JP3046584B2 - 着色剤粒子 - Google Patents

着色剤粒子

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JP3046584B2 JP10299215A JP29921598A JP3046584B2 JP 3046584 B2 JP3046584 B2 JP 3046584B2 JP 10299215 A JP10299215 A JP 10299215A JP 29921598 A JP29921598 A JP 29921598A JP 3046584 B2 JP3046584 B2 JP 3046584B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性液体中で疎水
性表面を選択的に着色できる着色剤粒子、及びこれを含
有する毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】水性液体中で親水性表面を選択的に着色
したり、親水性及び疎水性両表面を着色する技術はよく
知られており、通常のヘアダイなどに利用されている。
しかし、水性液体中で疎水性表面のみを選択的に、しか
も摩擦などの簡単な物理的力により着色させるための技
術はなかった。毛髪表面は皮膚表面に比較して、より疎
水性であることから、上記のような技術で、水系にて肌
を汚すことなく簡単に染毛することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
な方法により、水性液体中で疎水性表面を選択的に着色
できる着色剤粒子とその製造方法、及び当該粒子を含有
する毛髪化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、シェル部とコ
ア部を有するポリマーからなる着色剤粒子であって、そ
のシェル部が親水性ポリマー、コア部が疎水性ポリマー
を構成成分とし、その粒子中に色材を含有させたもので
ある。この構成により、例えば毛髪化粧料として適用し
た場合、手で毛髪表面に塗布することで、着色剤粒子が
毛髪を被覆し、毛髪上に固着する。また、すすぎ後も色
材を多量に吸着させることができるため、より親水性で
ある頭皮や手を殆んど着色することなく、簡便な使用方
法で高い着色効果が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】シェル部の親水性ポリマーを構成
する親水性モノマーは、水100gに対する溶解度が2
0℃で0.1g以上のものが好ましく、例えばアクリル
酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレン
グリコールモノアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢
酸ビニル、クロトン酸等や;アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸モノ
マー;スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸等の不飽
和スルホン酸モノマー;ビニルホスフェート、ビス(メ
タアクリロキシエチル)ホスフェート等の不飽和リン酸
モノマーなどの反応性ビニル基を有する有機酸又はその
塩(塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩等が挙げられる)などが挙げられ
る。これらの親水性モノマーは1種以上を用いることが
できる。また、他の親水性ポリマーとしては、例えばキ
トサン等が挙げられる。
【0006】これらのうち、キトサン及び反応性ビニル
基を有する有機酸又はその塩の重合体を構成成分とする
のが好ましい。なお、ここで用いられるキトサンとは、
(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D
−グルカン構造を有するキチンの脱アセチル化物であっ
て(1→4)−2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グ
ルカン構造を有するもので、脱アセチル化されたアミノ
基の一部、又は同一分子内にある水酸基の一部がアシル
化反応、エーテル化反応、エステル化反応、その他反応
によって化学修飾されたキトサン誘導体も含まれる。一
般に、天然に存在するキチンは、アセトアミド基の一部
がアセチル化されていないアミノ基となっているため、
本発明で用いるキトサンとは脱アセチル化度が30%以
上のものをいう。
【0007】また、反応性ビニル基を有する有機酸又は
その塩は、キトサンを溶解し水溶液とすることが可能
な、分子内に反応性ビニル基を一個以上かつ酸性基を一
個以上有する水溶性の有機酸であり、前記のもののう
ち、酸性度の比較的低い不飽和カルボン酸モノマーが好
ましく、特にポリマーの酸性度が低いメタクリル酸が最
も好ましい。また、これらの反応性ビニル基を有する有
機酸又はその塩とともに、種々の酸を任意に混合するこ
ともでき、酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機
酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、グリ
コール酸、ジクロル酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸が
挙げられる。
【0008】コア部の疎水性ポリマーを構成する疎水性
モノマーは、水100gに対する溶解度が20℃で0.
