JP2002214995A - クリーニング装置、該クリーニング装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置、該クリーニング装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002214995A
JP2002214995A JP2001010145A JP2001010145A JP2002214995A JP 2002214995 A JP2002214995 A JP 2002214995A JP 2001010145 A JP2001010145 A JP 2001010145A JP 2001010145 A JP2001010145 A JP 2001010145A JP 2002214995 A JP2002214995 A JP 2002214995A
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toner
cleaning blade
blade
cleaning
cleaning device
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English (en)
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Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Satoru Uchino
哲 内野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的はクリーニングブレードを円筒
状有機感光体の真上付近に配置した構成のクリーニング
装置で発生しやすいトナーのクリーニング不良を改善
し、画像不良がなく、良好な電子写真画像を形成できる
クリーニング装置、画像形成方法、画像形成装置を提供
することである。 【解決手段】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリーニ
ングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先端
が円筒中心角度(β)±30度以内に、円筒状有機感光
体に当接するクリーニング装置において、該クリーニン
グブレードとクリーニングブレードの支持部材は互いに
一部が並列に接合されており、且つクリーニングブレー
ドに制震材を貼り合わせたことを特徴とするクリーニン
グ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等に用いられるトナーのクリーニング
装置、画像形成方法、及び画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の画像形成装置に用
いられる像担持体としては有機光導電性物質を含有する
有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可
視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発
し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製
造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点で
あるが、有機感光体は該有機感光体上に形成された静電
潜像を顕像化したトナーとの接触エネルギーが大きく、
該トナー像を転写工程で転写材に転写した後に、該有機
感光体上に残留する残留トナーのクリーニングに種々の
問題を発生しがちである。
【0003】一方、電子写真方式を用いた画像形成装置
として、クリーニング装置を円筒状電子写真感光体の真
上付近に配置した構成の画像形成装置が特願平11−2
90755号等にて提案されている。このようなクリー
ニング装置の配置で構成した画像形成装置はコンパクト
な構成が可能となる利点があるが、クリーニング装置を
電子写真感光体の上方に配置し、水平に近い方向に移動
する電子写真感光体に対して上方からクリーニングブレ
ードを圧接させる構成を採っているため、クリーニング
ブレードで掻き取られたトナーが電子写真感光体表面か
ら離れにくく、しばしばクリーニング不良が発生しやす
い。
【0004】又、電子写真方式の画像形成方法は近年の
デジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成が
主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法は
400dpi(2.54cm当たり400ドット)等の
1画素の小さなドット画像を顕像化することを基本とし
ており、これらの小さなドット画像を忠実に再現する高
画質技術が要求されている。
【0005】この高画質技術の実現の為に最も重要な技
術の1つがトナーの製造に関する技術である。これまで
電子写真画像の形成にはバインダー樹脂と顔料を混合、
混練後に粉砕して得られるトナー粉体を分級工程で分級
したトナーが主として用いられてきたが、このような製
造工程を経て得られるトナーはトナー粒子の粒度分布を
均一化するのに限界があり、トナー粒子の粒度分布、及
び形状の均一化が不十分である。このようなトナーを用
いた電子写真画像では十分な高画質化は達成するのが困
難である。
【0006】一方、トナー粒子の粒度分布、及び形状の
均一化を達成する手段として、重合トナーを用いた電子
写真用現像剤、或いは画像形成方法が提案されている。
該重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後
に重合させ、トナーを製造することから、トナーの粒度
分布、及び形状が均一なトナーが得られる。
【0007】ここで、前記重合トナーを有機感光体を用
いた画像形成装置に採用するとき新たな技術課題が発生
している。即ち、該重合トナーは前記のように、トナー
形状がモノマーを水系で分散し、重合した上で形成され
るため、ほぼ球形の形状で作製される。既によく知られ
ているように球形形状の残留トナーは有機感光体表面と
の付着力が高くクリーニング不良を発生しやすい。
【0008】特に前記したクリーニング装置を円筒状有
機感光体の真上付近に配置した構成の画像形成装置に重
合トナーを適用すると、画像に生じない程度の微細なト
ナーのすり抜けが長期に渡り発生し、これらすり抜けた
トナーが帯電部材(帯電ワイヤや帯電ローラ)を汚染
し、その結果ハーフトーン画像等に画像ムラを発生させ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、クリーニングブレードを円筒状有機感光体
(以後、円筒状感光体、有機感光体、又は単に感光体と
も云う)の真上付近に配置した構成のクリーニング装置
で発生しやすいトナーのクリーニング不良を改善し、且
つ重合トナーを用いた場合にも、長期に亘って、良好な
クリーニング性能を保持し、画像不良がなく、良好な電
子写真画像を形成できるクリーニング装置、画像形成方
法、画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
を解決するために検討を重ねた結果、クリーニングブレ
ードを円筒状有機感光体の真上付近に配置した構成のク
リーニング装置において、クリーニングブレード(以下
単にブレードとも言う)或いはその支持部材に制震材を
貼り合わせることにより、良好なクリーニング性の確保
と良好な電子写真画像を長期に亘り得ることが可能とな
った。即ち、本発明の目的は下記の構成のいずれかをと
ることにより達成されることを見出した。
【0011】1.円筒中心軸がほぼ水平になるように設
置された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリー
ニングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先
端が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方
を0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するク
リーニング装置において、該クリーニングブレードとク
リーニングブレードの支持部材は互いに一部が並列に接
合されており、且つクリーニングブレードに制震材を貼
り合わせたことを特徴とするクリーニング装置。
【0012】2.円筒中心軸がほぼ水平になるように設
置された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリー
ニングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先
端が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方
を0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するク
リーニング装置において、該クリーニングブレードとク
リーニングブレードの支持部材は互いに一部が並列に接
合されており、且つ該支持部材に制震材を貼り合わせた
ことを特徴とするクリーニング装置。
【0013】3.円筒中心軸がほぼ水平になるように設
置された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリー
ニングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先
端が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方
を0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するク
リーニング装置において、該クリーニングブレードとク
リーニングブレードの支持部材は互いに一部が並列に接
合されており、且つクリーニングブレードと支持部材の
間に制震材を貼り合わせたことを特徴とするクリーニン
グ装置。
【0014】4.前記制震材として、最大損失係数η
maxが0.3〜2.0の粘弾性材料を用いることを特徴
とする前記1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング
装置。
【0015】5.制震材の貼り合わせ面積をS1、クリ
ーニングブレードの面積をS2とすると、S1/S2
0.05〜12の範囲であることを特徴とする前記1〜
4のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
【0016】6.円筒中心軸がほぼ水平になるように設
置された円筒状有機感光体上に形成された静電潜像を現
像手段によりトナー像を形成し、該トナー像を転写材に
転写した後、円筒状有機感光体上に残留するトナーを除
去するクリーニング装置を有する画像形成方法におい
て、該クリーニング装置は前記1〜5のいずれか1項に
記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形
成方法。
【0017】7.前記現像手段に用いるトナーとして、
トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下であり、
且つ該トナー粒子の個数粒度分布における個数変動係数
が27%以下であるトナーを用いることを特徴とする前
記6に記載の画像形成方法。
【0018】8.前記現像手段に用いるトナーとして、
形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を6
5個数%以上含有するトナーを用いることを特徴とする
前記6又は7に記載の画像形成方法。
【0019】9.前記現像手段に用いるトナーとして、
角がないトナー粒子を50個数%以上含有するトナーを
用いることを特徴とする前記6〜8のいずれか1項に記
載の画像形成方法。
【0020】10.前記6〜9のいずれか1項に記載の
画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0021】本発明を更に詳しく説明する。本発明者等
は上記本発明の構成を用いることにより、有機感光体上
に残留するトナーを有機感光体とクリーニングブレード
の間に生ずる摩擦力を過大にすることなく、ブレードめ
くれやトナーのすり抜けの発生を防止し、効果的に該有
機感光体上に残留するトナーを除去することができ、良
好で安定した画像を長期間に渡り、得ることができるこ
とを見出した。
【0022】図1は、本発明に適用されるデジタル式画
像形成装置(以下、単に画像形成装置ともいう)の構成
を示す図である。
【0023】図において、画像形成装置1は、自動原稿
搬送装置(通称ADF)Aと、自動原稿搬送装置により
搬送される原稿の画像を読み取るための原稿画像読取部
Bと、読み取った原稿画像を処理する画像制御基板C
と、画像処理後のデータに従って像担持体としての円筒
