JP2003043896A - クリーニング装置および画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置および画像形成装置

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JP2003043896A
JP2003043896A JP2001236602A JP2001236602A JP2003043896A JP 2003043896 A JP2003043896 A JP 2003043896A JP 2001236602 A JP2001236602 A JP 2001236602A JP 2001236602 A JP2001236602 A JP 2001236602A JP 2003043896 A JP2003043896 A JP 2003043896A
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cleaning
toner
blade
cleaning blade
latent image
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JP2001236602A
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English (en)
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Isao Endo
勇雄 遠藤
Yukie Matsudaira
幸恵 松平
Toru Makino
徹 牧野
Yoshihiko Fukuo
兆彦 福王
Junichi Otani
淳一 大谷
Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いクリーニング性能を長期にわたって安定
的に発揮することができるクリーニング装置、および画
質の高い画像を長期にわたって安定的に形成することが
できる画像形成装置の提供。 【解決手段】 クリーニング装置は、回転駆動される潜
像担持体の表面に先端縁が当接するブレードを有するク
リーニングブレード機構と、クリーニングローラ機構と
を備え、クリーニングブレード機構においては、前記ブ
レードの基端側部分の外面に位置されて当該ブレードを
付勢する支持部材により基端側部分が保持された、ブレ
ードと同方向に伸びる振動緩衝部材が設けられており、
振動緩衝部材は、その先端部に軸方向に並ぶ複数の舌片
部分が形成されるようスリット状の切り込みが形成され
ており、舌片部分の先端縁がブレードの外面に位置され
ている。画像形成装置は、上記のクリーニング装置を備
えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真方
式による画像形成装置に搭載されるクリーニング装置お
よび画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、例えば電子写真方式による画像形
成装置においては、有機光導電性物質を含有する有機感
光体よりなる潜像担持体を備えたものが広く利用されて
いる。この理由は、有機感光体は、可視光から赤外光ま
で各種の露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、
環境汚染のない材料を選択できること、および製造コス
トが安いことなど、他の像担持体と比較して有利な点を
多く有しているからである。
【0003】このような画像形成装置においては、有機
感光体上の未転写トナーや転写残トナー等の残留トナー
を除去するための手段として、例えば、弾性体からなる
平板状のクリーニングブレードを有機感光体の表面に当
接し、これにより有機感光体上の残留トナーを除去する
ブレードクリーニング方式によるクリーニング装置を備
えたものが知られている。
【0004】しかし、有機感光体は、機械的強度が小さ
いため、多数枚のプリント時に表面の劣化や傷を発生し
やすく、また、有機感光体の表面に形成された静電潜像
を顕像化させるためのトナーとの接触エネルギーが大き
いものであるため、転写領域を通過した残留トナーを除
去するクリーニング工程において、以下に示すような種
々の問題が発生しやすい。
【0005】例えば、接触エネルギーが大きいため、有
機感光体の表面に当接するクリーニングブレードの先端
縁が有機感光体の移動方向に追従して反転する「ブレー
ドめくれ」、有機感光体の移動に伴うクリーニングブレ
ードを圧縮変形させる方向に作用する力の影響を受け
て、クリーニングブレードが有機感光体の表面に対して
離接する「ブレードバウンド」、あるいは有機感光体の
表面に対するクリーニングブレードの当接部における微
細な振動が有機感光体に共鳴して高い金属音を発する
「ブレード鳴き」等の現象が発生しやすい。
【0006】一方、電子写真方式による画像形成装置に
おいては、近年、画像の高画質化の観点からトナー粒子
を小粒径化することが要請されており、このようなトナ
ー粒子を得る方法として、例えば乳化重合法や懸濁重合
法等の重合法が好適に利用されている。
【0007】しかしながら、トナー粒子の小粒径化に伴
って、トナー粒子と有機感光体との付着力が大きくなる
ために、有機感光体上の残留トナーを除去することが困
難になり、特に、重合法により製造された、いわゆる重
合トナーを用いた場合には、トナー粒子の形状が球形に
近いものとなるため、トナー粒子が有機感光体上で転が
り、クリーニングブレードを通りぬける、いわゆる「ス
リヌケ」と呼ばれるクリーニング不良が発生しやすくな
り、一層、有機感光体上の残留トナーを除去することが
困難になる、という問題がある。特に、有機感光体はそ
の表面が摩耗しやすく、摩耗で発生した表面の凹凸にト
ナーが付着すると、僅かなトナーのすり抜けが長期にわ
たり発生し、これらすり抜けたトナーが帯電部材(帯電
ワイヤや帯電ローラ)を汚染し、画質の高い画像を形成
することが困難になる、という問題がある。
【0008】このようなクリーニング不良の発生を防止
するために、クリーニングブレードによる機械的なクリ
ーニングと、静電的なクリーニングとを併用したクリー
ニング方式が、例えば特開平3−189675号公報に
開示されている。具体的には、クリーニングブレードよ
り潜像担持体の移動方向に対して上流の位置に、導電性
材料からなるブラシローラが設置され、このブラシロー
ラに、例えば潜像担持体上の残留トナーと逆極性の適当
な大きさのバイアス電圧が印加される構成とされてお
り、クリーニングブレードによる機械的なクリーニング
効果とブラシローラによる静電的なクリーニング効果と
によりクリーニング性能の向上を図っている。
【0009】しかしながら、上記の構成の画像形成装置
においては、潜像担持体上の残留トナーの大半は、潜像
担持体の移動方向に対して上流側に位置されたブラシロ
ーラにより除去されるため、クリーニングブレードに到
達する残留トナーが極めて少ない状態となることも多
く、前述したブレードめくれやブレード鳴きが発生しや
すくなり、高い画質の画像を長期にわたって安定的に形
成することが困難になる、という問題がある。
【0010】また、上記のようなクリーニング不良の発
生を防止するために、使用されるトナーの形状を不定形
化すること、例えばトナーの形状を楕円形状にすること
や、トナーの表面形状を凹凸形状にすることなどが提案
されているが、十分な解決手段となっていないのが実情
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
クリーニングブレードを備え、高いクリーニング性能を
長期にわたって安定的に発揮することができるクリーニ
ング装置を提供することにある。また、本発明の他の目
的は、潜像担持体上の残留トナーを確実に除去すること
ができ、従って、画質の高い画像を長期にわたって安定
的に形成することができる画像形成装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のクリーニング装
置は、回転駆動される円筒状の潜像担持体の表面に先端
縁が当接するよう配置されたクリーニングブレードを有
するクリーニングブレード機構と、前記クリーニングブ
レードより前記潜像担持体の移動方向に対して上流の位
置において潜像担持体の表面に当接し、当該潜像担持体
の軸方向に伸びる回転軸の周りに回転するよう配置され
たクリーニングローラを有するクリーニングローラ機構
と、前記クリーニングローラにバイアス電圧を印加する
バイアス電圧印加手段とを備えてなり、クリーニングブ
レード機構においては、前記クリーニングブレードの基
端側部分の外面に位置されて当該クリーニングブレード
を潜像担持体の表面に当接するよう付勢する支持部材を
有すると共に、この支持部材により基端側部分が保持さ
れた、クリーニングブレードと同方向に伸びる可撓性を
有する板状の振動緩衝部材が設けられており、振動緩衝
部材は、その先端部に前記潜像担持体の軸方向に並ぶ複
数の舌片部分が形成されるよう、スリット状の切り込み
が形成されていると共に、舌片部分の先端縁がクリーニ
ングブレードの外面に位置されていることを特徴とす
る。
【0013】本発明のクリーニング装置においては、支
持部材の先端縁を越えて伸びるクリーニングブレードの
突出長さに対する、支持部材の先端縁を越えて伸びる振
動緩衝部材の突出長さの比が0.1より大きく、かつ
0.9以下であることが好ましい。
【0014】また、本発明のクリーニング装置において
は、振動緩衝部材は、その舌片部分の潜像担持体の軸方
向における軸方向長さが、クリーニングブレードの軸方
向長さの1/100〜1/10の大きさのものであるこ
とが好ましく、さらに、先端側部分に形成された切り込
みの深さが、当該振動緩衝部材の突出長さの1/10〜
1の大きさのものであることが好ましい。
【0015】また、バイアス電圧印加手段が定電流電源
であることが好ましい。
【0016】本発明の画像形成装置は、回転駆動される
円筒状の潜像担持体と、この潜像担持体上にトナーによ
るトナー像を形成するトナー像形成機構と、当該潜像担
持体上のトナー像が記録材に転写される転写領域を通過
した位置において、潜像担持体上の残留トナーを除去す
るクリーニング装置とを備えたものであって、クリーニ
ング装置は、潜像担持体の表面に先端縁が当接するよう
配置されたクリーニングブレードを有するクリーニング
ブレード機構と、前記クリーニングブレードより前記潜
像担持体の移動方向に対して上流の位置において潜像担
持体の表面に当接し、当該潜像担持体の軸方向に伸びる
回転軸の周りに回転するよう配置されたクリーニングロ
ーラを有するクリーニングローラ機構と、前記クリーニ
ングローラにバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加
手段とを備えてなり、クリーニングブレード機構におい
ては、前記クリーニングブレードの基端側部分の外面に
位置されて当該クリーニングブレードを潜像担持体の表
面に当接するよう付勢する支持部材を有すると共に、こ
の支持部材により基端側部分が保持された、クリーニン
グブレードと同方向に伸びる可撓性を有する板状の振動
緩衝部材が設けられており、振動緩衝部材は、その先端
側部分に前記潜像担持体の軸方向に並ぶ複数の舌片部分
が形成されるようスリット状の切り込みが形成されてい
ると共に、舌片部分の先端縁がクリーニングブレードの
外面に位置されていることを特徴とする。
【0017】本発明の画像形成装置においては、支持部
材の先端縁を越えて伸びるクリーニングブレードの突出
長さに対する、支持部材の先端縁を越えて伸びる振動緩
衝部材の突出長さの比が0.1より大きく、かつ0.9
以下であることが好ましい。
【0018】また、本発明の画像形成装置においては、
クリーニング装置における振動緩衝部材は、その舌片部
分の潜像担持体の軸方向における軸方向長さが、クリー
ニングブレードの軸方向長さの1/100〜1/10の
大きさのものであることが好ましく、また、先端側部分
に形成された切り込みの深さが、当該振動緩衝部材の突
出長さの1/10〜1の大きさのものであることが好ま
しい。また、クリーニング装置におけるバイアス電圧印
加手段が定電流電源であることが好ましい。
【0019】さらに、本発明の画像形成装置において
は、トナー像形成機構において用いられるトナーは、下
記(1)〜(3)の条件の一つまたは二つあるいは全部
を満たすものを用いることが好ましい。 (1)形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒
子の割合が65個数%以上であり、かつ形状係数の変動
係数が16%以下であるトナー粒子からなるものである
こと。 (2)形状係数の変動係数が16%以下であり、かつ個
数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるト
ナー粒子からなるものものであること。 (3)角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であ
るトナー粒子からなるものであること。
【0020】
【作用】本発明のクリーニング装置によれば、クリーニ
ングローラ機構による静電的なクリーニングに加えて、
クリーニングブレード機構による機械的なクリーニング
が行われるので、基本的に高いクリーニング効果が発揮
され、潜像担持体上の残留トナーを確実に除去すること
ができる。また、クリーニングブレード機構において
は、可撓性を有する振動緩衝部材がクリーニングブレー
ドの幅方向の全域にわたって接触するので、クリーニン
グブレードの振動が振動緩衝部材に緩衝、吸収されるこ
ととなり、クリーニングブレードの振動を小さく抑制す
ることができ、しかも、各々の舌片部分が互いに独立し
て振動緩衝作用を発揮するため、クリーニングブレード
の本来の作用、機能を阻害することなく、ブレードバウ
ンド、ブレードめくれ、ブレード鳴きあるいはトナーの
すり抜け等が発生することを確実に防止することがで
き、高いクリーニング効果を確実に発揮することができ
る。
【0021】また、環境変動に伴ってクリーニングブレ
ードの変形が生じることにより、潜像担持体に対するク
リーニングブレードの押圧力が変化した場合であって
も、振動緩衝部材がクリーニングブレードに対して追従
することによって、クリーニングブレードの潜像担持体
に対する当接荷重の大きな変動が生じることが抑制さ
れ、ブレードバウンド、ブレードめくれ、ブレード鳴き
あるいはトナーのすり抜け等が発生することを確実に防
止することができ、環境変動に対して安定的に所期のク
リーニング効果を発揮することができる。
【0022】本発明の画像形成装置によれば、上記のク
リーニング装置を備えてなるので、ブレード鳴きブレー
ドバウンドあるいはブレードめくれなどが発生すること
を確実に防止することができ、しかも環境変動に対して
安定したクリーニング効果を発揮することができ、従っ
て、潜像担持体上の残留トナーを確実に除去することが
でき、画質の高い画像を長期にわたって安定的に形成す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
ついて詳細に説明する。図1は、本発明の画像形成装置
の一例における構成の概略を示す説明図であって、デジ
タル方式による画像形成装置を示すものである。この画
像形成装置10は、原稿画像の読み取りを行う画像読取
り部Aと、この画像読取り部Aにより読み取られた原稿
画像情報の処理を行う画像処理部(図示せず)と、この
画像処理部において処理された原稿画像情報に基づいて
画像を形成する画像形成部Bと、この画像形成部Bにお
いて形成された画像を記録するための記録材、例えば転
写紙を画像形成部Bに供給する記録材搬送手段としての
記録材搬送部Cとを備えている。
【0024】画像読取り部Aの上部位置には、原稿を自
動搬送する自動原稿送り手段110が設けられており、
原稿載置台111上に載置された原稿は、原稿搬送ロー
ラ112によって1枚ずつ分離搬送され、読み取り位置
113Aにおいて原稿画像の読み取りが行われた後、原
稿搬送ローラ112によって原稿排紙皿114上に排出
される。
【0025】一方、原稿がプラテンガラス113上に置
かれた場合には、走査光学系を構成する照明ランプおよ
び第1ミラーからなる第1ミラーユニット115が速度
vで水平方向(図においては左右方向)に移動されるこ
とによる読み取り動作と、互いにV字状に配置された第
2ミラーおよび第3ミラーからなる第2ミラーユニット
116が第1ミラーユニット115と同方向に速度v/
