JP3515224B2 - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP3515224B2
JP3515224B2 JP15334095A JP15334095A JP3515224B2 JP 3515224 B2 JP3515224 B2 JP 3515224B2 JP 15334095 A JP15334095 A JP 15334095A JP 15334095 A JP15334095 A JP 15334095A JP 3515224 B2 JP3515224 B2 JP 3515224B2
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和代 渡部
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Kao Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧料に関し、詳しくは
皮膜形成性に優れ高強度皮膜が形成可能なキトサン系高
分子水分散体を含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
化粧料には種々の皮膜形成性高分子化合物が用いられて
いる。このような化粧料としては、スキンケア化粧料で
はピールオフタイプのパック剤、メイクアップ化粧料で
はマスカラ、アイライナー、ネイルエナメル等が挙げら
れる。ピールオフタイプのパック剤とは、顔面に皮膜形
成性高分子化合物を含むパック剤を塗布し、乾燥により
皮膜を形成させ、これを剥離させるものである。目的と
しては、毛穴の汚れの除去、皮膚をしっとりさせる、き
めをそろえる等が挙げられる。このようなピールオフタ
イプのパック剤の皮膜形成剤としては、一般的には、部
分ケン化型のポリビニルアルコール(PVA)が用いら
れる。しかしPVAを用いた場合、パック剤はクリーム
などに比べ伸ばしにくく、塗布時にべたつきを感じてし
まう。また、皮膚に塗布後、乾燥して剥がせる皮膜を形
成させるのにかなり長い時間が必要である。PVAの配
合量を増加させるとある程度乾燥時間は短くなるが、前
述した伸びが更に悪くなり、またべたつき感が強くなっ
たりする。また、PVAの溶解度を考えるとその配合量
にはおのずと限界がある。一方、PVAの配合量を減少
させると伸びは良くなるが、乾燥後の皮膜は弱くなり乾
燥時間も長くなってしまう。これらの欠点を克服すべく
高分子水分散体を用いたパック剤も考案されているが、
PVAに比べ乾燥後の皮膜強度が低下し、一枚膜として
きれいに剥がせないのが現状である。
【0003】また、メイクアップ化粧料の分野では、マ
スカラ等に水溶性高分子または高分子水分散体が用いら
れている。PVAなどの水溶性高分子を用いると皮膜強
度が高いためセット力には優れているが、水に弱いため
化粧もち等において十分ではない。高分子水分散体を用
いた場合は皮膜強度が低くセット力が十分ではない。
【0004】従って、本発明の目的は、室温で高強度皮
膜を形成させることができ、塗布性・乾燥性・剥離性に
優れ、セット力・化粧もち等が良好で、塗布乾燥後の感
触が良好な化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、キトサンを高濃度で
含有し且つ水中での分散安定性に優れる高分子水分散体
を化粧料に配合することにより、室温で高強度皮膜を形
成させることができ、塗布性・乾燥性・剥離性に優れ、
セット力・化粧もち等が良好で、塗布乾燥後の感触が良
好な化粧料が得られることを見い出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、平均粒径が1μm 以下であり、キ
トサンが粒子表面または粒子表面及び内部に存在してい
る高分子水分散体を含有することを特徴とする化粧料を
提供するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるキトサンとは、(1,4) −2−アセトアミド−
2−デオキシ−β−D−グルカン構造を有するキチンの
脱アセチル化物であり、(1,4) −2−アミノ−2−デオ
キシ−β−D−グルカン構造を有するものである。一般
に、天然に存在するキチンはアセトアミド基の一部がア
ミノ基となっているため、本発明で用いられるキトサン
とは脱アセチル化度が30%以上のものを指す。また、本
発明においては、キトサンのアミノ基や水酸基の一部が
アシル化、エステル化、エーテル化、その他の反応によ
って修飾されたキトサン誘導体も含むものである。本発
明においてキトサンの分子量は特に限定されないが、1
万〜100 万程度のものを使用するのが好ましい。
【0007】本発明の高分子水分散体における高分子化
合物としては、特に制限はないが、アクリル系、ウレタ
ン系、エステル系等の高分子化合物が挙げられ、その中
ではアクリル系高分子化合物が好ましい。また、本発明
の高分子水分散体としては、酸官能基を有するラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体および非重合性の酸
