JP2002198263A - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

Info

Publication number
JP2002198263A
JP2002198263A JP2000396665A JP2000396665A JP2002198263A JP 2002198263 A JP2002198263 A JP 2002198263A JP 2000396665 A JP2000396665 A JP 2000396665A JP 2000396665 A JP2000396665 A JP 2000396665A JP 2002198263 A JP2002198263 A JP 2002198263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
electrolytic capacitor
fiber
electrolyte
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000396665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4870868B2 (ja
Inventor
Masaaki Yanase
正明 柳瀬
Teruyuki Shinsenji
輝幸 秦泉寺
Taiji Mizobuchi
泰司 溝渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kodoshi Corp
Original Assignee
Nippon Kodoshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kodoshi Corp filed Critical Nippon Kodoshi Corp
Priority to JP2000396665A priority Critical patent/JP4870868B2/ja
Publication of JP2002198263A publication Critical patent/JP2002198263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4870868B2 publication Critical patent/JP4870868B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/52Separators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/54Electrolytes
    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレータに対する機能性高分子の含浸性が
よく、該機能性高分子の重合を阻害しないセパレータを
用いることにより、電解コンデンサのESR特性を改良
し、生産性を高めた電解コンデンサを提供することを目
的とする。 【解決手段】 陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介
在させ、該セパレータに電解質として導電性を有する機
能性高分子を含浸・重合させる電解コンデンサにおい
て、セパレータを構成する主体繊維にポリアミド繊維を
含有させた電解コンデンサを基本手段として提供する。
具体的には上記セパレータに融点が250℃〜290℃
のポリアミド繊維を少なくとも30%以上含有させる。
上記バインダーとして湿熱融着樹脂であるポバールを用
いるか、熱融着樹脂であるポリアミド又はポリエチレン
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陽極箔と陰極箔との
間にセパレータを介在させ、該セパレータに電解質とし
て導電性を有する機能性高分子を含浸・重合させた電解
コンデンサにかかり、特にはポリアミド繊維を含有する
セパレータを用いたことによってインピーダンス特性を
改善するとともに生産性を高めた電解コンデンサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電解コンデンサ、具体的には巻回
型固体アルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極ア
ルミ箔との間にセパレータを介在させて巻付け形成して
コンデンサ素子を作成し、このコンデンサ素子を液状の
電解液中に浸漬して電解質を含浸させ、封口して製作し
ている。上記電解液としては、通常エチレングリコール
(EG)、ジメチルホルムアミド(DMF)又はγ−ブ
チロラクトン(GBL)等を溶媒とし、これらの溶媒に
硼酸やアジピン酸アンモニウム、マレイン酸水素アンモ
ニウム等の溶質を溶解したものを用いてコンデンサ素子
の両端から浸透させて製造している。
【0003】近年、デジタル化された業務用及び民生用
の各種電子機器は動作周波数の高速化が飛躍的に進み、
