JP2002198871A - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP2002198871A JP2001344026A JP2001344026A JP2002198871A JP 2002198871 A JP2002198871 A JP 2002198871A JP 2001344026 A JP2001344026 A JP 2001344026A JP 2001344026 A JP2001344026 A JP 2001344026A JP 2002198871 A JP2002198871 A JP 2002198871A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応用メモリのフィルタ係数を待避値で置換
しても置換の瞬間に値が不連続でなく異音が生じないエ
コーキャンセラを得る。 【解決手段】 送信信号と残差信号からアルゴリズムを
用いて更新される適応化のためのフィルタ係数を記憶す
る適応用メモリ10と、適応化が妥当と判断される間は
適応用メモリのフィルタ係数を平行して記憶する待避用
メモリ13と、送信信号レベルと残差信号レベルとの差
をみて適応フィルタの適応化のためのフィルタ係数の更
新の適否を制御する係数置換制御手段15と、第1のフ
ィルタ係数の値と、第2のフィルタ係数の値を比較して
補間する補間手段23を備え、係数置換制御手段が適応
化が妥当ではなくて第1のフィルタ係数の値を第2のフ
ィルタ係数の値で置換するよう制御すると、補間手段は
第1のフィルタ係数の値と第2のフィルタ係数の値とが
連続な値となるよう所定のタイミング回数で補間して更
新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星通信、拡声電
話等の通話品質の劣化要因となるエコー信号を消去する
ためのエコーキャンセラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエコーキャンセラにおける適応化
制御手段としては、例えば、(1)「エコーキャンセラ
技術」(昭61−12−20)日本工業技術センターp
129−p130に記載されているものが、また、従来
のエコーキャンセラのフィルタ係数置換方法としては、
例えば、(2)特開昭62−24726号公報に記載さ
れているものがある。以下、その構成を図を用いて説明
する。図8は、前記文献(1)に記載された従来のエコ
ーキャンセラのブロック図である。kはディジタル信号
の時刻であり、Rin(k)は時刻kにおける受信信
号、即ち、遠端話者の音声を表している。エコー経路1
は、拡声電話用のエコーキャンセラの場合には、スピー
カから再生された遠端話者の音声がスピーカから音響空
間を経由してマイクへ回り込む経路に相当し、また、衛
星通信の回線用エコーキャンセラの場合には、2線4線
変換のハイブリッドトランスのインピーダンス不整合に
より、遠端話者の音声が遠端側へ漏洩する経路に相当す
る。受信信号Rin(k)は、エコー経路1を経ること
でエコー信号となって近端音声Nin(k)に重畳す
る。従って、送信信号Tin(k)は近端音声のみでは
なく、遠端音声のエコーが重畳した信号になっており、
このまま遠端側に送信されると通信品質が劣化する。エ
コーキャンセラでは適応フィルタ3により疑似エコー信
号Tin’(k)を生成しエコー減算器2で送信信号T
in(k)から疑似エコー信号Tin’(k)を差し引
くことで残差信号、即ち、エコー消去後の残差信号Re
s(k)を生成し、遠端側へ送信する。適応化制御手段
4は適応フィルタ3の適応化の制御を行うもので、ダブ
ルトーク検出時、即ち、遠端話者と近端話者が同時に発
話している時には、適応フィルタの適応化を停止させ、
遠端話者のみが発話している時には、適応化を実行させ
るために、適応化制御フラグFLGを適応フィルタへ出
力する。
【0003】次に、図9を用いて前記適応化制御手段4
をさらに詳しく説明する。図9は、前記文献(1)に記
載された従来のエコーキャンセラの適応化制御手段4の
ブロック図である。レベル計算手段5は、受信信号Ri
