JP2002200851A - 昇華型熱転写受像シート - Google Patents

昇華型熱転写受像シート

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JP2002200851A
JP2002200851A JP2001183929A JP2001183929A JP2002200851A JP 2002200851 A JP2002200851 A JP 2002200851A JP 2001183929 A JP2001183929 A JP 2001183929A JP 2001183929 A JP2001183929 A JP 2001183929A JP 2002200851 A JP2002200851 A JP 2002200851A
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Yutaka Kuga
ゆたか 久我
Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録体と重ね合わせて使用される熱転写受像
シートに関して、高価な合成紙や発泡フィルムを使用す
ることなく、合成紙や発泡フィルム同等以上の感度、均
一性を有する安価な中空粒子含有熱転写受像シートを提
供すること。 【解決手段】 セルロース繊維を主体とした紙を基体と
し、該基材上に少なくとも樹脂層として染料を染着させ
る受像層を設けた熱転写受像シートにおいて、該熱転写
受像シートのクッション変形率が10%以上30%以下
であることを特徴とする熱転写受像シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、記録体と重ね合わ
せて使用される熱転写受像シート、及び該熱転写受像シ
ートを用いる記録方法に関し、特に紙基体上に中空粒子
を含有する樹脂層を設けた熱転写受像シート、及び記録
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写受像シートは、基材として通常の
紙を用いた熱転写受像シートが提案されている。この通
常の紙基材を使用した熱転写受像シート上に形成した画
像形成物は、通常のオフセットやグラビア印刷によって
得られた印刷物と表面の光沢や厚さ等の質感が同等であ
り、従来の合成紙を基材とした熱転写受像シートと異な
り、折り曲げが可能であったり、数枚重ね合わせても製
本やファイリングが可能である等、様々な使用に適する
ものである。また、通常の紙は合成紙よりも安価なた
め、熱転写受像シートを低価格で製造することができ
る。
【0003】しかし、これら紙基材に直接受像層を形成
した熱転写受像シートでは、サーマルヘッドからの熱が
基体に逃げてしまうことから起こる感度不足やクッショ
ン性不足、及び紙繊維のスキムラや密度ムラによるイン
ク層と受像層の密着性ムラから起こる転写濃度ムラの発
生という欠点を有する。
【0004】上記の改善策として、特公平6−8411
9号公報には、紙/合成紙の貼り合わせ基体が記載さ
れ、また、特公平8−32487号公報、特許第272
604号公報には、紙/発泡粒子を用いる中間層によっ
て断熱効果を生じ、転写濃度の改善に有効であることが
記載されている。しかし、合成紙や発泡フィルム、又は
それらと紙との貼り合わせは断熱性、平滑性に優れるも
のの、紙の質感がないことや、コスト高になる等の欠点
を有している。更に、紙基体上の中空粒子中間層は、中
空粒子内の空気の断熱性に基づく蓄熱効果やクッション
性は向上されるものの、更に中空粒子中間層上に形成さ
せる受像層によっては、熱転写受像シートとしての蓄熱
効果やクッション性は低減されてしまう。
【0005】これに対し、中空粒子としての断熱効果及
びクッション性を高めるために、特開平5−14736
4号公報、特開平9−99651号公報記載の技術にお
いては中空粒子の中空率や密度に着目し転写画質の向上
を行なっているものの、最終製品形態である熱転写受像
シートとしての断熱効果及びクッション性を考慮した場
合には、中空粒子の中空率、大きさ、含有率及び受像層
積層による低減効果のすべての要素が起因するため、最
終的なサーマルヘッドによるマッチング品質では、未
だ、感度不足や画像転写ムラの発生は完全には改善され
ていなかった。更に、特開平11−277917号公報
には中空粒子の中空率や密度のみならず、基材である紙
質に着目した技術が記載されているが、一般的な紙基材
でなく特殊な製造過程を経て用いることから製造コスト
が高くなってしまう。また、これらの中空粒子を用いて
も、受像層に含有した場合や中空粒子含有中間層を設
け、更に受像層を積層した場合には、受像層形成液に用
いられる有機溶媒により中空粒子が溶解し、層形成時に
は中空粒子が減少してしまう問題が発生していた。たと
え、耐有機溶媒性樹脂の中間層樹脂を用いて中空粒子を
含有した場合においても、有機溶媒使用の受像層形成液
を用いた場合には中空層内部に有機溶媒が浸透し、少な
からず中空粒子を浸触してしまう。従って、中空粒子の
代わりにゴム弾性をもつ樹脂等により代用する場合や中
空粒子と併用する場合もあるが、高感度の観点からサー
マルヘッドによる画像形成時の熱効率を上げるために
は、断熱効果の高い中空粒子を効率良く含有させること
