JP2002201407A - 1液型硬化性被覆用樹脂組成物 - Google Patents

1液型硬化性被覆用樹脂組成物

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JP2002201407A
JP2002201407A JP2000403100A JP2000403100A JP2002201407A JP 2002201407 A JP2002201407 A JP 2002201407A JP 2000403100 A JP2000403100 A JP 2000403100A JP 2000403100 A JP2000403100 A JP 2000403100A JP 2002201407 A JP2002201407 A JP 2002201407A
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group
coating
mass
resin
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Nobuhisa Noda
信久 野田
Toshibumi Nishida
俊文 西田
Takahiro Aoyama
孝浩 青山
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば熱可塑性樹脂基材の如く、紫外線によ
り着色したり劣化し易い基材の紫外線劣化を抑えて耐候
性を高めると共に、耐水性、耐酸性、耐汚染性などに優
れた被覆を与える1液硬化型の被覆用樹脂組成物を提供
すること。 【解決手段】 (1)反応性シリル基を有するモノマー:
3〜90質量%、(2)酸基を有するモノマー:0.3〜
4質量%、(3)紫外線吸収性基を有するモノマー:1〜
80質量%、(4)その他のモノマー:0〜95質量%、
を含む単量体成分を重合してなる共重合体と、アルコー
ル性水酸基を有する有機溶剤とを必須的に含む溶剤を含
有する1液型硬化性被覆用樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆用樹脂組成物に
関し、より詳細には、紫外線により劣化する樹脂基材を
保護したり、内容物の紫外線による着色や劣化を抑制す
ると共に、優れた耐候性、耐酸性、耐水性、耐汚染性の
皮膜を与える1液硬化型の被覆用樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートを初めとする樹脂シー
トや樹脂板で透明性や耐衝撃性、耐熱性、難燃性等に優
れたものは、道路建材や建築資材等に広く用いられてお
り、今後もその用途拡大が期待されている。しかしそれ
らの樹脂は、紫外線により劣化し易く耐候性に劣ること
からその用途が制限され、基材樹脂の表面特性の改良が
強く要望されている。この表面特性の改良方法として、
基材樹脂の表面を被覆剤で被覆する方法がある。
【0003】例えば紫外線を樹脂基材に到達させない方
法として、特開平9−3135号公報や特開平10−3
4840号公報には、反応性紫外線吸収剤を共重合した
アクリル系樹脂を表層に用いることが提案されている。
こうした技術により紫外線吸収劣化性樹脂基材の紫外線
吸収を抑制し、あるいは内容物の紫外線による着色や劣
化を防ぐことが可能となった。しかしこれらは、例えば
メラミン樹脂や多官能イソシアネート化合物などを硬化
剤として組合わせて使用されるため、例えばメラミン樹
脂と組合わせて使用する場合には、架橋結合が耐酸性に
欠けるため加水分解が起こり、屋外で使用したときに酸
性雨により塗膜に染みが発生するという問題が指摘され
ている。また多官能イソシアネート化合物と組合わせて
用いた場合にも、本質的には架橋結合であるウレタン結
合の耐酸性が弱いため、同様に耐酸性や耐候性の問題を
解消できず、更には屋外で使用する場合に塗膜が汚れ易
いという問題を抱えている。
【0004】また、特開平7-26155号公報や特開
平9−227761号公報には、ビニル系重合体主鎖に
反応性シリル基を導入すると共に、重合性紫外線吸収性
単量体や重合性紫外線安定性単量体を共重合せしめ、こ
れに硬化触媒を配合してなる2液型の被覆用樹脂組成物
が開示されている。そして上記特開平9−227761
号公報には、共重合性単量体成分としてカルボン酸の如
き極性基を有するモノマーを5%以下の範囲で共重合す
ることで、重合反応時の架橋反応を抑制し得る旨の記述
も見られる。しかしこの公報に開示の技術では、耐候性
や耐汚染性は改善されるものの、耐汚染性向上のために
添加されるシリコン化合物が低分子量であるため、塗膜
からブリードアウトし易く、屋外での長期使用に耐える
耐汚染性を得ることはできない。
【0005】しかも、特開平7-26155号や特開平
9-227761号公報に開示された被覆用組成物は、
上記反応性シリル基による架橋反応を促進するため硬化
触媒の後添加を必須としており、2液型の硬化性樹脂組
成物として使用される。ここで「2液型」とは、主剤と
硬化剤を使用直前に一定の割合で混合し、一定の可使時
間(ポットライフ)内に使い切ってしまわなければなら
ないという使用上の問題を抱えている。そのため、使用
時の計量、混合が煩雑であり、また計量ミスなどによる
トラブルの原因となる。しかも、硬化触媒は通常硬化皮
膜中に残留して耐候性や耐水性を阻害する原因になるこ
とも多い。
【0006】しかも、上記2液硬化型の被覆形成剤は、
所定のポットライフを確保すると共に安定した塗装性を
確保するため、溶剤としてキシレンなどの芳香族系溶剤
が使用されているが、これら芳香族系溶剤は樹脂基材の
表面を侵し易く、樹脂基材の透明性や物性を低下させ
る。
【0007】そこで、硬化性とポットライフの両立を期
して例えば特開昭57−21410号公報には、主鎖を
構成するビニル系重合体分子中に加水分解性シリル基を
導入すると共に、共重合成分として無水マレイン酸を共
重合せしめたシリル基含有ビニル系樹脂が開示されてい
る。そしてこの公報には、架橋性官能基として加水分解
性シリル基を有する樹脂に、内部触媒として特定量の無
水マレイン酸を共重合させることが記載され、硬化性と
ポットライフを両立可能にすると共に、シリル基の存在
により無機物に対しても優れた密着性を示す旨の記述も
見られる。
【0008】しかしこの公報開示の技術では、無水マレ
イン酸を共重合することの必要上、共重合成分としてス
チレン成分を使用しなければならない。ところがスチレ
ン成分は一般に塗膜黄変の原因となり、耐候性を劣化さ
せることが指摘されている。しかも、共重合された無水
マレイン酸基は架橋官能基として消費されず塗膜中に残
るため、水分(湿気)の存在により開環してジカルボン
酸となり、塗膜の耐水性や耐候性を劣化させる大きな原
因になる。更に、該公報記載の樹脂は紫外線を吸収し又
は遮蔽する機能は有していないので、紫外線劣化性の樹
脂基材に対し満足な保護効果や内容物の紫外線劣化抑制
効果は期待できない。
【0009】また特開平7−286013号公報に開示
された樹脂組成物は、実質的に紫外線吸収性能を有して
いないため、樹脂基材を紫外線から保護したり、内容物
の紫外線による着色や劣化を防ぐことはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な従
来技術の問題に着目してなされたものであり、その目的
は、特に紫外線により劣化し易い樹脂基材や、内容物の
紫外線による着色や劣化防止すると共に、樹脂基材の表
面を侵すことなく、耐候性、耐酸性、耐水性、耐汚染性
に優れた皮膜を形成し、しかも使用に便利な1液型の硬
化性被覆用樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る1液型硬化性被覆用樹脂組成物と
は、 (1)反応性シリル基を有するモノマー:3〜90質量% (2)酸基を有するモノマー:0.3〜4質量%、 (3)紫外線吸収性基を有するモノマー:1〜80質量% (4)その他のモノマー:0〜95質量% を含む単量体成分を重合してなる共重合体と、アルコー
ル性水酸基を有する有機溶剤とを必須的に含有するとこ
ろに要旨を有している。
【0012】本発明に係る1液型硬化性被覆用樹脂組成
物においては、更に上記(4)のモノマー成分の一部とし
て下記一般式(I)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R26は水素原子またはメチル基を
表わし、Zは炭素数が4〜25の炭化水素基を表わす)
で表されるモノマーを含有させれば、得られる被覆自体
の紫外線遮蔽性を長期に亘って持続させると共に、耐候
性、耐水性、耐酸性を高めることができるので好まし
い。この場合の前記モノマーの好ましい共重合量は、全
モノマー成分を100質量%としたとき3〜95質量%
の範囲である。
【0015】上記(1)の反応性シリル基を有するモノマ
ーとしては、加水分解性シリル基を有するモノマーが好
ましいものとして挙げられ、また前記(2)の酸基を有す
るモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、