n(k)の対数変換されたパワー、即ち、受信信号レベ
ルLrin(k)を式(1)に従って計算して出力し、
レベル計算手段6は、残差信号Res(k)の対数変換
されたパワー、即ち、残差信号レベルLres(k)を
式(2)に従って計算して出力する。そして、レベル差
計算手段7は、受信信号レベルLrin(k)と残差信
号レベルLres(k)のレベル差DL(k)を、式
(3)に従って計算する。
【0004】
【数1】
【0005】レベル差DL(k)は、エコー経路1によ
るエコーの損失量とエコーキャンセラによるエコー消去
量の和を意味する。レベル補正手段8は、推定残差信号
レベルLres’(k)を、式(4)に従って計算す
る。 ここで推定残差信号レベルLres’(k)は、送信信
号Tin(k)に受信信号のエコー信号のみが存在する
時、即ち、遠端話者のみが発話している時の残差信号レ
ベルLres(k)の推定値に相当する。比較手段9
は、残差信号レベルLres(k)と推定残差信号レベ
ルLres’(k)を比較し、以下の条件式(5)を満
たす時には遠端話者、近端話者双方が発話状態、即ち、
ダブルトーク状態であると判定し、適応フィルタの適応
化を停止させるために適応化制御フラグFLGを0に設
定する。 Lres(k)>Lres’(k) (5) ここでFLG=1は、適応フィルタに対する適応化の実
行指示を示し、FLG=0は、適応化の停止指示を示
す。
【0006】適応化制御は、近端音声が適応化処理の妨
害となるレベルであるか否かを判定し、適応化の実行、
停止を制御する処理である。近端音声が適応化処理の妨
害となるのは、そのレベルが遠端信号によるエコー信号
のレベルを上回った時であるから、適応化の実行と停止
は、送信信号Tin(k)中のエコー信号レベルと近端
音声のレベルの大小関係により制御するべきものであ
る。即ち、図10で示すように、エコー信号レベルが近
端音声のレベルを越えた時、或いは、近端音声のレベル
にマージンを加えた値を越えた時に適応化を実行すべき
である。しかし、従来の技術では、残差信号レベルLr
es(k)と推定残差信号レベルLres’(k)から
ダブルトーク状態を検知するものであるが、図11また
は図12に示すように残差信号レベルLres(k)と
推定残差信号レベルLres’(k)は、ほぼ同じ値を
とるため、区間aのように、送信信号Tin(k)にエ
コー信号しか含まれていない区間においても、部分的に
ダブルトーク状態と誤検知して適応化を停止してしま
う。また、ダブルトーク時には、残差信号レベルLre
s(k)は、推定残差信号レベルLres’(k)を上
回るため、図11または図12の区間bのように、エコ
ー信号レベルが近端音声のレベルを越えていて適応化が
可能な区間でも、適応化を停止してしまう。
【0007】次に、従来のエコーキャンセラのフィルタ
係数置換方法の構成を図を用いて説明する。図13は、
前記文献(2)に記載された従来のエコーキャンセラの
ブロック図である。図13の従来例が図8の従来例と構
成上異なる点は、適応化制御手段4を備えず、切り替え
手段12、待避用メモリ13、係数置換制御手段15を
備える点である。また、図13の適応用メモリ10、積
和演算手段11及びフィルタ係数更新手段14は、図8
における適応フィルタを機能毎に分割して示したもので
あるので、これらは図13の従来例と図8の従来例の構
成上の相違点ではない。なお、以後の説明で図8と重複
する部分については、説明を省略する。適応用メモリ1
0は、送信信号とエコー消去後の残差信号からアルゴリ
ズムを用いて更新される適応化のためのフィルタ係数を
記憶する。待避メモリ13は、適応化が妥当と判断され
る間は上記適応用メモリ10のフィルタ係数を所定の区
間分平行して記憶する。係数置換制御手段15は、上記
送信信号レベルと上記残差信号レベルとの差をみて適応
フィルタの適応化のためのフィルタ係数の更新の適否を
制御する。まず、フィルタ係数更新手段14は、送信信
号Tin(k)及び残差信号Res(k)から例えば、
N−LMS法(学習同定法)などの適応フィルタアルゴ
リズムに従って、適応用メモリ10の第1のフィルタ係
数H(j)を更新する。積和演算手段11は、受信信号
Rin(k)と適応用メモリ10の第1のフィルタ係数