電子機器全体としての省電力化も強く求められている現
状にある。そこでこれらの電子機器を構成する部品であ
る電解コンデンサにも、動作周波数の高速化及び省電力
化のために、インピーダンス特性、特に等価直列抵抗
(以下ESRと略称する)の低いものが求められてい
る。具体的には電子機器に使用されるCPU等の高速化
に伴い、高周波域でのESRの低減、例示すれば定格電
圧4V、定格静電容量100μFの電解コンデンサにお
いて、100kHzのESRを50mΩ以下とすること
が求められている。
【0004】しかしながら、前記した電解液を電解質に
使用した電解コンデンサでは、高周波域でESRの低減
を十分にはかることが困難である。これは電解液そのも
のの比抵抗を低くすることができないためである。その
ため、より比抵抗の小さい電解質として、二酸化マンガ
ンやTCNQ錯体を使用した電解コンデンサが開発され
ている。
【0005】更に近時はポリピロールやポリチオフェン
等の導電性を有する機能性高分子を電解質に使用した電
解コンデンサが開発されている。これらの機能性高分子
の比抵抗は、二酸化マンガンやTCNQ錯体の比抵抗よ
りも小さく、電解コンデンサ自体のESRが良好なもの
を製作することが可能であるため注目を集めている。な
お、機能性高分子とは導電性を有して電解コンデンサの
電解質として利用することができる高分子を指してい
る。
【0006】一方で近年ハンダ中の鉛が環境に悪影響を
及ぼすことから、鉛フリーハンダの導入が進められてい
る。これに伴ってハンダリフロー温度が従来の180℃
から240℃程度まで上がっており、必然的に電子機器
に使用される各種電子部品の耐熱性を今まで以上に高く
することが必須の要件となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電解質
として機能性高分子を使用して電解コンデンサ、特には
巻回型固体アルミ電解コンデンサを製造しようとした場
合、従来の電解質として電解液を使用するアルミ電解コ
ンデンサにおいて用いられているセルロースを原料とす
るセパレータをそのまま使用することができないという
問題がある。これはセパレータ中のセルロースが機能性
高分子の重合溶液の含浸、あるいは機能性高分子の重合
を阻害するためである。
【0008】このようなセルロースの影響を抑制するた
め、巻回したコンデンサ素子を熱処理し、セパレータを
炭化して使用する試みが行われている。しかしコンデン
サ素子中のセパレータを炭化することは工程が複雑にな
り、使用する部材に耐熱性、耐酸化性が必要である上、
炭化により素子の形状が崩れたり、加熱によるストレス
からコンデンサのLC(漏れ電流)が増大する弊害があ
るため、改善が求められている。
【0009】また、セルロース繊維の代わりにガラス繊
維を用いたセパレータを使用することも提案されている
が、ガラス繊維紙は厚みを薄くすることが困難であり、
そのためコンデンサ素子が大きくなったり巻回が難しく
なるという問題が生じる。
【0010】特開平10−340829号公報には、ビ
ニロン繊維をセパレータに使用した電解コンデンサが開
示されているが、コンデンサ素子形成後にバインダーを
取り除かないと電解質の保持が不十分となって充分な電
気特性が得られず、面実装型固体電解コンデンサに使用
した際に製品が膨張するという問題が発生する。
【0011】このように高周波域でのESRの低減を実
現するためには、比抵抗の小さい機能性高分子を電解質
として使用することが有効な手段であり、その開発が試
みられているが、機能性高分子を含浸・重合させるため
の生産性が悪い上、該機能性高分子との相性がよいセパ
レータがないため、このセパレータを開発することが機
能性高分子を電解質として使用する電解コンデンサの課
題となっている。
【0012】そこで本発明はポリアミド繊維を原料とし
て電解コンデンサの小型化に対応できるように薄く、か
つ、炭化しなくてもセパレータに対する機能性高分子の
重合溶液の含浸性がよく、該機能性高分子の重合を阻害
しない新規なセパレータを用いることにより、電解質と
して機能性高分子を使用した電解コンデンサのESR特
性を改良し、生産性を高めた電解コンデンサを提供する
ことを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介在
させ、該セパレータに電解質として導電性を有する機能
性高分子を含浸・重合させる電解コンデンサにおいて、
前記セパレータを構成する主体繊維にポリアミド繊維を
含有させた電解コンデンサを基本手段として提供する。
具体的には上記セパレータに融点が250℃〜290℃
のポリアミド繊維を少なくとも30%以上含有させたこ
とが特徴となっている。
【0014】前記セパレータは、主体繊維としてポリエ
ステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、
テフロン繊維、ガラス繊維等の各繊維を用いるとともに
バインダーとして湿熱融着樹脂もしくは熱融着樹脂を含
有させて構成する。上記ポリアミド繊維として、ナイロ