および燐酸基から選ばれるの少なくとも1種の官能基を
有するモノマーが好ましいものとして挙げられる。
【0016】更に、本発明に係る上記1液型硬化性被覆
用樹脂組成物中には、上記(4)のモノマー成分の一部と
して(5)紫外線安定性を有するモノマーを含有させれ
ば、得られる被覆自体の紫外線遮蔽性を長期に亘って持
続させ、耐候性を一段と高めることができる。この場合
の前記モノマーの好ましい共重合量は、全モノマー成分
を100質量部としたとき、0.1〜15質量%の範囲
である。
【0017】本発明の被覆用樹脂組成物は、前述の如く
アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須的に含む溶
剤中で重合して得られる共重合体を主成分とするもので
あり、例えばポリカーボネート系やポリアリレート系、
アクリル系、ポリオレフィン系、ポリエステル系の如き
熱可塑性樹脂基材の表面被覆に適用した場合でも、基材
樹脂が溶剤によって侵されることがなく、且つ1液であ
るため塗装方法や塗装条件に制限されない。そして、そ
の表面に紫外線遮蔽性の被覆を形成すると、耐候性、耐
酸性、耐水性、耐汚染性が著しく高められるので、特に
熱可塑性樹脂基材の表面被覆に適用することによってそ
の効果をより有効に活かすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは、例えばポリカーボ
ネート系樹脂などが本来有している優れた透明性や耐衝
撃性等の特性を保ちながら、従来問題とされていた紫外
線劣化を防止すると共に、耐候性、耐酸性、耐水性、耐
汚染性など向上させ、更には樹脂組成物の硬化性とポッ
トライフの両立を図るべく検討した。その結果、上記の
様に、反応性シリル基を有するモノマー(1)、酸基を有
するモノマー(2)および紫外線吸収性基を有するモノマ
ー(3)を特定の比率で必須的に含み、あるいは更にその
他のモノマー(4)を特定比率で含む単量体成分重合して
得られる共重合体と、アルコール性水酸基を有する有機
溶剤とを必須的に含む硬化被覆用樹脂組成物は、被覆形
成工程で樹脂基材を侵すことがなく、しかも1液型で適
度の硬化性とポットライフを兼ね備え、且つ耐候性、耐
酸性、耐水性、耐汚染性を兼ね備えると共に紫外線遮蔽
能に優れた硬化被覆を与えることを知った。
【0019】特に本発明に係る1液型硬化性被覆用樹脂
組成物において、上記(2)の酸基を有するモノマー成分
は、上記(1)の反応性シリル基を有するモノマー成分に
対して内部触媒作用を発揮し、該酸基を有するモノマー
成分(2)の共重合比率を特定することで、1液型で適度
のポットライフと硬化性を両立させることができる。し
かも、酸基などの極性基により塗膜が親水化され、屋外
使用の場合において汚染物質を雨水により洗い流され易
くする。その一方で、酸基の存在は塗膜の耐水性を低下
させるので、耐水性と耐汚染性は相反する傾向にある
が、本発明の樹脂組成物においては、上記成分(2)の量
を特定することで、耐汚染性と耐水性の両立を可能とし
ている。
【0020】また、前記成分(3)の紫外線吸収性基を有
するモノマーを共重合させることにより、優れた紫外線
吸収作用が与えられ、樹脂基材の耐候劣化を可及的に抑
制すると共に、内容物の紫外線による着色や劣化を防止
することのできる硬化被覆を与える。しかも本発明の樹
脂組成物を構成する前記共重合体は、アルコール性水酸
基を有する有機溶剤を必須的に含む溶剤中でラジカル重
合することによって得られるものであり、例えばキシレ
ンの如き芳香族系溶剤系で共重合して得られる一般的な
共重合体からなる被覆用樹脂組成物の如く、反応溶剤が
樹脂基材を溶解もしくは膨潤させて透明性などの基材特
性を劣化させるといった問題も起こさず、更には1液で
使用できるため塗装方法や塗装条件にも制限されない。
【0021】本発明にかかる1液型硬化性被覆用樹脂組
成物の第一の特徴は、紫外線劣化性の樹脂基材を対象と
し、その表面側に紫外線遮蔽性を備えた硬化層を形成す
るための被覆剤であり、また内容物の紫外線による劣化
から保護するための被覆剤でもあり、上記紫外線遮蔽層
を構成する被覆形成材として、反応性シリル基を有する
モノマー(1)と酸基を有するモノマー(2)および紫外線吸
収性基を有するモノマー(3)を特定の比率で含有し、あ
るいは更にその他のモノマー(4)を特定比率で重合して
得られる共重合体を使用するところにあり、これらモノ
マーの種類とその含有比率を特定し、またアルコール性
水酸基を有する溶剤を必須的に含有させることによっ
て、1液型で適度の硬化性とポットライフを兼備させる
ことができると共に、得られる共重合体を主成分とする
紫外線遮蔽層を樹脂基材表面に形成することにより、樹
脂基材の紫外線劣化を防止したり、内容物の紫外線によ
る着色や劣化を防ぐと共に、耐候性、耐酸性に優れ、且
つ耐水性と耐汚染性を兼備させることに成功したもので
ある。
【0022】なお本発明の1液型硬化性被覆用樹脂組成
物は、紫外線劣化性樹脂基材の表面に直接被覆して紫外
線遮蔽能を発揮せしめ、且つ耐候性、耐酸性に優れ、耐
水性と耐汚染性を兼備した被覆層を形成するのが一般的
であるが、樹脂基材の種類によっては基材表面に密着性
改善のためのプライマー層などを介して前記被覆を形成
したり、あるいは印刷層などを介して被覆を形成するこ
とも可能である。
【0023】本発明において、1液型硬化性被覆用樹脂
組成物の主成分となる共重合体のモノマー成分として用
いられる反応性シリル基を有するモノマー(1)として好
ましいのは、分子中に重合性二重結合と加水分解性シリ
ル基を有するものであり、より具体的には、下記一般式
(A)〜(C)で示される少なくとも1種のモノマーが単独で
或いは2種以上を組合わせて使用される。ここで、加水
分解性シリル基とは、加水分解反応によってシラノール
基を生成する官能基である。
【0024】
【化3】
【0025】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
表わし、R2は炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、a
は1〜3の整数、bは0または1を表わす)
【0026】
【化4】
【0027】(式中、R3は前記R2と同じ意味もしくは
アルキルオキシアルキル基を表わし、cは0または1を
表わす)
【0028】
【化5】
【0029】(式中、R4はR2と同じ意味、dは0また
は1を表わす)。
【0030】前記一般式(A)で示されるモノマーは、加
水分解性のアルコキシシリル基を有するアクリル系モノ
マーであり、該一般式(A)において、式中、R1は水素原
子またはメチル基、R2は炭素数1〜6の炭化水素基
(メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;
ビニル基、イソプロペニル基、アリル基などのアルケニ
ル基;フェニル基などのアリール基を含む)、aは1〜
3の整数、bは0または1を表わす。
【0031】該アルコキシシリル基を有するアクリル系
モノマーの具体例としては、3−(メタ)アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、(メタ)
アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アク
リロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロ
キシメチルトリブトキシシラン等が例示される。
【0032】これらの中でも、取り扱い易さや反応性、
架橋密度などを考慮して特に好ましいのは、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
である。
【0033】また前記一般式(B)で示されるモノマー
は、加水分解性のアルコキシシリル基を有するビニル官
能性化合物、前記一般式(C)で示されるモノマーは、ビ
ニル官能性アルコキシシラン化合物であり、これら一般
式(B),(C)において、式中、R3、R4は前記R2と同じ意
味もしくはアルキルオキシアルキル基を意味し、c、d
は0または1を表わすビニル官能性モノマーである。
【0034】これらビニル官能性モノマーの具体例とし
ては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメト
キシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメ
チルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキ
シエトキシ)、3−ビニルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−ビニルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−ビニルオキシプロピルメチルジメトキシシラン
などが例示されるが、これらの中でも取り扱い易さや反