を用いてアミノ基の全部または一部を中和したキトサン
の存在下、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体
を水中で重合することにより得られた水分散体が特に好
ましい。
【0008】本発明に用いられる酸官能基を有するラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタ
コン酸等の不飽和カルボン酸モノマー;スチレンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステ
ル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステ
ル、ビニルスルホン酸等の不飽和スルホン酸モノマー;
ビニルホスフェート、ビス((メタ)アクリロイロキシ
エチル)ホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アク
リロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−
(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチ
ル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェー
ト、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチル
ホスフェート等の不飽和リン酸モノマー等が挙げられ、
これらは単独使用だけでなく2種以上を併用することも
可能である。また、これらの中では水中での重合性、特
に他のエチレン性不飽和単量体との共重合性に優れた不
飽和カルボン酸モノマーが好ましく、その中でも特にア
クリル酸またはメタクリル酸が好ましい。酸官能基を有
するラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体の使用
量は、キトサンのアミノ基当たりに換算して 0.1〜10倍
mol の範囲内であり、小粒径且つ低粘度のものを得るた
めには0.5〜5倍molであることが好ましい。
【0009】本発明において使用される非重合性の酸と
しては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、乳酸、酒石
酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ジ
クロル酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が挙げられ、
これらは単独使用でも2種以上を併用することも可能で
ある。但し、これらの酸は、使用する酸官能基を有する
不飽和単量体と比較して酸性度が低いものを選択する方
がより好ましい。これらの非重合性の酸の使用量は、キ
トサンのアミノ基当たりに換算して0.05〜5倍mol の範
囲内であるが、得られる高分子水分散体の安定性を考慮
した場合、 0.1〜2倍mol の範囲であることが好まし
い。酸官能基を有するラジカル重合可能なエチレン性不
飽和単量体および非重合性の酸の合計使用量は、キトサ
ンを水に溶解させることができれば特に制限はない。
【0010】また、本発明において、アミノ基の全部ま
たは一部を中和したキトサンの存在下に重合させるラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、上記
の酸官能基を有するラジカル重合可能なエチレン性不飽
和単量体単独でもよく、あるいは酸官能基を有するラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和単量体以外の単量体、
例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフ
ィン;塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリ
ド、ビニリデンフルオライド等のハロゲン化オレフィ
ン;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ
ーサチック酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸或
いはメタクリル酸のエステルである(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコー
ル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの4級化物、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエ
チルおよびこれらの4級化物;アクリルアミド、メタク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イ
ソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル
(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリル
アミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、
N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの4級塩
等のアクリルアミドまたはメタクリルアミド系モノマ
ー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マー;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエ
ン系モノマー;その他、N−ビニルピロリドン等を併用
することもできる。
【0011】また、本発明においては、多官能性単量体
を用いても良く、多官能性単量体としては、ジビニルベ
ンゼン、テトラアリロキシエタン、N,N−メチレンビ
ス−アクリルアミド、1,3 −ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,5 −ペンタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6 −ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、N,N−m−フ
ェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、トリア
リルシアヌレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単
独使用だけでなく2種以上を併用することも可能であ
る。また、反応性基を有する化合物で、エチレン性不飽
和単量体と反応し得る化合物であれば、連鎖移動剤、停
止剤等を共存させることも可能である。
【0012】また本発明に使用される重合開始剤として
は、水溶性或いは油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化
物、アゾビス化合物等が一般的に使用される。例えば、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等
の過酸化物:2,2'−アゾビス−2−アミノプロパン塩類
(V−50等が含まれる)、4,4'−アゾビス−4−シアノ
ペンタノン酸等のアゾ化合物が挙げられ、これらは単独
使用だけでなく2種以上を併用することも可能である。
また、必要に応じて適当な還元剤との組み合わせの上レ
ドックス開始剤として使用することも可能である。これ
らの重合開始剤は重合系に直接添加しても、重合性単量
体に溶解して添加しても良く、その使用量は全重合性単
量体の重量に対して0.05〜10重量%の範囲が適当であ
る。
【0013】本発明において、ラジカル重合可能なエチ
レン性不飽和単量体を水中で重合する際に、親水性或い
は疎水性溶剤を適宜併用することも可能であり、これら
は重合終了時に減圧留去等の操作によって除去されるも
のであっても、そのまま製品中に含有させるものであっ
ても良い。この際使用される親水性或いは疎水性溶剤と
しては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デ
カン、シクロヘキサン、パラフィン等の炭化水素類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘ
キサノール、オクタノール、ラウリルアルコール、ステ
アリルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;グリセリ
ン、1,3 −ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリオール類;セロソルブ、
メチルセロソルブ、カルビトール、エチルカルビトー
ル、ジメチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ブ
チルカルビトール、ジブチルカルビトール、セロソルブ
アセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカル
ビトールアセテート;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;
その他ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン等が挙げられる。これらは単独使用でも2種以上を併
用することも可能であり、その使用量は用いる溶剤の種
類によって異なるものではあるが、水に対し30重量%以
下の範囲であることが好ましい。
【0014】さらに本発明においては、重合に際し、場
合によっては界面活性剤やキトサン以外の水溶性高分子
化合物を適宜併用することも可能である。この場合用い
られる界面活性剤としては、アニオン型、ノニオン型、
