JP2002198359A - ドライエッチング方法、及び半導体素子の作製方法 - Google Patents

ドライエッチング方法、及び半導体素子の作製方法

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JP2002198359A
JP2002198359A JP2000398165A JP2000398165A JP2002198359A JP 2002198359 A JP2002198359 A JP 2002198359A JP 2000398165 A JP2000398165 A JP 2000398165A JP 2000398165 A JP2000398165 A JP 2000398165A JP 2002198359 A JP2002198359 A JP 2002198359A
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photoresist
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semiconductor
sulfur
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JP2000398165A
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Tatsuro Uchida
達朗 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メサ側壁の垂直性・平滑性の高い半導体素子
の作製方法を提供する。 【解決手段】 塩素系ガスを用いるドライエッチング工
程を含む半導体素子の作製方法において、硫黄を含むフ
ォトレジスト102を用いて半導体基体100をエッチングす
ることを特徴とする半導体素子の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体基体のエッチ
ング方法及び当該エッチング方法を用いた半導体素子の
作製方法に関するものである。具体的には、反応性ガス
として塩素系ガスを用いた反応性イオンビームエッチン
グ装置(以下、「RIBE装置」という。)によるエッチン
グ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドライエッチングは、均一性・制御性が
優れていると期待されるため化合物半導体基板のエッチ
ング方法として用いられている。
【0003】そして、半導体レーザやその応用としての
リングレーザ、リングレーザジャイロなどの半導体素子
の作製においては、異方性エッチングにより形成された
メサ側壁の垂直性や平滑性に関して更なる改良が求めら
れている。
【0004】メサの垂直性や平滑性を高める方法として
は、厳密にエッチング条件を規定する手法が挙げられ
る。例えば、特開平8-250817号公報ではRIBE装置におい
て、Alを含む半導体層とGaを含む半導体層を積層した半
導体多層膜基板を塩素系ガスを用いてドライエッチング
を行い、Alを含む半導体層から生じた反応生成物の蒸気
圧P1と、Gaを含む半導体層から生じた反応生成物の蒸気
圧P2との比が0.2≦P2/P1≦1.5の関係を満たすような温
度に基板を加熱してエッチングを行う手法が開示されて
いる。
【0005】しかしながら反応生成物の蒸気圧は、温度
のみではなく、エッチング時の様々な条件、例えば、チ
ャンバ内の圧力等に強く依存している。したがって反応
生成物の蒸気圧の比を制御することは極めて困難であっ
た。
【0006】より制御性良くメサの垂直性・平滑性を高
める手法として、S(硫黄)を生成し得るハロゲン化イ
オウをエッチング・ガスとして用い、Sの堆積をメサの
側壁保護に利用しながら選択異方性エッチングを行う技
術が特開平8-31801号公報に記載されている。更にまた
特開平5-226303号公報には、処理チャンバの内壁面の一
部にイオウ系材料層を設ける技術が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】GaAs/AlGaAsの積層半
導体基板をエッチングする為に用いるメインエッチャン
トとなり得るS2Cl2等のハロゲン化イオウは、室温では
油状物質であるため、不活性ガスによるバブリング等に
より気化させる必要がある。またフッ化イオウ系ガスと
混合せずに、S2Cl2等のハロゲン化イオウ単独でのGaAs/
