JP2002196641A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002196641A
JP2002196641A JP2000392499A JP2000392499A JP2002196641A JP 2002196641 A JP2002196641 A JP 2002196641A JP 2000392499 A JP2000392499 A JP 2000392499A JP 2000392499 A JP2000392499 A JP 2000392499A JP 2002196641 A JP2002196641 A JP 2002196641A
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toner
cleaning blade
cleaning
image
organic photoreceptor
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JP2000392499A
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English (en)
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Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的はクリーニングブレードを円筒
状有機感光体の真上付近に配置した構成のクリーニング
装置で発生しやすいトナーのクリーニング不良を改善
し、且つ重合トナーを用いた場合にも、長期に亘って、
良好なクリーニング性能を保持できる画像形成方法、画
像形成装置を提供することである。 【解決手段】 円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中
心角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のク
リーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する
画像形成方法において、該クリーニング装置はクリーニ
ングブレードと弾性部材を有し、クリーニングブレード
は有機感光体に当接する面と反対側の面で該弾性部材と
密着しており、クリーニングブレードの自由長aと弾性
部材の自由長b1は式1を満足するように構成されてい
ることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等に用いられる画像形成方法、及び画
像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の画像形成装置に用
いられる像担持体としては有機光導電性物質を含有する
有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可
視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発
し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製
造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点で
あるが、有機感光体は該有機感光体上に形成された静電
潜像を顕像化したトナーとの接触エネルギーが大きく、
該トナー像を転写工程で転写材に転写した後に、該有機
感光体上に残留する残留トナーのクリーニングに種々の
問題を発生しがちである。
【0003】一方、電子写真方式を用いた画像形成装置
として、クリーニング装置を円筒状電子写真感光体の真
上付近に配置した構成の画像形成装置が特願平11−2
90755号等にて提案されている。このようなクリー
ニング装置の配置で構成した画像形成装置はコンパクト
な構成が可能となる利点があるが、クリーニング装置を
電子写真感光体の上方に配置し、水平に近い方向に移動
する電子写真感光体に対して上方からクリーニングブレ
ードを圧接させる構成を採っているため、クリーニング
ブレードで掻き取られたトナーが電子写真感光体表面か
ら離れにくく、しばしばクリーニング不良が発生しやす
い。
【0004】又、電子写真方式の画像形成方法は近年の
デジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が
主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法は
400dpi(2.54cm当たり400ドット)等の
1画素の小さなドット画像を顕像化することを基本とし
ており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高
画質技術が要求されている。
【0005】この高画質技術の実現の為に最も重要な技
術の1つがトナーの製造技術に関する技術である。これ
まで電子写真画像の形成にはバインダー樹脂と顔料を混
合、混練後に粉砕して得られるトナー粉体を分級工程で
分級したトナーが主として用いられてきたが、このよう
な製造工程を経て得られるトナーはトナー粒子の粒度分
布を均一化するのに限界があり、トナー粒子の粒度分
布、及び形状の均一化が不十分である。このようなトナ
ーを用いた電子写真画像では十分な高画質化は達成する
のが困難である。
【0006】一方、トナー粒子の粒度分布、及び形状の
均一化を達成する手段として、重合トナーを用いた電子
写真用現像剤、或いは画像形成方法が提案されている。
該重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後
に重合させ、トナーを製造することから、トナーの粒度
分布、及び形状が均一なトナーが得られる。
【0007】ここで、前記重合トナーを有機感光体を用
いた画像形成装置に採用するとき新たな技術課題が発生
している。即ち、該重合トナーは前記のように、トナー
形状がモノマーを水系で分散し、重合した上で形成され
るため、ほぼ球形の形状で作製される。既によく知られ
ているように球形形状の残留トナーは有機感光体表面と
の付着力が高くクリーニング不良を発生しやすい。
【0008】特に前記したクリーニング装置を円筒状有
機感光体の真上付近に配置した構成の画像形成装置に重
合トナーを適用すると、画像に生じない程度の微細なト
ナーのすり抜けが長期に渡り発生し、これらすり抜けた
トナーが帯電部材(帯電ワイヤや帯電ローラ)を汚染
し、その結果ハーフトーン画像等に画像ムラを発生させ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、クリーニングブレードを円筒状有機感光体
(以後、円筒状感光体、有機感光体、又は単に感光体と
も云う)の真上付近に配置した構成のクリーニング装置
で発生しやすいトナーのクリーニング不良を改善し、且
つ重合トナーを用いた場合にも、長期に亘って、良好な
クリーニング性能を保持し、画像不良がなく、良好な電
子写真画像を形成できる画像形成方法、画像形成装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
を解決するために検討を重ねた結果、クリーニングブレ
ードを円筒状有機感光体の真上付近に配置した構成の画
像形成方法において、有機感光体の支持体露出面を少な
くし、トナー粒子が特定の形状因子を有するトナーを現
像剤に用いることにより、良好なクリーニング性の確保
と良好な電子写真画像を長期に亘り得ることが可能とな
った。即ち、本発明の目的は下記の構成のいずれかをと
ることにより達成されることを見出した。
【0011】1.円筒中心軸がほぼ水平になるように設
置された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に
静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー
像を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有
機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装
置を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中
心角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のク
リーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する
画像形成方法において、該クリーニング装置はクリーニ
ングブレードと弾性部材を有し、該クリーニングブレー
ドは有機感光体に当接する面と反対側の面で該弾性部材
と密着しており、クリーニングブレードの自由長aと弾
性部材の自由長b1は式1を満足するように構成されて
いることを特徴とする画像形成方法。
【0012】式1 0.1<b1/a≦0.9 2.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
と弾性部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光
体に当接する面と反対側の面で該弾性部材と密着してお
り、クリーニングブレードの厚さtと弾性部材の厚さT
1は式2を満足するように構成されていることを特徴と
する画像形成方法。
【0013】式2 1/30≦T1/t≦2 3.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
とプラスチック部材を有し、該クリーニングブレードは
有機感光体に当接する面と反対側の面で該プラスチック
部材と密着しており、クリーニングブレードの自由長a
とプラスチック部材の自由長b2は式3を満足するよう
に構成されていることを特徴とする画像形成方法。
【0014】式3 0.1<b2/a≦0.9 4.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
とプラスチック部材を有し、該クリーニングブレードは
有機感光体に当接する面と反対側の面で該プラスチック
部材と密着しており、クリーニングブレードの厚さtと
プラスチック部材の厚さT 2は式4を満足するように構
成されていることを特徴とする画像形成方法。
【0015】式4 1/50≦T2/t≦1 5.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
と金属薄板部材を有し、該クリーニングブレードは有機
感光体に当接する面と反対側の面で該金属薄板部材と密
着しており、クリーニングブレードの自由長aと金属薄
板部材の自由長b3は式5を満足するように構成されて
いることを特徴とする画像形成方法。
