JP2002201406A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

Info

Publication number
JP2002201406A
JP2002201406A JP2001000998A JP2001000998A JP2002201406A JP 2002201406 A JP2002201406 A JP 2002201406A JP 2001000998 A JP2001000998 A JP 2001000998A JP 2001000998 A JP2001000998 A JP 2001000998A JP 2002201406 A JP2002201406 A JP 2002201406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
macromonomer
parts
mass
coating composition
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001000998A
Other languages
English (en)
Inventor
Kotaro Yoneda
耕太郎 米田
Hiroshi Iesako
博 家迫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2001000998A priority Critical patent/JP2002201406A/ja
Publication of JP2002201406A publication Critical patent/JP2002201406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 密着性、耐水性、防錆性に優れた塗料組成物
を提供する。 【解決手段】 カルボキシル基、スルホン酸基などの酸
性官能基を有し、末端にエチレン性不飽和結合を有する
マクロモノマーの存在下、水性媒体中でビニル単量体
(うち1〜30質量%がリン原子を有するビニル単量
体)を乳化重合させて得られる水性樹脂分散体を含有す
る塗料組成物。また水性樹脂分散体の固形分当りのマク
ロモノマー使用量が0.5〜50質量%であり、さらに
固形分中の酸性官能基0.01〜5meq/gである塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性、耐水性、
防錆性に優れる水性の塗料組成物に関するものである。
特に防錆塗料の機能を果たす金属基材用塗料として有用
な塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビニル重合体を主成分とする水性塗料と
しては、通常の乳化剤を使用した乳化重合により得られ
るビニル重合体を主成分とする塗料が知られているが、
このような塗料は、金属基材に塗布して得られる被膜が
密着性、耐水性、防錆性の不充分なものとなる場合があ
り、使用が制限される。ビニル重合体からなる高分子量
保護コロイドの存在下、水性媒体中でビニル単量体を乳
化重合させて得られる水性樹脂分散体を含有する水性塗
料も知られている(特開2000−26788号公
報)。しかし、金属基材に塗布して得られる被膜が耐水
性、防錆性の不充分なものとなる場合があり、使用が制
限される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、密着性、耐
水性、防錆性に優れた塗料組成物、特に防錆塗料の機能
を果たす金属基材用塗料として有用な塗料組成物を提供
しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明の塗料組成物は、酸性官能基
を有し、末端にエチレン性不飽和結合を有するマクロモ
ノマーの存在下、水性媒体中でビニル単量体を乳化重合
させて得られる水性樹脂分散体を含有するものである。
【0005】請求項2に記載の発明の塗料組成物は、請
求項1に記載の発明において、水性樹脂分散体の固形分
100質量部当りのマクロモノマーの使用量が0.5〜
50質量部であるものである。
【0006】請求項3に記載の発明の塗料組成物は、請
求項1または2に記載の発明において、水性樹脂分散体
の固形分の酸性官能基濃度が0.01〜5meq/gで
あるものである。請求項4に記載の発明の塗料組成物
は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、ビ
ニル単量体のうちの1〜30質量%がリン原子を有する
ものであるというものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本明細書において「(メタ)アクリ
ル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味する。ま
た、「meq/g」とは「1g当りに含まれるミリグラ
ム当量数」を意味する。固形分とは、150℃の熱風乾
燥機にて30分間揮発成分を除去した後に残る成分のこ
とを意味する。本発明の塗料組成物は、酸性官能基を有
し末端にエチレン性不飽和結合を有するマクロモノマー
(以下、単にマクロモノマーともいう。)の存在下、水
性媒体中でビニル単量体を乳化重合させて得られる水性
樹脂分散体を含有するものである。