1g未満のものが好ましく、例えばスチレン、ジビニル
ベンゼン;アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸ベヘニル等のアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタク
リル酸ミリスチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸ベヘニル等のメタクリル酸エステル類;トリフルオ
ロエチルメタクリレート等のフッ素系単量体;シリコー
ンマクロモノマーなどが挙げられる。これらの疎水性モ
ノマーは1種以上を用いることができる。
【0009】更に、色材としては、水不溶性の顔料、油
溶性染料、建染染料、レーキ染料等が挙げられる。顔料
としては、例えばカーボンブラック、タルク、カオリ
ン、マイカ、雲母チタン、ベンガラ、珪酸マグネシウ
ム、酸化チタン等の無機顔料、赤色202号、赤色20
4号、赤色205号、赤色206号、赤色219号、赤
色228号、赤色404号、黄色205号、黄色401
号、だいだい色401号、青色404号等の有機顔料が
挙げられ;油溶性染料としては、例えば赤色505号、
赤色501号、赤色225号、黄色404号、黄色40
5号、黄色204号、だいだい色403号、青色403
号、緑色202号、紫色201号等が挙げられ;建染染
料としては、例えば赤色226号、青色204号、青色
201号等が挙げられ;レーキ染料としては、例えば種
々の酸性染料をアルミニウムやバリウムでレーキしたも
の等が挙げられる。このような色材は、1種以上を用い
ることができ、着色剤粒子中に1〜50重量%、特に2
〜30重量%含有されているのが好ましい。なお、色材
は着色剤粒子中のいずれに存在していても良い。また、
これらの色材と酸化チタンとを同一粒子中に共存させる
と、色材の発色を高めることができる。この場合に、酸
化チタンは色材に対し、0.1〜40重量%、特に1〜
30重量%用いるのが好ましい。
【0010】これらを構成成分とするシェル部とコア部
からなる粒子中に色材を含有させた本着色剤粒子は、例
えば疎水性モノマー、親水性モノマー及び色材を用い、
油溶性重合開始剤の存在下に疎水性モノマーを重合させ
てコア部を形成させ、水溶性重合開始剤の存在下に親水
性モノマーを重合させてシェル部を形成させることによ
り製造される。具体的には、親水性モノマー、疎水性モ
ノマー、色材及び油溶性重合開始剤、更に必要により非
重合性疎水性物質を水中で乳化分散して得られた、平均
粒径が10μm以下のモノマー液滴を重合させ、次い
で、水溶性重合開始剤を加えて重合させることにより、
ポリマー粒子のコア部とシェル部とを形成する方法;あ
るいは疎水性モノマーと相溶する、平均粒径が10μm
以下のポリマー粒子に、疎水性モノマー及び色材、更に
必要により非重合性疎水性物質を加えて膨潤させ、次に
親水性モノマーの水溶液を加え、得られた膨潤したポリ
マー粒子について、油溶性重合開始剤、更に必要により
水溶性重合開始剤の存在下でコア部とシェル部の重合を
行う方法などにより、製造できる。
【0011】これらのうち、シェル部がキトサン及び反
応性ビニル基を有する有機酸又はその塩の重合体を構成
成分とするものである場合には、例えば下記製造法
(1)及び(2)により製造することができる。
【0012】〔製造法(1)〕キトサン(a)、反応性
ビニル基を有する有機酸又はその塩(e)、疎水性モノ
マー(f)、色材(b)及び油溶性重合開始剤(g)、
更に必要により非重合性疎水性物質(d)を水中で乳化
分散して得られた、平均粒径が10μm以下のモノマー
液滴を重合させ、次いで水溶性重合開始剤(h)を加え
て重合させ、ポリマー粒子のコア部とシェル部とを形成
する方法。
【0013】この製造法(1)において、キトサン
(a)と反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩
(e)の配合割合は、二重結合を持たない酸を併用する
場合は特に限定されるものではなく、二重結合を持たな
い酸を併用しない場合は、キトサンの単糖ユニット当た
りに換算して0.75〜10倍モルの反応性ビニル基を
有する有機酸又はその塩(e)を用いるのが好ましい。
0.75倍モル未満であるとキトサンが水に完全に溶解
できない傾向となる。
【0014】また、キトサン(a)と疎水性モノマー
(f)の配合割合は、疎水性モノマー(f)100重量
部に対して、キトサン(a)1〜5000重量部、特に
2〜300重量部使用することが好ましい。キトサン
(a)の量が、疎水性モノマー(f)100重量部に対
して1重量部未満の場合、キトサンの性能が充分に発揮
されない傾向となり、一方、5000重量部を超える場
合はポリマーエマルジョンの安定性が損なわれる傾向と
なる。
【0015】この製造法(1)において、油溶性重合開
始剤(g)は、疎水性モノマー(f)100重量部に対
