JP2002201596A - 剥離紙用アンダーコート剤 - Google Patents

剥離紙用アンダーコート剤

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JP2002201596A
JP2002201596A JP2000396411A JP2000396411A JP2002201596A JP 2002201596 A JP2002201596 A JP 2002201596A JP 2000396411 A JP2000396411 A JP 2000396411A JP 2000396411 A JP2000396411 A JP 2000396411A JP 2002201596 A JP2002201596 A JP 2002201596A
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JP2000396411A
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Hiroshi Tsuji
博史 辻
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 剥離紙のリサイクルを容易とし、高濃度での
塗工性に優れ、また、基紙内部への浸透が少なく、さら
には目止め効果や表面光沢、平滑性等に優れるアンダー
コート層を容易に形成し得る新規なエマルジョン型剥離
紙用アンダーコート剤を提供する。 【解決手段】 カチオン性不飽和単量体、非イオン性不
飽和単量体およびアニオン性不飽和単量体からなる共重
合体ならびに乳化剤を含有してなる共重合体エマルジョ
ンを含有してなる剥離紙要アンダーコート剤。好ましく
は、カチオン性不飽和単量体が、第三級アミノ基その
塩、又は第四級アンモニウム塩基を含有するものであ
り、非イオン性不飽和単量体が、スチレン系化合物およ
び/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は
水酸基を含有するエステル置換基を分子内に有する(メ
タ)アクリル酸エステルであり、アニオン性不飽和単量
体が、分子内にカルボキシル基を含有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剥離紙用アンダー
コート剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着ラベルやシール等に用いられ
る剥離紙としては紙や板紙等の基紙表面にポリエチレン
等のフィルムをラミネートし、その上にシリコーン樹脂
等の離型剤層を設けたものが使用されている。この方法
によれば光沢に優れた剥離紙が得られ、また、離型剤が
基紙内部へ浸透しない為塗工量を任意に調整することが
でき、一定の厚みを有する離型剤層を得ることができ
る。しかし、ラミネート処理を施した剥離紙はリサイク
ルが困難であるので、パルプとして再使用可能な剥離紙
の開発が望まれている。
【0003】リサイクルが容易な剥離紙としては、アン
ダーコート剤としてポリビニルアルコール等の水溶性高
分子を使用した剥離紙が知られている。このような水溶
性高分子を用い均一な厚みを有するアンダーコート層を
得るには高濃度で基紙の上に塗工する必要があるが、一
般にこれら水溶性高分子は粘度が高く、高速塗工が困難
である。また、ピンホール等の欠陥が生じ易く、得られ
るアンダーコート層は目止め効果(バリア性)が十分で
はない。一方、低濃度で塗工すると作業性は向上するが
乾燥工程に時間がかかるので生産性が低下し、また、ア
ンダーコート剤が基紙内部へ浸透してしまうので均一な
厚みのアンダーコート層が得がたくなり、アンダーコー
ト層表面の光沢や平滑性も低下する。その結果として離
型剤塗工後の剥離紙表面の光沢も低下するという問題が
生ずる。
【0004】高濃度での高速塗工が容易なアンダーコー
ト剤としては、高濃度でも比較的低粘度であるエマルジ
ョン型のアンダーコート剤が知られている。しかしかか
るアンダーコート剤は作業性には優れるが、基紙内部へ
浸透しやすいので均一な厚みを有するアンダーコート層
を得るのが困難である。また、アンダーコート層の目止
め効果や表面光沢、平滑性も依然満足できる水準にな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、剥離紙のリ
サイクルを容易とし、高濃度での塗工性に優れ、また、
基紙内部への浸透が少なく、さらには目止め効果や表面
光沢、平滑性等に優れるアンダーコート層を容易に形成
し得る新規なエマルジョン型剥離紙用アンダーコート剤
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく、基紙表面のパルプ繊維がマイナスに帯電して
いることに注目し、アンダーコート剤にカチオン性の官
能基を導入すれば基紙表面において該アンダーコート剤
とパルプ繊維との間に相互作用が生起し、紙内部への浸
透防止性や目止め性に優れたアンダーコート層が得られ
るという観点に立ち、カチオン性不飽和単量体を必須構
成成分とするエマルジョン型アンダーコート剤について
鋭意検討を行った。この結果、特定のカチオン性不飽和
単量体、非イオン性不飽和単量体およびアニオン性不飽