ン6,6又はナイロン4,6及びこれらの変性繊維の少
なくとも1種類を用いる。
【0015】又、前記セパレータのバインダーとして、
湿熱融着樹脂であるポバールを用いる。セパレータの湿
熱融着樹脂含有率は10〜50%の範囲にあるように設
定する。更にセパレータのバインダーとして、熱融着樹
脂であるポリアミド又はポリエチレンを用いる。この場
合にはセパレータの熱融着樹脂含有率が少なくとも10
%以上であるように設定する。
【0016】前記電解質としての機能性高分子として、
ポリピロール,ポリチオフェン,ポリアニリン又はこれ
らの誘導体の少なくとも1種を使用する。
【0017】かかる電解コンデンサは、セパレータの主
体繊維に融点が250℃〜290℃のポリアミド繊維を
含有させて湿熱融着樹脂であるポバールもしくは熱融着
樹脂であるポリアミド、ポリエチレンをバインダーとし
て用いたことにより、電解質の保持性、ハンダリフロー
後の高周波域でのESR特性が優れており、しかもセパ
レータ自体の強度が大きくなって巻回性と耐熱性にも優
れ、面実装品に使用した場合でも他の電子部品と同等の
リフローが可能となって電子工業分野での汎用性が高く
なるという作用が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる電解コンデン
サの具体的な実施形態を説明する。先ず電解質として機
能性高分子を使用する巻回型固体アルミ電解コンデンサ
の代表的な製造方法を説明する。即ち、陽極アルミ箔と
陰極アルミ箔との間にセパレータを介在させて巻付け形
成することによりコンデンサ素子を作成する。
【0019】本発明で用いるセパレータは、主体繊維と
してのポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、テフロン繊維、ガラス繊維等の各種繊維
に、融点が250℃〜290℃のポリアミド繊維を少な
くとも30%以上含有させ、湿熱融着樹脂であるポバー
ルや熱融着樹脂であるポリアミド、ポリエチレン等の熱
融着樹脂をバインダーとして用いて構成されている。そ
して該セパレータを陽極箔と陰極箔との間に介在させて
巻回することによりコンデンサ素子を作成し、このコン
デンサ素子を機能性高分子の重合用溶液に浸漬して素子
中に重合用溶液を含浸させ、このコンデンサ素子を重合
用溶液から引き上げて乾燥し、その後加熱をすることで
コンデンサ素子中で機能性高分子が重合してから封口す
ることによって所期の電解コンデンサが得られる。
【0020】上記機能性高分子とは、導電性を有して電
解コンデンサの電解質として利用できる特性を有する高
分子を指しており、該特性を有する高分子で有れば使用
可能である。具体的にはポリピロール,ポリチオフェ
ン,ポリアニリン又はこれらの誘導体の少なくとも1種
を使用することができる。
【0021】機能性高分子の重合用溶液は、チオフェン
やポリピロールのモノマー溶液と酸化剤の溶液を混合す
ることで調製する。バイエル株式会社のバイトロンM
(3、4エチレンジオキシチオフェン)や、バイトロン
C(パラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液)がそ
れぞれモノマー溶液及び酸化剤溶液として広く使用され
ている。溶剤としては、イソプロピルアルコール,メタ
ノール,エタノール,ブタノール,アセトンが使用可能
である。
【0022】本発明では上記したように主体繊維に融点
が250℃〜290℃のポリアミド繊維を少なくとも3
0%以上含有させたセパレータを用いることにより、電
解質の保持性が向上して高周波域でのESR特性が改善
され、更にセパレータ自体の強度が大きいため、巻回性
や耐熱性にも優れており、面実装品に使用した場合でも
他の電子部品と同等のリフローが可能となる。又、湿熱
融着樹脂であるポバールや熱融着樹脂は固体電解質層の
形成を阻害しないため、巻回後のバインダー除去工程は
不要となる。
【0023】以下に本発明の具体的な実施例を従来例及
び比較例とともに説明する。先ず陽極アルミ箔と陰極ア
ルミ箔を所望の寸法を持つスリット状に形成した後、各
陽極アルミ箔と陰極アルミ箔にリード棒を取り付け、表
1に示す実施例1〜6、従来例1〜3及び比較例1〜3
に記載したセパレータを介して巻付け形成してコンデン
サ素子を作成した。実施例1〜6と比較例3のセパレー
タには、融点の高いポリアミド繊維であるナイロン6,
6(融点260℃)を用いており、特に実施例1と従来
例2,3及び比較例1,2のセパレータには湿熱融着樹
脂であるポバールをバインダーとして用いた。又、実施
例2,3,4,6及び比較例3のセパレータのバインダ
ーにはポリアミドバインダーとして融点の低いナイロン
4,6の変性繊維(融点140℃)を用いており、実施
例6はポリアミド繊維にポリエステル繊維(融点260
℃)を混抄して用いた。又、実施例5のバインダーには
ポリエチレン繊維(融点135℃)を用いた。
【0024】
【表1】
【0025】得られたコンデンサ素子の溶液アルミ箔端
面には酸化被膜が形成されていないので、60℃,1.
