JP2002196253A - 干渉縞投影光学系及びこの光学系を用いた顕微鏡 - Google Patents

干渉縞投影光学系及びこの光学系を用いた顕微鏡

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JP2002196253A
JP2002196253A JP2000395589A JP2000395589A JP2002196253A JP 2002196253 A JP2002196253 A JP 2002196253A JP 2000395589 A JP2000395589 A JP 2000395589A JP 2000395589 A JP2000395589 A JP 2000395589A JP 2002196253 A JP2002196253 A JP 2002196253A
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grating
light
optical system
lens
microscope
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JP2000395589A
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Inventor
Hisao Osawa
日佐雄 大澤
Yasushi Oki
裕史 大木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ安価に3次元白色表示が可能な格子
照明顕微鏡を提供する。 【解決手段】 白色光源1から出射した光は、コンデン
サレンズ2で平行光とされ1次元格子3を均一に照明す
る。格子3を透過した光はその焦点が格子3上にあるレ
ンズ4を透過しハーフミラー7で反射されたのち、レン
ズ4と瞳位置を共有する対物レンズ8で標本50に投影
される。レンズ4と対物レンズ8との共有瞳位置には空
間フィルタ5が設けられており、格子3に対する±1次
光成分のみを透過させ他の成分を除去する。このため、
標本上には±1次光のみによる正弦波状の干渉縞が生成
される。白色干渉縞で照明された像はハーフミラー7,
結像レンズ22を介してCCDカメラに撮像され、格子3
を1/3ピッチづつ移動させた3つの像を合成することに
より白色表示が可能な格子照明顕微鏡を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源装置に関し、
なお詳細には顕微鏡装置等に好適に用いられる白色の投
影光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から広く用いられている通常の光学
顕微鏡では、合焦位置から焦点をぼかしたときにも、合
焦時と何等変わりのない明るさの像が観察される。換言
すれば、焦点をぼかした高さの標本上に細かい構造がな
い限り、観察される明暗像から標本の構造を読みとるこ
とができない。従って、通常の顕微鏡では標本に対する
光学系の光軸方向の情報を得ることが困難であり、立体
構造を観察したい場合には不向きであった。
【0003】これに対して共焦点顕微鏡では、照明光を
集光して標本を点状に照明するとともに、その照明点で
散乱された光を結像させて点状の光検出器で検出するこ
とにより、標本中で焦点の合っている面のみの情報を得
るように構成している。そして、この照明点を標本上で
2次元的に走査させて検出値を合成することにより従来
の顕微鏡と同様の2次元的な情報(平面構造)を得るこ
とができる。さらに標本中の焦点面を光軸方向に移動さ
せて同様に2次元走査させることにより、3次元的な情
報(立体構造)を得ることができる。従って、共焦点顕
微鏡は標本の立体構造を観察したいという要求のあると
ころに、急速にその利用が拡大している。
【0004】ところが、共焦点顕微鏡は、その原理上標
本表面に光スポットを照射し、この光スポットを走査さ
せながら同期して光強度を計測する必要がある。このた