2で移動されることによる読み取り動作とが実行され
て、原稿画像が読み取られる。
【0026】読み取られた原稿画像は、投影レンズ11
7を介してラインセンサである撮像素子CCDの受光面
に結像される。そして、撮像素子CCD上に結像された
ライン状の光学像は、順次電気信号(輝度信号)に光電
変換されたのちA/D変換が行われて、画像処理部にお
いて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施されて、原
稿画像情報として一旦メモリに記憶される。
【0027】画像形成部Bには、回転駆動される潜像担
持体としてのドラム状の感光体121と、この感光体1
21の外周に沿って、感光体121の回転方向に対して
各々動作順に並ぶよう配置された、帯電器122、現像
装置123、転写器124、分離器125、クリーニン
グ装置200およびプレチャージランプ(PCL)12
7とにより構成されたトナー像形成機構(ユニット)が
設けられている。図示した例の感光体121は、例えば
時計方向に回転駆動される。
【0028】トナー像形成機構においては、感光体12
1の表面が帯電器122によって所定の極性(例えば負
極性)に一様に帯電された後、露光光学系130によっ
て画像処理部におけるメモリから呼び出された原稿画像
情報に基づいて露光が行われる。具体的には、回転され
るポリゴンミラー131、fθレンズ(符号なし)およ
びシリンドリカルレンズ(符号なし)を介して照射され
る例えばレーザーダイオード(図示せず)よりなる光源
よりのレーザー光が、反射ミラー132によって光路が
曲げられることにより主走査がなされると共に、感光体
121が回転されることにより副走査がなされて、感光
体121の表面が選択的に露光されることにより、感光
体121の表面における照射箇所(露光領域)の電位が
低下して原稿画像に対応した静電潜像が形成される。本
実施の形態の一例では、例えば原稿画像の文字部に対し
て露光が行われて静電潜像が形成される。
【0029】そして、感光体121と現像領域を介して
設けられた現像スリーブ123Aの表面が、図示しない
電源から印加される現像バイアスにより、感光体121
の表面電位と同じ極性(例えば負極性)に帯電され、現
像スリーブ123Aの表面電位と同じ極性(例えば負極
性)に帯電されたトナーを含む現像剤が現像領域に搬送
される。感光体121の非露光領域における表面電位
〔Vh〕、感光体121の露光領域における表面電位
〔Vl〕、および現像スリーブ123Aの表面電位〔V
d〕は、互いに同じ極性であって、その絶対値は〔V
h〕> 〔Vd〕>〔Vl〕であり、従って、現像領域
において、現像スリーブ123A上のトナーが感光体1
21の露光領域に付着して反転現像が行われ、感光体1
21の表面に可視像であるトナー像が形成される。
【0030】一方、記録材搬送部Cには、各々互いに異
なるサイズの転写紙が収納された記録材収納手段として
の給紙ユニット141A、141B、141Cがトナー
像形成機構の下方位置に設けられていると共に、一方の
側面には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット142が
設けられており、これらの給紙ユニットの選択されたも
のから転写紙が、案内ローラ143により搬送路140
に沿って給紙され、転写紙の傾きと偏りの修正を行うレ
ジストローラ対144により感光体121上に形成され
たトナー像と同期がとられた状態で、搬送路140、転
写前ローラ143Aおよび転写進入ガイド板146を介
して、画像形成部Bにおける転写領域Tに搬送される。
【0031】そして、転写領域Tにおいて、感光体12
1上のトナー画像が転写器124によって転写紙に転写
され、トナー像が転写された転写紙は分離器125によ
り除電されることにより感光体121の表面より分離さ
れ、その後、搬送装置145により定着器150に搬送
されて定着処理が行われる。
【0032】定着器150は、定着ローラ151とこの
定着ローラ151に圧接されて定着領域を形成するよう
設けられた加圧ローラ152とを備えており、定着領域
において、転写紙上の未定着トナー像が例えば熱と圧力
とによって定着され、転写紙に原稿画像に対応した可視
画像が形成される。
【0033】そして、可視画像が形成された転写紙は、
定着器150から排出ローラ161により排出された
後、ガイド162によって反転搬送経路に搬送される
が、転写紙の一面にのみ可視画像を形成する場合には、
転写紙は第1の反転搬送経路171に搬送される。そし
て、反転ローラ172が逆転することによって、転写紙
は排出口に向かって搬送され、排出ローラ163によ
り、可視画像が形成された面が下向きとされた状態で、
排紙トレイ164上に排出される。
【0034】一方、転写紙の両面に可視画像を形成する
場合には、転写紙は定着器150から排出された後、ガ
イド162によって反転搬送経路に搬送されるが、この
場合には、反転ローラ172によって可視画像が形成さ
れている面が上向きとされた状態で、第2の反転搬送経
路175に搬送される。そして、再度、画像形成部Bの
転写領域Tに向けて搬送されて、他面に可視画像が形成
される。このようにして、両面に可視画像が形成された
転写紙は、最初に可視画像が形成された面が下向きとさ
れた状態で排出ローラ163を介して排紙トレイ164
上に排出される。
【0035】以上においては、トナー像が転写紙に転写
された後の感光体121は、その表面に残留する残留ト
ナーをクリーニング装置200によって除去するクリー
ニング工程に付される。
【0036】図2は、本発明のクリーニング装置の一例
における構成の概略を示す説明用側面図である。このク
リーニング装置200は、回転駆動される円筒状の感光
体121の軸方向に伸び、感光体121の表面に先端縁
が当接するよう配置された平板状のクリーニングブレー
ド220を有するクリーニングブレード機構201と、
このクリーニングブレード機構201におけるクリーニ
ングブレード220より感光体121の移動方向に対し
て上流の位置において感光体121の表面に当接して、
感光体121の軸方向に伸びる回転軸周りに回転するよ
う配置されたクリーニングローラ210を有するクリー
ニングローラ機構201と、クリーニングローラ210
にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段211
とを備えている。
【0037】クリーニングブレード220は、その基端
側部分の外面(図2においては左側に位置される面)側
に位置された、感光体121の回転軸と平行に伸びる回
動中心軸Oの周りに回動してクリーニングブレード22
0を感光体121の表面に当接するよう付勢する支持部
材221によって、当接位置Aにおける接平面Xに対し
て外方に傾斜した状態で支持されており、従って、クリ
ーニングブレード220は、支持部材221の先端を越
えて突出した状態と状態となっている。そして、作動状
態においては、クリーニングブレード220の先端部が
感光体121の回転方向と反対方向(カウンター方向)
に向くよう全体が湾曲した状態となり、感光体121の
表面に対する当接荷重が一定の大きさに制御された状態
で、感光体121の表面に圧接される。このとき、クリ
ーニングブレード220の先端部が感光体121の表面
に対して圧接面が形成される状態であることが好まし
い。
【0038】クリーニングブレード220は、例えばゴ
ム弾性体により構成することができ、このようなゴム弾
性体としては、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙
げられるが、これらのうちでも、他のものに比して耐摩
耗性に優れていることから、ウレタンゴムを用いること
が特に好ましい。ウレタンゴムとしては、例えば特開昭
59−30574号公報に開示されているポリカプロラ
クトンエステルとポリイソシアネートとを反応硬化せし
めて得られるものを用いることが好ましい。
【0039】支持部材221は、基端部が機枠(図示せ
ず)に回動自在に固定された平板状のブレード支持部2
21Aと、このブレード支持部221Aの回動中心軸O
より先端側に位置される個所において、ブレード支持部
221Aと垂直な方向に伸びる平板状の押圧力付勢部2
21Bとにより構成されており、押圧力付勢部221B
には、一端が機枠に固定された例えばコイルバネなどの
押圧手段221Cが設けられている。
【0040】クリーニングブレード機構201において
は、支持部材221により基端側部分が保持された、ク
リーニングブレード220と同方向(感光体121の軸
方向)に伸びる可撓性を有する板状の振動緩衝部材22
2が設けられている。具体的には、振動緩衝部材222
は、その基端側部分がクリーニングブレード220と支
持部材221におけるブレード支持部221Aとにより
挟持されると共に、先端側部分が支持部材221のブレ
ード支持部221Aの先端縁を越えて伸び、先端縁がク
リーニングブレード220の外面上に、接触してまたは
接触せずに位置された状態で配置されており、クリーニ
ングブレード220の外面およびブレード支持部221
Aの内面の各々と接着材224により一体に固定されて
いる。
【0041】振動緩衝部材222を構成する可撓性を有
する材料は、クリーニングブレード220の弾性変形を
規制して感光体121に対して過剰に大きな押圧力が作
用されない程度に、クリーニングブレード220より硬
いものであれば、特に制限されるものではなく、例えば
プラスチック部材、金属部材あるいは硬質ゴムなど種々
の材料を用いることができる。ここに、「可撓性」の程
度としては、例えばJIS K7203を基準として測
定される曲げ強度が1〜500N/mm2 であることが
好ましい。
【0042】プラスチック部材は、加熱することによっ
て任意の形状に成形することができる高分子材料により
構成されたものであり、高分子材料としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リアクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレンアクリレート共
重合体樹脂等の熱可塑性樹脂、ガラス繊維強化プラスチ
ック、炭素繊維強化プラスチック等の強化プラスチッ
ク、あるいは3次元架橋により硬化させたゴム弾性が小
さい熱硬化性高分子材料等が好ましく用いられる。ま
た、金属部材としては、例えばリン青銅、ステンレス鋼
(SUS)、鉄等の薄板を用いることができる。また、
硬質ゴムは、その種類は特に制限されず、種々のものを
用いることができる。
【0043】振動緩衝部材222は、その先端部に感光
体121の軸方向に並ぶ複数の舌片部分を有するもので
あって、例えば図3に示すように、感光体121の軸方
向(図3においては左右方向)に対して互いに離間する
位置において、先端縁Eから、感光体121の軸方向に
直交する方向(図3においては上下方向)に伸びるよう
スリット状の切り込み223を形成することにより複数
の舌片部分222Aが形成された板状部材により構成す
ることができる。
【0044】振動緩衝部材222は、上述したように、
支持部材221のブレード支持部221Aに固定されて
いない部分、すなわちブレード支持部221Aの先端縁
を越えて伸びる突出部分222Bの長さ(以下、「突出
長さ」という。)bが、クリーニングブレード220の
突出部分220Aの長さaより小さい状態とされてい
る。
【0045】振動緩衝部材222の突出長さbが、クリ
ーニングブレード220の突出長さaより小さいことに
より、クリーニングブレード220の変形(感光体12
1に圧接されることによる変形)が基本的に規制される
ことなしに、クリーニングブレード220の振動が振動
緩衝部材222によって緩衝され、クリーニングブレー
ド220の振動を確実に小さく抑制することができ、ブ
レード鳴きの発生を確実に防止することができる。
【0046】クリーニングブレード220の突出長さa
に対する振動緩衝部材222の突出長さbの比(b/
a)は、0.1より大きく、かつ0.9以下であること
が好ましく、より好ましくは、0.3〜0.8である。
クリーニングブレード220の突出長さaに対する振動
緩衝部材222の突出長さbの比(b/a)が0.1以
下である場合には、トナーのすり抜けやブレード鳴きが
発生しやすくなり、一方、クリーニングブレード220
の突出長さaに対する振動緩衝部材222の突出長さb
の比(b/a)が0.9より大きい場合には、ブレード
めくれやブレードバウンドが発生しやすくなる。
【0047】クリーニングブレード220の厚さt1に
対する振動緩衝部材222の厚さt2の比(t2/t
1)は、振動緩衝部材222を構成する材料によってそ
の好ましい範囲が異なる。ここに、「クリーニングブレ
ード220の厚さt1」および「振動緩衝部材222の
厚さt2」とは、支持部材221との接合面に対して垂
直な方向の大きさを示す(図2参照)。
【0048】振動緩衝部材222がプラスチック部材に
より構成される場合には、クリーニングブレード220
の厚さt1に対する振動緩衝部材222の厚さt2の比
(t2/t1)は、1/50より大きく、かつ1より小
さいことが好ましく、より好ましくは、1/50〜1/
4である。
【0049】クリーニングブレード220の厚さt1に
対する振動緩衝部材222の厚さt2の比(t2/t
1)が上記範囲を満足することにより、クリーニングブ
レード220は支持部材221に安定して保持され、し
かもクリーニングブレード220の振動が振動緩衝部材
222により確実に緩衝され、ブレードめくれやトナー
のすり抜けの発生を確実に防止することができ、所期の
クリーニング効果を確実に発揮することができる。ま
た、比(t2/t1)が1/50以下の場合には、トナ
ーのすり抜けが発生しやすくなり、一方、比(t2/t
1)が1以上の場合には、ブレードめくれが発生しやす
くなる。
【0050】また、振動緩衝部材222が金属薄板によ
り構成される場合は、振動緩衝部材222の厚さは50
〜500μmであることが好ましい。これにより、振動
緩衝部材222に十分な大きさの可撓性が得られ、トナ
ーのすり抜けやブレードめくれの発生を確実に防止する
ことができる。
【0051】また、振動緩衝部材222が硬質ゴムによ
り構成される場合には、クリーニングブレード222の
厚さt1に対する振動緩衝部材222の厚さt2の比
(t2/t1)は、1/30より大きく、かつ2より小
さいことが好ましく、より好ましくは、1/8〜5/4
であり、特に好ましくは、1/4〜3/4である。
【0052】クリーニングブレード220の厚さt1に
対する振動緩衝部材222の厚さt2の比(t2/t
1)が上記範囲を満足することにより、クリーニングブ
レード220と硬質ゴムよりなる振動緩衝部材222と
が、支持部材221に安定して保持され、しかもクリー
ニングブレード220の振動が振動緩衝部材222によ
り確実に緩衝され、ブレードめくれや残留トナーのすり
抜けの発生を確実に防止することができ、所期のクリー
ニング効果を確実に発揮することができる。また、比
(t2/t1)が1/30以下である場合には、トナー
のすり抜けが発生しやすくなり、一方、比(t2/t
1)が2以上の場合には、ブレードめくれが発生しやす
くなる。
【0053】振動緩衝部材222における舌片部分22
2Aの、感光体121の軸方向に対する長さ(以下、
「軸方向長さ」という。)W2、すなわち板状部材に形
成されるべき切り込み223の間隔は、クリーニングブ
レード220の軸方向長さW1に対して1/100〜1
/10の大きさであることが好ましい(図3参照)。
【0054】クリーニングブレード220の軸方向長さ
W1に対する舌片部分222Aの軸方向長さW2の比
(W2/W1)が1/100より過小である場合には、
環境変動に対して振動緩衝部材222の反り変形等が生
じやすく、また感光体121に対するクリーニングブレ
ード220の押圧力が低下して、クリーニングブレード
220との密着性が低下するため、ブレード鳴きやトナ
ーのすり抜けが発生することがある。一方、クリーニン
グブレード220の軸方向長さW1に対する舌片部分2
22Aの軸方向長さW2の比(W2/W1)が1/10
より過大である場合には、感光体121に対するクリー
ニングブレード220の押圧力が過剰に大きくなり、ク
リーニングブレード220の実効的な反発弾性を低下さ
せると共に、突出長さが小さくなるため、ブレードバウ
ンドが発生することがある。
【0055】振動緩衝部材222を構成する板状部材に
形成されるべき切り込み223の深さ(以下、「切り込
み深さ」という。)dは、振動緩衝部材222の突出長