和単量体からなる共重合体ならびに乳化剤を含有してな
る共重合体エマルジョンアンダーコート剤が前記課題を
悉く解決すること見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち、カチオン性不飽和単量体
(A)、非イオン性不飽和単量体(B)およびアニオン
性不飽和単量体(C)からなる共重合体ならびに乳化剤
(D)からなる共重合体エマルジョンを含有してなる剥
離紙用アンダーコート剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明である剥離紙用アン
ダーコート剤を構成するカチオン性不飽和単量体
(A)、非イオン性不飽和単量体(B)およびアニオン性
不飽和単量体(C)からなる共重合体(以下、単に「共
重合体」という)と乳化剤(D)について説明する。
【0009】本明細書において、カチオン性不飽和単量
体(A)とは分子中にカチオン性の官能基を含有する不
飽和単量体のことをいい、該不飽和単量体を本発明の剥
離紙用アンダーコート剤の必須構成成分とすることで、
該剥離紙用アンダーコート剤は基紙表面のパルプ繊維に
定着し、基紙内部に浸透し難くなり、その結果均一な厚
みと優れた目止め効果を有するアンダーコート層を形成
し得る。カチオン性不飽和単量体(A)の使用割合は、
前記共重合体の総重量和に対して通常1〜30重量%程
度、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは2〜1
5重量%である。かかるカチオン性不飽和単量体(A)
の使用量が上記数値範囲より小さいと得られる剥離紙用
アンダーコート剤が基紙内部へ浸透し易くなり、均一な
厚みと優れた目止め効果を有するアンダーコート層を得
るのが困難となる。また、大きい場合は、本発明の剥離
紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性や、アンダーコート
層の表面光沢や平滑性、また耐溶剤性が低下する傾向に
ある。
【0010】カチオン性不飽和単量体(A)としては、
たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
((メタ)アクリルとは、アクリル基またはメタクリル
基のことをいう)、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、アリルアミン、ジアリルアミン、もしくはトリアリ
ルアミンなどの第三級アミノ基を含有する不飽和単量体
またはそれらの塩酸、硫酸などの無機酸、もしくは酢酸
などの有機酸の塩類;前記第三級アミノ基を含有する不
飽和単量体とメチルクロライド、ベンジルクロライド、
ジメチル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との
反応によって得られる第四級アンモニウム塩基を含有す
る不飽和単量体等があげられる。上記具体例のうち、得
られる剥離紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性や、コス
トの面からジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
を使用するのが特に好ましい。これらは1種または2種
以上を併用することが出来る。
【0011】本明細書において、非イオン性不飽和単量
体(B)とは分子中にイオン性の官能基を含有しない不
飽和単量体のことをいい、該不飽和単量体を本発明の剥
離紙用アンダーコート剤の必須構成成分とすることで、
該アンダーコート剤の塗工適性やアンダーコート層表面
の光沢や平滑性を向上させることができる。非イオン性
不飽和単量体(B)の使用割合は、前記共重合体の総重
量和に対して通常30〜65重量%程度、好ましくは3
5〜60重量%、特に好ましくは40〜55重量%であ
る。当該数値範囲より小さい場合、アンダーコート剤の
塗工性やアンダーコート層表面の光沢や平滑性が劣る傾
向にある。また大きい場合はアンダーコート層の耐溶剤
性が劣る傾向にあり、特に溶剤型シリコーン樹脂等を離
型剤層としてアンダーコート層の上に設けた場合、溶剤
によりアンダーコート層が侵され易くなる傾向にある。
【0012】非イオン性不飽和単量体(B)としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等のスチレン系化合物;分子内にn−ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、パル
ミチル基、ステアリル基等の、直鎖、分岐鎖または環状
であってよい、炭素数6〜22からなるアルキル基を有
するα−オレフィン類;分子内にメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシ
ル基、パルミチル基、ステアリル基等の、直鎖、分岐鎖
または環状であってよい、炭素数1〜18からなるアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類;炭素数1〜22からなるアルキルビニルエーテル
類;2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の、分子内