カチオン型の通常の界面活性剤を使用することができ、
例えば、ドデシル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのサル
フェート塩類等のアニオン性界面活性剤;オクタデシル
トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面
活性剤;ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ソルビ
タンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノステアレート等のノニオン性界面活性剤が挙げられ
る。これらは単独使用でも2種以上を併用することも可
能であり、その使用量は水性溶媒に対し10重量%以下が
好ましい。また水溶性高分子化合物は反応液に溶解或い
はコロイド分散するものであれば特に限定されるもので
はなく、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース、プルラン、デンプン、グアーガム等のノ
ニオン性水溶性高分子化合物、これらに疎水基、カチオ
ン基、アニオン基等を導入することにより得られる誘導
体、ポリアクリル酸(ナトリウム)等のイオン性水溶性
高分子化合物、ポリ(スチレン−アクリル酸(ナトリウ
ム))共重合体等の自己乳化型高分子化合物が挙げられ
る。これらは単独使用でも2種以上を併用することも可
能であり、その使用量はキトサンの重量に対して50重量
%以下が好ましい。これらの中で水酸基を有するノニオ
ン系の水溶性高分子化合物、特にプルランまたはポリビ
ニルアルコールを用いると、他の物性を維持しつつ低粘
度化が可能となり好ましい。
【0015】本発明に用いられる高分子水分散体を製造
するに際しては、まず、キトサン、酸官能基を有するラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体および非重合
性の酸を水に溶解させてキトサン/酸官能基を有するラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体−非重合性の
酸の水溶液を調製する。次にこの水溶液に、ラジカル重
合開始剤、更に必要によりラジカル重合可能なエチレン
性不飽和単量体や、水溶性高分子化合物を加え、攪拌
下、20〜80℃の範囲の温度で 0.5〜24時間重合反応を行
うことにより、目的とするキトサンを含有する高分子水
分散体が得られる。エチレン性不飽和単量体は昇温後系
中へ滴下しても良い。この水分散体は水留去等の操作を
行うことにより濃縮することも可能である。また、濾過
或いは加熱/減圧脱水等、一般的な高分子水分散体に通
常用いられる任意の精製処理の適用も可能である。
【0016】本発明に用いられる高分子水分散体の平均
粒径は1μm 以下であるが、物性、安定性を考慮した場
合には300nm 以下であることが好ましく、さらに好まし
くは200nm 以下である。高分子水分散体の平均粒径が1
μm を超えると水中での分散安定性が低下し、また化粧
料に適用した時の皮膜強度が劣り好ましくない。
【0017】本発明の化粧料において、上記高分子水分
散体は皮膜形成剤として用いられる。すなわちパック剤
のように皮膚上で皮膜を形成させ、それを剥離すること
によって、保湿効果、汚れ除去効果、きめ改善効果等を
有する化粧料や、マスカラ、ネイルエナメルなどのよう
にメイクアップ化粧料として化粧もちを持続させるため
に高分子化合物を用いている化粧料に応用することがで
きる。本発明の化粧料中の上記高分子水分散体の配合量
としては、皮膜を形成させる任意の濃度が選択される
が、ポリマー固形分として好ましくは1〜50重量%であ
る。1重量%未満では皮膜を形成させるのに十分ではな
く、また50重量%を越える場合には、配合安定性、塗布
性などに問題があり好ましくない。
【0018】また本発明の化粧料は、上記高分子水分散
体を、化粧水、乳液、クリーム、乳化型ファンデーショ
ン等に少量添加することにより、塗布乾燥後のすべすべ
感、しっとり感が付与された化粧水、乳液、クリーム、
乳化型ファンデーション等として使用することもでき
る。本発明の化粧料には本発明の効果を損なわない範囲
内で、上記必須成分の他に、化粧料成分として一般に使
用されている油剤、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収
剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、染料、
顔料、香料等の通常化粧料に用いられる成分を適宜配合
することができる。
【0019】
【実施例】以下に、高分子水分散体の合成例及び本発明
の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、
実施例中、部及び%は特記しない限り重量基準を意味す
る。
【0020】合成例1 市販のフレーク状キトサン(SK−10;甲陽ケミカル
(株)製、脱アセチル化度85%以上、重量平均分子量1
