JP2002200921A - 開閉可能な車両ルーフ - Google Patents

開閉可能な車両ルーフ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第１および第２の案内軌道が互いにクロスし
ないように構成し、ガイドの安定性を達成する。 【解決手段】 ルーフ開口部１２のカバー要素１０のた
めのキャリアー１６を備え、キャリアー１６が、ルーフ
長手方向に互いにずれている第１のスライド要素１８と
第２のスライド要素２２とにより、ルーフ固定のガイド
４０内をルーフ長手方向に変位可能に案内されており、
第１のスライド要素１８が第１の案内軌道２４に沿っ
て、そして第２のスライド要素２２が第２の案内軌道２
４に沿って高さ方向に案内され、第１の案内軌道と第２
の案内軌道２０または２４が異なる高さレベルに位置し
ている。そして、第１の案内軌道２０と第２の案内軌道
２４はルーフ横方向に互いにずれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルーフ開口部のカ
バー要素のためのキャリアーを備え、キャリアーが、ル
ーフ長手方向に互いにずれている第１のスライド要素と
第２のスライド要素とにより、ルーフ固定のガイド内を
ルーフ長手方向に変位可能に案内されており、第１のス
ライド要素が第１の案内軌道に沿って、そして第２のス
ライド要素が第２の案内軌道に沿って高さ方向に案内さ
れ、第１の案内軌道と第２の案内軌道が異なる高さレベ
ルに位置している、開閉可能な車両ルーフに関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】この種の車両ルーフは、たとえばドイツ
連邦共和国特許公開第３３４５１２２Ａ１号公報から知
られており、この場合カバー要素はスポイラールーフの
カバーであり、すなわち第１および第２の案内軌道は、
カバーが閉鎖位置を起点にしてその後縁がチルトアウト
され、この位置でルーフ開口部を開放するために後方へ
変位できるように構成されている。第１および第２の案
内軌道はカムスロットとしてルーフ固定のスライドブロ
ック内に形成され、ルーフ長手方向に直列に配置されて
おり、それぞれ１つのルーフ固定のスライドピンがカム
スロットに係合する。
【０００３】前部スライドピンの領域には、駆動ケーブ
ルによって駆動されるスライドシューが設けられ、スラ
イドシューは、ルーフ固定のスライドブロックに対向配
置されているルーフ固定のガイドレールに係合してい
る。この構成の欠点は、１つには、付加的な部材として
スライドブロックが必要であり、個々のカムスロットが
クロスしないように該カムスロットの延在態様が制限さ
れていること、さらに、安定なカバー案内がスライドシ
ューによりカバーの前部領域でしか与えられていないこ
とである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、開閉
可能な車両ルーフにおいて、カバー要素が該カバー要素
に固定されている２つのスライド要素により２つの異な
る案内軌道にチルトアウト可能であり、その際案内軌道
の可能な限り自在な構成が得られ、且つ全体として可能
な限り安定なカバー要素の案内が得られるような車両ル
ーフを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
れば、請求項１の構成要件を備えた車両ルーフにより解
決される。本発明によるこの解決法では、第１および第
２の案内軌道がルーフ横方向に互いにずれていることに
より、両案内軌道を互いに独立に常にクロスしないよう
に構成でき、さらにガイドの最大限の安定性を達成でき
る。本発明の有利な構成は従属項に記載されている。
【０００６】
【発明の実施の形態】次に、例として本発明の１つの実
施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。位置固定
のルーフパネル１４の開口部１２を覆うために設けられ
ているカバー（カバー要素）１０にはキャリアー１６が
固定されている。キャリアー１６はその前端にスライド
シューよりなるスライド要素（第１のスライド要素）１
８を備え、スライド要素１８はルーフ長手方向に変位可
能に第１のガイドチャネル（第１の案内軌道）２０で高
さ方向に関し案内されている。
【０００７】キャリアー１６はその中央領域にスライド
シューよりなる第２のスライド要素２２を備えており、
第２のスライド要素２２は第２のガイドチャネル（第２
の案内軌道）２４で同様に高さ方向に関し案内されてい
る。さらに第２のスライド要素または後部スライド要素
２２の領域にはカムスロット２６がキャリアー１６に設
けられており、カムスロット２６には、スライダ３０に
形成されたスライドピン２８が係合する。スライダ３０
は、ルーフ固定の第３のガイドチャネル３４に係合して
いる２つのスライドシュー３２によりルーフ長手方向に
変位可能に案内されている。
【０００８】スライダ３０は公知の態様で圧力剛性を有
する駆動ケーブル３６により駆動される。駆動ケーブル