さbに比して1/10〜1であることが好ましい(図3
参照)。
【0056】振動緩衝部材222の突出長さbに対する
切り込み深さdの比(d/b)が1/10より過小であ
る場合には、感光体121に対するクリーニングブレー
ド220の押圧力が過剰に大きくなり、クリーニングブ
レード220の実効的な反発弾性を低下させると共に、
突出長さが小さくなるため、ブレードバウンドが発生す
ることがある。一方、振動緩衝部材222の突出長さb
に対する切り込み深さdの比(d/b)が1より過大で
ある場合には、支持部材221との接合面が小さくなる
ため、振動緩衝部材222と支持部材221との貼り合
わせ強度が不足し、その結果、感光体121に対するク
リーニングブレード220の押圧力が低下し、トナーの
すり抜け等が発生することがある。
【0057】個々の舌片部分222Aの形状は、特に限
定されるものではなく、すべての舌片部分が均一な軸方
向長さで形成されている必要はなく、また、各々の舌片
部分222Aを形成する切り込みの長さが同じ大きさで
ある必要はない。また、個々の舌片部分222Aは、ク
リーニングブレード220に対して、感光体121の軸
方向の全域にわたって連続して接触する必要はないが、
クリーニングブレード220の軸方向長さW1に対して
50%以上接触していることが好ましい。
【0058】以上のようなクリーニングブレード機構2
01の一数値例を示すと、クリーニングブレード220
の突出長さaは6〜15mm、厚さt1が0.5〜10
mm、軸方向長さW1が200〜600mm、振動緩衝
部材222の突出長さbは0.6〜13.5mm、厚さ
t2が0.01〜2mm、舌片部分222Aの軸方向長
さW2は、0.1〜100mm、各々の舌片部分222
Aを形成する切り込み深さdは、0.1〜10mmであ
る。
【0059】感光体121に対するクリーニングブレー
ド220の当接荷重は、5〜40N/mであることが好
ましい。当接荷重が5N/mより小さい場合には、クリ
ーニング力が不足し、画像汚れが生じやすい。一方、当
接荷重が40N/mより大きい場合には、感光体121
の摩耗が大きくなって、画像かすれ等が発生しやすくな
る。当接荷重P1は、クリーニングブレード220を感
光体121に当接させたときの圧接力Pの法線方向ベク
トル値であり(図2参照)、その測定方法としては、例
えば秤にクリーニングブレード220の先端縁を押し当
てて測定する方法や、感光体121に対するクリーニン
グブレード2220の先端縁の当接位置Aにロードセル
等のセンサを配置して電気的に測定する方法等が用いら
れる。
【0060】感光体121に対するクリーニングブレー
ド220の当接角θは、5〜35゜であることが好まし
い。当接角度θが5°より小さい場合には、クリーニン
グ力が低下して、画像汚れが発生しやすくなる。一方、
当接角度θが35°より大きい場合には、クリーニング
ブレード220の先端エッジが感光体121に追従して
反転するブレードめくれが生じやすくなる。当接角θと
は、クリーニングブレード220の先端エッジと感光体
121とが当接する当接位置Aにおける感光体121の
接平面Xと、変形前のクリーニングブレード(図2にお
いて点線で示す)とのなす角である。
【0061】クリーニングブレード220は、25±5
℃におけるJIS A硬度が55〜90であることが好
ましい。JIS A硬度が55より過小である場合に
は、クリーニングブレード220が柔らかすぎて、ブレ
ードめくれが生じやすくなると共に、十分なクリーニン
グ効果を得ることが困難となり、一方、JIS A硬度
が90より大きい場合には、感光体121のわずかな凹
凸や異物に対して十分な追従性を得ることが困難とな
り、トナー粒子のすり抜けが発生しやすい。ここに、J
IS A硬度は、JIS K−6253を基準として測
定されたものである。
【0062】クリーニングブレード220の反発弾性
は、25〜80%であることが好ましい。反発弾性が8
0より過大である場合には、ブレードめくれが起こりや
すくなり、一方、反発弾性が25%より過小である場合
には、十分なクリーニング性能を得ることが困難とな
る。ここに、反発弾性率は、JIS K−6255を基
準として測定されたものである。また、クリーニングブ
レード220のヤング率は、294〜588N/cm2
であることが好ましい。
【0063】クリーニングブレード220には、必要に
応じて、例えば感光体121と接触するクリーニングブ
レード220のエッジ部にフッ素系潤滑剤が塗布されて
いてもよく、さらに、フッ素系ポリマーおよびフッ素系
樹脂粉体をフッ素系溶剤に分散させた分散体が塗布され
ていてもよい。
【0064】クリーニングローラ210は、感光体12
1との良好な当接状態を得るという観点から弾性体によ
って構成されており、弾性体の材料としては、従来公知
のシリコーンゴムやポリウレタン等のゴム材料や、発泡
体または発泡体を樹脂等で被覆したものを用いることが
できる。
【0065】クリーニングローラ210は導電性または
半導電性であり、その表面抵抗が102 〜1010Ωcm
であることが好ましい。表面抵抗が102 Ωcmより小
さい場合には、放電によるバンディング等が発生しやす
くなる。一方、1010Ωcmより大きい場合には、トナ
ーを除去するための十分な大きさの電位差が得られず、
クリーニング不良が発生しやすくなる。また、クリーニ
ングローラ210の表面抵抗は、例えば、ローラを構成
する弾性体材料に、カーボン、金属、導電性ポリマーな
どの導電性材料を添加したり、弾性体材料を構成するゴ
ム状重合体に極性基を導入するなどして調整することが
できる。
【0066】クリーニングローラ機構202におけるク
リーニングローラ210は、感光体121に対する当接
位置において感光体121の回転方向と順方向に移動す
る方向、すなわち、感光体121の回転方向と逆方向
(図示の例では反時計方向)に回転されることが好まし
い。クリーニングローラ210が感光体121の回転方
向と同方向に回転される場合には、感光体121の表面
に過剰なトナーが存在した場合に、クリーニングローラ
210により除去されたトナーがこぼれて転写紙や装置
を汚すおそれがある。また、クリーニングローラ210
の線速度(Vr)と感光体121の線速度(Vp)との
線速度比(Vr/Vp)が0.5〜2であることが好ま
しい。線速度比(Vr/Vp)が0.5より小さい場合
には、クリーニング力が低下して、画像汚れが発生しや
すくなる。一方、線速度比(Vr/Vp)が2より大き
い場合には、異物等を挟み込んだ場合に感光体121の
表面にキズ等を発生させやすい。
【0067】クリーニングローラ210に接続されるバ
イアス電圧印加手段211は、例えば定電流電源よりな
り、感光体121上の静電潜像の可視像化に用いられる
トナーとは逆極性のバイアス電圧、例えばトナーが負に
帯電される場合には、クリーニングローラ210には正
のバイアス電圧が印加されるよう制御された電流が加え
られる。これにより、トナーが静電的にクリーニングロ
ーラ210に引きつけられて感光体121上から除去さ
れる。
【0068】バイアス電圧印加手段211が定電流電源
よりなることにより、感光体121の表面電位に対する
電位差が常に一定となる状態に制御されるので、定電圧
電源を用いた場合と比較して、感光体121の電位レベ
ルや極性によるムラやクリーニング不良の発生を確実に
防止することができる。
【0069】バイアス電圧印加手段211によりクリー
ニングローラ210に印加される電流値は、感光体12
1の感光層の厚さやクリーニングローラ210の表面抵
抗の大きさによっても異なるが、絶対値で1〜50μA
であることが好ましい。電流値が1μAより小さい場合
には、十分なクリーニングを行うことが困難となり、一
方、電流値が50μAより大きい場合には、放電等が起
こりやすくなる。例えば、感光体121の感光層の厚さ
が15〜30μm、クリーニングローラ210の表面抵
抗が102 〜1010Ωcmである場合には、クリーニン
グローラ210に印加する電流値は、絶対値で5〜40
μAであることが好ましい。
【0070】上記のクリーニング装置の動作について説
明する。クリーニング装置200を構成するクリーニン
グローラ210に、制御された電流の大きさに応じたバ
イアス電圧がバイアス電圧印加手段211により印加さ
れることにより、転写領域Tを通過した感光体121上
の残留トナーの極性と逆極性(例えば正極性)に帯電さ
れ、感光体121上の残留トナーの大半が静電的に除去
される。そして、クリーニングローラ210を通過した
残留トナーが、クリーニングブレード220により機械
的に除去される。
【0071】而して、上記のクリーニング装置によれ
ば、クリーニングローラ機構202による静電的なクリ
ーニングに加えて、クリーニングブレード機構201に
よる機械的なクリーニングが行われるので、基本的に高
いクリーニング効果が発揮され、感光体121上の残留
トナーを確実に除去することができる。しかも、クリー
ニングブレード機構201においては、クリーニングブ
レード220の弾性変形を基本的に規制することなし
に、振動緩衝部材222が感光体121の軸方向の全域
にわたってクリーニングブレード220と接触するの
で、クリーニングブレード220の振動が振動緩衝部材
222に緩衝され、これにより、クリーニングブレード
220の振動を小さく抑制することができ、しかも、各
々の舌片部分222Aが互いに独立して振動緩衝作用を
発揮するので、ブレードバウンド、ブレードめくれ、ブ
レード鳴きあるいはトナーのすり抜け等が発生すること
を確実に防止することができ、高いクリーニング効果を
確実に発揮することができる。
【0072】また、環境変動に伴ってクリーニングブレ
ード220の変形が生じることにより、感光体121に
対するクリーニングブレード220の押圧力が変化した
場合であっても、振動緩衝部材222がクリーニングブ
レード220に対して追従することによって、クリーニ
ングブレード220の感光体121に対する当接荷重の
大きな変動が生じることが抑制され、ブレードバウン
ド、ブレードめくれ、ブレード鳴きあるいはトナーのす
り抜け等が発生することを確実に防止することができ、
環境変動に対して安定的に所期のクリーニング効果を発
揮することができる。
【0073】また、従来のクリーニング装置であれば、
感光体121の表面に対するクリーニングブレード22
0の適正圧接条件は、諸特性の微妙なバランスにより決
められるものであり、この適正圧接条件の範囲はかなり
狭いものであるため、クリーニング装置の作製時におい
ては、圧接条件の設定には十分に高い精度が必要とさ
れ、しかもクリーニングブレード220は、その厚みに
不可避的に多少のバラツキが生じてしまうため、適正な
条件で常に設定されるとは限らず、使用の過程で適正領
域からはずれてしまうこともあり、特に、高分子量のバ
インダー樹脂を用いた有機感光層と組み合わせた場合に
は、ブレードめくれやトナーすり抜けの発生が顕著にな
る。
【0074】しかし、上記のクリーニング装置200に
よれば、クリーニングブレード220の厚みのバラツキ
がある場合であっても、クリーニングブレード220の
振動が振動緩衝部材222によって確実に緩衝されるの
で、感光体121に対するクリーニングブレード220
の圧接条件を確実に適正領域内に維持することができ、
従って、クリーニング装置200を作製するに際して、
圧接条件の設定を極めて容易に行うことができる。
【0075】従って、以上のようなクリーニング装置2
00を備えてなる画像形成装置10によれば、ブレード
鳴きブレードバウンドあるいはブレードめくれなどが発
生することを確実に防止することができ、しかも環境変
動に対して安定したクリーニング効果を発揮することが
でき、従って、感光体121上の残留トナーを確実に除
去することができ、画質の高い画像を長期にわたって安
定的に形成することができる。
【0076】以上のように、本発明によれば、感光体1
21に対するクリーニングブレード220の当接荷重を
大きくすることなしに、高いクリーニング性能を長期に
わたって安定的に発揮することができるので、従来のク
リーニング装置であれば、クリーニングブレード220
の当接荷重を大きくすることができず、長期にわたって
安定的にクリーニング性能を発揮することが困難であっ
た有機感光体を潜像担持体として用いた場合にも極めて
有効である。
【0077】以下に、本発明の画像形成装置における潜
像担持体として用いられる有機感光体の構成について説
明する。本明細書において、有機感光体は、電荷発生機
能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が付与さ
れた有機化合物よりなる感光層が導電性支持体の表面に
形成された電子写真感光体を意味し、従来より用いられ
ている有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構
成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とを高分
子錯体で構成した感光体など、従来より用いられている
有機電子写真感光体を全て包含する。
【0078】<導電性支持体>有機感光体を構成する導
電性支持体としては、シート状および円筒状のいずれの
ものを用いてもよいが、画像形成装置の小型化の観点か
ら、円筒状のものを用いることが好ましい。導電性支持
体が円筒状のものである場合には、真直度公差が0.1
mm以下であり、円周振れ公差が0.1mm以下のもの
であることが好ましい。これにより、画質の高い画像を
確実に形成することができる。
【0079】導電性支持体としては、比抵抗が常温で1
3 Ωcm以下であるものが好ましく、具体的には、例
えばアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、または
アルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどが表面に
蒸着されてなるプラスチックドラム、または導電性物質
が表面に塗布されてなる紙・プラスチックドラムなどを
用いることができる。
【0080】導電性支持体は、その表面に封孔処理が施
されたアルマイト膜が形成されたものであってもよい。
アルマイト処理は、通常、例えばクロム酸、硫酸、シュ
ウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行
われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果
を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は
100〜200g/リットル、アルミニウムイオン濃度
は1〜10g/リットル、液温は20℃前後、印加電圧
は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるも
のではない。また、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下であることが好ましく、特に好ましくは10
μm以下である。
【0081】<中間層>本発明において用いられる有機
感光体においては、導電性支持体と感光層との間に、導
電性支持体と感光層との接着性改良、あるいは導電性支
持体からの電荷注入を防止するためのバリヤー機能を備
えた中間層を設けることもできる。
【0082】中間層を構成する材料としては、例えばポ
リアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、並び
にこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む
共重合体樹脂が挙げられる。これらのうちでも、繰り返
し使用に伴う残留電位の増加の程度を小さくすることが
できることから、ポリアミド樹脂を用いることが好まし
い。
【0083】これらの樹脂により構成された中間層の膜
厚は、例えば0.01〜0.5μmであることが好まし
い。
【0084】また、中間層は、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させ
た硬化性金属樹脂により構成することが好ましい。この
場合においては、中間層の膜厚は、例えば0.1〜2μ
mであることが好ましい。
【0085】<感光層>有機感光体を構成する感光層
は、導電性支持体上に電荷発生機能と電荷輸送機能とを
1つの層に持たせた単層構造のものでもよいが、感光層
の電荷発生機能および電荷輸送機能を各々異なる層、す