AlGaAsの積層半導体基板に対するエッチング特性は不明
である。また処理チャンバの内壁面の一部にイオウ系材
料層を設ける為には少なからず装置の改良が必要であっ
た。
【0008】また、特開平4-142738号公報では、レジス
ト材料層の被エッチング領域にあらかじめイオウをイオ
ン注入により導入する方法が開示されている。しかし、
この公報で開示されている方法では、レジストへのイオ
ウのイオン注入を行うことによりレジストへダメージが
導入されること、またレジストパターンの精細性を崩し
てしまう可能性が充分考えられる。また、イオン注入と
いう新たな工程を導入するため、プロセスが煩雑とな
り、またコストの観点からも問題がある。
【0009】本発明の目的は、より簡便にかつ制御性よ
くメサ側壁の垂直性・平滑性を高めるエッチング方法、
及び当該方法を用いた半導体素子の作製方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、塩素系ガスを用いるドライエッチング工程
を含む半導体素子の作製方法において、硫黄を含むフォ
トレジストを用いて半導体基体をエッチングすることを
特徴とする。
【0011】とりわけ前記ドライエッチング工程は、被
エッチング部側壁に、保護膜を形成しながら行われるこ
とを特徴とする。前記フォトレジストは、フォトレジス
トの構成物に硫黄を含んでおり、フォトレジストの被エ
ッチング領域に予め硫黄をイオン注入したものではな
い。
【0012】また、本発明は、塩素系ガスを用いるドラ
イエッチング方法において、硫黄を含むフォトレジスト
を用い、被エッチング側壁に硫黄を含む化合物を堆積さ
せながらエッチングを行うことを特徴とする。
【0013】上記構成において、エッチングと同時に被
エッチングメサ側壁に、被エッチング半導体基体の構成
元素を含む化合物が堆積することにより保護膜が形成さ
れ、サイドエッチングが防止されることにより異方性エ
ッチングが達成される。
【0014】また、イオンによる側壁へのアタックも抑
制されることにより、垂直かつ平滑性の優れたエッチン
グメサが形成されるという効果がある。また保護膜が形
成されることにより、通常ドライエッチング中に被エッ
チングメサ側壁に形成されるダメージ層の発生を抑制で
きるという効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1を参照し
て説明する。
【0016】まず図1(a)に示すように、スピンコーター
を用いて半導体基体100上に硫黄を含むフォトレジスト1
02を塗布し、マスクをかけて露光する。現像、リンスの
後、図1(b)に示すように、エッチングマスク104が形成
される。
【0017】フォトレジストとしては、例えばRD-2000N
(日立化成製)やODUR(東京応化工業製)等がある。RD
-2000Nは、ポリビニルフェノールとビスアジド化合物よ
り成るものである(詳細は、応用物理第54巻第2号133-1
34頁の記載参照)。
【0018】この状態で半導体基体100をRIBE装置に導
入し、塩素系ガスを用いてエッチングを行い図1(c)に示
すようにメサを形成する。
【0019】エッチングとともにフォトレジストに含ま
れる硫黄より成る化合物がメサ側壁に堆積し、保護膜10
6を形成する。この保護膜の存在により、選択性の高い
異方性エッチングが達成さる。また、イオンビームによ
るリッジ側壁へのアタックが抑制されることにより、垂
直かつ平滑なメサ形状が得られる。
【0020】なお、イオウ化合物がリッジ側壁に適切に
堆積するためのエッチング時の基板温度は、0℃以上50
℃未満、好ましくは室温から35℃以下の範囲である。
【0021】また、引き出し電圧としては、200 V以上3
50 V以下、好ましくは、300 V以上350V以下であるのが
良い。
【0022】次に上記半導体素子の作製方法を用いたジ
ャイロについて図2を参照して説明する。上記ドライエ
ッチング方法を用いてリング共振器形状20を有する半導
体レーザを作製する。該半導体レーザが発振すると互い
に逆方向に周回する時計回りのレーザ光(CW光)22及び
反時計回りのレーザ光(CCW光)24が共存する。26はミ
ラーである。
【0023】例えば、該半導体レーザを定電流駆動させ
る場合を考える。該半導体レーザが回転運動を受ける
と、CW光22とCCW光24の発振周波数に差が生じ、サニヤ
ック効果により2つのレーザ光は干渉しビートが生じ
る。該ビートは該半導体レーザにかかる電圧の周波数変
化として検出されるので、該ビートを用いて物体の角速
