JP2002205920A - 水系美爪料組成物 - Google Patents

水系美爪料組成物

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JP2002205920A
JP2002205920A JP2001001046A JP2001001046A JP2002205920A JP 2002205920 A JP2002205920 A JP 2002205920A JP 2001001046 A JP2001001046 A JP 2001001046A JP 2001001046 A JP2001001046 A JP 2001001046A JP 2002205920 A JP2002205920 A JP 2002205920A
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acidic functional
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JP2001001046A
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Akiyoshi Koketsu
明美 纐纈
Hiroshi Iesako
博 家迫
Hiroaki Ishii
宏明 石井
Kotaro Yoneda
耕太郎 米田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐久性、光沢、耐水性及び塗布性に
優れた塗膜を与える水系美爪料を提供しする。 【解決手段】 酸性官能基濃度が1〜10meq/gで
あり、末端にエチレン性不飽和結合を有するマクロモノ
マーの存在下、水性媒体中でビニル単量体を乳化重合さ
せて得られる水性樹脂分散体を含有する水系美爪料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系美爪料に関し、
更に詳細には、密着性、耐久性、光沢、耐水性および塗
布性に優れるとともに、引火性や溶剤臭が無い水系美爪
料に関する。なお、本発明における美爪料とは、ネイル
エナメル、ネイルエナメルベースコートおよびネイルエ
ナメルオーバーコート等を含むものである。
【0002】
【従来の技術】従来の美爪料は、皮膜形成剤としてのニ
トロセルロース、アルキッド樹脂等の樹脂、可塑剤、有
機溶剤を主基材としたものがその主流を占めている。し
かしながらこれらの有機溶剤系美爪料は、皮膜形成剤と
しての諸性能は優れているものの、有機溶剤による引火
性、溶剤臭、人体への影響、特に爪や皮膚の生理機能を
低下させる等の重大な欠点を有している。これらの欠点
を解決するために、有機溶剤の代わりに水を主たる媒体
とする水系美爪料の開発が行われている。例えば、特開
昭54−28836号公報、特開昭54−52736号
公報、特開昭56−131513号公報、特開昭57−
56410号公報にはアクリル系ポリマーエマルション
からなる美爪料が開示されているが、艶、成膜性、耐水
性、密着性等において未だ満足のいくものではない。
【0003】塗膜性能を向上させる目的で、特開平4−
103513号公報、特開平6−298624号公報、
特開平7−69833号公報、特開平11−20924
4にはポリマーエマルションのガラス転移温度、分子
量、成膜温度等の異なる2種以上のポリマーエマルショ
ンを組み合わせて使用する方法が提案されているが、塗
膜の白化、塗膜強度の低下等の問題が生じる場合があ
る。特開平3−133916号公報、特開平4−297
408号公報には、多層構造を有する水性複合ポリマー
エマルションからなる美爪料が開示されている。塗膜物
性の改善が可能であるが充分ではない。
【0004】特開平6−80537号公報、特開平7−
69834号公報には、ビニル単量体を可塑剤や成膜助
剤の存在下に重合してなるポリマーエマルションを含有
する美爪料が開示されている。また、特開平9−715
11号公報には、水に不溶でかつアルカリ水に溶解する
樹脂(アルカリソルブルレジン)とポリマーエマルショ
ンとからなる美爪料が開示されている。しかしこれらの
美爪料は、成膜された塗膜に残存する可塑剤やアルカリ
ソルブルレジンが経時的にブリードアウトし、塗膜の密
着性を低下させたり、耐水性やその他の塗膜物性を低下
させる場合があるため使用が制限される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、密着
性、耐久性、光沢、耐水性及び塗布性に優れた塗膜を与
える水系美爪料を提供しようとするものである。美爪料
とは爪に塗布される塗布液を意味する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明の水系美爪料組成物は、酸性
官能基濃度が1〜10meq/gであり、末端にエチレ
ン性不飽和結合を有するマクロモノマーの存在下、水性
媒体中でビニル単量体を乳化重合させて得られる水性樹
脂分散体を含有するものである。
【0007】請求項2に記載の発明の水系美爪料組成物
は、請求項1に記載の発明において、水性樹脂分散体の
固形分100質量部当りのマクロモノマーの使用量が
0.5〜50質量部であるものである。
【0008】請求項3に記載の発明の水系美爪料組成物
は、請求項1または2に記載の発明において、水性樹脂
分散体の固形分の酸性官能基濃度が0.01〜5meq
/gであるものである。請求項4に記載の発明の水系美