【0008】マクロモノマーは、ビニル単量体を乳化重
合させるときに乳化剤としてはたらくとともに、ビニル
単量体と共重合されて水性樹脂分散体を形成し、これを
含有する塗料を塗布して得られる被膜に優れた密着性、
耐水性、防錆性を付与するものである。
【0009】マクロモノマーは末端にエチレン性不飽和
結合を有する重合体である。末端にエチレン性不飽和結
合を有するマクロモノマーは公知の方法により製造する
ことができる(特開平11−181021号公報、国際
公開特許公報WO99/07755)。
【0010】本発明で使用されるマクロモノマーは、酸
性官能基を有するものである。マクロモノマーの好まし
い酸性官能基濃度すなわち酸価は0.5〜10meq/
gであり、より好ましい酸価は1〜8meq/gであ
り、さらに好ましい酸価は1.5〜7meq/gであ
る。酸価が小さすぎても大きすぎてもビニル単量体を乳
化重合させるときの安定性が損なわれる。
【0011】マクロモノマーは、例えば国際公開特許公
報WO99/07755に記載の方法を使用する場合
は、酸性官能基を有する単量体とその他の単量体を共重
合させることにより製造することができる。
【0012】酸性官能基を有する単量体としては、カル
ボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体などが
挙げられる。本発明において、カルボキシル基含有単量
体とは、酸無水物基のように加水分解などによりカルボ
キシル基に転化される官能基を有する単量体も包含す
る。カルボキシル基含有単量体の具体例としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アク
リロキシプロピオン酸等の不飽和一塩基酸、マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和二塩基酸、
マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等の不
飽和酸無水物が挙げられる。スルホン酸基含有単量体の
具体例としては、アリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホス
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸などが挙げられる。塗料を塗布して得られる被膜
が特に耐水性の優れたものとなるために、カルボキシル
基含有単量体が好ましく、なかでもアクリル酸はマクロ
モノマーの末端にエチレン性不飽和結合を効率的に導入
しやすいためおよび他の各種単量体と共重合反応を起こ
しやすいので特に好ましい。
【0013】その他の単量体としては疎水性単量体およ
び酸性官能基を有しない親水性単量体が使用できる。疎
水性単量体とは、20℃における水への溶解度が2重量
%以下の単量体を意味し、例えば、メタクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、及
び、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等の炭素
数が1〜22のアルキル基を有するメタアクリル酸エス
テル及び、炭素数が2〜22のアクリル酸エステル、プ
ロピオン酸ビニル、及びスチレンが挙げられる。高い重
合度のマクロモノマーが得られるので、アクリル酸エス
テル類が好ましい。
【0014】酸性官能基を有しない親水性単量体として
は、アクリル酸メチル、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、酢酸ビニルが挙げられる。親水性
単量体とは、20℃における水への溶解度が2重量%よ
り大きい単量体を意味する。
【0015】これらの単量体の使用割合はマクロモノマ
ーの酸価が上記の好ましい範囲となるように決めること
が望ましいが、酸性官能基を有する単量体、疎水性単量
体および酸性官能基を有しない親水性単量体の割合がそ
れぞれ10〜75質量%、25〜90質量%および0〜
40質量%であることが好ましく、15〜60質量%、
40〜85質量%および0〜20質量%であることがよ
り好ましい。
【0016】マクロモノマーが特開平11−18102
1号公報に記載の方法で製造されるものである場合は、
酸性官能基を有する単量体は使用されないが、酸変性に
より酸性官能基を導入された単量体単位、疎水性単量体
単位および酸性官能基を有しない単量体単位の割合がそ
れぞれ10〜75質量%、25〜90質量%および0〜
40質量%であることが好ましく、15〜60質量%、
40〜85質量%および0〜20質量%であることがよ
り好ましい。
【0017】乳化重合されるビニル単量体としては、一
般的に乳化重合に供されるビニル単量体が使用され得
る。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル
酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)
アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、イソプ
レン、スチレン、アルキルスチレン、(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)ア