が最も効果的である。特開平11−277917号公報
には、紙基体を使用しながらも、優れたクッション性を
有し、高エネルギー印画条件下でも白抜けや光沢むらが
発生せず、また紙の抄きむらによる発色むらが生じず、
更に低エネルギー印画条件下でも高品位の画像を形成で
きるようにするため、パルプを主原料とする基材上に、
少なくとも断熱層と更にその上に塗料受容層とを設けて
なり、該紙基材が多層抄き合せ原紙であり、該断熱層に
平均粒径5μm以下、好ましくは0.8〜4.5μmで
体積中空率80%以上、好ましくは85〜95%の中空
粒子を含有させた熱受像転写シートが記載されている
が、上記のことから中空粒子が非常に微粒子であり、か
つ耐有機溶媒性に乏しいことから、受容層積層時におけ
る中空粒子含有断熱層としてのクッション変形率は考慮
がなく、所要の上下幅について開示するところがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録体と重
ね合わせて使用される熱転写受像シートに関して、高価
な合成紙や発泡フィルムを使用することなく、合成紙や
発泡フィルム同等以上の感度、均一性を有する安価な中
空粒子含有熱転写受像シートを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「セルロース繊維を主体とした紙を基体とし、該
基材上に少なくとも樹脂層として染料を染着させる受像
層を設けた熱転写受像シートにおいて、該熱転写受像シ
ートのクッション変形率が10%以上30%以下である
ことを特徴とする熱転写受像シート」、(2)「基材上
の樹脂として、中間層/受像層又は受像層を少なくとも
設けた熱転写受像シートにおいて、該樹脂層中の少なく
とも一層以上に中空粒子の隔壁がアクリロニトリル、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタク
リル酸エステルのいずれか、またはそれらの混合物もし
くは重合物よりなり中空率が85%以上かつ平均粒子径
が4〜10μmである中空粒子を含有することを特徴と
する前記第(1)項に記載の熱転写受像シート。」、
(3)「該中空粒子の含有量が含有樹脂層中の樹脂成分
の重量に対して、35重量%以上含有していることを特
徴とする前記第(2)項に記載の熱転写受像シート」、
(4)「該中空粒子がメチルエチルケトン、トルエン、
酢酸エチルおよびアルコール溶媒に不溶であることを特
徴とする前記第(2)項に記載の熱転写受像シート」、
(5)「基材上の樹脂として、中空粒子含有中空層/受
像層を設けた熱転写シートであって、受像層の厚さが
1.0μm〜10μmであることを特徴とする前記第
(2)項に記載の熱転写受像シート」、(6)「JIS
Z−8741に準じた測定法による受像層表面の光沢
度が、Gs(60°)≧40であることを特徴とする前
記第(2)項に記載の熱転写受像シート」、(7)「該
基材上に、少なくとも樹脂層として染料を染着させる受
像層と、少なくとも中空粒子と結着樹脂からなる中間層
を設けた熱転写シートであることを特徴とする前記第
(1)に記載の熱転写受像シート」、(8)「該中間層
の結着樹脂のクッション変形率が5.0%以上であるこ
とを特徴とする前記第(7)項に記載の熱転写受像シー
ト」、(9)「該中間層の結着樹脂の溶媒が水であるこ
とを特徴とする前記第(8)項に記載の熱転写受像シー
ト」、(10)「該中間層の中空粒子中空率が85%以
上であることを特徴とする前記第(8)項に記載の熱転
写受像シート」、(11)「JIS Z−8741に準
じた測定方法による受像層表面の光沢度が、Gs(60
°)≧40%以上であることを特徴とする前記第(8)
項に記載の熱転写受像シート」により達成される。
【0008】また、上記課題は、本発明の(12)「前
記第(1)項に記載の熱転写受像シートに対する記録体
の相対速度が1/n倍(n>1)であることを特徴とす
る記録方法」、(13)「前記第(7)項または第
(8)項に記載の熱転写受像シートに対する記録体の相
対速度が1/n倍(n>1)であることを特徴とする記
録方法」、(14)「前記第(7)項または第(8)項
に記載の熱転写受像シートに対する記録体の相対速度が
1/n倍(n>1)、且つ複数のサーマルヘッドを平行
に配置した多重同時書き込みであることを特徴とする記
録方法」により達成される。
【0009】なお、熱転写受像シートにクッション性を
付与するためには、1)弾性のある樹脂により中間層及
び/又は受像層を形成する方法、2)中空粒子を樹脂中
に含有させる方法、などが挙げられるが、上記課題を改
善することを目的とし、かつ高いクッション性を熱転写
受像シートに得るためには、2)の中空粒子を用いる手
段が最適である。
【0010】また、2)の中空粒子を含有するにあたっ
て、該中空粒子はブタン、ぺンタン等の低沸点液体をポ
リ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル等の熱可塑性
樹脂で覆って低沸点溶剤を加熱膨潤させ、熱可塑性樹脂
をマイクロカプセル化した中空粒子として高い中空率を
長所に発泡フィルムにかわる中空層として有用であるも
のの、中空層塗工後中空粒子を膨張形成するタイプで
は、その膨張径等が厳密に管理できないため、結果的に