して0.05〜10.0重量部の範囲で用いるのが好ま
しい。ここで、油溶性重合開始剤(g)は、熱又は還元
性物質存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開
始させるもので、油溶性の過酸化物、アゾビス化合物等
が一般的に用いられる。例えば、ラウロイルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合
物が挙げられる。これらの重合開始剤は1種以上を使用
できる。
【0016】また、この製造法(1)における重合は界
面活性剤の存在下、又は非存在下で行うことができる。
使用される界面活性剤としては、一般のアニオン性、カ
チオン性、ノニオン性及び両性の界面活性剤が挙げられ
る。アニオン性界面活性剤としては例えば、ドデシル硫
酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルのサルフェート塩などが挙
げられる。ノニオン性界面活性剤としては例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては例えば、オクタデシルト
リメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。両性
界面活性剤としては例えば、アルキルジメチルアミノ酢
酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒド
ロキシイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0017】但し、ポリマー粒子内に両性イオンが存在
することから、粒子の安定性などを考慮すると、ノニオ
ン性界面活性剤が望ましい。界面活性剤の使用量は特に
限定されないが、疎水性モノマー(f)100重量部に
対して0.1〜20重量部の範囲で使用することが望ま
しい。
【0018】更にこの製造法(1)においては、水溶性
高分子を乳化剤として用いることもできる。水溶性高分
子としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘
導体、デンプン及びその誘導体、セルロース誘導体等が
挙げられる。これらの界面活性剤及び水溶性高分子は、
1種以上を用いることができる。
【0019】更にこの製造法(1)においては、疎水性
モノマー(f)を乳化する際に、疎水性モノマー(f)
と混合して非重合性疎水性物質(d)を使用できる。こ
こで、非重合性疎水性物質(d)としては、ワックス、
油剤、香料、可塑剤、連鎖移動剤等が挙げられる。ワッ
クスとしては、天然ワックス、天然ワックス加工品、合
成ワックスなどが挙げられる。油剤としては、シリコー
ン油、炭化水素油、エステル油、高級アルコール及びそ
の誘導体、天然動植物油などが挙げられ、香料として
は、リモネン等が挙げられる。可塑剤としては、エステ
ル類、安息香酸エステル類、リン酸エステル類、ジエチ
ルベンゼンなどが挙げられる。この場合において、非重
合性疎水性物質(d)の使用量はコアを形成する疎水性
モノマー(f)に対して0〜90重量%、特に1〜50
重量%が好ましい。
【0020】この製造法(1)において、上述のキトサ
ン(a)、反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩
(e)、疎水性モノマー(f)、色材(b)及び油溶性
重合開始剤(g)、更に必要により非重合性疎水性物質
(d)を水と混合し、乳化装置を用いて機械的攪拌によ
り乳化させることで、平均粒径が10μm以下のモノマ
ー液滴を含むO/Wエマルジョンを調製する。モノマー
液滴の平均粒径が10μmより大きいと、得られるポリ
マーエマルジョンのポリマー粒子の平均粒径が30μm
を超えてしまい好ましくない。
【0021】ここで用いられる乳化装置としては、超音
波ホモジナイザー、ホモミキサー、マイルダー、アトラ
イター、(超)高圧ホモジナイザー、ナノマイザーシス
テム、膜乳化装置などが挙げられる。尚、乳化時の固形
分濃度は1〜60重量%の範囲で選択することが好まし
い。
【0022】この製造法(1)においては、上記のよう
にして調製したO/Wエマルジョンを加温し重合を行
う。重合温度は開始剤の種類によっても異なるが、約4
0℃〜90℃の範囲が適当である。また重合時間はモノ
マー、重合開始剤種、反応温度により異なるが一般に1
時間〜24時間が適当である。また、モノマー油滴にお
けるシェル部の反応性ビニル基を有する有機酸又はその
塩(e)を重合させるため、水溶性重合開始剤(h)を
コア部の重合中又はコア部の重合終了後に加えてもよ
い。
【0023】この場合において用いられる水溶性重合開
始剤(h)としては、熱又は還元性物質の存在下でラジ
カル分解し、単量体の付加重合を開始させるもので、水
溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物
などが一般的に用いられる。例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウムなどのペルオキソ二硫酸塩、過酸化
水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化
物、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン塩類
(V−50)、4,4′−アゾビス−4−シアノペンタ
ノン酸などのアゾ化合物が挙げられる。必要に応じて還
元剤と組み合わせて、レドックス系開始剤としても使用
することもできる。水溶性重合開始剤(h)の使用量
は、有機酸又はその塩(e)に対して0.05〜20重
量%の範囲が好ましい。また、ポリマー粒子中のキトサ
ン含有量を上げるために重合中に更にキトサン(a)と
反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩(e)の水溶
液を添加してもよい。
【0024】〔製造法(2)〕疎水性モノマー(f)と
相溶する、平均粒径が10μm以下のポリマー粒子
(i)に、疎水性モノマー(f)及び色材(b)、更に
必要により非重合性疎水性物質(d)を加え膨潤させ、
更にキトサン(a)と反応性ビニル基を有する有機酸又
はその塩(e)の水溶液を加え、得られた膨潤したポリ
マー粒子について、油溶性重合開始剤(g)、更に必要
により水溶性重合開始剤(h)の存在下でコア部とシェ
ル部の重合を行う方法。
【0025】この製造法(2)は、平均粒径10μm以
下のポリマー粒子(i)を色材(b)及び疎水性モノマ
ー(f)により膨潤させるか、あるいは平均粒径10μ
m以下のポリマー粒子(i)を非重合性疎水性物質
(d)、色材(b)及び疎水性モノマー(f)により膨
潤させ、キトサン(a)と反応性ビニル基を有する有機
酸又はその塩(e)を保護コロイドとし、重合開始剤の
存在下で重合を行う方法である。この場合、ポリマー粒
子(i)の平均粒径が10μmより大きいと、得られる
ポリマーエマルジョンのポリマー粒子の平均粒径が30
μmを超えてしまい好ましくない。
【0026】ここで用いられるポリマー粒子(i)と
は、平均粒径が10μm以下、好ましくは0.01〜1
0μmのポリマー粒子であれば特に限定されず、アニオ
ン性ポリマーエマルジョン、カチオン性ポリマーエマル
ジョン、ノニオン性ポリマーエマルジョンやポリマー微
粒子、ミクロゲルなどを用いることができる。これらの
ポリマー粒子の組成は特に限定されないが、疎水性モノ
マー(f)と相溶性の高いものが望ましい。
【0027】この製造法(2)において、疎水性モノマ
ー(f)はポリマー粒子(i)に対し、固形分換算で5
〜20000重量%、特に10〜1000重量%用いる
ことが好ましい。疎水性モノマー量が5重量%未満の場
合、コア部とシェル部の結合が不充分となる傾向があ
り、20000重量%を超えると安定性が不充分とな
る。
【0028】ポリマー粒子(i)を色材(b)及び疎水
性モノマー(f)により、又は場合により非重合性疎水
性物質(d)、色材(b)及び疎水性モノマー(f)に
より膨潤させる方法としては、例えば、ポリマー粒子
(i)に疎水性モノマー(f)及び色材(b)を加える
方法、疎水性モノマー(f)と色材(b)又は疎水性モ
ノマー(f)と色材(b)と水溶性有機溶媒を界面活性
剤を用いて乳化し、水に分散したポリマー粒子(i)に
加える方法等が挙げられる。また、この場合において、
疎水性モノマー(f)と共に非重合性疎水性物質(d)
を加えてもよく、非重合性疎水性物質(d)の使用量は
疎水性モノマー(f)に対して0〜90重量%、特に1
〜50重量%が好ましい。
【0029】また、色材(b)及び疎水性モノマー
(f)、又は非重合性疎水性物質(d)、色材(b)及
び疎水性モノマー(f)により膨潤したポリマー粒子
(i)を水に分散する際には、製造法(1)で例示した
界面活性剤を用いても良い。ここで用いる界面活性剤は
アニオン性、カチオン性、ノニオン性界面活性剤の何れ
でも良い。また、使用量はポリマー粒子に対し1〜50
重量%が望ましい。
【0030】この製造法(2)においては、上記のよう
にしてポリマー粒子(i)を色材(b)及び疎水性モノ
マー(f)、又は非重合性疎水性物質(d)、色材
(b)及び疎水性モノマー(f)により膨潤させた後、
更にキトサン(a)と反応性ビニル基を有する有機酸又
はその塩(e)の水溶液を加え、得られた膨潤したポリ
マー粒子について、油溶性重合開始剤(g)、更に必要
により水溶性重合開始剤(h)の存在下でコア部とシェ
ル部の重合を行う。
【0031】この製造法(2)において、キトサン
(a)、反応性ビニル基を有する有機酸又はその塩
(e)、色材(b)、更に重合開始剤の配合量は、上記
製造法(1)と同程度である。