クリルアミド、N−アルコキシメチルアクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、リン原子を有する単量体等が
挙げられる。
【0018】ビニル単量体のうちの1〜30質量%、な
かでも2〜25質量%がリン酸エステル基を有する単量
体などのリン原子を有するものである場合は、得られる
塗料が特に防錆性の優れたものとなるために好ましい。
リン原子を有する単量体の具体例としては旭電化工業株
式会社製PP−70が挙げられる。
【0019】乳化重合は、マクロモノマー存在下、水性
媒体中でビニル単量体を重合させて水性樹脂分散体を得
るものである。マクロモノマーはビニル単量体と共重合
してグラフト重合体の成分となるだけでなく、乳化剤と
しても優れた機能を発揮する。
【0020】マクロモノマーは乳化重合に使用する際
に、マクロモノマーが有する酸性官能基が塩基により中
和されていることが好ましい。中和に使用できる塩基の
例としては、アンモニア、沸点が140℃以下の低沸点
アミン化合物等が挙げられる。低沸点アミンの具体例と
しては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン、t−ブタノールアミン、モルホリン、ジメチルエタ
ノールアミン等が挙げられる。
【0021】マクロモノマーが有する酸性官能基の10
0%が中和されている必要はないが、20%以上が中和
されていることが好ましく、40%以上が中和されてい
ることがより好ましく、60%以上が中和されているこ
とが更に好ましく、70%以上が中和されていることが
特に好ましい。中和率すなわち酸性官能基が中和されて
いる割合が小さすぎると、塗料を塗布して形成される被
膜が基材への密着性の不充分なものとなる場合がある。
中和率の上限は当然100%であるが、酸性官能基に対
して過剰の塩基が存在していてもよい。マクロモノマー
が中和されているものである場合は、マクロモノマーの
乳化剤としての機能は一段と優れたものとなる。この場
合は該マクロモノマー以外の乳化剤(以下、通常の乳化
剤ともいう。)の使用量を低減するか、ゼロにすること
ができる。さらに通常の乳化剤のみを使用した場合より
も水性樹脂分散体は極めて安定に乳化され、例えば、水
性樹脂分散体に後述する成膜助剤、レベリング剤、可塑
剤、有機溶剤などの添加剤が添加されたときでも、凝集
物が生成しにくいものとすることができる。
【0022】乳化重合におけるマクロモノマーの使用量
は、得られる水性樹脂分散体の固形分100質量部当
り、0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜4
0質量部であることがより好ましく、2〜30質量部で
あることが更に好ましい。マクロモノマーの使用量が少
なすぎる場合には水性樹脂分散体の安定性が不充分とな
ったり、塗料を塗布して得られる被膜が密着性、防錆性
の不足するものとなることがある。また、マクロモノマ
ーの使用量が多すぎる場合には、安定な重合が困難にな
り、また、得られる被膜が耐水性やレベリング性の不充
分なものとなることがある。
【0023】マクロモノマーが中和されていないもので
ある場合は、乳化重合は通常の乳化剤が併用されること
が一般的である。この場合通常の乳化剤の使用量は本発
明の目的に支障のない範囲に限定される。具体的には、
通常の乳化剤の使用量はマクロモノマーとビニル単量体
との合計質量に対し10質量%以下であることが好まし
く、5質量%以下であることがより好ましい。通常の乳
化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ
琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤等
が挙げられる。通常の乳化剤を多く使用しすぎると得ら
れる塗料を塗布して形成される被膜が耐水性の悪いもの
になりやすい。なお、マクロモノマーが中和されている
ものである場合でも、本発明の目的に支障のない範囲で
通常の乳化剤が併用されてもよい。
【0024】公知のラジカル重合開始剤が乳化重合反応
に使用される。重合開始剤は水溶性重合開始剤、及び油
溶性重合開始剤の何れも使用できる。例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系化合物、過硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
無機過酸化物、これらの過酸化物と亜硫酸塩、アスコル
ビン酸、エリソルビン酸塩等の還元剤とからなるレドッ
クス系重合開始剤等が挙げられる。
【0025】重合開始剤の使用量は、マクロモノマーと
ビニル単量体との合計質量に対し、0.01〜5質量%
とすることが好ましく、特に0.1〜3質量%が好まし
い。
【0026】重合反応の温度は20〜95℃が好まし
く、特に40〜90℃が好ましい。重合時間は1〜10
時間が好ましい。
【0027】乳化重合は、マクロモノマー以外の酸性官
能基を有するビニル重合体(以下、単に酸性官能基含有
ビニル重合体ともいう。)の共存する状態で行われても
よい。
【0028】上記の乳化重合により得られる水性樹脂分
散体は、本発明の塗料組成物の主成分となるものであ
る。水性樹脂分散体は、その固形分の酸性官能基濃度が
0.01〜5meq/gであることが好ましく、0.0
5〜4.5meq/gであることがより好ましく、0.