応性を考慮して特に好ましいのは、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニルオキシ
プロピルトリメトキシシランなどである。
【0035】これら加水分解性シリル基を有するモノマ
ー(1)を共重合成分として使用することで、被覆用樹脂
組成物を構成する共重合体は、加水分解反応により生成
するシラノール基同士が縮合反応によって架橋し、これ
により熱硬化性が付与され、被覆としたときの機械的特
性や耐候性、耐水性、耐酸性を高める。そして、該加水
分解性シリル基含有モノマー(1)が特定比率で共重合さ
れた共重合体を含む被覆は、更に耐候性や耐酸性におい
ても優れたものとなる。しかも該硬化被覆は樹脂基材と
の密着性も良好であるので、長期間使用による樹脂基材
の膨張・収縮によっても密着性低下を起こすことがな
く、優れた耐候密着性を示すものとなる。
【0036】本発明においては、上記(1)の反応性シリ
ル基を有するモノマーと共に、前記(2)の酸基を有する
モノマーを特定比率で共重合することで、上記反応性シ
リル基を有するモノマー(1)に含まれる反応性シリル基
に対して内部触媒作用を発揮し、被覆の機械的特性や耐
水性、耐汚染性を両立させると共に耐候性なども高めら
れるので、適度のポットライフを有する1液型被覆剤と
して得る上で極めて重要な成分である。
【0037】かかる作用を発揮する上記モノマー(2)が
有する酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、
燐酸基などが例示されるが、これら酸基の中でも特に好
ましいのはカルボキシル基であり、これらの酸基を分子
中に1種、または2種以上有するモノマーが好ましく使
用される。
【0038】従って、上記酸基を有するモノマー(2)の
具体例としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシル基
末端可撓性(メタ)アクリレート(ダイセル化学社製、
商品名「プラクセルFMA」)、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルアシッドホスフェートなどのエチレン性不飽和
モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和
多価カルボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モ
ノブチルなどの2価カルボン酸のモノアルキルエステル
などが挙げられ、これらも単独で使用し得る他、必要に
より2種以上を適宜組合わせて使用できる。これらの中
でも特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸、カルボキ
シル基末端可撓性(メタ)アクリレート(ダイセル化学
社製、商品名「プラクセルFMA」)、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルアシッドホスフェートなどのエチレン性
不飽和モノカルボン酸である。
【0039】本発明で使用される前記(3)の紫外線吸収
性基を有するモノマーは、本発明にかかる樹脂組成物に
よって形成される被覆に紫外線遮蔽性を与える上で欠く
ことのできない成分であり、分子中に重合性二重結合と
紫外線吸収性基を同時に有する全てのモノマーを使用で
きるが、本発明において特に好ましく用いられるのは、
下記一般式で表される紫外線吸収性基を有するモノマー
から選ばれる少なくとも1種であり、これらのモノマー
を共重合成分とし使用することにより、得られる共重合
体に紫外線吸収能が付与され、該被覆に紫外線遮蔽能が
与えられる。
【0040】
【化6】
【0041】(式中、R5は水素原子または炭素数1〜
8の炭化水素基を表し、R6は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R7は炭素数
1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン基ま
たは−O−R9−(R9は炭素数2または3の直鎖状もし
くは枝分れ鎖状のアルキレン基を合わす)を表し、R8
は水素原子またはメチル基を表す)で表されるベンゾト
リアゾール化合物。
【0042】
【化7】
【0043】(式中、R5,R8は上記と同じ意味を表
し、R10は炭素数1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状
のアルキレン基を表し、R11は水素原子または水酸基を
表し、R12は水素原子または炭素数1〜6のアルコキシ
基を表す)で表されるベンゾフェノン化合物。
【0044】
【化8】
【0045】(式中、R8は上記と同じ意味を表し、R13
は直接結合、−(CH2CH2O)n−または−CH2CH
(OH)−CH2O−を表し、nは1〜5の整数を表
す。R 14,R15,R16,R17,R18,R19,R20,R21
は各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ
基、アルケニル基、アルキル基を表す)で表されるトリ
アジン化合物。
【0046】従って、上記モノマー成分を共重合するこ
とによって得られる上記共重合体を主成分とする被覆
は、それ自身で優れた紫外線遮蔽性を示し、基材の紫外
線劣化を防止する作用および内容物の紫外線による着色
や劣化を防止する作用を発揮する。従って、この共重合
体を主成分として含む被覆用樹脂組成物により形成され
た被覆を、例えば樹脂基材の表面に形成すると、紫外線
が樹脂基材に達する前に当該被覆で吸収され、紫外線に
よる樹脂基材の劣化や変色、あるいは内容物の紫外線に
よる着色や劣化を抑えることが可能となる。しかも、添
加型紫外線吸収剤を配合した従来材の如く紫外線吸収剤
がブリードアウトすることもないので、紫外線遮蔽性能
の持続性が高められる。
【0047】次に、前記一般式(D)で表されるモノマー
の好ましい具体例としては、例えば2−[2'−ヒドロ
キシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロ
キシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロ
キシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェ
ニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒド
ロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル)
フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−
ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾト
リアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(β−(メ
タ)アクリロイルオキシエトキシ)−3'−tert−
ブチルフェニル〕−5−tert−ブチル−2H−ベン
ゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0048】また前記一般式(E)で示されるベンゾフェ
ノン化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−
[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオ
キシ]ブトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ
−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロ
イルオキシ]エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)
ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
【0049】また前記一般式(F)で示されるトリアジン
化合物の具体例としては、例えば2,4−ジフェニル−
6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエ
トキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチル
フェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロ
イルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス
(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−
(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン
などを挙げることができる。