め、光スポットを標本に照射して走査させるための光学
系が必要であり、例えば、レーザを光源として用いる場
合には、レーザ発振器、スキャナー(ガルバノメーター
ミラー)、リレーレンズ、偏光光学素子等が、通常のラ
ンプを光源として用いる場合には、ニポウディスク(N
ipkow disc)、ディスク回転機構などが必要となる。こ
のため、いずれの光源を用いても顕微鏡システム全体が
大型化するうえ、安価に製造できないという問題があっ
た。
【0005】近年、上記問題を解決して安価に標本の3
次元画像を得ることができる小型の顕微鏡として、格子
状に標本を照明する顕微鏡(以下、本明細書において
「格子照明顕微鏡」という。)が開発され注目を集めて
いる。
【0006】この顕微鏡では、照明光が照射され標本で
散乱された光のうち、0次光の信号強度が焦点ずれに対
して殆ど変化しないのに対し、0次光以外の光成分は焦
点ずれによって急速に信号強度を失っていくことに着目
し、この特性を利用する。すなわち、標本を格子状に照
明して散乱光の主成分が0次光以外になるようにしてお
き、検出情報に残存する0次光成分を画像間の演算処理
によって除去して焦点ずれに対して敏感な(高分解能
の)顕微鏡を構成しようとするものである。この顕微鏡
の原理を簡単に説明する。標本の照明パターンとしてピ
ッチΛの一次元正弦波を仮定すると、その振幅分布S
(t,ω)は、
【0007】
【数1】
【0008】であるから、画像上の各点における光強度
I(t,ω)は次式で表される。
【0009】
【数2】
【0010】いま、位相φを、φ1=0,φ2=2π/3,
φ3=4π/3 として三つの画像を合成すると、通信工学
におけるSquare-Lawと同様にして、
【0011】
【数3】
【0012】となって、0次光成分の除去が行える。さ
らにこのとき焦点ずれさせた時の信号応答は、
【0013】
【数4】
【0014】従って、光学系の光軸方向の分解能がおよ
そ、
【0015】
【数5】
【0016】となり、標本の3次元情報を得ることがで
きる。
【0017】図4は、この原理に基づいて構成された格
子照明顕微鏡の主要構成を示したものである。レーザ光
源101から射出された光は、ハーフミラー102で二
つの光路に分岐され、一方はこのミラーを透過してミラ
ー106,107で反射され標本50を図における左斜
め上方から照明する。他方、ハーフミラー102で反射
された光は、ピエゾアクチュエータ124に固定された
ミラー103を介してミラー104,105で反射さ
れ、標本50を図における右斜め上方から照明する。
【0018】このとき、左右から照明する二つの光が、
標本50に垂直な観察軸から左右にそれぞれ同一の角度
θ傾いた入射角度で標本に入射するようにしておくと、
標本上には、
【0019】
【数6】 ピッチ=λ/(2sinθ) (6)
【0020】の干渉縞が生成される。すなわち、標本5
0は(6)式に示すピッチの格子状の光で照明された状態
になる。そして、この格子状に照明された標本の像を対
物レンズ121,リレーレンズ122でCCDカメラ1
23に結像させ、その信号を制御装置126に取り込む
ことで、第1の光強度分布I1が得られる。
【0021】次いで、制御装置126はPZTドライバ
ー125に指令信号を出力してピエゾアクチュエータ1
24を駆動(伸長または縮小作動)させ、ミラー103
をわずかに変位させる。このミラー変位量は、ミラー1
03の変位によりミラー105を介して標本50に入射
する光の標本上での変位量が、標本表面に平行な方向に
上記干渉縞のピッチの1/3、すなわちλ/(6sinθ)となる
ようにしておく。すると、標本上にはミラー103を変
位させる前の干渉縞に対して位相が1/3だけずれた干渉
縞が生成される。この干渉縞で照明された標本の像もC
CDカメラ123で撮像して制御装置126に取り込
み、第2の光強度分布I2として記憶させておく。
【0022】同様にピエゾアクチュエータ124を駆動
してミラー103を変位させ、干渉縞の位相をさらに1/
3ピッチ(最初の状態から2/3ピッチ)ずらせ、そのとき