1〜4meq/gであることがさらに好ましい。本明細
書において、酸性官能基濃度とは中和されている酸性官
能基および中和されていない酸性官能基の合計の濃度を
意味する。
【0029】酸性官能基濃度が小さすぎると塗料が不安
定なものとなったり塗料を塗布して得られる被膜が密着
性の不充分なものとなる場合があり、大きすぎると耐水
性の不充分なものとなる場合がある。
【0030】塗料組成物は、上記の水性樹脂分散体以外
の成分として、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の成
膜助剤、トリブトキシエチルホスフェート、フッ素系界
面活性剤などのレベリング剤、ジブチルフタレート、ト
リエチルフォスフェート、常温で液体のビニル重合体な
どの可塑剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、防腐
剤、殺菌剤、防錆顔料、着色顔料、体質顔料、充填剤、
上記以外の重合体などが添加されたものであってもよ
い。
【0031】本発明の塗料組成物は、構造物、建築物の
内外壁、自動車、家電製品などに使用される金属の防錆
用として好適に使用できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。以下の記載において「部」は質量部を意味し、
「%」は質量%を意味する。
【0033】(1)マクロモノマーおよびその中和物並
びに末端にエチレン性不飽和結合を有しない高分子乳化
剤およびその中和物の製造 (製造例1)マクロモノマーMM1及びその中和物MM
1Nの製造 電熱式ヒーターを備えた容量300mlの加圧式撹拌槽
型反応器を、3−エトキシプロピオン酸エチルで満たし
た。反応器内温度は275℃に設定した。ブチルアクリ
レート(以下、BAという。)65部、アクリル酸(以
下、AAという。)35部、およびジターシャリーブチ
ルパーオキサイド0.08部を混合して単量体混合液を
調製し、それを原料タンクに貯蔵した。反応器内の圧力
を一定に保ちながら、単量体混合液を原料タンクから反
応器に連続的に供給した。このとき、単量体混合液の反
応器内での滞留時間が12分となるように供給速度を設
定した。単量体混合液の供給量に相当する反応液を反応
器の出口から連続的に抜き出した。単量体混合液の連続
供給中、反応器内温度を288〜300℃に維持した。
単量体混合液供給開始から90分後、反応器出口からの
反応液の採取を開始した。薄膜蒸発器を用いて反応液中
の未反応単量体を除去し、マクロモノマーMM1を得
た。テトラヒドロフラン溶媒を使用したゲル浸透クロマ
トグラフ(以下、GPCという。)によりMM1のポリ
スチレン換算の分子量を測定した。MM1の数平均分子
量(以下、Mnともいう。)は1560、重量平均分子
量(以下、Mwともいう。)は6010であった。 1
−NMRにより、MM1の末端のエチレン性不飽和結合
の導入率を測定したところ、全マクロモノマー分子中の
84%にエチレン性不飽和結合が導入されていることが
わかった。得られたマクロモノマーMM1の酸価と等量
のアンモニア及び水を添加することによりカルボキシル
基の中和をおこない、マクロモノマー中和物MM1N
(固形分濃度40%の水溶液)を得た。
【0034】(製造例2)マクロモノマーMM2及びそ
の中和物MM2Nの製造 マクロモノマーMM1の製造において、単量体混合液を
BA80部、AA20部、ジターシャリーブチルパーオ
キサイド0.08部の混合液とした以外は、製造例1と
同様の手順によりマクロモノマーMM2を製造した。M
M2の分子量はMnが1500、Mwが3000、末端
エチレン性不飽和結合導入率は80%であった。得られ
たマクロモノマーMM2の酸価と等量のアンモニア及び
水を添加することによりカルボキシル基の中和をおこな
い、マクロモノマー中和物MM2N(固形分濃度40%
の水溶液)を得た。
【0035】(製造例3)マクロモノマーMM3及びそ
の中和物MM3Nの製造 マクロモノマーMM1の製造において、単量体混合液を
シクロヘキシルアクリレート(以下、CHAという。)
80部、AA20部、ジターシャリーブチルパーオキサ
イド0.08部の混合液とした以外は、製造例1と同様
の手順によりマクロモノマーMM3を製造した。MM3
の分子量はMnが1440、Mwが3890、末端エチ
レン性不飽和結合導入率は75%であった。得られたマ
クロモノマーMM3の酸価と等量のアンモニア及び水を