度を検出できるジャイロとして用いることができる。
【0024】さらに、ジャイロの静止時においてもビー
ト信号が得られるようにしておけば、静止時と回転時の
ビート信号を比較する事で回転方向まで検知が可能であ
る。具体的には、欧州公開特許第1020706号に記載され
ているように、リング状リッジ形状の導波路の一部に非
対称なテーパ形状を設けることで、静止時であってもCW
光、CCW光の損失差に起因したビート信号が得られる。
【0025】
【実施例】(第1の実施例)図1は本発明の特徴を最もよ
く表すエッチング工程の模式的断面図であり、同図にお
いて100はGaAs基板、102はフォトレジスト、104はエッ
チングマスク、106はエッチングにより側壁に形成され
た保護膜である。
【0026】まず、図1(a)に示すように、スピンコータ
ーを用いてGaAs基板100上にフォトレジスト102を塗布し
た。フォトレジストとしては、イオウを含むRD-2000N
(日立化成製)を使用した。塗布後マスクをかけて露光
した。そして現像、リンス工程を経て、図1(b)に示すよ
うに、エッチングマスク104が形成された。
【0027】この状態でGaAs基板100をRIBE装置に導入
し、塩素ガスを用いて、図1(c)に示すようにエッチング
メサを形成した。エッチング条件は以下に示す通りであ
った。
【0028】 マイクロ波パワー :120 W 圧力 :0.106Pa (0.8 mTorr) 塩素ガス流量 :0.02 Pa・m3/sec (12 sccm) イオン引き出し電圧:300 V 基板温度 :30 ℃ その結果、図1(c)に示すように、エッチングと同時に、
被エッチング物であるイオウを含む化合物がメサ側壁に
堆積し、保護膜106を形成した。この保護膜の存在によ
り、異方性エッチングが達成され、またイオンによるエ
ッチングメサへのアタックが抑制されることにより、垂
直かつ平滑な(走査型電子顕微鏡観察において約10 n
mの荒れ(図3))エッチングメサが得られた。
【0029】さらに透過型電子顕微鏡観察において、半
導体 / 保護膜界面においてGaAs格子像の乱れが観察さ
れていないことから、エッチングメサにダメージ層が形
成されていないことが確認された。
【0030】また、形成された保護膜106は、硫酸:過
酸化水素水:水の混合溶液で除去することが可能であっ
た。
【0031】なお、ここでは塩素系ガスの例として塩素
を使用したが、BCl3、CCl4、SiCl4などの塩素系ガスで
あってもよい。
【0032】なお、ここでは硫黄を含むフォトレジスト
としてRD-2000N(日立化成製)を示したが、これに限定
されるものではない。
【0033】(第2の実施例)図4は、本発明に係る半導
体素子の作製方法を用いて作製される半導体レーザの作
製方法を説明する模式的断面図であり、同図において20
0は基板、202はバッファー層、204は光ガイド層、206は
活性層、208は光ガイド層、210はクラッド層、212はキ
ャップ層、214はアノード、216はフォトレジスト、218
は対アノードエッチングマスク、220はフォトレジス
ト、222は対半導体エッチングマスク、224は保護膜、及
び226はカソードである。
【0034】本発明における半導体素子の作製方法につ
いて図4を参照しながら説明する。
【0035】まず、有機金属気相成長(MOCVD)法を用い
て、図4(a)のように、n-GaAs(100)基板200(厚み350μ
m)上に半導体レーザを構成する半導体層を成長する。
すなわち、n-AlGaAsクラッド層202(厚み1.5μm)、ア
ンドープAlGaAs光ガイド層204(厚み0.1μm)、0.85
μm組成のGaAs / AlGaAs多重量子井戸層206(井戸層厚
み0.01μm×3層、障壁層厚み0.01μm×2層)、アンド
ープAlGaAs光ガイド層208(厚み0.1μm)、p-AlGaAsク
ラッド層210(厚み2.0μm)、p-GaAsキャップ層212
(厚み0.5μm)を成長する。
【0036】次にスパッタ装置を用いて、図4(b)に示す
ように、キャップ層212の上にアノード214としてAu / T
i(Tiの厚み50nm、Auの厚み0.2μm)を形成した。
【0037】続いて、図4(c)に示すように、スピンコー
ターを用いてアノード214上にフォトレジスト216(RD-2
000N(日立化成製))を塗布し、マスクをかけて露光し
た。現像、リンス工程を経て、図4(d)に示すように対ア
ノードエッチングマスク218が形成された。