【0016】式5 0.1<b3/a≦0.9 6.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
と金属薄板部材を有し、該クリーニングブレードは有機
感光体に当接する面と反対側の面で該金属薄板部材と密
着しており、クリーニングブレードの厚さtと金属薄板
部材の厚さT3は式6を満足するように構成されている
ことを特徴とする画像形成方法。
【0017】式6 1/200≦T3/t≦1 7.円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒
状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静電潜像を形
成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像を形成し、
該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機感光体上に
残留するトナーを除去するクリーニング装置を有し、且
つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心角度(β)
が±30度以内に、クリーニング装置のクリーニングブ
レード先端が円筒状有機感光体に当接する画像形成方法
において、該クリーニング装置はクリーニングブレード
と補助部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光
体に当接する面と反対側の面で該補助部材と密着してお
り、該クリーニングブレードの先端と該補助部材の先端
には段差を設け、該段差は補助部材の方が有機感光体か
ら遠い位置となるような段差であることを特徴とする画
像形成方法。
【0018】8.前記現像手段のトナーがトナー粒子の
形状係数の変動係数が16%以下であり、且つ該トナー
粒子の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下
であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記
載の画像形成方法。
【0019】9.前記現像手段のトナーがトナー粒子の
形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を6
5個数%以上含有することを特徴とする前記1〜7のい
ずれか1項に記載の画像形成方法。
【0020】10.前記現像手段のトナーが角のないト
ナー粒子を50個数%以上含有することを特徴とする前
記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0021】11.前記1〜10のいずれか1項に記載
の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装
置。
【0022】本発明を更に詳しく説明する。本発明者等
は上記本発明の構成を取ることにより、有機感光体上に
残留するトナーを有機感光体とクリーニングブレードの
間に生ずる摩擦力を過大にすることなく、効果的に該有
機感光体上に残留するトナーを除去することができ、良
好で安定した画像を長期間に渡り、得ることができるこ
とを見出した。以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明に適用されるデジタル式画
像形成装置(以下、単に画像形成装置ともいう)の構成
を示す図である。
【0024】図において、画像形成装置1は、自動原稿
搬送装置(通称ADF)Aと、自動原稿搬送装置により
搬送される原稿の画像を読み取るための原稿画像読取部
Bと、読み取った原稿画像を処理する画像制御基板C
と、画像処理後のデータに従って像担持体としての円筒
状感光体(以下単に感光体とも云う)10上に書き込み
を行う書き込みユニット12を含む書き込み部Dと、円
筒状感光体10及びその周囲に帯電電極14、磁気ブラ
シ型現像装置からなる現像手段としての現像器16、転
写電極18、分離電極20、クリーニング手段としての
クリーニング装置21等の画像形成手段を含む画像形成
部Eと、記録紙Pを収納する給紙トレイ22、24のた
めの収納部Fを有している。
【0025】自動原稿搬送装置Aは、原稿載置台26
と、ローラR1を含むローラ群および原稿の移動通路を
適宜切り替えるための切換手段等(参照記号なし)を含
む原稿搬送処理部28とを主要素とする。
【0026】原稿画像読取部Bは、プラテンガラスGの
下にあり、光路長を保って往復移動できる2つのミラー
ユニット30、31、固定の結像レンズ(以下、単にレ
ンズという)33、ライン状の撮像素子(以下、CCD
という)35等からなり、書き込み部Dは、レーザ光源
40、ポリゴンミラー(偏光器)42等からなる。
【0027】転写材としての記録紙Pの移動方向からみ
て、転写電極18の手前側に示すR10はレジストロー
ラであり、分離電極20の下流側にHで示してあるのは
定着器である。
【0028】定着手段としての定着器Hは、実施の形態
においては、加熱源を内蔵するローラと、当該ローラに
圧接しながら回転する圧接ローラとで構成してある。
【0029】また、Zは定着器Hのためのクリーニング
手段で、巻き取り可能に設けたクリーニングウェブを主
要素とする。
【0030】原稿載置台26上に載置される原稿(図示
せず)の1枚が原稿搬送処理部28によって搬送され、
ローラR1の下を通過中に、露光手段Lによる露光が行
われる。
【0031】原稿からの反射光は、固定位置にあるミラ
ーユニット30、31およびレンズ33を経てCCD3
5上に結像され、読み取られる。
【0032】原稿画像読取部Bで読み取られた画像情報
は、画像処理手段により処理され、符号化されて画像制
御基板C上に設けてあるメモリーに格納される。
【0033】また、画像データは画像形成に応じて呼び
出され、当該画像データに従って、書き込み部Dにおけ
るレーザ光源40が駆動され、円筒状感光体10上に露
光が行われる。
【0034】当該露光に先立ち、矢印方向(反時計方
向)に回転する円筒状感光体10は、帯電電極14のコ
ロナ放電作用により所定の表面電位を付与されている
が、露光により、露光部位の電位が露光量に応じて減
じ、結果として、画像データに応じた静電潜像が円筒状
感光体10上に形成される。
【0035】静電潜像は、現像器16により反転現像さ
れ、可視像(トナー像)とされる。一方、円筒状感光体
10上のトナー像の先端部が転写領域に到達する前に、
例えば、給紙トレイ22内の1枚の記録紙Pが給紙搬送
されてレジストローラR10に到達し、先端規制され
る。
【0036】記録紙Pは、トナー像、即ち円筒状感光体
10上の画像領域と重畳するように、同期を取って回転
を開始するレジストローラR10により転写領域に向け
て搬送される。
【0037】転写領域において、円筒状感光体10上の
トナー像は転写電極18の付勢により記録紙P上に転写
され、次いで、当該記録紙Pは分離電極20の付勢によ
り円筒状感光体10から分離される。
【0038】その後、定着器Hの加圧、加熱により、ト
ナー像は記録紙P上に溶融定着され、当該記録紙Pは、
排紙通路78および排紙ローラ79を介して排紙トレイ
T上に排紙される。
【0039】給紙トレイ24における参照記号Spは、
図示しないコイルバネ等の付勢手段により、常時、自由
端が上方向に付勢される可動板であり、この結果、最上
位紙が後述する送り出しローラに接触するようになって
いる。
【0040】給紙トレイ22も上述の構成と同じ構成を
有している。給紙トレイ22、24は、実施の態様にお
いて、上下方向2段に配設した形態であるが、それ以上
の数の給紙トレイを備えることもできる。
【0041】給紙トレイの内、下段(実施の態様におい
て給紙トレイは2段重ねであるので下段としたが、最下
段の意)に配置した給紙トレイ24の底部(底壁と同
義)と装置本体の底壁との間に、所定の間隙を持った空
間部25を形成してある。
【0042】空間部25は、記録紙Pの両面に画像を形
成する態様(モード)において使用するものであり、記
録紙の表裏反転用の第2搬送路80(後記)と共同して
記録紙の表裏反転を達成することに寄与する。
【0043】給紙トレイ22、24のそれぞれの先端部
(給紙方向からみて、収納される記録紙Pの先端に対応
する)上部に示す50および53はローラからなる給紙
手段(以下、送り出しローラという)、51および54
はフィードローラ、52および55は重送防止ローラで
ある。
【0044】送り出しローラ(50、53)とフィード
ローラ(51、54)とはユニット化してあり、装置本
体側に設けた駆動源と接続している駆動軸あるいは給紙
部に設けた係止手段に対して容易に着脱できる構成を有
する。
【0045】また、重送防止ローラ(52、55)もユ
ニット化してあり、装置本体の固定部に設けた固定部材
に対して容易に着脱できる構成を有する。
【0046】60は手差し給紙部の手差し給紙トレイ
で、画像形成装置1の本体側壁に対して下端を支点とし
て開閉できるように構成してある。
【0047】61は手差し給紙トレイ60上に載置され
る記録紙を画像形成に伴って送り出すためのローラから
なる送り出しローラ、63は送り出しローラ61の下流
に設けてあるフィードローラ、65はフィードローラ6
3と圧接し、記録紙Pの複数枚送りを防止するための重
送防止ローラで、前述した給紙トレイ22、24の場合
と実質的に同じ構成を有する。
【0048】66は、手差しトレイ60から送り出され
る記録紙Pの搬送路で、フィードローラ63のすぐ左横
に示す一対の搬送ローラを経て後記する合流部に連通し
ている。
【0049】70は、記録紙P上に転写による画像形成
を行わせるための第1搬送路で、適宜の給紙トレイから
送り出される記録紙の移動方向から見て、下方から上方
に延びている。
【0050】72は上段の給紙トレイ22に収納される
記録紙用の給紙通路、74は下段の給紙トレイ24に収
納される記録紙用の給紙通路であり、76は両トレイ2
2および24から送られる記録紙Pが合流する合流部
(第1搬送路70の一部)である。
【0051】78は、所定の画像形成がなされた記録紙
を排紙トレイT上に排紙するための排紙通路である。
【0052】80は、記録紙の両面に画像形成を行う場
合に使用する記録紙の表裏反転用の第2搬送路であり、
図の上方において、第1搬送路と連通している。
【0053】第2搬送路80は、記録紙の移動方向から
見て、上方から下方に向かって延びている。
【0054】また、第2搬送路80の下端部は略垂直に
延びる搬送路としてあり、その下端は下段の給紙トレイ
24の給紙部よりも下側に延び、そして、第1搬送路7
0と接続(連通)している。
【0055】上記から理解されるように、第1搬送路7
0と第2搬送路80とは、装置本体の一側壁側において
縦方向に長いループ状をなしている。
【0056】第1搬送路70と第2搬送路80との接続
部には、可逆回転可能な一対のローラからなる搬送手段
R20(スイッチバック用ローラーを兼ねる)を設けて