添加することによりカルボキシル基の中和をおこない、
マクロモノマー中和物MM3N(固形分濃度40%の水
溶液)を得た。
【0036】(製造例4)末端にエチレン性不飽和結合
を有しない高分子乳化剤PS1及びその中和物PS1N
の製造 撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素導入管を備えた
フラスコに、溶媒としてのメチルエチルケトンを134
部仕込んで78℃に加熱した。続いて、連鎖移動剤とし
てのメルカプトエタノール0.8部を初期原料としてフ
ラスコに仕込んだ。次いで、AIBN1.6部をBA8
0部、AA20部、メチルエチルケトン10部およびA
IBN1.6部からなる単量体混合溶液、およびメチル
エチルケトン10部とメルカプトエタノール3.2部か
らなる連鎖移動剤溶液を3時間かけてフラスコに滴下し
て重合させた。連続原料A、およびBは同時期にフラス
コ内へ供給した。滴下終了後、さらに0.8部のAIB
Nを投入し、同温度に4時間維持した後に反応系を冷却
して重合を終了させ、固形分含量40%の高分子乳化剤
PS1のメチルエチルケトン溶液を得た。PS1の分子
量はMnが1530、Mwが3330、末端エチレン性
不飽和結合導入率は0%であった。得られた高分子乳化
剤PS1のメチルエチルケトン溶液に、撹拌下でアンモ
ニア水を徐々に加えることにより、この共重合体におけ
るカルボキシル基を中和して反応液のpHを7〜8程度
とした。その後、温度50℃の減圧下でメチルエチルケ
トンを除去して、高分子乳化剤中和物PS1N(固形分
濃度40%の水溶液)を得た。
【0037】(2)塗料組成物の製造 (実施例1)塗料組成物P1の製造 攪拌器、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたフラ
スコに水725部、MM1N(マクロモノマーMM1中
和物の40%水溶液)500部を仕込んだ後、窒素気流
下で攪拌下に80℃まで昇温した。過硫酸アンモニウム
2部を加えて5分経過後、スチレン50部、メチルメタ
クリレート300部、イソブチルアクリレート150部
とからなる単量体混合物を3時間かけて滴下した。滴下
終了後重合温度を90℃まで昇温し、過硫酸アンモニウ
ム0.5部を添加し1時間反応を続け、水性樹脂分散体
W1を得た。W1を、表1の処方で塗料化し、塗料P1
を得た。
【0038】(実施例2)塗料組成物P2の製造 実施例1で用いたマクロモノマー中和物MM1Nに代え
て、MM2Nを使用した以外は実施例1と同様の手順で
水性樹脂分散体W2を得た。W2を、表1の処方で塗料
化し、塗料P2を得た。
【0039】(実施例3)塗料組成物P3の製造 実施例1で用いたマクロモノマー中和物MM1Nに代え
て、MM3Nを使用した以外は実施例1と同様の手順で
水性樹脂分散体W3を得た。W3を、表1の処方で塗料
化し、塗料P3を得た。
【0040】(実施例4)塗料組成物P4の製造 攪拌器、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたフラ
スコに水725部、MM1N500部、PP−70(旭
電化工業株式会社製 リン酸エステル型反応性界面活性
剤)のNa塩を15部仕込んだ後、窒素気流下で攪拌下
に80℃まで昇温した。過硫酸アンモニウム2部を加え
て5分経過後、スチレン50部、メチルメタクリレート
300部、イソブチルアクリレート150部とからなる
単量体混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後重合
温度を90℃まで昇温し、過硫酸アンモニウム0.5部
を添加し1時間反応を続け、水性樹脂分散体W4を得
た。W4を、表1の処方で塗料化し、塗料P4を得た。
【0041】(実施例5)塗料組成物P5の製造 攪拌器、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたフラ
スコに水460部を仕込み、 窒素気流下で攪拌下に8
0℃まで昇温した。過硫酸アンモニウム2部を加えて5
分経過後、水200部、MM2N125部、スチレン5
0部、メチルメタクリレート300部、イソブチルアク
リレート150部の混合物をホモミキサーで乳化させた
モノマーエマルションを3時間かけて滴下した。滴下終
了後重合温度を90℃まで昇温し、過硫酸アンモニウム
0.5部を添加し1時間反応を続け、水性樹脂分散体W
5を得た。W5を、表1の処方で塗料化し、塗料P5を