H(j)の畳み込み演算を行うことで、疑似エコー信号
を生成する。一方、係数置換制御手段15は送信信号レ
ベルLtin(k)と残差信号レベルLres(k)
を、それぞれ式(6)、式(2)に従って計算し、さら
に、Ltin(k)とLres(k)の差のDs(k)
を、式(7)に従って計算する。
【0008】
【数2】
【0009】さらに、係数置換制御手段15は、Ds
(k)の時系列を観察し、Ds(k)が大きくなる時に
は、適応フィルタの適応化が正しく進行していると判断
し、適応用メモリ10の第1のフィルタ係数を待避用メ
モリ13に転送する指令を切り替え手段12に与え、切
り替え手段12は、指令に従った転送を行い、その結果
適応用メモリ10の第1のフィルタ係数と同一の値が、
待避用メモリ13の第2のフィルタ係数として保存され
る。また、係数置換制御手段15は、Ds(k)が小さ
くなる時には、適応フィルタの適応化が誤って進行して
いると判断し、適応用メモリ10の第1のフィルタ係数
を待避用メモリ13に保存されている第2のフィルタ係
数の値で置換する指令を切り替え手段12に与え、切り
替え手段12は、指令に従った転送を行う。図14は、
Ds(k)の時間変化と切り替え手段12による転送処
理と置換処理のタイミングを示している。図中のH
(j)は適応用メモリ10の第1のフィルタ係数であ
り、Hm(j)は待避用メモリ13の第2のフィルタ係
数である。図中では、Ds(k)が大きくなり、適応用
メモリ10の第1のフィルタ係数H(j)が待避用メモ
リ13の第2のフィルタ係数Hm(j)へ保存のために
転送されるタイミングを「H(j)からHm(j)への
保存タイミング」のパルスで示し、また、Ds(k)が
小さくなり、待避用メモリ13の第2のフィルタ係数H
m(j)が適応用メモリ10の第1のフィルタ係数H
(j)へ転送されるタイミングを「H(j)のHm
(j)による置換タイミング」のパルスで示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の適応用メモリの
フィルタ係数を待避値で置換する構成は、置換対象の値
が大きく違っている場合には、置換の瞬間に適応用メモ
リのフィルタ係数が瞬時に大きく変化するため、その瞬
間に積和演算器の出力が不連続になり、その結果残差信
号に異音が生じるという課題があった。
【0011】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、適応用メモリのフィルタ係数を待避値で置
換しても置換の瞬間に値が不連続でなく異音が生じない
音質の優れたエコーキャンセラを得ることを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエコーキ
ャンセラは、送信信号とエコー消去後の残差信号からア
ルゴリズムを用いて更新される適応化のためのフィルタ
係数を記憶する適応用メモリと、適応化が妥当と判断さ
れる間は適応用メモリのフィルタ係数を所定の区間分平
行して記憶する待避用メモリと、送信信号レベルと残差
信号レベルとの差をみて適応フィルタの適応化のための
フィルタ係数の更新の適否を制御する係数置換制御手段
と、上記適応用メモリ中の第1のフィルタ係数の値と、
上記待避用メモリ中の第2のフィルタ係数の値を比較し
て補間する補間手段を備え、係数置換制御手段が適応化
が妥当ではなくて上記第1のフィルタ係数の値を上記第
2のフィルタ係数の値で置換するよう制御すると、補間
手段は第1のフィルタ係数の値と第2のフィルタ係数の
値とが連続な値となるよう所定のタイミング回数で補間
して順次更新するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.適応フィルタの適
応化制御を改良した実施の形態について述べる。図1
は、本発明の実施の形態1における適応化制御手段のブ
ロック図である。この図において、図9と同一の部分に
ついては、同一の符号を付し説明を省略する。適応化制
御手段は、図8のエコーキャンセラに設けられる手段で
あり、ディジタル信号である受信信号Rin(k)、送
信信号Tin(k)、残差信号Res(k)を入力と