状感光体(以下単に感光体とも云う)10上に書き込み
を行う書き込みユニット12を含む書き込み部Dと、円
筒状感光体10及びその周囲に帯電電極14、磁気ブラ
シ型現像装置からなる現像手段としての現像器16、転
写電極18、分離電極20、クリーニング手段としての
クリーニング装置21等の画像形成手段を含む画像形成
部Eと、記録紙Pを収納する給紙トレイ22、24のた
めの収納部Fを有している。
【0024】自動原稿搬送装置Aは、原稿載置台26
と、ローラR1を含むローラ群および原稿の移動通路を
適宜切り替えるための切換手段等(参照記号なし)を含
む原稿搬送処理部28とを主要素とする。
【0025】原稿画像読取部Bは、プラテンガラスGの
下にあり、光路長を保って往復移動できる2つのミラー
ユニット30、31、固定の結像レンズ(以下、単にレ
ンズという)33、ライン状の撮像素子(以下、CCD
という)35等からなり、書き込み部Dは、レーザ光源
40、ポリゴンミラー(偏光器)42等からなる。
【0026】転写材としての記録紙Pの移動方向からみ
て、転写電極18の手前側に示すR10はレジストロー
ラであり、分離電極20の下流側にHで示してあるのは
定着器である。
【0027】定着手段としての定着器Hは、実施の形態
においては、加熱源を内蔵するローラと、当該ローラに
圧接しながら回転する圧接ローラとで構成してある。
【0028】また、Zは定着器Hのためのクリーニング
手段で、巻き取り可能に設けたクリーニングウェブを主
要素とする。
【0029】原稿載置台26上に載置される原稿(図示
せず)の1枚が原稿搬送処理部28によって搬送され、
ローラR1の下を通過中に、露光手段Lによる露光が行
われる。
【0030】原稿からの反射光は、固定位置にあるミラ
ーユニット30、31およびレンズ33を経てCCD3
5上に結像され、読み取られる。
【0031】原稿画像読取部Bで読み取られた画像情報
は、画像処理手段により処理され、符号化されて画像制
御基板C上に設けてあるメモリーに格納される。
【0032】また、画像データは画像形成に応じて呼び
出され、当該画像データに従って、書き込み部Dにおけ
るレーザ光源40が駆動され、円筒状感光体10上に露
光が行われる。
【0033】当該露光に先立ち、矢印方向(反時計方
向)に回転する円筒状感光体10は、帯電電極14のコ
ロナ放電作用により所定の表面電位を付与されている
が、露光により、露光部位の電位が露光量に応じて減
じ、結果として、画像データに応じた静電潜像が円筒状
感光体10上に形成される。
【0034】静電潜像は、現像器16により反転現像さ
れ、可視像(トナー像)とされる。一方、円筒状感光体
10上のトナー像の先端部が転写領域に到達する前に、
例えば、給紙トレイ22内の1枚の記録紙Pが給紙搬送
されてレジストローラR10に到達し、先端規制され
る。
【0035】記録紙Pは、トナー像、即ち円筒状感光体
10上の画像領域と重畳するように、同期を取って回転
を開始するレジストローラR10により転写領域に向け
て搬送される。
【0036】転写領域において、円筒状感光体10上の
トナー像は転写電極18の付勢により記録紙P上に転写
され、次いで、当該記録紙Pは分離電極20の付勢によ
り円筒状感光体10から分離される。
【0037】その後、定着器Hの加圧、加熱により、ト
ナー像は記録紙P上に溶融定着され、当該記録紙Pは、
排紙通路78および排紙ローラ79を介して排紙トレイ
T上に排紙される。
【0038】給紙トレイ24における参照記号Spは、
図示しないコイルバネ等の付勢手段により、常時、自由
端が上方向に付勢される可動板であり、この結果、最上
位紙が後述する送り出しローラに接触するようになって
いる。
【0039】給紙トレイ22も上述の構成と同じ構成を
有している。給紙トレイ22、24は、実施の態様にお
いて、上下方向2段に配設した形態であるが、それ以上
の数の給紙トレイを備えることもできる。
【0040】給紙トレイの内、下段(実施の態様におい
て給紙トレイは2段重ねであるので下段としたが、最下
段の意)に配置した給紙トレイ24の底部(底壁と同
義)と装置本体の底壁との間に、所定の間隙を持った空
間部25を形成してある。
【0041】空間部25は、記録紙Pの両面に画像を形
成する態様(モード)において使用するものであり、記
録紙の表裏反転用の第2搬送路80(後記)と共同して
記録紙の表裏反転を達成することに寄与する。
【0042】給紙トレイ22、24のそれぞれの先端部
(給紙方向からみて、収納される記録紙Pの先端に対応
する)上部に示す50および53はローラからなる給紙
手段(以下、送り出しローラという)、51および54
はフィードローラ、52および55は重送防止ローラで
ある。
【0043】送り出しローラ(50、53)とフィード
ローラ(51、54)とはユニット化してあり、装置本
体側に設けた駆動源と接続している駆動軸あるいは給紙
部に設けた係止手段に対して容易に着脱できる構成を有
する。
【0044】また、重送防止ローラ(52、55)もユ
ニット化してあり、装置本体の固定部に設けた固定部材
に対して容易に着脱できる構成を有する。
【0045】60は手差し給紙部の手差し給紙トレイ
で、画像形成装置1の本体側壁に対して下端を支点とし
て開閉できるように構成してある。
【0046】61は手差し給紙トレイ60上に載置され
る記録紙を画像形成に伴って送り出すためのローラから
なる送り出しローラ、63は送り出しローラ61の下流
に設けてあるフィードローラ、65はフィードローラ6
3と圧接し、記録紙Pの複数枚送りを防止するための重
送防止ローラで、前述した給紙トレイ22、24の場合
と実質的に同じ構成を有する。
【0047】66は、手差しトレイ60から送り出され
る記録紙Pの搬送路で、フィードローラ63のすぐ左横
に示す一対の搬送ローラを経て後記する合流部に連通し
ている。
【0048】70は、記録紙P上に転写による画像形成
を行わせるための第1搬送路で、適宜の給紙トレイから
送り出される記録紙の移動方向から見て、下方から上方
に延びている。
【0049】72は上段の給紙トレイ22に収納される
記録紙用の給紙通路、74は下段の給紙トレイ24に収
納される記録紙用の給紙通路であり、76は両トレイ2
2および24から送られる記録紙Pが合流する合流部
(第1搬送路70の一部)である。
【0050】78は、所定の画像形成がなされた記録紙
を排紙トレイT上に排紙するための排紙通路である。
【0051】80は、記録紙の両面に画像形成を行う場
合に使用する記録紙の表裏反転用の第2搬送路であり、
図の上方において、第1搬送路と連通している。
【0052】第2搬送路80は、記録紙の移動方向から
見て、上方から下方に向かって延びている。
【0053】また、第2搬送路80の下端部は略垂直に
延びる搬送路としてあり、その下端は下段の給紙トレイ
24の給紙部よりも下側に延び、そして、第1搬送路7
0と接続(連通)している。
【0054】上記から理解されるように、第1搬送路7
0と第2搬送路80とは、装置本体の一側壁側において
縦方向に長いループ状をなしている。
【0055】第1搬送路70と第2搬送路80との接続
部には、可逆回転可能な一対のローラからなる搬送手段
R20(スイッチバック用ローラーを兼ねる)を設けて
ある。
【0056】接続部は、記録紙Pが第2搬送路80から
第1搬送路70に連続的に搬送されるものでないことか
ら、両搬送路を分ける分岐部ともいえる。
【0057】スイッチバック用ローラR20の下側に
は、空間部25に繋がる通路が設けてあり、記録紙Pの
表裏反転に際して、第2搬送路80を移動してくる記録
紙Pを空間部25に向かわせるように使用される。
【0058】画像形成プロセスにおいて、第2搬送路8
0を移動してくる記録紙Pが空間部25に向けて送り出
された時、当該記録紙Pの後端はスイッチバック用ロー
ラR20で把持されているように構成してあり、従っ
て、空間部25には記録紙の一部分が収納されることに
なる。
【0059】90は(上側)分岐ガイドで、第1面に画
像形成された記録紙Pを排紙通路78に向かわせたり、
または、第2搬送路80に向かわせたりするように制御
される。
【0060】換言すれば、ユーザ設定の画像形成の形態
(記録紙の片面のみに画像を形成するモードか、記録紙
の両面に画像を形成するモードか)に応じて制御され、
記録紙搬送路を切換えるということができる。
【0061】このように構成された画像形成部Eで画像
形成を行なうに際し、先ず円筒状感光体10の回転に伴
って帯電電極14の放電作用で円筒状感光体10面に帯
電する。次に、書き込み部Dで画像が書き込まれて静電
潜像が形成される。この静電潜像を現像器16で現像し
てトナー像が形成される。一方、給紙トレイ22、24
又は手差し給紙トレイ60より給紙された記録紙Pに転
写電極18でトナー像を転写し、分離電極20で記録紙
Pが分離され、定着器Hで定着処理されて排紙トレイT
上に排紙される。
【0062】図2は、本発明の画像形成装置に用いられ
るクリーニング装置の断面図である。
【0063】図2において、円筒状感光体10は円筒中
心軸がほぼ水平になるように画像形成装置内に設置され
ている。このほぼ水平とは円筒中心軸が水平面と交差す
る角度が±10度以内の水平度を云う。この円筒状感光
体10の上方にクリーニング装置21が設けられる。図
示のようにクリーニング装置21は、円筒状感光体10
の回転中心10Aを通る水平線HLよりも上方に配置さ
れており、クリーニングブレード211の先端は円筒状
感光体10の中心軸鉛直上方を0度としたとき、円筒状
感光体円筒中心角度(β)が±30度以内に感光体面に
圧接し、感光体上のトナーをクリーニングする。
【0064】クリーニング装置21の枠体218の側方
には、クリーニングブレードの上流側にシート状導電性
部材219、分離爪217が設けられており、シート状
導電性部材219、分離爪217とも円筒状感光体10
面に接触している。
【0065】更に、枠体218内には軸213に支持部
材212が回転可能に支持されており、支持部材212
の一端にクリーニングブレード211の基部が固定され
ている。支持部材212の他端222は枠体218より
外部に露出した状態で設けられている。
【0066】クリーニング装置21の作動状態では、支
持部材212の他端に設けたバネSの弾性力でクリーニ
ングブレード211の先端が円筒状感光体10に圧接し
ている。クリーニングブレード211の後端側で、且
つ、円筒状感光体10の回転方向に対して、軸213よ
り下流側に位置するように支持部材212に、弾性板2
14がその一端を固定して設けられ、クリーニングブレ
ードを圧接解除時等のトナー飛散防止に機能する。弾性
板214は、ポリウレタンゴムやポリエチレンテレフタ
レート等の弾性板で構成することが望ましい。
【0067】また、枠体218内には記録紙Pにトナー
像を転写した後、クリーニングブレード211で円筒状
感光体10の残留トナーをクリーニングした際、枠体2
18内より順次残留トナーを外部に排出するためのトナ
ー排出部材215、216が設けられている。
【0068】図3は本発明のクリーニングブレードと円
筒状有機感光体の関係を更に詳しく説明した図である。
【0069】図3においてクリーニングブレード211
の先端は円筒状感光体10の中心軸鉛直上方を0度とし
たとき、感光体円筒中心角度(β)が±30度以内で感
光体面に圧接している(当接点A)。
【0070】該クリーニング装置はクリーニングブレー
ド211が支持部材(一般に金属板が用いられる)21
2に取り付けられている。
【0071】本発明において、感光体表面に圧接するク
リーニングブレードの先端部は、感光体の回転方向と反
対方向(カウンター方向)に向けて負荷をかけた状態で
圧接することが好ましい。図3に示すようにクリーニン
グブレードの先端部は感光体と圧接するときに、圧接面
を形成することが好ましい。
【0072】本発明において前記クリーニングブレード
の感光体への当接荷重P、当接角θの好ましい値として
は、P=5〜40N/m、θ=5〜35°である。
【0073】当接荷重Pはブレード211を感光体10
に当接させたときの圧接力P′の法線方向ベクトル値で
ある。
【0074】又当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。
【0075】又、前記クリーニングブレード自由長Lは
図3に示すように支持部材212の端部Bの位置から変
形前のブレードの先端点の長さを表す。該自由長の好ま
しい値としてはL=6〜15mmである。前記クリーニ
ングブレードの厚さtは0.5〜10mmが好ましい。
ここで、本発明のクリーニングブレードの厚さtとは図
3に示すように支持部材212の接着面に対して垂直な
方向を示す。
【0076】図3のシート状導電性部材219はクリー
ニング装置21の枠体218の側方、且つクリーニング
ブレードの上流側(感光体回転方向に対して)に設置さ
れており、シート状導電性部材219の先端は感光体表
面に接触している。このことにより、トナーや感光体の
電荷は除去され、その結果クリーニング性が向上し、又