に水酸基を含有するエステル置換基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル類;ベンジル(メタ)アクリレート
等、分子内にベンジル基を含有するエステル置換基を有
する(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロ
ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類等が挙げられ、これらは1種または2種以上
を併用することができる。これらのうち特にスチレン系
化合物および/または(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを使用した場合、本発明である剥離紙用アンダーコ
ート剤の塗工適性や、得られるアンダーコート層の耐溶
剤性が向上する傾向にあり好ましい。特に、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルの分子内のアルキル基を構成
する炭素の数が1〜12の場合、上記効果に加え、剥離
紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性や、アンダーコート
層の目止め効果が向上する利点がある。また、水酸基を
含有するエステル置換基を分子内に有する(メタ)アク
リル酸エステル類を使用した場合、得られるアンダーコ
ート層の耐溶剤性が向上し、さらに、アンダーコート層
の上にシリコーン樹脂からなる離型剤層を設けた場合は
両者の密着性が向上する利点がある。
【0013】本明細書において、アニオン性不飽和単量
体(C)とは分子中にアニオン性の官能基を含有する不
飽和単量体のことをいい、該不飽和単量体を本発明の剥
離紙用アンダーコート剤の必須構成成分とすることで、
アンダーコート層に耐溶剤性を付与することができる。
かかるアニオン性不飽和単量体(C)の使用割合は、前
記共重合体の総重量和に対して、通常5〜40重量%程
度、好ましくは10〜35%、特に好ましくは15〜3
5%である。当該数値範囲より小さい場合はアンダーコ
ート層の耐溶剤性が不十分となり、また、大きい場合は
本発明の剥離紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性が劣る
傾向にある。
【0014】アニオン性不飽和単量体(C)としては、
たとえば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、マレイン酸半エステル、イタコン酸、イタコン
酸半エステル、シトラコン酸、フマル酸、ムコン酸等の
カルボキシル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、
(メタ)アクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の
スルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含
有不飽和単量体;およびこれらのナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩や、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩、有機塩基類の塩等を使用することができ、
これらは単独もしくは2種以上を併用することができ
る。上記化合物のうち、カルボキシル基含有不飽和単量
体を使用するとアンダーコート層の耐溶剤性が向上する
傾向にあり、特に(メタ)アクリル酸を使用するとかか
る効果に加え、剥離紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性
や塗工適性が向上するという点で好ましい。
【0015】また、本発明では共重合体の構成成分とし
て、上記各不飽和単量体以外に各種公知の不飽和単量体
(以下、「その他の不飽和単量体」という)を本発明の
目的を逸脱しない範囲において適宜に使用することがで
きる。具体例としては、たとえば、ジエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等の繰り返し単位が2
〜10程度のオキシアルキレン基を分子中に有する不飽
和単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、ダイアセト
ンアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、およ
びこれらの炭素数1〜4のアルキルエステル等、分子内
にN−置換アミド基等の連鎖移動性置換基を有する不飽
和単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ
(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキ
サメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メ
タ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン
酸ジビニル等のジビニルエステル類、エポキシアクリレ
ート類、N−メチロールアクリルアミド、ジビニルベン