の標本の像をCCDカメラ123で撮像して制御装置1
26に取り込み、第3の光強度分布I3として記憶させ
る。
【0023】そして、以上のようにして得た3つの画像
1,I2,I3を、前述した(3)式に代入してIPを計算す
ることで、標本上の焦点が合っている高さのみの2次元
画像を得ることができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示した従来の格子照明顕微鏡システム100では、2方
向から光を入射させて焦平面上に光の干渉作用を利用し
た干渉縞を生成させ、これによって正弦波状の強度分布
をもった照明を行っているため、光源101は単色(単
一波長)でなければならない。
【0025】例えば、光源として波長442nm(青),538nm
(緑),636nm(赤)の3波長同時発振ができるホローカソー
ド型He-Cdレーザのような白色レーザ光源を用いたと
しても、単一の入射角度で同様の照明を行ったときに標
本上に生じる干渉縞は、波長ごとにそのピッチが異なる
ため、全ての干渉縞をピエゾアクチュエータで同時に1/
3ピッチ分だけずらすということができない。例えば、
図4に示した光学系で、左右の照明光の入射角度θを45
度とすれば、(6)式から3色の干渉縞のピッチは、それ
ぞれ0.31μm,0.38μm,0.45μmとなり全くピッチが異な
っている。
【0026】このため、従来の格子照明顕微鏡の照明方
法では、単色の顕微鏡画像しか得ることができず、通常
の白色の照明光によるカラー画像の顕微鏡観察ができな
い、という大きな問題を有していた。
【0027】本発明は、上記問題に鑑みて成されたもの
であり、簡明な装置構成で白色の格子状照明ができる白
色干渉縞投影光学系を提供するとともに、小型かつ安価
に3次元カラー画像の顕微鏡観察ができる格子照明顕微
鏡を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、光源と、この光源の光で照明された格子と、格
子のフーリエ変換像を形成する第1光学素子と、フーリ
エ変換像位置に配置されフーリエ変換像のうち±1次光
成分を透過させ他の次数の光成分を除去する空間フィル
タと、空間フィルタを透過した±1次光による格子像を
形成する第2光学素子とからなり、被照明体上に±1次
光による干渉縞を生成させて干渉縞投影光学系を構成す
る。
【0029】なお、光源は白色光源であることが好まし
い。
【0030】また、格子は透過型の格子であることが好
ましい。
【0031】また、格子として位相格子を用いることが
好ましい。
【0032】さらに、第1光学素子及び第2光学素子は
レンズであることが好ましい。
【0033】そして、上記いずれかの白色干渉縞投影光
学系を用いて顕微鏡を構成する。
【0034】なお、格子3として透過型の格子を用い
る。
【0035】なお、格子からの光をコリメートする第1
光学素子、及び空間フィルタを透過した±1次光を被照
明体に結像させる第2光学素子として、前述したような
透過型の光学素子すなわちレンズを用いることにより、
装置構成を単純化して光軸調整を容易にすることがで
き、小型顕微鏡に好適な投影光学系を構成することがで
きる。
【0036】そして、これらの白色干渉縞投影光学系を
格子照明顕微鏡の照明光源として用いることにより、小
型かつ安価に3次元カラー画像の顕微鏡観察ができる格
子照明顕微鏡を得ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の課題解決手段の原
理について、図1を参照して説明する。この光学系10
は、白色光源1を用いてスクリーンS上に白色の干渉縞
を生成する白色干渉縞投影光学系の構成を示したもので
ある。なお、図では一つの格子を通過した0次光と±1
次光の軌跡を表示している。
【0038】白色光源1から出射した光は、コンデンサ
レンズ2で略平行光にされ、1次元格子3(13)を均一に
照射する。格子を通過した光はその焦点が格子3上にあ
るレンズ4を透過し、さらにレンズ4と瞳位置を共有す
