JP2002195353A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

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JP2002195353A
JP2002195353A JP2000395093A JP2000395093A JP2002195353A JP 2002195353 A JP2002195353 A JP 2002195353A JP 2000395093 A JP2000395093 A JP 2000395093A JP 2000395093 A JP2000395093 A JP 2000395093A JP 2002195353 A JP2002195353 A JP 2002195353A
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belt
endless carrier
resin
transmission belt
block
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JP2000395093A
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English (en)
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Shinichi Takagi
晋一 高木
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端キャリアの伸びを小さくして、長寿命の
高負荷伝動ベルトを提供する。 【解決手段】 無端キャリアの長手方向に、摺動可能で
あるとともに互いに接するように多数のブロックを係合
してなる高負荷伝動ベルトにおいて、無端キャリアは樹
脂材2c中に心線2dをスパイラル状に埋設したバンド
Bを複数枚積層した構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vベルト式無段変
速機等に用いられる圧縮伝動式の高負荷伝動ベルトに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から無断変速装置などの高負荷伝動
を要求される用途の圧縮伝動式の高負荷伝動ベルトとし
て、ゴム製Vベルトや特開昭55−100443号公報
に開示されているような金属ベルトが提案されている。
【0003】しかし、ゴム製Vベルトでは高負荷用のも
のであっても最大面圧が0.98MPa程度であり、そ
れ以上のトルクのかかる用途であるとゴム製Vベルトが
高い側圧に耐えることができず座屈変形して、動力を十
分に伝えることができなくなる。また、場合によって
は、故障となってしまう。
【0004】一方、特開昭55−100443号公報に
開示されているような金属ベルトは耐側圧性に優れてお
り、かなりの高い側圧に耐えることができ、座屈変形の
心配はない。しかしながら、一般的に変速プーリも鉄や
アルミニウム合金などの金属材料で構成されている。そ
れで金属ベルトはプーリとの当接面の焼き付きや摩耗を
防止するために、絶えずオイルを供給しながらベルトを
走行させる必要がある。オイル中では摩擦係数が大幅に
低下するため、確実に伝動するためには大きな側圧をベ
ルトに発生させる必要があり、そのために必然的に装置
を大きくしなければならない。また大きな側圧に耐える
ためには鉄(鋼)材などを使用する必要がある。この結
果、ベルト重量が大きくなってしまうという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転数
が速くなるに従い、ベルトに作用する遠心力も大きくな
り、ベルトの伝動性、信頼性に悪影響を及ぼす原因とな
る。
【0006】そこで、オイルフリーで運転ができるよう
な高負荷伝動ベルトとして、特開平11−44346号
公報に開示されているような、ブロック材にアルミニウ
ム合金等の金属表面を耐摩耗性に優れた樹脂で被覆した
ものがある。このベルトは、オイルフリーで運転するこ
とが可能であり、高負荷での伝動効率にも優れた圧縮伝
動式の高負荷伝動ベルトである。
【0007】しかしながら、表面を被覆した樹脂の持つ
耐摩耗性は、例えば、各ブロック同士の摩擦や、ブロッ
クとベルトとの摩擦等により劣化する傾向にあり、定期
的にベルトを点検しなければならない。
【0008】また、このようなベルトにおいて無端キャ
リアは通常複数のバンドを積層して用いられることにな
るが、寸法精度は非常に高いものを必要とする。バンド
の周長が伸びたり変化することによって、ブロックに効