中空粒子含有樹脂層表面は凹凸となり、中間層及び受像
層に含有するには不適となる。よって、本願は発泡済み
中空粒子によって形成させる樹脂層をセルロース繊維状
基材の基体上に、形成した熱転写受像シートに関するも
のである。
【0011】発泡済みの中空粒子は、中空層塗工後中空
粒子を膨張するタイプと比較して、中空の粒子として存
在するためには、粒子の隔壁の厚さが制限され、ある一
定以下の厚さでは、単独の粒子として存在できない。し
たがって、ある程度の中空率となると、それ以上に中空
率を上げることが難しくなる。特に、中空粒子が平均粒
径10μm以下の小粒径となると、さらに中空率を上げ
ることが難しくなる。そこで、中空粒子の結着用の樹脂
をクッション変形率が高い樹脂にすることによって、中
間層のクッション変形率をさらに向上することができ、
熱転写受像シートのクッション変形率を更に向上するこ
とができる。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
熱転写受像シートは、基体としてセルロース繊維を主体
とした紙基体であり、例えば、上質紙、アート紙、軽量
コート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙等が
挙げられ、この中で最も好ましいのは上質紙、軽量コー
ト紙、コート紙などである。またキャストコート紙など
は、耐水性を付与したものであるが、表面光沢や表面形
状などの質感が普通紙とは異なり、さらにコスト高にな
るため好ましくない。これらの基材の厚みは、50〜2
50μm、好ましくは100〜200μm程度であり、
50μmを下回る基材は、吸水時にしわが発生する等の
問題が発生するため好ましくない。
【0013】基材として、セルロース繊維を主体とした
これら紙基体を熱転写受像シートに用いた場合、記録体
と重ね合わせて染料を転写することで画像を形成する昇
華転写記録では、少なくとも染料を転写可能な樹脂で構
成した受像層を設ける必要があるものの、紙基体繊維の
スキムラや密度ムラを拾い転写濃度ムラを発生させてし
まう。よって該基体を用いた熱転写受像シートの画像均
一性を満足するためには、最終形態である熱転写受像シ
ートとしてのクッション変形率を、10%以上にする必
要がある。
【0014】熱転写受像シートのクッション変形率は少
なくとも10%以上であること、より好ましくは12%
以上であることが好ましい。基体としてセルロース繊維
を主体とした紙基体を使用しているため、湿度によって
クッション変形率が変動するため、12%以上とするこ
とにより、白抜けのない画質が安定して得られる。
【0015】中空粒子の結着用の樹脂のクッション変形
率は少なくとも5.0%以上であること、より好ましく
は6.5%以上であることが好ましい。樹脂のクッショ
ン変形率は、フィルム上に樹脂層を設け、ダイヤルゲー
ジ(三豊製作所社製)に標準測定子を取り付け、ダイヤ
ルゲージスタンド(No.7001DGS−M)に設置
する。ダイヤルゲージ押え部分に100gの荷重をかけ
たときと、荷重をかけないときのそれぞれのフィルムの
厚さを除いた樹脂の厚みをD100、Dとすると、下記式
のように表される。
【0016】
【数1】 クッション変形率(%)=(D−D100)/D×100
【0017】また、熱転写受像シートとしてのクッショ
ン変形率を10%以上にするためには、紙基体上の樹脂
層中に中空粒子を含有させれば良いが、該中空粒子の中
空率は85%以上かつ平均粒子径を4〜10μmにする
必要がある。中空粒子の中空率が85%以上であって
も、平均粒子径が4μmを下回った場合には、中空粒子
含有樹脂層内の空隙部が減少し、結果としてのクッショ
ン変形率は、低下してしまう。また、中空粒子の平均粒
子径が10μmを越える場合には、熱転写受像シートの
表面凹凸が大きく、光沢性が著しく低下すると共に、表
面凹凸に起因する画像ムラが発生してしまう。
【0018】さらに、熱転写受像シートとしてのクッシ
ョン変形率を向上させるためには、中空粒子の物性のみ
ならず、樹脂層内の中空粒子含有量を、樹脂重量に対し
て少なくとも35重量%以上、好ましくは50重量%以
上含有していることが好ましい。中空粒子は紙基体上の
樹脂層として、少なくとも受像層形成層内に含有してい
ればよいが、高濃度画像を形成させるためには、染料染
着樹脂である受像層と紙基体の間に中間層を設け、該中
間層に中空粒子を含有させることがより好ましい。
【0019】中空粒子は、ブタン、ペンタン等の低沸点
液体をアクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルのいずれ
か、またはそれらの混合物もしくは重合物よりなる熱可
塑性樹脂で覆って、マイクロカプセルとした粒子をあら
かじめ加熱発泡して中空粒子化させたものであるが、受
像層及び中間層に含有する際には受像層及び中間層形成
溶媒に膨潤・溶解しないタイプのものを使用する必要が
あり、特開平9−99651号公報や特開平11−27
7917号公報で使用されている塩化ビニリデンを中空
粒子樹脂として含有させた場合には、耐有機溶媒性が著
しく劣るため、好ましくない。
【0020】中間層の樹脂としては、発泡粒子を結合す