るレンズ8を透過してスクリーンS上に結像される。
【0039】ここで、図中に示す空間フィルタ5が無け
れば一般的な投影光学系であり、スクリーンS上に格子
3の像が生成されるに過ぎない。本発明に係る投影光学
系では、レンズ4とレンズ8の共通の瞳位置に空間フィ
ルタ5(15)を設け、格子3を透過した光(格子3として
反射形の格子を用いる場合には反射した光)がもつ様々
な空間周波数成分のうち特定の成分の光のみを取り出
す。すなわち、本発明では、この空間フィルタ5で±1
次光以外の光成分を除去し、空間フィルタを透過した±
1次光成分のみでスクリーンS上に干渉縞を生成させ
る。
【0040】この結果、±1次光成分のみによって生成
される格子3の像は、2次以上の高次の空間周波数成分
をもたないため、たとえ格子3が一般的な1次元格子
(例えば透過面と反射面からなる振幅格子や、1/2ピッ
チごとに透過光路長が異なる位相格子)であっても、ス
クリーンS上には綺麗な正弦波状の強度分布をもった像
を生成させることができる。
【0041】次に、上記のような機能を持つ空間フィル
タ5の成立性について検討する。いま、振幅格子3のピ
ッチをpとすると、格子3を通過した光のうち±n次光
成分は、光軸に対してsinθ=nλ/pなる角度θをも
つ。従って、レンズ4の焦点距離をfとすると、空間フ
ィルタ5が置かれている瞳位置では、各次数の光は光軸
からの距離hとすれば、
【0042】
【数7】 h=fsinθ=nfλ/p (7)
【0043】なる位置を通る。つまり、空間フィルタ5
を通過しようとする光の位置は、格子に対する光の次数
によって異なった位置を通り、また0次光を除き各次数
の光はそれぞれ波長ごとに異なった位置を通る(各次数
ごとにスペクトルを生じる)。
【0044】ここで、白色光源1から射出される白色光
の波長帯域を400nm(紫)〜680nm(赤)とすれば、0次光の
通る位置はh0=0、±1次光はh1=400〜680f/p、
±2次光はh2=800〜1360f/pなる位置を通る。従っ
て、このように観察に利用する光の波長を最長波長が最
短波長の2倍以下となる波長帯域とし、f/pを適宜な
数値を選択することにより、±1次光成分のみを分離し
て透過させ他の次数の光成分を除去することができる。
なお、±3次光ではh3=1200〜2040f/pとなり、2次
スペクトルの赤の領域と3次スペクトルの紫の領域とが
一部重なってしまうため、上記波長帯域の白色光におけ
る±2次以上の次数の光を単独で取り出すことが困難な
ことも理解される。
【0045】このように、本発明の解決手段を用いるこ
とで簡明な装置構成で白色の格子状照明ができる白色干
渉縞投影光学系を提供することができる。
【0046】以上説明した白色干渉縞投影光学系10を
格子照明顕微鏡に適用した実施例について説明する。図
2は本発明の好適な第1実施例として、透過型の振幅格
子を用いて構成した格子照明顕微鏡20を示している。
【0047】ハロゲンランプや水銀ランプ等の白色光源
1を出射した光は、波長400〜680nmを透過する波長選択
フィルタ11を透過し、コンデンサレンズ2でほぼ平行
光とされ、1次元格子3を均一に照明する。この1次元
格子3は、例えば平行平板ガラス等の基板上に蒸着等で
付けたクロム膜などを、周期的なパターンで残るように
パターニングすることで、周期的な透過率変化をもたせ
た振幅格子である。
【0048】格子3を透過した光は、その焦点が格子3
上にあるレンズ4を透過し、ハーフミラー7で反射され
たのち、レンズ4と瞳位置を共有するレンズ(対物レン
ズ)8で標本50上に投影される。レンズ4と対物レン
ズ8との共有瞳位置には空間フィルタ5が設けられてい
る。
【0049】ここで、格子3は顕微鏡システムの構成に
よって適宜なピッチのもの(一般に数μm〜数百μm程
度)を選択できるが、本実施例では格子ピッチp=25μ
m,レンズ4の焦点距離f=250mmとした。このとき、格
子に対する±1次光のみを透過させる空間フィルタ5の
開口領域は(7)式から求められ、その光軸からh=4〜6.