クリーニングブレードに過剰な負荷がかからなくなり、
ブレードめくれや、ブレード鳴き等のブレード故障を防
止される。
【0077】220はシート状導電性部材の背当て部材
(折り曲げられたポリエチレンテレフタレートシート
等)、221はトナーガイド(ポリエチレンテレフタレ
ートシート等のシート)であり、クリーニングされたト
ナーがクリーニング装置の外部に飛散するのを防止して
いる。又、トナー或いは感光体の電荷を効果的に除去す
るためには、シート状導電性部材219を接地(アース
をとる)することが好ましい。
【0078】該クリーニング装置はクリーニングブレー
ド211が支持部材212に取り付けられている。該ク
リーニングブレードの材質としてはゴム弾性体が用いら
れ、その材料としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フ
ッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が知ら
れているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比
して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。例えば、
特開昭59−30574号に記載のポリカプロラクトン
エステルとポリイソシアネートとを反応硬化せしめて得
られるウレタンゴム等が好ましい。
【0079】一方、支持部材212は板状の金属部材や
プラスチック部材で構成される。金属部材としてはステ
ンレス鋼板、アルミ板、或いは制震鋼板等が好ましい。
【0080】クリーニングブレードと支持部材は互いに
一部が並列に接合されることを特徴とするが、ここで並
列に接合されるとは支持部材とブレードを並列面(重ね
合わせて)で接合することを意味する。即ち、図4
(a)〜(f)に示すように支持部材とブレードを一
部、相互に並列に重ね合わせて、並列面で接合すること
を意味する。一方、直列に接合するとは図4(g)に示
すように支持部材とブレードが直線状に接合されること
を意味する。
【0081】本発明ではクリーニングブレードを支持部
材に並列に接合することにより、クリーニングブレード
と支持部材の接合面積を十分に確保することができ、安
定した接合が達成され、ブレードの振動を安定させるこ
とができる。それに加えて、支持部材或いはクリーニン
グブレードに制震材を貼り合わせることにより、より効
果的にクリーニングブレードの振動を抑制することがで
き、その結果、クリーニング装置が感光体の上方に設置
されてもトナーすり抜けやブレードめくれの発生しない
良好なトナーのクリーニングを達成できる。
【0082】ブレードと支持部材の接合部は接合強度を
安定させるため接合部の最短幅が3mm以上、好ましく
は5mm以上あることが好ましい。ブレードと支持部材
の接合は熱可塑性樹脂接着剤、熱硬化性接着剤、エラス
トマ接着剤等の接着剤、或いは両面接着テープ、及び両
面接着テープと接着剤の併用等を用いて行うことができ
る。
【0083】感光体表面へのクリーニングブレードの適
正圧接条件は、諸特性の微妙なバランスにより決められ
ており、かなり狭いものである。クリーニングブレード
の厚み等の特性によっても変わり、設定には精度を要す
る。しかし、クリーニングブレードは作製時にどうして
もその厚みに多少のバラツキができるため、適正な条件
で常に設定されるとはいえず、例え当初は適正に設定さ
れても、適正領域が狭いため使用の過程で適正領域から
はずれてしまうこともある。特に高分子量のバインダー
樹脂を用いた有機感光層と組み合わせた場合、適正領域
からはずれると、ブレードめくれやトナーすり抜けの原
因となる。
【0084】従って、クリーニングブレードの特性のバ
ラツキ等をキャンセルするためにも本発明は有効な手段
であり、クリーニングブレードの厚みのバラツキが例え
あっても、ブレード或いはその支持部材に貼られた制震
材により、ブレードの振動を効果的に吸収することによ
り、感光体面へのクリーニングブレードの設定条件を適
正領域の中に安定に維持することができる。
【0085】又、クリーニングブレードの物性として
は、硬度は25±5℃におけるJISA硬度が55〜9
0の範囲が好ましい。55よりも小さくなるとクリーニ
ング性能が低下しやすく、90より大きくなるとブレー
ドの反転が起こり易い。また、クリーニングブレードの
反発弾性は25〜80の範囲が好ましい。反発弾性が8
0を超えるとブレードの反転がおこり易くなり、25未
満だとクリーニング性能が低下する。ヤング率は、29
4〜588N/cm2の範囲のものが好ましい。
【0086】本発明で制震材とは、クリーニングブレー
ド或いはその支持部材に貼り合わせてそれらの振動を小
さく抑制する部材であり、振動抑制効果を有する部材で
あればどんな部材でも良い。
【0087】具体的な制震材としては、振動抑制効果と
しては振動の大きさを以下の方法で測定し、制震材なし
の場合に比し、振動の大きさが20%以上減衰するもの
が好ましい。
【0088】振動の大きさ測定方法クリーニングブレー
ドと並列に接合された支持部材に小野測器社製加速度検
出器NP−3210のセンサーを取り付け、感光体が一
定回転になったときの振動を前記センサーにより10秒
間読取り、該センサーからの出力データーを「ONO
SOKKI CF6400 4チャンネルインテリジェ
ントFFアナライザ」で演算処理して前記振動の振幅の
平均値を得、これを前記ブレードの振動の大きさ(n
m)で表した。但し、上記センサー取り付け位置に制震
材が貼り付けられている場合は、センサー取り付け位置
の制震材を除去し、測定する。
【0089】又本発明の制震材としては粘性と弾性の両
特性を有する粘弾性材料が好ましい。特に、本発明で好
ましく用いられる粘弾性材料としては振動周波数:10
-2〜107Hz(温度(0〜100℃の範囲)をパラメ
ーターとして)の範囲(図5の横軸)で測定された振動
減衰特性を複素数表示した場合、実数部で表される動的
剪断弾性係数G1と虚数部の動的損失係数G2の比G2
1をηとすると、ηの最大値(ηmax:最大損失係数)
が0.3〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5の範
囲にある粘弾性材料が好ましい。ηmaxがこの範囲にあ
る粘弾性材料は防震効果が大きい。又、ηmaxが得られ
た時のG1は6.9×102〜6.9×104(kPa)
が好ましい。
【0090】上記振動減衰特性の測定は高周波粘弾性ス
ペクトロメーターVES−HC(岩本製作所製)で測定
し、図5に示すようなηの周波数依存性を示したグラフ
からηmaxを求めることが出来る。
【0091】これらの制震材としては市販品としては住
友3M社製のVEMシリーズやブリヂストン社製のLR
シリーズのダンパー等の制震材があるが、この他にも制
震材材料を複合化することにより、上記G1やηmaxの特
性を変えた制震材を作製することができる。
【0092】一方、本発明はこれらの制震材をクリーニ
ングブレード、或いはブレードを支持する支持部材に貼
り合わせることにより、クリーニングブレード及びその
支持部材の振動を効果的に減数せしめることができ、そ
の結果、トナーのクリーニング性が良く、ブレードめく
れ等の発生を防止する。
【0093】効果的な制震材の貼り合わせ具体例を図4
に示す。図4において制震材はy(斜線部)、クリーニ
ングブレードは211、支持部材は212で示されてい
る。
【0094】図4(a)〜(e)は本発明の例であり、
図4(f)、図4(g)は本発明外の例である。
【0095】図4(a)〜(e)の図ではクリーニング
ブレード211と支持部材212は互いに一部が並列に
重ねて接合されている。一方、図4(f)は制震材を用
いないものであり、図4(g)はクリーニングブレード
211と支持部材212が直列に接合されている。
【0096】図4(a)はクリーニングブレードと支持
部材の間に制震材yが貼り合わされた例、(b)はクリ
ーニングブレード上に貼り合わされた例、(c)〜
(e)は支持部材に貼り合わせた例である。このように
制震材を用いることにより、後の実施例の結果に示され
るように、制震材を用いない図4(f)やクリーニング
ブレード211と支持部材212が直列に接合された図
4(g)に比し、図4(a)〜(e)はトナーのすり抜
けやブレードめくれが発生しない良好なクリーニング特
性を示す。
【0097】上記制震材の貼り合わせ面積(制震材の片
面面積)をS1とし、クリーニングブレードの面積(図
6のクリーニングブレードの自由長方向の長さaと感光
体軸方向の長さbの積)をS2とすると、S1/S2
0.05〜12の範囲が好ましい。0.05未満では効
果が出にくく、12を超えても効果が増大しにくい。S
1/S2は0.3〜5の範囲が更に好ましく、0.5〜3
の範囲が最も好ましい。
【0098】クリーニングブレード又は支持部材への制
震材の張り合わせは両面接着テープ、接着剤等を用いて
行うことができるが、制震材自体がテープ状、或いはシ
ート状に加工されていて、そのまま接着できるものは、
そのまま使用する事ができる。
【0099】次に、有機感光体について記載する。本発
明において、有機電子写真感光体(有機感光体)とは電
子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電
荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持た
せて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電
荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光
体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成し
た感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0100】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性支持体 感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円
筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパ
クトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ま
しい。
【0101】円筒状導電性支持体とは回転することによ
りエンドレスに画像を形成できる円筒状の支持体を意味
し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範
囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振
れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0102】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0103】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0104】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0105】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0106】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0107】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0108】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0109】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0110】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0111】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0112】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0113】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0114】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0115】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。又電荷輸送層が表面層と
なる感光体の場合は、機械的摩耗に強いポリカーボネー
トが好ましく、このようなポリカーボネートとしては平
均分子量が40,000〜25,000のポリカーボネ
ートが好ましい。ここで平均分子量は数平均分子量、重