ることができる樹脂を使用すればよく、例えば酢酸ビニ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩ビ
酢ビ共重合体、セルロースエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリビニル
エーテル樹脂またはポリアクリロニトリル樹脂など公知
の熱可塑性樹脂はいずれも使用でき、架橋剤との反応硬
化物、単独または2種以上を混合して使用してもよい。
特に記録中での膜強度や保存中での耐溶剤性、耐水性を
考慮すれば分子量だけでなく耐熱樹脂、架橋された樹脂
がより好ましい。
【0021】中間層樹脂として水に可溶な樹脂で形成し
た場合、または中間層形成後に樹脂が架橋するものを使
用した場合には問題ないが、これら樹脂は、一般的に水
には溶解しないものが多く、有機溶媒、例えばメチルエ
チルケトン、トルエン、酢酸エチル及びアルコール溶媒
などには可溶であるため、中空粒子含有中間層として有
機溶媒のみに可溶な樹脂で形成する場合や、受像層を積
層する際の受像層形成液が有機溶媒を使用している場合
には、同様に中間層内の中空粒子が有機溶媒に侵されて
しまう。
【0022】この場合、結果的に中空粒子を含有しても
最終的な熱転写受像シートとしてのクッション変形率を
減少させてしまい、画像転写ムラの原因となるため、中
空粒子は樹脂可溶有機溶媒に膨潤・溶解してしまわない
ようなものを使用する必要がある。
【0023】結着樹脂の溶媒を水にすることにより、有
機溶剤を使用した場合より、安全であることから、作業
性が向上する。また、中空粒子は、含水していない粉体
状の場合と含水あるいはエマルジョンの形状の場合があ
り、平均粒径10μm以下の小粒径となると含水あるい
はエマルジョンの形状である場合が多いため、結着樹脂
の溶媒が水であることにより、中空粒子の分散性が向上
する。
【0024】中間層の膜厚としては、10μm〜100
μmであり、それ以下では、やはり膜としての所望のク
ッション性や断熱性が得られない。またそれ以上では性
能が飽和してしまい、それ以上の性能は得られないこと
から、100μm以上を否定するわけではないが、カー
ル調整や紙厚調整等のクッション性や断熱性以外の効果
を期待するためでなければ意味はない。
【0025】受像層の樹脂としては、染着性の高い樹脂
を使用すればよく、例えば酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩ビ酢ビ共重合体、塩ビ
酢ビビニルアルコール共重合体、セルロースエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタク
リル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹
脂、ポリビニルエーテル樹脂またはポリアクリロニトリ
ル樹脂など公知の熱可塑性樹脂はいずれも使用でき、架
橋剤との反応硬化物、単独または2種以上を混合して使
用してもよい。特にポリビニルアセタール樹脂や塩化ビ
ニル系樹脂は高濃度の画像を形成し、画像保存性も良好
であるが、これら樹脂は水には溶解せず、例えばメチル
エチルケトン、トルエン、酢酸エチル及びアルコール溶
媒などには可溶するため、中空粒子を含有して熱転写受
像シートとしてのクッション変形率を高めるためには、
有機溶媒に対して膨潤・溶解しないものを使用しなけれ
ばならない。
【0026】セルロース繊維を主体とした紙基体に中空
粒子含有中間層/受像層を順に積層した熱転写受像シー
トでは、該受像層の膜厚は1.0μm〜10μm、好ま
しくは2μm〜7μmである。それ以下では染料を十分
に受容できずに印字濃度不足が発生し、仮に高濃度が得
られたとしても染着樹脂の染料保持量を超えることによ
り、保存中に染料の結晶化や表面ブリードが発生する問
題が生ずる。
【0027】また、受像層が10μmを超えると、受像
層(断熱性、クッション性能を有さない樹脂層)の膜厚
増加により、下層の中空粒子含有中間層の断熱性、クッ
ション性効果が損なわれ、感度低下が生ずるだけでな
く、10μmを超える層を均一に形成するには、一般の
ワイヤーバー、グラビア塗工法では積層でなければ実現
せず、生産性に悪影響を生じさせるものである。
【0028】樹脂としての感度、画像均一性、初期光沢
度等の総合的最適組み合わせは、中空粒子の含有量、受
像層の膜厚調整や特に初期光沢度を向上させるために
は、中空粒子含有中間層/受像層の積層タイプでは、中
空粒子中空層塗工後にキャレンダー処理を施すことがよ
り好ましく、さらには中空粒子含有中間層が破壊されな
い限りにおいて、高温化でキャレンダー処理を施すこと
がより好ましい。キャレンダーの施す圧力条件は、1〜
150mPa、好ましくは5〜100mPaであり、温
度は室温から中空粒子が破泡せず、中空層用のバインダ
ーのTg以上がよく、具体的には、30から150℃、
好ましくは40〜130℃であり、最終的な熱転写受像
シートの表面の光沢度が、JIS Z−8741に準じ
た測定法においてGs(60°)≧40となるように決
定すればよい。
【0029】受像層上に離型層を設けることにより、熱
転写受像シートと記録層の融着、あるいは速度差駆動に
おけるスティッキングが発生しにくくなるが、特に中空
粒子含有層は耐熱性が低く、機械的強度も発泡フィルム
