
アッシングを行い残存するフォトレジスト残渣物などを
剥離するのに用いられる。また、チタン酸化物などの副
生成物を剥離するのに用いられる。チタン酸化物には4
価、3価、2価の酸化物があり、4価のチタン酸化物
(二酸化チタン)が最も難溶性で剥離しにくいが、本発
明のレジスト剥離剤は、最も難溶性なチタン酸化物(二
酸化チタン)を含め、いずれのチタン酸化物も剥離する
ことができる。その際には、加熱、超音波などで剥離を
促進しても良い。
【0020】本発明のレジスト剥離剤の使用方法は浸漬
法が一般的であるが、その他の方法を使用しても一向に
差し支えない。
【0021】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】製造例 590gの15%テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(0.97mol)を80℃に加熱し、これに35%
過酸化水素水150g(1.54mol)を滴下した。
過剰の過酸化水素の分解による発泡がなくなるまで加熱
し、その後、減圧下、水を留去し、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドの過酸化水素化物を得た。 テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの過酸化水素化
物のIR(KBr錠剤)1489,1404,949c
-1 このテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの過酸化水
素化物を水に溶かし、アミン、水溶性有機溶媒を加え、
レジスト剥離液とし、以下の実施例で使用した。
【0023】なお、その他の第四級アンモニウム塩の過
酸化水素化物についても同様の方法で製造した。
【0024】また、比較例2で使用する過酸化水素は3
5%過酸化水素水を水で希釈し、6%過酸化水素水とし
て使用した。
【0025】実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例4 シリコンウェハ上に、市販のポジ型フォトレジストを2
μmの厚みで塗布し、プリベークした。次いで、マスク
パターンを介して露光し、テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシドで現像した。エッチングを行った後、プラズ
マアッシング処理を行った。このシリコンウェハを表1
に示す剥離液に80℃、30分浸漬し、その後水洗い
し、乾燥した。表面を走査型電子顕微鏡で観察し、レジ
スト変質膜の剥離性、及びチタン酸化物の剥離性を調べ
た。 <レジスト剥離性及びチタン酸化物剥離性>変質膜の剥
離性及びチタン酸化物の剥離性は以下の様に評価した。
【0026】 ○:剥離性良好 △:一部残存物有り ×:大部分残存していた なお、表1の記載を簡潔にするため、以下の略記号を使
用した。
【0027】 TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド TMAH−H:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
の過酸化水素化物 TEAH−H:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
の過酸化水素化物 TPAH−H:テトラ−n−プロピルアンモニウムヒド
ロキシドの過酸化水素化物 TMHEAH−H:トリメチル−2−ヒドロキシエチル
アンモニウムヒドロキシドの過酸化水素化物 TETA:トリエチレンテトラミン DMSO:ジメチルスルホキシド MEA:モノエタノールアミン HA:ヒドロキシルアミン
【0028】
【表1】
【発明の効果】本発明のレジスト剥離剤は、不安定で危
険性の高いヒドロキシルアミンを含まず、優れたレジス
ト剥離性、チタン酸化物剥離性を示すレジスト剥離剤と
して使用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第四級アンモニウム塩の過酸化水素化物か
    らなることを特徴とするレジスト剥離剤。
  2. 【請求項2】第四級アンモニウム塩が、第四級アンモニ
    ウムヒドロキシドであることを特徴とする請求項1に記
    載のレジスト剥離剤。
  3. 【請求項3】第四級アンモニウム塩が、テトラアルキル
    アンモニウム塩又はトリアルキル−ヒドロキシアルキル
    アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載のレジスト剥離剤。
  4. 【請求項4】第四級アンモニウム塩の過酸化水素化物
    に、アミン類、水溶性有機溶媒、及び水からなる群より
    選ばれる少なくとも一種を添加することを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載のレジスト剥離剤。
  5. 【請求項5】水溶性有機溶媒が、スルホキシド類、スル
    ホン類、N,N−ジメチルホルムアミド、アミド類、ラ
    クタム類、イミダゾリジノン類、グリコール類、及びグ
    リコールエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載のレジスト剥離剤。
  6. 【請求項6】チタン酸化物を剥離することを特徴とする
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載のレジスト剥離
    剤。
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