ゼン等の2官能性ビニルモノマー、1,3,5−トリア
クリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリル
アミン、N,N−ジアリルアクリルアミド等の3官能性
モノマー、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジア
ミノブタン、テトラアリルアミン塩等の4官能性ビニル
モノマー等の架橋性不飽和単量体を使用することができ
る。また、かかる架橋性不飽和単量体のうち、反応性の
官能基がすべてビニル系2重結合のものは剥離紙用アン
ダーコート剤製造時の反応制御が容易な点で好ましい。
【0016】乳化剤(D)としては各種公知のものが使
用できる。たとえば、長鎖α−オレフィンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルジフェニルオキシエチレンアルキル
アリールエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性乳化
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性乳化
剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルのスルホコハク酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等の反応性
乳化剤等の単量体化合物が使用できる。乳化剤(D)の
使用量は、前記共重合体の総重量和に対して通常0.1
〜10重量%程度、好ましくは0.2〜5重量%程度で
ある。当該数値範囲より小さい場合、本発明である剥離
紙用アンダーコート剤の貯蔵安定性が低下する傾向にあ
り、また大きいとアンダーコート層とシリコーン樹脂等
の離型剤層との密着性が劣る等の問題が生ずる。また、
乳化剤(D)に加え、本発明の目的を損なわない範囲に
おいて、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸共重合
体の中和物等、乳化分散能力を有する水溶性高分子化合
物を適宜に使用することができる。これら水溶性高分子
化合物を併用した場合、アンダーコート層の耐溶剤性
や、表面光沢が向上する利点がある。
【0017】次に、本発明で使用するラジカル重合性開
始剤について説明する。具体例としては、たとえば過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化
水素、水性のアゾ系開始剤等のラジカル重合開始剤、ま
たは前記過硫酸塩等と亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウム等の還元剤とを組み合わせた形のレドックス
系重合開始剤等があげられる。前記開始剤の使用量は特
に制限されないが、共重合体の総重量和に対して通常
0.5〜5重量%程度である。なお必要に応じて、ドデ
シルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、
ブロムトリクロルメタン、アルファ−メチルスチレンダ
イマー等のような連鎖移動剤を用いることもできる。
【0018】なお、本発明の剥離紙用アンダーコート剤
である、カチオン性不飽和単量体(A)、非イオン性不
飽和単量体(B)、およびアニオン性不飽和単量体
(C)からなる共重合体ならびに乳化剤(D)からなる共
重合体エマルジョンの製造には通常の手段を採用でき
る。たとえば、所定の反応容器に水、開始重合剤、乳化
剤(D)を仕込み、次いでカチオン性不飽和単量体
(A)、非イオン性不飽和単量体(B)およびアニオン
性不飽和単量体(C)を加え、攪拌下、加温することで
目的とする剥離紙用アンダーコート剤を得ることができ
る。この際、モノマーの仕込み方法は同時重合、連続滴
下重合等の従来公知の各種方法により行うことができ
る。重合時のpHは安全性、作業性の点から通常2〜9
程度の範囲とするのがよい。反応温度はラジカル重合開
始剤が活性化する温度範囲で適宜に設定できるが通常は
40〜95℃程度であり、反応時間は通常1〜6時間程
度である。また、反応系の共重合体エマルジョンの固形
分濃度は通常20〜70重量%程度、粘度は5,000
mPa・s(25℃)以下の性状である。
【0019】また、本発明の剥離紙用アンダーコート剤
はクレー等の顔料と使用することもできる。顔料の使用
量は特に制限されないが、通常、該剥離紙用アンダーコ
ート剤固形分100重量部に対し、顔料1000重量部
以下で使用できる。また、かかる顔料としては、ポリビ
ニルアルコール、澱粉等が予め配合されたものを使用し
てもよい。
【0020】こうして得られた剥離紙用アンダーコート
剤は、剥離紙を製造するための紙、板紙等の台紙表面に
塗工して用いられる。台紙表面への塗工方法としては、
各種の方式を採用できる。たとえば、ワイヤーバー、ブ
レードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター
等を用いて塗布する方法や、キャレンダー法を用いても
よい。また、剥離紙用アンダーコート剤の塗工量は通常
1〜10g/m(固形分)程度、好ましくは1〜5g
/m程度である。なお、塗工の際、グリオキザール、
水溶性ジルコニウム化合物等の架橋剤を併用すること