爪料組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に
おいて、マクロモノマーが、酸性官能基を有する単量体
の少なくとも1種と疎水性単量体の少なくとも1種から
なる単量体混合物を、反応温度180〜350℃でラジ
カル重合させて得られるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本明細書において「(メタ)アクリ
ル」とは「アクリルまたはメタクリル」を意味する。ま
た、固形分とは、150℃の熱風乾燥機にて30分間揮
発成分を除去した後に残る成分のことを意味する。
【0010】本発明の水系美爪料組成物は、酸性官能基
濃度が1〜10meq/gであり、末端にエチレン性不
飽和結合を有するマクロモノマーの存在下に、水性媒体
中でビニル単量体を乳化重合させて得られる水性樹脂分
散体を含有するものである。マクロモノマーは、ビニル
単量体を乳化重合させるときに乳化剤として働くととも
に、ビニル単量体と共重合されて水性樹脂分散体を形成
し、これを含有する水系美爪料組成物は爪への優れた密
着性、耐水性、塗布性を付与するものである。
【0011】マクロモノマーは、酸性官能基濃度(以
下、酸価ともいう。)が1〜10meq/gであるもの
である。すなわちその1gが有する酸性官能基の量が1
〜10ミリグラム当量のものである。マクロモノマーの
好ましい酸性官能基濃度は1.3〜8meq/gであ
り、より好ましい酸性官能基濃度は1.5〜7meq/
gである。酸性官能基濃度が小さすぎても大きすぎても
ビニル単量体を乳化重合させるときの安定性が損なわれ
る。
【0012】マクロモノマーは末端にエチレン性不飽和
結合を有するものである。末端にエチレン性不飽和結合
を有するマクロモノマーは公知の方法により製造するこ
とができる(特開平11−181021号公報、国際公
開特許公報WO99/07755)。
【0013】マクロモノマーは、例えば国際公開特許公
報WO99/07755に記載の方法を使用する場合
は、酸性官能基を有する単量体とその他の単量体を共重
合させることにより製造することができる。
【0014】酸性官能基を有する単量体としては、カル
ボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体などが
挙げられる。本発明において、カルボキシル基含有単量
体とは、酸無水物基のように加水分解などによりカルボ
キシル基に転化される官能基を有する単量体も包含す
る。カルボキシル基含有単量体の具体例としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アク
リロキシプロピオン酸等の不飽和一塩基酸、マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の不飽和二塩基酸、
マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物等の不
飽和酸無水物が挙げられる。スルホン酸基含有単量体の
具体例としては、アリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホス
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸などが挙げられる。美爪料を塗布して得られる被
膜が特に耐水性の優れたものとなるために、カルボキシ
ル基含有単量体が好ましく、なかでもアクリル酸はマク
ロモノマーの末端にエチレン性不飽和結合を効率的に導
入しやすいためおよび他の各種単量体と共重合反応を起
こしやすいので特に好ましい。
【0015】その他の単量体としては疎水性単量体およ
び酸性官能基を有しない親水性単量体が使用できる。疎
水性単量体とは、20℃における水への溶解度が2重量
%以下の単量体を意味し、例えば、メタクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、及
び、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等の炭素
数が1〜22のアルキル基を有するメタアクリル酸エス
テル及び、炭素数が2〜22のアクリル酸エステル、プ
ロピオン酸ビニル、及びスチレンが挙げられる。高い重
合度のマクロモノマーが得られるので、アクリル酸エス
テル類が好ましい。
【0016】酸性官能基を有しない親水性単量体として
は、アクリル酸メチル、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、酢酸ビニルが挙げられる。親水性
単量体とは、20℃における水への溶解度が2重量%よ
り大きい単量体を意味する。
【0017】これらの単量体の使用割合はマクロモノマ
ーの酸価が上記の好ましい範囲となるように決めること
が望ましいが、酸性官能基を有する単量体、疎水性単量
体および酸性官能基を有しない親水性単量体の割合がそ
れぞれ10〜75質量%、25〜90質量%および0〜
40質量%であることが好ましく、15〜60質量%、
40〜85質量%および0〜20質量%であることがよ
り好ましい。
【0018】マクロモノマーが特開平11−18102
1号公報に記載の方法で製造されたものである場合は、
酸性官能基を有する単量体は使用されないが、酸変性に
より酸性官能基を導入された単量体単位、疎水性単量体
単位および酸性官能基を有しない親水性単量体単位の割
合がそれぞれ10〜75質量%、25〜90質量%およ
び0〜40質量%であることが好ましく、15〜60質
量%、40〜85質量%および0〜20質量%であるこ