なわち電荷発生層(CGL)および電荷輸送層(CT
L)に機能分離させた積層構造のものであることが好ま
しい。電荷発生機能および電荷輸送機能を各々異なる層
に分離した構成であることにより、繰り返し使用に伴う
残留電位の増加の程度を小さく制御することができ、そ
の他の電子写真特性を目的に応じて容易に制御すること
ができる。
【0086】負帯電用の有機感光体においては、導電性
支持体上に中間層を形成し、この中間層の上にさらに、
電荷発生層(CGL)および電荷輸送層(CTL)がこ
の順で積層されて形成された構成とされることが好まし
い。一方、正帯電用の有機感光体においては、前記層構
成の順が負帯電用の有機感光体の層構成と逆になる。本
発明において用いられる有機感光体としては、機能分離
構造の感光層を有する負帯電用のものを用いることが好
ましい。
【0087】<電荷発生層>電荷発生層(CGL)に
は、電荷発生物質(CGM)が含有されており、必要に
応じて、バインダー樹脂、その他の添加剤が含有されて
いてもよい。電荷発生層(CGL)の膜厚は、0.01
〜2μmであることが好ましい。
【0088】電荷発生物質(CGM)としては、従来よ
り用いられているものを用いることができ、例えばフタ
ロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウ
ム顔料などを用いることができる。これらのうちでも、
繰り返し使用に伴う残留電位の増加の程度を最も小さく
することができることから、複数の分子間で安定な凝集
構造をとりうる立体電位構造を有するもの、具体的に
は、特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリ
レン顔料を用いることが好ましい。例えばCu−Kα線
に対するブラッグ角2θが27.2゜に最大ピークを有
するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大
ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等は、繰り
返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位の増加の
程度を確実に小さいものとすることができる。
【0089】電荷発生層に対する電荷発生物質の分散媒
として用いられるバインダー樹脂としては、公知の樹脂
を用いることができるが、例えばホルマール樹脂、ブチ
ラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラー
ル樹脂、フェノキシ樹脂等を用いることが好ましい。こ
れらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残
留電位の増加の程度を確実に小さいものとなるよう抑制
することができる。バインダー樹脂と電荷発生物質との
割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜60
0質量部が好ましい。
【0090】<電荷輸送層>電荷輸送層(CTL)に
は、電荷輸送物質(CTM)および電荷輸送物質(CT
M)を分散し製膜するバインダー樹脂が含有されてお
り、必要に応じて、酸化防止剤等の添加剤が含有されて
いてもよい。電荷輸送層(CTL)の膜厚は、10〜4
0μmであることが好ましい。
【0091】電荷輸送物質(CTM)としては、従来よ
り用いられているものを用いることができ、例えばトリ
フェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化
合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用い
ることができる。これら電荷輸送物質(CTM)は、通
常、適当なバインダー樹脂中に溶解されて層形成が行わ
れる。これらのうちでも、繰り返し使用に伴う残留電位
の増加の程度を小さくすることができることから、高移
動度で、かつ組み合わされる電荷発生物質(CGM)と
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであることが好ましく、より好ましくは
0.25(eV)以下のものである。電荷発生物質(C
GM)および電荷輸送物質(CTM)のイオン化ポテン
シャルは、例えば表面分析装置AC−1(理研計器社
製)により測定することができる。
【0092】電荷輸送物質(CTM)の分散媒として用
いられるバインダー樹脂としては、例えばポリスチレン
樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の
繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂など
が挙げられる。また、これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体を用いる
こともできる。
【0093】これらうちでも、電荷輸送物質(CTM)
の分散性および電子写真特性を良好にすることから、ポ
リカーボネート樹脂を用いることが好ましい。また、電
荷輸送物質(CTM)が表面層となる感光体の場合に
は、機械的な耐摩耗性に優れたポリカーボネート樹脂を
用いることが好ましく、このようなポリカーボネート樹
脂としては、粘度平均分子量が40,000〜200,
000であるポリカーボネート樹脂が挙げられる。バイ
ンダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂
100質量部に対して10〜200質量部であることが
好ましい。
【0094】<保護層>有機感光体における感光層の保
護層として、各種の樹脂層を設けることができ、特に、
架橋系の樹脂層を設けることにより、有機感光体を機械
的強度の大きいものとすることができる。
【0095】以上において、中間層、感光層および保護
層等の層形成に用いられる溶媒または分散媒としては、
特に限定されるものではないが、例えばn−ブチルアミ
ン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノ
ールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジア
ミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘ
キサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2
−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、
1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラ
ン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメ
チルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
これらのうちでも、ジクロロメタン、1,2−ジクロロ
エタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。
また、これらの溶媒または分散媒は、単独あるいは或い
は2 種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0096】有機電子写真感光体を製造するための塗布
加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規
制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層
側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、ま
た、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布または円
形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布
等の塗布加工方法を用いることが好ましい。また、保護
層については、円形量規制型塗布加工方法を用いること
が好ましく、円形量規制型塗布加工方法については例え
ば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されて
いる。
【0097】また、本発明においては、特定のトナーを
用いることによって、トナーのすり抜け等のクリーニン
グ不良が発生することを一層確実に防止することができ
る。
【0098】以下に、本発明において用いられるトナー
について説明する。本発明において用いられるトナー
は、(1)形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナ
ー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が
16%以下であるトナー粒子により構成されるもの、
(2)形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒
度分布における個数変動係数が27%以下であるトナー
粒子から構成されるもの、(3)角がないトナー粒子の
割合が50個数%以上であるトナー粒子から構成される
もの、あるいはこれらが組み合わされたものであること
が好ましい。
【0099】上記のようなトナー自体の構成(形状・粒
径等)が特定のもの、すなわちトナー粒子の形状を特定
のものとする、トナー粒子の形状を揃える、さらにはこ
れらを組み合わせることによって構成されたトナーを用
いることによっても、クリーニング装置200における
クリーニングブレード220の振動を小さく抑制するこ
とができ、高いクリーニング効果を一層確実に発揮する
ことができる。
【0100】本発明において、トナーの形状係数は、下
記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度
合いを示す。
【0101】
【数1】 形状係数=((最大径/2)2 ×π)/投影面積
【0102】ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上
への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線
の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積と
は、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。本発
明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により20
00倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこ
の写真に基づいて「SCANNING IMAGE A
NALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像
の解析を行うことにより測定した。この際、100個の
トナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式に
て測定したものである。
【0103】本発明において用いられるトナーにおいて
は、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ま
しくは70個数%以上である。この形状係数が1.2〜
1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上である
ことにより、現像剤搬送部材(キャリア)などの摩擦帯
電性がより均一なものとなり、過度に帯電したトナーの
蓄積を低減することができ、現像剤搬送部材によるトナ
ーの搬送がより円滑に行われるようになるため、現像ゴ
ースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒
子が破砕しにくくなって帯電付与部材(帯電器)の汚染
が減少し、トナーの帯電性を安定させることができる。
【0104】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナ
ーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内に
なるように添加して調整する方法がある。また、いわゆ
る重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、
形状係数を1.2〜1.6に調整したトナーを同様に通
常のトナーへ添加して調製する方法がある。
【0105】本発明において好ましく用いられるトナー
の形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0106】
【数2】変動係数=〔S/K〕×100(%)
【0107】〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状
係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示
す。〕
【0108】本発明において用いられるトナーにおいて
は、この形状係数の変動係数は16%以下とすることが
好ましく、より好ましくは14%以下である。形状係数
の変動係数が16%以下であることにより、転写された
トナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセット
が発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとな
り、画質が向上する。
【0109】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制
御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子
(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程
終了時期を決めてもよい。
【0110】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件を制
御するという意味である。すなわち、形状などの測定を
インラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中
で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナー
では、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しなが
ら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応
を停止する。
【0111】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0112】本発明において用いられるトナーの個数粒
度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA
−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社
製)で測定されるものである。本発明においてはコール
ターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインタ
ーフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを
接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにお
いて使用するアパーチャーとしては100μmのものを
用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒
度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、
粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであ
り、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン
径を表すものである。トナーの個数粒度分布における個
数変動係数は下記式から算出される。
【0113】
