JP4025644B2 - グラフトコポリマーを含有する接着剤組成物 - Google Patents

グラフトコポリマーを含有する接着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、改善された接着剤組成物に関する。特に、本発明はグラフトコポリマーを含有する改善された感圧性接着剤組成物に関する。
【0002】
接着剤は表面結合により基材を一緒に保持するのに古代から使用されてきた。用語「接着剤」は、この明細書で使用される通り、通常、液体または粘着性半固体であって、少なくとも一瞬の間表面に接触し、濡らし、そして、相対的に薄い層で塗布されて、応力を一つの基材から別な基材に伝達する能力のある有用な接合を形成する物質である。用語「感圧性」は、この明細書で使用される通り、基材の表面に塗布した後に硬化を起こさず、そして、接合を形成する接着剤を指す。これらの接着剤は室温で圧力を引加しながら表面を合せると基材を一緒に保持する能力がある。
【0003】
粘着性、剥離強度およびせん断抵抗は、しばしば相互に排他的な性質であるが、特別な応用に好適な接着剤組成物を製造する点で極めて重要であることもある。粘着力は高歪み速度と低応力の条件下での粘性流動の目安であり、概ね、基材に対する接着剤の初期の引力に関する。剥離強度は中程度の歪み速度および中程度から高い応力での流動に対する抵抗の目安であり、概ね、接着剤と基材の間の結合強度の目安に関する。せん断抵抗は中程度の応力での流動に対する抵抗の目安であり、概ね、接着剤の内部強度または凝集強度に関する。
【0004】
感圧性接着剤(「PSA」)は、概ね、ゴム、アクリルまたはシリコーンベースの配合物からなり、溶媒、エマルジョン、またはホットメルト法などの方法により製造される。アクリル系水性エマルジョンおよび分散液をベースとする感圧性接着剤組成物は既知であり、広く使用されている。このような感圧性接着剤の例は例えば、グラフトコポリマーを含む。用語「グラフトコポリマー」は、この明細書で使用される通り、ポリマーあるいはコポリマー鎖がポリマー主鎖に側鎖として化学結合している場合に形成されるマクロモレキュールを指す。概ね、側鎖は主鎖鎖とは異なるポリマー組成である。グラフトコポリマーは、ポリマーセグメントとは異なり一つの分子中に化学的に組み合わせているために、これらのコポリマーは対応するランダム類似物と比較してユニークな性質をしばしば有している。これらの性質は、例えば、熱力学的駆動力により引き起こされるこのポリマーのミクロ相分離の結果生じる機械的なフィルム性質を含む。
【0005】
用語「くし形コポリマー」は、この明細書で使用される通り、グラフトコポリマーのポリマー主鎖が線状であり、そしてグラフトコポリマーの各側鎖がポリマー主鎖にグラフトされている「マクロモノマー」により形成されている、グラフトコポリマーのタイプを指す。用語「マクロモノマー」は、この明細書で使用される通り、他のモノマーと更に重合して、くし形コポリマーを生成することができる少なくとも一つの官能基をこのポリマー鎖の末端で有する低分子量ポリマーである。例えば、Kawakami in the 「Encycopedia of PolyScience and Engineering」、第9巻、195〜204頁、John Wiley & Sons、ニューヨーク(New York)、1987を参照されたい。用語「線状」は、この明細書で使用される通り、フリーラジカル重合において通常観察される水素引き抜きにより少量の分岐が生じたポリマーを含む意味である。くし形コポリマーは、普通、マクロモノマーの慣用のモノマー(例えば、エチレン性不飽和モノマー)とのフリーラジカル共重合により製造される。
【0006】
水不溶性マクロモノマーにより製造されるくし形コポリマーは、大部分バルクおよび溶液重合法を用いて製造されてきた。しかしながら、このような方法は、通常、重合を行なう媒体として溶媒またはモノマーの使用を含む。このような材料の使用は、例えば、毒性の懸念により望ましくない。このように、最近では、PSAとしての使用に好適であるくし形コポリマーを水性エマルジョン法により製造する方法の開発に努力が向けられた。
【0007】
接着剤組成物、特にPSA組成物に対して性質の適当なバランスを賦与するグラフト化コポリマーまたはくし形コポリマーを選択するのにしばしば関連するパラメーターは、「硬い相」と「軟らかい相」のガラス転移値(Tg)である。この明細書で使用される通り、用語「硬い相」は、概ね、ポリマーあるいはコポリマー側鎖またはグラフトを指し、それに対して、用語「軟らかい相」は、概ね、グラフト化コポリマーのポリマー主鎖を指す。硬い相のTgは得られる接着剤組成物のせん断性に強く影響すると概ね考えられている。
【0008】
また、硬い相と軟らかい相に対する相溶性の度合いは、せん断と接着剤組成物の他の性質に影響する程度がより少ない。コポリマー側鎖、またはグラフトはポリマー主鎖と低い相溶性を有するか、あるいは相溶性を有さず、分離した相が形成されることが重要である。
【0009】
相溶性は、この明細書で使用される通り、グラフトあるいはくし形コポリマーの硬い相と軟らかい相などの2つの材料の相互溶解度の目安を指す。相溶性のあるブレンドは、(1)いずれかの成分の明確に分離したドメインを含有しない単一の均一相の存在と(2)P.B.RimとE.B.Orler、「Dependence of Tg on Composition for a Compatible Polymer/Oligomer Blend」、Macromolecules、第20巻、433〜435頁(1987)で述べられているような、成分のブレンドに対する単一のガラス転移温度により特徴付けられる。
【0010】
ポリマーのブレンドまたは添加剤のポリマーとのブレンドにおいては、相溶性の更なる一面は成分間の屈折率の差に関する。相溶性の欠如は、異なる屈折率の個別成分の大きなドメインによる乾燥された接着フィルムの曇りにより概ね立証される。相溶性は、通常、化学および/または物理特性の類似している材料間で有利となる。グラフトあるいはくし形コポリマーを含有する接着剤の性能を有効に変えるためには、選ばれた添加剤は、好ましくはコポリマーの軟らかい相と少なくとも部分的に相溶性であり、硬い相と極めて制約された相溶性を有するか、あるいは相溶性を有してはならない。
【0011】
Husmanらへの米国特許第4,554,324号(「Husman」)は、グラフト化されたペンダントポリマー部分を有する重合されたアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステル主鎖を含むPSA組成物を開示している。このグラフト化されたペンダントポリマー部分は、アルカリ金属炭化水素、アルコキシド塩、またはフリーラジカル開始剤を用いるアニオンあるいはフリーラジカル重合プロセスによりそれぞれ調製されるマクロモノマーからなる。マクロモノマーの反応性二重結合は、スチレンまたはメタクリル酸メチルなどの所望のポリマーの繰り返し単位へのアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステル結合である。
【0012】
Husmanはアクリル系組成物と共にマクロモノマーを使用して、剥離と粘着力などの他のPSA特性の所望のバランスを維持しながら、せん断強度に見られるようなポリマーの凝集強度またはせん断抵抗を補強することを教示している。Husmanにおける接着剤組成物は、溶媒溶液から、あるいは押出しあるいはホットメルトコーティングなどのメルト関連コーティング法によりフィルムに製造される。更に、Husmanは粘着剤などのポリマー添加剤を使用して、このPSA組成物の性質を改善することを教示していない。
【0013】
Mancinelliへの米国特許第5,006,582号(「Mancinelli」)は、アクリル系くし形コポリマーを含有するアクリル系ホットメルトPSA組成物を開示している。Mancinelliはこのアクリル系くし形コポリマーが、概ね、アクリレートあるいはメタアクリレートの末端二重結合に結合されているメタクリル酸メチルマクロモノマー繰り返し単位からなり、基移動重合により製造されることを教示している。Mancinelliはコバルト連鎖移動剤を使用して、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルとなお充分に反応する非アクリル酸タイプの末端二重結合を持つマクロモノマーを調製することを開示している。
【0014】
Mancinelliは、全アクリル系接着剤主鎖の水白色度を維持するある類の粘着性付与樹脂を添加することにより、これらのMMAグラフトコポリマーのPSA特性とメルト加工性を大きく改善することができることを更に教示している。これらのタイプの粘着剤は酸化と光に対して改善された安定性を有する。Mancinelliにおいて開示されている粘着剤は、低レベルの部分水素されたロジンエステルとブレンドされた完全に水素化されたポリ芳香族のコポリマーである。
【0015】
Schlademanへの米国特許第4,551,388号(「Schlademan」)は、ビニル芳香族モノマーマクロモレキュールモノマーをアクリル酸アルキルエステル、または場合によっては、アクリル酸アルキルエステルとアクリル酸またはアクリルアミドの混合物と共重合することにより製造される、アクリル系ホットメルトPSA組成物を開示している。この重合はフリーラジカル開始剤を用いて有機溶媒中で行なわれる。重合を完了した後、溶媒を除去して、「粘着性の」アクリル酸コポリマーを生成する。Schlademanは粘着剤などのポリマー系添加剤を使用して、PSA組成物の性質を改善することを教示していない。
【0016】
Kochらへの米国特許第5,578,683号(「Koch」)は、アクリル系ポリマー主鎖への高Tgマクロモノマーの架橋型グラフトを含有するPSA組成物を開示している。
【0017】
Shell Chemical Company product literature SC1757−93R(「Shell」)などの他の参考文献は、商標KRATONポリマーの概説を提供しているが、グラフトあるいはブロックコポリマーを加工するためには、コポリマーを硬い相のTg以上に加熱し、押出し法におけるようにせん断を加えることにより、補強性の高Tgの相分離したドメインを分散させなければならないことを開示している。用語「ブロックコポリマー」は、この明細書で使用される通り、異なるポリマーあるいはコポリマーをその末端に結合することにより形成される線状マクロモノマーを指す。この相分離構造は冷却により再形成される。
【0018】
Shellの中で開示されている代替のアプローチは、ブロックあるいはグラフトコポリマーの硬い相と軟らかい相の両方を溶解して、ポリマー溶液を提供する能力のある溶媒中にポリマーを溶解する加工法を提供することである。これらのポリマー溶液を慣用のコーティング技術により塗布することができる。溶媒が蒸発する時相分離が再形成され、そしてコポリマーのユニークな性質が再度得られる。
【0019】
また、Shellは、可燃性および/または揮発性溶媒が望ましくない室温用途においては、ブロックコポリマーを好適な界面活性剤と共の種々の方法あるいは他の手段により水の中に分散させて、エマルジョンを形成することができることを開示している。しかしながら、ブロックコポリマーの物理架橋構造により硬い相のTg未満の乾燥温度では融合できないので、これらのエマルジョンから形成されるコーティングは、凝集性フィルムでなく分離した、あるいは凝集した粒子である。これを救済するために、最終使用者は硬い相のTgを低下させる能力のある溶媒をこれらのエマルジョンに添加して、室温で融合を起こさせることができる。しかしながら、この矯正は揮発性有機化合物を再導入するために、多数の用途には望ましくない。
【0020】
本発明は、例えば、感圧性接着剤として使用するためのグラフトコポリマーを含有する改善された接着剤組成物であって、適当なフィルム形成と他のPSA特性を得るために、この組成物をメルトまたは押出し物として、あるいは溶媒と共に加工する必要性を要しないものを提供することを目的とする。代わりに、この接着剤組成物は水性媒体内に分散された水不溶性グラフトコポリマーを含む。本発明の接着剤組成物を高TgグラフトのTgよりも充分下の温度でメルト加工の必要性を要することなく基材上に被覆してもよい。溶媒を使用せずに、これらのアクリル系グラフトコポリマーのエマルジョン接着剤の配合物中で接着性のこれらの改善を得てもよい。更に、本発明の接着剤組成物は、望ましくは、高使用温度で優れたせん断抵抗を維持しながら、増進された剥離強度と粘着力を示すものである。
【0021】