等と比較し弱いため、離型層により走行性が良好となれ
ば、中空粒子含有層にかかる負荷も減少し、スティッキ
ングは非常に有利になる。
【0030】離型層は、離型性のある樹脂ならば従来公
知の樹脂でよく、例えばシリコン樹脂が挙げられる。ま
た潤滑物質を添加することによりさらに良好となり、例
えば流動パラフィン等石油系潤滑油、ハロゲン化炭化水
素、ジエステル油、シリコン油、フッ素シリコン等合成
潤滑油、各種変性シリコン油(エポキシ変性、アミノ変
性、アルキル変性、ポリエーテル変性等)、ポリオキシ
アルキレングリコール等の有機化合物とシリコンの共重
合体等のシリコン系潤滑性物質またはシリコン共重合
体、フルオロアルキル化合物等各種フッ素系界面活性
剤、トリフルオロ塩化エチレン低重合物等のフッ素系潤
滑性物質、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス
等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸ア
ミド、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸塩、二硫化モリ
ブデン等が使用でき、その中でも特に、シリコン共重合
体(樹脂にシリコンをブロックやグラフトにより重合さ
せたもの)は良好である。これらの潤滑物質は、1種で
もよいが2種以上の混合によって使用してもよい。離型
層の厚さは、0.05μm〜10μm程度が好ましい。
【0031】発明の受像体と組み合わせて使用する記録
方法は従来公知のものが使用できるが、受像体に対する
記録体の相対速度を1/n倍(n>1)の条件(すなわ
ち受像体の速度を記録体の速度より速くして)記録体の
基体側から加熱印字することにより、ランニングコスト
を低くすることができる。特に、熱転写受像シートに対
する記録体の相対速度を1/n倍(n>1)の系では、
受紙に対しインク層の幅が1/nでよいことから、受紙
の副走査方向の長さ(L)の1/nに次色のインク層が
セットされており、そこにもう1本のサーマルヘッドを
設けることにより、1又は2色目の画像をL/n遅れで
印字することが可能であり、これにより高速にて印字す
ることが可能となる。
【0032】画像転写時の転写濃度ムラは、印画時のサ
ーマルヘッドとプラテン間の圧力を高めることで減少で
きるものの、熱転写受像シートに対する記録体の相対速
度を1/n倍(n>1)の系では、記録体と熱転写受像
シートを滑らせながら搬送させるために負荷が大きくな
り、融着を引き起こす原因になるため、特に本発明の熱
転写受像シートのクッション変形率を高めることは重要
な要素となるが、熱転写受像シートのクッション変形率
を30%を超えた場合には、印画時のサーマルヘッドと
プラテン間の圧力を高めると同様な搬送負荷が大きくな
り、融着を発生しやすくなることから好ましくない。
【0033】更に、公知の添加剤として紫外線吸収剤、
酸化防止剤、光安定化剤等を添加してもよい。また画像
が形成されたあと加熱処理を施すことにより、受像体に
移行した染料が内部に拡散され、保存安定性や耐可塑剤
性および耐光性が向上する。これらの加熱処理は1度で
もよいが、2回以上加熱処理を行なうとさらに向上す
る。
【0034】更にまた、基体下面にバック層を従来公知
の材料を用いて設けることもできるし、表面処理、熱お
よびエネルギー処理を施すこともできる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。また、以下に示す部はいずれも重量基準である。 (実施例1) <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒子径:5.0μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールPVA617:クラレ社製) 10部 水 150部 攪拌分散して得た塗工液を基体として、OKトップコー
ト紙(王子製紙(株)社製、米坪157g/m2)に
1.2mm径のワイヤーからなるワイヤーバーにて塗工
し、塗工後100℃3分間乾燥して中間層を形成し、ス
ーパーキャレンダーのキャレンダー圧を30mPaで2
回かけた。次に、下記受像層形成液をワイヤーバーを用
いて塗布し、乾燥温度80℃で1分間乾燥後、膜厚が
5.0μmとなるように積層した。
【0036】 <受像層> ポリビニルアセタール樹脂(KS−1:積水化学社製) 4.7部 トルエン 21.4部 メチルエチルケトン 64.3部 次に、下記離型層形成液をワイヤーバーを用いて離型層
を塗布し、乾燥温度80℃で1分間乾燥後、60℃で1
2時間のエージングを行ない、熱転写受像シートを作成
した。
【0037】 <離型層> シリコン樹脂(SR2411:東レシリコーン社製) 2部 シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP712:大日精化社製) 10部 n−ブタノール 50部 トルエン 50部
【0038】(実施例2)下記の中間層形成液を用いて
中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒子径:5.0μm) 6部 ポリビニルブチラール(BX−1:積水化学社製) 10部 エタノール 120部 n−ブタノール 30部