【数3】個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%)
【0114】〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏
差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。〕
【0115】本発明において用いられるトナーにおいて
は、この個数変動係数は27%以下とすることが好まし
く、より好ましくは25%以下である。個数変動係数が
27%以下であることにより、転写されたトナー層の空
隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにく
くなる。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率
が高くなって画質が向上する。
【0116】この個数変動係数を制御する方法は特に限
定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力によ
り分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小
さくするためには液中での分級が効果的である。この液
中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数
を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差
に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0117】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0118】本発明において用いられるトナーにおい
て、角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突
部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質
的に有しないトナー粒子をいい、すなわち、図14
(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとすると
きに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲
線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合
に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない
場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ
出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇
所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」
とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行
線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子
の幅をいう。なお、図14(b)および(c)は、それ
ぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0119】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0120】本発明において用いられるトナーにおいて
は、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上とする
ことが好ましく、より好ましくは70個数%以上であ
る。角がないトナー粒子の割合が50個数%以上である
ことにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微
細な粒子の発生などがおこりにくくなり、現像剤搬送部
材の表面に対する付着性が過度に大きいトナーの存在を
防止することができると共に、現像剤搬送部材に対する
汚染を抑制することができる。また、摩耗、破断しやす
いトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー
粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとな
って、帯電性も安定し、高い画質の画像を長期にわたっ
て安定的に形成することができる。
【0121】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0122】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことにより形成される重合法トナーにおいては、融着停
止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は
平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数
および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによっ
て、角がないトナー粒子が得られる。これらの条件は、
樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹
脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とする
ことにより、表面は滑らかとなり、角がないトナー粒子
を形成することができる。
【0123】本発明において用いられるトナーにおいて
は、その個数平均粒径が3〜8μmであるものであるこ
とが好ましい。トナーの粒径は、重合法によりトナー粒
子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添
加重、または離着時間、さらには重合体自体の組成によ
って制御することができる。
【0124】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
が過度に大きいトナーや付着力の低いトナー等の存在を
少なくすることができ、優れた現像性を長期にわたって
安定的に得ることができるとともに、転写効率が高くな
ってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画
質が向上する。
【0125】本発明において好ましく用いられるトナー
においては、トナー粒子の粒径をD(μm)とすると
き、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23
間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒ
ストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の
相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階
級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
(M)が70%以上であることが好ましい。
【0126】相対度数(m1)と相対度数(m2)との
和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の
粒度分布における分散の程度が狭くなるので、当該トナ
ーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を
確実に抑制することができる。
【0127】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0128】〔測定条件〕 (1)アパーチャー: 100μm (2)サンプル調製法: 電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て援枠し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0129】形状係数を制御する方法の中では、重合法
トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに
比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0130】本発明において用いられるトナーは、少な
くとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られ
るトナーであることが好ましく、また、少なくとも樹脂
粒子を水系媒体中で会合させて得られるトナーであるこ
とが好ましい。以下、トナーを製造する方法について詳
細に説明する。
【0131】本発明において用いられるトナーは、例え
ば懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中に
て単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、そ
の後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で
製造することができる。また、単量体とトナーの構成に
必要な離型剤や着色剤などの分散液とを混合して会合さ
せる方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構
成成分を分散した上で乳化重合する方法などにより製造
することもできる。ここで、「会合」とは樹脂粒子およ
び着色剤粒子が複数個融着することを示す。また本発明
でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量
%以上含有されたものを示す。
【0132】このようなトナーを製造する方法の一例を
示せば、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型
剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を
添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグライン
ダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料
を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あ
るいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した
水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用
しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。そ
の後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、
加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分
散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥すること
でトナーを調製する。
【0133】また、トナーを製造する方法として樹脂粒
子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法
を挙げることができる。この方法としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、特開平5−265252
号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−1
5904号公報に示す方法を挙げることができる。すな
わち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あ
るいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数
以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用
いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩
析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移
点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々
に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多
量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しなが
ら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水
状態のまま流動状態で加熱乾燥すること(塩析/融着)
により、トナーを形成することができる。なお、ここに
おいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒を加
えてもよい。
【0134】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体;エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバソール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0135】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0136】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0137】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では滴溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2' −アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2' −アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1' −アソビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル) 、2,2' −アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキジシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0138】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0139】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0140】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0141】前記樹脂粒子を水系媒体中で会合させる際
に使用される凝集剤としては特に限定されるものではな
いが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。
具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属とし
て例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の
金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミ
ニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウ
ム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシ
ウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは
組み合わせて使用してもよい。
【0142】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7,601(1960)高分子学会編」等に記述されて