本発明は、部分的には、改善された接着剤組成物を指向する。具体的には、一つの実施形態においては、30重量パーセントから70重量パーセントまでの水性媒体内に分散された固体を含む接着剤組成物が提供される。この固体は水不溶性グラフトコポリマーからなる。このコポリマーは、コポリマーの全重量基準で1重量パーセントから30重量パーセントまでの水不溶性のマクロモノマーと70重量パーセントから99重量パーセントまでの少なくとも一つの第2のエチレン性不飽和モノマーの重合された単位を含む。このグラフトコポリマー組成物を形成するのに使用されるマクロモノマーは、2,000g/モルから50,000g/モルまでの数平均分子量(「Mn」)を有し、85から100重量パーセントまでの少なくとも一つの第1のエチレン性不飽和の重合されたモノマー、5モルパーセントあるいはそれ以下の重合されたメルカプトオレフィン化合物、および10重量パーセントあるいはそれ以下の重合された酸含有モノマーを含む。ある実施形態においては、このグラフトコポリマー粒子中でのこのマクロモノマーのこのモノマーへのグラフト化パーセントは、50%から100%までの範囲である。
【0022】
好ましい実施形態においては、この接着剤組成物は、コポリマーの固体の乾燥重量基準で0.1から60重量パーセントまでの添加剤を更に含む。この添加剤は、乳化剤、脱泡剤、粘着剤、顔料、充填剤、硬化剤、増粘剤、湿潤剤、殺生物剤、接着促進剤、保湿剤、着色剤、ワックス、UV安定剤、および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加剤であってもよい。
【0023】
本発明のこれらおよび他の態様は次の詳細な説明から更に明白になるであろう。
【0024】
本発明は改善された接着剤組成物、特にグラフトコポリマーを含むPSA接着剤組成物を指向する。本発明の接着剤組成物は、望ましくは従来技術の接着剤組成物に比較して性質の改善されたバランスを示すものである。特に、本発明の接着剤組成物は、好ましくはメルトあるいは溶媒加工と関連する問題を起こさずに、粘着力、剥離強度およびせん断抵抗の改善されたバランスを示すものである。
【0025】
本発明の接着剤組成物は水性媒体中で分散されたグラフト化コポリマーからなる。このグラフト化コポリマーは、好ましくは固体粒子の形態であるが、(a)マクロモノマーの一つあるいはそれ以上の水不溶性粒子を含有するマクロモノマー水性エマルジョンを形成し、(b)エチレン性不飽和モノマーを含有するモノマー組成物を形成し、そして(c)マクロモノマー水性エマルジョンの少なくとも一部とこのモノマー組成物の少なくとも一部を組み合わせて、重合反応混合物を形成することを含む方法により好ましくは製造される。次に、このマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーは開始剤の存在下で重合されて、グラフトコポリマーを形成する。
【0026】
このマクロモノマーは、マクロモノマー水性エマルジョン中に水不溶性粒子として存在するが、フリーラジカル重合プロセスでの重合能のある少なくとも一つの末端エチレン性不飽和基を有するいかなる低分子量の水不溶性ポリマーあるいはコポリマーであってもよい。「水不溶性」とは、25℃から50℃で150ミリモル/リットル以下の水溶解度を有するという意味である。「低分子量」とは、このマクロモノマーが2,000から50,000g/モルまでのMnを有するという意味である。好ましくは、このマクロモノマーは2,000から50,000g/モルまでの、更に好ましくは4,000から35,000g/モルまでのMnを有する。
【0027】
このマクロモノマーは、少なくとも一つのタイプのエチレン性不飽和モノマーを重合された単位として含有する。好ましくは、このエチレン性不飽和モノマーはこのマクロモノマーが水不溶性となるように選ばれる。すなわち、このマクロモノマーはこの明細書で前述したように、低水溶解度を有するか、あるいは水溶解度を有しない。好ましい実施形態においては、このマクロモノマーは、50重量パーセントから100重量パーセントまでの、好ましくは85重量パーセントから100重量パーセントまでの、更に好ましくは90重量パーセントから100重量パーセントまでの少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーからなる。
【0028】
マクロモノマーの調製に使用する好適なエチレン性不飽和モノマーは、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルを含むメタクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルを含むアクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステルなどのアクリル酸エステル;スチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレンまたはt−ブチルスチレンなどの置換スチレン;アクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルなどのオレフィン性不飽和ニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデンまたはフッ化ビニルなどのオレフィン性不飽和ハロゲン化物;酢酸ビニルなどの有機酸のビニルエステル;N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;アクリルアミド;メタクリルアミド;置換アクリルアミド;置換メタクリルアミド;メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸ヒドロキシアルキル;アクリル酸ヒドロキシアルキル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチルおよびジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどを含むアミン置換メタクリル酸エステルなどの塩基性置換(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミド;1、3−ブタジエンとイソプレンなどのジエン;ビニルエーテル;またはこれらの組み合わせを含む。用語「(メタ)」はこの明細書で使用される通り「メタ」が場合によっては存在することを意味する。例えば、「(メタ)アクリル酸」エステルはメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを意味する。
【0029】
このエチレン性不飽和モノマーは、また、例えば、ヒドロキシ、アミド、アルデヒド、ウレイド、ポリエーテル、グリシジルアルキル、ケト官能基またはこれらの組み合わせを含有するモノマーを含む官能性モノマーとすることもできる。これらの官能性モノマーは、概ね、グラフトコポリマーの全重量基準で0.5重量パーセントから15重量パーセントまでの、更に好ましくは1重量パーセントから3重量パーセントまでのレベルでマクロモノマー中に存在する。官能性モノマーの例は、アクリル酸ヒドロキシアルキルとメタクリル酸アセトアセトキシエステル(例えば、メタクリル酸アセトアセトキシエチル)などのケト官能性モノマーとケト含有アミド(例えば、ジアセトンアクリルアミド);メタクリル酸およびアクリル酸のアリルアルキル;メタクリル酸およびアクリル酸のグリシジルアルキル;またはこれらの組み合わせを含む。このような官能性モノマーは所望ならば架橋を生じることができる。
【0030】
このマクロモノマーは、また、好ましくはこのマクロモノマーの全重量基準で10重量パーセントあるいはそれ以下の、好ましくは5重量パーセントあるいはそれ以下の、更に好ましくは2重量パーセントあるいはそれ以下の、最も好ましくは1重量パーセントあるいはそれ以下の酸含有モノマーを重合された単位として含有する。特に好ましい実施形態においては、このマクロモノマーは酸含有モノマーを含有しない。用語「酸含有モノマー」は、この明細書で使用される通り、一つあるいはそれ以上の酸官能基または酸形成能のある官能基を含有するいかなるエチレン性不飽和モノマー(例えば、無水メタクリル酸などの酸無水物またはメタクリル酸t−ブチル)を指す。酸含有モノマーの例は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびフマル酸などのカルボン酸を有するエチレン性不飽和モノマー;アクリルオキシプロピオン酸と(メタ)アクリルオキシプロピオン酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、メタクリル酸エチル−2−スルホン酸、または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸を有するモノマー;メタクリル酸ホスホエチル;酸を含有するモノマーの対応する塩;またはこれらの組み合わせを含む。
【0031】
重合されたままで、このマクロモノマーはメルカプトオレフィン化合物を実質的に(完全に)含まない。用語「実質的に含まない」は、この明細書で使用される通り、このマクロモノマーが重合されたままでこのマクロモノマーの全重量基準で5モルパーセントあるいはそれ以下のメルカプトオレフィン化合物を含有することを意味する。好ましくは、このマクロモマーは2モルパーセントあるいはそれ以下のメルカプトオレフィン化合物を含有するが、1モルパーセントあるいはそれ以下が好ましい。なお更に好ましくは、このマクロモノマーは0.5モルあるいはそれ以下のパーセントメルカプトオレフィン化合物を含有する。ある特に好ましい実施形態においては、このマクロモノマーは全く(すなわち、0モルパーセント)メルカプトオレフィン化合物を含有しない。好適なメルカプトオレフィン化合物のいくつかの例はAmickへの米国特許第5,247,000号に記述されているようなものである。Amickで記述されているメルカプトオレフィン化合物はエステル官能基を有するが、これは加水分解を受けやすい。
【0032】
本発明の好ましい実施形態においては、このマクロモノマーは、少なくとも20重量パーセント、更に好ましくは50重量パーセントから100重量パーセントまでの、最も好ましくは80から100重量パーセントまでの少なくとも一つのα−メチルビニルモノマー、α−メチルビニルモノマーで停止された非α−メチルビニルモノマー、またはこれらの組み合わせからなる。本発明の特に好ましい実施形態においては、このマクロモノマーは、マクロモノマーの全重量基準で90重量パーセントから100重量パーセントまでのα−メチルビニルモノマー、α−メチルビニルモノマーで停止された非α−メチルビニルモノマー、またはこれらの組み合わせを重合された単位として含有する。好適なα−メチルビニルモノマーは、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ラウリル、またはメタクリル酸ステアリルを含むメタクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステルなどのメタクリル酸エステル;メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸ヒドロキシアルキル;メタクリル酸グリシジル;メタクリル酸フェニル;メタクリルアミド;メタアクリロニトリル;またはこれらの組み合わせを含む。α−メチルビニルモノマーにより停止された非α−メチルビニルモノマーの例は、α−メチルスチレンで停止されたスチレンを含む。
【0033】
本発明で使用されるマクロモノマーは、本発明の開示の教示より、準備されると当業者には容易に明白になる種々の方法により調製されてもよい。例えば、米国特許第5,710,227号または2000年6月21日公告のEP−A−1,010,706で開示されているような高温(例えば、少なくとも約150℃)の連続プロセスにより、このマクロモノマーを調製してもよい。好ましい連続プロセスにおいては、エチレン性不飽和モノマーの反応混合物は、少なくとも150℃、更に好ましくは少なくとも275℃の温度を有する加熱域に通される。また、この加熱域を大気圧以上の圧力(例えば、約30バールを超える)に維持してもよい。モノマーの反応混合物は、また、場合によっては水、アセトン、メタノール、イソプロパノール、プロピオン酸、酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、メチルエチルケトン、またはこれらの組み合わせなどの溶媒も含有してもよく、これらは重合後このポリマーからストリッピングされる。
【0034】
また、フリーラジカル開始剤と触媒の金属キレート連鎖移動剤(例えば、遷移金属キレート)の存在下でエチレン性不飽和モノマーを重合させることにより、本発明で有用なマクロモノマーを調製してもよい。このような重合を溶液、バルク、懸濁、または乳化重合プロセスにより行なってもよい。触媒の金属キレート連鎖移動剤を用いるマクロモノマーの調製に好適な方法は、例えば、米国特許第4,526,945号、第4,680,354号、第4,886,861号、第5,028,677号、第5,362,826号、第5,721,330号、および第5,756,605号;欧州公報EP−A−0199,436、およびEP−A−0196783;およびPCT公報WO87/03605、WO96/15158、およびWO97/34934で開示されている。