【0038】次に、反応性イオンエッチング(RIE)装置
において、Arガスを用いてAuを、CF4ガスを用いて Tiを
エッチングした。この工程によって、図4(e)に示すよう
に、対アノードエッチングマスク218が被覆している以
外の領域にキャップ層212が露出する。次にウエハーを
プラズマアッシング装置に導入し、図4(f)に示すよう
に、酸素プラズマによって対アノードエッチングマスク
218を除去した。
【0039】続いて図4(g)に示すように、スピンコータ
ーを用いてアノード214及びキャップ層212上にフォトレ
ジスト220を塗布し、露光・現像工程を行い、図4(h)に
示すように対半導体エッチングマスク222が形成され
る。この際、図4(h)に示すように対半導体エッチングマ
スクがアノードを完全に覆うようにアライメントを行っ
ている。
【0040】この状態で、基板をRIBE装置に導入し、塩
素ガスを用いて、図4(i)に示すようにエッチングメサを
形成する。このときのエッチング条件は以下に示す通り
である。
【0041】 マイクロ波パワー :120 W 圧力 :0.67Pa (0.5 mTorr) 塩素ガス流量 :0.0059 Pa・m3/sec (3.5 sccm) イオン引き出し電圧:300 V 基板温度 :30 ℃ その結果、メサエッチングと同時に、イオウを含む化合
物がメサ側壁に堆積し、保護膜224を形成していた。こ
の保護膜の存在により、異方性エッチングが達成され、
またイオンによるエッチングメサへのアタックが抑制さ
れることにより、垂直かつ平滑な(走査型電子顕微鏡観
察において約10 nmの荒れ(図5))エッチングメサが
得られた。さらに透過型電子顕微鏡観察において、半導
体 / 保護膜界面において化合物半導体層の格子像の乱
れが観察されていないことから、エッチングメサにダメ
ージ層が形成されていないことが確認された。
【0042】また、保護膜は、硫酸:過酸化水素水:水
の混合溶液で除去することが可能である。なお、各半導
体層の構成元素の違いによるエッチング速度の違いは現
れないため、積層構造に起因した凹凸は観察されていな
い。
【0043】次に基板をプラズマアッシング装置に導入
し、酸素プラズマによって対半導体エッチングマスク22
2を除去する。こうして、図4(j)に示すように、垂直か
つ平滑性の優れた光導波路を得た。
【0044】最後に、図4(k)に示すように、n-GaAs基板
200にカソード226として、AuGe/Au(AuGeの厚み200n
m、Auの厚み200nm)を蒸着し、その後、窒素雰囲気
中380℃で急速熱処理(Rapid Thermal Annealing:RT
A)し、オーミック接触をとった。
【0045】なお、ここでは塩素系ガスの例として塩素
を示したが、BCl3、CCl4、SiCl4などの塩素系ガスであ
ってもよい。また、ここでは半導体素子の例として半導
体レーザを示したが、発光ダイオードなどの発光素子、
フォトダイオードなどの受光素子、またリングレーザジ
ャイロなどのセンサー等であってもよい。
【0046】(第3の実施例)図1は本発明の特徴を最
もよく表すエッチング工程の断面図であり、同図におい
て100は基板、102はフォトレジスト、104はエッチング
マスク、16は保護膜である。
【0047】本発明におけるエッチング方法を図1を参
照しながら説明する。まず、図1(a)に示すように、ス
ピンコーターを用いてGaAs基板100上にフォトレジスト1
02を塗布し、マスクをかけて露光する。現像、リンス
後、図1(b)に示すように、エッチングマスク104が形成
される。ここで用いたフォトレジストは、RD-2000N(日
立化成製)である。
【0048】この状態でGaAs基板を反応性イオンビーム
エッチング(RIBE)装置に導入し、塩素ガスを用いて、図
1(c)に示すようにリッジを形成する。このときのエッチ
ング条件は以下に示すとおりである。
【0049】 マイクロ波パワー :120 W 圧力 :0.106 Pa (0.8 mTorr) 塩素ガス流量 :0.02 Pa・m3/sec (12 sccm) イオン引き出し電圧:300 V 基板温度 :室温 その結果、図1(c)に示すように、エッチングと同時に、
被エッチング物である化合物半導体基板の構成元素であ
るGa及びAsとフォトレジストに含まれる硫黄よりなる化
合物がリッジ側壁に堆積し、保護膜106を形成する。こ
の保護膜の存在により、異方性エッチングが達成され、
またイオンによるリッジへのアタックが抑制されること
により、垂直かつ平滑な(走査型電子顕微鏡観察におい