とがより好ましい。
【0019】マクロモノマーが、酸性官能基を有する単
量体の少なくとも1種と疎水性単量体の少なくとも1種
からなる単量体混合物を、反応温度180〜350℃で
ラジカル重合させて得られるものである場合は、得られ
る水性分散体が分散安定性の優れたものとなるため、及
び得られる水系美爪料が爪への密着性に優れたものとな
るために好ましいものである。
【0020】乳化重合させるビニル単量体としては、一
般的に乳化重合に供されるビニル単量体が使用され得
る。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル
酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)
アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、イソプ
レン、スチレン、アルキルスチレン、(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)ア
クリルアミド、N−アルコキシメチルアクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。
【0021】乳化重合は、マクロモノマー存在下、水性
媒体中でビニル単量体を重合させて水性樹脂分散体を得
るものである。マクロモノマーはビニル単量体と共重合
してグラフト重合体の成分となるだけでなく、乳化剤と
しても優れた機能を発揮する。
【0022】マクロモノマーは乳化重合に使用する際
に、マクロモノマーが有する酸性官能基が塩基により中
和されていることが好ましい。中和に使用できる塩基の
例としては、アンモニア、沸点が140℃以下の低沸点
アミン化合物等が挙げられる。低沸点アミンの具体例と
しては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン、t−ブタノールアミン、モルホリン、ジメチルエタ
ノールアミン等が挙げられる。
【0023】マクロモノマーが有する酸性官能基の10
0%が中和されている必要はないが、20%以上が中和
されていることが好ましく、40%以上が中和されてい
ることがより好ましく、60%以上が中和されているこ
とが更に好ましく、70%以上が中和されていることが
特に好ましい。中和率すなわち酸性官能基が中和されて
いる割合が小さすぎると、美爪料を塗布して形成される
被膜が基材への密着性の不充分なものとなる場合があ
る。中和率の上限は当然100%であるが、酸性官能基
に対して過剰の塩基が存在していてもよい。マクロモノ
マーが中和されているものである場合は、マクロモノマ
ーの乳化剤としての機能は一段と優れたものとなる。こ
の場合は該マクロモノマー以外の乳化剤(以下、通常の
乳化剤ともいう。)の使用量を低減するか、ゼロにする
ことができる。さらに通常の乳化剤のみを使用した場合
よりも水性樹脂分散体は極めて安定に乳化され、例え
ば、水性樹脂分散体に後述する成膜助剤、レベリング
剤、可塑剤、有機溶剤などの添加剤が添加されたときで
も、凝集物が生成しにくいものとすることができる。
【0024】乳化重合におけるマクロモノマーの使用量
は、得られる水性樹脂分散体の固形分100質量部当
り、0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜4
0質量部であることがより好ましく、2〜30質量部で
あることが更に好ましい。マクロモノマーの使用量が少
なすぎる場合には水性樹脂分散体の安定性が不充分とな
ったり、美爪料を塗布して得られる被膜が密着性の不足
するものとなることがある。また、マクロモノマーの使
用量が多すぎる場合には、安定な重合が困難になり、ま
た、得られる被膜が耐水性、光沢、レベリング性の不充
分なものとなることがある。
【0025】マクロモノマーが中和されていないもので
ある場合は、乳化重合は通常の乳化剤が併用されること
が一般的である。この場合通常の乳化剤の使用量は本発
明の目的に支障のない範囲に限定される。具体的には、
通常の乳化剤の使用量はマクロモノマーとビニル単量体
との合計質量に対し10質量%以下であることが好まし
く、5質量%以下であることがより好ましい。通常の乳
化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ
琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン
縮合物等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤等
が挙げられる。通常の乳化剤を多く使用しすぎると得ら
れる美爪料を塗布して形成される被膜が耐水性の悪いも
のになりやすい。なお、マクロモノマーが中和されてい
るものである場合でも、本発明の目的に支障のない範囲
で通常の乳化剤が併用されてもよい。
【0026】乳化重合は公知の方法で行うことができ
る。例えば、マクロモノマー及びビニル単量体を水性媒
体中に仕込んで重合させる方法、マクロモノマー及びビ
ニル単量体を連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して
重合させる方法、マクロモノマー及びビニル単量体に水
を加えてモノマーエマルションを調整してこれを連続的
又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法等が
挙げられる。
【0027】公知のラジカル重合開始剤が乳化重合反応