３６は、通常の態様で構成されている図示していない駆
動部、すなわち電動機と、該電動機により駆動され駆動
ケーブル３６に係合している駆動ピニオンとを備えた前
記図示していない駆動部により駆動される。ガイドチャ
ネル２０、２４は始端領域３８、４１を除いてほぼ水平
方向に延びているが、後部スライド要素２２用のガイド
チャネル２４はその水平部分において前部スライド要素
１８用のガイドチャネル２０よりも高い位置にある。
【０００９】スライダ３０用のガイドチャネル３４はほ
ぼ水平方向に貫通するように延在し、他の２つのガイド
チャネル２０と２４よりも低い位置にある。図２からわ
かるように、ガイドチャネル２０，２４，３４はルーフ
固定のほぼＵ字状のガイド（レール）４０の一部を成
し、この場合後部スライド要素２２用のガイドチャネル
２４はガイド４０の外側の側壁４２の内面に形成されて
いるのに対し、前部スライド要素１８用のガイドチャネ
ル２０はガイド４０の内側の側壁４４の内面に形成され
ている。
【００１０】スライダ３０用のガイドチャネル３４はレ
ール４０の底部領域に形成され、一部は外側の側壁４２
内に延在している。側壁４２にはケーブルチャネル４６
も設けられている。ガイドチャネル２０または２４の始
端領域３８と４１はガイド４０に挿着可能な挿着部分と
して構成されている。図１では、カバー１０は一部が開
口した状態で図示されている。この位置にカバー１０は
閉鎖位置から出発して到達する。
【００１１】閉鎖位置においては、前部スライド要素１
８は挿着部分３８（ガイドチャネル２０の始端領域）の
前部水平領域にあり、スライダ３０のスライドピン２８
はカムスロット２６の前端にあり、後部スライド要素２
２は挿着部分４１（ガイドチャネル２４の始端領域）の
下方にある。この場合、後部スライド要素２２がほぼ鉛
直方向の始端領域４１にあることにより、さしあたりカ
バーキャリアー１６はルーフ長手方向における実質的な
スライド運動を阻止されており、その結果、スライダ３
０が駆動ケーブル３６により後方へ移動することによ
り、スライドピン２８はカムスロット２６内を後方へ滑
動することができる。
【００１２】これにより、カムスロット２６の構成に基
づきカバー１０はその後縁が持ち上げられるが、後方へ
のカバー１０の実質的なスライドはまだ行われない。カ
バー１０のチルトアウト運動により、後部スライド要素
２２も挿着部分４１のほぼ鉛直方向に延びている始端領
域において上方へ持ち上げられて、ガイドチャネル２４
の水平部分に達し、これによりスライド運動のデッドロ
ックが解除される。この時点でスライドピン２８はカム
スロット２６のほぼ鉛直方向に延びている後部端部領域
にある。
【００１３】スライダ３０がさらに変位すると、スライ
ドピン２８がカムスロット２６の後端に当接することに
より、キャリアー１６が連行され、よってカバー１０が
後方へ連行されてスライド運動を行う。その際前部スラ
イド要素１８は挿着部分３８の上昇領域に達し、これに
よりカバー１０前縁が持ち上げられて、スライド要素１
８はガイドチャネル２０の水平部分内へ侵入する。カバ
ー１０がさらに開口運動を行うと、カバー１０はこのチ
ルトアウト位置においてその後縁が位置固定のルーフパ
ネル１４を越えて変位し、ルーフ開口部１２を開放させ
る。
【００１４】閉鎖運動は逆の方向に経過し、この場合カ
ムスロット２６の鉛直方向の後部端部領域に対するスラ
イドピン２８の当接によりキャリアー１６が連行され、
よってカバー１０が連行される。このようにガイドチャ
ネル２０、２４は、開口運動の開始時点を除けば、カバ
ー１０をチルトアウトさせ、変位させるためのスライド
軌道の用を成している。案内軌道２０、２４がルーフ横
方向にずれてガイドレール４０の対向する側壁４２、４
４に形成されていることにより、両軌道２０、２４のク
ロスが回避され、さらにカバーキャリアー１６の案内の
安定性が改善される。
【００１５】１つのカバー１０の代わりに、直列に位置
するほぼ同一の２つのカバーを設けて、いわゆるダブル
スポイラールーフを形成させてもよい。この場合のチル
トアウト機構は両カバーに対しほぼ同一に構成される。
以上の構成より、本発明は次の点に特徴を有する。第１
に、ルーフ開口部１２のカバー１０のためのキャリアー
１６を備え、キャリアー１６が、ルーフ長手方向に互い
にずれている第１のスライド要素１８と第２のスライド
要素２２とにより、ルーフ固定のガイド４０内をルーフ
長手方向に変位可能に案内されており、第１のスライド
要素１８が第１の案内軌道２０に沿って、そして第２の
スライド要素２２が第２の案内軌道２４に沿って高さ方
向に案内され、第１の案内軌道２０と第２の案内軌道２
４が異なる高さレベルに位置している開閉可能な車両ル
ーフにおいて、第１の案内軌道２０と第２の案内軌道２
４がルーフ横方向に互いにずれていることである。
【００１６】第２に、カバー要素１０がスポイラールー
フのカバーであり、カバー要素１０の閉鎖位置から後方
へのキャリアー１６の変位によりカバー要素１０の後縁
がチルトアウト運動を行なうように、且つルーフ開口部
１２を開放するためにカバー要素１０がチルトアウト位