て約10nmの荒れ)リッジが得られた。
【0050】図6は、本実施例で得たリッジの走査型電
子顕微鏡写真である。図6(a)は、リッジの断面を観察し
た写真であり、垂直なリッジが形成されることが確認さ
れた。また図6(b)はリッジ側壁を観察した写真であり、
平滑なリッジが形成されていることが確認された。
【0051】さらに透過型電子顕微鏡観察において、半
導体 / 保護膜界面においてGaAs格子像の乱れが観察さ
れていないことから、リッジにダメージ層が形成されて
いないことが確認された。
【0052】また、必要に応じて保護膜は、硫酸:過酸
化水素水:水の混合溶液で除去することが可能である。
【0053】なお、ここでは塩素系ガスの例としてCl2
を示したが、BCl3、SiCl4であってもよい。
【0054】また、ここでは硫黄を含むフォトレジスト
として、RD-2000N(日立化成製)を示したが、これに限
定されるものではない。
【0055】なお、ここではドライエッチング条件の一
例を示したが、イオン引き出し電圧が350 V以下であ
り、かつ基板温度が35 ℃以下であることが特に望まし
い。
【0056】(第4の実施例)図6は、本発明にかかる
半導体素子の作製方法を用いて作製されるリング共振器
型半導体レーザを有したジャイロの作製方法を説明する
断面図であり、同図において 200は基板、202はバッフ
ァー層、204は光ガイド層、206は活性層、208は光ガイ
ド層、210はクラッド層、212はキャップ層、214はアノ
ード、216はフォトレジスト、218は対アノードエッチン
グマスク、220はフォトレジスト、222は対半導体エッチ
ングマスク、224は保護膜、226はカソード、228は出力
端子及び230は駆動端子である。なお、図2におけるA−
A'での断面図が図6における断面図に対応している。
【0057】本発明におけるエッチング方法を図7を参
照しながら説明する。
【0058】まず、有機金属気相成長(MOCVD)法を用い
て、図6(a)のように、n-GaAs(100)基板200(厚み350μ
m)上に半導体レーザを構成する半導体層を成長する。
すなわち、n-AlGaAsクラッド層202(厚み1.5μm)、ア
ンドープAlGaAs光ガイド層204(厚み0.1μm)、0.85μ
m組成のGaAs / AlGaAs多重量子井戸層206(井戸層厚み
0.01μm×3層、障壁層厚み0.01μm×2層)、アンドー
プAlGaAs光ガイド層208(厚み0.1μm)、p-AlGaAsクラ
ッド層210(厚み1.5μm)、p-GaAsキャップ層212(厚
み0.5μm)を成長する。次にスパッタ装置を用いて、
図6(b)に示すように、キャップ層212の上にアノード214
としてAu / Ti(Tiの厚み50nm、Auの厚み0.3μm)を
形成する。続いて、図6(c)に示すように、スピンコータ
ーを用いてアノード214上にフォトレジスト216を塗布
し、マスクをかけて露光する。現像、リンス後、図6(d)
に示すように対アノードエッチングマスク218が形成さ
れる。
【0059】次に、反応性イオンエッチング(RIE)装置
において、Arガスを用いてAuを、CF4ガスを用いて Tiを
エッチングする。この工程によって、図6(e)に示すよう
に、対アノードエッチングマスク218が被覆している以
外の領域にキャップ層212が露出する。次にウエハーを
プラズマアッシング装置に導入し、図6(f)に示すよう
に、酸素プラズマによって対アノードエッチングマスク
218を除去した。
【0060】続いて図6(g)に示すように、スピンコータ
ーを用いてアノード214及びキャップ層212上にフォトレ
ジスト220を塗布し、露光・現像工程を行い、図6(h)に
示すように対半導体エッチングマスク222が形成され
る。ここで用いたフォトレジストは、RD-2000N(日立化
成製)である。この際、図6(h)に示すように対半導体エ
ッチングマスクがアノードを完全に覆うようにアライメ
ントを行っている。
【0061】この状態で、基板を反応性イオンビームエ
ッチング(RIBE)装置に導入し、塩素ガスを用いて、図6
(i)に示すようにリッジを形成した。このときのエッチ
ング条件は以下に示す通りである。
【0062】 マイクロ波パワー :120 W 圧力 :0.106 Pa (0.8 mTorr) 塩素ガス流量 :0.02 Pa・m3/sec (12 sccm) イオン引き出し電圧 :300 V 基板温度 :30 ℃ その結果、エッチングと同時に、被エッチング物である