に使用される。重合開始剤は水溶性重合開始剤、及び油
溶性重合開始剤の何れも使用できる。例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系化合物、過硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
無機過酸化物、これらの過酸化物と亜硫酸塩、アスコル
ビン酸、エリソルビン酸塩等の還元剤とからなるレドッ
クス系重合開始剤等が挙げられる。重合開始剤の添加方
法についても特に限定はなく、重合開始時に一括添加す
る方法、逐次添加する方法、単量体混合物に重合開始剤
を溶解させて滴下する方法等が利用できる。また、これ
らの方法を2種類以上併用しても良い。重合開始剤の使
用量は、マクロモノマーとビニル単量体との合計質量に
対し、0.01〜5質量%とすることが好ましく、特に
0.1〜3質量%が好ましい。
【0028】必要に応じて、連鎖移動剤としての各種メ
ルカプタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルキ
ル等を用いることができる。連鎖移動剤の使用量はマク
ロモノマーとビニル単量体との合計質量に対して0.0
1〜10質量%程度、好ましくは0.05〜3質量%程
度とすれば良い。
【0029】重合反応の温度は20〜95℃が好まし
く、特に40〜90℃が好ましい。重合時間は1〜10
時間が好ましい。
【0030】乳化重合は、マクロモノマー以外の酸性官
能基を有するビニル重合体(以下、単に酸性官能基含有
ビニル重合体ともいう。)の共存する状態で行われても
よい。
【0031】上記の乳化重合により得られる水性樹脂分
散体は、水系美爪料組成物の主成分となるものである。
水性樹脂分散体は、その固形分の酸性官能基濃度が0.
01〜5meq/gであることが好ましく、0.05〜
4.5meq/gであることがより好ましく、0.1〜
4meq/gであることがさらに好ましい。本明細書に
おいて、酸性官能基濃度とは中和されている酸性官能基
および中和されていない酸性官能基の合計の濃度を意味
する。
【0032】酸性官能基濃度が小さすぎると水系美爪料
組成物が不安定なものとなったり美爪料を塗布して得ら
れる被膜が密着性の不充分なものとなる場合があり、大
きすぎると耐水性の不充分なものとなる場合がある。
【0033】本発明の水系美爪料組成物は、上記の水性
樹脂分散体を含有するものである。水系美爪料組成物1
00質量部中の水性樹脂分散体の固形分の量は5〜60
質量部であるものが好ましい。水性樹脂分散体の量が少
なすぎると、塗膜が薄く充分な光沢が得られず、多すぎ
ると塗膜が厚くなり、均一な膜とならないばかりか、乾
燥性が遅く、乾燥するまでに塗膜に皺がよるなど好まし
い結果は得られない。
【0034】本発明の水系美爪料組成物は、成膜助剤が
添加されたものであってもよい。成膜助剤とは、美爪料
を塗布したときの被膜の形成をしやすくする添加剤であ
り、沸点が100℃以上の有機溶剤や通常可塑剤と称さ
れているものを含む。成膜助剤の具体例としては、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル
等の芳香族二塩基酸のジアルキルエステル類、コハク酸
ジブチル、コハク酸ジオクチル等の脂肪族ジアルキルエ
ステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のセロソルブ類、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテル等のプロピレングリコールエーテル類、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のカルビトール類、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテル等のジプロピレングリコールエーテル類、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル等のトリグリコールエー
テル類、エチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボ
ネート等のカーボネート類、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート等のアセテート類、ヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等のア
ルコール類、へキシレングリコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のジオール類等が挙げられ
る。
【0035】成膜助剤の添加量は成膜温度、貯蔵安定性
及び塗膜の耐水性、耐久性などの点で水性樹脂分散体の
固形分100質量部に対して1〜50質量部が好まし
く、3〜30質量部が更に好ましい。
【0036】本発明の水系美爪料組成物は、本発明の効
果を損なわない範囲で、他に美爪料成分として一般に使
用されている成分、例えば油分、保湿剤、紫外線吸収
剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、染料、
顔料、香料、沸点が100℃未満の有機溶剤等が適宜配
合されたものであってもよい
【0037】顔料としては、R−221、R−226、
B−404、Y−401等の有機顔料、及び二酸化チタ
ン、褐色酸化鉄、ベンガラ、雲母チタン、オキシ塩化ビ
スマス等の無機顔料を使用することができる.