置において後方へ変位できるように、第１の案内軌道２
０と第２の案内軌道２４が構成されていることである。
第３に、ルーフ固定のガイド４０がレールとして構成さ
れ、第１および第２の案内軌道２０、２４がレール４０
の互いに対向する側４２，４４に形成されていることで
ある。
【００１７】第４に、ルーフ固定のガイドレール４０が
横断面にてほぼＵ字状に構成され、第１の案内軌道２０
と第２の案内軌道２４が両側壁４２，４４の内面に形成
されていることである。第５に、第１の案内軌道２０と
第２の案内軌道２４が、その始端領域３８，４１を除い
てほぼ水平方向に延びていることである。第６に、第１
の案内軌道２０と第２の案内軌道２４がその始端領域３
８，４１において上昇するように延びていることであ
る。
【００１８】第７に、第１の案内軌道２０および第２の
案内軌道２４の始端領域３８，４１、又は第１の案内軌
道２０若しくは第２の案内軌道２４の始端領域３８，４
１が挿着部分として構成されていることである。
【００１９】
【発明の効果】本発明によれば、第１および第２の案内
軌道がルーフ横方向に互いにずれているため、両案内軌
道を互いに独立に常にクロスしないように構成でき、さ
らにガイドの最大限の安定性を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による車両ルーフの側面図である。
【図２】図１に図示したガイドレールの横断面図であ
る。
【符号の説明】
１０ カバー（カバー要素） １２ ルーフ開口部 １６ キャリアー １８ 第１のスライド要素 ２０ 第１のガイドチャネル（第１の案内軌道） ２２ 第２のスライド要素 ２４ 第２のガイドチャネル（第２の案内軌道） ３８ 第１のガイドチャネルの始端領域 ４０ ガイド ４１ 第２のガイドチャネルの始端領域 ４２ ガイドの外側の側壁 ４４ ガイドの内側の側壁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ルーフ開口部（１２）のカバー要素（１
    ０）のためのキャリアー（１６）を備え、キャリアー
    （１６）が、ルーフ長手方向に互いにずれている第１の
    スライド要素（１８）と第２のスライド要素（２２）と
    により、ルーフ固定のガイド（４０）内をルーフ長手方
    向に変位可能に案内されており、第１のスライド要素
    （１８）が第１の案内軌道（２０）に沿って、そして第
    ２のスライド要素（２２）が第２の案内軌道（２４）に
    沿って高さ方向に案内され、第１の案内軌道（２０）と
    第２の案内軌道（２４）が異なる高さレベルに位置して
    いる開閉可能な車両ルーフにおいて、 第１の案内軌道（２０）と第２の案内軌道（２４）がル
    ーフ横方向に互いにずれていることを特徴とする開閉可
    能な車両ルーフ。
  2. 【請求項２】 カバー要素（１０）がスポイラールーフ
    のカバーであり、カバー要素（１０）の閉鎖位置から後
    方へのキャリアー（１６）の変位によりカバー要素（１
    ０）の後縁がチルトアウト運動を行なうように、且つル
    ーフ開口部（１２）を開放するためにカバー要素（１
    ０）がチルトアウト位置において後方へ変位できるよう
    に、第１の案内軌道（２０）と第２の案内軌道（２４）
    が構成されていることを特徴とする、請求項１に記載の
    開閉可能な車両ルーフ。
  3. 【請求項３】 ルーフ固定のガイド（４０）がレールと
    して構成され、第１および第２の案内軌道（２０、２
    ４）がレール（４０）の互いに対向する側（４２，４
    ４）に形成されていることを特徴とする、請求項１また
    は２に記載の開閉可能な車両ルーフ。
  4. 【請求項４】 ルーフ固定のガイド（レール）（４０）
    が横断面にてほぼＵ字状に構成され、第１の案内軌道
    （２０）と第２の案内軌道（２４）が両側壁（４２，４
    ４）の内面に形成されていることを特徴とする、請求項
    ３に記載の開閉可能な車両ルーフ。
  5. 【請求項５】 第１の案内軌道（２０）と第２の案内軌
    道（２４）が、その始端領域（３８，４１）を除いてほ
    ぼ水平方向に延びていることを特徴とする、上記請求項
    のいずれか一つに記載の開閉可能な車両ルーフ。
  6. 【請求項６】 第１の案内軌道（２０）と第２の案内軌
    道（２４）がその始端領域（３８，４１）において上昇
    するように延びていることを特徴とする、請求項５に記
    載の開閉可能な車両ルーフ。
  7. 【請求項７】 第１の案内軌道（２０）および第２の案
    内軌道（２４）の始端領域（３８，４１）、又は第１の
    案内軌道（２０）若しくは第２の案内軌道（２４）の始
    端領域（３８，４１）が挿着部分として構成されている
    ことを特徴とする、請求項５または６に記載の開閉可能
    な車両ルーフ。
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