0重量%アジビン酸アンモニウム水溶液中で化成処理を
行った。次に3,4エチレンジオキシチオフェンとp−
トルエンスルホン酸鉄(▲3▼)とをi−プロパノール
に溶解した重合溶液(モノマー:酸化剤=1:1.5,
モル比)に浸漬した後、100℃,60分間保持して化
学重合によるポリエチレンジオキシチオフェン(PED
T)の固体電解質層を形成した。そして得られた固体電
解質層を有するコンデンサ素子を乾燥・加熱した後にケ
ースに入れ、開口部を封口部剤で封止し、封口部剤側に
面実装用座板を取り付け、定格電圧4V、定格静電容量
100μFの面実装型固体電解コンデンサを各100個
作製した。
【0026】表1中には各実施例と従来例及び比較例に
かかる面実装型固体電解コンデンサを構成する各要素の
含有率(%)、厚さ(μm)、密度(g/cm)、引
張強度(kgf/15mm)、吸液度(i−プロパノー
ル,mm/10min)の外に初期特性(静電容量,E
SR)とリフロー試験後の特性並びに外観の異常有無を
示してある。リフロー試験は240℃で10秒,2回行
った。
【0027】表1に記載したように、実施例1〜6は従
来例及び比較例と較べて初期特性とリフロー試験後の特
性が何れも優れており、重合溶液の溶媒であるi−プロ
パノールの吸液度から重合溶液に対する馴染みが良いこ
とが判明した。
【0028】
【表2】
【0029】表2はセパレータの主体繊維を選択するた
めに、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロ
ン繊維、ポリアミド繊維の融点及び熱分解温度をまとめ
た表である。ポリエチレン繊維は融点が125℃〜13
5℃と低いため、セパレータを構成する主体繊維として
は耐熱性が不足して不向きであり、ハンダリフロー後の
特性が悪化する惧れがある。しかしポリエチレン繊維を
バインダーとして使用する際に耐熱性の高いポリアミド
繊維を30%以上混抄すればハンダリフロー温度にも耐
えてリフロー後の特性に良い結果が得られる。
【0030】ポリプロピレン繊維はポリエチレン繊維と
較べて融点が165℃〜173℃と高いが、ハンダリフ
ロー温度を考慮すると満足できる温度ではない。従って
ハンダリフロー後の特性が悪化する問題が生じる。
【0031】ビニロン繊維は200℃以上の温度での空
気中で水分子の脱離現象が起こり、ガスを発生して高分
子の主鎖が切断、分離して熱分解する。従ってハンダリ
フロー後にケースが膨張する問題がある。
【0032】本発明で採用したポリアミド繊維の融点は
250℃〜290℃であり、ハンダリフロー温度に耐え
る耐熱性を保持している。しかもポリアミド繊維は他の
繊維と比較して価格的に安価であり、工業的に供給可能
であるという利点を有している。
【0033】図1はセパレータに含まれているポリアミ
ド繊維含有率(%)とハンダリフロー後の電解コンデン
サ(4V/100μF)のESR(mΩ)の関係を示す
グラフであり、同図からポリアミド繊維の含有率は30
〜90%で最適であることが分かる。特にシートを構成
するポリアミド繊維の含有率が10〜90%の範囲にな
い場合には、コンデンサ素子の強度不足とか乾燥時の熱
収縮、シワの発生等によって正常なシートを構成するこ
とが困難となる。又、融点が高いポリアミド繊維含有率
が高い方がセパレータとしての耐熱性が良好であり、ハ
ンダリフロー後のESRが優れていることが判明した。
【0034】図2はセパレータに含まれているポバール
含有率(%)とハンダリフロー後の電解コンデンサ(4
V/100μF)の静電容量(μF/cm)の関係を
示すグラフであり、同図からポバールの含有率は10〜
50%で最適であることが分かる。特にシートを構成す
るポバールの含有率が10〜70%の範囲にない場合に
は、コンデンサ素子の強度不足とか乾燥時の熱収縮、シ
ワの発生等によって正常なシートを構成することが困難
となる。又、静電容量についてはポバール含有率が低い
方がセパレータとしての耐熱性が良好であり、ハンダリ
フロー後のESRが優れていることが判明した。
【0035】図3はセパレータに含まれているポバール
含有率(%)とハンダリフロー後の電解コンデンサ(4
V/100μF)のESR(mΩ)の関係を示すグラフ
であり、同図からポバールの含有率は10〜50%で最
適であることが分かる。特にシートを構成するポバール
の含有率が10〜70%の範囲にない場合には、コンデ
ンサ素子の強度不足とか乾燥時の熱収縮、シワの発生等
によって正常なシートを構成することが困難となる。E
SRについてはポバール含有率が低い方が良いことが判
明した。
【0036】図4はセパレータに含まれているポリエチ
レン繊維バインダー含有率(%)とハンダリフロー後の
電解コンデンサ(4V/100μF)のESR(mΩ)
の関係を示すグラフであり、同図からポリエチレン繊維
バインダーの含有率は10〜70%で最適であることが
分かる。特にポリエチレン繊維バインダーの含有率が1
0〜80%の範囲にない場合には、コンデンサ素子の強
度不足とか乾燥時の熱収縮、シワの発生等によって正常
なシートを構成することが困難となる。ESRについて
はポリエチレン繊維バインダー含有率が低い方が良いこ
とが判明した。
【0037】上記各実施例では固体電解質にポリチオフ
ェンとしてポリエチレンジオキシチオフェン(PED
T)を用いたが、これ以外にポリピロール、ポリアニリ
ン、PEDT以外のポリチオフェンまたはそれらの誘導
体を用いても電解コンデンサの初期特性並びにリフロー
試験の何れも満足する特性が得られる。
【0038】固体電解質である機能性高分子の形成方法
には特に制限がなく、単一若しくは複数の固体電解質を
化学重合で形成するか、化学重合による固体電解質層を
プレコート層として電解重合により固体電解質層を形成
しても良い。又、固体電解質を形成したコンデンサ素子
をケースに入れて封口する作業を行いやすくするため、
固体電解質を形成したコンデンサ素子に樹脂等を塗布す
るか含浸しても良い。
【0039】上記したように本発明にかかるポリアミド
繊維を含有して湿熱融着樹脂であるポバールもしくは熱
融着樹脂であるポリアミド、ポリエチレンをバインダー
とするセパレータを使用した電解コンデンサは、電解質
の保持性、ハンダリフロー後の高周波域でのESR特性
に優れ、かつ、セパレータ自体の強度が大きくて巻回性
と耐熱性に優れており、面実装品に使用した場合でも他
の電子部品と同等のリフローが可能となり、電子工業分
野で広く利用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
ればセパレータの主体繊維に融点が250℃〜290℃
のポリアミド繊維を含有させて湿熱融着樹脂であるポバ
ールもしくは熱融着樹脂であるポリアミド、ポリエチレ
ンをバインダーとして用いたことにより、セパレータが
機能性高分子の重合溶液の含浸と重合を阻害することが
なく、電解質の保持性、ハンダリフロー後の高周波域で
のESR特性を満足することができる。特に鉛フリーハ
ンダを導入したことによってハンダリフロー温度が高く
なっても耐熱性及び特性上の問題が生じないので、従来