【0032】上記のような製造法により得られたポリマ
ーエマルジョンは、塩基を用いて中和することもでき
る。塩基としては、アンモニア、メチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルア
ミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、アミノ変性シ
リコーン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブ
チレンジアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムアルコ
キシド、カリウムアルコキシド等が挙げられる。
【0033】塩基の添加量はエマルジョン中の有機酸重
合体に対して0.1〜2.0モル%が好ましく、0.6
〜1.2モル%が特に好ましい。
【0034】このようにして得られるポリマーエマルジ
ョン中の着色剤粒子は、好ましくは30μm以下、より
好ましくは0.01〜30μm、特に好ましくは0.1
〜10μm、更に好ましくは0.5〜10μmの平均粒
径を有する。
【0035】なお、本発明において、着色剤粒子の平均
粒径はレーザー回折型粒径分布測定装置(LA−91
0、HORIBA社製)により測定した。また、本発明
においては、得られた着色剤粒子のポリマーエマルジョ
ンをそのまま用いることができる。
【0036】本発明の毛髪化粧料は、このような着色剤
粒子を含有するものである。着色剤粒子は、1種以上を
配合でき、全組成中に0.05〜40重量%、特に0.
1〜30重量%、更に0.5〜10重量%配合するの
が、毛髪の着色力及び使用感などの点で好ましい。ま
た、本発明において、任意の色の毛髪化粧料を得るため
には、2種以上の着色剤粒子を配合したり、着色剤粒子
を含有する2種以上の毛髪化粧料を混合して用いれば良
い。
【0037】本発明の毛髪化粧料には、前記成分のほ
か、通常の毛髪化粧料に用いられる成分、例えばカチオ
ン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性
剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;高級アルコール
類;流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;液状ラ
ノリン、ラノリン脂肪酸等のラノリン誘導体;レシチン
等のリン脂質;コレステロール等のステロール及びその
誘導体;コラーゲン分解ペプチド誘導体;パーフルオロ
ポリエーテル;高級アルコール高級脂肪酸エステル類、
高級脂肪酸類等の油脂類;ミンクオイル、オリーブ油等
の動植物性油脂類;抗フケ剤、殺菌剤、ビタミン類等の
薬効剤;グリセリン、プロピレングリコール等のポリオ
ール類;パラベン類等の防腐剤;水溶性高分子等の増粘
剤;染料及び顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、植物抽出
物、収れん剤、香料、色素などを、本発明の効果を損な
わない範囲において、適宜配合又は粒子中に内包するこ
とができる。
【0038】本発明の毛髪化粧料は、通常の方法に従っ
て製造することができ、その剤型は特に制限されず、例
えばヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディシ
ョナー、ヘアパック、ヘアローション、ヘアシャンプー
等とすることができ、特にヘアリンス、ヘアトリートメ
ント、ヘアコンディショナー、ヘアパック等の毛髪に塗
布した後、すすぎ流して使用する剤型として好適であ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の着色剤粒子は、疎水性表面を選
択的に着色できる。また、本発明の毛髪化粧料は、安定
性に優れ、疎水性表面(毛髪)を選択的に着色し、親水
性表面(皮膚)への着色が少なく、簡便な使用方法で、
一回の使用でも高い着色効果が得られ、しかも毛髪を傷
めず、使用感に優れたものである。
【0040】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0041】実施例1(着色剤粒子Aの製造) 市販のキトサン(甲陽ケミカル社製、SK−10;脱ア
セチル化度85〜88%、重量平均分子量13000
0)2.5gに45gの水を加え、これにメタクリル酸
1.0g(キトサンの単糖ユニットに対して等モル量)
を加え、60℃で攪拌させながら溶解させ、キトサン/
メタクリル酸水溶液を調製した。次に、反応容器にメタ
クリル酸ステアリル13g、過酸化ラウロイル0.8g
を入れ溶解し、イオン交換水150gを加えた上記キト
サン/メタクリル酸水溶液に加え、攪拌を行いながら超
音波ホモジナイザー(日本精機製作所製)で5分処理
し、平均粒径1.8μmの乳化物を得た。これに、法定