で、高温高湿におけるシリコーン樹脂等からなる離型剤
層とアンダーコート層との密着性をさらに向上させるこ
とができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の剥離紙用アンダーコート剤は高
濃度時の塗工適性に優れ、ピンホールの発生等が少なく
目止め効果に優れたアンダーコート層を容易に形成し得
る。また、かかるアンダーコート剤は基紙内部への浸透
が少ないので均一な厚みを有し、光沢や平滑性に優れた
アンダーコート層を形成し得る。また、かかるアンダー
コート層は耐溶剤性に優れるので、その上に溶剤型離型
剤からなる離型剤層を好適に設けることができる。ま
た、かかるアンダーコート層はシリコーン樹脂からなる
離型剤層との密着性に優れる。さらに、本発明の剥離紙
用アンダーコート剤を用いて得られる剥離紙は、離型剤
層にラベル、シール等を適用した場合、これらの解離性
にも優れるという利点があり、工業的に大変有用であ
る。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、各例中の部および%は特記しないかぎ
り重量基準である。
【0023】実施例1 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、モノマー滴下ロ
ート及び温度計を備えた反応容器に水80部と乳化剤
(D)としてスルホコハク酸エステル塩(商品名AER
OSOL501、三井サイテック(株)製)2部からな
る混合物を仕込み、窒素気流下で昇温を行い、70℃に
おいて、ラジカル重合性開始剤として過硫酸アンモニウ
ム1部と、水3部からなる水溶液を加えた。続いてカチ
オン性不飽和単量体(A)としてジメチルアミノメタク
リレート5部、非イオン性不飽和単量体(B)としてア
クリル酸n−ブチル30部、スチレン25部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート10部からなる混合物、ア
ニオン性不飽和単量体(C)としてメタクリル酸30
部、ならびにラジカル重合性開始剤として過硫酸アンモ
ニウム1部および水10部からなる水溶液を攪拌下に滴
下しながら重合を開始した。重合時の反応温度が80℃
を超えないように2時間反応させた後、水酸化ナトリウ
ムで中和し、水で濃度調製を行い、固形分濃度50重量
%、pH7.1、粘度700mPa・s(25℃)の共重合
体エマルジョンを得た。これに水を加えて固形分20重
量%、粘度25mPa・s(25℃)の試験用塗料を得
た。得られた試験用塗料の性状を表1に示す。
【0024】実施例2〜8、比較例1、2 剥離紙用アンダーコート剤の構成成分の組成、使用量を
表1に示すように変えた他は実施例1と同様にして製造
を行い、各試験用塗料を得た。得られた各試験用塗料の
性状を表1に示す。
【0025】比較例3 市販のポリビニルアルコール(ゴーセノールT−33
0:日本合成化学社製)の10重量%(固形分)粘度8
00mPa・s(25℃)溶液を試験用塗料とした。表
1に性状を示す。
【0026】比較例4 市販のポリビニルアルコール(ゴーセノールT−33
0:日本合成化学社製)の4重量%(固形分)、粘度2
5mPa・s(25℃)溶液を試験用塗料とした。表1
に性状を示す。
【0027】尚、表1中、カチオン性不飽和単量体
(A)のDMはジメチルアミノメタクリレート、DMLは
ジメチルアミノエチルメタクリレートの第四級アンモニ
ウム塩を示す。また、非イオン性不飽和単量体(B)の
Stはスチレン、BAはアクリル酸−n−ブチル、PA
はアクリル酸パルミチル、ANはアクリロニトリル、2
HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレートを示
す。また、アニオン性不飽和単量体(C)のMAAはメ
タクリル酸を示す。また、その他の単量体のDMAAは
N,N−ジメチルアクリルアミドを表す。
【0028】(試験用試料の作成)実施例1〜8及び比
較例1〜4で得た各試験用塗料をアンダーコート剤とし
て、各々を塗工量が2g(固形分)/m2 となるように
メイヤーバー塗工機(PI−1210 FILMCOA
TER:テスター産業株式会社製)を用いてPPC用紙
に一定速度で塗工し、1分間放置した。次いで、105
℃で2分間乾燥させ、各試験用試料を得た。得られた各
試験用試料を以下の項目について評価した。評価結果を
表2に示す。
【0029】(塗工適性)実施例1〜8および比較例1
〜4の各組成物を塗工する際の状態、および得られた塗
工面の平滑性を目視判断し、塗工適性を以下の基準で評
価した。 ○:バーがスムーズに移動する。塗工面は平滑である。 △:バーが少し引っ掛かる。塗工面の平滑性がやや劣
る。 ×:バーがほとんど引っ掛かり、塗工が極めて困難とな
るか、塗工不可能となる。
【0030】(光沢)各試験用試料の塗工面の光沢を、
以下の基準に基づき目視評価した。光沢はアンダーコー
ト層の平滑性の指標でもある。 ○:優れた光沢が認められる。 △:やや光沢が劣る。 ×:殆ど光沢がない。
【0031】(耐溶剤性)各試験用試料の耐溶剤性を以
下の方法で試験した。 「トルエン撥水油性」各試験用試料のアンダーコート剤
塗工面に染料(SudanII:和光純薬工業株式会社
製)1重量%を含むトルエン染料溶液を12g/m2