ある。
【0057】接続部は、記録紙Pが第2搬送路80から
第1搬送路70に連続的に搬送されるものでないことか
ら、両搬送路を分ける分岐部ともいえる。
【0058】スイッチバック用ローラR20の下側に
は、空間部25に繋がる通路が設けてあり、記録紙Pの
表裏反転に際して、第2搬送路80を移動してくる記録
紙Pを空間部25に向かわせるように使用される。
【0059】画像形成プロセスにおいて、第2搬送路8
0を移動してくる記録紙Pが空間部25に向けて送り出
された時、当該記録紙Pの後端はスイッチバック用ロー
ラR20で把持されているように構成してあり、従っ
て、空間部25には記録紙の一部分が収納されることに
なる。
【0060】90は(上側)分岐ガイドで、第1面に画
像形成された記録紙Pを排紙通路78に向かわせたり、
または、第2搬送路80に向かわせたりするように制御
される。
【0061】換言すれば、ユーザ設定の画像形成の形態
(記録紙の片面のみに画像を形成するモードか、記録紙
の両面に画像を形成するモードか)に応じて制御され、
記録紙搬送路を切換えるということができる。
【0062】このように構成された画像形成部Eで画像
形成を行なうに際し、先ず円筒状感光体10の回転に伴
って帯電電極14の放電作用で円筒状感光体10面に帯
電する。次に、書き込み部Dで画像が書き込まれて静電
潜像が形成される。この静電潜像を現像器16で現像し
てトナー像が形成される。一方、給紙トレイ22、24
又は手差し給紙トレイ60より給紙された記録紙Pに転
写電極18でトナー像を転写し、分離電極20で記録紙
Pが分離され、定着器Hで定着処理されて排紙トレイT
上に排紙される。
【0063】図2は、本発明の画像形成装置に用いられ
るクリーニング装置の断面図である。
【0064】図2において、円筒状感光体10は円筒中
心軸が水平になるように画像形成装置内に設置されてい
る。この水平とは円筒中心軸が水平面と交差する角度が
±10度以内の水平度を云う。この円筒状感光体10の
上方にクリーニング装置21が設けられる。図示のよう
にクリーニング装置21は、円筒状感光体10の回転中
心10Aを通る水平線HLよりも上方に配置されてお
り、クリーニングブレード211の先端は円筒状感光体
10の中心軸鉛直上方を0度としたとき、円筒状感光体
円筒中心角度(β)が±30度以内に感光体面に圧接
し、感光体上のトナーをクリーニングする。
【0065】クリーニング装置21の枠体218の側方
には、クリーニングブレードの上流側にシート状導電性
部材219、分離爪217が設けられており、シート状
導電性部材219、分離爪217とも円筒状感光体10
面に接触している。
【0066】更に、枠体218内には軸213に支持体
212が回転可能に支持されており、支持体212の一
端にクリーニングブレード211と補助部材211Bの
基部が固定されている。支持体212の他端222は枠
体218より外部に露出した状態で設けられている。
【0067】クリーニング装置21の作動状態では、支
持体212の他端に設けたバネSの弾性力でクリーニン
グブレード211の先端が円筒状感光体10に圧接して
いる。クリーニングブレード211の後端側で、且つ、
円筒状感光体10の回転方向に対して、軸213より下
流側に位置するように支持体212に、弾性板214が
その一端を固定して設けられ、クリーニングブレードを
圧接解除時等のトナー飛散防止に機能する。弾性板21
4は、ポリウレタンゴムやポリエチレンテレフタレート
等の弾性板で構成することが望ましい。
【0068】また、枠体218内には記録紙Pにトナー
像を転写した後、クリーニングブレード211で円筒状
感光体10の残留トナーをクリーニングした際、枠体2
18内より順次残留トナーを外部に排出するためのトナ
ー排出部材215、216が設けられている。
【0069】図3は本発明のクリーニングブレードと円
筒状有機感光体の関係を更に詳しく説明した図である。
【0070】図3においてクリーニングブレード211
の先端は円筒状感光体10の中心軸鉛直上方を0度とし
たとき、感光体円筒中心角度(β)が±30度以内で感
光体面に圧接している(当接点A)。
【0071】該クリーニング装置はクリーニングブレー
ド211と弾性部材、プラスチック部材、金属薄板部材
等の補助部材211Bが支持体(一般に金属板が用いら
れる)212に取り付けられている。補助部材211B
にはこの他に金属部材とセラミック材料の複合材料や弾
性部材とプラスチック部材の複合材料等も利用できる。
【0072】本発明において、この補助部材211Bと
クリーニングブレード211を支持体212に固定させ
るとき、補助部材をクリーニングブレードが感光体に当
接面と反対側の面で密着させるように配置して支持体に
取り付け、保持させる。このとき、クリーニングブレー
ドと補助部材の接触している部位はブレードで発生する
振動を確実に補助部材へ伝播、吸収させることのできる
機構を有している。このような保持方法を採ることによ
り、クリーニングブレードの振動を効果的に補助部材に
吸収させることができ、ブレードの振動を安定化させる
ことができる。
【0073】感光体表面へのクリーニングブレードの適
正圧接条件は、諸特性の微妙なバランスにより決められ
ており、かなり狭いものである。クリーニングブレード
の厚み等の特性によっても変わり、設定には精度を要す
る。しかし、クリーニングブレードは作製時にどうして
もその厚みに多少のバラツキができるため、適正な条件
で常に設定されるとはいえず、例え当初は適正に設定さ
れても、適正領域が狭いため使用の過程で適正領域から
はずれてしまうこともある。特に高分子量のバインダー
樹脂を用いた有機感光層と組み合わせた場合、適正領域
からはずれると、ブレードめくれやトナーすり抜けの原
因となる。
【0074】従って、クリーニングブレードの特性のバ
ラツキ等をキャンセルするためにも本発明は有効な手段
であり、クリーニングブレードの厚みのバラツキが例え
あっても、補助部材によるブレードの振動を効果的に吸
収することにより、感光体面へのクリーニングブレード
の設定条件を適正領域の中に安定に維持することができ
る。
【0075】本発明において、感光体表面に圧接するク
リーニングブレードの先端部は、感光体の回転方向と反
対方向(カウンター方向)に向けて負荷をかけた状態で
圧接することが好ましい。図3に示すようにクリーニン
グブレードの先端部は感光体と圧接するときに、圧接面
を形成することが好ましい。又、本発明のクリーニング
ブレードと補助部材との位置関係は図3のように双方の
先端間に段差を設けた構成になっている。
【0076】本発明において前記クリーニングブレード
の感光体への当接荷重P、当接角θの好ましい値として
は、P=5〜40N/m、θ=5〜35°である。
【0077】当接荷重Pはブレード211を感光体10
に当接させたときの圧接力P′の法線方向ベクトル値で
ある。
【0078】又当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。
【0079】又、前記クリーニングブレード自由長a、
補助部材の自由長bは図3に示すように支持体212の
端部Bの位置から変形前のブレード、補助部材の先端点
の長さを表す。該自由長の好ましい値としてはa=6〜
15mmである。前記クリーニングブレードの厚さtは
0.5〜10mmが好ましい。ここで、本発明のクリー
ニングブレード及び補助部材の厚さTとは図3に示すよ
うに支持体212の接着面に対して垂直な方向を示す。
【0080】本発明に用いられるクリーニングブレード
は弾性体ゴムブレードが好ましく、その物性はゴム硬度
と反発弾性を同時にコントロールすることにより、トル
ク変動を小さく制御でき、より有効にブレードの反転を
抑制できる。25±5℃に於けるブレードのJISA硬
度が65よりも小さくなるとブレードの反転が起こり易
くなり、80より大きくなるとクリーニング性能が低下
する。また、反発弾性が80を超えるとブレードの反転
がおこり易くなり、20以下だとクリーニング性能が低
下する。より好ましい反発弾性は20以上80以下であ
る。ヤング率は、294〜588N/cm2の範囲のも
のが好ましい。(JISA硬度及び反発弾性ともJIS
K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測定する。
反発弾性の数値は%を示す。) 前記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレ
ードの材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッ
ソゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られ
ているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比し
て摩耗特性が優れている点で特に好ましい。例えば、特
開昭59−30574号に記載のポリカプロラクトンエ
ステルとポリイソシアネートとを反応硬化せしめて得ら
れるウレタンゴム等が好ましい。
【0081】補助部材の自由長はクリーニングブレード
の自由長より短い。このような構成にすることにより、
クリーニングブレードの先端部での変形(感光体に圧接
する事による変形)を阻害することなく、しかもクリー
ニングブレードの振動をプラスチック部材により吸収
し、クリーニングブレードの振動を安定させることがで
きる。
【0082】本発明の1つは前記補助部材211Bに弾
性部材を用いることを特徴とする。該弾性部材とは前記
したクリーニングブレードと同じゴム弾性体が用いられ
る。その材料としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フ
ッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が知ら
れているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比
して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。
【0083】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと弾性部材の自由長の比はクリーニングブレー
ドの自由長をa、弾性部材の自由長をb1とすると、式
1を満足するように構成されている。
【0084】式1 0.1<b1/a≦0.9 b1/aを上記範囲に、即ちb1/aが0.1を超え、
0.9以下となるように構成することにより、クリーニ
ングブレードの先端部での変形(感光体に圧接する事に
よる変形)を阻害することなく、しかもクリーニングブ
レードの振動を弾性部材により吸収し、ブレードめくれ
やトナーすり抜けが発生しない安定したクリーニング性
を実現できることを見いだした。更に、本発明では0.
3〜0.8の範囲がより好ましく、特に好ましくは0.