【0050】上記一般式(D)、(E)、(F)で示されるモノマ
ー成分は、各々化合物特有の紫外線吸収特性を有してい
るため、本発明の被覆用樹脂組成物が適用される基材、
即ち紫外線劣化性の樹脂基材に求められる紫外線安定化
性能に応じて単独で使用し、あるいは2種以上を適宜組
合わせて使用できる。また、一般式(D)、(E)、(F)で示さ
れるモノマー成分を各々単独重合し、もしくは2種以上
を適宜共重合することによって得られる重合体を、単独
で或いは2種以上をブレンドして被覆用樹脂組成物中に
含有させることもできる。
【0051】具体的には、各種の樹脂基材は固有の劣化
波長を有しており、例えばポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂などの樹脂基材に適用する場合、これ
らの樹脂基材は280〜370nmの紫外線で最も劣化
するため、一般式(F)で示されるトリアジン系化合物単
独使用よりも、一般式(E)で示されるベンゾフェノン系
化合物の単独使用や、一般式(D)で示されるベンゾトリ
アゾール系化合物単独使用の方が好ましく、更に好まし
くは、一般式(D)と(E)の化合物の併用や、一般式(D)ま
たは(E)の化合物と一般式(F)のトリアジン化合物との2
種併用が有効である。
【0052】更に、上記共重合体を構成するモノマー成
分として前記一般式(I)で示されるモノマーを含有させ
ると、耐候性や耐酸性、耐水性も高められ、更には紫外
線遮蔽性を長期的に持続させることができるので好まし
い。該一般式(I)において、式中、Zで表される置換基
はシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロ
ドデシル基などの炭素数4〜25の脂環式炭化水素基;
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エ
チルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル
基、オクタデシル基など炭素数4〜25の直鎖状または
分枝鎖状のアルキル基;ボルニル基、イソボルニル基な
どの炭素数4〜25の多環式炭化水素基であり、中でも
脂環式炭化水素基、分枝鎖状アルキル基、炭素数6〜2
5の直鎖状アルキル基が好ましい。
【0053】該一般式(I)で表されるモノマーのより具
体的な例としては、例えばシクロヘキシル(メタ)アク
リレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロドデシル(メタ)アクリレート、tert−
ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど
が非限定的に挙げられ、これらの1種または2種以上が
使用できる。
【0054】これらの中でも耐候性、耐酸性、耐水性の
向上、更には紫外線遮蔽性の長期持続の点で特に顕著な
作用を発揮する好ましいモノマーは、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レートなどである。
【0055】本発明に係る上記共重合体を主成分とする
樹脂組成物には、該樹脂組成物からなる被覆自体の耐候
劣化防止と紫外線遮蔽性の長期持続の観点から、紫外線
安定剤が含まれていることが好ましい。特に好ましいの
は、共重合体を構成するモノマー成分として紫外線安定
性基を有するモノマーの1種以上を共重合させたもので
あり、それにより被覆の耐候性を一層高めることができ
るので好ましい。
【0056】ここで用いられる紫外線安定性基を有する
モノマーとしては、分子中に重合性二重結合と紫外線安
定性基を同時に有するものであればその種類は構わない
が、中でも特に好ましいのは、下記一般式(G)や(H)で示
される紫外線安定性基を有するモノマーである。
【0057】
【化9】
【0058】(式中、R22は水素原子またはシアノ基を
表し、R23、R24はそれぞれ独立して水素原子またはメ
チル基を表し、R25は水素原子または炭化水素基を表
し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)。
【0059】
【化10】
【0060】(式中、R22は水素原子またはシアノ基を
表し、R23、R24、R23'、R24'はそれぞれ独立して水
素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子またはイミ
ノ基を表す。)。
【0061】更に、本発明で必要により共重合すること
のできる前記一般式(G)、(H)で示されるモノマーにおい
て、式中、R22で示される置換基は水素原子またはシア
ノ基、R23、R24、R23'、R24'で示される置換基はそ
れぞれ独立して水素原子またはメチル基、R25で示され
る置換基は水素原子または炭化水素基、Yで示される置
換基は酸素原子またはイミノ基であるピペリジン類であ
る。
【0062】前記一般式(G)で表される紫外線安定性基
を有するモノマーのより具体的な例としては、例えば4
−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−
1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シ
アノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロ
トノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジンなどが非限定的に挙げられ、これらは単独で使用し
得る他、必要により2種以上を適宜組合わせて使用して
も構わない。
【0063】前記一般式(H)で表されるモノマーのより
具体的な例としては、例えば1−(メタ)アクリロイル
−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−
4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイ
ル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジンなどが非限定的に挙げられ、これらも
単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組合わ
せて使用してもよい。
【0064】また、本発明においては添加型の紫外線安
定剤を使用することも有効であり、該紫外線安定化剤と
して好ましいのは、立体障害ピペリジン化合物であり、
例えば市販品としては、「チヌビン123」、「チヌビン
144」、「チヌビン765」(いずれもチバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)、「アデカスタブLA−5
2」、「アデカスタブLA−57」、「アデカスタブL
A−62」、「アデカスタブLA−77」(いずれも旭
電化工業社製)等が挙げられるが、特に好ましいのは、
前述した分子中に重合性二重結合を有する立体障害ピペ
リジン化合物である。
【0065】次に本発明において、上記共重合体中に占
める前記(1)の反応性シリル基を有するモノマーの全モ
ノマー中に占める比率は、被覆構成材としての機械的・
化学的特性を高めると共に、様々の樹脂基材との密着性
や耐候性、耐酸性、耐水性などを高めることの必要上、
共重合比率は3質量%以上、90質量%以下の範囲とす
べきであり、より好ましい下限は5質量%、より好まし
い上限は70質量%である。
【0066】ちなみに、反応性シリル基を有するモノマ
ー(1)の共重合比率が3質量%未満では、被覆を構成す
る重合体の架橋密度が不足気味となって硬化性が低下
し、樹脂基材に対する被覆の耐水密着性や耐候密着性、
耐酸性が低下し易くなり、逆に共重合比率が90質量%
を超えると、被覆が脆弱になって耐酸性、耐水密着性、
耐汚染性、耐候密着性が低下傾向を示す様になる。
【0067】該共重合体を得る際の前記(2)の酸基を有
するモノマーの使用量は、共重合体を構成する全モノマ
ー成分中に占める比率で0.3質量%以上、4質量%以
下の範囲とすべきであり、より好ましくは、下限側が
0.5質量%、上限側が3質量%である。酸基を有する
該モノマーの共重合比率が0.3質量%未満では、内部
触媒としての作用が不十分となって被覆が硬化不足とな
り、満足な耐酸性、耐水性、耐汚染性、耐候性が得られ
難くなり、逆に4質量%を超えて過多になると、被覆形
成用樹脂組成物として硬化性とポットライフの両立、お
よび耐水性と耐汚染性の両立が困難となり、また満足な
耐酸性や耐候密着性が得られ難くなる。
【0068】更に、前記(3)の紫外線吸収性基を有する
モノマーの使用量は、共重合体を構成する全モノマー成
分中に占める比率で1質量%以上、80質量%以下の範
囲から選ぶべきであり、より好ましくは、下限側が3質
量%、上限側が50質量%である。紫外線吸収性基を有
する該モノマー(3)の共重合比率が1質量%未満では、
被覆の紫外線遮蔽効果が不十分となって本発明本来の特
徴が活かせなくなり、満足な紫外線遮蔽性能を発現する