【0039】 (実施例3) <受像層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒子径:5.0μm) 7部 ポリビニルアセタール樹脂(KS−1:積水化学社製) 10部 トルエン 120部 メチルエチルケトン 30部 攪拌分散して得た塗工液を基体として、OKトップコー
ト紙(王子製紙(株)社製、米坪157g/m2)にワ
イヤーバーにて塗工し、塗工後100℃3分間乾燥して
10μmの受像層を形成した。次に、実施例1で用いた
離型層を積層し、同様に熱転写受像シートを作成した。
【0040】(実施例4)受像層の膜厚を0.5μmに
した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを
作成した。
【0041】(実施例5)実施例1の中間層を塗工後、
スーパーキャレンダーのキャレンダー圧を30mPaで
1回かけ、さらに80℃のキャレンダー圧を30mPa
で熱処理を施した以外は、同様にして熱転写受像シート
を作成した。
【0042】(実施例6)下記の中間層形成液を用いて
中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒径:5.0μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールRS−117:クラレ社製) 10部 水 144部
【0043】(実施例7)下記の中間層形成液を用いて
中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒径:5.0μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールRS−105:クラレ社製) 10部 水 144部
【0044】(実施例8)実施例7の中間層を塗工後、
スーパーキャレンダーのキャレンダー圧を30mPaで
1回かけ、さらに80℃のキャレンダー圧を30mPa
で熱処理を施した以外は、同様にして熱転写受像シート
を作成した。
【0045】(実施例9)下記の中間層形成液を用いて
中間層を塗布した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:93%、平均粒子径:7.40μm) 6部 ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA617:クラレ社製) 10部 水 150部
【0046】(比較例1)下記の中間層形成液を用いて
中間層を塗布した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:83%、平均粒子径:5.0μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールPVA617:クラレ社製) 10部 水 150部
【0047】(比較例2)下記の中間層形成液を用いて
中間層を塗布した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> 塩化ビニリデン、アクリロニトリルを主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒子径:3.2μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールPVA617:クラレ社製) 10部 水 150部
【0048】(比較例3)下記の受像層形成液を用いて
受像層を塗布した以外は、実施例3と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <受像層> 塩化ビニリデン、アクリロニトリルを主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:90%、平均粒子径:3.2μm) 7部 ポリビニルアセタール樹脂(KS−1:積水化学社製) 10部 トルエン 120部 メチルエチルケトン 30部
【0049】<記録体の作成>厚さ1μmのシリコーン
樹脂耐熱層を裏面に有する6μmの芳香族ポリアミドフ
ィルムの表面に、ワイヤーバーを用いて中間接着層形成
層を塗布し、100℃90秒間乾燥し、これを60℃で
12時間エージング処理を行ない、厚さ1μmの中間接
着層を形成した。次いで厚さ3μmの染料供給層、1μ
mの転写寄与層をワイヤーバー塗布した後に、100℃
90秒間乾燥および60℃12時間のエージング処理を
行なって積層せしめて記録体を得た。
【0050】 <中間接着層形成液> ポリビニールブチラール樹脂(積水樹脂社製:BX−1) 10部 イソシアネート化合物(日本ポリウレタン:コロネートL) 5部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0051】 <染料供給層形成液> ポリビニールブチラール樹脂(積水樹脂社製:BX−1) 10部 イソシアネート化合物(日本ポリウレタン:コロネートL) 5部 昇華性染料(日本化薬社製:R−3) 5部 エタノール 180部 正ブタノール 10部