5〜0.6の範囲に設定することである。一方、b1
aが0.1以下ではトナーすり抜けが発生しやすくな
り、b1/aが0.9より大きいとブレードめくれが発
生しやすい。
【0085】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと弾性部材の厚さの比はクリーニングブレード
の厚さをt、弾性部材の厚さをT1とすると、式2を満
足するように構成されている。
【0086】式2 1/30≦T1/t≦2 T1/tを上記範囲に、即ちT1/tの値が1/30〜2
の値となるように構成することにより、クリーニングブ
レードと弾性部材は支持体212に安定して保持され、
しかもクリーニングブレードの振動を弾性部材により吸
収し、ブレードめくれやトナーすり抜けが発生しない安
定したクリーニング性を実現できることを見いだした。
更に、T1/tの値は1/8〜5/4、特に好ましくは
1/4〜3/4である。一方、T1/tが1/30未満
ではトナーすり抜けが発生しやすくなり、T1/tが2
より大きいとブレードめくれが発生しやすい。
【0087】本発明の1つは前記補助部材211Bにプ
ラスチック部材を用いることを特徴とする。
【0088】該プラスチック部材とは加熱により任意の
形状に塑性できる高分子材料を用いて作製したクリーニ
ングブレード形状を有する部材を意味する。該高分子材
料としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の両方を用いる
ことができる。本発明のプラスチック部材は一般に市販
されているプラスチックシートを裁断してブレード形状
にしたものを用いることもできる。又、メーカに特定の
物性値を有するプラスチックシートを発注し、これらの
プラスチックシートを用いて作製しても良い。
【0089】プラスチック部材に用いられる高分子材料
としてはポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、
ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアリレート、スチレンアクリレート共重合体等の熱可
塑性樹脂、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化
プラスチック等の強化プラスチック、或いは3次元架橋
により硬化させたゴム弾性が小さい熱硬化性高分子材料
等が好ましく用いられる。
【0090】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードとプラスチック部材の自由長の比はクリーニン
グブレードの自由長をa、プラスチック部材の自由長を
2とすると、式3を満足するように構成されている。
【0091】式3 0.1<b2/a≦0.9 b2/aを上記範囲に、即ちb2/aが0.1を超え、
0.9以下となるように構成することにより、クリーニ
ングブレードの先端部での変形(感光体に圧接する事に
よる変形)を阻害することなく、しかもクリーニングブ
レードの振動をプラスチック部材により吸収し、ブレー
ドめくれやトナーすり抜けが発生しない安定したクリー
ニング性を実現できることを見いだした。更に、本発明
では0.3〜0.7の範囲がより好ましい。一方、b2
/aが0.1以下ではトナーすり抜けが発生しやすくな
り、b2/aが0.9より大きいとブレードめくれが発
生しやすい。
【0092】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードとプラスチック部材の厚さの比はクリーニング
ブレードの厚さをt、プラスチック部材の厚さをT2
すると、式4を満足するように構成されている。
【0093】式4 1/50≦T2/t≦1 T2/tを上記範囲に、即ちT2/tの値が1/50〜1
になるように構成することにより、クリーニングブレー
ドは支持部材に安定して保持され、しかもクリーニング
ブレードの振動をプラスチック部材により吸収し、ブレ
ードめくれやトナーすり抜けが発生しない安定したクリ
ーニング性を実現できることを見いだした。更に、T2
/tの値は1/50〜1/4の範囲が好ましい。一方、
2/tが1/50未満ではトナーすり抜けが発生しや
すくなり、T2/tが1より大きいとブレードめくれが
発生しやすい。
【0094】本発明の1つは前記補助部材211Bに金
属薄板部材を用いることを特徴とする。
【0095】金属薄板部材とは厚さが0.01〜2m
m、特に好ましくは0.02〜0.5mmの金属板であ
り、クリーニングブレードと張り合わせ可能な形状を有
する部材を意味する。金属薄板の材料としては柔軟性の
ある金属薄板であれば、どのような金属材料でも用いる
ことができるが、好ましくはSUS300系、SUS4
00系のステンレス板、アルミニウム板、リン青銅板等
が用いられる。
【0096】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと金属薄板部材の自由長の比はクリーニングブ
レードの自由長をa、金属薄板部材の自由長をb3とす
ると、式5を満足するように構成されている。
【0097】式5 0.1<b3/a≦0.9 b3/aを上記範囲に、即ちb3/aが0.1を超え、
0.9以下となるように構成することにより、クリーニ
ングブレードの先端部での変形(感光体に圧接する事に
よる変形)を阻害することなく、しかもクリーニングブ
レードの振動を金属薄板部材により吸収し、ブレードめ
くれやトナーすり抜けが発生しない安定したクリーニン
グ性を実現できることを見いだした。更に、本発明では
0.3〜0.7の範囲がより好ましい。一方、b3/a
が0.1以下ではトナーすり抜けが発生しやすくなり、
3/aが0.9より大きいとブレードめくれが発生し
やすい。
【0098】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと金属薄板部材の厚さの比はクリーニングブレ
ードの厚さをt、金属薄板部材の厚さをT3とすると、
式6を満足するように構成されている。
【0099】式6 1/200≦T3/t≦1 T3/tを上記範囲に、即ちT3/tの値が1/200〜
1になるように構成することにより、クリーニングブレ
ードは支持部材に安定して保持され、しかもクリーニン
グブレードの振動を金属薄板部材により吸収し、ブレー
ドめくれやトナーすり抜けが発生しない安定したクリー
ニング性を実現できることを見いだした。更に、T3
tの値は1/100〜1/4の範囲が好ましい。一方、
3/tが1/200未満ではトナーすり抜けが発生し
やすくなり、T3/tが1より大きいとブレードめくれ
が発生しやすい。
【0100】図3のシート状導電性部材219はクリー
ニング装置21の枠体218の側方、且つクリーニング
ブレードの上流側(感光体回転方向に対して)に設置さ
れており、シート状導電性部材219の先端は感光体表
面に接触している。このことにより、トナーや感光体の
電荷は除去され、その結果クリーニング性が向上し、又
クリーニングブレードに過剰な負荷がかからなくなり、
ブレードめくれや、ブレード鳴き等のブレード故障を防
止される。
【0101】220はシート状導電性部材の背当て部材
(折り曲げられたポリエチレンテレフタレートシート
等)、221はトナーガイド(ポリエチレンテレフタレ
ートシート等のシート)であり、クリーニングされたト
ナーがクリーニング装置の外部に飛散するのを防止して
いる。又、トナー或いは感光体の電荷を効果的に除去す
るためには、シート状導電性部材219を接地(アース
をとる)することが好ましい。
【0102】本発明の画像形成装置に用いられる感光体
は表面が低表面エネルギーのフッ素原子やケイ素原子を
含有した材料で構成されていると、感光体とトナーとの
付着力が小さくなり、クリーニングブレードに過重な負
荷を懸けなくても、トナーのクリーニングが良好になさ
れ、クリーニング不良が発生しにくい。
【0103】一方、トナーとして、感光層に対する付着
力が小さいトナーを用いることにより、有機感光体とク
リーニングブレードの間に生ずる摩擦力を過大にするこ
となく、効果的に該有機感光体上に残留するトナーを除
去することができる。
【0104】本発明ではこのようなこのような感光層に
対する付着力が小さいトナーとして、以下のような特性
のトナーを用いることを特徴とする。
【0105】(1)形状係数が1.2〜1.6の範囲に
あるトナー粒子を65個数%以上含有するトナー 形状係数が1.2より小さいとトナーの形状が真球に近
くなり、トナーの感光体との接着強度が増大し、クリー
ニング不良が発生しやすい。一方、1.6より大きくな
るとトナーが破砕され、微粉化されやすく、このことも
クリーニング不良の原因となる。即ち、形状係数が1.
2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上、
さらに好ましくは70個数%以上含有するトナーはクリ
ーニング性が良好で、且つ微粉化されにくいトナーを多
量に含んだトナーであり、本発明のクリーニング装置に
適用することにより、長期に渡り、良好なクリーニング
性と、良好な画像形成を可能にする。
【0106】(2)角がないトナー粒子を50個数%以
上含有するトナー 角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部ま
たはストレスにより破砕しやすいような突部を実質的に
有しないトナー粒子を言い、角がないトナー粒子の割合
が50個数%以上、更に好ましくは70個数%以上であ
ることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより
微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、微細なトナ
ーの発生によるクリーニング不良を防止でき、本発明の
クリーニング装置に適用しても、長期に渡り、良好なク
リーニング性と、良好な画像形成を可能にする。そのた
めには角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であ
ることが必要であり、更に、好ましくは70個数%以上
である (3)トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然
対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複
数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラ
ムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数
(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含ま
れるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70
%以上含有するトナー 相対度数(m1)と、相対度数(m2)の和(M)が70
%以上のトナーであることにより、該トナーを構成する
トナー粒子の粒度分布がシャープとなり、安定したトナ
ー画像の形成が可能となり、その結果、本発明のクリー
ニング装置に適用しても、長期に渡り、良好なクリーニ
ング性と、良好な画像形成を可能にする。
【0107】(4)トナー粒子の個数粒度分布における
個数変動係数が27%以下であるトナー トナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは
25%以下である。個数変動係数が27%以下であるこ
とにより、該トナーを構成するトナー粒子の粒度分布が
シャープとなり、安定したトナー画像の形成が可能とな
り、その結果、本発明のクリーニング装置に適用して
も、長期に渡り、良好なクリーニング性と、良好な画像
形成を可能にする。
【0108】(5)トナー粒子の形状係数の変動係数が
16%以下であるトナー トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、より好
ましくは14%以下であることにより、トナーを構成す
るトナー粒子の形状分布がシャープとなり、安定したト
ナー画像の形成が可能となり、その結果、本発明のクリ
ーニング装置に適用しても、長期に渡り、良好なクリー
ニング性と、良好な画像形成を可能にする。
【0109】又、トナーは形状係数が1.2〜1.6の
範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係
数の変動係数が16%以下であるトナーを使用すること
が好ましい。このようなトナーは感光体との付着力が小
さく、クリーニング性が良好である。
【0110】又、トナーは、トナーの形状係数の変動係
数が16%以下であり、且つトナーの個数粒度分布にお
ける個数変動係数が27%以下であるトナーを使用する
ことが好ましい。このようなトナーはクリーニング性、
細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成
することができる。
【0111】また、角がないトナー粒子を50個数%以
上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以
下に制御することによっても、クリーニング性、細線再
現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成するこ
とができる。
【0112】トナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μ
mのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー
粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の
添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成に
よって制御することができる。
【0113】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なく
することができ、現像性を長期に渡って安定化すること
ができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーン
の画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0114】以下、感光体、及びトナーについて詳細に
記載する。 感光体の製造方法 次に、有機感光体について記載する。
【0115】本発明において、有機電子写真感光体(有
機感光体)とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電
荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を
有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味
し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から
構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分
子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を
全て含有する。
【0116】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性支持体 円筒状有機感光体とは、回転することによりエンドレス
に画像を形成できるに必要な円筒状の導電性支持体を用
いた有機感光体を意味し、該円筒状導電性支持体の円筒
形状は真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の
範囲にあることが好ましい。この真直度及び振れの範囲
を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0117】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0118】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0119】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0120】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0121】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0122】感光層 感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電
荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成
でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層
(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をと
るのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り
返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他
の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電
用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、そ
の上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好まし
い。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感
光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構
成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成であ
る。
【0123】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を
含有する。その他の物質としては必要によりバインダー
樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0124】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0125】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0126】電荷輸送層 電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤
を含有しても良い。
【0127】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0128】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0129】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0130】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜35μmが好ましい。
【0131】保護層 感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができ
る。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、機械的強
度の強い有機感光体を得ることができる。
【0132】次に、本発明に用いられる好ましい保護層
について記載する。好ましい保護層は電荷輸送性能を有
する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂層である。
【0133】一般にシロキサン系樹脂層は硬化性有機ケ
イ素化合物の加水分解生成物を脱水縮合して得られる。
代表的には下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合
物を原料とした塗布組成物を塗布乾燥することにより形
成される。これらの原料は親水性溶媒中では加水分解と
その後に生じる縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化
合物の縮合物(オリゴマー)を形成する。これら塗布組
成物を塗布、乾燥することにより、3次元網目構造を形
成したシロキサン系樹脂層を形成することができる。
【0134】 一般式(1) (R)n−Si−(X)4-n 式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直
接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解
性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0135】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形
の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル
等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェ
ニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポ
キシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロ
キシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロ
キシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプ
ロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル
基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−
アミノプロピル、N−β(−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,
1,1−トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシ
ル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、そ
の他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特に
はメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が
好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エト
キシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が
挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ま
しい。
【0136】又一般式(1)で表される有機ケイ素化合
物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同
一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場
合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般