には厚肉にしなければならず、被覆としての透明性や機
械的強度を低下させてしまう。逆に80質量%を超えて
過多になると、被覆が脆弱となって満足な耐酸性、耐水
性、耐汚染性、耐候性が得られ難くなる。
【0069】また、前記一般式(I)で示されるモノマー
の使用量は、紫外線遮蔽性被覆を構成する前記共重合体
に占める比率で3〜95質量%とすることが望ましく、
より好ましい範囲は、下限側が5質量%、上限側が70
質量%である。3質量%未満では耐候性、耐酸性、耐水
性が不足気味となり、また紫外線遮蔽性を長期的に持続
し難くなる。一方、95質量%を超えると被覆が硬くな
り過ぎて脆くなり耐候密着性が低下傾向を示す様にな
る。
【0070】また、前記一般式(G)、(H)で表されるモノ
マー成分の使用量は、紫外線遮蔽性被覆を構成する前記
共重合体中に占める比率で0.1〜15質量%とするこ
とが望まれる。より好ましい範囲は、下限側が0.5質
量%、更に好ましくは1質量%、上限側が5質量%、好
ましくは3質量%である。紫外線安定性基を有するモノ
マー成分の合計使用量が0.1質量%未満では、被覆の
耐候密着性が不足気味となり、また紫外線遮蔽性を長期
的に持続し難くなる。他方15質量%を超えると、被覆
の耐水性や耐酸性などが低下傾向を示す様になる。
【0071】該被覆を構成する組成物中に共重合体と共
に添加型の紫外線安定剤を配合する場合の好ましい配合
量は、該組成物の主成分である前記共重合体100質量
%に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましい。ちな
みに、0.1質量%未満では耐候密着性改善作用が有効
に発揮され難く、また紫外線遮蔽性を長期的に持続し難
くなり、逆に15質量%を超えて過度に添加するとブリ
ードアウトし易くなり、被覆の樹脂基材に対する密着性
や耐候性、耐水性、耐酸性を低下させる原因になる。
【0072】本発明の被覆用樹脂組成物を構成する前記
共重合体には、前記モノマー成分以外の更に他の共重合
可能な反応性モノマーも、該被覆が形成される樹脂基材
に求められる紫外線吸収能や樹脂基材への密着性などを
阻害しない範囲であれば1種または2種以上を共重合す
ることができる。
【0073】これらモノマーの使用量も特に限定されな
いが、前記モノマー成分中に占める比率で、95質量%
以下に抑えることが望ましい。しかして該モノマー成分
は、特に樹脂基材の種類に応じて該樹脂基材に対する密
着性を高める上で有効に作用するが、使用量が95質量
%を超えると、相対的に反応性シリル基を有するモノマ
ーや紫外線吸収性基を有するモノマーの比率が少なくな
り、紫外線遮蔽性被覆としての作用効果が不十分になる
からである。
【0074】共重合可能な上記その他のモノマーとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化
学工業株式会社製;商品名「プラクセルFM」)等の活
性水素を持った基を有するモノマー;メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、N,N'−ジメチルアミノメ
チル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレー
ト、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の含窒素
モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等の2個の重合性二重結合を有するモノマー;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系
モノマー;ビニルエーテル等が挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではない。これら他のモノマーも、
単独で使用し得る他、必要により2種以上を併用でき
る。
【0075】特にスチレンの如き芳香環構造を有するモ
ノマーを使用する場合は、耐候性試験での塗膜黄変の問
題から30質量%以下、好ましくは20質量%以下を使
用することが望ましい。
【0076】上記共重合体を製造する際の重合方法にも
格別の制限はなく、従来公知の重合法、例えば溶液重合
法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法などを使用で
きるが、本発明で好ましく採用されるのは溶液重合法で
あり、しかも溶剤としては、アルコール性水酸基を有す
る有機溶剤を必須的に含む溶剤を使用することが必須の
要件となる。
【0077】本発明においてアルコール性水酸基を有す
る有機溶剤を必須的に使用することの目的は、第1に、
重合反応時における前記モノマー成分(1)の反応性シリ
ル基の架橋反応を抑制してゲル化防止を図ること、第2
に、得られる共重合体を含む硬化被覆形成用樹脂組成物
のポットライフを延長すること、第3に、得られる共重
合体を含む硬化被覆形成用樹脂組成物の被覆形成過程で
樹脂基材の侵食を抑えることである。これらの作用を有
効に発揮させるため、特に透明樹脂基材に適用する場合
でも、塗装方法、塗装条件に制限されることなく基材の
透明性や機械的強度を維持することができ、しかも長期
の紫外線遮蔽能と、耐候性、耐水性、耐酸性、耐汚染性
に優れた被覆を得ることができる。
【0078】具体的には、例えばポリカーボネート系樹
脂基材も対してスプレー塗装やディッピング塗装などを
行なう際に、通常は塗装後に塗膜をレベリングするため
しばらく放置するが、アルコール性水酸基を有する有機
溶剤を使用しない場合は、樹脂基材が有機溶剤に侵され
て白濁したりクラックが生じ易くなるが、該アルコール
性水酸基を有する有機溶剤を使用すると、これらの問題
を未然に回避することができる。
【0079】かかるアルコール性水酸基を有する有機溶
剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、、n−ブタノール、イソブタノール、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ダイアセトンアルコール、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げ
られ、これらの溶剤を単独で或いは2種以上を組合わせ
て使用できる。これらの中でも特に好ましいのは、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ダイアセトンアルコール、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどであ
る。
【0080】そして本発明において、全溶剤中に占める
上記アルコール性水酸基を有する有機溶剤の比率は、重
合条件や本発明組成物の使用条件によっても変わってく
るが、その効果を有効に発揮させる上では、40質量%
以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは
60質量%以上使用すべきであり、アルコール性水酸基
を有する有機溶剤の比率が40質量%未満では、本発明
の組成物を樹脂基材表面に被覆して硬化被覆を形成する
際に、樹脂基材の表面を溶解して表面性状などを劣化さ
せる原因になる。
【0081】即ち本発明では、上記アルコール性水酸基
含有溶剤のみの使用を必須とするものではなく、該アル
コール性水酸基含有溶剤の作用を阻害しない範囲であれ
ば、トルエン、キシレン、その他の芳香族系溶媒;酢酸
ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステ
ル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジ
メチルホルムアミドなどの1種又は2種以上を適量併用
することも可能である。これら溶剤の使用量は、得られ
る共重合体を含む被覆形成用塗布剤の粘度などを考慮し
適宜に定めればよい。
【0082】また、上記アルコール性水酸基を有する有
機溶剤を主体とする溶剤の前記共重合体に対する使用比
率は、好ましくは共重合体成分100質量部に対して4
5質量以上であり、特に、前記成分(1)の反応性シリル
基を有するモノマーを15質量%以上使用する場合は、
50質量部以上使用することが望ましい。しかして45
質量%未満では、アルコール性水酸基を有する有機溶剤
を使用することによる前述した利点、すなわち重合時の
ゲル化防止作用、ポットライフ延長作用が低下する他、
被覆形成時において樹脂基材の透明性や機械的特性を劣
化させる恐れがでてくる。また本発明組成物は紫外線遮
蔽用プライマーなどとしても使用し得ることから、その
上限も特に制限されないが、好ましくは前記共重合体1
00質量部に対して10,000質量部以下、より好ま
しくは5,000質量部以下である。
【0083】また前記モノマー成分を共重合させる際に
は、通常重合開始剤が使用されるが、重合開始剤として
は、たとえば2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロ
ニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチル
パーオキサイド等の通常のラジカル重合開始剤が挙げら
れる。重合開始剤の使用量は、要求される共重合体の要
求特性などに応じて適宜決定すべきもので特に限定はな
いが、モノマー成分全量に対し0.01〜50質量%の
範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜20質量%
の範囲である。
【0084】また、必要に応じて例えばn−ドデシルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブ
チルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33
(CH3O)3Si−S4−Si(OCH33の如き連鎖
移動剤の1種以上を添加し、共重合体の分子量を調整す
ることも有効である。加水分解性シリル基を分子中に有
する連鎖移動剤、例えば3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシランなどをモノマー混合溶液に連続添加すれ
ば、分子量調節作用と同時にビニル系モノマーの末端に
加水分解性シリル基を導入することができるので好まし
い。
【0085】反応温度も特に限定されないが、室温〜2
00℃の範囲が好ましく、40〜140℃がより好まし
い。なお反応時間は、用いるモノマー成分の組成や重合
開始剤の種類などに応じて、重合反応が効率よく完結し
得る様に適宜設定すればよい。
【0086】該共重合体の分子量(Mw)も特に限定さ
れないが、質量平均分子量で2,000〜500,00
0が好ましく、より好ましくは4,000〜250,0
00の範囲である。ここでいう質量平均分子量とは、ポ
リスチレン標準GPCで測定した値を意味する。
【0087】本発明に係る1液型硬化性被覆用樹脂組成
物を用いた被覆の形成は、常法に従って前記樹脂組成物
を含む樹脂液を調整し、これを浸漬、吹き付け、刷毛塗
り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコ
ート、スピンコート、バーコート、静電塗装などの方法
で行なえばよい。
【0088】本発明において基材として使用される紫外
線により劣化する樹脂とは、紫外線により主鎖が切断し
て分子量低下や架橋によるゲルの形成、化学構造の変化
を来たし、機械強度、黄変、透明性などの物性低下を起
こす樹脂であり、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリ
アリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、AB
S系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の
紫外線により光劣化する樹脂基材が挙げられる。また、
該樹脂基材の形状や製法はどのようなものでもよく特に
限定はないが、汎用性の高いのは平板状や曲板状、波板
状などの板状あるいはフィルム状のものである。また、
木目印刷などの印刷を施した意匠性のある樹脂基材を使
用することも可能である。
【0089】また反応性シリル基の導入された前記共重
合体を含む上記被覆形成用樹脂組成物中には、保存時の
加水分解とそれによる貯蔵安定性の低下を抑えるため、
必要により脱水剤を含有させておくことも有効である。
かかる脱水剤としては、例えばオルト蟻酸メチル、オル
ト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルシリケート、エチルシリケートなどの加水分
解性エステル化合物等が非限定的に挙げられ、これらは
1種または2種以上を使用できる。これらの加水分解性
エステル化合物は、反応性シリル基を有するビニル系モ
ノマーを共重合成分として含む場合は、共重合前、共重
合中あるいは共重合後の何れの段階で加えても構わな
い。
【0090】1液型硬化性被覆形成用樹脂組成物として
用いられる共重合体は上記の通りであるが、該共重合体
を紫外線遮蔽性被覆形成剤として実用化する際には、共
重合反応により少なくとも反応性シリル基と紫外線吸収
性基が導入された該共重合体と共に、他の重合体を併用
することも可能である。かかる他の重合体としては、熱
可塑性重合体、もしくは重合体自身の作用あるいは架橋
剤によって架橋硬化する熱硬化性重合体が例示される。
これら他の重合体の種類や使用量は、被覆が形成される
樹脂基材の用途や要求特性などに応じて適宜決定すれば
よい。当該他の重合体としては、例えば塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等
の熱可塑性重合体;ウレタン樹脂、アミノプラスト樹
脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の如き単独硬化型の
熱硬化性重合体;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂等の如き硬化剤によって硬化する熱硬化性重
合体を挙げることができる。
【0091】紫外線遮蔽性被覆を構成する樹脂組成物中
に含まれる上記共重合体は、該樹脂組成物を構成する全
樹脂成分100質量部に対して50質量部以上、好まし
くは80質量部以上含まれていることが望ましい。50
質量部未満では、紫外線遮蔽性能や耐候性、耐水性、耐
酸性、耐汚染性が不足気味となり、耐候密着性なども不
十分となる。
【0092】本発明の1液型硬化性被覆用樹脂組成物を
樹脂基材表面に薄膜状に塗布して硬化被覆を形成する場
合、硬化温度は、該被覆用樹脂組成物の主成分である前
記共重合体に含まれる架橋性官能基の種類、使用量、使
用する酸基を有するモノマー(2)の種類や使用量、樹脂
基材の耐熱性によって異なるが、一般的には室温〜20
0℃の温度で硬化するのが好ましい。
【0093】紫外線遮蔽層を構成する被覆の厚さは、L
ambert−Beerの法則により共重合される紫外
線吸収剤量に依存するため、樹脂基材に要求される耐候
性や紫外線遮蔽性能を満足する範囲であれば特に限定さ
れないが、特に紫外線遮蔽層として形成する際の好まし
い厚さは200μm以下、より好ましくは0.5〜10
0μm、更に好ましくは1〜50μmである。厚さが2
00μmを超えると、樹脂基材が本来有している機械的
および光学的特性を低下させるといった問題を起こし易
くなる。逆に厚さが0.5μm未満では、基材表面上へ
の均一塗工が困難となり、また紫外線遮蔽性も不十分に
なることがある。
【0094】本発明の1液型硬化性被覆用樹脂組成物
は、前述の如く樹脂基材の表面に直接形成して耐候性や
耐水性、耐酸性、耐汚染性を高め得る他、基材樹脂表面
に接着改善層(プライマー層など)や印刷層、熱線遮蔽
層、粘着層などを介して形成することも可能である。
【0095】また、基材を本発明の前記該樹脂組成物で
被覆した後、更にその上に、耐擦傷性や表面硬度の向上
を期してハードコート層や耐汚染性向上のための光触媒
機能層、ガスバリア層、導電層、磁気などの記録層、防
曇層などを形成することも可能である。
【0096】例えば上記ハードコート層は、本発明の樹
脂組成物からなる被覆で紫外線遮蔽された基材の表面硬
度を更に高め、優れた耐擦傷性を与える上で有用なもの
であり、ハードコート層を構成する樹脂の種類は、高硬
度で耐擦傷性向上作用を有する一般に硬化型の樹脂であ
ればその種類の如何は特に問わず、シリコーン系硬化性
樹脂や有機系硬化性樹脂などを使用できる。
【0097】シリコン系硬化性樹脂とは、シロキサン結
合を持った硬化性の樹脂であり、例えばトリアルコキシ
シランやテトラアルコキシシランまたはそれらのアルキ
ル化物の部分加水分解物、メチルトリアルコキシシラン
やフェニルトリアルコキシシランの混合物を加水分解し
たもの、コロイド状シリカ充填オルガノトリアルコキシ
シランの部分加水分解縮合物、ペルヒドロポリシラザン
等が挙げられる。市販品としては、例えば「トスガード
510」、「UVHC8553」(以上、東芝シリコー
ン社製);「KP−851」(信越シリコーン社製);
「ソルガードNP720」(日本ダクロシャムロック社
製);「P110」、「L110」、「V110」(以
上、クラリアントジャパン社製)等が例示される。
【0098】また有機系硬化性樹脂としては、例えばメ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹
脂、多官能アクリル樹脂等が挙げられ、多官能アクリル
樹脂としては、ポリオールアクリレート、ポリエステル
アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリ
レート等の樹脂が好ましいものとして例示される。
【0099】また、本発明にかかる上記被覆形成用樹脂
組成物には、前述した構成成分以外に他の種々の添加剤
を含んでもよい。添加剤としては、シラン、チタネー
ト、アルミネート系のカップリング剤が挙げられ、シラ