【0035】
本発明の好ましい実施形態に従えば、このマクロモノマーを水性エマルジョンフリーラジカル重合プロセスにより製造してもよい。驚くべきことには、また予期せざることには、例えば、メルカプタン、次亜リン酸、硫酸塩、およびアルコールなどの従来技術の連鎖移動剤を使用せずにこの重合法を有利に行なってもよいことが見出された。このような従来技術の連鎖移動剤は不快な臭いを呈し、ポリマーに不快な臭いを付け、そしてまたこの方法のコストを増加させ、このポリマーに望ましくない官能性を賦与し、このプロセスの中に望ましくない塩を導入し、そして製品分離を含めて追加のプロセス工程を導入する点で望ましくない。
【0036】
この水性エマルジョンフリーラジカル重合プロセスは、好ましくは遷移金属キレート錯体を連鎖移動剤として使用して行なわれる。好ましくは、この遷移金属キレート錯体は、例えば、コバルトのジオキシム錯体、コバルトIIポルフィリン錯体またはビシナルなイミノヒドロキシイミノ化合物、ジヒドロキシイミノ化合物、ジアザジヒドロキシイミノジアルキルデカジエン、またはジアザジヒドロキシイミノジアルキルウンデカジエンのコバルトIIキレートなどのコバルト(II)あるいは(III)キレート錯体またはこれらの組み合わせである。これらの錯体はBFなどの架橋基を場合によっては含み、そして、また、水、アルコール、ケトン、およびピリジンなどの窒素塩基などの配位子に場合によっては配位してもよい。追加の好適な遷移金属錯体は、例えば、米国特許第4,694,054号、第5,770,665号、第5,962,609号および第5,602,220号で開示されている。本発明のマクロモノマーの調製で有用な好ましいコバルトキレート錯体は、CoII(2,3−(ジオキシイミノブタン−BF、前記の化合物のCoIII類似物またはこれらの組み合わせである。このような錯体の空間配置は、例えば、EP−A−199436と米国特許第5,756,605号で開示されている。
【0037】
遷移金属キレート連鎖移動剤を用いる水性乳化重合プロセスによるマクロモノマーの調製においては、少なくとも一つのエチレン性不飽和モノマーを慣用の水性乳化重合技術に従ってフリーラジカル開始剤と遷移金属キレートの存在下で重合してもよい。好ましくは、このエチレン性不飽和モノマーは、この明細書で前述したようにα−メチルビニルモノマーである。
【0038】
このマクロモノマーを形成する重合反応は、好ましくは20℃から150℃までの、更に好ましくは40℃から95℃までの温度で行なわれる。重合の完了時のこの固体レベルは、通常、この水性エマルジョンの全重量基準で5重量パーセントから65重量パーセントまで、更に好ましくは30重量パーセントから50重量パーセントまでである。
【0039】
重合プロセス時に使用される開始剤と遷移金属キレート連鎖移動剤の濃度は好ましくはこのマクロモノマーの所望の重合度を得るように選ばれる。好ましくは、開始剤の濃度は、モノマーの全重量基準で0.2重量パーセントから3重量パーセントまで、更に好ましくは0.5重量パーセントから1.5重量パーセントまでである。好ましくは、遷移金属キレート連鎖移動剤の濃度は、マクロモノマーの形成に使用されるモノマーの全モル数基準で5ppmから200ppmまで、更に好ましくは10ppmから100ppmまでである。
【0040】
エチレン性不飽和モノマー、開始剤、および遷移金属キレート連鎖移動剤を当業者に既知のいかなる方法でも添加して、重合を行なってもよい。例えば、重合(すなわち、バッチプロセス)の開始時に、モノマー、開始剤および遷移金属キレートがすべて水性エマルジョン中に存在してもよい。あるいは、この成分の一つあるいはそれ以上を水溶液に漸次供給してもよい(すなわち、連続プロセスまたは半バッチプロセス)。例えば、開始剤、モノマー、および/または遷移金属キレートの全部または一部を水と界面活性剤を含有する溶液に漸次供給するのが望まれることもある。好ましい実施形態においては、重合の開始時にモノマーと遷移金属キレートの残りを水性エマルジョン中に存在させ、重合時にモノマーと遷移金属キレートの少なくとも一部を漸次供給する。この実施形態においては、供給の前に水溶液中に存在するか、あるいは懸濁あるいは乳化した状態でこのモノマーを供給してもよい。
【0041】
このマクロモノマーの調製に好適ないかなるフリーラジカル開始剤を使用してもよい。この開始剤は、好ましくは、一つあるいはそれ以上の他方の成分(例えば、モノマー、水)中のその溶解度、所望の重合温度での半減期(好ましくは30分から10時間までの範囲の半減期)、および遷移金属キレートの存在下での安定性などのパラメーターを基準にして選ばれる。好適な開始剤は、例えば、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−(ヒドロキシエチル)]−プロピオンアミド、および2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)]−プロピオンアミドなどのアゾ化合物;t−ブチルヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどのペルオキシド;過硫酸ナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウムまたはこれらの組み合わせを含む。また、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸などの還元剤と組み合わせた過硫酸塩またはペルオキシドなどのレドックス開始剤系またはこれらの組み合わせを使用してもよい。また、このようなレドックス開始剤系において鉄などの金属促進剤も場合によっては使用してもよい。また、重炭酸ナトリウムなどの緩衝液を開始剤系の一部として使用してもよい。
【0042】
また、このマクロモノマーを調製するために、水性乳化重合プロセス時に乳化剤も好ましくは存在する。例えばアニオン性、カチオン性、あるいは非イオン性乳化剤などのモノマーの乳化に有効である、いかなる乳化剤を使用してもよい。好ましい実施形態においては、この乳化剤は、例えば、ジアルキルスルホコハク酸のナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウム塩;硫酸化油のナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウム塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸のナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウム塩;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸のナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウム塩;エトキシル化アルキルエーテル硫酸塩;スルホン酸のアルカリ金属塩;C12からC24の脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸あるいは脂肪アミド;ステアリン酸Naとオレイン酸Naなどの脂肪酸のナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウム塩またはこれらの組み合わせなどのアニオン性のものである。水性エマルジョン中の乳化剤の量は、モノマーの全重量基準で好ましくは0.05重量パーセントから10重量パーセントまで、更に好ましくは0.3重量パーセントから3重量パーセントまでである。
【0043】
マクロモノマー水性エマルジョンを当業者に既知のいかなる方法で形成してもよい。例えば、調製されるマクロモノマーを既知のいかなる方法によっても固体として単離(例えば、噴霧乾燥した)し、そして水中で乳化してもよい。また、例えば、エマルジョンあるいは水性ベースの重合法により調製されたものならば、そのままあるいは所望の固体レベルまで水により希釈あるいは濃縮してマクロモノマーを使用してもよい。
【0044】
本発明の好ましい実施形態においては、このマクロモノマー水性エマルジョンは、この明細書で前述したように遷移金属キレート連鎖移動剤の存在下でエチレン性不飽和モノマーの乳化重合から形成される。この実施形態は多数の理由により好ましい。例えば、マクロモノマー重合を簡単にコントロールして、所望の粒子サイズ分布を生成することができる(好ましくは、例えば、2未満の多分散性の狭い分布で)。また、例えば、マクロモノマーを固体として単離するなどの追加のプロセス工程を避けて、プロセス経済性を改善することができる。加えて、マクロモノマー、マクロモノマー水性エマルジョンおよびこのグラフトコポリマーを商用の製造設備では望ましい単一の反応器中で連続する工程により製造することができる。
【0045】
本発明で有用なマクロモノマー水性エマルジョンは、マクロモノマー水性エマルジョンの全重量基準で20重量パーセントから60重量パーセントまでの、更に好ましくは30重量パーセントから50重量パーセントまでの少なくとも一つの水不溶性マクロモノマーを含有する。また、マクロモノマー水性エマルジョンはマクロモノマーの混合物を含有してもよい。好ましくは、このマクロモノマー水性エマルジョンは、マクロモノマー水性エマルジョンの全重量基準で5重量パーセント未満の、更に好ましくは1重量パーセント未満の残存するエチレン性不飽和モノマーを含有する。
【0046】
この水不溶性マクロモノマー粒子は、好ましくは所望の粒子サイズのグラフトコポリマーの形成を許容する粒子サイズを有する。好ましくは、このマクロモノマー粒子は、HPLCタイプ紫外線検出器を備えたMatec CHDF 2000粒子サイズ分析器を用いて毛細管水力学的分別法により測定して、50nmから600nmの、更に好ましくは80nmから200nmまでの重量平均粒子サイズを有する。
【0047】
また、このマクロモノマー水性エマルジョンは、一つあるいはそれ以上の乳化剤を含んでもよい。乳化剤のタイプと量は、好ましくは所望の粒子サイズを生成する方法で選ばれる。好適な乳化剤は、乳化重合プロセスによるマクロモノマーの調製での使用に前に開示したものを含む。好ましい乳化剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニルフェノールと脂肪アルコールの硫酸化およびエトキシル化誘導体などのアニオン性界面活性剤である。乳化剤の全レベルは、マクロモノマーの全重量基準で好ましくは0.2重量パーセントから5重量パーセントまで、更に好ましくは0.5重量パーセントから2重量パーセントまでである。
【0048】
このように調製されるマクロモノマーは、好ましくはエチレン性不飽和モノマーと重合して、グラフトコポリマー組成物を形成するエマルジョンである。重合は、好ましくは水不溶性粒子として水性エマルジョン中でマクロモノマーを、そしてモノマー組成物中でエチレン性不飽和モノマーを提供することにより行なわれる。ある好ましい実施形態においては、マクロモノマー水性エマルジョンの少なくとも一部をモノマー組成物の少なくとも一部と組み合わせて、重合反応混合物を形成し、次にこれを開始剤の存在下で重合する。
【0049】
理論に束縛されることを決して意図するものではないが、水性エマルジョン中で水不溶性マクロモノマー粒子の形のマクロモノマーを、また別々のモノマー組成物中でエチレン性不飽和モノマーを提供することにより、組み合わせ時に、エチレン性不飽和モノマーがマクロモノマー粒子の中に拡散して、そこで重合が起こると考えられる。好ましくは、マクロモノマー粒子の中へのエチレン性不飽和モノマーの拡散は、マクロモノマー粒子の膨潤により立証される。
【0050】
本発明で有用なモノマー組成物は、好ましくは少なくとも一つの種類のエチレン性不飽和モノマーを含有する。このモノマー組成物はすべて(すなわち100%)がモノマーであってもよく、あるいは有機溶媒および/または水中に溶解あるいは分散されたモノマーを含有してもよい。好ましくは、モノマー組成物中のモノマーのレベルは、モノマー組成物の全重量基準で50重量パーセントから100重量パーセントまで、更に好ましくは60重量パーセントから90重量パーセントまで、最も好ましくは70重量パーセントから80重量パーセントまでである。モノマー組成物中に存在してもよい有機溶媒の例は例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、およびテトラデカンなどのCからC14アルカンを含む。モノマー組成物中の有機溶媒は、モノマー組成物の全重量基準で好ましくは30重量パーセント以下、更に好ましくは5重量パーセント以下であり、重合後にこのポリマーからストリッピンングされる。
【0051】