果的にプーリラジアル方向の荷重を与えることができな
くなりベルトの走行に悪影響を及ぼす。また、無端キャ
リア表面が摩耗することによっても同様にベルトの走行
が乱れることになる。そこで、無端キャリアにおいて
も、より伸びや摩耗の少ないものを使用することが求め
られている。
【0009】そこで、本発明では、オイルフリーで運転
可能であるとともに、無端キャリアの伸びや摩耗を低減
すること、またブロックの摩耗や摺動性を改善すること
によって、より長寿命を実現した圧縮伝動式の高負荷伝
動ベルトを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1に記載の高負荷伝動ベルトは、無端
キャリアの長手方向に、摺動可能であるとともに互いに
接するように多数のブロックを係合してなる高負荷伝動
ベルトにおいて、前記無端キャリアが低伸度高強力の心
線をスパイラル状に樹脂材中に埋設した構成からなるこ
とを特徴とする。
【0011】このように、無端キャリアとして心線をス
パイラル状に埋設した樹脂材からなるものを用いること
によって、無端キャリアの長手方向の伸びを非常に少な
いものとすることができるので、無端キャリアが原因と
なるベルトの故障を低減し寿命の長いベルトとすること
ができる。
【0012】請求項2では無端キャリアに埋設する心線
の素材ががアラミド繊維、カーボン繊維、ポリパラフェ
ニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール繊維のいずれ
かである高負荷伝動ベルトとしている。
【0013】これらの素材からなる心線は、張力がかか
った状態でも特に伸びが少ない素材であるといえ、無端
キャリアの伸びが原因となるベルトの故障もより少ない
ものとすることができる。
【0014】請求項3では、無端キャリアを構成する樹
脂材がポリイミド樹脂である高負荷伝動ベルトとしてお
り、表面の摩擦係数を低くすることができるので、バン
ド同士やブロックとの間で摺動してもバンド表面はほと
んど摩耗することがなく、無端キャリアの摩耗によるベ
ルトの走行への影響も少なくすることができる。
【0015】請求項4では無端キャリアの表面の摩擦係
数を0.2以下とした高負荷伝動ベルトとしており、摩
擦による熱の発生や摩耗の問題を低減することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
具体的に説明する。
【0017】図1は本発明の高負荷伝動ベルトの断面図
である。図2は、図1におけるA−A線断面図である。
図1、図2において、本発明の高負荷伝動ベルト1は、
2本の無端キャリア2a、2bを、両側部に設けられた
嵌合溝6、7に嵌合し、その無端キャリア2a、2b上
に多数のブロック3を少なくともベルト長手方向に摺動
可能であるとともに、互いに接するように係止したベル
トであり、プーリ間に巻きかけて走行させると、駆動プ
ーリによってブロックが動かされ、動かされたブロック
のベルト進行方向の前にあるブロックが押されて次のブ
ロックを押してゆき、ベルト全周に渡るブロックが動く
ことによって従動プーリが回転し動力を伝える圧縮伝動
式の高負荷伝動ベルトである。
【0018】本発明にかかる高負荷伝動ベルト1に用い
られるブロック3は、図1に示すように、例えば、エ状
をしており、左右両側側面に2本の無端キャリア2a、
2bを挿入する嵌合溝6、7が開口している。そして、
ベルトがプーリ上で屈曲できるように下方には傾斜面1
0が設けられており、プーリ間でベルトが屈曲していな
いときには、前後のブロックは上方のみが接触した状態
になっている。そして、図2のように、ベルト進行方向
の前面にガイド凸部5を設けるとともに背面には前記ガ
イド凸部5に対応する位置にガイド凹部4を設けてお
り、前後のブロックでガイド凸部5とガイド凹部4が嵌
まり合うことによって、無端キャリア2a、2b上でブ
ロック3が整列するよう構成されている。
【0019】このガイド凸部4とガイド凹部5における
位置は、図示例ではブロック3の上方部のライン上に1
ヵ所設けられている。なお、このガイド凸部4とガイド
凹部5は、左右両側に2ヵ所設けるなど様々な形態が可
能である。
【0020】ブロック3を構成する素材としてはジュラ
ルミン、鉄、チタンなどの金属からなるブロックや、金
属や繊維強化樹脂などからなる高い剛性を有する芯材の
表面に樹脂層を被覆した構成となっている。樹脂層を被
覆することによって、全て金属からなる従来のベルトと
違って、多量のオイルを供給しつづけることなく走行さ
せることができる乾式の無段変速システムとすることが
できる。
【0021】本発明のようなベルトでは、ブロックとプ