式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用い
るとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0137】又前記一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物の中でもは、nが1と2の化合物を併用した塗布
液から形成されたシロキサン系樹脂層は機械的耐摩耗性
が高く、クリーニング性の良好な保護層を形成すること
ができる。
【0138】nが1の有機ケイ素化合物の具体例として
は下記の化合物が挙げられる。即ち、トリクロロシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラ
ン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリク
ロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシ
ラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシ
シラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロ
シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキ
シシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2
−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベン
ジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、
クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチ
オプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエト
キシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス
(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、
ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシ
ラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0139】nが2の有機ケイ素化合物の具体例として
は下記の化合物が挙げられる。ジメチルジクロロシラ
ン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラ
ン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロ
ロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラ
ン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロ
ピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラ
ン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチ
ルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチル
シラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニル
ジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジ
エトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエト
キシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロ
ピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジ
クロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシ
メチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピ
ル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエ
チルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキ
シメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジ
メチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシ
メチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエ
トキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−
(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメ
チルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピ
ルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン等が挙
げられる。
【0140】最も好ましい保護層は該シロキサン系樹脂
層自体が電荷輸送性を有し、且つ表面自由エネルギーが
小さく、該シロキサン系樹脂層の隣接層との接着性や脆
弱性が改質されたシロキサン系樹脂層である。
【0141】このような保護層としては電荷輸送性能を
有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサ
ン系樹脂層が挙げられる。該電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層
は、具体的には下記一般式(2)で示された電荷輸送性
化合物と前記有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合
反応により形成される。そして該シロキサン系樹脂層を
保護層として有する有機感光体は残留電位上昇が小さく
且つ表面自由エネルギーが小さので、クリーニングブレ
ードのトルク変動を小さく、且つ安定にすることがで
き、残留トナーのすり抜けや、ブレードめくれの発生を
起こしにくい。
【0142】 一般式(2) B−(R1−ZH)m 式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又
は多価の基を表し、R 1は単結合又は2価のアルキレン
基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、m
は1〜4の整数を表す。
【0143】一般式(2)のBは電荷輸送性化合物構造
を含む1価以上の基である。ここでBが電荷輸送性化合
物構造を含むとは、一般式(2)中の(R1−ZH)基
を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又
は前記一般式(2)中の(R 1−ZH)基を水素原子で
置換したBHの化合物が電荷輸送性能を有する事を意味
する。
【0144】尚、前記の電荷輸送性化合物とは電子或い
は正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物であ
り、又別の定義としてはTime−Of−Flight
法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電
荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定義
できる。
【0145】前記シロキサン系樹脂層中に電荷輸送性能
を有する構造単位を有する保護層は前記有機ケイ素化合
物と電荷輸送性化合物との縮合反応により形成できれ
る。このような保護層は前記一般式(2)で示された電
荷輸送性化合物に代えて前記有機ケイ素化合物と反応性
を有する電荷輸送性化合物を用いることもできる。
【0146】前記シロキサン系樹脂層中に5nm〜50
0nmの無機金属酸化物粒子を含有させることが好まし
い。即ち、前記シロキサン系樹脂層は水酸基或いは加水
分解性基を有する有機ケイ素化合物、又は該有機ケイ素
化合物の縮合生成物と水酸基を有する電荷輸送性能化合
物、及び5nm〜500nmの無機金属酸化物粒子を含
有する組成物と塗布、乾燥させて得られる電荷輸送性を
有する複合化された樹脂層が好ましい。
【0147】前記5nmから500nmの金属酸化物粒
子は通常は液相法によって合成される。金属原子の例と
してはSi、Ti、Al、Cr、Zr、Sn、Fe、M
g、Mn、Ni、Cuなどが挙げられる。これらの金属
酸化物粒子はコロイド粒子として得ることができる。
【0148】又、前記金属酸化物粒子は該粒子表面に前
記有機ケイ素化合物と反応性を有する化合物基を有する
ことが好ましい。該反応性を有する化合物基としては、
例えば水酸基、アミノ基等が挙げられる。このような反
応性基を有する金属酸化物粒子を用いることにより、保
護層は前記シロキサン系樹脂と該金属酸化物粒子表面が
化学結合をした複合化されたシロキサン系樹脂層を形成
し、強度と弾性を増強した樹脂層となり、該シロキサン
系樹脂層を感光体の保護層として用いるとブレードクリ
ーニング等の擦過に対して摩耗しにくい、電子写真特性
の良好な膜を形成する。
【0149】前記水酸基又は加水分解性基を有する有機
ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有
機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と
前記一般式(2)の化合物の量(I)の組成比として
は、質量比で100:3〜50:100であることが好
ましく、より好ましくは100:10〜50:100の
間である。
【0150】また前記金属酸化物粒子の添加量(J)は
前記総量(H)+化合物の量(I)の総質量100部に
対し(J)を1〜30質量部を用いることが好ましい。
【0151】前記総量(H)成分が前記の範囲内で使用
されると、感光体表面層の硬度が高く且つ弾力性があ
る。一方、前記化合物の量(I)が前記の範囲内で使用
されると感度や残留電位特性等の電子写真特性が良好で
あり、前記感光体表面層の硬度が高い。
【0152】更には前記シロキサン系樹脂層の製造過程
の乾燥温度を80℃以上の高温で行うこと、更に乾燥後
のシロキサン系樹脂層を30℃〜100℃で数時間以上
の再加熱を行うこと等が好ましい。
【0153】前記のシロキサン系樹脂層を形成するには
縮合反応を促進するために縮合触媒としては以下のよう
な縮合触媒が好ましい。
【0154】具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化
物、金属塩、金属キレート化合物、アルキルアミノシラ
ン化合物など従来シリコーンハードコート材料に用いら
れてきた公知の触媒を用いることができるが、燐酸、酢
酸の他、チタンキレートやアルミニウムキレート及びス
ズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジ
アセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチン
メルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジ
ブチルチンマリエート等)等が好ましい。
【0155】以下に前記一般式(2)で表される好まし
い化合物例をあげるが、本発明においては下記化合物に
は限定されない。
【0156】
【化1】
【0157】
【化2】
【0158】
【化3】
【0159】前記シロキサン系樹脂層には酸化防止剤を
含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代
表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存
在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件
下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物
質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
【0160】
【化4】
【0161】
【化5】
【0162】
【化6】
【0163】又、感光体の表面エネルギーを低くし、ト
ナーの付着力を小さくするためには、保護層中にフッ素
原子を有する化合物を含有させることも有効である。例
えばフッ素系ポリマーおよびフッ素系樹脂粉体等を保護
層中に含有させることが好ましい。感光体の表面エネル
ギーを十分低下させ、且つ十分な膜強度を得るために
は、フッ素系ポリマーおよびフッ素系樹脂粉体等の含有
量は保護層全質量に対して3%以上50%未満含有させ
ることが好ましい。
【0164】又、保護層の乾燥膜厚は感光体の静電特性
と耐摩耗特性等のバランスにより構成されるが、前記し
たシロキサン系樹脂層の場合は0.2μm〜10μmの
範囲が好ましい。
【0165】中間層、感光層、保護層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0166】次に本発明の有機電子写真感光体を製造す
るための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗
布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、
感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させな
いため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布
又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表
例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお
保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最
も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0167】次に本発明に用いられるトナーについて記
載する。本発明のトナーは個々のトナー粒子の粒度分
布、及び形状が比較的均一な重合トナーが好ましい。こ
こで、重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成
とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合、
及びその後の化学的処理により形成されて得られるトナ
ーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の
重合反応と必要により、その後に行われる粒子同志の融
着工程を経て得られるトナーを意味する。
【0168】本発明の画像形成方法に用いられる重合ト
ナーとしては特定の形状を有するトナーが好ましい。以
下、本発明に好ましく用いられる重合トナーについて記
載する。
【0169】本発明に適用される好ましい重合トナーと
しては、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が1
6%以下であるトナーを使用することである。このよう
な重合トナーはクリーニングブレードのトルク変動を安
定させることができ、優れたクリーニング性能を発揮す
ることを見出した。
【0170】又、トナーによるクリーニングブレードの
トルク変動の安定性の違いは、トナー粒子の粒径によっ
ても異なり、粒子径の小さいものの方が像担持体への付
着力が高いために、トルクが過大となりやすく、且つト
ナーがクリーニングブレードをすり抜ける確率が高い。
しかしながら、トナー粒子径が大きいものでは、このよ
うなすり抜けは減少するが、解像度等の画質が低下する
問題が発生する。
【0171】以上の観点より検討を加えた結果、トナー
の形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナー
の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であ
るトナーを使用することで、クリーニング性、細線再現
性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成すること
ができることを見出した。
【0172】また、角がないトナー粒子を50個数%以
上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以
下に制御することによっても、クリーニング性、細線再
現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成するこ
とができる。
【0173】トナーの形状係数は、下記式により示され
るものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0174】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0175】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して形状係数を上記
算出式にて測定したものである。
【0176】本発明の好ましい重合トナーとしては、こ
の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が
65個数%以上とすることであり、より好ましくは、7
0個数%以上である。
【0177】この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度
に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よ
りトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト
等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破
砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナー
の帯電性が安定する。
【0178】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナ
ーを得ることができる。また、いわゆる重合法トナーを
調整する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0
〜1.6、または1.2〜1.6に調整したトナーを同
様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
【0179】本発明に好ましく用いられる重合トナーの
形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0180】変動係数=〔S/K〕×100(%) 〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕 この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましく
は14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下
であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少し
て定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。ま
た、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0181】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制
御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子
(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程
終了時期を決めてもよい。
【0182】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0183】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0184】トナーの個数粒度分布および個数変動係数
はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマ
ルチサイザー(コールター社製)で測定されるものであ
る。本発明においてはコールターマルチサイザーを用
い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機
製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0185】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%) 〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。〕 トナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは
25%以下である。個数変動係数が27%以下であるこ
とにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性
が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電
量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が
向上する。
【0186】個数変動係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分
級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さく
するためには液中での分級が効果的である。この液中で
分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制
御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応
じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0187】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0188】角がないトナー粒子とは、電荷の集中する
ような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突
部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図
9(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとする
ときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周
囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合