量平均分子量、及び粘度平均分子量のいずれのものでも
よい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バイ
ンダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好
ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ま
しい。
【0116】保護層 感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができ
る。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、機械的強
度の強い有機感光体を得ることができる。
【0117】中間層、感光層、保護層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0118】次に有機電子写真感光体を製造するための
塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形
量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の
上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、
又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形
量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等
の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前
記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好まし
い。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58
−189061号公報に詳細に記載されている。
【0119】次に本発明に用いられるトナーについて記
載する。トナーは個々のトナー粒子の粒度分布、及び形
状が比較的均一な重合トナーが好ましい。ここで、重合
トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形
状が、バインダー樹脂の原料モノマーの重合及びその後
の化学的処理により形成されて得られるトナーを意味す
る。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と
必要により該重合反応後に行われる粒子同志の融着工程
を経て得られるトナーを意味する。
【0120】本発明のクリーニングブレードを用いたク
リーニング装置に用いられる重合トナーとしては特定の
形状を有するトナーが好ましい。以下、本発明に好まし
く用いることのできる重合トナーについて記載する。
【0121】本発明に適用される好ましい重合トナーと
しては、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が1
6%以下であるトナーを使用することである。このよう
な重合トナーを使用しても本発明ではクリーニングブレ
ードの振動を安定させることができ、優れたクリーニン
グ性能を発揮することを見出した。
【0122】又、クリーニングブレードの振動の安定性
は、トナー粒子の粒径によっても異なり、粒子径の小さ
いものの方が像担持体への付着力が高いために、振動が
過大となりやすく、且つトナーがクリーニングブレード
をすり抜ける確率が高い。しかしながら、トナー粒子径
が大きいものでは、このようなすり抜けは減少するが、
解像度等の画質が低下する問題が発生する。
【0123】以上の観点より検討を加えた結果、トナー
の形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナー
の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であ
るトナーを使用することにより、クリーニング性、細線
再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成する
ことができることを見出した。
【0124】また、角がないトナー粒子を50個数%以
上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以
下に制御したものを使用することにより、クリーニング
性、細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって
形成することができる。
【0125】本発明のトナーの形状係数は、下記式によ
り示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示
す。
【0126】形状係数=((最大径/2)2×π)/投
影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0127】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0128】本発明の好ましい重合トナーとしては、こ
の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が
65個数%以上とすることであり、より好ましくは、7
0個数%以上である。
【0129】この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度
に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面の
トナーが入れ替わりやすくなるために、現像ゴースト等
の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕
しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの
帯電性が安定する。
【0130】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナ
ーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内に
なるように添加して調整する方法がある。また、いわゆ
る重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、
形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調
整したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調整する
方法がある。
【0131】本発明に好ましく用いられる重合トナーの
形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0132】変動係数=〔S/K〕×100(%) 〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕 この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましく
は14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下
であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少し
て定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。ま
た、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0133】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキがなく均一に制御す
るために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状
制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子
(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程
終了時期を決めてもよい。
【0134】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0135】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0136】トナーの個数粒度分布および個数変動係数
はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマ
ルチサイザー(コールター社製)で測定されるものであ
る。本発明においてはコールターマルチサイザーを用
い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機
製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0137】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%) 〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。〕 トナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは
25%以下である。個数変動係数が27%以下であるこ
とにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性
が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電
量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が
向上する。
【0138】個数変動係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分
級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さく
するためには液中での分級が効果的である。この液中で
分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制
御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応
じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0139】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0140】角がないトナー粒子とは、電荷の集中する
ような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突
部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図
17(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとす
るときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの
周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場
合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださな
い場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的には
み出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1
箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長
径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の
平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる
粒子の幅をいう。なお、図17(b)および(c)は、
それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0141】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0142】本発明のトナーにおいて、角がないトナー
粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個
数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数