水および/または有機溶媒に加えて、このモノマー組成物は、また、例えば、ヒドロキシ、アミド、アルデヒド、ウレイド、ポリエーテル、グリシジルアルキル、ケト基またはこれらの組み合わせを含有するモノマーなどの官能基を含有するモノマーも場合によっては含有する。これらの他のモノマーは、概ね、グラフトコポリマーの全重量基準で0.5重量パーセントから15重量パーセントまでの、更に好ましくは1重量パーセントから3重量パーセントのレベルでモノマー組成物中に存在する。官能性モノマーの例は、アクリル酸およびメタクリル酸ヒドロキシアルキルのアセトアセトキシエステルなどのケト官能性モノマー(例えば、メタクリル酸アセトアセトキシエチル)とケト含有アミド(例えば、ジアセトンアクリルアミド);メタクリル酸およびアクリル酸のアリルアルキルエステル;メタクリル酸およびアクリル酸のグリシジルアルキルエステル;またはこれらの組み合わせを含む。このような官能性モノマーは所望ならば架橋を生じることができる。
【0052】
好ましい実施形態においては、モノマー組成物中のモノマーを水中で予備乳化して、モノマー水性エマルジョンを形成してもよい。好ましくは、このモノマー水性エマルジョンは、1ミクロンから100ミクロンの、更に好ましくは5ミクロンから50ミクロンまでの液滴サイズを有するモノマー液滴を含有してもよい。前述したものなどの好適ならばいかなる乳化剤も使用して、モノマーを所望のモノマー液滴サイズまで乳化してもよい。好ましくは、乳化剤のレベルは、存在する場合には、モノマー組成物中のモノマーの全重量基準で0.2重量パーセントから2重量パーセントまでであってもよい。
【0053】
モノマー組成物のエチレン性不飽和モノマーは、好ましくは得られるコポリマー組成物中で所望の性質を提供するように選ばれる。好適なエチレン性不飽和モノマーは、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソボルニルを含むメタクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルを含むアクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステルなどのアクリル酸エステル;スチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレンまたはt−ブチルスチレンなどの置換スチレン;アクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルなどのオレフィン性不飽和ニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデンまたはフッ化ビニルなどのオレフィン性不飽和ハロゲン化物;酢酸ビニルなどの有機酸のビニルエステル;N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;アクリルアミド;メタクリルアミド;置換アクリルアミド;置換メタクリルアミド;メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸ヒドロキシアルキル;アクリル酸ヒドロキシアルキル;1、3−ブタジエンとイソプレンなどのジエン;ビニルエーテル;またはこれらの組み合わせを含む。このエチレン性不飽和モノマーは、また、酸含有モノマーまたはこの明細書で前述したような官能性モノマーとすることもできる。好ましくは、このモノマー組成物のエチレン性不飽和モノマーはアミノ基を含有しない。
【0054】
好ましい実施形態においては、このモノマー組成物は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルを含むアクリル酸のCからC18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキルエステル;スチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレンまたはt−ブチルスチレンなどの置換スチレン;ブタジエンまたはこれらの組み合わせから選ばれる一つあるいはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。
【0055】
前述したように、このマクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物は、好ましくは組み合わされて、重合反応混合物を形成し、次にフリーラジカル開始剤の存在下で重合されて、水性コポリマー組成物を形成する。用語「重合反応混合物」は、この明細書で使用される通り、マクロモノマー水性エマルジョンの少なくとも一部とモノマー組成物の少なくとも一部を組み合わせて形成される生成混合物を指す。この重合反応混合物は、また、開始剤または重合時に使用されるいかなる他の添加剤も含有する。このように、この重合反応混合物は、モノマー組成物中のマクロモノマーとモノマーが反応して、グラフトコポリマーを形成するのに従って組成が変化する混合物である。
【0056】
マクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物を種々の方法で組み合わせて、重合を行なってもよい。例えば、マクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物を重合反応の開始の前に組み合わせて、重合反応混合物を形成してもよい。あるいは、モノマー組成物をマクロモノマー水性エマルジョンの中に漸次供給するか、あるいはマクロモノマー水性エマルジョンをモノマー組成物の中に漸次供給することができる。また、マクロモノマー水性エマルジョンおよび/またはモノマー組成物の一部のみを重合の開始の前に組み合わせ、残存モノマー組成物および/またはマクロモノマー水性エマルジョンをこの重合時に供給することも可能である。
【0057】
この開始剤もまた種々の方法で添加してもよい。例えば、重合の開始時にマクロモノマー水性エマルジョン、モノマー組成物、またはマクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物または混合物に開始剤を「ワンショット」で添加してもよい。あるいは、開始剤の全部または一部を別々な供給流として、マクロモノマー水性エマルジョンの一部として、モノマー組成物の一部として、あるいはこれらの方法の任意の組み合わせとして共供給することができる。
【0058】
マクロモノマー水性エマルジョン、モノマー組成物、および開始剤を組み合わせる好ましい方法は、所望のグラフトコポリマー組成物などの因子、最終的には接着剤組成物の所望のPSA特性に依存することもある。例えば、主鎖に沿ってのグラフトとしてのマクロモノマーの分布は、重合中のマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの両方の濃度により影響されることもある。この点で、バッチプロセスは重合の開始時にマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの両方の濃度を高くさせ、それに対して、半連続プロセスは、通常、重合中にエチレン性不飽和モノマー濃度を低く維持する。このように、マクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物を組み合わせる方法によって、例えば、ポリマー鎖当りのマクロモノマーグラフト数、各鎖中のグラフトの分布、および/またはポリマー主鎖の長さをコントロールすることが可能である。
【0059】
マクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーを重合して、本発明のグラフトコポリマーを形成するのに有用な開始剤は当業者に既知の好適ならばいかなる乳化重合用開始剤を含んでもよい。開始剤の選択は、一つあるいはそれ以上の反応成分(例えば、モノマー、マクロモノマー、水)中の開始剤の溶解度と所望の重合温度での半減期(好ましくは、30分から10時間の範囲内の半減期)などの因子に依存する。好適な開始剤は、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物;t−ブチルヒドロペルオキシドなどのペルオキシド;過硫酸のナトリウム、カリウム、またはアンモニウム塩;例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸などの還元剤と組み合わせた過硫酸塩またはペルオキシドなどのレドックス開始剤系;またはこれらの組み合わせなどのマクロモノマーの形成に関連してこの明細書で前述したものを含む。鉄などの金属促進剤と重炭酸ナトリウムなどの緩衝液もこの開始剤と組み合わせて使用してもよい。加えて、原子移動ラジカル重合などの制御されたフリーラジカル重合(CFRP)法またはニトロキシド仲介ラジカル重合を使用してもよい。好ましい開始剤は、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物を含む。
【0060】
使用開始剤の量は、所望のコポリマーと選択された開始剤などの因子に依存する。好ましくは、モノマーとマクロモノマーの全重量基準で0.1重量パーセントから1重量パーセントまでの開始剤を使用する。
【0061】
重合温度は選ばれた開始剤のタイプと所望の重合速度に依存する。しかしながら、好ましくは、マクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーは室温から150℃までの、更に好ましくは40℃から95℃までの温度で重合される。
【0062】
添加されて重合反応混合物を形成するマクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物の量は、例えば、マクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物中のマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの濃度および所望のコポリマー組成物などの因子に依存する。好ましくは、マクロモノマー水性エマルジョンとモノマー組成物は、1重量パーセントから30重量パーセントまでの、更に好ましくは2重量パーセントから15重量パーセントまでの、最も好ましくは2.5重量パーセントから10重量パーセントまでのマクロモノマーと、70重量パーセントから99重量パーセントの、更に好ましくは85重量パーセントから98重量パーセントの、最も好ましくは90重量パーセントの97.5重量パーセントのエチレン性不飽和モノマーを重合された単位として含有するコポリマーをもたらすような量で添加される。
【0063】
この開示の教示で準備されると、本発明の方法と共に慣用の乳化重合で使用される他の成分を場合によっては使用してもよいことは当業者には容易に明白となるであろう。例えば、生成グラフトコポリマーの分子量を低下させるためには、場合によってはn−ドデシルメルカプタン、チオフェノール;ブロモトリクロロメタンなどのハロゲン化合物;またはこれらの組み合わせなどの一つあるいはそれ以上の連鎖移動剤の存在下で重合を行なってもよい。また、追加の開始剤および/または触媒(例えば、チェイス剤)を重合反応の完了時に重合反応混合物に添加して、いかなる残存モノマーを低減してもよい。好適な開始剤または触媒はこの明細書で前述したようなこれらの開始剤を含む。加えて、付加−フラグメント化によるマクロモノマーの連鎖移動能を一部活用して、モノマー組成物と重合条件の適切な設計により分子量を低下させることができる。E.Rizzardoら、Prog.Pacific Polym.Sci.、1991、1,77〜88;G.Moadら、WO96/15157を参照されたい。
【0064】
モノマー組成物中でのマクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの重合により形成される生成水性コポリマー組成物は、好ましくは30重量パーセントから65重量パーセントまでの、更に好ましくは40重量パーセントから60重量パーセントまでの固体レベルを有する。加えて、この水性コポリマー組成物は好ましくは水不溶性であり、60nmから600nmまでの、更に好ましくは80nmから200nmまでの粒子サイズを有するコポリマー粒子を含有する。このコポリマー組成物は、本発明のこの水性エマルジョンベースのPSA接着剤組成物の中に単独で、あるいは他の添加剤と共に組み込むのに好適である。
【0065】
ある好ましい実施形態においては、形成されるグラフトコポリマーは、モノマー組成物からのエチレン性不飽和モノマーを重合単位として含む主鎖を有し、主鎖から懸垂し、マクロモノマーを含有する一つあるいはそれ以上の側鎖を有する。好ましくは、各側鎖はこの主鎖にグラフト化された一つのマクロモノマーから形成される。このマクロモノマー側鎖の数平均分子量は、好ましくは2,000から50,000g/モルまでの範囲、更に好ましくは4,000から35,000g/モルまでの範囲の中にある。このグラフトコポリマーの全重量平均分子量は、好ましくは50,000から2,000,000までの、更に好ましくは100,000から1,000,000までの範囲の中にある。重量平均分子量はこの明細書で使用される通りサイズ排除クロマトグラフィにより定量可能である。
【0066】