おり、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。ま
た、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることもできる。
【0143】本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度
以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2
倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加すること
がよい。
【0144】凝集剤と共に使用される「水に対して無限
溶解する溶媒」とは、水に対して無限溶解する溶媒を示
し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶
解させないものが選択される。具体的には、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t
−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノー
ル等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、
ジオキサン等のエ一テル類を挙げることができる。特
に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好
ましい。この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添
加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%であ
ることが好ましい。
【0145】なお、形状を均一化させるためには、着色
粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以
上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ま
しいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが
好ましい。この理由としては、極性基が存在している重
合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発
揮するために、形状の均一化が特に図られやすいからで
あると考えられる。
【0146】本発明において用いられるトナーは、少な
くとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応
じて定着性改良剤である雛型剤や荷電制御剤等を含有す
ることもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分と
するトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構
成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0147】本発明において用いられるトナーに使用す
る着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔
料等を任意に使用することができ、カーボンブラックと
してはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセ
チレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等
が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト
等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライ
ト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属
を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例
えばマンカン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等
のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム
等を用いることができる。
【0148】染料としては、C.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いることができ、これらの混合物も用いることができ
る。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね
10〜200nm程度が好ましい。
【0149】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0150】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。荷電制御剤
も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散すること
ができるものを使用することができる。具体的には、ニ
グロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属
塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合
物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金
属錯体等が挙げられる。なお、これら荷電制御剤や定着
性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が
10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0151】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。以
下、好ましく用いられる反応装置について記載する。
【0152】図4は、一般的に使用されている攪拌翼の
構成が一段の反応装置(攪拌装置)を示す説明図であ
り、2は攪拌槽、3は回転軸、4は攪拌翼、9は乱流形
成部材である。
【0153】懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。この理由としては明確ではな
いが、図4に示されるような攪拌翼4の構成が一段の場
合には、攪拌槽2内に形成される媒体の流れが攪拌槽2
の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。
そのため、従来では一般的に攪拌槽2の壁面などの乱流
形成部材9を配置することで乱流を形成し、攪拌の効率
を増加することがなされている。しかし、この様な装置
構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流
の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結
果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を
制御することができない。
【0154】懸濁重合法において好ましく使用すること
のできる攪拌翼を備えた反広装置について図面を用いて
説明する。
【0155】図5および図6は、それぞれ、そのような
反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図5
および図6に示す反応装置において、熱交換用のジャケ
ット1を外周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2内の中
心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に攪拌槽2の底面
に近接させて配設された下段の攪拌翼40と、より上段
に配設された攪拌翼50とが設けられている。上段の攪
拌翼50は、下段に位置する攪拌翼40に対して回転方
向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明
のトナーを製造する場合において、交差角αは90°未
満であることが好ましい。この交差角αの下限は特に限
定されるものでは無いが、5°程度以上であることが好
ましく、更に、好ましくは10°以上である。なお、三
段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接してい
る攪拌翼間で交差角が90°未満であることが好まし
い。
【0156】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側
への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌
翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさ
らに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも
下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速さ
れて進行するものと推定される。この結果、乱流として
形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるた
めに、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推
定される。なお、図5および図6中、矢印は回転方向を
示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9は
攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0157】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図13に記載する。図13(a)に示す攪拌
翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5
bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に
示す攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)がある
もの、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0158】図7〜図11は、それぞれ、好ましく使用
することのできる攪拌翼を備えた反応装置の具体例を示
す斜視図であり、図7〜図11において、1は熱交換用
のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、7は上部材料
投入口、8は下部材料投入口、9は乱流形成部材であ
る。
【0159】図7に示す反応装置において、攪拌翼41
には折り曲げ部411が形成され、攪拌翼51にはフィ
ン(突起)511が形成されている。
【0160】なお、攪拌翼に折り曲げ部が形成されてい
る場合において、折り曲げ角度は5〜45゜であること
が好ましい。
【0161】図8に示す反応装置を構成する攪拌翼42
には、スリット421が形成されていると共に、折り曲
げ部422およびフィン423が形成されている。
【0162】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼52
は、図5に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0163】図9に示す反応装置を構成する攪拌翼43
には、折り曲げ部431およびフィン432が形成され
ている。
【0164】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼53
は、図5に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0165】図10に示す反応装置を構成する攪拌翼4
4には、折り曲げ部441およびフィン442が形成さ
れている。
【0166】また、当該反応装置を構成する攪拌翼54
には、中孔部541が中央に形成されている。
【0167】図11に示す反応装置には、攪拌翼45
(下段)と、攪拌翼55(中段)と、攪拌翼65(上
段)とによる三段構成の攪拌翼が設けられてなり、攪拌
翼45には、折り曲げ部451が形成されている。
【0168】これら折り曲げ部や上部あるいは下部への
突起(フィン)を有する構成を持つ攪拌翼は、乱流を効
果的に発生させるものである。
【0169】なお、上記の構成を有する上段と下段の攪
拌翼の間隙は特に限定されるものではないが、少なくと
も攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確ではないが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。さらに、攪拌翼の大きさは特に限定されるもの
では無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での液面
高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95%で
ある。
【0170】また、懸濁重合法において層流を形成させ
る場合に使用される反応装置の一例を図12に示す。こ
の反応装置には、乱流形成部材(邪魔板等の障害物)は
設けられていない点に特徴を有する。
【0171】図12に示した反応装置を構成する攪拌翼
46および攪拌翼56は、それぞれ、図5に示す反応装
置を構成する攪拌翼40および攪拌翼50と同様の形状
および交差角αを有している。また、図12において、
1は熱交換用のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、
7は上部材料投入口、8は下部材料投入口である。
【0172】なお、層流を形成させる場合に使用される
反応装置としては、図12に示されるものに限定される
ものではない。
【0173】また、かかる反応装置を構成する攪拌翼の
形状については、乱流を形成させないものであれば特に
限定されないが、方形板状のもの等、連続した面により
形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0174】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は離着させる重合法トナーでは、離着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0175】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で磁着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布か均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0176】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌翼および攪拌槽と
しては、前述の懸濁重合法において層流を形成させる場
合と同様のものが使用でき、例えば図12に示すものが
使用できる。攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔
板等の障害物を設けないことが特徴である。攪拌翼の構
成については、前述の懸濁重合法に使用される攪拌翼と
同様に、上段の攪拌翼が、下段の攪拌翼に対して回転方
向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成
とすることか好ましい。
【0177】この攪拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図13(a)に示した方形板状のもの等、連続
した面により形成されるものが好ましく、曲面を有して
いてもよい。
【0178】また、本発明において用いられるトナーで
は、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子