に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない
場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ
出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇
所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」
とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行
線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子
の幅をいう。なお、図9(b)および(c)は、それぞ
れ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0189】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0190】角がないトナー粒子の割合は50個数%以
上であり、好ましくは70個数%以上である。角がない
トナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、
現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発
生などがおこりにくくなり、いわゆる現像剤搬送部材表
面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止すること
ができるとともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制
することができ、帯電量もシャープにすることができ
る。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の
集中する部分を有するトナー粒子が減少することとな
り、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、
良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0191】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0192】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階
では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑で
ないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および
攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角
がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の
物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガ
ラス転移点温度以上で、より高回転数とすることによ
り、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成でき
る。
【0193】トナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μ
mのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー
粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の
添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成に
よって制御することができる。
【0194】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なく
することができ、現像性を長期に渡って安定化すること
ができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーン
の画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0195】本発明に好ましく用いられる重合トナーと
しては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自
然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で
複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグ
ラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度
数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含
まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が7
0%以上であるトナーであることが好ましい。
【0196】相対度数(m1)と相対度数(m2)との和
(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒
度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工
程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制する
ことができる。
【0197】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0198】〔測定条件〕 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0199】前記トナーの形状係数を制御する方法の中
では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉
砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好まし
い。
【0200】トナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の
乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重
合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加
して会合する方法で製造することができる。会合の際に
トナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混
合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や
着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合す
る方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子およ
び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0201】なお、本発明でいうところの水系媒体と
は、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示
す。
【0202】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することでトナーを調製する。
【0203】また、トナーを製造する方法として樹脂粒
子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法
も挙げることができる。この方法としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、特開平5−265252
号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−1
5904号公報に示す方法を挙げることができる。すな
わち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あ
るいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数
以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用
いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩
析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移
点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々
に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多
量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しなが
ら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水
状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナー
を形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と
同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよ
い。
【0204】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0205】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0206】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0207】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0208】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0209】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0210】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0211】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0212】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)高分子学会編」等に記述されて
おり、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。ま
た、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることもできる。
【0213】凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であ
ればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、
さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0214】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明におい
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることができる。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0215】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0216】なお、形状を均一化させるためには、着色
粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以
上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ま
しいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが
好ましい。この理由としては、極性基が存在している重
合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発
揮するために、形状の均一化が特に図られやすいものと
考えられる。
【0217】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0218】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0219】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0220】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0221】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0222】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0223】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0224】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。以
下、本発明に好ましく用いられる反応装置について記載
する。
【0225】図4は、一般的に使用されている攪拌翼の
構成が一段の反応装置(攪拌装置)を示す説明図であ
り、2は攪拌槽、3は回転軸、4は攪拌翼、9は乱流形
成部材である。
【0226】懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。この理由としては明確ではな
いが、図4に示されるような攪拌翼4の構成が一段の場
合には、攪拌槽2内に形成される媒体の流れが攪拌槽2
の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。
そのため、従来では一般的に攪拌槽2の壁面などの乱流
形成部材9を配置することで乱流を形成し、攪拌の効率
を増加することがなされている。しかし、この様な装置
構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流
の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結
果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を
制御することができない。
【0227】懸濁重合法において好ましく使用すること
のできる攪拌翼を備えた反応装置について図面を用いて
説明する。
【0228】図5および図6は、それぞれ、そのような
反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図5
および図6に示す反応装置において、熱交換用のジャケ
ット1を外周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2内の中
心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に攪拌槽2の底面
に近接させて配設された下段の攪拌翼40と、より上段
に配設された攪拌翼50とが設けられている。上段の攪
拌翼50は、下段に位置する攪拌翼40に対して回転方
向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明
のトナーを製造する場合において、交差角αは90度
(°)未満であることが好ましい。この交差角αの下限
は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上である
ことが好ましく、更に、好ましくは10°以上である。
なお、三段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣
接している攪拌翼間で交差角が90度未満であることが
好ましい。
【0229】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側
への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌
翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさ
らに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも
下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速さ
れて進行するものと推定される。この結果、乱流として
形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるた
めに、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推
定される。
【0230】なお、図5および図6中、矢印は回転方向
を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9
は攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0231】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図8に記載する。図8(a)に示す攪拌翼5
aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは
中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す
攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるも
の、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0232】また、懸濁重合法において層流を形成させ
る場合に使用される反応装置の一例を図7に示す。この
反応装置には、乱流形成部材(邪魔板等の障害物)は設
けられていない点に特徴を有する。
【0233】図7に示した反応装置を構成する攪拌翼4
6および攪拌翼56は、それぞれ、図5に示す反応装置
を構成する攪拌翼40および攪拌翼50と同様の形状お
よび交差角αを有している。また、図7において、1は
熱交換用のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、7は
上部材料投入口、8は下部材料投入口である。
【0234】なお、層流を形成させる場合に使用される
反応装置としては、図7に示されるものに限定されるも
のではない。
【0235】また、かかる反応装置を構成する攪拌翼の
形状については、乱流を形成させないものであれば特に
限定されないが、方形板状のもの等、連続した面により
形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0236】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0237】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0238】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌翼および攪拌槽と
しては、前述の懸濁重合法において層流を形成させる場
合と同様のものが使用でき、例えば図7に示すものが使
用できる。攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板
等の障害物を設けないことが特徴である。攪拌翼の構成
については、前述の懸濁重合法に使用される攪拌翼と同
様に、上段の攪拌翼が、下段の攪拌翼に対して回転方向
に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成と
することが好ましい。
【0239】この攪拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図8(a)に示した方形板状のもの等、連続し
た面により形成されるものが好ましく、曲面を有してい
てもよい。
【0240】また、本発明のトナーでは、外添剤として
無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用す
ることでより効果を発揮することができる。この理由と
しては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することが
できるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0241】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0242】 疎水化度=(a/(a+50))×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0243】本発明に用いられるトナーには外添剤とし
ては脂肪酸金属塩が添加されてもよい。脂肪酸及びその
金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペン
タデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン
酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン
酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜
鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナ
トリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。本
発明においては、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
【0244】二成分現像剤を調製するためには、トナー
とキャリアとを混合して調製される。現像剤に対するト
ナー濃度としては2〜10質量%に混合して使用され
る。
【0245】本発明に係わる現像方法は、特に限定され
ない。感光体表面と現像剤層とが現像領域で接触した状
態で現像が行われる接触現像方法であっても、感光体と
現像剤層とが現像領域で非接触の状態に保たれ、交番電
界等の作用により感光体表面と現像剤層間の間隙をトナ
ーを飛翔させて現像する非接触現像方法であってもよ
い。
【0246】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0247】以下に円筒状有機感光体を作製した。 感光体P1の製造 長さ380mm、直径60mmの円筒状導電性支持体上
に下記の塗布液を塗布し感光体P1を作製した。 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記塗布液を用いて円筒状導電性支持体上に、膜厚0.