ンカップリング剤としては、例えば日本ユニカー社製の
「A−187」、「A−189」、「A−1100」、
「A−1120」等が挙げられる。また、塗料などの層
形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤、酸化防
止剤、タルクなどの充填剤、コロイド状シリカ、アルミ
ナゾルなどの無機微粒子、防錆剤、蛍光性増白剤、消泡
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、増粘剤、た
れ性防止剤などを含むものであってもよく、更には、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン
系、インドール系などの紫外線吸収剤を含むものであっ
ても構わない。
【0100】本発明に係る1液型硬化性樹脂組成物の使
い方としては、紫外線により劣化する樹脂基材の表面に
紫外線遮蔽性の硬化被覆を形成して保護する場合と、内
容物の紫外線劣化を防ぐ場合がある。前者の場合は、紫
外線により劣化する樹脂基材、あるいは紫外線により劣
化する印刷層が施された樹脂基材の片面あるいは両面に
上記樹脂組成物よりなる硬化被覆を形成し、必要によっ
ては更にその上に耐擦傷性や高硬度付与のためのハード
コート層を形成して使用される。また後者の場合も、前
者の場合と同じ構成の被覆体として使用されるが、更
に、被覆構造内に更に熱線遮蔽層を設け、例えば建築物
の樹脂窓ガラスに応用すれば、室内の家具などの紫外線
劣化を防ぐと共に、室内の温度上昇を防いで冷暖房費の
節減にも有効となる。
【0101】熱線遮蔽機能を持たせるには、例えば、前
述した樹脂基材を成形する際に、熱線遮蔽性物質を練り
込んでから成形加工することにより熱線遮蔽機能を与え
たフィルムやシート状の樹脂基材を使用したり、あるい
は、予め成形した樹脂基材の片面もしくは両面に、熱線
遮蔽性物質を含む塗剤を塗布することによって熱線遮蔽
層を形成し、更にその上に本発明の被覆用樹脂組成物か
らなる紫外線遮蔽層を形成し、必要により更にその上に
ハードコート層を形成することも有効である。
【0102】該熱線遮蔽性物質としては、有機系熱線遮
蔽性物質と無機系熱線遮蔽性物質が挙げられる。
【0103】好ましい有機系熱線遮蔽性物質としては、
例えば金属錯体化合物、フタロシアニン、ナフタロシア
ニン、アミニウム塩、アントラキノン、ナフトキノンな
どが挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、フ
タロシアニン骨格の少なくとも1個以上、好ましくは4
個以上に窒素原子が結合したフタロシアニン(例えば、
フェニルアミノ基やアルキルアミノ基で置換されたフタ
ロシアニン)である。更には、特開平5−345861
号公報、特開平6−264050号、特開平6−255
48号などに記載されたフタロシアニン等も好ましく使
用できる。
【0104】また、無機系熱線遮蔽性物質の種類も特に
制限されず、例えば金属、金属窒化物、金属酸窒化物、
金属炭化物、金属酸化物等が挙げられるが、無機系熱線
遮蔽性物質としては分散媒体への溶解性が良好で耐候性
を有しているものが好ましいので、金属酸化物の微粒子
が特に好ましく使用される。かかる好ましい金属酸化物
としては、酸化インジウムあるいはこれにIV価金属元素
及び/又はFを含有させた酸化インジウム系酸化物;酸
化スズ或いはこれにV価金属元素及び/又はFを含有さ
せた酸化スズ系酸化物;酸化亜鉛にIIIB族金属元素やIV
B族金属元素などのIII価金属元素、FおよびCの少な
くとも1つの元素を含有させた酸化亜鉛系酸化物;スズ
酸カドミウムなどの金属酸化物が例示される。
【0105】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわ
けではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に
変更して実施することも可能であり、それらはいずれも
本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例およ
び比較例において、「部」および「%」とあるのは、質
量部または質量%を表す。
【0106】合成例1 攪拌機、滴下口、温度計、冷却管および窒素ガス導入口
を備えた500mlのフラスコに、メタクリル酸(MA
A)0.3g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン90g(信越化学工業社製、商品名「KBM5
03」)、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール9.7g、ダイアセトンアルコール150gを仕
込み、窒素ガスを導入して攪拌しながら90℃に昇温さ
せる。これに、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート5gを4時間かけて滴下し、滴
下後さらに120℃で10時間加熱することにより、不
揮発分濃度が39.9%の共重合樹脂溶液を得た。な
お、この共重合体の質量平均分子量は21,000であ
った。この反応性シリル基を有する紫外線吸収性共重合
体(溶液)を共重合体1とする。表1にモノマーの種類
などと配合量を示す。
【0107】合成例2〜20 表1,2に示すモノマー組成など及び配合量で、上記合
成例1と同様にして共重合樹脂溶液を製造し、それらの
特性を表1,2に併記した。製造した共重合体(溶液)
をそれぞれ共重合体2〜20とする。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】上記共重合体1〜20のうち、共重合体1
〜11は本発明の規定要件を全て満たす共重合体であ
る。これらに対し共重合体12〜20は、下記の通り本
発明で規定する要件のいずれかを欠くものである。 ・共重合体12:モノマー成分中の、酸基を有するモノ
マーの共重合比率が4%を超えている、 ・共重合体13:モノマー成分中の、酸基を有するモノ
マーの共重合比率が0.3%未満である、 ・共重合体14:モノマー成分中の、反応性シリル基を
有するモノマーの共重合比率が90%を超えている、 ・共重合体15:モノマー成分中の、反応性シリル基を
有するモノマーの共重合比率が3%未満である、 ・共重合体16:モノマー成分中の、紫外線吸収性基を
有するモノマーの共重合比率が80%を超えている、 ・共重合体17:共重合体合成時の溶剤成分としてアル
コール性水酸基を有するものが含まれていない、 ・共重合体18:イソシアネート系硬化剤(住友バイエ
ルウレタン社製、商品名「N3200」)の添加を前提
とする硬化性共重合体である、 ・共重合体19:モノマー成分として、酸基を有するモ
ノマーが含まれておらず、且つ溶剤成分としてアルコー
ル性水酸基を有する有機溶剤が含まれていない、 ・共重合体20:モノマー成分として、紫外線吸収性基
を有するモノマーが含まれておらず、且つ溶剤成分とし
てアルコール性水酸基を有する有機溶剤が含まれていな
い。
【0111】[性能評価]上記合成例1〜20で得た各
共重合体溶液を使用し、下記の方法で被覆の性能を評価
した。結果を表3〜5に示す。
【0112】(1)硬化性評価 各共重合体溶液(不揮発分;約40%)を、ポリカーボ
ネート(PC)樹脂基材(旭硝子社製商品名「レキサン
9034」クリア、厚さ3mm)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)樹脂基材(東レ社製商品名「ルミラ
ーT」、厚さ100μm)またはポリアリレート(P
A)樹脂基材(ユニチカ社製商品名「U−100」、厚
さ3mm)に乾燥膜厚が約40μmとなる様に塗工し、
室温で10分間乾燥した後、120℃で30分間加熱乾
燥する。その後、トルエンを浸した脱脂綿で被覆表面を
50回擦り、下記の基準で硬化性を評価する。 ○:傷なし、△:僅かに傷あり、×:傷が多く被覆の溶
解・膨潤が見られる。
【0113】(2)ポットライフ 上記(1)と同様にして濃度調整した不揮発分濃度約40
%の樹脂溶液70gを100mlの容器に入れ、蓋をせ
ずに室温で放置し、ゲル化するまでの時間により下記の
基準で評価する。 ○:4時間以上、△:1〜4時間、×:1時間以内。
【0114】(3)透明性 試験前後の樹脂基材表面のヘイズ(曇価)を目視観察
し、下記の基準で評価した。 ○:透明、△:僅かに曇りあり、×:白濁。
【0115】(4)耐酸性 上記と同様にして形成した塗膜上に5%塩酸水溶液を1
mlスポットし、室温で24時間、および48時間放置
した後、水洗して塗膜の表面状態を目視観察し下記の基
準で評価した。 ○:異常なし、△:やや染みあり、×:染みあり。
【0116】(5)耐汚染性 上記と同様に皮膜を形成したものを屋外に3ヶ月間放置
し、塗膜表面の汚れ具合を試験前と比べ、目視観察によ
り下記の基準で評価した。 ○:変化なし、△:やや汚れあり、×:汚れあり。
【0117】(6)耐水性 上記(1)と同様にして各樹脂溶液を塗布し被覆を形成し
たポリカーボネート系樹脂基材を、60℃の温水中に5