水性コポリマー組成物のコポリマー粒子を例えば噴霧乾燥または凝固により単離することができる。しかしながら、コポリマー水性組成物をそのままで、すなわち更なる処理無しで使用することが好ましい。
【0067】
本発明の好ましい実施形態においては、この重合は2段で行なわれる。第1段においては、マクロモノマーを水性乳化重合プロセスで形成し、第2段においてはエマルジョン中でマクロモノマーをエチレン性不飽和モノマーと重合させる。効率化のために、好ましくはこれらの2段反応は単一の容器中で行なわれる。例えば、第1段においては、水性エマルジョン中で少なくとも一つの第1のエチレン性不飽和モノマーを重合して、水不溶性マクロモノマー粒子を形成することにより、マクロモノマー水性エマルジョンを形成してもよい。この第1段の重合は、好ましくはこの明細書で前述したように遷移金属キレート連鎖移動剤を用いて行なわれる。マクロモノマー水性エマルジョンを形成した後、次に、第2の乳化重合を好ましくは同一容器中で行なって、任意の未反応の第1のエチレン性不飽和マクロモノマーを少なくとも一つの第2のエチレン性不飽和モノマーと重合させる。例えばモノマー組成物と開始剤をマクロモノマー水性エマルジョンに直接に添加(例えば、全部一度あるいは徐々に供給)することにより、第2段反応を行なってもよい。この実施形態の一つの主要な利点はマクロモノマーを単離する必要がなく、モノマー組成物と開始剤をマクロモノマー水性エマルジョンに単に添加することにより、第2の重合を起こすことができるということである。
【0068】
本発明の別な好ましい実施形態においては、マクロモノマーとエチレン性不飽和モノマーの重合は酸含有モノマー、酸含有マクロモノマー、またはこれらの組み合わせの存在下で少なくとも一部行なわれる。酸含有モノマーまたは酸含有マクロモノマーをいかなる方法によっても重合反応混合物に添加してもよい。好ましくは、酸含有モノマーまたは酸含有マクロモノマーはモノマー組成物中に存在する。酸含有モノマーまたは酸含有マクロモノマーも重合反応混合物に別な流れとして添加してもよい。
【0069】
重合反応混合物に添加される酸含有モノマーまたは酸含有マクロモノマーの量は、好ましくは重合反応混合物に添加されるモノマーとマクロモノマーの全重量基準で0.2重量パーセントから10重量パーセントまで、更に好ましくは0.5重量パーセントから5重量パーセントまで、最も好ましくは1重量パーセントから2重量パーセントまでである。
【0070】
この実施形態で使用される酸含有モノマーは、この明細書で前述したものなどの酸官能基あるいは酸形成基を保有するエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。
【0071】
この実施形態で有用な酸含有マクロモノマーは、フリーラジカル重合プロセスでの重合能があり、そして少なくとも一つの種類の酸含有モノマーから形成される少なくとも一つの末端のエチレン性不飽和基を有するいかなる低分子量ポリマーでもよい。好ましくは、酸含有マクロモノマー中の酸含有モノマーの量は、50重量パーセントから100重量パーセントまで、更に好ましくは90重量パーセントから100重量パーセントまで、最も好ましくは約95重量パーセントから100重量パーセントまでである。
【0072】
酸含有マクロモノマーをこの明細書で前述したものなどの当業者に既知のいかなる方法に従って調製してもよい。本発明の好ましい実施形態においては、この酸含有マクロモノマーはフリーラジカル開始剤と遷移金属キレート錯体を用いる溶液重合法により製造される。このようなプロセスの例は米国特許第5,721,330号に開示されている。この酸含有マクロモノマーを形成するのに使用される好ましい酸含有モノマーはメタクリル酸などのα−メチルビニルモノマーである。
【0073】
理論に束縛されることを決して意図するものではないが、酸含有マクロモノマーは水不溶性グラフトコポリマー粒子の表面に結合し、安定性をもたらすと考えられる。「結合」により、この明細書で使用される通り、酸含有マクロモノマーは、この粒子中のポリマー鎖にある方法(例えば、共有結合、水素結合、イオン結合)で結合していると考えられる。好ましくは、酸含有マクロモノマーはこの粒子中のポリマー鎖に共有結合により結合している。酸含有マクロモノマーはこの粒子に安定性をもたらして、製造される水性コポリマー組成物がせん断安定性、凍結融解安定性、および配合物中の添加剤への安定性の予期されない改善された並びに重合時の凝固の減少を示すことを見出した。酸含有モノマーを用いて改善された安定性を得ることができるが、酸含有マクロモノマーを使用する場合には、これらのメリットは最も効果的である。
【0074】
本発明の別な好ましい実施形態においては、疎水性のキャビティを有するマクロモレキュール有機化合物がこのマクロモノマーおよび/または水性コポリマー組成物を形成するのに使用される重合媒体中に存在する。好ましくは、アクリル酸および/またはメタクリル酸のラウリルあるいはステアリルエステルなどの極めて低い水溶解度のエチレン性不飽和モノマーを共重合させる場合にこのマクロモレキュール有機化合物を使用する。「低水溶解度」とは、25℃から50℃での50ミリモル/リットル以下の水溶解度の意味である。例えば、水性コポリマー組成物を形成するのに使用されるモノマー組成物、マクロモノマー水性エマルジョン、または重合反応混合物にこのマクロモレキュール有機化合物を添加してもよい。また、例えばこのマクロモレキュール有機化合物をこのマクロモノマーを形成するのに使用されるエチレン性不飽和モノマーの水性エマルジョンに添加してもよい。疎水性キャビティを有するマクロモレキュール有機化合物を使用する好適な方法は、例えば、米国特許第5,521,266号で開示されている。
【0075】
好ましくは、疎水性キャビティを有するマクロモレキュール有機化合物を重合反応混合物に添加して、低水溶解度のモノマーあるいはマクロモノマーに対するマクロモレキュール有機化合物のモル比を5:1から1:5000までの、更に好ましくは1:1から1:500までとする。
【0076】
本発明で有用な疎水性キャビティを有するマクロモレキュール有機化合物は、例えばシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体;シクロイヌロヘキソース、シクロイヌロヘプトース、またはシクロイヌロクトースなどの疎水性キャビティを有するシクロオリゴサッカライド;カリクサレン;キャビタンド;またはこれらの組み合わせを含む。好ましくは、このマクロモレキュール有機化合物はβ−シクロデキストリン、更に好ましくはメチル−β−シクロデキストリンである。
【0077】
低水溶解度を有するモノマーは、例えば一級アルケン;スチレンとアルキル置換スチレン;α−メチルスチレン;ビニルトルエン;2−エチルヘキサン酸ビニル、ネオデカン酸ビニルなどのCからC30のカルボン酸のビニルエステル;塩化ビニル;塩化ビニリデン;オクチルアクリルアミドとマレイン酸アミドなどのN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド;ステアリルビニルエーテルなどの(C〜C30)アルキル基のビニルアルキルあるいはアリールエーテル;メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、パルミチル(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸の(C−C30)アルキルエステル;脂肪酸と脂肪アルコールから誘導されるものなどの(メタ)アクリル酸の不飽和ビニルエステル;ペンタエリスリトールトリアクリレートなどの多官能性モノマー;コレステロールから誘導されるモノマーまたはこれらの組み合わせを含む。
【0078】
水性コポリマー組成物は、コポリマー粒子に加えて、好ましくは10重量パーセント未満の、更に好ましくは1重量パーセント未満の有機溶媒を含有する。最も好ましい実施形態においては、この水性コポリマー組成物は有機溶媒を含有しない。
【0079】
本発明の接着剤組成物は、30重量パーセントから70重量パーセントまでの水性媒体中に分散された本発明のグラフト化コポリマーの固体を含んでもよい。本発明の接着剤組成物は、粘着剤、乳化剤、顔料、充填剤、硬化剤、増粘剤、湿潤剤、脱泡剤、殺生物剤、接着促進剤、保湿剤、着色剤、ワックス、UV安定剤、酸化防止剤などに限定されないが、グラフト化コポリマーの固形分の0.1から60重量パーセントまでの少なくとも一つの添加剤を場合によっては更に含んでもよい。
【0080】
好ましい実施形態においては、粘着性付与樹脂をこの接着剤組成物に添加して、粘着力と剥離接着を増大させてもよい。しかしながら、選ばれる粘着性付与樹脂は、好ましくはグラフト化ポリマーまたはマクロモノマーよりもむしろポリマー主鎖と相溶性があって、高せん断性を維持するものでなければならない。多量の粘着性付与樹脂または粘着剤は、せん断性にマイナスの影響を及ぼすこともある。
【0081】
使用する場合には、添加剤を混合またはブレンドなどの好適ないかなる方法によっても本発明の接着剤組成物に添加して、接着剤組成物の中に添加剤を均一に組み込むことができる。この添加剤は、好ましくは液体、水性エマルジョン、または乳化された溶液の形で接着剤組成物に添加される。更に好ましい実施形態においては、中に分散されたグラフトコポリマー粒子と場合によっては接着剤組成物の他の添加剤を含有する水性エマルジョンを水性エマルジョンに添加し、この組み合わされた液を攪拌して、実質的に均一なエマルジョンを形成することにより、本発明の接着剤組成物を調製する。
【0082】
本発明のPSA組成物においては、モノマー主鎖へのマクロモノマー側鎖のグラフト化パーセントは、50%から100%(すなわち、系中のこのマクロモノマーのすべてがグラフト化されている)までの範囲にあることが好ましい。好ましくは、モノマー主鎖へのマクロモノマー側鎖のグラフト化パーセントは、60%あるいはそれ以上、更に好ましくは70%あるいはそれ以上、なお更に好ましくは90%あるいはそれ以上である。用語「グラフト化パーセント」は、この明細書で使用される通り、主鎖上に共重合されたマクロモノマーの量をこの反応の中に投入されたマクロモノマーの全量で割って、100を掛けたものを意味する。グラフト化パーセントは未反応マクロモノマーの量を測定するHPLCにより測定される。
【0083】
硬い相のTgは生成接着剤組成物のせん断性に大きな影響を及ぼすと概ね考えられる。硬い相と軟らかい相のそれぞれのTg値の適合性の度合いも接着剤組成物のせん断と他の性質に影響を及ぼす。接着性の必要なバランスを得るためには、本発明の接着剤組成物内に分散したグラフトコポリマー粒子の硬い相は、好ましくは40℃あるいはそれ以上の中点Tg値を有する。更に好ましくは、このグラフトポリマーの硬い相の中点Tg値は70℃あるいはそれ以上である。なお更に好ましくは、このグラフトポリマーの硬い相の中点Tg値は90℃あるいはそれ以上である。軟らかい相のTg値は硬い相ほどはせん断性に大きな影響を及ぼさないが、軟らかい相の中点Tg値は−20℃であることが好ましい。この明細書で示したTg値は、例えば、それぞれのポリマーの示差走査熱量測定により得られた測定値に基づく。
【0084】
ある好ましい実施形態においては、グラフトコポリマー粒子内のポリマー主鎖にグラフト化された一つあるいはそれ以上のマクロモノマーの数平均分子量をコントロールすることにより、本発明の接着剤組成物のPSA特性を改善してもよい。高Tgグラフトの分子量が充分に高く、高Tgグラフトの相分離を生じる場合に、PSA特性の所望のバランスが得られると概ね考えられる。好ましくは、このグラフト化マクロモノマーの数平均分子量は、2,000から50,000までの、更に好ましくは4,000から35,000までの範囲である。
【0085】
本発明のPSA組成物内のコポリマー組成物のグラフト化マクロモノマーの重量パーセントでの量は、接着剤の得られるPSA特性に影響を及ぼすことがある。例えば、グラフト化マクロモノマーの量がある値未満である場合には、このグラフト化されたポリマー材料はせん断性を改善するのに充分な補強をもたらさないこともある。しかしながら、グラフト化マクロモノマーの量が多すぎる場合には、このPSAの粘着性は低下することもある。好ましくは、粘着力を維持しながらせん断を改善するためには、グラフト化マクロモノマーのコポリマー組成物の重量に対する量は、1から30%までの、更に好ましくは2から15%までの、なお更に好ましくは2.5から10%までの範囲でなければならない。
【0086】
本発明の接着剤組成物のコーティングを一次基材に塗布し、このコーティングを乾燥し、それによって基材の表面の一部を被覆する固体部分の接着剤組成物からなる接着性層を設けることにより、接着剤物品、特にPSA物品を製造してもよい。
【0087】
例えば、ロールコーティング、巻き線型ロッドコーティング、ナイフコーティング、またはカーテンコーティングなどの好都合ならばいかなる方法によっても接着剤組成物のコーティングをこの一次基材の少なくとも一つの表面の少なくとも一部に概ね塗布し、そして乾燥させて、乾燥した接着性層を基材表面の被覆部分の上に形成することができる。また、この接着剤組成物を連続なコーティングまたは不連続なコーティングとして一次基材の表面上に塗布してもよい。