色素青色404号5g、エマルゲン220 2g、イオ
ン交換水20gの分散液を加え、攪拌を行いながら超音
波ホモジナイザーで1分処理してモノマー滴と混合し
た。この乳化物を攪拌機、冷却器、窒素導入管を備えた
別の反応容器に移し、窒素置換を行った後、攪拌しなが
ら加熱し内温を75℃にした。攪拌下2時間重合を行っ
た後、過硫酸アンモニウム0.1gを水10gに溶解し
たものを添加し、その後更に2時間反応を行い、顔料を
内包した1.2μmの単一分布のポリマーエマルジョン
を得た。得られたエマルジョンを凍結乾燥させ、得られ
た着色剤粒子をSEM又はTEMにより観察したとこ
ろ、球形で外殻層と内部層が確認され、コアシェル型の
構造が確認できた。また、顔料粒子は、このコアシェル
粒子の中に閉じこめられていることが確認された。
【0042】実施例2(着色剤粒子Bの製造) 実施例1において、メタクリル酸を0.5gにし、アク
リル酸0.8gを加えてキトサン水溶液を調製し、メタ
クリル酸ステアリルをアクリル酸2−エチルヘキシルに
代えて乳化物を調製した。また、実施例1の法定色素分
散液を、赤色202号 8g、エマルゲン2208g、
イオン交換水80gに代えて仕込み、顔料を内包した
0.5μmの単一分布のポリマーエマルジョンを得た。
得られた着色剤粒子を実施例1と同じく構造解析したと
ころ、コアシェル型の構造が確認され、顔料粒子は、こ
のコアシェル粒子の中に閉じこめられていることが確認
された。
【0043】実施例3 表1に示す組成のヘアリンスを常法により製造し、その
外観、毛髪着色効果及び皮膚への色移りを評価した。結
果を表1に併せて示す。
【0044】(評価方法) (1)外観:ヘアリンスの外観を目視により、以下の基
準で評価した。 ○;均一で外観上問題無し。 ×;凝集・分離が見られる剤が不均一な外観。
【0045】(2)毛髪着色効果:1gのヤギ毛の毛束
をシャンプーし、各ヘアリンス0.2gを塗布し、指で
均一に伸ばした後直ちに温水で充分にすすぎ、乾燥し
た。これを、ミノルタ社製色彩色差計CR−300で測
色し、元のヤギ毛の色からの色差(ΔE)を求め、以下
の基準で評価した。ΔEの値が大きいほど着色効果が高
い。 ○;ΔEが40以上。 △;ΔEが20以上40未満。 ×;ΔEが20未満。
【0046】(3)皮膚への色移り:2cm×2cmのブタ
皮に0.03gのリンスを塗布し、温水で充分にすすい
だ。乾燥後、(2)と同様にして測色して色差(ΔE)
を求め、以下の基準で評価した。 ○;ΔEが10未満。 △;ΔEが10以上20未満。 ×;ΔEが20以上。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から明らかなように、本発明品
はいずれも、疎水性表面(毛髪)を選択的に着色させ、
親水性表面(皮膚)への着色の少ないものであった。ま
た、安定性及び毛髪着色効果に優れ、しかも毛髪を傷め
ず、使用感も良好であった。
フロントページの続き (72)発明者 長谷部 佳宏 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 桑原 一夫 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 赤荻 亮 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−20067(JP,A) 特開 昭60−203673(JP,A) 特開 平3−177445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 3/10 A61K 7/08 A61K 7/13 C09B 67/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性ポリマーを構成成分とするシェル
    部と、疎水性ポリマーを構成成分とするコア部からなる
    粒子中に色材を含有させたことを特徴とする着色剤粒
    子。
  2. 【請求項2】 シェル部が、キトサン及び反応性ビニル
    基を有する有機酸又はその塩の重合体を構成成分とする
    ものである請求項1記載の着色剤粒子。
  3. 【請求項3】 平均粒径が30μm以下である請求項1
    又は2記載の着色剤粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の着色
    剤粒子を含有する毛髪化粧料。
  5. 【請求項5】 疎水性モノマー、親水性モノマー及び色
    材を用い、油溶性重合開始剤の存在下に疎水性モノマー
    を重合させてコア部を形成させ、水溶性重合開始剤の存
    在下に親水性モノマーを重合させてシェル部を形成させ
    ることを特徴とする請求項1記載の着色剤粒子の製造方
    法。
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