し、適応化制御フラグFLGaを出力する。また、レベ
ル計算手段5,16,6は、受信信号レベルLrin
(k)、送信信号レベルLtin(k)、残差信号レベ
ルLres(k)を計算して出力する。ここでレベルと
は、例えば、パワーの対数変換値を指す。エコーゲイン
推定手段17は、受信信号レベルLrin(k)が明ら
かに有音である閾値を越えた時に、受信信号レベルLr
in(k)と送信信号レベルLtin(k)から推定エ
コーゲインEGを、式(8)に従って計算する。つま
り、受信信号がエコー経路で送信端に表れる等価利得
を、前区間いくつかの平均値として求める。これは通常
は、システムで決まった値であるが、これを時として計
算する。適応化制御手段は、受信信号が明らかに有音で
ある時の受信信号と送信信号のレベル差の平均値を用い
るので、エコーゲインを精度良く推定できる。
【0014】
【数3】
【0015】エコーレベル推定手段18は、推定エコー
レベルLech(k)を、式(9)に従って計算する。
即ち、近端信号がないとしたときに、送信信号の中に受
信信号がエコーとして表れる量を推定することになる。 Lech(k)=Lrin(k)+EG (9) 比較手段19は、残差信号レベルLres(k)にマー
ジンαを加えた値を推定エコーレベルLech(k)と
比較し、以下の条件式(10)を満たす時に適応化制御
フラグFLGaを1に、満たさない時に0に設定し出力
する。 Lech(k)≧Lres(k)+α (10)
【0016】本発明の動作をエコー消去量の大きい場
合、即ち、適応化が進んでエコーが十分にキャンセルさ
れる場合を示した図2を用いて説明する。本発明におけ
る適応化制御フラグFLGaの設定には、条件式(1
0)に示すように残差信号レベルLres(k)を推定
エコーレベルLech(k)と比較する。図2は、残差
信号レベルLres(k)と推定エコーレベルLech
(k)の時間変化を示している。残差信号レベルLre
s(k)は、エコー消去量が大きい場合は、近端音声レ
ベルとほぼ等しく、また推定エコーレベルLech
(k)は、エコー信号レベルとほぼ等しい。前述したよ
うに、適応化の制御に用いる理想的なパラメータは、近
端音声レベルとエコー信号レベルであるので、本発明で
は、従来例で使用した残差信号レベルLres(k)と
推定残差信号レベルLres’(k)よりも、望ましい
パラメータを使用している。そのため、従来例を説明し
た図11に比べ、多くの区間で適応化を実行することが
できる。即ち、図2の区間aのように、送信信号Tin
(k)にエコー信号しか含まれていない区間では、推定
エコーレベルLech(k)が近端音声レベルの近似で
ある残差信号レベルを常に上回るので、継続的に適応化
制御フラグFLGaを1に設定する動作となる。また、
図2の区間bのように、ダブルトーク区間中のエコー信
号レベルが近端音声レベルを上回っている区間でも、区
間aと同様に推定エコーレベルLech(k)が残差信
号レベルを上回るので、適応化制御フラグFLGaを1
に設定する動作となる。
【0017】なお、比較の条件式(10)におけるマー
ジンαは、近端音声レベルを残差信号レベルLres
(k)で近似した誤差と、推定エコーレベルLech
(k)が推定値であるために、真のエコーレベルに対し
て持つ誤差を吸収するためのものである。以上説明した
ように、本発明によれば、エコー消去量の大きい場合に
は、上記構成の信号比較により良好な適応化制御を行う
ことができる。
【0018】実施の形態2.適応フィルタの適応化制御
を改良した他の実施の形態を述べる。図3は、本発明の
実施の形態2における適応化制御手段のブロック図であ
る。この図において、図1及び図9と同一の部分につい
ては、同一の符号を付し説明を省略する。この適応化制
御手段は、図8のエコーキャンセラに設けられる手段で
あり、ディジタル信号である受信信号Rin(k)、送
信信号Tin(k)を入力とし、適応化制御フラグFL
Gbを出力する。また、レベル計算手段5,16は、実
施の形態1と同様に、受信信号レベルLrin(k)と
送信信号レベルLtin(k)を計算して出力する。エ
コーゲイン推定手段17とエコーレベル推定手段18
は、実施の形態1と同様に、推定エコーゲインEGと推