8mmの位置を透過させるように2本のスリット状に構成
している。なお、空間フィルタ5で空間周波数を選別す
るのは格子3によって回折が起こる方向、すなわち格子
の向きに直交する方向のみである。こうすることによ
り、空間フィルタ5を透過する光は、格子3で回折され
た光のうち、400〜680nmの±1次光成分のみとなる。
【0050】空間フィルタ5でフィルタリングされた±
1次光はハーフミラー7及び対物レンズ8を介して標本
50に投影され、標本上に±1次光のみによる正弦波状
の干渉縞を生成する。
【0051】標本50で散乱された光は、対物レンズ8
及びハーフミラー7を透過後、結像レンズ22でCCD
カメラ23の撮像デバイス上に結像される。制御装置2
6はCCDカメラ23で撮像された像を取り込んで、第
1の光強度分布I1としてメモリー内に記憶する。
【0052】次いで、制御装置26はPZTドライバー
25に指令信号を出力してピエゾアクチュエータ24を
駆動(伸長または縮小作動)させ、格子3をその格子の
直交方向に格子ピッチの1/3だけ変位させる。これによ
り、標本50に投影される正弦波状の干渉縞も格子3の
変位に対応して位相が1/3ピッチ分だけ変化する。制御
装置26は、このときにCCDカメラ23で撮像される
像を第2の光強度分布I2としてメモリー内に記憶す
る。
【0053】制御装置26は、さらに格子3を変位させ
て干渉縞の位相をさらに1/3ピッチ分変化させ、そのと
きの標本の像をCCDカメラ23で撮像し、第3の光強
度分布I3としてメモリー内に記憶する。
【0054】そして、メモリー内に記憶された3枚の光
強度分布の画像I1,I2,I3を前述した(3)式に当てはめ
てIpを各画像点ごとに計算すれば、算出される各点の
信号は焦点の合っている面のみについて正弦波成分を除
去した標本自身の信号である。そこで、このIpからな
る信号を合成してCRT等に表示することにより、焦点
が合っている面のみの標本50の顕微鏡画像を得ること
ができる。
【0055】さらに、標本50が載置されている図示し
ないステージを上下(図中に矢印を付記する観察軸方
向)に移動させ、上述したと同様に強度分布を計測する
ことで、標本50の3次元像を得ることができる。
【0056】なお、波長選択フィルタ11は可視領域外
の不要な外乱光を除去するためのフィルタであり、本実
施例では白色光源1の直後としているが、光路中のいず
れの位置、例えばCCDカメラ23の直前であっても良
い。また、格子3やレンズ4は反射形の格子やミラーを
用いて構成することもできるが、上記のように透過型の
素子を用いることにより、光軸調整を容易に行え、さら
に小型かつ安価に格子照明顕微鏡を構成することができ
る。
【0057】次に、本発明の好適な第2実施例として、
図3に位相格子を用いて構成した格子照明顕微鏡30の
構成を示している。この格子照明顕微鏡30は、第1実
施例の格子照明顕微鏡20における振幅格子3及び空間
フィルタ5を、それぞれ位相格子13及び空間フィルタ
15に置き換えたことを除き、上記格子照明顕微鏡20
と同一構成である。そこで同一部分には同一番号を付し
て重複説明を省略する。
【0058】位相格子は、透過型の振幅格子のように光
の透過率を周期的に変化させるのではなく、透過する光
路の光学長(光路の幾何学的長さ×光路に沿った屈折
率)を1/2ピッチずつ周期的に変化させることで、透過
後の光の位相を周期的に変化させる格子である。そし
て、このような位相格子を図1における格子3として用
いたときにも、スクリーンS上には振幅格子を用いたと
同様に(但し同一周期の透過型振幅格子の場合の1/2照
明周期の)正弦波状の強度分布をもった像を生成させる
ことができる。
【0059】さらに、振幅格子を用いた場合には0次光
が最大強度成分となり、瞳位置に配設する空間フィルタ
5で0次光を除去する必要があったが、位相差をπとし
たような位相格子を用いた場合には原理的に0次光の強
度が弱いため、空間フィルタで0次光を除去する必要が
ない(後に空間フィルタ15として説明する)。加え
て、位相格子を透過した光のほとんどは±1次光に成分
に集まるため、光の利用効率が極めて高く、明るい白色
干渉縞投影光学系を提供することができる。
【0060】本実施例における格子13はピッチ50μm
の位相格子を用い、レンズ4は第1実施例と同様焦点距
離f=250mmのレンズを用いる。このとき、空間フィル
タ15の開口範囲は前記同様に(7)式で求められる。但
し、前述したように、格子として位相格子を用いたとき
には、原理上0次光(の強度)が弱いため、0次光を除去
する領域を設ける必要がない。このため、本実施例で
は、空間フィルタ15として、その光軸から±3.4mm以