3,000)50.0gにメタクリル酸25.0g(キトサンのアミ
ノ基に対して1.25倍mol )、コハク酸 27.75g(キトサ
ンのアミノ基に対して 1.0倍mol )を加え、さらにイオ
ン交換水を加えて1000gとした。これを室温で攪拌させ
ながらキトサンを溶解させた後、若干の不溶物を 200メ
ッシュの金網で濾過して除去することにより、キトサン
/メタクリル酸−コハク酸水溶液を調製した。還流冷却
管、温度計、攪拌翼、窒素吹き込み口を備えたガラス製
重合容器に、上の操作で得られたキトサン/メタクリル
酸−コハク酸水溶液1000g、過硫酸アンモニウム 0.3g
を仕込み、1時間窒素置換を行った後、攪拌下70℃で5
時間重合反応を行うことにより、目的とする高分子水分
散体を得た。この高分子水分散体は、光散乱法により測
定した(粒度分布測定器LA−700;HORIBA(株)
製)平均粒径は134 nmであった。また、この高分子水分
散体を室温成膜させ、23℃×60%RHで3日間放置後、
同条件で引っ張り試験を行なったところ、皮膜強度は60
0kgf/cm2であった。
【0021】合成例2 市販のフレーク状キトサン(SK−10;甲陽ケミカル
(株)製、脱アセチル化度85%以上、重量平均分子量1
3,000)50.0gにアクリル酸37.3g(キトサンのアミノ
基に対して 2.2倍mol)、コハク酸27.75g(キトサンの
アミノ基に対して1.0倍mol)を加え、さらにイオン交換
水を加えて1000gとした。これを室温で攪拌させながら
キトサンを溶解させた後、若干の不溶物を 200メッシュ
の金網で濾過して除去することにより、キトサン/アク
リル酸−コハク酸水溶液を調製した。還流冷却管、温度
計、攪拌翼、窒素吹き込み口を備えたガラス製重合容器
に、上の操作で得られたキトサン/アクリル酸−コハク
酸水溶液1000g、過硫酸アンモニウム 0.3g、アクリル
酸n−ブチル50.0gを仕込み、1時間窒素置換を行った
後、攪拌下70℃で5時間重合反応を行うことにより、目
的とする高分子水分散体を得た。この高分子水分散体
は、光散乱法により測定した(粒度分布測定器LA−70
0;HORIBA(株)製)平均粒径は100 nmであった。
また、この高分子水分散体を室温成膜させ、23℃×60%
RHで3日間放置後、同条件で引っ張り試験を行なった
ところ、皮膜強度は500kgf/cm2であった。
【0022】合成例3 市販のフレーク状キトサン(SK−10;甲陽ケミカル
(株)製、脱アセチル化度85%以上、重量平均分子量1
3,000)40.0gにメタクリル酸36.0g(キトサンのアミ
ノ基に対して 2.3倍mol )、コハク酸11.1g(キトサン
のアミノ基に対して0.5 倍mol)を加え、さらにイオン交
換水を加えて 800gとした。これを室温で攪拌させなが
らキトサンを溶解させた後、若干の不溶物を 200メッシ
ュの金網で濾過して除去することにより、キトサン/メ
タクリル酸−コハク酸水溶液を調製した。市販のプルラ
ン(PI−20;(株)林原製、重量平均分子量20万)1
0.0gにイオン交換水を加えて 200gとし、これを室温
で攪拌させながらプルランを完全に溶解させてプルラン
水溶液を調製した。
【0023】還流冷却管、温度計、攪拌翼、窒素吹き込
み口を備えたガラス製重合容器に、上の操作で得られた
キトサン/メタクリル酸−コハク酸水溶液 800g、プル
ラン水溶液 200g、アクリル酸n−ブチル50g、過硫酸
アンモニウム 0.3gを仕込み、1時間窒素置換を行った
後、攪拌下70℃で5時間重合反応を行うことにより、目
的とする高分子水分散体を得た。この高分子水分散体
は、光散乱法により測定した(粒度分布測定器LA−70
0;HORIBA(株)製)平均粒径は110 nmであった。
また、この高分子水分散体を室温成膜させ、23℃×60%
RHで3日間放置後、同条件で引っ張り試験を行なった
ところ、皮膜強度は510kgf/cm2であった。
【0024】合成例4 市販のプルラン(PI−20)50.0gにイオン交換水を加
えて 800gとし、これを室温で攪拌させながらプルラン
を完全に溶解させてプルラン水溶液を調製した。還流冷
却管、温度計、攪拌翼、窒素吹き込み口を備えたガラス
製重合容器に、上の操作で得られたプルラン水溶液 800
g、メタクリル酸37.75 g、過硫酸アンモニウム 0.3g
を仕込み、1時間窒素置換を行った後、攪拌下70℃で5
時間重合反応を行うことにより、高分子水分散体を得
た。この高分子水分散体は、光散乱法により測定した
(粒度分布測定器LA−700;HORIBA(株)製)平
均粒径は 130nmであった。また、この高分子水分散体を
室温成膜させ、23℃×60%RHで3日間放置後、同条件
で引っ張り試験を行なったところ、皮膜強度は200kgf/c
m2であった。
【0025】実施例1〜3及び比較例1〜2 表1に示す組成を有するピールオフタイプのパック剤
を、下記の製法に従って調製し、その性能(塗布性、乾
燥性、剥離性)を下記方法で評価した。結果を表2に示