ーリとの間の摩擦によって動力を伝達する機構であるこ
とから、ブロックのプーリと接触する部分においてはあ
る程度の摩擦係数を必要とすることになる。
【0022】そこで、樹脂層を構成する樹脂がエポキシ
もしくはフェノール樹脂100重量部に対して補強材と
してカーボン繊維を30〜50重量部充填した素材を用
いることが好ましい、このようにカーボン繊維を所定量
配合することによって適度な摩擦係数を有する素材を得
ることができる。カーボン繊維の配合量が30重量部未
満であるとプーリとの摩擦による樹脂の摩耗量が多くな
ってしまい、50重量部を超えると素材自体が硬すぎて
脆い状態となり耐衝撃性に劣ることとベルト走行中の騒
音が耳障りな高周波側の金属音なってしまうので好まし
くない。
【0023】他に、ブロック3の前後面の少なくとも片
方にフッ素樹脂をコーティングしてブロック同士の摩擦
による摩耗を防止したり、ブロック3の無端キャリア2
との摺動面に同様にフッ素樹脂をコーティングするなど
も可能である。そうすることによって摩耗を少なくし、
ベルトのがたつきが生じ騒音の発生を防止しベルト寿命
を長めることになる。
【0024】コーティングするフッ素としては、ポリ四
フッ化エチレン(PTFE)、4フッ化エチレン・パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PF
A)、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体
(PFEP)ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル
(PFPE)などを挙げることができ、使用形態として
はそれらが塗料になったもの、また、エポキシ、ポリア
ミドイミド、ポリエチレンサルファイド(PFS)系の
塗料に前記のようなPTFE、PFA、PFEP、PF
EPなどのフッ素を配合して得られる塗料を用いてもよ
い。
【0025】また、ブロック3は、耐側圧性や曲げ剛性
を持たせることを目的として、所定のブロック形状に加
工したアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に低
摩擦材を含浸させたアルマイト処理が施されたものを用
いることも可能である。
【0026】ここで、使用されるアルミニウムまたはア
ルミニウム合金としては、A2000番台、A5000
番台、A7000番台等のいずれのものでも良く、特に
限定されるものではないが、アルマイト処理しやすく、
安定した特性を得られるA5000番台のものが好まし
い。
【0027】また、アルマイト処理は、アルミニウムま
たはアルミニウム合金の表面に酸化皮膜を形成する処理
をいい、一般的に良く知られた陽極酸化処理方法が適用
できる。これは、アルミニウムまたはアルミニウム合金
を任意の電解質溶液中で陽極分極し、表面で、以下の反
応式(1)の酸化反応をさせて、その表面に酸化皮膜を
形成するものである。形成される酸化皮膜は、その電解
条件によって、任意の厚みに形成することができるが、
高負荷伝動ベルト用のブロックとしての耐摩耗性等を満
足するためには、20μm〜50μmであることが好ま
しい。これによって、処理後、特にバフ研磨等を施さな
くても、十分に高負荷伝動ベルト用のブロックとして使
用することが可能となる。そして、形成された酸化皮膜
は、六角柱状のセルの集合体であり、各セルの中央には
基材に向かって垂直な孔が貫通したものとなる。
【0028】2Al+3O→Al23 (1)
【0029】形成された酸化皮膜は、前述したように六
角柱状のセルの集合体であり、各セルの中央には基材に
向かって垂直な孔が貫通した状態であるため、そのまま
では、高負荷伝動ベルト用のブロックとして使用するこ
とができないため、孔を封孔する必要がある。この封孔
に低摩擦材を含浸することで、樹脂等によって表面を被
覆することなく、耐摩耗性に優れたブロック3とするこ
とができ、オイルフリーで運転可能な高負荷伝動ベルト
用のブロックとできる。含浸される低摩擦材としては、
潤滑性に優れたフッ素化合物が好ましく、特に、ポリテ
トラフロロエチレンが好ましい。これによって、静摩擦
係数と動摩擦係数の差が小さくなり、スティックスリッ
プを最小限に抑えることができる。
【0030】このように、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金表面をアルマイト処理すると、表面の硬度が、
マイクロビッカース硬度Hmvで250以上とすること
が可能となり、耐側圧性にも優れたブロック3とするこ
とができる。また、低摩擦材を含浸した効果との相乗効
果により、優れた耐摩耗性を長期間にわたり有したブロ