日間および10日間浸漬した後、被覆外観と被覆密着性
を下記の基準で評価する。 (塗膜外観)○:異常なし、×:被覆に艶引け、変色、フ
クレなどがみられる。 (密着性) ○:異常なし、△:基材から僅かに剥離、
×:基材から完全剥離。
【0118】(7)耐候性 前記(1)と同様にして作成した樹脂被覆基材を、スガ試
験機社製の超エネルギー照射試験機を使用し、[温度7
0℃×湿度70%、光量:100m/wで6時間照射]
→[温度80℃×湿度90%で6時間]を1サイクルと
して40サイクル及び80サイクル繰り返す条件で各試
験片を曝露し、耐候性試験前後の評価として、下記の基
準で耐候密着性、耐候黄変性を調べる。 (耐候密着性)耐候試験後の被覆について、被覆外観を下
記の基準で評価する。 ○:異常なし、△:基材から僅かに剥離、×:基材から
完全に剥離。 (耐候黄変性) 黄色度:Y JIS K−7103に準拠し雰囲気温度23℃におけ
る試験片の着色(特に黄色味)を示す黄色度(Y)を測
定、 黄変度:△Y 耐候性試験後における初期黄色度からの変化を示すもの
で、「黄変度(△Y)=(試験後の黄色度)−(初期の
黄色度)」によって求める。黄変度(△Y)の値が大き
いものは初期値に比べて着色した(黄色味が濃くなっ
た)ことを意味し、この黄変度(△Y)が4を超えると
着色したことが目視で明らかに分かる。
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】
【表5】
【0122】表1〜5より、次の様に考えることができ
る。
【0123】実施例1〜11は本発明の規定要件を満た
す例であり、総合的に見ていずれも優れた被覆特性(基
材保護効果)を有している。このうち実施例10は、実
施例4で用いた共重合体と実質的に同じ合成条件で、製
造時のアルコール性水酸基を有する有機溶剤の配合量を
モノマー成分100部に対し40部に抑えた例であり、
共重合体の分子量がやや大きくなり過ぎてポットライフ
不良の傾向が見られる。これに対し、ほぼ同じ条件で、
共重合体合成時のアルコール性水酸基を有する有機溶剤
の配合量をモノマー成分100部に対し50部に増加し
た実施例11では、こうした問題は全く生じていない。
【0124】実施例6は、共重合体製造時のモノマー成
分として、紫外線吸収性基を有するモノマーにベンゾト
リアゾールタイプとトリアジンタイプを併用した例であ
り、実施例4よりも優れた耐候黄変性が得られている。
実施例7は、共重合性モノマー成分としてシクロヘキシ
ルメタクリレートを共重合させたものであり、実施例4
に比べて更に優れた耐酸性、耐水密着性、耐候黄変性が
得られている。実施例8は添加型の紫外線安定化剤を配
合したもので、実施例4に比べて耐候黄変性が更に改善
されている。実施例9は、共重合性モノマー成分として
紫外線安定性モノマーを共重合させたものであり、実施
例8に比べて耐水密着性、耐候密着性が更に改善されて
いる。
【0125】これらに対し比較例1〜8は、本発明で規
定する何れかの条件を欠如する例であり、下記の如く被
覆形成剤あるいは被覆としての性能に問題がある。すな
わち比較例1は、共重合体を構成するモノマー成分にお
いて、酸基を有するモノマー(2)が規定範囲を超えてい
るため、硬化性とポットライフのバランスが悪く、耐酸
性、耐水性、耐候密着性も悪い。これに対し比較例2
は、共重合体を構成するモノマー成分中の酸基を有する
モノマー(2)が規定範囲に満たない例であり、やはり硬
化性とポットライフのバランスが悪く、耐酸性、耐水
性、耐汚染性、耐候密着性が悪い。
【0126】比較例3は、共重合体を構成するモノマー
成分中の反応性シリル基を有するモノマー(1)が規定範
囲を超えている例で、紫外線吸収性基を有するモノマー
(3)の量が少なくなり、紫外線遮蔽性能を高めるには厚
肉にしなければならないため透明性が低下し、また耐酸
性や耐水密着性、耐汚染性、耐候密着性も低下してい
る。比較例4は、共重合体を構成するモノマー成分中の
反応性シリル基を有するモノマー(1)が規定範囲未満で
あるため硬化性が低下しており、耐酸性や耐水密着性、
耐汚染性、耐候密着性も悪い。
【0127】比較例5は、共重合体を構成するモノマー
成分中の紫外線吸収性基を有するモノマー(3)の量が多
過ぎるため、耐酸性、耐水密着性が悪く、耐汚染性も十
分でない。比較例6はイソシアネート系硬化剤を当量配
合した例であるが、硬化性とポットライフのバランスが
悪く、耐酸性、耐水性、耐汚染性、耐候密着性も悪い。
比較例7は、共重合体を構成するモノマー成分中に酸基
を有するモノマー(2)が含まれておらず、硬化触媒を後
添加したものであり、また有機溶剤としてキシレンを単
独で使用しているため樹脂基材が白濁し、性能を評価で
きなかった。またポットライフについては、硬化触媒を
配合してから約30分でゲル化し、実用に耐え得るもの
ではなかった。比較例8は、硬化性とポットライフのバ
ランスは良好であるが、紫外線吸収性基を有するモノマ
ー(3)が含まれていないため、紫外線遮蔽能がなく耐候
性試験で樹脂基材が破壊し、耐酸性、耐水性、耐汚染性
も劣悪である。
【0128】尚参考例は、基材としてガラスを用いた例
であり、表面被覆としての性能は前記実施例7と同様に
非常に優れている。
【0129】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、紫
外線によって着色や劣化を起こし易い基材の表面側に形
成する紫外線遮蔽層形成剤として、反応性シリル基を有
するモノマー(1)と酸基を有するモノマー(2)および紫外
線吸収性基を有するモノマー(3)を特定比率で含有し、
あるいは必要によりその他のモノマー(4)を特定比率で
含有する単量体成分を重合してなる共重合体と、アルコ
ール性水酸基を有する有機溶剤とを必須的に含有せしめ
ることにより、優れた硬化性とポットライフを兼ね備え
た1液型で、樹脂基材表面を侵すことなく、紫外線遮蔽
性能の含めて優れた耐候性、耐酸性、耐水性、耐汚染性
などに優れた被覆を与える被覆形成用組成物を提供し得
ることになった。
【0130】従って本発明の1液型硬化性被覆形成用組
成物は、例えば包装用(各種食品や、太陽電池モジュー
ル、ポリマー電池等の包装材)、電縁用(プラズマディ
スプレイ用の絶縁膜など)、光学用(光学レンズ、光フ
ァイバー、反射防止膜など)、建築材料用(防音壁な
ど)、防汚用シート・テント用、マーキングフィルム
用、屋外展張用(農業ハウスなど)、屋内外のオーバー
レイ(表示材料、電飾看板など)、窓用(車輌、建築、
採光材など)等、紫外線に曝される様々の樹脂基材の保
護や、内容物の紫外線による着色や劣化を抑制する用途
にコーティング剤として使用できる他、粘着剤、接着剤
などとしても幅広く活用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 157/10 C09D 157/10 183/04 183/04 (72)発明者 青山 孝浩 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J038 CG141 CH031 CH041 CH191 CL001 GA06 GA08 GA13 GA14 GA15 JA17 KA06 NA03 NA04 NA05 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)反応性シリル基を有するモノマー:3
    〜90質量%、 (2)酸基を有するモノマー:0.3〜4質量%、 (3)紫外線吸収性基を有するモノマー:1〜80質量
    %、 (4)その他のモノマー:0〜95質量%、 を含む単量体成分を重合してなる共重合体と、アルコー
    ル性水酸基を有する有機溶剤とを必須的に含むことを特
    徴とする1液型硬化性被覆用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記(4)のモノマー成分の一部として、
    下記一般式(I)で表されるモノマーが、全モノマー成分
    を100質量%としたとき3〜95質量%となる様に含
    まれている請求項1に記載の1液型硬化性被覆用樹脂組
    成物。 【化1】 (式中、R26は水素原子またはメチル基を表わし、Zは
    炭素数が4〜25の炭化水素基を表わす)
  3. 【請求項3】 前記(4)のモノマー成分の一部として、
    (5)紫外線安定性基を有するモノマーが全モノマー成分
    を100質量%としたとき0.1〜15質量%となる様
    に含まれている請求項1または2に記載の1液型硬化性
    被覆用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(2)の酸基を有するモノマーが、カ
    ルボキシル基、スルホン酸基、および燐酸基から選ばれ
    る少なくとも1種の官能基を有するモノマーである請求
    項1〜3のいずれかに記載の1液型硬化性被覆用樹脂組
    成物。
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