のハンダに用いられている鉛による環境への悪影響をな
くすことができる。
【0041】更に従来のように陽極箔と陰極箔との間に
セパレータを介在させて巻付け形成したコンデンサ素子
を熱処理した後に炭化して使用する工程は不要であり、
コンデンサ素子形成後にバインダーを取り除く必要がな
いので、製作工程が簡易化されるとともに素子形状の崩
れとか加熱によるストレスからコンデンサの漏れ電流が
増大する惧れは生じない。
【0042】本発明で採用したセパレータ自体は強度が
大きくて巻回性と生産性にも優れており、面実装品に使
用した場合でも製品の膨張現象が発生せずに他の電子部
品と同等のリフローが可能であり、各種の電子機器に使
用される電解コンデンサの耐熱性が今まで以上に高くな
るため、電子工業分野での汎用性が高くなるという効果
が得られる。
【0043】従って本発明によればポリアミド繊維を原
料として電解コンデンサの小型化に対応できるように薄
く、かつ、炭化しなくてもセパレータに対する機能性高
分子の重合溶液の含浸性がよく、機能性高分子の重合を
阻害しないセパレータを用いたことにより、ESR特性
を改良するとともに生産性を高めた電解コンデンサを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セパレータに含まれているポリアミド繊維含有
率と電解コンデンサのESRの関係を示すグラフ。
【図2】同ポバール含有率と電解コンデンサの静電容量
の関係を示すグラフ。
【図3】同ポバール含有率と電解コンデンサのESRの
関係を示すグラフ。
【図4】同ポリエチレン繊維バインダー含有率と電解コ
ンデンサのESRの関係を示すグラフ。 整理番号 P3243

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介
    在させ、該セパレータに電解質として導電性を有する機
    能性高分子を含浸・重合させる電解コンデンサにおい
    て、前記セパレータを構成する主体繊維にポリアミド繊
    維を含有させたことを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記セパレータに、融点が250℃〜2
    90℃のポリアミド繊維を少なくとも30%以上含有さ
    せたことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記セパレータの主体繊維として、ポリ
    エステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊
    維、テフロン(登録商標)繊維、ガラス繊維等の各繊維
    を用いるとともに、バインダーとして湿熱融着樹脂もし
    くは熱融着樹脂を用いたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記ポリアミド繊維として、ナイロン
    6,6又はナイロン4,6及びこれらの変性繊維の少な
    くとも1種類を用いたことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記セパレータのバインダーとして、湿
    熱融着樹脂であるポバールを用いた請求項1,2,3又
    は4に記載の電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記セパレータの湿熱融着樹脂含有率が
    10〜50%の範囲にある請求項1,2,3,4又は5
    に記載の電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記セパレータのバインダーとして、熱
    融着樹脂であるポリアミド又はポリエチレンを用いた請
    求項1,2,3又は4に記載の電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 前記セパレータの熱融着樹脂含有率が少
    なくとも10%以上である請求項1,2,3,4又は7
    に記載の電解コンデンサ。
  9. 【請求項9】 前記電解質としての機能性高分子とし
    て、ポリピロール,ポリチオフェン,ポリアニリン又は
    これらの誘導体の少なくとも1種を使用する請求項1,
    2,3,4,5,6,7又は8に記載の電解コンデン
    サ。
JP2000396665A 2000-12-27 2000-12-27 電解コンデンサ Expired - Lifetime JP4870868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396665A JP4870868B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 電解コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000396665A JP4870868B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 電解コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002198263A true JP2002198263A (ja) 2002-07-12
JP4870868B2 JP4870868B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=18861918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000396665A Expired - Lifetime JP4870868B2 (ja) 2000-12-27 2000-12-27 電解コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4870868B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004165593A (ja) * 2002-09-27 2004-06-10 Nippon Kodoshi Corp 固体電解コンデンサ
WO2005012599A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Kaneka Corporation イオン性液体を用いた金属表面酸化皮膜形成法、電解コンデンサ及びその電解質
WO2024062720A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 エルナー株式会社 電解コンデンサ及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02299215A (ja) * 1989-05-13 1990-12-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0395911A (ja) * 1989-09-08 1991-04-22 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JPH0458508A (ja) * 1990-06-28 1992-02-25 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ
JPH07192536A (ja) * 1993-12-24 1995-07-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 導電性複合物並びにその製造方法及びその導電性複合物を用いた電解コンデンサ
JP2000082638A (ja) * 1999-09-24 2000-03-21 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02299215A (ja) * 1989-05-13 1990-12-11 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0395911A (ja) * 1989-09-08 1991-04-22 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサ
JPH0458508A (ja) * 1990-06-28 1992-02-25 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ
JPH07192536A (ja) * 1993-12-24 1995-07-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd 導電性複合物並びにその製造方法及びその導電性複合物を用いた電解コンデンサ
JP2000082638A (ja) * 1999-09-24 2000-03-21 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサおよびその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004165593A (ja) * 2002-09-27 2004-06-10 Nippon Kodoshi Corp 固体電解コンデンサ
WO2005012599A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Kaneka Corporation イオン性液体を用いた金属表面酸化皮膜形成法、電解コンデンサ及びその電解質
US7746623B2 (en) 2003-07-31 2010-06-29 Kaneka Corporation Electrolytic capacitor and electrolyte thereof
US8014128B2 (en) 2003-07-31 2011-09-06 Kaneka Corporation Method for forming oxide film on metal surface using ionic liquid, electrolytic capacitor and electrolyte thereof
WO2024062720A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 エルナー株式会社 電解コンデンサ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4870868B2 (ja) 2012-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7233015B2 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JP7233016B2 (ja) 電解コンデンサおよびその製造方法
JP2009266926A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP3878421B2 (ja) 固体電解コンデンサ用セパレータ及び固体電解コンデンサ
JP4726794B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP4560940B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4654637B2 (ja) アルミ電解コンデンサの製造方法
JP4707208B2 (ja) 巻回型電解コンデンサ
US6508846B2 (en) Process and apparatus for fabricating solid electrolytic capacitors
JP4870868B2 (ja) 電解コンデンサ
JPH10340829A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
CN111489896A (zh) 一种高压全固态铝电解电容器及其制备方法
JP3975161B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2001189242A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4870899B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2001110684A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2000082638A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4646462B2 (ja) 電解コンデンサ
JPH10284351A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4799797B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2004153217A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4165066B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2008042009A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2002299182A (ja) アルミ固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2001155967A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4870868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term