定エコーレベルLech(k)を計算する。比較手段2
0は、送信信号レベルLtin(k)、マージンβ、推
定エコーレベルLech(k)による以下の条件式(1
1)を満たす時に適応化制御フラグFLGbを1に、満
たさない時に0に設定し出力する。 Lech(k)≧Ltin(k)−β (11)
【0019】本発明の動作をエコー消去量の小さい場
合、即ち、適応化が未だ進まずにエコーのキャンセルが
充分でない場合を示した図4を用いて説明する。本発明
における適応化制御フラグFLGbの設定には、条件式
(11)に示すように、送信信号レベルLtin(k)
を推定エコーレベルLech(k)と比較する。図4
は、送信信号レベルLtin(k)と推定エコーレベル
Lech(k)の時間変化を示している。送信信号レベ
ルLtin(k)は、送信信号中に近端音声が含まれて
いない場合は、エコー信号レベルを表すため、推定エコ
ーレベルLech(k)とほぼ等しくなり、また、近端
音声と遠端音声が重なるダブルトーク時には、近端音声
とエコー信号が重畳した信号のレベルを表すため、推定
エコーレベルLech(k)を上回る。そのため、送信
信号レベルLtin(k)と推定エコーレベルLech
(k)を比較することで、送信信号Tin(k)にエコ
ー信号しか含まれていない区間を推定し、適応化制御フ
ラグFLGbを1に設定する。従来例を説明した図12
と比較してわかるように、図4ではより多くの区間で適
応化を実行する動作となる。
【0020】なお、比較の条件式(11)におけるマー
ジンβは、推定エコーレベルLech(k)が推定値で
あるために、真のエコーレベルに対して持つ誤差を吸収
するためのものである。以上説明したように、本発明に
よれば、エコー消去量の小さい場合には、上記構成の信
号比較により良好な適応化制御を行うことができる。
【0021】実施の形態3.更に、他の改良された適応
フィルタの適応化制御の形態について述べる。図5は、
本発明の実施の形態3における適応化制御手段のブロッ
ク図である。この図において、図9及び図1と同一の部
分については、同一の符号を付し説明を省略する。この
適応化制御手段も、図8のエコーキャンセラに設けられ
る手段であり、入出力は、図1,図3の構成と同様であ
る。レベル計算手段5,16,6は、実施の形態1と同
様に、受信信号レベルLrin(k)、送信信号レベル
Ltin(k)、残差信号レベルLres(k)を計算
して出力する。ここでレベルとは、例えば、パワーの対
数変換値を指す。エコーゲイン推定手段17とエコーレ
ベル推定手段18は、上記実施の形態と同様に、推定エ
コーゲインEGと推定エコーレベルLech(k)を計
算する。適応化制御手段は、受信信号が明らかに有音で
ある時の受信信号と残差信号のレベル差の平均値を用い
るので、エコー消去量を精度良く推定できる。比較手段
19,20は、それぞれ実施の形態1,実施の形態2と
同様に、適応化制御フラグFLGa,FLGbを設定し
フラグ選択手段22に出力する。また、エコー消去量推
定手段21は、受信信号レベルLrin(k)が明らか
に有音である閾値を越えた時に、送信信号レベルLti
n(k)と残差信号レベルLres(k)から推定エコ
ー消去量ERLEを、式(12)に従って計算する。
【0022】
【数4】
【0023】フラグ選択手段22は、推定エコー消去量
ERLEが閾値を越えた時、即ち、大きい時には、比較
手段19の出力する適応化制御フラグFLGaを、ま
た、推定エコー消去量ERLEが閾値を越えない時、即
ち、小さい時には、比較手段20の出力する適応化制御
フラグFLGbを、最終的な適応化制御フラグFLGと
して出力する。ここでFLG=1は、適応フィルタに対
する適応化の実行指示を示し、FLG=0は、適応化の
停止指示を示す。ここで適応フィルタによるエコー消去
量に応じて適応化制御フラグFLGaとFLGbを使い
分けるのは、エコー消去量の大小に関わらず、良好な適
応化制御を行うためである。既に、実施の形態1と実施
の形態2で説明したように、良好な適応化制御のために
はエコー消去量が大きい時には、適応化制御フラグFL
Gaが有効であり、エコー消去量が小さい時には、適応
化制御フラグFLGbが有効である。