得た。
【0042】(比較例1)比較用塗料組成物P6の製造 実施例1のフラスコに仕込む水を750部用い、マクロ
モノマー中和物MM1Nに代えて、ドデシル硫酸ナトリ
ウム2部を用いた以外は実施例1と同様の手順で、水性
樹脂分散体W6を得た。W6を、表1の処方で塗料化
し、塗料P6を得た。
【0043】(比較例2)比較用塗料組成物P7の製造 実施例1で用いたマクロモノマー中和物MM1Nに代え
て、高分子乳化剤PS1N(高分子乳化剤PS1中和物
の40%水溶液)を用いた以外は実施例1と同様の手順
により、水性樹脂分散体W7を得た。W7を、表1の処
方で塗料化し、塗料P7を得た。
【0044】
【表1】
【0045】(3)塗料の評価 密着性評価 塗料P1〜P7を鋼板(JIS K5410記載 SP
CC1507008、JIS K5400記載の方法で
前処理)に100g/m2塗布し、室温で7日間静置して
形成させた被膜について、密着性試験をおこなった。被
膜に2mm間隔で碁盤目状に25個の桝目をカッターで
入れ、粘着テープ(ニチバン製のセロテープ)を圧着し
た後、一気に引き剥がして残存する被膜の面積百分率を
求め、以下の3段階で評価した。結果を表2に示した。 ○:80%以上の皮膜が残存 △:50以上80%未満の皮膜が残存 ×:50%未満の皮膜が残存
【0046】水浸漬試験 塗料P1〜P7を鋼板(JIS K5410記載 SP
CC1507008、JIS K5400記載の方法で
前処理)に100g/m2塗布し、室温で7日間静置して
形成させた被膜について、塗膜表面にナイフにより鋼板
表面まで達する切れ込みを入れ試験片を作成した。試験
片を室温で水に120時間浸漬し、防錆性の試験を行っ
た。評価は、浸漬後の塗膜表面への錆の発生、および塗
膜の膨れにより評価した。錆の発生は4段階、塗膜の膨
れは3段階で評価した。結果を表2に示した。 錆の発生(ナイフの切れ込みからの錆の広がり巾) ◎:錆の広がりが、ナイフの切れ込みから2mm以内 ○:錆の広がりが、ナイフの切れ込みから2mm以上1
0mm以内 △:塗膜の半分以上に錆が広がった。 ×:塗膜全面に錆が広がった。 塗膜の膨れ ○:塗膜に膨れが生じなかった。 △:塗膜に膨れは生じたが、面積は全体の20%未満で
あった。 ×:塗膜全面、または塗膜面積の20%以上に膨れが生
じた。
【0047】塩水噴霧試験 塗料P1〜P7を鋼板(JIS K5410記載 SP
CC1507008、JIS K5400記載の方法で
前処理)に100g/m2塗布し、室温で7日間静置して
形成させた被膜について、塗膜表面にナイフにより鋼板
表面まで達する切れ込みを入れ試験片を作成した。試験
片の塩水噴霧試験をJISZ2371記載の条件で実施
した。120時間後、上記と同様に防錆性の評価をお
こなった結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】比較例1の塗料は、本発明のマクロモノマ
ーに替えて通常の乳化剤を使用して得られたものであ
り、密着性、耐水性、防錆性が劣るものであった。比較
例2の塗料は、本発明のマクロモノマーに替えて、末端
にエチレン性不飽和結合を有していない、すなわちマク
ロモノマーとは異なる高分子乳化剤を使用して得られた
ものであり耐水性、防錆性が劣るものであった。
【0050】
【発明の効果】構造物、建築物の内外壁、自動車、家電
製品などに使用される金属の防錆用として好適に使用で
きる塗料組成物が得られた。本発明の塗料用組成物は特
に防錆性が優れるために金属基材用塗料組成物として有
用であり、防錆塗料として機能する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性官能基を有し、末端にエチレン性不
    飽和結合を有するマクロモノマーの存在下、水性媒体中
    でビニル単量体を乳化重合させて得られる水性樹脂分散
    体を含有する塗料組成物。
  2. 【請求項2】 水性樹脂分散体の固形分100質量部当
    りのマクロモノマーの使用量が0.5〜50質量部であ
    る請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水性樹脂分散体の固形分の酸性官能基濃
    度が0.01〜5meq/gである請求項1または2に
    記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 ビニル単量体のうちの1〜30質量%が