【0038】これらの顔料が添加される場合は、分散剤
が併用されることが一般的であり、その分散剤として
は、石けん、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリ
スチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル燐酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐
酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐
酸、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル燐酸、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル燐酸、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸
ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、大豆リ
ン脂質等のアニオン界面活性剤;塩化ステアリルトリメ
チルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニ
ウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩
化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化セチ
ルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化
ドミフェン等のカチオン界面活性剤;β−ラウリルアミ
ノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオ
ン性界面活性剤;自己乳化型モノステアリン酸グリセリ
ン、親油型モノステアリン酸グリセリン、親油型モノオ
レイン酸グリセライド、モノステアリン酸エチレングリ
コール、モノステアリン酸プロピレングリコル、ジオレ
イン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタ
ン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソ
ルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン
酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ショ糖脂肪
酸エステル、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、ラ
ウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノー
ルアミド、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モ
ノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン
酸ポリエチレングリコール、乳酸ミリスチル、乳酸セチ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンステアリン酸アミド、モノステアリン酸ポリオキシエ
チレングリセリン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン
ソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビ
タン(オキシエチレンの繰り返し数の平均が20のもの
(以下、20EOという。))、モノパルミチン酸ポリ
オキシエチレンソルビタン(20EO)、モノステアリ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン(オキシエチレンの
繰り返し数の平均が6のもの)、モノステアリン酸ポリ
オキシエチレンソルビタン(20EO)、ヘキサステア
リン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノオレイン酸
ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、卜リオレ
イン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、テ
トラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオ
キシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレン
ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキ
シエチレンラノリン等のノニオン界面括性剤等が挙げら
れる。
【0039】さらに増粘剤としては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンオキシド、メチルセルロース、、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース等の