【0052】 <転写寄与層形成液> ポリビニールブチラール樹脂(積水樹脂社製:BX−1) 10部 イソシアネート化合物(日本ポリウレタン:コロネートL) 5部 昇華性染料(日本化薬社製:R−3) 5部 アルコール変性シリコンオイル (東レダウコーニングシリコーン社製:SF8427) 0.5部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0053】記録媒体の低染着層と受像媒体の受像層と
が接するようにして重ねて、次の条件で記録を行なっ
た。 サーマルヘッドのグレーズ形状:部分グレーズ(京セラ
製) サーマルヘッドへの最高印加エネルギー:2.21mJ
/dot 受像媒体の走行速度:8.0mm/秒 転写媒体の走行速度:0.8mm/秒
【0054】熱転写受像シートの表面光沢度は光沢度計
PG−1M(日本電色工業(株)社製)を使用し、画像
濃度は画像形成後、反射型濃度計X―Rite938を
使用して測定した。熱転写受像シート及び中空粒子含有
樹脂層のクッション変形率は、測定サンプルを温度23
℃湿度50%の環境下に24時間放置した後に、下記の
方法により測定した値である。なお、中空粒子含有樹脂
層は180μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に塗膜形成したサンプルを使用して、中空粒子含有樹
脂層のみのクッション変形率を測定した。
【0055】
【数2】クッション変形率(%)=(D−D100)/
D×100 ダイヤルゲージ(三豊製作所社製)に標準測定子(N
o.900030)を取り付け、ダイヤルゲージスタン
ド(No.7001DGS−M)に設置し、ダイヤルゲ
ージ押さえ部分に100gの荷重をかけたときと荷重を
かけないときのそれぞれの熱転写受像シートの厚みをD
100、Dとする。その結果を表1に示す。
【0056】(比較例4)下記の中間層形成液を用いて
中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> 塩化ビニリデン、アクリロニトリルを主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子(中空率:83%、平均粒径:5.0μm) 6部 ポリビニルアルコール (クラレポバールPVA−613:クラレ社製) 10部 水 144部 実施例1と同様にして記録を行った。その結果を表2に
示す。
【0057】(比較例5)下記の中間層形成液を用いて
中間層を塗布した以外は、実施例1と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> 塩化ビニリデン系発泡中空粒子 6部 (中空率:90%、平均粒子径:4.0μm) ポリビニルブチラール(BX−1:積水化学社製) 10部 エタノール 120部 n−ブタノール 30部
【0058】(比較例6)下記の中間層形成液を用いて
中間層を塗布した以外は、実施例4と同様にして熱転写
受像シートを作成した。 <中間層> アクリロニトリル、アルキル酸を主体とする共重合体よりなる 発泡中空粒子 6部 (中空率:93%、平均粒子径:7.40μm) ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA617:クラレ社製) 10部 水 50部
【0059】
【表1】 画像ムラについては、目視により評価を行なったが、実
施例1〜5においては、濃度ムラのない均一な画像が形
成されたが、比較例1〜3においては、白抜け等の濃度
ムラが発生した。
【0060】
【表2】 画像ムラについては、目視により評価を行なったが、実
施例6〜9においては、濃度ムラのない均一な画像が形
成されたが、比較例4〜6においては、白抜け等の濃度
ムラが発生した。
【0061】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の熱転写受像シートは、セルロース繊
維を主体とした紙を基材とし、該基材上に少なくとも樹
脂層として染料を染着させる受像層を設けた熱転写受像
シートにおいて、該熱転写受像シートのクッション変形
率が10%以上30%以下であることによって、感度が
高く、光沢度に優れ、白抜け等による画像転写ムラがな
い受像シートが提供される。さらに、基材上の樹脂層と
して、中間層/受像層又は受像層を少なくとも設けた熱
転写受像シートにおいて、該樹脂層中の少なくとも一層
以上に中空率85%以上、かつ平均粒子径が4〜10μ
mである中空粒子を含有すること、また、該中空粒子の
含有量が含有樹脂層中の樹脂成分の重量に対して、35
重量%以上含有していること、また、該中空粒子の隔壁
が、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルのいずれか、
またはそれらの混合物もしくは重合物よりなり、メチル
エチルケトン、トルエン、酢酸エチルおよびアルコール
溶媒に不溶であること、また、基材上の樹脂として、中
空粒子含有中空層/受像層を設けた熱転写シートにおい
て、受像層の厚さが1.0μm〜10μmであること
で、高濃度画像と均一画像が得られ、受像層表面の光沢
度がJIS Z−8741に準じた測定法において、G
s(60°)≧40であることにより、受紙の高級感が
得られ、また、該基材上に、少なくとも樹脂層として染
料を染着させる受像層と、少なくとも中空粒子と結着樹