内を通る光を透過させる矩形形状の空間フィルタを用い
ればよい。なお、空間フィルタで空間周波数を選別する
のは実施例1と同様格子13による回折の起こる方向の
みである。
【0061】このような構成をとることにより、空間フ
ィルタ15を透過した光は格子13で回折された光のう
ち、ほとんど400〜680nmの±1次光成分のみとなる。こ
の結果、標本50上には、第1実施例と同一ピッチの正
弦波状の干渉縞が生成される。
【0062】あとは、第1実施例と同様に、制御装置2
6が、PZTアクチュエータ24で格子13をそのピッ
チの1/3ずつ変位させながらそれぞれの光強度分布I1,
2,I3を順次メモリー内に記憶させ、これ等3枚の光
強度分布の画像I1,I2,I3を合成してCRT等に表示
させることにより、焦点が合っている面のみの標本50
の顕微鏡画像を得ることができる。そして、標本50が
載置されているステージを上下に移動させ、上記同様に
強度分布を計測することで、標本50の3次元像を得る
ことができる。
【0063】このような構成の格子照明顕微鏡30で
は、空間フィルタで0次光を除去する必要がないため、
空間フィルタ15の構成を極めて単純化することができ
ることに加えて、位相格子13を透過した光のほとんど
が±1次光に成分に集まるため、光の利用効率が極めて
高く、明るい視野を有した格子照明顕微鏡を提供するこ
とができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、光源の
光で照明された格子と、格子のフーリエ変換像を形成す
る第1光学素子と、フーリエ変換像位置に配置されフー
リエ変換像のうち±1次光成分を透過させ他の次数の光
成分を除去する空間フィルタと、空間フィルタを透過し
た±1次光による格子像を形成する第2光学素子とから
なり、被照明体上に±1次光による干渉縞を生成させて
干渉縞投影光学系を構成する。このため、以上に説明し
たような極めて簡明な構成で被照明体上に正弦波状の干
渉縞を生成させることができる。そして、このような干
渉縞投影光学系を格子照明顕微鏡に適用することによ
り、小型かつ安価に3次元表示が可能な格子照明顕微鏡
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る干渉縞投影光学系の原理を説明す
る説明図である。
【図2】本発明に係る顕微鏡の第1の好ましい実施例を
示す構成図である。
【図3】本発明に係る顕微鏡の第2の好ましい実施例を
示す構成図である。
【図4】従来の格子照明顕微鏡の構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
S スクリーン(被照明体) 1 白色光源 3 格子(振幅格子) 4 レンズ(第1光学素子) 5 空間フィルタ 8 レンズ,対物レンズ(第2光学素子) 10 白色干渉縞投影光学系 13 格子(位相格子) 15 空間フィルタ 20 格子照明顕微鏡(顕微鏡) 30 格子照明顕微鏡(顕微鏡) 50 標本(被照明体)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 前記光源の光で照明された格子と、 前記格子のフーリエ変換像を形成する第1光学素子と、 前記フーリエ変換像位置に配置され、前記フーリエ変換
    像のうち±1次光成分を透過させ他の次数の光成分を除
    去する空間フィルタと、 前記空間フィルタを透過した±1次光による前記格子像
    を形成する第2光学素子とからなり、 前記被照明体上に前記±1次光による干渉縞を生成させ
    ることを特徴とする干渉縞投影光学系。
  2. 【請求項2】 前記光源が白色光源であることを特徴と
    する請求項1に記載の干渉縞投影光学系。
  3. 【請求項3】 前記格子が透過型の格子であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の干渉縞投影光
    学系。
  4. 【請求項4】 前記格子が位相格子であることを特徴と
    する請求項3に記載の干渉縞投影光学系。
  5. 【請求項5】 前記第1光学素子又は前記第2光学素子
    がレンズであることを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれか一項に記載の干渉縞投影光学系。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか一項に
    記載の干渉縞投影光学系を有することを特徴とする顕微
    鏡。
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