を添加して使用することでより効果を発揮することがで
きる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的
に抑制することができるため、その効果が顕著にでるも
のと推定される。
【0179】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200ミリリットルのビー
カー中に入れた蒸留水50ミリリットルに、測定対象の
無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先
端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっく
り攪拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっく
り滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要
なメタノールの量をa(ミリリットル)とした場合に、
下記式により疎水化度が算出される。
【0180】
【数4】疎水化度=(a/(a+50))×100
【0181】この外溶剤の添加量としては、トナー中に
0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量
%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わ
せて使用してもよい。
【0182】本発明に用いられるトナーには外添剤とし
ては脂肪酸金属塩が添加されてもよい。脂肪酸及びその
金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペン
ダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン
酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン
酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜
鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナ
トリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。本
発明においては、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
【0183】二成分現像剤を調製するためには、トナー
とキャリアとを混合して調製される。現像剤に対するト
ナー濃度としては2〜10質量%に混合して使用され
る。
【0184】本発明において用いられるトナーが使用で
きる現像方法は、特に限定されるものではなく、感光体
121の表面と現像剤層とが現像領域で接触した状態で
現像が行われる接触現像方法であっても、感光体121
の表面と現像剤層とが現像領域で非接触の状態に保た
れ、交番電界等の作用により感光体121の表面と現像
剤層間の間隙をトナーを飛翔させて現像する非接触現像
方法であってもよい。
【0185】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以
下において「部」とは「質量部」を意味する。
【0186】<感光体の作製>ポリアミド樹脂アミラン
「CM−8000」(東レ社製)30gを、メタノール
900ミリリットル、1−ブタノール100ミリリット
ルの混合溶媒中に投入し50℃で加熱溶解した。この液
を外径80mm、長さ360mmの円筒状のアルミニウ
ム製導電性支持体上に塗布し、厚さ0.5μmの中間層
を形成した。
【0187】次に、シリコーン樹脂「KR−5240」
(信越化学社製)10gを酢酸t−ブチル1000ミリ
リットルに溶解し、これにY−TiOPc(特開昭64
−17066号公報参照)10gを混入しサンドミルを
用いて20時間分散し、電荷発生層塗工液を得た。この
液を用いて、前記中間層上に塗布し、厚さ0.3μmの
電荷発生層を形成した。
【0188】次に、電荷輸送物質(CTM)として、N
−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニル
スチリル)フェニル}−p−トルイジン)150gと、
粘度平均分子量5万のポリカーボネート樹脂「TS−2
050」(帝人化成(株)製)200gとを、1,2−
ジクロロエタン1000ミリリットルに溶解し、電荷輸
送層塗工液を得た。この液を用いて、前記電荷発生層上
に円形スライドホッパーにて塗布を行った後、100℃
で1時間乾燥し、厚さ22μmの電荷輸送層を形成し、
これにより、導電性支持体の表面に、中間層、電荷発生
層および電荷輸送層がこの順で積層されてなる機能分離
構造の有機感光体を作製した。
【0189】<トナーの製造例(乳化重合法の例)>n
−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0
リットルを入れ攪拌溶解した。この溶液に、リーガル3
30R(キャボット社製カーボンブラック)1.20k
gを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラ
インダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散
した。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgと
イオン交換水4.0リットルからなる溶液を「アニオン
界面活性剤溶液A」とする。
【0190】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リ
ットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」
とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水1
2.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とす
る。
【0191】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100リットルのGL(グラスライニング)反応釜
に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリ
プロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120n
m/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオ
ン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液
B」全量とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオン交
換水44.0リットルを加えた。
【0192】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入した。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過してラテックスを得た。これを「ラテ
ックスA」とする。
【0193】なお、ラテックスA中の樹脂粒子のガラス
転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、
重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120n
mであった。
【0194】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに
溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
また、ノニルフエノールポリエチレンオキサイド10モ
ル付加物0.014kgをイオン交換水4.0リットル
に溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とす
る。
【0195】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を
「開始剤溶液F」とする。
【0196】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活
性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量
とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオン交換水4
4.0リットルを投入した。加熱を開始し、液温度が7
0℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。
ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル
4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシ
ルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液
を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御
して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80
℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度
を40℃以下に冷却し攪拌を停止した。ポールフィルタ
ーで濾過し、この濾液を「ラテックスB」とした。
【0197】なお、ラテックスB中の樹脂粒子のガラス
転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、
重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110n
mであった。
【0198】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を
「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0199】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニ
オン界面活性剤溶液H」とする。
【0200】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100リット
ルのSUS反応釜(図12に示した構成の反応装置、交
差角αは20゜)に、上記で作製したラテックスA=2
0.0kgとラテックスB=5.2kgと着色剤分散液
1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪
拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液
G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、
ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。その
後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85
℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間
加熱攪拌して塩析/ 融着させながら粒径成長させた。次
に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止させ
た。
【0201】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5リットルの反応容器(図1
2に示した構成の反応装置、交差角αは20゜)に、上
記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度
85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状
制御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止し
た。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中に
て分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾
液を会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液
よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その
後、イオン交換水により洗浄した。
【0202】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。前記
塩析/ 融着段階および形状制御工程のモニタリングにお
いて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、下記表1に示す形状特性および粒度分布特性を有す
る着色粒子(トナー粒子)1および着色粒子2を得た。
【0203】各々の着色粒子100質量部に対して外添
剤として平均粒径12nmの疎水性シリカ粒子(R80
5:日本アエロジル社製)0.4部、チタニア粒子(T
805:日本アエロジル社製)0.6部を混合し、ヘン
シェルミキサーで常温下、攪拌羽根の周速40(m/s
ec)で10分間混合し、負帯電性のトナーT1および
T2を得た。
【0204】
【表1】
【0205】<現像剤の調製>上記のようにして得られ
たトナーT1、T2の各々に、表面にシリコーン樹脂が
被覆された体積平均粒径60μmのフェライトキャリア
を混合して、トナー濃度が5%の現像剤1および2を調
製した。
【0206】<実施例1>図2に示す構成に従って、ク
リーニング装置(200)を作製した。クリーニングブ
レード(220)の自由長a、振動緩衝部材(222)
の突出長さb、舌片部分(222A)の軸方向長さW
2、切り込み(223)の深さd、および振動緩衝部材
(222)の先端側部分のクリーニングブレード(22
0)に対する接着条件は、下記表2に従って設定した。
クリーニングブレード(220)としては、ウレタンゴ
ムよりなる反発弾性率が60%(25℃)、JIS A
硬度が70°、厚さが2.00mm、突出長さaが10
mm、軸方向長さW1が324mmのもの(北辰工業
(株)製)を用いた。振動緩衝部材(222)として
は、ポリエチレンテレフタレートよりなる厚さが0.1
mm、軸方向長さ344mmの板状のものであって、曲
げ強度が100N/mm2 (可撓性)のものを用いた。
そして、クリーニングブレード(220)は、感光体
(121)に対する当接角(θ)が20゜となる状態で
設けられており、感光体(121)に対する当接荷重を
25N/mに設定した。
【0207】
【表2】
【0208】クリーニングローラ(210)としては、
導電性発泡ウレタンよりなる、アスカーC硬度が30
゜、表面抵抗が104 Ωcmのものを用いた。クリーニ
ングローラ(210)は感光体(121)との当接部分
を感光体(121)の移動方向と同方向に移動するよう
回転駆動し、クリーニングローラ(210)の線速度
(Vr)と感光体(121)の線速度(Vp)との線速
度比(Vr/Vp)を1.05に設定した。また、クリ
ーニングローラ(210)と感光体(121)とのニッ
プ幅を2mm、定電流電源よりなるバイアス電圧印加手
段(211)によって印加される電流値を+20μAに
設定した。
【0209】<実写テスト>現像剤1および現像剤2の
各々を使用し、上記の有機感光体およびクリーニング装
置が搭載されたデジタル複写機「Konica705
0」(コニカ株式会社製)を用いて実写テストを実施す
ることにより、ブレードめくれ、トナーのすり抜け、ブ
レード鳴きおよびブレードバウンドの発生有無について
調べると共に、形成された画像についての評価を行っ
た。結果を下記表3に示す。
【0210】〔画像形成条件〕 ・スコロトロン帯電器よりなる帯電器の初期帯電電位;
−750V ・感光体の表面における露光部電位;−50V ・DCバイアス;−550V ・Dsd(感光体の表面と現像スリーブの表面との最接