【0024】以上説明したように、本発明によれば、エ
コー消去量に応じて適応化制御フラグFLGaとFLG
bを使い分けるので、エコー消去量の大小に関わらず、
良好な適応化制御を行うことができる。なお、α,βの
マージンは、それぞれ近端音声レベルを残差信号レベル
Lres(k)で近似した誤差と推定エコーレベルが推
定値としたために持つ誤差を吸収する効果がある。
【0025】実施の形態4.適応化制御による積和演算
器のフィルタ係数切換時の異音発生をなくす構成と動作
を説明する。図6は、本発明の実施の形態4におけるフ
ィルタ係数置換手段を備えるエコーキャンセラのブロッ
ク図である。この図において、図13と同一の動作をす
る部分については説明を省略する。図において、切り替
え手段12は、係数置換制御手段15より適応用メモリ
10の第1のフィルタ係数の値を待避用メモリ13に転
送する指令を受けるとその指令に従った転送を行う点は
従来例と同一であるが、適応用メモリ10の第1のフィ
ルタ係数の値を待避用メモリ13の第2のフィルタ係数
値で置換する指令を受けた時には何もしない点は従来例
とは異なる。新しい要素である補間手段23は、係数置
換制御手段15より適応用メモリ10の第1のフィルタ
係数の値を待避用メモリ13の値で置換する指令を受け
た時には、即ち、現在の適応化が妥当でなくフィルタ係
数を置換する時には、適応用メモリ10の第1のフィル
タ係数H(j)と待避用メモリ13の第2のフィルタ係
数Hm(j)を比較し、その値の差分を計算し、M回に
分割して補間する場合の1回の変更幅DL(j),j=
1,2,...,Jを、式(13)に従って計算し、待
避用メモリ13に変更幅DL(j),j=1,
2,...,Jを保存する。なお、ここでJは適応フィ
ルタのtap数である。
【0026】図7は、Ds(k)の時間変化と切り替え
手段12による転送処理のタイミングと補間手段23に
よる補間処理のタイミングを示している。すなわち、D
s(k)が大きくなり、適応用メモリ10の第1のフィ
ルタ係数H(j)が待避用メモリ13の第2のフィルタ
係数Hm(j)へ保存のために転送されるタイミングを
「H(j)からHm(j)への保存タイミング」のパル
スで示し、また、Ds(k)が小さくなり、適応用メモ
リ10の第1をフィルタ係数H(j)の待避用メモリ1
3に保存されている第2のフィルタ係数Hm(j)へ変
更するためのM回の補間のタイミングを「H(j)の補
間タイミング」のパルスで示している。従来例を説明し
た図14では、適応用メモリ10の第1のフィルタ係数
H(j)を待避用メモリ13の第2のフィルタ係数Hm
(j)へ変更する処理が1回の置換であったのに対し、
本発明を説明した図8ではこの変更する処理がM回の補
間であるので、本発明で補間前の第1のフィルタ係数と
第2のフィルタ係数とが大きく異なっている場合でも、
適応用メモリ10の第1のフィルタ係数を徐々に変更す
ることができる。 DL(j)={Hm(j)−H(j)}/M j=1,2,...,J (13) 次に、補間手段23は、1回目の補間時には適応用メモ
リ10の第1のフィルタ係数H(j)に変更幅DL
(j)の値を加算する処理を、j=1,2,...,J
について行う。以降、M回目の補間時まで適応用メモリ
10の第1のフィルタ係数に、変更幅DL(j),j=
1,2,...,Jの値を加算する動作を繰り返す。そ
の結果、M回目の補間が終了する時には、適応用メモリ
10の第1のフィルタ係数の値は、補間開始前の待避用
メモリ13の第2のフィルタ係数Hm(j),j=1,
2,...,Jと同一の値になる。
【0027】実施の形態5.実施の形態1,2,3にお
けるレベル計算手段5,16,6で計算される受信信号
レベルLrin(k)、送信信号レベルLtin
(k)、残差信号レベルLres(k)は、パワーの対
数変換値としたが、これをパワーで代用しても良い。本
実施の形態では、適応化制御手段に実施の形態1,2,
3と同じ動作をさせるために、式(8)の計算は式(1
4)に、式(9)の計算は式(15)に、条件式(1
0)の計算は式(16)に、条件式(11)の計算は式
(18)に、式(12)の計算は式(20)にそれぞれ