5μmとなるよう塗布した。 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するチタニルフタロシ アニン) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。 〈保護層〉 メチルトリメトキシシラン 150g ジメチルジメトキシシラン 30g 反応性電荷輸送性化合物(例示化合物B−1) 15g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 0.75g 2−プロパノール 75g 3%酢酸 5g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により厚さ
2μmの樹脂層を形成し、120℃、1時間の加熱硬化
を行い、シロキサン樹脂層を形成し、感光体P1を作製
した。
【0248】感光体P2の製造。 感光体1において保護層を除いた他は同様にして感光体
P2を作製した。
【0249】トナーT1、T2の製造(乳化重合法の
例) n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.
0lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330
R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを
徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグライン
ダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散し
た。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイ
オン交換水4.0lからなる溶液を「アニオン界面活性
剤溶液A」とする。
【0250】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0l
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0l
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0251】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100lのGL(グラスライニング)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全
量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水4
4.0lを加える。
【0252】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過し、これを「ラテックス−A」とす
る。
【0253】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0254】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0lに溶解し
た溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加
物0.014kgをイオン交換水4.0lに溶解した溶
液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0255】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とする。
【0256】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100lのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃
度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶
液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入
れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0l
を投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレ
ン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgと
メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とした。
【0257】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0258】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とする。
【0259】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とする。
【0260】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100lのS
US反応釜(図5に示した構成の反応装置、交差角αは
20°)に、上記で作製したラテックス−A=20.
0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散液
1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪
拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液
G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、
ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その
後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85
℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間
加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。次
に純水2.1lを添加して粒径成長を停止する。
【0261】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5lの反応容器(図5に示し
た構成の反応装置、交差角αは20°)に、上記で作製
した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±
2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御し
た。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に
遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を
行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合
液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。
【0262】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得ら
れた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部
およびステアリン酸亜鉛0.1質量部をヘンシェルミキ
サーにて外添混合して下表の如き、乳化重合会合法によ
るトナーを得た。前記塩析/融着段階および形状制御工
程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時
間を制御することにより、形状および形状係数の変動係
数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分
布の変動係数を調整して、表1に示すトナーT1、及び
トナーT2を得た。
【0263】トナーT3の製造(懸濁重合法の例) スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35
g、カーボンブラック=10g、ジ−t−ブチルサリチ
ル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合
体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20
gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業
社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、
これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−
バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単
量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710g
に0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TK
ホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.
0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシ
ウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記
重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて1
0000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物
を造粒した。その後、攪拌翼の構成が図5に示したよう
な構成の反応装置(交差角αは45°)を使用し、75
〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸
三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、
遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗
浄、乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、
シリカ微粒子1質量部およびステアリン酸亜鉛0.1質
量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して懸濁重合法
によるトナーを得た。
【0264】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、下記表1に示すトナーT3を得た。
【0265】
【表1】
【0266】現像剤の作製 現像剤1の作製 前記トナーT1、100部に対して外添剤として平均粒
径12nmの疎水性シリカ粒子(R805:日本アエロ
ジル社製)0.4部、チタニア粒子(T805:日本ア
エロジル社製)0.6部を混合し、ヘンシェルミキサー
で常温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分
間混合し、負帯電性トナーを得た。このトナーの固着率
は45%であった。
【0267】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した
体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し
て、トナー濃度が5%の現像剤1を調製した。
【0268】現像剤2、3の作製 前記現像剤1の作製においてトナーT1の代わりにトナ
ーT2を用いた他は同様にして現像剤2を調製した。
又、トナーT1の代わりにトナーT3を用いた他は同様
にして現像剤3を調製した。
【0269】実施例1 クリーニングブレードと弾性部材を両面接着テープで支
持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表2記載の
ようにクリーニングブレードの自由長aと弾性部材の自
由長b1を変化させ、且つ感光体、現像剤、及びクリー
ニングブレードの先端位置、当節角度、当接荷重の組み
合わせを設定した。クリーニングブレードと弾性部材は
下記のものを用いた。
【0270】クリーニングブレードは厚さt:2mm、
硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード 弾性部材は厚さT1:1.5mm、硬度67°、反発弾
性50%のゴムブレード
【0271】
【表2】
【0272】評価 基本的に図1記載の画像形成装置に図3記載のクリーニ
ング装置を搭載したデジタル複写機(コロナ帯電、レー
ザ露光、反転現像、静電転写、爪分離、クリーニングブ
レードを有する)を用い、評価した。但し、上記評価ス
タート前に感光体とクリーニングブレードをなじませる
ために、感光体とクリーニングブレードにセッテングパ
ウダー(ポリフッ化ビニリデン粉体)を散布し、感光体
を1分間回転させた。
【0273】複写条件は最も厳しいと思われる高温高湿
環境(30℃、80%RH)にて連続20万コピー行
い、コピー画像の濃度ムラ、クリーニング性、ブレード
めくれについて以下の評価基準にて評価を行った。
【0274】評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔
写真画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等
分にあるオリジナル画像をA4中性紙での複写を行い、
10000枚毎にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画
像を評価した。濃度ムラについては、各画像の濃度はマ
クベス社製RD−918を使用し絶対反射濃度の測定を
行った。また、クリーニング性については、各1万コピ
ー毎に、A3紙のベタ黒画像4:ベタ白画像1の割合の
オリジナル画像を連続10枚複写を行い、ベタ白部での
クリーニング不良の発生の有無で判定した。ブレードめ
くれは20万コピー中に発生した回数をカウントした。
【0275】濃度ムラ:ハーフトーン画像の濃度差(Δ
HD=最大濃度−最小濃度)で判定 ◎ :0.05以下(良好) ○ :0.05より大きく0.1より小さい(実用上問
題ないレベル) × :0.1以上(実用上問題あり) クリーニング性:ベタ白部でのクリーニング不良の発生
の有無で判定 ◎:20万枚までトナーのすり抜け発生なし ○:10万枚までトナーのすり抜け発生なし ×:10万枚未満でトナーのすり抜け発生 ブレードめくれ ◎:20万枚まで発生なし △:軽微な部分めくれあり ×:ブレードめくれ発生 その他評価条件 尚、上記デジタル複写機のその他の評価条件は下記の条