【0088】
一つの実施形態においては、この一次基材の表面の被覆部分の上に1平方メートル当り5グラム(g/m)から100g/mの乾燥した接着性層をもうけるのに有効な量で接着剤またはPSA組成物を一次基材の表面に塗布してもよい。
【0089】
更なる実施形態においては、この一次基材は、例えば、紙のシート、ポリマーフィルム、テキスタイル布または不織ファイバーシートなどの可とう性のシート様材料であってもよく、したがって本発明の接着剤物品は、例えば、感圧性接着テープ、感圧性接着性ラベルまたは感圧性接着剤フィルムなどのシート様材料である。
【0090】
好ましい形態においては、この接着剤物品は接着剤の被覆表面と、その反対側の非被覆表面を有するPSAテープである。好ましい実施形態においては、この物品は剥離層またはコーティング、例えば、使用の前に接着性層を一時的に被覆するためのポリマーフィルムを含んでもよい。同心的に巻かれたロールの形態で接着テープを提供する代替の好ましい実施形態においては、テープの下地層の非被覆表面が接着性層の剥離層として機能する。なお更なる好ましい実施形態においては、このPSA物品は面材料、接着剤層、剥離コーティング、および剥離可能な裏打ちあるいはライナーからなる。
【0091】
PSA組成物を一次基材の一つ以上の表面に塗布してもよく、例えば、ポリマーフィルム細片の両面を被覆して、「両面」接着テープを製造してもよい。
【0092】
存在する場合には、剥離層をこの物品から除去し、次に接着剤物品の接着剤の被覆表面を一つあるいはそれ以上の二次基材または単一の二次基材の一つあるいはそれ以上の部分に塗布して、基材または一次基材および二次基材部分を介在させた乾燥した接着性層により一緒に接合した複合物品を形成することによって、本発明のPSA物品を使用することができる。
【0093】
好ましい二次基材としては、例えば、紙と板紙、ボール紙、段ボール紙などの紙製品、木材、金属フィルム、ポリマーフィルムおよび複合基材などのシート様材料などがあげられるが、これらに限定されない。用語「複合基材」は、この明細書で使用される通り、ポリマー被覆の板紙または例えば、ボール紙などのワックス被覆のボール紙などと例えば、パーチクルボードなどの結合木材製品などの異なる基質材料の組み合わせ物からなる基材を意味する。
【0094】
本発明に従って製造される接着剤組成物は、本発明に従って被覆接着シート材料を製造する慣用のコーティング法により好適な可とう性あるいは非可とう性裏打ち材料上に容易に被覆される。この可とう性裏打ち材料は、テープの裏打ちとして慣用的に利用されるいかなる材料またはいかなる他の可とう性材料であってもよい。本発明の接着剤組成物に有用である慣用のテープの裏打ちとして使用される可とう性裏打ち材料の典型的な例は、紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、酢酸セルロースおよびエチルセルロースなどのプラスチックフィルムでできたものを含む。
【0095】
また、裏打ちを木綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、セラミック材料などの合成あるいは天然材料の糸から形成される織布または天然あるいは合成ファイバーまたはこれらのブレンドのエアレイドウエブなどの不織布の布から調製してもよい。また、この裏打ちを金属、メタライズ処理ポリマーフィルム、またはセラミックシート材料から形成してもよい。この被覆されたシート材料は、ラベル、テープ、サイン、カバー、マーキング材などの接着剤またはPSA組成物と共に利用されることが慣用の既知のいかなる物品の形態をとってもよい。
【0096】
本発明のPSA組成物は、また、剥離可能な接着剤としての使用にも好適であることもある。理想的な剥離可能な接着剤は時間または熱と高湿度への暴露と共に剥離強度の過剰な増加を示さない。更に、このような組成物からできている接着テープは、高湿度への暴露時に白化したり、あるいは縁で持ち上がったり、あるいは高温に暴露した場合このテープ裏打ちの膨張によりトンネルを形成してはならない。本発明のあるPSA組成物は、熱と湿度に長時間暴露しても剥離強度の変化を示さない。
【0097】
本発明のPSA組成物は、また、高温接着剤系にも好適である。例えば、本発明のあるPSA組成物は、グラフト化マクロモノマーのTgに近い温度で高温せん断抵抗を示す。
【0098】
(実施例)
本発明は次の実施例で更に説明される。この実施例はすべて実際の実施例である。これらの実施例は例示の目的のためのみのものである。
【0099】
この実施例においては、モノマー転化率を標準的な方法を用いて未反応モノマーのGC分析により求めた。このマクロモノマーとコポリマー組成物に対する重量パーセント固体を重量分析により求めた。HPLCタイプ紫外線検出器を備えたMatec CHDF 2000粒子サイズアナライザーを用いてこのマクロモノマーとコポリマー組成物の粒子サイズを得た。示差走査熱量計(Model 12920,TA Company)を用いて、1分当り20℃の速度で−100℃から+150℃の温度範囲を走査し、走査により得られるTg転移の中点をこのポリマーに対するTg値として示すことにより、中点Tg値を測定した。
【0100】
別に記した場合を除いて、狭い分子量分布で580から7,500,000の範囲のピーク平均分子量を有するPolymer Laboratoriesのポリスチレン標準を用いたSECにより、このマクロモノマーとモノマーを数平均分子量について測定した。Mark−Houwink定数を用いて、ポリスチレンからPMMAへの転換を行なった。上述のようにSECを用いて、コポリマー組成物を数平均分子量と重量平均分子量について評価した。
【0101】
グラフト化パーセントをHPLCにより測定して、未反応マクロモノマーの量を求めた。このコポリマー組成物をTHFに溶解し、Supelco、ベルフォンテ、ペンシルヴァニア(Bellefonte,PA)により供給されたLC−18カラム上での勾配溶離により解析し、分離の良好なピークが未反応マクロモノマーに対して観測されるようにした。この合成で使用されるのと同一マクロモノマーの既知の標準を用いて検出器応答を較正することにより、定量化を行なった。
【0102】
表1に示す次の略号を実施例で使用する。
【表1】
Figure 0004025644
【0103】
実施例1:非グラフト化ポリマー
慣用の連鎖移動剤を用いて水性乳化重合プロセスによりMMAポリマーを調製した。次の手順に従って機械的スターラー、温度制御装置、コンデンサー、モノマーフィードラインおよび窒素入口を備えた2リットルの四つ口丸底反応フラスコ中で重合を行なった。この反応フラスコに483.7gの脱イオン水、2.0gのA−16−22、および52重量%のメチル−β−シクロデキストリンを含有する1.55gの水溶液を添加して、界面活性剤溶液を形成した。125gの脱イオン水、3gのA−16−22、305gのMMAおよび5gのnDDMを含有するモノマーエマルジョンを別々に調製した。加えて、1.56gのNaPSを72.3gの脱イオン水中に溶解することにより、開始剤溶液を製造した。この界面活性剤溶液を80℃まで加熱し、その後全開始剤溶液の60%をこの反応フラスコに添加した。次に、このモノマーエマルジョンと残存する開始剤溶液を60分間にわたって供給した。供給期間の終わりに、この反応混合物を80℃で追加の30分間維持し、続いて冷却し、濾過した。生成低分子量MMAエマルジョンは31.0重量%の固体を含有していた。このMMAポリマーは21700の数平均分子量(Mn)を有していた。
【0104】
実施例2:溶液重合によるPMAA−MMの調製
機械的スターラー、コンデンサー、温度制御装置、開始剤フィードラインおよび窒素入口を備えた2リットルのバッフルフランジのフラスコ中の水溶液重合法により、MAAマクロモノマー(PMAA−MM)を調製した。このフラスコを窒素で30分間パージし、そして0.018gのCoBFを添加した。このフラスコに1,080gの脱ガスした水を投入し、これを窒素パージ下で55℃まで加熱した。510mlのMAAと0.01gのCoBFを含有するモノマー混合物を窒素下で別々に調製した。この脱イオン水が55℃の温度に達したならば、1.94gの開始剤(Waka VA044)をこの反応フラスコに添加した。開始剤の添加に引き続き、攪拌しながらこのモノマー混合物を60分間にわたって反応フラスコに添加した。次に、モノマー混合物供給の完了に続いて温度を55℃で2時間保持した。この反応フラスコを室温まで冷却して、このPMAA−MMマクロモノマーをロータリーエバポレーションにより乾燥したポリマーとして単離した。PMAA−MMマクロモノマーの数平均分子量(Mn)をプロトン核磁気共鳴によりポリマー鎖のメチルとメチレン基に対するビニル末端基の積分に基づいて4030と求めた。
【0105】
実施例2.1から2.3:乳化重合によるPMMA−MMの調製
実施例1に述べたのと同一装置を用いて乳化重合プロセスによりMMAマクロモノマー(PMMA−MM)を調製した。実施例2.1、2.2、および2.3で使用した具体的な量の水、界面活性剤、MMA、連鎖移動剤(CTA)、および開始剤を表2で示した。これらの成分を次の手順に従って添加した。この反応フラスコと異なるフラスコ中で、連鎖移動剤を窒素パージ下でMMA中に溶解することにより、モノマー溶液を調製した。脱イオン水と界面活性剤(OT−100)を室温でこの反応フラスコの中に導入して、界面活性剤水溶液を形成した。この界面活性剤水溶液を混合し、攪拌しながら窒素パージ下で80℃まで加熱した。80℃の温度に達し、界面活性剤が完全に溶解したならば、1分間攪拌しながらこの開始剤(CVA)を界面活性剤水溶液に添加して、開始剤を溶解させた。開始剤が溶解した後、攪拌しながらモノマー溶液の20重量パーセントを反応フラスコに添加した。初期の投入に引き続き、攪拌しながら、残存モノマー溶液を1から2時間にわたって供給して、反応混合物を形成した。供給期間の終わりでは、この反応混合物を追加の1から3時間80℃に維持した。次に、この反応混合物を室温まで冷却し、フィルター布を通して、いかなる凝固物も除去した。
【0106】
概ね、この生成マクロモノマーエマルジョンは、マクロモノマーの全重量基準で5重量パーセント未満の凝固物を含有し、そしてモノマーの転化率はマクロモノマーの全重量基準で99重量パーセント以上であり、そしてモノマーの転化率は添加モノマーの全重量基準で99重量パーセント以上であった。各マクロモノマーに対するMn、重量パーセント固体および粒子サイズを表2に示す。
【表2】
Figure 0004025644
(1)連鎖移動剤(CoBF)の重量(グラム)
(2)CVA、Aldrichにより開始剤の75重量パーセント水溶液として供給されたもの
(3)OT−100
【0107】
実施例3.1から3.6:バッチ乳化重合プロセスによるポリ−(BA−g−MMA)グラフトコポリマーの調製
BAのポリマー主鎖とMMAの側鎖を有するグラフトコポリマーをこの明細書で開示した方法に従って調製した。機械的スターラー、コンデンサー、温度制御装置、開始剤フィードラインおよび窒素入口を備えた1リットルの四つ口丸底反応フラスコ中でバッチ乳化重合を行なった。使用した具体的な量のPMMA−MM(エマルジョンとして)、水、界面活性剤、酸含有モノマー(表3では「酸」と呼ぶ)、BA、開始剤、および緩衝液を表3で示した。これらの成分を次の手順に従って添加した。脱イオン水のエマルジョン(表3では「HO#1」と呼ぶ)、表2の実施例から同定されるPMMA−MMエマルジョン(表3中では「PMMA−MM」カラムの下の「Ex」として呼ぶ)を室温において反応フラスコ中で調製した。脱イオン水(表3では「HO#2」と呼ぶ)のモノマーエマルジョン、界面活性剤、酸含有モノマー、およびBAを別々に調製した。このモノマーエマルジョンを攪拌しながら室温で反応フラスコの中に導入して、反応混合物を形成した。20分間攪拌した後、この反応混合物を表3に示した反応温度まで加熱した。
【0108】
この反応温度に達したならば、開始剤と場合によっては緩衝液を次の手順に従って攪拌しながらこの反応フラスコの中に導入した。例えばAPSを開始剤として使用して、開始剤溶液の20重量%をワンショットでこの反応フラスコに添加し、残りを1から2時間にわたって供給した。レドックス開始剤により調製した実施例に対しては、FeとNaCOのすべてをこの反応フラスコに添加し、続いてNaPSとNaMBSの3分の1を添加し、残りを1から2時間にわたって供給した。この反応混合物を1から2時間この反応温度に維持した。生成コポリマー組成物を実施例7から15で述べるような転化率と他の性質について分析した。標準GC法により求めたBAの転化率は、投入BAの全重量基準で99重量パーセント以上であった。
【表3】
Figure 0004025644
(1)1分子当り1から40個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化CからC18のアルキルエーテル硫酸塩(水中で30%活性)