有機系増粘剤や、無機系のベントナイト系増粘剤、モン
モリロナイト、ソーユナイト、ハイデライト、ヘクトラ
イト、サポナイト等の増粘剤、べ一マイト等の含水酸化
物等が使用できる。
【0040】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。以下の記載において「部」は質量部を意味し、
「%」は質量%を意味する。
【0041】(合成例1)マクロモノマーA及びその中
和水溶液[A−1]の製造 電熱式ヒーターを備えた容量300mlの加圧式攪拌槽
型反応器を、3−エトキシプロピオン酸エチルで満たし
た。反応器内温度は250℃に設定した。反応器圧力は
圧力調節器を使用して3−エトキシプロピオン酸エチル
の蒸気圧以上に設定した。シクロヘキシルアクリレート
(以下、CHAという。)75部、アクリル酸(以下、
AAという。)25部及びジ−t−ブチルパーオキサイ
ド0.08部を秤量し、単量体混合液を調製し、それを
原料タンクに貯蔵した。反応器内の圧力を一定に保ちな
がら、単量体混合液を原料タンクから反応器に連続的に
供給した。このとき、単量体混合液の反応器内での滞留
時間が12分となるように供給速度を設定した。単量体
混合液の供給量に相当する反応液を反応器の出口から連
続的に抜き出した。単量体混合液の連続供給中、反応器
内温度を248〜250℃に維持した。供給開始から9
0分後、反応器の出口から反応液の採取を開始した。薄
膜蒸発器を用いて反応液中の未反応モノマーを除去し、
マクロモノマーAを得た。
【0042】中和滴定により求めたマクロモノマーAの
酸価すなわち酸性官能基濃度は3.08meq/gであ
った。テトラヒドロフラン溶媒を用いたゲル浸透クロマ
トグラフ(以下、GPCという。)によりマクロモノマ
ーAの平均分子量を測定した。ポリスチレン換算で、マ
クロモノマーAの数平均分子量(以下、Mnという。)
は1790であり、重量平均分子量(以下、Mwとい
う。)は4320であった。1H−NMRにより、マク
ロモノマーAの末端エチレン性不飽和結合の導入率を測
定したところ、分子の83%が末端にエチレン性不飽和
結合を有していた。マクロモノマーAが有している酸性
官能基と等量のアンモニアを含むアンモニア水を添加す
ることによりマクロモノマーAの100%中和水溶液
[A−1](固形分40%)を得た。
【0043】(合成例2)マクロモノマーB及びその中
和水溶液[B−1]の製造 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管
を備えた反応容器に酢酸ブチル105部を仕込み、温度
を90℃に維持しながらアゾビスイソブチロニトリル
(以下、AIBNという。)1.0部と3−メルカプト
プロピオン酸2.0部を添加し、窒素気流下に、メチル
メタクリレート(以下、MMAという。)70部、ヒド
ロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAとい
う。)30部を滴下してラジカル重合させた。得られた
末端にカルボキシル基を有する重合体の溶液に、テトラ
ブチルホスニウムブロマイド1部、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル0.1部、グリシジルメタクリレート
2.7部を加えて、90℃で6時間反応させることによ
り、末端にエチレン性不飽和結合を導入した。
【0044】次いでこの溶液に無水コハク酸20部およ
び酢酸ブチル80部を加え90℃で6時間反応させて酸
性官能基を導入し、マクロモノマーBを得た。マクロモ
ノマーBの酸価は1.67meq/gであった。マクロ
モノマーBの分子量をGPCにより測定したところ、M
nは3600、Mwは8000であった。1H−NMR
により、マクロモノマーBの末端二重結合の導入率を測
定したところ、分子の98%が末端にエチレン性不飽和
結合を有していることがわかった。マクロモノマーBが
有する酸性官能基と等量のトリエチルアミンおよびイオ
ン交換水を加えて中和し、減圧下に脱溶剤してマクロモ
ノマーBの100%中和水溶液[B−1](固形分40
%)を得た。
【0045】(合成例3)高分子乳化剤Cの製造 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えた反応
容器内にCHA75部、AA25部、ドデシルメルカプ
タン3.5部、AIBN1.5部およびメチルエチルケ
トン100部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃に4時間
加熱して重合させた。その後に、更に0.5部のAIB
Nを投入して80℃で5時間加熱し、固形分濃度50%
の共重合体のメチルエチルケトン溶液を得た。共重合体
の酸価は3.30meq/gであった。共重合体の分子
量をGPCにより測定したところ、Mnは3500、M
wは6000であった。この共重合体は末端にエチレン
性不飽和結合を有していない。得られた共重合体のメチ
ルエチルケトン溶液に、該共重合体が有する酸性官能基