脂からなる中間層を設けることによって、白抜けのない
画像が得られ、該中間層の結着樹脂のクッション変形率
が5.0%以上であることにより白抜けのない画像が得
られ、該中間層の結着樹脂の溶媒が水であることによ
り、作業性が高い中間層で、白抜けのない画像が得ら
れ、該中間層の中空粒子中空率が85%以上であること
で、白抜けのない画像が得られ、受像層表面の光沢度が
JIS Z−8741に準じた測定方法において、Gs
(60°)≧40%以上であることで、白抜けのない画
像で高級感も得られる。さらに、熱転写受像シートに対
する記録体の相対速度を1/n倍(n>1)であること
を特徴とする記録方法により、安価な高画質画像を得る
ことができると共に、白抜けのない画像で安価な画像が
得られ、転写受像シートに対する記録体の相対速度が1
/n倍(n>1)、且つ複数のサーマルヘッドを平行に
配置した多重同時書き込みであることを特徴とする記録
方法により、白抜けがなく、高速で画像が得られるとい
う極めて優れた効果を奏する。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維を主体とした紙を基体と
    し、該基材上に少なくとも樹脂層として染料を染着させ
    る受像層を設けた熱転写受像シートにおいて、該熱転写
    受像シートのクッション変形率が10%以上30%以下
    であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 基材上の樹脂として、中間層/受像層又
    は受像層を少なくとも設けた熱転写受像シートにおい
    て、該樹脂層中の少なくとも一層以上に中空粒子の隔壁
    がアクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エステ
    ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルのいずれか、
    またはそれらの混合物もしくは重合物よりなり中空率が
    85%以上かつ平均粒子径が4〜10μmである中空粒
    子を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写
    受像シート。
  3. 【請求項3】 該中空粒子の含有量が含有樹脂層中の樹
    脂成分の重量に対して、35重量%以上含有しているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 該中空粒子がメチルエチルケトン、トル
    エン、酢酸エチルおよびアルコール溶媒に不溶であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シート。
  5. 【請求項5】 基材上の樹脂として、中空粒子含有中空
    層/受像層を設けた熱転写シートであって、受像層の厚
    さが1.0μm〜10μmであることを特徴とする請求
    項2に記載の熱転写受像シート。
  6. 【請求項6】 JIS Z−8741に準じた測定法に
    よる受像層表面の光沢度が、Gs(60°)≧40であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シー
    ト。
  7. 【請求項7】 該基材上に、少なくとも樹脂層として染
    料を染着させる受像層と、少なくとも中空粒子と結着樹
    脂からなる中間層を設けた熱転写シートであることを特
    徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  8. 【請求項8】 該中間層の結着樹脂のクッション変形率
    が5.0%以上であることを特徴とする請求項7に記載
    の熱転写受像シート。
  9. 【請求項9】 該中間層の結着樹脂の溶媒が水であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の熱転写受像シート。
  10. 【請求項10】 該中間層の中空粒子中空率が85%以
    上であることを特徴とする請求項8に記載の熱転写受像
    シート。
  11. 【請求項11】 JIS Z−8741に準じた測定方
    法による受像層表面の光沢度が、Gs(60°)≧40
    %以上であることを特徴とする請求項8に記載の熱転写
    受像シート。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の熱転写受像シートに対
    する記録体の相対速度が1/n倍(n>1)であること
    を特徴とする記録方法。
  13. 【請求項13】 請求項7または8記載の熱転写受像シ
    ートに対する記録体の相対速度が1/n倍(n>1)で
    あることを特徴とする記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項7または8記載の熱転写受像シ
    ートに対する記録体の相対速度が1/n倍(n>1)、
    且つ複数のサーマルヘッドを平行に配置した多重同時書
    き込みであることを特徴とする記録方法。
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