件に設定した。
【0276】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0277】現像条件 DCバイアス;−550V 転写極;コロナ帯電方式 評価結果を表3に示した。
【0278】
【表3】
【0279】表2、表3より明らかなように、弾性部材
とクリーニングブレードの自由長が式1の条件、即ち
0.1<b1/a≦0.9の場合は濃度ムラ、クリーニ
ング性及びブレードめくれのいずれも良好な評価結果を
示しているのに対し、0.1≧b1/a、又はb1/a>
0.9の場合は濃度ムラ、クリーニング性及びブレード
めくれの少なくとも1つの評価が良好な結果を示してい
ない。
【0280】実施例2 クリーニングブレードと弾性部材を両面接着テープで支
持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表4記載の
ようにクリーニングブレードの厚さtと弾性部材の厚さ
1を変化させ、且つ感光体、現像剤、及びクリーニン
グブレードの先端位置、当節角度、当接荷重の組み合わ
せを設定した。クリーニングブレードと弾性部材は下記
のものを用いた。
【0281】クリーニングブレードは自由長a:9m
m、硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード 弾性部材は自由長b1:5.4mm、硬度67°、反発
弾性50%のゴムブレード
【0282】
【表4】
【0283】評価は実施例1と同様に行った。評価結果
を表5に示す。
【0284】
【表5】
【0285】表4、表5より明らかなように、弾性部材
とクリーニングブレードの厚さ比が式2の条件、即ち1
/30≦T1/t≦2の場合は濃度ムラ、クリーニング
性及びブレードめくれのいずれも良好な評価結果を示し
ているのに対し、1/30>T1/t又はT1/t>2の
場合は濃度ムラ、クリーニング性及びブレードめくれの
少なくとも1つの評価が十分でない。
【0286】実施例3 クリーニングブレードとプラスチック部材を両面接着テ
ープで支持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表
6記載のようにクリーニングブレードの自由長aとプラ
スチック部材の自由長b2を変化させ、且つ感光体、現
像剤、及びクリーニングブレードの先端位置、当節角
度、当接荷重の組み合わせを設定した。クリーニングブ
レードとプラスチック部材は下記のものを用いた。
【0287】クリーニングブレードは厚さt:2mm、
硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード プラスチック部材はポリエチレンテレフタレート、厚さ
2:0.1mmのブレード状シート
【0288】
【表6】
【0289】評価は実施例1と同様に行った。評価結果
を表7に示す。
【0290】
【表7】
【0291】表6、表7より明らかなように、プラスチ
ック部材とクリーニングブレードの自由長が式3の条
件、即ち0.1<b2/a≦0.9の場合は濃度ムラ、
クリーニング性及びブレードめくれのいずれも良好な評
価結果を示しているのに対し、0.1≧b2/a、又は
2/a>0.9の場合は濃度ムラ、クリーニング性及
びブレードめくれの少なくとも1つの評価が良好な結果
を示していない。
【0292】実施例4 クリーニングブレードとプラスチック部材を両面接着テ
ープで支持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表
8記載のようにクリーニングブレードの厚さtとプラス
チック部材の厚さT2を変化させ、且つ感光体、現像
剤、及びクリーニングブレードの先端位置、当節角度、
当接荷重の組み合わせを設定した。クリーニングブレー
ドとプラスチック部材は下記のものを用いた。
【0293】クリーニングブレードは自由長a:9m
m、硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード プラスチック部材はポリエチレンテレフタレート、自由
長b2:5.4mmのブレードシート
【0294】
【表8】
【0295】評価は実施例1と同様に行った。評価結果
を表9に示す。
【0296】
【表9】
【0297】表8、表9より明らかなように、プラスチ
ック部材とクリーニングブレードの厚さ比が式4の条
件、即ち1/50≦T2/t≦1の場合は濃度ムラ、ク
リーニング性及びブレードめくれのいずれも良好な評価
結果を示しているのに対し、1/50>T2/t又はT2
/t>1の場合は濃度ムラ、クリーニング性及びブレー
ドめくれの少なくとも1つの評価が良好な結果を示して
いない。
【0298】実施例5 クリーニングブレードと金属薄板部材を両面接着テープ
で支持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表10
記載のようにクリーニングブレードの自由長aと金属薄
板部材の自由長b3を変化させ、且つ感光体、現像剤、
及びクリーニングブレードの先端位置、当節角度、当接
荷重の組み合わせを設定した。クリーニングブレードと
金属薄板部材は下記のものを用いた。
【0299】クリーニングブレードは厚さt:2mm、
硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード 金属薄板部材はSUS304、厚さT3:0.05mm
のブレード形状
【0300】
【表10】
【0301】評価は実施例1と同様に行った。評価結果
を表11に示す。
【0302】
【表11】
【0303】表10、表11より明らかなように、金属
薄板部材とクリーニングブレードの自由長が式5の条
件、即ち0.1<b3/a≦0.9の場合は濃度ムラ、
クリーニング性及びブレードめくれのいずれも良好な評
価結果を示しているのに対し、0.1≧b3/a、又は
3/a>0.9の場合は濃度ムラ、クリーニング性及
びブレードめくれの少なくとも1つの評価が良好な結果
を示していない。
【0304】実施例6 クリーニングブレードと金属薄板部材を両面接着テープ
で支持体に貼り付けたクリーニング装置を用い、表12
記載のようにクリーニングブレードの厚さtと金属薄板
部材の厚さT3を変化させ、且つ感光体、現像剤、及び
クリーニングブレードの先端位置、当節角度、当接荷重
の組み合わせを設定した。クリーニングブレードと金属
薄板部材は下記のものを用いた。
【0305】クリーニングブレードは自由長a:9m
m、硬度70°、反発弾性60%のゴムブレード 金属薄板部材:SUS303、自由長b3:5.4mm
のブレード形状
【0306】
【表12】
【0307】評価は実施例1と同様に行った。評価結果
を表13に示す。
【0308】
【表13】
【0309】表12、表13より明らかなように、金属
薄板部材とクリーニングブレードの厚さ比が式6の条
件、即ち1/200≦T3/t≦1の場合は濃度ムラ、
クリーニング性及びブレードめくれのいずれも良好な評
価結果を示しているのに対し、1/200>T3/t又
はT3/t>1の場合は濃度ムラ、クリーニング性及び
ブレードめくれの少なくとも1つの評価が良好な結果を
示していない。
【0310】
【発明の効果】前記実施例からも明らかなように、クリ
ーニング装置が円筒状有機感光体の中心軸鉛直上方を0
度としたとき、円筒状有機感光体の円筒中心角度(β)
で±30度以内にクリーニングブレード先端が円筒状有
機感光体に当接している画像形成方法において、本発明
のクリーニングブレードと弾性部材、プラスチック部材
或いは金属薄板部材等の補助部材を有するクリーニング
装置を用いることにより、上方クリーニングで発生しや
すいトナーのクリーニング不良やブレードめくれの発生
を防止し、画像ムラのないすっきりした画像を作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用されるデジタル式画像形成装置の
構成を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置に用いられるクリーニン
グ装置の断面図である。
【図3】本発明のクリーニングブレードと円筒状有機感
光体の関係を更に詳しく説明した図である。
【図4】攪拌翼の構成が一段の反応装置を示す説明図で
ある。
【図5】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示した反応装置の断面図である。
【図7】層流を形成させる場合に使用される反応装置の
一例を示す斜視図である。
【図8】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図9】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す
説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあ
るトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【符号の説明】
10 感光体 12 書き込みユニット 14 帯電電極 16 現像器 18 転写電極 20 分離電極 21 クリーニング装置 161 滞留トナー 211 クリーニングブレード 212 支持体 214 弾性板 218 枠体 219 シート状導電性部材 E 画像形成部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードと弾性部材
    を有し、該クリーニングブレードは有機感光体に当接す
    る面と反対側の面で該弾性部材と密着しており、クリー
    ニングブレードの自由長aと弾性部材の自由長b1は式
    1を満足するように構成されていることを特徴とする画
    像形成方法。 式1 0.1<b1/a≦0.9
  2. 【請求項2】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、該クリーニング装置はクリーニン
    グブレードと弾性部材を有し、該クリーニングブレード
    は有機感光体に当接する面と反対側の面で該弾性部材と
    密着しており、クリーニングブレードの厚さtと弾性部
    材の厚さT1は式2を満足するように構成されているこ
    とを特徴とする画像形成方法。 式2 1/30≦T1/t≦2
  3. 【請求項3】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードとプラスチ
    ック部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光体
    に当接する面と反対側の面で該プラスチック部材と密着
    しており、クリーニングブレードの自由長aとプラスチ
    ック部材の自由長b2は式3を満足するように構成され
    ていることを特徴とする画像形成方法。 式3 0.1<b2/a≦0.9
  4. 【請求項4】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードとプラスチ
    ック部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光体
    に当接する面と反対側の面で該プラスチック部材と密着
    しており、クリーニングブレードの厚さtとプラスチッ
    ク部材の厚さT 2は式4を満足するように構成されてい
    ることを特徴とする画像形成方法。 式4 1/50≦T2/t≦1
  5. 【請求項5】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードと金属薄板
    部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光体に当
    接する面と反対側の面で該金属薄板部材と密着してお
    り、クリーニングブレードの自由長aと金属薄板部材の
    自由長b3は式5を満足するように構成されていること
    を特徴とする画像形成方法。 式5 0.1<b3/a≦0.9
  6. 【請求項6】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードと金属薄板
    部材を有し、該クリーニングブレードは有機感光体に当
    接する面と反対側の面で該金属薄板部材と密着してお
    り、クリーニングブレードの厚さtと金属薄板部材の厚
    さT3は式6を満足するように構成されていることを特
    徴とする画像形成方法。 式6 1/200≦T3/t≦1
  7. 【請求項7】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体と、該円筒状有機感光体上に静
    電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段によりトナー像
    を形成し、該トナー像を転写材に転写後に、円筒状有機
    感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング装置
    を有し、且つ円筒中心軸鉛直上方を0度とし、円筒中心
    角度(β)が±30度以内に、クリーニング装置のクリ
    ーニングブレード先端が円筒状有機感光体に当接する画
    像形成方法において、 該クリーニング装置はクリーニングブレードと補助部材
    を有し、該クリーニングブレードは有機感光体に当接す
    る面と反対側の面で該補助部材と密着しており、該クリ
    ーニングブレードの先端と該補助部材の先端には段差を
    設け、該段差は補助部材の方が有機感光体から遠い位置
    となるような段差であることを特徴とする画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記現像手段のトナーがトナー粒子の形
    状係数の変動係数が16%以下であり、且つ該トナー粒
    子の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記現像手段のトナーがトナー粒子の形
    状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65
    個数%以上含有することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記現像手段のトナーが角のないトナ
    ー粒子を50個数%以上含有することを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記1〜10のいずれか1項に記載の
    画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
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