と等量のアンモニアを含むアンモニア水を加えて中和
し、減圧下に脱溶剤して高分子乳化剤C(固形分40
%)を得た。
【0046】(実施例1)攪拌機、還流冷却器、2個の
滴下ロート、温度計、窒素導入管を備えた反応容器内に
イオン交換水60部を仕込み85℃に昇温した。スチレ
ン(以下、Stという。)15部、MMA65部、n−
ブチルアクリレート(以下、BAという。)20部から
なる単量体混合物に、マクロモノマー中和水溶液[A−
1]25部及びイオン交換水35部を加えて乳化させて
単量体乳化液を得た。得られた単量体乳化液および5%
過硫酸アンモニウム(以下、APSという。)水溶液1
0部をそれぞれ別の滴下ロートにより3時間かけて連続
的に反応容器内に滴下して乳化重合させた。滴下終了
後、反応容器内を85℃に1時間保った後に反応液を冷
却して重合を終了させ、水性樹脂分散体を得た。得られ
た水性樹脂分散体にイオン交換水を加え、固形分濃度を
35%に調整した後、表1に示す配合処方で水系美爪料
組成物を製造した。
【0047】水系美爪料組成物の製造は、イオン交換水
に成膜助剤を加え、これに顔料を分散させた後、水性樹
脂分散体、その他の成分を添加し、均一に混合攪拌を行
い、最後に脱気することにより行った。尚、成膜助剤の
使用量は、各実施例において水系美爪料の成膜温度がほ
ぼ一定となるように調整した。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例2)実施例1で用いたマクロモノ
マー中和水溶液[A−1]の量を75部としたこと、お
よび成膜助剤の使用量を上記のように微調整したこと以
外は、実施例1と同様の操作を行い水系美爪料組成物を
得た。
【0050】(実施例3)実施例1で用いたマクロモノ
マー中和水溶液[A−1]の代わりに、マクロモノマー
中和水溶液[B−1]を用いたこと、および成膜助剤の
使用量を上記のように微調整したこと以外は、実施例1
と同様の操作を行い水系美爪料組成物を得た。
【0051】(実施例4)実施例1と同様な装置を用
い、反応器内にイオン交換水60部及びラウリル硫酸ソ
ーダ0.5部を仕込み85℃に昇温した。St15部、
MMA65部、BA20部及びマクロモノマーA10部
からなる単量体混合物にラウリル硫酸ソーダ0.5部及
びイオン交換水40部を混合して乳化させた。得られた
単量体乳化液および5%APS水溶液10部を、それぞ
れ別の滴下ロートより3時間かけて連続的に反応容器内
に滴下して乳化重合させた。滴下終了後、反応容器内を
85℃に1時間保った後に系を冷却して重合を終了させ
た。更に、成膜助剤の使用量を上記のように微調整した
こと以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性樹脂分
散体を経て水系美爪料組成物を得た。
【0052】(実施例5)実施例1と同様な装置を用
い、反応器内にイオン交換水60部及びラウリル硫酸ソ
ーダ0.5部を仕込み85℃に昇温した。St5部、M
MA40部、BA20部、メタクリル酸20部からなる
単量体混合物に、ラウリル硫酸ソーダ0.5部及びイオ
ン交換水35部を加えて乳化させた。得られた単量体混
合物及び5%APS水溶液8部をそれぞれ別の滴下ロー
トより2時間かけて連続的に反応容器内に滴下して乳化
重合させた。滴下終了後、反応容器内を85℃に30分
間保った。続けて、St10部、マクロモノマー中和水
溶液[A−1]25部及びイオン交換水10部を混合し
て乳化させた。得られた単量体乳化液及び5%APS水
溶液2部を、それぞれ別の滴下ロートより30分かけて
連続的に反応機内に滴下して乳化重合させた。滴下終了
1時間後に系を冷却して重合を終了させた。更に、成膜
助剤の使用量を上記のように微調整したこと以外は、実
施例1と同様の操作を行い、水系美爪料組成物を得た。
【0053】(比較例1)実施例1で用いたマクロモノ
マー水溶液[A−1]の代わりにラウリル硫酸ソーダ5
部を用いたこと、および成膜助剤の使用量を上記のよう
に微調整したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、
水系美爪料組成物を得た。
【0054】(比較例2)実施例1で用いたマクロモノ
マー中和水溶液[A−1]の代わりに高分子乳化剤Cを
25部用いたこと、および成膜助剤の使用量を上記のよ
うに微調整したこと以外は実施例1と同様の操作を行
い、水系美爪料組成物料を得た。
【0055】(比較例3)比較例1で得られた水性樹脂
分散体にマクロモノマー水溶液[A−1]を25部加え
て混合攪拌したのち、成膜助剤の使用量を上記のように
微調整したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、水
系美爪料組成物を得た。
【0056】得られた水系美爪料組成物を用いて以下
(1)〜(7)に示される塗布性、乾燥性、光沢、触
感、密着性、硬度、耐水性について評価を行った。評価
結果を表2に示す。
【0057】(1)塗布性:各試料を5名のパネラーの
指爪にネイルエナメル筆を用いて通常使用する厚さで塗
布し、爪への塗り易さについて下記評価基準で評価を行