(3)レドックス開始剤系は3gの水中の0.14gのNaPS;3gの水中の0.12gのNaMBSおよび1.4gのFeを含有していた。
(4)レドックス開始剤系は3gの水中の0.045gのNaPS;3gの水中の0.04gNaMBS;および0.5gFeを含有していた。
(5)5−20gの水中に溶解したNaPS
(7)PMAA−MM(実施例2の方法により調製)
(8)末端エチレン性不飽和基を持たないPMMAにより調製する比較例
(9)5gの水中に溶解した炭酸ナトリウム
【0109】
実施例4:半連続あるいは漸次添加法によるポリ−(BA−g−MMA)の調製
BAのポリマー主鎖とMMAの側鎖を有するグラフトコポリマーをこの明細書で本発明の方法に従って調製した。このグラフトコポリマーを2段で製造した。第1段においては、表4に示す量の成分で、表2の対応する成分を置き換えたことを除いて、PMMA−MMを実施例2.1から2.3で使用した手順に従って製造した。
【表4】
Figure 0004025644
(1)MMAモノマーの全モル数基準
【0110】
生成PMMA−MMは12,900のMnを有していた。
【0111】
第2段においては、810gの脱イオン水、1分子当り0から40個のエチレンオキシド基を有する35gのエトキシル化CからC18のアルキルエーテル硫酸塩、および1876gのアクリル酸ブチルを含有するモノマーエマルジョンを製造した。加えて、190gの水中の31.23gのPMAA−MMを別に製造した。次に、このモノマーエマルジョンとこのPMAA−MM溶液を一緒に混合した。
【0112】
1000gの脱イオン水、295gの第1段のPMMA−MM、およびこのモノマーエマルジョンの20%を5リットル反応缶に添加した。缶を20分間攪拌し、続いて85℃まで加熱した(窒素の掃気をしながら)。85℃で、10gの水中に溶解した1.4gの過硫酸ナトリウムと15gの水に溶解した1.44gの炭酸ナトリウムをこの反応フラスコにシングルショットで添加し、続いて10gの脱イオン水を添加した。開始剤と緩衝液の投入に引き続き、モノマーエマルジョンの他方の80%を30分間にわたって供給し、そして供給の終了後この反応混合物を60分間攪拌しながら90℃に維持した。反応混合物を40℃まで冷却した後、13gの水中のFeSOの0.15%溶液を攪拌しながら添加し、続いてt−ブチルペルオキシドとイソアスコルビン酸(それぞれ、10gの水中4.4gおよび2.14g)を添加した。第1の添加の15分後に同一量のt−ブチルペルオキシドとイソアスコルビン酸の第2の添加を行なった。反応混合物を40℃の温度で30分間攪拌した。
【0113】
生成ラテックスを室温まで冷却し、フィルター布を通して、いかなる凝固物も除去した。製造された生成グラフトコポリマーは、93.5重量パーセントのアクリル酸ブチル、5重量パーセントのメタクリル酸メチルおよび1.5重量パーセントのPMAA−MMを含有していた。
【0114】
実施例5:ランダムコポリマー対照
機械的スターラー、温度制御装置、フィードラインおよび窒素入口を備えた1リットルの四つ口付きの丸底フラスコ中で半連続乳化重合によりランダムコポリマーを調製した。脱イオン水(68g)、界面活性剤(2.6gのA−16−22)、BA(233.8g)、MMA(12.5g)およびPMAA−MM(3.75gの実施例2)のモノマーエマルジョンを別なフラスコ中で調製した。この反応フラスコに室温で脱イオン水(88.5g)を投入し、次に攪拌しながら窒素パージ下で84℃まで加熱した。この反応温度に達したならば、この反応フラスコに開始剤(4.5gの水中の1.03gのAPS)と緩衝液(4.5gの水中の1.25gのNaCO)を投入し、続いて40nmの粒子サイズのアクリル系ラテックスポリマー(30%固体で8g)を投入した。次に、APS(19.3gの水中0.35g)とNaCO(19.3gの水中0.25g)の溶液と一緒に、このモノマーエマルジョンを90分間にわたって反応フラスコの中に供給した。供給を完了したならば、反応混合物を反応温度に1時間維持し、冷却し、そして濾過した。
【0115】
実施例6(6.1から6.23):PSA系のフィルム配合物の調製
試験エマルジョンポリマーを開示した方法に従って調製した。比較試験エマルジョンポリマーも調製した。これらの試験エマルジョンポリマーと比較試験エマルジョンポリマーの組成とこのグラフト化ポリマー(適用可能な場合には)の分子量を表5に開示する。
【0116】
実験室スターラーを備えた1/2パイントの容器に表5で開示した100グラムの試験エマルジョンポリマーと比較エマルジョンポリマーを添加した。穏やかな攪拌で、商標ACRYSOL5(3グラム)を10%固体まで予備希釈し、試験エマルジョンポリマーに添加し、そして混合した。いくつかの実施例においては、商標DOWANOL DPM融合剤(製造元ダウ・ケミカル(Dow Chemical)、ミッドランド、ミシガン(Midland,Michigan))を水により50%固体のレベルまで予備希釈し、この試験エマルジョンポリマーに添加して、表5に示す固形分パーセントの融合剤を生成させた。他の実施例においては、商標TACOLYN1070粘着性付与樹脂(製造元Hercules,Inc.、ウィルミントン、デラウェア(Wilmington,Delaware))を水により50%固体のレベルまで予備希釈し、この試験エマルジョンポリマーに添加して、表5に示す固形分パーセントの樹脂を得た。すべての実施例において、感圧性接着剤配合物を追加の15分間混合した。0.6グラムのアンモニアの28重量%溶液を添加することにより、最終の感圧性接着剤配合物のpHを8.0と9.0の間の範囲に調整した。
【表5】
Figure 0004025644
【表6】
Figure 0004025644
【0117】
実施例7:フィルム形成性質に及ぼす融合剤の影響
4つの試験ポリマーエマルジョン、本発明の実施例6.2、6.3、6.5、および6.6を実施例の6方法に従って調製して、これらの接着剤組成物のフィルム形成性質を求めた。このエマルジョンを剥離基材として作用する非処理のポリプロピレン上にキャストして3.5ミルの厚さを有する接着性フィルムを用意した。次に、この4つのサンプルフィルムを50℃で5分間乾燥して、このエマルジョン内の水を蒸発させた。このサンプルも25℃で追加の5日間乾燥して、実施例6.3および6.6の融合剤を蒸発させた。
【0118】
このサンプルフィルムをポリプロピレン基材から取り外し、試験サンプルを0.5インチ×2インチの寸法でフィルムから切り出した。インストロン試験機により1インチのゲージ長さと1インチ/分の引張り速度を用いて、この4つのサンプルの引張りの性質、すなわち、破断時の引張り強度と破断時の伸びを得た。これら4つの実施例に対する引張りの性質を表6に示す。
【表7】
Figure 0004025644
【0119】
表6に示す結果は接着剤組成物への添加剤として融合剤を使用することにより本発明のPSA組成物の引張りの性質が改善されることを示す。これは前に述べた当業界における教示(Shell product literature SC1757−93R)から予期されることである。引張りの性質はフィルム形成の品質を示すので、融合剤を含有しないくし形コポリマーの分散液を含む接着剤配合物が良好な接着性を示さないことは予期されることである。しかしながら、表6と以降の実施例で提示する実施例が例示するように、融合剤溶媒を使用せずに良好な接着性が得られる。
【0120】
実施例8:PSA特性の試験
本発明の試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。本発明の接着剤組成物6.2および6.4と組成物6.5および6.7は、組成物6.4および6.7が商標TACOLYN、粘着性付与樹脂の40重量%固形分の添加を含む点で異なる。組成物6.2および6.4と組成物6.5および6.7も組成物6.2および6.4が高い重量パーセントの同一のグラフト化マクロモノマー、および10%のグラフト化MMAを有するのに対し、組成物6.5および6.7は5重量%のグラフト化MMAを有する点で異なる。
【0121】
バードアプリケーターを用いて2ミル厚のシートの商標MYLARフィルム(製造元デュポン社(DuPont,Inc.)、ウィルミントン、デラウェア(Wilmington、Delaware))上にこの試験エマルジョンポリマーのコーティングを施すことにより、実施例6.2、6.4、6.5、6.7および比較例6.1における接着剤組成物の試験接着テープを製造した。この乾燥した接着シートの厚さは1ミルであった。このシートを50℃で5分間乾燥して、エマルジョンからの水を除去する。この被覆シートを1インチ幅の細片に切断して、接着性試験細片を形成した。
【0122】
Pressure Sensitive Council(「PSTC」)Method 1を用いて、剥離強度を測定した。1インチ試験細片を上記した方法に従って製造した。この1インチ幅試験細片を4.5lbローラーを用いてステンレス鋼パネルに貼り付けた。この試験細片を20分間放置し、その後、剥離試験機を用いて180°の角度で1分間当り12インチの速度で剥離試験した。破壊モードは接着層破壊に対しては「A」で、あるいは凝集破壊に対しては「C」で示される
【0123】
上記の実施例に対する試験細片を指触粘着力試験を用いて粘着力について試験した。指触粘着力は、この人差し指を試験細片に付け、急いで離すことによる粘着力の定性的な目安である。ここで、粘着力をE(優れる)、VG(極めて良好)、G(良好)、F(まずまず)、ないしP(劣る)の尺度で評点を付ける。プラスとマイナスも使用して、この実施例に差を付ける。コントロールとして、比較例6.1、または商標ROBONDPS−90エマルジョン(製造元Rohm and Haas Co.、フィラデルフィア、ペンシルヴァニア(Philadelphia,PA))試験エマルジョンポリマー接着剤を使用し、VG+の評点を与える。
【0124】
この接着剤組成物の各々のせん断抵抗をPressure Sensitive Tape Council Method 7に従って測定した。上記に示した方法に従って製造した細片の一端をステンレス鋼パネルに貼り付け、細片がこのパネルの一つの縁の0.5インチ×1インチの部分に接触するようにした。細片をトリミングして、2インチの部分のみがこのパネルの縁をオーバーハングするようにようにした。接着剤細片のオーバーハング部分から吊るされた1キログラムの重りを付けて垂直から2度の位置でこのパネルを懸垂した。次に、細片がパネルから滑落するのに必要な時間(時)を測定し、破壊モードも記録した。この試験を25℃と70℃で行なった。
【0125】
実施例6.2、6.4、6.5、6.7と比較例6.1に対する剥離強度、指触粘着力、およびせん断抵抗の結果を表7に示す。
【表8】
Figure 0004025644
【0126】
表7の結果が示すように、上記の実施例における粘着性付与樹脂の添加は、この接着剤組成物の剥離と指触粘着性を改善する。しかしながら、粘着性付与樹脂添加剤はせん断性に悪影響を及ぼす。この接着剤組成物内の高い重量パーセントのグラフト化マクロモノマーはせん断性を改善するが、このPSAの剥離と指触粘着性に悪影響を及ぼす。比較例6.1に比較して、本発明の接着剤は、適切なレベルのグラフトマクロモノマーにより、剥離と粘着力を高レベルに維持することができる一方で、せん断性の効果的な増加を示した。
【0127】
実施例9:グラフト鎖のMWの影響を求めるためのPSA特性の試験
本発明の実施例6.8、6.9、6.10、6.11、6.12、および6.13と比較例6.1の試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。接着剤組成物6.8および6.9は、数平均分子量105g/モルの5重量%のモノマー性MMAモノマーを含む。接着剤組成物6.10および6.11は数平均分子量1,600g/モルの5重量%のグラフト化MMAマクロモノマーを含む。最後に、接着剤組成物6.12および6.13は数平均分子量7,200g/モルの5重量%のグラフト化MMAマクロモノマーを含む。
【0128】
実施例6.8から6.13と比較例6.1の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に、実施例8の方法に従ってその剥離、指触粘着力およびせん断抵抗性について試験した。これらの試験の結果を表8に示す。
【表9】
Figure 0004025644
【0129】
表8が示すように、実施例6.12および6.13に示すPSA特性のバランスの所望の改善、すなわち、剥離と粘着性を維持しながらせん断抵抗を増大させることは、この高Tgグラフトまたはマクロモノマーの分子量が充分に高くない限り概ね得られない。対照的に、モノマー系MMAを有する実施例6.8および6.9、または1、600g/モルの低分子量グラフト材料を有する実施例6.10および6.11は、性質のバランスまたはせん断性能の改善を示さなかった。接着剤組成物内のグラフト化コポリマーの要求される数平均分子量は、グラフトコポリマーの硬い相と軟らかい相の組成に依存する。