す。 <製法>表1に示す成分(2) 〜(10)を攪拌しながら80℃
に加熱し、予め80℃に加熱した成分(11)を徐々に添加す
る。その溶液に成分(1) を徐々に加え、完全に溶解さ
せ、室温まで冷却してパック剤を得た。 <評価方法>塗布性、乾燥性及び剥離性を下記基準に
て、専門パネラー10人により評価した。 ◎:専門パネラー10人のうち9人以上が満足していた ○:専門パネラー10人のうち7〜8人が満足していた △:専門パネラー10人のうち5〜6人が満足していた ×:専門パネラー10人のうち4人以下しか満足しなかっ
【0026】
【表1】
【0027】注) *1:合成例1〜4の高分子水分散体は固形分調整を行な
い30%濃度とした。PVAはケン化度87.5%、重合度15
00のものを使用した。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、実施例1〜3の
ピールオフタイプのパック剤はいずれも良好な塗布性、
剥離性を示し、乾燥時間も短かかった。また実施例1〜
3及び比較例2のパック剤を高温で保存した場合、比較
例2では強い酢酸臭がしたのに比べ、実施例1〜3は酢
酸臭は全くしなかった。
【0030】実施例4 下記の製法に従って表3に示す組成を有するマスカラを
調製した。得られたマスカラは強靱な皮膜を形成し、セ
ット力が非常に良好であった。また、化粧もちも優れて
いた。 <製法>表3に示す成分(1), (3), (4), (8)を均一に攪
拌混合した後に、成分(2), (5), (6) から成る着色ペー
ストを添加して均一混合し、成分(7) を加えてマスカラ
を得た。
【0031】
【表3】
【0032】実施例5 下記の製法に従って表4に示す組成を有するO/W型ク
リームを調製した。得られたクリームは、塗布時の伸ば
し易さが良好であり、乾いた後にすべすべ感、しっとり
感が感じられた。 <製法>表4に示す成分(1), (10), (11), (14) を攪拌
しながら80℃に加熱し、予め80℃に加熱し溶解させた成
分(2) 〜(9) を徐々に添加して混合し、そこに成分(1
2), (13)を徐々に加え、室温まで冷却しO/W型クリー
ムを得た。
【0033】
【表4】
【0034】実施例6 下記の製法に従って表5に示す組成を有するO/W型乳
液を調製した。得られた乳液は、塗布時の伸ばし易さが
良好であり、乾いた後にすべすべ感、しっとり感が感じ
られた。 <製法>表5に示す成分(1), (8)〜(11), (14)を攪拌し
ながら80℃に加熱し、予め80℃に加熱し溶解させた成分
(2) 〜(7) を徐々に添加して混合し、室温まで冷却後、
そこに成分(12), (13)を徐々に加え、O/W型乳液を得
た。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】本発明の化粧料の中でピールオフタイプ
のパック剤は、塗布性・乾燥性・剥離性に優れ、また保
存安定性も良好で、従来のPVAを用いたパック剤のよ
うな酢酸臭の発生は起こらなかった。また皮膚からの剥
離性は良好で従来のエマルジョンを用いたパック剤のよ
うな剥がし残りは生じなかった。また、本発明の化粧料
の中でマスカラは、化粧もちが良好であり、クリームや
乳液は塗布時の伸ばし易さが良好で、塗布乾燥後のすべ
すべ感、しっとり感が良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−40879(JP,A) 特開 平5−255041(JP,A) 特開 平5−221825(JP,A) 特開 平5−345712(JP,A) 特開 平4−235116(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1μm 以下であり、キトサン
    が粒子表面または粒子表面及び内部に存在している高分
    子水分散体を含有することを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 平均粒径が1μm 以下であり、キトサン
    が粒子表面または粒子表面及び内部に存在している高分
    子水分散体が、酸官能基を有するラジカル重合可能なエ
    チレン性不飽和単量体および非重合性の酸を用いてアミ
    ノ基の全部または一部を中和したキトサンの存在下、ラ
    ジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体を水中で重合
    することにより得られた水分散体である請求項1記載の
    化粧料。
  3. 【請求項3】 高分子水分散体が、重合に際し、水酸基
    を有するノニオン系水溶性高分子化合物を存在させて得
    られたものである請求項2記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するノニオン系水溶性高分子
    化合物がプルランまたはポリビニルアルコールである請
    求項3記載の化粧料。
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