なるように塗布した。塗工後5秒間放置した後トルエン
溶液をガーゼで拭き取り、塗工面の着色度を目視評価し
た。 ○:塗工面が全く染まらない。 :塗工面が少し染まる。 ×:塗工面がほぼ染まる。
【0032】「トルエンバリア性」上記耐溶剤性を試験
した後の各試験用試料の裏面への染料の染み出しを目視
判断した。トルエンバリア性はアンダーコート層厚みの
均一性、目止め効果、およびピンホール発生の指標でも
ある。 ○:裏面が全く染まらない。 △:裏面が少し染まる。 ×:裏面が全体的に染まる。
【0033】(シリコーン密着性)各試験用試料のアン
ダーコート層塗工面に、離型剤として溶剤型シリコーン
(商品名シリコリースKF−100:荒川化学工業株式
会社製)100gに硬化触媒(商品名Silcolea
se90B、ローヌプーラン社製)4gを添加し、トル
エンで7重量%濃度に調製したものを、1g/m2(固
形分)となるように塗工して離型剤層を形成したのち、
130℃で20秒間乾燥させた。後に各試料を20℃、
湿度65%で1日放置した後、塗布面を指で10回擦
り、離型剤層の剥離状態から離型剤層とアンダーコート
層の密着性を以下の基準で評価した。この密着性は、ア
ンダーコート層の平滑性の指標でもある。 ○:全く剥離しない。 △:少し剥離する。 ×:完全に剥離する。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/06 C08F 220/06 220/10 220/10 220/34 220/34 220/38 220/38 220/44 220/44 220/54 220/54 222/00 222/00 226/02 226/02 228/02 228/02 230/02 230/02 C09D 5/00 C09D 5/00 D 125/00 125/00 133/04 133/04 157/06 157/06 D21H 19/20 D21H 19/20 A Fターム(参考) 4J038 CC001 CG011 CG031 CG061 CG071 CG081 CG141 CG171 CH201 GA09 KA09 MA08 MA10 PC10 4J100 AB02Q AB03Q AB04Q AB07R AE01Q AG02Q AG04Q AJ02R AJ08R AJ09R AK32R AL03Q AL04Q AL05Q AL08P AL08Q AL08R AL09Q AL44R AM02Q AM21P AN03P AN13P AN14P AP01R BA31P BA56R BA65R BC04Q BC43Q CA05 CA06 EA07 JA01 4L055 AG63 AG71 AG89 AG97 AH38 FA12 FA14 FA20 FA22 GA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性不飽和単量体(A)、非イオ
    ン性不飽和単量体(B)およびアニオン性不飽和単量体
    (C)からなる共重合体ならびに乳化剤(D)からなる共
    重合体エマルジョンを含有してなる剥離紙用アンダーコ
    ート剤。
  2. 【請求項2】 前記共重合体が、カチオン性不飽和単量
    体(A)1〜30重量%、非イオン性不飽和単量体(B)
    30〜65重量%、およびアニオン性不飽和単量体
    (C)5〜40重量%を共重合したものである請求項1
    記載の剥離紙用アンダーコート剤。
  3. 【請求項3】 カチオン性不飽和単量体(A)が、分子
    内に第三級アミノ基またはそれらの塩、もしくは第四級
    アンモニウム塩基を含有するものである請求項1または
    2記載の剥離紙用アンダーコート剤。
  4. 【請求項4】 非イオン性不飽和単量体(B)が、スチ
    レン系化合物および/または(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステルである請求項1〜3記載の剥離紙用アンダー
    コート剤。
  5. 【請求項5】 非イオン性不飽和単量体(B)が、水酸
    基を含有するエステル置換基を分子内に有する(メタ)
    アクリル酸エステルである請求項1〜3記載の剥離紙用
    アンダーコート剤。
  6. 【請求項6】 アニオン性不飽和単量体(C)が、分子
    内にカルボキシル基を含有するものである請求項1〜5
    記載の剥離紙用アンダーコート剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226769A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Arakawa Chem Ind Co Ltd 剥離紙用アンダーコート剤
JP2016113573A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 株式会社日本触媒 重合体およびその用途
CN116082561A (zh) * 2023-02-13 2023-05-09 广州熵能创新材料股份有限公司 一种无有机氯聚丙烯酸酯树脂及其制备方法和应用

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