近距離);550μm ・現像剤層規制;エッジカット方式 ・現像剤層厚;700μm ・現像スリーブ径;40mm ・コロナ帯電方式の転写極による転写ダミー電流値:4
5μA
【0211】〔評価方法〕テストの環境は、常温常湿環
境(温度20℃、相対湿度50RH%)下にて90分間
の連続複写を行い、その後、高温高湿環境(温度30
℃、相対湿度80RH%)下にて90分間の連続複写を
行い、さらに低温低湿環境(温度10℃、相対湿度20
RH%)下に一晩放置した後、90分間の連続複写を行
い、極低温(温度0℃、相対湿度10RH%)下にて、
30分間の連続複写を行った。
【0212】<ブレードめくれ>ブレードめくれの発生
の有無を評価した。
【0213】<トナーのすり抜け> ○: 残留トナーのすり抜けなし △: すり抜けた残留トナーが20%未満 ×: すり抜けた残留トナーが20%以上、50%未満 ××: すり抜けた残留トナーが50%以上
【0214】<ブレード鳴き>クリーニングブレードと
感光体の異常摩擦による異常音の発生の有無を評価し
た。
【0215】<ブレードバウンド>低温低湿環境下に
て、一晩放置した後の最初の画像としてハーフトーン画
像を形成し、この画像の横スジ(ブレードのバウンド
跡)を観察した。 ○:画像上に横スジ無し ×:画像上に横スジ有り ××:画像上の横スジが特に目立つ
【0216】<画像評価>画像の評価は、ブレードめく
れ、ブレードバウンドおよびトナーのすり抜けによる画
像ムラおよび画像汚れの発生有無を観察した。このよう
な画像不良の発生がない非常に良好な場合を○、画像不
良が発生し、実用に適さない場合を×とした。
【0217】
【表3】
【0218】以上のように、実施例1および実施例2に
係る本発明の画像形成装置によれば、環境の影響を受け
ることなく、十分に高いクリーニング効果が確実に発揮
されて、高い画質の画像を安定的に形成することができ
ることが確認された。これに対して、クリーニング装置
における振動緩衝部材に舌片部分を有さない比較例1に
係る画像形成装置においては、低温低湿環境下において
ブレードバウンドの発生が顕著となり、また、振動緩衝
部材の先端部がクリーニングブレードと接着された比較
例2に係る画像形成装置においては、いずれの環境下で
あっても何らかのクリーニング不良が発生し、高い画質
の画像を安定的に形成することが困難であることが確認
された。
【0219】
【発明の効果】本発明のクリーニング装置によれば、ク
リーニングローラ機構による静電的なクリーニングに加
えて、クリーニングブレード機構による機械的なクリー
ニングが行われるので、基本的に高いクリーニング効果
が発揮され、潜像担持体上の残留トナーを確実に除去す
ることができる。また、クリーニングブレード機構にお
いては、クリーニングブレードの弾性変形を基本的に規
制することなしに、振動緩衝部材がクリーニングブレー
ドの幅方向の全域にわたって接触するので、クリーニン
グブレードの振動が振動緩衝部材に緩衝され、クリーニ
ングブレードの振動を小さく抑制することができ、しか
も、各々の舌片部分が互いに独立して振動緩衝作用を発
揮することができるので、ブレードバウンド、ブレード
めくれ、ブレード鳴きあるいはトナーのすり抜け等が発
生することを確実に防止することができ、高いクリーニ
ング効果を確実に発揮することができる。
【0220】また、環境変動に伴ってクリーニングブレ
ードの変形が生じることにより、潜像担持体に対するク
リーニングブレードの押圧力が変化した場合であって
も、振動緩衝部材がクリーニングブレードに対して追従
することによって、クリーニングブレードの潜像担持体
に対する当接荷重の大きな変動が生じることが抑制さ
れ、ブレードバウンド、ブレードめくれ、ブレード鳴き
あるいはトナーのすり抜け等が発生することを確実に防
止することができ、環境変動に対して安定的に所期のク
リーニング効果を発揮することができる。
【0221】本発明の画像形成装置によれば、上記のク
リーニング装置を備えてなるので、ブレード鳴きブレー
ドバウンドあるいはブレードめくれなどが発生すること
を確実に防止することができ、しかも環境変動に対して
安定したクリーニング効果を発揮することができ、従っ
て、潜像担持体上の残留トナーを確実に除去することが
できる、画質の高い画像を長期にわたって安定的に形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概要
構成図である。
【図2】本発明のクリーニング装置の一構成例を示す説
明用側面図である。
【図3】クリーニングブレード機構の一構成例を示す平
面図である。
【図4】攪拌翼の構成が一段の反応装置を示す説明図で
ある。
【図5】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の一例を示す斜視図である。
【図6】図5に示した反応装置の断面図である。
【図7】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図8】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図9】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図10】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図11】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図12】層流を形成させる場合に使用される反応装置
の一例を示す斜視図である。
【図13】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図14】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示
す説明図であり、(b)および(C)は、それぞれ角の
あるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱交換用ジャケット 2 攪拌槽 3 回転軸 4 攪拌翼 40,41,42,43,44,45,46 攪拌翼 411 折り曲げ部 421 スリット 422,431,441,451 折り曲げ部 423,432,442 フィン 50,51,52,53,54,55,56,65 攪
拌翼 511 フィン 541 中孔部 5a,5b,5c,5d 攪拌翼 6b、6c、6d 中孔部 7 上部材料投入口 8 下部材料投入口 9 乱流形成部材 α 交差角 10 画像形成装置 110 自動原稿送り手段 111 原稿載置台 112 原稿搬送ローラ 113 プラテンガラス 113A 読み取り位置 114 原稿排紙皿 115 第1ミラーユニット 116 第2ミラーユニット 117 投影レンズ 121 感光体 122 帯電器 123 現像装置 123A 現像スリーブ 124 転写器 125 分離器 127 PCL(プレチャージランプ) 130 露光光学系 131 ポリゴンミラー 132 反射ミラー 140 搬送路 141A、141B、141C 給紙ユニット 142 手差し給紙ユニット 143 案内ローラ 143A 転写前ローラ 144 レジストローラ対 145 搬送装置 146 転写進入ガイド板 T 転写領域 150 定着器 151 定着ローラ 152 加圧ローラ 161 排出ローラ 162 ガイド 163 排出ローラ 164 排紙トレイ 171 第1の反転搬送経路 172 反転ローラ 175 第2の反転搬送経路 A 画像読取り部 B 画像形成部 C 記録材搬送部 200 クリーニング装置 201 クリーニングブレード機構 202 クリーニングローラ機構 210 クリーニングローラ 211 バイアス電圧印加手段 220 クリーニングブレード 220A 突出部分 221 支持部材 221A ブレード支持部 221B 押圧力付勢部 221C 押圧手段 222 振動緩衝部材 222A 舌片部分 222B 突出部分 223 切り込み 224 接着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 徹 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 福王 兆彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 大谷 淳一 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 望月 文貴 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 佐藤 和彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 DA07 EA07 2H134 GA01 GB02 HA03 HA05 HA07 HA09 HA13 HA17 HD01 HD02 HD04 HD05 HD06 HD11 HD19 KD05 KD06 KD07 KD08 KD12 KD16 KF02 KH05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される円筒状の潜像担持体の表
    面に先端縁が当接するよう配置されたクリーニングブレ
    ードを有するクリーニングブレード機構と、前記クリー
    ニングブレードより前記潜像担持体の移動方向に対して
    上流の位置において潜像担持体の表面に当接し、当該潜
    像担持体の軸方向に伸びる回転軸の周りに回転するよう
    配置されたクリーニングローラを有するクリーニングロ
    ーラ機構と、前記クリーニングローラにバイアス電圧を
    印加するバイアス電圧印加手段とを備えてなり、 クリーニングブレード機構においては、前記クリーニン
    グブレードの基端側部分の外面に位置されて当該クリー
    ニングブレードを潜像担持体の表面に当接するよう付勢
    する支持部材を有すると共に、この支持部材により基端
    側部分が保持された、クリーニングブレードと同方向に
    伸びる可撓性を有する板状の振動緩衝部材が設けられて
    おり、 振動緩衝部材は、その先端部に前記潜像担持体の軸方向
    に並ぶ複数の舌片部分が形成されるよう、スリット状の
    切り込みが形成されていると共に、舌片部分の先端縁が
    クリーニングブレードの外面に位置されていることを特
    徴とするクリーニング装置。
  2. 【請求項2】 支持部材の先端縁を越えて伸びるクリー
    ニングブレードの突出長さに対する、支持部材の先端縁
    を越えて伸びる振動緩衝部材の突出長さの比が0.1よ
    り大きく、かつ0.9以下であることを特徴とする請求
    項1に記載のクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 振動緩衝部材は、その舌片部分の潜像担
    持体の軸方向における軸方向長さが、クリーニングブレ
    ードの軸方向長さの1/100〜1/10の大きさのも
    のであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 振動緩衝部材は、その先端側部分に形成
    された切り込みの深さが、当該振動緩衝部材の突出長さ
    の1/10〜1の大きさのものであることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のクリーニング
    装置。
  5. 【請求項5】 バイアス電圧印加手段が定電流電源であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに
    記載のクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 回転駆動される円筒状の潜像担持体と、
    この潜像担持体上にトナーによるトナー像を形成するト
    ナー像形成機構と、当該潜像担持体上のトナー像が記録
    材に転写される転写領域を通過した位置において、潜像
    担持体上の残留トナーを除去するクリーニング装置とを
    備えた画像形成装置において、 クリーニング装置は、潜像担持体の表面に先端縁が当接
    するよう配置されたクリーニングブレードを有するクリ
    ーニングブレード機構と、前記クリーニングブレードよ
    り前記潜像担持体の移動方向に対して上流の位置におい
    て潜像担持体の表面に当接し、当該潜像担持体の軸方向
    に伸びる回転軸の周りに回転するよう配置されたクリー
    ニングローラを有するクリーニングローラ機構と、前記
    クリーニングローラにバイアス電圧を印加するバイアス
    電圧印加手段とを備えてなり、 クリーニングブレード機構においては、前記クリーニン
    グブレードの基端側部分の外面に位置されて当該クリー
    ニングブレードを潜像担持体の表面に当接するよう付勢
    する支持部材を有すると共に、この支持部材により基端
    側部分が保持された、クリーニングブレードと同方向に
    伸びる可撓性を有する板状の振動緩衝部材が設けられて
    おり、 振動緩衝部材は、その先端側部分に前記潜像担持体の軸
    方向に並ぶ複数の舌片部分が形成されるようスリット状
    の切り込みが形成されていると共に、舌片部分の先端縁
    がクリーニングブレードの外面に位置されていることを
    特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 支持部材の先端縁を越えて伸びるクリー
    ニングブレードの突出長さに対する、支持部材の先端縁
    を越えて伸びる振動緩衝部材の突出長さの比が0.1よ
    り大きく、かつ0.9以下であることを特徴とする請求
    項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 振動緩衝部材は、その舌片部分の潜像担
    持体の軸方向における軸方向長さが、クリーニングブレ
    ードの軸方向長さの1/100〜1/10の大きさのも
    のであること特徴とする請求項6または請求項7に記載
    の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 振動緩衝部材は、その先端側部分に形成
    された切り込みの深さが、当該振動緩衝部材の突出長さ
    の1/10〜1の大きさのものであることを特徴とする
    請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 クリーニング装置におけるバイアス電
    圧印加手段が定電流電源であることを特徴とする請求項
    6乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 トナー像形成機構において用いられる
    トナーは、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナ
    ー粒子の割合が65個数%以上であり、かつ形状係数の
    変動係数が16%以下であるトナー粒子からなることを
    特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  12. 【請求項12】 トナー像形成機構において用いられる
    トナーは、形状係数の変動係数が16%以下であり、か
    つ個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であ
    るトナー粒子からなることを特徴とする請求項6乃至請
    求項11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 トナー像形成機構において用いられる
    トナーは、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上
    であるトナー粒子からなることを特徴とする請求項6乃
    至請求項12のいずれかに記載の画像形成装置。
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JP2009048018A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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