ックとでき、例えば、自動車の車軸駆動用などの軸荷重
が1.7kN以上の場合であっても適用できる。この軸
荷重は、使用するプーリ径に依存するため、軸荷重は
1.7kNよりも低い場合又は高い場合もありうる。
【0031】なお、低摩耗材を含浸させたアルマイト処
理は、基材の全表面に対して施すことはもちろんである
が、任意の部分のみに処理するとも可能である。従っ
て、ブロック3の全面を低摩耗材を含浸させたアルマイ
ト処理することが焼き付きなどの心配もなく、ベルトを
走行させることができるために好ましいが、例えば、ブ
ロック同士の接触面や、プーリとの摺動面にのみ低摩耗
材を含浸させたアルマイト処理を施すことも可能であ
る。
【0032】また、ブロック表面に施す処理として、硬
度が高く、光沢が良く変色しにくく、耐薬品性に優れ、
析出均一性が良い、低摩耗材を含んだニッケル被膜が形
成されていることが好ましい。このニッケル被膜に含浸
される低摩擦材としては、潤滑性に優れたフッ素化合物
が好ましく、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ
フッ化アルコキシエチレン(PFA)、フッ化プロピレ
ン共重合体(FEP)、エチレン四フッ化エチレン(E
TFE)などを使用することができ、特に、ポリ四フッ
化エチレン(PTFE)が好ましい。これによって、静
摩擦係数と動摩擦係数の差が小さくなり、スティックス
リップを最小限に抑えることができる。
【0033】このようなフッ素化合物からなる低摩耗材
が含浸されたニッケル被膜は、無電解ニッケルと前述の
フッ素化合物を、水に硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリ
ウム、乳酸、プロピオン酸、鉛等を配合した処理液中で
共析させ、フッ素化合物を5〜40%、好ましくは10
〜30%含ませて成膜し、その後、熱処理して無電解ニ
ッケルとフッ素化合物を密着させたものである。フッ素
化合物の含有量が5%未満の場合、潤滑性が向上せず、
フッ素化合物を添加した効果が現れない。また、40%
を越えると、表面硬度が低くなり、運転中の摩耗量が増
加するため好ましくない。フッ素化合物からなる低摩耗
材が含浸されたニッケル被膜は、このようにして形成さ
れているため、表面のピンホールを少なくすることがで
き、また、被膜厚のバラツキが少ない被膜層とすること
でき、高い寸法精度で被膜層を形成できる。さらに、被
膜厚を5〜20μmの範囲内で、調整することができ
る。そして、被膜厚を5〜20μmの範囲内で調整する
ことで、表面の硬度もマイクロビッカース硬度Hmvで
300〜600に調整することができる。また、−20
0〜200℃の広い温度範囲で安定した性能を発揮する
ことができる。
【0034】このようにして、低摩耗材であるフッ素化
合物を含んだニッケル被膜層を形成することが可能とな
るため、低摩耗材であるフッ素化合物が、運転中に脱落
することもなく、また、フッ素化合物のみを被覆した場
合よりも硬度が高くなり、ベルト走行中に摩滅したりす
ることがなくなり、長時間運転した場合であって、低い
摩擦係数を維持することができる。
【0035】このブロック3の両側面に嵌合される無端
キャリア2a、2bは、図3に示すように樹脂材2cに
ロープ状の心線2dがスパイラル状に埋設されたバンド
Bを複数枚積層したものからなっており、ブロックとの
間で摺動可能になっている。低摩擦係数で耐摩耗性に優
れる、表面に低摩擦材を含浸したブロック3を使用する
ことで、無端キャリア2a、2b上をブロック3が摺動
して駆動する圧縮伝動方式のベルトにおいても、潤滑の
ための絶え間ないオイルの供給をなくすことができ、よ
りメンテナンスフリーに近づいたベルト駆動装置とする
ことができる。
【0036】無端キャリア2a、2bの樹脂材2cとし
て用いることができる素材としては、ポリイミド樹脂、
芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、芳香族
ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルファイ
ド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂な
どが挙げられるが、バンド同士の摩擦やバンドとブロッ
クとの間の摺動が発生したときに、摩擦係数が低く摩耗
が少ないこと、また寸法変化が好くないといった理由か
らポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
【0037】そして、樹脂中に埋設するロープ状の心線
2dとしては、アラミド繊維、カーボン繊維、ポリパラ
フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール(PB
O)繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ガラス
繊維などの繊維を撚ることによって得られる高強度低伸
度のロープ抗張体を用いることができる。以上の中でも
特に伸びが少ないアラミド繊維、カーボン繊維、PBO
繊維を用いることによって、強度を上げるとともに伸び
の少ない無端キャリアとすることができる。
【0038】また、無端キャリア2a、2bの構造とし
ては、上記に挙げたような樹脂からなる薄いバンドBを
多数枚積層したものを用いる。一枚のバンドBの厚みは
0.1〜0.6mmの範囲で好ましくは0.4〜0.5
mmで用いられ、0.05mm未満であると強度が十分
に得られず特に最下層、最上層においてブロック3との
摩耗により簡単に切断してしまうなどの問題が発生し、
0.6mmを越えるとベルトの屈曲性が悪くなり動力の
伝達効率が悪くなるので好ましくない。
【0039】また、積層枚数は所定の強度を得るために
は2〜10枚、好ましくは3〜5枚の範囲で用いられ、
3枚より少ないとブロック3をプーリ内径側へ押しつけ
る十分な力が発生できないのでブロック3とプーリとの
間の摩擦力が小さくなり、動力の伝達性能が悪くなる。
また、10枚より多層にすると内側の層と外側の層とで
速度差が大きくなりすぎ滑りが生じるので摩耗したり発
熱が大きくなるという問題があり好ましくない。
【0040】また、無端キャリア2a、2bを構成する
樹脂材には短繊維を充填することも可能であり、短繊維
を充填することによって無端キャリア2a、2bの表面
の摩擦係数を低くすることができるとともに、耐摩耗性
を上げることもできる。短繊維として用いられるものと
しては、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、
金属繊維、カーボン繊維等が挙げられ、それらを充填す
ることによって強化樹脂とすることができる。
【0041】また、バンドBの表面の摩擦係数を0.1
〜0.2の範囲に設定することによって、バンドB同士
の摩擦やブロックとの間の摩擦による熱の発生や摩耗を
低減することができるが、繊維分を部分的に露出させた
りして摺動面を補強したり、表面の摩擦係数を調整する
ことも可能である。
【0042】また、摩擦係数の調整方法としては樹脂材
中に二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂か
ら選ばれてなる少なくとも一つを混入する方法を採るこ
とができる。フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチ
レン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエー
テル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレ
ン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレ
ン(PFA)等が挙げられる。
【0043】なお、本実施形態では、2本の無端キャリ
ア2a、2bを用いて、エ状のブロック3の嵌合溝6、
7に装着した場合について説明してきたが、図4に示す
ような略U状のブロックに1本の無端キャリアを使用し
たものであっても構わない。
【0044】この場合のブロック20は、二本の幅方向
部材21、22とそれらを一方の端で連結する連結部材
23からなり、幅方向部材22の片方の端部に無端キャ
リア24を挿入する溝が開口している。そして、左右両
側に各ブロック20を連結するガイド部25、26が設
けられている。なお、本発明にかかる高負荷伝動ベルト
は、以上述べた実施形態例に限定されるものでなく、様
々な形態、例えば、自動車の車軸駆動用や、農機具など
の圧縮伝動式の高負荷伝動ベルトへ適用が可能である。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0046】(実施例)図1に示すような形状の表面に
ポリテトラフロロエチレンを含浸した厚みが30μmの
アルマイト処理皮膜を有するA5052アルミニウム合
金製ブロックを用いたベルトで、無端キャリアとしては
PB0繊維からなる心線をスパイラル状に埋設したポリ
イミド樹脂からなり、厚みが0.5mmで幅が8mmの
バンドを4枚積層したものを用い、高負荷伝動ベルトと
した。
【0047】(比較例)心線の代わりにPBO繊維から
なるエンドレス織布を心体として埋設したバンドを用い
た以外は、実施例1と同様にして高負荷伝動ベルトとし
た。
【0048】実施例及び比較例のそれぞれのベルトにつ