半導体の構成元素であるAl、Ga及びAsとフォトレジスト
に含まれる硫黄よりなる化合物がリッジ側壁に堆積し、
保護膜224が形成された。この保護膜の存在により、異
方性エッチングが達成され、またイオンによるリッジへ
のアタックが抑制されることにより、垂直かつ平滑な
(走査型電子顕微鏡観察において約10 nmの荒れ)リ
ッジが得られた。図7は、本実施例で得たリッジの走査
型電子顕微鏡写真である。図7(a)は、リッジの断面を観
察した写真であり、垂直なリッジが形成されていること
が確認された。また図7(b)はリッジ側壁を観察した写真
であり、平滑なリッジが形成されていることが確認され
た。さらに透過型電子顕微鏡観察において、半導体 /保
護膜界面において化合物半導体層の格子像の乱れが観察
されていないことから、リッジにダメージ層が形成され
ていないことが確認された。なお、保護膜は、硫酸:過
酸化水素水:水の混合溶液で除去することが可能であ
る。また、図7(a)及び(b)に示されるように各半導体層
の構成元素の違いによるエッチング速度の違いは現れな
いため、積層構造に起因した凹凸は観察されていない。
【0063】次に基板をプラズマアッシング装置に導入
し、酸素プラズマによって対半導体エッチングマスク22
2を除去した。こうして、図6(j)に示すように、垂直か
つ平滑性の優れた光導波路を得た。次に、図6(k)に示す
ように、n-GaAs基板200にカソード226として、AuGe/Au
(AuGeの厚み0.2μm、Auの厚み0.2μm)を蒸着し、そ
の後、窒素雰囲気中380 ℃で急速熱処理(Rapid Therma
l Annealing:RTA)し、オーミック接触をとった。
【0064】図8は、本実施例で作製したリング共振器
型半導体レーザを有したジャイロの走査型電子顕微鏡写
真である。その後、アノード214上に、半導体レーザに
生じるビート信号を電流、電圧、あるいはインピーダン
スの変化として検出するために、端子228をもうける。
該端子から出力されたビート信号は、検出回路(図示せ
ず)により電流、電圧、あるいはインピーダンスの変化
として検出される。なお、230は駆動用の端子である。
【0065】このようにして図9に示すリング共振型半
導体レーザを有するジャイロが作製される。なお、図9
においては、活性層のみを示し、他の層は省略してあ
る。
【0066】図7に示したように、垂直かつ平滑なリッ
ジをドライエッチングにより作製できるため、反射率の
高いミラーを作製することができた。また、リング共振
器側面全体にわたり全反射面とすることができた。この
結果発振しきい値電流の小さいジャイロが実現し、また
安定してビート信号を得ることができ、角速度の検出が
できた。
【0067】なお、ここではリング共振器の形状として
四角の場合を示したが、円形でも三角形でも多角形であ
ってもよい。
【0068】また、ここでは塩素系ガスの例としてCl2
を示したが、BCl3、SiCl4であってもよい。
【0069】なお、ここでは硫黄を含むフォトレジスト
として、RD-2000N(日立化成製)を示したが、これに限
定されるものではない。
【0070】また、ここでは半導体素子の例としてリン
グ共振器型半導体レーザを有するジャイロを示したが、
半導体レーザや発光ダイオードなどの発光素子、フォト
ダイオードなどの受光素子など、どのような半導体素子
でもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
垂直かつ平滑性の優れた側壁を有する半導体素子を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明する模式的断面図であ
る。
【図2】本発明に係る作製方法を用いて作製されたリン
グ共振器形状を説明する模式的図面である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるドライエッチン
グ後のリッジ形状を観察した走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例における半導体素子の作
製方法を説明する模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例におけるドライエッチン
グ後のリッジ側面を観察した走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例における半導体素子の作