    リン原子を有するものである請求項1〜3のいずれかに
    記載の塗料組成物。
JP2001000998A 2001-01-09 2001-01-09 塗料組成物 Pending JP2002201406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001000998A JP2002201406A (ja) 2001-01-09 2001-01-09 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001000998A JP2002201406A (ja) 2001-01-09 2001-01-09 塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002201406A true JP2002201406A (ja) 2002-07-19

Family

ID=18869685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001000998A Pending JP2002201406A (ja) 2001-01-09 2001-01-09 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002201406A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9481753B2 (en) 2012-09-28 2016-11-01 Rohm And Haas Company Aqueous polymer grafted latex

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9481753B2 (en) 2012-09-28 2016-11-01 Rohm And Haas Company Aqueous polymer grafted latex

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0157928B1 (en) Aqueous dispersion of vinyl copolymer resin
CA2071401C (en) Graft copolymers prepared by two-staged aqueous emulsion polymerization
US9139677B2 (en) Composite polymer emulsion
JPS59537B2 (ja) 部分的架橋のラテックスを含有する混成,水性エナメル
JPH05117344A (ja) コアシエルエマルジヨン及びそれを使用した水性プレスニス
JP3644432B2 (ja) 水性樹脂分散体の製造方法
JP2000026514A (ja) 水性ポリマ―分散液、サビ止め塗料及び塗布された基質
JPH0674369B2 (ja) ビニル共重合体樹脂水分散液の製法
JP2002201406A (ja) 塗料組成物
JP3498433B2 (ja) 水性樹脂分散体の製造方法
JPH11199825A (ja) 水性シーラー組成物
JP4062881B2 (ja) 水性艶出し剤組成物
WO2003000759A1 (fr) Dispersion de resine aqueuse, son procede de production et son utilisation
JP4094119B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH0140846B2 (ja)
JPS63162768A (ja) 被覆用組成物
JP3295484B2 (ja) 水性被覆組成物
JP2003327774A (ja) 水性重合体組成物
JPH0445102A (ja) 乳化重合体の製造方法及びその製造方法で得られる乳化重合体
JPH05154369A (ja) 高分子乳化剤
JP2003147216A (ja) 共重合体樹脂の水性分散液組成物、水性コーティング材、および乾燥塗膜
JP4829428B2 (ja) 水性金属含有樹脂組成物の製造方法および被膜樹脂
JP2004107518A (ja) 建材用エマルション塗料
JP2002205920A (ja) 水系美爪料組成物
JP2000109747A (ja) シリコン含有水性コーティング剤組成物の製造法