いて表1に示す条件で、軸荷重を変動させて、それぞれ
の伝達性能を調べた。その結果を図4に示す。
【0049】
【表1】
【0050】図5に示されるように、心線を埋設した実
施例のベルトと、心線を埋設していない比較例のベルト
を比較すると、比較例のベルトは走行時間が早い段階で
軸荷重が急激に低下しており、無端キャリアが伸びてし
まっているのに対して、実施例では長期に渡って一定レ
ベルの軸荷重を維持しており、スパイラル状の心線を埋
設している効果が表れていることがわかる。
【0051】また、図6よりスリップ率においても比較
例よりも実施例のベルトの方が少なく優れた性能を示し
ていることがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
高負荷伝動ベルトは、無端キャリアの長手方向に、摺動
可能であるとともに互いに接するように多数のブロック
を係合してなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記無端キ
ャリアが低伸度高強力の心線をスパイラル状に樹脂材中
に埋設した構成からなることを特徴とする。
【0053】このように、無端キャリアとして心線をス
パイラル状に埋設した樹脂材からなるものを用いること
によって、無端キャリアの長手方向の伸びを非常に少な
いものとすることができるので、無端キャリアが原因と
なるベルトの故障を低減し寿命の長いベルトとすること
ができる。
【0054】請求項2では無端キャリアに埋設する心線
の素材ががアラミド繊維、カーボン繊維、ポリパラフェ
ニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール繊維のいずれ
かである高負荷伝動ベルトとしている。
【0055】これらの素材からなる心線は、張力がかか
った状態でも特に伸びが少ない素材であるといえ、無端
キャリアの伸びが原因となるベルトの故障もより少ない
ものとすることができる。
【0056】請求項3では、無端キャリアを構成する樹
脂材がポリイミド樹脂である高負荷伝動ベルトとしてお
り、表面の摩擦係数を低くすることができるので、バン
ド同士やブロックとの間で摺動してもバンド表面はほと
んど摩耗することがなく、無端キャリアの摩耗によるベ
ルトの走行への影響も少なくすることができる。
【0057】請求項4では無端キャリアの表面の摩擦係
数を0.2以下とした高負荷伝動ベルトとしており、摩
擦による熱の発生や摩耗の問題を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高負荷伝動ベルトの一実施形態
例の正面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図を示す図である。
【図3】バンドの要部断面斜視図である。
【図4】本発明にかかる高負荷伝動ベルトの他の実施形
態例の正面図である。
【図5】実施例及び比較例の各ベルトの走行時間に対す
る軸荷重の変化を示す図である。
【図6】実施例及び比較例の各ベルトの駆動軸のトルク
に対するスリップ率の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2a 無端キャリア 2b 無端キャリア 2c 樹脂材 2d 心線 3 ブロック 4 ガイド凹部 5 ガイド凸部 6 嵌合溝 7 嵌合溝 10 傾斜面 B バンド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端キャリアの長手方向に、摺動可能で
    あるとともに互いに接するように多数のブロックを係合
    してなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記無端キャリア
    が低伸度高強力の心線をスパイラル状に埋設した構成か
    らなることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 無端キャリアに埋設する心線の素材がア
    ラミド繊維、カーボン繊維、ポリパラフェニレン−2,
    6−ベンゾビスオキサゾール繊維のいずれかである請求
    項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 無端キャリアを構成する樹脂材がポリイ
    ミド樹脂である請求項1または2記載の高負荷伝動ベル
    ト。
  4. 【請求項4】 無端キャリアの表面の摩擦係数を0.2
    以下とした請求項1〜3に記載の高負荷伝動ベルト。
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