製方法を説明する模式的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係るドライエッチング
後のリッジ形状を観察した走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図8】本発明の第3の実施例に係る作製したリング共
振器型半導体レーザを有したジャイロを観察した走査型
電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の第3の実施例に係るリング共振器型半
導体レーザを有したジャイロを説明する模式的図面であ
る。
【符号の説明】
100 化合物半導体基板 102 フォトレジスト 104 エッチングマスク 106 保護膜 20 共振器 22 時計回りのレーザ光(CW光) 24 反時計回りのレーザ光(CCW光) 26 ミラー 200 基板 202 クラッド層 203 光ガイド層 206 活性層 208 光ガイド層 209 クラッド層 212 キャップ層 214 アノード 216 フォトレジスト 218 対アノードエッチングマスク 220 フォトレジスト 222 対半導体エッチングマスク 224 保護膜 226 カソード 228 出力端子 230 駆動端子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系ガスを用いるドライエッチング工
    程を含む半導体素子の作製方法において、硫黄を含むフ
    ォトレジストを用いて半導体基体をエッチングすること
    を特徴とする半導体素子の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記ドライエッチング工程は、被エッチ
    ング部側壁に、保護膜を形成しながら行われる請求項1
    記載の半導体素子の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記保護膜とは、硫黄を構成要素に含む
    請求項2記載の半導体素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記フォトレジストは、フォトレジスト
    の構成物に硫黄を含んでおり、フォトレジストの被エッ
    チング領域に予め硫黄をイオン注入したものではない請
    求項1記載の半導体素子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記ドライエッチング工程は、反応性イ
    オンビームエッチング装置を用いて行われる請求項1記
    載の半導体素子の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体基体は、化合物半導体基板を
    含む請求項1記載の半導体素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記化合物半導体基板とは、GaAs基板あ
    るいはAlGaAsである請求項6記載の半導体素子の作製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記化合物半導体基板は、Gaを含む化合
    物半導体層とAlを含む化合物半導体層の積層により形成
    されている請求項6記載の半導体素子の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチング工程時の前記半導体基体
    の温度が35℃以下である請求項1記載の半導体素子の作
    製方法。
  10. 【請求項10】 前記塩素系ガスとは、Cl2、BCl3、あ
    るいはSiCl4である請求項1記載の半導体素子の作製方
    法。
  11. 【請求項11】 イオン引き出し電圧を350 V以下とし
    て前記エッチング工程を行う請求項5記載の半導体素子
    の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の半導体素子の作製方法
    を用いて形成されたリング状リッジ型構造のリングレー
    ザジャイロ。
  13. 【請求項13】 塩素系ガスを用いるドライエッチング
    工程において、硫黄を含むフォトレジストを用い、被エ
    ッチング側壁に硫黄を含む化合物を堆積させながらエッ
    チングを行うことを特徴とするドライエッチング方法。
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