った。 ○:良好(きれいに滑らかに塗れる) △:やや不良(やや塗り難い) ×:不良(非常に塗り難い) (2)乾燥性:温度23℃、湿度65%の条件下で爪に
試料をネイルエナメル筆にて塗布し、指触により乾燥時
間を測定し、下記評価基準で評価を行った。 ○:乾燥時間が3分未満 △:乾燥時間が3分以上6分未満 ×:乾燥時間が6分以上 (3)光沢:各試料を5名のパネラーの指爪にネイルエ
ナメル筆を用いて通常使用する厚さで塗布し、30分乾
燥させた後、肉眼観察で光沢を評価し、従来から用いら
れている有機溶剤型の市販マニキュア塗膜を対比試料と
して、下記評価基準で評価を行った。 ○:光沢が市販マニキュア塗膜と同等の水準である。 △:光沢が市販マニキュア塗膜よりもやや劣る。 ×:光沢が市販マニキュア塗膜より大きく劣る。 (4)触感:各試料を5名のパネラーの指爪にネイルエ
ナメル筆を用いて通常使用する厚さで塗布し、1時間乾
燥させた後、爪を他の指の腹で軽く触り、その触感を下
記評価基準で評価した。 ○:市販マニキュア塗膜と同じつるつるした感じがし
た。 △:市販マニキュア塗膜に比べてやや引っかかる感じが
した。 ×:べたべたした感じがした。 (5)密着性:各試料をナイロン板上にネイルエナメル
筆を用いて通常使用する厚さで塗布し、30分乾燥させ
た後、ミクロスパチュラを用いて乾燥塗膜をナイロン板
表面より削り取り、密着性を下記評価基準で評価した。 ○:乾燥塗膜に傷は付くがはがれない。 △:乾燥塗膜に傷が付き、傷のまわりがわずかに剥がれ
る。 ×:乾燥塗膜に傷が付き、傷のまわりが大きく剥がれ
る。 (6)硬度:各試料をナイロン板上にネイルエナメル筆
を用いて通常使用する厚さで塗布し、1時間乾燥させた
後、JIS K−5400鉛筆引っかき試験法に準じて
測定した。 (7)耐水性:各試料をナイロン板上にネイルエナメル
筆を用いて通常使用する厚さで塗布し、1時間乾燥させ
た後、40℃の水に1時間浸漬して塗膜の劣化の有無
(白化、膨潤、軟化、剥がれ等)を下記評価基準で評価
した。 ○:白化、膨潤、軟化、剥がれは認められない。 △:白化、膨潤、軟化は認められるが、剥がれは起こら
ない。 ×:白化、膨潤、軟化、剥がれが起こる。
【0058】
【表2】
【0059】比較例1は本発明のマクロモノマー中和物
に替えて、汎用の乳化剤であるラウリル硫酸ソーダを使
用したものであり、密着性及び耐水性が悪かった。比較
例2は本発明のマクロモノマー中和物に替えて、末端に
二重結合を有していない高分子乳化剤を使用したもので
あり、耐水性及び触感が悪かった。比較例3は比較例1
の水性樹脂分散体にマクロモノマー中和物を混合したも
のであり、耐水性、触感、光沢、硬度及び塗布性が悪か
った。実施例3はマクロモノマーが、酸性官能基を有す
る単量体の少なくとも1種と疎水性単量体の少なくとも
1種からなる単量体混合物を、反応温度180〜350
℃でラジカル重合させて得られるものではなく、密着
性、触感が若干悪かったが、概ね良好な性能を示した。
実施例4は中和されていないマクロモノマーを使用した
ものであり、密着性、塗布性が若干悪かったが、概ね良
好な性能を示した。
【0060】
【発明の効果】密着性、耐久性、光沢、耐水性、塗布性
等に優れ、しかも引火性、溶剤臭がない等の長所も備え
た水系美爪料組成物が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 耕太郎 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4C083 AC182 AC372 AC492 AC882 AD022 AD092 AD262 BB60 CC28 DD27 DD39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性官能基濃度が1〜10meq/gで
    あり、末端にエチレン性不飽和結合を有するマクロモノ
    マーの存在下、水性媒体中でビニル単量体を乳化重合さ
    せて得られる水性樹脂分散体を含有する水系美爪料組成
    物。
  2. 【請求項2】 水性樹脂分散体の固形分100質量部当
    りのマクロモノマーの使用量が0.5〜50質量部であ
    る請求項1に記載の水系美爪料組成物。
  3. 【請求項3】 水性樹脂分散体の固形分の酸性官能基濃
    度が0.01〜5meq/gである請求項1または2に
    記載の水系美爪料組成物。
  4. 【請求項4】 マクロモノマーが、酸性官能基を有する
    単量体の少なくとも1種と疎水性単量体の少なくとも1
    種からなる単量体混合物を、180〜350℃の温度で
    ラジカル重合させて得られるものである請求項1〜3の
    いずれかに記載の水系美爪料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9481753B2 (en) 2012-09-28 2016-11-01 Rohm And Haas Company Aqueous polymer grafted latex

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