【0130】
実施例10:グラフト化パーセントの影響を求めるためのPSA特性の試験
実施例6.13および6.14の試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。接着剤組成物6.13および6.14は、それぞれ、7,200と21,700の数平均分子量のほぼ5重量%のMMAを含む。しかしながら、実施例6.13とは異なり、実施例6.14のMMAポリマーは実施例6.13のようにBAにグラフト化されていない。両方の接着剤組成物は40重量%の商標TACOLYN粘着性付与樹脂を更に含む。実施例6.13および6.14の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に実施例の8方法に従ってこれらの剥離とせん断抵抗性について試験した。この上記の接着剤組成物の試験テープをフィルム透明性について目視検査した。最後に、この接着剤組成物内のMMAポリマーのグラフト化パーセントをHPLCにより測定した。実施例6.13および6.14の接着剤組成物に対するこれらの性質の所見を表9に示す。
【表10】
Figure 0004025644
【0131】
表9が示すように、本発明の実施例6.13の例示の接着剤組成物は、実施例6.14よりも改善されたせん断抵抗を有する。この現象はポリマーへのマクロモノマーのグラフト化パーセントまたは度合いに帰することができる。最後に、本発明の実施例6.13の接着剤組成物のフィルム透明性も実施例6.14に比較して改善されている。
【0132】
実施例11:PSA特性に及ぼすグラフトポリマーのレベルの影響
実施例6.2、6.4、6.5、6.7、6.12、6.13、6.15、6.16、および比較例6.1の試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。実施例6.15および6.16;6.12および6.13;6.5および6.7;および6.2および6.4のグラフトコポリマーは、それぞれ2.5%、5%、5%、および10重量%のグラフト化MMAマクロモノマーからなる。この実施例のすべてに対するグラフト化MMAマクロモノマーの数平均分子量は、5,000g/モル以上である。更に、実施例6.16、6.13、6.7、および6.4の接着剤組成物は、40重量%の商標TACOLYN粘着性付与樹脂の添加を更に含む。
【0133】
実施例6.2、6.4、6.5、6.7、6.12、6.13、6.15、6.16、および比較例6.1の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に実施例の8方法に従ってこれらの剥離、指触粘着力およびせん断抵抗性について試験した。これらの試験の結果を表10に示す。
【表11】
Figure 0004025644
【0134】
表10が示すように、実施例6.15および6.16などのTgグラフト材料、またはグラフト化マクロモノマーの低重量パーセントレベル並びにTgグラフト材料の高重量レベルは、PSA組成物のせん断性を改善しない。更に、低グラフト化レベルのMMA、または実施例6.16へのこの粘着剤添加剤の添加は、剥離強度と指触粘着力の改善を示したが、せん断性の低下を示した。加えて、グラフト材料の量が実施例6.2におけるように高すぎる場合には、粘着性は低下する。これを直すために、粘着剤添加剤を実施例6.4におけるように添加してもよい。しかしながら、この粘着剤添加剤の添加は粘着性を改善するが、せん断にマイナスの影響を及ぼす。
【0135】
実施例12:PSA特性への方法の及ぼす影響
グラフトコポリマーをショット(実施例3.4を参照)または漸次添加法(実施例4を参照)のいずれかにより製造した。これらのグラフトコポリマーを実施例6の方法に従って試験エマルジョンに製造した。
【0136】
実施例6.17、6.18、6.19、6.20、および比較例6.1の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に実施例の8方法に従ってこれらの剥離、指触粘着力およびせん断抵抗性について試験した。これらの試験の結果を表11に示す。
【表12】
Figure 0004025644
【0137】
表11が示すように、ワンショットまたは漸次添加法のいずれにより製造されても、所望のPSA特性をなお提供するグラフトコポリマーを含有する接着剤組成物を提供する。従って、本発明の接着剤組成物内にグラフトコポリマーを配合する方法は、概ね、生成PSA特性に殆どからは全く影響しない。
【0138】
実施例13:PSA特性に及ぼす添加剤の影響
試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。実施例6.12、6.13、6.21、および6.22の接着剤組成物は同一のグラフトコポリマー:93.5%のBA/5%のMMA/1.5%のMAAからなる。このコポリマーのグラフト化MMAマクロモノマーとグラフト化MAAの数平均分子量は、それぞれ7,200g/モルと4,000g/モルである。実施例6.12、6.13、6.21、および6.22の接着剤組成物は、接着剤組成物への添加剤が変化している。この実施例における添加剤はすべて粘着性付与樹脂である。
【0139】
実施例6.12、6.13、6.21、および6.22の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に実施例の8方法に従ってこれらの剥離、指触粘着力およびせん断抵抗性について試験した。これらの試験の結果を表12に示す。
【表13】
Figure 0004025644
(1)商標TACOLYN 1070(製造元Hercules,Inc.、ウィルミントン、デラウェア(Wilmington,Delaware))
(2)商標PICCOTEX LC55(製造元Hercules,Inc.、ウィルミントン、デラウェア(Wilmington,Delaware))
(3)商標PERMATEC H771(製造元Neville Alliance Inc.、ピッツバーグ、ペンシルヴァニア(Pittsburgh,Pennsylvania))
【0140】
表12が示すように、粘着性付与樹脂の選択は剥離強度、粘着力、およびせん断性の差を生じる。粘着性付与樹脂は、概ね、このPSA組成物の剥離強度と粘着力を改善するが、せん断にマイナスの影響を及ぼす。このことは表12で立証され、ここでは、商標TACOLYN1070を含む実施例6.13と程度は少ないが、商標PICCOTEXLC55を含む実施例6.21がせん断を大きく低下させずに粘着力と剥離の性質を改善する。商標PERMATEC H771を含む実施例6.22の接着剤組成物は、更に増進された剥離と粘着性を示すが、これはせん断性を犠牲にしている。一つの可能な説明は実施例6.22の添加剤が高Tgグラフトのこのグラフトコポリマーと更に相溶性であるということである。表12の結果が示すように、高せん断性を維持するためには、この接着剤組成物への添加剤として選ばれる粘着性付与樹脂は、好ましくはこの補強性グラフト組成物でなく、ポリマー主鎖とより相溶性でなければならない。
【0141】
実施例14:剥離可能な接着剤
試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。実施例6.12の接着剤組成物は次のグラフトコポリマー:93.5%のBA/5%のg−MMA/1.5%のg−MAAからなる。このコポリマーのこのグラフト化MMAマクロモノマーとコポリマーのグラフト化MAAの数平均分子量はそれぞれ7,200g/モルと4,000g/モルである。実施例6.12の接着剤組成物は粘着性付与樹脂などの添加剤を含まない。
【0142】
実施例6.12の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、実施例8の方法に従ってその剥離性について試験した。剥離強度値が低いほど剥離可能な接着剤組成物にはより好適である。試験接着剤の試験を異なる温度と湿度条件下で評価することにより、剥離性を試験した。78°F、50%相対湿度条件に6日暴露した後、一つのテープの剥離強度測定を測定した。130°F、80%相対湿度条件に5日暴露し、続いて78°F、50%相対湿度条件で1日平衡化した後、他の接着剤試験テープの剥離強度を測定した。両方の接着剤試験テープの目視外観も試験した。この剥離試験と目視観察の結果を表13に示す。
【表14】
Figure 0004025644
【0143】
表13が示すように、温度と湿度の種々の条件下で剥離値の変化は殆どまたは全くなかった。更に、両方の場合、この試験接着テープはこの基材からきれいに除去され、可視の残渣またはゴースティングを残さなかった。
【0144】
実施例15:高温接着剤組成物
試験エマルジョンポリマーを実施例6の方法に従って調製した。
【0145】
実施例6.7の接着剤組成物の試験接着テープを製造し、次に実施例の8方法に従ってその剥離、指触粘着力およびせん断抵抗性について試験した。更に、このせん断試験が70℃の温度で300時間破壊せずに進行した後、温度を95℃まで上げ、せん断抵抗(時)を新しい温度で測定した。これらの試験の結果を表14に示す。
【表15】
Figure 0004025644
【0146】
表14が示すように、本発明の接着剤組成物は、硬いグラフト相のTgの近くまで高温のせん断抵抗を示すことができる。高い温度で90時間以上このせん断抵抗を維持した。

Claims (11)

  1. 30重量パーセントから70重量パーセントまでの水性媒体内に分散された固体を含む接着剤組成物であって、
    該固体が
    (i)該コポリマーの全重量基準で1重量パーセントから30重量パーセントまでのマクロモノマーであって、該マクロモノマーが水不溶性であり、2,000g/モルから50,000g/モルまでの数平均分子量、および40℃以上のTgを有し95から100重量パーセントまでの少なくとも一つの第1のエチレン性不飽和モノマーの重合された単位、および0から5重量パーセント以下重合された酸含有モノマーを含み、重合されたメルカプトオレフィン化合物を含まない、マクロモノマーと、
    (ii)該コポリマーの全重量基準で70重量パーセントから99重量パーセントまでの少なくとも一つの第2のエチレン性不飽和モノマーの重合された単位、
    を含む、
    水不溶性グラフトコポリマーを含み、
    ここで、前記マクロモノマーが、末端(メタ)アクリル酸エステル基で停止され、
    当該末端(メタ)アクリル酸エステル基が、末端(メタ)アクリル酸エステルのα位で炭素−炭素結合を介してマクロモノマーに共有結合しており、さらに
    当該コポリマーが、任意に、コポリマーの全重量基準で、重合単位として0から5重量パーセント以下の酸含有マクロモノマーをさらに含む
    接着剤組成物。
  2. 該組成物が乳化剤、脱泡剤、粘着剤、顔料、保湿剤、充填剤、硬化剤、増粘剤、湿潤剤、殺生物剤、接着促進剤、着色剤、ワックス、UV安定剤、および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一つの添加剤を、上記コポリマーの固形分の0.1から60重量パーセントまでを更に含む請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 該添加剤が粘着剤を含む請求項2に記載の接着剤組成物。
  4. 該マクロモノマーが該マクロモノマーの全重量基準で、0から1重量パーセント以下の酸含有モノマーを重合された単位として含む請求項1に記載の接着剤組成物。
  5. 該グラフトコポリマーが主鎖と一つあるいはそれ以上の側鎖を含んでなり、ここで、該側鎖が該主鎖にペンダントし、該水不溶性マクロモノマーを含んでなり、そして該主鎖が該第2のエチレン性不飽和モノマーの重合された単位を含む請求項1に記載の接着剤組成物。
  6. 該グラフトコポリマーのグラフト化パーセントが少なくとも50%あるいはそれ以上である請求項5に記載の接着剤組成物。
  7. 該マクロモノマーが4,000から35,000g/モルまでの数平均分子量を有する請求項1に記載の接着剤組成物。
  8. 請求項1に記載の接着剤組成物のコーティングを有する可とう性の裏打ちを含む感圧性接着剤被覆シート材料。
  9. マクロモノマーが、マクロモノマーの全重量基準で、0から2重量%以下の酸含有モノマーを、重合された単位として含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
  10. マクロモノマーが、重合された単位として、酸含有モノマーを含まない、請求項1に記載の接着剤組成物。
  11. コポリマーが、任意に、コポリマーの全重量基準で、0から2重量%以下の、酸含有マクロモノマーおよび酸含有モノマーからなる群から選択される酸含有物質をさらに含む、請求項1の接着剤組成物。
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