変更される。ただし、α’は、以下の式(17)で表さ
れる。ただし、β’は、以下の式(19)で表される。
【0028】
【数5】
【0029】また更に、推定エコーゲインEGの計算式
(14)及び推定エコー消去量ERLEの計算式(2
0)は、それぞれ式(21)、式(22)で代用しても
良い。
【0030】
【数6】
【0031】
【発明の効果】以上のように、フィルタ係数置換の際
に、置換前の適応用メモリのフィルタ係数と待避用メモ
リのフィルタ係数の値を補間しながら置換するので、置
換前の適応用メモリのフィルタ係数の値と待避用メモリ
のフィルタ係数の値が大きく違っていても、積和演算器
の出力信号が不連続とならず、その結果残差信号に異音
を生じなくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における適応化制御
手段の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における適応化制御
手段の動作を説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態2における適応化制御
手段の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における適応化制御
手段の動作を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態3における適応化制御
手段の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態4におけるフィルタ係
数置換手段を含むエコーキャンセラを示すブロック図で
ある。
【図7】 この発明の実施の形態4における係数置換手
段の動作を説明する図である。
【図8】 エコーキャンセラの全体構成を示すブロック
図である。
【図9】 従来の適応化制御手段の構成を示すブロック
図である。
【図10】 適応フィルタの適応化を実行すべき区間の
例を示した図である。
【図11】 従来の適応フィルタの適応化の実行区間の
例を示した図である。
【図12】 従来の適応フィルタの適応化の実行区間の
例を示した図である。
【図13】 従来のフィルタ係数置換方法を含むエコー
キャンセラを示すブロック図である。
【図14】 従来の係数置換方法の動作を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 エコー経路、2 エコー減算器、3 適応フィル
タ、4 適応化制御手段、5,6,16 レベル計算手
段、7 レベル差計算手段、8 レベル補正手段、9
比較手段、10 適応用メモリ、11 積和演算手段、
12 切り替え手段、13 待避用メモリ、14 フィ
ルタ係数更新手段、15 係数置換制御手段、17 エ
コーゲイン推定手段、18 エコーレベル推定手段、1
9,20比較手段、21 エコー消去量推定手段、22
フラグ選択手段、23 補間手段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号とエコー消去後の残差信号から
    アルゴリズムを用いて更新される適応化のためのフィル
    タ係数を記憶する適応用メモリと、 適応化が妥当と判断される間は上記適応用メモリのフィ
    ルタ係数を所定の区間分平行して記憶する待避用メモリ
    と、 上記送信信号レベルと上記残差信号レベルとの差をみて
    適応フィルタの適応化のためのフィルタ係数の更新の適
    否を制御する係数置換制御手段と、 上記適応用メモリ中の第1のフィルタ係数の値と上記待
    避用メモリ中の第2のフィルタ係数の値を比較して補間
    する補間手段を備え、 上記係数置換制御手段が適応化が妥当ではなくて上記第
    1のフィルタ係数の値を上記第2のフィルタ係数の値で
    置換するよう制御すると、補間手段は上記第1のフィル
    タ係数の値と第2のフィルタ係数の値とが連続な値とな
    るよう所定のタイミング回数で補間して順次更新するよ
    うにしたエコーキャンセラ。
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