%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのスト
レスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、
いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なト
ナーの存在を防止することができるとともに、現像剤搬
送部材に対する汚染を抑制することができ、帯電量もシ
ャープにすることができる。また、摩耗、破断しやすい
トナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒
子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなっ
て、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成
できる。
【0143】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0144】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階
では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑で
ないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および
攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角
がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の
物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガ
ラス転移点温度以上で、より高回転数とすることによ
り、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成でき
る。
【0145】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有
機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体
の組成によって制御することができる。
【0146】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なく
することができ、現像性を長期に渡って安定化すること
ができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーン
の画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0147】本発明に好ましく用いられる重合トナーと
しては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自
然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で
複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグ
ラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度
数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含
まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が7
0%以上であるトナーであることが好ましい。
【0148】相対度数(m1)と相対度数(m2)との和
(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒
度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工
程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制する
ことができる。
【0149】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0150】〔測定条件〕 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0151】形状係数を制御する方法の中では重合法ト
ナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比
較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0152】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、
微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤
等を添加して会合する方法で製造することができる。会
合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分
散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に
離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳
化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂
粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0153】なお、本発明でいうところの水系媒体と
は、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示
す。
【0154】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することでトナーを調製する。
【0155】また、本発明のトナーを製造する方法とし
て樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製
する方法も挙げることができる。この方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、特開平5−26
5252号公報や特開平6−329947号公報、特開
平9−15904号公報に示す方法を挙げることができ
る。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散
粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒
子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳
化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤
を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガ
ラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成し
つつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところ
で水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪
拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒
子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによ
り、トナーを形成することができる。なお、ここにおい
て凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加
えてもよい。
【0156】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0157】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0158】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0159】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0160】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0161】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0162】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0163】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0164】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)高分子学会編」等に記述されて
おり、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。ま
た、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることもできる。
【0165】凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であ
ればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、
さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0166】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明におい
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることができる。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0167】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0168】なお、形状を均一化させるためには、着色
粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以
上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ま
しいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが
好ましい。この理由としては、極性基が存在している重
合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発
揮するために、形状の均一化が特にはかられやすいもの
と考えられる。
【0169】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0170】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0171】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0172】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0173】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0174】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0175】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0176】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。以
下、本発明に好ましく用いられる反応装置について記載
する。
【0177】図7は、一般的に使用されている攪拌翼の
構成が一段の反応装置(攪拌装置)を示す説明図であ
り、2は攪拌槽、3は回転軸、4は攪拌翼、9は乱流形
成部材である。
【0178】懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。この理由としては明確ではな
いが、図7に示されるような攪拌翼4の構成が一段の場
合には、攪拌槽2内に形成される媒体の流れが攪拌槽2
の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。
そのため、従来では一般的に攪拌槽2の壁面などの乱流
形成部材9を配置することで乱流を形成し、攪拌の効率
を増加することがなされている。しかし、この様な装置
構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流
の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結
果として粒子に対するズレが少なくなるために、形状を
制御することができない。
【0179】懸濁重合法において好ましく使用すること
のできる攪拌翼を備えた反応装置について図面を用いて
説明する。
【0180】図8および図9は、それぞれ、そのような
反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図8
および図9に示す反応装置において、熱交換用のジャケ
ット1を外周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2内の中
心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に攪拌槽2の底面
に近接させて配設された下段の攪拌翼40と、より上段
に配設された攪拌翼50とが設けられている。上段の攪
拌翼50は、下段に位置する攪拌翼40に対して回転方
向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明
のトナーを製造する場合において、交差角αは90°未
満であることが好ましい。この交差角αの下限は特に限
定されるものでは無いが、5°程度以上であることが好
ましく、更に、好ましくは10°以上である。なお、三
段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接してい
る攪拌翼間で交差角αが90度未満であることが好まし
い。
【0181】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側
への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌
翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさ
らに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも
下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速さ
れて進行するものと推定される。この結果、乱流として
形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるた
めに、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推
定される。
【0182】なお、図8および図9中、矢印は回転方向
を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9
は攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0183】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図16に記載する。図16(a)に示す攪拌
翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5
bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に
示す攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)がある
もの、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0184】図10〜図14は、それぞれ、好ましく使
用することのできる攪拌翼を備えた反応装置の具体例を
示す斜視図であり、図10〜図14において、1は熱交
換用のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、7は上部
材料投入口、8は下部材料投入口、9は乱流形成部材で
ある。
【0185】図10に示す反応装置において、攪拌翼4
1には折り曲げ部411が形成され、攪拌翼51にはフ
ィン(突起)511が形成されている。
【0186】なお、攪拌翼に折り曲げ部が形成されてい
る場合において、折り曲げ角度は5〜45°であること
が好ましい。
【0187】図11に示す反応装置を構成する攪拌翼4
2には、スリット421が形成されていると共に、折り
曲げ部422およびフィン423が形成されている。
【0188】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼52
は、図8に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0189】図12に示す反応装置を構成する攪拌翼4
3には、折り曲げ部431およびフィン432が形成さ
れている。
【0190】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼53
は、図8に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0191】図13に示す反応装置を構成する攪拌翼4
4には、折り曲げ部441およびフィン442が形成さ
れている。
【0192】また、当該反応装置を構成する攪拌翼54
には、中孔部541が中央に形成されている。
【0193】図14に示す反応装置には、攪拌翼45
(下段)と、攪拌翼55(中段)と、攪拌翼65とによ
る三段構成の攪拌翼が設けられてなる。
【0194】これら折り曲げ部や上部あるいは下部への
突起(フィン)を有する構成を持つ攪拌翼は、乱流を効
果的に発生させるものである。
【0195】なお、上記の構成を有する上段と下段の攪
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくと
も攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。
【0196】さらに、攪拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95
%である。
【0197】また、懸濁重合法において層流を形成させ
る場合に使用される反応装置の一例を図15に示す。こ
の反応装置には、乱流形成部材(邪魔板等の障害物)は
設けられていない点に特徴を有する。
【0198】図15に示した反応装置を構成する攪拌翼
46および攪拌翼56は、それぞれ、図8に示す反応装
置を構成する攪拌翼40および攪拌翼50と同様の形状
および交差角αを有している。また、図15において、
1は熱交換用のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、
7は上部材料投入口、8は下部材料投入口である。
【0199】なお、層流を形成させる場合に使用される
反応装置としては、図15に示されるものに限定される
ものではない。
【0200】また、かかる反応装置を構成する攪拌翼の
形状については、乱流を形成させないものであれば特に
限定されないが、方形板状のもの等、連続した面により
形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0201】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0202】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0203】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌翼および攪拌槽と
しては、前述の懸濁重合法において層流を形成させる場
合と同様のものが使用でき、例えば図15に示すものが
使用できる。攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔
板等の障害物を設けないことが特徴である。攪拌翼の構
成については、前述の懸濁重合法に使用される攪拌翼と
同様に、上段の攪拌翼が、下段の攪拌翼に対して回転方
向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成
とすることが好ましい。
【0204】この攪拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図16(a)に示した方形板状のもの等、連続
した面により形成されるものが好ましく、曲面を有して
いてもよい。
【0205】また、本発明のトナーでは、外添剤として
無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用す
ることでより効果を発揮することができる。この理由と
しては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することが
できるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0206】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0207】疎水化度=(a/(a+50))×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0208】本発明に用いられるトナーには外添剤とし
ては脂肪酸金属塩が添加されてもよい。脂肪酸及びその
金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペン
タデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン
酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン
酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜
鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナ
トリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。本
発明においては、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
【0209】二成分現像剤を調製するためには、トナー
とキャリアとを混合して調製される。現像剤に対するト
ナー濃度としては2〜10質量%に混合して使用され
る。
【0210】本発明に係わる現像方法は、特に限定され
ない。感光体表面と現像剤層とが現像領域で接触した状
態で現像が行われる接触現像方法であっても、感光体と
現像剤層とが現像領域で非接触の状態に保たれ、交番電
界等の作用により感光体表面と現像剤層間の間隙をトナ
ーを飛翔させて現像する非接触現像方法であってもよ
い。
【0211】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0212】本発明に用いる感光体として以下の感光体
を作製した。 感光体P1の製造 ポリアミド樹脂アミランCM−8000(東レ社製)3
0gをメタノール900ml、1−ブタノール100m
lの混合溶媒中に投入し50℃で加熱溶解した。この液
を外径80mm、長さ360mmの円筒状アルミニウム
導電性支持体上に塗布し、0.5μm厚の中間層を形成
した。
【0213】次に、シリコーン樹脂KR−5240(信
越化学社製)10gを酢酸t−ブチル1000mlに溶
解し、これにY−TiOPc(特開昭64−17066
号図1記載)10gを混入しサンドミルを用いて20時
間分散し、電荷発生層塗工液を得た。この液を用いて、
前記中間層上に塗布し、0.3μm厚の電荷発生層を形
成した。
【0214】次に、CTM(T−1:N−(4−メチル
フェニル)−N−{4−(β−フェニルスチリル)フェ
ニル}−p−トルイジン)150gと粘度平均分子量5
万のポリカーボネート樹脂TS−2050(帝人化成
(株)製)200gを1,2−ジクロロエタン1000
mlに溶解し、電荷輸送層塗工液を得た。この液を用い
て、前記電荷発生層上に円形スライドホッパーにて塗布
を行った後、100℃で1時間乾燥し、22μm厚の電
荷輸送層を形成した。このようにして中間層、電荷発生
層、電荷輸送層からなる感光体P1を得た。
【0215】感光体P2の製造 感光体P1の製造例で得た感光体P1の表面に、CTM
(T−1)30gと粘度平均分子量8万のポリカーボネ
ート樹脂ユーピロンZ−800(三菱ガス化学社製)5
0gを1,2−ジクロロエタン1000mlに溶解した
塗工液を用いて、前記電荷輸送層上に円形スライドホッ
パーにて塗布を行った後、100℃で1時間乾燥し、5
μm厚のオーバーコート層を形成し、感光体P2を得
た。
【0216】以下に本発明に用いるトナーを作製した。 トナーT1、T2の製造(乳化重合法の例) n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.
0Lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330
R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを
徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグライン
ダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散し
た。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイ
オン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性
剤溶液A」とする。
【0217】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0218】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全
量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水4
4.0Lを加える。
【0219】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過し、これを「ラテックス−A」とす
る。
【0220】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0221】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解し
た溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加
物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶
液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0222】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とする。
【0223】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃
度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶
液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入
れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0L
を投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレ
ン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgと
メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とした。
【0224】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0225】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とする。
【0226】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とする。
【0227】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100LのS
US反応釜(図15に示した構成の反応装置、交差角α
は20°)に、上記で作製したラテックス−A=2
0.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分
散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入
れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム
溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00k
g、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。そ
の後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度8
5℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時
間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。
次に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止する。
【0228】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5Lの反応容器(図15に示
した構成の反応装置、交差角αは20°)に、上記で作
製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃
±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御し
た。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に
遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を
行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合
液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。
【0229】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得ら
れた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部
およびステアリン酸亜鉛0.1質量部をヘンシェルミキ
サーにて外添混合して下表の如き、乳化重合会合法によ
るトナーを得た。前記塩析/融着段階および形状制御工
程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時
間を制御することにより、形状および形状係数の変動係
数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分
布の変動係数を調整して、表1に示すトナーT1、及び
トナーT2を得た。
【0230】トナーT3の製造(懸濁重合法の例) スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、カ
ーボンブラック10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属
化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g、パ
ラフィンワックス(mp70℃)20gを60℃に加温
し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて120
00rpmで均一に溶解、分散した、これに重合開始剤
として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)
10gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製し
た。ついで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナト
リウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて1
3000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム
68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた懸
濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量体組成物
を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで2
0分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その
後、攪拌翼の構成が図8に示したような構成の反応装置
(交差角αは45°)を使用し、75〜95℃にて5〜
15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶
解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により
液中にて分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥させた。
得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質
量部およびステアリン酸亜鉛0.1質量部をヘンシェル
ミキサーにて外添混合して懸濁重合法によるトナーを得
た。
【0231】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、下記表1に示すトナーT3を得た。
【0232】
【表1】
【0233】現像剤の作製 現像剤1の作製 前記トナーT1、100部に対して外添剤として平均粒
径12nmの疎水性シリカ粒子(R805:日本アエロ
ジル社製)0.4部、チタニア粒子(T805:日本ア
エロジル社製)0.6部を混合し、ヘンシェルミキサー
で常温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分
間混合し、負帯電性トナーを得た。このトナーの固着率
は45%であった。
【0234】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した
体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し
て、トナー濃度が5%の現像剤1を調製した。
【0235】現像剤2、3の作製 前記現像剤1の作製においてトナーT1の代わりにトナ
ーT2を用いた他は同様にして現像剤2を調製した。
又、トナーT1の代わりにトナーT3を用いた他は同様
にして現像剤3を調製した。
【0236】実施例1 クリーニングブレードと支持部材の接合形態、制震材の
貼り合わせ位置、ブレードの当接荷重、当接角の組み合
わせ(1A〜1G)を表2に記載したように作製し、基
本的に図1〜図3に記載の上方クリーニング装置を有す
るコニカ社製デジタル複写機Konica7050改造
機(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、爪
分離、クリーニングブレードを採用プロセスを有する)
を用いて、トナーすり抜け、ブレードめくれ、クリーニ
ングブレードの震動の大きさの評価を行った。評価は画
素率が7%の文字画像、中間調写真画像、ベタ白画像、
ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像
を用い、常温常湿環境下(24℃、60%RH)A4紙
50枚/分の複写実験を90分間連続で行った。但し、
上記評価スタート前に感光体とクリーニングブレードを
なじませるために、感光体とクリーニングブレードにセ
ッティングパウダーを散布し、感光体を1分間回転させ
た。
【0237】クリーニングブレード:硬度70度、反発
弾性60%、厚さ2mm、自由長9mm、感光体軸方向
長さ340mm、幅18mm、S2:6120mm2 制震材:スコッチダンプSJ2015X−Type11
0(住友3M社製) (最大損失係数ηmax≒1.2) クリーニングブレードと支持部材の接合幅(並列接合の
場合:9mm、直列接合の場合(図4の(g)の場
合):2mm) 感光体:P1 現像剤:1(トナーT1) その他のクリーニング条件 クリーニングブレード当接角:表2に記載 クリーニングブレード荷重(N/m):表2に記載 その他評価条件 尚、上記7050改造機を用いたその他の評価条件は下
記の条件に設定した。
【0238】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定した。
【0239】現像条件 DCバイアス;−550V Dsd;550μm 現像剤層規制;エッジカット方式 現像剤層厚;700μm 現像スリーブ径;40mm 転写条件 転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA クリーニング性の評価 評価項目と評価基準 トナーすり抜け ○:現像トナーのすり抜けなし △:現像トナーの0〜10%未満すり抜け ×:現像トナーの10%以上すり抜け ブレードめくれ ○:ブレードめくれ発生なし △:部分的なブレードめくれ発生 ×:全面的なブレードめくれ発生 クリーニングブレードの振動の大きさ クリーニングブレードと並行に接合された支持部材に小
野測器社製加速度検出器NP−3210のセンサーを取
り付け、感光体が一定回転になったときの振動を前記セ
ンサーにより10秒間読取り、該センサーからの出力デ
ーターを「ONO SOKKI CF6400 4チャ
ンネルインテリジェントFFアナライザ」で演算処理し
て前記振動の振幅の平均値を得、これを前記ブレードの
振動の大きさ(μm)で表した。
【0240】評価結果を表2に記す。
【0241】
【表2】
【0242】表2から明らかなようにクリーニングブレ
ードと支持部材が並列に接合され、且つ制震材を貼り合
わせた1A〜1Eの本発明内の組合せはトナーすり抜
け、ブレードめくれの発生もなく、良好なクリーニング
特性を示しているのに対し、本発明外の1F、1Gは振
動の大きさ評価においても、本発明内のものに比し、大
きく、且つトナーすり抜け、ブレードめくれ等が発生し
ている。
【0243】実施例2 クリーニングブレード、制震材、感光体、現像剤等の条
件を下記のものに代えた他は実施例1と同様にして評価
を行った。
【0244】クリーニングブレード:硬度70度、反発
弾性50%、厚さ2.5mm、自由長5mm 制震材:スコッチダンプSJ2015X−Type11
2(住友3M社製) (最大損失係数ηmax≒1.0) 感光体:P2 現像剤:2(トナー:T2) その他のクリーニング条件 クリーニングブレード当接角:表3に記載 クリーニングブレード荷重(N/m):表3に記載 その他の評価条件は実施例1と同じ。
【0245】結果を表3に示す。
【0246】
【表3】
【0247】表3から明らかなようにクリーニングブレ
ードと支持部材が並列に接合され、且つ制震材を貼り合
わせた2A〜2Eの本発明内の組合せはトナーすり抜
け、ブレードめくれの発生もなく、良好なクリーニング
特性を示しているのに対し、本発明外の2F、2Gは振
動の大きさ評価においても、本発明内のものに比し、大
きく、且つトナーすり抜け、ブレードめくれ等が発生し
ている。
【0248】実施例3 感光体、現像剤を下記のものに代え、制震材の種類を表
4のように変更し、クリーニングブレードと支持部材の
接合形態、制震材の貼り合わせ位置、ブレードの当接荷
重、当接角の組み合わせ(3A〜3C)を表4の記載の
ようにした以外は実施例1と同じ条件で評価した。評価
結果を表4に示した。
【0249】感光体:P2 現像剤:2(トナー:T2)
【0250】
【表4】
【0251】表4から明らかなようにクリーニングブレ
ードと支持部材が並列に接合され、且つ制震材を貼り合
わせた3A〜3Cの本発明内の組合せはトナーすり抜
け、ブレードめくれの発生もなく、良好なクリーニング
特性を示している。
【0252】実施例4 制震材の粘弾性特性を表5のように変更した以外は実施
例1の1Aと同じ条件で評価した。評価結果を表5に示
した。
【0253】
【表5】
【0254】表5から明らかなように制震材の最大損失
係数ηmaxが0.3〜2.0の範囲にあるものはトナー
すり抜け、ブレードめくれの発生もなく、良好なクリー
ニング特性を示しており、振動の大きさの減衰効果も大
きい。特に最大損失係数ηma xが0.5〜1.5の範囲
の制震材は効果が大きい。
【0255】実施例5 表6に記載のように制震材の貼り合わせ面積S1とクリ
ーニングブレード面積S2を更に大きく変化させた以外
は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表6に示
した。
【0256】
【表6】
【0257】表6から明らかなようにS1/S2の比が
0.05〜12の全ての領域で効果が見られるが、特に
0.3〜5の領域が効果が大きい。
【0258】
【発明の効果】前記実施例からも明らかなように、本発
明のクリーニング装置を用いることにより有機感光体上
の残留トナーをブレードめくれやトナーすり抜けの発生
もなく、効果的にクリーニングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概要
構成図である。
【図2】本発明のクリーニングブレードを用いたクリー
ニング装置の構成図である。
【図3】本発明のクリーニングブレードと円筒状有機感
光体の関係を説明した図である。
【図4】制震材の貼り合わせ具体例を示す図である。
【図5】ηの周波数依存性を示したグラフである。
【図6】クリーニングブレードの面積を示した図であ
る。
【図7】攪拌翼の構成が一段の反応装置を示す説明図で
ある。
【図8】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の一例を示す斜視図である。
【図9】図8に示した反応装置の上面断面図である。
【図10】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図11】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図12】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図13】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図14】好ましく使用することのできる攪拌翼を備え
た反応装置の具体例を示す斜視図である。
【図15】層流を形成させる場合に使用される反応装置
の一例を示す斜視図である。
【図16】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図17】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示
す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角の
あるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【符号の説明】
10 感光体 12 書き込みユニット 14 帯電電極 16 現像器 18 転写電極 20 分離電極 21 クリーニング装置 161 滞留トナー 211 クリーニングブレード 212 支持部材 214 弾性板 218 枠体 219 シート状導電性部材 E 画像形成部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリーニ
    ングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先端
    が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方を
    0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するクリ
    ーニング装置において、 該クリーニングブレードとクリーニングブレードの支持
    部材は互いに一部が並列に接合されており、且つクリー
    ニングブレードに制震材を貼り合わせたことを特徴とす
    るクリーニング装置。
  2. 【請求項2】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリーニ
    ングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先端
    が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方を
    0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するクリ
    ーニング装置において、 該クリーニングブレードとクリーニングブレードの支持
    部材は互いに一部が並列に接合されており、且つ該支持
    部材に制震材を貼り合わせたことを特徴とするクリーニ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体上のトナーを除去するクリーニ
    ングブレードを有し、且つ該クリーニングブレード先端
    が円筒中心角度(β)±30度(円筒中心軸鉛直上方を
    0度とする)以内に、円筒状有機感光体に当接するクリ
    ーニング装置において、 該クリーニングブレードとクリーニングブレードの支持
    部材は互いに一部が並列に接合されており、且つクリー
    ニングブレードと支持部材の間に制震材を貼り合わせた
    ことを特徴とするクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 前記制震材として、最大損失係数ηmax
    が0.3〜2.0の粘弾性材料を用いることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載のクリーニング装
    置。
  5. 【請求項5】 制震材の貼り合わせ面積をS1、クリー
    ニングブレードの面積をS2とすると、S1/S2が0.
    05〜12の範囲であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  6. 【請求項6】 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置
    された円筒状有機感光体上に形成された静電潜像を現像
    手段によりトナー像を形成し、該トナー像を転写材に転
    写した後、円筒状有機感光体上に残留するトナーを除去
    するクリーニング装置を有する画像形成方法において、
    該クリーニング装置は請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成
    方法。
  7. 【請求項7】 前記現像手段に用いるトナーとして、ト
    ナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下であり、且
    つ該トナー粒子の個数粒度分布における個数変動係数が
    27%以下であるトナーを用いることを特徴とする請求
    項6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記現像手段に用いるトナーとして、形
    状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65
    個数%以上含有するトナーを用いることを特徴とする請
    求項6又は7に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記現像手段に用いるトナーとして、角
    がないトナー粒子を50個数%以上含有するトナーを用
    いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記
    載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれか1項に記載の
    画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009042642A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP7487541B2 (ja) 2020-04-21 2024-05-21 コニカミノルタ株式会社 ブレードの製造方法、ブレード、画像形成装置および画像形成方法

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